チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (4/342)
シェイクスピアの“ダークコメディ”交互上演『尺には尺を/終わりよければすべてよし』が新国立劇場中劇場で開幕。初日を前に同劇場で会見が行われた。『尺には尺を』と『終わりよければすべてよし』の2作品は、シェイクスピアの戯曲の中ではそれほど上演回数も多くなく、どちらも最初の全集では“喜劇”に分類されるも、ストーリーもやや複雑で登場人物も屈折したキャラクターが多く、“ダークコメディ(暗い喜劇)”と呼ばれている。この2作品は時をおかず執筆されたと推測され、ストーリー的にも同じテーマを持つ表裏一体のような戯曲。悲劇とも喜劇ともつかないその結末から「問題劇」とも分類される2作品を交互に上演することで、現代劇かとも思わせるシェイクスピアの鋭い視点と同時代性が浮かび上がる。演出の鵜山仁は「今まで見ていなかったことに目がいったり、圧倒されていたことが実は薄っぺらいものだと分かったり、いろいろな意味でストレッチできるので面白い。正解が何かが分からないことがいいし、人生そのものという感じがする」とコメント。初日を迎える心境を問われると、岡本健一は「2本同時に稽古をやって、やっと初日を迎えることができるが、正直全体像が全く見えない。お客さんが入って初めて成立するものではないかと思う。問題作と言われている作品をお客さんがどのように捉えるのか。劇場で体験してもらいたい」と話す。ソニンは「2ヶ月間稽古をして、2倍大変なのかなと思っていたら、4倍大変だった。稽古初日から足を止めず、セリフを喋り続け練習をしてきたけれど、『まだ足りない』とずっと思いながら稽古をしてきた。『2倍』の2乗の『4倍』の2乗で、16倍味わい深い本番になったら」。新国立劇場が2009年~20年に展開した「シェイクスピア歴史劇シリーズ」のチームが再結集している本作。浦井健治は「節度は持っているが、家族のような人が集まっている。10年以上一緒にやらせてもらっていて、亡くなった方もいるが、面影や思いを板の上で感じる瞬間がたくさんある」といい、中嶋朋子も「みんながぽろっと言ってくれる一言で、すごく大きな転換が訪れたり、目から鱗が落ちたりするカンパニー。その一言を待っている自分がいる。この信頼関係は本当に宝物」と語っていた。公演は11月19日(日)まで。取材・文:五月女菜穂
2023年10月25日神奈川県を本拠地とする唯一のプロ・オーケストラとして1970年から活動を続ける神奈川フィルハーモニー管弦楽団(以下 神奈川フィル)が、2024-2025シーズンのプログラムを発表した。神奈川フィルハーモニー管弦楽団の公演情報はこちら2024年4月には、よこすか芸術劇場で『Dramatic Series 歌劇「夕鶴」』が上演される。神奈川フィルの桂冠芸術顧問であり横須賀の地に暮らした作曲家の團伊玖磨は生前、現在の神奈川フィルの音楽監督である沼尻竜典によこすか芸術劇場のことを「横須賀に行ってごらん、ミラノのスカラ座が建っているよ」と語っていたという。團が愛した地で地元の横須賀芸術劇場少年少女合唱団の子どもたちも参加しての公演は、神奈川のオーケストラとして意義深い。定期演奏会では、まず新シーズンのオープニングとなる4月に、2024年に生誕200年を迎えるブルックナーの『交響曲第5番』を、7月には2024年末で活動を終えることを宣言している井上道義の指揮で、ドビッシーの『夜想曲』に加え、伊福部昭の『ピアノとオーケストラのための「リトミカオスティナータ 」』『日本狂詩曲』を取り上げる。11月には神奈川フィルの定期演奏会が400回を迎える。記念すべきメモリアル演奏会を飾るのはヴェルディの『レクイエム』。ソプラノの田崎尚美、メゾソプラノの中島郁子、テノールの宮里直樹、バリトンの平野和、そして「プロ歌手による神奈川フィル合唱団」と大編成の管弦楽で挑む大作に期待したい。2025年1月にはコリヤ・ブラッハーと神奈川フィルの初共演が実現。ベートーヴェンの『ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61』ではヴァイオリンを演奏しながら指揮をする、いわゆる“弾き振り”を目の当たりにできる。続く『交響曲第5番』は、2023年1月~3月に放送された日本テレビ系列のドラマ『リバーサルオーケストラ』でも話題となった。神奈川フィルはこのドラマに出演し演奏を担うことでこれまでのクラシックファン以外の客層からも注目を集め、2023年1月にはドラマ内で演奏された作品を集めたスペシャルコンサートも開催している。沼尻監督は「僕は台詞がなかった」とジョークを飛ばしながらも、その波及効果に感謝し、「チャイコの5番」への意気込みを覗かせた。SNSやYouTubeの動画配信などでもファンを増やしている神奈川フィル。2024-2025シーズンは、2025年4月から休演となる神奈川県民ホールでの最後の一年となるが、神奈川からクラシック音楽の魅力を発信し続けるオーケストラの活躍を見守っていきたい。取材・文:清水井朋子
2023年10月25日ビビッドなネオンにあふれた街の中、クラブ「BREAK FREE」ではヒップホップを愛してやまない男たちが熱いパフォーマンスを繰り広げている。だがある時、政府が「ヒップホップ禁止条例」を制定。ヒップホップ弾圧を始めた。アース(木村慧人〈FANTASTICS〉)らも刑務所に収監され、ソーマ刑務官(阿部顕嵐)らの厳しい監督の下に置かれるが……。break freeとは、「自由になる」こと。ヒップホップが大好きで、ヒップホップは害悪じゃないと全身全霊をもって訴えるアースたちの姿は、コウチ刑務官(高野渉聖)を皮切りに人々の心を動かしていく。ストーリーはシンプル、そして普遍的な、人が自由を求める心を描くものだ。アースやソーマをはじめキャラクターの配置も極めて王道と言える。だが、そこが良いといえるのはアイディアに満ちた舞台装置・映像演出とかみ合ったパフォーマンスの多彩さ、そしてクオリティーの高さがあるから。キャストの肉体や小道具を活かしたダンスはもちろん、アクション、ヒューマンビートボックス、ダブルダッチなども駆使し、観客を飽きさせないステージングが繰り広げられる。プロフェッショナルな人々のスキルが詰まっていて、ゲネプロ前の会見で主演の木村や阿部、デューク役の松田昇大、クガ刑務長役の高橋駿一が語っていたように「全員すごい」としか言いようがない。アース役で舞台初主演となった木村は、キラキラとしたまっすぐな眼差しが印象的。ヒップホップを愛し仲間たちと手を取り合う、正統派のヒーローとしての佇まいは“陽”の魅力にあふれた彼にぴったりだ。そんなアースと対の位置にある“陰”のソーマもまた、阿部の鋭く、しかも憂いを感じさせる持ち味を十二分に活かした役どころと言えるだろう。 ふたりが揃う場面は、大きな見せ場となっている。松田のデューク、後藤大のホーイチ、高橋のクガらも役どころを活かして活躍。ラストの全員揃ってのパフォーマンスでは、刑務官役の面々も笑顔全開になっているのがほほ笑ましい。また、映像特別出演として荒牧慶彦、大野拓朗、唐橋充、spi、高野洸、戸田恵子、東山義久、廣野凌大、福澤侑、松田凌(以上、五十音順)も登場。各々の役回りとせりふで楽しませてくれることにもふれておきたい。ポジティブなパワーにあふれた公演は、IHIステージアラウンド東京にて11月5日(日)まで。取材・文:金井まゆみ
2023年10月24日BiKN 2023実行委員会は、2023年11月3日(金・祝日)に開催するライブイベント『BiKN shibuya 2023(ビーコンシブヤ2023)』の最終アーティストとタイムテーブルを発表した。最終発表されたアーティストは日本を代表するオルタナティブロックバンドOGRE YOU ASSHOLE、フィリピン生まれロス在住で、落日飛車とのコラボも記憶に新しいベッドルームシンガーMichael Seyerがバンドセットで出演する他、日本と中国にルーツを持つシンガーFoi、世界チャートにもランクイン、グローバルに注目を集めるロックバンドNewspeak、世界をめぐり、アジア人としてR&B/ソウルミュージックを発信するNenashi、テラスハウスの出演・発信を経てアジア中にファンを持つTHREE1989、京都をベースに海外での音楽生活も経験しGinger Rootとの共演などますます活動の広がりを見せるYeYe、そして香港の人気インストバンド、Codeという全8組。アジアでも類を見ない、ショーケースと言うにはあまりにも強力すぎるアーティストが集結したBiKN Shibuya 2023。全出演者が出揃い、タイムテーブルが発表されたことにより、どのアーティストを見るか、どう会場をサーキットするかなど悩ましい悲鳴が聞こえてきそうだ。あわせて会場マップも公開となり、ランブリングストリートと百軒店を結ぶエリアにリストバンド交換所、フードトラック、グッズ売り場が出現している。ライブイベントそしてフードなどからアジアの熱波を感じて欲しい。チケットは発売中!
2023年10月20日今年で41回目を迎える『サントリー1万人の第九』が、12月3日(日)大阪城ホールにて開催される。本公演は、1万人がベートーヴェンの「第九」を合唱するコンサートで、総監督・指揮を25年連続で佐渡裕が務める。「サントリー1万人の第九」チケット情報佐渡裕とともに、コンサートを盛り上げる今年のメインパーソナリティーには俳優の田中圭、第1部で楽曲を披露するゲストにはEXILE TAKAHIROの出演が決定した。素晴らしいゲストを迎え、今年は「ブラボーの復活」をテーマに、2019年以来4年ぶりに、一般から募集した1万人の合唱団を大阪城ホールに迎え、力強い歌声とハーモニーを奏でる。ソロ活動10周年イヤーを迎えたEXILE TAKAHIROは、佐渡裕総監督の指揮、オーケストラとの演奏で共演し、1万人の第九合唱団と一緒に歌うスペシャルバージョンの楽曲も披露する。チケットは、10月20日(金)18:00から24日(火)11:00まで先行抽選プレリザーブの受付を実施。
2023年10月20日この秋を彩る来日オーケストラの中でも注目度が高いのがフィンランド出身の天才指揮者クラウス・マケラが率いるオスロ・フィルハーモニー管弦楽団だ。東京芸術劇場で行われたツアー初日のコンサート・レポートをお届けする。オスロ・フィルハーモニー管弦楽団の公演情報はこちらマケラはまだ若干27歳。だが2020年からオスロ・フィルの首席指揮者、2021年からパリ管弦楽団の音楽監督、2022年からロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のアーティスティック・パートナーになるなど、驚くような一流オーケストラから次々と指名が来ているマエストロだ。昨年のやはり10月にパリ管と行った来日公演が大評判となったが、今回は長くタッグを組んでいるノルウェーのオスロ・フィルとの来日。しかも演目は彼自身と同じフィンランドの巨匠シベリウスの交響曲第2番と第5番である。劇場はほぼ満席で、クラシック・ファンの期待がひしひしと感じられる熱い雰囲気だ。長身のマケラが登場して交響曲第2番の演奏が始まった。フィンランドの広大な自然の、深い森や川が互い呼び合い、次第に集まってきているような有機的な音楽が聴こえてくる。第2楽章のファゴットは神秘的な音色、そして第4楽章では金管が迫り来る。後半にはより規模の大きな交響曲第5番。内声のヴィオラやチェロも力強い。最後の和音の連続で終わるまで、重厚なシベリウスの音楽は大きな盛り上がりの中に観客を巻き込んでいった。マケラの才能はまず、作品とオーケストラへの洞察力が並外れていることがあげられるだろう。一年前のパリ管の華やかな響きやラヴェルの「ボレロ」などにおけるソロ奏者の個性が際立つ演奏と比べて、オスロ・フィルの音色はより骨太で、北欧らしい直裁的な響きが魅力だが、そのオーケストラの最高の演奏に立ち会っている、という感覚は変わらない。マケラは作品の本質を見抜くのと同じ深さで、自分が指揮をするオーケストラの美質を見抜く力があるのだ。そしてもうひとつの大きな美点は生命力にあふれた音の響きと、客席への届き方だ。スケールが大きいフレージングと、思い切った棒から生まれるタイミングと音の勢いの見事さ。おそらく生まれ持った音楽性なのだろう。その素晴らしさは録音でも味わえるが、彼の音楽と一体になる幸せは同じ空間にいるからこそだ。終演後の客席では熱い拍手が長く続いた。アンコールに演奏されたシベリウス「レンミンカイネンの帰郷」の疾走感も目を見張るものがあった。取材・文:井内美香■オスロ・フィルハーモニー管弦楽団2023年ツアー 今後の日程10月20日(金)アクトシティ浜松 大ホール21日(土)愛知県芸術劇場 コンサートホール22日(日)フェスティバルホール23日(月)サントリーホール 大ホール24日(火)サントリーホール 大ホール26日(木)熊本県立劇場 コンサートホール※ソリスト:辻井伸行 (10/24以外)
2023年10月20日バンド名は動物のオコジョに由来している、大阪発3ピースバンドOKOJOが、12月に東名阪でのワンマンライブツアー「酔いもさめるようなワンマンライブ」を開催する。公演は、12月7日(木)東京・ Spotify O-nest、12月20日(水)愛知・RAD SEVEN、12月22日(金)大阪・アメリカ村 BEYONDにて。OKOJO チケット情報チケットは、10月21日(土)10:00より一般発売開始。
2023年10月20日令和5年度(第78回)文化庁芸術祭主催公演『11月文楽公演』が、11月4日(土)から26日(日)まで国立文楽劇場にて開催される。本公演には、今年7月に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された人形浄瑠璃の人形遣い、吉田玉男が出演。「11月文楽公演」チケット情報演目は、第1部「双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)」と「面売り(めんうり)」、第2部「奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)」、第3部「冥途の飛脚(めいどのひきゃく)」。11月16日(木)の第2部「奥州安達原」公演前に、吉田玉男によるスペシャルトークの開催が決定した。事前解説を聞いて、舞台をより深く楽しもう。「11月文楽公演/吉田玉男プレトーク付ぴあシート」は、10月20日(金)10:00より一般発売開始。
2023年10月20日歌舞伎三大名作の一つ『義経千本桜』から、2段目の「伏見稲荷鳥居前」(鳥居前)、4段目の「道行初音旅」(吉野山)「川連法眼館」(四の切)が、10月、「立川立飛歌舞伎特別公演」で“忠信篇”として上演される。主人公の“佐藤忠信実は源九郎狐”を、各演目で別の役者が演じるのも見どころの一つ。「吉野山」では市川團子が初役で勤め、その相手役の静御前を中村壱太郎が、「四の切」にも登場して披露する。今年6月の『傾城反魂香』や8月・9月の『新・水滸伝』で共演した二人が息を合わせ、どんな忠信と静を見せるのか。『義経千本桜』の魅力を、「知盛、権太、忠信という3人のカッコいい主人公がいて、一つの物語としてきれいにつながっている」ところにあると話す團子に続いて、「今回はその一人の忠信を追っていける構成になっているので、歌舞伎を初めて観る方にもわかりやすい」と壱太郎。しかも、上演されるのが市川猿翁さん監修のバージョンとあって、けれん味もたっぷりだ。忠信は実は狐の化身で、幼い頃に父母が捕らえられて鼓の皮にされてしまい、親を慕って鼓を持つ静御前に付き従っているのだが、「猿翁のおじさまの『四の切』は、子狐のかわいらしさや親を思う気持ちが伝わってくるので、静御前も自然にほだされていくんです。今回の『四の切』で忠信を演じられる(市川)青虎さんもそれを受け継がれていますから。お子さんがご覧になってものめり込める楽しい要素がたくさん詰まっている作品になると思います」と壱太郎は語る。猿翁の孫の團子は、祖父の著書などから、「芝居は子どもが遊ぶように無心でやるのがいい」といったことを学んできた。「吉野山」についても、「祖父が言っていた通り、場面ごとの意味を忠実に表現できるようにしたい。また、静御前とは主従関係なので色気がありすぎてもいけないけれどもなさすぎてもいけないその微妙なところを探り、物語のところは、しっかりと戦の情景や、人物の感情が伝わるように演じたい」と話し、それを受ける壱太郎は、「何度もやってきた静御前が、團子くんの忠信によってどう変わるのか楽しみ」と期待を高める。演目の前には「ご挨拶」として團子と壱太郎が話す時間もある。團子が壱太郎を「常に『大丈夫だよ』と励ましてくださる温かく優しい先輩」と称し、壱太郎が團子を「芝居への熱い思いがあって、知らぬ間にみんなを引っ張ってくれている」と語るその素顔も、覗けるかもしれない。取材・文:大内弓子■公演情報立飛グループ創立100周年記念事業 立川立飛歌舞伎特別公演公演期間:2023年10月25日(水)~28日(土)会場:立川ステージガーデン
2023年10月19日ROTH BART BARONのニューアルバム『8』が10月18日に配信リリースした。コロナ禍でもアクティブなリリース&ライブ活動を続け、渡航不可の環境下で日本にフォーカスし社会と向き合った近年の三部作『極彩色の色彩』、『無限のHAKU』、『HOWL』。これらを経て、ROTH BART BARON・三船雅也の拠点は昨年末からドイツと日本の2カ国となった。ドイツ・ベルリンでの新生活という大きな環境の変化は創作の原点回帰に繋がり、今、響かせたい音楽を追求しながら8枚目の最新アルバム『8』が完成。『ROTH BART BARON TOUR 2023-2024『8』』チケット情報三船雅也が一番やりたかったことは、世界との接続を再開した2023年に描かれる10編の"ジュブナイル物語"を描き出すこと。このサブスク時代に6年連続でアルバムをリリース、一心不乱に音楽を作り続けながら活動を日本・ドイツとの2拠点に拡張。ROTH BART BARONが世界での活動を視野に入れながら、未来へと新たなる扉を開く会心の一作となる。アルバムのテーマは"ジュブナイル"。収録曲全10曲がインスパイアされた10編のショートストーリーが展開されるSNSエンターテイメント #AlbumChainTrailor。手がけるのは「THE FIRST TAKE」やNHK総合の音楽ドキュメンタリー「おかえり音楽室」のクリエイティブディレクターである清水圭介と、数多くのCM、MVの映像作品を手掛け、CM作品ではROTH BART BARONとも共作経験を持つ、映像作家・安田大地。このタッグにより制作されたアルバム全10曲のショートストーリー作品が10月18日(水)より10日間に渡り、毎晩21時にROTH BART BARONのSNSにて公開される。8人の少年少女たちによる10編のジュブナイル・ストーリー。それは新感覚のプロモーション映像でありエンターテインメントでもある。アルバムというフォーマットで大きな物語を描き切ることにもこだわってきたROTH BART BARONにとっても新たな表現手段が具現化された映像作品。『8』は『∞』にも形を変え、本作で歌われる子どもたちや、リスナーの無限の可能性へと繋がっていく。なお、ROTH BART BARON TOUR 2023-2024『8』は11月4日(土)仙台 darwinよりスタートする。チケットは10月22日(日)23:59まで第2弾プレリザーブ受付中!
2023年10月19日シンガーソングライター、音楽プロデューサーのMaika Loubté(マイカ・ルブテ)が、新作ミニアルバム「mani mani」(マニマニ)を10月18日(水)にリリース。収録曲「Melody Of Your Heart」のミュージックビデオが公開となった。『Maika Loubté Solo Show「art of mani mani」』チケット情報本作品「mani mani」は、先行シングルとしてリリースされている「Ice Age」「Rainbow Light Eyes」「Inner Child」「A+B=C」など、シンセポップ、EDM、ブレイクビーツ、アンビエントなどを自由に往来する全7曲を収録。アルバムのタイトルにもなっている「mani mani」とは、"成り行き、~のままに"という意味を持つ日本の古語「まにまに」から着想を得ている。百人一首に登場する「~神のまにまに」という一節から、「人生の中で自分の力ではコントロールできない出来事に対峙したとき、成り行きを肯定する」というポジティブな意味が込められている。何もかもがめまぐるしく変わっていく不確かなこの時代に、自分の人生を信頼し、この日この一瞬のプロセスを成り行きのままにサバイブしていく楽しさと喜びを教えてくれる作品だ。ビデオが公開となった「Melody Of Your Heart」は、心臓の鼓動が題材となっている。作詞は実弟のKeisei Loubtéが手掛けた。歌詞中にある「君が生き抜いてきた毎日は君の心の旋律今夜会えてうれしいよ」(和訳)という一行は、Maikaが去年の出産後に新生児集中治療室にいる我が子に毎日会いにいっていた出来事からインスピレーションを得た歌詞だという。また、Maika自らが手掛けたジャケット写真のアートワークにも繋がっている。生成AIを使ってハートの形を模した心臓をサーモグラフィ画像で表現。寒色の心臓が"死"、暖色の心臓が"生"として、それぞれをあるがままに受け止めて観測する、という死生観が映し出されている。11月16日(木)には渋谷WWW Xにてワンマンライブ「art of mani mani」(アートオブマニマニ)が開催。サポートメンバーには、今話題のバンドBREIMENのドラマーSo Kanno、マニピュレーターにはフィールドレコーディングなどの分野で活躍するSountriveを迎えたスペシャルな編成。更にゲストアーティストにはAAAMYYY、LISACHRIS、鎮座DOPENESSが登場。チケットは一般発売中。
2023年10月19日三宅裕司が主宰を務める「劇団スーパー・エキセントリック・シアター」の最新作となるミュージカル・アクション・コメディー『ラスト★アクションヒーロー ~地方都市に手を出すな~』が10月19日(木)よりサンシャイン劇場にて上演される。10月上旬に行われた通し稽古の見学に足を運んだ。公安特殊部隊の風見(長谷川慎也)は、極秘に開発された超小型スーパーコンピュータの回収の命を受け、ある地方都市へと赴き、TV番組の撮影に来たクルーを装い町に潜入する。すでに町には、世界で暗躍するスパイ組織「サムライ・ブルー・ミッション」の腕利きのスパイ・影谷(栗原功平)が同じ目的で潜入しており、町の人々を巻き込みつつ、水面下での攻防が展開する。今回の物語の舞台はどこか牧歌的な雰囲気が残る地方都市。“地方都市”と“スパイアクション”という2つのワードのギャップの激しさが桁違い、まさにこの落差が物語に面白みを与えている。『ラスト・アクション・ヒーロー』と聞くと、アーノルド・シュワルツェネッガー主演のハリウッドのアクション大作映画を思い出す人も多いかもしれないが、本作もアクション満載!公安特殊部隊の訓練に始まり、町の若い女性たちが結成した“アクションサークル”のパフォーマンス、そして公安とスパイ組織が繰り広げる戦いなど、全編にわたって「これぞスーパー・エキセントリック・シアター!」とも言うべき質の高いアクションが展開する。特にクライマックス、風見と影谷が互いの意地とプライドをかけた壮絶な戦いは、ハリウッド大作も顔負けだ。また “ミュージカル”と“コメディー”と銘打っているだけあって、随所に歌唱あり、笑いもありの2人のやりとりは、SETファンが待ちに待った爆笑コーナーの復活だ。芝居なのかアドリブなのか、劇団を44年引っ張ってきたコメディセンスを見せつける。一方で、物語の肝となる、超小型スーパーコンピュータの行方に関しては、世相や社会情勢なども巧みに取り入れた意外な結末となっており、歌にアクション、笑いにドラマと存分に楽しめる作品になりそうだ。取材・文:黒豆直樹
2023年10月18日印象派を代表する巨匠、クロード・モネの作品だけを集めた展覧会「モネ 連作の情景」。東京・上野の森美術館と大阪・大阪中之島美術館で開催されるこの展覧会の音声ガイドで展覧会ナビゲーターを務めるのが俳優の芳根京子(解説ナレーターは声優の下野紘が担当)だ。初めての挑戦となる音声ガイドの収録後、芳根に話を聞いた。「声だけで情報を伝えるのは、すごく難しくて!でも、実際に絵を前にして音声ガイドを聞いてみたら、きっと絵の印象が大きく変わると思います。だから私自身、音声ガイドを聞きながら絵を見るのが今から楽しみです」この展覧会の特別番組のためにフランスに飛び、モネの作品はもちろんのこと、モネが作品に描いた実際の風景を目にした芳根。「モネが描いた実際の景色は、決して誰もが認める“映える”場所というわけではないんです。むしろ、普通だったら素通りしてしまいそうな、ごく日常の風景。だからこそ、モネの描いた絵を観たとき、そんななんでもない場所をここまで魅力的に切り取ることができる人なんだなと改めて感じました」「100%モネ」を謳う今回の展覧会では、日本初公開を含む60点以上を展示。同じ場所やテーマを異なる季節や天候、時間で描いた「連作」に焦点を当てる。実際に連作を目にした芳根も、その魅力を語る。「同じ場所やテーマが並ぶことで、その違いが見えてくるんです。きっと季節や天気の違いだけじゃなく、描いた日のモネの状態も反映されていると思うんですよ。そう思うと、モネの目が見た景色を体験できる感覚になる。それが贅沢だなあと思います」これまで、美大卒の母に連れられて美術館に行くことが多かったという芳根。今回、展覧会ナビゲーターを務めたことをきっかけに、モネの魅力にさらに惹かれるようになったという。「美術館にあまり行ったことがない方には、実物の絵からは教科書やWebで見るのとは全く違うものが受け取れるよってことを伝えたい。モネを少しでも知っている方には、一歩深く踏み入って、モネの人生を知ってほしいと思います。私自身、今までは美術館といえば母からのお誘いばかりでしたけど、今回は私から誘って行ってみたい。今回初めて、母が知らないモネのことを伝えることができるかも、と思うとうれしいです」取材・文:釣木文恵
2023年10月18日あべのハルカス美術館で2023年11月12日(日)まで開催中の「安野光雅展」。本展の企画者で、フリーキュレーターの林綾野さんによるオフィシャルレポートが届きました。安野光雅展 チケット情報1926年(大正15年)、島根県津和野町に生まれた安野光雅。画家になるのが少年の頃からの夢だった安野は23歳で上京し、美術教員のかたわら本の装丁などを手がけます。デビューは遅く、42歳のとき。教え子の保護者が福音館書店の編集者で、「おもしろい美術教員がいる」とその才能を見出しました。そして生まれたデビュー作が『ふしぎなえ』です。林綾野:安野先生が今までにない絵本をつくりたい、文字のない、絵を見る絵本をつくりたいとお考えになってできたのが『ふしぎなえ』です。エッシャーの世界観に影響を受けて、安野風不思議ワールドにアレンジしてできたのがこの作品(《ふしぎな絵》1968年)です。林綾野:この絵に安野さんの魅力がいっぱい詰まっています。まず2冊の本を見てください。クイーンのトランプを見ると、本の厚みは同じなのに、奥を見ると高低差が出来ていますね。そして、トランプが切り取られて本のプールのコース台になっている。絵の中のはさみとテープを使ってこの楽しい世界観が出来上がっていますが、この不思議な世界は四角の線で囲まれた本の世界だけの空間なんです。林綾野:こちらは初期三部作のひとつ、『ふしぎな さーかす』です。この絵(《ふしぎなさーかす》1971年)は、ゆがみ絵というだまし絵の一種です。絵のこちらから見ると...林綾野:こどもたちが紙の絵本を実際に手に取ってめくりながら、いろんな角度で楽しめるように、という工夫をこらしてあるんです。そして林さんからもう1冊、『蚤の市』をご紹介いただきます。林綾野:『蚤の市』は、ある市場の様子を朝から夕方まで追ったものです。本当にありとあらゆる物が売られていまして、安野さんの本もあるんです。私、本当にこの本が好きで、安野光雅さんにどうやって描いたんですか?って聞いたことがあるんです。「左上から描き始めて、どんどんどんどん描き進めて、最後は右隅でピタッと終わるように描くんだ。これが職人技で醍醐味なんだ」っておっしゃっていました。全ページがそのように描かれているんですね。安野さんのそういう姿を思い浮かべながら、この作品を見ていただきたいです。特別出品:『旅の絵本Ⅹ』からも原画2点を展示しています。
2023年10月18日紅葉の名所としても知られる京都を代表する禅寺の一つ「東福寺」(京都市東山区)の寺宝をまるごと公開した特別展が、10月7日から京都国立博物館で開催されている。特別展『東福寺』 チケット情報「東福寺」は鎌倉時代、摂政・関白を務めた朝廷の最高実力者、九条道家が奈良の東大寺と興福寺を合わせたような大寺院を目指して、中国に留学した高僧、円爾(えんに)を迎えて創建された禅宗寺院。同展では国指定の文化財を100件以上も保有する「東福寺」の特大サイズの仏像や書画、彫刻、調度品などが一堂に会し、同寺の歴史と文化を体感できる内容となっている。特に重要文化財に指定されている同寺所属の絵仏師 吉山明兆による「五百羅漢図」は、14年に渡る修理期間を経て今回全幅が初公開され、同展最大の見どころ。「五百羅漢図」は釈迦の弟子500人の羅漢が1幅に10人ずつ描かれた色鮮やかな巨大連作で、僧院での生活の様子など50幅(復元模写を含む)が会期中4期に分けて公開される。ほかにも仏教彫刻や特大サイズの香炉・燭台などの調度品、また明治初期に焼失した巨大本尊の2メートルを超える左手「仏手」も展示され、中世の大建築だった同寺のスケールを体感できる。禅宗美術の中心、東福寺の寺宝を一挙に見られる大規模な展覧会の特別展『東福寺』。この貴重な機会に禅宗美術・文化を体験してみてはいかが。同展は12月3日(日)まで(前期は11月5日まで)開催。当日券はチケットぴあで好評発売中。取材・文・撮影/滝野利喜雄
2023年10月18日2022年末に北米でスタートし、記念すべき海外巡回1か国目として東京で大盛況となった「ディズニー・アニメーション・イマーシブ・エクスペリエンス」が、2023年12月2日(土)から2024年2月18日(日)まで堂島リバーフォーラム(大阪・中之島)にて開催される。『ディズニー・アニメーション・イマーシブ・エクスペリエンス』チケット情報『ディズニー・アニメーション・イマーシブ・エクスペリエンス』は、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオと、ライトハウス・イマーシブ・スタジオの協力のもとお届けする、まるでディズニーのアニメーション映画の中に入り込むような体験を生み出すディズニー初の完全没入型イベントだ。2022年末に北米でスタートし、日本が記念すべき海外巡回1か国目となる。ディズニー・アニメーションが生み出した名作映像と名曲を通じて、ディズニーの芸術とレガシーの世界に足を踏み入れ、『アナと雪の女王』『リトル・マーメイド』『ベイマックス』などのクリエイターによる音楽、アート、そしてアニメーションに囲まれる貴重な空間をお届けする。限定ステッカー付チケットは発売中。通常チケットは、10月21日(土)10:00より発売開始。
2023年10月17日歌舞伎座で上演中の「錦秋十月大歌舞伎」は、昼の部・夜の部共に古典の名作から新演出の演目まで、ゆっくりと文化芸術を楽しむ秋にふさわしい作品が並んだ。昼の部(11時開演)は、鶴屋南北らしいケレン味が味わえる『天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)』と、山田洋次監督の新演出による『文七元結物語(ぶんしちもっといものがたり)』。夜の部(16時30分開演)は、ふたりの力士のやりとりを描いた『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)角力場』と、菊の精たちの華やかな舞踊『菊』、ご存じ黄門様が活躍する『水戸黄門 讃岐漫遊篇』だ。今回は、日本を代表する名監督・山田洋次が、落語家・三遊亭圓朝の人情噺『文七元結』をもとに脚本と演出を一新して贈る『文七元結物語』をピックアップ。腕の立つ左官の職人だが博打好きの長兵衛には中村獅童、その女房・お兼には寺島しのぶという絶妙な配役にも注目だ。物語は、吉原「角海老」の前にみすぼらしいなりをした少女・お久(中村玉太郎)が現れるところから始まる。女将のお駒(片岡孝太郎)がなぜ来たか問うと、実の父・長兵衛が酒と博打で身を崩し、借金を重ねた挙句、優しい義理の母・お兼に手を上げるのを見かねて身売りをしにきたのだと答える。あかぎれの手を震わせながら話すお久と、吉原の女将らしく貫禄を漂わせながらも、少女の訴えに真剣に耳を傾けるお駒の表情が胸を打つ。場面が変わって長兵衛の家では、今日も博打で負けて着物まで取られた長兵衛が。そこへ、お久が帰らないのを心配して探しに出ていたお兼が戻ってくる。長屋の女房たちとしゃべりながら登場した寺島は、いかにも貧乏長屋の女房らしいこしらえ。お久のことを心から想いつつ長兵衛をなじる姿は、歌舞伎の舞台に溶け込みながらも、芯の強さを感じさせる佇まい。人はいいのだが甲斐性なしの長兵衛に扮した獅童も絶品で、寺島とのあうんの呼吸が楽しい。演出に加え舞台セットや照明にも山田監督の手腕が光り、人情の機微を描く名作『文七元結』の魅力を改めて感じた。その他、尾上松緑が躍動する『天竺徳兵衛韓噺』や、人気力士に扮する獅童と坂東巳之助の対比が面白い『角力場』、秋にピッタリなモチーフの舞踊『菊』など、多彩なラインナップ。坂東彌十郎が水戸光圀公に、中村福之助と中村歌之助が“助さん格さん”に扮する『水戸黄門』は、48年ぶりの上演。どれも見逃せない十月となった。取材・文:藤野さくら
2023年10月16日2013年からBSテレ東にて放送されてきた人気歌番組「徳光和夫の名曲にっぽん」が放送10周年を記念し明治座の舞台で上演される。公演を前に徳光和夫が歌謡曲への愛や歌番組への思いなどについて語ってくれた。今回、明治座で上演されるという快挙に徳光は「まさかこんなことが実現するとは」と驚きと喜びを口にする。長く歌番組に携わってきた中でも「大きな喜びという意味では2つ目ですね。『年忘れにっぽんの歌』を玉置宏さんから引き継いだ時、『歌番組をやってきてよかった』と思ったけど、今回、また違う形で自分が司会をする番組が明治座で…」と感慨を口にする。2013年にスタートした同番組だが「最初は“通りすがり”のようなもので、軽い気持ちでお引き受けしたというのが偽らざる出発点」と明かす。当初は半年で終了する予定だったが、制作陣の予想を超えて人気番組へと成長した。思い出深いエピソードを尋ねると、徳光は丘みどりをゲストとして呼び寄せたエピソードを明かす。「当時、関西の深夜のローカル番組でアシスタントをしていたみどりちゃんが、超ミニスカートで『越冬つばめ』を歌っているのを見て、声の伸びが素晴らしくて、演歌の歌心を感じて、番組に来てもらえないかとお願いしました」。徳光に背中を押された丘は、2017年にはNHK紅白歌合戦に出場するまでの人気歌手となった。また番組でムード歌謡の名曲を山内惠介や真田ナオキ、新浜レオンら若い歌手に歌わせたのも徳光の功績のひとつ。ファンの好評を得て、いまでは彼らのコンサートでもムード歌謡が歌われるようになった。「ムード歌謡を絶やしてほしくないという思いでした。歌番組の司会者には、過去の名曲や隠れた名曲をつなげていく役割が課せられていると思うし、それがこの番組でできたと思います」入社1年目で歌番組担当となったが「僕は長嶋(茂雄)さんの一挙手一投足を自分の言葉で伝えたくてアナウンサーになった人間なので、ちょっと残念でした」と明かす。だが、美空ひばり、北島三郎、加山雄三らの歌唱に触れ、グループサウンズの興隆を目撃するなど「歌番組の中心で、歴史を“体感”することができたのは、アナウンサー人生を振りかえって3本の指に入る感動です」と語る。こうした経験を踏まえ、今回の明治座公演では「TVの内側や変遷についても語れるんじゃないか?これまでの明治座の舞台とは違うものがお届けできるんじゃないかと思っています」と意気込みを口にした。公演は、11月14日(火)~11月20日(月)まで。取材・文:黒豆直樹
2023年10月16日世界最高峰のエンターテインメント集団シルク・ドゥ・ソレイユによる『ダイハツ アレグリア 新たなる光』日本公演が、10月15日(日)の大阪公演をもって、ついにフィナーレを迎えた。シルク・ドゥ・ソレイユ5年ぶりかつ14作品目の来日公演となった本作は、2023年2月8日(水)の東京公演グランドオープニング以来多くのお客様にご来場をいただき、東京公演の来場者数は520,150人、大阪公演の来場者数は327,300人、日本公演の総来場者数は847,450人となった。日本公演千秋楽を迎えた大阪公演会場の森ノ宮ビッグトップは、いつも以上の熱気と興奮に包まれた。ショーのフィナーレでは、公演の閉幕を惜しむかのように立ち上がって割れんばかりの拍手を送るたくさんのお客様に応えて、アーティストたちがステージへ再登場。客席へ向けて「日本公演来場者数84.7万人」を告げるボードを掲げると、会場からはアーティストたちを祝福する大きな歓声や拍手が鳴り響いた。『ダイハツ アレグリア 新たなる光』日本公演※全308公演■ダイハツ アレグリア-新たなる光- 東京公演(全182公演)公演期間:2023年2月8日(水)~2023年6月25日(日)会場:お台場ビッグトップ■ダイハツ アレグリア-新たなる光- 大阪公演(全126公演)公演期間:2023年7月14日(金)~2023年10月15日(日)会場:森ノ宮ビッグトップ
2023年10月16日2013年より実施されている大阪が誇るハードコア・パンクバンド、RAZORS EDGE主催のライブサーキットイベント『STORMY DUDES FESTA 2023』が11月3日(金・祝)に開催する。『STORMY DUDES FESTA 2023』チケット情報大阪心斎橋、アメリカ村にあるBIGCAT、SUNHALL、ANIMA、Pangea、BRONZE、HOKAGE、SHINKAGURAの7会場。今年は、BIGCATが加わり7会場となる。出演者は全54組に決定し、遂にタイムテーブルが発表された。主催のRAZORS EDGEは今回BIGCATで大トリを務める。是非、熱く激しい盛り上がりをみせるだろうライブ会場へ足を運んでみて!チケットは、10月19日(木)11:00まで先行抽選プレリザーブ受付中!
2023年10月16日フィンセント・ファン・ゴッホという画家の名前から、自然と『ひまわり』を思い浮かべる人は多いのではないだろうか。『ひまわり』は言うまでもなく、花や果実、文具や楽器など、それ自体では動かないもの(静物)を描いた、「静物画」と呼ばれるもの。ゴッホに限らず、多くの画家たちが静物画を描いている。そして、ゴッホとその他の画家たちによる静物画に焦点を当てた展覧会が、今回の『ゴッホと静物画-伝統から革新へ』だ。その音声ガイドのナビゲーターである声優・福山潤は、もともとゴッホに対して“不遇な人”というイメージを抱いていたという。しかし、ガイドの収録を通して「そういうイメージは、自分の耳をカミソリで削ぎ落としてしまった事件などでセンシティブな、コミュニケーションが苦手な人だったように感じてしまうからなのかも。映画やドキュメンタリー、漫画など、多くのエンターテインメントの題材としてさまざまなゴッホ像が描かれているけれど、“絵が好き”だということだけは共通していて、ブレていない。彼が残した絵は結構華やかだし、色合いもすごく前向きにとらえられるものが多いですし。それこそが作品を通して伝わる、彼の実際の姿だろう」と感じたのだとか。福山は、今回ナビゲーターを務める機会を得て「とても嬉しかった」と笑みを浮かべる。「音声ガイドは作品を目で楽しみながら、その作品の背景などの情報を知ることができる。音声ガイドを全部通して聞くことによって美術展の主催者が展示作品の選定や順番も含めた会場の構成などを通して、ひとつの催しとして何を伝えようとしているのか知ることもできる。楽しみ方は多岐にわたります。それにナビゲーターとしては耳で情報を伝えつつひとつの役回りを演じるわけで、声優にとってとても魅力的なジャンルだと思います」この展覧会で見られるさまざまな作品を、福山は「『ひまわり』を見るためにだけ来ていただいてもいいし、どういう角度から楽しんでいただいてもいい。今回はゴッホに影響を与えた静物画、ゴッホから影響を受けた画家たちの静物画もありますし、ご自分の中で『これ、好きだな』という1枚を見つけていただければ」と語る。そして「音声ガイドでは、画家の心情なども含めた絵の情報を、鑑賞の邪魔にならないようにお届けするように務めました。ぜひ音声ガイドも含めて全体の模様を楽しんでいただけたら幸いです」と締めくくった。取材・文:金井まゆみ
2023年10月16日KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『SHELL』が2023年11月11日(土)~26日(日)まで同劇場で上演される。脚本家の倉持裕と、演出家の杉原邦生という演劇シーンを牽引する二人の初タッグ作品として注目したい。倉持は「(同劇場芸術監督である)長塚(圭史)さんから『貌』というテーマを言われて。『家族のカタチ』といった観念的なものを示そうかとも思ったが、直接的に『顔を変えて生きている人間』を主人公にすることにした。ただ、変身を便利に使ってしまうとヒーローものになってしまうから、それが枷になっている話にしようと思い......」などと本作の着想を語る。本を託した杉原に対しては「本当に楽しみ。邦生くんの演出はオシャレだから。彼の演出で、舞台の空間に余白がいっぱいある美しい作品を観てきたので、観客の想像に委ねるところも多い本作にも合う気がする」。一方の杉原は「議論を重ねていく中で世界観がクリアになっていったが、『これはどうなるんだ?』という謎も増えていって。そういう不条理さも説明しすぎずに突っ走った方が、劇としては面白いのではないかということに落ち着いた。面白い本だなと思う反面、演出は難しそう」。倉持については「今回改めて新作を読むと、無駄がないことがすごいなと。つい演出家の“クセ”で、カットできそうな部分を探しながら読んでしまうが、必要な言葉だけが描き込まれている」と評した。石井杏奈や秋田汐梨らのキャストは「いい意味で色がなく、透明感がある」(杉原)。若手音楽家の原口沙輔も「無理なく等身大の感覚で音楽を作っている気がする。同時に外に開いていく意識も見えて、こういう音楽家が舞台音楽をやったら面白い化学変化が起きるのでは」(杉原)と期待される。観客に対して、倉持は「今回はプロットを組まずに、悩み苦しみながら書いた。その分、打ち合わせを重ねての改稿の時間は楽しかったし、どんどん良くなっていった。丁寧に作られた本という実感があり、ほかにはない芝居になるのでは」。杉原は「芸術は、普段出会えないものに出会える場。ちょっと不思議で不条理な世界観だが、今僕たちが抱えている社会の問題が見え隠れするし、共感できる部分もいっぱいあると思うので、楽しみに劇場に来てほしい」と語った。京都公演は12月9日(土)、10日(日)。取材・文:五月女菜穂
2023年10月13日『イッセー尾形一人芝居』が11月25日(土)~26日(日)に神戸朝日ホール(神戸市中央区)、12月1日(金)~3日(日)に有楽町朝日ホール(東京都千代田区)で上演される。市井の人々のわずかな出来事を瞬間的にとらえ、豊かに展開させる一人芝居。一人芝居の第一人者とも言うべきイッセー尾形は「自分の本分は一人芝居にあると思っていますから、それを定期的にやらせてもらえることは、やっぱりありがたいなと思います。僕としても1年の最後には“有楽町”があることが一つの節目で、次の年にまた乗り出していくサイクルになっています」と話す。芝居の中で描かれる人物はバラエティ豊か。どのように造形しているのか尋ねると、意外にも人間観察はしないという。「昔はね、観察をしにいったこともあるんですけど、面白くないんです。でも、観察した“風”に作った方がはるかに面白いと気づいてからは、僕の頭の中で人間を作っている。例えば〈頭を叩かれたから痛い〉〈喉が乾いたから水を飲む〉といった行為は万人の常識でしょう?だから、これを外すわけにはいかない。一方で、僕の知らないルールもいっぱいある。それは何なのだろうと想像していくことで、ネタができていく」といい、「それに、舞台上に出てきた人間が面白ければいいわけです。僕が人間観察をしたか、していないかという出処はどうでもいいんですよ、お客さんにとってはね」。そうして本番のギリギリまでネタを練る。「一番最後に思いついたものが一番面白いと信じている」からだ。今回の公演は、今年4月に近鉄アート館(大阪市阿倍野区)で立ち上げたネタを“成長”させていくという。「このネタはどこが面白かったのか。一旦引いて考えてみてね。どれだけネタが成長したか、あるいは成長しつつあるかを見て欲しい」と語った尾形。そして、「時代はますます混迷していくでしょうが、それに似合ったネタ作りになってくると思うんですね。混迷してるからこそ、半混迷のネタではなくて、時代より混迷したネタを作ってやろうと思って。で、それがちゃんとコメディになるようにしたい。笑うこと自体が一つの認識ですから。時代を笑ってやりたいですね」とも話し、まだまだ衰えない創作意欲を見せていた。 取材・文:五月女菜穂
2023年10月13日新国立劇場の2023/2024演劇シーズンが、シェイクスピアの作品群の中でも“問題劇”、“ダークコメディ”と呼ばれる『尺には尺を』、『終わりよければすべてよし』の交互上演という新たな試みで幕を開ける。初日を約3週間後に控えた9月下旬、稽古場に足を運んだ。この日、行われたのは『尺には尺を』の稽古。旅に出る公爵(木下浩之)の代理でウィーンの統治を任されたアンジェロ(岡本健一)が、法を杓子定規に解釈し、婚前交渉を禁ずる姦淫罪でクローディオ(浦井健治)に死刑を宣告したことから、浮かび上がる様々な人間の欲望や矛盾を描き出す本作。まずは序盤、旅に出たはずの公爵が、修道院の神父(内藤裕志)を訪ね、アンジェロにウィーンの統治を託した理由を説明するシーン。さらに、アンジェロの人間性について「あまりにも謹厳」「血が通っているとも思えず」などと評す。演出の鵜山仁は俳優陣に、公爵の言動や意図について「アンジェロを実験材料に、人間がどういうものかを知りたいんじゃないか。他者を裁く局面で、厳格な人間性が和らぐのではという期待もあるし、それは自分の導きにもなるという思いもあるんじゃないか」と語る。このように俳優陣と解釈について対話を重ねつつ、落とし込んでいくのが、このカンパニーの特徴と言える。この日も、シーンの合間にソニンが鵜山に質問をぶつけ、話し込む姿が見られた。続いて、行われたのは主要人物が一堂に会してのクライマックスのシーン。クローディオの妹のイザベラ(ソニン)が、アンジェロの下劣な振る舞いを公爵に訴え、さらに、アンジェロのかつての婚約者・マリアナ(中嶋朋子)らも登場し、公爵の真の意図が明かされるなどし、物語が結末に向かって動き出していく。鵜山は、気づいたことがあればすぐに芝居を止め、ニュアンスや細かい立ち位置の修正を伝える。俳優陣も即座に鵜山の言葉を咀嚼し、途切れたシーンから迷うことなく芝居を再開する。流れるようなこうしたやりとりも、実力派の俳優陣が揃っているからこそであり、長い時間を共に“劇団”のような深い関係でつながったこのカンパニーだからこそと言えるだろう。稽古場でも本番さながらの熱と気迫のこもった演技合戦が繰り広げられており、どのような完成形を見せてくれるのか楽しみだ。公演は10月18日(水)~11月19日(日)、新国立劇場 中劇場にて。取材・文:黒豆直樹
2023年10月13日三谷幸喜の3年半ぶりとなる書下ろし新作舞台が登場。舞台は1999年のアメリカ、テキサス州のオデッサ。殺人事件の容疑で拘留された英語の話せない日本人旅行者、日系人だが英語の話せない警察官、通訳として派遣された語学留学中の日本人青年が、“言葉”をテーマに繰り広げる三人芝居の密室劇だ。出演は柿澤勇人、宮澤エマ、迫田孝也。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を経て、三谷の新作舞台にドラマでも重要な役を演じた3名が顔をそろえる。源実朝を演じ人気ブレイク中の柿澤は、物語も配役も不明なまま出演を快諾。ミュージカル『スクールオブロック』の休演日に話を聞いた。舞台『オデッサ』 チケット情報三谷からのオファーを受け「僕にとって三谷さんは恩人。どんな作品でも、舞台でも映画でもドラマでも、お話があれば喜んでやりたいと思っています」。そう話す柿澤を、三谷は「難しい課題を与えると輝く人。追い詰められている姿が見たい俳優さんです」と言う。「僕は本来、出来るだけラクをして生きていきたい人なんです(笑)。でも、三谷さんとご一緒させて頂くと絶対にそうはならない。(三谷さんの舞台で演じた)シャーロック・ホームズの時も実朝の時もそう。でも、そんな大変さを凌駕するおもしろさがあるので、辛いだけでは終わらない。自分の役を愛するようになるし、もっと役を磨いて輝かせたいという気持ちが出て来るんです」。デビュー以来少人数での作品の経験も多い柿澤は、今回共演の宮澤とは2度、迫田とも1度、舞台で共演している。また『鎌倉殿の13人』では、実朝とその乳母と叔父という関係を演じた。「すごく責任感が強く真面目な方たちなので、不安要素は何もなく信頼しかない」と言い切る。登場人物は3人。言語は2つ。真実は1つ。「でも、三谷さんの作品で言語が2つって初めてじゃないですか。出演は3人だけですけど、それを感じさせないほどの情報量とおもしろさが出て来ると思っています」。映像での活躍も広がり始めた柿澤だが「舞台はまだまだ敷居が高いと思う人が多い」と感じている。「映画みたいに、ロンTとジーンズでふらっと『今日、芝居観よ』って観れるもんだって言いたい。今回も『舞台観たことないけど、ちょっと行こうかな』って。それが演劇にハマるきっかけになったら最高ですよね」。かつて学校の課外授業で観た『ライオンキング』に「一瞬にして引き込まれて人生が変わった」柿澤。「それぐらいの衝撃度が三谷さんの舞台作品にもあると思う。それを劇場で、生で、舞台のあの空間で感じられるのはこのタイミングしかないので、それを味わってほしいなと思います」。公演は、来年1月8日(月)から28日(月)まで東京芸術劇場 プレイハウス、2月1日(木)から12日(月・休)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、2月17日(土)・18日(日)に福岡・キャナルシティ劇場、2月24日(土)・25日(日)に宮城・東京エレクトロンホール宮城、3月2日(土)・3日(日)に愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールにて。取材・文:高橋晴代
2023年10月12日ミュージカル『新テニスの王子様』The Third Stageが10日6日(金)からTOKYO DOME CITY HALLで開幕した。人気漫画『テニスの王子様』でしのぎを削った強豪校のメンバーたちが、続編の『新テニスの王子様』ではU-17(アンダーセブンティーン)日本代表選手として共に世界の強敵に立ち向かう。シリーズ第3章となる本作では、ついに世界一をかけたU-17 WORLD CUP(アンダーセブンティーンワールドカップ)編に突入する。物語は主人公の越前リョーマ(今牧輝琉)がアメリカ代表、手塚国光(山田健登)がドイツ代表として出場するという波乱の幕開けから始まる。見どころは国際色豊かなキャストたちだ。アメリカ、ドイツ、フランス各チームの個性がぶつかり合う。一幕は日本代表による華やかなオープニング、それに続くアメリカ代表のポップで明るいナンバーが響きわたる。客席が明るい光に包まれるなか、黒いユニフォームのドイツ代表が現れると空気が一変した。厳格で威圧的なパワーを持つドイツ主将、ユルゲン・バリーサヴィチ・ボルク役をザック・コバヤシが眼光鋭く演じる。新天地で覚悟を決めた手塚国光役を演じる、山田健登の説得力ある歌唱もいい。激しいテニスバトルを繰り広げながらも、それぞれの成長にフィーチャーした構成で、跡部景吾(高橋怜也)や幸村精市(藤田浩太朗)など完全無欠と思われたキャラクターの苦悩や葛藤が描かれる。二幕のフランスチームとの対戦は、パリコレモデルさながらのパフォーマンスなど、コミカルな要素も取り入れながら展開する。越前リョーマがフランス代表の“王子様” プランス・ルドヴィック・シャルダール(DION)と対峙するシーンはファン必見なので、ぜひ劇場で楽しんでほしい。ゲネプロ前の囲み取材では、今牧輝琉(越前リョーマ役)、佐々木 崇(平等院鳳凰役)、ザック・コバヤシ(ユルゲン・バリーサヴィチ・ボルク役)、山田健登(手塚国光役)、DION(プランス・ルドヴィック・シャルダール役)が登場。今牧は「約2年ぶりの『新テニミュ』に帰ってくることができて嬉しい。お客様には作品世界の一人になったつもりで観ていただきたい」と熱い想いを語った。東京公演は10月15日(日)までTOKYO DOME CITY HALL。大阪公演は10月20日(金)~29日(日)までメルパルクホール大阪。東京凱旋公演は11月3日(金・祝)~11月12日(日)までTACHIKAWA STAGE GARDENで上演される。(c)許斐 剛/集英社・新テニミュ製作委員会取材・文:北島あや
2023年10月12日『第2回 にし阿波の花火大会』が、11月11日(土)徳島県西部健康防災公園にて開催される。「第2回 にし阿波の花火大会」 チケット情報本花火大会は、全国から実力派の花火師が集結する中四国唯一の花火競技大会だ。多彩な打上技術を持つ花火師、渾身の「芸術玉」を創る花火職人など、日本屈指の花火のオールスターが集い、通常の花火大会とは異なり「芸」~ワザ~を競い合う。そのクオリティやバリエーションは、過去の花火大会とは一線を画す感動が味わえる。また、虹色に変化する新作尺玉や、30分の1秒で音楽とシンクロするミュージックスターマインなど、花火の新たな魅力が体感できる。内閣総理大臣賞受賞者を含む最高峰の花火師による競技玉、トータル14曲に及ぶ音楽花火、そして日本中の花火師提供、至高の尺玉によるメッセージ花火など、豊富なプログラムの数々をお楽しみください。有料観覧席のチケット2次販売は、10月14日(土)12:00より開始。
2023年10月11日壺坂恵(acd./ex.ecosystem)、宮本菜津子(MASS OF THE FERMENTING DREGS)、栁本修平(WOMAN)、杉本昂(TheSpringSummer/Liaroid Cinema)、それぞれのキャリアや経験があるからこそのバランスや妙がありつつも、衝動感もあるフレッシュかつエッジィなオルタナティブロックサウンド。パワフルなフロントマン2人の歌声が、グルーヴィかつタイトなリズムに乗せて躍動する、この4人のあらゆる相性の良さ、相乗効果を感じさせるアルバムが誕生!『ULTRA 1st album「到底及ばない」release party』チケット情報レコーディング、ミックスにはHomecomingsや揺らぎなどを手掛ける荻野真也、アートワークは CARDの清水雅也が担当。そしてデビューアルバムから"flashback"が10月11日に先行配信開始。配信はFRIENDSHIP.から、フィジカルはFLAKE RECORDSよりリリース!レコ発ライブは、東京と大阪の2ヶ所で開催する。東京公演は、12月12日(火)新代田FEVERにてアルカラが共演。大阪公演は、12月20日(水)CONPASSにてayutthayaが共演に決定。チケットは、10月12日(木)10:00より一般発売開始!
2023年10月11日ステージ上手にはピアノ、下手にはソファー。ロレンツ・ハート(林翔太)の家で、彼はリチャード・ロジャース(寺西拓人)のメロディーに歌詞をつけ歌い出す。のちに大ヒットする「Manhattan」が生まれた瞬間だ。ふたりがブロードウェイで、ラジオで、ハリウッドで、数々のヒット曲を生み出す様子が小気味よいテンポで描かれていく。ロジャースはドロシー(壮一帆)に、ハートはペギー(凰稀かなめ)に、想いを寄せる。しかし、ふたりの恋は明暗が分かれる。ロジャースはドロシーと結ばれ、ハートの想いはペギーに拒まれたのだ。その切なさは、第一幕ラストの「My Romance」、第二幕ラストの「Blue Moon」で、ふたりのハーモニーとなって観る者の胸を打つ。2018年の初演から、大幅にブラッシュアップされた今回の公演。前回ロジャースを演じた林が今回はハートを、前回は4役を演じた寺西拓人がロジャースを演じ、これまで彼らが共演を重ねてきたなかで培ったコンビネーションで、魅力的なロジャース&ハートとなっていた。林はいたずらっ子な少年のような笑顔で、天才肌のハートを表現。その一方、「Why Can’t I?」で報われない恋の苦しさも十二分に表現してみせた。寺西も伸びやかな歌声で、まっすぐなロジャースの心情を届ける。ふたりがブロードウェイに戻ることを決めて歌う「I Gotta Get Back To New York」などで、彼らの歌声の魅力が存分に伝わってきた。ふたりを取り巻く人々は、上演台本・訳詞・演出を手がける玉野和紀はじめ、凰稀かなめ、壮一帆、藤岡正明、中河内雅貴らが複数の役柄を演じ分ける。藤岡のパワフルな歌声、中河内の艶やかな歌とダンス、そしてパフォーマンスはもちろん美しさも目を惹きつける凰稀・壮と、ゲネプロ終了後の取材会で「ミュージカル・モンスター」と林・寺西が称えた魅力が満載。非常に充実したステージだ。中でも、ラジオ番組でのドタバタとした展開、ハリウッドでのせわしない撮影所の模様と、コミカルさもロマンチックさもあるステージングは、キャストの歌とダンスの魅力が十二分に発揮されたシーンだったように感じる。ロジャース&ハートのコンビの終わりと共に幕は下りるが、とても温かなものが心に残る素敵なエンディングだった。東京公演は有楽町よみうりホールにて、10月18日(水)まで。取材・文:金井まゆみ
2023年10月10日ダンスエンターテイメント集団「梅棒」のメンバーで、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズンやMANKAI STAGE『A3!』シリーズで振付を担当する遠山晶司が脚本・演出・振付を務める企画シリーズ「遠山ドラマティア」の第2弾公演となる『C’est Promis(セ プロミ)』が10月5日(木)にこくみん共済 coopホール/スペース・ゼロ(東京・新宿)にて幕を開けた。2021年に上演された第1弾『Fight For F』では、全編にわたってBUMP OF CHICKENの楽曲を使用して、セリフなしの肉体表現だけで物語を紡いだが、今回はセリフも活用し、楽曲も複数のアーティストの曲を使用。戦国時代と現代の2つの時代を舞台に、ある約束(※フランス語でpromis)を描く。複数のアーティストの曲が使用されている中でも、最も多く使われているのがSEKAI NO OWARI。開演前の会場でもセカオワの曲が流れており、これから始まる、切なくもどこかワクワクするような冒険へと観客をいざなう。物語は、福岡県筑後市に伝わる、背中に翼を持った“羽犬”の伝説をベースにしたオリジナルファンタジー。戦国時代のパートでは、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉に対し、いまなお抵抗を続ける九州の国人たちの戦いを描き、現代(令和5年)のパートでは、夫を亡くして故郷に戻ってきた妻とその娘の物語が、一大娯楽施設の建設に揺れる小さな町を舞台に展開する。主演の鶴野輝一は、戦国時代では野盗集団・夜鷹衆の頭領である鷹彦を、現代では片桐翼を演じているが、主要登場人物の中で唯一、セリフのない役柄。激しい肉体表現だけで様々な感情を見事に表現している。そして、ドラマ部分でひときわ強い存在感を放っているのがキャラメルボックスで活躍する原田樹里。戦国時代パートでは、夜鷹衆を従え「九州から覇をなす!」と宣言する男勝りの姫君・竜子を勝気に勇ましく、現代パートでは夫を亡くした哀しみを抱えながらも、娘のために笑顔を絶やさない涼子をキュートに演じており、魅力的な2人のヒロインを見事に演じ分けている。そのほか、戦国時代では竜子を心から愛する夫の城井朝房、現代では涼子を優しく見守る智樹を演じる古谷大和、豊臣秀吉と再開発を掲げる県知事・豊田英樹をファンキーに演じる後藤健流ら、実力派の俳優陣が個性的な役柄で脇を固める。戦国パートとド派手できらびやかな衣装や美術が目立つ現代パートのギャップも見どころ。歌とハイクオリティのダンス&アクション、豊かな表現で楽しませてくれる。取材・文:黒豆直樹
2023年10月10日