国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF & ASIA)」と連動したオンライン映画館、ブリリアショートショートシアターオンライン(BSSTO)が2月で6周年を迎え、また、SSFF & ASIAで展開中の短編小説公募プロジェクト「BOOK SHORTS」が10周年を迎えることから「短編映画と短編小説」をテーマにコラボレーションしたアニバーサリーパーティーが行われた。この日、MCをSSFF & ASIAおよびBSSTO代表の別所哲也がつとめ、第2回ブックショートアワードの大賞受賞者で、2023年には『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』が長編映画化され大きな話題となった小説家・大前粟生と、短編小説やエッセーも書くお笑いコンビ「Aマッソ」の加納愛子をゲストに迎え、作家活動についてや原作の映像化など、多岐にわたるトークが繰り広げられるとともに、小説が原作となったショートフィルムの上映も行われた。まず小説を書き始めたきっかけについて、大前さんは「漫画はたくさん読んでましたが、小説を読むようになったのは大学からです。書き始めたのもたまたまで、就職活動のストレスで頭がいっぱいになって『会社員は絶対無理!』と思ったとき、とりあえず何か作ろうと考えたんですけど、小説なら紙とペンさえあれば1人でタダでできると思って書き始めてみました」と明かす。一方の加納さんは、以前からエッセイなどは執筆していたが「『次は小説にチャレンジしませんか?』というお話をいただいたので」と説明。加納さんは「見よう見まね」で書いていると言い、「又吉(直樹)さんや劇団ひとりさんといった先輩たちが、芸人が文学界に関わるという道筋は作っていただいたので」とコメントした。魂を救う小説そして、自身の創作の“核”についてに話が及ぶと、加納さんが「私は、女性同士の会話や人と人のミニマムな会話やコミュニケーションに関心があって、自分のオリジナリティが出せるのはそこなのかなと思っています」と説明すると、大前さんは「いまの世の中がメチャクチャだなということを昔から思っていて、ちょっとでも若い人が楽になれるものを書きたいと思っています」と語る。また、加納さんは「大前さんの小説は“こういう感情になる人を救う”という作品が多い」と評し、「(映画化された)『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』もそうですよね。ぬいぐるみにだけ本音をしゃべれる人たちを描いていますけど、そういう人の魂を救うのは大前さんしかできない」と大前さんの小説がもたらす“救い”を称賛。さらに、これまで影響を受けた作家について、大前さんはフランス人の作家で、女優・映画監督にミュージシャンなど多彩な活動をしているミランダ・ジュライの名を挙げ「奇妙キテレツな話というか、BOOK SHORTSのように民話やおとぎ話をアレンジした話が多いんですけど、そういう作品に影響を受けました」と語る。加納さんもミランダ・ジュライは「大好きです」と明かし、彼女の本の邦訳を担当している翻訳家でエッセイストの岸本佐知子についても言及。「エッセイに関しては、岸本さんとさくらももこさんに色濃く影響を受けています」と話しました。映画になって初めて「こういう人だったんだな」とわかる大前さんはすでにBOOK SHORTSで『ユキの異常な体質/または僕はどれほどお金がほしいか』が短編映画化され、さらに小説「ぬいぐるみとしゃべるひとはやさしい」も映画化されているが、「特に監督さん、俳優さんは、僕以上に登場人物のことを考えてくれていると思うので、映画になって初めて 『こういう人だったんだな』とわかる部分もあります」とポジティブに受け止めているという。「スタッフさんたちが造形してくれる方が、自分ひとりで考えるよりも、たくさんの人が登場人物のことを考えてくれているので、親心というか、キャラクターに対して『よかったね』と思いますね」と心情を告白。加納さんも昨年、NHKのドラマの脚本を担当した経験をふり返り「明らかにボケゼリフで、ここは面白く言ってほしいと思ってた部分で、こちらが思っていたのと全然違う言い方で言われた時に、『この言い方が面白いと思ってるんだ!』とかわいく感じました」と解釈の違いを楽しんだという。2人の話を聞いた別所さんは、BOOK SHORTSの企画趣旨を踏まえ「原作の良さと二次創作の良さ、どちらもあり、作品化することの意味を両方楽しめればいいなと思います」とコメント。イベント後半は、大前さん原作によるショートフィルム『ユキの異常な体質/または僕はどれほどお金がほしいか』と、先述のミランダ・ジュライの短編小説「The Swim Team/Le Grand Bain」にインスパイアされて制作された『Home Swim Home』の2本のショートフィルムの上映が行われた。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい 2023年4⽉14⽇より全国にて公開©映画「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」
2024年03月10日株式会社K-BALLET(本社:東京都文京区、代表取締役:熊川 哲也)が運営するバレエ教室「K-BALLET SCHOOL」(Kバレエ スクール)は、既存の恵比寿校・吉祥寺校・横浜校・大宮校の4校に加え、2024年4月1日より新たに後楽園校を開校します。K-BALLET SCHOOL: K-BALLET SCHOOL 後楽園Kバレエ スクールは、プロフェッショナルバレエ団であるKバレエ トウキョウ(旧:Kバレエ カンパニー)の付属校として2003年に創立され、20年以上にわたり充実したバレエ環境における現役ダンサーを含む質の高い教師による指導をかかげ、未就学期から青年期までの次世代を担う子供たちから、大人の方々まで、延べ1万人以上にバレエ教育を提供してまいりました。さらに、2023年には英国ロイヤル・バレエ団でソリストとして数多くの主要な役を務めたのち、10年にわたり日本人で初めて英国ロイヤル・バレエ学校の専任教師を務めた蔵 健太が新たに校長に就任し、国内にいながら世界トップクラスの指導クオリティを提供するKバレエ スクールの教育をますます進化させております。このたび、より多くの方に、一生の宝となる豊かな心と健康な身体を培うことのできるバレエという芸術に触れていただくべく、文京区 後楽園駅・春日駅からすぐの地に、子供から大人まで広く門戸をひらく新たなスタジオをオープンすることが決定いたしました。文京区はKバレエ トウキョウ/Kバレエ アカデミーの本拠地があるKバレエグループにとって特別な地です。スタジオを率いる主任教師にはKバレエ トウキョウのプリンシパル/副芸術監督の浅川 紫織が就任いたします。浅川はダンサーとしてまさにこの地で毎日稽古に励み、日本を代表するプリンシパルとして数々の主役を務め、プロのダンサーから初心者まで多岐にわたる指導キャリアがございます。子供から大人まで、バレエ経験がある方もない方もどなたでも「楽しく・正しく・美しく」学べるクラスをご用意している後楽園校は、お買い物の後やお仕事帰りにも通いやすいアクセスしやすい立地です。3月より体験クラスを実施するほか、見学等も随時受付いたします。【バレエの習得度を“見える化”するグレード制度を新スタート】バレエの習得度を“見える化”するバレエグレードを新たに構築し、4月よりKバレエ スクール全校で導入いたします!ピアノやスイミングなどでも“級”が存在しますが、段階的に課題が設けられたグレードに挑戦することは、客観的に自分の力量を知ること、その能力を伸ばすためにはどのような学習を行ったらよいかを確認する指針になり、次の明確な目標となります。Kバレエ スクールでは、子供向けの“Japan Ballet Grade”と大人向けの“TKG for Hobby”、身体条件や異なる目的を加味した2つのグレードを制定し、子供も大人も“確実に身になるバレエ”をご提供いたします!特に、目標が定めにくいとのお声を聞く大人の方には、グレードAを獲得した方にはKバレエ トウキョウの舞台にエキストラとして出演できるというスペシャル特典もご用意しました。Kバレエ スクールで、楽しく確実な成長を手に入れてください。【株式会社K-BALLET 代表取締役 熊川 哲也ご挨拶】英国ロイヤル・バレエを離れ、日本に拠点を移すと決めたのは1998年。カンパニーの本拠地となるスタジオを手に入れることは私にとって、必要不可欠かつ大事な出来事でした。そんな日本でのキャリアの本拠地を、文人の旧跡が至る所に残り、歴史と文化に彩られた文京区に決め、スタジオを構えて25年、鍛錬の場、創作の場、そして後進を育てる場所として、この地でかけがえのない時間を過ごしてまいりました。そんな縁あるこの地域に、新たなスタジオをオープンできることを心から嬉しく思っております。Kバレエの教育事業は、プロのダンサーにも対応する環境と、一流の教師陣による質の高いバレエ環境を整えながらも、プロを目指すことだけをバレエ教育の目的とはしていません。子供たちは潜在的に秘めている芸術的センスを見出し伸ばせるように、そして社会的にさまざまな役割を持つ大人の方にとっては、非日常の豊かさに身をおき、美しく歳を重ねられるお手伝いができるように、学業や生活とのバランスを考慮したサポート体制をご用意しております。心が踊らなければ、身体は踊りません。Kバレエという芸術を通して感動し、喜怒哀楽をバランス良く、健康的に表現できる豊かな感性を育むことで、皆様の人生がより素敵に輝いていく。後楽園校では、文教地区として名高い文京区にふさわしい実りある時間を提供することをお約束いたします。熊川 哲也<熊川 哲也(くまかわ てつや)>K-BALLET TOKYO 芸術監督/K-BALLET SCHOOL主宰北海道生まれ。1987年、英国ロイヤル・バレエ学校に留学。89年、ローザンヌ国際バレエコンクールで日本人初の金賞を受賞。同年、英国ロイヤル・バレエ団に東洋人として初めて入団。91年には同団史上最年少でソリストに、93年にプリンシパルに昇格。主要なレパートリーで数々の名演を残し、名実共に世界的ダンサーとしての評価を確立する。98年、英国ロイヤル・バレエ団を退団。翌99年、Kバレエ カンパニーを設立。以来、芸術監督/プリンシパルダンサーとして団を率いるほか、演出・振付家としても才を発揮し、全幕古典作品の演出・再振付や、台本から手がけた完全オリジナル全幕作品などの新作を数多く上演している。また、後進の育成機関として2003年にKバレエ スクールを創設するなど、総合芸術としてのバレエを多角的にサポートする組織を運営。2012年1月、Bunkamuraオーチャードホール芸術監督に就任。2013年、紫綬褒章受章。7月、バレエ芸術文化の振興を目的とした一般財団法人熊川財団を創立。【後楽園校主任教師 浅川 紫織ご挨拶】私自身、20年近く通い続けているこの地域に大きな愛着と沢山の思い出があり、これから新たに訪れる沢山の出会いを想像すると心が躍ります。Kバレエ スクール各校での経験はもちろんのこと、Kバレエ トウキョウでプロダンサーの指導にも携わっている経験を活かし、これからも学び成長しながら生徒の皆様と触れ合う時間を充実させたいと思っております。まずは新しく美しいスタジオに気軽な気持ちで一度足を運んでいただけると嬉しいです。皆様とお会いできることを楽しみにしています。浅川 紫織<浅川 紫織(あさかわ しおり)>K-BALLET TOKYO副芸術監督/K-BALLET SCHOOL 後楽園校 主任教師長野県生まれ。4歳よりバレエを始める。2001年ローザンヌ国際バレエコンクール セミファイナリスト。同年イングリッシュ・ナショナル・バレエスクールに留学。03年4月Kバレエ カンパニーに入団。14年1月プリンシパルに昇格し、熊川版古典全幕作品のほぼすべてで主演を務めている。Kバレエ トウキョウではバレエ・ミストレス、舞踊監督補佐を経て、23年9月に副芸術監督に就任。Kバレエ スクール ティーチャーズ・トレーニングコース終了。2013年より同校にて教師を務め、2016年より大宮校主任、2019年から2023年まで本校主任教師を歴任。【Kバレエ スクール 後楽園】<開校日>2024年4月1日(月) グランドオープン<所在地>〒112-0002 東京都文京区小石川2-1-12 小石川トーセイビル3F東京メトロ丸の内線/南北線 後楽園駅 8番出口より徒歩2分都営地下鉄三田線/大江戸線 春日駅 A4出口より徒歩3分<プログラム>子供向け:3歳~21歳対象/年齢に応じたクラス分け/月謝制大人向け:15歳~制限なし/初心者から上級者までレベルに応じたクラス分け/チケット制<営業時間>月~土 10時~22時日・祝 10時~18時3月より、順次体験クラスを実施いたします。プレ登録フォーム → ※ご興味のある方はお客様情報をご登録ください。今後予定されている体験クラスや4月からのスケジュール、キャンペーン等のお得情報などを、詳細が決まり次第メールにてご案内いたします。エントランススタジオ大きく外へと開かれた窓からは、やわらかく心地よい光がスタジオ内にあふれ、広く解放感のあるスタジオが誕生しました。床は、既存のスタジオと同じく足に優しい構造はそのままに、Kバレエ スクールとしては初となるリノリウムを採用。内装は都会的な印象を与えるグレーとあたたかい木調を組み合わせた色調で、スタイリッシュな雰囲気に仕上げました。施設は大小2つのスタジオとロッカールームを備えています。<3月1日より春の入会キャンペーンを実施>大人向け:期間中にご入会いただいた方に5回チケットをプレゼント!子供向け:期間中にご入会いただくと入会金50%OFF!実施期間:2024年3月1日(金)10:00~5月31日(金)18:00●子供のためのバレエグレード Japan Ballet GradeKバレエ スクールが新たに制定するこのグレードは、バレエを学ぶ子供たちが、自分の力を確かめながら、楽しみながら豊かなバレエ学習に取り組むことを目指すものです。ピアノやスイミングなどでも“級”が存在しますが、このようなシステムは、客観的に自分の力量を知り、その能力を伸ばすためにはどのような学習を行ったらよいかを確認する指針、次の明確な目標となり、段階的な到達を促進し、よりスムーズな学習を助長すると考えます。また、それぞれのレベルで定められた目標に向かい努力し、それをクリアしたときの達成感は、「ひとつの物事をやりきる」という実感体験であり、人生を生き抜く力に繋がるものです。グレードの練習は普段のクラスレッスンの中から行えるカリキュラムを構成しています。Japan Ballet Grade●世界初大人のためのバレエグレード “TKG for Hobby”(Tetsuya Kumakawa Grade)大人のバレエを習う皆様の情熱に、より一層お応えできるサービスを検討し、世界初(※当社調べ)大人のためのバレエグレード“TKG for Hobby”(Tetsuya Kumakawa Grade)のスタートが決定いたしました。このグレードは、決して趣味で習っている皆様に対して“難しすぎる”ものや、“仕事や家庭と両立できないほど大変”なものではございません。さまざまな目的でバレエを習っている皆様が、各々のバレエ力を具体的に確認でき、日々の学習成果の確認と次のレベルへの励みにすることを目的としています。大人の方に特化したグレードですので、子供とは異なる身体能力や柔軟性を加味し、「無理のないちょっと背伸びした次の目標」を設定しています。そしてグレードAを獲得した方にはKバレエ トウキョウの舞台にエキストラとして出演できるという大特典もございます。(受講されるクラスの中で自然と練習ができるもの、お家でも隙間時間で練習ができる内容がメインになります。任意の制度ですので、もちろん受講しない生徒様はこれまで通りのクラスレッスンをご受講いただけます)Tetsuya Kumakawa Grade“TKG for Hobby”【すべての人へ感動の芸術体験を― K-BALLETの教育事業】<K-BALLET ACADEMY>プロを目指す生徒へ日本最高峰の教育機関K-BALLET ACADEMY<K-BALLET SCHOOL>子供から大人まで、バレエを学ぶすべての人に最高の環境をK-BALLET SCHOOL<TEDDY'S BALLET>楽しいが学びになる気軽に始められるバレエ体験TEDDY'S BALLET 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月22日株式会社TBSテレビと株式会社K-BALLETは、2024年春、Daiwa House PRESENTS 熊川哲也 K-BALLET TOKYO Spring 2024『カルミナ・ブラーナ』公演を開催する運びとなりました。ダンサー、管弦楽、合唱など総出演者が250名を超える、再演不可能といわれた幻の衝撃作が復活!――――熊川哲也、特別出演決定!『カルミナ・ブラーナ』(C)Hidemi Seto/Bunkamura2019年にBunkamura30周年記念として初演し、圧巻のスケールで観客に鮮烈なインパクトを与えた大作、それが熊川哲也演出・振付『カルミナ・ブラーナ』。「誰もが知るカール・オルフの大曲に、熊川は美しく優美なバレエの概念を超えた戦慄の物語を授けた」と、わずか2夜限りの上演でありながら大きな話題となった。2021年のコロナ禍には、人類とウイルスを彷彿させる悪の対比をより鮮明に浮かび上がらせ、ステージ界では類を見ない撮影規模で映像作品として発表。そして生の舞台での再演が待望されていたなか、来たる5月、ついに上演が実現!初演時にはなかった熊川の特別出演という千載一遇の機会となる今回、この世に闇を与える悪魔の子アドルフに挑むのは飯島望未。ダンサー、歌唱ソリスト、合唱団、児童合唱、オーケストラ…熊川のもとに250名が集結し、お贈りする最大規模の総合舞台芸術。あの衝撃の舞台が今また!2月10日(土)チケット販売開始!■芸術監督熊川哲也『カルミナ・ブラーナ』演出・振付・台本 :熊川哲也音楽 :カール・オルフ舞台美術・衣裳デザイン:ジャン=マルク・ピュイッソン照明デザイン :足立恒■シノプシス■人間の世に紛れ込んだ悪魔の子アドルフ。アドルフと接触すると、この世のすべてがその美質を失う。可憐に咲き誇る花々やさえずる鳥たち、世に光をもたらす太陽、女性の美を象徴するヴィーナス、純粋無垢な白鳥、敬虔な神父さえも。アドルフは人間社会に蔓延する悪の象徴として、また時には人の堕落と果てなき欲求の化身として、世に闇を与え、醜行を蔓延させる。立ち向かう人間の姿は、悪魔にも良心を芽生えさせるのか。そして使命を全うすべくアドルフを殺め、この世に均衡をもたらすのは、我々人類か、あるいは人知を超えた力なのか――。飯島望未(アドルフ)飯島望未山本雅也(太陽)山本雅也小林美奈(ヴィーナス)小林美奈堀内將平(ダビデ)堀内將平成田紗弥(白鳥)成田紗弥石橋奨也(神父)石橋奨也熊川哲也(特別出演)芸術監督 熊川哲也 (C)Makoto Nakamoriほか Kバレエ トウキョウ指揮 :井田勝大管弦楽:シアター オーケストラ トウキョウ■知らぬ者はいないオルフの代表作、『カルミナ・ブラーナ』とは19世紀にドイツのベネディクト修道会の修道院で発見された詩歌集である。13世紀初期に南ドイツで書き写されたものとされるその古文書は、中世ラテン語で書かれた詩集や中世ドイツ語の詩、そして風刺作品などで構成されており、「遍歴の神学生」が書いたとされるその内容には、開放的に自然を謳歌した彼らの思想が反映されている。この詩集に目をつけたのがミュンヘン出身の作曲家カール・オルフ(1895−1982)。 同名の大規模カンタータを作曲し、強烈なリズムと連続する和音、従来の方法に捕らわれない大胆な作曲術で圧倒的な評価を得、オルフの代表作となった。特に、“世界の支配者 運命の女神フォルトゥーナ”を歌う第1曲と最終曲にあたる「おぉ、運命の女神よ」は大変有名で、映画作品などでも頻繁に使用されている。現代においても、その昂揚感と緊迫感が多くの人を惹きつけてやまないのだ。■バレエで描く衝撃のエクソシスムがここに――!?熊川哲也も、この曲に魅了された1人。しかし、熊川が曲から受けた型破りで意外性に満ちたイメージは、これまでの誰とも似通っていないだろう。「全曲を聞き終わった瞬間に、バレエ作品として構築するためのアイディアが溢れ、たった1時間で全曲の構想をまとめてしまった」というその内容は、“女神フォルトゥーナの子は、悪魔であった”という衝撃的な展開からはじまる。人間の世にでた悪魔は、人間に闇を与え、悪行を操る。そして、その運命に立ち向かう人間たち…。熊川は、バレエではかつて描かれたことがないだろう衝撃のエクソシストの世界、そして時代を超えた壮大な人類への示唆に富む作品を生み出したのだ。■世界的演出家の寵愛をうけるデザイナーと熊川がタッグを組む!ジャン=マルク・ピュイッソン(C)Antonio Olmos衣裳・美術のデザインを手掛けるのはジャン=マルク・ピュイッソン。パリ・オペラ座バレエ学校を卒業し、シュツットガルト・バレエ団などで活躍するプロのダンサーであったが、デザイナーに転向すると瞬く間に頭角を現した。近年の代表作としてはロイヤル・オペラ・ハウスにおけるマクヴィカー演出『アイーダ』、ロイヤル・バレエ団で初演され、世界中のバレエ団で上演されるウィールドンの代表作『DGV』、同じくロイヤル・バレエ団で上演され08年および13年にローレンス・オリヴィエ賞 最優秀新作ダンス部門を受賞したバランシン振付『ジュエルズ』、ウィールドン振付『Aeternum』のデザインを手掛けた。【上演時間】約75分(休憩なし)【チケット料金(税込)】S席25,000円 A席17,000円 B席13,000円 C席9,000円 D席7,000円 学生券4,000円学生券:中学生以上25歳以下/当日学生証を提示の上引き換え/席位置未定※本公演は未就学児入場不可です。【チケット販売】TBSチケット、チケットスペース、Bunkamura、チケットぴあ、イープラス、ローソンチケット※学生券はTBSチケット、チケットぴあWEBにて取り扱い【お問い合わせ】チケットスペースTEL: 03-3234-9999URL: 公式HP : 主催 : TBS特別協賛 : 大和ハウス工業株式会社協力 : Bunkamura制作 : K-BALLET/TBS公式ウェブサイト: Instagram : @k_ballet_tokyo_officialX : @kballetofficialFacebook : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月09日株式会社TBSテレビと株式会社K-BALLETは、2024年最初にお贈りするDaiwa House PRESENTS 熊川哲也 K-BALLET TOKYO Spring 2024『ジゼル』の新スポット映像を解禁いたしました。設立25周年を迎え、さらなる躍進を続ける熊川哲也率いるK-BALLET TOKYOが、7年ぶりに新たな顔ぶれで贈るロマンティック・バレエの最高傑作『ジゼル』が3月に開幕します。新ビジュアルスポット映像URL: 『ジゼル』 (C)Jin Kimoto本作は、古典改訂からオリジナル作品まで数多の名作を世に送り出している熊川哲也が最初に手掛けた全幕プロダクション。ダンサーとしてこの名作をこよなく愛し、「完成されたバレエ」として格別な敬意を抱いてきた熊川は、あくまでも伝統に忠実に寄り添いながらその揺るぎない世界に深く分け入り、卓越した演出技法によって演劇と舞踊が融合したドラマティックな世界を舞台に現出させる。この深淵なる愛の物語が、観客をまた新たな感動へといざないます。壮大な音楽とともにKバレエが贈る、哀しくも美しいロマンティック・バレエ『ジゼル』のスポット映像が解禁!■スタッフクレジット■芸術監督:熊川哲也熊川哲也 (C)Makoto Nakamori演出・再振付 :熊川哲也原振付 :マリウス・プティパ(ジャンコラーリ/ジュール・ペロー版による)音楽 :アドルフ・アダン舞台美術デザイン :鈴木俊朗舞台美術デザイン・アシスタント:佐藤みどり衣裳デザイン :ピーター・ファーマー照明デザイン :足立恒指揮 :井田勝大(3月16日(土),17日(日),20日(水・祝))/塚越恭平(3月23日(土),24日(日))管弦楽:シアター オーケストラ トウキョウ■ジュリアン・マッケイ■ジュリアン・マッケイ (C)Nicholas MacKay米国生まれ。ボリショイ・バレエ・アカデミーで学び、ミハイロフスキー・バレエ、サンフランシスコ・バレエを経て、2022年よりバイエルン国立バレエのプリンシパル。容姿端麗にして世界が認める実力を備える彼は、イギリス、アメリカ、ロシア等の主要な劇場でゲスト出演するほか、モード界からも注目されるなど活躍は幅広い。2023年5月には、Kバレエの全幕初出演となった『蝶々夫人』のピンカートン役で絶賛を浴びた。■相関図■相関図■STORY■舞台は中世ドイツの農村。村娘のジゼルにはロイスという恋人がいる。実はロイスは貴族でその名をアルブレヒトというが、身分を隠して村人になりすましている。一方、ジゼルに思いを寄せる森番のヒラリオンは、ロイスの存在に疑念を抱き、ジゼルとの仲を裂こうと間に割って入る。葡萄収穫祭の女王に選ばれたジゼルは村人たちと踊りを楽しむ。だが、心臓の弱いジゼルを心配する母は、踊りをやめるように言い、結婚前に命を落とした乙女たちの精霊ウィリの伝説を語り聞かせる。そこに大公と娘のバチルドら狩りの一行がやって来る。バチルドは実はアルブレヒトの婚約者。恋人の嘘と裏切りを知ったジゼルは絶望のあまり錯乱し、ついには息絶える。哀しみに打ちひしがれるアルブレヒトは、ジゼルの墓のある森を訪れる。そして──。日高世菜浅川紫織飯島望未ジュリアン・マッケイ (C)Nicholas MacKay堀内將平山本雅也※日高世菜の「高」ははしごだか■公演概要■Daiwa House PRESENTS 熊川哲也 K-BALLET TOKYO Spring 2024『ジゼル』【日/会場】2024年3月16日(土)、17日(日)、20日(水・祝)、23日(土)、24日(日)Bunkamuraオーチャードホール【上演時間】2時間15分(一幕55分 休憩25分 二幕55分)【チケット料金(税込)】チケット発売中!!S席 17,000円/A席 13,000円/B席 9,000円/C席 7,000円A親子席 17,000円※大人1名+子供1名(5歳以上小学6年生以下)(A席エリア)学生券 4,000円※中学生以上25歳以下/当日学生証を提示の上引き換え/席位置未定※A親子席・学生券は、TBSチケット、チケットぴあWEBにて取り扱い【チケット販売】TBSチケット、チケットスペース、Bunkamura、チケットぴあ、イープラス、ローソンチケット【お問い合わせ】チケットスペース:03-3234-9999 公式HP : 主催 : TBS特別協賛 : 大和ハウス工業株式会社協賛 : 株式会社ヤマノホールディングスオフィシャルエアライン: ANA協力 : Bunkamura制作 : K-BALLET/TBS公式ウェブサイト : Instagram : @k_ballet_tokyo_officialX : @kballetofficialFacebook : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年01月30日ワタリウム美術館で『梅田哲也展待ってここ好きなとこなんだ』という名の展覧会が開かれる。ワタリウム美術館で初となるパフォーマンス公演のような展覧会となり、会期は1期:12月1日(金)〜2024年1月14日(日)、2期:1月16日(火)〜28日(日)に分かれ、内容が変化する。船で夜の水路を巡る「入船(ニューふね)」など、さまざまな場所でツアー形式の作品を発表して来た梅田哲也。今回は、ワタリウム美術館の建築的な側面に焦点を当て、これまで展示室として使用されていなかった部屋も初めて公開される。これは、ワタリウム美術館を劇場として開催される舞台公演でもある。観客はツアーの進行中にところどころで登場するキャストの言葉に誘導されながら、展示室やバックヤードを巡り、日常の風景が異なって見えるような仕掛けと出合う。ワタリウム美術館のある三角の土地は、1964年の東京オリンピックのために建設された道路が住宅密集地を切り裂いたことから発生し、そこへ和多利一家が引っ越してくることから始まる。1972年、母の志津子が現代アートギャラリー、ギャルリー・ワタリをオープンし、それがワタリウム美術館の前身となる。こうした美術館の建設以前や建物に刻まれた行動の痕跡などを辿りながら、音や光、物体の動きなど、鑑賞する行為と交差していく。ツアーは少人数で行い、時間差で出発し、約50分。見る者も見られる者となるだろう。事前申し込みが必要となるため、詳細をチェックしてから出かけたい。<開催情報>『梅田哲也展wait this is my favorite part待ってここ好きなとこなんだ』会期:<1期>2023年12月1日(金)~2024年1月14日(日) <2期>2024年1月16日(火) ~2024年1月28日(日)会場:ワタリウム美術館+空地時間:13:00~19:00(毎20分ごとにスタート、最終入館は18:00)※所要時間約50分休館日:月曜(1日8日は開館)、12月31日(日)~1月3日(水)料金:一般2,800円、25歳以下/65歳以上は2,000円(要証明書)、ツアー・フリーパス5,000円公式サイト:
2023年11月22日もがきながらも軽妙な笑いを忘れない、連鎖街に取り残された人々どこかの建物の、半地下と思しき部屋にいる男たち。ひとりは塩見利英(高橋和也)、もうひとりは片倉研介(千葉哲也)。彼らは各々「大連のシェイクスピア」「大連のモリエール」と自称している演劇人なのだが、彼らの世話をしている陳鎮中(加納幸和)の目を盗んでここから脱出しようと企んでいる。左より)霧矢大夢、高橋和也、加納幸和、千葉哲也撮影:宮川舞子つい先日まで「満州国」と呼ばれていた中国東北部で、交通の要所として栄えた大連。その目抜き通りだった連鎖街にある今西ホテルの地下室で、彼らはソ連軍のために芝居を書かされているのだ。だが台本の執筆は遅々として進まず……。井上ひさし・脚本、鵜山仁・演出で2000年に初演、2001年に再演された本作。今回は21年ぶりの上演となった。11月9日(木)~12月3日(日)東京・紀伊國屋サザンシアター、および12月の山形公演・群馬公演、さらに2024年1~2月の全国演鑑連中部・北陸ブロック公演に先立ち、11月8日(水)に行われたゲネプロの模様を紹介する。左より)霧矢大夢、高橋和也、加納幸和、千葉哲也撮影:宮川舞子幕開けは、観客にも近しい状況で言うならば宿題がまったく終わっていない夏休み最終日。あるいは、彼らの状況により近い形で言えば作家が編集者によって旅館などに缶詰めにされ、原稿執筆を迫られている光景。こういう時は、えてして現実逃避に走りがちで……というわけで、塩見と片倉も不毛なやりとりを繰り広げている。しかし、そうもいかなくなってきたのはソ連軍との窓口を務めている今西練吉(鍛治直人)から、このままでは皆シベリア送りになると聞かされてから。シベリアの強制収容所送りになればどんなことが待ち受けているのか。これまで数々のドラマや映画、漫画などで描かれていて、察しのつく観客も多いだろう。もちろん、作中の彼らもその意味は重々承知。だからこそ、必死になって芝居を完成させようとするのだ。左より)高橋和也、千葉哲也、加納幸和、霧矢大夢、西川大貴、朴勝哲、鍛治直人撮影:宮川舞子まず、塩見と片倉のかけあいの妙が印象的だ。高橋の佇まいは、新劇畑の塩見のいかにも文学青年がそのまま年を重ねたような風情がしっくりはまる。亡き友人の遺児である石谷一彦(西川大貴)に対する親代わりとしての表情に、彼の誠実さが表れているように感じる。一方の片倉は、大衆演劇の劇団を率いているだけあって塩見よりも線の太い感じ。どっしりとした存在感とどこか愛嬌のある言動は、千葉ならではの造形ではないだろうか。そして、自身の持ち味を十二分に活かしていると思わされたのは、陳を演じる加納。軽妙でコミカル、でもどこか物腰がたおやかなのは、さすが「花組芝居」の座長であり女形であるからこそ、といったところ。部外者として面倒を見ているうちに自分も創作に関わり始める、というのはバックステージものでの「あるある」ではないかと思うが、陳も塩見・片倉を相手に丁々発止のやりとりをしているうちに、芝居に深く関わっていく。左より)高橋和也、西川大貴、加納幸和、千葉哲也、鍛治直人、霧矢大夢、朴勝哲撮影:宮川舞子さらに、石谷の婚約者である女優のハルビン・ジェニィ(霧矢大夢)、塩見・片倉にとって因縁の相手でありジェニィの過去にも関わる市川新太郎(石橋徹郎)、音楽家である石谷の同僚ピアニスト・崔明林(朴勝哲)も加わって、『シベリアのリンゴの木』という芝居が形作られていく。誤解やすれ違いゆえのドタバタから、やがて全員が一丸となって芝居を完成させようとして、まさにドラマティックな盛り上がりを見せる。後列左より、鍛治直人、高橋和也、千葉哲也前列左より、石橋徹郎、霧矢大夢、西川大貴、加納幸和撮影:宮川舞子だが、そこに暗い影を落とすのは、ここがソ連軍に包囲され外部から隔絶された大連の街であること。当時の大連の状況もこれまでノンフィクション / フィクション共さまざまに描かれてきているが、昨今の世界情勢を思えばより感じるものは多いはず。困難な状況を必死に乗り越えようともがき、でも軽妙な笑いを忘れない、連鎖街に取り残された人々。なんとも愛おしい彼らの姿は、2023年の今この作品が上演される意味・意義を強く伝えてくる。取材・文:金井まゆみ<公演情報>こまつ座第148回公演『連鎖街のひとびと』作:井上ひさし演出:鵜山仁出演:高橋和也千葉哲也加納幸和鍛治直人西川大貴朴勝哲石橋徹郎霧矢大夢【東京公演】2023年11月9日(木) ~12月3日(日)会場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA【山形公演】2023年12月10日(日)会場:東ソーアリーナ【群馬公演】2023年12月22日(金)会場:昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)チケット情報:公式サイト:
2023年11月14日9月9日より東京・新国立劇場 小劇場にて舞台『マーク・トウェインと不思議な少年』が初日を迎えた。ここでは、開幕レポートと併せて出演者コメントをお届けする。マーク・トウェインと言えば、『トム・ソーヤの冒険』『王子と乞食』『ハックルベリー・フィンの冒険』など、誰もが人生の中で一度は触れている小説家と言っても過言ではないだろう。1835年に生まれ、ユーモアと社会風刺に富んだ作品で当時もっとも人気のある文豪の一人だった。本作は、トウェインの作品からは感じられない波乱の人生をつづっていく。さまざまな作風の舞台を手がけ、作家、演出家として確固たる存在感を示しているG2。『マーク・トウェインと不思議な少年』は、トウェインが晩年に改稿を重ね、死後に遺稿を整理する形で出版された『不思議な少年』をはじめとする数々の作品なども借りて、トウェインの人生を読み解いていく。私自身は『不思議な少年』を読んだことはなかったが、16世紀のオーストリアの小村を舞台に、突然現れたサタンと名乗る美少年の巧みな口車に乗せられ不思議な世界へ誘われる少年たちの物語だそう。本作はマーク・トウェインこと本名サム・クレメンズ(別所哲也)が、自身のペンネームである“マーク・トウェイン”の自叙伝を執筆しているところから始まる。そして時は遡り、サムが『不思議な少年』の執筆に行き詰まる場面から物語は動き出す。サタンと称する少年(平埜生成)が現れるのだ。すべては運命と言いながらも、サムを弄ぶような言動をするクールな少年によって、老いたサムは若き日のマーク・トウェイン(白石隼也)と対峙していく。サムの妻オリヴィア(筧美和子)と出会ったころのマークは、今で言うなら時代の寵児に駆け上がろうとしているような存在。しかし、一方で原稿も講演で話すことも、一部ではウソ満載のペテン師という評価が付きまとう。ある日、マークは旅行記執筆のため乗船した客船に同乗していたリチャードの姉の絵に一目惚れする。それがオリヴィアだった。西部出身で粗野なマークに対し、東部の名家に育った上品なオリヴィア。周囲の反対もあったものの、結婚後、オリヴィアの助けを得ながら手がけた旅行記や小説によってマークは文壇を駆け上がっていく。一攫千金を追うような気質は変わらなかったが、創作に関してはオリヴィアの存在が大きく影響を与えていった。一方で、自分自身でありながら別人格として巨大化していくマーク・トウェインの存在に違和感を抱き始める。劇中ではサムがいつの間にか若きオリヴィアやマークと同じ時代、同じ空間に紛れ込んで、マークと時に手を取り合い、時に反発し合う様は見どころだ。サムの人生を縦軸に、その奥には「快楽」「愛」「名声」「富」「死」というマーク・トウェインの提示した“五つの恵”を潜ませる。軽妙洒脱に、さまざまな役を演じるアンサンブルの面々によるスピード感、そして思い悩むサムの姿が繰り返し、物語に緩急をもたらす。舞台上で生演奏する吉田能のピアノのメロディが、シーンの彩りをくっきりとさせていた。吉田も電話を開発するグラハム・ベルへの出資を依頼する人物としても登場し、時代も空間も音楽もすべてが舞台上に溶け合っていく。実は幕開け早々に、サムとマークを支え続けてきたオリヴィアの死が描かれる。しかし、エンディングに向かう流れの中で、再びそのシーンに戻ったとき、サムがオリヴィアへの想いを語るシーンは、愛に溢れ感動的で、改めて本作はラブストーリーでもあったのだと感じる瞬間だ。そこに至るまでの紆余曲折のあるサムとマークの生き様を、ぜひ劇場で一緒に旅してほしい。取材・文=今井浩一撮影=taroなお、9月17日(日) 13時、18日(月・祝) 13時、21日(木) 13時開演の3公演において、上演後に出演者によるアフタートークが実施されることが決定した。詳細は後日、公式サイトにて発表される。■別所哲也 コメント今はただお客様に早く観ていただきたいという気持ちでいっぱいです。この作品の見どころは、僕が演じるサム・クレメンズと最愛の妻・オリヴィア(筧美和子)のラブストーリーです。僕としてはサムとマーク(白石隼也)とオリヴィアの三角関係も見どころだと思っていまして、美しいトライアングルを奏でられたらいいなと思います。そして、初舞台の筧さんの華麗な姿もぜひ皆さんご覧ください。色々な舞台に立たせていただいていますが、今回は新たな発見があり、小劇場という皆様と近い距離で接することの出来る場となっております。この作品を通じて、大切な人のことを思ったり、自分自身がどう成長していくべきかと皆さんも悩むことがあると思いますが、あの文豪マーク・トウェインも色々な悩みを抱えていたんだなと感じていただき元気になってほしいです。最後のシャボン玉が舞う素敵なシーンを皆さんと分かち合えたら嬉しいです。■平埜生成 コメント稽古場ではG2さんをはじめ、スタッフの皆様が最後の最後まで粘って、より完成度の高いものを作ろうという熱量がビシビシと伝わってきました。あとは俳優次第というプレッシャーもあります(笑)。楽しんで真剣に取り組み、良い作品にしていけたらいいなと思います。大ベテランの別所さんと初舞台の筧さんの掛け合いにキュンとし、そこに切れ味抜群の白石さんが混じるという、3人のバランス感がすごく好きなので、ぜひ注目して観ていただきたいです。時間・空間を超えて物語の中に入ったり、物語の登場人物が飛び出てきたりと、ファンタジックな要素の詰まったポップな作品に仕上がりました。大人から子供まで、そして舞台を観たことのない人にも楽しんでいただける作品だと思いますので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。■筧美和子 コメント本格的な舞台が初めてなので、少しでも気を抜くと緊張感に襲われそうになりますが、皆さんと稽古を重ね、想いも重ねてきたので、自信を持って楽しめたらいいなと思います。稽古を重ねる度に、この物語の印象が変わっていくのが印象的で、観る人によっても感じ方が違うと思うので、それぞれの思いで楽しんでいただけたら嬉しいです。飛び出す絵本のような作品で、絵本のページをめくるように展開がコロコロ変わるので、そこも楽しんでいただきたいです。先輩方が「舞台はお客様と一緒に作り上げるものだ」と仰っていて、それを体感できることがとても楽しみです。来てくださる方の想像力、想いをお借りして、皆様と一緒に作り上げられたらと思います。ぜひ遊びに来てください。■白石隼也 コメントこの芝居は場面転換が多く、我々の頭の切り替えが重要なお芝居で、それに追いつくのに時間がかかりましたが、1カ月稽古を重ねて、今は自信を持って初日を迎えられます。今回、僕と別所さんでマーク・トウェインとサム・クレメンズという同一人物を二人で演じます。作家としてのマークと、人間としてのサムが対決する場面があり、同じ人物のなかで対決するという構図が一つの魅力で、他ではなかなかないと思うので、そこが見どころだと思います。マーク・トウェインはとても尊敬されている偉大な人物ですが、この作品ではそんな作家が人間らしくユーモラスに生き抜いた生涯が描かれています。とても面白い作品になっていますので、ぜひ劇場でお待ちしております。<公演情報>『マーク・トウェインと不思議な少年』原作:マーク・トウェイン『不思議な少年』『不思議な少年44号』およびマーク・トウェインの諸作品脚本・演出:G2出演:別所哲也、平埜生成、筧美和子、白石隼也 ほか【東京公演】9月9日(土)〜24日(日)会場:新国立劇場 小劇場【大阪公演】9月30日(土) 17:00 公演10月1日(日) 12:00 公演会場:COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホールチケットはこちら:【アフタートーク】■日時9月17日(日) 13:00公演9月18日(月・祝) 13:00公演9月21日(木) 13:00公演※詳細は後日、公式サイトにて発表公式サイト:
2023年09月10日温泉旅館ブランド「緑屋」を展開する陣屋グループは、長野県上田市の別所温泉に「別所温泉 緑屋」をオープン。庭園デザイナー石原和幸監修の温泉旅館「別所温泉 緑屋」がオープン「別所温泉 緑屋」がオープンするのは、長野県上田市に位置する信州最古の湯として知られる別所温泉。緑に囲まれた空間にて、極上の“くつろぎ時間”を提案する。注目は、世界的な庭園デザイナー石原和幸プロデュースによるメインガーデン「緑風庭」。石原が、英国チェルシー・フラワーショーで金賞を獲得した庭園を再現している。庭園は、すべての客室や大きな窓を配したダイニングから望めるため、四季折々の表情を楽しめる。3つの源泉かけ流し貸切専用風呂また、露天風呂と内湯がセットになった3つの貸切専用風呂も魅力のひとつ。滞在中は何度でも利用できるため、美人の湯と名高い別所の湯を源泉かけ流しで堪能することができる。「紅葉の湯」「山水の湯」「松の湯」を用意し、いずれも湯船だけでなく、シャワーやカランもすべて源泉となっている。多彩な客室タイプ客室は、「桜」「椿」「紫陽花」など植物の名前が付けられた全11室を用意。洋室が4つのタイプで10室、専用の庭付きのグランピング1室の各部屋からは、部屋名にちなんだ花や木が生い茂る庭園を眺めることができる。家族やグループでの利用から一人旅まで幅広い利用が可能だ。中でも1階プレミアムルームは、「別所温泉 緑屋」の中で一番広く、石原和幸プロデュースの庭園が目の前に広がる部屋となっている。風情ある四季折々の景色を存分に満喫できる。リビングにはソファやダイニングテーブルセットを設置しており、部屋での食事も楽しめるように。ワンランク上のリゾートステイが叶う。旬の食材を使用した会席メニュー夕食は、鶴巻温泉 元湯陣屋の総料理長監修による季節会席を提供。旬の食材を使用した本格会席料理のほか、アラカルトメニューや近隣提携レストランの緑屋限定コースが展開される。【詳細】別所温泉 緑屋オープン日:2023年8月5日(土)住所:長野県上田市別所温泉225室数:11室(洋室10室、グランピング1室)浴場:貸切専用風呂(3か所 内湯と露天風呂)料金:1泊ひとり 12,100円~■貸切専用風呂利用方法利用方法:先着順、予約不要※宿泊者は無料で利用可能。利用時間:30分目安※空きがあれば制限時間なく利用可能。■一棟貸切プラン貸切料金:1泊2日 330,000円~内容:旅館をまるごと貸切※素泊まりの料金。食事はオプションで追加可能。
2023年08月10日音楽劇『ある馬の物語』が、6月21日(水) に世田谷パブリックシアターで初日を迎えた。ロシアの文豪トルストイの小説(原題『ホルストメール』1886年刊行)を舞台化した本作は、人間という愚かな生き物と思考する聡明な馬とを対比させ、人間のあくなき所有欲に焦点をあてながら、「この世に生を受けて生きる意味とは?」という普遍的なテーマを詩情豊かにそしてストイックに問いかける。本来は2020年6月から7月にかけて上演予定だったが、新型コロナウイルスの影響により中止に。このたび約3年という歳月を経て、上演される運びとなった。世田谷パブリックシアター芸術監督の白井晃による新演出となる今回は、まだら模様に生まれついたばかりに不遇な運命をたどる馬役で成河、その馬の中に潜む才能を見出す公爵役で別所哲也、公爵やまだら模様の馬の前に立ちはだかる美と若さの象徴ともいえる男性(牡馬)で小西遼生、そして彼らの運命を変えていくファムファタールともいうべき女性(牝馬)役で音月桂が出演する。また、馬の群れをアグレッシブに形成する歌とダンスに秀でた10名のキャストたちを含む、総勢18名の出演者で百数十年前のロシアのストーリーを現代の我々のストーリーとして立ち上げる。音楽劇『ある馬の物語』(撮影:細野晋司)音楽劇『ある馬の物語』(撮影:細野晋司)音楽劇『ある馬の物語』(撮影:細野晋司)初日公演を終え、白井は「三年越しの初日の幕が開け、素直にうれしいです。この作品は、観客の皆さんと共に作る作品。初日の客席の皆様が加わったことで、伝わることが明確になった気がしています。トルストイが伝えようとしたメッセージが今の私たちのフィルターを通して、しっかりと伝わっていることを願っています」とコメント。また「成河さんのホルストメールだからこそできる表現、別所さんの公爵だからこそできる表現、小西さん、音月さんだからこそできる表現がたくさん盛り込まれているので、無事にそれが形となったことに喜びでいっぱいです」と語っている。『ある馬の物語』は、7月9日(日) まで同所で上演後、7月22日(土)・23日(日) に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで上演される。■上演台本・演出:白井晃 コメント全文三年越しの初日の幕が開け、素直にうれしいです。この作品は、観客の皆さんと共に作る作品。初日の客席の皆様が加わったことで、伝わることが明確になった気がしています。トルストイが伝えようとしたメッセージが今の私たちのフィルターを通して、しっかりと伝わっていることを願っています。成河さんのホルストメールだからこそできる表現、別所さんの公爵だからこそできる表現、小西さん、音月さんだからこそできる表現がたくさん盛り込まれているので、無事にそれが形となったことに喜びでいっぱいです。キャスト・スタッフの総力でとても豊かな劇空間が生まれたように思います。率直に、とてもほっとしています。たくさんの皆様のご来場をお待ちしております。■訳詞・音楽監督:国広和毅 コメント全文ロゾフスキーさん作の歌をどうやってサックス4本で編曲するのか。また自分が新たに作曲した器楽曲とそれらをいかにして一枚の布に織り上げるか、悩みに悩んだ2カ月間でした。でも稽古プロセスでその二者の境界が消えて行くのを感じ、初日を迎えた今日、工事現場の足場から響き渡るサックスの音色と個性豊かな歌声はもはや誰のものでもなく、今ここで鳴っている切実な生命の息吹として創作の祝祭を彩っていると確かに感じました。最後にはお前は何をこれから建設するんだ、どう生きるんだ、と問いを突きつけられるような緊張感あふれる素晴らしい初日でした。何と言っても生演奏ですからその音圧と即興性、公演ごとの変化もこれからとても楽しみです。■成河 コメント全文白井さんを中心にカンパニー全員で、外堀を埋めるように大枠を作る作業を積み重ねて、まずは目指していた器の形が見えてきました。次に、この器に、これからお客様と一緒にどんな中身を詰めていくか。それがこれからの課題です。あまり器を満たしきってしまうのは作品として違う。とは言え、空っぽの器のままでもいけない。想像力という中身を、お客様と一緒に詰めていって、最後にトルストイのメッセージがどのように響くのか。それをどう感じ、役立てていくのか。その使命は、実演家も観客も対等に担うのがこの作品だと思います。実は、これだけ舞台と客席が密接な空間なのに、こんなに良い意味でお客様が気にならない舞台は久しぶりです。第四の壁とでもいうのでしょうか、客席との間にある壁をぶち破る演技を求められることが多いのですが、今回は白井さんとセッションを重ねて、あえてモノローグでもそれを避け、最後の最後に初めて客席と目が合う。そんな演技がなんだか自分にとって新鮮です。これをお読みになっているあなたが24歳以下なのであれば、絶対に足を運んで欲しい作品です。世田谷パブリックシアターのU24(アンダー24)と、高校生以下であれば一般料金の半額でご観劇いただけます。この、難しいことは一切ない、必ず何か生きる上での刺激を得ることができる作品を観ていただけます。もちろん、24歳以上のみなさんもお待ちしています。必ずびっくりさせますから。■別所哲也 コメント全文お客様と一緒に舞台は育つのだなと初日を終えて改めて感じました。2020 年からの3年という時間が巡り合わせや縁を作ってくれて、今この時期に上演する意味を皆様も感じてくださったのではないかと思います。所有するとか奪い合うとか、人間が持っているそもそものエゴが馬から見えてくるという、とても面白い作品です。この作品自体の構造がそうなのかもしれませんが、永遠に完成を目指すという、いい意味での現在進行形の中を、白井さん、出演者の皆さんと一緒に、船で言うとオールを漕ぎながら海原を前進していくような感じがしています。俳優としてまた新しい自分の表現を見つけられる現場です。皮を剥いても剥いてもその先にまだ何かがあるような作品です。決して難解ではないので、楽しく観ていただけたらと思います。胸に迫る深いメッセージが一番底にありますので、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。■小西遼生 コメント全文白井さんの遊び心が満ちた演出、アクティングエリアの広さ、トルストイのメッセージとが折り重なるこの舞台。実際にお客様の前でやってみないとどう受け止めていただけるか分からない緊張感を持って今日を迎えましたが、とても良い初日を終えることができたとほっとしています。この物語は、馬の視点を通し、人間の業を時にはおもしろく、でも真摯に、説教くさくならずお届けできる作品。舞台と客席とがフラットで、半円形に迫り出しており、客席芝居も多く、舞台だけでなく劇場全体が『ある馬の物語』の世界観を築いています。こんなにイマーシブな演劇体験はそうそうできないと思うので、多くの皆様に体感していただきたいです。日常では得難いパーツを皆様にお届け出来るのが演劇の醍醐味だと思います。劇場でお待ちしています。■音月桂 コメント全文二カ月弱という期間があっという間に感じるほど、濃密な稽古期間を重ねてきました。いざ舞台に立ってみると、この物語や演出の奥行や立体感、具体的なイメージを感じながら、リラックスして舞台に立つことができました。普段、とても緊張してしまう私が、こんなに落ち着いて初日を迎えられたのは初めて。それは家族のように信頼し、支えあっていけるカンパニーと、日々変化を与えてくれる白井さんのマジックのおかげです。トルストイ原作というと難しそうと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、現代の私たちにも通じるテーマ性と、白井さんの演出、国広さんの音楽とうんさんのムーブメントで、世代を問わずお楽しみいただける作品に仕上がっていると思います。舞台と客席とが地続きに感じるような劇空間で、私たちと共に、『ある馬の物語』の世界を楽しみながら創っていただけましたら幸いです。<公演情報>音楽劇『ある馬の物語』6月21日(水)〜7月9日(日)会場:東京・世田谷パブリックシアター【ツアー公演】7月22日(土)・23日(日)会場:兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール★ぴあ半館貸切公演あり6月24日(土)13:00公演・30日(金)14:00公演チケット情報公式サイト:
2023年06月23日トルストイの小説を原作とした音楽劇『ある馬の物語』が6月21日、世田谷パブリックシアターにて開幕する。2020年、第一回目の緊急事態宣言発令による公演中止を経て、三年後、上演台本・演出を手掛ける白井晃のもとに、成河、別所哲也、小西遼生、音月桂ら当初のキャストが再集結。人間の尽きることのない所有欲、その愚かな欲望を聡明な馬の視点から描き出し、人間の幸福とは何か、生きることの意味を問う普遍のドラマが、魅力の布陣によって立ち上がる。情感あふれる歌と音楽(訳詞・音楽監督・国広和毅)やフィジカル・パフォーマンス(振付・山田うん)を盛り込んだ舞台、その初日に向けて絶賛稽古中の皆さんの座談会取材を行った……が、取材の場はいつしか熱を帯びた稽古場の様相へ!俳優と演出家、それぞれの作品への真摯な思い、緻密な視点が感じられる語らいを、ぜひ。いろんな仕掛けがある舞台――まずは稽古に入られた今、皆さんが稽古場で目にし、実感されていることを教えていただきたいと思います。成河稽古の一番最初の段階で、白井さんが結構明確な指針をド〜ンと与えてくださったので、さあ、何が来ても驚かないという状態ではいました(笑)。今はそのイメージを一つひとつ、どこまでできるのか、チャレンジしている段階じゃないですかね。別所いろんな仕掛けがある舞台だなと感じていますね。馬を演じる皆さんの動きも非常にアクティブで。ただ大半は、ホルストメールという馬を演じる成河さんが担っていて、火に油を注ぐように動いていらっしゃるかなと(笑)。成河いやいや、これからですよ!僕だけじゃない、まだわからないですよ。別所僕は公爵、人間の役だから(笑)。人間としても縦横無尽に動くという感じでは今のところはないけれど、正直、まだこれからですかね。リアリズムな空間から馬の目線へと飛ぶ瞬間が多く、そこをどう飛躍していくか。様式的な世界と、前衛的……という言い方は正しいのかわからないですけど、それらが混在した空間がとても興味深く、面白くやらせていただいています。音月稽古に入る前、元の戯曲や上演台本を読んでいた時は、原作がトルストイ、難解なのでは……と構えていたのですが、今、稽古場で立体的に立ち上がっていく様をみると、面白いし、どんな世代の方でも楽しんでもらえる作品だと感じています。私自身もすごく楽に入っていけて、作っていく過程が本当にワクワクしますね。演出の白井さんの頭の中に入っていく感じが楽しいです(笑)。小西僕は今、実験室のような空間だなと感じていて。それは白井さんの演出の方向性でもあるだろうなと。本当にいろんなことを挑戦して試して……といった時間を、白井さんをリーダーにしてやっている感じなので。いろいろとアレンジすることが出来る戯曲だと実感しています。楽しい無茶が詰まった上演台本――トルストイの原作小説『ホルストメール』の舞台化(脚本・音楽:マルク・ロゾフスキー)で、その戯曲を白井さんが今回の上演用に脚色されています。台本作りではどのようなことを意識されたのでしょうか。白井ロゾフスキーさんの脚本と音楽は50年近く前に作られたものですが、小説から立ち上げたからこそ出来るような表現方法がいっぱい組み込まれているんですね。例えば、最初にいきなりお客さんに向かって話し出したり。また、進行を皆で担っていくようなところはギリシャ悲劇的でもあり、ブレヒト的でもあり。そういう様式の戯曲で、セリフのスキマはある程度自由度があったので、好きに書き込んでいったと言いますか(笑)。これは出来るかどうか分かりませんよ、でも皆で知恵を絞ったらこんなイメージの劇空間が出来るかもしれない……というようなことを机上の空論としてト書きにはめていったという感じです。実際に今、これは難しいだろうという僕の頭の中のイメージを、無謀にトライしてくれるホルストメールがいて……。成河ククククク!白井僕は逆に「まだまだ!」と制止しながら稽古をしている状況です。(一同笑)トルストイが100年以上前に書いた小説をもとに50年ほど前に書かれた戯曲を、僕たちが2023年に上演することの意味合いをつけられたらいいなと思って、上演台本を手掛けました。セリフに関してはいつもそうなのですけど、翻訳の言葉をどう噛み砕いて今の僕たちの言葉にするか、この作業にすごく時間をかけました。自分で音読してみて、成河さんや別所さん、小西さんや音月さんをイメージしながら言葉を揉んでいきました。成河セリフに白井さんのこだわりを感じて、すごく嬉しいんですよ。ロゾフスキーさんの戯曲もかなり詩的で、面白そうだけれどずいぶん無茶なことを書くなと思っていたのですが、白井さんの上演台本を読んだら、それのさらに上をいく楽しい無茶がたくさん書かれていて(笑)。信頼出来るスタッフさんがいるから大丈夫、この稽古場で思いっきり子供になって実験してみよう! という白井さんの思いが伝わってきました。セリフの一言一言も本当にこだわり抜いて書かれているなと。僕、最近は翻訳モノについては結構“変える派”だったんです。皆で議論を重ねたうえで、自然な話し言葉となるよう“てにをは”などをどんどん変えていく。だから今回、一言一句変えないでやりたいなと思えるのは、すごく久しぶりなんです。白井さんが本当にひとつのセリフに一晩以上かけて“てにをは”を考え抜いて、書いた言葉だなと分かるので。やっぱり作家さんなんですよね。台本に作家性が強く見えるのは、俳優として幸せなこと。この言葉と格闘している今がとても楽しいです。白井ありがとうございます。う〜ん、これって翻訳っぽいなと思って、変えてみて、読んでみて、う〜ん、まだ違うな〜とか、そんな繰り返しでした(笑)。シーンを“遊びながら”皆で役を探る――成河さんは、まだら模様に生まれたことで不遇な運命をたどる駿馬ホルストメール役、別所さんはホルストメールを所有する公爵の役。音月さんと小西さんは、ホルストメールと公爵に関わる馬や人物の、複数のキャラクターを担います。役をどう捉え、立ち上げようとされているのかをお話いただけますか。成河難しいことを聞きますね、分からないです。(一同笑)いや、戯曲から読み取れるイメージはありますよ。それについて今、稽古場で、ラフスケッチと実験を繰り返しているところです。僕はなるべく役のイメージは最初から持たないようにしているし、見えて来てもそこから逃げようとするところがあって、怒られるわけですが(笑)、でも僕はそれでいいと思ってやっています。それよりも、どうやったらこのシーンがもっとメチャクチャなところに行くだろうかとか、台本からはみ出したところに行って、それは多分間違いだろうから戻ろうかとか、皆でシーンを遊ぶ、その遊び方が豊かになっていくのが今は楽しい。「いや、僕の役はこうだからその展開はおかしいです」ということになってはいけないと思っていて、役のイメージは最後の最後にちゃんと着地出来ればいいんです。白井僕たちが今回作る『ある馬の物語』のホルストメールを成河さんが探り当てる、そのための遊び場を今、外枠を詰めて、提案している感じなんですね。だからまさに今、成河さんが言ったことは僕にとっては正しいなと。ホルストメールがどう動いて、どんな声を出して、どういったストーリーをこの中に入れていくかについて、僕は「自由にいろいろやってみて」と言っています。きっと何度もやるうちに、だんだん成河さんの中からホルストメールが浮き彫りになって来るであろうと感じていますね。言葉の中にいっぱいヒントがあるので、読めば分かることばかりなんですよ。それを俳優の皆さんの身体に通すことで、どう成河さんのホルストメールが見えるか、別所さんの公爵が見えるか、音月さんの牝馬ヴャゾプリハが見えるか、小西さんの雄馬ミールイが見えるか、なんですよね。また今日の稽古では別所さんが公爵へのアプローチをいろいろ試していて、音月さんは公爵の恋人役のマチエを、小西さんは将校の役を演じていて、皆がまだ揺れている。でもそのうちに公爵が見えて来て、マチエが、将校が見えて来る。そうなるとホルストメールも見えて来るといった形で、皆の造形がだんだん固まっていくのが稽古の面白さだなと思っています。それぞれの役柄を作っていくことで、最終的にこの芝居の中のホルストメールを作ることになる。例えば、別所さんの公爵のあり方次第でホルストメールも変わるだろうし、ホルストメールのあり方次第で別所さんの公爵も変わるだろうと。でも正直に言うと、成河さんのホルストメールを一番最後まで揺らすだろうと思いますね。周りの皆さんにだんだん固めていってもらって、成河さんがこういうホルストメールになって行けばいいんだな、と見えるように、雪隠詰めのようにして(笑)。そうやって3週間後くらいに「あっ、白井さん、ここですかね!」というところが見えてくると。成河それは楽しい瞬間ですよ!別所公爵とホルストメールは人間と馬ですが、似たもの同士のようにも思いますね。白井さんがよく「公爵は持てる人」だと、つまり所有している人だと言っていて、そうなると持たざる者の気持ちがよく分からない人間だろうなと思うんですが、その上で、彼にとっての所有とはどういう貪欲さなのか、そのチューニングが今、難しいなと感じています。今日の稽古でもちょっとショックというか、混乱した瞬間があって。公爵という役の中にいるのだけれど、どこか浮遊している感覚……、迷いまくってますね。ノッキングしまくってます(笑)。白井僕、俳優さんがノッキングしている様子が見えると、チャンスと思うんですよ。別所フフフフ。白井ノッキングしているということは、そこが気持ち良く流れていない。ということは、僕の考えていることと解釈が違うのかもしれない、または、僕がそこをもうちょっと強化しなければいけない、その両方があるんですよね。別所いや、でも実際あのシーン、やってみるとね……(具体的な話に)白井あそこの感覚は……(さらに具体的な話に)成河え〜と、今ココ、稽古場になりました。(一同笑)白井別所さんの質問は分かりやすい、受け止めやすいんです。確かに流れない、これはチャンスだと思って「だったらこの感覚をひとつ入れていただければ」と投げると「あ〜分かりました、助かる!」と受け止めてくださるので、非常にいいキャッチボールをさせてもらっているなと感じています。俳優として、役として流れていかない部分をしっかりと言ってくださるので。いわゆるウェルメイドなストレートプレイだったら、初めから作家の中ですべてが埋まっているんですけど、この作品はスキマがいっぱいあるので、そこを埋める作業が面白い。スキマだらけの戯曲のほうが、行間にあるものを作っていくことができるので、実はすごく好きなんです(笑)。奪う役・持てる役へのアプローチ音月私は、ヴャゾプリハという牝馬と、人間はマチエとマリー、この三役を演じるのですが、馬も含めてどれも相手を裏切るようなことを起こす女性なんですね。「本能のままに生きる!」――自分の人生において、色々と振り返ってみると、実はこれが1番難しいような気がします。裏切るという感覚も最初はすごく苦しくて、私の中で葛藤もすごくありました。ですが人間も馬も関係なく、動物的本能というものを思い切り体現出来る役なので、本能のままに突き進むエネルギーを持てたらいいなと思いながら今、稽古をしています。でも、やっぱりまだモゾモゾしていますね。なんとなく“いい人”になろうとしちゃう。そんな迷いを振り切って、この面白い世界にもっと思い切って飛び込みたい。まだグラグラしている芯を、ちゃんと一本通していかなければと思っているところです。白井おっしゃるように、ご自身がファムファタール、魔性の女といった体質じゃないんだと思いますよ。音月さんは真面目な方だと思うし、だからこそ面白いんじゃないかなと。もしかしたらペロッと卵の殻が剥けるような瞬間があるかもしれない。それで今は、「あ、その声じゃなくて、そっちの声かも」と言いながら探っています。声の音って意外に、役にたどり着くきっかけになる時があるから。僕が思うところのマチエのイメージは、公爵との退廃的な恋愛の在り方、その滑稽さというのかな。本人たちは真剣なんだろうけど、そこに馬鹿馬鹿しさが見えるよう、一生懸命に今、ペロッと殻を剥かせてもらっているところです(笑)。音月さんも思いっきり良くトライしてくださるので、面白いですよ。小西音月さんや僕の役って、成河君や別所さんが辿り着こうとするまでの“揺らぎ”が少ないんですよ。いわゆる欲や本能といったものを体現したり、あと基本的に“人から奪う”役なんですよね。僕は馬のミールイ、人間は将校と伯爵、その三役を演じますが、伯爵の場合は公爵から奪うというより、対比関係かな。かつて持っていた人(公爵)が持たなくなってしまった時に、持っている者として現れるすごく自慢げな人間。何かに心が揺らぐよりも、ひたすら本能に忠実。そこはこれからもっと稽古を積んでいかないと実感出来ないことなので、僕もアプローチをどうするかまではたどり着いていないですね。白井確かに、小西さんの伯爵や将校のシーンについては僕のイメージをちょっとお伝えしたくらいなので、まだまだこれからですよね。やっぱりホルストメールがいて、公爵がいて、そしてミールイとヴャゾプリハ、もしくは将校とマチエ、伯爵とマリーというポジションは、この物語を造形していくための大切な役どころです。そのために誤謬を恐れずに言うと、この作品での確実なる役割、どう見えなきゃいけないか、というのがまずあるんです。将校にしても伯爵にしても、刹那的に冷淡に見えていなければならない。必要でなくなったものは切り捨てる、それを平気で出来る人物でいなければいけないということがまずあります。マチエにしても、公爵に寄り添いながら、もっと自分にとって益がありそうだなと思うほうへスーッと行ってしまう。それはこの作品の中で求められている役割で、ガッとギアをそっちに入れることをお願いすることになるかもしれないです。小西そうですよね。今の段階では、キャラクターについては答えづらいんです。白井おふたり(小西、音月)はそうだと思う。役に自分なりのシンパシーを……というか、役と回路を結びつけてしまおうとすると苦しい作業になるから、そこは吹っ切って楽しんでもらったほうがいいだろうなと思います。音月その時に見えて来るものってありますよね。白井そうなんですよ。「馬」という媒介を通すことで、よりダイレクトに――稽古場でのディスカッションを覗かせていただいたように思います。まだまだこれからというお話でしたが、なんとなくそれぞれの役割がうっすらと立ち昇ってきたような…!? 馬と人間の交錯する“本当の幸福”を見つめる物語が、音楽やフィジカルの力も得ていかに展開するか、楽しみです。成河要するに、トルストイがここに登場する貴族たちをどのように見ていたのか、ですよね。公爵にしても、全てを所有して完璧に見える伯爵にしても、その後にロシア革命が起こって貴族社会は崩壊していく。そのことを現代の我々は知っているわけです。そういう目線で見た時に、「何をもって幸せと言えるのか」ということを考えさせる作品に、必ずやなるということですね。白井本当にそう。人間の本質は何も変わらないんだなということが、トルストイが100年以上前に書いたこの作品に明確に描かれています。しかもこの舞台、本当は3年前に上演するはずだったのですが、この3年のあいだに、ここに書かれていることがより浮き彫りになったように思うんですね。経済の状況にしても、人の心にある所有欲の高まりにしても……。変わることのない人間の欲望、その愚かさ、儚さについて、馬という媒介を通しているからこそダイレクトに語っている。そこが非常に面白く、今に通じる「今」の作品になっていると思います。取材・文:上野紀子撮影:塚田史香ヘアメイク:(成河)大宝みゆき /(別所)森川英展(NOV)/(小西)茂手山貴子 / (音月)光野ひとみ / (白井)国府田圭スタイリング:(別所)千葉良(AVGVST)/(小西)尾後啓太 / (音月)久保田姫月<公演情報>音楽劇『ある馬の物語』2023年6月21日(水)〜2023年7月9日(日)会場:東京・世田谷パブリックシアター【ツアー公演】2023年7月22日(土)・23日(日)会場:兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール★ぴあ半館貸切公演あり6月24日(土)13:00公演・30日(金)14:00公演チケット情報
2023年06月14日音楽やビジュアル、振動などを巧みに使い、人の視覚や聴覚、触覚を統合する“共感覚”的体験を味わえるゲームを生み出している、水口哲也さんと石原孝士さん。石原孝士×水口哲也:長く抽象的な議論からゲーム作りがスタート。――お二人はなぜ、ゲームという媒体を選んだのでしょうか。水口哲也(以下、水口):世の中にあるさまざまなクリエイティブの中で一番新しいと思ったからです。ゲームって体験のクリエイティブなんですよね。ビジュアルや音、場合によっては触覚などを使って自由に制限なく作れて、しかも世界中の人にリーチできる。未だに変わらない魅力ですね。石原孝士(以下、石原):幼少期からゲームに触れていましたが、中高生の頃にグラフィックデザインに興味を持ち始め、アート全般を学ぶようになりました。あと、’90年代のダンスミュージックが流行っていて、そういった音楽を聴きながらそのイメージを絵にする、みたいなこともやっていたんですよね。そんな中、水口さんの『Rez』や『スペースチャンネル5』といったゲームを知り、自分とシンクロする部分があるなと感じていました。水口さんの作品には、一般的なゲームの体験ロジックとはまた違うアートと音楽の力もふんだんに活かして物語を進めていくような独特なスタイルを感じて、「これは新しい、今自分が学んでいること、やっていることも、そのまま活かせるのでは?」と思いクリエイターを目指すようになりました。―― 一番最初のゲーム体験を教えてください。水口:小学校4年生の時におもちゃ屋さんの友達の家でやった家庭用ゲームの『PONG』ですね。なんじゃこりゃって(笑)。石原:僕はファミコンの『スーパーマリオブラザーズ』です。ただ、今思い返すと、小さい頃に父の自作のゲームとコントローラーで遊んだ記憶がありますね。水口:石原くんのお父さんもゲームクリエイター?すごいね。――水口さんに憧れていた石原さん。二人が一緒にゲームを作るようになった経緯を教えてください。石原:先ほどの話の続きになりますが、水口さんのいるセガに入社するものの、そのタイミングで水口さんが独立されてすれ違いになり、結局、数年後に水口さんのスタジオに移りました。一番最初に会ったのはスタジオ近くのコンビニでしたね(笑)。水口さんの作品に近い印象のアートをたくさん描いていたので、自然と興味を持っていただいたのか、わりとすぐに一緒にプロジェクトをやろうかという話になりました。水口:それで、4年くらいかけて『チャイルド・オブ・エデン』を作ったんです。ゲームは構想やコンセプトを作るプリプロダクションから始まるんですけど。僕らの場合、最初に僕が物語を書き、それを基にして石原くんがアートを手で描いていきます。ただ、なかなかイメージの共有が難しく、最初は二人の間でフォーカスが合わない。そこから何度も、何時間も議論をします。“そのシーンはどんな効果音が鳴って、どんな音楽が流れて、どんなビジュアルエフェクトが生まれて、こんな体験になっていくのはどうだろう”のような感覚的なユーザーストーリーの議論を続けます。そうして時間を使うことで、だんだんとフォーカスが合うようになり、たとえば、10枚描いて1枚しかピンとくるものがなかったのが、3枚、5枚と増え、確度が上がっていく。結果的に、このプロジェクトでは、3000枚くらいは描いたんじゃないかな。操作と音、映像などの連鎖反応が感覚を刺激。――とんでもない枚数です…!水口:最初と最後を比べると、完成度はもちろん、石原くん自体のスキルも上がり、出来上がる頃にはかなり才能が花開いていましたね。また、アートと同時に、使う音楽を最初に決めていきます。僕らのゲームは特に音楽が重要で、全部自分たちで作るのですが、作った音楽を一度バラバラにして、一つ一つのプレイヤーのアクションや操作に割り当てるんです。そして今度は音からビジュアルが変化するという連鎖的な表現を試みるのですが、すると、プレイヤーが自分で音楽を生み出している、演奏しているような気分がちょっと混ざってくるなど、体験に新しい化学反応が生まれるんですね。そうした体験が連続することで、だんだんと大きなうねりになると、結果的に感情や感覚が刺激されるんです。言葉からくるドラマ性とは違う、体験としての気持ちよさが生まれてくる。この体験を、僕らは「シナスタジア(共感覚体験)」と言っています。――石原さんはどのようにビジュアル作りをされていますか?石原:成長とともに変わっていく自分の気持ちとか、旅先で見た風景や印象的だったシチュエーションなど、実体験をもとに絵を起こしていきます。きれいなアートを描けばいいというわけではなく、説得力のある、その体験をしたからこそ描けるリアル感や生感みたいなものを意識するようにしていますね。そうすることで、絵を見る方の心を揺さぶるものになると思っています。――感覚のような目に見えないものをお二人で、またプレイヤーと共有できるものにしていく作業は、とても大変なように感じます。水口:難しいんだけど、一番楽しいところでもあって。全員が面白く感じるものを作るというのはゲームデザインの醍醐味ですが、人種や世代、性別関係なく多くの人が面白いと感じるものには絶対に理由がある。ゲームという体験作りをしていると、だんだんわかってくることがあるんですね。たとえば音楽を聴いて癒されるとか泣くなどの感情の刺激を体験に織り込んだ時に、どんな新しい感動が作れるのかということが、僕らの最大の興味なんです。『テトリス エフェクト』が一番いい例で、オリジナルの『テトリス』で感情が刺激されることはあまりないと思います。でも『テトリス』をプレイして、感情が刺激されたり、もし感極まって泣くことがあるとすれば、それはどういう体験設計なのかということを、ずーっと話していました。僕たちが音楽好きというのもありますが、音楽のプレイリストを作るような感覚で、“最初は優しくて、だんだん難しくなって突き落とされて、でもまた救われて、最後は多幸感あふれる幸せの世界に到達するようにするには、どうすればいいかな”みたいなことをね。――プレイヤーの感情に訴えかける作品を作るために、ヒントとしているものはありますか?水口:音楽ライブはいつも研究対象になり続けていますね。世界のいろんなフェスに行っては人間観察をしていました。あとは二人でよく旅もするよね。パンデミックの前にはギリシャとかに。石原:僕はミャンマーにも行って音を収録したりしましたね。水口:『テトリス エフェクト』を作る時は、『テトリス』の作者の一人、ヘンク・ロジャースさんが住んでいるハワイ島に行き、しばらく家に泊まって話をしたよね。石原:そうでしたね。先ほど、実体験をもとに絵を描き起こしていくと言いましたが、『テトリス エフェクト』には、その時身体で感じたハワイ島のスピリットみたいなものが入っているんですよね。ジャケットにマーメイドがいたり一緒に泳いだイルカが出てきたり。水口:そういう実体験や会話からイメージを出す作業を続け、少しずつ形にしていきながら、焦らずじっくりとやり続けていくパターンが多いです。僕はそれを“スローモーション・マルチタスキング”と呼んでいるんですけど。同時に複数のプロジェクトを進行しながら、“これは世に出てもいいね”という状態になるまで時間をかけて考え続けて作っています。最高に楽しいですよ。石原:楽しさの中に苦しさもある気はしますけどね(笑)。ゲーム開発って、大きいパズルを作っているような感覚があって。パズルって、完成が見え始めたくらいの後半以降が楽しくて、それまでは結構、辛いじゃないですか。それと同じように、アイデアをゲームの体験にはめてみては外す…といった作業の繰り返しで、楽しさは後半に一気に押し寄せてくる感覚があります。水口:確かに最初は、自分で自分の背中を蹴っているような感じがあるね。『テトリス(R) エフェクト・コネクテッド』不朽の名作パズルゲーム『テトリス(R)』に、幻想的なビジュアルと音楽、時間を止める「ZONE」システムなど新しいエッセンスをプラス。音楽、背景、テトリミノの落下など、すべてがプレイヤーの操作にシンクロする体験はあらゆる感覚に訴えかけ、想像を超えた快感を生む。VR、マルチプレイモードでも楽しむことが可能。2020年発売。Tetris(R)& ©1985~2020 Tetris Holding.みずぐち・てつや(写真右)エンハンス代表、シナスタジアラボ主宰。慶應義塾大学大学院特任教授。『Rez』『スペースチャンネル5』『ルミネス』『チャイルド・オブ・エデン』、VRに対応した『Rez Infinite』『テトリス(R) エフェクト・コネクテッド』などをプロデュース。また、共感覚を体感する「シナスタジア・スーツ」や、共感覚体験装置「シナスタジア X1」を開発。いしはら・たかし(写真左)ゲームディレクター、アートディレクター。『ルミネス』『チャイルド・オブ・エデン』、VRタイトル『Rez Infinite』『テトリス(R) エフェクト・コネクテッド』に携わる。アプリケーション開発やシンセサイザーのプロトタイプ制作などゲーム以外のフィールドでも活動。※『anan』2023年5月17日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2023年05月14日熊川哲也 Kバレエ カンパニー Spring 2023『蝶々夫人』が、5月24日(水) から28日(日) に東京文化会館 大ホールで上演される。熊川のオリジナル作品である『蝶々夫人』は、プッチーニの傑作として名高い同名オペラに材を得た全2幕のグランド・バレエ。オペラにはない新たな物語「海軍士官ピンカートンのアメリカ出発と赴任地・長崎の遊郭で蝶々を見初めるまで」を第1幕に置いたオリジナルのドラマ展開、アメリカの場面のみあえてプッチーニを離れ、ドヴォルザークの楽画を用いるなど大題に構成した音楽など、“オペラのバレエ化”を超えた独創性に満ちている。(C)Ayumu Gombi(C)Shunki Ogawaこのたび、熊川作品には今回が初出演となるミュンヘン・バレエのプリンシパル、ジュリアン・マッケイをゲストに迎え、4年ぶりに再演。“バレエ界の貴公子”と称され、今世界中から注目されているジュリアンがどんな踊りを見せるのか、また優れた演劇性に定評がある飯島望未は、初めての蝶々役をどう演じるのか。さらに初演時のキャストの登場や、初披露の役を演じるトップダンサーなどが見どころとなっている。ジュリアン・マッケイ (C)Yumiko Inoue飯島望未チケットは現在一般発売中。熊川哲也 Kバレエ カンパニー Spring 2023『蝶々夫人』ジュリアン・マッケイ プロモーション映像<公演情報>熊川哲也 Kバレエ カンパニー Spring 2023『蝶々夫人』5月24日(水)~28日(日) 東京文化会館 大ホール【キャスト】蝶々夫人:飯島望未、成田紗弥、岩井優花ピンカートン:ジュリアン・マッケイ、堀内將平、山本雅也スズキ:荒井祐子、前田真由子ゴロー:石橋奨也、伊坂文月花魁:浅川紫織、日髙世菜、山田蘭ボンゾウ:杉野慧、宮尾俊太郎ケイト:日髙世菜、小林美奈、戸田梨紗子ヤマドリ:山本雅也、吉田周平、関野海斗シャープレス:スチュアート・キャシディ【チケット料金】(税込)S席16,000円/A席12,000円/B席9,000円/C席7,000円/D席5,000円A親子席16,000円学生券4,000円※A親子席:大人1名+子供1名(5歳以上小学6年生以下)(A席エリア)※学生券:中学生以上25歳以下/当日学生証を提示の上引き換え/席位置未定チケット購入リンク公式サイト:
2023年04月06日熊川哲也のオリジナル作品、『蝶々夫人』。バレエで“日本の美”を描くという全く新しい発想で2019年の初演時には大きな話題を呼びました。この度、ミュンヘン・バレエのプリンシパル、ジュリアン・マッケイをゲストに迎え、4年ぶりに再演いたします。“バレエ界の貴公子”と称され、今世界中から注目されているジュリアンがどんな踊りを見せるのか…そして、優れた演劇性に定評がある飯島望未は、初めての蝶々役をどう演じるのか…さらに、初演時のキャストの登場、初披露の役を演じるトップダンサーなど、見どころ満載です。待望にして大注目の再演を、切ない物語が目に浮かぶようなビジュアルと合わせて、是非多くの方に告知いただきたくお願い申し上げます。(C)Yumiko Inoue特別番組をTVerにて配信中です! TVer 二次元コード2019年、熊川哲也がKバレエ カンパニー20周記念作品として挑んだのはバレエで“日本の美”を描く――すなわち世界で最も有名な日本人ヒロインの悲恋物語『蝶々夫人』の創造だった。プッチーニの傑作として名高い同名オペラに材を得て全2幕のグランド・バレエに生まれ変わらせた本作は、“オペラのバレエ化”を遥かに超えた独創性に満ちている。オペラにはない新たな物語――海軍士官ピンカートンのアメリカ出発と、赴任地・長崎の遊郭で蝶々を見初めるまで――を第1幕に置いたオリジナルのドラマ展開、アメリカの場面のみあえてプッチーニを離れ、ドヴォルザークの楽画を用いるなど大題に構成した音楽。日米の差異がヴィヴィッドなコントラストをなすこの幕は、二国の色彩異なる華やかな踊りの見せ場であると同時に、その後ふたりが辿っていく、国境を越えた愛の顛末にいっそうの説得力をもたらす。そして何より、熊川の卓越した美意識と創意に富んだ演出振付で表現される美しき日本の文化と精神性こそは、この名作の物語に真実味をもたらし、観客の魂までも強く揺さぶるのだ。バレエだからこそ描き出せる日本の美、深淵なる愛のドラマとは――その答えがここに!■いま世界中から熱視線を浴びるバレエ界の貴公子 ジュリアン・マッケイ米国モンタナ州生まれ。当時外国人最年少の11歳でボリショイ・バレエ・アカデミーに入学。ローザンヌ国際バレエコンクールで研修賞を受賞したのち、英国ロイヤル・バレエ団に入団。2016年、ミハイロフスキー・バレエに移籍。世界の主要劇場でゲスト出演するほか、22年9月からはミュンヘン・バレエのプリンシパルとして活動中。現在 24歳。容姿端麗にして傑出した実力を備えたこの若きスターは今や世界中の注目を集め、「VOGUE」「Numero」誌が特集を組むなどモード界をも魅了している。Instagram:@julianmackayジュリアンのプロモーション動画も是非ご利用ください! ジュリアン・マッケイ プロモーション動画ジュリアン・マッケイ (C)Yumiko Inoueジュリアン・マッケイ_2 (C)Yumiko Inoueジュリアン・マッケイ_3 (C)Nicholas MacKayジュリアン・マッケイ_4 (C)Nicholas MacKay■―注目のキャスト陣―新たな主演の組み合わせや初披露の役を演じるトップダンサーなど見どころが満載!シャープレス役で出演が決まったスチュアート・キャシディをはじめ、荒井祐子、宮尾俊太郎ら初演時のキャストも集結し進化する名作を支えます!■―蝶々役―飯島望未 Nozomi Iijima飯島望未大阪府生まれ。2008年ヒューストン・バレエに当時最年少の16歳で入団。19年3月、同団のプリンシパルに昇格。21年に帰国し5月にKバレエ カンパニー『ドン・キホーテ』にゲストで主演。同年8月プリンシパル・ソリストとして入団。22年3月プリンシパルに昇格。19年、シャネルビューティアンバサダーに就任するなどファッション業界でも幅広く活躍中。成田紗弥 Saya Narita成田紗弥大阪府生まれ。2歳よりバレエを始める。2009年ドイツのマンハイム国立バレエ・アカデミーに留学。13年韓国のユニバーサル・バレエ団に入団。17年『くるみ割り人形』で全幕主演デビュー。18年9月Kバレエ カンパニーにプリンシパル・ソリストとして入団。数々の作品で主演を務め、本作初演時にも蝶々役を経験。岩井優花 Yuka Iwai岩井優花岩手県生まれ。4歳よりバレエを始める。2014年よりジョフリーバレエアカデミー シカゴ トレイニープログラム所属。15年同校スタジオカンパニー入団。16年ユース・アメリカ・グランプリNYファイナルTOP12。17年ジョフリーバレエ入団。21年4月Kバレエカンパニーにソリストとして入団。22年9月ファースト・ソリストに昇格。『ロミオとジュリエット』のジュリエットを務めるなど、期待の新星。■~STORY~開国まもない明治の長崎。武家に生まれた蝶々は、幼い頃に父が自害し家が没落、今は遊女見習いとして遊郭に身を置いている。一方、アメリカでは海軍士官ピンカートンが長崎への赴任を命じられ、恋人ケイトとの別れを惜しみつつ日本へと旅立つ。長崎にやって来たピンカートンは、仲間と共に遊郭を訪れる。あでやかな花魁道中に目を奪われる男たち。そんななか、ピンカートンはひとりの可憐な少女に出会い、心惹かれる。それは蝶々だった。遊郭を取り仕切るゴローと遊女たちの世話役スズキの勧めにより、ピンカートンは蝶々を現地妻として娶ることを決める。ピンカートンのもとに嫁いだ蝶々は、この結婚が一時的なものであるとは知らず、生涯の愛を捧げることを誓う。改宗までした蝶々に叔父のボンゾウは激怒し、彼女を勘当する。蝶々はピンカートンの優しさに慰められ、ふたりは初めての夜を過ごす。ピンカートンが帰国し数年が過ぎた。幼なじみのヤマドリの求婚を断り、幼い息子と共に帰りを待ちわびる蝶々。だが、彼女の前に現れたのはピンカートンの妻となったケイトであった。すべてを知った蝶々が選び取った道とは…(C)Ayumu Gombi(C)Shunki Ogawa■熊川哲也 Kバレエ カンパニー Spring 2023 『蝶々夫人』 公演概要【日時】2023年5月24日(水)~28日(日)【会場】東京文化会館 大ホール【チケット料金(税込)】チケット発売中!!S席¥16,000/A席¥12,000/B席¥9,000/C席¥7,000/D席¥5,000A親子席¥16,000 学生券¥4,000※A親子席 大人1名+子供1名(5歳以上小学6年生以下)(A席エリア)※学生券 中学生以上25歳以下/当日学生証を提示の上引き換え/席位置未定※A親子席・学生券は、TBSチケット、チケットぴあWEBにて取り扱い【チケット販売】TBSチケット、チケットスペース 他【お問合せ】チケットスペース: 03-3234-9999 公式HP : 主催 : TBS特別協賛 : 大和ハウス工業株式会社協賛 : 株式会社SL Creationsオフィシャルエアライン: ANA制作 : K-BALLET/TBS公式ウェブサイト: Instagram : @k_ballet_company_officialTwitter : @kballetofficialFacebook : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年04月05日ブリリア ショートショートシアター オンライン(BSSTO)サービス開始5周年記念として、アニバーサリーナイトが2月10日に開催され、別所哲也とLiLiCoが登場した。BSSTOでは、のべ45以上の国と地域から240作品以上のショートフィルムを無料配信し、会員数は8万7,000人を数えるまでに成長。イベントでは、フランスのラブコメディ作品『透明人間の恋/INVISIBLE』と、キュートでポップなロマンス作品『いつか王子様が現れて/Once upon a time my prince will come』が上映され、作品から着想したオリジナルカクテルや、作品の舞台となるベーカリーをイメージして取り寄せたスコーンについて紹介され、来場者はショートフィルムとカクテル、スイーツとのマリアージュを楽しんだ。上映後、別所さんとLiLiCoさんは、2作品についてそれぞれ感想を語り、LiLiCoさんは「告白する勇気が必要。ダメならダメで次に行けばいいんだから。結果、気にしているのは自分」と恋愛論を展開させ、別所さんも子どもの頃には耳だけ赤くなったエピソードを披露しながら、告白するときのソワソワ感について話がおよび、「弱い自分が一番のライバル」「期待に応えようと無理しちゃう」とイメージとのギャップについて盛り上がった。一方、パン屋で働く主人公の女性がゴミ箱の中に多額の現金を見つけてしまうストーリーの2作品目については、「私が今お金を見つけたら、(TV番組の)ドッキリだと思っちゃう」とLiLiCoさんが笑いを誘い、別所さんは「カラフルだし、ポスターもスタイリッシュ」と作品の色遣いにも注目。BSSTOの前身である、2008年から10年間開館していたブリリアショートショートシアターの思い出話も展開され、映画館のオープンもバレンタインデーだったことから、毎年、アニバーサリーを祝い続けている2人は、懐かしい写真をスライドでふり返りながら、「もはや家族のようだ」と感謝を述べた。横浜みなとみらいにあったリアル映画館には、カンヌ映画祭でも使用されているシートやレッドカーペットをイメージした階段などこだわりの仕様と、数々の著名監督やクリエイターゲスト、様々なテーマで展開されたショートフィルムプログラムやそこに集うコミュニティがあった。オンラインシアターへと移行することで、ショートフィルムのカルチャーは全国に波及、オンライン上でのコミュニティという新たなスタイルも出来上がってきた。別所さんは「コロナ禍を通じて特に、オンラインシアターであることの存在意義が深まった。色々な国のショートフィルムを通じて、世界を日本全国に届けてきた」と熱く語った。終盤には、「大切な人に思いを伝えるバレンタインデー」をテーマに、2人がそれぞれをイメージして用意したフラワーブーケを交換(協力:一般社団法人花の国日本協議会)。別所さんからは、ヒマワリのようなパワーと、可憐な魅力を兼ね備えた黄色のチューリップを、LiLiCoさんからは、こんなに行動力を持った情熱的な人はいないと、赤のダリアが贈られた。『恋する透明人間』/『いつか王子様が現れて』はBSSTOにて配信中。(cinemacafe.net)
2023年02月13日この作品で共演者として出会うことができた喜び15世紀のイタリア、「ルネサンス」と呼ばれた時代を舞台に、カトリック教会の権力闘争や周辺諸国の政治的思惑が渦巻くなか、自分の理想を実現するための闘いを始めたチェーザレ・ボルジア。彼を主人公として惣領冬実が描いた傑作漫画が、ミュージカルとして生まれ変わる。1873(明治6)年の開場以来、長い歴史を誇る明治座が満を持してオリジナルミュージカルを生み出すのだ。150年に及ぶ劇場の歴史の中で初めてオーケストラピットが使用されることも、オーケストラの生演奏というミュージカルならではの楽しみを堪能させてくれるに違いない。主人公・チェーザレを演じるのは、ミュージカルを中心に活躍している俳優の中でも人気・実力共トップクラスの中川晃教。冷静沈着な中にも熱さを秘めたチェーザレを、生き生きと表現してくれることだろう。実際、「まっすぐで素敵なチェーザレで、自慢の息子」と、その父でスペインの名門貴族ボルジア家の当主にしてカトリック教会の枢機卿、ロドリーゴ・ボルジアを演じる別所哲也も太鼓判を押す。その一方、「セリフ量もたぶん一番多いし、座長だから自分のことだけじゃなく、作品全体を見ていろいろなことに気配りしている。大変ですよね。そんなに無理しないで」と中川を気づかった。そうした別所の優しさには、中川も「大きな懐に包まれている」と信頼を寄せる。俳優としての活動に加え、ラジオパーソナリティーやショートショートフィルムフェスティバル主宰などでも活躍する別所とは、お互いにミュージカルで活躍し続けながらも、これまで共演の機会がなかったと語る。だが今回、オリジナルミュージカルで初めて共演を果たし、「来るべき時に、こうやって出会わせていただいた」と喜んだ。さらに、チェーザレが信頼を寄せる腹心の部下、ミゲル・ダ・コレッラ役に、EXILEのパフォーマーであり俳優としても活躍の幅を広げている橘ケンチ。ダンサーとしての印象が強い彼が、初めてミュージカル出演を果たす。別所は橘が出演する『THE ケンチマン』が大好きだったそうで、その彼の初ミュージカルで「一緒にいられることだけで嬉しい」という。彼ら3人に加え、大学でチェーザレと深い関わりをもつ学生たちは「スクアドラ ヴェルデ」アンジェロ・ダ・カノッサ役:山崎大輝、ジョヴァンニ・デ・メディチ役:風間由次郎、ドラギニャッツォ役:近藤頌利(劇団Patch)、ロベルト役:木戸邑弥、そして「スクアドラ ロッサ」アンジェロ・ダ・カノッサ役:赤澤遼太郎、ジョヴァンニ・デ・メディチ役:鍵本輝、ドラギニャッツォ役:本田礼生、ロベルト役:健人のダブルチーム。若々しさとそれゆえのパワーとで、観客を魅了してくれることだろう。ミュージカル『チェーザレ』メインビジュアルある意味、彼らとは対照的な存在である大人たちには、実力派の中堅・ベテランキャストが顔を揃えた。ロドリーゴと対立する枢機卿、ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレ役に岡幸二郎、ボルジア家を支援するロレンツォ・デ・メディチ役に今拓哉、ピサ大司教を務めるラファエーレ・リアーリオ役に丘山晴己。さらに、チェーザレたちよりも前の時代の人物であり彼に大きな影響を与える存在として、『神曲』の著者として知られるダンテ・アリギエーリ役に藤岡正明、そのダンテが絶賛した神聖ローマ帝国皇帝・ハインリッヒ7世役に横山だいすけ。それぞれの個性と存在感を十二分に発揮し、作品に厚みをもたらしてくれるはずだ。熱気に満ちた稽古場から生み出されるものこれだけのメンバーが揃った稽古場は、既に熱い盛り上がりを見せているらしい。その様子を、橘はこれまで出演したストレートプレイの稽古場と比べ、「歌がない作品では、みんなひたすら緻密に向き合ってディスカッションをする。でも歌があると、そこで発散も解放もできるし、感情を揺さぶられるし。自分の中で化学反応が起こって、新たな可能性の扉を開けている」実感があるという。島健による多彩な楽曲にも、大いに刺激を受けているようだ。逆に、EXILEのパフォーマーとしてアリーナクラスの会場でコンサートを行ってきた橘の経験に、中川も別所も大きな期待を寄せる。「立ち姿ひとつでも、いろいろなものを盗ませてもらいたい。これまでミュージカルをたくさんやってきて、いつの間にか当たり前だと思っていたことを当たり前だと思わずに、もう一回」新たな視点でとらえ直したいという気持ちを、別所はうかがわせる。中川も、橘は「稽古の中で橘さんのことをどんどん知って、素敵だなって心から思う。例えば、ひと口に『青』といってもその中にはどういうコントラストがあるか。みんなで芝居を創っていく時に、演出家の言葉やみんなの思いに対して、自分の言葉にリミットをかけてしまう経験があります。でも、誰かの言葉に耳を傾けるという意識を大切にしたい。ケンチさんはまさに、僕も言葉の足らない部分や僕自身がもどかしく思っている部分に対して、繊細な感性でそれを感じとってニュアンスを共有しながら、一緒に創り上げていく面白さを感じられる。ミュージカルは初めての経験かもしれないけど、作品を形にしていくうえですごく大きな武器、能力になっている」と感じたそう。だからこそ、今後もミュージカルの舞台に立ってほしいと期待を寄せた。そして、橘によれば本読み初日から演出の小山ゆうなが「ここまでキャラクターを作り込んで、振り切って」演じてよいのだと、別所を絶賛したという。皆が別所の提示したレベルまで到達できれば「このミュージカルは唯一無二のものになる」、それを目標にキャスト陣は切磋琢磨しているのだ。さらに、「チェーザレという実在の人物の青年期を描いていることこそがこの作品の一番の肝で、本人はきっとまだ若いがゆえに葛藤も悩みもあっただろうし、他の同級生よりも成熟している部分もあったでしょう。それを、いかに魅力的に描くか。情熱にしろ何にしろ、熱いものには求心力があるし、自分にとってそれはすごく気持ちのいいこと。自分がそういう人に寄って行って、何かを受け取って、それに対して自分も何かを返して、それを横にいる他の人にも伝播させていく。それがまさに稽古場で繰り広げられている」とも語る。そのような稽古場を経て、初日の幕が上がった時、どれほどのものが出来上がっているのだろうか。期待が膨らむ発言だった。この作品は本来、2020年に上演されるはずだった。しかしコロナ禍のため公演は延期され、2023年、ついに幕を開けることとなる。約3年を経たことで、作品の捉え方にも変化があったと中川は語る。「2020年の時は、アンジェロとの出会いにあまりときめきを覚えなかったんです。でも今は、アンジェロとチェーザレの出会いは恋にも似た、チェーザレの生涯の中で本当に忘れられない一瞬だったと気づくことができた。そんな自分がどのようにチェーザレを生きていけるか、楽しみ」だという。チェーザレのときめきやワクワクは、きっと観客の胸を打つことだろう。そして別所も、コロナ禍を経た今だからこそ感じるものが大いにあると語る。「究極のリーダー論的な部分は、今自分たちが見ている現実とも重なる。自分の都合通りにならない息子や、ロドリーゴの野心や業といった人間くさいところが、とても面白い歴史劇です。3時間あまりの演劇の旅の中でチェーザレはどう成長するのか、お楽しみになさってください」。彼らの描き出すルネサンスの人間群像を、ぜひ見届けに行きたい。取材・文:金井まゆみ撮影:源賀津己<公演情報>ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』2023年1月7日(土)~2023年2月5日(日)会場:東京・明治座★【よくばり❣ぴあニスト限定】ぴあ貸切公演の開催直前割引チケットを1/19(木)10:00より発売開始!()チケット情報はこちら:
2022年12月22日2023年1月から2月にかけて東京・明治座で上演されるミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』の第2弾キャストが発表された。『チェーザレ 破壊の創造者』は、15世紀のルネッサンス期イタリアを舞台に、イタリア半島の統一、次いで欧州の統一の野望を抱いた名門ボルジア家の後継者・チェーザレ・ボルジアの戦いを描いたコミックスの本格ミュージカル化作品で、明治座初のオリジナルミュージカルとなる。今回アナウンスされたのは、2020年のキャスト発表時に大きく話題を呼んだ実力派キャストたち。「神曲」で有名なイタリアの詩人・ダンテ・アリギエーリ役は藤岡正明、ボルジア家を支援するフィレンツェ共和国の実質的支配者、ロレンツォ・デ・メディチ役は今拓哉、若くして枢機卿を任じられ、ローヴェレとの姻戚関係にありながらボルジア家を密かに支援する形になるピサの大司教、ラファエーレ・リアーリオ役は丘山晴己、ルクセンブルグ家の初代皇帝にして神聖ローマ帝国の皇帝として君臨した名君・ハインリッヒ7世役は横山だいすけ、チェーザレの父であるロドリーゴと教皇の座を争う政敵・ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレ役は岡幸二郎、そしてチェーザレの父であり、ボルジア家の当主ロドリーゴ・ボルジア役は別所哲也が務める。なお主人公のチェーザレ役は中川晃教が演じる。今後も若手実力派や新進気鋭のキャストなどの発表が予定されている。<公演情報>ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』2023年1・2月 東京・明治座原作:惣領冬実『チェーザレ 破壊の創造者』(講談社「モーニング」連載)原作監修:原基晶脚本:荻田浩一演出:小山ゆうな音楽:島健【出演】中川晃教藤岡正明今拓哉丘山晴己横山だいすけ岡幸二郎別所哲也ほか【お問い合わせ】明治座チケットセンターTEL:03-3666-6666(10:00〜17:00)関連リンク公式サイト::
2022年08月31日2017年に初演し、完売となった大ヒット作『クレオパトラ』。Kバレエを率いる芸術監督・熊川哲也が演出・振付・台本を手掛けたオリジナルのグランド・バレエが、5年ぶりに大阪・フェスティバルホールに登場、新キャストでよみがえる。クレオパトラ役には熊川に「完璧なバレリーナの象徴」と言わしめた西宮市出身の日高世菜(※高ははしごだか)と、プリンシパルに昇格した大阪府出身の飯島望未がWキャストで出演。昨年末、Kバレエの『くるみ割り人形』でフェスティバルホールに初お目見えしたふたりだ。また今回は熊川がダンサーとしてジュリアス・シーザー役で出演、日高と踊るのも話題に。熊川は2014年の『カルメン』以来8年ぶりの関西登場となり、夜公演のチケットは既に完売。その熊川が来阪し、今作の誕生と魅力を語った。熊川哲也 Kバレエ カンパニー チケット情報エキゾチックな美しさと華やかさに満ちた舞台だ。斬新な造形美と空間使いの舞台装置、個性が際立つ洗練された衣裳、そしてデンマークの作曲家カール・ニールセンの音楽が見事にマッチし、クレオパトラは光り輝く女王のオーラを放つ。紀元前のエジプトとローマが舞台の物語はドラマチックでスリリング、熊川ならではの繊細かつダイナミックな振付で表現される。クレオパトラの激動の半生が圧倒的なスケールで描かれた全2幕8場、まさに大作だ。「全身全霊を賭けてゼロから作り上げた、壮大なスペクタクル作品です」と熊川は胸を張る。その始まりは、題材に「クレオパトラってどうですか?」と言ったスタッフの一言。そこに熊川のアンテナが反応した。「“クレオパトラ”はバレエの作品名として、これ以上ないインパクトがある」。そして「エジプトを題材にした作曲家をしらみつぶしに探して、たどりついたのがニールセンの『アラジン』。冒頭の曲と出会った瞬間、これだ!と」。創造力に火が付いた。「壁画を徹底的に見ました。そうするとだんだん動いているように見えてきたんです」。また、クレオパトラの造形は「ものすごく神々しさを備えた存在で、人間に思えない。だから神の化身の蛇にしようと」。ある時は蛇に変わり、クレオパトラにもなるクリーチャーだ。人間ではない役を演じるなら、と、もうひとりのクレオパトラに飯島をキャスティング。「並外れた演技力、表現力を持つ女優ダンサー」と高く評価し期待を込める。飯島は19年にシャネルビューティアンバサダーに就任、ファッション業界でも注目を集め若いファンも多い。今回の舞台は大きな節目となるだろう。全編が見どころの今作。「どこを切り取っても美しい作品。バレエは舞台上で繰り広げられる最高の景色だと思っています。いい景色をながめに来てください」。公演は10月26日(水)から30日(日)まで東京・Bunkamuraオーチャードホール、11月3日(木・祝)大阪・フェスティバルホール、11月7日(月)札幌・札幌文化芸術劇場hitaruにて。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2022年08月24日ミュージカル『スワンキング』の公開ゲネプロが東京国際フォーラム ホールCにて行われ、橋本良亮、別所哲也、梅田彩佳、夢咲ねねが取材に応じた。同作は劇作家・G2による新作オリジナルミュージカルで、若さと美貌を持ち合わせ“狂王”と呼ばれたバイエルン王国の国王・ルートヴィヒ二世(橋本)と、借金と女性関係に生涯苦しんだ作曲家・リヒャルト・ワーグナー(別所哲也)という“天才”の愛憎関係を描く。ほか渡辺大輔、今江大地、牧田哲也らが出演する。ミュージカル初主演の橋本は「いつも緊張でいっぱいなんだけど、今回に関しては早くやりたいと言う気持ちというか、わくわくがすごい」と気合い十分。歌う場面も多く「水を飲むタイミングもなくて、何曲か、口カラッカラな状態で歌ってます」と苦笑しつつ、「レッスンはかなりやらせてもらいました。こういう発声の仕方とかあるんだとか、今までなんでやってこなかったんだろうと後悔してました。アイドルでライブで歌ってる感覚と、ミュージカルの舞台上で歌ってる感覚ってこんなにも違うのかと実感して。でもそれが楽しくなり、もっとやってやるぞとなりました」と振り返る。作中ではワーグナーと愛憎をぶつけ合うが、実際には別所について「大好きですよ。癒やしてくれるんです。別所さんの周りは笑いが絶えないんですよね」と仲のいい様子。さらに美貌の王役ということで「毎年減量してるんですけど、今回はポスター撮影の時から12〜3kgですね」と発言し、周囲のキャストも「ええっ!?」「ほんと!?」と驚く。橋本は「(ルートヴィヒ二世を)検索するとこういう感じじゃないですか。だから近づけられたかなと思います。今は56〜8kg」と明かし、「体調は大丈夫です。自分のペースで、前回の舞台が始まった頃からやってたので、2カ月くらいはありましたね」と説明した。別所は「稽古場ではスウェットとかだから、衣装をつけた時にこんなにスリムでタイト、可憐になってるんだって」と驚いたようで、橋本は「それほど作品に力を届けたいというか、頑張りました 」と胸を張った。役作りについて聞かれると、橋本は「僕、橋本は王様になったことがないので、そこですかね。王様ってどういう気持ちなのか王様になってみないとわからないし、本を読んでも、王様はお金持ちでなんでも買えて、有言実行できる方じゃないですか。でもそれで浪費しすぎてダメになって、ワーグナーが離れていくじゃないですか。僕たちはそういうことはできないけど、これだけ一緒だなと思ったのが、お金はあってもワーグナーの情は買えない、それを買えたらどんなに楽だったかというのもあるし、情を買えないのは僕たちでもわかるじゃないですか。そこがなんか面白いなと思いまして、王様でも僕たちと同じレベルまで来てくれるんだ、と」と語る。実際にお金があったら? という質問には、別所が「プライベートジェットですかね。プライベートクルーザーとか、最新のドローン、宇宙旅行もいいかもしれない」と夢を膨らませる一方で、橋本が「今が本当に幸せなので、欲しいものはないです。とりあえずこの舞台を成功させる、最後まで突っ走るというのが、僕の欲しいものです」と回答。別所は「素敵だよ、さすが殿! 王子!」と跪き、橋本は苦笑しながらもその手を取って立たせていた。今回はオリジナルミュージカルの初演でもあるため、橋本は「再演はもう考えてます、僕の中で!」と自信たっぷりで「絶対にやります。定着させます。日本の代表作は『スワンキング』だという感じにはしていきたいと思います。もっともっとレベルアップさせたいな、頑張ります」と意気込む。夢咲からは「こんなに白い衣装に合うことあります?」、別所からは「本物の白鳥が驚くほどの白鳥王」と称えられ、橋本は「神社が好きで、神社にお参りしてから初日を迎えるのが行事なんですけど、今回は神社じゃなくて、皇居の周りの池の、湖の白鳥いるじゃないですか。白鳥に挨拶してきました」と語り、梅田も「素敵!」と反応する。橋本は改めて「それくらい気合も入ってるし、コロナ禍でやらせてもらうのは本当に嬉しいことだし、いろんなスタッフさんキャストさんがいっぱい頑張って作り上げている作品です。『スワンキング』という城は1人が欠けたら絶対に崩れてしまうので、安全に最後までみんなで突っ走っていけたらなと思います」とメッセージを送った。東京公演は東京国際フォーラム ホールCにて6月8日〜17日、大阪公演はオリックス劇場にて7月1日〜3日、愛知公演は刈谷市総合文化センター 大ホールにて7月9日〜10日、福岡公演はキャナルシティ劇場にて7月17日〜18日。
2022年06月08日名だたる古典バレエを自身のプロダクションとして生まれ変わらせてきた熊川哲也が、2017年、原作も音楽も存在しない全幕作品に挑み、熊川哲也の最高傑作と名高い「クレオパトラ」。この度、またとない最高のキャスティングで4年ぶりに上演いたします。このほど、タイトルロールの一人である日高世菜(※2)の公演ビジュアルとスポットが解禁となりました(※1)。また3年半ぶりの全幕出演であり、ジュリアス・シーザー役で本作に初登場となる熊川哲也からのメッセージも併せてお届けいたします。(※1)詳細URL: (※2)「高」は、はしごだか。メインビジュアル (C)Toru Hiraiwa絶世の美女の代名詞でありながらいまだ多くの謎に包まれているクレオパトラを、熊川が壮大な史実を紐解きオリジナルのストーリーを構築、全2幕にわたるグランド・バレエに仕立てました。作品の成功を大きく左右する音楽にはカール・ニールセンの楽曲を使用。舞台美術デザインにはメトロポリタン歌劇場やミラノ・スカラ座など世界の一流オペラ劇場の舞台を手がけるダニエル・オストリング。現代的感性が光る前田文子の衣裳。そして、クラシック・バレエの既成概念を大胆な創意で押し広げた熊川の振付。これらすべてが完璧なる融合を果たした、振付家・熊川哲也の最高傑作がこの「クレオパトラ」なのです。■熊川哲也、出演決定!今回の公演では、ジュリアス・シーザー役で熊川哲也の出演も決定し大きな話題に。ギリシャ・ローマの歴史を決定的に変えた政治家であり軍人という役所のシーザーは、クレオパトラの激動の人生におけるキー パーソン。圧巻の存在感を必要とされる役だけに、期待は尽きません。熊川哲也 (C)Toru Hiraiwa<ジュリアス・シーザー役にて初登場!芸術監督/熊川哲也コメント>「クレオパトラ」は、原作も音楽も存在しないところから産み出した、まさに“創作の真骨頂”ともいえる作品であり、私自身にとっても非常に特別なものです。ニールセンの音楽に出会い、演出が降ってきた瞬間から、極めて完璧に近い領域に到達したと感じ得た初日の舞台まで、この作品が誕生するまでの一刻一刻は、非常に満ち足りた時間でした。3度目の上演となる今回は、初演の奇跡を蘇らせてくれるであろう浅川紫織に加え、第二世代ともいえるキャストが揃います。容姿はもとより、バレエの形式美を超えて、各々のありのままの姿が顕になるこのタイトルロールを、彼女たちがいかに創り上げるか、ご期待ください。初演の2017年から5年の時が過ぎ、その間に私も節目を迎える歳となりました。「五十にして天命を知る」といわれますが、有限たる時において自らがすべきこととは何か――。自身の若い頃を振り返ると、ヌレエフと同じバーを握って稽古した日や、当時のスターと一緒に舞台に立った経験は、かけがえのない光景として脳裏に刻まれています。それを思うと、伸び盛りの若手と自分が舞台上で同じ空気を吸うことは、私が思う以上に彼らにとって意味あることであり、バレエに生かされた者として今なすべきことのひとつが“継承”であるという想いから、今回の出演を決断いたしました。この機会を後進のため、存分に生かしたいと思います。熊川哲也 Tetsuya Kumakawa ~芸術監督 Artistic Director of K-BALLET COMPANY~北海道生まれ。1987年、英国ロイヤル・バレエ学校に留学。89年、ローザンヌ国際バレエコンクールで日本人初の金賞受賞。同年、英国ロイヤル・バレエ団に東洋人として初めて入団。91年、史上最年少でソリスト、93年にプリンシパル昇格。99年、K-BALLET COMPANY設立。芸術監督として団を率いるほか、演出・振付家としても才能を発揮し、「白鳥の湖」「くるみ割り人形」など全幕古典作品の演出・再振付や、完全オリジナル全幕作品「クレオパトラ」「蝶々夫人」などの新作を数多く上演。2012年1月、Bunkamuraオーチャードホール芸術監督に就任。2013年、紫綬褒章受章。■クレオパトラ役 ~Kバレエのプリンシパルたち~日高世菜Kバレエ初のプリンシパル入団を果たし熊川に「完璧バレリーナの象徴」と言わしめる日高世菜 Sena Hidaka兵庫県生まれ。2008年同年ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーに留学。11年ルーマニア国立バレエ団に入団、14年プリンシパルに昇格。16年アメリカのタルサバレエに移籍、19年プリンシパルに昇格。数々の作品で主演を踊る。21年1月、Kバレエカンパニー初のプリンシパル入団を果たす。飯島望未容姿に反し、強靭な身体の能力が生む野性的な魅力を持つ飯島望未 Nozomi Iijima大阪府生まれ。2008年ヒューストン・バレエに当時最年少の16歳で入団。19年3月、同団のプリンシパルに昇格。21年に帰国し5月にKバレエカンパニー『ドン・キホーテ』にゲストで主演。同年8月プリンシパル・ソリストとして入団。22年3月プリンシパルに昇格。19年、シャネルビューティアンバサダーに就任。浅川紫織初演当時からのキャストとしてこの役の真髄を知り尽くす浅川紫織 Shiori Asakawa長野県生まれ。2001年イングリッシュ・ナショナル・バレエスクールに留学。03年4月、Kバレエカンパニーに入団。2008年12月プリンシパル・ソリスト、14年1月プリンシパルに昇格。18年股関節の深刻な怪我により引退するが、手術が成功し本年6月「カルメン」で4年振りの全幕復帰を予定。■~STORY~紀元前1世紀のエジプト。クレオパトラは父王亡き後、弟のプトレマイオス13世と結婚、共同で王位に就いていた。実権を握っているのはクレオパトラだが、プトレマイオスを擁立する官僚たちにより王朝は二派に分裂、熾烈な権力争いが起こっている。そんな折、ローマではジュリアス・シーザーとポンペイウスの間で内戦が起こり、シーザーが勝利する。弟一派により王座を奪われたクレオパトラは、ローマきっての実力者たるシーザーを味方につけようと画策。その美しさは瞬く間にシーザーの心を奪い、二人は恋に落ちる。一方、シーザーの暗殺を企てたプトレマイオス一派は亡き者にされる。再び王位を手中に収めたクレオパトラは、今や名実共にローマの最高権力者となったシーザーとの間に子をもうけ、まさに幸福の絶頂にある。だが、その幸せは長くは続かなかった。腹心ブルータスらによってシーザーが暗殺されたのだ。遺言により後継者に指名されていたオクタヴィアヌスは、シーザー直属の部下であったアントニウスの存在を警戒し、同盟を強固にするため、妹オクタヴィアと結婚させる。だが、クレオパトラに想いを寄せていたアントニウスは彼女を忘れられずエジプトへと向かう。クレオパトラはアントニウスの愛を受け入れ、ひととき平穏な日々が訪れる。だが、オクタヴィアヌス率いるローマの軍勢がエジプトへと攻め入り……そして、激動の人生を生き抜いたクレオパトラに、最期の時が訪れる――。(C)Hidemi Seto(C)Hidemi Seto(C)Hidemi Seto■熊川哲也 Kバレエカンパニー Autumn Tour 2022 『クレオパトラ』 公演概要【日時】2022年10月26日(水)~30日(日)【会場】Bunkamuraオーチャードホール【チケット料金(税込)】※6/18(土)10:00~ 一般発売開始!!★10/26(水)18:00、10/28(金)14:00、10/29(土)17:30S席¥17,500/A席¥13,000/B席¥10,000/C席¥8,000 A親子席¥17,500学生券¥5,500☆10/27(木)14:00、10/29(土)13:00、10/30(日)13:00S席¥15,000/A席¥11,000/B席¥8,000/C席¥6,000 A親子席¥15,000学生券¥3,500※A親子席 大人1名+子供1名(5歳以上小学6年生以下)(A席エリア)※学生券 中学生以上25歳以下/当日学生証を提示の上引き換え/席位置未定※A親子席・学生券は、TBSチケット、チケットぴあWEBにて取り扱い【チケット販売】TBSチケット、チケットスペース、他【お問い合わせ】チケットスペース:03-3234-9999/ 公式WEBサイト: Instagram : @k_ballet_company_officialTwitter : @kballetofficialFacebook : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月01日別所哲也が代表を務める映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2022」(SSFF & ASIA 2022)がオンラインで開催中。昨日5月5日、沖縄特別プログラムのトークセッションが開催され、別所さんと照屋年之監督(ガレッジセール ゴリ)らが登壇した。今回、沖縄の施政権が日本に返還されてから50周年を迎えることを記念し、よみうりランドが開催する沖縄WEEK!!とコラボレーション。SSFF & ASIA 2022 よみうりランド開催として、沖縄がテーマとなっているショートフィルム10作品以上を特集上映した。フィナーレを飾るイベントとして最終日に行われた今回のトークセッション。指笛を鳴らしながら登壇した照屋監督は、映画製作のきっかけについて「沖縄って変なんです。ウミヘビやヤギ、ハリセンボンを食べたり沖縄の独特な文化も多く、映画にしやすいんです」と語り、「短い中で起承転結を作るのが難しいけれど、お客さまを感動させたり、びっくりするような結末にしたりと、始まってからずっと全力疾走しなくてはいけないと思う」と短編映画の魅力についても答えた。また幼少期をふり返り、「沖縄の自然と遊んでいました。うらやましがられるのは、川にグッピーが沢山いること。網ですくうとグッピー100匹!熱帯魚ブームの当時、アロワナなど肉食魚のエサにしていました」と沖縄ならではの思い出を明かしていた。この日は、俳優として出演した、沖縄県の組踊銘苅子がモチーフの短編小説を基にした『おかあの羽衣』が初上映された。手掛けた監督・平一紘も登壇し、「羽衣伝説を現代に置き換えた時に、解釈をアップデートさせなくてはいけないと思いました。おかんは家族との時間もフランスに行くこともどっちも選べるようにしたいし、夢がなくとも何もしなくても大丈夫、と思ってもらえるような結末にしました」と本作について説明。父親役のゴリさんは「実は、本当に骨折していました!すみません。あと、フランス語がすごく難しく、真面目なシーンの後に“シルブプレ”みたいなことをセリフとして言わなくてはいけないので苦労しました」と撮影をふり返っていた。なお、『おかあの羽衣』は、5月15日(日)よりオンライン会場で上映される。「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2022」は6月7日(火)~20日(月)オンライン会場および都内複数会場にて開催。※オンライン会場は6月30日(木)まで開催中(cinemacafe.net)
2022年05月06日今井哲也著『ぼくらのよあけ』が映画化されることが発表された。『ぼくらのよあけ』は、『アフタヌーン』(講談社刊)にて連載され、星雲賞候補にもなった傑作SFジュブナイル漫画。舞台は2049年、宇宙とロボットが大好きな主人公の少年は、まもなく地球に大接近するという彗星に夢中になっていた。そんなある日、彼が出会ったのは、宇宙からきたという“未知なる存在”。公開されたティザービジュアルに描かれているのは、何やら怪しく輝く少年らが住む阿佐ヶ谷団地と、その奥にひっそりとそびえ立つ給水塔。そして、黎明の光が差し込む中、団地の屋上に佇む少年とロボットの姿。そんな彼らに訪れた、前代未聞の極秘ミッションとは?あわせて公開された特報映像では、ホルスト作曲の組曲『惑星』第4曲「木星」の有名なフレーズに合わせて、ティザービジュアルに描かれた団地屋上が美しく光り、徐々に朝陽が登っていく様子が映し出され、宇宙の壮大さを感じられる映像となっている。本作の映画化について、原作者の今井哲也からは「たくさんの方がすてきなアイデアを持ち寄って、作品がどんどん出来上がっている最中です。未来ってすごいですね。わくわくしています。みなさんもぜひわくわくしてください」と興奮のコメントが到着。さらには、映画化を祝う描き下ろしイラストも寄せられている。『ぼくらのよあけ』2022年初秋公開(C)今井哲也・講談社/2022「ぼくらのよあけ」製作委員会
2022年03月18日広島ホームテレビでは2021年12月30日(木)よる11時50分~年末特別番組 として勝ちグセ。カープSPONEYEAR~小窪哲也、栗林良吏が走り抜けた2021年~を放送します。内容2021年はコロナ禍の中での1年だった。1年遅れで開催された東京オリンピックは、無観客試合となった。プロ野球は、観客制限が敷かれ、カープからは感染者も発生、試合中止を余儀なくされた。まさに、激動の1年。この1年を、プロ野球を両極端なステージで過ごした2人がいる。小窪哲也PL学園、青山学院大、さらには大学日本代表と、主将を務め、プロの世界へ。2016年、25年ぶりに優勝を果たしたシーズン、彼は選手会長を務めた。そして、2021年シーズン、球団から示されたのは、指導者への道。しかし、彼が選んだ「2021年」は、もう一度、プロを目指すという1年だった。栗林良吏決して有名選手として育ってきたわけではない。投手転向は高校時代。名を知られるようになったのは大学時代からだ。しかし、大学4年時、志望届を出しながら、プロの声はかからなかった。社会人での活躍が認められ、プロの世界へ。そして、ルーキーイヤー「2021年」を迎えた。プロ野球の世界を離れた者、プロの世界に足を踏み入れた者。どこからも声がかからなくても、現役にこだわり続け、駆け抜けた1年。新人記録を塗り替え、日本代表のクローザーとして金メダルを勝ちとった1年。プロ野球という存在を、両極端な視点で見つめた2人。カープの2021年シーズン、そして、両者が駆け抜けた1年を描きます。聞き手:榮真樹(広島ホームテレビアナウンサー) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年12月10日A.B.C-Zの橋本良亮主演ミュージカル『スワンキング』が、2022年6月、東京・東京国際フォーラムでの公演を皮切りに全国4都市にて上演されることが決定した。本作はバイエルン王国の国王・ルートヴィヒ2世と作曲家リヒャルト・ワーグナーという“狂王”と“天才”を描いた作品。ルートヴィヒ二世は、若さと美貌を持ち合わせた国王で、音楽と建築を愛するあまり破滅的浪費を繰り返し「狂王」の異名で知られた人物だ。一方、リヒャルト・ワーグナーは天才的な作曲家でありながら借金と女性関係に生涯苦しんだといわれている。そんなワーグナーの人格を嫌悪しながらも、才能に心酔していたルートヴィヒ二世。両者の愛憎関係からインスピレーションを受け、構想を温めてきたG2が今作の脚本と詞、演出を務める。さらにミュージカル『日本の歴史』や映画『記憶にございません!』『ギャラクシー街道』など三谷幸喜作品を多数手がける荻野清子の音楽で、新作オリジナルミュージカルが誕生した。作曲家・ワーグナーの才能に心酔する美貌の青年王・ルートヴィヒ2世を演じるのは、近年ドラマや舞台で主演を務め、その活躍ぶりが光るA.B.C-Z橋本良亮。ルートヴィヒ二世から寵愛を受け、オペラに全てを捧げた天才作曲家・ワーグナーを演じるのは、映像・舞台問わずこれまで数多の作品に出演し、俳優として輝かしい経歴を誇る別所哲也。天才ピアニスト・リストの娘であり、ワーグナーの才能に憧れ大胆な行動を起こすコージマは、アイドル卒業後ミュージカルを中心に活躍を続けている梅田彩佳。さらに、リストの弟子でありコージマの夫でもある指揮者・ビューローは多彩な役柄を演じ分け、ミュージカルの出演経験も豊富な渡辺大輔、ルートヴィヒ2世の弟・オットーは主演舞台『大阪環状線 大正編』が好評を博している関西ジャニーズJr.の今江大地。バイエルン王国の秘書官・ルッツは、劇団「柿食う客」の中心的俳優である牧田哲也、ルートヴィヒ2世が敬愛するオーストリア皇妃・エリザベートは、宝塚歌劇団星組でトップ娘役を務め、退団後は名作ミュージカルに次々と出演している夢咲ねねが演じる。物語の核となるルートヴィヒ二世とワーグナー、ふたりをめぐる愛憎を豪華キャストとともに壮大なスケールで描く本作。日本発ミュージカルの最高傑作となることを期待したい。<橋本良亮・コメント>俳優としてミュージカルは好きなお仕事ですし、舞台が決まった事が素直に嬉しく今からわくわくしています。かつて「『ルードウィヒ・B』~ベートーヴェン 歓喜のうた~」で、人物は違いますが、同じ役名の役を演じたことがあり、その時は初主演舞台、そして今回はミュージカル初主演と、“ルートヴィヒ”という役名には強い縁を感じています。今回はミュージカルということで、台詞より歌が多いことが、歌が本当に大好きなのでとても楽しみですし、気合を入れて挑みたいと思います。僕のルートヴィヒ、ミュージカルでの僕、僕らのステージ。皆さんが観てきたミュージカルを超えてみせます!ぜひ楽しみにして下さい。<別所哲也・コメント>祖母がピアノの先生で幼いころから多くのクラシック音楽に触れてきたことが、俳優としてもミュージカルの音楽的な原点です。そのクラシック音楽の世界の中でもドイツオペラの巨匠の人生を演じられるチャンスに俳優としても、音楽のファンとしても喜びを感じました。音楽、芸術、とりわけ自分の信じた世界観とそのオペラ創作に対して理想を追い続け、全てをかけるワーグナーの姿は、恋愛も生き様も、まさに、激動の時代の激情のせめぎあい!ルートヴィヒ2世との絆や、コージマへの愛。そして、人間臭い駆け引き。早く音楽の調べと共にどんな立体的な作品になるのか。そして、史実から見える景色、其々の登場人物の存在感、何よりも、ミュージカルとしての音楽。この作品自体が、創作されるプロセスで、俳優としてどんな旅が出来るのか?今からとても楽しみです。また、『マイ・フェア・レディ』でご一緒した演出家のG2さんが、この作品から何を産みだそうとしていらっしゃるのか?その想いを、自らに重ね、具現化出来たらと思っています。人間は理想と完璧を追い求める存在。そんな夢想家夢追い人の魂の叫びのようなものを、分かち合えたら最高です。劇場で新たなるミュージカルの誕生の瞬間を目撃に来てください。■公演情報ミュージカル『スワンキング』脚本 / 詞 / 演出:G2音楽:荻野清子出演:橋本良亮(A.B.C-Z)別所哲也梅田彩佳渡辺大輔今江大地(関西ジャニーズJr.)牧田哲也夢咲ねね他公式サイト: 東京公演:2022年6月東京国際フォーラム(ホールC)※その後、愛知、大阪、福岡公演あり
2021年12月09日アイドルグループ・A.B.C-Zの橋本良亮が、ミュージカル『スワンキング』の主演を務めることが9日、明らかになった。同作は劇作家・G2による新作オリジナルミュージカルで、若さと美貌を持ち合わせ“狂王”と呼ばれたバイエルン王国の国王・ルートヴィヒ二世(橋本)と、借金と女性関係に生涯苦しんだ作曲家・リヒャルト・ワーグナー(別所哲也)という“天才”の愛憎関係を描く。ルートヴィヒ二世はワーグナーの人格を嫌悪しながらも、才能に心酔してたと言われ、その愛憎関係からインスピレーションを受け構想をあたためてきたG2が、今作の脚本、詞、演出を務める。ミュージカル『日本の歴史』や映画『記憶にございません!』『ギャラクシー街道』など三谷幸喜作品を多数手がける荻野清子の音楽で、新作オリジナルミュージカルを誕生させた。橋本は芸術に傾倒する若き美貌の国王を演じ、ミュージカル初主演。別所は退廃的な天才作曲家を演じ、初共演の2人がヨーロッパ音楽界における史上最悪のスキャンダルを紡ぐ。天才ピアニスト・リストの娘であり、ワーグナーの才能に憧れ大胆な行動を起こすコージマ役に梅田彩佳、リストの弟子でありコージマの夫でもある指揮者・ビューロー役に渡辺大輔、ルートヴィヒ二世の弟・オットー役に関西ジャニーズJr.の今江大地、バイエルン王国の秘書官・ルッツ役に牧田哲也、ルートヴィヒ二世が敬愛するオーストリア皇妃・エリザベート役に夢咲ねねが決定した。東京公演は2022年6月、東京国際フォーラム(ホールC)にて上演され、ほか大阪・愛知・福岡公演を予定している。○G2 コメント「ワーグナーの妻」という本を読んで「なんて面白いエピソードの連続だろう!」と感動し、ぜひこの実話をミュージカルにしたい。何年かかっても実現したいと考えておりましたら、企画会議であっさりゴーサイン。もう嬉しくてたまりません。橋本くんは去年ご一緒し、とてもセンスと勘がよく、最終的にはゴールを決める男と感じました。別所さんはとても知的な俳優さんで、常に深いところを目指してらっしゃる。この二人なら、世紀を揺るがす大スキャンダルにまみれながら、お互いの夢を叶えようと熱狂的に奔走し、ぶつかり合い、傷つけあい、そして最後には……。という一筋縄ではいかない物語に嬉々として取り組み、それこそ熱狂的な芝居を作り上げてくれるでしょう。これからはミュージカルも輸入品に頼るのではなく、自国で製作し輸出する時代にしなければ。その先駆けとなれるよう初日まで全力で精進します!○橋本良亮 コメント俳優としてミュージカルは好きなお仕事ですし、舞台が決まった事が素直に嬉しく今からわくわくしています。かつて「『ルードウィヒ・B』~ベートーヴェン 歓喜のうた~」で、人物は違いますが、同じ役名の役を演じたことがあり、その時は初主演舞台、そして今回はミュージカル初主演と、“ルートヴィヒ”という役名には強い縁を感じています。今回はミュージカルということで、台詞より歌が多いことが、歌が本当に大好きなのでとても楽しみですし、気合を入れて挑みたいと思います。僕のルートヴィヒ、ミュージカルでの僕、僕らのステージ。皆さんが観てきたミュージカルを超えてみせます! ぜひ楽しみにして下さい。○別所哲也 コメント祖母がピアノの先生で幼いころから多くのクラシック音楽に触れてきたことが、俳優としてもミュージカルの音楽的な原点です。そのクラシック音楽の世界の中でもドイツオペラの巨匠の人生を演じられるチャンスに俳優としても、音楽のファンとしても喜びを感じました。音楽、芸術、とりわけ自分の信じた世界観とそのオペラ創作に対して理想を追い続け、全てをかけるワーグナーの姿は、恋愛も生き様も、まさに、激動の時代の激情のせめぎあい!ルートヴィヒ2世との絆や、コージマへの愛。そして、人間臭い駆け引き。早く音楽の調べと共にどんな立体的な作品になるのか。そして、史実から見える景色、其々の登場人物の存在感、何よりも、ミュージカルとしての音楽。この作品自体が、創作されるプロセスで、俳優としてどんな旅が出来るのか?今からとても楽しみです。また、『マイ・フェア・レディ』でご一緒した演出家のG2さんが、この作品から何を産みだそうとしていらっしゃるのか?その想いを、自らに重ね、具現化出来たらと思っています。人間は理想と完璧を追い求める存在。そんな夢想家夢追い人の魂の叫びのようなものを、分かち合えたら最高です。劇場で新たなるミュージカルの誕生の瞬間を目撃に来てください。
2021年12月09日鍵盤プレイヤー・別所和洋によるミュージックラバーの集い『PAJAMA PARTY 2021』が、12月5日に東京・豊洲PITで開催される。別所はこれまでにOvall、藤原さくら、Keishi Tanaka、THE BAWDIES、ACO、UNCHAIN、androp、東郷清丸、bonobos、SUGIZO、Michael Kaneko、福原美穂、吉澤嘉代子、坂本真綾、上白石萌音らのライブおよびレコーディングでサポートを担当。またGentle Forest Jazz Bandのピアニストとして、二階堂和美、八代亜紀、山本リンダとの共演や東京03の単独公演への参加、KIRIN、丸亀製麺、ホットペッパーグルメを始め多数のCMレコーディングの現場でも活躍している。そんな別所が2020年に始動させたソロプロジェクト「パジャマで海なんかいかない」がバンドとして活動を始めたことを記念して行われる本公演には、別所とパジャマで海なんかいかないに加え、Keishi Tanaka、二階堂和美 with Gentle Forest Jazz Band、藤原さくら、THE BAWDIES、Yasei Collectiveといった別所に縁のあるアーティストたちが出演する。さらにこの日限りのスペシャルセッションとして、Gentle Forest Jazz BandにTHE BAWDIESのROYが加わり、ROYのルーツとなっている楽曲を披露することが発表された。なお当日のタイムテーブルは以下の通り。『PAJAMA PARTY 2021』タイムテーブル■別所和洋 コメント普段僕が一緒に演奏しているミュージシャンはみんな素敵な人たちばかりで、それぞれのファンを含め、みんなが集まってそれぞれを知ってくれたら、多分めちゃくちゃいい空間が生まれるんじゃないかな、と思ってます。遊びに来てね!よろしく!!■Keishi Tanaka コメント別所くんが何を考えてるか、この日の会場で初めてわかるんじゃないかな。今は誰も知らない奥の方。それをしっかりと掴むためにも、まずは自分のライブを全力で楽しませてもらいます。良い日にしましょう、お互いに。■二階堂和美 コメントさあ、もうすぐ!12月5日(日)は豊洲ピットへ!二階堂はジェントルと!アルバム未収録、一度キネマクラブでやったきりのあのカバーもやるかも!いつも来てくださる方もニカジェントル未体験の方も、この機会をお見逃しなく!次のジェントルとの共演は決まってないし。他出演者も初対面の方ばかりで楽しみ!■THE BAWDIES・ROY コメントTHE BAWDIESで鍵盤を弾いてくれている別所くんとのコラボもあり!更にGentleForestJazzBandには、私ROYも参加させてもらい私のルーツを披露する企画も!ヤバい日になります!!<公演情報>『PAJAMA PARTY 2021』12月5日(日) 東京・豊洲PITOPEN 13:00 / START 14:00【出演アーティスト】別所和洋 / パジャマで海なんかいかない / Keishi Tanaka / 二階堂和美 with Gentle Forest Jazz Band / 藤原さくら / THE BAWDIES / Yasei Collective【チケット料金】全席指定:5,500円(税込)Tシャツ付き全席指定:8,000円(税・送料込)チケット購入リンク:■イベント公式サイト:
2021年12月02日2018年に上演され、朝夏まなと&神田沙也加がイライザ役、寺脇康文&別所哲也がヒギンズ役を演じ好評を博した『マイ・フェア・レディ』。オードリー・ヘップバーン主演の映画でも知られる本作は、1963年に日本で初めて上映されたブロードウェイ・ミュージカルとしても名高く、半世紀以上にわたり愛され続けている。朝夏と神田はミュージカル『王家の紋章』でのライバル役競演も記憶に新しいが、舞台を降りると「まぁちゃん(朝夏)」「さーちゃん(神田)」と呼び合う仲。息ぴったりのふたりに公演への意気込みを聴いた。『マイ・フェア・レディ』は、ロンドンの下町で暮らす花売り娘イライザが、言語学者ヒギンズ教授の猛特訓で、上流階級の貴婦人にも引けをとらないレディに変身していくというストーリー。本作が長年愛される理由を、朝夏は「ひとりの女性が夢を持って成長していく普遍的な物語。観て清々しい気分になれる」、神田は「単なるシンデレラストーリーではなく、イライザとヒギンズが対等に学び合い、人間として成長していく、時代を先取りした展開も魅力的」と語り、続けて互いのイライザ役について、「さーちゃんが演じるイライザは、大柄な別所さんに負けないくらいの迫力。持ち前の賢さも投影されていて素敵です」(朝夏)、「まぁちゃんは、可憐な役から怖い役、妖艶な役まで信じられるカメレオンみたいな女優さん。イライザ役は、まぁちゃんの幅広い演技を1作品で楽しめます」(神田)とお互いを見つめながら語ってくれた。今回の新たな見どころの1つは、2018年版の朝夏・寺脇、神田・別所コンビから、朝夏・別所、神田・寺脇コンビへとカップリングが変わること。「コンビの愛称が“てらまぁ”と“べっかん”から“てらかん”と“べつま”になる(笑)」と笑顔を浮かべ、「パートナーが入れ替わっての舞台はどんな化学反応が起こるか楽しみ」と口を揃える。本作は朝夏にとって、宝塚退団後初めて女優として立った舞台。「『階段を降りる時、肩で風を切っているよ』と先輩に言われたりして(笑)。すべてを模索した、女優としての原点ともいえる作品です」。一方、観客として全国遠征もした経験もある神田にとっては「バージョンごとの台詞や歌詞を言えるくらい」一番好きなミュージカル。「別の意味での原点」と言える作品だとか。「あれから3年間、互いにいろいろな舞台を経験したことで、また新たな発見があると思う」(朝夏)。「ダブルキャストでは同じ舞台に立つことができないが、直前の「王家の紋章」でまぁちゃん(朝夏)と舞台に立った経験がいい影響を与えてくれるのでは」(神田)というように、二者二様、それぞれに進化したイライザに出会えるのが楽しみだ。福岡公演は、2022年1月19日(水)~28日(金)博多座にて。チケットは12月4日(土)より発売開始。その他、全国各地で公演あり。
2021年11月24日EXILE HIROがエグゼクティブプロデューサー、SSFF&ASIA代表・別所哲也の企画・プロデュースによる、詩と音楽、映像を1つに融合したプロジェクト第4弾『昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-』。片寄涼太が主演・主題歌を務める「COYOTE」と、俳優・フィルムメーカー・白黒写真家などマルチに活躍する斎藤工とのコラボレーションが実現、主題歌「サクライロ」の特別写真展の開催されることになった。本作は、短篇6作それぞれの主題歌からインスパイアされ生み出された物語に、「GENERATIONS from EXILE TRIBE」のメンバーが主演、主題歌を担当するなど、全員が参加しており、SABU、新城毅彦、山下敦弘、森義隆、真利子哲也、久保茂昭といった監督陣それぞれの個性あふれる物語となっている。その中で真利子監督による「COYOTE」の主題歌で片寄さんが歌う「サクライロ」は、2012年に斎藤さんが歌唱していた楽曲のカバー。この楽曲は、3.11の震災復興に向けたプロジェクトの一環として創り出された作品で、今回時を経て、新型コロナウイルスの感染拡大という世界的有事の中で生まれた作品「COYOTE」の主題歌として起用された。楽曲に込めた東北震災復興への想いが、10年の時を経て映像表現されるということで、「サクライロ」をテーマに片寄さんを被写体とし、斎藤さんがカメラに収めた。フラワーアーティストの尾藤裕子が協力し、震災から10年目の福島の八重桜を使ったものとなっている。今回その貴重な写真がTOHOシネマズ 仙台、ポレポレシネマズいわき小名浜にて、本作公開日の11月26日から展示されることとなり、あわせて2人からのコメントも到着した。斎藤さんは「自分の当時の音楽活動への"動機"をお伝えし、今回の写真作品プロジェクトは始まりました」と明かし、「桜の時期に片寄さんと自分がセッションした白黒写真に、フラワーアーティストの尾藤裕子さんが十年目の八重桜を施してくれました。この色褪せない作品が東北の地に戻る事、東北の方々に届く事を心から願っています」とコメント。また、片寄さんは「斎藤さんとやり取りをさせて頂き、2021年の春の僕を撮って下さることになりました。尾藤裕子さんの八重桜のコラージュがより今回の作品に深みをもたらし、時間の概念から解き放たれたような普遍的な作品になったと感じています」と手応えを噛みしめ、「見てくださる方を包み込める作品であり楽曲でありますように」と祈りを込めている。『昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-』は11月26日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project- 2021年11月26日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©2021 CINEMA FIGHTERS project
2021年11月20日EXILE HIRO、SSFF & ASIA代表・別所哲也、作詞家・小竹正人の3人によって打ち出された、詩と音楽、映像を1つに融合するプロジェクトの第4弾『昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-』。11月18日(木)、そのプレミア上映会&Special Liveが行われ、「GENERATIONS from EXILE TRIBE」、各作品の主題歌を担当したKAZUKI、伶、「DEEP SQUAD」、「iScream」が登壇し、MCには企画・プロデュースを務めた別所哲也が登壇した。本作は、短篇6作それぞれの主題歌からインスパイアされ生み出された物語に、「GENERATIONS」のメンバーが主演、主題歌を担当するなど全員が参加。SABU、新城毅彦、山下敦弘、森義隆、真利子哲也、久保茂昭ら、数々の名作を世に送り出してきた監督たちがメガホンをとった。「BLUE BIRD」主演の佐野玲於は、「SABU監督と組んで撮影させてもらいました。KAZUKIさんが素敵な歌を届けてくださり、骨太な作品が出来上がりました」と満足の様子。続けて「僕自身SABU監督のファンで、限られた時間での撮影でしたが、ロケーション、役者を活かす映像に仕上げてくださいました。すごく満足しています」と思いを明かす。「BLUE BIRD」主題歌担当のKAZUKIは「素敵な作品に携わることができて光栄でした」と満面の笑みを浮かべた。「言えない二人」主演の白濱亜嵐が「誰もが経験する甘酸っぱいストーリーになっています」とアピールすると、会場は大きな拍手に包まれる。「言えない二人」の主題歌担当「DEEP SQUAD」のTAKAは、「主題歌という大役をいただいたことを光栄に思うとともに、感謝の気持ちでいっぱいです。作品に込めた想いがたくさんの方に届けばいいなと思っています」とコメントした。「水のない海」主演は小森隼。「主演と紹介されて、今、改めてすごく緊張しています」と早口で挨拶し、緊張の様子が手にとるように伝わってきた。主題歌を務めた「iScream」のRUIは「事務所の先輩方、そして、みなさんの前で歌唱できたことを光栄に思います」とライブの感想と感謝を述べた。「怪談 満月蛤坂」主演を務めた中務裕太は「(僕の)人生で、主演で舞台挨拶やるとは思ってなかったです。緊張していますがよろしくお願いいたします」と元気よく挨拶。主題歌担当の伶は「映画のなかで、(楽曲が)作品のいいアクセントになっています」と満足の表情で楽曲をアピールした。「COYOTE」で主演・主題歌を担当した片寄涼太は、「平日にも関わらず、ご来場ありがとうございます」と観客に向かって笑顔で感謝を伝えた。「真夜中のひとりたち」主演の関口メンディーは「主演と紹介されて実感してきました。いつものキャラを削ぎ落として、挑んだ役です」とキリッとした表情で挨拶。主題歌担当の数原龍友は会場を見渡しながら「今日は、僕“1人”のためにこんなにたくさんの方に集まっていただきありがとうございます。“僕”の作品を楽しんでいただけましたか?」とまるでワンマンステージのように語って、笑いを誘った。「GENERATIONS主演で舞台挨拶する日がくるなんて」仲良し兄弟の兄役を演じた佐野さんは髪をブルーに染めたことについて、「パンクって、見てくれのジャンルとか、音楽の歴史というよりも、若者の主張ということに重きを置いていると思います」と説明し、「兄弟愛や、一番近くにいる大切なものを失う様が描かれる中で、拳銃が登場するシーンでのやりとりなど、SABU監督らしい狂気とユーモラスの混ざった感じが落とし込まれていて、演じていてすごく楽しかったです」と作品の魅力に触れる。そして弟役の醍醐虎汰朗については「無邪気でいろいろと話しかけてくれました。撮影現場では元気をもらっていました」とふり返り、冒頭のセリフの少ないシーンに触れながら「SABU監督の頭の中でシーンが構築されている感じが絵コンテから伝わってきました」と、大好きだというSABU監督の映像作りについて語っていた。「GENERATIONS主演で舞台挨拶する日がくるなんて想像してなかった」という白濱さんは「自分が出演する以外の作品の台本も読んでいました。オムニバスですが、1本の映画を作るような気持ちでいました」と微笑む。中務さんの演技が衝撃的すぎたとふり返り、「料理人のハマり具合もすごかったし、そんな演技ができるんだ!と思いました」と興奮気味に感想を伝える。これまで演じてきた数々の作品とはタイプの違う胸キュンが味わえる本作。演じた役については「今までは派手な役柄を演じることが多かったですが、勢いだけのお芝居ではなく、繊細なお芝居にチャレンジしたいと思っていたタイミングでこの作品のお話をいただきました。役者として違う一面を見せたいという気持ちと重なり、すごくいいきっかけになったと思います」と胸を張る。劇中で坂井真紀演じるキャラクターのセリフが気になっているという白濱さんは「(恋人は)好きなものが一緒のほうがいいのか、嫌いなものが一緒のほうがいいのか。僕の中でまだ答えが見つかっていません。すごくメッセージ性のある恋愛映画になりました」と作品のおすすめポイントを伝えた。中務裕太が料理やラブシーンに挑戦中務さんは、「怪談 満月蛤坂」撮影前から「料理指導をしていただき、包丁さばきを教えていただきました。撮影場所が料亭だったので、撮影中もそこの料理長からご指導していただきました」とふり返る。撮影後から料理にハマったことを明かし「実は、僕のお父さんとおじいちゃんは料理人でした。自分の中の料理人の血が騒ぎ出した気分です」と新たな趣味ができた様子。台本で妊婦役と書いてあり「僕が妊娠するので合っていますか?」と何度も確認したという中務さん。「最初のシーンではお腹が軽かったのですが、後半は5kgくらいになっていてめちゃくちゃ重かったです。妊婦さんに優しくしようという気持ちになりました」と妊婦役の特殊メイクについて触れた。本作ではラブシーンにも挑戦。「山田真歩さんが引っ張ってくださったので、リラックスして臨むことができました」と共演者への感謝も述べていた。「作品鑑賞前後で歌い方に変化が出たのか」という質問に伶さんは、「最初は怪談話?と興味をそそられました。時を超えた愛、とても深い愛を描いていて、ショートフィルムだけど見どころがぎゅっと詰まっている作品でした。作品を観た後は、より演じる女性の心に寄り添いながら、歌詞を深く感じながらパフォーマンスできたと思います」と説明した。上映後にライブパフォーマンスがあるという通常の舞台挨拶とは違う雰囲気の上映会については「客席で観たかったです。映画を観た後に主題歌がライブで聴けるなんで、新しいしとても面白いと思いました」と目を輝かせていた。そして、片寄さんは、セリフ指導担当者と役柄のイメージを話しながら喋り方を研究したことを明かし「発音だけでなく、細かいニュアンスまで指導していただき練習しました」と準備をふり返る。東京とシカゴでの遠距離恋愛を描く本作は、東京で撮った映像をシカゴで、シカゴで撮った映像を東京で参考にしながら撮影するという特殊な方法だったことを明かし、「新型コロナのあの時間を(映画という)形に残すことができました。予想もしなかったすれ違いが起きたという人たちが実際にいたのかなと、今でも思っています」と新型コロナ禍を挟んだ撮影だからこその貴重な機会であり、作品だったことに触れた。感情の起伏が激しい役どころであり、航空会社に怒鳴りながら問い合わせをするというラストシーンには、実は台本がなかったという。「終わりは決まっていたのですが、細かい描写はありませんでした。自己チューでいい男とは言えないタイプのキャラクターなので、そんな男があのような状況に置かれたときに、どう行動するのかを想像しながら観てほしいです」とアピールしていた。『昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-』は11月26日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project- 2021年11月26日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©2021 CINEMA FIGHTERS project
2021年11月19日ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の初日前会見が14日に東京・帝国劇場で行われ、朝夏まなと、神田沙也加、寺脇康文、別所哲也、前山剛久、寺西拓人が取材に応じた。オードリー・ヘップバーン主演の映画版でも広く親しまれている同ミュージカルは、ロンドンの下町の花売り娘が、言語学者のレッスンで、見違えるように麗しい貴婦人に変貌するという物語。1963年に日本で初めて上演されたブロードウェイミュージカルで、2009年以来12年ぶりにミュージカルの殿堂・帝国劇場にて上演される。ミュージカル『王家の紋章』にも出演していた前山は「立つたびにこの劇場の歴史を感じて、毎度緊張しております」と帝国劇場への思いを表す。「僕がボイストレーニングを始めた際に、最初に練習した楽曲が(『マイ・フェア・レディ』)の『君が住む街』でして、とても縁を感じております。練習していた楽曲をこの帝国劇場で歌えるということ。本当に幸せに思っているので、フレッシュに頑張りたいなと思っております」と意気込んだ。『Endless SHOCK』などの作品で同劇場にも定期的に出ている寺西は、質問の度に「フレディ役の寺西拓人です」と名乗り、周囲からはツッコミも。「一応、僕はジャニーズ事務所に所属しておりまして、本当にありがたいことに、ジャニーズの公演でたくさん帝国劇場にも立たせていただいてるんですけども、こういう作品だと本当に雰囲気が違って見えて、また違った作品で戻ってこられたのをすごく幸せだなと思っております」と喜ぶ。「『SHOCK』でもお世話になっている(堂本)光一くんに、この舞台の出演が決まったことを話したら色んなアドバイスを下さって、『ジャニーさんからもらったものを大切に』とか『見てくれてる人は見てくれている』とか、たくさん言っていただいたので、その言葉を胸にしっかり走り抜けられたらと思います」と感謝していた。稽古場のエピソードを聞かれると、前山は「フレディはイライザに恋をしている役なので、演出のG2さんから『まっすぐ恋をしろ』と言われていたんですが、イライザとのシーンの稽古中に、後ずさりしてしまったんです。『なんで後ろに行くんだ、恋してないのか』と言われて、『いや、恋してます! だって、めっちゃかわいいですもん』と言ったら、褒めたのに、なぜかさーやさん(神田)からエアビンタされまして……なんでビンタしたんですか?」とその場で質問する。神田は「後ずさりされたので、なんで拒否されたんだろうと思ったら褒められたので、その切り返しの速さに私も戸惑ってしまって、手が出ました」と苦笑し、前山は「マスクで表情がわからなくて、怒ってるのかなと悩んでたので、今聞けて良かったです」と安堵。また寺西は「年末年始をまたぐ舞台が初めてで、私事で申し訳ないんですけど、12月31日が僕、誕生日でございまして。こういう状況なので、もちろんそういうのはないんですけど、そういった楽しみもちょっとあります」と稽古場とは関係ないエピソードで、周囲は戸惑っていた。「今年の漢字」を聞かれると、前山はエアで筆を操り「『愛』と書かせていただきました。コロナ禍でなかなか舞台に来るのも大変な時期が続いている中で来る原動力だったり、僕らも舞台に対する愛だったり、人に対する愛だったりを感じ、その愛を大切に生きた年だった」と振り返る。一方、寺西は「『唾』です」と表し、周囲は「え〜!?」と爆笑。寺西は「週2回、3回(検査を)やって。今年、本当に何が違ったかって、唾液を出す量だと思って。最初はちょっとこぼしちゃってアルコールで拭いたりしていたけど、今はもう細い口に垂らせるし、目盛りを見ながら『こんぐらいだな』と口の中で調節したらぴったり、みたいな。それくらい唾液慣れしている自分がいました。唾液関係のお仕事があったらよろしくお願いします」と頭を下げていた。東京公演は東京・帝国劇場にて14日〜28日、ほか埼玉、岩手、北海道、山形、静岡、愛知、大阪、福岡で2022年1月28日まで公演を行う。写真提供/東宝演劇部
2021年11月15日ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の初日前会見が14日に東京・帝国劇場で行われ、朝夏まなと、神田沙也加、寺脇康文、別所哲也、前山剛久、寺西拓人が取材に応じた。オードリー・ヘップバーン主演の映画版でも広く親しまれている同ミュージカルは、ロンドンの下町の花売り娘が、言語学者のレッスンで、見違えるように麗しい貴婦人に変貌するという物語。1963年に日本で初めて上演されたブロードウェイミュージカルで、今回2009年以来12年ぶりにミュージカルの殿堂・帝国劇場にて上演される。ミュージカル『王家の紋章』に出演していた朝夏は「先日までこの帝国劇場でエジプトの世界にいたんですけど、今はもうすっかりイギリスの『マイ・フェア・レディ』の世界になっておりまして、またこの帝国劇場に合わせていただけるのがとても幸せです」と喜びを表す。同じくミュージカル『王家の紋章』に出演していた神田は「帝国劇場には今年2回目で、こうしてまた立たせていただけることもそうですし、前回(『マイ・フェア・レディ』に)参加させていただいた時も、前田美波里さんと『帝国劇場でやりたいね』という話をしていたので、それが叶ってすごく嬉しいです」と喜んだ。寺脇は「僕はG2さんの演出になってから今回4度目の上演なんですが、今回感じている深みが2つありまして、1つはやっぱり、脚本の深み。4回やってもまた気づくところがあって『やっとわかった』いう部分、『ここはこういうことだったのか』という部分があったりする。もう1つは感情の面での発見で、『ここはこういう気持ちになるのか』というのも新たにあって、本当に深みがある作品だと思っております」としみじみ。別所は「僕は、この帝国劇場は『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』という大作に出させていただいて、その作品以来、こうやってまた歴史上に名を刻んでいる『マイ・フェア・レディ』という作品で、再演という形で劇場に戻らせていただいて大変光栄に思っております」と語る。前山&寺西について別所は「横にいるフレディもフレッシュで、20年前だったら、僕はフレディができたかなと思いながら見ています」と見守りつつ、「僕にはフレディのフレッシュさはないかもしれませんが、琥珀色の男を演じられたらと思います」と意気込んだ。今回はチームが分かれており、朝夏が「私たちは『べつまーたく』チーム(朝夏・別所・寺西)と呼ばれておりまして……」と明かすと、神田も「私たちは『かんてらまえ』(神田・寺脇・前山)」と紹介し、キャスト陣からは「バス停みたい」という声も。神田は「不安な状況下ではありますけれども、とにかく1月末までちゃんと完走がテーマ。しっかり自己管理して行きつつ、その自己管理がぎゅっと強力なものとなって、そして協力し合って最後を迎える景色が見られるといいな、と。何より12年ぶりに帝劇で上演されることが、きっと出演していなかったとしてもすごく嬉しくて、お客様としても絶対見に来ていると思う」と思い入れたっぷり。「帝劇にはよく神様がいるなんて言いますけれども、その神様がすごく大変な中、たくさん頑張った演劇人の先輩方だったりを見守って優しく最後まで送り出してくれるといいなと、願ってやみません」と思いを表していた。東京公演は東京・帝国劇場にて14日〜28日、ほか埼玉、岩手、北海道、山形、静岡、愛知、大阪、福岡で1月28日まで公演を行う。写真提供/東宝演劇部
2021年11月15日