ビューティフルピープル(beautiful people)が10月2日、パリで2019年春夏コレクションショーを開催した。
2018年10月03日ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)の2019年春夏コレクションが、フランス・パリで2018年9月29日(土)に発表された。メンズ・ウィメンズ同時に発表メンズ・ウィメンズの合同ショーとなった今シーズンは、同時に複数のモデルが入り乱れる形で展開。メンズ・ウィメンズで同じデザインや柄を取り入れるなど、ジェンダーを越えて新しいスタイルを提案している。ハイダー アッカーマンらしいジャケットとパンツのコンビ。本来はマニッシュで力強い印象を放つスタイルであるが、今季はレースのような透かし模様で女性らしさをプラスしている。シンメトリーなモチーフをラペルの横から首を通って、反対のラペルまでぐるっと囲むように並列に並べた。また、シックなテーラードジャケットにはアレンジをプラス。片方のラペルだけをカットして、まるでタイのようにだらりと下げた。逆サイドのベルトループに通してアクセントをきかせたコーディネートも提案。真っ白なランウェイに映える、華やかな色柄ジャケットまたはコートに、シャツ、パンツ、そして足元はツンと上を向いた先のとがったブーツ。これが今季のユニフォームであるが、華やかな色柄が一つひとつに個性を灯している。太陽のようにも花のようにも見える放射線状にのびたモチーフ。グリーンの下地にゴールドで絵柄を施したジャカード地は、床かた壁まですべて真っ白に仕上げたランウェイによく映えた。また、目の覚めるようなイエロー、深みのあるグリーンといったパレットも、明るく前向きな印象を与えている。
2018年10月03日ケモノ(Kemono)が2019年春夏コレクションを、渋谷・西武百貨店にて発表した。ジャバニズム×アバンギャルドなスタイルを組み合わせて「アジア、日本伝統のあるものと現在、未来無重力をかけあわせたもの。」を、コンセプトに掲げるケモノは、2015年に日本で誕生したファッションブランド。日本の要素を取り入れたアバンギャルドなスタイルを得意とし、近年では海外コレクションでの発表も積極的に行っている。コレクションテーマは、「透藍生」そんなケモノが今季テーマとして掲げたのは「透藍生」。デザイナーのI.P.Uが注目したのは、生命の起源である藍色の海。本来なら透明にも関らず、人の目からは“藍色”に見えるその神秘に魅了され、“透明”な状態として生まれた人間が、人生を通して色付いていくというストーリーを思い描いた。コレクションの中では、カラーやディテールを通して、そのアイディアを表現していく。ファーストルックは“トランスペアレント”ショーの始まりを飾ったのは、頭からすっぽりと被ったトランスペアレントのジャケット。その下に合わせたのは純白のシャツワンピースで、その姿は生まれたばかりのようなピュアな印象を与えてくれる。時が経つごとに、そのカラーは変化していって、ブラックやグレンチェックが掛け合わされ、洋服に多彩な表情を生みだしていく。ゆらりと揺れる海面をイメージしたテープ随所に見られたのは、ピースに施された特徴的なテープ。海面が揺れ動く様子からインスピレーションを得たというこのディテールは、ジャケットの身頃全体に施されていたり、裾を中心に縦横無尽に張り巡らされていたりする。モデルが歩く度にひらりひらりと舞うテープは、風に揺らめく波を彷彿させる心地よい余韻を残していく。ガーリーなフリルで遊び心溢れるシルエットをまたテープに代わって登場したフリルは、ピースの上でアシンメトリーにあしらわれていて、日々変わりゆく波のように、ユニークなシルエットを描いていく。ブラックドレスに幾重にも重ねたフリルの上には、同じくフリルを配したグレーのジャケットを重ねて、ボリューミーに。またドレスに3段あしらったフリルには、ネイビー・グレー・ブラックと3色の配色を施すことによって、その立体的なシルエットをより強調。躍動感溢れるフレッシュな印象に仕上げた。足元には、スケルトンの下駄を忍ばせてブランドのコンセプトを可視化したものとして、最も顕著だったのがスケルトンの下駄だろう。本来日本の伝統的なイメージの強いフットフェアは、その色を完全に消滅させることで、近未来的な仕上がりに。無色ながらも、ピースの中でひと際存在感を放っていた。
2018年10月02日オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™)が9月27日、リパブリック広場に程近いガレージで2019春夏ウィメンズコレクションショーを開催した。現在までにアメリカのストリートスタイルとラグジュアリーの融合を試みてきたヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)は、USオープンでセリーナ・ウィリアムス(Serena Williams)のウエアを手掛けたことをきっかけに、今季はパフォーマンスウエアとラグジュアリーのミックスに挑戦。“Track & Field”というテーマのもと、スポーティーなクチュールを提案している。所々メッシュになったレーシーなニットドレスには、ナイキ(NIKE)とコラボレーションしたシースルーのタンクトップを合わせて、インナーをアウターとして着用するスタイリングを見せている。パフスリーブのイングリッシュレース製ドレスのインナーには、パフォーマンスウエアをコーディネートをしているが、これは、着用しているドレスを脱いでそのままランニングすることを想定しているのだとか。レオタードとチュールの舞踏会用ドレスや、ボーンを入れたスカートとニットシャツのセットアップなど、クチュールを意識したルックは目を引いたが、コットンリネンのジャケットといったテーラリングも美しく、ブランドの基礎となる確かな技術力を印象付けていた。
2018年10月02日パリコレクション会期中の9月30日、マリメッコ(Marimekko)が2019年春夏コレクションをプレゼンテーション形式で発表した。会場はルーブル美術館横のパリ装飾美術館内。マリメッコは、2019年の年間テーマを“Bold by Nature(自然に大胆に)”と掲げる。ブランドは原点に立ち返りつつも、現代女性が望む機能性のあるワードローブを展開する。ブランド名であるマリメッコとはフィンランド語で“マリーのドレス”を意味することから、今季はドレスが豊作だ。身体のラインは出さずにゆったりと着ることのできるロングドレスが中心。シグネチャーであるフラワープリントは通常3色配色だが、ブラック・ホワイトなど2色配色で柄も大きく、テーマである“大胆さ”を強調していた。さらに今季は、フラワーモチーフの新柄「ヴィクリ」のテキスタイルを用いたジャンプスーツやカーゴパンツなどワークウエアもキールック。機能性が高い故に、ストリート風の崩した印象になりがちなワークウエアだが、独特の色使いと上質な生地によって、マリメッコらしい愛着と親しみを感じる可愛いスタイルにアップデートされている。無駄な装飾を省き自らを解放することで、自分らしく自然体でいることに自信をつけ、新たな人生の楽しみや美学を見つけた明るい女性像が浮かんでくる内容であった。マリメッコの服を纏うことで “自然に大胆に”振る舞えるよう、優しく後押ししてくれるはず。
2018年10月02日ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)が、アーティスティック・ディレクターのニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)による2019春夏ウィメンズコレクションショーを、10月3日3時(現地時間2日20時)よりライブストリーミング配信する。会場はパリのルーヴル美術館。また、ルイ・ヴィトン公式インスタグラム(www.instagram.com/louisvuitton/)では、ショーに向けてコンテンツを公開中。SNSハッシュタグは「#LVSS19」。 ショーの様子はこちらから放映(※会場の状況により開始が遅れる場合あり)。ルイ・ヴィトンのオフィシャルサイト(www.louisvuitton.com)でも配信される。
2018年10月02日マメ(Mame Kurogouchi)が再びフランス・パリへ。2019年春夏ウィメンズコレクションが、キャットウォークを組み込んだプレゼンテーション形式で2018年9月28日(金)に発表された。色の交わりを楽しむ上品なすみれ色からの始まり。時が経つほどに黄金色や藍色、白色などが混じり合い、美しい色彩のコンビネーションが生まれる。色の重なりや交わりを楽しむように、素材は肌を透かすほど薄いシースルーが積極的に用いらている。マメのファンをつかんでやまないワンピースは、今季シルエットがゆったりめだ。丸いくるみボタンや曲線的なラインはそのままに、深いスリットを施すことで、軽やかな素材がふわりと舞うように動き、また新しい色の重なりを見せてくれる。和を洋に落とし込むと…随所に香るのは、和を感じさせるエッセンス。着物のように帯ベルトを巻いたガウンコートや袴のような立体感のあるボトムス。ドレスのウエストには、ストール風の素材で仕上げた帯状ベルトが巻かれている。ニットベストのインナーには半襟のようなレーストップスが仕込まれ、端には繊細な刺繍が施されている。足元には下駄風のサンダル。鼻緒の位置が少しずれたアシンメトリーなシルエットは、デザイナー黒河内真衣子の遊び心を感じさせる。巾着風のバッグはぺしゃんとつぶして、洋風バッグ風に仕上げ、2つ同時に持つ重ね持ちでモダンなコーディネートを提案した。
2018年10月02日シクラス(CYCLAS)はミニショー形式で、2019年春夏ウィメンズコレクションをフランス・パリで発表。2018年9月27日(木)に開催された。テーマは「WOMAN - Abstraktes Bild」。男性性と女性性をミックスさせたシルエット、ソフトな素材とタフな素材の融合。得意のアプローチでデザインされた洋服は、従来のイメージを脱し抽象化され、モダンなフェミニニティへと昇華している。いずれのピースも日本人デザイナーならではの繊細なハンドクラフトと縫製の技術が光っている。テーラードから男性性を抜き取ると…象徴的なのは、マスキュリンなイメージの強いテーラードのアレンジ。脇の下からをカットアウトして、バンドのような帯状布で繋ぎあわせベストに仕立てた。紳士服をベースとしているようなビックサイズながら、サイドを開くことでふわりと広がるフェミニンな動きをピースにもたらしている。ボトムスもフレアなパンツを選び、トップス同様に風になびくアレンジを加えた。トレンチコートをふんわりシルエットにかっちりとした印象のトレンチコートは、その正統派なルックスからは距離を置き、柔らかさを求めた。特徴的なのはアームのアレンジで、量感をたっぷりと取りそこにギャザーを施すことでふんわりとしたシルエットを作り出している。ワークウェアを可愛くアレンジWポケットのワークアウターも、同様にギャザーを入れて。バッグスタイルに丸みを持たせることで、メンズライクなものを女性らしく上げている。日本人ならではの繊細な手仕事ドレス類は繊細な手法を使ってデザイン。ストライプのハーフスリーブドレスは、ウエストの辺りだけ配色をチェンジ。つなぎ目・色の変化がわからないほど細やかなテクニックで作り出したピースは、腰回りをシャープに見せてくれ女性に嬉しい仕掛けだ。
2018年10月01日スーアンダーカバー(SueUNDERCOVER)の2019年春夏コレクションが発表された。テーマは「Exquisite (Ab)Normality」。究極のノーマルと相反するアブノーマルの共存を目指す。究極のノーマル+アブノーマル究極のノーマル―言葉そのもののインパクトは大きいが、ブランドが打ち出すノーマルとは、いわゆる日常に溶け込みやすいデイウェアであること。オフィスに着ていけるジャケット、休日に羽織りたいボンバージャケット、デートにあわせるのはフェミニンなドレス、リラックスタイムに纏いたいスウェットトップス。月曜~日曜までの1週間の生活シーンに寄り添う服作りを目指したのだ。インサイドアウトで、見えないものを見せるプレーンでシンプル、その中に溶け込ませたアブノーマルの要素。象徴的なのは、本来は見えていないはずのものをみせるインサイドアウトの手法だ。パイピングや縫い目、本来は洋服の内側のものが表に出ている。ジャケットのポケットは、パイピングが露わになることでその存在感を増し、トップスやパンツの縫い目はサイドラインのアクセントのように変化する。ブランドロゴ入りオリジナル柄こだわったのはオリジナルのテキスタイル作り。特に、バンダナ模様は特別だ。シックなネイビーの下地の上で動き回る白色のモチーフ。エスニックなパターンの中には、さりげなくブランドロゴを添えた。アグレッシブな配色ベーシックウェアでありながら、配色は遊び心満載にセレクトして。発色の良いレッド、イエロー、ピンク、ブルー。差し色として取り入れるのもよいが、複数のカラーをミックスしても品よく決まる。
2018年10月01日クロエ(Chloé)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月27日(木)に発表された。ヒッピーモダニズムがキーワード今シーズンのクロエガールは旅に出る。大地を感じ、サンサンと降り注ぐ太陽のもと、自由なスピリットで旅を楽しむのだ。そんな彼女の自由さを表現するのが、ヒッピーカルチャー。70年代のレトロシックに固執するのではなく、ヒッピーの開放的な精神を受け継ぎ、モダナイズ。現代女性へ向けたファッションピースとして完成させる。動き回るテキスタイルで開放さを表現クロエガールのパワフルでアグレッシブなマインドは、動きのあるテキスタイルが具現化する。ドレスに巻かれたラップスカートは、至極軽量な素材で、歩みにあわせて後方にたなびき、ゆらゆらと揺れ動く。ヒッピーの文化からヒントを得たフレアパンツ。ふわっと広がったプレイフルなラインは、こだわりのレザーを格子状に編んで表現して、ラバーのようなツヤ加工を施した。足元は大地をしっかり踏みしめられるよう歩きやすさを重視して。チャンキーヒールやフラットシューズが、今季のクロエガールのワードローブに加わった。古代文化着想のプリント&カラーストーンコレクションにリズムを付けるオリジナルのパターン。クロエのアイコン・馬や今季のキーワードである太陽、そして華やかなフラワーなどをミックスさせたものは、実は古代文化から着想を得ている。また、ドレスやベストには立体的なカラーストーンをあしらって。大振りのストーンは纏うものに元気や勇気をくれそうだ。さりげなく香らせる「クロエ」のアイデンティティタイトフィットやボディラインを強調するピースが続いていたが、今季は軽やかな印象。レースやシフォン素材のドレスルックも多く、軽やかな素材使いが特徴的だ。肌に優しく馴染むシルクのブラウスにはさりげなくCロゴを。ストライプドレスに差し込んだレースにも「Chloé」のロゴを仕込んでいる。
2018年10月01日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月28日(金)に発表された。新素材「DOUGH DOUGH」デビューブランドを代表する素材・プリーツ、今季はこのアイコニックなテキスタイルがランウェイから姿を消し、新しいテキスタイルが披露されることとなる。イッセイ ミヤケが求めたのは自由さだ。規律的に凹凸の並んだプリーツ素材とは、相反するタイプのもの。“パンをこねるように、土を形作るように、自由にかたちを遊べる”素材=DOUGH DOUGH。ねじる、丸める、揉む、折る、伸ばすといった動きを自由に開放し、パン生地を成形するかのように好みの形を作り出せる。ねじる、丸める、揉む…生地の自由さをたのしむコレクションでは、DOUGH DOUGHの表現の自由さを堪能する。ギャザーをたっぷりと寄せて丸みを出したトップス、くしゃっと裾を折り曲げたスカート、立体的な履き口のショートパンツ、量感をたのしむドルマンスリーブのトップス。襟元は凛と立ち、時に曲がりが加えられ、袖口はきゅっとめくりあがり、バッグの四つ角はくるりとねじられ、まるで時間が止まったかのようある一定の状態をキープしている。そうDOUGH DOUGHは、理想的な状態で動きをキープできるのだ。ドローイングのように配色も自由にテキスタイルの自由度を視覚的に伝えるため、色柄も奔放に遊んだ。真っ白なキャンバスに大好きな絵の具を手に取り感覚的な絵を書く感覚。何を描くわけでもなく、色彩の豊かさや発色を楽しんでいる。そんな抽象的なモチーフがあらゆる装いに彩りを添えている。また、一方で布地の動きをストレートに伝えるピースも。真っ白なオールインワン、シャツ、ドレスなどは、シワが生む凹凸と陰影のみで、情熱的に新テキスタイルの誕生を祝っている。
2018年10月01日イーチ × アザー(EACH X OTHER)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月28日(金)に発表された。虹色グラデカラーのスーツからスタートショーの幕開けは、マニッシュなパンツスーツの登場から。シックなスタイルとは似つかわくないスポーティなサングラスを纏っている。ジャケットは、モデルの華奢な身体に対して大きめでボックスシルエットが特徴。ショルダーラインから身頃にかけては深いブルー~ソフトなブルーに移り変わっていて、合わせたクロップドパンツまで繋がると、ブルーからイエローそしてピンクへと変わる、虹のようなグラデーションカラーとなっている。このファーストルックは、今季を象徴するようなピース。スーツ・スポーツのエッセンス・レインボーグラデ―ションカラーの3つのキーワードが、様々なアプローチで形を変えて繰り返し登場していく。プレイフルなスーツスタイルスーツスタイルは、そのフォーマルなスタイルを拭いさるように鮮やかな色彩をのせた。パンツは踝丈でカットオフしてみたり、フレアなブーツカットタイプにしたりして、フォルムに遊びを加える。ジャケットは全面にゴールドスタッズやストライプ模様を配したり、ブランドタグをボタン位置に取り付けたりと、デザインアプローチを変えつつも、いずれもビックサイズで揃えている。白シャツもアレンジスーツと名コンビの白シャツもアレンジ、ボタン位置を変えてアシンメトリーなトップスへ。さらに白シャツをドレスに変えて、リボンとギャザーを入れてリデザインしたものもある。ブラトップ&スパッツでスポーツMIXスポーツのエッセンスはトレーニングウェア風のアイテムの起用が際立った。スーツのインナーをブランドロゴ入りのブラトップに変更したり、ドレスの下にスパッツを差したり。また、ナイロンのようなテクニカル素材でドレスを作るアレンジも散見。スカート部分の前を切り取ったオリジナルのシルエットで、中央に配したジップがアクティブな印象を添えた。幸福感に満ちたカラーパレットレインボーの鮮やかカラーは、ライダースジャケットやサイドライン入りパンツ、ブラウスなど様々なピースに起用。その幸福感にあふれたムードは、他のパレットにも生かされ、ヴィヴィットなピンクや鮮やかなレッドも今季のパレットに加わっている。
2018年10月01日ロエベ(LOEWE)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月28日(金)に発表された。ショー会場となったユネスコ本部には、クリエイティブ・ディレクターのジョナサン・アンダーソンらしい遊び心あふれる仕掛けが満載。入り口にシャボン玉がふわふわと飛んでいたり、たくさんのレコード機器から音楽が流れていたり、アーティスティックなオブジェが並んでいたり。一つひとつ強い個性があるが、うまく調和しているのが魅力だ。現代女性のために多様性を追い求めてランウェイに並んだピースも同様、多様性に富んでいて、現代女性の様々なシーンに寄り添うデザインを追い続けている、ジョナサンの真摯な姿勢が感じられる。共通するのは、就任当初から描き続けているロングシルエット、そして身体をしめつけることのない着心地のよいデザインであることだ。ロングシルエット一つにとってみても、アイコニックなレザーをふんだんに使ったり、柔らかなシルク、レース、コットン様々な素材で仕上げている。すっと縦に伸びた長いキャンバスの上には、クロシェ刺繍やレザーのリボンテープ、レザーのアタッチなどでデコレーションして、クラフト感のある優しいタッチのデコレーションを加える。パンツスタイルは2ピースのセットアップスタイルが主流で、肩をドロップさせたビッグシルエットなシャツやジャケットに、ハーフパンツ、カーゴパンツなどを組み合わせている。ブラックのシックなパンツスーツは、ジャケットのラペルを黒と白、右と左で互い違いにして遊び心を加えた。ハッピーカラー&フェザーで装飾アクセントとなっていたのは、配色とフェザー。パレットは鮮やかでエネルギッシュな色味が多く起用され、イエロー、ライトブルー、オレンジ、グリーンなどを、ロエベらしいアースカラーとマッチさせた。風にのってふわふわと揺れ動くフェザーは、ベストに仕立ててドレスとレイヤードさせたり、フープ状のピアスにして耳元に華やぎを添えたり、バッグのデコレーションに取り入れたりと、様々な形で活用された。極小orスーパービッグサイズの新バッグ新作バッグは極小かスーパービッグサイズの極端なサイズ選びで。ミニサイズはペンダントのように首から下げたコーディネートも見られた。ビックサイズバッグは、手編みのニットや麻など、レザー以外のファブリックでも作られている。
2018年10月01日アンダーカバー(UNDERCOVER)の2019年春夏ウィメンズコレクションが発表された。長く行ってきたパリでのランウェイショーを今季はお休みし、ルック&展示会で新作を披露。ゆったりと時間をかけて洋服を体感できる形式の長所を活かし、ブランドの歴史・世界観を伝えるためユニークな方法をとった。テーマは「ザ セブン センス」。ブランドの世界観を凝縮させた7つのコレクションコレクションは7つのセクションで構成される。それぞれは全く独立したインスピレーション、キーワードをもっていて、まるで独立したカプセルコレクションが7つあるかのよう。共通するのは、すべてアンダーカバーの歴史に紐づいていること。過去のアーカイブから最新のコレクションまで、各時代からのエッセンスを融合させている。デヴィッド・ボウイを追い続けた写真家にフォーカス音楽を愛し、ショーミュージックに強いこだわりを見せてきたデザイナーの高橋盾。そんな彼の志向を活かしたセクションでは、デヴィッド・ボウイを追い続けてきた写真家ミック・ロックにフォーカスがあてられた。過去には、日本でもデヴィッド・ボウイ作品に特化した写真展が開催されるほど、世界中で熱い支持を受けているミック・ロックの作品にオマージュを捧げて、デヴィッド・ボウイの顔を全面に大きくあしらったニットやブルゾン、顔モチーフの総柄ワンピース、パンツなどを展開。いずれもヴィヴィットな配色がポイントだ。ブラックライトで光る宇宙&道具柄美術家ジョン・デリアンに焦点を当てたチャプターでは、デコパージュと呼ばれる彼の作品技法をファッションへ落とし込んだ。18~19世紀の図鑑などを収集してコラージュするように作品作りを行うジョン。今回は、宇宙と日用品をキーワードにした2つの作品をコラボレーションし、モチーフとして起用した。どちらのシリーズも、惑星やスター、日用道具がブラックライトに当たると光るユニークな仕掛けが施されている。「魔法の天使クリィミーマミ」でヲタク文化を表現そして、ヲタクをテーマにした章では、2019年春夏メンズに続き再び「魔法の天使クリィミーマミ」にフォーカス。「魔法の天使クリィミーマミ」をポケットにのせたブルゾンやクロスボディバッグなど“ちょっぴりダサイ”スタイルで日本のアニメカルチャーを表現している。また、フットウェアはナイキ(NIKE)とのコラボレーションによるスニーカーを展開。
2018年10月01日ヴァレンティノ(VALENTINO)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。ブラック一色で幕を開けるショーブラック、今季ヴァレンティノは“すべての色を混ぜ合わせたエネルギッシュなカラー”として黒をキーカラーに据えた。厳格さ、正統派、クラシック、恐怖…黒という色は様々な要素を想像させてくれる。ファーストルックから14体目まで、あらゆるカラーそして装飾、柄を全て捨てこの一色だけで勝負した。色柄を控えることで見える、テキスタイルの動き反して、シルエットは“これでもか”というほど多様性に富んでいて、ドラマティックに移り替わる。肩を出し大きく広がったワンショルダーのドレスから始まり、プレーンなIラインを楽しむロングドレス、パフィーな膨らみを楽しむミニドレス、マントのような広がりを持つドレス。特に、ボリュームの遊びは多用され、ショルダーやスカート部分など様々な場所が膨らみ、楽し気に動き回っている。ロゴミックスのモダンドレススタイルまた、ヴァレンティノらしいウィットに富んだクチュールの解釈もポイント。レッドカーペットの似合うエレガントなドレスに、ロゴ入りトップスやトレンチコートなど、親しみのある“リアルクローズ”が交わっていくのだ。そのコンビネーションは意外性をもたらすとともに、興味・関心を引き付ける。優美なドレスルックに交じったVロゴのビッグベルトも同様だ。フラットシューズでカジュアルダウンシューズはフラットで、リラックスムードを漂わせて。そこに“似つかわしくない”フェザーをデコレーション。オンとオフ、真逆の要素が一つのピースで融合する様は、メゾンの自由な精神を反映しているように見える。始まりと終わりは違う物語を綴ってフィナーレに向けては、晴れやかな気持ちにさせてくれるカラフルなピースが揃った。建築物やアート作品を想起させる線対称なモチーフが、色とりどりのパレットで描かれ、ドレスの上にのる。豊かなボリューム感、フェザーやスパンコールが見せるプレイフルなマインド、扇状にひらいたプリーツが届ける華やかさ。黒一色でしっとりと始まったショーの印象は劇的に変化し、ファンタジックなイメージへと変わる。
2018年10月01日ジバンシィ(Givenchy)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、メンズコレクションと同時にフランス・パリで発表された。テーマは「I AM YOUR MIRROR」。メンズ・ウィメンズの間にあるものアーティスティック・ディレクターのクレア ワイト ケラーが、新コレクションとともに提示するのはジェンダーの定義。メンズ・ウィメンズ両方の新作ピースを紹介する長所を活かし、女性性と男性性をミラーリングさせ、双方の要素を融合。メンズ・ウィメンズの間にあるジェンダーレスなデュアル・セクシュアリティ(両性性)をファッションを通して訴えかける。新シルエットのテーラード本来は紳士服とされてきたテーラード。今季はこのメンズ服をウィメンズに落とし込む。男性的なシルエットのまま取り入れるのではなく、オートクチュールのアトリエにて新シルエットを開発。ショルダー周りを小さくし華奢にみせ、ウエストは彫刻のように絞っている。合わせたパンツはハイウエスト。ボリューミーで、トップスより強い存在感を放っているのが特徴だ。鏡に映った花々が移ろいゆくドレスには、クチュールの技術を活かして、キーワードとなった「ミラー」をポエティカルに描き出した。花の模様は、鏡に映したように広がったり、急拡大されたり。ときには消えたり、溶け合ったりしながら、円を描くような流線的に配された。また、シルバーカラーで染め上げたレースや、銀色スパンコールで作られたドレスも「ミラー」を表現したピースである。シャンデリアピアスで耳元にアクセントをアクセサリーは、下に垂れた大振りなモチーフがポイント。ジャンデリアのような輝きで耳元に華を添えている。
2018年10月01日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)の2019年春夏コレクションが、フランス・パリで2018年9月29日(土)に発表された。「スケートボード」文化が着想源インスピレーション源となったのは「スケートボード」。アフガニスタン・カーブルでパワフルにスケートボードに乗る女の子たちの写真からクリエーションを進めたという。その着想源から派生し、今シーズンはエンターテインメントショーを見ているかのような楽し気な演出が魅力。キャットウォークをするはずのモデルたちは「スケートボード」乗り、時にはパリの街中でよく見かける電動キックボードに乗って登場する。また、会場中央ではアーティスト集団がオブジェを作成中だ。紙とバルーンで樹木のような立体物の制作を進行している。ユースカルチャーから派生したデイリーウエア新作ピースは「スケートボード」のヒントから、スケートカルチャー、ストリートカルチャーを混ぜん込んだフレッシュな仕上がりだ。ロゴまたはストライプ柄のソックスにスニーカーが基本のスタイルで、ビッグTシャツやショートパンツ、作業服風のオールインワンなど、スケーターたちが纏っているスタイルを表現。ブランドならではの、ジェンダーにフォーカスしたアプローチとして、メンズモデルがドレスやスカートを纏ってスケートボードに乗る姿も見られた。また、カジュアルに着れるピースも散見。定番のジャケットスタイルやアーティスティックなグロークンドレスに交じって、Tシャツ地のワンピースやポロシャツワンピースなどが登場している。ストリート文化の影響からかロゴも多様され、胸元やバッグスタイルにスローガンメッセージのように刻まれた。ホース柄テキスタイルをアクセントに装いは総柄を多用し、ヴィンテージライクなファンシーフラワー柄のドレスや、アースカラーの生地に絵の具のようなペイントを施した柄のワンピースなどが展開。また、ショー当日ヴィヴィアン・ウエストウッド本人が纏っていたホース(馬)柄のドレスと同様のテキスタイルは、アイコニックな存在でドレスやパンツなど、様々なシルエットで紹介されている。
2018年10月01日イザベル マラン(ISABEL MARANT)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月27日(木)に発表された。チュイルリー公園での特別な夜イベントイザベル マランとロレアルがコラボレーション、ホットなニュースがお披露目となったパリの夜、市内のチュイルリー公園に設けられた特設会場でランウェイショーが開催。キラキラと輝くシルバーカラーでコーディネートされた空間は、まるでディスコ。ショーの間もリズミカルで懐かしいディスコミュージックが流されていた。当時の思い出を振り返るレトロなデザイン新作ピースも当時の時代を感じさせる、いまでは“レトロシック”なピース。キー素材となるのは洗いをかけたデニムで、白く抜かれたブルーデニムや柔らかいピンクデニム、ハードさも持ち合わせたブラックデニムで洋服はデザインされる。トップスはボリューミー、ボトムスは極短で。この“デコボコ”なシルエットが鍵を握る。ブルゾンは落ちたショルダーと太いアームホールで重量感たっぷり。キルティング風にステッチをいれたり、異なる色のボタンを配したり、襟に差し色をしたり…華美なデコレーションはせずにディテールで遊ぶ。ベストは袖口を大きく切り取りよりビックサイズに見立て、肩周りはピンっと立っているのが特徴的だ。コントラストの強いシルエット対象的にフェミニンなピースも登場。ホワイトのレースワンピースや、リネンとレースをコンビネーションさせたブラックワンピース。オフショルダー、ワンショルダーなどシルエットもバリエーション豊富に展開される。足元は飾るのはショート丈にぴったりな三角ヒールのルーズなブーツだ。キラキラシルバーで輝きをプラスデニムと並んでキー素材となったのは、キラキラ輝くシルバーのモデル。総スパンコールのパンツやギャザー入りのドレス、ボリューミーなアームのトップスなどが登場。また、“ボーイフレンドの洋服を借りてきた”かのような大きめサイズのニットを一枚で着こなすコーディネートは、モデルの華奢なボディを感じさせよりフェミニンに映る。
2018年10月01日オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月27日(木)に発表された。テーマは「トラック&フィールド」会場前を囲むファン、ブランドのアイテムで着飾る来場者。ブランドへの愛と熱狂的な支持を感じさせるオフ-ホワイト c/o ヴァージル アブローのショー会場。今宵のパリも強い“オフ-ホワイト愛”に包まれていた。今シーズンのテーマはトラック&フィールド。スポーツテイストにファッションシーン全体が偏っている中、ストレートにスポーツ競技をテーマに掲げたブランドの潔さが心地よい。物語はインビテーションからスタートしていて、透明の封筒には布が一枚。ブランド名、シーズン名、住所など必要事項が書かれているのだが、そのビジュアルはどうみてもゼッケン。四つ角には安全ピンが留めてある工夫までされている。そして、会場はまさに競技場。400メートルトラックさながらに会場にはホワイトラインが引かれ、中央にはフィールド競技用の芝が設けられてる。さらに、競技者の順位などを映し出す電光掲示板までセット。種目が始まる前のワクワク・ドキドキ感が会場を包み込んでいる。競技場風ランウェイにモデルが登場音楽の高鳴りとともに現れたのは全身白一色のモデル。スポーティな現場にはふさわしくないホワイトシャツ×ミニスカートの大人の女性像がファーストルックを飾った。その後は一転、スポーツを全面に打ち出したストーリートライクなウェアが待っていた。合言葉は「ホワイト一色」クロップド丈のレギンス、シースルーのタンクトップなどは、いずれもナイキ(NIKE)とのコラボレーションによるもの。ブランドロゴを反転させたり連打させたりして、プレイフルにモチーフを並べている。スポーツウェアをストリートに落とし込むため、その躍動感をそのままにデイウェアとマッチ。フリルのワンピースやブラウス、ライダース、テーラードなどとコーディネートされている。いずれのピースも合言葉は「ホワイト一色で」。ネオンイエローのウェディングドレス?!モデルが一人、また一人と現れる度に新しい選手を映し出す掲示板。陸上競技さながらの躍動感と緊張感が張り詰めたころ現れたのが、ネオンイエローのパンチある配色だ。白一色の世界に投じられた刺激的なカラーはまさにサプライズ。その色の掛け合わせにも意外性を感じているのに、スポーティなピースではなくてウェディングドレスさながらのボリュームドレスを蛍光イエローで染めているからなお驚きだ。フィナーレにかけては、ネオンイエロー×ブラック×パイソンという刺激的なコンビネーションでドレス、アウターまで展開され、予想以上の楽し気なデザインで場を盛り上げている。なお、注目の新スニーカーは、サイドにナイキマークを2重に配したWロゴタイプのシューズ、さらにスリムなボディにシンプルなナイキロゴをのせ、ホワイトソールに手書き風の「VIRGIL 」を記載したモデルが展開。ベルクロタイプは2つのタグ付きで、リストバンドならぬアンクルバンドと一緒にコーディネートされて登場していた。
2018年10月01日リック・オウエンス(Rick Owens)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月27日(木)に発表された。“水しぶき”会場が再び!!ショー会場につくやいなや雨カッパを手渡されたのはちょうど1年前のこと。パリ・セーヌ川に面したパレ・ド・トーキョーに設置された会場で、激しいスプラッシュの中行われたランウェイショー。水しぶきの中やっとの思いで洋服を見た覚えがある。今季は同じ会場。あのとき水がたっぷり引かれたプールは姿を消し、水が抜かれた空間には三角形のタワーが一つ。メンズと連動した動きを見せるブランドであるため「まさか…」と思いながら、期待に胸を膨らませて始まりを待った。不可思議な肌を守るためのピース始まりと同時に現れたのはブラックジャケット。アームは不自然に膨らみ、羽のように突起が出ていて羽ばたくようにゆれてまるで"昆虫”みたい。後から登場したドレスは軽量素材で作られていて、バックスタイルの装飾部分がふわーっと風にのり、蝶のように羽を広げている。襟口だけがデフォルメされたテーラード、長方形の謎の突起が刺さったラップスカート。太ももに取り付けられたポーチ、腕につけられた不可思議な立体的バングル。三角形を幾何学的に配置したワンピースやコート。アーキテクチャーなその佇まいが、ますます「塔」をキーワードにしたメンズコレクションとのシンクロ性を感じさせる。謎が多いピースが続くが、やはり気になるのは防御的な小物たち。サングラスは大振りで目を守るというよりは、顔半分を覆いつくすようなビッグサイズ。顔~首、さらに髪の毛全体を守っているのはスカーフではなくTシャツだ。燃えた!!水の次は火だった不思議に思っていると、手に聖火を持ったモデルが現れ…リック・オウエンスの楽しいショータイムの幕開けだ。三角形のオブジェが燃え出し会場全体に熱気が包まれた。燃え上がる炎、観客の顔面まで伝わる熱波。そう、この身体保護のアイテムは、メンズコレクション同様にきっと防火のピースだったのだ。メンズコレクションではインビテーションにマスクがついていたというが、ウィメンズは紙一枚。しかし、シートにはうちわと水が用意されていて"暑さを避けて”というメッセージだろうか…。一緒に強いアルコールが入っていたが、これは“もっと燃やせ”という意味だったのだろうか…。デザイナーの意図は定かではないが、やっぱりワクワクさせてくれる演出が魅力的。熱く燃え上がる会場の中で、防火服を纏ったモデルたちが一人、また一人と炎の近くへ降り立ちランウェイを闊歩している。洋服はショート丈のボトムスで足は露出、トップスやドレスは穴ぼこでボディが露わになっている。ボディは守れていないに等しいが、いずれも顔~首にかけての防火対策は万全だ。
2018年10月01日アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月27日(木)に発表された。ミステリアスでフェミニンブランドが持つミステリアスで厳かな世界観を保ちつつも、フェミニンなエッセンスを加えて女性らしさを香らせてる。テーラードジャケットもロングシルエット&深く入れたスリットで、そのテキスタイルの豊かな動きを楽しみながらも可愛らしく仕上げられている。フラワー&ギャザーで女性らしくフェミニニティ、その形を象徴的に表現するのが、フラワーのアップリケだ。ジャケットのラペルの上から顔を出したり、時にはベストの全面で満開の花を咲かせている。ジャケットに交じったロングアウターは、アームの部分にギャザーを施すことて柔らかさをプラスする。インナーには、シースルーのロングドレス、透かしレースのブラウスなどをセレクト。白黒の世界にペールトーンが登場ブラック&ホワイトのモノトーンの世界観。厳格な雰囲気を作り出す印象的なパレットにも、今季は新しい試みを投じた。ペールピンクやペパーミントグリーン。優しいカラーは、シースルー素材やシルクにのせることで、光沢や透明感といった質感でもコレクション全体に華を添える。動きのあるディテールが複雑なシルエットを生む長くのびた袖、どこからか伸びるリボン、バックスタイルに垂れ流れたベルト、途中から二手に分かれたスカーフ。ロングシルエットを強調するディテールは、歩みにあわせて自由に動き回ることでその複雑なシルエットをより複雑に見せていくのだ。ショルダーにも巻き付いた二重のベルト、胸元に巻き付いたレザーのベルトも、洋服の境目を曖昧にする。ディテールや小物によりマジックにより、えらく装飾やデザインが入り組んでいるようにもみえるが、実は今季はプレーンなシルエットが多い。ベーシックなトップス、装飾をそぎ落としたロングドレスなど、クリーンなデザインも多く起用されていた。
2018年10月01日マルベリー(MULBERRY)の2019年春夏ウィメンズコレクション、インスピレーション源となったのは、60年代のイギリスだ。クリエイティブ・ディレクターのジョニー・コカは、就任以来英国文化にフォーカスを当ててクリエーションを続けている。これまでは、上流階級の英国婦人を切り取り、ロマンティックで女性らしい姿を表現してきた。勢いのあった60年代英国にフューチャーしかし、今季はもっとも勢いのあった60年代にフォーカス。自由・開放・革命が謳歌された当時のイギリスは、まさに流行の発信地。明るくポジティブなエネルギーに包まれた英国からはファッションを含め、様々な文化が生まれていた。ジョニー・コカは、当時の美だけでなく、パワフルであった街、国全体のムードも切り取りファッションに落とし込んだ。サイケ柄、ミニスカート…60’Sが蘇るとにかく楽し気でポップ。“懐かしい…”と思わずつぶやいてしまう人もいるほど、当時の姿がそのアグレッシブな状態のままに現代に蘇っている。透けそうなほど薄い高級絹にのっているのは、サイケデリック柄。カラフルな色彩と動きのあるモチーフは“あの時のまま”ワンピースやタイツに顔を出している。ミニスカート全盛期だった60年代を切り取ったボトムス。前衛的で斬新であったミニ丈は、今も女性たちを美しくみせてくれる。ギンガムチェックの格子柄はクラシックなコートに描きだされ、さらに大振りボタンも並べてデザイン性を楽しんでいる。ミント、レモン、ソフトピンクなどお菓子のようにスイートなカラーたちは、フェミニンなドレスにのせて。透明ソールの新シューズ&三日月型バッグシューズもプレイフルな雰囲気を受け継いで、鮮やかなカラーで仕上げ、さらにプレキシガラスのヒールで質感の遊びも加えた。新作バッグは、三日月形状のブロックウェル。ブランドのアイコニックなライダーズロックを新デザインで起用している。
2018年10月01日ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、2018年9月26日(水)にフランス・パリで発表された。「今」をみつめること→コントラストを楽しむこと過去でもなく未来でもない「今」に視点を合わせたという今シーズン。相反するものが同時に存在しているのに、互いにいがみ合うことなくほどよく調和し、ランウェイにはポジティブなムードが広がっている。弾けるようなビタミンカラーと鮮明な青、何にも染まらないホワイトと安定感のあるアースカラー。コントラストが強いパレットが1つのピースの中で、1つのコーディネートの中で、そしてコレクション全体で溶け合い融合する。実用主義VS贅沢クチュール実用主義に特化したワークウェアと贅沢の象徴であるオートクチュールの対比。機能性のみを残し装飾性をそぎ落としたミリタリードレスの後には、ドラマティックなベアドレスが続く。デイリーユースにぴったりなスウェットトップスのお相手は、スパンコールたっぷりのスカート。スポーティなフードコートの下からのぞくのは、総スパンコールのクチュールライクなスカートである。テーラードのセットアップの上には、スパンコールの装飾を贅沢に肩から飾って。写実的な花、現代アートのようなモチーフドレスの柄をとっても対比と融合が繰り返される。いきいきとした花々が写実的に描かれたかと思えば、モダンアートのような抽象的なモチーフにフォーカスがあてられる。素材の対比は遊び心たっぷりに。極薄なコットンやリネンと半透明なナイロン地のコンビネーション。ミリタリーウェアにみられる厚手のテキスタイルと肌を透かせてみせるシースルー素材のマッチング。カラーフェザーで花を添えてコレクションに花を添えるのは、鳥からのインスピレーション。モデルのヘアにのせれらたのはカラフルなフェザーのヘアピースだ。バッグやヒールシューズも羽のモチーフがたっぷりと添えられている。
2018年09月30日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月28日(金)に発表された。「黒」で出来る表現方法はいくつあるかブランドを象徴する色、黒。この1色での表現の多様さ、そして一つのアイテムから生み出されるバリエーションの豊富さ、デザイナーの力量が試される豊かな表現力が感じられるシーズンだと感じた。ジャケットの表現方法は∞黒のテーラードジャケットは、ラペルやボタンの位置、身体を包むアウターとしての役割など、洋服本来の形・意義を保ちながらもモダナイズされている。同じ黒だが異なる生地を肩の部分だけパッチワークさせてドロップショルダーにしたもの。軽やかな素材を選びつつも、シャツのように肌に沿わずすっとした落ち感を保ったもの。片方のラペルだけがずり落ち、装飾としての新しい任務をみつけたもの。同じ黒のテーラードから生まれているのに、それぞれが強い個性を放ち、全く異なるものに生まれ変わっている。肌みせで色気を引き出すブラックドレスジャケットと並んでフォーカスされたブラックドレスは、ローエッジで無骨さを残しながらも女性のセンシュアルな魅力を引き出すアイテムに昇華した。一枚布を巻き付けたかのようなシンプルな作りであるが、布の重なりはすべて計算され、ほんのり肌がみえるようになっている。腰の周りをえぐるようなカッティング、半分だけ見えた肩甲骨、菱形に切り取られた胸下。生地同士が重なり、たゆみ、ひねり…布での表現方法を限界まで楽しみながら、女性の色気を引き出している。曲線美を強調させたビッグドレス後半に登場したビックサイズのドレスは、序盤とは一変ボディラインを覆い隠したもの。生地を贅沢に使い、こぶのような凹凸を首下から裾にかけてランダムに配した。女性の曲線的なラインをデフォルメしたかのような、デコボコなドレスには弾けるような色彩をのせて。自由奔放に感情のままに描かれたかのような抽象的なモチーフは、宇宙を表現しているようにも、手が下にのびているようにも見え、絵画のように見るものに解釈の自由を与えている。包み隠すことで生まれる色気フィナーレは、Tシャツ&ロングスカートというシンプルな装い。肌見せ、凹凸、曲線美。ショーを通じて展開してきた女性にまつわる捉え方を休み、女性の美しいとされる身体や髪、脚などを包み隠すアプローチのように見えた。ストレートにセンシュアリティを表現しないことで、前半とのギャップが楽しく、また女性らしさをより際立たせているように感じる。
2018年09月30日©DOLCE&GABBANAドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)が2019春夏ウィメンズコレクションを発表。ショーには、女優のモニカ・ベルッチ(Monica Bellucci)や エヴァ・ハーツィゴヴァ(Eva Herzigova)、カーラ・ ブルーニ(Carla Bruni)、ヘレナ・クリステンセン(Helena Christensen)ら90年代を代表するスーパー モデルが登場しショーを盛り上げていた。また、日本からは女優でモデルの三吉彩花が参加。
2018年09月30日ヴァレンティノ(VALENTINO)が、パリウィメンズファッションウィークで開催する2019年春夏ウィメンズコレクションショーをライブストリーミングで配信する。10月1日0時(パリ現地時間9月30日17時)より。また、SNSのハッシュタグは「#ValentinoSS19」、ハンドルネームは「@MaisonValentino」。ショーの様子はこちらからも視聴が可能。
2018年09月30日アールト(AALTO)2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月26日(木)に発表された。満ち足りたパワフルウーマンを表現女性の強さを表現したという今シーズン。クリエーションの起点は女性らしさ、幸福、パワー、スピード、フィンランド語で国民性を表す言葉・sisuだったとコレクションノートに記載されている。その世界観の一部を表現するように、ランウェイを歩くモデルたちの動きはパワフル。早朝ウォーキングをするアスリートのように、足早に歩き、力強さと満ちたりた表情に溢れている。軽快&デザイン性たっぷりの新ユニフォーム纏っているのは、今を力強く生きるために現代女性に向けて用意されたウェア。ビジネスウーマンのアイコンであるスーツは、暖かい季節に沿うようホワイトリネンで仕立てた。軽やかな素材感を活かすようラペルは波打つようにカッティングして、大きく分量をとり、風をきって動くように設計している。また、ロングパンツに代わって足首の見えるカプリパンツをセットアップに起用。ランダムに配した刺繍が遊びこころをくすぐる。シャツもスタンダードなホワイトではなく、虹色に輝くオーロラ地をセレクト。さらに、ショートパンツやスパッツと合わせた快活なルックも登場する。荷物をいれるバッグはビニル素材で軽量に。AALTOのロゴを配したバッグは、コンパクトサイズで、より機能性に特化したウエストポーチタイプもある。
2018年09月30日グッチ(GUCCI)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。グッチがホームタウンのミラノを飛び出し、パリの歴史あるシアターでランウェイショーを開催。プレフォール、リゾートに続き、フランスへのオマージュを捧げるコレクションがついに完結する。パリの歴史あるシアターでランウェイショー会場がシアターであることから、始まりは一つのムービーから。女性が登場するのはホラームービーさながらのちょっぴり“おぞましい”作品。上映が終わると、1階の客席後ろからモデルが一人また一人と現れ、中央のステージに向かってキャットウォークを披露する。仏文化への敬意はヴィンテージテイストで再現新作コレクションも様々な要素が乱れていて、アレッサンドロ・ミケーレが継続して綴っている「折衷主義」の物語が続いている。フランス文化にオマージュを捧げたという今季は、パリのアンティークショップを覗いたかのような懐かしさとヴィンテージライクであることが特徴。特に、ウィメンズは80年代からの影響を強く受けていて、ビッグショルダーがポイントになっている。色鮮やかラッフルドレスはには丸みのあるパワーショルダーを、カラフルなロングドレスにはたっぷりのフリルをあしらって肩周りに重量感をもたせた。また、デコラティブな要素も共通し、キラキラと輝くラメ入りのフリンジが取り入れられている。空飛ぶピッグが新登場動植物を愛する“グッチファミリー”に新たに加わったのは、フライングピッグ。その名の通り羽をつけた豚さんが、ミケーレならではのアニマルワールドに加わった。ドレスの胸元に刺繍されたり、ブローチ、アクセサリーなどになって登場している。新作シューズは月や貝殻をモチーフにした、ロマンティックな仕上がり。ヴィンテージライクなパンプスの中央にメタルで仕上げたモチーフを飾った。ディズニーコラボ、ミッキーマウスバッグバッグは過去から着想を得て、60年代のアーカイブをベースにしたものを一つ。また、マリナチェーンとロープをミックスして持ち手にした、エンベローブバッグも展開している。さらに、ディズニーとのコラボレーションによりミッキーマウスのフェイスをモチーフにしたハンドバッグも展開された。
2018年09月30日トム ブラウン(THOM BROWNE)は、2019年春夏ウィメンズコレクションを、日本時間の2018年9月30日(日)午後10時00分より発表する。ファッションプレスでは、その模様をライブ配信。毎度ドラマティックなショー演出で観衆を惹きつけるトム ブラウン。「ペインティング」をテーマに掲げた、2018-19年秋冬コレクションでは、キャンバスを取り入れた斬新なフォルムのテーラードをはじめ、ランジェリーを想起させるリボンテープやパッチなどをあしらった、エロティックなドレスなどを披露。会場に溢れかえったアーティスティックなピースは、ラストまで続く物語に奥行きをもたらした。今季のトム ブラウンは、一体どのようなストーリーを吹き込みながら、新作を披露してくれるのだろう。是非リアルタイムでそのクリエーションを鑑賞してみて。【詳細】トム ブラウン2019年春夏ウィメンズコレクション日本時間:2018年9月30日(日)22:00現地時間:2018年9月30日(日)15:00
2018年09月29日フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ(PHILOSOPHY DI LORENZO SERAFINI)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、イタリア・ミラノで2018年9月22日(土)に発表された。春夏シーズンの到来、ブランドが暖かな季節にするのは、ホワイトやベージュなどの優しいカラーを主役にした爽やかなピース。素材もシフォンやレースなど、エアリーなものをセレクトし軽快に仕上げている。リズミカルなシルエットコレクションには、ワンピースやブラウスなど、フェミニンなウェアが多く登場しているが、どれもシルエットに緩急をつけた、こだわりのフォルムが特徴的だ。バルーンスリーブで袖元にボリュームを持たせたり、胸から肩にかけて大きくなフリルをあしらったり、ショルダーに立体的なフリルを添えたり…一定部分にボリュームを持たせている。かと思えば、ウエストラインはボディラインに寄り添うようにタイト。ステッチでデザイン性を高めた肘下のアームも、ぴったりと肌にフィットしている。超ミニ丈でフレッシュにレングスはとにかく短く。ワンピースやスカートの類は、膝下20cm以上の超ミニ丈が基本だ。ショートパンツも裾を斜めにカットアウトすることで、そのショート丈を強調している。時折、ロングドレスが展開されるが、その長い丈を忘れさせるほど深いスリットが入っている。パンツはテーパードが主流で、くるぶしを見せてフレッシュに仕上げた。温かみのあるロープをアクセントにウエストライン、そしてヘッドピースとして起用されたのが、ナチュラルな印象のロープ。クラフト感のあるロープがベルトに代わり、ヘアバンドに変身し、優しげなムードを加えている。
2018年09月29日