『パラノーマル・アクティビティ』シリーズの脚本・製作で知られるクリストファー・ランドン監督が、『スクリーム』シリーズ第7弾より離脱したことをXで明らかにした。「今がちょうどいいタイミングだと思うので正式に発表します。数週間前に『スクリーム7』から抜けました。がっかりする人も喜ぶ人もいるでしょう。夢のような仕事が悪夢になってしまったんです。私は関わっていたすべての人に対して心を痛めましたが、もう前に進む時です」とつづった。そして、『スクリーム』シリーズを生み出した故ウェス・クレイヴン監督と脚本家のケヴィン・ウィリアムソンに敬意を表した。ランドン監督は先月、前作から続いて『スクリーム7』に出演する予定だったメリッサ・バレラが解雇されたことを受け、「これは私が決めたことではない」とXで嘆いていた。メリッサはSNSでイスラエルとイスラム組織ハマスによる軍事衝突に対して自身の意見を述べ、それが問題視されて製作会社から解雇されたのだ。さらに、前2作でメリッサ演じるサムの妹タラを演じていたジェナ・オルテガも、自身の主演ドラマ「ウェンズデー」と撮影スケジュールが重なり降板。メインキャスト2人と監督を失った『スクリーム7』の今後に注目が集まる。(賀来比呂美)■関連作品:スクリーム(2022)
2023年12月25日PORTRAIT OF A DIRECTOR AND ACTRESSSUZANNE LINDONMONACO SEPTEMBER 2020 PHOTOGRAPHY AND STYLING BY@HEDISLIMANEセリーヌ(CELINE)のアーティスティック、クリエイティブ、イメージ・ディレクターであるエディ・スリマン(Hedi Slimane)が注目するアーティストやパフォーマーのポートレートを撮影する“PORTRAIT”プロジェクト。今回、その最新作として、映画監督で女優のスザンヌ・リンドン(Suzanne Lindon)のポートレートが公開された。PORTRAIT OF A DIRECTOR AND ACTRESSSUZANNE LINDONMONACO SEPTEMBER 2020 PHOTOGRAPHY AND STYLING BY@HEDISLIMANEPORTRAIT OF A DIRECTOR AND ACTRESSSUZANNE LINDONMONACO SEPTEMBER 2020 PHOTOGRAPHY AND STYLING BY@HEDISLIMANEスザンヌ・リンドンは、フランスの女優・歌手のサンドリーヌ・キベルラン(Sandrine Kiberlain)と、俳優のヴァンサン・ランドン(Vincent Lindon)の長女として誕生。最近では、映画監督として初の長編作品である「16プランタン(原題) / 16Printemps」が、第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクションとして上映されたことでも話題に。>>その他のセリーヌの記事はこちらから
2020年10月06日18世紀に実在した伝説のプレイボーイの人生最期の恋を情感豊かに描く『DERNIER AMOUR』(原題)が邦題『カサノバ~最期の恋~』として7月31日(金)より順次公開。この度、ポスタービジュアルと予告編が解禁された。イタリアの文筆家ジャコモ・カサノバ(1725年4月2日 - 1798年6月4日)の数々の浮き名を流した男の、全てを賭けた恋を描く本作。『マリー・アントワネットに別れをつげて』のブノワ・ジャコー監督のもと、共同製作にはダルデンヌ兄弟も名を連ねている。18世紀のロンドン。快楽とギャンブル好きで有名な遊蕩児のカサノバは、パリからの亡命を余儀なくされていた。新たな土地で、彼は若い娼婦のマリアンヌ・ド・シャルピヨンと出会い、ほかの女性が目に入らなくなるほど彼女に心酔する。カサノバはあらゆる手段でシャルピヨンを手に入れようとするが、彼女は巧妙にかわしていく。「私が欲しければ私を追わないこと!」とシャルピヨンに挑発され、カサノバはますます彼女に溺れていくが…。過去、ドナルド・サザーランドやヒース・レジャーなど、数々の才能豊かな俳優陣が演じてきたカサノバ役を演じるのは、『ティエリー・トグルドーの憂鬱』でカンヌ国際映画祭とセザール賞の最優秀主演男優賞を受賞し、コメディからシリアスまで幅広い演技に定評のあるフランスの名優ヴァンサン・ランドン。カサノバが身を焦がすような恋の相手シャルピヨン役には、『ニンフォマニアック』の大胆な演技で鮮烈なスクリーンデビューを飾り、日本公開中の『ポップスター』ではナタリー・ポートマンの姉役を好演するステイシー・マーティン。世界的ブランド「ミュウミュウ(Miu Miu)」のフレグランスの広告に抜擢されるなど、ファッションアイコンとしても注目を集める彼女が、劇中ではクラシカルなドレスに身を包み、香り立つような妖艶さでカサノバを終始魅了、翻弄し続ける。今回公開されたポスターは、カサノバの背から顔を覗かせるシャルピヨンの物憂げな眼差しがこれから起こる2人の波乱に満ちた運命の恋を予感させ、彼女の妖艶さが際立つビジュアル。そして、予告編は、冒頭で過去の女性遍歴をふり返るカサノバが、初めて足を踏み入れたロンドンで出会ったシャルピヨンについて語り出す。自身の露わな姿を見せつけるかのように誘惑的な態度をとりながらも、何度もキスを拒むなど、挑発を繰り返す彼女の虜になっていく初老の男の姿を官能的に切り取っている。『カサノバ~最期の恋~』は7月31日(金)よりシネマカリテ、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年07月02日1997年に韓国で起こった通貨危機の裏側を赤裸々に暴き、政府を痛烈に批判する衝撃作『国家が破産する日』から、キム・ヘスやユ・アイン、そして仏俳優ヴァンサン・カッセルらがそれぞれに語るインタビュー映像が解禁となった。この度解禁された映像は、1997年当時の韓国を再現した製作の裏側を紐解き、本作が製作された意味をキャストやスタッフの証言を交え、観る者に訴えかけるもの。金融コンサルタントを演じるユ・アインが「(本作は)立場によって状況が異なり、面白い反面、やるせなさと憤りを感じます」と話し、また、国家破産をいち早く察知する韓国銀行の通貨政策チーム長を演じたキム・ヘスが、「彼女のような人がたくさんいたら、あんな災難は避けられたかも」と語りかける。1997年当時の韓国の経済危機がかなり切迫した状況だったことが受け取れる。そんな“いま、観るべき映画”をさらに傑作へと導いたのが、ほかならぬ彼ら実力派俳優たち。「存在感のある人物を探していて」と製作側の熱意に動かされ、韓国映画初出演となったヴァンサンは「この作品を断る理由はありませんでした。本作を通して、当時の韓国の状況を学んだ」と話し、本作で敵対する役を演じたキム・ヘスの演技も「彼女の演技には常に驚かされました。共演出来て光栄です」と絶賛を贈る。一方のキム・ヘスも「ヴァンサンという俳優には独特の迫力があります。特別な経験でした」と撮影をふり返り、映像では2人が撮影合間に打ち合わせする様子も捉えている。さらに政府・財政局次官役チョ・ウジンについても「作品のエネルギーを最大値まで高めてくれる本当に素晴らしい俳優」と称える。韓国国民の誰もが好景気を確信していた1997年。忍び寄る危機を防ごうとする者、その危機に賭ける者、家族と会社のために生き残ろうとする者、それぞれの状況を見事にとらえた本作に迫る映像となっている。『国家が破産する日』は11月8日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年10月29日フランスのイケオジ俳優、ヴァンサン・カッセルがサントリー食品「オランジーナ」のCMに出演し、話題を呼んでいる。思い返せば、かつての同CMでは、リチャード・ギア演じる“TORA”が『男はつらいよ』の“寅さん”さながらに女性に振られてしまう「ムッシュはつらいよ」シリーズが親しまれた。親しまれるといえば、「BOSS」の“宇宙人ジョーンズ”としてお馴染みのトミー・リー・ジョーンズは、このキャラクターを演じてもう12年になるとか。今回のCM考では、人気海外俳優が出演してきたCMに注目してみた。セクシーなイケオジ俳優ヴァンサン・カッセルも振られちゃう!ヴァンサン・カッセルといえば、『ブラック・スワン』のコーチ役やレア・セドゥ主演『美女と野獣』の野獣から『オーシャンズ』シリーズ、グザヴィエ・ドランのカンヌ受賞作『たかが世界の終わり』、全国順次公開中の『ゴーギャンタヒチ、楽園への旅』などで知られるフランスの実力派。本CMでは、ブラックのスーツと帽子でかっこよくキメたヴァンサンが、思いを寄せていた女性から好きな人を紹介され、失恋してしまうも、「セラヴィ(C’est la vie)」“これが人生さ”と明るく笑い飛ばす度量の大きさを見せている。さらに、そんなヴァンサンを憧れのアニキとして慕う相棒を「バイきんぐ」の小峠英二が演じている点も見どころだ。2012年に日本に初上陸した「オランジーナ」はフランスの“国民的飲料”ということで、当時のCMは日本の国民的映画『男はつらいよ』シリーズをパロディ。お馴染みのあの音楽が起用され、山田洋次監督からのお墨付きも得ていた。国民的といえば、『レオン』『グラン・ブルー』『ミッション:インポッシブル』などで知られるフランスのジャン・レノが、日本の国民的キャラクター・ドラえもんに扮していたことも思い起こされる。2011年、トヨタの「実写版ドラえもん」シリーズでは大人になったのび太を妻夫木聡、しずかを水川あさみが演じる中、CGなどではなく、まさかのジャン・レノが水色のスーツを着て登場した際は、かなりの衝撃を呼んだ。なお、イケオジといえば、最近は『サバービコン 仮面を被った街』などの監督業やプロデューサー業で知られるジョージ・クルーニーのネスレ「ネスプレッソ」CMも、『オーシャンズ』シリーズさながら洗礼された雰囲気で注目を集めた。独身時代はモテモテだったクルーニーらしく、「ネスプレッソ」をキッカケに女性と親しくなるのか…と思いきや、やはり相手にされない展開ばかりなのが新鮮でもあった。“ギタリスト”ジョニー・デップが超絶にカッコイイ!さらに、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』の初映像が公開され、悪の魔法使い・グリンデルバルドを演じる姿に注目が集まっているジョニー・デップの新CMが登場!3月13日からオンエアがスタートした「アサヒスーパードライ 瞬冷辛口」の「瞬冷辛口2018ジョニー・デップ篇」では、ミュージシャンとしても活躍するジョニーのカッコよさにしびれるばかり。空港内の格納庫で1人、自前のギターを奏でるジョニー。監督がカットをかけても最後まで演奏を続けるほど、ギターに集中していたという。ジョニーは俳優として大ブレイクする以前から音楽活動をしており、アリス・クーパーやジョー・ペリー(エアロスミス)といったロック界のレジェンドたちと結成したバンド「ハリウッド・ヴァンパイアーズ」は2016年のグラミー賞でも演奏を見せてくれた。まもなく、同バンドの日本ライブも予定されているらしい。また、『ファンタビ』でジョニー演じるグリンデルバルドと対峙することになる、若き日のダンブルドア先生を演じるのはジュード・ロウ。ジュードといえば、小栗旬が桃太郎に扮した「ペプシストロング」のCMで、カリスマ性あふれる激強の“鬼”を演じていたことも記憶に新しい。『ファンタビ』でも、飄々としていながら強力な魔法使いであるダンブルドアとして、その片鱗を見せてくれるに違いない。なお、若き日のジョニーが主演した名作『ギルバート・グレイプ』(93)が、この5月に初めてブルーレイ化されることも決まっている。同作では、当時19歳のレオナルド・ディカプリオと兄弟役で共演し、レオはアカデミー賞に初ノミネートされた。レオといえば、2013年の「ジムビーム」のCMで、実際にアイスピックを使って器用に氷を削る“丸氷づくり”を披露してくれたこともあった。“宇宙人ジョーンズ”が調査開始以来、初のバカンス!?器用に何でもこなせるのは、“宇宙人ジョーンズ”も同じ。とある惑星からやってきたジョーンズが、大物ハリウッド俳優トミー・リー・ジョーンズそっくりの地球人になりすまし、さまざまな職業にチャレンジ。未知なる星・地球を調査していく「BOSS」の「宇宙人ジョーンズの地球調査シリーズ」は実に12年目を迎えている。その最新版では、なんと、ある港町で和久井映見らと“海女”に挑戦。冷たい海での仕事を嘆く彼女たちに触発されて、調査開始以来、初のバカンス(!?)に出かけることに。そんなジョーンズにハワイのイメージを強烈に植え付けるのが、“上から目線”の調査員監視係“宇宙人アシダ”こと芦田愛菜!今度は映画で2人の共演を見てみたい気もする。キラキラ輝く女性セレブたちの姿も一方、数々のハリウッド女優をイメージキャラクターに起用してきたことで知られるのが、ユニリーバの「LUX」。日本では世界に先駆けてシャンプー・コンディショナーなどのヘアケア製品を投入したそうで、歴代CMにはアカデミー賞女優のキャサリン・ゼタ・ジョーンズ、ペネロペ・クルス、ナタリー・ポートマン、レイチェル・ワイズ。さらに人気海外ドラマ「ヴァンパイア・ダイアリーズ」のニーナ・ドブレフ、そして現在は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の公開も楽しみなスカーレット・ヨハンソンと、まさに豪華絢爛。美の極致を見せてくれる。また、ミランダ・カーは「Samantha Thavasa(サマンサタバサ)」、P&G「ボールド」、サントリー「黒烏龍茶」など、これまで多数のCMに登場してきたが、現在、マルコメ味噌のCMにも出演しているのが驚き。美と健康に気を使うハリウッドセレブたちに和食が浸透してきている中、ミランダ自身が開発に関わったコラボ商品「オーガニックみそパウダー」も含め、5本のTVCMが製作されている。今回挙げたものは、近年のほんの一部。本国では日本のCMに出演していることはあまり大きな声ではいえないようだが、それでも、より身近な形で彼らに出会えるのはファンにとっては嬉しい限りだ。(text:cinemacafe.net)
2018年03月19日フランス生まれの果汁入り炭酸飲料「オランジーナ」の新CMにフランス人俳優ヴァンサン・カッセルが出演していることが分かった。お笑いコンビ「バイきんぐ」の小峠英二と共演し、3月12日(月)から新CM「セラヴィな男/恋人」篇(15秒・30秒)を全国でオンエアする。今回の新CMは、フランス人が日常生活でしばしば口にする慣用句「C’est la vie(セラヴィ)」を「これも人生さ」と意訳。人々の心を軽くするこの魔法の言葉をテーマに、「オランジーナ」を飲んで明るく前向きな気持ちになってほしいという思いを込めた。パリの美しい街並みを舞台に、「セラヴィ」を極めた全身黒ずくめのクールな男性を演じるのは、『オーシャンズ』シリーズのフランソワ・トゥルアー役や、『ブラック・スワン』トーマス・ルロイ役などを演じたフランス・パリ出身の俳優ヴァンサン。そんなセラヴィな男を憧れのアニキとして慕いモノマネする相棒役を小峠さんが演じる今回。CMでは、ヴァンサンがひそかに思いを寄せていた女性から、好きな人を紹介されてしまうという場面からスタート。憧れのアニキが失恋する光景を目の当たりにし言葉を失う小峠さんだが、当の本人は「C’est la vie」と明るく振る舞う。憧れのアニキの言動に感激した小峠さんは、目の前を歩くヴァンサンの真似をしながら、「さすがフランス!」と叫んで、彼の後を追いかける…という流れ。おちゃめでカッコいいヴァンサンの表情やしぐさにも注目だ。実際の撮影では、黒の帽子をかぶる際、シーンごとに印象が変わらないように事前に深さや見え方を何度も確認しながら、ベストな位置を追求していたヴァンサン。一方、小峠さんは、こだわりの帽子のかぶり方はもちろん、ヴァンサンの一挙手一投足をしっかりと目に焼き付けながら、憧れのアニキに少しでも近付こうと努力している様子もあったそう。また、撮影中は監督の指示に的確に応えつつ、時にはヴァンサン自らアイデアを提案する場面も。そんな彼のお芝居を見て、「カッコイイ」という言葉を連発していた日本のスタッフ。すると、聞き慣れない日本語を何度も耳にしたヴァンサンはその意味を尋ねてきて、それからしばらくの間、OKが出る度に「カッコイイ?」と日本語でスタッフに尋ねるという、ほほ笑ましい光景もあったとか。撮影を終えたヴァンサンは、「日本のクルーと一緒の仕事で、とにかくすべての物事がうまく運び、まさに夢のような撮影でした」とふり返り、「今回の作品に出演することができて、とてもうれしかったです。日本の皆さんがオランジーナのCMを気に入ってくれることを願っています。セラヴィ!」とメッセージ。また、状況を変える方法がほかに見つからないときに「セラヴィ」を使うと言うヴァンサン。「気に入らない出来事や人物に遭遇したとき、そういうものなんだ、受け入れるしかないと自分に言い聞かせています。つまり、『セラヴィ』とは、共に生きるべき、という意味なのです」とコメントしている。一方、「セリフがほとんどないのがいいですね(笑)。ヴァンサン・カッセルさんと動きを合わせるところがちょっと難しかったですけど、撮影自体はホントに撮ってんのかと思うぐらい、ポンポンポンポン進んだ」と撮影の様子を明かした小峠さん。共演したヴァンサンについては「すごくクールというか、ダンディーでカッコイイ俳優さんというイメージですね。昔から彼の作品はけっこう見ていて、まさか共演させていただくことになるとは夢にも思わなかったので、一緒のCMに出ると聞いたときはうれしかったです」と喜び、今後の展開については、「フランスの車に乗って出掛けるシチュエーションがあったら面白そうですよね。あとは、憧れのアニキを見て、僕がどんどん洗練されていった結果、今度は逆にヴァンサン・カッセルさんが僕に憧れるみたいな。立場が逆転するような展開になったら、気持ちいいんじゃないかなと思います」と想像を膨らませている。なおWEB動画、オランジーナ「セラヴィな男/目をあけてキス」篇も公開中。そして、今回の続篇となる第2弾TV-CMは5月にオンエア予定だ。オランジーナ新TV-CM「セラヴィな男/恋人」篇は3月12日(月)より全国オンエア。(cinemacafe.net)
2018年03月08日2015年「カンヌ国際映画祭」にて主演男優賞(ヴァンサン・ランドン)を受賞し、フランスで100万人動員の大ヒットとなった社会派ドラマ『La Loi du Marche』が、邦題『ティエリー・トグルドーの憂鬱』として8月27日(土)より日本公開されることが決まった。ティエリーは、50歳を越え、エンジニア一筋で働いていた会社から集団解雇された。当初はストライキを起こしてでも闘うと仲間に息巻いていたが、結局、会社を辞め職安に通うことに。頑固な彼はいまさら、就職面接を受けても上手く対応することができない。就職訓練の場でも、年の離れた若者からその頑なさを容赦なく指摘されて、面目をなくす。そんな彼の唯一の救いは、妻と身体障碍を抱えた息子の存在。家族と過ごすときは、世間の厳しさを忘れることができた。やがて、スーパーの警備員の仕事に就くことができたティエリー。希望していたエンジニアの仕事ではないが、そんなことは言っていられない。しかし、彼は新たな職場で、買い物客だけでなく自分の同僚たちまで不正をしていないかを監視し、発見した場合には告発しなければならないことを知る。ある日、告発によって、従業員の1人が自殺、彼は会社側の対応に疑問を覚えるが――。年老いた母と息子の最期の日々の交流を描いた感動作『母の身終い』のステファヌ・ブリゼ監督と、フランスを代表する名優ヴァンサン・ランドンが再び組んだ本作。自らのプライドと社会のしがらみの中で板挟みになり、やがて現実のために身を落としてゆく中年男に扮し、重厚な演技で観る者を魅了したランドンは、フランス「セザール賞」でも主演男優賞を受賞した。このたび解禁されたポスターも、そんなランドンのどこか重苦しい雰囲気と、家族を抱えながら板挟みになる“憂鬱”をまさにそのまま閉じ込めたようなビジュアルとなっており、彼の視線がいったい何を捉えているのか、その佇まいに思わず引き込まれてしまう雰囲気を放っている。ドキュメンタリーのような、淡々とした冷徹なカメラの元、圧倒的存在感を焼き付ける彼の演技は、昨年のカンヌで批評家の絶賛を受け、主演男優賞を受賞するとともにブリゼ監督もエキュメニカル審査委員賞を獲得している。現代を生きる人に投げかける社会派人間ドラマを、ぜひ楽しみにしていて。『ティエリー・トグルドーの憂鬱』は8月27日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年05月12日24日夜(現地時間)、第68回カンヌ国際映画祭の授賞式が行われ、コンペティション部門の最高賞パルムドールはジャック・オディアール(仏)監督の『ディーパン』(原題)に贈られた。また、日本から妻夫木聡が参加した『黒衣の刺客』の侯孝賢(ホウ・シャオシェン/台湾)監督が、監督賞に輝いた。侯孝賢監督は壇上で、「監督賞をいただけて感激です。作家映画を作るのは決して簡単なことではありませんし、資金を獲得するのも難しいことです。スタッフに感謝します。また主演のスー・チー、チャン・チェン、そして全ての人に感謝いたします」と喜びを語り、会場にいたスー・チーとチャン・チェンも感激の面持ちだった。すでに帰国していた妻夫木さんは「侯孝賢監督の作品に参加できたこと、このような素晴らしい賞を受賞したこと、こんな奇跡的な瞬間に立ち会えたことに幸せを感じています。一期一会の心を忘れず、これからも人や作品に出会えていけたらと思います」とコメントした。日本の是枝裕和監督の『海街diary』は無冠に終わったが、「ある視点」部門では黒沢清監督が『岸辺の旅』で監督賞を受賞した。パルムドール受賞作『ディーパン』(原題)は、スリランカ内戦で全てを失ったタミール族の兵士ディーパンが、偽装家族とフランスで難民として暮らす姿を描く。オディアール監督は『預言者』で2009年にグランプリを受賞しているが、パルムは初となった。下馬評の高かったポール・ソレンティーノ(伊)の『YOUTH』(英題)、ナンニ・モレッティの『MY MOTHER』(私の母)などイタリア勢を破っての受賞に、記者席の一部からはブーイングもあがったが、力強いラブストーリーとなっている。一方、誰もが納得したのが、男優賞の『MEASURE OF A MAN』(英題)で、失業とモラルの狭間で苦悩する男を演じたフランスの人気俳優ヴァンサン・ランドン。ハンガリーの新鋭ラズロ・ネメスがユダヤ人強制収容所を舞台にした『SON OF SAUL』(英題)のグランプリ受賞も、期待通りの結果となった。審査員の1人である女優シエナ・ミラーは「私は観たときに、圧倒されてしまった。映画祭が始まってすぐに観たのに、最後までその強烈さは忘れられなかった」と明かした。女優賞は『CAROL』(英・原題)のルーニー・マーラ(米)、『MON ROI』(原題)のエマニュエル・ベスコ(仏)の同時受賞。メキシコの若手監督ミシェル・フランコがティム・ロス主演で終末医療専門の看護師を描いた『CHRONIC』(原題)が脚本賞に、ヨルゴス・ランティモス(ギリシャ)が独身者が禁じられた近未来をコリン・ファレル主演で描く『THE LOBSTER』(原題)が審査員賞に輝いた。2人は前作がいずれも「ある視点」部門のグランプリを受賞しており、まさにカンヌの申し子となった。全体にフランス勢が圧勝という印象であり、現地のテレビではヴァンサン・ランドンの栄冠が大きく報じられている。(photo / text:Ayako Ishizu)
2015年05月26日カンヌ映画祭の最高賞パルムドールに、フランスのジャック・オーディアール監督の『Dheepan』が輝いた。オーディアール監督は、過去に『預言者』『君と歩く世界』でコンペ入りしているが、いずれの年もミヒャエル・ハネケ監督にパルムをさらわれていることもあり、授賞スピーチでは「ミヒャエル、今年、映画を作らないでいてくれてありがとう」と語っている。その他の情報2番目の賞にあたるグランプリは、ハンガリーのラズロ・ネメス監督の『Son of Saul』、監督賞は、妻夫木聡が出演した台湾のホウ・シャオシェン監督の(『黒衣の刺客』)が受賞。男優賞はフランスのヴァンサン・ランドン(『The Measure of a Man』)。女優賞はアメリカのルーニー・マーラ(『Carol』)とフランスのエマニュエル・ベルコ(『Mon roi』)のダブル受賞となった。日本からコンペ入りしていた是枝秀和監督の『海街diary』は無冠に終わったが、ある視点部門では、黒沢清監督の『岸辺の旅』が監督賞に輝いている。文:猿渡由紀
2015年05月25日いま、40代のひとりのフランス人監督にハリウッド、そして全世界から熱い視線が送られている。彼の名はフレッド・カヴァイエ。長編監督デビュー作である『すべて彼女のために』があのアカデミー賞監督ポール・ハギスの手によりハリウッドでリメイクされ、『スリーデイズ』として9月に公開を控えるが、その前に8月6日(土)より監督2作目となる『この愛のために撃て』が公開される。実は、この2作目『この愛のために撃て』に関してもすでにハリウッドは、水面下でリメイクを持ちかけており、目下、誰がメガホンを握るかなど交渉中であるというのだ!あのポール・ハギスも認めた才能とあれば、今後、日本でも話題を呼ぶこと間違いなしの新世代のフランス人監督の出現である。『すべて彼女のために』はフランスの名優ヴァンサン・ランドンとダイアン・クルーガーの共演で、2008年にフランスで公開されて絶賛を浴び、日本では昨年、劇場公開された。突然、愛する妻が逮捕され、有罪が確定。彼女の無罪を信じる夫が、全てを打ち捨てて、彼女を取り戻すべく戦う姿を描いた究極のヒューマンドラマである。これをアカデミー賞作品賞を受賞した『クラッシュ』の監督であり、『ミリオンダラーベイビー』をはじめクリント・イーストウッド監督作で多くの脚本を手掛けてきたポール・ハギスが、オスカー俳優のラッセル・クロウを主演に迎えてリメイク。わずか3日の間に訪れるたった一度のチャンスを狙って、綿密な脱獄計画の下、刑務所に服役する妻を取り戻そうとするさまがダイナミックに描かれる。ハリウッドの中でも、緻密な構成と深い人物描写で知られるハギスがその才能を認めたカヴァイエ。そんな彼の監督2作目となるのがまもなく公開となる『この愛のために撃て』である。こちらの主人公も、愛する妻と慎ましく暮らしていた平凡な男。パリ市内で看護師助手をしているサミュエルは、出産間近の妻と幸せな日々を送っていたが、ある日、家に帰った直後、謎の侵入者に殴られ、気を失ってしまう。携帯電話の音で目覚めた彼が電話に出ると妻の泣き声と共に「3時間以内にお前が勤める病院から、警察の監視下に置かれている男を連れ出せ」という脅迫が。妻を救うべく、サミュエルはたったひとりで戦いを挑むことになるのだが…。パリを舞台にしたフレンチノワールとして話題を呼び、先日のフランス映画祭でも上映されたが、先述のように本作にもすでにハリウッドからリメイクのオファーが届いているという。先日、本作の電話インタビューが行われた際、カヴァイエ監督は「詳細は明かせない」としながらも、ハリウッドリメイクに関して交渉を進めている最中であることを認めた。ハギス&クロウのオスカーコンビを超える監督、キャストの組み合わせもありうるかも?リメイク作品としては名匠マーティン・スコセッシがレオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソンら名優を迎え、香港ノワールの傑作『インファナル・アフェア』を『ディパーテッド』として新たに作り上げ、見事、オスカーを受賞している。本作も豪華スタッフ&キャストを迎えて、ヒューマンドラマとハリウッドらしい激しいアクションを組み合わせ、オスカーを狙うというのは十分に考えられる。まずはこの夏に立て続けに公開となるオリジナル版&デビュー作リメイクで、カヴァイエ監督の世界をたっぷりと味わってみては?『この愛のために撃て』は8月6日(土)より有楽町スバル座、ユーロスペースほか全国にて順次公開。『スリーデイズ』は9月23日(金・祝)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。■関連作品:スリーデイズ 2011年9月23日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.この愛のために撃て 2011年8月6日より有楽町スバル座、ユーロスペースほか全国順次公開© 2010 LGM FILMS - GAUMONT - TF1 FILMS PRODUCTION − K.R. PRODUCTIONS
2011年07月22日