テレビやSNSでは伝えきれない事実や声なき心の声を発信し続ける本気のドキュメンタリー作品に出会える場として2021年から開催されている「TBSドキュメンタリー映画祭」。その4回めの開催となる「TBSドキュメンタリー映画祭2024」が3月15日(金) から開催される。今回は「ソーシャル・セレクション」「ライフ・セレクション」「カルチャー・セレクション」といった3つのテーマを設けるという新機軸も打ち立てながら、日本の15作品と海外から2作品の珠玉のドキュメンタリーが全国6都市の会場で上映される。日頃からドキュメンタリー映画の魅力を発信していたLiLiCoが同映画祭のアンバサダーに就任したのは、昨年開催の「…2023」から。昨年の会見では感極まって思わず涙を見せ、今年ももちろんアンバサダーを連続登板する彼女に、その目から見た今年の作品の傾向や注目作についてアツく語ってもらった。見た目で判断することの愚かさを知るラッパー紅桜さんのドキュメンタリー昨年もアンバサダーを務めて、全作を観てきましたが、今年はまた色が違いますね。昨年の上映作では『魂の殺人』など、今でも心に住み着いてしまっている問題作が多数ありました。あれを観たときは、心がズタボロになってしまったほど。それと比較すると、今年の上映作は、かなりバラエティに富んでいるんですよね。社会派の作品はもちろんですが、エンターテインメント系もあったりするので、若い方にどんどん観てほしいなと思っているんです。『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』や『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』なんてエンタメ好きな方からしたら、表舞台に立つ人たちの本心を垣間見られる傑作だと思いますよ。J-WAVEで一緒にMCをしている俳優の稲葉友さんがラップ好きなんですが、この『ダメな奴…』のことを知ってすごく驚いていたんですよ。私は詳しく存じ上げなかったんですが、詳しい彼からすると紅桜さんはラッパーの間では雲の上の人。そんな人が人知れず4年間服役していて、出所した後から復活ライブまでを追った作品です。(c)TBS彼の奥さんがずっと待ってくださってたことや、仲間たちが待ってくれてることで、薬物に手を出したことを本気で反省し、本気で生きようする。それができる人なのに、間違った道に行っちゃうときがあるんだなって考えさせられました。紅桜さん、すごくピュアな人なのよね。しかも可愛い。ヒップホップになじみの薄い人たちからすると、ラッパーはなんかガラが悪いっていうイメージがあるんじゃないかと思うんですが、見た目で判断することの愚かさをこの作品で知ることができると思います。坂本龍一さんのドキュメンタリーは観る人をも動かしてくれるまた、坂本龍一さんの地雷撲滅活動を追った『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』もあります。紅桜さんは自分を再生しようとしましたが、坂本龍一さんは音楽で世界のために何かをなそうとしている。同じミュージシャンを追っていても、こんなにも違ったドキュメンタリーになるんだ、って多様さをまざまざと知ることができますよね。(c)TBS坂本龍一さんって偉大すぎて、この作品を観るまではこんな気さくな人だとは思っていなかったんですよ。実は一度だけ直接お会いしたことがあるんですが、それもひと言交わしたくらいだったのね。審査員をしている報知映画賞で『Ryuichi Sakamoto:CODA』を選出したときだったんですが、「君がいろいろ言ってくれたんでしょ」っておっしゃって握手。もっと話しておけばよかった……。坂本さんは、活動のために直接ボリビアに足を運んで、現地の様子を自分の目で見ているんです。そこまでの活動を果たしてどれくらいの人が知っていたのかな。しかも、同じように平和活動をする若い子たちが彼を招き入れ、彼もまた若い子たちに思いを託していく。このバランスもすごくいいし、「良くない」と思ったらすぐに動く人。音楽家として大成している方だけど、そのネームバリューを自認した上で、他の活動にもアクティブなのってすごく素晴らしいですよね。私もウガンダの子どもたちの支援活動をしていますが、直接は行けないから経済的援助だけ。この作品を観たら、直接なにかできることをしようって思いましたし、観る人をも動かしてくれる素敵なドキュメンタリーだったんだと気づかされました。久保田智子さんとはハグして「大丈夫だよ」って励ましたい作品を撮った監督と喋りたいなって真っ先に思ったのは、『私の家族』の久保田智子さん。TBSのアナウンサーだった彼女が『王様のブランチ』に出演していた時期があったんですけど、その頃は静かな方ってイメージだったんですよ。そんな彼女が、自分の経験を基に監督した作品だから、もっと深堀りした話を聞いてみたいですね。(c)TBS彼女は20代の頃に自分が妊娠できないことを知って、特別養子縁組を選ばれました。びっくりしたのは、申し込んで数週間で(縁組成立の)連絡が来たっていうこと。私の知人にも特別養子縁組を希望している人がいるんだけど、何年も待ってるんですよ。アメリカだと養子縁組の件数は年間6万もあるのに、日本って年間でひと桁なんですって。日本のこの制度と条件がどうも理解しがたいくらいに遅れていることは気になっていたんですが、彼女に会ってそのへんのことを聞いてみたいし、血の繋がりの有無で引け目を感じていらっしゃるのか、作品の中でネガティブな発言が目立つことについても語り合いたいし、ハグしたい。15年ぐらい会ってないかもしれないけど、「大丈夫だよ」って励ましたい気分にさせられました。養子縁組については、いろいろと私の回りにエピソードがあるもんだから、この作品は昨年一番ハマった『魂の殺人』と並ぶブっ刺さった作品。そうそう、仙台で出演している番組で、3人組の女性に街頭インタビューをしたとき、そのうちのひとりが「ごめんね、子どもが小さいから迎えに行かなきゃ」って席を外したのね。そのあとで、残ったおふたりから、彼女は60歳のときに養子を迎え入れられたんだって聞いたんです。7年前ぐらいの話なんですが、日本も変わったなと思って、すごく嬉しかったんですよね。日本の人には家族や年齢に対して、なにか変えがたい思い込みみたいなものがあるように私はいつも思っているんですが、そこが変わるとずいぶんと生きやすい社会になるんじゃないかな、って。それがちょっとずつ変わってきていることを実感できたんですよ。『私の家族』もそれを後押しする作品になると思っています。私の料理に対する考え方を2度も変えてくれた土井善晴さん最後にひとつ、私のお気に入りの『映画 情熱大陸 土井善晴』のことも。TBSの『情熱大陸』で放映した、料理研究家・土井さんのドキュメンタリーを再編集したものです。ワタシってホームパーティーをよくやるから料理も好き、みたいなイメージがあるみたいなんだけど、実はすごく苦手なのね。自分の好きなものしか作れないし、日本に来たら、旨みとか、みりんとか、出汁とか……知らないものにぶち当たっちゃって。18歳までスウェーデンで一応ひと通り覚えたのに、日本での料理はめんどくさい!って思ってしまったんですよ。(c)MBS一度『プレバト』で、料理の盛り付け部門に出演したときの審査員が、土井さんだったんですが、「ちゃんとお客さんのことを考えてる」って言ってくれたのが嬉しくて。それがきっかけで、前よりちょっと料理することが苦じゃなくなったんですよ。「自信持っていいんだ、盛り付けはとりあえずできてるんだ」と思って。それが今よくやっているホームパーティーにつながったんです。この作品でも分かるとおり、土井さんはいつも家庭料理が楽しくなるようなレシピを紹介しているんですよね。ひとり分の味噌汁をパパっと作ったり、楽しく、しかもいい意味で適当に教えてくれる。この作品ですごく幸せな気持ちになったんですよ。私の料理に対する考えを、彼は2回も変えてくれたのよね。TBSドキュメンタリー映画祭も、今回で4回目。「本気の人間は面白い」っていうスローガンですが、どの作品も「こうあるべき」っていう価値観を分かりやすく見せてくれます。4回目だからこそ、観る側もそれを受け止めて変わらないといけない時期だと思います。世界幸福度ランキングでかなり低いところに日本がいるでしょ。思い込みと偏見がそうさせてるんじゃないかな、って思っているんです。だからこそ、これからの世の中を担う若い方たちに、これらのドキュメンタリーの面白さを体験してもらいたいんですよね。取材・文:よしひろまさみち撮影:源賀津己(c)TBS(c)MBSTBSドキュメンタリー映画祭2024東京会場:ヒューマントラストシネマ渋谷3月15日(金)~3月28日(木)大阪会場:シネ・リーブル梅田3月22日(金)~4月4日(木)名古屋会場:センチュリーシネマ3月22日(金)~4月4日(木)京都会場:アップリンク京都3月22日(金)~4月4日(木)福岡会場:キノシネマ天神3月29日(金)~4月11日(木)札幌会場:シアターキノ3月30日(土)~4月11日(木)公式サイト:公式X:
2024年03月14日「TBSドキュメンタリー映画祭」にて海外招待作品が上映されることが分かった。今回で第4回の開催となる「TBSドキュメンタリー映画祭」は、テレビやSNSでは伝えきれない事実や声なき心の声を発信し続けるドキュメンタリー作品に出会える場として、2021年より開催されてきた。本年は、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障害など多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選ばれた15作品を一挙上映する。この度、過去カンヌでも上映され話題となった至極のドキュメンタリー映画2作を<海外招待作品>として上映することが決定。本映画祭で海外招待作品を上映するのは、これが初めての試みとなる。栄えある1作目を飾るのは、実際の外科手術を医師の視点で撮影し、人間の体の神秘に迫るショッキングかつ感動的な異色のドキュメンタリー『人体の構造について(原題)』。『リヴァイアサン』、『カニバ パリ人肉事件38年目の真実』といった話題作を共に手掛けてきた、ルーシァン・キャステーヌ=テイラーとヴェレナ・パラヴェルの人類学者コンビが贈る衝撃作だ。『人体の構造について(原題)』パリ北部近郊の5つの病院のオペ室に密着し、脳や大腸、眼球、男性器など様々な外科手術や帝王切開の模様を医師の視点で見つめる本作。普段なかなか目にすることのできないオペの様子を通じて、我々人間の体を構成する様々な臓器の神秘や儚さを体験すると同時に、休みなく働き続ける医療従事者たちへの果てしない敬意を呼び起こす。2022年度のカンヌ国際映画祭でお披露目をされると、その目を覆うようなシーンに目を背ける観客がいた一方で、前代未聞の素晴らしいドキュメンタリーという称賛を受け、現在もメタクリティックのスコア92、ロッテントマト95%フレッシュという高評価を獲得している。医師以外見たことのない光景をダイナミックに切り取った驚愕の一作が、本映画祭でも観客たちに強いインパクトを残すことは必至だ。また、A24製作の『オキュパイド・シティ(原題)』も上映決定。『それでも夜は明ける』『SHAME シェイム』のアカデミー賞受賞監督、スティーヴ・マックイーンが贈る、4時間を超える圧巻のドキュメンタリー。『オキュパイド・シティ(原題)』監督の妻であり歴史家のビアンカ・スティグターによる書籍「Atlas of an Occupied City (A msterdam 1940-1945)」をベースに、オランダ・アムステルダムのナチス占領下の記憶と、新型コロナウイルスによる緊急事態下の風景が、驚くべき形で重なり合っていく。現在の映画界を背負う監督と制作陣がタッグを組み、映画でしか味わうことのできない、奇跡の映像体験を実現させた。2023年度のカンヌ国際映画祭で特別上映されるや否や、その極めて映画的で深淵な作風が高い評価を集め、各国の映画ファンからも大きな注目を集めた。映画業界を激震させ続けるA24が本作を通じ、観客たちに新たな世界を見せてくれることだろう。「TBS ドキュメンタリー映画祭 2024」は3月15日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて順次開催。(シネマカフェ編集部)
2024年03月05日TBSが立ち上げたドキュメンタリー映画の新ブランド「TBS DOCS」のもと、今回で4回目を迎える『TBSドキュメンタリー映画祭 2024』のアンバサダーに、映画コメンテーターのLiLiCoが就任し、2月20日に都内で行われたラインナップ発表会見で抱負を語った。4回目の開催となる今回は、新たな取り組みとして、現代を取り巻く重要なテーマを考える今だから見るべき作品を選んだ「ソーシャル・セレクション」、多様な生き方や新たな価値観を見出せる作品を集めた「ライフ・セレクション」、感覚を司る表現者たちやテーマを通して新たな感性に出会える作品をセレクトした「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選出された15作品を、全国6都市で上映する。昨年に引き続き、アンバサダーに就任し「良かったです。役に立てたということですね」と続投に喜びの声。「絶対に名前だけのアドバイザーにはなりたくないと思い、出演する番組で告知したり、(連載を)持っている媒体に取り上げたりしましたが、今年はもっともっと頑張りますし、来年もここに立てるように、努力と協力をしたい」と決意を新たにしていた。LiLiCo以前から、ドキュメンタリー映画に深い関心があったといい「伝えること、知ること、見て考える時間を持つことが、大切。どんなテーマであれ、自分と向き合う時間になりますし、人生観が変わります」と魅力を熱弁。「もしも自分や友だちがそういう立場だったら。それに、もしかすると今後自分がそうなるかもしれないと考えさせてくれる」と語り、「バチバチと生きている音がします、それが伝わります」と今年のラインナップに大いに期待を寄せていた。また、「もっと若いときに、ドキュメンタリーに触れていたら良かったのにと思うことも。今回は、大学生の皆さんも参加していると聞いて、希望を抱いています」と笑顔。昨年上映された『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~』『ヤジと民主主義』は、その後に劇場公開もされ「改めて魅力を語りたくなる」と声を弾ませた。もしも、自分がドキュメンタリーを撮るとしたら「題材は私かな。実は『情熱大陸』に売り込んだこともあるが、いまだに(オファーが)来ません」と笑いを誘う場面も。「タレントは表に出ている部分が2割、裏で頑張っているのが8割だと思うので、そういった部分も伝えたい」と構想を明かしていた。取材・文・撮影=内田涼<上映ラインナップ>「ソーシャル・セレクション」●人種や戦争、社会問題など、現代を取り巻く重要なテーマを考える今だから見るべき作品『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』監督:金富隆『サステナ・フォレスト~森の国の守り人たち~』監督:川上敬二郎『BORDER 戦場記者 × イスラム国』監督:須賀川拓『家さえあれば~貧困と居住支援~』【大阪・京都限定上映】監督:海老桂介『102歳のことば~生活図画事件 最後の生き証人~』【北海道限定上映】監督:長沢祐『リリアンの揺りかご』【福岡限定上映】監督:神戸金史「ライフ・セレクション」●家族の形や身体的な障害など、多様な生き方や新たな価値観を見出せる作品『私の家族』監督:久保田智子『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』監督:佐井大紀『魚鱗癬と生きる−遼くんが歩んだ28年−』【福岡限定上映】監督:大村由紀子『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』【名古屋限定上映】監督:柳瀬晴貴「カルチャー・セレクション」●視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚など、感覚を司る表現者たちやテーマを通して新たな感性に出会える作品『映画 情熱大陸 土井善晴』【東京・大阪・京都限定上映】監督:沖倫太朗『最後のMR.BIG~日本への愛と伝承〜』監督:川西全『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』監督:嵯峨祥平『旅する身体~ダンスカンパニー Mi-Mi-Bi~』監督:渡辺匠、志子田勇『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』監督:津村有紀<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭 2024』3月15日(金)~3月28日(木)東京:ヒューマントラストシネマ渋谷3月22日(金)~4月4日(木)大阪:シネ・リーブル梅田3月22日(金)~4月4日(木)名古屋:センチュリーシネマ3月22日(金)~4月4日(木)京都:UPLINK京都3月29日(金)~4月11日(木)福岡:キノシネマ天神3月30日(土)~4月11日(木)札幌:札幌シアターキノ公式サイト:公式X:『TBSドキュメンタリー映画祭 2024』本予告
2024年02月20日サンダンス映画祭で上映されたドキュメンタリー映画『Super/Man:The Christopher Reeve Story』の配給権を、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが取得することになりそうだ。買収価格は1,500万ドルとのこと。他の配給会社も手を挙げているが、『スーパーマン』映画を製作してきたワーナーが公開するのは自然な流れだ。映画は、事故に遭遇した後、アクティビストとして活動するようになったリーヴの姿に焦点を当てるもの。ワーナーは、2025年に、ジェームズ・ガンが監督する『Superman:Legacy』を公開する予定でもある。そこも踏まえ、スーパーマンのレガシーに最も敬意を捧げるような形で公開されることが予想される。文=猿渡由紀
2024年01月30日「TBSドキュメンタリー映画祭」が、2024年3月15日(金) より開催されることが決定した。テレビやSNSでは伝えきれない事実や声なき心の声を発信し続ける、本気のドキュメンタリー作品に出会える場として、2021年より開催されてきた本映画祭。4回目の開催となる今回は、全国で拡大開催した2023年に続いて東京・大阪・京都・名古屋・福岡・札幌と、全国6都市で順次開催することとなった。新たな取り組みとしては、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマを考える今だから観るべき作品を選んだ「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障害など、多様な生き方や新たな価値観を見出せる作品を選んだ「ライフ・セレクション」、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚など、感覚を司る表現者たちやテーマを通して新たな感性に出会える作品を選んだ「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って上映作品を選出。ひとつのテーマや人物など、関心ごとで映画祭に訪れた観客に他の上映作品に出会ってもらい、価値観を刺激する場を目指す。また、上映作品を観た観客が投票できる「観客賞」を設ける予定だ。<開催情報>「TBSドキュメンタリー映画祭」2024年3月15日(金)〜28日(木) 東京・ヒューマントラストシネマ渋谷2024年3月22日(金)〜4月4日(木) 大阪・シネ・リーブル梅田2024年3月22日(金)〜4月4日(木) 愛知・名古屋・センチュリーシネマ2024年3月22日(金)〜4月4日(木) 京都・アップリンク京都2024年3月29日(金)〜4月11日(木) 福岡・キノシネマ天神日程調整中 札幌・シアターキノ<作品ラインナップ >【ソーシャル・セレクション】人種や戦争、社会問題など、現代を取り巻く重要なテーマを考える今だから見るべき作品『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』(C)TBS音楽家はなぜ、社会発信を強めていったのか。坂本龍一が遺したもの……監督:金富隆出演:坂本龍一『サステナ・フォレスト ~森の国の守り人(もりびと)たち~』『サステナ・フォレスト ~森の国の守り人(もりびと)たち~』(C)TBS“森の国”日本放置された末に今、「守り人」たちは……監督:川上敬二郎出演:橋本光治、橋本延子、橋本忠久、柴田君也、小林正秀、蔵治光一郎、佐藤宣子、齋藤暖生『家さえあれば ~貧困と居住支援~』※大阪・京都 限定上映作品『家さえあれば ~貧困と居住支援~』(C)MBSたとえ何度裏切られても──居住支援を続ける理由とは?監督:海老桂介出演:坂本慎治ナレーター:田村裕(麒麟)『102歳のことば~生活図画事件 最後の生き証人~』※北海道 限定上映作品『102歳のことば~生活図画事件 最後の生き証人~』(C)HBC絵を描くことすらも許されない時代がかつて日本にあった監督:長沢祐出演:菱谷良一朗読:古舘寛治ナレーション:世永聖奈『リリアンの揺りかご』※福岡 限定上映作品『リリアンの揺りかご』(C)RKB「歴史の女神」は見つめているいつも愚かで不寛容な私たちを監督:神戸金史出演:リリアン・ギッシュ、植松聖、神戸金佑【ライフ・セレクション】家族の形や身体的な障害など、多様な生き方や新たな価値観を見出せる作品『私の家族』『私の家族』(C)TBSママが2人いる……丁寧に話したい、もう後悔したくないから監督:久保田智子『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』(C)TBS鑑賞後もあなたは、ハーレム教団と呼びますか?監督:佐井大紀出演:千石まさ子、千石恵、千石美砂紀、井上安子、土田尚美、小串恵子、千石朋子、千石成美、鳥越俊太郎、千石剛賢『魚鱗癬と生きる ー遼くんが歩んだ28年ー』※福岡 限定上映作品『魚鱗癬と生きる ー遼くんが歩んだ28年ー』(C)RKB難病「魚鱗癬」を知っていますか?RKB報道部が伴走した軌跡監督:大村由紀子出演:梅本遼ナレーション:橋本由紀『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』※名古屋 限定上映作品『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』(C)CBC制御不能な“もう1人の僕“「ヘルプマークあっても変わらない」監督・撮影・ナレーション:柳瀬晴貴出演:棈松怜音、酒井隆成、ののか【カルチャー・セレクション】視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚など、感覚を司る表現者たちやテーマを通して新たな感性に出会える『映画 情熱大陸 土井善晴』※東京・大阪・京都 限定上映作品『映画 情熱大陸 土井善晴』(C)MBSありがとう先生!ご飯作って食べるのがメッチャ楽しくなりました監督:沖倫太朗出演:土井善晴ナレーション:窪田等音楽:葉加瀬太郎『最後のMR.BIG~日本への愛と伝承』『最後のMR.BIG~日本への愛と伝承』(C)TBS日本を愛し、日本に愛されたバンドによる最後の別れ──監督:川西全出演:MR.BIG[エリック・マーティン(Vo)、ポール・ギルバート(G)、ビリー・シーン(B)、パット・トーピー(Ds) ]『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』(C)TBS「カッコ悪くていい」刑務所からの再起を賭けた男の物語監督:嵯峨祥平出演:紅桜ナレーション:大塚芳忠『旅する身体~ダンスカンパニー Mi-Mi-Bi~』『旅する身体~ダンスカンパニー Mi-Mi-Bi~』(C)TBS身体的特徴も個性もバラバラ。Mi-Mi-Biの身体を巡る旅監督:渡辺匠、志子田勇出演:内田結花、KAZUKI、武内美津子、福角幸子、福角宣弘、三田宏美、森田かずよ、大谷燠、文、橋本実弥公式サイト:
2023年12月06日くるり初のドキュメンタリー映画『くるりのえいが』より、「東京」を演奏する本編映像が公開された。1996年、立命館大学の音楽サークル“ロック・コミューン”に所属していた岸田繁、佐藤征史、森信行により結成されたくるり。本作では当時のメンバーが伊豆に集まりアルバム制作の過程に密着し、多彩な活動を通じて日本のロック・シーンで異彩を放ってきた彼らの創作の秘密に迫る。ファンにとってはお馴染みのフレーズから始まる「東京」のライヴシーンは、新作アルバム『感覚は道標』の制作中に京都のライヴハウス拾得にて開催された周年公演で披露されたもの。立命館大学に在学中に出演したことがある場所で、岸田、佐藤、森は50周年記念のTシャツを身につけている。なお今回の映像は10月17日(火) までの期間限定公開となる。映画『くるりのえいが』本編映像(「東京」ライヴシーン)<作品情報>映画『くるりのえいが』10月13日(金) 全国劇場3週間限定公開&デジタル配信開始映画『くるりのえいが』ポスタービジュアル映画公式サイト:映画公式X(Twitter):「くるりのえいが」Film Partners<リリース情報>くるり 14thアルバム『感覚は道標』発売中くるり『感覚は道標』通常盤ジャケット●生産限定盤(2CD+Tシャツ):6,900円(税込)※SIZE:unisex / Lサイズ相当予約URL:くるり『感覚は道標』生産限定盤付属Tシャツ●通常盤(CD):3,400円(税込)予約URL:【CD収録内容】※全形態共通1. happy turn2. I’m really sleepy3. 朝顔4. California coconuts5. window6. LV697. doraneco8. 馬鹿な脳9. 世界はこのまま変わらない10. お化けのピーナッツ11. no cherry no deal12. In Your Life (Izu Mix)13. aleha■『くるりのえいが』オリジナル・サウンドトラック収録曲(生産限定盤のみ)1. メインテーマ2. いがいが根3. 伊豆スタジオ宿泊所4. 三村さんのおもてなし5. 伊豆のテーマ6. スタジオの大きな窓【CD購入者オリジナル特典】先着でチェーン別オリジナル特典のオリジナルピックをプレゼントくるり『感覚は道標』チェーン別オリジナル特典:オリジナルピック詳細はこちら:特設サイト:くるり『感覚は道標』アナログ盤11月3日(金・祝) リリース【収録内容】A1. happy turnA2. I’m really sleepyA3. 朝顔A4. California coconutsA5. windowB1. LV69B2. doranecoB3. 馬鹿な脳B4. 世界はこのまま変わらないC1. お化けのピーナッツC2. no cherry no dealC3. In Your Life (Izu Mix)C4. alehaD1. メインテーマD2. いがいが根D3. 伊豆スタジオ宿泊所D4. 三村さんのおもてなしD5. 伊豆のテーマD6. スタジオの大きな窓詳細はこちら:関連リンクオフィシャルサイト:::::
2023年10月11日仕事へのモチベーションが下がってしまうときは誰にでもありますが、そんなときにオススメなのは、第一線で活躍し続けている人たちの姿から学ぶこと。今回ご紹介するのは、“天才ファッションデザイナー”と呼ばれるジャンポール・ゴルチエの素顔と半生に迫っている注目のドキュメンタリーです。『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』【映画、ときどき私】 vol. 601ファッションシーンで数々の旋風を巻き起こし、奇想天外でファンタスティックなデザインで有名なクチュリエのジャンポール・ゴルチエ。そんな彼が新たに挑んでいたのは、ミュージカル「ファッション・フリーク・ショー」だった。しかし、自身のコレクションと2足の草鞋を履いて創り上げるショーの舞台裏はトラブルの連続。ゴルチエとそのチームは、衣装合わせ、初のリハーサル、ダンサーの故障、演出のいざこざなど、さまざまなアクシデントに見舞われていた。果たして、無事に初日を迎えることはできるのか…。マドンナやカトリーヌ・ドヌーヴ、そしてファッション界の女帝アナ・ウィンターなど、数多くの豪華メンバーが登場していることでも話題の本作。そこで、見どころについてこちらの方にお話をうかがってきました。ヤン・レノレ監督選挙中だったフランスのエマニュエル・マクロン大統領を描いたドキュメンタリーなどを手掛け、ドキュメンタリー作家としてキャリアを積み重ねているヤン監督。本作では、2018年にパリで初演を迎えて以降、東京や大阪をはじめ全世界35万人の観客を熱狂の渦に巻き込んだミュージカル「ファッション・フリーク・ショー」の舞台裏に密着しています。今回は、ジャンポール・ゴルチエとの撮影から感じたことや撮影秘話、そして日本との意外な繋がりなどについて語っていただきました。―これまでさまざまな著名人に密着されていますが、そのなかでもゴルチエさんは監督から見てどんな存在ですか?監督ドキュメンタリー作家としては彼を撮ることができるのは喜びでしたが、正直に言って、ゴルチエは僕が撮ってきた人物のなかでも一番クレイジーな人だと思っています(笑)。というのも、彼はつねにクリエーションのことを考えていて、いつも“スパークリングしている人”ですからね。アイデアがどんどん出てきてしまうので、1つの衣装を完成させるまでに10回以上変更することもあるくらい。一緒に働いている人は、本当に大変だと思います。でも、それはよくするための過程であり、そのプロセスによって素晴らしいものが生まれていくというのがわかりいました。バックステージだけでなく、内面も撮ることができた―撮影に関しても、ご本人から指示されるようなことはありましたか?監督僕に対しては、クレイジーな要望はありませんでしたね(笑)。というのも、僕が用いているドキュメンタリーの手法というのは、対象者に介入せずにありのままをずっと撮っていく方法だからです。そんななかで印象に残っているのは、彼が自分のクレイジーさに気がつく瞬間。それは映画のなかでも見ることができますが、靴のせいで足首を痛めてしまったダンサーに対して、「申し訳なかった」と謝ったときです。自分自身で行き過ぎていることに気づき、クレイジーな欲求にもリミットがあること彼は知ったようでした。―そういった普段ではなかなか見ることができないような瞬間もカメラに収められていますが、どのように撮影を行ったのかを教えてください。監督ドキュメンタリー作家として、自分の強みだと思っているのは、対象者と長い時間をともに過ごして撮影を行うこと。僕の場合、6カ月未満で撮ることはありません。実際、過去にテディ・リネールという柔道家のドキュメンタリーを撮った際には3年密着しましたし、ゴルチエも1年間かけて撮っています。そんなふうに彼らの生活のなかに存在してずっと撮り続けるというのが、僕のドキュメンタリーの秘訣です。今回もつねに相手のそばにいることができたおかげで、バックステージだけでなく彼の内面の部分まで撮ることができました。クリエーションに必要なのは、違うものを衝突させること―また、非常に豪華なセレブたちも数多く出演されていますが、それゆえに撮影においては大変なこともあったのではないかなと。監督そうですね。“大スター”と言われる方々をドキュメンタリーで撮るというのは、非常に難しいことだなと改めて思いました。たとえば、マドンナの場合は専属のカメラマンにしか映像は撮らせない方なのでその映像を使ってほしいと言われましたし、カトリーヌ・ドヌーヴからは「演技する前後はいいけど演技中は撮らないで」という要望がありましたからね。そのほかの方々も、人によってそれぞれいろんなリクエストがあったほどです。ただ、きちんと説明をすればみなさん理解はしてくださるので、その都度こちらが適応して撮ることが大事だと感じました。―映画のなかで印象的だったのは、ゴルチエさんから発せられる言葉の数々。なかでも、「違いとは特別である」というひと言には勇気づけられる方も多いと思いますが、監督は違うことの素晴らしさについては、どう感じていらっしゃいますか?監督クリエーションにおいて言うならば、違いという名の“ショック”を与えるというのは必要なことではないでしょうか。実際、ゴルチエも一見まったく関係のない要素を衝突させることによって、彼のクリエーションを成立させているんです。モチーフや素材、カラーなど、あえて違うものを合わせていますが、勇気を持ってそれができるかどうか、というのが彼の創作活動における肝だと思います。なので、普段自分がいる場所から出て行くというのも大切なことかなと。フランス人が日本に行ったり、逆に日本の方がフランスに来たりすると、現地にいる人たちでは気づかないものを見い出したりすることがありますよね。あえて違う国に行くのも、面白いクリエイティブに出会える方法だと考えています。自分のなかにも、日本は息づいている―なるほど。ちなみに、日本に対してはどのような印象をお持ちでしょうか。監督実は、僕は日本とは個人的な繋がりがあるんですよ。というのも、キリスト教の司祭をしていた僕の叔父は、川崎に21年間暮らしながら労働者の方々に向けて宣教を行っていた人なんです。70年代当時はまだ組合がなかったそうなので、彼は労働者の人たちをサポートしながら、組合を作る手助けもしたと聞いています。なので、企業側からしてみれば、彼は出る杭のような邪魔な存在だったかもしれませんね…。その後、叔父は自身の経験をまとめて本に書き、「出すぎた杭」というようなタイトルをつけましたが、彼は日本社会においては、“突き抜けた釘”のような人だったと思います。でも、僕にしてくれた日本の思い出話は、実際に生活していた人だからこそ語れることばかりだったので、それはいまでも僕のなかでも息づいていると感じています。―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。監督彼の作る服というのは、決して産業的なものではありません。だからこそ、それを身につけると誰もが自分を解放し、トランスフォーメーションすることもできるのです。そして、その姿はまさにアートであり、彼のモードでもあると言えるでしょう。それだけでなく、現代のスターたちがいまも90年代にゴルチエが作ったものを求めるという現象は、本当にすごいことですよね。これからもゴルチエとモードの関係性というのは、ずっと残るものですし、巡り巡っていくサイクルのなかに彼は存在していて、これからも生き続けていくと僕は思っています。多様性と想像力に溢れる生き方に刺激される!魅惑的なファッションで、日常を忘れてしまうほどの豪華絢爛な世界へと誘ってくれる本作。その真髄となるジャンポール・ゴルチエのクリエイティビティに触れることで、観る者の人生もきっと彩り豊かになるはずです。取材、文・志村昌美華やかな予告編はこちら!作品情報『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』9月29日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、シネマカリテほか全国公開配給:キノフィルムズ️(C) CANAL+ / CAPA 2018
2023年09月27日ドキュメンタリー映画『ファッション・リイマジン』が、2023年9月22日(金)に公開される。サステナブルなファッションで「世界を変える」旅ドキュメンタリー映画『ファッション・リイマジン』は、異端のデザイナーであるエイミー・パウニーが、本当にサステナブルなファッションで「世界を変える」までの旅を描いたロードムービーだ。イギリス発“異端”のデザイナー、エイミー・パウニーイギリスのブランド、マザー オブ パール(Mother of Pearl)のクリエイティブ・ディレクターを務めるエイミー・パウニーは、2017年4月に『VOGUE』の新人賞を受賞。10万ポンドの賞金を手にして、自分のルーツにつながるサステナブルなコレクション・ノーフリルズ(No Frills)を立ち上げることを決意する。サステイナビリティはエイミーにとって⽣涯の情熱であり、ブランドが地球に与える影響を軽減することを使命としてきた。当時ファッション業界は大量消費の真っ只中で、サステナビリティはニッチなトピックだった。コレクションデビューしたノーフリルズはロンドン・ファッション・ウィーク唯一のサステナブル・ブランドとして注目を集め、業界は一気に変革を遂げた。 その注目はマスコミだけに留まらず、当時皇太子だったチャールズ英国王による「キャンペーン・フォー・ウール」10周年記念スカーフのデザインを依頼されるまでに発展する。尚、エイミーのサステイナブルなコレクションは、ロンドン・ファッションウィークに加えコペンハーゲン・ファッションウィークで発表されており、ネッタポルテ(Net-A-Porter)、ハロッズ、サックス・フィフス・アベニュー、ニーマン・マーカスなどのグローバル展開の⼩売店で扱われている。コレクションデビューに向け、発表まで18ヶ⽉というタイムリミットの中で理想の素材を求めて、地球の裏側まで旅することになったエイミーとチーム。旅の過程での、たくさんの出会いと挑戦の物語を追っていく。監督はベッキー・ハトナー、3年の密着取材監督は、この作品が⻑編映画デビューとなるベッキー・ハトナー。3年もの間エイミーに密着し、ウルグアイやペルー、オーストリアといった国へ⼀緒に⾶び、カメラを回し、コレクション完成までの道のりを旅感溢れるロードムービーとして完成させている。エイミー・パウニー手掛けるマザー オブ パールが東京・大阪・福岡にまた、劇中に登場するデザイナー、エイミー・パウニーが⼿がけるマザー オブ パールの期間限定ショップを銀座松屋、大阪の大丸梅田店、大丸福岡天神店にて2023年9月から11月にかけて順次開催。エイミー・パウニーによるウェアを、直接手に取ってチェックすることができる。【詳細】映画『ファッション・リイマジン』公開日:2023年9月22日(金)出演:エイミー・パウニー、クロエ・マークス、ペドロ・オテギ監督:ベッキー・ハトナー2022年/イギリス/英語/カラー/ビスタ/100分/⽇本語字幕:古⽥由紀⼦/原題:Fashion Reimagined■マザー オブ パール 期間限定ショップ・〈東京〉 松屋銀座 4F会期:2023年9⽉27⽇(⽔)〜10⽉10⽇(⽕)住所: 東京都中央区銀座3-6-1・〈⼤阪〉 ⼤丸梅⽥店 6F会期:10⽉18⽇(⽔)〜10⽉31⽇(⽕)住所:大阪府大阪市北区梅田3-1-1・〈福岡〉 ⼤丸福岡天神店 1F会期:11⽉8⽇(⽔)〜11⽉14⽇(⽕)住所:福岡県福岡市中央区天神1-4-1
2023年09月11日くるり初のドキュメンタリー映画『くるりのえいが』の場面写真が公開された。本作は、岸田繁と佐藤征史、そして2002年に脱退したオリジナルメンバー森信行の3人が伊豆に集結。10月4日(水) に発売されるニューアルバム『感覚は道標』の制作過程を追いかけたドキュメンタリーとなっている。公開された場面写真は、約20年ぶりに集まったオリジナルメンバー3人がスタジオに入り、お互いの顔を見ながらセッションする様子や、テーブルを囲みアイデアを出し合うシーン、さらに岸田、佐藤、森が横並びで車に乗り笑顔を見せる場面など、自然体で穏やかな空気感が流れる姿が切り取られている。また、ティザービジュアルを使用したムビチケが8月25日(金) より発売されることが決定。ムビチケカードは本作ロゴのステッカー、ムビチケオンラインはくるりのサイン付き画像がそれぞれ購入特典としてプレゼントされる。さらに本作は、10月13日(金) から11月2日(木) までAmazon Prime Video、U-NEXTなど全15社の配信サービスでデジタル配信が行われる予定で、劇場の一般通常料金と同じく一律2,000円でデジタルレンタルにて鑑賞することができる。<作品情報>映画『くるりのえいが』10月13日(金) 全国劇場3週間限定公開&デジタル配信開始映画公式サイト:「くるりのえいが」Film Partners
2023年08月22日ジブリパークの開園までを追ったドキュメンタリー「ジブリパークができるまで。」が9月6日(水)に発売されることが決定。DVDレンタルも同時開始され、また、「ジブリがいっぱいCOLLECTION」のラインアップとしては初めてデジタル配信(購入/レンタル)も開始される。本作は、2022年11月1日に、愛知県にある「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」内に開園した「ジブリパーク」の構想から、第1期開園までの制作過程を詳細にとらえたメイキング・ドキュメンタリー。ジブリパークの3つのエリア「ジブリの大倉庫」、「青春の丘」、「どんどこ森」の制作風景を中心に、撮影期間1,000日以上にも及ぶ壮大な記録を[第1期]として6時間を超える本編にまとめ、4枚のディスクに収録した(※2023年秋以降に開園予定の[第2期](「もののけの里」「魔女の谷」)のメイキング・ドキュメンタリーも制作予定)。宮崎吾朗監督この「ジブリパーク」の制作現場の指揮を執るのは宮崎吾朗監督。映画製作にも通ずる“もの作りへの深い探求心”によって構想を具体化させ、ジブリならではの新しい公園施設が誕生した。昭和30年代の暮らしを体感できる「サツキとメイの家」、まるで映画から飛び出したかのようなリアリティのある「地球屋」。「ジブリの大倉庫」には、子どもだけの特別な遊び場「子どもの街」、オリジナルの「ネコバス」、さらに「ロボット兵」や「にせの館長室」といった展示物がつくられた。宮崎吾朗監督の高い要求に、様々な職人たちがプロフェッショナルな技術力で応え、時間をかけて丁寧に完成させていく姿は必見だ。ジブリがいっぱいCOLLECTIONスペシャル「ジブリパークができるまで。[第1期]」ブルーレイ(4枚組)、DVD(4枚組)は9月6日(水)発売。「ジブリパークができるまで。[第 1 期]」発売情報発売日:2023年 9月 6日(水)ブルーレイ:14,080 円(税込)/4 枚組DVD:10,560 円(税込)/4 枚組(シネマカフェ編集部)
2023年07月05日『シークレット・サンシャイン』『バーニング 劇場版』など全監督作6作品、そしてフランスのドキュメンタリー作家と共同製作した日本初公開のドキュメンタリーまで上映する韓国を代表する映画監督イ・チャンドンの「イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K」が、8月25日(金)より全国順次公開。その本ポスター&予告編が解禁された。また、この公開に合わせてイ・チャンドン監督5年振りの来日も決定した。イ・チャンドン監督の全6作品は4K上映され、レストア作業は監督自らが指揮を執った。さらに、上映プログラム6作品と呼応するような新作ドキュメンタリー映画『イ・チャンドン アイロニーの芸術』も組み込まれ、イ・チャンドンの映像世界を存分に堪能できる本格的なレトロスペクティヴとなり、海外映画祭の監督特集や企画展などを除けば、本特集上映が世界初となる。『イ・チャンドン アイロニーの芸術』イ・チャンドン作品に魅了されたフランス人ドキュメンタリー映画監督アラン・マザールによる『イ・チャンドン アイロニーの芸術』は、43歳にして小説家から映画監督に転身した異色のキャリアを、かつてないほど率直なイ・チャンドン本人の述懐、ゆかりの地にふたたび自ら足を運ぶ“聖地巡礼” 。コロナ禍での困難を逆手に取り、イ・チャンドン監督の制作会社パインハウス・フィルム全面協力のもと自身が水先案内人として本作に深く携わる。解禁となるポスターには、全6作品の印象的なスチールが配置され、『シークレット・サンシャイン』のチョン・ドヨン、 『ポエトリー アグネスの詩』のユン・ジョンヒら主人公たちの力強い眼差しや、『バーニング 劇場版』の幻想的なワンシーンを配置。予告編では、『ペパーミント・キャンディー』のソル・ギョング演じる主人公キム・ヨンホが叫ぶインパクトある映像から始まり、上映作品の名シーンが次々と映し出される。さらに、新作ドキュメンタリーで初めて明かされるイ・チャンドン監督が暮らしていた家や、イ・チャンドン作品を彩ってきた豪華俳優陣ソル・ギョング、ソン・ガンホ、チョン・ドヨン、ムン・ソリらが当時を振り返るインタビューの様子も伺える。そして、レトロスペクティヴの公開に合わせて、イ・チャンドン監督の来日が決定。監督の来日は、『バーニング 劇場版』のプロモーション以来5年ぶりで、8月上旬にヒューマントラストシネマ渋谷での舞台挨拶付先行上映も予定。配給元の公式twitter(@JaihoTheatre)によるアンケートで「劇場で1番観たいイ・チャンドン作品」に選ばた『シークレット・サンシャイン』を上映する。【イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K 上映ラインナップ】■『イ・チャンドン アイロニーの芸術』韓国映画の巨匠イ・チャンドン監督が制作の原点と人生を語る。人間の感情という、見えないものの真実を描き続けてきたイ・チャンドン作品の本質を、監督自らが現在から過去へと遡りながら、紐解いていくーー。本編には監督にゆかりのある俳優や、制作スタッフも出演。さらに各作品のロケ地や著書、監督が幼少期に過ごした場所も映し出される。■『バーニング 劇場版 4K』村上春樹「納屋を焼く」原作×イ・チャンドン極上のミステリー。第71回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞作品。小説家を目指しながら、バイトで生計を立てるジョンスは、偶然幼馴染のヘミと出会う。ヘミからアフリカ旅行へ行く間、飼っている猫の世話を頼まれるジョンス。旅行から戻ったヘミはアフリカで出会ったという謎の男ベンを紹介する。ある日、ベンはヘミと共にジョンスの家を 訪れ、自分の秘密を打ち明ける。“僕は時々ビニールハウスを燃やしています”。そこから、ジョンスは恐ろしい予感を感じずにはいられなくなる…。■『ポエトリー アグネスの詩 4Kレストア』第63回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞作品。釜山で働く娘の代わりに、中学生の孫息子ジョンウクを育てている、好奇心旺盛でおっとりしているミジャ。ある日、町の文化センターで偶然に詩の講座を受講し、人生で初めて詩を書くことになる。詩のテーマを見つけるために、これまで何気なく過ごしていた日常を思い返し、美しさを探そうとするミジャ。いままで見てきた全てのものがまるで初めて見るもののように少女のように心ときめく。しかし、ジョンウクが自殺した少女の死に関わっている同級生グループの1人であることが発覚し、世の中が自分の思うように美しくはないことを知る...。■『シークレット・サンシャイン 4Kレストア』主演のチョン・ドヨンが第60回国際映画祭主演女優賞に輝いた作品。シネは事故で亡くなった夫の故郷で再出発するため、息子とソウルからミリャンに引っ越して来る。車が途中で故障し、レッカー車を呼ぶと、自動車修理工場を営むジョンチャンが現れた。彼の好意でシネは無事にピアノ教室も開き、順調に新生活を送っていたが、ある日息子が誘拐され...。■『オアシス 4Kレストア』世の中から疎外された2人が知った“はじめての愛”。第59回ヴェネチア国際映画祭にて最優秀監督賞、新人俳優賞(ムン・ソリ)、国際批評家連盟賞の3冠。刑務所から出たばかりの青年ジョンドゥは、家族のもとへ戻るものの、皆からけむたがられていた。ある日、被害者家族のアパートを訪れた彼は、寂しげな部屋で1人取り残された女性コンジュと出会う。脳性麻痺を持つコンジュは、部屋の中で空想の世界に生きていた。2人は 互いに心惹かれ合い、純粋な愛を育んでいくが、周囲の人間はだれ一人として彼らを理解しようとはしなかった。 そして、ある事件が起こる...。■『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア』激動の韓国現代史を背景に、20年の記憶を辿る時間旅行。イ・チャンドンの名を初めて世界に知らしめた初期の傑作。1999年、春。旧友たちとのピクニックに場違いな恰好で現れたキム・ヨンホ。そこは、20年前に初恋の人スニムと訪れた場所だった。仕事も家族もすべてを失い、絶望の淵に立たされたヨンホは線路の上で向かってくる列車に向かって「帰りたい!」と叫ぶ。すると、彼の人生が巻き戻されていく。自ら崩壊させて しまった妻ホンジャとの生活、互いに惹かれ合いながらも結ばれなかったスニムへの愛、兵士として遭遇した「光州事件」。記憶の旅は人生のもっとも美しく純粋だった20年前にたどり着く...。■『グリーンフィッシュ 4Kレストア』『シュリ』のハン・ソッキュ主演、イ・チャンドン監督長編デビュー作品。アウトサイダーな3人の男女が織りなす喪失と希望の物語。兵役を終えて汽車で故郷へ向かっていたマクトンは、赤いスカーフを巻いたひとりの女性がチンピラに絡まれているのを助けたものの、喧嘩になり、汽車から取り残されて、女性と声を交わすことなく別れてしまう。マクトンの手元には赤いスカーフだけが残る。しばらくして、ミエと名乗る女性から電話が入る。彼女は赤いスカーフの女性で、ナイトクラブのステージに立ち、新興組織のボス・テゴンの情婦でもあった。ミエの口利きと持ち前の負けず嫌いの性格で組織の一員になったマクトンは、テゴンに気に入られ頭角を表すようになる。ミエへの恋心を抱きながらも、テゴンへの忠誠を誓うマクトン。その頃、対立組織のボスが刑期を終えて出所し、マクトンらに圧力をかけてくるようになる...。『イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K』は8月25日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2023年06月27日絶大な影響力を持ち、いまや世界を動かすほどの可能性も持ち合わせているインフルエンサー。現在は、さまざまなジャンルで個性豊かなインフルエンサーが数多く活躍していますが、その1人が“中国全土でナンバー1インフルエンサー”として注目されているドキュメンタリー監督の竹内亮さんです。そこで今回は、まもなく開催される映画祭「竹内亮のドキュメンタリーウィーク」の見どころや中国の知られざる魅力についてご紹介します。初公開作品から人気作の続編までが一挙に公開!【映画、ときどき私】 vol. 579これまでにドキュメンタリー監督・番組プロデューサーとして、多くの映像制作を手がけてきた竹内さん。過去にはテレビ東京の『ガイアの夜明け』や『未来世紀ジパング』、NHKの『世界遺産』や『長江天と地の大紀行』などに携わってきました。その後、2013年に中国人の妻と中国に移住し、翌年には南京市で映像制作会社を設立。日本に住む中国人や中国に住む日本人のように異国の地でがんばる人たちに密着した『我住在這里的理由(私がここに住む理由)』を制作して大きな反響を巻き起こします。中国の大手動画サイトbilibiliやYouTubeなどでの動画再生回数は、4年で6億回を突破したほど。中国最大のSNSとされるWeiboでは、2017年から5年連続で「影響力のある十大旅行番組」にも選ばれています。さらに、竹内さんの総SNSフォロワー数はWeiboや抖音などを合わせると630万人を超えており(2023年5月時点)、Weibo旅行関連インフルエンサーランキングではなんと全国で1位。日本人にもかかわらず、名実ともに中国全土でもっとも人気のあるインフルエンサーの1人と呼ばれています。過酷な長江源流に10年振りに再挑戦今回のイベントでは、そんな竹内さんが自信を持って日本に届けたい4本が一挙に上映。まず1本目は、本邦初公開となる完全劇場版『再会長江』です。全長6300キロにもおよび、アジア最大の大河にして“中国の母なる大河”とも称される長江へ10年振りに向かいます。北極、南極に次ぐ地球第三の極地と呼ばれるチベット高原を以前訪れた際、「長江源流の最初の一滴」が撮れなかったことに対して後悔の念を抱いていた竹内さん。本作では、中国の変化をとらえるとともに長江源流に再挑戦する姿が映し出されています。また、中国への留学が決まっている小島瑠璃子さんがナレーションを務めたことでも話題となり、注目を集めているところです。中国大手メディアでは報じられなかった真実を知る続いては、『お久しぶりです、武漢』。竹内さんが降り立ったのは、2020年1月に新型コロナ対策として、人類史上かつてない規模のロックダウンが実施された街・武漢です。ロックダウン解除直後で感染リスクがあるなか、周囲の反対を押し切って武漢に入った竹内さんは10人の武漢市民に密着。中国大手メディアでは報じられない真実の武漢を映している本作は、2020年6月の配信直後に中国全土で大きな反響を呼びました。今回は、その3年後を追加取材した特別版となっています。3本目の『大涼山』で取り上げているのは、中国でもっとも貧しい地域のひとつと言われている秘境。四川省の山奥にある断崖絶壁の村には、世界第2位の経済大国とされる中国のイメージとは程遠い原始的な生活を営む少数民族が住んでいます。本作がとらえているのは、いまの日本では見ることのできないような光景から現代社会のなかで必死に生きようとする彼らの姿、そして子どもたちの涙に隠された思い。中国で2000万回再生、YouTubeで500万回再生された『走近大凉山』に新たなシーンが追加され、見応えも十分です。ファーウェイによる驚きの世界戦略の真相に迫る最後は、『ファーウェイ100面相』。本作で追いかけているのは、3年前に「国家安全保障に関わる」として、トランプ前大統領から名指しで批判された中国通信機器企業・ファーウェイです。竹内さんは、ファーウェイと「撮影内容には一切干渉しない」という約束を交わしたあと、日本を含む世界13カ国を周り、世界各地に散らばる20万人のファーウェイ社員を撮影。撮影期間は、なんと3年にもおよんでいます。ここでは、ファーウェイによる驚きの世界戦略の真相に迫っており、興味深い内容が満載です。日本とは同じアジアであるにもかかわらず、まだまだ知らないことが多い中国。本イベントでは普段見ることのできないリアルな中国を体感できるだけでなく、新たな魅力にも気づかされるラインナップが堪能できる絶好の機会となっています。中国は、面白くて飽きないフシギな国そして今回は、竹内さんから特別にananweb読者へ向けてメッセージをいただきました。みなさんは“中国”と聞いて、どんなイメージを持ちますか? 「怖い」「汚い」「不自由」といった感じではないでしょうか?私は中国に移住してすでに10年が経ちますが、私が感じた中国は、「明るい」「人情」「自由」です。なぜこれほどまでに違うのか?それはみなさんが「マスコミによって作り上げられた中国」しか知らないからです。実際に中国に住んだことのある日本人は、ほぼ私と同じ印象を持ちます。いままでも、そしてこれからも、好むと好まざるとにかかわらず、日中は永遠の隣人として付き合っていかなければなりません。日中関係のトラブルの多くは、互いの文化を理解しないところから始まります。だからこそ、ぜひみなさんに私の作品を見ていただきたいと思っています。バッシング目線ありきではない、普通の庶民の目線から見た中国はきっと、いまみなさんの頭のなかにある中国とはまったく別のものです。さあみなさん、私の映画を通して、この面白くて飽きないフシギな国を旅しましょう!作品情報「竹内亮のドキュメンタリーウィーク」期間:5月19日(金)から5月25日(木)場所:角川シネマ有楽町
2023年05月18日現在の日本では、生涯を通じて5人に1人がこころの病気にかかるともいわれており、メンタルヘルスへの関心が高まっています。そこでいまこそ観るべき1本としてご紹介するのは、本年度ベルリン国際映画祭で最高賞を受賞した日仏共同製作の傑作ドキュメンタリーです。『アダマン号に乗って』【映画、ときどき私】 vol. 576パリのセーヌ川に浮かぶ⽊造建築の船「アダマン」。ここは精神疾患のある患者を無料で迎え⼊れ、創造的な活動を通じて社会と再びつながりを持てるようサポートしているユニークなデイケアセンターだ。“均⼀化”や“⾮⼈間化”の波が押し寄せる精神科医療の世界において、共感的なメンタルケアを貫き、誰もが表情豊かになれるこの場所はまさに奇跡のようだった。そして、カメラは⼈々の語らう⾔葉や表情の奥に隠された真実を映し出していくことに…。今年2月にベルリン国際映画祭で⾦熊賞受賞という快挙を成し遂げたことを受け、日本では急遽時期を繰り上げて公開されている本作。そこで、見どころについてこちらの方にお話をうかがってきました。ニコラ・フィリベール監督2002年に発表した『ぼくの好きな先⽣』が世界的大ヒットとなり、いまや“現代ドキュメンタリーの名匠“とも称されるようになったフィリベール監督。今回は、撮影時の忘れられない出来事や患者とのコミュニケーションで意識したこと、そして精神医学を学ぶべき理由などについて、語っていただきました。―華やかな作品が並ぶなか、決して派手とは言えない本作がベルリン国際映画祭で最高賞に輝いたことに大きな意味があると感じました。ご自身ではどのように受け止めていますか?監督これまで映画祭に参加したことはあってもノミネートされたことがなかったので、受賞以前にノミネートされたことがまずはうれしかったです。しかも、金熊賞受賞は予想していなかったので、本当に驚きました。びっくりしすぎて現実とは思えないくらいの衝撃でしたが、自分のことを誇りに思っています。そして、現在の精神科医療は苦しみのなかにあるので、少しでもそこにスポットライトが当たってくれたらいいなと。この作品が今後の精神医療に与える影響についても、期待しているところです。―日本ではこういった施設を見たことがない人も多いと思うので、アダマン号はどんなところなのかを教えてください。監督アダマン号は係留されているので航行する船ではありませんが、水の上にいる感覚はあるので言うならば“浮かぶ建造物”ですね。施設のなかにはさまざまな場所がありますが、閉ざされた空間はないので、患者たちはどこでも自由に移動が可能。パリの中心でありながら別の場所に来たような錯覚にとらわれるとてもゆったりとした場所です。もともとはパリの中央にある病院の精神科でチーフをしていた方が船で暮らしている人だったので、こういう場所にデイケアセンターを作ろうと思い立ったとか。精神疾患を抱える方々が過ごす場所は美しいとは限らないので、彼は“美しい場所”を作りたかったんだと思います。アダマン号では、スタッフと患者に区別はない―確かに、一般的なデイケアセンターのイメージとはまったく違っていたので驚きました。監督通っているのは主にパリに住む患者たちですが、アダマン号に病床はないので、みんな朝か昼にやってきてしばらく滞在したら帰ります。定期的に通っている人もいれば不定期の人もいて、ただ雰囲気に浸ってコーヒーを飲みに来る人もいるので、全体的にとても優しい雰囲気ですね。―アダマン号に漂う自由で温かい空気感は、映像からもよく伝わってきます。監督しかもアダマン号ではスタッフも患者もみんな私服なので、そこには区別も何もありません。患者は「病気」という枠に閉じ込められておらず、ちゃんとした「人」として見られています。個性的で他人とは違うものを持ってはいますが、それを“異常な人”とジャッジされることがないので、ありのままでいられるのです。そしてスタッフたちは、彼らを孤独から引っ張り出し、世界とつなげる手助けもしてくれます。アダマン号というのは、そういう思想を持った場所なのです。―素晴らしいですね。ただ、そのいっぽうで精神科医療の厳しい現状に対しては危機感も抱いているとか。監督特に財政的な問題や人手不足など、いろんな要因が重なって公的な精神科医療の状況は悪化しています。スタッフたちはやる気を失ってしまうような環境で仕事をしているので、患者の声に耳を傾ける余裕も、ワークショップを開く時間も持てなくなっているほど。本当にたくさんの問題がありますが、それが本作を撮る動機にもなりました。精神疾患を抱えている人たちへの考え方を変えるべき―実際に彼らの活動を間近でご覧になって、監督の考えに影響を与えたことはありましたか?監督まずは、精神疾患を抱えている人たちに対する、私たち自身の考え方を革命的に変えるところから始めるべきだと感じるようになりました。一般的に我々は彼らのことを“危険な人たち”のように見てしまうことがありますが、ある統計によると精神疾患の患者たちが他人に襲い掛かるような犯罪例は非常に少ないそうです。といっても、“魔法の杖”があるわけではないので、いきなり変えるのは簡単ではありません。ただ、社会が彼らに対する見方を変えていけば、それが広がっていくのではないかと考えています。―とはいえ、彼らとどう向き合っていけばいいかわからない人も多いのではないかなと。ただ、本作は患者たちと信頼関係をうまく築いたからこそ撮れた作品だと思うので、そこに何かヒントがあると感じました。監督はどのようなことに気をつけて撮影をされていたのでしょうか。監督まさに信頼関係が一番大切なベースになると思っていたので、最初にしたのは、シンプルに説明すること。僕が何を考えているのか、そして「もしカメラを受け入れたくなかったら受け入れなくてもいいよ」と伝え、プレッシャーを与えないように心がけました。とにかく、僕が彼らをジャッジしたりするような視点でやっているわけではないというのを理解してもらうことが大事だったと思います。あくまでも、その場にある人間関係から一緒に作り出そうとしている気持ちであることをわかってもらえるように意識しました。サプライズのような出来事は、毎日起こっていた―なるほど。「もっとも美しいシーンは、不意に意図せずに撮れることが多い」とおっしゃっていますが、今回の撮影でもそのように感じた瞬間はありましたか?監督精神科医療の現場にいると、サプライズのような出来事は毎日起こりました。でも、そこで絶対にしてはいけないのは、自分が撮りたいと思っていたものにはめようとしたり、固定観念を持って取り組んだりすること。あくまでも、これから起こることに対してつねに準備万端の状態でいることが重要なのです。撮影中は予測していたことが起こるなんてことはなく、むしろ予測不可能なことばかり。それでもしっかりと注意さえ払っていれば、湧いてくるように素晴らしい出来事にたくさん出会えるのです。それこそが僕にとっては、監督としての喜びでもあります。―そのなかでも、印象に残っている場面を挙げるとすれば?監督毎週月曜日の朝に、アダマン号で行われている患者とスタッフのミーティングに参加していたときのこと。そこでは新人の自己紹介があったり、プロジェクトの説明があったり、前週の振り返りをしたりしていますが、何度も行くとだんだん誰がよく発言する人で、誰が座っているだけの人なのか、というのがわかってきます。ところがある日、いままでずっと黙っていた人が突然手をあげて発言したことがあったんです。そこは本編にも使っていますが、ある女性がダンスのワークショップを開きたいといって話し始めました。まさか彼女があんなに長く話をするとはまったく予想していませんでしたが、リアルなサプライズをもたらしてくれましたし、とても素晴らしくて力強いシーンになったと思っています。精神医学を学ぶことで、自分を認められるようになる―観客にとっても、非常に印象的な場面のひとつですね。本作は日本との共同製作となりましたが、監督にとって日本はどのような存在ですか?監督日本は本当に大好きな国ですよ。特にヨーロッパにとって日本は謎めいた国でもあるので、そこがとても魅力的だなと。近代的であると同時に伝統的な部分も色濃く残っていて、さらに詩的でありながら隠された暴力性みたいなものも共存しているように感じるので、霧のようなイメージです。―日本でも最近はメンタルヘルスの重要性が叫ばれていますが、精神医学を学ぶことはなぜ大切だとお考えですか?監督僕が精神医学に心を動かされる理由は、自分自身と向き合うきっかけを作ってくれるから。人間というのは、誰もが心に影のようなゾーンを持っていますが、それがどういうものかわからずに恐怖や不安を抱いてしまうことがあります。僕自身も自分のなかにそういう部分があるにもかかわらず、認めたくないと考えていた時期が長らくありました。実際、25年前に精神科クリニックのドキュメンタリーを初めて作ったときでさえ、最初は認めようとはしなかったほどです。でも、精神医学を学んだことによって、いまは自分にもそういう部分があることを簡単に自覚できるようになりました、―本作を通してご自身が感じたことを日本の観客にも教えてください。監督彼らは風変りなところもありますが、一緒にいるとすごくホッとすることがあります。なぜかというと、私たちは「こうあるべきだ」というスタンダードやプレッシャーを感じながら生きていることが多いですが、そんななかでも彼らはファンタジーのような軽やかさを持って生きているからです。精神疾患の治療を受けている患者のなかには、深刻で苦しみを抱えている人も当然います。でも、この作品に登場する彼らのように頭脳明晰で世界から解放されている人たちと触れ合っているだけで感動を覚えるはずです。いままで見えていなかったものに対しても目を開かせてくれるので、彼らのちょっとずれた視点は僕だけでなくみなさんにもとても刺激的だと思います。嘘のない言葉の数々が心に響く!ありのままの姿で生きることの美しさだけでなく、誰もが内に秘めているクリエイティビティを自由に表現することの素晴らしさも感じさせてくれるアダマン号の人々。彼らはさまざまな偏見と闘うことを余儀なくされている精神科医療における“希望”であり、その存在は社会の在り方についても多くの気づきを与えてくれるはずです。取材、文・志村昌美優しさが溢れている予告編はこちら!作品情報『アダマン号に乗って』ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開中配給:ロングライド️(C) TS Productions, France 3 Cinéma, Longride – 2022
2023年05月08日現在公開中の映画『シン・仮面ライダー』のドキュメンタリー番組「ドキュメント『シン・仮面ライダー』~ヒーローアクション 挑戦の舞台裏~」の放送が決定した。庵野秀明監督が『シン・ゴジラ』以来、実写映画としては7年ぶりにメガホンを取った本作。52年前、当時小学5年生だった庵野監督は、原作となった特撮ドラマ「仮面ライダー」について、「新しいものが来た」と大きな衝撃を受け、以来、長年温めてきた企画を自ら映画会社に持ち込んだという。目指したのは、“ノスタルジーと新しさを融合したアクション映画”。一際思い入れの強い本作の主演には池松壮亮を抜擢し、手だれのアクションチームを招集。しかし、相反する2つのテーマの追求は、製作現場に大いなる葛藤と波乱を呼ぶことに。シリーズ52年の歴史で、製作現場に長期取材のカメラが入るのは、今回が初めて。番組は、かつてないヒーローアクションに挑んだクリエーターたちの2年間を追っている。「ドキュメント『シン・仮面ライダー』~ヒーローアクション 挑戦の舞台裏~」は3月31日(金)22時~BSプレミアム、4月15日(土)19時30分~NHK総合テレビにて放送。『シン・仮面ライダー』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:シン・仮面ライダー 2023年3月18日より全国にて公開©石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会
2023年03月24日映画『旅するローマ教皇』が、2023年10月6日(金)に公開される。監督は、ドキュメンタリーの名匠ジャンフランコ・ロージ。ドキュメンタリーの名匠ジャンフランコ・ロージ監督作品ドキュメンタリー映画『旅するローマ教皇』は、『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』『国境の夜想曲』など、国際的評価の高い傑作を生みだしてきたドキュメンタリーの名匠ジャンフランコ・ロージ監督による作品だ。『旅するローマ教皇』の制作にあたり、ベースとなったのは、ジャンフランコ・ロージがローマ教皇の旅に同行した撮りおろし映像も含め、地球一周分、約800時間にわたる膨大なアーカイブ映像。圧倒的映像美により、愛に溢れたローマ教皇の真の姿に迫るドキュメンタリーに仕上げている。ローマ教皇フランシスコとはローマ教皇フランシスコは、2013年3月に行われた教皇選出のための選挙コンクラーベにて、第266代教皇に選ばれフランシスコと名乗るように。大のサッカー好きとしても知られ、明るく飾らない人柄が魅力だ。そのため、“庶民派教皇”や“ロックスター教皇”と呼ばれることもあり、多くの人々に親しまれている。ローマ教皇と共に53か国を旅する観客は、ローマ教皇と共に旅をする。映画『旅するローマ教皇』では、2013年のイタリア・ランペドゥーサ島を訪れる姿から始まり、2022年にマルタ共和国を訪問するまでを描く。ローマ教皇は、2013年から2021年にかけて37回、実に53か国を訪問。難民問題や紛争に苦しむ中東やアフリカ、アメリカでは平和について語り、イスラム教を国教とするアラブ首長国連邦、そして被爆地である日本を訪れる姿に加え、カトリック教会で起きた性的虐待について謝罪する姿を収めている。作中には、雨の中大勢の人の前で演説をしたり、教皇専用車“パパモビル”に乗って街をパレードしたりする姿などをも登場。「旅とは知的で精神的な修行だ」と語る教皇は、世界に蔓延る様々な問題に耳を傾け、人々と出会い、語る。教皇らしい姿だけでなく、明るく飾らない人間性も垣間見ることができるだろう。【作品詳細】映画『旅するローマ教皇』公開時期:2023年10月6日(金)監督・脚本:ジャンフランコ・ロージ配給:ビターズ・エンド原題:In Viaggio
2023年03月18日TBSが立ち上げたドキュメンタリー映画のブランド「TBS DOCS」のもと、今回で3回目を迎える『TBSドキュメンタリー映画祭2023』が3月17日(金) 、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で開幕。ラインナップの一作である『東京SWAN 1946 〜戦後の奇跡「白鳥の湖」全幕日本初演〜』の上映を前に、ダンサーで俳優の宮尾俊太郎、浅川紫織、宮武由衣監督、映画祭アンバサダーのLiLiCoが舞台挨拶を行った。挨拶に立ったLiLiCoは「TBSは良質なドキュメンタリーをどんどん生み出していて、それをこうやってスクリーンで見られる。初日にたくさんの皆さんにお集まりいただき、本当にうれしいです。本気の人間が、生きる希望を与えてくれる。きっと皆さん、帰り道は、ステップ軽く踊り出したくなるはず」と喜びを語り、映画祭のオープニングを華々しく宣言した。LiLiCo『東京SWAN 1946 〜戦後の奇跡「白鳥の湖」全幕日本初演〜』は敗戦直後の1946年、京城出身の青年・島田廣が、自身のバレエの才能を見出したロシア人の師匠、エリェナ・パァヴロヴァの悲願を成し遂げるために、焼け跡の東京で『白鳥の湖』全幕初演という前代未聞の無謀な挑戦に奔走する姿を追った歴史秘話。以前からドラマ製作の過程で、バレエの歴史に関心を抱いていたという宮武監督は「いろいろな書物を調べ、終戦後にこんな出来事があったんだと驚いた」と振り返り、「どん底にいた日本人の心を、当時は高尚で手が届かないとされたバレエで、どんな風に感動させたのか。そこに何があったのか知りたくなった」と本作の着想を明かした。宮武由衣劇中で当時の公演を“再現”した宮尾は、「そこにどんな意義や意味があるのか、監督と話したが、どうやら監督もふわっとしていて(笑)」。宮武監督は「そのせいで、宮尾さんは常に不機嫌でした」と恐縮しきりだったが、改めて宮尾は「偉人たちを突き動かした使命感に触れ、心で踊るとはどういうことか改めて考えた」と試みの意義を強調。自身が抱えたコロナ禍での葛藤と照らし合わせながら、「ぜひ、皆さんも自分と置き換えながら、見てほしい」と客席にアピールした。宮尾俊太郎また、宮尾と共演した浅川も「ついつい美しさにこだわってしまっていると気づかされた。心こそが一番大事だと、改めて学びました」といい、「当時はパラシュートの生地で衣装を作ったと聞き、驚きました」と話していた。浅川紫織取材・文・撮影:内田涼<イベント情報>TBSドキュメンタリー映画祭20233月17日(金)~30日(木)東京:ヒューマントラストシネマ渋谷3月24日(金)~4月6日(木)大阪:シネ・リーブル梅田3月24日(金)~4月6日(木)名古屋:伏見ミリオン座4月15日(土)~21日(金)札幌:札幌シアターキノ<上映ラインナップ>『カリスマ 〜国葬・拳銃・宗教〜』監督:佐井大紀『通信簿の少女を探して 〜小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今〜』監督:匂坂緑里『サステナ・ファーム トキと1%』監督:川上敬二郎『アフガン・ドラッグトレイル』監督:須賀川拓『東京SWAN 1946 〜戦後の奇跡「白鳥の湖」全幕日本初演〜』監督:宮武由衣『シーナ&ロケッツ 鮎川誠と家族が見た夢』【東京限定上映】監督:寺井到『ダリエン・ルート “死のジャングル”に向かう子どもたち』監督:萩原豊『魂の殺人 〜家庭内・父からの性虐待〜』監督:加古紗都子『War Bride 91歳の戦争花嫁』監督:川嶋龍太郎『KUNI 語り継がれるマスク伝説 〜謎の日本人ギタリストの半生〜』監督:佐藤功一『それでも中国で闘う理由 〜人権派弁護士家族の7年〜』監督:延廣耕次郎『オートレーサー森且行 約束のオーバルへ』監督:穂坂友紀『やったぜ!じいちゃん』【名古屋限定上映】監督:仲尾義晴『93歳のゲイ』【大阪限定上映】監督:吉川元基『劇場版 ヤジと民主主義』【札幌限定上映】監督:山﨑裕侍・長沢祐関連リンク公式サイト::
2023年03月17日TBSが立ち上げたドキュメンタリー映画のブランド「TBS DOCS」のもと、今回で3回目を迎える『TBSドキュメンタリー映画祭2023』の開催直前イベントが3月14日(火)、都内で行われ、「TBS DOCS」チェアマンの太田光と、昨年の映画祭アンバサダーを務めたトラウデン直美が出席。注目作品について語り合った他、同席した佐井大紀監督(『日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜』)、取材拠点のロンドンからリモート参加した須賀川拓監督(『戦場記者』)に質問をぶつけた。佐井監督の最新作『カリスマ ~国葬・拳銃・宗教~』は、昨年行われた国葬や反対デモ、さらにかつて世間を騒がせた“イエスの方舟”に迫った内容で、太田は「早速、高市(高市早苗/現経済安全保障担当大臣)に見てもらって、文句言ってもらいましょう」と毒舌。佐井監督は「国葬というイベントがあった去年1年間の熱量をパッケージできないかなと。ふと日本社会を俯瞰し、主役と周りの人々の縮図が見えて、さまざまな問題の点と点が線となり作品になった」と振り返った。太田光一方、須賀川監督の最新作『アフガン・ドラッグトレイル』は、薬物中毒者の取り締まりを通して、アフガンを蝕む薬物の闇を切り取る意欲作。トラウデンが、「大人たちの虚ろな表情が印象的だった。そこから抜け出せない絶望感を感じた」と感想を述べると、須賀川監督は「絶望の中でも必死に生きている人がおり、逆説的に希望を感じた」と現場でしか得られない感覚を伝え、「麻薬がヨーロッパに密輸されているので、タリバンも利益を得ながら搾取もされている」と問題の根深さを指摘していた。トラウデン直美期間中は『カリスマ ~国葬・拳銃・宗教~』『アフガン・ドラッグトレイル』に加えて、オートレーサーの森且行が壮絶なリハビリに挑む姿を追い続けた『オートレーサー森且行 約束のオーバルへ』、先日訃報が報じられたシーナ&ロケッツの鮎川誠を追った『シーナ&ロケッツ 鮎川誠と家族が見た夢』など、全15作品が上映される。太田は「どれも見応えがあるけど、やっぱり、鮎川誠さんのドキュメンタリーがね。さっき聞いたら、ご本人は完成した作品を見ていないそうで、見せたかったなと思います」と残念そうな表情。「やっぱり、かっこいいな、鮎川誠。涙が出ましたね」と故人をしのんだ。また、トラウデンは「事実は小説より奇なりと言いますが、『えっ、これ現実?』という衝撃も大きいですし、自分が生きている現実を見つめ直す機会になった。窓を開ける感覚でドキュメンタリーの面白さに浸ってほしい」とアピールしていた。取材・文・撮影:内田涼<イベント情報>TBSドキュメンタリー映画祭20233月17日(金)~30日(木)東京:ヒューマントラストシネマ渋谷3月24日(金)~4月6日(木)大阪:シネ・リーブル梅田3月24日(金)~4月6日(木)名古屋:伏見ミリオン座4月15日(土)~21日(金)札幌:札幌シアターキノ<上映ラインナップ>『カリスマ 〜国葬・拳銃・宗教〜』監督:佐井大紀『通信簿の少女を探して 〜小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今〜』監督:匂坂緑里『サステナ・ファーム トキと1%』監督:川上敬二郎『アフガン・ドラッグトレイル』監督:須賀川拓『東京SWAN 1946 〜戦後の奇跡「白鳥の湖」全幕日本初演〜』監督:宮武由衣『シーナ&ロケッツ 鮎川誠と家族が見た夢』【東京限定上映】監督:寺井到『ダリエン・ルート “死のジャングル”に向かう子どもたち』監督:萩原豊『魂の殺人 〜家庭内・父からの性虐待〜』監督:加古紗都子『War Bride 91歳の戦争花嫁』監督:川嶋龍太郎『KUNI 語り継がれるマスク伝説 〜謎の日本人ギタリストの半生〜』監督:佐藤功一『それでも中国で闘う理由 〜人権派弁護士家族の7年〜』監督:延廣耕次郎『オートレーサー森且行 約束のオーバルへ』監督:穂坂友紀『やったぜ!じいちゃん』【名古屋限定上映】監督:仲尾義晴『93歳のゲイ』【大阪限定上映】監督:吉川元基『劇場版 ヤジと民主主義』【札幌限定上映】監督:山﨑裕侍・長沢祐■ムビチケ前売券販売期間:2月10日(金)~3月16日(木)販売ページ:■ムビチケカード東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、大阪・シネ・リーブル梅田、名古屋・伏見ミリオン座劇場前売りのみ特典付:ポストカード型2023カレンダー※札幌・シアターキノ劇場では使用できません関連リンク公式サイト::
2023年03月14日イーロン・マスクのドキュメンタリー映画の企画が進行中だ。タイトルは『Musk』。監督はアレックス・ギブニー。ギブニーは『「闇」へ』でオスカー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞。『エンロン巨大企業はいかにして崩壊したのか?』でも同部門にノミネートされた。その他の監督作に『ランス・アームストロングツール・ド・フランス7冠の真実』『ストーリー・オブ・ウィキリークス正義と犯罪の狭間』などがある。ギブニーは長いことマスクをテーマに取り上げたいと考え、少しずつ準備をしてきたらしい。彼は deadline.com に対し、「すばらしいチームがついてくれたことに興奮を覚えている」とコメントしている。文=猿渡由紀
2023年03月07日今年のオスカーで長編ドキュメンタリー部門にノミネートされている『ファイアー・オブ・ラブ火山に人生を捧げた夫婦』が、俳優を起用する長編映画としてリメイクされることになった。権利を獲得したのはサーチライト・ピクチャーズ。ドキュメンタリーを監督したサラ・ドーサはプロデューサーとして、またプロデューサーを務めたアイナ・フィッチマンはエグゼクティブ・プロデューサーとしてリメイク版にたずさわる。ドーサは今作で映画監督組合から長編ドキュメンタリー賞を受賞した。日本でもディズニープラスで配信されている。『ファイアー・オブ・ラブ火山に人生を捧げた夫婦』ディズニープラスで配信中視聴ページ()(C)2023 National Geographic Partners, LLC.文=猿渡由紀
2023年03月03日TBSドキュメンタリー史上“最大の問題作”と称される1967年のドキュメンタリー番組『日の丸』。今から50年以上前に放送された、しかも郵政省電波管理局がTBSを調査するに至ったほど波紋を呼んだ同番組の試みを、現代に再び挑んだのがドキュメンタリー映画『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』だ。「日の丸の赤は何を意味していますか?」「あなたに外国人の友だちはいますか?」「もし戦争になったらその人と戦えますか?」と50年以上前にされた質問を、現在を生きる人々にしたら、どんな反応が起きるのか?というところから出発した作品は、1967年と2022年を対比して、何か見えてくる“日本像”のようなものはあるのか?そもそも1967年の番組を手掛けた寺山修司をはじめとした関係者は、『日の丸』で何を描こうとしたのか?はたして『日の丸』は偏向報道たったのか?など、さまざまな問いと向き合い、その答えを探す旅へとなっていく。そう簡単に答えなど出るはずのない“問い”と向き合い続けた、28歳の若きTVディレクター、佐井大紀に話を聞いた。1967年と現代の偶然の符合対比によってなにか見えるものがあるのでははじめに『日の丸』が放送されたのは1967年のこと。今から50年以上前で、当然ながらまだ20代の佐井監督が生まれるよりもはるか前の番組になる。このドキュメンタリー番組にはTBSの新人研修で出合ったという。「この番組の存在は是枝(裕和)監督が著書で触れていて、知っていました。ただ見る機会を得たのは新人研修のときでした。印象はひと言、衝撃で。こんな尋常ではない街頭インタビューをまとめた、呪いのビデオのような、視聴者の気分を害する映像をよく当時のお茶の間に流したなと思いました。今僕はドラマ制作部に所属していますけど、番組を作る上で、何に一番重きを置いているかというと、いかに視聴者の方に気持ちよく楽しんでいただけるか。視聴者の方にいかに興味をもっていただいて、作品世界に入っていただけるかを第一に考えています。でも、『日の丸』がやっていることは反対のことで。視聴者の方が不愉快になる、あるいは怒り出すようなことを敢えてしている。これが当時のテレビでは許されていたのかと思いました。成熟しきってしまって、新たな可能性を切り拓くようなチャレンジができなくなっている現在のテレビとは大違い。テレビにこんな自由な時代があったことに衝撃を覚えました」この衝撃が心から消えることはなく、ずっと『日の丸』のような挑発的な試みができないかと考えていて実現したのが今回の作品になる。「どこかのタイミングで『日の丸』をやってみたら面白いことが起こるのではないかと、ずっと考えていました。そう考えていたところ、『日の丸』が放送された1967年は、東京オリンピックと大阪万博の間だったのですが、現在も同様に東京オリンピックが終わって、大阪万博を控えているときに当たることに気づいたんです。さらに1967年はベトナム戦争が世界を揺るがしていて、取材時はコロナパンデミックが世界を脅かしていました。55年の時の隔たりはあるのだけれど、どこか類似している今こそ『日の丸』の試みをやってみると何か見えてくることがあるのではないかと思いました」こうして、佐井監督はマイクを持って自ら街へ繰り出し、1967年の『日の丸』と同じ質問を2022年の人々へと投げかける。「現在と1967年に同じ質問を投げかけることで、日本社会や日本人の変化みたいなものが、何か見えてくるのではないかと当初は考えていました。ふたつの時代を対比させることで、日本の実像みたいなものがきっと浮き彫りになるだろうと。ただ、日本とは、日本人とは、とか、そう簡単に答えが出るものではない。当然といえば当然なんですけど、街頭インタビューをちょっとしたぐらいで明確な答えなど出るはずもない。そのことにすぐ気づくんですけどね(苦笑)」新たな疑問が浮かび混乱するそんな頭の中がそのまま映っている『日の丸』の試みを主体に始まった作品だが、佐井監督の視野はさらに広がり、街頭インタビューを起点に新たに生まれた疑問や自らへの問いと向き合い、その答えを探すことになっていく。結果、作品は、『日の丸』を現代で試みるという当初の想定した形からより広がりのあるものに。1967年版『日の丸』の詳細な舞台裏を明かすとともに、この作品で起きた様々な問題(インタビューを担当した女性は批判を浴びて姿を消した。彼女は今回の取材でも見つからなかった)にも言及。国家とは何かを追い続けていた寺山修司が、テレビという公共の電波を使って壮大な実験をしたといわれる『日の丸』を改めて検証するとともに、寺山の真意にも迫ろうとする。さらに、その『日の丸』から派生して、アイヌの歴史と琉球の歴史といったテーマにも迫る作品になった。「ふだんはドラマの現場で働いていますので、ドキュメンタリーを作るのは初めてのこと。あらゆることが手探りで進めていったんですけど、ひとつのことを調べると新たな課題や疑問が出てくる。その繰り返しで、調べれば調べるほどいろいろと解き明かしたいことが出てきた。そして、その度に僕は戸惑って混乱していた。だから、興味の赴くまま動きながらも、探れば探るほど混乱して戸惑うみたいな、当時の僕の頭の中がそのまま映っている気がします(笑)」では、熱望した『日の丸』の試みを、実際にやってみてどういう感触を得たのだろうか?「まず街頭インタビューですが、あのような形で相手のタイミングなどほとんど関係なく、いきなり矢継ぎ早に質問をするのは気持ちのいいものじゃないです。1967年のインタビューで街頭に立った女性は批判にさらされて姿を消してしまいましたが、その気持ちが痛いほど分かりました。こんなことを素人にさせるなんて今では一発でアウトです。作品については、いろいろなことが詰まっているので、おそらくみなさん感想の言葉が見つからないんじゃないかと。『日の丸』の質問と同じで、なかなか答えに困るかもしれません。ただ、それでいいと思っています。僕は、世の中を斜めから疑ってみたり、別角度から物事を考えてみたりすることが好きで、それが自分のできることだと思っています。そこについてはこの作品でできていると思いますし、ドラマ制作に携わる者としてエンターテイメント性にもこだわりました。全編にわたって退屈させない作品になっていると思うので、ひとりでも多くの方に観ていただけることを願っています」取材・文:水上賢治<作品情報>『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』上映中
2023年02月24日開局以来ドキュメンタリーの制作に注力してきたTBSテレビが立ち上げた新ブランド「TBS DOCS」のもと、今回で3回目を迎える『TBSドキュメンタリー映画祭2023』の予告編第1弾が解禁された。本映画祭は、3月17日(金) より東京でスタートし、大阪、名古屋に場所を移した後、初となる札幌でも開催。多岐に渡るジャンルが揃う全15本の作品を、前回を上回る規模で上映する。 また、今年の映画祭アンバサダーに、TBS「王様のブランチ」でもお馴染み、映画コメンテーターのLiLiCoが就任している。この度、解禁された予告編第1弾は、映画祭初日に上映される4作品と、大阪限定上映される1作品の計5作品。令和4年度 文化庁芸術祭のテレビ・ドキュメンタリー部門で優秀賞を受賞した『通信簿の少女を探して〜小さな引き揚げ者戦後77年あなたは今〜』は、ディレクターが偶然手にした古書に挟まっていた1枚の通信簿がきっかけとなり制作され、通信簿の持ち主の少女を探す旅は、歴史に埋もれた日本の戦後史を紐解く旅へとつながっていく。山田洋次監督や、歌手の加藤登紀子、ジャズピアニスト秋吉敏子に“引き揚げ”体験のインタビューを行い、旅人として三浦透子が出演し、仲村トオルがナレーションを担当している。また、『東京SWAN 1946〜戦後の奇跡『白鳥の湖』全幕日本初演~』では公演中の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』にドラコ・マルフォイ役で出演するなど、バレエダンサーとしての活動以外にもミュージカル出演など幅広い活躍で注目を集める宮尾俊太郎が、敗戦直後の1946年に日本で『白鳥の湖』の全幕初演に挑戦した人々の歴史秘話を紐解きながら、当時の振り付けでその感動を現代に蘇らせた。その他、現在公開中の『戦場記者』で監督を務めた須賀川拓が、アフガンの薬物問題を切り取った『アフガン・ドラッグトレイル』、2月24日(金)に『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』が劇場公開を控える佐井大紀監督の最新作『カリスマ~国葬・拳銃・宗教~』、大阪限定上映となる『93歳のゲイ』の予告編が解禁。歴史的な事件の真相や今世界で起きている衝撃の出来事など、“観客に新たな発見”をもたらす作品となっている。仲村トオルがナレーション、三浦透子が旅人で出演『通信簿の少女を探して〜小さな引き揚げ者戦後77年あなたは今〜』『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』佐井大紀監督最新作『カリスマ~国葬・拳銃・宗教~』『戦場記者』の須賀川拓監督がアフガンの薬物問題に迫る『アフガン・ドラッグトレイル』宮尾俊太郎が『白鳥の湖』全幕初演に挑む『東京SWAN 1946〜戦後の奇跡『白鳥の湖』全幕日本初演~』本当の自分を隠し続けた“93歳のゲイ”の日々をみつめる『93歳のゲイ【大阪限定上映】』「TBSドキュメンタリー映画祭 2023」()3月17日(金)より東京、大阪、名古屋、札幌にて順次開催3月17日(金)~30日(木)東京:ヒューマントラストシネマ渋谷3月24日(金)~4月6日(木)大阪:シネ・リーブル梅田3月24日(金)~4月6日(木)名古屋:伏見ミリオン座4月15日(土)~21日(金)札幌:シアターキノ
2023年02月13日TBSが立ち上げたドキュメンタリー映画の新ブランド「TBS DOCS」のもと、3月から4月にかけて東京・大阪・名古屋・札幌で開催される『TBSドキュメンタリー映画祭2023』の予告映像が公開された。公開された映像では、2月24日(金) に劇場公開を控える『日の丸 寺山修司40年目の挑発』の佐井大紀監督の最新作『カリスマ ~国葬・拳銃・宗教~』や、オートレーサーの森且行が壮絶なリハビリに挑む姿を追い続けた『オートレーサー森且行 約束のオーバルへ』、さらに先日訃報が報じられたシーナ&ロケッツの鮎川誠を追った『シーナ&ロケッツ 鮎川誠と家族が見た夢』など、全15作品のダイジェスト映像を見ることができる。『カリスマ 〜国葬・拳銃・宗教〜』『オートレーサー森且行 約束のオーバルへ』『シーナ&ロケッツ 鮎川誠と家族が見た夢』また、舞台挨拶の開催が決定。映画祭初日の3月17日(金)、『東京SWAN 1946 〜戦後の奇跡「白鳥の湖」全幕日本初演〜』の上映前には、オープニングイベントとして出演者の宮尾俊太郎、浅川紫織とともに映画祭アンバサダーのLiLiCoが登壇。さらに3月18日(土)『オートレーサー森且行 約束のオーバルへ』の舞台挨拶には森且行が登壇する予定だ。『TBSドキュメンタリー映画祭2023』予告映像<イベント情報>TBSドキュメンタリー映画祭20233月17日(金)~30日(木)東京:ヒューマントラストシネマ渋谷3月24日(金)~4月6日(木)大阪:シネ・リーブル梅田3月24日(金)~4月6日(木)名古屋:伏見ミリオン座4月15日(土)~21日(金)札幌:札幌シアターキノ<上映ラインナップ>『カリスマ 〜国葬・拳銃・宗教〜』監督:佐井大紀『通信簿の少女を探して 〜小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今〜』監督:匂坂緑里『サステナ・ファーム トキと1%』監督:川上敬二郎『アフガン・ドラッグトレイル』監督:須賀川拓『東京SWAN 1946 〜戦後の奇跡「白鳥の湖」全幕日本初演〜』監督:宮武由衣『シーナ&ロケッツ 鮎川誠と家族が見た夢』【東京限定上映】監督:寺井到『ダリエン・ルート “死のジャングル”に向かう子どもたち』監督:萩原豊『魂の殺人 〜家庭内・父からの性虐待〜』監督:加古紗都子『War Bride 91歳の戦争花嫁』監督:川嶋龍太郎『KUNI 語り継がれるマスク伝説 〜謎の日本人ギタリストの半生〜』監督:佐藤功一『それでも中国で闘う理由 〜人権派弁護士家族の7年〜』監督:延廣耕次郎・松井智史『オートレーサー森且行 約束のオーバルへ』監督:穂坂友紀『やったぜ!じいちゃん』【名古屋限定上映】監督:仲尾義晴『93歳のゲイ』【大阪限定上映】監督:吉川元基『劇場版 ヤジと民主主義』【札幌限定上映】監督:山﨑裕侍・長沢祐■ムビチケ前売券販売期間:2月10日(金)~3月16日(木)販売ページ:■ムビチケカード東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、大阪・シネ・リーブル梅田、名古屋・伏見ミリオン座劇場前売りのみ特典付:ポストカード型2023カレンダー※札幌・シアターキノ劇場では使用できません関連リンク公式サイト::
2023年02月09日TBSが立ち上げたドキュメンタリー映画の新ブランド「TBS DOCS」のもと、今回で3回目を迎える『TBSドキュメンタリー映画祭2023』のアンバサダーに、映画コメンテーターのLiLiCoが就任し、1月26日(木) に都内で行われたアンバサダー就任式及びラインナップ発表会見で抱負を語った。長年、TBSの情報番組で映画紹介を担当しているLiLiCoは「ドキュメンタリー映画が大好きですし、もっともっと(映画に)深く関われたらいいなと思っていたので、こんなすばらしい映画祭のアンバサダーに就任でき、うれしいですね」と喜びの声。自身の連載でもドキュメンタリー映画を紹介する機会が増えているといい、「最近は、ドキュメンタリリコになっている。誰かの人生を通して、自分の人生を見つめ直してもらえれば」と強い思い入れを示し、「ここからずっとですか?ぜひ私はずっと務めさせていただければ」と早くもアンバサダー“続投”に意欲を燃やした。注目する作品は2021年1月の落車事故で5度の大手術、両足麻痺の後遺症を経験した元SMAPの森且行が歩む“再起”に密着する『オートレーサー森且行 約束のオーバルへ』(監督:穂坂友紀)だといい、「一体、何が彼を強くしているのか。私も2年目にひざの皿を真っ二つに割ったんですね(笑)。森さんと比べれば、大した怪我じゃないですけど、リハビリってこんなに大変なんだと」と興味津々。また、すでに鑑賞したという『魂の殺人 〜家庭内・父からの性虐待〜』(監督:加古紗都子)については、「信じられないですよね」と涙ぐむ場面もあった。『オートレーサー森且行 約束のオーバルへ』『魂の殺人 〜家庭内・父からの性虐待〜』今年は選りすぐりのドキュメンタリー映画15作品を上映。会見に出席した大久保竜(映画祭、TBS DOCSプロデューサー)は、「テレビを超えて、ドキュメンタリー映画という手法で表現の幅を広げたいという思いで、報道局から始まった企画だが、最近は社内やグループ会社からも企画書が集まっている」と可能性の広がりに手応えを示していた。取材・文・撮影:内田涼<上映ラインナップ>『カリスマ 〜国葬・拳銃・宗教〜』監督:佐井大紀『通信簿の少女を探して 〜小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今〜』監督:匂坂緑里『サステナ・ファーム トキと1%』監督:川上敬二郎『アフガン・ドラッグトレイル』監督:須賀川拓『東京SWAN 1946 〜戦後の奇跡「白鳥の湖」全幕日本初演〜』監督:宮武由衣『シーナ&ロケッツ 鮎川誠と家族が見た夢』監督:寺井到『ダリエン・ルート “死のジャングル”に向かう子どもたち』監督:萩原豊『魂の殺人 〜家庭内・父からの性虐待〜』監督:加古紗都子『War Bride 91歳の戦争花嫁』監督:川嶋龍太郎『KUNI 語り継がれるマスク伝説 〜謎の日本人ギタリストの半生〜』監督:佐藤功一『それでも中国で闘う理由 〜人権派弁護士家族の7年〜』監督:延廣耕次郎『オートレーサー森且行 約束のオーバルへ』監督:穂坂友紀『やったぜ!じいちゃん』【名古屋限定上映】監督:仲尾義晴『93歳のゲイ』【大阪限定上映】監督:吉川元基『劇場版 ヤジと民主主義』【札幌限定上映】監督:山﨑裕侍・長沢祐<イベント情報>TBSドキュメンタリー映画祭2023『TBSドキュメンタリー映画祭2023』キービジュアル3月17日(金)~30日(木)東京:ヒューマントラストシネマ渋谷3月24日(金)~4月6日(木)大阪:シネ・リーブル梅田3月24日(金)~4月6日(木)名古屋:伏見ミリオン座4月15日(土)~21日(金)札幌:札幌シアターキノ公式サイト:
2023年01月26日映画コメンテーターのLiLiCoが26日、都内で行われた「TBSドキュメンタリー映画祭2023」アンバサダー就任式&ラインナップ発表イベントに出席した。TBSのドキュメンタリーブランド「TBS DOCS」のもと開催される同映画祭。3回目となる今回は、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷にて3月17日~30日、大阪・シネ・リーブル梅田にて3月24日~4月6日、名古屋・伏見ミリオン座にて3月24日~4月6日、札幌・シアターキノにて4月15日~21日と、前回を上回る規模で実施される。また、映画祭アンバサダーに映画コメンテーターのLiLiCoの就任が決定した。この日の発表イベントには、LiLiCo、映画祭、TBS DOCSプロデューサーの大久保竜氏、各作品の監督が出席。TBSアナウンサーの良原安美が司会を務めた。LiLiCoは「ドキュメンタリーが大好きなんです」と言い、「『王様のブランチ』を担当させていただいて22年経っているので、もっともっと深く関われたらいいなとちょうど思っていたところでした。それでこんな素晴らしい映画祭のアンバサダーに……」と感激。「1回だけですか? よくなかったら来年はクビになる? ここからずっとですか? 私はぜひずっと務めさせていただけたらうれしいなと思っています」とアピールして笑いを誘った。また、「たくさんの連載も持っているんですが、最近あまりにもドキュメンタリーばっかりを紹介するので、ちょっとドキュメンタリリコなっているんです(笑)」と言い、「そのきっかけはたぶん、2012年の『シュガーマン 奇跡に愛された男』というドキュメンタリー。そこからドキュメンタリーってこんなに面白いんだって。ドキュメンタリーだからこそ、あえて自分が見たことのない世界を見ようという気持ちになる」とドキュメンタリーの魅力を熱弁。そして、2020年の『ようこそ映画音響の世界へ』がLiLiCoの中でその年の1位になったと言い、「ドキュメンタリーに非常に注目しています」と語った。自身がドキュメンタリーを撮るならどんな作品を作りたいか聞かれると、「けっこう私の人生も面白いんです。『忙しそうですね』って言われるんですけど、たぶんその10倍忙しいんです。マネージャーなしでここまで頑張っているんだよというのを見せつけたいんです(笑)」と答え、「撮ります?」と監督たちに提案して笑いを誘った。また、「真面目に言うと、テレビの裏側」と、テレビの裏側を追ったドキュメンタリーにも興味。「すごく気になるんですね。どれだけ1本の番組を作るのが大変か。年月をかけて人の人生を追いかけたり、テレビって夢の箱なんです。だから私も日本に来たんです。日本の番組はずっとやっている。スウェーデンは2つのチャンネルしかなくて、夜しかやってない。日本に来たときになんて素晴らしい国だと思って、日本の夢の箱に入りたいという気持ちで来たので、テレビ業界ではない人が知るとテレビの見方も変わってくるんじゃないかなと。そこを知ってほしいなと思います」と語った。
2023年01月26日まとふ(matohu)のドキュメンタリー映画『うつろいの時をまとう』が、2023年3月25日(土)より全国順次公開。“まとふ”の服づくりに迫るドキュメンタリー映画まとふは、堀畑裕之と関口真希子が手がける日本のファッションブランド。堀畑はコム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)、関口はヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)でパタンナーとしてキャリアを積んだ後、2005年にまとふを立ち上げた。映画『うつろいの時をまとう』は、そんなまとふのデザイナー堀畑裕之&関口真希子の視点や哲学を通して、日常の中に潜む美や豊かさを再発見していくドキュメンタリー。彼らは、身近な風景や物に目を向け、そこから得たインスピレーションを“ことば”に変えて衣服へと昇華していく。2人の創作から見えてくるのは、日本人が長い歴史の中で育んできた“ものの見方”であり、普段は見過ごしてしまいがちな足元の“美を見つける心”。大量消費、情報過多の時代に、本当に大切なこと、本当に必要なものに気づくきっかけを与えてくれる。アーカイブコレクションやファッションショーを公開映画『うつろいの時をまとう』で目にすることができるのは、まとふが2010年から2018年まで発表してきたコレクションの一部や、2018年に開催されたファッションショーなど。2020年に東京・青山のスパイラルホールで開催された展覧会『日本の眼』の様子も映す。監督は三宅流監督を務めるのは、『躍る旅人‐能楽師・津村禮次郎の肖像』など、伝統芸能をテーマにコミュニケーションと身体のありようを描き続けてきた三宅流。これまでは自身で撮影も兼務してきたが、今回初めてカメラマンと手を組み、「ファッション」という分野に初挑戦した。第41回モントリオール国際芸術映画祭に出品なお、映画『うつろいの時をまとう』は、第41回モントリオール国際芸術映画祭に正式出品。アニメーション、建築、現代美術、ダンス、デザイン、文学、音楽、絵画、写真などの芸術に関する映像作品が集まる映画祭としては世界最大級といわれるモントリオール国際芸術映画祭で、ワールドプレミア上演される。映画『うつろいの時をまとう』あらすじ2020年1月。東京・青山のスパイラルホールで、服飾ブランドまとふ(matohu)の8年間のコレクションをまとめた展覧会『日本の眼』が開催された。まとふは“日本の眼”というタイトルのもと、「かさね」「ふきよせ」「なごり」など日本古来の洗練された美意識を表す言葉をテーマに2010年から2018年までの各シーズン、全17章のコレクションを発表してきた。デザイナーの堀畑裕之は大学でドイツ哲学を、関口真希子は法律を学んでいたが手仕事や服作りへの思いからファッションの世界に飛び込む。堀畑はコムデギャルソン、関口はヨウジヤマモトでパタンナーとしてキャリアを積む。そして2005年にブランド「まとふ」を立ち上げ、彼らは“長着”という独自のアイテムを考案した。着物の着心地や着方の自由さから着想を得ながら、今の生活に合わせた形で作り出されたモダンなデザインの服である。2018年、まとふは『日本の眼』最後のテーマとなる「なごり」コレクションの制作に取りかかり、伝統的な技術を持つ機屋や工房と協業しつつ、テキスタイルを作り上げていく。堀畑と関口はアトリエで激しい議論を繰り返しながら妥協することなくデザインを完成させ、そしてファッションショーの日を迎える。【作品詳細】映画『うつろいの時をまとう』公開日:2023年3月25日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開監督:三宅流出演:堀畑裕之、関口真希子、赤木明登、津村禮次郎、大高翔製作・配給:グループ現代2022年/日本/ 96分/ カラー/DCP/5.1ch/バリアフリー上映対応
2022年12月23日「SEVENTEEN」のメンバー、ドギョムが主演した韓国ミュージカル「エクスカリバー」ドキュメンタリー『ドギョム:アーサー王への軌跡~韓国ミュージカル「エクスカリバー」~』が、2023年1月20日(金)~26日(木)1週間限定で全国の映画館にて公開することが決定した。ミュージカル「エクスカリバー」は、「マタ・ハリ」「笑う男」など数多くの作品を手掛けているEMKミュージカルカンパニーが“アーサー王伝説”を新たな解釈で描いたオリジナルミュージカル。10億円もの製作費をかけ、世界的作曲家フランク・ワイルドホーンが楽曲を手掛けるなど、豪華クリエイターたちによって作り上げられた超大作。2019年の初演から2022年のアンコール公演まで累計32万人の観客を動員し、韓国ミュージカル界の最高興行作品となっている。本作では、「エクスカリバー」の主人公アーサー役を務めた「SEVENTEEN」のドギョムにスポットを当てたドキュメンタリー。彼が出演した2021年公演の本編映像に加え、それに至る道程を収めている。世界で活躍するグループのメインボーカルというポジションで高い歌唱力を誇っているドギョムが、ミュージカル俳優として舞台に立つために、発声トレーニングや、自身の運命に苦悩しながら成長する主人公・アーサーの役作りに挑む姿、貴重なOST収録現場、バックステージの様子、さらに公演の主要場面もふんだんに盛り込まれたものとなっている。『ドギョム:アーサー王への軌跡 ~韓国ミュージカル「エクスカリバー」~』は2023年1月20日(金)~1月26日(木)、全国にて1週間限定公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ドギョム:アーサー王への 軌跡 韓国ミュージカル エクスカリバー 2023年1月20日より全国にて公開©2022,EMK MUSICAL COMPANY & CJ 4DPLEX
2022年12月17日映画を楽しむうえで欠かせない要素のひとつといえば、音響効果。そこでオススメの映画は、想像もつかないような道具を使って音を生み出す“音の魔術師”に迫った話題のドキュメンタリーです。『擬音A FOLEY ARTIST』【映画、ときどき私】 vol. 533映画界において、あまり知られていない職業とされているフォーリーアーティスト。足音やドアの開閉音、物を食べる音、怪獣の声など、映像に合わせてあらゆる音を生で作り上げていく職人のことを指している。そのなかでも、“台湾映画界の生きるレジェンド”と呼ばれ、国宝級の音響効果技術を誇るのはフー・ディンイー。40年に及ぶフォーリー人生で、1000本近い映画とドラマに携わってきた。そんな彼の技を目の当たりにするとともに、これまでの台湾映画史を紐解いていく。台湾のアカデミー賞とも呼ばれる金馬奨や東京国際映画祭での上映をはじめとする、大きな反響を呼んだ本作。今回は、こちらの方にお話をうかがってきました。ワン・ワンロー 監督プロデュースや助監督、編集などで映画作りに関わるようになり、2014年には詩人ルオ・フーを記録した『無岸之河』のドキュメンタリーで監督デビューを果たしたワンロー監督。今回は、撮影の裏側やフォーリーアーティストの魅力、そして日本での忘れられない出来事などについて語っていただきました。―自身のデビュー作を制作した際に、音の勉強をしようと思ったことが本作につながったそうですが、音を題材にしようと思ったのはなぜですか?監督実は、私はもともと文学や戯曲を専門にしていたので、ほかの監督のように学校で映画を学んで監督になったわけではありません。そんななか、2012年から2013年にかけて初めてドキュメンタリー映画を撮り、いろいろと模索しているなかで、音響について勉強しようと考えるようになりました。そして、ちょうどそのときに出会ったのが、フー・ディンイーさんです。そこで私は、彼からいろんなことを学びながら、彼の人生そのものを記録するいい機会になると思い、この作品を撮ることにしました。―フー・ディンイーさんのどのようなところに魅力を感じましたか?監督初めてお会いしたのはフーさんの仕事場でしたが、人としての温かさはすぐに感じ取ることができました。そして、どんなことを聞いても必ず答えを導き出してくれると思いましたし、絶対に怒らない優しい方というのが最初の印象です。ところが、実際に彼が仕事をしている様子を撮り始めると、作業に集中されていることもあり、少し怖く感じたことも……。特に、私たちがカメラを動かしたときにちょっとでも音を出してしまったときは、すごく厳しい顔をされていましたから。優しい方ではありますが、同時にとても真面目な職人なんだなと思いました。情熱を支えているのは、何よりも仕事を好きな気持ち―仕事部屋の様子もかなり興味深かったですが、間近でご覧になっていて驚いたことがあれば教えてください。監督本当に失礼な言い方になってしまいますが、物が多いのでゴミ置き場のようにも見えてしまいますよね(笑)。そのなかでも私がびっくりしたのは、自分の仕事場をどんどんと改造し、いろいろなよくわからない仕掛けをたくさん作っていることでした。たとえば、仕事場の床はすべて開けられるようになっていますが、ある場所は身長の半分くらいの深さに掘ってあり、そこにはなんと水槽が設置されているので、水を入れればプールのようになります。実際、そこに水を溜めて、プールの音を録っていて驚きました。ほかにも、いくつかの仕掛けがあるのが高い天井。弓矢を射るときに出るヒュッという音を録ろうとしていたときには、なんと本物の矢を天井に向けて放っていました。ただ、天井があまりにも高いので、いまでも矢が刺さったまま。それにもすごく驚いた覚えがあります。―リアルな音への追求がすごいですね。フーさんの仕事に対する姿勢は40年以上変わることがありませんが、それを支えているものは何だと感じていますか?監督まずは、やっぱり自分の仕事が何よりも好きだというのが一番。そして、映画に対する情熱ではないでしょうか。たとえば、フーさんは街を歩いているときでさえ、すれ違った人の足音に反応してしまい、音だけでどんな靴を履いているかを考えてしまうほど。それくらい普段から音に対して敏感なようですが、それは仕事が好きで楽しんでいる証拠でもあると思います。そしてもうひとつは、「この仕事で家族を養うんだ」という気持ちがあったから。実際、台湾も映画産業が盛んな時代があり、その給料で家族みんなが豊かな生活を送り、幸せに暮らせていたのも事実です。台湾の映画産業に貢献する使命を感じている―ただ、フーさんのような熟練の職人さんもデジタル化のあおりを受けて、現在はセミリタイア状態だとか。彼らの技術がなくなるのは映画界にとっては損失でもあると思いますが、監督はどのようにお考えですか?監督その答えは、なぜ私がこの映画を撮ったのかという話にもつながってくると思っています。というのも、台湾の映画界に関わっている以上、私は台湾の映画産業に対して責任や貢献する使命があるので、そういう意味も込めて本作を撮りました。フーさんはすでに会社から退職させられてしまっていますが、だからこそ私の仕事はフーさんの技術を記録して残しておくこと。その結果、本作が上映された翌年に、フーさんは金馬奨で年度台湾傑出映画製作者賞という映画人を讃える賞を獲りました。ほかにもよかったなと感じたのは、この映画によって若い人や映画好きな人にこういう職業があることを知ってもらえたこと。フーさんはいろんなところから招待を受け、各地で講演もされました。映画制作において、このような重要なポストがあることを知られていなかったので、それをたくさんの方に伝えられたのはすごく意義深いことだと思っています。―後継者不足も問題になってるようですが、この映画によってフォーリーアーティストという職業に対しても関心が高まったのではないかなと。監督それに関するエピソードといえば、2017年に私とフーさんでこの作品を携えて東京国際映画祭に参加したときのこと。上映後のティーチインを行った際に、高校生くらいの若い女の子が挙手をしてくれました。そして彼女は「この映画を観て、あなたの仕事にとても興味を持ちました。私もフォーリーアーティストになりたいのですが、どうすればなれますか?」と質問をしながら泣き出してしまったのです。私もフーさんもびっくりしてしまったのですが、日本と台湾では仕事の仕方も制度も違うので、どのように答えたらいいのか正直言ってすごく悩みました。最終的には「あなたがやりたいことに向かって努力し、それを実現すればいいのではないでしょうか」とコメントしたのですが、私たちにとっても非常に印象深い出来事でした。やりたいことがあれば、躊躇せずに行動してほしい―国を越えてそういった反響が得られるのは、うれしいことですね。ちなみに、日本に対しては、どのような印象をお持ちですか?監督いまお話した東京国際映画祭では、スタッフのみなさんが来客の方々に対して本当によくしてくださったので、とても順調に仕事をすることができました。観客やほかの映画人との交流の場も提供してくださったので、インターナショナルでアジアのなかでも成熟した国という印象を持っています。また、プライベートでは毎年日本へ旅行しており、スキーを楽しむのが大好きです。最近ようやく日本に行くことができるようになったので、実はさっそく日本行きのチケットを取りました。11月末に行く予定なので、できれば観客のみなさんともお会いできたらと考えています。今回はまだ雪がない時期なので、河口湖に行って、富士山を眺めながら温泉に入ろうと計画しているところです。―それは楽しみですね。それでは、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。監督いまは、いわゆる“ポストコロナ”の時代になり、不確定な要素がたくさんあるかもしれません。人生のパターンようなものが決まっていた私たちの親世代の頃に比べると、もはや「一生懸命勉強すれば人生は保証されますよ」という世の中ではないような気がしています。でも、こういう状況だからこそ、いまやりたいと思うことがあるのであれば、躊躇することなくすぐに行動を起こしてください。これが一番大切だと思っています。特に、自分がしたいことに対して愛を持って誠実に向き合えば、きっと周りの人はあなたを助けてくれるはずです。実は、私もこの映画を制作し始めたとき、取材を受けてくれるのはフーさんしかおらず、潤沢な資金もありませんでした。ところが、いつの間にか「自分もインタビューを受けてもいいよ」とか「少しでも出資したい」と言ってくださる方がどんどん出てきてくださったのです。そんなふうに不思議なことがたくさん起こって映画は完成しましたが、前向きに考えていればきっとあなたを助けてくれる人は現れます。なので、繰り返しになりますが、みなさんにも「やりたいことにはいますぐにでも取り掛かってほしい」というのは伝えたいです。仕事への愛に、胸が熱くなる!普段見ることのできない貴重な映画制作の裏側を見ることができるだけでなく、映画愛にも触れられる本作。そして、仕事に対する飽くなき探求心と尽きることのない情熱を体現する職人の姿は、観る者の心も突き動かしてくれるはずです。取材、文・志村昌美驚きが詰まった予告編はこちら!作品情報『擬音A FOLEY ARTIST』11月19日(土)より、K’s cinemaほか全国順次公開配給:太秦️©Wan-Jo Wang
2022年11月18日ドルチェ&ガッバーナはeスポーツ会社MKERS社とのコラボレーションから生まれたドキュメンタリーウエブシリーズ 「gooDGame」を公開しました。スウェットシャツ 6万6,000円(税込)この「gooDGame」は、2017 年に設立されたイタリアの e スポーツ会社 MKERS 社とのコラボレーションから生まれたドキュメンタリーで、MKERS 社は現在 12 のゲームタイトルに特化した、40 人以上の様々な国籍のチャンピオンを擁しています。このシリーズでは、国際的な 4 組のゲームチームの舞台裏と、彼らのゲーミングハウスで過ごす日常が 8 つのエピソードで描かれています。このシリーズを通し、チャンピオンそれぞれの物語、野望、情熱、国際大会に向けたトレーニング、個人かつプロフェッショナルとして成長する経験、ゲーミングステーションのスクリーンを超えて伝わるチームスピリットを視聴者に伝えます。Tシャツ 4万7,300円(税込)世界最強の e スポーツチームである MKERS、Darkzero、Mibr、Scarz の 4 チームが、ゲーミングステーション史上初の記録的なゲーミングハウスの主人公となり、強い個性を持つ 4 つの都市、ローマ(MKERS)、ラスベガス(Darkzero)、サンパウロ(Mibr)、東京・川崎(Scarz)が現実とバーチャルとの間の体験交流の場として登場します。ドルチェ&ガッバーナは 11 月、ドルチェ&ガッバーナのウェブサイトと YouTube チャンネルでの「gooDGame」公開を記念して、ゲーマー達へ捧げる限定スペシャルコレクションを第1回目のエピソードで発表。このスペシャルコレクションのアイテムはオンラインブティック(dolcegabbana.com) にて限定発売されます。ジョギングパンツ 6万6,000円(税込)公式サイト: 1: 2: 問合せ先:ドルチェ&ガッバーナ ジャパン電話 : 03-6833-6099www.dolcegabbana.com
2022年11月16日サッカー元イングランド代表デヴィッド・ベッカムのドキュメンタリー「ベッカムと弱小キッズチーム」が、11月9日(水)よりディズニープラスにて独占配信。この度、日本語版予告編と場面写真が公開された。本作は、英国アカデミー賞受賞の製作会社Twenty Twentyと、デヴィッド・ベッカム自身が設立したStudio99の共同製作作品。ベッカムがルーツであるロンドン東部に戻り、自身が少年時代にプレーしていたエコー・プレミア・リーグに所属する、リーグ最下位で降格の危機に直面する弱小サッカーチーム「ウェストワード・ボーイズ」のピンチを救うため、熱く指導する様子を描くドキュメンタリーシリーズ。映像では、試合に負け続け、ロッカールームで落胆するチームのもとに、ベッカムがサプライズで登場。「僕の何を知っている?」と問うと、「ペナルティを外した」と正直すぎる答えが返ってきて思わずベッカムも苦笑い。背が低くて選抜されなかった当時をふり返るとともに、「みんな役割がある。全員だ」と少年たちの心をどんどん惹きつけていき、失敗しても「まだ終わっていないぞ」と鼓舞しながら真摯に向き合う。練習方法や技術だけではなく、野心、チームワークについての内面的な教訓までも少年たちに教えていき、スタジアムへ招待し、本物や一流に触れる体験をさせることで、少年たちの気持ちをより一層奮起させていく姿も印象的。また、チームメンバーと真摯に向き合う姿が印象的な場面写真も公開。ピッチの外でも選手やその家族と共に過ごす時間を持ち、彼らの生活や希望、心配事について相談に答えながら共に学び、協力し、倫理やコミュニティの大切さについても選手たちを指導していく。「ベッカムと弱小キッズチーム」は11月9日(水)よりディズニープラスにて独占配信。(cinemacafe.net)
2022年10月16日マイケル・ジャクソンの大ヒットアルバム『スリラー』についてのドキュメンタリーが製作されることがわかった。監督は、音楽歴史学者、ジャーナリスト、ドキュメンタリー映画監督のネルソン・ジョージ。マイケル・ジャクソン財団公認による作品となる。映画には、これまでに公開されたことのない映像やインタビューなどが含まれているとのことだ。アルバム『スリラー』は1988年11月にリリースされ、全世界で1億枚を売り上げた。ジャクソンは2009年6月に50歳で亡くなった。文=猿渡由紀
2022年10月05日