2019年1月20日 21:00
結婚に焦る優香の話#夢みるOLの終わらない恋のはじめかた
優香も心底驚いていた。真希の顔には薄っすら余裕が浮かんでいるように感じる。「いや驚いたけど、なによりおめでとう!」エリが仕切りなおして、ワインボトルのメニューを取ろうとした瞬間、1人の男性が声をかけてきた。
「すみません。女子会中な感じですか?よかったらご一緒しませんか?」
声をかけてきた笑顔が素敵な男性の後ろには、知的な眼鏡の男性と、高身長で塩顔の爽やかな男性も立っている。来た!!! 優香は心の中でガッツポーズをしていた。実は声をかけられる前から優香からはこの3人組が見えていたのである。特に優香は塩顔高身長の男性がタイプ。
心の中ですでに『井浦新』というニックネームまでつけていた。「そうなんです!ぜひぜひ〜」優香は今日一番の笑顔で自分の隣にスペースを空ける。「なんか邪魔しちゃったかな?」井浦新が聞く。
「全然そんなことないですよ〜!」全員の1オクターブ高い声が揃う。
翌朝、シティホテルのベッドの中で優香は目が覚めた。かすかに聞こえるシャワーの音が心地良い。
「おはよう。体調は大丈夫?」シャワールームから出てきた井浦新は、髪の毛が水に濡れている姿もサマになっている。
「大丈夫です! あの・・・、昨日はありがとうございました! 本当に楽しかったです!」