恋愛情報『【夏目かをる 恋愛小説】眠れない夜 第二章~今日子の場合(2)』

2018年3月18日 19:00

【夏目かをる 恋愛小説】眠れない夜 第二章~今日子の場合(2)

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扉を開けると、チャリンという鈴の音が響いた。「あら、今日子。いらっしゃい」カウンターの奥に立つマスターのノブミツがグラスを置いた。カウンターには艶のある白髪の背の高い奥村社長が座っていた。 50歳を少し過ぎた奥村は、紳士で誉れ高く、まさに“ロマンスグレー”の魅力的なミドルエイジだ。「奥村社長、お久しぶりですね」「今日子さん。相変わらず綺麗だね」「ありがとうございます。隣に座っていいですか」「どうぞ」隣に座りながら、今日子はちらりと奥村の顔を覗いた。奥村は珍しく少し憔悴しているようだった。「何を飲んでるんですか」「シャンパンだよ。よかったら、今日子さんもどうぞ」「いただきます」ノブミツがシャンパングラスを置くと、奥村が注いでくれた。ラベルにはドンペリとある。「ドンペリなんて5年ぶりかしら」「しかも最高級クラスよ」ノブミツがもったいないという素振りで、シャンパングラスを手に取る。今日子もグラスの縁の近くから香りを楽しんだ。

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「『カフェソサエティ』では最高級のドンペリも置いているの」「なわけないでしょ。うちは至って庶民的。

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