恋愛情報『【夏目かをる 恋愛小説】眠れない夜 第二章~今日子の場合(2)』

2018年3月18日 19:00

【夏目かをる 恋愛小説】眠れない夜 第二章~今日子の場合(2)

優雅ぶっているけどね」「では、奥村社長の持参」「そうよ、やけ酒が最高級のドンペリだなんて。さすがは奥村さん」ノブミツの皮肉に苦笑いの奥村が、ノブミツのグラスにもドンペリを注いでいく。そのしぐさは優雅で、やけ酒を飲んでいるようには見えなかった。今日子はカウンターをはさんで飲んでいるノブミツと奥村の組み合わせが不思議でならなかった。ジェントルマンの奥村とノブミツは、30年前に二人がヨーロッパに旅行している間に知り合ったという旧知の仲で、ノブミツにとって奥村社長はゲイ以外の数少ない貴重な友だという。「奥村さんでも、やけ酒飲みたくなる夜もあるんですね」「そう…その通り。シャンパンがミスマッチだったな…。やけ酒にはバーボンがいいな」「そうですね。ジンにしたら、アル中になっちゃうかも」「あら、今日子さん」ノブミツの目がパッと輝いた。「『地球に落ちてきた男』をもじったのね。あの映画のラストでエイリアンのボウイはジンでアル中になった」頷いた今日子が「あの映画のデビット・ボウイ、人間離れした美しさでしたね」とうっとりとした表情を浮かべた。すると奥村が「監督はニコラス・ローグだね。『赤い影』は光と音と色の洪水のような映画だった」

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