2009年アカデミー賞8部門を受賞した映画『スラムドッグ$ミリオネア』(監督:ダニー・ボイル)が原作にした小説『Q&A』(ヴィカス・スワラップ著)が、世界で初めて舞台化される。瀬戸山美咲が上演台本と演出を手掛け、貧困、格差、虐待、搾取といったインド社会が抱える問題に鋭く切り込みながら、「スラム街の孤児《スラムドッグ》が、なぜクイズ番組で《ミリオネア》になりえたのか?」の謎解きを、群舞やパルクールを取り入れた疾走感のある音楽劇に仕上げるという本作。主演を務める屋良朝幸に話を聞いた。「生きていくために必要なこと」がひとつの結果につながる――原作小説『Q&A』の印象をお聞かせください。『Q&A』は、映画『スラムドッグ$ミリオネア』のもととなった小説なのですが、僕は映画も拝見していて、あの作品に描かれているようなことがインドで現実に起きているとすれば、それはすごく悲惨で。主人公はそういう中で生きていくためにいろんな知恵を得たからこそ、クイズで勝ち抜いていけるんですけど。だからこの作品を演じるためには、そういった国の情勢や子供たちのこともちゃんと調べて、しっかり伝えていきつつ、それをいかにエンタメとして見せるかということも考えていきたいなと思いました。――どんなことを調べるのでしょうか?例えば、インドならではの階級制だとかは日本人にはわからない部分もあります。「スラム街で生まれた人はその時点で人生を変えることはできない」というようなことは聞いたことがあるのですが、実際のところそれがリアルなのかもわからない。いまはもう変わっている部分もあるかもしれませんが、そこにある背景をちゃんと知っておかなければいけないなと思っていて。そこは少しずつ調べるようにはしています。――屋良さんが演じるスラム街出身の青年・ラムはどんな人物だと捉えていますか?それこそさっき言った「自分の人生を変えられない」というところからスタートしていて。だけど彼は友達と一緒に夢を持っている。10歳くらいから演じると思うのですが、そのときからいろいろなことが気になって「なんで?」「どうして?」と知ろうとするんですよ。その興味の持ち方がすごく面白いです。そういう、彼にとって「生きていくために必要なこと」がクイズになって、運よく出題されるっていう話で。人生の中で得たものがひとつの結果になっていったのかなと思います。僕が出るからにはダンスがないことはないだろうなと――映画版とけっこう違うのですか?そうですね。役名も違うし、出てくるキャラクターも多いかな。大まかな設定は一緒だと思いますが。――音楽劇で、ダンスも歌も生バンドも、さらにパルクール(スポーツの一種)もある舞台だということですが。僕が出るからにはダンスがないことはないだろうなと思っていたんですけど(笑)、パルクールはかなり意外でした。資料に「パルクール」ってさりげなく書いてあったんです。それで「パルクールか!」と思って。僕もすごく興味があるジャンルではあるんですけど、それをこの作品でやるっていうのはちょっと想像つかなかった。そもそも舞台でパルクールをやること自体もそんなにないと思いますから。セットもそのためにつくらなくちゃいけないですし。――専門の先生がつくのですか?それが、たまたま僕の知り合いがパルクールの研究をしていて。パルクールの動きだけじゃなく、そのためのセットなんかも研究している方なんです。しかも知り合ったタイミングは、この作品に出演が決まるほんの少し前!すごい奇跡だなと思って。それで瀬戸山さんにも紹介させていただいて、一緒にやることになりました。まずパルクールって、ダンスみたいに「やってみよう」と言ってやれるジャンルではないと思うんですね。だから今回こういう機会をいただけるのもすごく嬉しいです。既にちょこちょこやっていますよ。基礎の基礎から。正直、あれだけ踊っているから余裕だろうと思っていたんですけど、やってみた次の日は筋肉痛で歩けなくて(笑)。使う場所が全然違うんだなと思いました。そういうパフォーマンスも含めて、この作品は新しいエンタメになるという楽しみはあります。――演出の瀬戸山美咲さんとは初タッグですが、どんな印象がありますか?ものすごく柔らかい方です。パルクールも最初の頃はそこまで詳しくなかったと思うのですが、いまはすごく興味を持ってくださっていて。きっと瀬戸山さんは、ご自身の興味の範囲の外にあるものでもちゃんと好きになって、こうしよう!と言ってつくってくださる方なんだろうなと感じました。それだけでも大好きになったし、いろいろ相談しやすい方なんじゃないかなと思うので、お稽古がすごく楽しそうです。――共演者の皆さんの印象は?共演したことがあるのは(唯月)ふうかちゃんだけなんです。村井(良大)さんもご挨拶をしたくらい。でも村井さんは(ラムの親友という)肝になるキャラクターを演じるので、いろいろ話して一緒につくっていけたらなと思っています。もちろん(ラムが恋する相手を演じる)ふうかちゃんもですけどね。あと、(川平)慈英さんは共演は初めてなのですが、だいぶ前にご飯をご一緒したことがあって。そのときに「なんか一緒にやろうよ」と熱く話してくださったんですね。そこから6年くらい経って、やっとここでご一緒させていただけるのですごく嬉しいです。今回の(クイズ番組の司会者という)役柄もピッタリで、慈英さん以外できないと思います(笑)。大塚(千弘)さんは以前、ふぉ~ゆ~のみんなと共演されていて(『縁~むかしなじみ~』/’16年)、なんか、ふぉ~ゆ~が「ちーちゃん」「ちーちゃん」って呼んでいたのがすごく印象に残っているんですよ。だから俺も「ちーちゃん」って呼ぼうかな(笑)。ジャニーズで培った強みは弱点でもある――屋良さんは所属されているジャニーズ事務所のオリジナルミュージカルから始まって、いまでは外部のさまざまなミュージカル作品にご出演されていますが、その中で感じるご自身の強みはありますか?ジャニーズでやっている強みで言うと「対応能力」です。僕はジュニアのときは、例えばKinKi KidsとV6のコンサートを並行してやります、みたいな日々でしたから、そこで臨機応変さだったりその場の対応能力が鍛えられました。つまり「よくわからないけどやれちゃう強さ」があるんです。「とりあえずやる」っていう。ひとつ、ジャニー(喜多川)さんのエピソードで忘れられないのが、あれは誰のコンサートだったか……ドームコンサートを観に行ったんですよ。会場に着いたのは開演45分くらい前で、ジャニーさんに挨拶をしたら、「YOUたち出ちゃってよ」と言われて!でももう客席も開場していてステージを直接見られない状況だから、図面を見せられて「位置はこことここだから」とか教えてもらって(笑)、振付もその場で覚えました。ジャニーさんはそういうサプライズが好きなんですよ。むちゃくちゃだな!と思うし、観に行ったのに観れないし(笑)、とにかく出番までひたすら練習して、ステージに出て、そこで初めて「こういうステージなんだ」なんて思いながら、バッとやってハケる。そういうことがざらにありました。これはジャニーズでしかないと思います(笑)。だから外の俳優さんはここまでの対応能力はきっとないだろうなって。それは強みです。同じく舞台でも、急に台詞が増えて、理解する間もなくやらなきゃいけないってこととか、芝居が増えてやらなくちゃいけないってことがあるんですね。だから自分で腑に落ちてないし、どういう意味でこの台詞を言っているのかわからないまま、ある意味、対応能力でやってきました。でもそれが弱みにもなっていて。そう思ったのは『SONG WRITERS ソング・ライターズ』(’13年)のときだと思います。演出の岸谷五朗さんに「“とりあえずやれちゃう”っていうのはやめない?」って指摘されて。まだ外部のミュージカルに出させていただくようになって間もないときで、たしかに自分の中では腑に落ちてないんだけど、「やらなきゃ」とやっていた。だから岸谷さんに、「わからなかったら芝居が止まっちゃってもいいから、一回ディスカッションしない?」と初めて言われたときに、「うわ、そうだよな」と思って。そこで、なんにでも対応できちゃう強さの半面、浅いところで演じてしまう弱点に気付けました。あれはすごくいいきっかけをいただいたと思っています。そこから「もっと深く考えなきゃ」と思うようになって、芝居への取り組み方も変わりました。本当にわからないことはちゃんと話し合う。いまだにわからないことはいっぱいありますが、そういうことは聞いたり、ディスカッションしたり、いろいろ実験するようになりましたね。――では最初の「インドについて調べている」というのもそういう経験があってのことですか?はい、本当にそうだと思います。――最後に読者の方にメッセージをお願いします。映画『スラムドッグ$ミリオネア』もすごく面白い作品ですが、この作品はさらに「音楽劇」ということで、歌や音楽、そしてパルクールも加わります。パルクールってなんだろう?って方もたくさんいらっしゃると思うのですが、だからこそ、舞台の世界の中でも新しいエンタテインメントが生まれるんじゃないかな。そんな期待を僕も持っています。エンタメ性も含め、楽しみにしていただきたいです!取材・文=中川實穂<公演情報>音楽劇『スラムドッグ$ミリオネア』2022年8月1日(月) ~8月21日(日) 東京・シアタークリエ東京公演後、愛知・新潟・大阪にてツアー公演あり
2022年06月15日ハリウッドで最も知られているインド人俳優の1人、イルファーン・カーン(53)が29日(現地時間)に死去した。「Variety」誌によると、イルファーンは2018年に神経内分泌腫瘍と診断され、ロンドンで治療を受けたという。その後、インド映画『Angrezi Medium』(原題)に出演できるほど回復したが、29日に結腸感染症でムンバイの病院に入院。集中治療室で治療を受けたがそのまま亡くなった。数日前には母親も亡くなっており、新型コロナウイルスの影響によるロックダウンにより、カメラを通して見送るという憂き目にあっていた。最後の出演作とみられる『Angrezi Medium』は、母国インドやアメリカを含む世界各国でも3月に公開されたが、新型コロナウイルスの影響で公開期間がかなり短くなってしまったようだ。イルファーンは1988年、アカデミー外国語映画賞にノミネートされたミーラー・ナーイル監督の『Salaam Bombay!』(原題)で映画デビュー。インドで活躍しながら、ハリウッドでも『スラムドッグ$ミリオネア』、『アメイジング・スパイダーマン』、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』、『ジュラシック・ワールド』『インフェルノ』などの作品に出演した。『ジュラシック・ワールド』のコリン・トレヴォロウ監督は、「とても思慮深く、自分を取り巻く世界…たとえそれが苦痛に満ちていたとしても、美しさを見出せる人だった」とイルファーンの人柄を称え、笑顔の写真を掲載して追悼した。(Hiromi Kaku)■関連作品:スラムドッグ$ミリオネア 2009年4月18日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2008 Celador Films and Channel 4 Television Corporationジュラシック・ワールド 2015年8月5日より全国にて公開© 2015 Universal Pictures.
2020年04月30日『スラムドッグ$ミリオネア』のアカデミー賞受賞監督ダニー・ボイルと『ラブ・アクチュアリー』などの名脚本家リチャード・カーティスがタッグを組んだ音楽ラブ・ストーリー『イエスタデイ』ブルーレイ&DVDが、4月22日(水)よりリリースされることが決定した。誰もが知っているはずの「ビートルズ」を、自分以外は誰も知らない世界がそこにあったら…?多くの作品で話題をさらってきたダニー・ボイル監督が、これまたちょっとひねりのあるラブ・ストーリーで幅広い層を楽しませてきたリチャード・カーティスと初めてタッグを組んだ本作。TV界で活躍していたヒメーシュ・パテルは、本作品のオーディションでボイル監督から高い評価を得て、主役の座を獲得。フェリシティ・ジョーンズとエディ・レッドメイン共演の『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』やクリストファー・ノーラン監督最新作『TENET テネット』にも起用されるなど、本作を機に大きく注目を集めた。また、相手役のリリー・ジェームズは『シンデレラ』で大ブレイクしたイマ旬の女優。彼らに加え、イギリス出身のスーパースター、エド・シーランが本人役として登場。誰よりも稼ぐアーティストが、さえない無名のシンガーソングライターの引き立て役になるところが何とも面白い。マネージャー役で『スキャンダル』『ゴーストバスターズ』のケイト・マッキノンも出演する。「ビートルズ」の大ファンであるカーティスとボイル監督は本作を製作するために、「ビートルズ」のメンバーやその関係者の承認を得ただけでなく、見事な選曲と構成により全編にわたって珠玉の名曲たちが光り輝く作品を誕生させた。『イエスタデイ』ブルーレイ&DVDは4月22日(水)より発売、同日レンタル開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:イエスタデイ 2019年10月11日より全国にて公開©Universal Pictures
2020年02月20日『スラムドッグ$ミリオネア』のデヴ・パテルが主演する実際に起った衝撃的事件を基に描く映画『ホテル・ムンバイ』より、緊迫感溢れる本編映像が到着した。本作は、2008年のインド・ムンバイで起きた無差別同時多発テロで、5つ星ホテルに閉じ込められた人質たちの奇跡の脱出劇を描いた感動の実話。今回到着した映像は、テロリストの襲撃直後、必至に宿泊客を守ろうとするデヴ・パテル演じるホテルマンのアルジュンや、彼の止めを振り切り娘のために行動を起こすアーミー・ハマー演じるデヴィットらが登場。1秒後には何が起こるか分からない緊迫のシーンが切り取られている。そして、デヴィットが進むとともに映し出されるのは、ホテルロビーに横たわる血まみれの人々…。緊迫感溢れる映像となっている。この緊迫の映像を作り上げるため、アンソニー・マラス監督の演出方法に秘密があるのだという。それは、犯人グループ役とホテルの従業員や宿泊客役の俳優たちを引き離し、彼らの間の緊迫感を高めるのはもちろん、リアリティを追及するために現場には巨大なスピーカーを設置し、突然大きな銃声を流した。マラス監督オリジナルとも言える撮影方法をふり返り、デヴは「地獄だよ、それは。僕らはいつも不意打ちを食わされた。それによってどんなに緊張感がもたらされたか想像がつくだろう。僕は、『俳優としてではなく、偽りのない恐怖心で演技に臨むんだ』といつも自分に言い聞かせていたよ」と語っている。また、本作にはプロデューサーとしても参加しているデヴ。デビュー作の『スラムドッグ$ミリオネア』のダンスシーンのフィナーレはムンバイの駅で撮影され、数か月後にその場所が襲撃されたということもあり、彼にとってこの事件は心揺さぶられる出来事だったとか。デヴは「もし、この事件に関する映画がつくられるとしたら、是非、関わりたいと思ったよ」と言い、「台本が作られている途中で僕に出演の話が来た時、僕の演じる役をどう表現したいかとか、どんなことに気を使わなければならないかとか、的確にやらなければならないとかを、積極的に意思表示したんだ」とより深く本作に関わっていることを明かしている。『ホテル・ムンバイ』は9月27日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2019年09月26日『スラムドッグ$ミリオネア』ダニー・ボイル監督と、『ラブ・アクチュアリー』『ノッティングヒルの恋人』のリチャード・カーティスが贈る最新作『イエスタデイ』。この度、リリー・ジェームズ演じる主人公ジャックの幼なじみ、エリーの“お見舞い”シーンの本編映像がシネマカフェに到着した。本作は、“もしも自分以外に「ザ・ビートルズ」を知らない世界になってしまったら…?”というユニークな設定で、音楽、夢、友情が「ザ・ビートルズ」の名曲に彩られていく壮大なドラマ。この度届いた映像は、世界中が突然12秒間の大停電に見舞われ、売れないシンガーソングライターのジャック(ヒメーシュ・パテル)は交通事故に遭う。昏睡状態から目が覚めると目の前には幼なじみのエリー(リリー・ジェームズ)がお見舞いに来ていた。事故で前歯を折り、痛々しいジャックに何が起きたか状況の説明をするエリー。職場である学校に戻るため病室を去ろうとすると、ジャックはエリーに感謝を口にする。エリーはジャックの音楽活動をサポートするマネージャーでもあり、いつもそばで献身的に支えてくれるジャックにとって大切な親友。仕事の合間をぬって時間を作っているにもかかわらず、「いいの、また来るね」と笑顔で返すその姿に、彼女の優しさがにじみ出ている。そんな彼女にジャックがかける「64歳になっても必要としてくれる?」という言葉は、素朴で愉快なメロディが印象的な「ザ・ビートルズ」の楽曲「When I’m Sixty Four(僕が64歳になっても)」から取られたもの。いつもジャックのそばにいるエリーならこの問いかけにピンとくるはずが、会話がかみ合わず、彼女はただ戸惑うだけ…。「ザ・ビートルズ」が消えてしまった世界ではジャックとエリーの関係性はどのように変わってしまうのか、ビートルズの存在を唯一知っているジャックの運命はどうなるのか、物語が動くきっかけとなるシーンとなっている。『イエスタデイ』は10月11日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:イエスタデイ 2019年10月11日より全国にて公開©Universal Pictures
2019年09月18日アップル社の共同設立者スティーブ・ジョブズの半生を追った映画『スティーブ・ジョブズ』が2016年2月に公開されることが決定した。『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイルが監督を、『ソーシャル・ネットワーク』の脚本家アーロン・ソーキンが脚色を手掛け、通常の伝記映画とは一線を画す人間ドラマを描き出す。その他の写真本作は、ジョブズ本人、家族、関係者への約3年に渡るインタビュー等を基に執筆されたウォルター・アイザックソンの同名著作をベースに、デジタルテクノロジーの常識を変えた世界的カリスマの姿を描いたドラマ。『それでも夜は明ける』での演技が世界で評価されたマイケル・ファスベンダーがジョブズに扮し、ケイト・ウィンスレット、セス・ローゲン、ジェフ・ダニエルズら豪華キャストが共演する。ジョブズは1976年にアップル社を創業し、企業ではなく個人がコンピュータをもつ“パーソナルコンピュータ”の開発に尽力。彼が生み出したMacintoshは、世界中に衝撃を与え、多くの人々の創作スタイルや人生を変えた。後に彼は自分でつくったアップル社を追われるも、その後に復帰。洗練されたデザインで人々を驚かせたiMacや、コミュニケーションの手段を大きく前進させたiPhoneを発表。一方で、名作を次々に発表するピクサー・アニメーション・スタジオの経営に携わるなど、生涯をかけて“まだ誰も見たことがないビジョン”を追求してきた。映画ではそんなジョブズの生涯を、彼の長い人生の中で、波乱に満ちていた3つの時期に焦点を当て、その時期の製品(1984年のMacintosh、1988年のNeXTCube、1998年のiMac)の新作発表会でジョブズが行った伝説のプレゼンテーション直前の“舞台裏”を描きながら、彼の偉大な足跡をたどっていく。さらに映画では、彼のプライベートにも大胆に切り込み、ジョブズと娘リサとの確執と和解など、これまであまり語られてこなかった彼の“真の人物像”をも描き出していく。脚本を手がけるソーキンは、『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』『マネーボール』など実話から“観客の心を掴むドラマ”を描き出すことに長けており、本作でも“天才”、“時代の寵児”と称されたジョブズの知られざる一面にも光があたることになりそうだ。『スティーブ・ジョブズ』2016年2月
2015年10月29日『ムトゥ・踊るマハラジャ』『スラムドッグ$ミリオネア』などの音楽を手掛けた“インドのモーツァルト”、A.R.ラフマーンが作曲をしたミュージカル『ボンベイドリームス』。インドの映画界“ボリウッド”を舞台に、若者の成長と恋を社会に巣食う貧困格差なども交えて描き出す、歌ありダンスありの賑やかな作品だ。この舞台に、歌手として俳優として乗りに乗っている加藤和樹の出演が決定。意気込みを訊いた。『ボンベイドリームス』チケット情報はこちら初演は2002年ウェストエンド。その楽曲に惚れ込んだ現代ミュージカル界の巨匠、アンドリュー・ロイド=ウェバーがプロデュースをしたことでも話題を集めた。加藤も「単純に音楽がすごくイイ! 僕、踊れないんですが、思わず踊りたくなります(笑)」と、まずその楽曲のインパクトを語る。「それに、女性はセクシーでエキゾチック、男性はマッチョでカッコよく…。“心踊る”とはまさにこのこと、と思いました。独特の色気と雰囲気がある作品ですよ」。その加藤が演じるのは、弁護士ヴィクラム。ボリウッドスターを夢見る主人公アカーシュ(浦井健治)が思いを寄せる女性プリヤ(すみれ)の婚約者、ということで、敵役的な役どころになるが、「ヴィクラム自身は、プリヤのことを思ってだったり、信念を持って、より良い未来のために動き回ってるんです。だから単純な勧善懲悪ではないんですよ。何が正しくて何が悪なのかというのは人によって違う。でも本当に大事なものって、ココ(と言って胸を叩く)じゃない? ということが描かれている。メッセージ性もあり、ただ面白いだけじゃない作品になっています」と見どころを話した。この日の取材現場にはポスター撮影用の扮装で登場した加藤。宝塚スターもかくや、という麗しくきらびやかなビジュアルで、今まで演じた役柄ともまたひと味違う彼が堪能できそうだが、自らも「キラキラしてますよね」と照れ笑い。また彼の日本人離れした彫りの深さはインド人役もすんなりなじみそうだが、「この濃さで良かった! それにようやくこの地黒が活かせる役がきました(笑)。今まであまり焼けちゃダメだとか、健康的に見えてはダメとか、そういう役柄が多かったので…」とおどけてみせつつも、「おそらくインドで弁護士といったら相当裕福な人。一発で“ザ・金持ち”ってわかるようにしたい」と早くも役どころについて冷静な分析もしている様子だった。「エンターテインメントの要素がほとんど詰め込まれている作品です。予備知識がなくても大丈夫。映画を観る感覚で劇場に来ていただければ。帰り道には劇中歌を口ずさんでいると思います。ぜひワクワクして待っていてください」と加藤。ほかに出演は浦井健治、すみれ、朝海ひかる等。公演は2015年1月31日(土)から2月8日(日)にかけて東京国際フォーラム ホールCにて、その後2月14日(土)・15日(日)に大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演される。チケットぴあでは10月14日(火)11:00まで、インターネット先行抽選販売「プレリザーブ」を受付中。
2014年10月08日主演にユアン・マクレガーを迎え、『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞脚色賞を受賞したサイモン・ビューフォイと『ギルバート・グレイプ』などヒューマンドラマの名手ラッセ・ハルストレム監督がタッグを組んだ笑いと涙の感動作『砂漠でサーモン・フィッシング』の予告編がシネマカフェに到着した。砂漠の国・イエメンで「鮭釣りがしたい」。そんな大富豪の思いつきで生まれた、バカげた仕事を依頼された水産学者・ジョーンズ博士。「不可能」と一蹴するが、英国外務省も中東との緊張緩和のために支援を決定。首相まで巻き込み、荒唐無稽な企画は立派な国家プロジェクトに急展開していく──。昨年公開された『人生はビギナーズ』での好演や『スター・ウォーズ』シリーズのオビ=ワン・ケノービ役で知られるユアン・マクレガーだが、今回彼が演じるのは釣りしか人生の楽しみがない水産学者・ジョーンズ。今回届いた映像では、エミリー・ブラント(『LOOPER/ルーパー』)扮する仕事一筋の投資コンサルタント・ハリエットから“砂漠に鮭を泳がせる”という壮大かつバカげたプロジェクトを聞かされれば、「不可能です!」と即答。さらに「バカげてる!」、「砂漠でサーモンなんて…」とことあるごとに愚痴るちょっと堅物な男。しかしその後の映像では、これまで黙々と退屈な日々を過ごしてきた彼も、この一見バカげたプロジェクトに秘められた大富豪の願いに心を動かされ、もう一度人生の輝きを取り戻していくさまが活き活きと映し出されている。さらに、冴えないジョーンズと仕事はデキるが恋に奥手なハリエットとの関係にも注目したいところ。大人になるほどに忘れてしまいがちな、夢を信じる力。そんなマトモな大人ならとっくに諦めてしまいそうな、ムチャな夢を真剣に追いかける彼らの姿に心打たれる人も多いはず。まずはこちらの映像から、このプロジェクトの一端を覗いてみては?『砂漠でサーモン・フィッシング』は12月8日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。※こちらの予告編はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:砂漠でサーモン・フィッシング 2012年12月8日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2011 Yemen Distributions Ltd., BBC and The British Film Institute.All Rights Reserved.
2012年09月12日ロンドン五輪の開会式を演出した『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイル監督が、『アンストッパブル』のロザリオ・ドーソンと交際していることが明らかになった。ボイル監督は55歳、ロザリオは33歳と22歳の年齢差カップルだ。ロザリオはボイル監督の新作『Trance』(原題)に出演しているが、昨年9月に行われた撮影をきっかけに恋に落ちたという。ロザリオは先月27日(現地時間)に行われたオリンピックの開会式にも出席、自身のTwitter上で「ロンドン2012オリンピックの開会式に参加できるなんて、素晴らしく光栄なことだわ」とつぶやいた。その後、2人はイギリス南部のブライトンで休暇中。手をつなぎ、キスしているところを写真に撮られている。ボイル監督は長年交際していた恋人との間に3人の子供をもうけたが、2002年に破局。一方のロザリオはフランスのDJマシュー・シュレイヤーと交際していたが、遠距離ですれ違い生活が続き、昨年破局している。(text:Yuki Tominaga)© Press Association/AFLO■関連作品:127時間 2011年6月18日よりTOHOシネマズシャンテ、シネクイントほか全国にて公開© 2010 TWENTIETH CENTURY FOX007スカイフォール 2012年12月1日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2012 Danjaq, LLC, United Artists Corporation,Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved.
2012年08月06日世界的な成功を収めた『JUNO/ジュノ』や本年度のアカデミー賞を制した『スラムドッグ$ミリオネア』など、数々の良作を送り出してきたFOXサーチライト・ピクチャーズが新たに贈る、注目のロマンティック・コメディ『(500)日のサマー』。7月17日、全米10都市わずか27スクリーンにて公開された本作が、公開1か月足らずでスクリーン数を817館に拡大、公開4週目にして堂々のトップ10入り!絶賛の口コミが波及し、5週目には1,048館に拡大、ウィークデイにおいては7位にランクインするスマッシュヒットを遂げている。本作は、運命の恋を夢見る青年・トムと、本物の恋を信じない美女・サマーの500日間を描くロマンティック・コメディ。偶然乗り合わせたエレベーターで出会いでの一目ぼれから、ぴったりと合った音楽やアートの趣味をきっかけに、トムがサマーに一途に想いを寄せていくさまが描かれている。本作で長編映画監督デビューを果たしたのは、数多くのミュージック・ビデオを手がけ、2006年度のミュージックビデオ・プロダクション・アワーズにおいて年間最優秀監督に選ばれているマーク・ウェブ。「彼のミュージック・ビデオにおけるキャリアを存分に生かし、ストーリーラインに美しく爽やかな風を吹き込んだ。四季折々のカラーパレットのような繊細なタッチを加えることにより、手の込んだ手法がより奥深いものとして観客の目に映る」(LAタイムズ紙)との批評を始め、全米メディアでは絶賛の声が寄せられている。また、恋を信じないヒロイン・サマーを演じるゾーイ・デシャネルと、そんな彼女に恋をするトム役のジョセフ・ゴードン=レヴィットの絶妙なコンビネーションも話題に。『イエスマン “YES”は人生のパスワード』でキュートな歌声も披露しているゾーイと、『セントアンナの奇跡』、『G.I.ジョー』と話題作への出演が続くジョセフ。本作で一躍脚光を浴びた注目株の2人の今後も目が離せない。今年1月、インディペンデント(独立系)映画を扱う世界最大規模の映画祭、サンダンス映画祭にも正式出品され、高評価を得た本作。『リトル・ミス・サンシャイン』(’06)など、ここから評判を呼び、ヒット作を生み出す映画祭としても知られるだけに、今後の動向にも注目したいところ。全米では公開後、Twitterを始めとするオンラインの書き込みサイトで盛り上がりを見せ、「Rotten Tomatoes」でも89%が絶賛しており、早くも今年度No.1との声が上がっているほど。日本では、来年の1月より公開となるが、その評価はいかに?『(500)日のサマー』は2010年1月、TOHOシネマズ シャンテ、シネクイントほか全国にて公開。■関連作品:(500)日のサマー 2010年1月、TOHOシネマズシャンテ、シネクイントほか全国にて公開© 2009 TWENTIETH CENTURY FOX
2009年08月26日今年のアカデミー賞8冠、そして子役たちが住む家の強制撤去など、新たな話題や問題が次々登場する『スラムドッグ$ミリオネア』。今度は7日、スラム街で暮らす家の強制撤去問題の渦中の2人を含む、同作出演の子役3人が香港を訪問した。家の強制撤去が世界中に報じられたアザルディン・モハメド・イスマイル、家の強制撤去の前には実父による不正な養子縁組未遂の疑惑もあった紅一点のルビーナ・アリに、映画で主人公・ジャマールの少年時代を演じたアユシュ・マヘシュ・ケーデカールの3人は今回が初の香港訪問。香港国際空港に着いた途端に、大勢の取材陣に囲まれる大歓迎だった。3人の香港訪問は、8日にTVで生放送されたチャリティ番組に出演するため。香港でどんなことをしたいかと尋ねられ、「香港のディズニーランドに行ってみたい」と答えたアユシュは、将来の夢を聞かれて、「父と同じ俳優になりたい」と答えた。彼はほかの2人と違い、スラム暮らしではない。ちなみに好きな俳優は「ブラッド・ピット」。ルビーナは『トゥームレイダー』が好きなので、「アンジェリーナ・ジョリー」と、ブランジェリーナは彼らにも人気。ちなみにアザルディンのヒーローは、インド映画の大スター、サルマン・カーンだそうだ。3人は中国伝統の獅子舞に使うお面をプレゼントされ、獅子舞にも挑戦。また、今年のアカデミー賞最優秀主題歌賞に輝いた「Jai Ho!」を歌って踊った。(text:Yuki Tominaga)© Reuters/AFLO■関連作品:スラムドッグ$ミリオネア 2009年4月18日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2008 Celador Films and Channel 4 Television Corporation第81回アカデミー賞 [アワード]■関連記事:未公開映像にライブ・パフォーマンスと今年も盛りだくさんのMTVムービー・アワード苦境から子供たちを救えるか?ダニー・ボイル監督がムンバイの子役たちを訪問家の強制撤去に人身売買疑惑。オスカー受賞作の子役たちが直面する過酷な現実【ハリウッドより愛をこめて】ハリウッドでは続編製作が流行?M・ダグラス主演作もショーン・ペンが妻との法的別居を申請
2009年06月10日