恋愛情報『【夏目かをる 恋愛小説】眠れない夜 第二章~今日子の場合(1)』

2018年2月25日 19:00

【夏目かをる 恋愛小説】眠れない夜 第二章~今日子の場合(1)

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「ねえ、今度中学の同窓会があるの。あの人、来るかな」「あの人って、だれ?」「あの人は、、、初恋の人」「ええ、やだ、ほんと、初恋の人に会うの」「来るかどうか、わからないけど」「そうなんだ……でもやっぱり会いたいよね」夢の中から若い女性の声が聞こえる。ゆるいまどろみが、ゆっくりと解凍していくように、橘今日子は目が覚めた。深夜の地下鉄日比谷線の中だった。銀座から日比谷線に乗り換えるとぽつんと空いていた席が目に入り、そこに座ると、たちまちすとんと眠りについてしまった。もっと眠りをむさぶりたかったが、車内の照明が眩しくて、今日子は目を細めた。夢の中の会話がリアルに感じたのは、残業の疲れが残っているせいかもしれない。「同窓会、楽しんでね」夢の中で聞いた声が車内から聞こえた。はっとして声の方に視線を移す。ドア付近に、色とりどりの小さなストーンを散りばめた栗色のファーの白いコートに身を包んだ女性と、ラベンダー色のコートを着たロングヘアの女性が立っていた。駅に停止して電車のドアが開くと、白いコートの女性が、ラベンダー色のコートの女性に手を振って下車した。

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