前回 は、正しいファーストシューズの選び方をご紹介しました。しかし、最初の一足だからとファーストシューズは慎重に選んだけれど、その後は子どもの足もどんどん大きくなり、次から次へと新しい靴を買わなければいけないからと、選ぶのがおざなりになっていませんか?まだ足ができあがっていない幼児の靴選びは、ファーストシューズ選びと同じくらい大事です。子ども靴のプロ、シューフィッターの寺杣敦行さんに、足の成長とからめてキッズシューズの選び方をうかがいました。お話をうかがったのは…かかりつけシューフィッターの子ども靴専門店 ジェンティーレ東京代表 寺杣敦行さんFHA(足と靴と健康協議会)認定バチェラー(上級)シューフィッター、幼児子ども専門シューフィッター。革靴好きか高じて靴メーカーに勤務。娘にはかせたいと思う子ども靴が日本では見つからず、ヨーロッパへ探しに行ったのをきっかけに、2008年に子ども靴の専門店をオープン。足の健康を重視し、機能性を第一に考えた子ども靴を、足の特徴や歩き方をチェックしながら調整して販売している。 ・かかりつけシューフィッターの子ども靴専門店 ジェンティーレ東京 ■子どもの靴選び「何歳まで気をつければいいの?」――子どもの足は何歳くらいまでに形作られるものなのでしょうか?寺杣敦行さん(以下、寺杣さん):足は体を支える土台なので、足がぶれると体全体に影響が出てきます。立った時に、かかとの骨とその上の距骨、すねの骨の脛骨が、後ろから見てラインがまっすぐになっていることが理想なんです。男女でも違いますが、この足首やかかとの骨が大人の骨に置きかわるのが10歳から12歳くらいなので、それまでは靴選びに意識を向けていただきたいですね。足全体の骨の成長(骨化)が終了するのが14歳から18歳くらい。女の子のほうが終了が早く、男の子は18歳くらいまでかかります。足のサイズが止まるのも、女の子のほうが早くてだいたい中学2年生くらい。男の子は高校1、2年生くらいまで伸び続けるので、足に気をつけるのは決して幼少期だけではない、と覚えておいていただきたいですね。もう少し細かくいうと、足の成長には土ふまずが大事になってきます。赤ちゃんの時は、座っていると土ふまずがちゃんと見えますが、立って体重が乗るとペシャンと隠れてしまう。骨格としてはあるのに、体重が乗るとつぶれてしまうのが、2、3歳までの特徴です。徐々に筋力がついて、少しずつ隙間ができてくると、土ふまずの形成が始まったということなんです。それが3歳から6歳くらいまでの間で、土ふまずにとって大切な成長期なんです。そういう意味からすると、年少から年長の3年間というのは特に気をつけたい時期ですね。■子ども靴の種類別「キッズシューズの正しい選び方」――スニーカーはどのようなものを選ぶのが良いのでしょうか?寺杣さん:まずつま先とかかとに芯材が入っていて、走り回っても足をしっかりと支えられるもの。靴底は、足指の付け根付近が曲がるものが良いですね。手で簡単にねじれてしまうような柔らかい靴底のものはおすすめできません。赤ちゃんの頃はペタペタ歩きですが、3歳前後になってくると、大人のようにかかとから接地する歩き方へと変わってくるので、ファーストシューズよりも足の指の曲がる位置が重要になってくるのです。また、接地面が広くなっているフレアソールは、支持面積が広いので良いですね。最近はファッション性を追求したテーパードソールというものがあります。フレアソールとは逆で、接地する側の面積が小さいため、不安定でおすすめできません。――具体的には、どのような形のスニーカーが良いのですか?寺杣さん:できればハイカットのほうが良いのですが、ローカットの場合は足首周りがより小さくてフィットするものをおすすめします。ひも靴も良いですね。ただし、脱ぎはきのたびに結び直してください。結んだままにしておくと、ひも靴の良さがまったく生かされないのです。しかし、園や学校では自分で脱ぎはきしなければいけないので、小学校中学年くらいまで、ひも靴は不向きですね。ひも靴に近い機能をもつ靴としては、マジックテープタイプのものがあります。ただし、日本仕様のほとんどが、マジックテープはペタンと留めるだけ。これは着脱を容易にするだけで、フィットさせる機能はあまりありません。ヨーロッパのスタンダードは、折り返し式のマジックテープベルトで、足と靴をしっかりとフィットさせやすく、ひも靴に近い感じですね。これも足に良い靴の条件なんです。――夏はサンダルやビーチサンダルをはくことが多いですが、足にとってはどうなのでしょうか?寺杣さん:ビーチサンダルは、柔らかいタイプだと指の付け根を曲げて力入れた瞬間にソールが沈んでしまうんです。指の付け根を曲げることで足底腱膜が張って、土ふまずを持ち上げるシステムなのですが、沈むとこの曲がりが正常ではなくなり、土ふまずの形成につながりません。利用するのは短時間が良いでしょう。でも、鼻緒タイプは、足の指でつかむようにはくのでとても良いんですよ。ふだん足の指を使うことはあまりありませんよね。ソールが革やゴムのトングサンダル、草履はOKです。かかとがしまっていないと足が動いてしまうので、バックバンドが付いているものがおすすめです。サンダルで一番大事なポイントは、その夏の2~3カ月をジャストフィットではけるサイズを選ぶということです。歩き方や足の骨の配列に影響が出てきてしまうので、決して大きめのサイズは選ばないでください。――長靴はいかがですか?寺杣さん:きちんと靴の機能をはたしている長靴はないので、雨が降っている時に短時間だけはくくらいにしましょう。最近の長靴は中敷きが入っているので、それを取り出して足を置いてみてください。その時、つま先に1cmくらい余裕があれば大丈夫だと思います。■「正しい靴のはき方」と「子ども靴の買い替え時」――靴の正しいはき方はありますか?寺杣さん:立ったままではいたり、つま先をトントンする子どもが多いのですが、これはダメです。必ずイスか地面に座って、体重がかかっていない時にはくようにしてください。まず、ひもやマジックテープベルトを外して靴を開きます。足を入れたら、つま先を持ち上げて、かかとをトントンとします。くつのかかとと足のかかとがぴったりついた状態のままで、ベロを足首にそわせて、ひも靴の場合は下から調節しましょう。2本のマジックテープベルトの場合は、上から先に留めます。靴の中で正しい位置に足をのせるには、まずは上のベルトから先にしめて、足首を固定してしまうのが一番です。下のベルトを先におろしてしまうと、靴の中で足が前方に出た状態でとめることになります。ここまではつま先を上げっぱなしにしておいてくださいね。――子どもの靴は、だいたい何足くらい用意するといいのでしょう。寺杣さん:ファーストシューズは毎日同じでも良いと思います。年少さんくらいになると、靴の傷みが激しくなってきたり、雨などの天候や汚れなどの衛生面があるので、替えがもう1足あると良いですね。――靴の買い替え時というのは?寺杣さん:年少以上になると、足の成長から考えた場合、サイズが合う・合わないでいえば、半年くらいははけるでしょう。しかし、それまで靴がもつのか、成長のほうが早いのかという問題になりますね。また、靴のかかとが斜めにすり減ったままにしておくと接地角度が変わってきて、関節に負担がかかって骨の配列がくずれてしまいます。その場合は、買い替えやソールの修理をおすすめしています。■餅は餅屋ならぬ「子ども靴は子ども靴専門シューフィッター」へ――子どもの靴を選ぶ時のサイズ感は、大人とは違いますか?寺杣さん:子ども靴の場合は、余裕寸法プラス足の成長分を考慮します。あくまでも足の形状と靴の形が合っていると仮定したうえで、1歳の後半くらまでは3カ月で5mm伸びるので、ファーストシューズの場合は、成長分5mmと必要な靴の余裕寸法4、5mmで9、10mmになります。幼児になると半年で5mmくらい伸びます。3、4歳の場合、靴のつま先の形によって異なりますが、幅の広いものは12、3mm、やや細みのものは14、5mm。中学生くらいになったら16、7mmと、年代によって変わってきます。――それくらい余裕のある大きめのものを購入するのがいいんですね。サイズは自宅で測れるのですか?寺杣さん:どんなに良い靴でも、足に合っていなければ意味がありません。足の長さを測るものは売っていますが、靴のフィット具合は専門家でないとわからないので、できればシューフィッターのいるお店をおすすめします。先日、デパートの子ども服ブランドショップで買った靴が合わずに指に傷ができてしまったというお子さんが店にいらっしゃいました。足のサイズを測りフィッティングをして、これなら大丈夫ですと買った靴のはずなのに…ということでした。しかし、足と靴の中を測ってみると、適正なサイズよりも2サイズも小さいものでした。本当のプロに頼まないと正しいフィッティングは難しいということなんです。今の日本の子ども靴市場で、プロのシューフィッターがいる売場で買っている割合は多くて2割くらいだと思います。残りの8割は、自分ではいて判断しなければならないスーパー、量販店、ファッションブランドショップなどです。しかし、そういったお店では足の長さしか測らないお店が多いのが現状です。また、ネット通販を利用している方も非常に多いと思います。私の店では、足の長さや幅、甲の厚み、内ふまずの長さを測り、フットプリントを取って、足圧や土踏まずの形成具合、歩き方、O脚やX脚、骨のゆがみを見ながら足に適合する靴をフィッティングし、さらに歩き方や足に特徴のある場合は、インソールや靴底の加工も行って販売しています。O脚、X脚やゆがみがあるなど、お子さんの足の特徴、体質を知っていただくことが、健康な足への最初の一歩なんです。――シューフィッターの方はどのくらいいらっしゃるんですか?寺杣さん:私の登録している 一般社団法人 足と靴と健康協議会(FHA) には、全国に3,708名のシューフィッターがいます。その中で、マスター(名誉職)が11名、バチェラー(上級シューフィッター)389名、シニア専門が152名、幼児子どもの専門が226名。大人の靴と子どもの靴を見るのはまったく違います。大人の初級を取ったシューフィッターが4,000名弱いるのに、大人の靴のことをわかりつつ、子ども専門の勉強をした人が200名余りしかいないのです。この少ない人数が全国に散らばっているので、近くで探すのはなかなか難しいですが、お店で測ってフィッティングしてもらうことが一番です。靴と足の形が合っていないと、どんなに高級で良い製法で作られた靴でも、それは足の健康にはつながらないのですから。寺杣さんからお話をうかがって、足に合う靴選びと足の健康がどれだけ体に影響してくるのかがわかりました。子どもたちがいつまでも健康でいられるように、日ごろから靴選びには気をつけていてあげたいですね。※ 一般社団法人 足と靴と健康協議会(FHA) に登録しているシューフィッターは、ホームページから検索できます。取材・文/河部紀子
2018年08月07日足を形成している時期の靴選びはとても大切。しかし、大人でも自分の足に合った靴選びに苦労しているのに、小さな子どもは自分で合うか合わないかを判断できないので、靴選びは難しいですね。子どもにはどんな靴を履かせるのがいいのか、子ども靴のプロ、シューフィッターの寺杣敦行さんに足の健康を踏まえながらお話をうかがいました。お話をうかがったのは…かかりつけシューフィッターの子ども靴専門店 ジェンティーレ東京代表 寺杣敦行さんFHA(足と靴と健康協議会)認定バチェラー(上級)シューフィッター、幼児子ども専門シューフィッター。革靴好きか高じて靴メーカーに勤務。娘にはかせたいと思う子ども靴が日本では見つからず、ヨーロッパへ探しに行ったのをきっかけに、2008年に子ども靴の専門店をオープン。足の健康を重視し、機能性を第一に考えた子ども靴を、足の特徴や歩き方をチェックしながら調整して販売している。 ・かかりつけシューフィッターの子ども靴専門店 ジェンティーレ東京 ■子どもの足「特徴を知ったうえで靴を選ぼう」――正しい靴選びが足に良い理由は何ですか?寺杣敦行さん(以下、寺杣さん):足の中でも、足首から下の部分の耐用年数はどれくらいだと思いますか? 一生もつものだと思っているのではないでしょうか。実は、およそ4、50年といわれています。足首から下の部分には片方だけで骨が28個ついていて、それがじん帯でつながっています。足は体を支える土台になるので、立ち上がって歩いている時の骨の配列を、いかに正しく長い時間保てるかにかかってくるんですね。元気なお年寄りで歩いている方がいますが、誰もが90、100歳まで自分の足で歩けるわけではないんですよ。靴は、足の健康を保ち骨の配列をくずさないためには大事なもののひとつです。足の骨の配列が全身の骨のバランスにつながっているので、例えば足首が内側にずれてしまうと、すべてに影響してしまいます。健康に自分の足で長く歩くには、日常生活を通して筋力をつけながら骨の配列を守っていくことにつきます。そのための靴の役割は50%くらい。もう半分は先天的、遺伝的な体の性質と、後天的な日常生活による影響に気をつけることですね。――正しい靴選びが健康に大きく関係しているのですね。寺杣さん:正しいサイズと足の形に近い木型の靴をはけば、立った時にまっすぐな姿勢になります。まっすぐな姿勢=まっすぐな骨の配列となり、正しい歩き方と体重移動ができるので、体に負担がかかりません。すると、足の骨の配列が整って成長できるのです。――サイズだけではなく、木型も重要なのですか?寺杣さん:写真のファーストシューズ2足は、デザインとサイズは同じなのですが、木型が違います。靴を作る時は必ず木型を作って、これを革などの素材でくるみますが、右は標準からやや幅広の子まではけるもので、左は足幅が細い子向けです。まず、お子さんの足の特徴を知ったうえで、その特徴になるべく近い形の木型の靴(靴の形)を選ぶのが最大のポイントです。どんなに足に良い靴と宣伝されていても、足の特徴と靴の形が合っていなければ、将来、足のトラブルの原因を作ってしまう可能性があるんです。私の店ではこのように幅や甲の厚みの違うものをいくつか用意して、初めて来たお客さんに対応できるようにしています。しかし、ファーストシューズはひとつの型しかないというメーカーさんもあります。ひとつの木型でさまざまな足の形の子に売っているというのが、今の業界の現状なんです。■正しいファーストシューズの選び方は?――ファーストシューズから意識していかないといけないのですね。どのようなものを選ぶといいのですか?寺杣さん:ファーストシューズの定義というのも曖昧ですよね。生まれてすぐの記念に買えばファーストシューズと呼べるのですが、日本の場合は、家の中で靴をはかない文化なので、外で歩くための靴、初めて買う外ばきがファーストシューズでいいと思っています。ファーストシューズ選びには、いくつかポイントがあります。歩き始めたばかりの赤ちゃんは、ひざを曲げてバランスがくずれないように、足と足の間隔を広くして支持面積を大きく取り、左右にぶれながら歩きますよね。まだバランスをくずしやすいので、靴底の幅が広く安定性のあるものがいいですね。外は家の中みたいに必ずしも平らではなく、普通の道路であっても傾斜が付いていたり、デコボコしたりしています。ソールがふにゃふにゃしていると足を支えられなくなってしまうので、しっかりしたものがいいのです。でも、ソールがしっかりしているだけではダメなんです。足指の骨の付け根は、それぞれが曲がるから歩行できます。その部分と靴の曲がる位置が合っているものを選びましょう。――ハイカットの靴はどうですか?寺杣さん:ハイカットは動きにくいんじゃないかという声もあるのですが、ハイカットをはかせて運動機能のテストをしてみると、まったく遜色がないという論文もあります。確かに、ハイカットはローカットより足首の可動域が狭くなりますが、今は守りながら足をきたえるというのが私たちの考えです。骨の配列を守るために足首をガードしながら、たくさん遊ぶ。それでもちゃんと筋力がついてくるんですね。また、革靴だと土ふまず、足首、かかとの部分がよりフィットするんです。――スニーカーはクッションがあるので良さそうですが…。寺杣さん:今、お年寄りの靴で、ソールのクッションがあり過ぎることで骨刺激が失われてしまうという問題が懸念されていますが、子ども靴にも同じことがいえます。また、それと同様に、赤ちゃんが転んだら危ないからと、室内にジョイントマットをしく家庭が多いですが、実はそのほうがかえって危ない場合もあります。赤ちゃんは倒れてバランス感覚を養っているんですね。赤ちゃんの足はぽっちゃりしていますが、あれはやわらかい骨を保護するためにたくさん脂肪がついているんです。あの脂肪だけで十分なんですよ。日本は過保護的なところがあり、それが靴にも影響されています。脱ぎはきが多い文化なので、特に小さい子は、それを親が手伝いますよね。そのため、親が簡単に脱ぎはきさせられる靴ばかりが重宝され、日本の子ども靴はガラパゴス化しているといえるでしょう。それが靴の本来の機能と反比例しているのです。裏を返せば、脱ぎはきに手間がかかる靴ほど、足に良いと覚えていただけるといいですね。■子どもの足「足が退化している現代っ子」――子どもの足のトラブルはどのようなものがありますか?寺杣さん:最近の子どもは、5本の指の付け根の中足骨の横のアーチが崩れやすくなっています。中年以上の大人は横のアーチが崩れて開帳足になっているのですが、それと同じ傾向がすでに子どもにも見られているのです。本来、子どもは成長期でアーチが作られなければいけないのに、すでに退化しているんですね。――それはなぜでしょうか?寺杣さん:一番の原因は昔に比べて歩いていないからなんです。便利な乗り物ができて、幼稚園や保育園の送り迎えは自転車や車になり、足を使っていない。学会の論文で、家から幼稚園まで歩く距離が長い子のほうが、土ふまずの形成率が高いという研究結果が発表されています。――できるだけたくさん歩いたほうが良いのでしょうか?寺杣さん:昔に比べて現代人は歩かなくなっていることは事実です。足を使うということに関しては、昔の生活のほうがはるかに健康に良かったのです。時間に余裕のある時、自転車での保育園の送迎を週に1~2回は歩いて行ってみる、近所への買い物にベビーカーを使わずに歩いて行ってみる、緩い坂道を散歩したり、かけっこをしてみる。なかなか外で遊べない時には屋内でジャンプしてみる、それも難しければ、つま先立ちをしたり、足指じゃんけんをするだけでも確実に効果があるんです。これは、子どもも大人も同じで、いつも足や足の指を使うという意識が大切ですね。――外反母趾など、大人と同じようなトラブルも増えているのですか?寺杣さん:幼稚園に通っている3~5歳児の20%くらいで、すでに外反母趾が始まっているそうです。また、店の近くの公立小学校のフットプリント検査では、8割の児童が浮き指であることが報告されています。それは、なりやすい骨格や体質の遺伝と、靴が合ってないためです。きつい靴はもちろん足をしめつけるのですが、逆にゆるいと足が前後左右にずれてしまうので、どちらにしても同じことがいえるんですね。現代の子どもの足が退化しているとは、かなりショッキングな現実です。イギリスでは、すでに1800年代に、子ども靴の選び方が健康に影響を及ぼすとうたった靴メーカーの広告ポスターが作られており、「日本は足の健康と靴選びに関して後進国なんです」と寺杣さん。欧米諸国に比べ、日本の靴の歴史は浅いものの、今や私たちの生活に欠かせないもの。もっと知識をもって、正しい靴を選んであげたいですね。次回は、キッズの靴の選び方についてうかがいます。 取材・文/河部紀子
2018年07月28日