2017年10月19日 14:14
【男から見た結婚のリアル】第5回 ぼくはふざけてなんかいない。多分。
「あ、これ食べます」
お酒がすすんだときのぼくのクセとして「みんなで楽しむ」というものがあります。
みんなというのは、そこの店にいるみんな、つまり彼女はもとより、店員さんやカウンターの隣に座っているお客さんも含めてということ。
その日はすでに遅い時間ということもあり、カウンターにはぼくたちふたりしかいませんでした。
ホールにアルバイトの女子が1名。このアルバイトの女子がまた、マジメな素人とみえて、少し食べ残しているぼくらの皿を頻繁に下げに来るのです。
たとえばウズラの卵の揚げたやつを1つ皿に残しておくと、「お下げします」と言って下げようとするのです。そのたびにぼくは「あ、これ食べます」と言って、下げるのを阻止していました。
が、「これ、食べます」と言っても場が盛り上がらない、つまりアルバイトの女子も含めてみんなで楽しめないなと、酔っぱらいつつある頭でぼくは考えました。
ぼくはふざけてなんかいない。多分。
やおら、案の定、今度は箸休めに注文した「いぶりがっこ(大根の漬物のようなもの)」の最後の一切れを少し齧って皿のすみっこに置いているのを見たバイト女子が、「お下げします」とやってきました。