第2次世界大戦下、ユダヤ人としての素性を隠して生き、発刊後すぐに発禁処分となったポーランド人作家レオポルド・ティルマンドの実体験に基づく自伝的小説を映画化した『フィリップ』。6月21日(金)より日本公開されることが決定した。1941年、ワルシャワのゲットーで暮らすポーランド系ユダヤ人フィリップ(エリック・クルム・ジュニア)は、恋人サラとゲットーで開催された舞台でナチスによる銃撃に遭い、サラや家族、親戚を目の前で殺されてしまう。2年後、フィリップはフランクフルトにある高級ホテルのレストランでウェイターとして働いていた。自身をフランス人と偽り、戦場に夫を送り出したナチス将校の妻たちを次々と誘惑することでナチスへの復讐を果たしていたが、孤独と嘘で塗り固めた生活の中、やがて、プールサイドで知的なドイツ人のリザ(カロリーネ・ハルティヒ)と出会い、愛し合うようになる。だが戦争は容赦なく2人の間を引き裂いていく…。ポーランドの作家レオポルド・ティルマンド(1920-1985)の自伝的小説として、ポーランド当局の検閲の後大幅に削除されたものが1961年に出版された小説「Filip」。ティルマンド自身が1942年にフランクフルトに滞在していた実体験に基づいて書かれたこの小説は、発刊後すぐに発禁処分。長い間、日の目を見ることがなかったが、2022年になってオリジナル版が出版された。監督は1990年代よりテレビプロデューサー兼演出家としてキャリアを重ね、21世紀に入って以降はポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督作品のプロデューサーとして、後期代表作である『カティンの森』『ワレサ連帯の男』、そして遺作『残像』まで製作を勤め上げたミハウ・クフィェチンスキ。その事実から導き出す魂の解放・自由奔放な姿を第2次大戦、ナチス支配下のドイツを舞台に官能的な要素を加えて本作を映画化。その大きな理由のひとつとして「ポーランドで愛する人を亡くしたユダヤ人の主人公は、そのような状況下で何を感じるでしょうか? 私はティルマンドの本を心理的で緻密な映画にし、トラウマから感情が凍り付いた男の孤独を研究することに決めました」と明かしている。解禁となった本ポスタービジュアルは、傷だらけになった顔も全く意に介さず、真っ直ぐに強い瞳で前を見据えるフィリップ(エリック・クルム・ジュニア)の姿を捉えたもの。真っ赤な背景と相まって、彼自身の中から溢れ出る愛と人生への情熱と決意をイメージさせるようなビジュアルとなっている。『フィリップ』は6月21日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2024年03月01日4年ぶりの主演映画第II弾『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』(11月23日公開)でも話題のGACKT(50)。彼の20年ぶりの続編自伝となる『自白II』(光文社)が刊行された。もともと初の自伝『自白』が発売されたのは03年9月のこと。「神秘のアーティストが初めて明かした謎の半生」が反響を呼び、累計10万部を突破するベストセラーとなった。03年8月19日・26日発売合併号の本誌インタビューでは、GACKTを“大人”にした20歳のころの恋愛を振り返っている。自伝『自白』にも収録された当時の“自白”を再編集して公開する――。■僕は、怖いのかもしれない。結婚したとき、思ったんだ。自分にとって特定の人だと思う気持ちは、絶対に相手には言ってはいけない――と。言ってしまうと、自分も相手も「モノ」みたいになってしまう――と。相手を自分の所有物のように思う気持ち。僕にはそれが耐えられない。独占したと思った瞬間から、人は壊れてしまうと思った。人が変わってしまう。自分が僕にとって特定の存在なのか、そうではないのか。そういう括りを気にする女のコに限って、絶対に壊れた。壊れて、イヤなことまでするようになる。留守電に残すメッセージの内容も、回数も、完全におかしくなる。そのことを問いただしたこともある。でも、そういう女のコは必ず言うんだ。自分でもやめられない。頭ではわかっているけれど、どうしてもやめられない…と。独占欲は人を壊す。恋人付き合いをしたせいで、好きな人を壊してしまうということが、僕はとても怖いのかもしれない。だから、僕は女性に対してかなりキツイことまで、ハッキリと言ってしまう。たとえば「あなたと1秒でも多く、長く一緒にいたい」ということを熱い思いで言われたとする。すると、僕は、こう答えるはずだ。「それは、僕にはできない。僕には仕事があって、やらなきゃいけないことが山ほどある。だから、会える時間はほとんどないよ」と。好きな人と一緒にいることを、いちばん強く願っているんだったら、その相手は僕じゃない。僕にしかできないこともあるけれども、僕にはできないこともある。僕にしかできないことを、一番に望んでくれるんだったら、それには僕は命をかけて応えてあげられる。でも、周りの人にはあたりまえにできても、僕にはできないことを強く望むのなら――。それを叶えてくれる人と一緒にいたほうがいい。独占したい気持ちがわからないわけじゃない。僕だって、独占欲は強かった。異常なほど強かった。それは今も、僕のなかにある。でも、独占欲は人を不幸にすると知ってから、意志の力で抑えている。自分でコントロールしているんだ。自分の好きな人が、僕以外の人を好きになったとしても、それは、相手の判断だ。仕方ない。僕よりも、好きな人ができたんだったら、それはそれでいい。その人が、相手にとっては必要なんだから。でも、だからといって、僕が相手を好きじゃなくなるわけじゃない。僕が相手を好きだという気持ちは、僕の勝手な気持ちなんだ。相手にその気持ちがまったくないのなら、僕は、自分の気持ちを抑えていけばいい。それが、今の僕の恋愛スタイル。僕が好きだという気持ちは貫きとおすけれども、相手がそうじゃないことだって、当然ある。それは完全な失恋だけど……。■彼女のほうから、もうこれ以上は一緒にいられないとても痛い失恋をしたことがある。20歳ぐらいのときだった。相手は2歳ぐらい年上で付き合ったのは4カ月……。突然、言われた。「白紙に戻そう」と。でも、白紙になんて戻るわけがない。あのとき、僕は、おかしくなった。自分の弱さがあったと思うけれど、笑えるぐらい、おかしくなった。彼女は白血病だった。付き合い始めてから、それを聞いた。でも、僕たちには関係ないと思った。彼女が病気だろうと、何だろうと、僕が彼女を好きな気持ちは変わりない。命にかかわる病気だということもわかっていた。でも、僕が思っている以上に、彼女はもっともっと深く病気のことを、そして、僕のことを思っていたんだ。そのことを、僕が理解できなかったということが、いちばん大きな別れの理由だったような気がする。彼女が僕の目の前で倒れることはしょっちゅうあった。僕には、どうしていいのかわからないこともよくあった。彼女のほうから、もうこれ以上は一緒にいられないという答えを出してきた。嫌いになったわけじゃない。でも、もうこれ以上は一緒にいられない……と。別れの言葉は、電話だった。僕は彼女に会いに行った。どうしても納得できなかったから。嫌いじゃないのに、別れなければいけない?なぜだ?そんな理由があるのか?そんなの全然わからない。でも、彼女は、もう決めたことだからとしか言わなかった。彼女の性格はよく知っていた。決めたことを簡単に覆す人じゃない。僕も、わかったと、言うしかなかった。どうにでもなれという気分だった。だから、車で無茶をした。前にも話したことだけど、大破した車を前にして、僕がぼんやりタバコを吸っていると、彼女から電話がかかってきた。「何やっているのよ!」と、彼女に泣かれて、僕は、目が覚めた。そんな自分が心底情けないと思った。僕は、自分のことしか考えられない子供だったんだ。彼女は、僕と付き合う前にフィアンセがいた。彼は、いつも車で、彼女を迎えに来てくれたという。でも、あるとき、彼女を迎えに来る途中、事故に遭って、亡くなってしまった。彼女は、ずっとそのことを考え、悩んでいた。好きだと思っている相手が、突然、いなくなるって、どういう気持ちかわかる?あなたに、そんな思いをさせたくない……。彼女は、一生懸命だった。僕に自分の気持ちを伝えようとした。その言葉の底にあったのは、フィアンセを失った悲しみ、病気と闘い続ける覚悟、そこに潜む死ぬかもしれないという恐怖――。でも、当時の僕はまだとても未熟で、彼女の真意がわからなかった。そんなの勝手じゃないかと思っていた。だから、車で無茶なんかできたんだと思う。彼女に泣かれて、僕は彼女を傷つけたことに気づいた。本当に何をやっているんだ、俺は……。それから二度と、僕は車で無茶をしない。命を粗末にすることもない。彼女の近況は聞いている。時々、連絡をとっている。幸いなことに、病気はよくなっているそうだ。頑張っているんだと思う。表面的な優しさは、世の中には多い。表面的な優しさで、相手を傷つけないようにしようというんじゃなく、そのときは相手を傷つけてでも、その後、相手が前に進めるんだったら、自分はどう思われてもかまわないというのは、すごいと思う。長い時間がかかるとしても、最終的に相手はわかってくれるという思いでできる行為。自分が誤解されたとしても相手のことを思い、相手を信頼しているからこそできる行為。相手の背中を押すことに対して、何の見返りも求めていない決断の表れ――。それが、本質的な優しさだ。そのことを僕は、彼女に教えられたと思っている。■『自白』刊行から20年、今回刊行された『自白II』では波瀾万丈のアーティスト人生を歩んできた彼が50歳となった今、20年の沈黙を破って後半生を振り返っている。遺書を20通書いた活動休止期間の苦闘、主演映画『翔んで埼玉』の舞台裏、個人71連勝中のバラエティ番組『芸能人格付けチェック!』の葛藤、先輩アーティストたちとの華麗なる交流録、実業家として億単位の負債、最後の恋など仕事と私生活を自ら明かしている。
2023年12月09日4年ぶりの主演映画第II弾『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』(11月23日公開)でも話題のGACKT(50)。彼の20年ぶりの続編自伝となる『自白II』(光文社)が先月22日に刊行された。もともと初の自伝『自白』が発売されたのは03年9月のこと。「神秘のアーティストが初めて明かした謎の半生」が反響を呼び、累計10万部を突破するベストセラーとなった。03年8月5日発売号の本誌インタビューでは、1999年について振り返っている。1月に彼はMALICE MIZER(以下、マリスミゼル)を脱退。6月に同バンドのドラムス・Kamiさん(享年27)がくも膜下出血で亡くなっている。自伝『自白』にも収録された当時の“自白”を再編集して公開する――。■夏に入る直前だった。撮影中にいきなり気分が悪くなった。目眩がして、立っていられない。直感的に思った。身内に何かあったんだ……。僕は身内全員にすぐに電話を入れた。皆、無事。何事もなかった。でも、モヤモヤした気分は少しも消えない。身内が亡くなるとき、いつも起きる現象だった。だから、また誰かが死んだんじゃないかという不安があった。でも、誰なのかはわからない。ただ、ただ、苦しい。呼吸が乱れて息苦しく、普通に生活ができないレベルになってしまう。虫の知らせのようなものだと思う。そのあと、僕はマリスミゼルのメンバーとつながりのある人間に電話を入れた。メンバーは無事か?という僕の切羽詰まった問いに対して、答えは「今日、会いましたけど、元気でしたよ」というものだった。それでも不安は消えなかった。もっとマリスに近い人物にも会いに行った。夜中だったが、メンバーが無事かどうかをすぐに確認してくれると、言ってくれた。でも、結局、連絡は来なかった。それから1週間後だった。Kamiの死が公表された。後でわかったことだけど、僕の気分が悪くなったのは、Kamiが亡くなった直後のことだったらしい。Kamiの死は、結局、回り回って友達から聞くことになった。すでに、葬儀も終わっていた。ちょうどレコーディングの最中で、僕は、スタジオにこもっていた。全く何も手につかない。でも、やらなきゃいけない。自分にそう言い聞かせていた。やらなきゃおかしくなりそうで……。すごい後悔が残っている。なぜ、僕は直接、Kamiに電話をしなかったんだろう。間に人を介するのではなく、なぜ直接、Kamiと話そうとしなかったんだろう。僕はまだ、大人になりきれていなかった。大人になるということは、たとえ、感情をむき出しにしてぶつかりあっても、そのあとで、相手を受け入れることができるかどうかだと思う。子供はぶつけるだけで終わり。そこで、関係は途切れてしまう。でも大人であれば、感情の嵐が過ぎ去ったあとで、冷静に事態を見つめ、自分自身を客観視することで、相手を受け入れる態勢がとれるはずだ。あのころの僕には、それができなかった。都合のいい解釈を見つけ、本気でぶつかり合うことをしなかった。そこに、相手に対する遠慮があった。それ以前にも、イヤな予感は何回かあった。そのたびに、僕は、Kamiとの間に入っている人と連絡をとったが、とうとうKamiに直接、電話をすることはなかった。互いに子供っぽい意地と遠慮で、僕らは電話ができなかったと、今では思う。でも、もし、すぐに電話をしていたら……。もしかしたら、僕にも何かできたのではないだろうか。すごくおこがましいかもしれない。もう、取り返しのつかないことだ。でも、もし、あのとき、直接、話ができていたら……。■僕が頑張ることが、彼の生きた証しになる。その後、Kamiの実家に行ったんだ。最初は、彼の誕生日、2月1日だった。Kamiに会いたいと思った。Kamiの墓に行きたい。僕は葬儀にも出られなかったから、手を合わせたかったし、とにかく会いたかったんだ。実家のある町は知っていたけれど、家がどこかは全く知らない。だいたいこのあたりに住んでいるということだけ聞いて、僕は車を走らせた。そして、近所の……といっても、田舎だから、かなり広い町だけれど、あちこちの家のインタホンを押し、人を探しているんです。こういう人を知りませんか? このあたりに住んでいると聞いたんですけど。などと、聞いて回った。朝、東京を発ち、昼ごろ、茨城に着いて、ずっと探し回った。ようやく住所がわかって家にたどり着いたのが夜7時ごろ。玄関を開けたとき、わかりますか?と、聞いていた。お父さんもお母さんも、ライブに来たことがあったから、僕のことは、すぐわかった。よく来てくれました。とにかくあがってください。そう言って、家の中に招き入れてくれた。家族みんなで夕食に出て、鍋をつつきながら、お父さんもお母さんも、いろんな話をしてくれた。僕の知らなかった子供のころのKamiの話もいろいろ聞いた。そして、こう言ってくれたんだ。「まだ、忘れられないけれど仲間が頑張ってくれることが、あの子が生きた証しだから」それを聞いて、とても救われた気がした。僕が頑張ることが、彼の生きた証しになる。以来毎年、僕はKamiの誕生日と命日には、彼の実家へ顔を出している。「いつでも遊びにおいで」というご両親の言葉に甘えて。最初の年は、大勢、お墓参りに来てくれていた。命日にしても、誕生日にしても。あれから4年、どんどん人が来なくなった……。来たから、どうこうということじゃない。お墓参りをすれば、Kamiが喜ぶというわけじゃないんだろう。でも、僕には皆がどんどん……、あいつのことを忘れていくように思えて……それが、すごく辛い……。もっと頻繁に、彼の墓へ行けるといいんだけど、結局、命日のときと誕生日のときになってしまっている。でも、そのたびに、お父さんもお母さんも歓迎してくれて、今では、自分の親のような感覚なんだ。ご両親のほうも、僕を実の子供のように思って、僕にKamiの姿をダブらせているように思う。僕は今もずっと、Kamiの果たせなかった夢を追い続けている。それがKamiがこの世に存在し、生きた証しだ。Kamiは今も僕の中に生きている――。■GACKTは今年2月にも、Kamiさんの墓前で手をあわせる姿をインスタにあげていた。今回刊行された続編自伝『自白II』では波瀾万丈のアーティスト人生を歩んできた彼が50歳となった今、20年の沈黙を破って後半生を振り返っている。遺書を20通書いた活動休止期間の苦闘、主演映画『翔んで埼玉』の舞台裏、個人71連勝中のバラエティ番組『芸能人格付けチェック!』の葛藤、先輩アーティストたちとの華麗なる交流録、実業家として億単位の負債、最後の恋など仕事と私生活を自ら明かしている。
2023年12月02日4年ぶりの主演映画第II弾『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』(11月23日公開)でも話題のGACKT(50)。彼の20年ぶりの続編自伝となる『自白II』(光文社)が11月22日に刊行された。もともと初の自伝『自白』が発売されたのは03年9月のこと。「神秘のアーティストが初めて明かした謎の半生」が反響を呼び、累計10万部を突破するベストセラーとなった。03年6月3日号の本誌インタビューでは、GACKTがカジノのディーラーとして働いていた19歳のときを振り返っている。自伝『自白』にも収録された当時の“自白”を再編集して公開する――。■10代のころ、僕はとにかくメチャクチャだった。バイクや車で無茶をした。僕は僕であることの意味がわからなかった。別に、いつ死んでもいい。そんな投げやりな気分が、いつも僕の中心に渦巻いていた。僕を変えたのは、ある人との出会いだった。19歳。僕にとって、それは衝撃的な出会いだった。彼は、カジノの客だった。30代で独身。実業家で、お金もあるし、地位も名誉もある、おまけにキレイな彼女もいる。完璧な人だった。当時の僕は、バンドのヘルプをしながら、水商売をしていた。ヘルプとしてドラムを叩いていた最大の理由は、そのバンドのボーカリストの魅力にあった。彼には存在感があったし、プロになるという志を持っていた。だから、ボーカルの彼がほかのバンドに引き抜かれてしまうと、ヘルプを務める意味がなくなってしまったんだ。それから約1年、僕はバンド活動から遠ざかっていた。その間も、ライブハウスには出入りしていたけれど、彼以上のボーカリストには出会えなかった。当時の僕は、音楽に対してもっと本気になりたかった。でも、周囲のバンドの連中とは、ずいぶん温度差があった。周りには、プロになれればいいという意識の低いヤツばかりが多かった。バンドをやってれば、とりあえず女のコにモテる、そんなヤツらがほとんどだった。音楽は趣味。収入はバイトでという連中は、ガソリンスタンドで働いていたり、飲み屋でバイトをしたり。僕はホストやカジノのディーラーをしていたから、彼らとは生活レベルが明らかに違う。そういう意味でも、僕は彼らにはなじめなかったんだ。このまま水商売で生きていこうかと思った時期もあった。ちょうどそんなころだったんだ。彼と出会ったのは。彼が、いちばん最初に僕に言ってくれた言葉は、今も忘れていない。「自分の人生を本気で素敵だと思って生きたいか、自分自身はどうでもいいと思って生きたいか。どっちがいい?僕は、自分の人生を本当に素敵だと思って生きているよ」彼は穏やかに微笑みながらそう言った。「どっちがいい?」と言われたとき、瞬時に思った。僕は自分の人生を素敵だと思っていきたい!そんなことを考えたのは、生まれて初めてだったかもしれない。僕はそれまでずっとどこかで自分を否定して生きてきたのだから。それから、彼と行動をともにした。できる限り一緒にいた。よく彼の家に遊びに行って、いろんな話をした。その人も忙しかったから、毎日じゃないけれども、時間があれば、会いに行っていた。初めて、自分以外の他人に興味を覚えた。僕は、彼のような人間になりたかった。彼はいつも、「こっちとこっち、どっちがいい?」というふうに、わかりやすい話し方をする人だった。でも、話せば話すほど、彼の考え方、行動の仕方がすべて僕とは違うところにあるということが、わかり始めてきた。何よりも、人としての器が全然、違う。僕は負けず嫌いだから、今まで自分より少しでも大きな人と出会うと、なんとかして追いつき追い越してやろうと思ったものだが、その人は、そんなレベルじゃなかった。僕は彼と同じ土俵にすら立てない。それをひしひしと感じていた。あれから10年たった今でも、彼にはまだ、近づけない。同じ土俵にも立っていないと僕は思う。僕は、あのとき――彼に出会ったときに、この世に生まれたんだ。本気でそう思っている。19歳が、僕が生まれたとき。だから、僕はまだまだ子供なんだ。その分、精神年齢が若いのかもしれない。カジノのディーラーになったきっかけは、水商売をやめたかったから。なんとなく始めたけれど、最後はそのお店のトップディーラーの位置だったと思う。■国籍なんて、僕にとってはどうでもいいことだ。その店では、もうひとつの出会いがあった。僕と同じディーラーをしていた女性との出会いだ。彼女のことは、以前、スポーツ新聞にも書かれたことがある。『8歳年上の金髪美女と結婚!』なんて見出しが躍っていたっけ。僕には、当時、金髪の女性の知り合いすらいなかったというのにね。ロスへレコーディングに行くときに、記者に成田で話しかけられた。変なことを聞いてくるなと思ったけれど、それほど気にしなかった。そうしたら「金髪美女と結婚」って書かれていた。ロスでその新聞を見たけど、おかしくって笑っちゃったよ。彼女は白人女性じゃない。国籍は韓国だった。でも、国籍なんて、僕にとってはどうでもいいことだ。それに、国籍がどうのこうのということ自体がバカバカしいことだと、僕は思う。僕は何も気にしていなかった。愛があって、一緒にいて、ふとした仕草を見たときに「好き」って思うことがある。「好き」というのは形を変える。でも、いつも前提には愛がある。それでいいんじゃないかなと思うんだ。籍を入れたのは、彼女のほうから、「籍を入れたい」と言ってきたからだった。僕は、「いいけど、僕は何も変わらないよ」と、言ったんだ。「婚姻届を出したことで安心したとしても、それは意味のないことだよ」籍なんて、ただの紙の問題だと、僕は思う。でも、彼女は証明のようなものを欲しがっていたようだった。でも、最後はそれが2人にとって、負担になってしまった気がする。結婚したから、こうしなきゃいけないとか、そういう決まりみたいな考えが、逆に2人をギクシャクさせたのかもしれない。熱狂的なファンが、家の前で待っていたりするのも、彼女にとってストレスの原因の一つになっていた。いやがらせもあった。自宅へいたずら電話がかかってくる。いたずら電話は、ずっと鳴りっぱなしだった。そんな状況のなかで、彼女はだんだん家にいられなくなっていった。最後は、ノイローゼ状態になって、「別れたほうがいいね」という話になったんだ。もちろんファンのいやがらせだけが、別れた理由ではないけれど、彼女には、いつもいろんなプレッシャーがつきまとっていたんだと思う。結婚していた時期は、短かったね。僕はもう、結婚はしない。籍を入れることがあるとしたら、それは僕が死ぬ時だと思う。死ぬ直前に、最後まで一緒にいてくれた相手が籍を入れておきたいと言うのなら、2人で共に生きた証しとして、入籍するかもしれない。■『自白』刊行から20年、今回刊行された『自白II』では波瀾万丈のアーティスト人生を歩んできた彼が50歳となった今、20年の沈黙を破って後半生を振り返っている。遺書を20通書いた活動休止期間の苦闘、主演映画『翔んで埼玉』の舞台裏、個人71連勝中のバラエティ番組『芸能人格付けチェック!』の葛藤、先輩アーティストたちとの華麗なる交流録、実業家として億単位の負債、最後の恋など仕事と私生活を自ら明かしている。
2023年11月25日■前回のあらすじ出会うなり大声で呼びかけてきた父。サト君の挨拶もろくに聞かず、何やら怪しい冊子を出してきました。この冊子は…? 説明しよう!この自伝を見られたら「普通の家の子」じゃないことはまるわかりです。もうサト君に父の正体がバレるのも時間の問題…!?次回に続く 「こんな親の娘ですが結婚してくれますか?」(全40話)は21時更新!
2023年09月24日黒柳徹子の自伝的小説『窓ぎわのトットちゃん』がアニメ映画化。2023年12月8日(金)に公開される。黒柳徹子の自伝的小説『窓ぎわのトットちゃん』アニメ映画化『窓ぎわのトットちゃん』は、1981年に発売され、世界累計発行部数2,500万部を突破した世界中で愛され続けている黒柳徹子の幼少期を綴ったベストセラー自伝的小説だ。これまでにハードカバー、文庫、新書、絵本が刊行され、表紙絵および挿絵には一貫していわさきちひろの作品を使用している。物語は、小学一年生のトットちゃんが、落ち着きがないことを理由に小学校を退学となり、東京の自由が丘に実在したトモエ学園に転校することからスタート。大人の読者たちが驚くほど強烈なトットちゃんの個性と、思わず笑ってしまうおちゃめな日常生活をはじめ、まだ多様な個性が認められていない当時としては珍しい、子どもの自主性を重んじる教育を掲げたトモエ学園のユニークな校風、そこで出会う恩師や友人など、「こんな学校に通ってみたかった!」と思うような数々のエピソードがふんだんに盛り込まれている。そんな『窓ぎわのトットちゃん』が、色彩豊かな世界観でアニメ映画化。第二次世界大戦が終わる少し前の激動の時代を背景に、トットちゃんの愉快な日常を通して日々のささやかな幸せや、個性の豊かさ、恩師からの教え、家族・友人への深い愛情を伝える作品となっている。トットちゃん役に大野りりあなトットちゃんを演じるのは、同じく小学一年生の大野りりあな。オーディションを勝ち抜き抜擢された大野は、雑誌『ぷっちぐみ』(小学館)のぷっちモデル2023を務め、「ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と」(TBS・2023年)やテレビCMなどにも出演している。主人公・トットちゃん…大野りりあな何事にも好奇心旺盛で、お話好きな小学1年生。学校に馴染むことができず「困った子」と言われ、落ち着きがないことを理由に小学校を退学になってしまう。子どもの自主性を重んじる教育方針の、東京・自由が丘にあるトモエ学園に転校することになる。役所広司・小栗旬・杏・滝沢カレンも声優キャストにまた、トットちゃんを取り巻く重要なキャラクターの声優キャストに、役所広司・小栗旬・杏・滝沢カレンといった面々が名を連ねている。小林先生(小林宗作)…役所広司トットちゃんが転校するトモエ学園の校長。トットちゃんに手を差し伸べ、トモエ学園の生徒として迎え入れる。学園内に電車の教室を設置したり、お弁当の中身に「海のものと山のもの」を入れるように指示したりと、当時では異色ともとれる自由な感性で生徒たちに接していた。パパ(黒柳守綱)…小栗旬家族を守る優しさと力強さにあふれる、トットちゃんのパパ。日本最高峰と評判のヴァイオリン奏者。トットちゃんが“徹子”という名前をうまく発音できず、“トット”と発音していたことから、パパは“トット助”と呼び愛情を注いでいた。ママ(黒柳朝)…杏トットちゃんの心優しき母。トットちゃんのお転婆な性格と行動力に心配が絶えないが、トットちゃんをのびのびとした人生へと導くために寄り添いながら成長を見守る。大石先生…滝沢カレントットちゃんの担任の先生。個性豊かな生徒たちと共に、自身も成長していく。監督は「劇場版ドラえもん」シリーズの八鍬 新之介監督は、「劇場版ドラえもん」シリーズで数々のヒット作を世に送り出してきた八鍬新之介。「生と死」「戦争と平和」「思いやりと差別」など、相反するテーマが雄弁に語られていた『窓ぎわのトットちゃん』を読み、映画化したいとの思いが強まったという。映画『窓ぎわのトットちゃん』あらすじ落ち着きがないことを理由に、小学校を退学になってしまったトットちゃん。トモエ学園に新しく通うことになったトットちゃんは、出会ったばかりの小林校長先生に優しく語りかけられる。「君は、ほんとうは、いい子なんだよ。」トットちゃんの元気いっぱい、すべてが初めてだらけの日々が始まる。【作品詳細】映画『窓ぎわのトットちゃん』公開日:2023年12月8日(金)監督:八鍬新之介脚本:八鍬新之介・鈴木洋介出演:大野りりあな、小栗旬、杏、滝沢カレン、役所広司キャラクターデザイン:金子志津枝アニメーション制作:シンエイ動画配給:東宝音楽:野見祐二原作:『窓ぎわのトットちゃん』(黒柳徹子 著 / 講談社 刊)
2023年07月14日ジャンポール・ゴルチエの自伝的ミュージカル「ファッション・フリーク・ショー」の舞台裏を追う『ジャンポール・ゴルチエ:フリーク&シック(原題)』が9月29日(金)より公開されることが決定した。2018年秋にパリで上演されるとともに話題の中心となった「ファッション・フリーク・ショー」。手掛けるのは80年代よりファッションデザイナーとして第一線で活躍し続けるジャンポール・ゴルチエだ。自身の半生を題材に、ゴルチエ特有の豪華な衣装、オリジナルの音楽やハイスタイルな振り付けで観客を魅了する舞台は、実に2年もの歳月が制作に注がれていた。マドンナ、カトリーヌ・ドヌーヴ、マリオン・コティヤール、ロッシ・デ・パルマをはじめとする世界的なセレブまでをも虜にした、贅沢で心穏やか、過剰かつ詩的、そして魔法に満ち溢れた世界観。その世界的なショーを作り上げるまでの背景に迫る。ジャンポール・ゴルチエは、マドンナの「コーンブラ」を手掛けたデザイナーとして知られ、映画衣装の分野でもピーター・グリーナウェイ監督の『コックと泥棒、その妻と愛人』(89)を始め、リュック・ベッソン監督の『フィフス・エレメント』(97)、ペドロ・アルモドバル監督の『キカ』(93)や『私が、生きる肌』(11)など、多くのキャリアを持つ世界的ファッションデザイナーだ。本作の監督を務めたのは、これまでフランスの柔道家テディ・リネールのドキュメンタリーや、Netflixで配信されたエマニュエル・マクロン仏大統領のドキュメンタリーを手掛けてきたヤン・レノレ。本作にはいまなおファッションアイコンとして君臨し続けるマドンナが出演しているほか、フランスの名優カトリーヌ・ドヌーヴやマリオン・コティヤール、アルモドバル監督作の常連俳優ロッシ・デ・パルマ、ディスコ&ファンクミュージックの巨匠ナイル・ロジャースなど、錚々たる面々がスクリーンを彩っている。「ファッション・フリーク・ショー」とは、ゴルチエの幼少期からデザイナーとして成功を収めるまでの半生を描いたミュージカル。ゴルチエ自ら演出と衣装を手掛け、2018年のパリ公演では25万人を動員、2022年のロンドン公演では30万人を動員するなど、ファッションの本場を熱狂させてきた公演だ。現在、世界各地でワールドツアーが決まっており、日本でも5月19日(金)から渋谷の東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11階)、6月7日(水)より大阪フェスティバルホールにて日本公演が決まっている。また、「ファッション・フリーク・ショー」の日本公演に合わせ、6月4日(日)にヒューマントラストシネマ渋谷にて1日限定の先行上映が行われる予定だ。『ジャンポール・ゴルチエ:フリーク&シック(原題)』は9月29日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2023年05月19日英国の人気コラムニストの自伝的小説をドラマ化、20代女性のリアルな日常を描いてBBCで大ヒットを記録した青春ドラマ「ミレニアル・ガールズ~ロンドン無計画ライフ~」が、「スターチャンネルEX」にて6月1日(木)より字幕版・吹替版ともに全話一挙配信。予告映像・日本版キーアート・場面写真が初解禁された。本作は英国の人気コラムニスト、ドリー・アルダートンの自伝的ベストセラー小説「Everything I Know About Love」のドラマ化。2012年のロンドンを舞台に、大学を卒業したばかりの女子4人組が恋や友情、夢やキャリアの悩みを抱えながらも、いましかない20代を奔放に謳歌するリアルな日常を描き、BBCで放送されるとミレニアル世代を中心に共感の声が続出した。この度初公開となる予告映像では、子どもの頃から親友のマギーとバーディ、そしてルームメイトのネルとアマラの4人が、ロンドン生活初の夜を楽しむ様子が映し出される。クラブに行って踊ったり、パーティーを楽しんだりと自由を謳歌する4人。そんな毎日を過ごすなか、ある日バーディに彼氏ができる。彼氏ができても「何も変わらない」というバーディに、「何もかもが変わるときによく言うフレーズ」とマギーが返すように、4人の関係が徐々に変化していくことを感じさせる映像となっている。2010年代に20代を謳歌する、ミレニアル世代女性のリアルをユーモアを交えて描く2018年にイギリスでベストセラーになり、自伝部門でNational Book Awardに輝いたドリー・アルダートンの「Everything I Know About Love」のドラマ化作品をBBCが放送。2012年のロンドンを舞台に、恋愛、友情、仕事や夢など、当時の20代(=ミレニアル世代)女性の悩み多きリアルな日常は、彼女たちの自由奔放な生活を描きながら、成長と共に親友と距離が離れていく疎外感と不安、恋愛と友情の両立はできないのか、という普遍的なテーマが作品の核となっている。「サンデータイムズ」紙のコラムニストでジャーナリスト、ポッドキャスターとしても活躍し、SNSで約50万人のフォロワーがいるアルダートンは、ファッション誌「ELLE」の「世界を変える女性100人」に選出され、“ミレニアル世代にとってのノーラ・エフロン”と呼ばれるほど若い女性から絶大な支持を集めている。そんな彼女が脚本も手掛けた本作は、かつての「セックス・アンド・ザ・シティ」「GIRLS/ガールズ」などのように、ミレニアル世代の女性にとっての新たなバイブル。まだ自分の将来像が見えなかった20代のころ、定職や真剣な付き合いのできるパートナーを見つけていく友人たちを横目に取り残されたような寂しさや、焦りや不安を覚えた、ほろ苦い懐かしさが蘇りそうだ。『ブリジット・ジョーンズの日記』『ラブ・アクチュアリー』のワーキングタイトル製作本作は、『ブリジット・ジョーンズの日記』や、『フォー・ウェディング』『ノッティングヒルの恋人』『ラブ・アクチュアリー』など、イギリスを代表する数多くのロマコメを世に送り出してきたワーキングタイトルの製作。同プロダクションを率いるティム・ビーヴァンとエリック・フェルナーが製作総指揮に名を連ねる。2人は、本作同様に20代の英国女性のリアルを移民2世の視点を交えコミカルに描いた「絶叫パンクス レディパーツ!」も手掛けており、人気コラムニストの脚本と、ワーキングタイトル、そしてBBCという最強のチームで贈る見逃せない最新作だ。サブカルの中心地カムデンが舞台、劇中音楽が重要な脇役!4人の生活拠点はロックンロールの歴史が深く、パンクロック精神溢れるサブカルチャーの中心地として知られるカムデン。かつて原作者アルダートンが実際に住んだエリアだ。そんなカムデンを舞台とする本作で存在感を放つのが、劇中で流れる楽曲の数々。頻繁にクラブに踊りに行ったり、家飲みでも陽気に踊り出す4人を盛り上げるのは、「リズル・キックス」などのブリティッシュポップスや、PSYの「江南スタイル」など、2010年代にヒットした懐かしい楽曲。さらに「ABBA」の「ヘッド・オーヴァー・ヒールズ」やカイリー・ミノーグの「ラヴ・アット・ファースト・サイト」などは、ストーリー展開や登場人物の感情と絶妙にシンクロ。洋楽好きにはたまらないサウンドトラックとなっている。ブレグジット前のUKへのノスタルジーと共感で高評価2022年6月にBBCで放送&配信開始した本作は、Rotten Tomatoesで批評家から96%、IMDbでは7.6点の高評価を獲得。2012年頃に20代を過ごし、現在子育て中の視聴者などから、当時のロンドンの雰囲気や音楽、ファッションなどが「懐かしい」「当時の自分を思い出す」などと共感コメントがSNSを賑わせ、原作本の愛読者たちからも高い支持を得ている。現時点でシーズン2の製作はまだ発表されていないが、アルダートンは「24歳から27歳で女性は大きく変わる」と続編の製作に意欲的な発言をしているところだ。(text:cinemacafe.net)
2023年05月10日ぴあ創業者の矢内廣が創業50周年を機に初めての自伝『岩は、動く。』を発売した。本書では、自身の生い立ちから、情報誌『ぴあ』の創刊、「チケットぴあ」のスタート、幾度と経験した経営危機や発明のエピソードなどが語られる。書籍には「不可能という名の大きな岩は、信念を持って一生懸命に押していると、一緒に押してくれる人がまず一人現れ、そのうち何人にもなり、皆んなで押してるうちに動き始め、一度ゴロンとすると、ゴロンゴロンと転がります。こうして、動かないはずの岩が何度も動いたのが、ぴあの50年でした。」と書かれており、『岩は、動く。』が本のタイトルになっている。■目次抜粋・幼少時代のあだ名は「哲学者」・起業の原点は「甘納豆紙芝居」・情報誌「ぴあ」命名の種明かし・浅利慶太と押した「起動スイッチ」・ぴあが迎えた「とんでもない」相談役・一度は「断った」株式上場・コロナという「天災」とどう対峙したか・「これからの50年」に向かってほか『岩は、動く。』著者 矢内廣発行・発売ぴあ株式会社発行日2022年12月30日定価2420円本体2200円+税判型四六・上製(ハードカバー)本体242P
2022年12月30日巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督・脚本で贈る初の自伝的映画『The Fabelmans』(原題)が邦題『フェイブルマンズ』として2023年3月3日(金)より全国公開されることが決定し、併せて場面写真が解禁された。『ジョーズ』『E.T.』『ジュラシック・パーク』など、50年にわたるキャリアの中で変幻自在なフィルモグラフィを世界に送り出してきた巨匠スティーヴン・スピルバーグが、“映画監督”になる夢を叶えた自身の原体験を描いた最新作。初めて映画館を訪れて以来、映画に夢中になったサミー・フェイブルマン少年が両親との葛藤や絆、そして様々な人々との出会いによって成長していきながら、人生の一瞬一瞬を探求し、夢を追い求める物語。先日行われたアカデミー賞の前哨戦といわれる第47回トロント国際映画祭では最高賞である観客賞を見事受賞。同映画祭にて観客賞を受賞した作品はアカデミー賞を獲得することが多く、過去10年の受賞作品はもれなくアカデミー賞作品賞にノミネートされているなど、本年度の最有力候補として大きな注目を集めている。本作でサミー・フェイブルマン少年を演じるのは、『ザ・プレデター』「アメリカン・ジゴロ」シリーズのガブリエル・ラベル。サミーの母親役には『マンチェスター・バイ・ザ・シー』などでアカデミー賞に4度ノミネートされたミシェル・ウィリアムズ。父親役は『THE BATMAN -ザ・バットマン-』のポール・ダノと豪華実力派俳優が集結した。そしてこの度、場面写真4点が解禁。まさに“夢”の始まりとも言える両親と一緒に映画館へ遊びに行きサミーが映画の魅力に心奪われるシーンや、6人全員が別の方向を向き、どこか浮かない表情ですれ違いを感じさせる家族写真、青年期のサミーが夢中でカメラを覗き込む印象的なシーンなどが切り取られている。スピルバーグ監督自身が「この物語を語らずに自分のキャリアを終えるなんて、想像すらできない」とまでコメントするなど、熱い想いが込められた渾身の最新作に期待が高まる。『フェイブルマンズ』は2023年3月3日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:The Fabelmans(原題) 2023年、全国にて公開フェイブルマンズ 2023年3月3日より全国にて公開© 2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.
2022年11月30日12月4日に川崎CLUB CITTA’で開催されるDJ/ライブイベント『The 42nd Anniversary LONDON NITE X’mas Special 2022』のタイムテーブルが発表された。今年で42周年を迎えた『LONDON NITE』は、DJの大貫憲章が「ロックで踊る」をテーマに1980年に新宿ツバキハウスでスタート。中でも年に1回、クリスマス時期に行われる『LONDON NITE X’mas Special』は人気のイベントで、毎回豪華なミュージシャンやDJが参加している。本来は2020年の40周年の際にアニバーサリーイベントを開催予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け見送りに。今回はTHE SKA FLAMES、THE BAWDIES、SHEENA & THE ROKKETSらゆかりのミュージシャンたちが集結し、アニバーサリーイベントをDJとともに盛り上げる。チケットは現在一般発売中。<イベント情報>The 42nd Anniversary LONDON NITE X’mas Special 202212月4日(日) 川崎CLUB CITTA’OPEN / START16:00【タイムテーブル】16:00 OPEN/DJ 加藤直樹16:20 DJ YU-TA16:40 DJ U-ICHI17:00 THE SKA FLAMES17:45 DJ Yossy18:15 DJ SHOJI18:45 THE BAWDIES19:30 DJ 稲葉達哉20:00 DJ ヒカル20:30 SHEENA & THE ROKKETS21:15 DJ 大貫憲章【チケット料金】(税込 / オールスタンディング)前売:5,000円当日:6,000円※入場時ドリンク代別途600円必要チケット情報はこちら:公式サイト:
2022年11月16日6月からBSプレミアムで放送された「拾われた男」が、10月11日(火)よりNHK総合テレビにて放送されることが決定した。本作は、俳優・松尾諭の自伝的エッセイに基づく、人生の可笑しみ溢れるヒューマン・コメディ。主演を仲野太賀が務め、草彅剛、伊藤沙莉らが共演し、自販機の下に落ちていた1枚の航空券を拾うところから始まる、他人に拾われ続けることで人生を切り開いていく物語。ディズニープラス「スター」でも配信され話題を呼んだ。毎週火曜日の放送のほか、翌週には再放送もされる。嘘のような実話をベースにした波乱万丈なサクセスストーリーと豪華キャストによる競演はもちろん、井川遥、柄本明、塚本晋也らの本人役キャストも見どころだ。「拾われた男」は10月11日より毎週木曜22時~NHK総合テレビにて放送開始。(再放送は、翌週火曜15時10分~)(text:cinemacafe.net)
2022年09月21日スターバックス(Starbucks)は、夏の新作「The メロン of メロン フラペチーノ」を2022年6月1日(水)より発売する。“圧倒的なメロン感”「The メロン of メロン フラペチーノ」サマーシーズン第2弾として、“ヨリドリミドリ(Yori Dori Midori)”をテーマにした新作メニューが登場。圧倒的なメロン感を感じられる“ミドリ”のフラペチーノ「The メロン of メロン フラペチーノ」は、どこから飲んでもまるで完熟したメロンのいちばん美味しいところだけを食べているような味わいを楽しめる1杯だ。赤肉メロンソース×青肉メロンフラペチーノジューシーに香る赤肉メロンの果肉ソースに、爽やかな青肉メロン果汁のベースとミルクを合わせた甘みのフラペチーノをプラス。加えて、メロン風味のホイップクリーム、メロン風味のソースをトッピングして仕上げた。最初から最後の一口まで華やかなメロンの風味を堪能することができる。味わいに加え、グリーンとオレンジ、2つの鮮やかな“メロンカラー”も「The メロン of メロン フラペチーノ」の魅力。初夏の爽やかな気分を盛り上げてくれそうだ。抹茶ムース&スコーンなど“ミドリ”スイーツもまた、「The メロン of メロン フラペチーノ」に加えて、「アーモンドミルクの抹茶ムース」や「抹茶ホワイトチョコスコーン」などの“ミドリ”スイーツも同時に展開される。【詳細】スターバックス「The メロン of メロン フラペチーノ」販売期間:2022年6月1日(水)~7月12日(火)取り扱い店舗:全国のスターバックス店舗(一部店舗を除く)価格:トールサイズのみ テイクアウト 678円、イートイン 690円
2022年05月28日俳優・監督・演出家として映画や舞台の最前線で活躍し続け、世界中から絶大な評価を得るケネス・ブラナーが、自身の幼少期を投影した自伝的作品として監督・製作・脚本を務めた『ベルファスト』。第46回トロント国際映画祭にて最高賞にあたる観客賞を受賞して以降、すでに世界中の55の映画祭・映画賞で33の賞を獲得、195ノミネートを誇る本作から、北アイルランド・ベルファストに暮らす家族をとらえた場面写真が一挙に解禁された。本作の舞台は、1969年の北アイルランド ベルファスト。9歳の少年バディは、住民全てが顔なじみで、まるでひとつの家族のような暖かさに包まれるこの街で、愛に溢れた完璧な日々を送っていた。しかし、突如、プロテスタントの暴徒が、街のカトリック住民への攻撃を始め、大規模な暴動が発生する――。本作に自身の幼少期を投影したというブラナーは、新星ジュード・ヒルが演じる9歳の少年バディの目線を通し、時代に翻弄され様変わりしていく故郷の厳しい現実と、家族とともにそこで過ごした愛と笑顔と興奮に満ちた日々を力強いモノクロ映像で描きだした。今回解禁された場面写真では、バディらが家族揃って映画を楽しむ美しい一瞬が切り取られた1枚や、父と母を演じたジェイミー・ドーナン、カトリーナ・バルフが笑顔でダンスを披露する幸せな日常を切り取った1枚。キアラン・ハインズ、ジュディ・デンチという名優たちが演じる祖父・祖母と共にはちきれんばかりの大きな笑顔を見せるバディを切り取った1枚。さらに、激怒する母から必死で逃げ切ろうとするバディの姿を切り取った、思わずくすっと笑ってしまう場面写真も到着した。ブラナーは、困難な状況におかれながらも、少しずつ成長していく1人の少年とその家族の愛と絆を、モノクロ映像でパワフルに魅せ世界中の批評家を魅了。ルーツ(故郷)への郷愁とリスペクト、そして移り行く時代を前に、決して変わることのない人間の気高さを、笑いあり涙ありの人生讃歌へと昇華させている。『ベルファスト』は3月、TOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ベルファスト 2022年3月、全国にて公開© 2021 Focus Features, LLC.
2022年01月26日ケネス・ブラナーの自伝的映画『ベルファスト』が、2022年3月25日(金)に公開される。製作・監督・脚本はケネス・ブラナー。第94回アカデミー賞、第79回ゴールデングローブ賞では脚本賞を受賞した。ケネス・ブラナーの自伝的映画『ベルファスト』映画『ベルファスト』は、『ダンケルク』『TENET テネット』などに出演し、『シンデレラ』『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』では監督も務めるケネス・ブラナーの自伝的作品。俳優・監督・演出家として映画や舞台の最前線で活躍し続けるケネス・ブラナーが、自身の手で、故郷へのリスペクトや人間の気高さを描いた。ケネス・ブラナーは、映画『ベルファスト』について「とてもパーソナルな作品だ。私が愛した場所、愛した人たちの物語だ。」とコメントしている。第94回アカデミー賞で脚本賞&7部門にノミネート映画『ベルファスト』は、第94回アカデミー賞にて作品賞、監督賞、脚本賞、録音賞、キアラン・ハインズが助演男優賞、ジュディ・デンチが助演女優賞、ヴァン・モリソンによる楽曲「DOWN TO JOY」が主題歌賞と全7部門にノミネート。見事、ケネス・ブラナーが脚本賞に輝いた。なお、第46回トロント国際映画祭では最高賞にあたる観客賞を受賞、第27回放送批評界協会賞では最多11部門ノミネート、第79回ゴールデングローブ賞では脚本賞を受賞している。故郷へリスペクト&ひとりの少年の成長を描く物語は、北アイルランド・ベルファスト出身のケネス・ブラナーが、9歳の少年バディの目線を通して、自身の幼少期を描いたもの。愛と笑顔と興奮に満ちた日常と、激動の時代に翻弄され様変わりしていく故郷ベルファストを、モノクロ映像で克明に映し出す。困難な状況にありながら、未熟な殻を破り、大人へと転換していくひとりの少年の成長と、その家族の力強い生きざまにも注目。変わりゆく故郷、移りゆく時代の中にあっても、変わることのない人間の気高さや生命力を描いた人生賛歌だ。登場人物&キャスト主人公・バディ...ジュード・ヒル9歳の少年。『ベルファスト』で長編映画デビューを果たすジュード・ヒルが、自然な存在感で物語をまぶしく輝かせる。バディの父...ジェイミー・ドーナン出稼ぎで家を空けがちなバディの父。金にはだらしないが家族を愛し守り抜く。演じるのは、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の若富豪クリスチャン・グレイ役で注目を集めたジェイミー・ドーナン。バディの母...カトリーナ・バルフ気丈で美しいバディの母。厳しさのなかにセンシティブな一面を併せ持ちながら、母親として妻として家族を正しく導いていく。担当するのは、モデル・女優として活躍するカトリーナ・バルフ。祖父ポップ...キアラン・ハインズいつもユーモアと遊び心を忘れないバディの祖父。バディの気持ちをくみ取り、ジョーク交じりで適切な助言を与える。演じるのは、ベルファスト出身のベテラン俳優キアラン・ハインズ。祖母グラニー...ジュディ・デンチ静かに家族を見守る祖母。わずかな出演ながら、世界的大女優のジュディ・デンチが圧倒的な存在感で魅せる。<映画『ベルファスト』あらすじ>1969年、激動の北アイルランド ベルファスト。僕が生まれ育ったその町には、歌があった、映画あった、家族がいた―そして、愛に輝く日々があった。ベルファストで生まれ育ったバディ(ジュード・ヒル)は家族と友達に囲まれ、映画や音楽を楽しみ、充実した毎日を過ごす9歳の少年。笑顔にあふれ、たくさんの愛に包まれる日常は彼にとって完璧な世界だった。しかし、1969年8月15日、バディの穏やかな世界は突然の暴動により悪夢へと変わってしまう。プロテスタントの武装集団が、街のカトリック住民への攻撃を始めたのだ。住民すべてが顔なじみで、まるで一つの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断されていく。暴力と隣り合わせの日々のなか、バディと家族たちは故郷を離れるか否かの決断に迫られる――。【詳細】映画『ベルファスト』公開日:2022年3月25日(金)※3月18日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ・TOHOシネマズ 梅田で先行公開。製作・監督・脚本:ケネス・ブラナー出演:カトリーナ・バルフ、ジュディ・デンチ、ジェイミー・ドーナン、キアラン・ハインズ、ジュード・ヒル2021年/イギリス/ビスタサイズ/98分/モノクロ・カラー/英語/5.1ch/原題『Belfast』配給:パルコ ユニバーサル映画
2021年12月12日俳優・監督・演出家ケネス・ブラナーが、自身の幼少期を投影した自伝的作品『ベルファスト』(原題:『BELFAST』)が2022年3月に公開決定。第46回トロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を受賞し、本年度アカデミー賞有力候補として名乗りをあげている。北アイルランド・ベルファスト出身のブラナー自身が監督・製作・脚本を努め、9歳の少年バディの目線を通して、愛と笑顔と興奮に満ちた日常と激動の時代に翻弄され様変わりしていく故郷ベルファストを克明に映し出し、困難な状況におかれながらも、未熟だった殻を破って大人へと転換していくひとりの少年の成長と、その家族の強く気高い魂をモノクロ映像でパワフルに魅せる。第46回トロント国際映画祭にて観客賞を受賞し、「これぞオスカーにふさわしい作品!」(ROLLING STONE)、「オスカー賞レースを新たな高みへと引き上げる作品」(VARIETY)、「熱狂!この映画を決して忘れることはできない」(THE HOLLYWOOD REPORTER)と各誌から絶賛の声が続出。世界中の批評家を魅了している。ブラナーは本作に対し、「『ベルファスト』はとてもパーソナルな作品だ。私が愛した場所、愛した人たちの物語だ」とコメントしており、圧巻のモノクロ映像でルーツ(故郷)への郷愁とリスペクトを描きながら、変わりゆく故郷、移り行く時代を前に、決して変わることのない人間の気高さと生命力に溢れる人生賛歌を誕生させた。子役のジュード・ヒルほか、カトリーナ・バルフ、ジュディ・デンチ、ジェイミー・ドーナンらが出演する。物語ベルファストで生まれ育ったバディ(ジュード・ヒル)は家族と友達に囲まれ、映画や音楽を楽しみ、充実した毎日を過ごす9歳の少年。笑顔にあふれ、たくさんの愛に包まれる日常は彼にとって完璧な世界だった。しかし、1969年8月15日、バディの穏やかな世界は突然の暴動により悪夢へと変わってしまう。プロテスタントの武装集団が、街のカトリック住民への攻撃を始めたのだ。住民すべてが顔なじみで、まるで一つの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断されていく。暴力と隣り合わせの日々のなか、バディと家族たちは故郷を離れるか否かの決断に迫られる――。『ベルファスト』は2022年3月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ベルファスト 2022年3月、全国にて公開© 2021 Focus Features, LLC.
2021年12月09日=LOVE(ヨミ:イコールラブ)が、新曲「The 5th」のMusic Videoを公開した。髙松瞳がセンターを務める「The 5th」は、12月15日にリリースされる通算10枚目のシングル表題曲で、=LOVEの人気曲「僕らの制服クリスマス」の5年後のアフターストーリーを描いたクリスマスソングとなっている。公開されたMVは“大人クリスマス”をテーマに、メンバー11人がそれぞれの場所で思い思いのクリスマスを過ごすドラマシーンや、キラキラのイルミネーションで彩られた幻想的なシチュエーションの中で白い衣装を身にまとったダンスシーンで構成されている。併せて、シングル『The 5th』の全ジャケット写真が公開された。=LOVE「The 5th」MV【楽曲クレジット】作詞:指原莉乃作曲:ArmySlick / Yu-ki Kokubo / YUU for YOU / YHANAEL編曲:ArmySlick / YUU for YOUSound Director:矢山貴之(Sony Music)Mastered by Sony Music Studios Tokyo【MUSIC VIDEOクレジット】監督:大野敏嗣振付:shoji(s**t kingz)Producer:三池智之(north river)<リリース情報>10thシングル『The 5th』12月15日(水) リリース●Type A【CD+DVD】1,650円(税込)封入特典:・Type A生写真11種のうち1枚ランダム・スペシャルプレゼント抽選応募シリアルナンバー 『The 5th』Type Aジャケット●Type B【CD+DVD】1,650円(税込)封入特典:・Type B生写真11種のうち1枚ランダム・スペシャルプレゼント抽選応募シリアルナンバー『The 5th』Type Bジャケット●Type C【CD+DVD】1,650円(税込)封入特典:・Type C生写真11種のうち1枚ランダム・スペシャルプレゼント抽選応募シリアルナンバー『The 5th』Type Cジャケット●Type D(通常盤)【CD Only】1,100円(税込)『The 5th』Type D(通常盤)ジャケット関連リンク=LOVE オフィシャルHP: 公式Twitter: 公式YouTubeチャンネル:
2021年11月12日『アラサーちゃん』の峰なゆかさんが描く自伝的マンガとして、昨年末に第1巻がリリースされ、各方面で話題を呼んでいる『AV女優ちゃん』。AV女優を題材にした既存の物語には2つのパターンがある、と峰さんは語る。女って自由?それとも不自由?AV業界を通して見えてくること。「不幸な女性がAVに出てしまいましたっていうパターンと、誇りを持ってこの仕事をやってますっていうキラキラパターン。需要があるのがこの2つだっていうのはわかっていたのですが、どちらにも当てはまらない現実を描いてみたいなっていう気持ちがずっとあったんです」そんな気になる現実として冒頭で描かれるのが、初めて臨む撮影現場。大きな胸を“ボンヨボンヨ”と手まりのようにバウンドされながら、その行為が一体なんなのか、快感とは無縁のクリアな頭で考える主人公……。なかなかシュールな情景だ。「視聴者が楽しめる映像を撮るぞっていう気持ちは私も一緒なんですけど、監督や男優はそこでさらに私をイカせるぞって気持ちもあったりして。だけど気持ちいいプレイと、映えるプレイは違うんですよね」ほかにも1巻で描かれるのは、AV女優の寿命の話や、サイン会や撮影会のようなイベント、そして田舎のオタク少女だった主人公が高校デビューしてAV出演に至るまでなどなど。大量のオタクを描くのに苦労したというイベントのカオスっぷりは、その内容とともに衝撃的だ。「AV女優のサイン会って、大抵の人はそんなのあるんだ?って感じですよね。私も最初は何も知らずに参加しましたけど、いつの間にかあれが普通だと思っていました。特殊な環境にいる人って、自分のことを特殊だと思っていないから、ネタになるなんて気づきもしないものだけど、今こうやって物語にできるっていうことは、私もやっとAV業界から抜けてきたんでしょうね」本人はそこまで意図して描いたつもりはないらしいが、昨今問題視されるAV出演強要について考えさせられるようなエピソードも。「私としては、あるある出演パターンのつもりで描いていたので、『AV業界から抜けてきた』と言いつつ、一般の感覚からするとまだまだAV脳ですね(笑)。読者の方の反響はいろいろですが、“AV観”や“AV女優観”っていうのは、女性のほうが更新されにくいんだなと思ったりもします。まあ、見なければ知らないのは当然なんですけどね」峰さんが今だから描ける、自分自身。感情が読み取りにくい、おなじみの黒く塗りつぶされた主人公の瞳は、何を見つめているのか。ギャグに油断していたら、背中からざっくりやられてしまうのでご注意を。『AV女優ちゃん』1自身のAV出演経験だけでなく、AVの世界で出会ったさまざまな人のエピソードをもとに描く、渾身の作品。巻末には著者と田嶋陽子さんによる特別対談も収録。扶桑社900円©扶桑社/峰なゆかみね・なゆかマンガ家。『アラサーちゃん 無修正』(全7巻)、『アラサーちゃん』はシリーズ累計70万部超。近著に『痴女レッスン』(作・乃亜)。※『anan』2021年3月10日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2021年03月09日EXILEのメンバーで、三代目 J SOUL BROTHERSのリーダー・小林直己による初の自伝的エッセイ『EXILEになれなくて』が、きょう23日18時から「文藝春秋digital」で連載開始する。小林がEXILEに加入したのは2009年。その直後に発生した東日本大震災から、EXILEはスローガンとして「日本を元気に」を掲げてきた。実現に向けて「EXILEとして何ができるのか」そして「EXILEとして生きるということはどういうことか」を必死に考え続け、迎えた三代目 J SOUL BROTHERS活動10周年、コロナ禍に直面する――。グループでの活動が制約されるなか、自分ができることを考え抜き、「私があこがれ続けた場所を、自分の言葉で書くことで、その意味を問いただし、私自身を発見したい」という思いから、今回、初の自伝的エッセイ『EXILEになれなくて』の連載開始に至った。小林はこれまでも週刊文春、文春オンラインに村上春樹『一人称単数』の書評を2編同時に寄せるなど、“ハルキスト”として、また読書家としても有名だ。今回の連載では、自らの生い立ちからEXILEとの出会い、LDHという組織の秘密、コロナ禍のエンターテインメント産業、新たな世代へのビジョンの共有など、内に秘めた熱い思いをメディアプラットフォーム「note」で展開中の「文藝春秋digital」で綴る。
2020年10月23日秋吉久美子に注目が集まっているー。『赤ちょうちん』『妹』などの青春映画で1970年代に、鮮烈なデビューをした秋吉も、ことしで女優生活45年。その初めての自伝的著書が出版される。さらに10月には、主要作品を集めた特集上映も企画されている。著書はタイトルが『秋吉久美子 調書』、9月18日に筑摩書房から刊行される。映画評論家で映画監督でもある樋口尚文さんが共著者。あまり受けることのない貴重なロングインタビューと、膨大な秘蔵写真が収録されている。著書について、秋吉は「今回の『調書』という本は、新しい人生の境地が見えてきた自分だからこそ言えることもあるし、そもそも私が年齢を重ねたというエクスキューズがあるからこそ「ああ、こんなふうだったんですね」と素直に読者に受け入れてもらえる部分も大きいのでは。たとえばかつて一緒に仕事をして亡くなった監督たちのことについてもたくさんお話ししていますが、今は私のほうが年上になっていたりするので、語ってもいいかもしれないと考えたんですね。こうしてふりかえってみると、自分の映画人生って、もちろんこまごまと感情的な愛憎などはあったと思うんですけど、とてもみずみずしい時代でした。平成ってちょっとモノトーンな、くすんだ感じでしたが、昭和の映画の現場は鈴木清順さんの映画みたいにカラフルな記憶として残ってますね。だから、『調書』ではオブラートにくるみながらも、なるべく本当のことを言おうと思ったんです。なにしろ『調書』という書名ですから、映画の現場について当たり障りなくボカしたり美化したりするのは許されない、ちゃんと受けて立とうと思った。そろそろしらばっくれるのもほどほどに、というタイミングだったかな(笑)。」と語っている。この著書刊行にあわせて企画されたのが、シネマヴェーラ渋谷の特集上映「ありのままの久美子」(10.17〜30) 。主演第一作の『十六歳の戦争』(監督松本俊夫)、藤田敏八監督の青春三部作『赤ちょうちん』『妹』(1974)/『バージンブルース』、大林宣彦監督の『異人たちの夏』『可愛い悪魔』(TVムービー)など。『調書』の共著者、樋口尚文監督の『インターミッション』も上映される。ぴあアプリでも、9月18日から「秋吉の成分」と題し、ロングインタビュー企画「クリエイター人生」の連載が開始される。秋吉久美子が愛する映画、文学、音楽、旅行など、そのユニークな感性をつくった「成分」を掘り下げる。(文中のコメントは、その連載から転載)
2020年09月18日ロッテの新作アイス「THE富士山バー」が、2020年6月29日(月)より全国で発売される。「THE富士山バー」は、その名の通り、日本の象徴“富士山”をイメージしたユニークなアイスバー。青いソーダと白いソーダの2層仕立てで、その富士山の特徴的なビジュアルを表現したアイキャッチな見た目に仕上げている。口の中に入れると爽やかなソーダ風味が広がるアイスバーは、暑い夏にもぴったり。またパッケージは、浮世絵風の日本らしさ溢れる見た目に仕上がっている。【詳細】「THE富士山バー」発売日:2020年6月29日(月)発売地区:全国価格:100mL 100円+税
2020年06月26日新型コロナの影響で、ジム・キャリー執筆の本が、出版延期となった。フィクションも混ぜた半自伝本で、タイトルは『Memoirs and Misinformation』。フェーム、演技、友情、恋愛などを振り返り、もうひとりのライターと共同執筆している。もともとの出版予定は来月5日だったが、コロナで宣伝ツアーなどができないことから、10月6日に変更された。キャリーはまた、最近、政治風刺画家としても大活躍。それらの作品を集めた美術本も、出版準備が進められている。文=猿渡由紀
2020年04月07日The 1975の新アルバム『仮定形に関する注釈』(原題:Notes On A Conditional Form)が2020年5月22日(金)にリリース。The 1975の4thアルバム『仮定形に関する注釈』The 1975は、マンチェスター出身の4人組で結成されたロックバンド。ロックとポップス、エレクトロニカ、R&B、ヒップホップ、バラードといった多彩なジャンルを自在にミックスしたサウンドが特徴で、日本では彼らの楽曲「Sincerity Is Scary」がリアリティ番組「テラスハウス TOKYO 2019-20」のオープニングテーマにフィーチャーされるなど、高い注目と人気を集めている。今回リリースする新作『仮定形に関する注釈』は、The 1975の4枚目となるアルバム。全22曲で構成される予定だ。なお、CDの発売に先駆けて、収録曲が先行配信。「The 1975」「People」「Frail State of Mind」「The Birthday Party」 「Me & You Together Song」「Jesus Christ 2005 God Bless America」に加え、5月14日(木)より「Guys」が先行リリースされている。【詳細】The 1975『仮定形に関する注釈』リリース日:2020年5月22日(金)価格:2,500円+税 歌詞・対訳・解説付
2020年04月03日4月4日(土)、奈良・EVANS CASTLE HALLで開催される音楽イベント『THE 奈良』に、湘南乃風やTHE野党でも活動するSHOCK EYEの出演が決定した。「THE奈良 presented by BANSO」チケット情報「THEシリーズ」は、大阪を新感覚のエンタテインメントで盛り上げようという趣旨の元、2018年2月より音楽とお笑いのコラボイベントとして大阪で始まった。2019年8月まで通算7回開催され、数々の人気アーティストやお笑い芸人が出演。昨年10月には「音楽で地方を盛り上げたい」という趣旨の元、秋田県秋田市にて『THE AKITA』を開催。地元のクラブチーム「ブラウブリッツ秋田」とのコラボが実施されるなど大盛況のうちに終わった。今回の開催地は奈良。すでに発表されているDOZAN11、寿君、大阪☆春夏秋冬 with 黒髪のリリー、RED SPIDER、APOLLO、RAYと共に、奈良を大いに盛り上げる。チケットは発売中。
2020年03月02日トロント映画祭初日、シャイア・ラブーフの自伝的映画『Honey Boy』が、メディアと業界関係者に向けて上映された。今作はラブーフが12歳だった頃に焦点を当てたもの。ラブーフは、自ら脚本を書き下ろしたほか、父親役で出演もしている。タイトルの“honey boy”は、父が彼に向かって時々使った呼び名だ。映画は、20代の俳優オーティスが、カウンセラーの指導で過去を見つめ直す形で展開する。彼の問題行動の根本にあるのは、子供時代に受けた父親からの虐待だ。両親が破局した後、オーティスは父親に引き取られ、安モーテルで生活をしていた。生活費を稼ぐのは子役として活躍するオーティス。父は、彼にタバコやマリファナを教えることはするが、どこかに連れて行ってくれることもなく、まともな愛情表現すらしてくれない。父もまた、不幸な子供時代を送り、それを引きずっているのである。大人になってからのオーティスを演じるのは、今最も注目の若手俳優ルーカス・ヘッジズ。子供時代を演じるのは、『クワイエット・プレイス』『ワンダー 君は太陽』のノア・ジュプだ。子役としてキャリアを積み、スピルバーグに見出されて『トランスフォーマー』などに主演したラブーフは、その頃から、自分がこの道に入ったのは「家が本当に貧しく、家計を支えるためだった」と語っていた。その後もオリバー・ストーンなど大物監督から演技力を評価されるものの、近年はプライベートでのトラブルが続出。警察沙汰になった中には、アルコール依存症と思われる事件もあった。そんな彼がすべてを吐き出したと思える今作は、見る人の心に直球で投げかけてくる。演技面ではもちろん、脚本家としても、彼のキャリアが新たなステップへと向かったことを確信させるものだ。この映画祭における今作の公式上映は10日(火)。アメリカでの劇場公開は11月で、日本公開も決まっている。取材・文=猿渡由紀
2019年09月06日「the 3rd Burger」秋限定メニュー続々登場都内に6店舗を構えるハンバーガーブランド「the 3rd Burger」では、秋の期間限定メニューを発売。新感覚のローカーボバーガーをはじめ、アンチエイジング効果の高いアーモンドスムージーや、”緑黄色野菜の王様”ケールスムージーなど、女性に嬉しいメニューが続々登場している。からだが喜ぶハンバーガーブランド「the 3rd Burger」のコンセプトは”からだが喜ぶハンバーガー”。毎朝店舗で焼き上げるバンズは、保存剤・防腐剤不使用。焼きたてならではの香り高いバンズに仕上がっている。その場でミンチにして形成・焼き上げまで行うビーフ100%パティや、こだわりの新鮮野菜も同ショップの売りだ。新感覚バーガー&美容スムージー期間限定で登場するのは、リンゴとクリームチーズを使ったソースにスモークダックを合わせた新感覚バーガー。バンズ無しのローカーボバーガーも用意されているので、糖質コントールも可能だ。また人気ドリンクメニューのスムージーには、アーモンドスムージーとケールスムージーが登場。ビタミン、食物繊維、カリウムなど、美容や健康に欠かせない栄養が濃縮されている。”からだが喜ぶ”新メニューをお見逃し無く。(画像はプレスリリースより)【参考】※「the 3rd Burger」
2018年09月24日「the 3rd Burger」の新ドリンク”体が喜ぶハンバーガー”がコンセプトに、焼きたてバンズと手作りパティで作るハンバーガーを販売する「the 3rd Burger」では、秋の新ドリンク「アーモンドスムージー」(税抜490円)が登場。都内を中心に展開する6店全店にて、販売を開始しました。アンチエイジング効果も期待大!「アーモンドスムージー」は、ミルクベースに香ばしいクラッシュアーモンドをたっぷり加えた一品。シナモン、リンゴ、バナナをブレンドすることで、ほろ苦いアーモンドにスッキリした甘みをプラスしています。アーモンドは言わずと知れた美容・健康食品。アンチエイジングのカギとなるビタミンEを豊富に含み、ホルモンバランスを正す効果があるとも言われています。美味しく飲めてキレイになれる新ドリンクは、同店自慢のハンバーガーとの相性も抜群です。期間限定の「アーモンドスムージー」をお見逃し無く。(画像はプレスリリースより)【参考】※ユナイテッド&コレクティブ株式会社のプレスリリース※「the 3rd Burger」
2018年09月24日「the 3rd Burger」に話題のバターコーヒー登場ユナイテッド&コレクティブ株式会社が手掛けるハンバーガーショップ「the 3rd Burger」では、今話題の「グラスフェッドバターコーヒー」(税抜490円)の提供を開始しました。南青山、六本木、吉祥寺、新宿、広尾の都内5店舗にて、期間限定での販売です。良質なオイルを含むまろやかコーヒー「グラスフェッドバターコーヒー」とは、広大な自然の中牧草で飼育された乳牛のミルクから作ったグラスフェッドバターと、MCTオイルをコーヒーにブレンドしたもの。まろやかな口当たりで飲みやすく、また良質なMCTオイルは体内環境の改善に役立つと言われています。美容や健康に敏感な女性達の間で注目されているドリンクです。身体が喜ぶ「グラスフェッドバターコーヒー」を、ハンバーガーのお供にいかがでしょうか。(画像はプレスリリースより)【参考】※ユナイテッド&コレクティブ株式会社のプレスリリース
2018年06月24日昨年、ニューヨーク、東京、福岡で上演され、好評を博したトシ・カプチーノの自伝ソロ・ミュージカル『“Super” Late Bloomer ~大器“超”晩成~』の再演が決定。本作に懸ける想いをカプチーノに聞いた。【チケット情報はこちら】ニューヨークで舞台芸術評論家として活躍する彼がパフォーマーとして初めてソロ・ショーを行ったのは2005年のこと。「ブロードウェイで切磋琢磨するアーティストたちの姿に影響され、自分もショーを作ってみたい、ステージで歌ってみたいと思うようになった」のがきっかけだった。歌とトークでつづるショーの長さは大体90分ほど。現在はニューヨークの老舗ピアノバー、ザ・デュープレックスで定期的に公演を行うほか、日本各地を巡業している。今回再演される『“Super” Late Bloomer ~大器“超”晩成~』は、自身の波乱に満ちた半生を描いたソロ・ミュージカル。「悩みや問題を抱えている人にとって、いい方向に向かうための起爆剤になれば」と作品に込めた想いを語る。「僕は、高校時代に『スター誕生』という番組に出て夢だった歌手になったけれど、ゲイだということを表に出せず苦しかった。そのせいで歌を封印してしまったほど。でも紆余曲折を経て、今は自分に正直に生きることの素晴らしさを人一倍感じています。そのことを本作を通じて多くの人に伝えたいと思った。セクシャリティを超えてね」。使用される楽曲には、ミュージカルやシャンソン、歌謡曲などさまざまなジャンルからの名曲に加え、自ら作詞を手掛けたオリジナルソングも。中でも最愛の母への想いをつづった『ピンクのポーチ』と、みなぎるパフォーマー魂を英語とラップで表現したタイトルソングが出色だ。「脚本と音楽はミュージカルのかなめだから、本番に向けてできる限りブラッシュアップしていくつもり。あと大事なのは熱量かな。お客様を緊張させないように程よく力を抜きつつ、熱く、楽しいステージをお届けしたいですね」自称「大器“超”晩成」型のカプチーノは、地元ニューヨークでは“キャバレー・スター”としての認知度が右肩上がり。その勢いのまま、自身最大規模の会場東京・TOKYO FM ホールでのパフォーマンスに挑む。「僕のショーを観たことがない人にとっては、“トシ・カプチーノなんぼのもんじゃい”って感じでしょうね。でも、だまされたと思って観に来てほしい。“えっ、思った以上にやるじゃん!”とビックリするはずだから(笑)」。公演は2018年1月19日(金)から21日(日)まで。チケット発売中。取材・文=兵藤あおみ
2017年11月10日グラビアアイドルとして10年以上活躍し続ける"レジェンド"杉原杏璃(34)。株、競馬、野球など自身の趣味も仕事へとつなげ、厳しい世界を生き抜いてきた。そんな彼女が、自伝的小説を自らの主演で実写化。映画『...and love』(3月18日公開)は、フィクションとノンフィクションが入り混じり、「これって本当なの?」とついつい引き込まれてしまう。交際相手との濡れ場や同業者からの辛辣な言葉の数々。それらの真偽は観る人のご想像に委ねるとして……。今回の約9000字インタビューは、映画の描写をヒントに、全5回にわたって杉原の過去を掘り下げていく。第1回は小説と映画化の思い。「主演は若い子」を希望しながら、なぜ自ら演じることになったのか? そして、なぜ完全なノンフィクションにしなかったのか。――小説を書きはじめたのは2014年。『週刊大衆ヴィーナス』(双葉社)でスタートした企画でした。小説を書くことはその年の目標だったみたいですが、前々から考えていたことだったんですか?いえ、「小説を書きたい」からのスタートではなかったんです。グラビアは写真を撮られることがメインのお仕事。媒体が無くなっていって表紙を飾れる機会も減っていく中で、グラビアを別のフィールドで表現できる方法は何かないかと考えたんです。官能小説は文字でエロスを見せることもできますから、「小説を書いてみたい」とマネージャーさんに伝えました。私とマネージャーさんはA型で、一年間の目標を立てるタイプ(笑)。写真集やDVDを出す時期をいつも話し合って決めているんですが、小説もその1つでした。男性読者の方が多い雑誌だったので、グラビアアイドルの裏側や恋愛に溺れてしまう姿を私とリンクさせながら読んでいただいた方がリアルに感じていただけるののではないかなと思って、実体験をもとにした物語にしました。イチから考えられるようなプロではないですし、何よりも自分を参考にした方が書きやすかったんです(笑)。――完全ノンフィクションにするプランはなかったんですか?男性関係の部分が、私の実生活ではカサついています(笑)。脚色しなければならないところがたくさんあったので、「事実」だけで勝負はできませんでした。――あまり聞いてはいけないことでしたか(笑)。いえいえ、全然いいです(笑)。――てっきり、ファンの方々の気持ちを考えて「グレー」にしたのかと。もちろん、グラビアアイドルのイメージを自分の中で形作っている方もいらっしゃるので、そこを崩したくないという思いもありました。そこに自分のカサついている部分がうまくリンクして、「グレー」な物語になりました(笑)。――なるほど、よく分かりました(笑)。映像化の計画もマネージャーさんとの話し合いの中で出てきていたんですか?漠然と「そうなったらいいね~」というくらいで。いろんなところでアピールしていると、いつか協力してくださる方が出てくるんじゃないかなという「あわよくば精神」で言っていたところもありました(笑)。――イベントで「映画化するなら主演は名のない娘に」とおっしゃっていたのは、そういう狙いもあったんですね。そうですね。ただ、いま悩んでいる真っ最中の「これからの人」にやってほしいという思いが本当にあって、映画化が決まった後の話し合いでも「若い人に」とお願いはしていました。でも、自分が世に生み出した自伝的な物語だったら、私が主演をやることが一番説得力があって一番納得がいくんじゃないかなと。もちろん不安もあったんですけど、「人に投げちゃいけない」といろいろな方からご意見をいただきました。――それまで演技の経験もあったわけですが、主演となると出番も多くなります。ストレスで5キロぐらい痩せちゃいました(笑)。「座長」は周りのことも見ながら引っ張らないといけないと撮影前に言われていて。主役だからといって殻にこもって集中しするだけじゃなくて、いろんな人とのコミュニケーションが大切だと。私にとっては、それがとてもプレッシャーでした。自分のことだけでもできるかどうか分からないのに(笑)。――覚悟の上で現場に入ると、多少変わる部分もあったんですか。そうですね。吹っ切れたというか、ダメだった頃の自分を思い出しながら演じていくと、今の状況はむしろありがたいことだと思えるようになって、撮影を重ねるごとに「絶対に乗り越えられる」と。古坂大魔王さんをはじめすごい方々が出てくださって、私の方が引っ張っていただきました。――自分をモデルにしたキャラクターを自ら演じるというのは不思議な感じですよね。当時を思い出してやればいいと思っていたので、あまり難しく考えないようにしました。ただ、年をとったせいか涙腺が弱くて弱くて、悔しくて歯がゆい思いをした24~5歳を演じている時もそんなシーンじゃないのにウルッとしちゃって。感情を抑えるのが大変でした。当時は落ち込んでいたのに、今思い返すとそんな自分を思い出して泣けてくる……現実と物語の感情がぐちゃぐちゃになるのは大変でした。第2回は「グラビアアイドルと年齢」(3月22日掲載)。窮地の中で、なぜブログを更新し続けたのか。■プロフィール杉原杏璃(すぎはら・あんり)1982年6月12日生まれ。広島県出身。身長157センチ。A型。高校生の時に広島でスカウトされ、その後、東京・銀座で複数の事務所が集まるオーディションに参加。スターダストプロモーションなどを経て、現在はフィットワンに所属する。2001年から芸能活動をスタートさせ、2003年にファースト写真集『Vanilla』をリリース。グラビアアイドルとして本格的に活動するのは2006年頃で遅咲きのデビューを飾る一方、2005年頃には株式投資をスタート。現在では多数の連載を抱えるなど、グラビアの枠を超えてマルチに活動している。
2017年03月21日