自分さえ我慢して、待っていればいい。そう思う気持ちと、本当は一真はもう自分に飽きていて、愛情や思いやりをかける必要も感じていないんではないか。長く付き合っている自分は軽んじられているだけなんじゃないか。という気持ちがせめぎ合う。
毎日、一真の心の内を想像しては、自分の中で激しくアップダウンする。おかしなものだ。
現実の一真とは何もやり取りしていないのに、その日の心境次第で、「やっぱりがんばろう」と涙ぐみながら希望を燃やしたかと思うと、次の日には「もうお終いにしたほうが2人のため・・・・・・」とどん底まで落ち込んだりする。
その振れ幅がひどすぎて、たった1人で船酔いしそうだ。
ただこれだけは、言える。
仕事に真剣に取り組む一真が好きだ。絶対に弱音を吐かずに、打ち込んでいる一真が大好きだ。他には誰も考えられないくらいに。
たとえば、たまに友人に連れ出される合コンで、夕方から飲み屋に顔を出して、キレイに整った眉毛でニヤついている男を見ても、全然魅力的には思えない。
こんな時間からチャラチャラやってて、男としてどうなの?と思ってしまう。それに比べたら、仕事に全力投球してる一真は素敵だ。