青森の十和田市現代美術館では、開館10周年の秋冬の企画展として「毛利悠子 ただし抵抗はあるものとする」を、10月27日から2019年3月24日まで開催する。「Childhood」展示風景 2018年 パレ・ド・トーキョー(パリ)Photo courtesy Palais de Tokyo(参考画像)国内外で注目を集める新進アーティスト・毛利悠子は、展示空間全体を作品に変える“インスタレーション”という手法で創作活動を行ってきた。その作品はハタキやスプーン、空き缶など、私たちが日常生活で目にするものを使い、電気や磁力、空気の動きなど、普段は目に見えないエネルギーの存在を明るみに出す。不思議な動きを見せる毛利の作品に接すると、まるで物たちが、生き物のように呼吸をしているような、時には人間を超越した大きな力がその物たちに触れているような、そんな感覚に陥る。本展は、世界で初めてとなる美術館での個展。毛利は、アンモナイトからケーブルのより線など、さまざまなレベルで見られる渦や回転、あるいは螺旋の運動からインスピレーションを得て、音響を使った大規模な新作彫刻を展示する。それは天体の運行という大きな力や、社会が大きく動いていく時の様相をも象徴的に表している。彼女が追い求める「永遠の運動体」のイメージに近づくため、これまでにない新しい方法論を用いたインスタレーションとなる。またこの作品と関連する、音響を使った大型彫刻作品を日本で初公開する他、映像、版画、そして現場の中に即興で生み出されるインスタレーションを通し、国内外で多くの観客を魅了してきた毛利悠子の芸術世界を見ることができる。さらに今回は、美術館を飛び出し街中にも作品を展示。展示室や街中を移動しながら、作家の思考を追体験できる。《パレード》2011‒17年 「ジャパノラマ」 2017年 ポンピドゥ・センター・メッス(リヨン)Photo by Jacqueline Trichard(参考画像)関連イベントとして、11月3日には、毛利悠子本人が展示室内で作品について語るアーティストトークを開催。11月4日の18時からは、展示室にミュージシャンの山本精一を迎え、一夜限りのコンサートも開催する。翌2019年1月26日の14時からは、1月刊行予定の展覧会図録『ただし抵抗はあるものとする』(月曜社)の出版を記念したトークイベントも実施。いずれのイベントも、詳細はホームページ()にて随時案内する。【展覧会情報】毛利悠子 ただし抵抗はあるものとする会期:10月27日〜2019年3月24日会場:十和田市現代美術館、十和田市中心商店街住所:青森県十和田市西二番町10-9(十和田市現代美術館)時間:9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)、年末年始12月25日〜1月1日料金:企画展+常設展セット券1200円、企画展の個別料金 一般800円、高校生以下無料 ※団体(20名以上)100円引き
2018年09月20日日本医科大学 衛生学・公衆衛生学の可知悠子助教らはこのほど、「親の経済格差が子どもの肥満に及ぼす影響」の調査結果を明らかにした。同研究結果は2015年5月23日に「Journal of Epidemiology」オンライン版で発表している。欧米では親の経済状況が悪いほど、その子どもが肥満になるリスクが高くなることが多数報告されている。現在、日本では同様の報告がなかったことから、全国の子どもを対象に親の経済状況によって肥満の割合が異なるかどうかを分析した。対象者は、厚生労働省が全国規模で無作為抽出により実施している「国民生活基礎調査」と「国民健康・栄養調査」に参加した学童期(6~11歳)と青年期(12~18歳)の各397名の子ども。月間の家計支出額の平均値を「低(学童期15.0万円、青年期16.5万円)」「中(学童期24.2万円、青年期27.6万円)」「高(学童期39.0万円、高45.2万円)」の3群に分けて分析した。その結果、学童期の49名(12.3%)、青年期の36名(9.1%)が肥満の基準(※)に当てはまることがわかった。また、青年期では、月間平均家計支出額が「低(16.5万)」の場合、「高(45.2万)」と比較して、肥満の割合が3.4倍高いことが明らかとなった。しかし学童期では、家計支出が「低(15.0万)」と、「高(39.0万)」との間に、肥満の割合に有意な差はみられなかったという。※世界的に用いられている International Obesity Task Force の基準による
2015年06月08日日本医科大学は6月4日、経済水準が下位3分の1の世帯は、青年期(12歳~18歳)の子供の肥満の割合が、上位世帯の3倍に達すると発表した。同成果は同大学 衛生学・公衆衛生学の可知悠子 助教らによるもので、5月23日に「Journal of Epidemiology」オンライン版で発表された。可知助教らは、「親の経済格差が子どもの肥満に及ぼす影響」に関して、全国から無作為に抽出した794名の6歳から18歳の子どもを対象に分析を行った。その結果、青年期では、世帯を月間の家計支出額に基づいて3つのグループに分けた場合、下位3分の1の世帯(平均家計支出額:16.5万円)では、上位の世帯(平均家計支出額:45.2万円)と比較して肥満の割合が3.4倍高いことが判明した。欧米では親の経済状況が悪いほど、子供が肥満になるリスクが高くなることが報告されているが、日本ではこれまで同様の報告はされていなかった。
2015年06月04日