乳がん検診の方法は、胸部超音波(エコー)検査とマンモグラフィー(乳腺・乳房専用のエックス線撮影)検査の2種類。マンモグラフィー検査は、乳房が圧迫されるため痛いとのうわさを聞いていました。30代は妊娠・出産時期と重なっていたこともあり、まだマンモグラフィー検査を受けなくてもいいかと思い、エコー検査で済ませてきました。しかし40歳の節目の年を迎え、ついにマンモグラフィー検査を受けてみた体験談を紹介します。「マンモ適齢期」になったと感じて決意私は、夫の会社の健康保険で配偶者が受けられる婦人科検診を毎年受けています。30代のうちは、近所に検診車が来てくれるので、乳がん検診はそこでエコー検査のみを受けていました。以前、エコー検査とマンモグラフィー検査のどちらが良いかをネットなどで調べた際に、「若いうちは乳腺が発達しているので、マンモグラフィー検査では乳腺の異常が見つかりづらい。エコー検査がおすすめ」と書いてあったからです。それに30代は、妊娠の可能性が常にありました。妊娠中や授乳中は、乳腺が発達するのでマンモグラフィー検査では結果がわかりづらいと聞いていたので、マンモグラフィー検査を受けても仕方ないと思っていました。30代最後の39歳。エコー検査にするかマンモグラフィー検査にするか、迷いました。しかし「痛いって聞くし、女性芸人さんがバラエティー番組でマンモグラフィー検査を体験していて、ものすごく痛そうだった……」という記憶がよぎり、結局、それまでと同じエコー検査を選択。そして40歳になり、2度の出産を経験して、もう妊娠の可能性も乳腺の発達もなさそうと判断し、ついにマンモグラフィー検査を受けることにしたのです。前半は痛くなかったけど後半は痛かった!検診車での婦人科検診ではマンモグラフィー検査は受けられないので、今年は健康診断専門の施設に行きました。行ってみると、マンモグラフィー検査はかなり大がかりな設備が必要だとわかりました。私は2方向からのマンモグラフィー検査をおこないました。撮影台の上に乳房を片方ずつ乗せ、透明な板で圧迫して乳房を薄く伸ばして撮影します。診療放射線技師は壁の向こうから操作しており、板がアームのように伸びてきて胸を挟む仕組みです。最初、横から胸を挟むときはやや強めにギュッと挟まれた感じでしたが「あれ? 痛くない」と拍子抜け。やっぱり個人差があるのかなと。ところが、検査後半の上下から挟む動きになった途端、「痛ぁああ! 胸をもぎ取られるみたい……!」と、激しい痛みを感じました。ギリギリと容赦なく、乳房を押しつぶしてきます。どうにか耐えることができたのは「その後の安心のためならここは我慢!」とポジティブに捉えていたからです。あとで改めてネットでマンモグラフィー検査について調べてみたところ、「エコー検査と比べると、しこりを作らないタイプの乳がんの発見に役立つ」とのことでした。後悔しないための健康診断を深く考えるきっかけに40代になり、「毎年健康診断を受けていて異常がなかったのに、ある日突然、病気が進行していた」という話を身近で聞くようになりました。また、私自身がフリーランスなので「自営業で定期的な健康診断を受けていなかった。そのため、いつの間にかちょっとした体調不良が大変なことになっていた」という話もよく聞きます。たとえ健康診断を受けていても病気の発生や進行の可能性はありますが、それでも、定期的に健康診断を受けることで早期発見の確率は格段に上がり、「ちゃんと受けていれば……」という後悔はしなくて済むと考えています。もし、胸部のエコー検査で見つかりづらい異常があっても、マンモグラフィー検査を加えることで二重のチェックになり、早期発見の可能性がさらに上がると思います。40代になった今、これまでより病気のリスクも上がってくるので自分の体を知るためにも、万が一のときに後悔しないためにもマンモグラフィー検査をしてよかったし、今後も継続していきたいと思います。検査結果は写真の通り「A」で問題なしでした。まとめ私は血縁者に乳がんの経験者がいないので、乳がん検診に関してこれまでそれほど重要視しておらず、「ラクなほうでいいや」と考えていました。しかし今回、マンモグラフィー検査には、エコー検査とは違うメリットがあることがわかりました。厚生労働省でも40歳以上の女性に対し、2年に1度、マンモグラフィーによる乳がん検診の受診をすすめているようです。私自身も今後もマンモグラフィー検査を受けたいと思っていますが、身体的負担(痛い……)や精神的負担(痛いのが怖い……)がすごいので、当面、「来年はエコー検査、再来年はマンモグラフィー検査」と交互に受診しようかなと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/黒田あいみ先生(Zetith Beauty Clinic 医師)美容外科、美容皮膚科、予防医学(栄養療法)、アンチエイジング専門医。Zetith Beauty Clinic 、東京美容外科沖縄院にて勤務。トライアスロン日本代表の経歴を持ち、⾃分がアスリートであることも⽣かしつつ、美と健康のスペシャリストとして「中からと外からの美と健康」を信念に、外から(美容医療)だけでなく、中から(分子栄養学、予防医学)の美と健康の権威として多くの文化人、芸能人、アスリートからの信頼も厚い。著書に、「中田敦彦のYouTube大学」でも紹介された「アスリート医師が教える最強のアンチエイジング」(文藝春秋社)がある。著者/Spinof Design(40歳)グラフィックデザインを中心に、講師やライター業などをサービスの柱としている。美術大学を卒業後、デザイン制作会社や広告代理店、印刷所の勤務を経てフリーランスに。仕事と育児のほどほどの両立を心がけている。
2024年03月23日認定NPO法人J.POSH(日本乳がんピンクリボン運動、所在地:大阪市鶴見区今津南2丁目6番3号、代表:田中 完児)は、休日の日曜日に「乳がん検診(マンモグラフィー検査など)」を受けられるよう、全国の医療機関と協力して、毎年10月第3日曜日に『J.M.S(ジャパン・マンモグラフィー・サンデー)』を行っており、今年は2023年10月15日の日曜日に実施することをお知らせいたします。J.M.S(ジャパン・マンモグラフィー・サンデー)は、子育て・介護・仕事・家事などで忙しく、平日に検診に行くことが難しい女性の皆様が、乳がん検診(マンモグラフィー検査など)を受診できる環境づくりへの取り組みです。2023年ポスター2023年サイト画像J.M.Sの詳細URL: J.POSHのURL : ■「J.M.S(ジャパン・マンモグラフィー・サンデー)」実施の背景乳がん罹患者数は、女性がんのトップになり、亡くなる方の数は年々増加傾向にあります。その理由のひとつに、40歳以上の方の乳がん(特にマンモグラフィー)検診の受診率の低さがあると言われています。対象女性の乳がん検診(マンモグラフィー検査など)を受けない理由の中に「平日は忙しいから、休日でも検診が受けられればいいのに」という声が多いのです。そこで、認定NPO法人J.POSHでは、受診率アップには「検診を受けやすい環境づくり」が重要と考え、その取り組みとして毎年10月の第3日曜日に全国の医療施設で乳がん検診(マンモグラフィー検査など)ができる「J.M.S(ジャパン・マンモグラフィー・サンデー)」を提唱し、多くの医療施設に参加いただいています。現時点(9月17日)の参加施設数は昨年を若干上回っております。新型コロナも5類感染症へと位置づけされましたが、受診率はまだ低迷しているようです。この機会に乳がん検診(マンモグラフィー検査など)を多くの方に受けていただければと思います。■実施概要実施日 : 2023年10月15日(日)参加施設一覧 : J.M.Sについて: 申込方法 : 上記URLから、お申込みをお願いいたします 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月22日「痛みや被ばくの危険性がない乳がん画像化システム『マイクロ波マンモグラフィ』の実用化に向けて、私たちはプロトタイプとなる機器を開発しました。これからいよいよ医療機関で治験がスタートし、早ければ’21年の冬以降、全国の病院に設置することを目指します」こう語るのは、世界初の画像化システム『マイクロ波マンモグラフィ』の開発者である神戸大学数理データサイエンスセンターの木村建次郎教授(40)。9月13日、神戸大学で行われたプロトタイプ機の研究成果発表には、実用化と普及促進に協力する企業関係者らが出席。新聞、テレビなどメディアも多数訪れ、大きな注目を集めていた――。厚生労働省が40歳以上の女性を対象に、2年に1回乳がん検診を受けるよう呼びかけているにもかかわらず、’16年に同省が実施した国民生活基礎調査によると、受診率は全国で44.9%。半数にも達していないのが現状だ。それほどまでに乳がん検診が敬遠されるのには、X線マンモグラフィが持つ撮影における痛み、X線による人体への影響のリスクが背景としてある。そんな乳がん検診の難点を解消したのが、この「マイクロ波マンモグラフィ」という技術だ。「微弱な電波を出すアンテナを使い、乳房の表面を軽くなぞるようにスキャンし、我々が導き出した世界初の計算理論を用いて、乳房内の構造を立体的な画像で写し出します。表面をなぞるだけで、痛みはない。さらに、機器が発するマイクロ波は、携帯電話の1,000分の1以下の微量の電波なので、身体に与える影響もほとんどないと考えられます」(木村教授・以下同)マイクロ波マンモグラフィが持つメリットはそれだけではない。「プロトタイプ機を使用した臨床研究では、高濃度乳房を含む全ての乳房で、高い乳がん検出感度を持つことが示されました」乳房は、乳腺と脂肪、そして乳房を支える靱帯で構成されている。「高濃度乳房」とは乳腺と靱帯が密集している乳房のことで、これはX線を遮断してしまうため、がんを見つけることが困難とされてきた。アジア人女性の35~50歳未満の約8割、50~65歳未満の約6割がこの「高濃度乳房」に当てはまるという。「マイクロ波は、高濃度乳房を貫通し、がん組織に当たった際、著しく反射する。その波形を解析し、数秒でがん組織を含む乳房全体を立体画像で写し出します。つまり、検査後すぐに、画像化することができるんです」木村教授は、反射して散らばったマイクロ波から、物体の形を導く計算式を世界で初めて導き出した人物。そしてその数学的理論と、高い周波数のマイクロ波を発生させ観測する半導体技術を合わせて完成したのが、この装置なのだ。
2019年09月25日「痛すぎてもう受ける気にならない……」「被ばくの心配が……」。乳がん検診の重要性が叫ばれるなか、X線マンモグラフィが抱える問題は多い。しかし、それらを一気に解決してくれる、世紀の大発明が!「微弱な電波を出す発信機を使い、乳房の表面を軽くなぞるようにスキャンするだけで、乳房の中を立体的に3次元画像で映し出します。従来のX線マンモグラフィでは見えなかったがんも、この検査器を使えば、はっきり見ることができるんです」こう語るのは、世界初の乳がん画像診断システム「マイクロ波マンモグラフィ」を開発した神戸大学の木村建次郎教授(39)。乳がん検診でおこなうX線マンモグラフィは、撮影時に乳房を板で挟むため、「信じられないくらい痛かった」という声が多く上がっていた。さらに、X線による被ばくのリスクもあるため、定期的にマンモグラフィ検診を受けたいという女性は減少傾向にある。厚生労働省は40歳以上の女性を対象に、2年に1回乳がん検診を受けるように呼び掛けているが、’16年に同省が実施した国民生活基礎調査によると、受診率は全国で44.9%と、半分以下にとどまっているのが現状だ。しかし、木村教授のチームが開発した「マイクロ波マンモグラフィ」は、乳房表面をなぞるだけなので、検診による痛みはない。さらに、乳房に当てる電波は携帯電話の1,000分の1以下、つまり被ばくの心配もないという。革新的な技術なのだ。「乳房は、乳腺と脂肪、そして乳房を支える靱帯で構成されています。乳腺と靱帯が多く密集している『高濃度乳房』の場合、X線を遮断してしまうため、がんを見つけることが困難とされていました。その『高濃度乳房』を貫通することができるのがこのマイクロ波。がん組織に当たった瞬間跳ね返されるので、数秒でがん組織を立体画像で映し出すことができます」マイクロ波マンモグラフィで特筆すべきは、そのがん検出の精度。木村教授は、本誌記者に、従来のX線マンモグラフィとマイクロ波マンモグラフィでの撮影結果を見せてくれた。どちらも、「高濃度」とされている同じ人物の乳房を撮影したものだ。X線で撮影すると、乳房全体が白く写ってしまう。がん組織も同じように白く写るため、“雪山で白うさぎを探すがごとく”と言われるほど、高濃度乳房の人のがんは見落とされやすかった。しかも、日本人女性の約4割が高濃度乳房に当てはまるとされている。しかし、マイクロ波で撮影したものは、がん組織が黒い影としてハッキリ写っているのがわかる。「反射して散らばったマイクロ波から、物体の形を導く計算式を世界で初めて解明しました。そしてその数学的理論と、高い周波数のマイクロ波を発生させて観測する高度な半導体技術を合わせて完成したのが、この検査機器なのです。これまでに、神戸大病院などの4つの医療機関で、『高濃度乳房』のがん患者や健康な人ら約250人を対象に臨床研究を重ねました。その結果、年齢、乳房のタイプに関係なく、高い確率で乳がんを検出できることがすでに実証されています」
2018年10月18日「微弱な電波を出す発信機を使い、乳房の表面を軽くなぞるようにスキャンするだけで、乳房の中を立体的に3次元画像で映し出します。従来のX線マンモグラフィでは見えなかったがんも、この検査器を使えば、はっきり見ることができるんです」こう語るのは、世界初の乳がん画像診断システム「マイクロ波マンモグラフィ」を開発した神戸大学の木村建次郎教授(39)。乳がん検診でおこなうX線マンモグラフィは、撮影時に乳房を板で挟むため、「信じられないくらい痛かった」という声が多く上がっていた。さらに、X線による被ばくのリスクもあるため、定期的にマンモグラフィ検診を受けたいという女性は減少傾向にある。厚生労働省は40歳以上の女性を対象に、2年に1回乳がん検診を受けるように呼び掛けているが、’16年に同省が実施した国民生活基礎調査によると、受診率は全国で44.9%と、半分以下にとどまっているのが現状だ。しかし、木村教授のチームが開発した「マイクロ波マンモグラフィ」は、乳房表面をなぞるだけなので、検診による痛みはない。さらに、乳房に当てる電波は携帯電話の1,000分の1以下、つまり被ばくの心配もないという。革新的な技術なのだ。「乳房は、乳腺と脂肪、そして乳房を支える靱帯で構成されています。乳腺と靱帯が多く密集している『高濃度乳房』の場合、X線を遮断してしまうため、がんを見つけることが困難とされていました。その『高濃度乳房』を貫通することができるのがこのマイクロ波。がん組織に当たった瞬間跳ね返されるので、数秒でがん組織を立体画像で映し出すことができます」早期発見で9割以上が治るといわれる乳がんだが、毎年、世界中で52万人以上、日本だけでも1万4,000人以上が亡くなっている。「毎年、全世界で乳がんになる人は167万人以上いるといわれています。マイクロ波マンモグラフィが、実用化されて世界中で使われるようになると、これまで見つからなかった乳がん患者も含め、その数は瞬間的に500万人、600万人と膨れ上がるでしょう。それでも、早期発見が可能になることで、将来乳がんで亡くなる人はゼロになると信じています」木村教授は、国に認可されるのに3年、世界中に普及するまで5~6年かかるだろうと予測している。たとえ普及に10年かかったとしても、20年後には乳がんで死亡する人が激減する計算だ。このマイクロ波マンモグラフィは乳がん患者だけでなく、医療現場からの期待も大きい。「たとえば、高濃度乳房の人に抗がん剤を試した場合、X線マンモグラフィでは、どのように変化しているかを追うことは困難です。超音波エコーを使っても、乳房内の奥深いところまではどうなっているのかわからないでしょう。マイクロ波マンモグラフィなら立体的な位置がはっきりと見えるため、1カ月に1回、定期的に撮影すれば、どのがん組織がどう縮んでいっているかを完全にモニターできるんです。がんの進行度がはっきりとわかるため、手術をいますべきかそうでないか、どういう治療がふさわしいのか、という判断を医師がしやすくなるのではないでしょうか」さらに、乳房の表面をなぞるだけの作業なので、誰がやっても同じ画像が出せるという利便性も。「うちのスタッフ20人にやらせたら、みんな同じ画像を100%出すことができました。X線を使わないので、放射線取扱主任者の資格が要りません。極端な話、病院以外の場所、たとえば駅などの公共施設に置いて、会社帰りに女性同士でやることだってできるんです。ただし、画像を見ての判断は、専門の医師にしてもらう必要がありますが」少しでも早く実用化され、全世界の女性の命を救うために、この機械が活躍する日を期待したい。
2018年10月18日『更年期をハッピーに生きる 幸年期メソッド』の著者、宇江佐りえさんに聞く、30代の体の変化と向き合って一生ハッピーに生きる方法とは? 前回 、 前々回 に続き、30代だからこそしておくべきセルフケアについて、今回は気になる「子宮・卵巣・乳がん健診」を中心にエイジングスタイリスト・メノポーズナビゲーターの宇江佐さんに聞いてみました。宇江佐りえ Rie Uezaエイジングスタイリスト・メノポーズナビゲーター。1959年生まれ。 1981年にデビューし、お天気お姉さんとして活躍。その後、CX「なるほど!ザ・ワールド」など数々のレギュラー番組を持つキャスター・レポーターとして20年活動。2000年、オリジナルインナーブランド『Re:essence(リエッセンス)』立ち上げ、アトピーアレルギーに悩む女性を中心に、皮膚科・婦人科医にも支持されるブランドに。 2011年『NPO法人 更年期と加齢のヘルスケア認定 メノポーズカウンセラー』の資格を取得。更年期とウェルネスエイジング啓発につとめ、ただいまアンチエイジングのチョコレート開発中。著書に『更年期をハッピーに生きる幸年期メソッド』(自由国民社)。 ■子宮や卵巣の病気を見逃さないために「今は、女性が集まれば乳がんの話題が出るほど、乳がんに注目が集まっています。以前に比べて30代で乳がんにかかる人が増えていますが、実はその他の婦人科の病気が増える年齢も30代なんですよ。病気そのものは話題になりますが、予防や検診に目が向かない女性が多いのが気になります」宇江佐さんがそう語るように、がんをはじめ、私たちは今、病気から身を守るためにすべきことを、もう一度確認しておきたいもの。30代の働くママであれば、会社で年に1回の健康検診を受けていると思います。でも、その検診の中身にはバラツキがある様子。30代で必ず検診項目に入っていてほしいのは、まずは子宮頸(けい)がん検診です。子宮がんには、大きく分けて「頚(けい)がん」と「体がん」の2種類があり、20代30代でもリスクが高いのは子宮頸がんのほう。感染によって発病するため、年齢にかかわらず、必ず検診を受けておきたいものです。子宮体がんは主に閉経後に増えるとされていますが、月経回数の増加により、発症年齢が若年化の傾向にあるといわれます。30代では、婦人科内診と経膣超音波検診をぜひ受けて。これは子宮内や卵巣のようすを至近距離から映像で診てもらい、卵巣がん、卵巣嚢腫、子宮筋腫、子宮内膜症などの発見につながる検査です。■懸案の乳がん検診、30代ですべきはどれ?「乳がん検診については、日本ではいろいろな説が飛び交い、いつ何を受けるべきなのかわからないという声をよく聞きます。日本の自治体が行う乳がん検診のガイドラインでは『対象者は40歳以上の女性、頻度は2年に1度、医師による問診と視触診+マンモグラフィ』となっています。でも、ずばり、言いましょう。20代、30代から、乳がん検診は受けるべきです! でも、まずは超音波検査(=エコーとも言います)をぜひ受けてください。その際ドクターに、マンモグラフィー検査について相談してみるのもいいと思います」(宇江佐さん)宇江佐さんがそう言う理由はちゃんとあります。本来、初期の乳がんはマンモグラフィのほうが見つけやすいと言われます。が、日本人は高濃度乳腺の女性が約8割と多く、この状態の乳房はマンモグラフィ検査では画像が白っぽく写り、小さな異常を見つけにくいのです。「本当を言えば、30代の罹患率が上がってきているので、個人的にはこの世代には2年に一度、超音波検診を、と思っています。ただ、乳がん検診は超音波もマンモグラフィもセットになっていることが多いので、例えば、今年は乳がん検診、来年は婦人科検診と決めてもいいと思います。2年に1回、両方一緒にやってもいいですけれど。そして、マンモグラフィを撮ったなら『私は高濃度乳腺ですか?』と医師や技師に確認しましょう。いずれにせよ大事なことはまず一回は検診に行くこと。それをしないで年を取ってはいけません。という私は30代で検診に行ったことがなかった。言い訳ですが、私の時代、20数年前は今ほど乳がんが若い世代には多くなかったんですよ。でも時代は変わり、乳がん罹患率は右肩上がりで増えているんです」(宇江佐さん)■30代こそ「かかりつけ医」を見つけるチャンス!婦人科検診は婦人科、乳がん検診は乳腺外科なので、併設されていなければ別々のクリニックに行くことになります。それがまた敷居が高く、気軽に検診に行かれないイメージがあります。「そこで、ぜひおすすめしたいのが、婦人科のかかりつけ医を持つために、検診に行くこと。30歳を超えたらぜひ、探す努力をしてください。赤ちゃんを産んで、その産婦人科とのお付き合いが続いていて信頼関係があるなら、そこでいいと思います。そうでなければ「婦人科」や「女性外来」のドクターが理想です。自分の職場か、自宅に近いところで見つけましょう。クリニックはできるだけ動線のいい通いやすいところにするのがベストですからね。もちろん最初に行ったクリニックに通わなければいけないわけではありません。相性のいいドクターと出会えるまで3~4軒行こうかな、というような軽い気持ちでまず検診を受けに行く。これが大事です。「女性外来」と銘打っているところは、お医者さんの共感率というか、女性の健康に対する理解が深い場合があるのでおすすめです。また、婦人科でエイジングケア、高濃度ビタミンC点滴や栄養療法、漢方薬、AMH検査、経腟測定などを取り入れているクリニックは、女性の生涯の健康づくりや生活の質という視点を持っていると考えてもいいと思います。産婦人科とは明らかに違い、女性の健康に対する意識が広い、と言ってもいいかもしれません。なにせこれからの時代は、婦人科医を味方にするのが賢い女性の生き方だと思っています」(宇江佐さん)働くママは、自分のためにそんなに時間やお金をかけられない、という人もいるでしょう。でも、ママが乳がんなどの病気になったとき、子どもがどれだけストレスを受けるか、そういう想像もしてみる必要があります。検診は自分のためだけじゃなく、家族のため、それから自分の職場で一緒に働いている人たちのためにも大切なこと。『子どもやご主人の誕生日、結婚記念日などに検診へ行く』と決めておくのもいいでしょう。「嵐のような毎日を送っているからこそ、自分の中の声に耳を傾けるヒントやフックになるものを見つけて、それをクセにしてほしいんです。いい習慣はかならず力を発揮してくれますから。将来更年期に入って、もし不調が出ても婦人科で治療できます。すべての女性が通る人生の時期と上手に付き合うために、30代から『あなたのメソッド』を見つけて、ぜひ習慣化してくださいね。これが30代のみなさんへ、無防備に30代を過ごし、歳をとったと反省している私からのメッセージです」(宇江佐さん)<参考書籍> 『更年期をハッピーに生きる 幸年期メソッド』 (自由国民社/1300円+税)
2017年07月21日乳がん検診では、視・触診、超音波検査のほかに、乳房をX線で撮影する「マンモグラフィー」という検査が行われる。このマンモグラフィーについて、先日、歌手の宇多田ヒカルさんがツイートして話題となった。宇多田さんがマンモグラフィーを受けるにあたり豊胸手術の経験有無を聞かれたことから、「豊胸してるとマンモ出来ないらしい(原文ママ)」とつぶやいたものだ。"胸は大きくできても、乳がん検診はできなくなる"という内容が拡散され、豊胸手術を含めた美容整形について、漠然とした不安を抱いた人も少なくないだろう。そこで今回は、胸部・乳腺外科の法村尚子医師に、マンモグラフィーの注意点についてお聞きした。――「豊胸手術をした人はマンモグラフィーができない」というのは本当ですか?マンモグラフィーは、2枚の板で乳房を挟んで圧迫する必要があります。シリコンバッグを使って豊胸をしている人は、バッグの破裂や破損が起こる可能性があり、マンモグラフィーを断られる場合があります。――断られない場合があるのはどうしてですか?「プッシュバッグ法」と言って、シリコンバッグを避けて表面の乳腺だけを検査する方法もあります。ですが、実施していない施設も多く、シリコンバッグを使って豊胸をしている人はマンモグラフィーを断られることが多いと思われます。――シリコンバッグによる豊胸手術をした人以外で、マンモグラフィーを受けるのが難しい条件はありますか?妊娠中の人や妊娠の可能性がある人、ペースメーカーや静脈ポートを装着している人は、マンモグラフィーを受けられません。前述のとおり、シリコンバッグによる豊胸手術をしている人はマンモグラフィーを断られることもありますが、脂肪やヒアルロン酸を注入する豊胸法の場合は可能です。ただし、注入した脂肪やヒアルロン酸が石灰化やしこりとして写り、診断しづらくなることがあります。誤診やトラブルを避けるため、どんな豊胸法であっても、事前に豊胸手術をしたこと(わかる場合はどのような豊胸法か)を伝える必要があります。※写真と本文は関係ありません○取材協力: 法村尚子(ノリムラ・ショウコ)胸部・乳腺外科2005年香川大学医学部医学科卒。現在、高松赤十字病院胸部・乳腺外科副部長。乳腺外科を中心に女性が安心して受けられる医療を提供。また、En女医会に所属し、ボランティア活動や各種メディアにて医療情報を発信している。資格乳腺専門医、外科専門医、がん治療認定医などEn女医会とは150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加している会。さまざまな形でボランティア活動を行うことによって、女性の意識の向上と社会貢献の実現を目指している。会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用。また、健康や美容についてより良い情報を発信し、医療分野での啓発活動を積極的に行う。En女医会HPはこちら。
2017年03月01日皆さんは乳がん検診を受けたことがありますか? 私は30歳を過ぎて「子どもが成人するまでは、働ける健康体でいたい!」と自分の体のことが気になるようになってきました。病気を早く見つけ、問題のないうちに治療するためには検査が何よりも大事です。そこで前から気になっていた「マンモグラフィ」を受けることに! 「胸が潰されて痛そう」「何分かかるの?」そんなマンモグラフィの疑問を、実際の体験を基に解消していきましょう。■乳がん早期発見のための触診+マンモグラフィ乳房X線検査であるマンモグラフィの目的は、乳がんの早期発見です。これまでは目で診るほか、指で触ってしこりの有無や状態をチェックする触診が主でしたが、それだけでは早期発見が難しいこともあって、現在ではマンモグラフィと合わせた検診がすすめられています。マンモグラフィでは乳がんの初期症状のひとつである「石灰化」や腫瘍を発見することができます。石灰化とはカルシウムの沈着のこと。石灰化自体は体中どこにでもおこるもので、仮にどこかに石灰化があっても、それが「がん」になるわけではありません。ただし、乳がんについては、がんの初期症状に石灰化をともなう場合があるので、検診で確認しているというわけです。マンモグラフィでは、触診で発見できない小さな石灰化もはっきりと映るので、乳がんの早期発見に役立つのです。■マンモグラフィを受けてみた!私が予約したのは女性専用のクリニック。利用者も先生も全員女性なので検査自体もリラックスした雰囲気です。検査では上半身裸になります。そのまま検査装置の前に立ち、乳房を前に引っ張って検査台に乗せ、圧迫板で圧迫して撮影します。次に、角度を斜めに変えます。斜め方向に乳房を引っ張り、同じように圧迫板で圧迫して撮影。左右の乳房をそれぞれ撮影し終えたら、マンモグラフィは終了です。写真1枚撮影するのに1~2秒、検査室に入ってから検査終了まで10分もかかりませんでした。検査中はスタッフさんが「もうちょっと前に」「腕はここに」「動かないでくださいね」と手取り足取り教えてくれ、とてもスピーディ。あっという間に終わりました。 ■本当のところ、痛みってどれくらい?圧迫による胸の痛みについては、引っ張られているので確かに痛みはありますが、個人的に「あ、これで大丈夫なの?」と感じる程度でした。圧迫されている時間が数秒と短いことと、胸を圧迫する感覚がわかっていたことが理由だと思います(うつぶせ寝などで)。胸の圧迫は石灰化をはっきり映すために必要です。脂肪や血管が重なって石灰化が映らないための措置とスタッフさんから事前説明もあり、「どうして痛い思いをしなきゃならないの?」という疑問もきちんと解決してから受けることができるようです。また「胸が挟めないくらい小さいと受けられない?」と心配な人がいるかもしれませんが、実際は男性も検査することがあるため、心配は無用です。今回は触診とマンモグラフィを合わせた検査を受けてきました。触診では先生から自己検診の方法などもレクチャーされ、病気の早期発見の大切さを教わりました。女性特有の検査は「まだいいか」「恥ずかしい」と後回しにしてしまいがち。でも、家族にとってはあなたが健康でいることが何よりも大切です。普段のスケジュールに組み込み、検査を習慣化して自分の体を気遣ってあげましょう。それがきっと家族の喜びにつながるはずです。
2016年04月17日東北大学は11月5日、40歳代女性を対象とした乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験から、マンモグラフィに超音波を加えることで早期乳がんの発見率が約1.5倍になるなどの結果が得られたと発表した。同成果は、東北大学大学院医学系研究科 大内 憲明 教授らのグループによるもので、11月5日付の医学誌「the Lancet(電子版)」に掲載された。今回の試験は、2007年7月から2011年3月にかけて、全国42の研究参加団体を通じ、7万6196人の女性の参加同意を得て施行された。参加者は参加同意後に 1:1 の割合で、マンモグラフィに加えて超音波検査を実施するグループ(介入群)と、通常のマンモグラフィ検診を実施するグループ(コントロール群)にランダムに割り振られ、初回および2年後の検診を受診した。その結果、介入群では感度91.1%、コントロール群では感度77.0%であり、有意差を持って介入群で感度が上昇。乳がん発見数、発見率においても介入群で有意に高値となった。発見がんのステージ別評価では、ステージIIまたはIII以上の発見がん数は、介入群、コントロール群で差は見られず、超音波検査はステージ0またはⅠのがんの発見に寄与していることが明らかとなった。一方で、介入群では精密検査が必要と判定される人の割合である要精検率が有意に上昇、針生検などの侵襲的な追加検査の施行数も増加しており、検診の不利益も増加していることがわかった。今後は、超音波検診導入による利益と不利益との相対バランスを厳密に検討することが不可欠であるとしている。
2015年11月05日乳がんにかかる女性は30代から40代にかけて急増すること、知っていますか? アラフォー女子と乳がんは切っても切れない関係。私たちは何をどう気をつければいいの? 乳がん検診の必要性は? 自分のカラダに関わる大切な問題、しっかりと目を向けていきましょう。乳がんは怖くない病気、必要以上に恐れなくてもいい病気今回教えていただいたのは、同世代の乳がんサバイバー(がんを経験した人)であり、モデルの藤森香衣さん。そして、乳腺専門医で乳がんの知識や検診の普及に長年尽力している島田菜穂子先生にもお話をうかがいました。藤森香衣さん1976年生まれ。モデル。11才からモデルを始め、広告を中心に活動。出演したCMは70本を超える。長年の経験で培った知識や感性を活かし、ユーザーの目線に立った様々なプロデュースを展開。2013年4月、乳がんにより右乳房を全摘出。同時に乳房再生治療を受ける。がんについての知識を広めるため、手術と同時に病気を公表。がん全般の啓蒙活動にも積極的。オフィシャルブログ「白花の薫り」、Doctor’s Me「藤森香衣のがんコラム」 「日本女性の16人に1人が乳がんにかかる」と言われていたのは数年前。それが「14人に1人」に変わり、最近ではもう「12人に1人」と修正されています。「10人に1人」になるのは時間の問題でしょうか?「みなさん、知り合いや身内に、乳がんにかかった人が1人か2人いますよね。私は祖母がそうでした。しかも20代の友人を乳がんで亡くしました。そしてその翌年、私自身、自分の胸にしこりを見つけたんです」淡々と話す藤森さん。乳がんにより2年前に右乳房を全摘出したことが、嘘のようなキラキラした笑顔が印象的です。しこりを見つけた当時、藤森さんは35歳。乳がんにかかるのは40代や50代だけなんて言われていたのは以前の話。確かにピークはそうですが、残念ながら年代にかかわらず、20代30代40代…各年代まんべんなく乳がん患者が増えているのが現状です。乳がんは、日本を含む先進国で増えている病気。昔ながらの生活を営む開発途上国では患者数がさして増えていません。食生活が豊かで、発育や健康状態がよくなったこと、出産・授乳経験が少なくなったことなど、生活様式の変化が乳がん増加の原因になっていることは確かなようです。 さて、藤森さんが自分の右胸にしこりを見つけたのは、亡くなった友人の『ちゃんと検診を受けてほしい』という声がまだ記憶に新しかった時期。すぐに近くの乳腺科を受診しましたが、乳がんではないとの診断。ただ、しばらくするとしこりが大きくなっているような気がして、翌年別のクリニックで検診を受けました。そこで「0期の非浸潤がん」と診断されたのです。その時がんを見つけたくれたのが、ピンクリボンブレストケアクリニック表参道の島田菜穂子先生でした。「ご自分で触って見つけた乳がんが、藤森さんのように0期というのはなかなかないこと。セルフチェックを真面目にされている方でも、発見するのは大抵2cmくらいになってからなんです。早期であれば90%以上、限りなく100%に近く治ります。乳がんは他のがんと比べても、怖いものではないということ、だから早期に発見すべきだということを、もっとみなさんに知ってもらいたいですね」と島田先生。【 乳がんの病期(ステージ)分類 】 Tis:乳管内にとどまるがん。非浸潤がん(超早期)0期:しこりや画像診断での異常な影を認めないものⅠ期:2cm以下のしこりで、リンパ節への転移がないと思われるものⅡ期:2cmを超える5cm以下のしこりがある、もしくはリンパ節への転移が疑われるものⅢa期:しこりが5cmを超えるものⅢb期:しこりが皮膚などに及んでいるものⅣ期:しこりの大きさを問わず、他の臓器に転移がみられるもの乳がんて何? 正しい知識を身につけたい乳がんは乳腺(母乳をつくるところ)にできる悪性腫瘍のこと。初期には食欲が減ったり、体調が悪くなるなどの全身症状はほとんどありません。唯一の変化、乳房の異変に気付かずに放置しておくと、乳腺の外にまでがん細胞が増殖し、血管やリンパ管を通って全身へと広がっていきます。乳房のわずかな変化を見逃さないことが何より大切です。しこりは、1cm〜2cmくらいの大きさになると、自分で注意深く触るとわかります。ただ、しこりがあるからといって、それが必ず乳がんであるというわけではありません。がん細胞が増え始めてからの症状としては、痛み、血液が混じったような分泌物が出る、乳首のただれ、皮膚のくぼみ、赤く腫れたりオレンジの皮のように毛穴が目立つ、脇の下のしこり、などさまざまなものがあります。藤森さんは結局、乳がん摘出手術をするための精密検査によって、同じ胸にあと2つしこりが見つかり、右胸を全摘出する決心をします。自分を奮い立たせ、手術では乳房の同時再建をしてもらおうと気持ちを切り替えました。「落ち込んでいるだけでは何も始まらない。これからどう生きていくかを考えることのほうが重要」だと気がついて。「もちろん怖かったですよ、ずっと。私は仕事柄もあって、以前から女性の体と健康、病気などについては調べているほうだったと思います。それでも、祖母が乳がんによって両胸をなくしていたこともあり、小さいときからがんを怖がっていました。それに、テレビドラマなんかだと、どうしても死んでしまうイメージが強いじゃないですか。でも実際は、早期に発見された乳がん患者の大半は生存しています。正しい知識を持っていれば、必要以上に怖がらなくて済みますし、早期に発見できるようにきちんと乳がん検診を受けておこうと考えるようになると思います。病気に関わる知識は理解するのがなかなか難しいものですが、間違った情報に一喜一憂しないよう、きちんと覚えておきたいものです」(藤森さん)乳がんになりやすい「リスク」を調べて、立ち向かう勇気を「近親者に乳がんになった人がいる人は自分もかかりやすい、と聞いたことがあると思います。研究が進むにつれて、乳がんのかかりやすさはもう少し詳しくわかってきました。乳がんについては日々、情報もアップデートされるので、今わかっていることだけでも知っておきましょう」(島田先生)乳がんの「リスク」、本当のところこれまでの研究で、乳がんに関係すると考えられる危険因子は徐々に明らかになってきています。特に、乳がんの発症は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌と密接な関係があり、月経の回数の多さが影響していると言われます。初潮が早くて閉経が遅い人、出産・授乳経験がない人は自ずと回数が多いということになります。□ 母親、姉妹など家族にがんになった人がいる□ 授乳経験がない□ 乳がんや良性の乳腺疾病になったことがある□ 初産年齢が30歳以上 □ 身長が高い□ 閉経後、肥満になった□ 初潮年齢が早い□ 閉経年齢が遅い□ 生まれたときの体重が重い□ たばこを吸う日本乳癌学会編「科学的根拠に基づく縫う右岸治療ガイドライン2 2013年版」よりその他、家族歴はなくてもピルを10年程度使ったことがある人、不妊治療をされた女性などもリスクは上がることになります。でも、このような危険因子に当てはまる項目が多いからといって、必ず乳がんになるというわけではなく、逆に全く当てはまらないからと言って絶対に安心とも言えません。どんな人にも可能性はある、と捉えるのが賢明です。リスクファクターのうち、家族歴は特に気になるところ。お母さんや姉妹が乳がんになった女性は一般の人に比べて2倍以上、乳がんになるリスクが高いという調査報告があります。乳がんという病気そのものが遺伝するわけではないのですが「なりやすい体質」が遺伝すると考えられています。でも、がんは遺伝要因だけでなく、環境要因も大いに関係があります。環境要因というのはその人の食生活や喫煙、過度の飲酒、ストレス、生活環境など。環境要因と遺伝要因のかけ算の結果によって、発症リスクが上がると考えましょう。やはり気になる「遺伝性乳がん」近年、注目されているのが「遺伝性乳がん」。これは、正常な細胞がガン化するのを抑える「がん抑制遺伝子」が欠如したり変異したりするがんで、両親のどちらかから遺伝します。既に発見されているのは「BRCA1」、「BRCA2」と呼ばれるがん抑制遺伝子で、このどちらかの遺伝子に異常がある女性の7~8割が乳がんになるとい言われています。遺伝性乳がんの特徴は・・・◎若い年齢で発症しやすい◎乳がんと卵巣がんを併発しやすい◎男性が発症することもあるなどです。≪遺伝性乳がんの可能性チェック≫血縁者に乳がんの人がいて、次の項目にひとつでも当てはまると、一般の人よりも乳がんの遺伝子を持っている可能性が高くなります。□ 40歳未満で乳がんを発症した人がいる□ 年齢を問わず、卵巣がんを発症した人がいる□ 男性で乳がんを発症した人がいる□ 父方・母方どちらか一方の家系内で2人以上、乳がんや卵巣がんを発症した人がいるこういったチェックからBRCA遺伝子の変異が疑われる場合には、遺伝子検査が検討されることもあります。ただ、現在は健康保険適用外で、実施している医療機関は限られ、検査の前には「遺伝カウンセリング」を受けることも必要で、費用も高額になってしまいます。遺伝性がんと言えば、アンジェリーナ・ジョリーさんが、乳がんを予防するため両乳房を切除したことはまだ記憶に新しいはず。これについて、藤森さんはこう語ります。「その理由を『母親ががんだったのでリスクが高いから』と単純に受け止めてしまった人は『健康なおっぱいを取るなんてやりすぎじゃないの?』と考えたことでしょう。でも、彼女の場合はBRCA1遺伝子に変異が見つかった。その結果、生涯で乳がんが発症するリスクが87%という診断を受けたそうです。それが自分だったとしたら…? 女としての決断を迫られるほど重大なこと。誰も彼女の行動を責められないと思うんです。実は、私も遺伝子検査をしました。手術の後、ドクターに勧められてしたのですが、手術費や治療費に加えて、高額な遺伝カウンセリングと検査。医療保険に入っておいて本当によかった! と思いました。遺伝子検査は自費なうえ、手術から検査までの合計金額は、医療保険がなかったらかなりの負担です。がんのリスクと保険は切っても切り離せない、それが現実。アラフォー世代は、がん保険や女性特約など、きちんと見直したほうがいいですね。病気になると精神的にも大変だから、お金のことくらいは心配しなくてもよいように。特に、お子さんがいたり、休職しなければならない人は経済的負担も大きくなりますから。これ、大事ですよね」自分の体は自分で守る! 早期発見のためにできることは “検診”早期に発見できれば、9割以上が治る乳がん。藤森さんが自ら発見したことからもわかるようにセルフケア=自己検診はやはり大事です。自分で乳房に触れたり観察して、変化がないかをチェックしましょう。「あまり難しく考えることはありません。バスタイムに石鹸がついた手でやるか、アフターバスにボディクリームなどをなじませるのを兼ねてでもいいのです。乳房の凹凸がわかるように指を動かします。毎日触っていれば、何か異常があったときにわかりますよね。検診では医師が触診しますが、普段のあなたの胸と比べることはできませんから」(島田先生)そして、医療機関で行われる乳がん検診には次のようなものがあります。【視触診】医師が乳房を診察し、しこりの有無を判断する検査。形状や皮膚の変化を目で見て、指で乳房や腋の下などに触れ、しこりの有無を調べます。【マンモグラフィ】乳房のX線検査のこと。小さながん、石灰化のある乳がんの発見に適しています。検査の精度は、約80~90%。乳房をプラスチックの板ではさんで平らにして撮影するため、多少の痛みがあります。また、乳腺密度が高い人や若い人の場合は、わかりにくいのがデメリット。X線による放射線の被曝は、東京からサンフランシスコまで飛行機で移動中に自然のなかで浴びる放射線量と同程度なので、適切な設備と撮影方法、頻度で行えば、健康に重大な影響を及ぼすことはないことがわかっています。【超音波(エコー)検査】超音波により、乳房の病変を検査する方法。医師の触診だけでは発見できない小さいしこりや、しこりの良性・悪性の診断に用いられています。乳腺が発達していてマンモグラフィではしこりと乳腺の区別がわかりにくい人でも、超音波検査なら判別ができます。放射線被曝がないので、妊娠中の方や若い人の検査にも適しています。“検診”は何歳から? その頻度は?自治体が行う乳がん検診のガイドラインでは、「乳がん検診の対象者は40歳以上の女性、頻度は2年に1度、医師による問診と視触診+マンモグラフィ」となっています。島田先生、検診は40歳になったらやればいいのですか?「いいえ。30代でも受けてほしい人はいます。家族歴や女性ホルモン剤の使用歴など、個々で乳がんのリスクは違いますから。自治体の検診は個人の乳がんの早期発見問う観点だけでなく、日本女性を集団で見たときに一番利益の高くなることを考えたガイドラインになっています。どういうことかというと…、国民全体のがん死亡率をお金をかけすぎずに、しかも病気が手遅れにならない時期に発見する方法を考えているということ。乳がんになる頻度の多い年代に対し、早期発見の効果が証明されている方法で必要最小限の費用負担で行った対策なんですね。ですから、40歳未満であっても『多かれ少なかれ誰にでも乳がんのリスクがある。また乳がんのリスクや、乳がんを発見するために必要な検査は人によって違う』と知った人は、ぜひ乳がん検診を受けてほしいのです」(島田先生)島田先生が提案するガイドラインは…▼20代でも検診を受けてほしい人・家族、兄弟姉妹、伯父叔母、いとこなど2名以上が特に閉経前に乳がんや卵巣がんにかかったことがある人・家族歴はなくてもピルを長期間使用したことがある人・家族歴はなくても長期にわたって不妊治療をした人▼30代半ばで検診を受けてほしい人・女性全員「国の指針はあくまでの国民全体の利益を考えたものですので、稀ながんや、通常だと頻度の少ない年代のがんの検診は、国の健康対策として税金をかけて行うのは難しいでしょう。限られた大切な税金ですから、個々のリスクに対するサポートを国に求めるのが難しいのは、国民も理解しなけばいけないところです。だからこそ、私たちは一人一人が病気に対しての関心と知識をもって、自分に必要な検診があれば、自ら進んで早くからスタートすべき。家族に遺伝性がんの人がいる場合は、20代でも半年~1年に一度は、医師による視触診や適切な画像診断(マンモグラフィや超音波検査、MRIなど)を受けることが望ましいと思います。また、30代半ばで検診を受けてほしいと思うのには理由があります。現在発見される乳がんの平均径は2cm前後のしこりで発見されることが多いのですが、2cmになるまでには約10年かかります。そして現在もっとも乳がん発症が判明する年代は40代半ば。つまり、10年前、30代半ばでがん細胞が発生している方が多くいるということです。そうすると、できるだけしこりを作る前の早期の乳がんを発見するには、少なくとも30代半ばからは、コツコツと定期的な検診を続けることが必要なんです」(島田先生) また、自治体の検査が「2年に1回に視触診+マンモグラフィ」というのはなぜ? 超音波(エコー)検査はしなくてもいいの? 島田先生、実際はどうなのでしょうか?「最初はマンモグラフィも超音波も、両方受けてほしいです。家族歴やリスクなども医師と共に見直して、濃い検査を受けてみてもらいたい。そうすれば、次にいつどんな検査が必要かも、自ずと決まってきます。2回目からは、個々の乳房のコンディションやリスクに応じてできるだけ無駄を省いて必要な検査を絞ることもできます。検診を続けるには、無駄に時間やお金をかけすぎるのはもったいないですからね。40歳になれば、自治体から検診の案内が来ます。無料〜3,000円くらいなので、これはぜひ受けましょう。それと併用して、自分に必要な検査があれば自費の検診を賢く受け続けていくことが、早期発見、自分の体を乳がんから守ることになるのです」(島田先生)職場で、友達同士で乳がんを話題にしよう。乳がん検診に行こう!「乳がんで亡くなった友達のメッセージは『とにかく検診を受けて』それに尽きます。0期で発見された私が、自分の経験を公表してみなさんへ伝えていけるのも、同じく検診の大切さなんです。現に私は、最初の受診でがんではないと診断されましたから。自ら進んで2度目の検診に行かなかったらと考えると…、検診の重要性がわかってもらえると思います。それなのに、乳がん検診を受ける人の数はあまりにも少ないんです。ピンクリボン運動は知っている、さらにピンクリボンのキャンペーンやイベントに参加もしているのに、乳がん検診に行っていない、そんな人もいるのが現実。悲しいですよね」(藤森さん)ピンクリボンキャンペーンの認知度が高くなり、乳がん検診受診率も上がったといわれますが、実はまだ30数%。諸外国に比べると、日本の検診受診率がいかに低いかがわかります。 「どうして行かないのか聞いてみると、『私はまだ大丈夫』という人も少なくありません。アラフォー世代は、まだ子供も手がかかるし仕事も頑張る時期。『忙しくて自分のことなんてかまっていられないから』という人もいます。ひどいと『もし乳がんだったらコワイから』なんていう人も! 怖いから行くんですって!」(島田先生)確かにこんな調査もあります。【 なぜ検診に足が向かないのか、その理由 】 1位 受診する機会がなかったから 39% 2位 何の症状も心配なところもないから 36% 3位 撮影中痛かった(痛いらしい)から 26% 4位 費用が高いから 24% 5位 家族に乳がんの人がいないから 22% 6位 時間がないから 22% 7位 仕事が休めないから 22% 8位 どこで受けられるかわからないから 14% 9位 面倒だから 13%10位 医師や技師が男性だとハズカシイから 9%【乳房健康研究会が2013年に行ったアンケート調査】よりでも、いまこれを読んでいる人は、上のような理由で「検診に行かない」とは言えないはずです。行動を起こしましょう。検診が受けられる場所を探しましょう。▼乳がん検診が受けられる場所 By 認定NPO法人 乳房健康研究会あなたの町の乳がん検診実施状況 ▼乳がんの検査設備の整った施設リスト By 認定NPO法人 乳房健康研究会 ▼乳がん検診無料クーポン券の配布対象者 By 厚生労働省乳がん検診無料クーポン券は前年度(去年4月2日から今年の4月1日までの間)に40歳、45歳、50歳、55歳、60歳になった女性のみなさんを対象に、お住まいの市区町村から送付されます。※市区町村により、配布内容は異なります。詳しくは市区町村のがん検診担当窓口にお問い合わせください。市区町村ごとの問い合わせ先を探す↓ 島田菜穂子 先生ピンクリボンブレストケアクリニック表参道 院長。2000年、乳がん啓発団体・乳房健康研究会を発足させ、乳がん啓発団体として日本初のNPO法人認証を受ける。同副理事長。乳がん認定医、放射線科専門医、認定産業医、日本体育協会認定スポーツドクターなどの認定医資格も持つ。乳がん関連の著書、監修が多数。最近の監修は「乳がんから自分をまもるために、知っておきたいこと。」(日本医療企画)。ピンクリボンブレストケアクリニック表参道
2015年05月22日肌のハリやシワ、髪、身のこなしなどから想像した年齢と、実年齢があまりに違ってビックリ…なんていう経験、誰にでもあるのでは? 同じアラフォー女子なのに、20代に負けない若さを保っている人もいれば、早くも老化を感じさせる人もいます。その差はどこから来るのでしょう? 「それはズバリ 『卵巣の働き』 の差です!」と答えてくださったのは、大人の女性の健康に詳しい婦人科医の小山嵩夫先生。見た目の若さと卵巣の関係について、より詳しく伺いました。小山嵩夫先生 プロフィール婦人科医。専門は生殖内分泌学、女性の健康増進。日本のHRT(女性ホルモン補充療法)の第一人者として知られる。1996年、女性の健康管理を目的としたクリニック「小山嵩夫クリニック」を銀座に開業。「NPO法人 更年期と加齢のヘルスケア」および「一般社団法人 日本サプリメント学会」理事長として、更年期前後から元気に生きるための啓発活動を行っている。著書に『遺伝子を調べて選ぶサプリメント』『女性ホルモンでしなやか美人』(ともに保健同人社)、『40歳であわてない! 50歳で迷わない!もっと知りたい「女性ホルモン」』(角川学芸出版)など。 見た目の若さは、「卵巣」の若さに比例する!「女性美はもちろんですが、若さを保つのは女性ホルモンに他なりません。これこそ最大の要。生殖に関わる器官だけでなく、皮膚や髪、骨、脳など全身に作用して、女性らしさと同時に健康と若さをキープする役目を担っています。でも、女性ホルモンはどこから来るか知っていますか? 勝手に湧いてくるわけでもどこかで作られるわけでもなく、卵巣から分泌されるものなんですよ。そう、元締めは卵巣です。卵巣が若くバリバリ働いてくれなければ、女性ホルモンを正しく分泌することはできません」と小山先生。最近「30代で子宮力が落ちる」などという言葉を耳にしますが、これは正しい言い方ではありません。「子宮力」とは、脳の指令に従って卵巣が女性ホルモンを出し、これよって子宮が妊娠の準備をしたり月経を起こしたりする、一連の動きのことを指しています。若く保つべきは、子宮ではなく卵巣なのです。閉経する年齢にかなりバラツキがあることからわかるように、卵巣の老化にも個人差があります。卵巣が老化し始めの頃は自覚症状が出ないため、うっかりしていると水面下で老化がどんどん進んでしまうことになります。まずは、あなたの卵巣がどれくらい若いかをセルフチェックしてみましょう。卵巣の老化が加速するターニングポイントは、37歳!女性の約9割は45〜55歳までの間に閉経を迎えます。そのため、一般的にこの時期を「更年期(閉経周辺期)」と呼ぶようになりました。それは卵巣の機能が目に見えて衰える時期です。ただし、更年期になって突然老化するわけではなく、30代から早くも始まっていると考えられています。さて、あなたの卵巣は元気にバリバリ働いていますか?▼若さのバロメータ「卵巣機能」をセルフチェック!以下の項目のうち、当てはまる点数を合計してください。さあ、どの程度当てはまりますか?*程度の目安 ◎=確実に当てはまる ○=なんとなく当てはまる △=ときに当てはまる ×=当てはまらない【合計点による評価】0~25点:卵巣機能は良好です。40歳を過ぎたら年1回は婦人科検診を。26~50点:卵巣機能に不安があります。生活習慣を見直してみましょう。51~65点:卵巣機能が落ち、更年期の状態です。婦人科の受診をおすすめ。66~80点:更年期症状があります。他に何らかの疾病が隠れている可能性があるので、婦人科で相談しましょう。81~100点:更年期症状の他に、心身症的な疾病の可能性もあります。長期的な対応が必要です。 「40歳前後の女性が、20代のように卵巣が若いということはほとんどありません。卵巣は肌や器官などと同じように、年相応に老けていくんですよ。どちらかと言えば、卵巣は他の器官より早めに老化現象が始まるといってもいいくらいです」小山先生によれば、卵巣はだいたい次のような段階を経て老化していき、閉経を迎えると考えられているそうです。●第1段階:31歳頃から、卵子の質が低下し始める。●第2段階:35歳頃から、活動的な卵胞の数が減少し、妊娠しにくくなる。●第3段階:41歳頃から、活動的な卵胞が30歳代の10分の1以下になり、妊娠率が著しく低下する。●第4段階:45〜55歳頃、月経不順になり、やがて閉経する(更年期)。第2~第3段階にいるアラフォー女子は、更年期のすぐ手前にいます。ルックス的にも肉体的な若さにも影響が出てもおかしくない時期。卵巣の状態が気になり始めたら、そろそろ更年期へ向けての準備を始めましょう。自分の卵巣年齢、体内年齢を知ることがとても大切さて、誰にでも訪れる更年期を前にして、アラフォー女子がしておきたいことはなんでしょう? 小山先生が教えてくれます。「大きなテーマは『健康評価』です。卵巣の老化は自然現象とも取れますが、良くない生活習慣や栄養不良などにより、老化のスピードは確実に速くなります。特に、ストレスや過度なダイエット、体脂肪過多、血液循環の不良、ストレス、喫煙は、卵巣の老化の直接の原因に。ですから、自分の体にきちんと目を向ける習慣をつけることですね。病気を見つけるためでなく、若さや健康の度合いを把握するためです。体組成計を購入して、体重、体脂肪率、それに筋肉量や水分量、内臓脂肪レベルなどを記録するだけでも大きな進歩。スポーツクラブやエステサロンなどに精密な体組成計があれば、進んで利用するようにしましょう」そして、アラフォーからは婦人科検診を受けることは必須。小山先生のクリニックのように、さらに抗加齢的な検査を加えたスペシャルなレディースドックやエイジングケアドック(老化度測定検査)を受けられる医療機関も増えているので、上手に利用したいものです。【ベーシックな婦人科検診(女性検診)の主な内容】●乳がん検査(マンモグラフィ、乳腺エコー、乳房視触診など)●子宮がん検査(子宮頸部細胞診、子宮体部細胞診、経腟エコーなど)【老化度測定検査(エイジングケアドック)のオススメ検査】加齢マーカー(IGF-1、DHEAS)、AGEリーダー(糖化度測定)、抗ミュラー管ホルモン(AMH)値測定、女性ホルモン値検査、抗酸化ストレス度測定、体組成分析老化度測定検査のうち、抗ミュラー管ホルモン(AMH)の値は、不妊治療の分野ではずばり「卵巣年齢」と呼ばれている数値。これは卵巣の中にある「卵子のもと」から分泌されるホルモンで、濃度を測定することで卵巣が何歳くらいの状態か推定することができます。専門的に知りたい人は、こういった検査を受けてみるのも手。実年齢以上に若い卵巣を目指して、そろそろ本気で自分の体と向き合いましょう。
2015年02月10日キヤノンは11月26日、マンモグラフィ用カラーディスプレイを開発したと発表した。乳がん診断においては、検査部位の微細な変化まで確認できるよう、診断画像を高画質・高精細に表示できるディスプレイが求められている。現在、2Dやトモシンセシスのマンモグラフィ画像はモノクロで表示されるのが一般的となっている。しかし、超音波などの検査方法では、しこりなどの組織の硬さを色の変化で示すためにカラー画像が使用されており、モノクロとカラーの両方の画像を表示することのできるディスプレイのニーズが高まっている。今回、開発されたのは、高画質・高精細で高いモノクロ表示性能を持つ30型1000万画素(4096×2560画素)対応のマンモグラフィ用カラーディスプレイである。独自の高画質技術を医療画像の表示に生かしたディスプレイを開発することで、今後の医療の発展に貢献できると考えているという。なお、キヤノンでは、詳細な仕様や価格は未定だが、2015年中に、同ディスプレイを製品化し、医用ディスプレイ市場に新規参入することを目指しているとコメントしている。
2014年11月27日女性のがんのトップで、日本人女性の16人に1人がかかるという乳がん。気にはなるものの、日々の忙しさの中、なかなか検診に行けないという方も多いのでは?そんな女性のために年に一度、10月の第3日曜日を、乳がんのマンモグラフィー検査を受けられる日曜日「ジャパン・マンモグラフィーサンデー」にしようという動きがあるのをご存知だろうか。今年は10月16日(日)。全国の医療施設で検診を受けられる日曜日が、まもなくやってくる。この取り組みを行っているのは、「日本乳がんピンクリボン運動」を展開しているNPO法人J.POSH。全国の医療機関や自治体の検診担当部門に呼びかけ、「10月第3日曜日に全国どこでもマンモグラフィー検査が受診できる環境作り」に取り組んでいる。2009年より活動が始まり、現在の賛同医療機関は全国316施設。ホームページには、検診が受けられる医療機関を地図から検索できるようになっており、料金や予約の要否、女性医師・検査技師の対応の可否など、女性が知りたい情報が丁寧に掲載されている。これなら安心して、自分にあった病院を選ぶことができそうだ。乳がんは、早期発見・早期治療により「ほとんどが治るがん」と言われている。自分のために、そして愛する家族のために。平日は子育てや仕事、家事で忙しい方も、この機会に受診してみてはいかがだろうか。ジャパン・マンモグラフィーサンデー 取材/池田美砂子
2011年10月03日