「恋愛」という言葉を前にして、それって実際何なのか、どんな意義があるのか、考えたことはあるでしょうか。そんなふとした疑問を〈哲学対話〉という空間に投げかけ、掘り下げてみました。これは、恋バナ…?「哲学対話」という言葉をご存じだろうか?ひとことで言うと、「日常の疑問や、不思議に思っていることをみんなで話し合い、立ち止まって考える営み」のこと。そこで取り上げられるテーマ=「問い」は、“生きる意味とは何か”“夢と現実の違いとは”“約束はなぜ守らなければならないのか”などさまざま。今回は、ananではじめて誌上で哲学対話を実践することに。“恋愛の意義”をテーマに、哲学者であり哲学対話のファシリテーターを務める永井玲衣さんと、雑談の人・桜林直子さんに、約40分の対話を行っていただきました。価値観の多様性が認められ始め、幸せの定義も異なる今、なぜ私たちは恋愛をするのか?二人から投げかけられる「問い」に、あなたは何を思いますか――。(写真左)哲学者・永井玲衣さん人びとと考え合う場である哲学対話を幅広く行っている。Gotch主催のムーブメント「D2021」などでも活動。著書に『水中の哲学者たち』(晶文社)。(写真右)雑談の人・桜林直子さんマンツーマン雑談サービス「サクちゃん聞いて」を主宰。コラムニストのジェーン・スーさんとのポッドキャスト番組『となりの雑談』も好評配信中。哲学対話とは?日常の中で感じる哲学的な問いを、参加した人と輪になって一緒に考え、対話するというもの。急いで正解を出そうとするのではなく、共に考えやすい場作りをしながら行う。その場ごとに設定された「約束」が設けられる。【今回の約束】1、人の話を遮らず、最後までよく聞く。2、偉い人の言葉を使わない。(自分の言葉で話す)3、結論を「人それぞれ」で終わらせない。【問】恋愛って、実際のところ何をしているのか?永井玲衣:まずは“恋愛する意義”というテーマから、浮かんだ問いについて対話をしていければと思います。これは哲学対話なので、途中で沈黙しても、ぐるぐる遠回りしても気にせず、自分の言葉で話してみてください。桜林直子:…じゃあ、さっそくいいですか?(挙手)中学生くらいの頃から思っていることなんですが、「恋愛ってイマイチ何をやっているかわからない」という疑問があって。永井:なるほど。桜林:周りの友達が楽しそうに「あの人が好き」「この人は違う」みたいな恋愛“っぽい”話をしているのを聞いて、なんとなく「そういうものなんだ」っていう空気は感じていたけれど、「つまり何をやってるか」は実際よくわからない。で、その感覚が今もあまりなくなっていないんですね。もちろん私だって、心が動くとか、誰かのことを考える・想うっていうのは、全然ある。でもそれだけを恋愛として切り離すとか、「恋愛」と「それ以外」という分け方にはしていなくて。あくまで“人間関係”の側面の一つというか…。大切なのは、「私とこの人をどういう関係にしていくか」「私とこの人がどんな距離感で関わるか」であって、それが恋愛かどうかって別に先に決めていないのかも………。なんてことを最初に思いました。永井:…うーん、なんなんですかね、中学高校くらいの「次はあの子が好き」「次はあいつ」みたいなのって(笑)。それは恋愛だったんだろうか、値踏みではなかろうか…なんてことも思いつつ。お話を聞いていると、そもそも「恋愛って何だろう」という問いが私の頭の中でぐるぐるし始めました。桜林さんの言うように、人間関係の中に立ち現れてくるもの、あるいは“状態”は、確かに恋愛っぽい。桜林:いま思い浮かんだのは、自分の心の奥から勝手に湧き上がってくる感情みたいなものは、たぶん「恋愛」と名前を付けられそうだなと。その一方で、独占欲だったり、相手と両想いになりたいだとか、二人で作る関係性のことも「恋愛」と呼んでしまうから、混乱するのかも。永井:とすると、「じゃあ“恋愛の反対”って何だろう」とか「“恋愛していない関係性”っていうのは何なんだろう」というモヤモヤも湧いてきて…。全然まとまってないんですけど、つまり、この感情をあえて“恋愛”と言いたい時、前景化したい時って、何が働いているんだろう。桜林:恋愛がない状態、私はけっこうあるんですよ。その時の自分のことを思い出してたんですけど、ひとことで言うと「それどころじゃない」(笑)。永井:ああ(笑)。桜林:経済的な問題だったり、仕事がめちゃめちゃ忙しいとか。そういう時って恋愛に限らず、心が動く隙間がないっていうか。たとえば人が悲しんでいても、「自分はそれどころじゃない」と思ったり。恋愛だけに特別心が動かないんじゃなくて、心が動かない時に恋愛がない状態だったな、なんてことを思い出しました。【問】「これは恋愛だ」と定義する条件って?永井:さっきから、どうして「これは恋愛だ」って言いたくなるのかを考え続けているんですけど、それだけ心の動きがあまりに不安定で、意味不明、得体が知れないからなのかもしれない。もう本当に、喜びと不安と憎しみの“全感情弁当”みたいな(笑)。そんなものが自分の中に誕生してうずまくから、その感情を一括りに「恋愛」として名付ける。便利で、腑に落ちる言葉としてそこにあるのかなっていうのは思いました。それと同時に浮かんだもう一つの問いは、そんなに得体の知れない、楽しさもあるけど時に超しんどいことが、どうして世の中的には推奨されているんだろうか、ということ。俗に言う“恋愛至上主義”とか、「恋愛してないやつはダメ」みたいな風潮って、今も強固に生き残っているじゃないですか。そこには抗いたいなと思っていて。桜林:私は20代の前半で子どもを産んでいるから、さっきも言ったように「それどころじゃなかった」し、学生の時だって「恋愛って何?」みたいに斜にかまえていたので、あまり色恋に夢中になるようなことはなかったんですね。そんな過去を振り返って、「じゃあ恋愛はしたほうがよかったのかな?」と考えてみると難しいんですけど…少なくとも恋愛に限らず、「何かをしたい」とか「ああいう状態になりたい」みたいな欲求にはフタをしなくてよかったんじゃないかなと。それは当時の自分にとっては己を守る術ではあったんだけど、いざ「動いていいよ」っていう時に心が動かなくなるから。だから、恋愛する・しない自体はどっちでもいいんだけど「あの人と仲良くなりたい」とか「もっと知りたい」「近づきたい」みたいな、“ともすると不気味な”自分の本当の気持ちは、あえて閉じ込める必要はなかったなと、若き自分に言いたいです。永井:今のお話を聞いて、確かに、恋愛している姿を「ダサい」って感じるのは、なんかわかる。「恋バナするの恥ずかしい」とかもそうですけれど。それだったら結婚して、「家族愛になっちゃったよ~」って言っている人のほうが、なんだか安定して見えてカッコイイ。「結婚40年です」なんて言ったらみんなが反射的に「すごーい!」って言うみたいなあれって、どこかで「安定的である」ことを称揚しているんですよね。だから、桜林さんが恋愛から距離を置いていたっていうのもすごくわかるし…。そう考えると、「恋愛したほうがいいよ」と言っている人は、いったい恋愛のどんな側面を見て「いい」と言っているんだろう。自身の「想う気持ち」には実はあまりフォーカスしていなくて、もっと社会通念的なことなのかもしれない。「恋人がいると寂しくなくて良いことだ」みたいな。桜林:私も一つ思い出したことがあるんですけど、知り合いが結婚した時に言っていたのが「これで恋愛市場に載らなくて済む」。結婚したら、ひとまず恋愛と自分は切り離す、と。でもそれって自分の心の話じゃなくて、やっぱり“市場”の話なんですよね。選ぶ・選ばれるのお話であって、でもその市場を「恋愛」って呼んでいる人たちも一定数いるっていうこと。永井:確かに…。桜林:女として価値があるとかないとか、お相手がどんな人かとか…もはや本人の話ではない。そうやって市場の商品価値で恋愛を語る人ってけっこうな割合でいるんですね。だから、同じ「恋愛」の話をしていると思っても、人によってまったく違うもののことを語っている時があるなと思いました。【問】「幸せな結末」が恋愛の話でしかないのはなぜ?永井:話がうまく繋がっているかわからないんですけど、私は子どもの時から、自分が見たり読んだりする作品に“恋愛要素”が入ってくることが好きじゃなかったんですね。特に少女マンガは、作品にもよるけれど、「選ばれることが価値」みたいなことをずっと言われている気がして…。それがバトルマンガでも、盛り上がっている時に急に「好き……」みたいなのが出てくると、やっぱり醒める(笑)。しかもその描写も、ただ人物がモテているだけで別に恋愛が起きているかはよくわからない。描く側としては、恋愛のシーンに意義があると思って入れていると思うんですけど、「人を想う強い気持ち」というメッセージなら、別に恋愛じゃなくても描けるなって思うし…。それについては、どうですか?桜林:別にジャマだとは思わないけれど、「結局恋愛か」とか「それでなぜ帳消しになるの?」とかは思いますね。同じことか(笑)。結局みんなが幸せになるのが、恋愛の話でしかないのかよっていうことにはやっぱり怒りがあって。たとえばバトルマンガだとすると、そもそも敵同士だったのに恋愛関係になると憎しみが帳消しになったり。それって現実でも似たようなことがあって、「大恋愛の末に結婚した」的なことが、あらゆる幸せの頂点に立ちがち。それこそ市場が違うはずなのに、恋愛が頂点と捉えられてしまう現状には、警告の笛を吹きたいですね。じゃあ結婚したあと何で生きていくんですかっていう。永井:それくらい今の社会のあり方が恋愛至上主義的になっているということかもしれません。一方で、人を好きになることって、「恋に落ちる」と表現するくらい、本当に滑り落ちるように、うっかりなってしまうものでもありますよね。それは市場とはかけ離れた話なんですけど、私は仮に自分が恋愛しているからといって、「お前も恋愛しろ」とは言いたくない。「恋愛から距離を置きたい」という人たちに対して、「恋愛しなきゃダメだよ」というメッセージを社会が暗黙裡に発してしまう状況ってどうなのかなとも感じました。桜林:自分自身からどうしようもなく湧き出てくる欲求の話と、自分の人生のストーリー。後者には当然、恋の相手も含めていろんな登場人物が出てくるんですけど、これを同じ“恋愛”の話とするからわからなくなるのかなっていうのは、ちょっと思いましたね。上手い分け方ってないのかな、とか。答えは全然出ませんが……。永井:答えを出すのではなく、問いが深く掘り下がっていくのが哲学対話なんです。さて、時間が来たのでここで終わります。桜林:ありがとうございました。※『anan』2024年2月21日号より。写真・枦木 功(nomadica)取材、文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2024年02月15日株式会社アハハナは、古代ハワイ哲学および実践「Huna」に基づく1日の初級編イベントを2023年8月26日に一般公開し開催いたします。現代におけるHunaの重要な提唱者であるHuna伝承者28代目、Dr. Matt B. Jamesは、これらの教えを引用して、古代の知恵と現代の心理学、教育科学および脳神経科学を統合するトレーニングとセミナーを提供しています。彼のHunaへのアプローチは、エンパワーメント、許し、瞑想、および心の状態と感情の状態を変える技術を強調しています。これを東京都内で許可を持って株式会社アハハナは企業及び個人に提供しています。健康心理学、社会心理学的に研究される古代ハワイ文化から学ぶ健康生活Hunaは、古代ハワイの哲学や、思想、精神的および癒しの実践に適用される現代のラベルです。元々はHo’o Mana(エネルギー×作る=エンパワーメント)という名称の学問でしたが、米国の属領となった影響により、Huna(秘密)と呼ぶようになり、便宜上、今もHunaと呼ばれています。これは、個人のエンパワーメント、自然との調和、および心のより深いレベルの理解に焦点を当てた哲学と生活様式を包含しています。Dr. Matt B. Jamesは、古代ハワイのカフナの伝統にさかのぼる系統からそれを学んだHunaの著名な教師および実践者、28代目の伝承者です。株式会社アハハナの講師は500時間以上のハワイ文化と哲学の訓練、勉強、実践を行い、300時間以上のコミュニケーション及び教育科学の訓練を受けて初めて教える許可を得ています。■イベントのハイライト1. Hunaの基本的な原則と概念の紹介2. 三つの自己:Aumakua、Uhane、およびUnihipiliについての説明3. マナのエネルギーの理解と活用方法4. ポノとホオポノポノの実践に関するワークショップ「Hunaは単なる技術のセットではなく、生活の方法であり、日常生活にその原則を統合することで、人々の幸福、精神的明瞭さ、および全体的な生活体験を向上させることができます」と、株式会社アハハナの代表は述べています。古代ハワイの哲学「Huna」は、28代にわたって伝承されてきた法則と実践の集合体です。これらの法則は先人たちが厳しい状況下でも実践し、学び続けてきました。今回の講座では、講師の専門的背景とともに、これらの古代の知識を紹介します。●Huna(フナ)の伝統と法則:世代を超えて継承されてきたHunaの法則は、自己の内側を整える手助けとなります。●Ho’oku’u(ホォクゥ)-感情を手放す瞑想:長時間にわたる負の感情は過去の出来事の影響であり、古代ハワイの人々はこのような感情を手放す技術を持っていました。●Ho’oponopono(ホォポノポノ)-人間関係のリセット・許しの瞑想:古代ハワイには浄化のエネルギーが強い特定の地域があり、そこでの瞑想は心身の健康と和解をもたらします。●ALOHA(アロハ)の真実の意味:ALOHAという言葉は「愛」を意味するだけでなく、各文字には深い意味が込められており、それは生きるための指針として機能します。今回の講座は、古代ハワイの知識と瞑想技法を紹介し、現代の日常生活での適用方法を学ぶ機会となります。■イベント詳細●日時: 10:00-19:00●場所: 東京都文京区水道2-9-14 遠藤ビル1F 多目的レンタルスペースー畳(たたみ)ー●キャンペーン割引: 14,300円●定員: 6名●参加申し込み: ハワイの古代の知識と現代の心理学の統合を体験したいすべての方をお待ちしております。席には限りがございますので、お早めに席を確保してください。(画像はプレスリリースより)【参考】※公式サイト
2023年08月17日株式会社アハハナ(東京都文京区)は、古代ハワイ哲学および実践「Huna」に基づく1日の初級編イベントを2023年8月26日に一般公開し開催いたします。現代におけるHunaの重要な提唱者であるHuna伝承者28代目、Dr. Matt B. Jamesは、これらの教えを引用して、古代の知恵と現代の心理学、教育科学および脳神経科学を統合するトレーニングとセミナーを提供しています。彼のHunaへのアプローチは、エンパワーメント、許し、瞑想、および心の状態と感情の状態を変える技術を強調しています。これを東京都内で許可を持って株式会社アハハナは企業及び個人に提供しています。古代ハワイの知恵Huna 1 Day講座■Huna(フナ)とは?Hunaは、古代ハワイの哲学や、思想、精神的および癒しの実践に適用される現代のラベルです。元々はHo'o Mana(エネルギー×作る=エンパワーメント)という名称の学問でしたが、米国の属領となった影響により、Huna(秘密)と呼ぶようになり、便宜上、今もHunaと呼ばれています。これは、個人のエンパワーメント、自然との調和、および心のより深いレベルの理解に焦点を当てた哲学と生活様式を包含しています。Dr. Matt B. Jamesは、古代ハワイのカフナの伝統にさかのぼる系統からそれを学んだHunaの著名な教師および実践者、28代目の伝承者です。株式会社アハハナの講師は500時間以上のハワイ文化と哲学の訓練、勉強、実践を行い、300時間以上のコミュニケーション及び教育科学の訓練を受けて初めて教える許可を得ています。■イベントのハイライト1. Hunaの基本的な原則と概念の紹介2. 三つの自己:Aumakua、Uhane、およびUnihipiliについての説明3. マナのエネルギーの理解と活用方法4. ポノとホオポノポノの実践に関するワークショップ「Hunaは単なる技術のセットではなく、生活の方法であり、日常生活にその原則を統合することで、人々の幸福、精神的明瞭さ、および全体的な生活体験を向上させることができます」と、株式会社アハハナの代表は述べています。古代ハワイの哲学「Huna」は、28代にわたって伝承されてきた法則と実践の集合体です。これらの法則は先人たちが厳しい状況下でも実践し、学び続けてきました。今回の講座では、講師の専門的背景とともに、これらの古代の知識を紹介します。●Huna(フナ)の伝統と法則:世代を超えて継承されてきたHunaの法則は、自己の内側を整える手助けとなります。●Ho'oku'u(ホォクゥ)-感情を手放す瞑想:長時間にわたる負の感情は過去の出来事の影響であり、古代ハワイの人々はこのような感情を手放す技術を持っていました。●Ho'oponopono(ホォポノポノ)-人間関係のリセット・許しの瞑想:古代ハワイには浄化のエネルギーが強い特定の地域があり、そこでの瞑想は心身の健康と和解をもたらします。●ALOHA(アロハ)の真実の意味:ALOHAという言葉は「愛」を意味するだけでなく、各文字には深い意味が込められており、それは生きるための指針として機能します。今回の講座は、古代ハワイの知識と瞑想技法を紹介し、現代の日常生活での適用方法を学ぶ機会となります。遠藤 蘭講師遠藤 貴則講師■イベント詳細●日時 : 10:00-19:00●場所 : 東京都文京区水道2-9-14 遠藤ビル1F 多目的レンタルスペースー畳(たたみ)ー●キャンペーン割引: 14,300円●定員 : 6名●参加申し込み : ハワイの古代の知識と現代の心理学の統合を体験したいすべての方をお待ちしております。席には限りがございますので、お早めに席を確保してください。受講状況のサンプル■株式会社アハハナについて「アロハスピリッツを持って世界をエンパワーし、インスパイヤする」のミッションを掲げ、2015年より、教育事業を展開し、企業研修から個人に対して脳科学、心理学、哲学に基づく講座を提供し続ける。現在、株式会社アハハナ主催の講座は類型500回を超え、生徒数も3,000名を超えます。株式会社アハハナの講師陣は全員300時間以上のトレーニングを行い、高いスタンダードのテストを合格して、米国統合心理学協会より認定を受けている教育のプロフェッショナルです。Hunaの勉強を500時間以上、ハワイ島で教える研修を毎年行いながら、日本で教えています。■会社概要会社名: 株式会社アハハナ所在地: 東京都文京区水道2-9-14連絡先: info@ahahanainc.com URL : Ahahana, Inc.(C)2021 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年08月14日北アイルランド・ベルファストの小学校で行なわれている哲学の授業を2年間にわたり記録したドキュメンタリー『ぼくたちの哲学教室』より予告編が解禁された。第18回アイリッシュ映画&テレビアカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞したほか、各国で高い評価を得た本作は、ベルファストにあるホーリークロス男子小学校で、主要科目になっている「哲学」の授業を捉えたドキュメンタリー。この度解禁された予告編では、エルヴィス・プレスリーを愛するケヴィン校長と子どもたちの微笑ましい姿とともに、北アイルランド紛争の記憶と分断が残る街の様子が映し出される。プロテスタントとカトリックの対立が長く続いたベルファストの街で、新たな憎しみの連鎖を生み出さないために何ができるのか?哲学的思考と対話による問題解決を探るケヴィン校長が、時にユーモアを交え、時に威厳を持って生徒たちに向き合う姿と、子どもたちの様々な表情が印象的な予告編となっている。また、イギリス出身のブロードキャスターであるピーター・バラカンからは、ベルファストの社会背景に触れつつ、「ケヴィン校長が小学生の男の子たちに施している極めて貴重な教育は次世代の感性に深い影響を及ぼす」とコメントを寄せている。■ピーター・バラカン(ブロードキャスター)コメント全文ベルファストといえば、約30年にわたって内戦に近い状態が続いた街。あれから更に20年以上経ってもしこりが残る環境で育つ子供たちの心はなかなか穏やかになりにくいはずです。ケヴィン校長が小学生の男の子たちに施している極めて貴重な教育は次世代の感性に深い影響を及ぼすと思います。このような教え方は全世界で取り入れる価値が大いにあります。『ぼくたちの哲学教室』は5月27日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2023年04月06日各国で高い評価を得た、アイルランド・イギリス・ベルギー・フランス合作のドキュメンタリー『Young Plato』が、邦題『ぼくたちの哲学教室』として5月27日(金)より全国順次公開されることが決定。監督のコメントも到着した。北アイルランド、ベルファストにあるホーリークロス男子小学校。ここでは「哲学」が主要科目になっている。エルヴィス・プレスリーを愛し、威厳と愛嬌を兼ね備えたケヴィン校長は言う。「どんな意見にも価値がある」と。彼の教えのもと、子どもたちは異なる立場の意見に耳を傾けながら、自らの思考を整理し、言葉にしていく。授業に集中できない子や、喧嘩を繰り返す子には、先生たちが常に共感を示し、さりげなく対話を持ちかける。自らの内にある不安や怒り、衝動に気づき、コントロールすることが、生徒たちの身を守る何よりの武器となるとケヴィン校長は知っている。かつて暴力で問題解決をはかってきた後悔と挫折から、新たな憎しみの連鎖を生み出さないために、彼が導き出した1つの答えが哲学の授業なのだ。北アイルランド紛争によりプロテスタントとカトリックの対立が長く続いたベルファストの街には「平和の壁」と呼ばれる分離壁が存在する。1998年のベルファスト合意以降、大まかには平和が維持されているが、一部の武装化した組織がいまなお存在し、若者の勧誘に余念がない。争いの記憶は薄れやすく、平和を維持するのは簡単ではない。その困難はケヴィン校長と生徒たちの対話の端々にも現れる。宗教的、政治的対立の記憶と分断が残る街で、哲学的思考と対話による問題解決を探るケヴィン校長の大いなる挑戦を映画化したのは、アイルランドで最も有名なドキュメンタリー作家のナーサ・ニ・キアナンと、ベルファスト出身のデクラン・マッグラの2人。およそ2年に及ぶ撮影期間中にパンデミックが起こり、インターネット上のトラブルという新たな問題が表面化するなど、子どもをめぐる環境の変化も捉えている。ケヴィン校長と子どもたちによる微笑ましくも厳粛な対話が、ニコラ・フィリベールの『ぼくの好きな先生』を彷彿とさせ、第49回日本賞(NHK)の一般向け部門で「最優秀賞(東京都知事賞)」、第18回アイリッシュ映画&テレビアカデミー賞で「最優秀長編ドキュメンタリー賞」など、国内外の映画祭で多くの賞を受賞した注目作だ。【ナーサ・ニ・キアナン監督コメント】西洋社会では、少年たちの無差別暴力が不穏に広がっています。異なる視点への共感を生み出すことで、コミュニティ間の偏りが減り、「他者」に対する寛容さが増すかもしれません。フェイクニュースの時代には、クリティカルシンキングの重要性が不可欠になっています。私たちは、大勢の人々が自分たちの利益に反する行動を取るように簡単に操られること、間違った人々を権力の座に就かせるように説得されることを、目の当たりにしてきました。もし、幼い頃から哲学や批判的思考を教えることが例外ではなく、普通になれば、次の世代は人生をうまく切り抜け、より良い選択をすることができるようになるかもしれません。今、人類が直面しているすべての課題、もし私たちが生き残る可能性があるならば、ケヴィンのマントラ「シンク、シンク、レスポンド!(考えて、考えて、答える!)」は、私にとってかなり良い最初のレッスンのように思えるのです。【デクラン・マッグラ監督コメント】アードイン、そして北アイルランドでは、自殺率が異常に高い状態が続いていて、心理学者によるとこれはおそらく紛争を経験したことが原因だろう、と言われています。しかし、最も驚くべき事実は、北アイルランド紛争が正式に終結した1998年の停戦宣言以降に生まれた若者の自殺が特に多いということ。科学者たちは、紛争後のトラウマが社会に悪影響を及ぼすだけでなく、そのようなトラウマが世代を超えて受け継がれる可能性があると見ています。生まれる前に両親や祖父母によって行われていた紛争の影響によって、それを直接体験していない子どもたちが、残酷なまでに苦しめられているのです。それは、断ち切ることが困難な、ひどく不公平な苦しみの連鎖なのです。出来上がった映画が教育の力を示し、そして紛争後の社会が過去の束縛から解放され、若い世代が古人の考えを用いて自分たちの未来を作ることができるという希望と、心温まる高揚感のあるものになればと願っています。『ぼくたちの哲学教室』は5月27日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2023年03月08日Eテレ「ロッチと子羊」でおなじみ哲学者・小川仁志先生が哲学の世界をご案内『世界が面白くなる!身の回りの哲学』2022年11月14日刊行株式会社あさ出版(代表取締役:田賀井弘毅、所在地:東京都豊島区)は小川仁志著『世界が面白くなる!身の回りの哲学』 を11月14日(月)に刊行いたします。未来の予測が難しくなるVUCAの時代、 現代人の悩みや社会問題に対する古今東西の哲学者の考え方日常生活を送る上ではあまり馴染みのない人も多い「哲学」。しかし、もともと哲学は歴代の賢者たちが悩み、考え抜いた結果です。そのため哲学には、現代人が抱える悩みや社会問題に使えそうな英知が詰まっているのです。本書では、Eテレ「ロッチと子羊」に出演中である哲学者の著者が、家族、愛、時間、お金、仕事、インターネット、SNS、パンデミック、 LGBTQ+、政治、科学、宇宙など、バラエティに富んだテーマに対する、 古今東西76人の哲学者の考え方を紹介します。新型コロナ流行などでこれまでの常識が通用しなくなってきた不確実性の高い時代、身の回りの話題について、自分なりの考えを持つためのヒントとなる一冊です。人生の悩みも、社会問題も、答えは哲学にあった?!現代人の身近な悩みから深刻な社会問題まで30個のテーマに対する古今東西76人の哲学者の考え方をご紹介。テーマ一覧遊び/顔/趣味/お金/睡眠正義/政治/戦争/LGBTQ+/ポスト資本主義AI/インターネット/SNS/宇宙/バイオテクノロジーパンデミック/震災/気候変動/原子力発電所の事故事故/幸福/仕事/家族/死/宗教自由/愛/悪/時間/世界フリードリヒ・ニーチェ、西田幾多郎、マイケル・サンデル etc... 計76人の哲学者が登場!フリードリヒ・ニーチェ西田幾多郎マイケル・サンデル哲学者が考えるインターネットとは※以下本書より内容の一部をご紹介マーシャル・マクルーハンマーシャル・マクルーハン生年:1 9 1 1 ~ 1 9 8 0 年出身地:カナダ肩書き:英文学者・文明批評家・メディア学者思想:その他の学問分野カナダのメディア学者であるマーシャル・マクルーハンは、インターネットが誕生するよりも前に、インターネットの出現を予見し、グローバル・ヴィレッジと呼んでいました。それはまさに、“世界”に他なりません。ただし、もう1つの世界です。それは人々の意識がつながり、世界が1つになるということです。イーライ・パリサーイーライ・パリサー生年:1 9 8 0 年~出身地:アメリカ肩書き:作家・政治活動家・起業家思想:その他の学問分野人は、ある特定の分野の情報や特定の論調の情報にアクセスする傾向があります。そうすると、インターネットのほうが特定の情報を認識して、優先的にそれに関連した情報を提供してくれるようになるのです。『閉じこもるインターネット』の著者イーライ・パリサーは、この問題を【フィルターバブル】と呼んで警鐘を鳴らしました。キャス・サンスティーンキャス・サンスティーン生年月日:1 9 5 4 年~出身地:アメリカ肩書き:法学者・哲学者思想:現代の哲学アメリカの思想家キャス・サンスティーンは著書『#リパブリック』の中で、私たちは、外部と遮断された心地良い空間インフォメーションコクーン(情報の繭)に包み込まれていると指摘しています。異なる意見に接することなく、同じ考えの人たちばかりが集まり、肯定し合う。そして、議論することもなしに異なる意見を否定する。つまり、インターネットが民主主義の危機をもたらすのです。書籍情報表紙タイトル:世界が面白くなる!身の回りの哲学著者:小川仁志ページ数:304ページ価格:1,760円(10%税込)発行日:2022年11月14日ISBN:978-4-86667-379-0書籍紹介ページ: amazon: /asapublcoltd-22/楽天: 目次第1章日常生活を哲学する第2章社会を哲学する第3章テクノロジーを哲学する第4章災害を哲学する第5章人生を哲学する第6章抽象的概念を哲学する付録 人物紹介著者プロフィール小川仁志(おがわ・ひとし)著者:小川仁志哲学者 山口大学国際総合科学部教授 博士(人間文化)1970年、京都府生まれ。京都大学法学部卒、名古屋市立大学大学院博士後 期課程修了。専門は公共哲学。商社マン(伊藤忠商事)、フリーター、公務員(名古屋市役所)という異色の経歴を持つ。徳山工業高等専門学校准教授、米プリンストン大学客員研究員等を経て現職。大学で新しいグローバル教育を牽引する傍ら、「哲学カフェ」を主宰するなど、市民のための哲学を実践している。 また、テレビをはじめ各種メディアにて哲学の普及にも努めている。NHK・E テレ「ロッチと子羊」では指南役を務める。著書も多く、『手塚治虫マンガを哲学する 強く生きるための言葉』(リベラル社)や『ざっくりわかる8コマ哲学』(朝日新聞出版)など、100冊以上出版している。【報道関係各位】『世界が面白くなる!身の回りの哲学』リリース.pdf : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年11月04日ルイ・ヴィトンの2022秋冬コレクションより、ペイント缶を彷彿とさせるカラーバリエーション豊富なバッグが登場します。クリエイティブでポップな雰囲気が魅力のエクスクルーシブな「LV・ペイント カン」。そのシルエットやバッグ内側のカラーリング、メタルハンドルにいたるまで本物のペイント缶のような仕上がりで、ヴァージル・アブローの哲学の鍵である「Boyhood Ideology(R)」を体現した遊び心溢れるディテールが随所にあしらわれています。6色がそろった目を惹くカラーバリエーションは、コレクターズアイテムとしてもご愛用いただけます。©Louis Vuitton©Louis Vuitton©Louis Vuitton©Louis Vuitton©Louis Vuitton©Louis Vuitton「LV・ペイント カン」各34万2,100円(税込)【ルイ・ヴィトンについて】1854年の創業以来、ルイ・ヴィトンは、革新とスタイルを組み合わせた独自のデザインを常に最高級な品質で提供し続けています。現在もトラベルラゲージ、バッグ、アクセサリーなどの製品を通じて、クリエイティブでありながらエレガントで実用的という、創業者ルイ・ヴィトンが生み出した「旅の真髄(こころ)」という精神を忠実に受け継いでいます。ルイ・ヴィトンというストーリーを作り上げたのは「大胆さ」でした。伝統を重んじ、歴史の中で建築家、アーティスト、デザイナーに門戸を開き、プレタポルテ、シューズ、アクセサリー、ウォッチ、ファインジュエリー、フレグランスなどの分野を開拓してきたのです。これらの丁寧に製作された製品は、ルイ・ヴィトンがクラフツマンシップにいかにこだわりを持ってきたかという証となっています。詳細は、ルイ・ヴィトン 公式サイトwww.louisvuitton.com をご覧ください。
2022年08月05日徹底した節約術や投資、資産の増やし方で話題の厚切りジェイソンさんが、3つのマネー哲学を熱く語り尽くす。ジェイソン流“マネー哲学”1、幸せかどうかは、お金のあるなしとは関係ない。今の自分に満足しているかどうか。約15年の投資で一生分の資産を築いたことで、僕のことを金の亡者と思っている人が多いかもしれないけれど、僕は無駄遣いが大嫌い。だから収入がいくら増えても、生活水準は全く変わっていません。稼げるようになったからお金をたくさん使いたいという気持ちは一切ないし、もともと物欲もない。お金がいくらあっても“もったいないものはもったいない”でしょ。僕はお金を使うことより、散歩しながら鳥のさえずりを聞いたり、娘たちと公園で遊んだりすることのほうが幸せを感じるんだ。お金は生きていく上で必要だけど、たくさんあるから幸せとはかぎらない。自分なりに満足な生き方ができれば、お金のあるなしに関係なく、幸せでいられると思うんだ。2、お金は、人生に自由と多くの選択肢を与えてくれる。でもお金があれば、好きなこと、やりたいことがしやすくなる。だから人生の選択肢がどんどん広がり、自由に生きられるようになるのは間違いない。僕がIT企業で働きながらお笑い芸人に挑戦できたのも、お金と自信があったから。お金があれば興味や関心があることに果敢に挑戦できるんだ。資格を取ったり、スキルを磨く費用にも充てられるし、給料に左右されずにやりがいのある仕事を選べるようになる。だって給料がいいからと、嫌な仕事を続けていくのは正直シンドくない?せっかくなら自分の価値観に合った働き方をしたいよね。お金があればその選択肢は絶対に増えるから、自由を手にしやすくなり、より豊かな人生を歩めるようになると思う。3、なぜしない?パートナーや家族と、もっとお金について語ろう!家庭内でお金の話をしない人が多いと聞いたけれど、WHY JAPANESE PEOPLE!?夫婦が別財布でお互いの財産がいくらあるか把握していないのは、全く理解できない。長い人生を一緒に歩んでいくパートナーと、お金の価値観にズレがあったら、いずれ大きなトラブルに発展するよ。アメリカでも金銭感覚の違いで離婚する夫婦がたくさんいるしね。それにこれからの時代を生き抜いていくためにお金の知識は絶対に必要だから、子供にマネー教育を行うのも大事。高校で資産形成の授業が始まったけれど、学校に頼らず、まず家庭でしっかり教えるべき。だってそれが愛すべき子供の将来に直結するんだから。今すぐ家族でお金のこと話して!厚切りジェイソンさん1986年生まれ、アメリカ・ミシガン州出身。お笑い芸人、俳優、IT企業役員、投資家など、いくつもの肩書を持つ。著書『ジェイソン流 お金の増やし方』(ぴあ)がベストセラーに。映画『おそ松さん』に出演。※『anan』2022年4月27日号より。写真・小笠原真紀取材、文・鈴木恵美撮影協力・ホテル&レジデンス六本木(by anan編集部)
2022年04月22日ヨガヒーラーアカデミーハワイは、さくら舎より「ミリオネアヨガマスターの9つの習慣 ―お金と幸福のヨガ哲学の教え(アキ・ソラーノ著)」を2022年4月7日に出版したことをお知らせいたします。刊行!幸せとお金の両方を得る本はじめまして、私はアキ・ソラーノと申します。米国ラスベガスにて肺がん末期の夫と一緒に暮らしながらヨガやマインドフルネス、呼吸法を指導しているものです。2022年4月7日、さくら舎より「ミリオネアヨガマスターの9つの習慣 ―お金と幸福のヨガ哲学の教え(アキ・ソラーノ著)」を出版いたしました。Amazon(ヨガ部門)ランキング1位獲得済み。筆者は、国内外でのメディア出演実績多数。日本で13年間、アナウンサーとして活動実績がございます。【本書について】多大な資産を持つミリオネアが増える中、お金を持っているのに不幸せだと感じる方が少なくありません。お金持ちになる本、幸せになる本はたくさんありますが、本書はヨガマスターがヨガ哲学の見地から「満悦モードになる4つのステップ」「5のニローダ」といった今すぐ使える知識を、余すことなく綴った希少な一冊です。悩みの中にいる方へ、出口へ向かうヒントを届けられる内容になっています。日本の6人に1人が「相対的貧困」。5人に1人は一生の間に、何らかの精神疾患にかかると言われています。つきまとう悩みや問題には、正しい解決方法が必要です。筆者も貧困や心の病の経験者です。夫が肺がん末期。アジア人への差別。阪神・淡路大震災被災。9.11テロに現地で遭遇。前夫からの家庭内暴力。異国の地でガレージジプシーとして暮らすなど、逆境の連続でした。このような中でアキ・ソラーノを救ったのが、インド3500年の叡智が詰まったヨガ哲学です。お金と幸せの両方が手に入り、一度しかない人生を謳歌する方法を、広く知っていただければ幸いです。今後は、現在活動中の子ども食堂の支援や動物愛護の支援をはじめ、幸せとお金の両方を得るためのヨガ教育、幼児教育にも力をいれてまいります。【アキ・ソラーノ プロフィール】1966年大阪生まれ、京都育ち。2017年、アメリカ国籍を取得し、現在はアメリカ・ラスベガス在住。ヨガ指導、金融投資、不動産、複数ビジネスでミリオネアに。世界最高峰のヨガ指導者(全米ヨガアライアンス協会認定E-RYT500)。ヨガ哲学、マインドフルネス(瞑想法)、呼吸法など、西洋と東洋の知見を統合化させた「ディープマインドフルネス(R)」開発者。ハワイ生まれのプラーナチャクラヨガ(R)創始者。ヨガ指導者育成スクール「ヨガヒーラーアカデミーハワイ」オーナー。「Terra Hawaii Consulting L.L.C」CEO。一般社団法人国連P.R.I.D.E理事(子供農園と子ども食堂の支援)。文部科学省小学教員免許資格を持つ。世界中に生徒を持つヨガマスター。元フリーアナウンサー。性格は気さくで明るく、楽しいタイプ。アキ・ソラーノ(1)アキ・ソラーノ(2)【会社概要】会社名 : ヨガヒーラーアカデミーハワイ/Terra Hawaii Consulting L.L.C代表(オーナー): アキ・ソラーノ所在地 : 161 Maa Street Kafului Maui 96732電話 : 0101-808-757-3438(直通・日本語OK・お気軽にご連絡くださいませ)E-Mail : akiyogamaui@gmail.com (3日以内に折返し連絡なき場合はお電話をお願いします)URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年04月13日株式会社かんき出版(本社:千代田区 代表取締役社長:齊藤龍男)は、『BTSを哲学する』(チャ・ミンジュ/著桑畑優香/訳) を2022年3月9日より全国の書店・オンライン書店等(一部除く)で発売いたします。◆BTS が他のアイドルグループと一線を画す理由世界中から熱い注目を集めている韓国のアーティストBTS(防弾少年団)。彼らが今、これだけ多くの人々を夢中にさせている理由は、魅力的な歌とダンスだけではありません。他のアイドルグループと一線を画す彼らの魅力は、夢への挑戦と実現、よりよい世の中について考える視点、善き人になりたいと感じさせるメッセージ。これらを時にストレートに、時に詩人のように美しく伝える。それが、世界で熱狂を呼び起こしているのです。BTSは哲学する音楽家といえるだろう。美しい音楽とダンスに心を奪われた人たちは、自分の部屋で深く考え、詩を咀嚼し、気づきを得る。音楽を聴くたびに、そんな特別な「思惟の時間」を与えるのだ。(「本文」より)BTSの音楽を聴いた人たちは、こんなふうに証言します。「BTSがわたしの人生を変えました」「絶望のどん底で誰にも慰めてもらえなかったとき、BTSの音楽を聴いて耐えました」「目を背けてきた自分の姿をしっかり見つめ、愛すべきだと感じました」「夢をあきらめるな、負けてもいい。そう言ってくれたことに感謝します」「歌が癒やしになると初めて気づきました。多くの人がBTSを知り、心が和みますように」「BTSのおかげで善き人になれました。ありがとう」「夢をあきらめるなという歌詞は何度も聞いたことがあるけれど、こんなに心に響いたのは初めてです」本書では、コロナ禍という混沌と不安の真っただ中にいるわたしたちにポジティブな影響を与え、自己肯定感を高めてくれるBTSのパワフルなメッセージと哲学を、美術学博士号をもつ作家・チャ・ミンジュ氏が考察。彼らの思想にもっとも近いと考えられるニーチェ、ヘーゲル、ハイデッガーなどのさまざまな哲学者の思想とBTSの言葉を結びつけながら、わたしたちが直面する社会的問題をふまえ、彼らの音楽が世界中で共感を生む理由を探っていきます。デビュー当時からBTSを応援し続けている人も、最近ファンになった人も、彼らへの理解がより深まる一冊となっています。哲学者の理念について丁寧な解説も入っているので、初めて哲学に触れる人の入門書としてもおすすめです。翻訳は、多くの媒体に韓国エンターテインメント関連記事を寄稿し、『BTSを読む』『BTSとARMY』など数々のBTS関連本に携わってきた桑畑優香氏が担当しています。◆哲学者の思想から読み解く、BTSのメッセージBTS の音楽の最大の価値は、「一人ひとりが輝くように」という思いが込められ、自分の宇宙を見つけられるように導くパワフルなメッセージと哲学が存在することにあります。2018 年にBTSのリーダー・RMが国連総会で行ったスピーチのテーマでもあり、BTS のもっともよく知られたメッセージといえる「自分を愛すること」。実はこのスピーチの前から、BTSは「自分を愛する」というメッセージを歌にのせて発信し続けていました。それをいち早く心に留めていた著者は、ニーチェの言葉をひきながら、「Reflection」に込められた哲学を読み解いています(59ページ)。『BTSを哲学する』58-59ページまた、「Tomorrow」や「So Far Away」をひきながら「絶望と癒やし」について解説された項目(85ページ)では、世界がコロナ禍で沈む今、BTSに共感する人が爆発的に増えた理由が見えてくるようです。『BTSを哲学する』84-85ページ『BTSを哲学する』86-87ページ初期の曲に耳を傾け翻訳しながらあらためて驚いたのは、この本がその後、大ブレークし世界的トップスターに駆け上がるBTSの本質を突いた予言書であるということだ。(「訳者あとがき」より)ニーチェやヘーゲルなど哲学者たちの言葉は、数百年を経ても性別や年齢はもちろん、国境や宗教さえも超えて人々の心に響き続けています。痛みを希望に変えるBTSのメッセージは、そういった哲学者たちの教えと同じように普遍的だからこそ、さまざまな人の心に共鳴するのでしょう。世界中で巻き起こるBTS旋風を理解するうえで、必読の一冊といえます。【目次】Ⅰ 社会のためにⅡ 自分の夢のためにⅢ 青春のためにⅣ 芸術のために【著者プロフィール】チャ・ミンジュ韓国で生まれ育つ。輝きながらも声を発することのない現象やモノ、人々に対して関心や愛情を抱き、文章を書きはじめる。哲学とデザイン学、美学、経営学に興味をもち、文学と美術、音楽と建築をはじめ、さまざまな実用芸術を愛している。弘益大学でオンラインでのイメージを利用したコミュニケーションに関する論文で美術学博士号を取得。西洋哲学者たちの理論をオタク文化で解釈し、オタク文化の価値と意味を熟考した努力の結晶である『オタクと哲学者たち』を2021年に出版。今後もオタク文化に対する偏見を正し、哲学の大衆観点からオタク文化の価値を伝えるために努力していきたいと思っている。【訳者プロフィール】桑畑 優香翻訳家、ライター。早稲田大学第一文学部卒業。延世大学語学堂、ソウル大学政治学科で学ぶ。「ニュースステーション」のディレクターを経てフリーに。多くの媒体に韓国エンターテインメント関連記事を寄稿。主な翻訳書に『BTSを読む』(柏書房)、『BTSとARMY』(イースト・プレス)、『BTS オン・ザ・ロード』(玄光社)、『家にいるのに家に帰りたい』『それぞれのうしろ姿』(辰巳出版)ほか多数。【書誌情報】書名:『BTSを哲学する』定価:1,650円(税込)判型:46判体裁:並製頁数:192頁ISBN:978-4-7612-7598-3発行日:2022年3月9日 amazon: 楽天: 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年03月02日SNSで話題!年商5000万円を稼ぐ、業績トップ営業OLの正体とは!?「bariri0525」さんの「仕事がデキる人が“大切にしている哲学”とは?【年商5000万円稼ぐ業績トップ女子の仕事話】」を紹介します。業績トップの自称「ポンコツOL」ばり姉さんが悩める社会人に送る!仕事がデキると言わせるための日々のワンポイントを伝授!どんなことにも挑戦する自分の行動が実を結ぶ相手のことを考えてみる他人の意見を鵜呑みにしない相手の意見に耳を傾けることはもちろん大切ですが、まずは自分がどうしたいかを一番に考えることで、明確な目標を持つことができるでしょう。自身の考えや価値観を培うことで、社会人として成長することもできるはずです。今回は「仕事がデキる人が“大切にしている哲学”とは?【年商5000万円稼ぐ女子になった些細な方法】」をご紹介いたしました!毎日1日1話更新中♪次回の配信もお楽しみに!(恋愛jp編集部)(イラスト/bariri0525)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。
2022年02月03日4人組アイドル・フィロソフィーのダンスが、1月10日に東京キネマ倶楽部で開催した『日向ハル生誕祭2022』にてメジャー1stアルバム『愛の哲学』を3月30日にリリースすることを発表した。2015年に結成しインディーズで活動を続け、2020年9月にシングル『ドント・ストップ・ザ・ダンス』でソニー・ミュージックレーベルズよりメジャーデビューしたフィロソフィーのダンス。メジャー3rdシングル「ダブル・スタンダード」がTVアニメ『魔法科高校の優等生』のエンディングテーマに、4thシングル「サンフラワー」はオリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』の主題歌に起用されるなど、活動の幅を広げてきた。今回のアルバムタイトル『愛の哲学』には、結成当初から愛を大切に活動してきた彼女たちの信念と誇り、そして彼女たち自身が注いできた愛と、ファンから受け取った愛を存分に詰め込んだ1枚にしたいとの想いが込められている。アルバムには、メジャーデビュー曲「ドント・ストップ・ザ・ダンス」など4枚のシングルの表題曲のほか、新曲も多数収録される予定となっている。リリース形態は初回生産限定盤A・Bと通常盤の全3形態で、初回生産限定盤A付属のBlu-rayにはMusic Video集を収録。初回生産限定盤Bにはメジャーデビュー以降のカップリングベストCDとインディーズベストCDが付属する。インディーズベストCDの収録内容はファン投票によって決定し、特設サイトでは1月16日まで投票を受付中だ。■奥津マリリ コメントメジャーデビューしてからの約1年半、私達が伝えたいことってなんだろう?皆への愛をどうやって届けよう?と沢山考えながら過ごした時間でした。そんな愛の塊がこのアルバムにギュギュッと詰まっていると思います!!皆様是非受け取ってください!■佐藤まりあ コメントついにメジャー1stアルバムをリリースすることが決定しました!わたしたちの愛が皆様に届くよう、心を込めて準備中です。フィロソフィーのダンスらしさを大切にしながらも、様々な音楽に挑戦したいと思っています。このアルバムが皆様にとって特別な1枚になりますように!■日向ハル コメント愛を持って人と接すること、生きることは愛するということ、私達がこの7年間大切にしてきた事です。メジャーという新しいフィールドでもその信念は強く持ちつつ、時代や状況に応じて柔軟に変化していけるグループでいたいと思っています。私達の最新の愛を受け取ってください!■十束おとは コメントアイドルとして活動して約7年半。バラバラだった4人がアイドルとしてチームと組み、周りの方と一緒にたくさんの愛をもって活動してきた、その想いを込め『愛の哲学』と名付けました。人生は楽しいことばかりではありません。でも、どんな時でも皆さんに寄り添いたい。そう思って活動してきました。大げさかもしれませんが、フィロソフィーのダンスの哲学を受け取ってください!<リリース情報>フィロソフィーのダンス メジャー1stアルバム『愛の哲学』2022年3月30日(水) リリース●初回生産限定盤A(CD+BD+メモリアルブック):10,000円(税込)※BDにはMV集を収録※副音声にメンバーによるオーディオコメンタリー収録※オリジナル・ステッカー封入※結成からの軌跡を追った豪華メモリアルブック付き●初回生産限定盤B(3CD+フォトブック):7,500円(税込)※付属CDにはカップリングベストCD、インディーズベストCDを収録※撮りおろし写真で構成された豪華フォトブック付き●通常盤(CD):2,500円(税込)【CD収録内容】・ドント・ストップ・ザ・ダンス・カップラーメン・プログラム・ダブル・スタンダード・サンフラワー他、新曲多数収録予定■インディーズベストCD収録楽曲ファン投票受付期間:1月16日(日) 23:59まで予約リンク:■「愛の哲学」期間限定予約特典付きカート①初回生産限定盤A特典:生写真8枚セット(ソロ4名分×2)【初回生産限定盤A ver.】予約リンク:②初回生産限定盤B特典:生写真5枚セット(ソロ4名分+集合1種)【初回生産限定盤B ver.】予約リンク:③通常盤特典:生写真2枚セット(ソロ1名分+集合1種)【通常盤 ver.】予約リンク:受付期間:1月16日(日) 23:59まで※1月10日に開催された『日向ハル生誕祭2022』“ライブ生写真”の絵柄になります。※初回生産限定盤A、初回生産限定盤B、通常盤の生写真の絵柄はそれぞれ異なります。<ライブ情報>vanilla&soy sauce1月27日(木) 東京・Zepp DiverCity(TOKYO)OPEN 18:00 / START 19:00チケット料金:全席指定5,000円(税込)出演:ネクライトーキー / フィロソフィーのダンス関連リンクOfficial HP: Twitter: Instagram:
2022年01月11日12月23日(水)に発売されるヒップホップグループ・RHYMESTERの初めての書籍『KING OF STAGE ~ライムスターのライブ哲学~』の発売記念イベントと、サイン本などの購入特典が決定した。本書は、RHYMESTERが結成30周年を記念して行った全国ツアー「KING OF STAGE VOL. 14~47都道府県TOUR 2019~」と並行して「ぴあアプリ」にて連載した「RHYMESTER:One for the Road~47 都道府県ツアー日記~」を中心に、メンバーインタビュー、対談、鼎談などを新たに追加して書籍化。RHYMESTERが日本の音楽シーンで生きながらえてきた理由や、日本でヒップホップを表現することに向き合ってきた試行錯誤の歴史など、RHYMESTERの本質であるライブに関する哲学のすべてが詰まった一冊となっている。本書の発売を記念し、新型コロナウイルス感染拡大対策につとめたメンバーとの対面イベントを企画。タイトルはRHYMESTER自身が考案した『脱・濃厚接触!ライムスターがこんな時代なので、サインの代わりと言ってはなんですが、あなたの目の前でオリジナルスタンプを押し、楽しいひとときを演出する会。略して「ライムスター・スタンプ会」』。イベントでは、対象書籍にメンバーのオリジナルスタンプをそれぞれサイン代わりに押印する。受付は、明日12月15日(火)21:00~2021年1月24日(日)23:59まで。Yahoo!ショッピングSHIBUYA TSUTAYA店にて受付を行う。さらに、全国各地の書店にて数量限定でサイン本を発売することが決定。ジュンク堂書店池袋本店1階で行われる「アトロクブックフェア2020」でも本書を販売する。また既報の通り、タワーレコードで予約・購入者には限定「オリジナルステッカー」がプレゼントされる。【出版概要】『KING OF STAGE ~ライムスターのライブ哲学~』発行:ぴあ株式会社著者:RHYMESTER / 高橋芳朗発売:12月23日(水)定価:1,818円+税書店、ネット書店にて販売<コンテンツ(予定)>・ライムスター47都道府県ツアーグラビア(Photo by cherry chill will)・はじめに・ライムスター2万字インタビュー「King of Stageへの道」・RHYMESTER: One for the Road〜47都道府県ツアー日記〜・Mummy-D「チーム論」・DJ JIN×DJ松永(Creepy Nuts)×DJ DAISHIZEN「ライブDJ鼎談」・宇多丸×村上てつや(ゴスペラーズ)「対談:ライブ哲学」・ライムスター「King of Stage」全スケジュールほか<購入特典>(1)サイン本販売下記書店にて、冊数限定でサイン本を販売。青森八戸ブックセンター / 東京青山ブックセンター本店 / 東京文禄堂高円寺店大阪心斎橋スタンダードブックストア / 大阪ブックファースト梅田2階店ほか※サイン本取扱店舗は、ライムスターHP等で随時更新(2)タワーレコードステッカータワーレコード特典店舗、オンラインで予約・購入された方に先着で、限定「オリジナルステッカー」をプレゼント。オンライン予約: (3)イベント開催ライムスター初の書籍『KING OF STAGE ~ライムスターのライブ哲学~』の発売を記念し、2021年1月31日(日)にSHIBUYA TSUTAYA 8Fイベントスペースにて、発売記念イベントを実施。詳細は下記をチェック。<「アトロクブックフェア2020」>「アトロクブックフェア2020」にて『KING OF STAGE ~ライムスターのライブ哲学~』が販売決定!期間:12月22日(火)〜2021年1月24日(日)まで(予定)書店:ジュンク堂池袋本店(1階ブックタワー)内容:「高い本から売れていく...!?」と書店界に激震が走ったブックフェアが奇跡の復活!!TBSラジオ「アフター6ジャンクション」が11月にお送りした「アトロク推薦図書月間」でゲスト推薦人が紹介した本や関連書籍がジュンク堂池袋本店(1階ブックタワー)に集結!推薦人:ライムスター・宇多丸、宇垣美里、玉袋筋太郎、矢部太郎、Aマッソ加納愛子、和田彩花ほか。【発売記念イベント詳細】◆『脱・濃厚接触!ライムスターがこんな時代なので、サインの代わりと言ってはなんですが、あなたの目の前でオリジナルスタンプを押し、楽しいひとときを演出する会。略して「ライムスター・スタンプ会」』概要:SHIBUYA TSUTAYAの特典イベント専用サイトから、対象書籍を購入した方の中から先着200名にイベントの参加券が発行される。当日は購入した書籍と整理番号が必要。イベントでは新型コロナウイルス感染拡大対策のため、書籍にライムスターメンバーがイベント・オリジナルスタンプを、それぞれがサイン代わりに押印する予定。日時:2021年1月31日(日)会場:SHIBUYA TSUTAYA 8F イベントスペース時間:15:00スタート(整理番号順入場、番号によって集合時間が異なる)イベント告知ページ: 参加人数:先着200名様対象商品:『KING OF STAGE ~ライムスターのライブ哲学~』発売日:12月23日(水)本体価格:1,818円+税 ※別途送料が必要販売期間:12月15日(火)21:00~2021年1月24日(日)23:59まで販売受付: ※購入枠がある場合のみ、イベント当日にSHIBUYA TSUTAYA 6F BOOK売場レジカウンターにて当日券を販売。【ぴあアプリ連載<全48回>】「RHYMESTER:One for the Road~47都道府県ツアー日記~」常にシーンの先頭に立ってジャパニーズヒップホップを牽引し続けてきたライムスターも2019年でついに結成30周年。そんな大きな節目の年にキャリア初の47都道府県ツアーを敢行中の彼らが、日本全国津々浦々を巡りながら旅の所感を語るダイアリー型道中記。一見たわいないツアーのよもやま話の背後から浮かび上がってくる、「キングオブステージ」のライブ哲学、そして30年の長きにわたって第一線に踏み止まってきた3人の「辞めない理由」。PC版紹介ページ: 【その他リリース情報】ライムスター結成30周年記念ツアーLive Blu-ray&DVD(2枚組)『KING OF STAGE VOL. 14 全国47都道府県TOUR 2019』発売中◆Blu-ray(2枚組)5,800円+税◆DVD(2枚組)5,000円+税
2020年12月14日旬を揚げる、大衆天ぷらの魅力食材の味を最大限に引き出す“揚げ”の技新しい食材を天ぷらにすれば、新しい哲学が生まれる旬を揚げる、大衆天ぷらの魅力かつては大衆食として親しまれた料理も、歴史を経るごとに技が磨かれ、哲学に溢れた食文化となることがある。江戸前天ぷらもその一つ。江戸前天ぷらの特徴といえば、江戸前=東京近郊で獲れた魚介類をごま油でカラッと揚げること。油のかぐわしい風味と、季節によって変わる食材から旬を味わえることが何よりの魅力だ。「江戸前天ぷら」を受け継ぐ店は東京の街に数多くあるが、ひときわ名店の呼び声高い店がある。それは“天ぷらの神様”と呼ばれる料理人・早乙女哲也さんがはじめた【みかわ 是山居】だ。1976年に日本橋・茅場町で店を開いて以来、各界の著名人たちの舌をも喜ばせてきた。店内はカウンター席のみ。谷口さんの揚げの技術を目の前で眺めることができるそんな【みかわ 是山居】から独立した店【天ぷら やぐち】が人形町にオープン。22年間もの年月をみかわで過ごした店主・谷口ー樹さんによる、江戸前天ぷらのコースをいただくことができる。「修行したのは“みかわ”だけ。生え抜きと言えばいいのか、食材選びから揚げ方、仕上がりのイメージに到るまで、“みかわ”での教えが胸の奥にいつもあります」そう語る谷口さんの天ぷらは、食材ひとつひとつとの向き合い方にも哲学があった。食材の味を最大限に引き出す“揚げ”の技揚げる具材はどれも新鮮な魚介類“みかわ”での教えは数多くあれど、美学として強くあるのが、揚げる前に細工を施すことはなく“揚げ”と言う調理のみで食材の味を引き出し、仕上げることだ。そのために、食材によって捌き方や打ち粉の量、揚げ時間を考える。「みかわでもそうでしたが、揚げる前から『このエビはこう仕上げよう』という完成形が頭の中にあります。そこまで持っていくために、逆算して調理のやり方を考えていくんです」身と頭を別々に揚げたエビの天ぷら例えば、エビは他の食材よりも高い温度で揚げる。水分量が多いので、油の中でしっかりと脱水させるためだ。「衣にも気をつかいます。理想的な衣って顕微鏡で見ると網の目状になっていて、その間から食材の水分が抜けてカラッと揚がるんです」。一方、水で溶いて時間が経つとどうしても粘り気が出る。「天ぷらは脱水作業」との言葉の通り、谷口さんが仕上げた天ぷらはどれも軽く、衣をほとんど感じさせない。薄い衣を纏ったエビの頭からは、エビ本来の風味が強く香り立つ。少しの塩でいただけば、ボイルや鮨とは全く違ったエビの味が体験できる。新鮮な大ぶりの穴子をそのまま揚げるそして、人気の天ぷらのひとつが、3枚おろしをそのまま揚げる大ぶりな『穴子』だ。「穴子は皮目と身の間に独特のクセがあるんです。これを、揚げ具合によってクセではなく“香ばしさ”に変えられるかが勝負です」。揚がった穴子の身はホロホロと細かい食感となり、その変化に驚かされる。無論クセはなく、皮目の香ばしさもアクセントだ。皿に載せ、鉄箸で切った時に揚がる湯気を眺めるのはなんとも食欲をそそる体験だ夜には、こうした天ぷらが8品のコース(12,000円・税別)で楽しめる。提供する間、谷口さんは、1900200℃の温度に熱した油の中に次々と食材を入れ、それぞれの最適な秒数をカウントしながら揚げ上がりを待つ。もちろん、お客さんとの会話にも応じながら。新しい食材を天ぷらにすれば、新しい哲学が生まれる料理人の谷口一樹さん「良い材料を揃えたら、そこそこの天ぷらは作れる。でも、江戸前天ぷらの哲学は“どううまくできるか”にあるんです」そう語る谷口さんは、天ぷらに使う新しい食材の探求にも強い関心を持つ。【みかわ 是山居】で学んだ天ぷらの哲学は、語りつくせるものではないという。「食材がひとつあれば、その食材に対する考え方があります。全ての食材に対して哲学があるわけですから……。全て話そうと思ったら、ここじゃなくバーにでも行かないと(笑)」食材ごとに哲学がある一方で、谷口さんは「天ぷらにする意義のある食材は、限られている」と語る。全ての調理の中で天ぷらが一番向いている食材でないと、“揚げる意味”はないと言う。「ただ、魚を獲る海の状況も僕が修行をはじめた20数年前とは変わっています。昔はよく使っていたのに、今では見なくなった魚だってありますね」。『ししゃも』の天ぷらは、身はホロホロと細かく、独特の旨味が感じられるだからこそ、新しい食材を探求するのだと言う。秋のコースに提供される『ししゃも』は、修行時代のみかわでは扱うことのなかった食材だ。「これまでのやり方をただ単に踏襲するだけじゃなく、自分で開拓していかないと」。それは江戸前天ぷらの流儀を受け継ぐためでもあり、そこにまた新しい哲学が生まれる。伝統ある天ぷらの技術を受け継ぐ谷口さんの元に通えば、新しい料理を体験することができるかもしれない。【天ぷら やぐち】店舗情報住所:東京都中央区日本橋人形町2-9-7 大江戸アクセス2-1F電話:03-3527-3701アクセス:東京メトロ日比谷線「人形町」駅 徒歩4分、都営浅草線「人形町」駅 徒歩4分
2020年11月14日昨今のベストセラーリストに必ず食い込んでいるのが現代の哲学書や思想書。そのブームを分析し、おすすめの本を選書してくれたのは、2015年からロングセラーを続けている『哲学用語図鑑』の編集者で自著も持つライターの斎藤哲也さん。クールな思想家たちが牽引する、イケてて面白い哲学&思想書に注目。「日本の将来の不透明さがもたらす危機感や不安から、物事を根本的に問い、考えようとする書物に手を伸ばす人が多くなったように感じています。メジャーなビジネス誌が哲学特集を組むのもその表れでしょう」昨今の思想家たちはイケメン揃いなところもハートをくすぐられる。「最近は、ハラリやガブリエルのようなテレビによく登場するスター思想家が出てきました。佇まいもカッコいい彼らの本は総じて読みやすく、語られている内容も刺激的です」『21 Lessons21世紀の人類のための21の思考』ユヴァル・ノア・ハラリ著柴田裕之訳河出書房新社2400円世界的なベストセラーとなった『サピエンス全史』で人類の過去を、『ホモ・デウス』で人類の未来を説いた著者が、現在に焦点を当てて書いた最新刊。「雇用、自由、平等、ナショナリズム、移民、ポスト・トゥルースなど、現代人が直面している課題を明晰に整理する手さばきが見事です。と同時に、本書は、ハラリ自身のエピソードや世界観について多くを語っている点も読みどころ。既出作と併せて読めば、その語り口に魅了されることうけあいです」『世界は贈与でできている―資本主義の「すきま」を埋める倫理学』近内悠太著ニューズピックス1800円お金では買えないものやその移動に「贈与の原理」という概念を用いる著者。贈与は人や社会にどう影響しているのか。「若き在野の哲学研究者が書いたデビュー作。私たちが普段何気なく行う贈与という行為はとても不思議なものです。人はなぜお返しを求めず贈り物をするのか。交換と贈与は何が違うのか。著者が親しんできた哲学や思想を渉猟しながら贈与の秘密に迫っていく本書を読むと、いままでとは違う世界の景色を発見できるかもしれません」『世界史の針が巻き戻るとき 「新しい実在論」は世界をどう見ているか』マルクス・ガブリエル著大野和基訳PHP研究所960円著者は、ポスト・トゥルースの時代における「新しい実在論」の提唱者であり、“哲学界のロックスター”と称される。「ガブリエルの主著『なぜ世界は存在しないのか』は、硬派な哲学書としては異例といっていいほどヒットしました。が、それでもけっこう難解なので、語りおろしで言葉も平易な本書から入るのがおすすめ。気候変動やグローバル資本主義、AI、GAFAなど時事的なテーマも多く、哲学者ならではの挑発的かつ反常識的な議論を楽しめます」※『anan』2020年7月8日号より。写真・中島慶子文・三浦天紗子(by anan編集部)
2020年07月02日伊勢丹新宿店では、新進気鋭のクリエーターの哲学に触れられる「TOKYO解放区 “知る”」を、2月26日から3月10日まで、本館2階=TOKYOクローゼット/リ・スタイルTOKYOにて開催。注目の4ブランドが集まる。「TOKYO解放区 “知る”」は、ニューカマーのクリエーターのインキュベーション企画。作り手の哲学やクリエーションの背景を知ることで、商品のその先にある思いを感じながら服を選ぶことをテーマに、これからのTOKYOのファッションシーンを飾る4ブランド、コール(koll)、ルリ(RURI.W)、スリュー(SREU)、ベルパー(BELPER)を紹介する。メインビジュアルは、マヤ ヌマタ グラフィック(Maya Numata Graphic)による作品。会期中は、マヤ ヌマタ グラフィックのアートワークの他、一つ一つに物語のタイトルのような名前の付いたアクセサリーや花瓶なども販売する。コールトップス(5万円)、パンツ(6万円)女性デザイナー楠原麻由によるコールは、母のクローゼットの中に残っている服から着想を得たコレクションを展開する、ブルーの色使いが印象的なウィメンズブランド。今回は、同じくブルーが印象的な陶芸家のナナカミオ(nanakamio)とコラボレーションし、コレクションで使用したレースを焼きこんだ花瓶など陶器も展開する。ルリトップス(3万1,000円)、ボトムス(2万9,000円)ルリは、“受け継がれたものを繋ぐ”をコンセプトに、デザイナー渡邊瑠璃の実の祖父を今期のミューズとし、過去を紐解き未来へ繋ぐコレクションを展開している。今回は、アクセサリーブランド、ルミゴーシェ(lumgo,se)とコラボレーションし、コレクションの端切れやボタンを使ったピアスも展開する。スリューデニムジャケット(3万6,000円)2020年春夏シーズンよりスタートしたスリュー。シーズンテーマは設けず、一点物の既製服をコンセプトに掲げ、リメイクをベースにしたサステナブルな服作りを目指している。今回の企画では、既存の古着だけではなく、ラコステ(LACOSTE)の古着を使ったコレクションを展開。会期中にスリューの商品を1点以上購入すると、3月に開催予定の2020年秋冬コレクションショーのインビテーションが数量限定でプレゼントされる。ベルパー左:ジャケット(4万3,000円)、ボトムス(3万9,000円)右:トップス(3万9,000円)、ボトムス(4万3,000円)男性デザイナー尾崎雄一が手掛けるベルパーは、映画グレートギャッツビーをテーマに完成度の高いコレクションを展開する。会期中、各ブランドのクリエーションの裏側を知れるよう、デザイン画やポートフォリオ、制作の着想に関わった品など、コレクションの背景を展示。また、各ブランドが日替わりで担当し、それぞれの世界観を表現するクローズアップも実施する。トップバッターを飾るコールの装飾では、“花とあなたが出会う場所”をコンセプトに、“ファッション×花”をテーマに活動するグイフラワー(gui flower)も装飾に参加し、デザイナーの世界観に色を添える。クローズアップ日程は、2月26日から29日が「コール×ナナカミオ×グイフラワー」、3月1日から3日まで「ルリ×ルミゴーシェ」、3月4日から10日が「ベルパー」となる。それぞれのブランドの哲学に、より触れられるインタビュー記事が伊勢丹新宿店の公式サイトにて現在公開中だ。また今回の企画に合わせて、マヤ ヌマタ グラフィックによる限定のTOKYO解放区のロゴも登場。会期中、三越伊勢丹アプリにログインし、クーポンの画面を店頭スタッフに提示すると、数量限定で「TOKYO解放区」ロゴステッカーのプレゼントも行われる。“今”の“TOKYO”の“旬”である新しい価値・事象を、世界に向けて、独自の目線で発信し続けるTOKYO解放区。2019年8月まで常設店舗だったが、今回の企画からプロジェクトとして生まれ変わった。さまざまなテーマをもとにしたコンテンツから、「たのしんで生きていく」きっかけになることを目指し、さまざまな事象における「哲学」や「過程」を発信していく。【イベント情報】TOKYO解放区 “知る”会期:2月26日〜3月10日会場:伊勢丹新宿店本館2階=TOKYOクローゼット/リ・スタイルTOKYO
2020年02月20日知らない世界の扉を開いてくれたり、品格をもたらしてくれたり、本の持つパワーは偉大。でも、本の海は広すぎて……。そこで、迷わず自分を高められるように、本のプロ5人がナビゲート!知的な女性に近づけるヒントに溢れる本をご紹介。甲斐みのりさんおすすめ『石井桃子のことば』(中川李枝子、松居 直、松岡享子、若菜晃子ほか)「ネットやSNSで気軽に情報収集できるのは便利な半面、その向こう側にいる人への想像力の欠如が問題視されてもいます。“世界平和を祈る”などと大そうなことでなくても、まずは自分の日常やすぐ隣にいる人たちが、文化的に暮らせるように意識すること。それが、やがて平和に繋がるのだと、シンプルな言葉の中に学びがありました」『クマのプーさん』『ピーターラビット』を翻訳し、『ノンちゃん雲に乗る』の作者でもある石井桃子。作品や身近な人たちの談話から、児童文学や人生への考え方を探る。新潮社1600円花田菜々子さんおすすめ『My Little New York Times』(佐久間裕美子)「著者が暮らすNYでの日常と社会問題が自然に繋がる形で、フラットに語られます。友人たちとフランクに議論できる環境が羨ましくもあり、議論の深さから自分の浅はかさにも気づかされました。以前は社会問題に冷笑的であることがイケてるとさえ思ってましたが、差別問題や政治にコミットすることは、成長に欠かせない要素と確信」NY在住20年のライターが、トランプ大統領就任の年に始めた1年間の日記。記述に関連する新聞や雑誌などの記事にとべるQRコード付き。伊藤総研+NUMABOOKS1850円三浦天紗子さんおすすめ『世界のすごいお葬式』(ケイトリン・ドーティ、池田真紀子・訳)「現代アメリカの葬式ビジネスに疑問を感じ、若くして『その人らしい葬儀をサポートする』葬儀社を営む著者。インドネシアやメキシコ、日本と世界を巡り、各地に伝わる独特の葬儀風習を知っていくエキサイティングなノンフィクション。死者を弔い、悼む風習とそこに表れる死生観は、ここまでに多様なのかと、視点が増えました」死者と数年暮らしながらミイラにするインドネシアの部族など、葬儀ディレクターが世界で見た弔い方をレポ。先進国の画一的な葬送の在り方や死生観に一石を投じる。新潮社1700円新井見枝香さんおすすめ『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(原田まりる)「実在の哲学者たちが、個性強めのキャラで女子高生の前に登場。たとえば、キルケゴールは奇抜な格好のファッションを例にとって、主体的真理と客観的真理を説明するため、自分が好きな服を着るのか、流行の服を着るのかを問います。そうしたごく身近な選択が“どう生きたいか”という哲学的思考に繋がっていく過程が刺激的です」実存主義哲学の入門エンタメ小説。バイト帰りの女子高生が、京都の哲学の道でニーチェに出会う。その日を境に、次々と哲学者が現れ、生きる意味を教える。ダイヤモンド社1400円瀧井朝世さんおすすめ『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(小川たまか)セクハラ、痴漢やレイプなどの性暴力、ジェンダー格差。女性を取り巻く問題とそれに反応する人々に正面から向き合い、Webを中心に発信してきたライターの記録。タバブックス1600円「一見、何でもないCMににじみ出る女性蔑視など、日常に潜む様々な差別に対する自分の眼を再検証させられました。とはいっても、背伸びしない率直な言葉で綴られています。なので、炎上した広告や人の言動などがなぜNGで、自分が不快と感じたのか、自分の中で考えがクリアになって、どんどん新たな気づきへと導かれていきます」※『anan』2019年4月17日号より。写真・内山めぐみ取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年04月15日道徳の授業が教科化されるなど、学校や社会で子どもたちの「心の教育」に力を入れるなか、思考力と対話する力を育てるもっとも効果的な方法として、『こども哲学』が注目されていることをご存知ですか?これからの時代、求められる能力は思考力とコミュニケーション能力ーー。よく耳にする言葉ですね。しかし問題は、「どうやってその能力を育てるの?」ということです。『こども哲学』はみんなが自由に自分の考えを話し、人の意見に耳を傾け、積極的に議論して「自分で考える力」と「自己表現」が身につく対話活動です。そのメソッドは、親子の会話にも取り入れることができるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。道徳の教科化で「哲学対話」=「こども哲学」にも注目集まるまず、“哲学”と聞いて何を思い浮かべますか?「難解」「変わり者の学問」「実社会では役に立たない」「成績に結びつかない」……、このように、わたしたちの日常とはあまり縁がないように感じている方も多いのではないでしょうか。たしかに、大学で専門的に学ぶいわゆる“学問としての哲学”には、そのようなイメージがありますね。しかし、ここでご紹介する『こども哲学』は、哲学対話と呼ばれる対話活動を意味します。それは決して難しいことではなく、いくつかのシンプルなルールを守っていれば、「どんな発言もOK」といった自由なものです。最近では、有名小学校や私立中学校・高等学校で教科として導入されたり、国際バカロレアのプログラムにある「哲学」との関連性で語られたりと、教育プログラムとしての側面にもスポットがあたっています。また、2018年度から教科化された道徳の教科書にも哲学対話が紹介されるなど、「心の教育」を重視し始めたここ日本でも注目が集まっているのです。『こども哲学』の歴史は意外にも古く、1920年代にドイツで萌芽し、アメリカの哲学者であるマシュー・リップマンによって1970年代に大きく躍進しました。その後世界各地に広まり、さまざまな教育機関で実践されるようになりましたが、ここまで広く知れ渡るようになったのは、ある映画がきっかけであると言われています。それは、フランスのドキュメント映画『ちいさな哲学者たち』(2011年公開)です。舞台はフランスのある幼稚園。3歳~5歳の子どもたちと哲学対話を行った2年間の記録を集約したこの映画は、「こども哲学」の真髄とも言える要素がふんだんに詰まっています。「愛とは何か」「賢いとはどういうことか」「どういう状態を自由と呼ぶか」、さらに貧富の差や人種問題に関係する問いを子どもたちが話し合うのですが、びっくりするほど世界を鋭く観察し、物事について深く考えている子どもたちの対話の様子は、観客を大変驚かせたといいます。「こども哲学」は大人も変える!哲学・哲学教育を専門とする立教大学の河野哲也教授は、「『こども哲学』では、哲学的なテーマについて子ども同士で対話をすることで、他人と合理的に議論する力、自分自身で自律的に考える力を養うことができます」と述べています。議論といっても、哲学対話はただの意見交換とは違います。子どもたちが同じテーマについて異なった意見を関連づけて対話を広げて深めていくことが目的です。普段の授業では、子どもたちは唯一の正解を求められますが、この『こども哲学』では自分の考えを素直に述べることが求められるのです。ここで、実際にどのようなことがテーマになるか、例を挙げていきましょう。河野教授が監修を務めたNHK Eテレの子ども向け哲学番組『Q〜こどものための哲学』では、次のような「子どものギモン」をテーマにしていました。・ふつうってどういうこと?・なんで勉強しなきゃいけないの?・なんでお母さんはいつも怒るの?・カッコイイってどういうこと?普段お子さんから「ねえねえ、これってどういうこと?」と聞かれるような内容ばかりですね。ここで「お母さん忙しいから、あとでお父さんに聞いて」と子どものギモンに向き合うことを避けてしまっては、思考力と対話力は身につきません。それはお子さんだけではなく、親御さんも同じです。逗子で「こども哲学教室」を主宰し、親子で哲学対話することをテーマにした『自信をもてる子が育つこども哲学ー“考える力”を自然に引き出す』(ワニブックス)の著者である川辺洋平氏は、「『こども哲学』は親子の相互理解を深めます」と述べています。なぜなら、哲学対話を通して、子どもは物事を深く考える思考力が身につき、親は子どもの発言や考えていることを理解できるようになるからです。子どもの思考力と対話力を引き出すだけではなく、親にとっても子どもとの関係性を見つめ直すよいきっかけになる「哲学対話」。ご家庭でも取り入れてみたいと思いませんか?子どもたちと哲学対話をするときの注意点川辺氏が代表を務めるこども哲学教室・アーダコーダでは、子どもたちと哲学対話をするにあたって、次のようなルールを決めています。・ひとが話しているときはきく・自分が考えているときは待つ・自分の思ったことを言う・ひとの嫌がることはしない・何も言わなくてもいいこうしたルールを守ることで、「ちゃんと聞いてもらえる」「ゆっくり考えても待ってもらえる」「何を言っても怒られない」「ひどいことをされない」「何も言わなくても怒られない」という安心感を得ることができ、考えることの楽しさを感じられるようになります。河野教授も、哲学対話でもっとも気をつけなければならないことは「セイフティ=安心」であると述べます。セイフティとは、自分の意見を言うことに躊躇を覚えずにすむ状態のこと。子ども同士が哲学対話をするときにも、その場にいる進行役としての大人は、子どもたちが自由に発言し、気楽に質問や反論ができる雰囲気を作り出すことを心がけなくてはなりません。グループで対話をする場合、基本的には丸い円になって座ります。それは、お互いの顔が見え、誰が何を言っているかがわかる「相互理解」や「安心感」を与えるという理由からです。全員がリラックスした状態であることが好ましいので、必ずしも円であることにこだわる必要はないでしょう。自分の意見を堂々と言える子もいれば、緊張したり恥ずかしかったりしてなかなか発言できない子もいるかもしれません。そんなときは「コミュニティボール」(毛糸を巻きつけてボールにしたもの)を使い、ボールを手にした人が発言し、次に発言する人にそのボールを渡す、という方法を取り入れましょう。「ボールを持っているから話してもいいんだ」「あの子がボールを持っているから黙ってちゃんと聞こう」という意識をもつことが大切なのです。哲学対話では、ディベートのように相手を言い負かすのではなく、いろいろな考えを認めることを重視します。そして、対話を深めるためにも「みんな考えが違って面白いね」で終わらず、相手の意見でわからないところがあれば「どうして?どんなときにそう思うの?」など、どんどん質問しましょう。最終的にひとつの結論が出る必要はありません。30分なら30分と時間を決めて、終わりの時間になったら終了とします。親子でやってみよう!家庭でできる哲学対話ここまでは、グループで行う哲学対話の方法や概念についてお伝えしてきました。ここからは、家庭でも簡単にできる哲学対話についてご説明します。まず、『こども哲学』の入り口は“受け止めること”です。子どもが言っていること、やっていることの奥にある、本当に伝えようとしていることは何かな?どうしてその表現になったのかな?ということに、保護者が思いを巡らせましょう。■テーマを決めようテーマはなんでも構いません。できれば子ども自身に決めさせるといいでしょう。最初は「友だち」「学校」「勉強」など、子どもにとって身近なテーマがいいかもしれませんね。(例)・友だちは必要?・優しさってどういうこと?・なぜ学校へ行かなきゃいけないの?■対話してみよう大人は「正しい答え」や「立派な答え」を考えてしまいますが、答えを出すことが目的ではありません。思考力と対話力を伸ばすためには、子どもの発言をさらに広げることを心がけましょう。(例)親:「誰にでも優しくしなきゃいけないと思う?」子:「もちろん!」親:「でも世の中には悪い人もいるよね。悪い人にも同じように優しくするべきかな?」子:「うーん、悪い人には優しくしなくてもいいかな」親:「じゃあその悪い人が本当に困っていたらどうする?」子:「その人が本当に反省していたら助けてあげる」このように、子どもからどのような発言が飛び出すかはわかりません。しかし、どんな答えが返ってきても決して否定しないでください。まずは受け止めて、どんどん対話を深めていきましょう。***哲学対話は、今すぐにでも始められるとても簡単なコミュニケーションです。子どもは意外と物事をしっかりと考えているものです。対話を進めていくうちに、「本当はこんな風に考えていたの!?」と驚かされることになるでしょう。ぜひ親子で挑戦してみてくださいね。(参考)川辺洋平(2018年),『自信をもてる子が育つこども哲学』,ワニブックス.河野哲也(2018年),『じぶんで考え 自分で話せる こどもを育てる哲学レッスン』,河出書房新社.NHK for School|Q ~こどものための哲学特定非営利活動法人 こども哲学 おとな哲学 アーダコーダSHINGA FARM|子どもの学びのコト|「こども哲学」川辺洋平氏×伸芽会 飯田先生のスペシャル対談!「『こども哲学』ってなに? 幼児のうちから身につけたい“力”とは」
2019年02月01日こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻してしまったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第8弾。一方通行ではなくみんなで協働的に考えられるようにしたいので、時に頷き、突っ込みながら読んでくださると嬉しいです。人間は考える葦であるだから大事なのは、意見を持つこととか表現することよりも、考えることや意見に至るプロセスだということになります。本当はみんな、あなたの主張よりも「あなたがなぜそう考えるのか?」を知りたいのだから。SNSの世界には、「はい論破〜」という幼稚な言葉や、意見の対立を極端に恐れた「それな〜」という安易な共感が並んでいます。夜中に覗くと、深い海に沈んだように滅入ってしまう。極端だなあ。相手を批判することや「なんでそう思うの?」と問うことは、個人攻撃でも優位に立つための手段でもないのに。もちろん、完璧な理由を持って意見を主張できるわけもないから、言葉が不十分でも仕方がないと思います。だからこそ考え、疑い、その不十分さに気が付いたなら、その意見に固執するのではなく、一回その意見から解放されて、新たな考えを見つければいいと思います。大事なのは、考えること。パスカルの『パンセ』から、この言葉を。「人間は一本の葦(あし)であり、自然のうちでもっとも弱いものにすぎない。 しかし、それは考える葦である」▶︎これまでの『REINAの哲学の部屋』・#007 「校則は厳しい必要ある?」自分で考える機会を奪う“中身のないルール”は、日本の未来をも奪う・#006 「ハラスメントはなぜ起こるの?」男の子でも女の子でも立場は関係なく、“誰でも加害者になる”可能性・#005 「愛と執着ってなにがちがうの?」この問いを哲学的に考えたら気づいた、現代人の恋愛に足りないこと・#004 「レディファーストって古くない?」でも、嬉しくない?“男性が女性を丁寧に扱う文化”を哲学的に考える・#003 「死ぬのが怖いんです」。ある高校生の普遍的な悩みに、28歳の彼女が出した答えとは▶︎オススメ記事・「アートか、わいせつか」の議論から離れ、“性表現の規制”をかいくぐって遊ぶフォトグラファー・「男なら筋肉をつけるべきなの?」21歳の写真家が“男性解放”をテーマに写真展を企画した理由All photos by Chihiro Lia OttsuText by Reina TashiroーBe inspired!
2018年07月04日こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第7弾。一方通行ではなくみんなで協働的に考えられるようにしたいので、時に頷き、突っ込みながら読んでくださると嬉しいです。自由とは、ルールの王様になること校則という城壁を前に中高生のわたしたちが選べる道は、二つ。従うか破るかしかありません。管理する側は、ルールを作ることで、従う者を褒め称え破る者を罰するという単純な基準を掌握することができるし、ルールを守る側は考えなくていいので楽チン。胸張って生きられるし。ルールを破る、一見自由に飛翔しているように見えるひとも、目の前でダメと言われたことを行えばいいだけなので、どちらにせよ、楽なのだ。みんなルールに圧倒され、縛られている。どちらに転んでも、ルールの奴隷だ。中学のわたしは、小ちゃい反抗なんかでは目の前にそびえ立つ絶対的なルールは落城しないと考えたのだ。自由は、そんなに簡単じゃない。ドイツの大哲学者カントは、人間の自律(=自由)は「自己立法」だと言います。誰かからあれこれ言われたことを無批判に行うのではなく、理性を行使し自ら立てた規則(ルール)に従うことこそ自由だと。ルールの奴隷になるのではなく、自らに課すルールをつくることだと。自由とは、ルールの王様になることなのだ。王様にも奴隷にもならず好きに生きればええやん、とも思いたいけど、やっぱりルールは必要。無法地帯では、ひとはひとと一緒にいられないから。他者と共存できないから。家族や友達関係や学校といった小さなコミュニティでも、大きな社会でも、ひとがひとといる限り、ルールは存在し続けます。「ひとを殺したいひと」「殺したくないひと」「殺されたくないひと」が共存するためには、まあ殺しちゃダメだろという決まりがないと、社会は成り立たない。決まりに従いながらも自由に生きるためには、「なんで殺しちゃいけないのか?」という理由を他者とともに考え、共有することが大事。奴隷制度を産み出してしまう原因は、ルールそのものにあるのではなく、押し付けがましさ思慮のなさ、そして、ルールの理由をそこで生きる他者と共有していないことにあるのではないでしょうか。「なんでスカートの長さを短くしちゃいけないの?」と勇気をもって先生に聞いたときに「校則だから」と言われたあの理不尽さを思い出します。先生も理由を知らない校則が学校に存在する状況は、ふつうに考えて、恐ろしい。学校も、生徒が納得できる校則を、生徒と一緒に作ればいいのにね。みんなで理由を考えながら。四月からの哲学対話の授業で、そんな授業もできたらいいなと、ふと考えました。▶︎オススメ記事・ある母親が“皆勤賞”を取った息子を授賞式に出席させなかった“優しい”理由・「メイクはマナー」という日本社会の“理不尽な常識”に反抗する日本人女性たち。All photos by Junko KobayashiText by Reina TashiroーBe inspired!
2018年03月15日こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第6弾。一方通行ではなくみんなで協働的に考えられるようにしたいので、時に頷き、突っ込みながら読んでくださると嬉しいです。最初に「ハラスメントはなぜ起こるのか?」ということを考えてみます。(今回は、パワハラやセクハラ、スメハラを含むハラスメント全般について考えたいと思います )ハラスメントが起こるのは、端的に「弱いから」でしょう。有無を言わせない様子から一見強そうに見える加害者は、「欲望を抑えられない」「人を支配してしまう」という「人間の弱さ」が露呈している、とても惨めな姿だと思います。本当は「人間関係にお前の幼稚さ持ち込まれても知らんがな」の一言に尽きるのだけど、怒りや欲望や暴力を剥き出しにする圧倒的幼稚さを前に、わたしたちは抵抗できず、被害者は常に弱い立場に置かれてしまうのです。理性、想像力、そしてコミュニケーション人間はみんな、他者を支配、吸収してしまおうとする弱さを持っています。けれど、人間を他の動物と隔てる「理性」という機能で、そのどうしようもなさを制御しています。この「弱さ」は、理性の欠如に起因すると同時に、他者と自分との線引きができなくなる「土足問題」でもあると思います。言い換えると、他者を他者だとわかる「想像力」の乏しさ。わたしだって、急に思い出すことがある。「そっか、あなたはわたしじゃないんだ」。わたしたちは、つい自分の見ている範囲を他者の基準にしがちだ。まじで、しがちなのだ。ハラスメントあるある文言、「え〜別にされても良いって顔してるよ〜」「NOと言わなかったからYESだろ」「なんでこれもできないんだよ」「やれって言っただろ」。おい、落ち着いてくれ。わたしの心や気持ちや意図、少しは想像してくれ。ところが、想像力には限界があります。表情を読み、相手の言わんとしていることを想像することは大事だけど、想像力を完全に働かせることはできないから。想像はあくまでわたしのなかに保存され、あなたの脳内とわたしの脳内が触れ合うことは一生ないのだから。だからこそ大事になるのは、「コミュニケーション」だと思うのです。ハラスメントは「言った、言わなかった」「嫌だった、嫌がっているなんてわからなかった」と、二者が永遠にすれ違いを繰り返す、圧倒的コミュニケーション不足の問題でもあるからです。もしかしたらわたしも、加害者になりうるかもしれないでも正直、わたしはとても怖い。無意識のハラスメントが。誰をどこでどう傷つけているかわからないということが。共感を求めたはずの被害者意識が肥大し「わたしの方が大変だった」というマウンティングを繰り広げそうになることが。そして人間が、実は理性や想像力やコミュニケーションをうまく使いこなせないということが。たとえ「死ね」と直接言わなくても、ディナーにしつこく誘わなくても、お尻を触らなくても、すべての言葉や行為が、それが発せられた瞬間、毒矢になる可能性をもつ。街で聞く誰かの「幸せだな」という声が、大切な人を亡くしたばかりの人の背中を刺すかもしれない、世界はそんな不安定な場所なのです。だから、もしかしたらわたしも、加害者になりうるかもしれない。なっているかもしれない。そう自覚し、隣りの人に想像力を持って接することができるかどうかで、世界は違って見えるのかもしれません。そして、誰かを傷つけていたと知ったときに、これまでの自分を捨て、変わる勇気を持てるかどうかが、このどうしようもないわたしたち人間を救う、唯一の道だと思います。みんなで血相を変えて絶対的な正しさや他者を攻撃する言葉を探すよりも、かっこいい理念やイデオロギーにしがみつくよりも、自分自身の弱さに気づき、人と人とのコミュニケーションのなかで、言葉を積み上げながら生きたいなと、わたしは思います。続きは一緒に考えてくれたら嬉しいです。意見や批判、感想をお待ちしています。Twitterハッシュタグ「#REINAの哲学の部屋」で。3月の連載のテーマ募集します!読み込んでいます…田代 伶奈Twitterベルリン生まれ東京育ち。上智大学哲学研究科博士前期課程修了。「社会に生きる哲学」を目指し、研究の傍ら「哲学対話」の実践に関わるように。現在自由大学で「未来を創るための哲学」を開講。Be inspired!ライター。
2018年02月26日ももいろクローバーZの百田夏菜子(23)が2月19日、都内で行われた映画「ブラックパンサー」の吹き替え版完成披露試写会に出席。壇上では、百田の“リーダー哲学”がうかがえる一幕があった。 本作の主人公が「国王」であることにちなみ、「リーダーに必要な心得」との質問を受けた百田。ももクロのリーダーでもある彼女は「みんなの声を聞くこと」と答えていた。 「私がベラベラ話すよりもみんなの声を聞きたいなと思うので、いったん待ったり。取材でも『どうですか?ももクロさん』と聞かれたとき、リーダーとして答えないといけないなと私が感じること以外はひと呼吸待って……」 百田の「みんなの声を聞くこと」という“一歩引いた”リーダー哲学。それは同じく“アイドルグループのリーダー”である嵐の大野智(37)も語っていたことだった。 突然ももクロのリーダーに任命された百田だが、大野が嵐のリーダーに任命されたのもじゃんけんで決まったという。どこか似た境遇を持つ2人は、13年発売の「クイック・ジャパン」Vol.109で対談を果たしている。 「リーダーに向いていない」と自認する百田に、大野も「リーダーであることには消極的」と告白。前に出ることが、どちらも苦手なようだ。しかし大野は、こう語っている。 「好きじゃなきゃできないでしょ。仕切るとか、まとめるとか。だから、無理してやらなくていいと思うよ」 大野のリーダーであり続ける秘訣は、“ムリして仕切らないこと”。百田も「いいんですよね?自然で!」と感心していた。 このときから“一歩引いた”リーダー哲学をすでに持っていた百田。10年に渡るももクロの活躍は、こうした“自然体”な姿勢があるからなのかもしれない。
2018年02月21日こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第5弾。一方通行ではなくみんなで協働的に考えられるようにしたいので、時に頷き、突っ込みながら読んでくださると嬉しいです。「あなたがいないと生きられない」は、ダメだ友達に相談される「別れたいけど、でも…」のあとは必ずといっていいほど執着話。でも7年間も一緒にいた、でもいい人、でも好き、でも相手は変わると言った、etc…。人間、一筋縄ではいかぬ。複雑すぎる。「なるほどそっかー」と頷きながら、頭のなかでは別のことを考える。わたしたちは、一体なにに執着しているのだろうか。もしかして、相手に執着しているようで、実は自分に執着しているのではないか。7年もあなたと一緒にいたわたし、こんなあなただったけど一緒にいたわたし、わたしのために変わると言ったあなた。結局どこまでもわたし。わたしがわたしを縛っているだけで、その目にあなたは映っていない。めうさんが言うように、「今までかけてきた時間」の呪縛はとくに恐ろしいと思います。もはや自分でも相手でもなく、宙に浮いてしまった「関係性」を必死に捉えようとしている。でもこの関係性だって、実は相手に共有されていない自分だけのものかもしれない。相手の意志が配慮されている感じはしません。あと、孤独が辛いから執着してしまうということもよくある。でも、相手はわたしの孤独解消の手段なんかじゃない。人格だ、人格。これら執着に共通するのは、世界が自分のものになってしまっている、他者不在の自己愛だということ。「あなたがいないと生きられない」みたいな、他者を自己に還元してしまう、依存だ。自戒を込めて、他者と世界はお前のものじゃねえよ、と言いたくなる。そういう意味では、愛と執着をちゃんと分ける必要はある気がします。いや、もっと相手に執着したら?でもそのうえで(←これ大事)、執着なんてし合わないで「あなたの好きにして」も、なんか違う気がする。束縛しちゃだめ、所有欲は罪だ、みたいな恋愛観って一見正しいけれど欺瞞的だとも思います。前提に「人間ひとりで生きられる」的な、行き過ぎた個人主義が潜んでいる気がするから。18世紀に活躍したドイツの哲学者イマヌエル・カントは、「自律」と「他律」を分けて、「大人だったら自律して理性的に生きろ」と言います。カントの世界観では、関係性や他者よりも「自己」が先立っていて、自律した大人たちがそれぞれ理性的に結びついている。イメージは、きちんとした大人同士の恋愛。(カント研究者たち、雑な解釈で本当にすみません)でも、わたしたちは本当にそういう世界で生きているのでしょうか。そういう人間像を理想としているのでしょうか。わたしは、自律した個人が点在しているのではなく、網の目のなかにすでに人間は存在してしまっている、つまりネットワーク的な関係性を持ってしまっていると思います。そして、この世界や存在はすでに「ある」ものではなく、「つくっていく」動的なものだとも思います。人間関係は、乾いた砂のようにサラサラしたものではない。ここは、誰かがいるからこそ生きていける世界。だからといってベタベタだけでも自己愛に回収される執着ごっごでもない。孤独だし、孤独じゃないし。誰でもいいようで、誰でもよくないし。なんか言ってそうで、何も言ってない…?いや、そうなんだけど、その揺れ動きのなかで、どうしようもなさのなかで、ひとは生きているのだなあ、と思うのです。わたしの敬愛する20世紀ドイツの実存哲学者、カール・ヤスパースがこんなことを言っています。私自身であることは孤独だということである。私もまた自立者として独立して自分自身でないならば、私は全く他者のなかに自分を失う。このとき私自身がなくなると同時に、コミュニケーションが破棄される。私は、コミュニケーションへ入ることがなければ、自分になることができず、孤独でなければコミュニケーションに入る事ができない。どっちだよ、というツッコミはさておき、ヤスパースがいうコミュニケーションは、「おはよ」「ういーっす」ではなく、「心を本気で見せあおうぜ」みたいなヤバイやつで、「愛しながら戦い」と言い換えられたりもします。コミュニケーションが、戦いかよ。生半可な執着じゃない、キングオブ執着。ヤスパースは、人間は孤独とコミュニケーションの「両極性」のうちに存在する。ひとは、「他者へのコミュニケーション的態度と、自己の絶対的独立性という緊張関係のうちに存在するのである」と続けます。でも思うのは、いまこの世界で圧倒的に足りていないのは、コミュニケーションのほうではないでしょうか。だからもっと「相手」に執着したら?と思う。もっともっとコミュニケーションをとって相手を知ろうとしたり、応答し合ったり、感情を出し合ったり、愛を持って戦ったりすればいいのに。そしたら世界は、孤独でバラバラで壊れそうな人間がへばりついているところじゃなくて、同質さも異質さも共有して「あなたがいるから生きられる」空間になるのにな。All photos by Junko KobayashiText by Reina TashiroーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!#004 「レディファーストって古くない?」でも、嬉しくない?“男性が女性を丁寧に扱う文化”を哲学的に考える| “社会の普通”に馴染めない人のための『REINAの哲学の部屋』 こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第4弾。一方通行ではなくみん...
2018年01月17日こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第4弾。一方通行ではなくみんなで協働的に考えられるようにしたいので、時に頷き、突っ込みながら読んでくださると嬉しいです。レディファーストは嬉しいレディファーストに対し、「そもそもの起源が女性蔑視だからダメ」とか「女性が何も出来ないから男性がしてあげるという風潮が女性を見下す女性差別だ」と批判することができると思う。逆に「女性の優先権を認めるのは男性差別だ」と反論する人もいるでしょう。欧米ではこのような理由から、時代に合わないレディファーストが見直されているという話も聞きます。どれもわかる気がするんだけど、喉に何かがへばりついて飲み込めない。「素直にどう思いますか?」という問いかけなので、わたしの意見を書きます。わたしは、レディファーストされたら嬉しいし、好きな人が奢ってくれたらふつーに喜ぶ。けど、この喜びは「女性は奢られるべきだ」という信念や「相手が男性だから」という理由に基づくものではありません。いや、むしろもっと浅はかで、その相手に優しくされたらうれぴー! ジェントルマンってステキー!程度のものかもしれない。だって、レディファースト、誰も損してないじゃん、とか思っている。やばい、フェミニズムの波に乗り遅れている。なんとかイズムにとらわれずにもう少し考えてみます。「男性はこうすべき」「女性はこうすべき」という性別を根拠にした規範を、社会や他者が押し付けるのは間違っていると思います。間違っていると思う理由は、そうできない(したくない)人の自由を奪うから。そして、「女ー男」社会の終焉を迎えるべきこのご時世で「性別」を主張の根拠に持ち出すのは愚かだから。というか、「男だったら荷物を持てよ」とか「女だから払わなくていいよ」は、差別というか、根拠不十分なハラスメントって感じ。女性の解放を求めて戦った20世紀フランスの哲学者ボーヴォワールの言葉を紹介します。女性を優先し、責任を解放することで、結局相手の自由を奪うことになっているという指摘。どうでもいいときには男が女を立てて一等席を譲るべきなのはお決まりのこと。原始社会のように女に重い荷物を背負わせる代わりに、つらい仕事や心配事の一切を急いで女から取り除く。それは同時に、女を一切の責任から解放することである。こうして女は自分の立場の安易さにだまされ、心をそそられて、男が女を閉じ込めたがっている母や主婦の役割を受けいれるよう期待されるのだ。田代 伶奈ベルリン生まれ東京育ち。上智大学哲学研究科博士前期課程修了。「社会に生きる哲学」を目指し、研究の傍ら「哲学対話」の実践に関わるように。12月から自由大学で「未来を創るための哲学」を開講。Be inspired!ライター。Twitter: photos by @hello.itsnoemiText by Reina Tashiro ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!#003 「死ぬのが怖いんです」。ある高校生の普遍的な悩みに、28歳の彼女が出した答えとは。| “社会の普通”に馴染めない人のための『REINAの哲学の部屋』 こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第3弾。一方通行ではなくみん...
2017年12月14日こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第3弾。一方通行ではなくみんなで協働的に考えられるようにしたいので、時に頷き、突っ込みながら読んでくださると嬉しいです。人間は自由だからこそなにものにでもなれるよ生まれながらにして死刑囚である人間は同時に、何にも規定されていない自由な存在でもあります。「人間は自由の刑に処されている」という有名な言葉を残した哲学者サルトルは、人間は自由だからこそなにものにでもなれるよ、と言ってくれます。優しい。人間は最初は何ものでもない。人間は後になってはじめて人間になるのであり、人間は自らが造ったところのものになるのである。人間の本質は存在しない。その本性を考える神が存在しないからである。人間は、自らそう考えるところのものであるのみならず、自ら望むところのものであり、実存して後に自ら考えるところのもの、実存への飛躍の後に自ら望むところのものであるにすぎない。「ところのもの」が多過ぎて頭が痛くなりそうですが、サルトルが言わんとしていることは、自分で自分の人生を自由にデザインして生きていくしかない、ということです。神みたいな超越的な存在から「あなたの人生はこうだ」みたいな本質を与えられていないからです。だから人間はとても孤独だし、自由と引き換えに全責任を背負わなければいけない。わたしのちっぽけな人生には「あなたはジェダイだ」「人類を救う宿命だ」なんていうシナリオはない。でも、だからこそ人間は、100年間の牢獄の中で、自分の人生を設計できるし、そこに意味や価値を創造していくことも、喜びを見出すこともできるのです。神の前でも、サクラダファミリアの前でも、生の脆さの前でも、わたしは「自分でつくったところのもの」でしかないからです。そして人間は、わたしとあなたと地球と宇宙がいつか消えてしまうというやばすぎる事実に無力さを感じる以上のことができます。わたしたちは、どうしようもない死への恐怖が頭を駆け巡った次の瞬間、お笑いを見ながら爆笑できる。恋をして胸がドキドキしたり、バーゲンでお気に入りのものがゲットできたり、美味しいご飯を食べたり。日常の小さなことに大きな大きな幸せを見つけ、人生の意味を噛みしめることができる。死への恐怖が消えることはないけれど、なにも哲学して賢者になったり悟りを開いたりしなくても、恐怖に人は勝つことができるのです。これが、生きているということの事実だし、人間の偉大さなのだと思います。最後に谷川俊太郎の『質問箱』という本を紹介します。死ぬのがいやだと言う6歳のさえちゃんへの答えです。詩人、すごいなあ。質問どうして、にんげんは死ぬの?さえちゃんは、死ぬのはいやだよ。(追伸:これは娘が実際に母親である私に向かってした質問でした。正直、答に困りました〜)ぼくがさえちゃんのお母さんだったら、「お母さんだって死ぬのはいやだよー」と言いながらさえちゃんをぎゅーっと抱きしめて一緒に泣きます。そのあとで一緒にお茶にします。あのね、お母さん、言葉で問われた質問に、いつも言葉で答える必要はないの。こういう深い問いかけにはアタマだけじゃなく、ココロもカラダも使って答えなくちゃね。 今回のお悩みも一緒に考えてくれたら嬉しいです。意見や批判、感想をお待ちしています。Twitterハッシュタグ「#REINAの哲学の部屋」で。読み込んでいます…
2017年11月15日こんにちは、伶奈です。大学院まで哲学を専攻しちゃったわたしが、読者から日常の悩みや社会への疑問、憤りを募り、ぐるぐる考えたことを書き綴る連載の第2弾。一方通行ではなくみんなで協働的に考えられるようにしたいので、時に頷き、突っ込みながら読んでくださると嬉しいです。伶奈って誰?▶︎「当たり前」を疑わない人へ。「哲学」という“自由になる方法”を知った彼女が「答えも勝敗もない対話」が重要だと考える理由。前回の連載▶︎#001 「なんで複数の人と恋人関係になっちゃいけないの?」28歳の彼女が“社会の理不尽な恋愛ルール”に物申す。他者を手段としてだけでなく同時に目的として扱え「人と人の関係ではなく、モノとして見られているとさえ感じる」というKさんの気持ち、よくわかります。食に限った話ではなく、これもまた現代の病がもたらす恐怖感なのかもしれません。18世紀に活躍したドイツの哲学者イマヌエル・カントは、すごぶるカッコイイ言葉を残しています。人間および一般にすべての理性的存在者は、目的自体として存在し、誰かの意志の任意な使用のための手段としてのみ存在するのではなく、自己自身の対する行為においても、また他のすべての理性的存在者に対する行為においても、常に同時に目的として見られねばならない。2017年日本から突然1785年プロイセン王国。寿司からカントかよ。カント大先生の目眩がするような言葉を要約すると「自分や他人を単に手段として扱ってはならず、 常に同時に目的自体として扱わねばならない」ということ。人間を交換可能な「モノ」のようにだけ扱ってSNSや評価のための手段にしたり、「お前の寿司じゃなくても別にいいし」みたいな態度で蔑ろにしてはいけません。相手をきちんと人間と見なして尊敬しましょうというお話です。それが、生きるうえでなによりも大事だと。食が人と人との関係だとすれば、カウンターでお寿司を食べるときにわたしたちが享受しているのは、寿司そのものだけでなく、寿司を握るまさにその人。それに加え、質感や雰囲気などその人が醸し出す全てに一万円以上の対価を払っているのではないでしょうか。だから作り手に感謝しながら感謝しながら食を楽しんでほしいと願うのは当然。写真を撮り怖い顔で評価しながらお寿司を食べることは、食に生きる人への冒涜だから。ああ、でも「お金払ってんだからこっちの自由やん」って言う人もいそう。学費払ってるんだから授業休んでもええやん、給料払ってるんだからもっと働けや、と。最近よく聞くこういう論調に「ちょっと待ったー!」をして締めたいと思います。なぜだか人間って、人間関係の中で生きていることを忘れがちだと思う。人間は、代替可能なモノではないし、他者不在の自由なんてない。他者がいなかったらお寿司出てこないのに、ね。だから「僕が売っているのはそれじゃないっす!」「自分も人間っす!」「目的として扱ってくれ!」って呼びかける権利はどこまでもあると思うのです。 なのでKさんの「対価をもらう以上、そういった関係になってしまうことは仕方ないのでしょうか?」に対して言いたいのは、仕方なくないよ!ということ。あまりにもモノ化してくる人が現れたら、カウンター越しに「“食”ってなんでしょうね」って問いを投げかけ、ドヤ顔でカント大先生の話をしながらお客さんと一緒に考えてみてください(お洒落な寿司屋でそんな野暮ったいことしないかな(笑))。田代 伶奈ベルリン生まれ東京育ち。上智大学哲学研究科博士前期課程修了。「社会に生きる哲学」を目指し、研究の傍ら「哲学対話」の実践に関わるように。現在自由大学で「過去に向き合うための哲学」を開講中。Be inspired!ライター。Twitter: photos by @hello.itsnoemiText by Reina Tashiro ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!#001 「なんで複数の人と恋人関係になっちゃいけないの?」28歳の彼女が“社会の理不尽な恋愛ルール”に物申す。| “社会の普通”に馴染めない人のための『REINAの哲学の部屋』 こんにちは、伶奈です。今日から連載を始めることになりました。月に一回読者から、最近悩んでいることや、社会に対して疑問に思っていることを募り、わたしなりに哲学的に考えたこと...
2017年10月31日乳がんを経験し、講演などの活動を行う女優の音無美紀子さん(67)と「がん哲学外来」理事長で、がん患者やその家族と対話し、生きる希望を与えている順天堂大学医学部の樋野興夫教授(63)。2人に1人が罹患する時代に、がんやがん患者とともに生きてきたお2人が、病いにどう向き合えばいいかを語り合った。 音無さんは’88年に乳がんが見つかり、当時標準治療だった全摘手術を受けた。手術後は、うつになり「死にたい」と苦しんだという。 音無「10時間に及ぶ手術、その後のリハビリと奮闘しましたが、抗がん剤の点滴治療のミスをきっかけに心を閉ざしてひきこもり状態に」 樋野「がん告知を受けた人の約3割に音無さんと同じようにうつ的な症状が現れます」 音無「眠れない、食べられない、何もできない。当時、そういうのは、心が弱い人がなる“ノイローゼ”だと思い込んで、恥ずかしくて病院にも行けなかった。告知されてからの闘病の苦しみ、『なぜ私が?』という恨みや未練も重なり、つらかった。いくら医療技術は進歩しても、人間の“心”は同じ気がしますね」 樋野「はい。医師には最先端の治療を確立することと、もう一つ『人間的な責任で手を差し伸べる』という使命がありますが、それが失われようとしています。そこで私は’08年に『がん哲学外来』を立ち上げました。患者さんとご家族に、『病気であっても病人ではない』『がんも単なる個性である』というような言葉の処方箋を出しています」 音無「言葉といえば、ある日、当時小学生だった娘の『ママなんで笑わないの?』の言葉にハッと気づかされたんです。左胸を全摘してから自分の体もそうですが、いっさい鏡を見られなくなったんです。鏡を見てみると口角も上がらないし、どう笑えばいいのかさえ忘れてしまっていて。娘に言われてから意識して鏡で笑顔をつくるようになりました。少しすると口紅もつけてみよう。美容室にも行こうと、徐々に元気になれました」 樋野「家族の『言葉の処方箋』に助けられましたね。私の哲学外来では一人1時間、カルテもなし。お茶を一緒に飲みながら話を聞いて対話するだけです。どんな病気なのか。なぜここに来たのかをじっくり聞くうちに本音を吐露していきます。自殺を考えていた人に『あなたには役割がある。存在には意味がある』と伝えると、自分ができることを探し始めます。その患者さんが自ら『メディカルカフェ』を開き、同じ苦悩する人の悩みに耳を傾ける人もいるんです」 音無「私自身、“心が重い日々”が続きましたが、一歩を踏み出すことで変わりました。うつで、夏休みに娘をどこにも連れていけないとき、『絵日記を書く材料がない』って言われたんです。娘は『ママと、目玉焼きをつくりたい』と言うから『それならできるかも』と、勇気を出してやってみたら『ママすごい』と娘が喜んでくれました。翌日、『じゃあ、おにぎりをつくろうか』と言って三角おにぎりをむすんだ私に『すごい』と娘が言ってくれて。本当に小さな一歩でしたが、これをきっかけに気持ちが回復していきました」 樋野「家族の接し方では、懸命に尽くすつもりが、気持ちの押し付けになる“よけいなおせっかい”が多い。ふだんは話もしないのに病気になると、途端に世話を焼く。それが患者の悩みや負担につながっています。そんな人に私は『偉大なるおせっかいであれ』と伝えます。同じ部屋にいて寄り添うだけでいいんです。夫婦でリビングに無言で1時間一緒にいる。“よけいなおせっかい”だと思われないように、お互いが一緒にいることで安心できる関係をふだんからつくっておきましょう。大事なのは相手に関心を持つこと。『後ろからじっと見守る』イメージです」 音無「私たちも仕事が忙しく、ふだんは対話の時間が多かったわけではないのですが、主人(俳優の村井國夫さん)は私が病気のことを人に言えずに苦しんでいることを見てくれていたようです。『もうさらけだせば』という思いが助けになりました。がんになって13年後、’01年に主人がテレビ番組でポロッと私のことを話したところ大反響で、それをきっかけに私も『徹子の部屋』に出演して闘病について告白でき、ようやくラクになりました」
2017年07月22日一昔前は「ママはオシャレ禁止」というムードがあったように感じる。実際自分が子どもを産んで見れば「オシャレするヒマどころか、鏡見るヒマさえもない、そんなことするなら寝たい」状態。そうして「いつも似たようなズボンにシンプルなトップス、スニーカー、大きめリュックサック、メイクはファンデのみ(肌ケアするヒマもなくて肌に難あり)、アクセ無し(誤飲が怖いし買ってもすぐ壊されてしまう)、香水無し」といったスタイルが出来上がる。ところが今は「ママこそ子育てを考えてもオシャレをすべき」と気付き、まずは毎日イヤリングをつけることから習慣化している。「ママこそオシャレを」その理由は?独身時代はオシャレにこだわりもあるほうだったが、産後は適当なファッションになり「私って本当はオシャレ好きじゃなかったのかな?」と疑うほど。それが第3子妊娠中の今、妊娠がわかってからオシャレが大事だと真剣に感じ始めている。イヤリングをつけ始めた理由は「心の余裕を保ちたい」から。第3子出産は長男の入学、次男のイヤイヤ期とかぶり、おそらく人生で1番めまぐるしい1年だと予想される。だからこそ「ママである自分の心の余裕を1番大切にしたくて」オシャレを始めたのであった。それまで鏡を見る余裕もなかったし、そんなヒマがあれば寝たかったが、鏡を見ることは自分を見ること。オシャレをすることは心の余裕の証なのである。女にとって「形から入る」ことの大切さ第2子産後、実感したことがある。ママである自分に心の余裕がないと、家庭が回らないということだ。一般的に男性は女性の感情に左右されやすく、また、子どももママの心理面の影響を受ける。家族のためにもママが心に余裕を持つ必要があるのだ。ところが今は、感情的に怒る毎日に悩むママが多い。育児・家事・仕事を誰にも相談できず、協力もなしに1人でかかるのは、やはり無理があるのだ。そうはいっても、環境はすぐには変えられない。毎日の生活の中で余裕を取り戻す方法として見つけたのが、オシャレだ。私は昔からイヤリングが好きである。オシャレをすると「自分を大切にしている感」があり、心に少し余裕が生まれる。独身時代を思い出して欲しい。マツゲがグッと上がったり、新しいネイルにしただけで、その日の仕事も頑張れるのが女というものだった。自分のオシャレから心の余裕を取り戻そう以前は鏡に映るオシャレでない自分を見るのが嫌だった。適当な格好をしている自分を見たくなかったし、自分をそこまで追い込む育児環境に、またドッと疲れていた。自分を大切にしてこそ、周囲も大切にできるのである。イヤリングは、「耳に付けている感覚」が常にある。イヤリングを感じることで、「今心に余裕はありますか?」と毎秒自分に問いかけてもいるのだ。この「形から入る」作戦、実は思った以上に効果があるからオススメ。大事なのは自分のオシャレを考えること。独身時代はモテを気にしてオシャレしていた人が多いだろう。ママになると年齢も気になるし、全てにお金をかける時間もヒマもない。自分にとって好きではないオシャレをしていても、気分は上がらない。だからこそ、自分のこだわりのある部分だけオシャレする。自分らしい本当のオシャレが、ママになって始まると思うのだ。ライター:宮野 茉莉子
2016年12月06日次男も1歳半を過ぎ、食事など自分1人でしたがることが増えてきました。これからおおよそ3歳までに食事、トイレ、着替え、靴を履くなど一通り自分でできるようになります。同時並行で、イヤイヤ期も到来しますよね。この頃、子どもへのイライラが増えるママも多いのでは?1人でやらせると時間がかかるし、やり直しが必要だし、汚すし、できたと思ったらまたできなくて後戻り…など、かなり根気のいるもの。どうしてもイライラしてしまいがちですが、対処法はないか探してみました。親は「楽しみに待つ」しかない児童精神科医である佐々木正美先生著書の『子どもへのまなざし』(福音館書店)に、その答えがありました。佐々木先生はしつけをする上で大切なことを、「くり返しそのこと(しつけの内容)を伝えながら、本当にあなたがここで上手にできるようになるのはいつか、楽しみに待っていてあげるからという気持ちですね。そしてその時期は自分で決めなさい、自分で決めればいいのですよといってあげることです」と伝えています。とは言っても「早くできるようになってもらわないと困る」というのも親の本音。もちろん佐々木先生も親側の意見を承知の上で書いていますし、私自身「楽しみに待つなんて正直ムリ…」と思いました。でも親が子どものしつけにイライラするのは、「何十回言っても理解しない子どものせい」ではなく、「子育て環境にも問題がある」と気付いたのです。親が1人きりで忙しいからイライラするたとえば、子どもが食事中に味噌汁をこぼしたとします。ママが1人の場合、「も〜味噌汁は片付けるのが大変なのに…早くタオルを持ってきて、机を拭いて、タオルを洗って、着替えもさせなきゃ。代わりの味噌汁も持ってきて、今度はこぼさないように私が食べさせないと。寝かせる時間がまた遅くなる…」など考えるでしょう。これが夫や祖父母がいる場合、「タオルを持ってきて」「代わりの味噌汁を温め直すから、着替えさせて」「タオルを洗うから食べさせてあげて」と頼めます。ママがイラっとしても、「ありゃーまたやっちゃたね〜(笑)」という場の空気を和ませる笑いや、「でも今日は昨日よりも沢山食べてからこぼしたね」と成長に目を向けるフォローがすぐさます。イライラしたことさえ忘れ去ることができるでしょう。1人で全てをやろうとするのではなく、積極的に夫や祖父母など、身近な人に助けを求めていくのがおすすめです。親として覚悟を決めてしつけようどんなにイライラしたとしても、結局しつけを完了するためには、親は何百回と言って聞かせ、その子ができるようになるまで待つしかありません。それなら同じ時間を過ごすのに一日中イライラして子どもに怒り、子どもが萎縮したり泣いてしまう状況も、楽しみに待つ選択をとりませんか?それには「親としての覚悟」が必要。親が覚悟をきっちり決めないと、またイライラの毎日に逆戻りです。佐々木先生が言うように、「楽しみに待ってあげる」という目線や、「できる時期は自分で決めればいいよ」という心でいられているか。常に自分に問い直したいものです。そのためにあらかじめイライラしない環境作りをしたり、家事負担を減らして親側の心の余裕を保ったり、時には実母やママ友などに愚痴を言ったり、できるようになったことを紙に貼って楽しみにするなどの「環境作り」も大切。しつけが終わってしまえば、逆にしつけ中を懐かしく思うものです。二度と戻らない時間だからこそ、楽しみに待つ視点を持てるよう見直してみてください。ライター:宮野 茉莉子
2016年11月28日年少当初や転園時、また夏休みや3連休明けなど「幼稚園に行きたくない!」とぐずる子は多いですよね。筆者の年長の長男も、入園と夏休み明け、また年長で転園したときには毎日のように行きたがらず、苦労しました。あまり嫌がられたり泣かれると、親も考えてしまう「幼稚園に行く意味」。年長の秋になって、やっとしっくりくる答えが見つかりました。今回は登園渋りの対処法とご一緒にご紹介します。ステップ1:まず理由を聞く子どもが「幼稚園に行きたくない!」とぐずりだすと、ママは朝の慌ただしさからつい「何言ってるの、早く行くよ!」と押し付けてしまいがち。また、「幼稚園は小学校に行く練習なんだよ」など説得を始めるママも多いかもしれません。実はどちらもNG。前者の場合子どもは余計ぐずるだけですし、毎朝が憂鬱になってしまいます。後者の場合も、説得は子どもの頭には入らず馬耳東風状態です。このとき、子どもの頭の中は、「幼稚園に行きたくない理由」でいっぱい。まずはそれを聞き出してあげましょう。自分の気持ちを言葉にすればスッキリしますし、ママに気持ちを受け止めてもらうことで安心し、気持ちも和らぎます。説得も頭に入りやすくなるでしょう。ステップ2:小さな「行く理由」を見つけてみる長男は年長の4月から転園しましたが、つい先日まで行きたくないと渋る毎日でした。前の園の思い出もある分、余計に今の園はつまらないよう。「何で引っ越したの」と泣かれたり、慣れなくて苛立ちを抱える様子に申し訳なく思う日々でした。つい先日も、「幼稚園をやめたい」と言う彼。そこで「今の幼稚園に通わなきゃできなかったこと」を2人であげました。すると「逆上がり、今好きな女の子や先生に会うこと、今夢中な『エルマーのぼうけん』という絵本を読むこと、アレルギー対応のパン給食を食べられること」などが出てきました。そこで気付いたのが、「幼稚園に行く意味や楽しみは子ども自身が見つけてくるもの」ということ。これは我が子の例ですが、皆さんのお子さんもそれぞれ好きなこと・楽しみなこと・できるようになったことがあると思います。ひとつできるようになれば特に褒め、「幼稚園に行くと色んなことができるね」と話しましょう。「幼稚園には好きなものやできること、楽しいものを見つけに行くんだよ」と伝えると、子どもの気分も変わります。ステップ3:時には休んでOK「今日はあまりにも嫌がって大泣きする…」という日は、休ませて大丈夫。初めての集団生活ですから、初めから皆勤賞なんて無理があるというもの。また大人は自分でリフレッシュする方法を知っていますが、子どもは気分転換できないので、時には甘えを受け入れてあげましょう。ただ、クセにならないよう休む理由をきちんと子どもに説明し、「今日だけね」と約束するのを忘れないで。休んだあとは子どもが「また休みたい」と言ってもしばらくは「この前休んだから行こうね」と連れて行くことで、「大泣きすれば休めるというわけでもない」とわかります。ほんのたまには休み、ママとの時間を過ごして子どもの心を満たすことも大切です。毎日となるとママも対応が大変ですが、ぐずる時間も考えて段取りを考えてみると忙しい朝も余裕が持てます。ライター:宮野 茉莉子
2016年11月20日