2016年9月30日 11:12
西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第三十七回目。
つい最近、その日初めて会った人とキスをした。
文字にすると、かなりやり手のように映りますが、残念ながら仕事でのキスでした。
あれ?これまた文字にすると危険な香りがするなあ。
まあ確かに女優という仕事は、少し普通ではないところがありますね。
そう、キスをしたのはドラマでの1シーンでした。
人に「ラブシーンって恥ずかしくないの?」と訊かれますが、実際の撮影はすこぶるプロ的で事務的であります。
顔の角度とか、タイミングとか。
この時も相手役の方に「テスト(本番前には何度もリハーサルをします)からしちゃって大丈夫ですか?」とあっけらかんと訊くと「はい!大丈夫です!」との返答。
何とも色気のないやりとりでありました。
それにしてもキスって誰が考えたんですかね。
どうして唇と唇を合わせようと思ったのだろう。
物心ついた時には、すでにキスは愛情表現という認識で、少女漫画で眺めては、自分のファーストキスはどんな感じだろうとドキドキしていました。
しかし実際の私のファーストキスは、ほとんど事故みたいなもので、味も素っ気もありませんでした。
16歳の夏、私は都内ホテルでCDを片手に某海外アーティストを待っていました。