■パーティーウェアって……必要?結論から言ってしまうと、私はいわゆる「フォーマルウエア」「パーティードレス」なるものを現在は1着も持っていない。そういったドレスを着なければいけないようなパーティーが滅多にない、というのが一番の理由。さらに、50代が上品に着れるフォーマルウエアとは何か?という問いの答えを見つけられないし、そもそも売っていない、という理由もある。結婚式や夫の仕事関係など正装を要求されるシーンはすべて、訪問着+袋帯の和装で対応している。■正装が必要な場では訪問着20代の頃に着付けを習っていたとき、先生に見立ててもらった友禅染の訪問着と西陣織の袋帯。「いいものを揃えた方が絶対に後悔しない」という先生のアドバイス通り、この30年間で数えきれないくらい着用した。着物は帯揚げと帯締めで印象が変わるため、たとえ同じ顔ぶれが揃う身内の結婚式で同じものを毎回着ていても、問題ないのがいいところ。流行がなく、20代でも50代でも、体形が多少変わっても、ずっと着ることができるのも和装のすごいところだと思う。これさえあれば、いつどんな格式高いパーティーに呼ばれても大丈夫、という安心感があるので心穏やか。母が20代の頃使っていた総ビーズのバッグ。すべて手作業で縫い付けられている。母は白いスーツに合わせて持っていたらしいが、私は和装用バッグとして使っている。時を超えて大切にしたい物。■パーティーの服装で気をつけていること私の暮らしの中で一番多い「パーティー」と呼べるオケージョンは、「仕事関係の立食パーティー」とプライベートな「ホームパーティー」だと思うので、このふたつのシーンで何を着ているか、どんなことに気をつけているかをご紹介。仕事関係のパーティーで気をつけていること仕事関係のパーティーで多いのが、セミナーなどの催し物の後の懇親会。ダークスーツの男性が多い中、浮かないようにしようとするあまり、自分も40代までは黒や紺のビジネススーツを着ていたが、50代になって却って「暗い・地味」な印象になることに気づいた。そこで、あえて明るい色を着るようにしたら、これが思いのほか好評。褒められるようになった。ビジネス関係のパーティーで気をつけているのは、・身体の線が露骨に出る服は着ない・ミニスカートや透け感のある生地、背中や肩が出ている、など素肌が露出する服は着ないの2点。これは華やかな色を身に着けたり、きらびやかなアクセサリーをつけるよりもはるかに悪目立ちする。特に40代以降の女性がやってしまうと、途端に下品になる可能性があるので、極力避けるようにしている。ノーカラーのジャケットはインナーでいくらでも華やかにできる優れもの。パンツもややワイド気味で、テロンと揺れる素材が下半身のラインを拾わず、四方から立ち姿を見られる立食パーティーにぴったり。ベージュの持つ上品さ、柔らかさを味方につけつつ、ジャケットのVラインからちらりと見える山吹色で顔周りを華やかに。ぱっと見華やかだけれど、肌もボディラインもきちんと隠すのが、ビジネスパーティーでの最も大事なポイントだと思っている。ホームパーティーにぴったりなのは、丈が長めのニットワンピース目上の方から新築したお家に呼ばれたり、赤ちゃんが生まれた従妹のお家に呼ばれたり、ホームパーティーも着るものに悩む場面。気をつけているポイントは、・汚れが気にならない服を着る・お料理を手伝ったりするので袖がまくりやすい服を選ぶ・和室に座ったり床にしゃがんだりすることが多いので、長めのフレアスカートを穿くこれらの他に、もっとも大事だと思うのは靴。玄関で脱ぐ靴は、家の主やゲストの方にまじまじと見られている!・新品かそれ同様の中敷きの綺麗なものを履いていく・玄関先で脱ぎ着がもたつくブーツやスニーカーはホームパーティーでは不向き。さっと脱げてさっと履けるものを選ぶの2点に気をつけている。ゲストの靴がずらっと並ぶ玄関ホールで、自分の靴がくたびれてみすぼらしかったら恥ずかしいもの。ここは綺麗な赤いスエードのパンプスでさりげなく目立つ作戦。すると「これ、綺麗な色の靴ね!誰の靴?」と褒められることが多い。ダブルスタンダードクロージングの黒のニットワンピースは、胸元がカシュクールになっていて、ウエストに長いリボン付き。スカート丈がとても長く、かつプリーツ加工がされていて、ふわっと女らしい印象なのに、ラクチンな服。ホームパーティー以外に、レストランでの食事会などにもアクセサリーを足してよく着ている。■パーティー用のフォーマルウェアはなくてもいいドレスコードが書かれたパーティーの招待状が、毎日のように届くのであれば、そのパーティーごとにロングドレスやカクテルドレスを新調するのは楽しいかもしれない。だが、残念ながらそんなパーティーは滅多にない(笑)。それでも街がイルミネーションで華やぐ季節。仕事にしろ、プライベートにしろ、手持ちの服に小物やアクセサリーを工夫して、いつもよりちょっと盛って装うのは気持ちが浮き立つもの。パーティー用コーデで心も身なりもきらきらさせて、師走を駆け抜けよう!
2018年12月12日