フランチェスコ・ラガッツィ(Francesco Ragazzi)によるパーム・エンジェルス(Palm Angels)が、2021年春夏コレクションを発表。2021春夏シーズン、パーム・エンジェルスはコレクション発表の時期を、通常の6月のミラノコレクションではなく、コレクションが店頭に並ぶタイミングに合わせて、リッゾーリ出版社(Rizzoli)から限定版のブックジンという新たな形で発表。今日、 最も実験的なイメージメーカーと言われるレジェンドをプロジェクトに招待し、デイビッド・シムズ(David Sims)、ロージー・マークス(Rosie Marks)、リーア・コロンボ(Lea Colombo)、エンツォ・ラガッツィーニ(Enzo Ragazzini)、フリードリッヒ・クナス(Friedrich Kunath)、ハビエル・ハエン(Havier Jaén)、ハビエル・カジェハ(Havier Calleja)、スラッシュ・ホームズ(Thrush Holmes)らと、「エスケープ」 をコンセプトに、ビジュアルコラボレーションに取り組んだ。>>その他のパーム・エンジェルスの記事はこちらから
2021年02月05日ディオール(Dior)のアイコンバッグ「レディ ディオール」から、10名のアーティストとのコラボレーションアイテムが登場。ハウス オブ ディオール ギンザ、ディオール 心斎橋店にて販売される。世界のアーティスト10名による「レディ ディオール」今回のバッグの発売は、2016年の英米アーティストとのコラボレーションプロジェクトに次ぐ第2弾「DIOR LADY ART #2」によるもの。2017年は、世界中から世代・バックグラウンドの異なるアーティスト10名を迎え、より多様な素材、サイズ、カラーやディテールが楽しめる「レディ ディオール」が展開される。レインボーカラーに詩をレタリングアンディ・ウォーホルなどと交流のある「ジョン・ジョルノ」が製作したのは、ハンドルさえもレインボーの輝きを放つ色鮮やかなバッグ。メタリックカラーで彩られたグラフィカルな「レディ ディオール」には、ジョン・ジョルノが構想した詩の一節を刻んだ。片面にはブラックのレタリングで、もう片方の面には半透明のホワイトで示し、女性が持つ強気な面と内気な面の二つの表情を映し出した。モノトーンスケッチにオレンジがアクセント過去にヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)のキャンペーンビジュアルや、アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)とのコラボレーションポーチを手掛けた「ジャック・ピアソン」。ディオールのために用意したのは、パリ滞在中に描き上げたスケッチを基にした、シルバーとグレーがベースのバッグだ。オレンジのハンドルとアールデコ調のオリジナルチャームをアクセントに効かせ、"マンガ風"の楽しさを表現した。キスするカップルをイメージ幾度となくディオールとのコラボレーションを繰り広げてきた「イ・ブル」は、多数の小さな鏡が散りばめられたシルバーバッグを、過去に銀座のブティックの天井装飾を手掛けた「デビッド・ワイズマン」は、フローラルモチーフのキルティングバッグを製作。ドイツ出身の「フリードリッヒ・クナス」は、不気味な水彩風景画の前に広がる油絵の具の厚塗りが虹を作り出す代表作を「レディ ディオール」に昇華し、キスをするカップルを描いた。ミンクとパールを縫合その他にも、世界地図をあしらった「ホン・ハオ」によるバッグや、ミンクや極小パールをパズルの縫い合わせた「ナムサ・レウバ」のバッグ、カラフルで落書きのようなモチーフが描かれた「スペンサー・スウィーニー」とのコラボレーションアイテムが登場。最年少アーティストとしては、1993年生まれのベティ・マリアーニやジャミラ・オクボが参加し、伝統的なアイコンバッグのタイムレスな可能性を感じさせた。【詳細】DIOR LADY ART #2取扱店舗:ハウス オブ ディオール ギンザ、ディオール 心斎橋店【問い合わせ先】クリスチャン ディオールTEL:0120-02-1947
2017年12月14日カイカイキキは、LAを拠点に活動するドイツ人アーティスト、フリードリッヒ・クナス氏の個展「The World Is A Beautiful Place (We’re Not Here For Long)」を開催する。会期は4月15日~5月12日 11:00~19:00(日・月・祝は休廊)。会場は東京都・広尾のカイカイキキギャラリー。入場無料。同展は、写真や立体、映像作品など幅広いメディアを用いて、米国・ロサンゼルスを拠点に制作活動を行う旧東ドイツ生まれのアーティスト、フリードリッヒ・クナス(Friedrich Kunath)氏の、6年振り2度目となる個展。今回は「風景」をテーマに、皮肉や風刺、スラングを含んだ絵画作品など、約10点が展示される。また、初日の4月15日(18:00~)には、オープニングレセプションの開催が予定されている。なお、クナス氏は同展によせて次のようにコメントしている。「出展作品において、私は、理想化された世界へと開く窓を提供し、その後、別の世界(それほど理想的でない個人的な視点、内的な動揺)と置き換えられる、いくつかの風景を掲示します。私は自然との調和を描く歴史的なイメージ/画に興味を持っています。なぜならそれは、人にその人自身のさほど調和の取れていない現実と向き合うことを強要するからです。これらの既存の概念の上に私がペイントすることで、遠く忘れた戸外、ロマン主義的な風景画が生まれ変わります。私はプライベートな内面の世界と外側の理想化された世界の間にある著しい対比に興味を持っており、作品はこれらふたつの情趣、感傷がお互いの関係において展開するアリーナとなります。」フリードリッヒ・クナス氏は1974年、旧東ドイツ・ケムニッツ生まれのビジュアルアーティスト。LA在住。幅広いメディアを用いて制作し、非常に記述的な視覚言語をそのペインティング、ドローイング、立体、写真、そしてビデオ作品に統合している。
2016年02月23日世界で活躍する現代美術家、村上隆(1962~)が集めたコレクションの全貌を初公開!2016年1月30日から横浜美術館で『村上隆のスーパーフラット・コレクション ―蕭白、魯山人からキーファーまで―』展がはじまります。天才アーティストって、どんな作品を集めるの?ちょっと気になりますよね。今回、お宝コレクションを披露してくれる村上隆は、東京藝術大学で日本画初の博士号を取得。現代美術と日本の伝統絵画、ハイカルチャーとポップカルチャー、東洋と西洋を交差させた作品で高く評価され、海外の名だたる美術館でも数多く個展を開いている人気アーティストです。そんな芸術家が集めたコレクションは、古美術から現代アート、ヨーロッパのアンティーク、家具や骨とう品など、実にさまざま。創作活動だけでなく、キュレーターやギャラリスト、プロデューサー、映画監督としても活躍している村上は、独自のセンスで国内外の美術品を収集し、一大コレクションを築きました。本展では、フリードリッヒ・クナスやアンゼルム・キーファーなどの現代アートや、曾我蕭白(そが しょうはく)、北大路魯山人の古美術など、多ジャンルの美術品を一挙に紹介。どれも美術館で見るような質の高い作品ばかりです。なかでもオススメは、村上と同じく日本を代表する現代美術家として知られる奈良美智の作品《ハートに火をつけて》。奈良作品でおなじみの、すねたような顔をした女の子の木彫で、独特のかわいさがあります。企業や財団が集めた美術コレクション展は時おり開催されていますが、芸術家が収集した美術品を見る機会はなかなかありません。本展では、展示作品とあわせてアーティスト・村上隆の壮大な芸術観をも楽しむことができます。人気アーティストの名品コレクションを見られるこのチャンス、どうぞお見逃しなく!イベントデータ:『村上隆のスーパーフラット・コレクション―蕭白、魯山人からキーファーまで―』会期:2016年1月30日(土)~ 4月3日(日)※休館日は木曜日※2016年2月11日(木・祝)は開館時間:10:00 ~ 18:00※入館は閉館の30分前まで会場:横浜美術館料金:一般 1,500円/大学生・高校生 900円/中学生 400円/小学生以下無料/65歳以上1,400円(要証明書)画像クレジット:村上隆とスーパーフラット・コレクション撮影:平尾健太郎※画像無断転載禁止
2015年12月16日村上隆の現代美術作品を中心としたコレクションを展示する大規模展覧会「村上隆のスーパーフラット・コレクション―蕭白、魯山人からキーファーまで―」が、16年1月30日から4月3日まで横浜美術館にて開催される。村上隆は、平面性や装飾性といった造形的な意味のみに限定されるものではなく、時代やジャンル、既存のヒエラルキーから解放された個々の作品の並列性、枠組みを越えた活動を示す「スーパーフラット」という理念のもとに芸術活動を行い、世界のアート界に新たな概念をもたらした現代美術家。また、アーティストとしての精力的な創作活動の一方で、キュレーター、ギャラリスト、プロデューサーなどの活動も展開している。同展では、村上が独自の価値観で厳選し、収集した5,000点を超える村上隆のコレクションの中から、約400作品を展示。地域や流派といった既存のカテゴリーに分けて作品を展示するのではなく、感覚的、または機械的に並列することで、「スーパーフラット・コレクション」の意味について考えていく。中でも「村上隆の脳内世界」のセクションでは、グラフィティー絵画からアンティーク家具、陶製のビールジョッキ、ペタンクの玉などがカオティックに展示され、まるで村上隆の脳内を覗いたような不思議な体験をすることが出来る。「彫刻の庭」セクションのグランドギャラリーでは、大型彫刻やインスタレーションを展示。アンゼルム・キーファーや、奈良美智の作品も登場する。日本を始めとした東洋陶磁や近代陶芸、江戸期の書画や資料類が陳列される「日本・用・美」セクションでは、北大路魯山人や、曾我蕭白らの作品から村上隆の美の根源を探索する眼差しをたどる。「1950-2015」セクションでは、村上隆のコレクションの中でも主要とされる1950年代から現在までの国内外のアート作品を披露。アンディ・ウォーホルや、荒木経惟、篠山紀信、ホルスト・ヤンセン、ダミアン・ハースト、フリードリッヒ・クナス、畠山直哉らの作品がほぼ制作年に沿って淡々と展示される。その他、「スタディルーム&ファクトリー」セクションの参加型作品や映像インスタレーション作品は、価値の創造や成立、労働と対価などについて考察することが出来る。【イベント情報】「村上隆のスーパーフラット・コレクション―蕭白、魯山人からキーファーまで―」会場:横浜美術館住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1会期:16年1月30日~4月3日時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)休館日:木曜日(※16年2月11日は開館)
2015年12月13日横浜美術館では、現代アーティスト・村上隆氏の現代美術を中心とするコレクションを大規模に紹介する初の展覧会「村上隆のスーパーフラット・コレクション―蕭白、魯山人からキーファーまで―」を開催する。会期は2016年1月30日~4月3日(木曜休館、ただし2016年2月11日は開館)。開館時間は10:00~18:00(入館は17:30まで)。入場料は一般1,500円、大学・高校生900円、中学生400円、小学生以下無料(前売り券あり)。村上隆氏は、展覧会名にもある「スーパーフラット」という芸術活動/概念をかかげ、現代美術と日本の伝統絵画、ハイカルチャーとポップカルチャー、東洋と西洋を交差させた一連の作品で世界的に評価されている日本人現代アーティスト。アーティストとしての精力的な創作の一方で、キュレーター、ギャラリスト、プロデューサーなど多岐にわたる活動も展開している。同展では、村上氏が近年収集している国内外の美術品約5,000点以上からなる美術コレクションを展示。その内容は現代美術を中心に日本をはじめとするアジアの骨董やヨーロッパのアンティーク、現代陶芸や民俗資料にまで及ぶという。既存の基準やヒエラルキーを超えて、村上氏の美意識と価値観で選ばれた作品・オブジェ群の一部約400点を、地域や流派といった既存のカテゴリーをとりはらい、感覚的あるいは機械的に並列することで、「スーパーフラット・コレクション」の意味について考察する内容が予定されている。○予定されている展示内容■彫刻の庭美術館エントランスの大空間、グランドギャラリーでは、大型彫刻やインスタレーションが林立。資本主義と芸術の拮抗、欲望と芸術の関係が不確定なものに金銭を出すという行為について問いかける。<展示作家>アンゼルム・キーファー/マウリツィオ・カテラン/ウォルフガング・ライプ/奈良美智ほか。■日本・用・美日本を中心とする東洋陶磁や近代陶芸の優品、江戸期の絵画や史料類を整然と陳列。生活の中の日本美、その淵源のひとつとしてのヨーロッパの雑器まで、美の根源を探索する村上隆の眼差しをたどる。<展示作家>曾我蕭白/白隠慧鶴/仙厓義梵/北大路魯山人/川喜多半泥子/縄文土器/李朝陶磁器/スリップウェアほか。■村上隆の脳内世界グラフィティ絵画からアンティーク家具、陶製のビールジョッキやペタンクの玉まで、ありとあらゆるものが展示された「玉石混交」かつ「ノーロジック」な体験空間。<展示内容>アンティーク家具/雑貨/絵画/オブジェほか。■スタディルーム&ファクトリー美術教育、歴史、価値の創造(あるいは捏造)、価値の成立(メカニズム)、労働と対価について、参加型の作品や映像インスタレーション作品を通して考察。<展示作家>デイヴィッド・シュリグリー/ミカ・ロッテンバーグ。■1950-2015コレクションの主要な柱である1950年代から現在までの国内外のアート作品を、ほぼ制作年に沿って機械的に展示。戦後から今日にいたるこの時間枠は、1962年生まれの村上隆の生きてきた時間でもある。これらの作品を通じ、村上隆の幼少時代の原体験や若き日に受けた影響だけでなく、既存の美術の流れとは異なる村上独自の美術史の文脈を考察する。<展示作家>ヘンリー・ダーガー/アンディ・ウォーホル/荒木経惟/篠山紀信/ホルスト・ヤンセン/李禹煥/川俣正/ダグ&マイク・スターン/ホルト・ケンテル/大竹伸朗/スティーヴン・パリーノ/アンゼルム・ライル/ガブリエル・オロスコ/グレイソン・ペリー/マルティン・ホナート/マーク・グロッチャン/ダミアン・ハースト/フリードリッヒ・クナス/ヒュー・スコット=ダグラス/菊畑茂久馬/谷口真人/吉村大星/畠山直哉/竹内公太/ワリード・ベシュティ/ジャン=リュック・ムーレーヌ/フランク・ベンソン/ゾーイ&ベルベットほか(2015年12月8日現在。出品作家・作品は変更の可能性がある)
2015年12月08日映画『サウンド・オブ・ミュージック』の公開は1965年。つまり今年は制作・公開50周年であり、物語の舞台であり撮影地のオーストリア・ザルツブルクでは記念式典として10月17日、ガラ・コンサートが開催された。○あの子役たちも立派な大人にエプロンをつけた金髪ショートカットの女性が丘をかけあがり、大自然の中を美しい声でのびのびと歌う映画。それだけ聞いてもすぐに『サウンド・オブ・ミュージック』と分かる人も多いだろう。「え、知らない」という人でも、「ドレミの歌」ならおなじみなのではないか。これはミュージカル仕立ての映画『サウンド・オブ・ミュージック』の中で歌われる、同作の代表的な曲といっていい。公開以来、世界的なメガヒットを成し遂げたクラシックムービーである。50周年を祝うコンサートには、1,340人の観光客と世界12カ国から集められた50人にものぼる各種メディアの数々。ファンで埋め尽くされた会場の祝祭大劇場は、最後には舞台俳優と観客の大合唱となり興奮と感動に包まれた。また、会場には50年前の当時は子役であった長男フリードリッヒ役のニコラス・ハモンド、次女ルイーズ役のヘザー・メンジーズ、次男クルト役のデュアン・チェイス、そして四女マルタ役のデビ―・ターナーのほか、実際のトラップ家(映画の主人公)の末裔たちが駆けつけ、さらに盛り上がる。撮影秘話なども披露され、ファンにとっては忘れられない一夜となった。(C)2015 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
2015年10月20日1990年に宮本亜門演出、麻実れい×白石加代子で上演、2005年には南果歩×原田美枝子によって上演されたイタリア人女性作家、ダーチャ・マライーニ作の舞台「メアリー・ステュアート」。パルコ劇場では、現在放送中の「ゴーストライター」に出演する中谷美紀と舞台女優・神野三鈴を迎えて10年ぶりに上演が決定した。本作は、血なまぐさい宗教戦争と華やかなイギリス・ルネサンス文芸の黄金時代である16世紀に生きたスコットランド女王メアリー・ステュアートと、イングランド女王エリザベス1世という同時代に同じ島の中に生きた2人の女王を描いた作品。フリードリッヒ・シラーの同名作品の翻案として、イタリア人作家のダーチャ・マライーニが女性の視点からこの2人の女王を主人公に描いた戯曲だ。この作品の登場人物はメアリー・ステュアートとその乳母、そしてエリザベスとその侍女の4人だが、演じるのは2人の女優。メアリーを演じる中谷さんはエリザベスの侍女を、そしてエリザベスを演じる神野さんはメアリーの乳母を演じる。中谷さんは、映画・テレビでの活躍はもちろんのこと、フランソワ・ジラール演出「猟銃」(’11)で初舞台にして、紀伊国屋演劇賞個人賞、読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。そして翌年の三谷幸喜演出「ロスト・イン・ヨンカーズ」では、読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞するという2本目の舞台にして頂点に立つという快挙を遂げている。そして今回演じるのは、生後6日目スコットランドの王位を継承し、国や宗教に翻弄されながらも「女」として果敢に生きたメアリー・ステュアート。中谷さん自身、舞台の参加は3度目となる。一方、メアリーと同時代に生き、政治にまつわる男女間の諍いを嫌い、「国家」と結婚をした“ヴァージン・クイーン”エリザベス一世を演じるのは、中谷さんがいま、もっとも共演したかったという神野さん。井上ひさし作品に欠かすことのできない女優として活躍し、三谷幸喜演出「三谷版桜の園」(’12)、栗山民也演出「組曲虐殺」での演技により紀伊国屋演劇賞個人賞を受賞し注目を集めている。実力派女優が繰り広げる2人の女王の物語は見ごたえのある、熱く、そしてスリリングな舞台になること間違いなさそうだ。以下、出演者コメント。■中谷美紀(メアリー・ステュアート/エリザベスの侍女)今回はステージの上にはたった二人だけですから、掛け合いの妙をお客様に楽しんでいただくためには、寸分の隙も許されません。大変な作品と出会ってしまったというのがいまの正直な気持ちです。女王というポジションは、われわれ市井の人間とは異なった特殊なもの。とはいえ、女性が人の上に立つということでいえば、会社を営んだり、あるいは部署を司ったりということで、彼女と同じ立場にいる女性も多いと思います。そしてその中で、自分の意志だけではなにも決められない、という経験のある方も少なくないのでは。そのもどかしさは、メアリーと現代の女性たちが共通して感じる部分だと思っています。メアリーは、人の上に立つ者であるにもかかわらず、感情に流されやすく愚かな部分もあって、そこが魅力的でもある人物です。エリザベスのように冷静で、自制心をもって国を治める人間と異なり、彼女はその場の感情に流されている。その二人の対比を楽しんでいただきたいですし、対照的でありながら、ともに気高い女王たちの物語を全身全霊で演じたいと思っています。■神野三鈴(エリザベス一世/メアリーの乳母)中谷さんと一緒に二人芝居を、という話をいただき、しかもそれが「メアリー・ステュアート」。演劇史に残るような作品を、大好きな女優さんとご一緒できるなんて奇跡のようです。二人だけで、純粋に作品に取り組む環境を作っていただき、演劇を志した頃の夢が叶いました。エリザベスの人生を演じることで、彼女が抱くものを昇華させてあげられたら、それが、私たちすべての女性の中にあるなにかを昇華させることに繋がったらうれしい。そして、女性ならではの苦しみや幸福、葛藤を一緒に感じていただければ。舞台という生身の人間が立つ場で、中谷さんと私が魂でぶつかり合う姿を見届けていただけたら幸せです。舞台「メアリー・ステュアート」は6月13日(土)~7月5日(日)パルコ劇場ほか順次全国公演予定。(text:cinemacafe.net)
2015年01月26日