胸について知ることは、自分を大切にして美乳を目指すための第一歩。anan総研メンバーへのアンケートを元に、よくある胸の悩みについて、医師が教えてくれました。お悩み「左右の胸の大きさが違っている」みんなはどう?YES:47%、NO:53%それは…どちらか片方だけ成長していたら要注意!「そもそも乳房は左右の大きさが違って当たり前。個人差もあるものなので、人と比べて心配するようなことではありません」(乳腺専門医・尹玲花先生)とはいえ、変化には気をつけていたい。もしも大人になってから片方だけが以前より大きくなったように感じたり、あれ、この頃成長してるかも?と思うほどの変化なら、病気が潜んでいる可能性もあるのだ。「実は乳がんの所見の一つに、腫れ・むくみも含まれるからです。ごく稀にですけど、『なんだかバストアップしたんです!』というので検査をしたらしこりが見つかった例もあります」毎日、お風呂上がりに鏡の前に立って自分の胸をチェックしてみると変化に気づけるはず。お悩み「胸の谷間がザラザラしている」みんなはどう?YES:27%、NO:73%それは…毛穴が詰まり、ニキビができかけている?小さなニキビ=コメドがある状態。悪化すると赤ニキビや膿を持った黄ニキビになってしまう。胸の周り、とくに胸の谷間からデコルテにかけてはもともと皮脂腺が大きく、数も多い部位。脂を好むアクネ菌が繁殖しやすい環境といえる。「皮脂腺の大きさや活性は遺伝で決まるので、ニキビがよりできやすい人というのはいます」(皮膚科医・慶田朋子先生)一方で、夏に悪化することが多いのは紫外線や汗、睡眠不足や疲労などさまざまな要因で角層が厚くなり、毛穴が詰まりやすくなることが原因。また、甘いものばかり食べて糖質過多になるとニキビを悪化させる。日々のケアとしては、やさしく洗うことが大切。どうにも気になるときは、皮膚科でケミカルピーリングを受けると改善しやすい。※アンケートはanan総研メンバー72名の回答をもとに作成(2020年7月調べ)慶田朋子先生美容皮膚科「銀座ケイスキンクリニック」院長、医学博士。著書『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)が好評。尹 玲花先生乳腺専門クリニック「mammaria tsukiji」院長。聖路加国際病院で10年にわたり乳腺診療に携わり、クリニックを開業。※『anan』2020年9月16日号より。イラスト・中根ゆたか取材、文・黒澤 彩(by anan編集部)
2020年09月12日いつかは受けるものだとわかっているけど、まだいいかと思いがちな乳がん検診。どんな人が、どんなときに必要なの?自分でもチェックしたほうがいいって本当?検診デビューの前に予習しておくと安心です。9人に1人がかかる、実は身近な病気。早期発見で治るからこそ検診がいちばん大切。私たち女性がかかる可能性の高いがんといえば乳がん。割合にすると、がんを患った女性のうち、約2割が乳がんに罹患している(2014年の全国がん罹患モニタリング集計より)。「年々増加傾向にあり、最新の統計によれば、日本人女性の9人に1人が生涯のあいだに乳がんを発症するというデータも」こう話すのは、個人診療の乳がん検診にも対応している乳腺専門医の尹玲花先生。乳がんは、乳房の中にある乳腺に発生する悪性腫瘍。比較的進行がゆっくりなので、早期に発見できれば治る確率が高くなる。となると、なんといっても検診が頼みの綱だ。乳がんや検診についての基本的な知識は、もはや知っていて当然、現代女性に必須の常識といえそう。まだ検診を受けたことがない人も、実はよくわからないまま受けてきた人も、正しくアップデートしていこう。若いときに検査をしても発見されない家族歴がなければ30歳までは検査不要!若いうちはマンモグラフィなどの検診を受けなくていい、という噂は本当だろうか?「はい。一般的には30歳までは検診の必要がありません。理由としては、そもそも発症リスクが低いこと、乳腺が発達しているためマンモグラフィでがんを見つけにくいこと、若い人ほど放射線による被曝の影響を受けやすいことなどがあります」もちろん例外もある。母、姉妹、祖母、おば、従姉妹で乳がんにかかった人が1人でもいる=家族歴がある場合は、20代であっても検診を受け始めよう。「遺伝性乳癌卵巣癌症候群という遺伝子の異常によって、乳がんになりやすい体質の人が日本にも一定数いることがわかってきました。該当する人は、一生のうちに乳がんを経験する可能性が約80%あるといわれるので、もし家族歴があれば、若くてもぜひ受診してください」費用は受ける方法によって変わる。若いうちに受けるなら個人検診の一択。費用が安いのは自治体が行う住民検診や会社での職域検診。住民検診は40歳以上の女性が2年に一回受けられるもので、職域検診も、会社によって異なるが原則40歳以上が対象。つまり、20~30代は個人検診を受けることになる。個人検診は費用がかかる分、気になる症状について個別に専門医に相談しつつ診察してもらえるのがメリット。マンモグラフィと超音波、触診というすべての検査を1日で受けられ、その場で結果がわかるのもうれしい。すでに何らかの自覚症状がある場合は個別に受診しよう。住民検診市区町村が行う検診。40歳以上の症状のない女性が、2年に一度マンモグラフィ検査を受診できる。自治体ごとに費用や期間などが異なるので、自分の住んでいる市区町村のHPなどで確認しよう。無料~3000円ほどと費用面のメリットはあるが、超音波検査は受けられないので注意。職域検診事業者(会社)が行う検診。健康診断の一つとして、40歳以上の女性が原則として2年に一度受診できる。マンモグラフィ、超音波検査の両方を受けられる会社もあれば、どちらか一方を選ぶ会社も。オプションとして費用の一部を自己負担する場合など、充実度はまちまち。個人検診自分で施設を選んで受診する検診。健康保険が使えないため費用は全額自己負担になり、マンモグラフィと超音波検査のどちらか一方で5000~1万円弱。両方では1万円台が目安。年齢やタイミングにかかわらず受診でき、気になる症状があれば専門医に個別に相談できる。尹 玲花先生乳腺専門クリニック「mammaria tsukiji」院長。聖路加国際病院で10年にわたり乳腺診療に携わり、クリニックを開業。※『anan』2020年9月16日号より。イラスト・中根ゆたか取材、文・黒澤 彩(by anan編集部)
2020年09月09日