伊東市(庁舎:静岡県伊東市、市長:小野 達也)は、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞された北里大学特別栄誉教授の大村智博士を講師にお招きし、文化講演会「北里柴三郎先生の実学の思想と私の研究」を2024年1月28日(日)に伊東市観光会館ホールにて開催します。伊東市文化講演会1大村智博士は北里柴三郎博士と縁が深く、本講演会は北里柴三郎博士を顕彰するとともに、大村智博士の研究に多大な影響を与えた北里精神について講演していただくものです。北里柴三郎博士は細菌学者として有名ですが、大正2年(1912)、伊東に構えた温泉付き別荘は、温泉保養地・伊東の先駆けとなりました。伊東尋常高等小学校(旧西小学校)に通う子供たちのために、私財を投じた橋(通学橋)の架設や別荘内の温泉プールの開放、また、鉄道誘致運動への協力が、昭和13年(1938)の伊東線開通につながりました。令和6年(2024年)は北里柴三郎博士が新千円札の肖像に採用され、伊東市内でも記念碑が設置されます。本講演会は、伊東市内でノーベル賞受賞者のお話を聴くことができるまたとない機会です。是非ご来場ください。伊東市文化講演会2<大村智博士略歴>1935年、山梨県韮崎市生まれ。化学者。北里大学特別栄誉教授。東京理科大学特別栄誉博士。薬学博士(東京大学)、理学博士(東京理科大学)。1974年、伊東市のゴルフ場周辺の土から発見された新種の放線菌が生産する抗寄生虫抗生物質エバーメクチンをもとに開発されたイベルメクチンによる線虫感染症の新しい治療法の発見により、2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞。・演題「北里柴三郎先生の実学の思想と私の研究」・開催日2024年1月28日(日) 開場14:30 開演15:00・会場伊東市観光会館ホール(静岡県伊東市和田1-16-1)(自家用車はなぎさ観光駐車場をご利用ください。無料)・入場無料・イベントURL 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年12月14日■「オステオパシー」って何?多くの方がきっと初耳ですよね。オステオパシーは1874年にアメリカ人の医師アンドリュー・テイラー・スティルが創始した「整体法」です。調子が悪いときにマッサージや鍼灸に行かれる方もいると思いますが、欧米では病院に行く前にオステオパスにかかるというくらい、人々の生活に根付いている治療法のひとつ。アメリカでは医師の資格にも2種類あって、一般的な医師とオステオパシーの医師がいます。オステオパシーの医師は、手術や投薬の他に手技で整体をすると考えていただければわかりやすいでしょうか(※)。※オステオパシーの施術者の資格は国により違いがあり、日本では国家資格ではありません。■西洋医学と東洋医学のいいとこどり漢方や鍼灸もそうですが、東洋医学では身体はひとつのユニットであり、自然治癒力が備わっていると考えます。そのため、経絡やツボというエネルギーの流れを踏まえて施術を行いますよね。西洋医学はというと、解剖学・生理学・病理学などをベースに、症状の出ている部分に注目し、原因を細分化して病気を限定していくのが一般的です。オステオパシーは両方のいいとこどりで、全体を確認してから細部へと検査を進めていきます。■「手」で検査し、治療するオステオパシー人間の身体は、骨と筋肉からなる構造と、さまざまな役割を持つ内臓、細胞に酸素と栄養を与える循環器系、脳から指令を伝える神経系という機能がお互いに影響を与え合って成り立っているため、バランスが大切です。バランスが悪いと身体そのものが上手く働かなくなってしまいます。そこで、オステオパシーではまず、身体が全体としてきちんと働いているかを見極めます。お医者さんのように血液検査をしたり、画像診断(MRIなど)をしたりできない分、手による触診検査に重きを置いているのです。まずは全身の筋骨格、内臓、循環、神経系の状態を確かめ、歪みや不調の原因を見つけた場所や部位により、適切な手技を用いて正常な状態に戻すための調整を行います。調整方法はさまざまです。筋肉や筋膜に不具合があるときと、骨を調整するときでは、やり方が異なります。「整体」と聞くと、「バキッ」と音が鳴るような施術をイメージする方も多いかと思いますが、オステオパシーでは骨に矯正が必要なケースは非常に稀で、筋肉や、内臓の周囲を覆う筋膜や間膜に問題があることがほとんど。筋肉や膜が骨を歪ませているのに骨を矯正しても、すぐに元に戻ってしまいます。だからこそ、まずは問題の原因が骨にあるのか、内臓にあるのか、その他にあるのかを慎重に見極めます。■骨盤の不調の原因さて、オステオパシーの説明をざっくりとしてきましたが、患者さんには女性特有の不調を抱える方もたくさんいらっしゃいます。原因はさまざまですが、身体全体の圧力のバランスが崩れ、腹部の内臓が圧迫されていることがとても多いです。たとえば、腹筋が弱くなると内臓を支えきれなくなり、腸が骨盤臓器(膀胱や子宮)を圧迫することで、トラブルが発生します。膀胱炎になったことがあって、肩こりもある方。このふたつはまったく関係がないと思いますか?実は、膀胱炎にかかったことがあると、膀胱の周りの筋肉が硬くなっていて、それが肩こりの原因、ということもあるのです。実際に、膀胱の治療をしてあげると肩こりも良くなることがあります。■「骨盤内の不調」セルフチェックそこで、まずは骨盤内の不調をセルフチェックしてみましょう。仰向けになって膝を立てます。次に、指先を恥骨の方に向けて手を広げておへその下に置きましょう。中指が恥骨の上に来るようにしてください。こうすると、膀胱の上にある3本の靭帯それぞれに、人差し指、中指、薬指が当たるようになります。そうしたら、もう一方の手で上から軽く押さえます。準備ができたら、次の3つの方向へ、真ん中(中指)、右(薬指)、左(人差し指)と順番に押していきます(計9回押します)。A)膀胱の方向へ(青)押してみて、尿意を感じたり、違和感があったりすれば陽性です(膀胱の検査)。B)尾骨の方向へ(黄)押してみて、痛みや違和感があれば陽性です(子宮の検査)。C)背中の方向へ(緑)押してみて、痛みや違和感があれば陽性です(直腸の検査)。■硬いところを柔らかくするストレッチABCいずれに違和感がある場合も、体の中で硬くなっている筋肉や膜を伸ばし、柔らかくするため、次のストレッチを試してみてください。1.セルフチェックをするときと同じように仰向けになって膝を立て、お臍の下に手を当てます。2.手をお腹にぐっと押し付けながら、頭の方へ引っ張ってみて、痛みや違和感のある場所で止めます。3.セルフチェックで痛みや違和感があった側の足をゆっくり伸ばします(中央に痛みがあった場合は、左右両方行ってください)。痛みを強く感じたら、そのまま数十秒その姿勢を保ちます。2では、膀胱に近い場所に問題がある場合は早く、直腸に近い場合はゆっくり、痛みや違和感がきますので、痛みや違和感のある個所が複数ある場合、A→B→Cの順で2と3を繰り返してください。引っ張るときの指の強さは、A→B→Cの順で強くしてください。Text/杉山喜洋鍼灸マッサージ師。オステオパス(Diplome d’Osteopathe)フランス政府公認校の日本校を卒業。内臓や頭蓋の治療を得意とし、老若男女問わずさまざまな症状の治療にあたる。TIME誌で世界の治療家10人に選ばれたJ・P・バラル氏よりインストラクターとして直接公認され、講師としても活躍中。神奈川県茅ヶ崎市にてオステオパシー風美を開業。画像/Shutterstock
2019年04月03日筋ジストロフィーとは?出典 : 筋ジストロフィーとは、遺伝子が変異することによって筋肉の性質が変わったり、壊れたりする疾患の総称で、国の指定難病の一つです。筋ジストロフィーが進行し筋力が低下すると、身体の各部分の運動機能に障害がみられるようになります。それによって日常生活に支障が出たり、他の病気との合併症がひき起こされたりします。この疾患と似ているものに、筋委縮性側策硬化症(ALS)という病気がありますが、筋ジストロフィーとALSでは、病気を引き起こしている場所に違いがあります。ALSは筋肉自体に原因があるのではなく、筋肉に指令を出す運動神経に原因があるとされています。一方で筋ジストロフィーは、筋肉の細胞自体の変異によって筋力の低下が起こるという違いがあり、2つの病気は区別されています。今回は筋ジストロフィーの原因や種類、診断方法や治療方法について、詳しくご紹介します。筋ジストロフィーの原因は?出典 : 筋ジストロフィーは遺伝や、遺伝子の突然変異によって発症します。原因となる遺伝子は多数発見されていて、それを責任遺伝子と呼びます。筋ジストロフィーを引き起こす遺伝子変異は、親から子へと遺伝する場合もありますし、親に筋ジストロフィーがなくても突然変異によって発症する場合もあります。遺伝形式は大きく分けて以下の3種類です。・X染色体連鎖・常染色体優性遺伝・常染色体劣性遺伝それぞれの遺伝の仕方にはどのような特徴があるのでしょうか。X染色体連鎖は、母親のX染色体のうち1つに原因遺伝子がある場合に、その遺伝子が男の子に引き継がれると発症するという遺伝形式です。原因となる遺伝子が女の子に引き継がれた場合は発症しません。常染色体優性遺伝は、ペアになっている遺伝子のうち一つに原因遺伝子があった場合に、それが子どもに受け継がれることで発症するという遺伝形式です。片方に原因遺伝子があると発症するため、親が原因遺伝子を持っているときは2分の1の確率で子どもに発症します。X遺伝子とY遺伝子の区別はないため、男女両方に遺伝の可能性があります。常染色体劣性遺伝は、1対の遺伝子の両方が原因遺伝子の場合に発症します。そのため、両親が原因となる遺伝子を持っている場合は4分の1の確率で子どもが発症します。この遺伝形式も上の常染色体優性遺伝と同じく、X遺伝子とY遺伝子の区別がないため、男女ともに遺伝の可能性があります。筋ジストロフィーはどのように発症するの?出典 : そもそも筋肉は、筋肉を構成する細胞によって構成されています。そしてその細胞を作っている要素の一つには、タンパク質があります。タンパク質は、決まった遺伝子の決まった配列によって作られているため、その遺伝子に何か異常があると、タンパク質の構成から、筋肉の構成にまで影響が出るのです。その結果、筋力が低下し、体の様々な機能に障害が現れる病気がこの筋ジストロフィーです。筋ジストロフィーの種類・特徴出典 : 筋ジストロフィーとひと口にいっても、その中にはデュシェンヌ型、ベッカー型、エメリー・ドレイフス型、福山型、肢帯型、顔面肩甲上腕型、筋強直性、眼咽頭筋型など、多くの種類が存在します。そしてそれぞれの種類によって遺伝の仕方や、症状、進行の程度などが大きく異なります。ここでは代表的な筋ジストロフィーであるデュシェンヌ型、ベッカー型、エメリー・ドレイフス型、福山型先天性筋ジストロフィーの3つを取り上げ、その特徴をご紹介します。デュシェンヌ型(Duchenne muscular dystrophy:DMD)は、発症するのが男の子に限られている筋ジストロフィーです。ジストロフィン遺伝子変異により、筋繊維膜直下に存在するジストロフィンたんぱく質が欠損することで生じます。日本に生まれてくる男の子のうち約3500人に1人が発症するといわれています。歩き始めるのが遅かったり、階段を嫌がったりという特徴から病気に気づく場合もありますが、多くの場合は血液検査によってたまたま発見されるようです。発症した人の中には知的な遅れが見られることもあり、場合によっては自閉傾向を示すこともあるようです。参考:日本神経学会「デュシェンヌ型筋ジストロフィー診療ガイドライン」デュシェンヌ型と同じく、ベッカー型(Becker mudclar dystrophy:BMD)の筋ジストロフィーも男の子のみに発症し、DMD遺伝子に変異が生じる疾患です。症状はデュシェンヌ型に似ているものの、成人を過ぎても歩行が可能であるなど比較的軽い症状が多いのが特徴です。中には運動をするときの筋肉痛が唯一の症状というケースもあるようです。出典:日本神経学会「未成年で発症する疾患」福山型(Fukuyama type congenital muscular dystrophy: FCMD)筋ジストロフィーは先天性の疾患で、日本に生まれてくる全ての子どものうち1万人に1人が発症するとされています。この福山型に関しては常染色体劣性遺伝という遺伝形式から男の子女の子問わず発症する可能性があります。出典: 日本筋ジストロフィー協会東京支部「先天性筋ジストロフィー研究の進歩」福山型の筋ジストロフィー患者さんには知的な遅れを伴っている人が多くいると言われています。しかしその程度には個人差があり、単語を複数つなげた言葉を話す人もいれば、普通の会話ができる人もいます。また、約半数の人にけいれんの症状がみられることもこの福山型の特徴です。公益財団法人精神・神経科学振興財団「福山型筋ジストロフィーの子育て」エメリー・ドレイフス型((Emery-Dreifuss:EDMD)もしくはエメリー・ドレイフェス型)筋ジストロフィーは、関節拘縮、humero-peroneal 型の筋萎縮、心伝導障害など、心筋症が起こる筋ジストロフィーです。心筋症が軽微な場合は発見が遅れる場合があります。遺伝子検査によって早期に診断し、必要に応じて心臓ペースメーカなどを導入します。参考:発症 42 年後に Emery-Dreifuss 型筋ジストロフィーと診断され両室ペーシング機能付き植え込み型除細動器(cardiac resynchronization therapy defibrillator; CRT-D)挿入となった 1 例筋ジストロフィーの診断方法出典 : 生後1歳未満に発症する筋ジストロフィーは先天性筋ジストロフィーと呼ばれています。親御さんが子ども低緊張の症状がみられる、歩きだすのが遅い、転ぶことが多いなど、複数の要素に気付いた場合に先天性筋ジストロフィーを疑って病院に行くことが多いようです。病院では採血・筋電図・DNAテスト(デュシェンヌ型やベッカー型の診断)・筋生検等を実施して筋ジストロフィーがあるかを調べます。筋ジストロフィーを診断できる病院は、現在全国に60ヶ所以上あります。また、もし専門病院が近くにない場合でも、神経内科において診療が可能です。筋ジストロフィーが診断可能な病院はこちらで見ることができます。日本筋ジストロフィー協会「協会で紹介する筋ジストロフィー(筋萎縮症)の専門病院」参考:「福山型先天性筋ジストロフィーの粗大運動機能と年齢の関係について」参考:一般社団法人日本筋ジストロフィー協会筋ジストロフィーの診断には、以下のような検査が用いられます。血液検査筋ジストロフィーの検査ではまず、血液検査が使用されます。血液検査では、「血清クレアチンキナーゼ」という値が見られ、この値が高い場合、筋細胞が壊れている可能性が考えられるため、筋ジストロフィーの診断に使用されています。遺伝子解析筋ジストロフィーは、遺伝子の異常によってひき起こされます。そのため、血液中の遺伝子を調べる遺伝子解析は、自分や自分の家族が筋ジストロフィーを発症する/している可能性を調べるのに有効です。また、筋ジストロフィーだと分かった場合は、その種類についての判別もすることができます。筋生検筋生検とは、筋肉の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査です。この検査は、症状の原因が筋肉にあるのか、神経にあるのかの判断に役立ちます。同時に筋肉に原因があるとしたら筋肉中のどこに原因があるのかを調べることができます。この検査には痛みが伴うため、局所麻酔が使用される場合が多いです。他にも筋ジストロフィーの診断には、症状の原因を探る筋電図検査や、筋肉の状態を見る筋肉CT等、さまざまな検査が使用されます。筋ジストロフィーと出生前診断出典 : 筋ジストロフィーの中には、出生前診断で確認できるものがあります。デュシェンヌ型筋ジストロフィーの場合では、遺伝子の変異があらかじめ分かっている状態(保因者)においてのみ、検査を受けることが可能です。また着床前診断も認可されており、受精卵の状態で検査をすることが認められていますが、100%の確率で確定診断することはできません。また、出生前診断は、命の選択にも関わる大きな問題です。医師だけでなく遺伝カウンセラーなどセカンドオピニオンからも十分な情報を得ること、また診断をするしないについても家族と話し合いを重ねていくことが欠かせません。日本神経学会「未成年で発症する疾患」筋ジストロフィーの治療方法出典 : 筋ジストロフィーの完全な治療方法は、今も研究途中にあります。しかし、筋ジストロフィーを発症した人がよりよい生活をしていくための方法は、次々と開発されてきています。今回はそれらの治療方法のうち2つをご紹介します。デュシェンヌ型の筋ジストロフィーには、ステロイド(プレドニゾロン、プレドニゾン)という薬が有効であることが分かっています。この薬には筋力の低下が始まってから筋力や筋能力を改善させる効果があると言われています。出典:日本薬局方 プレドニゾロン錠出典:日本神経学会「ステロイド治療」ステロイド治療は、筋力低下が著しくなった時から歩行が不可能になるまでの期間において行うのが一般的ですが、処方を始める時期や、終了する時期については、明確には定められていません。歩行が難しくなったあとでも効果を示すという実例があることからも、患者の方や家族の方の希望を考慮して治療を続けることも可能なようです。しかし歩行期間の延長という効果を発揮する一方で、高血圧や血糖値の上昇、体重増加などの副作用がみられることもあります。日本小児神経学会「筋ジストロフィーのステロイド治療について」もう一つは、リハビリテーションです。リハビリテーションには、関節が拘縮したり、変形したりしてしまうのを予防するものや、転んだり事故を起こしたりするのを予防するもの、また車いす等を使って生活をするための訓練や、肺や胸の動く範囲を保つ呼吸のリハビリテーション等があります。そのほかにも、呼吸不全に対する人工呼吸法、心不全に対する薬物治療等もあり、最近ではデュシェンヌ型の筋ジストロフィー治療に対する遺伝子治療も研究されています。医療の発達と共に、より効果的な治療が可能になってきていると言えるでしょう。筋ジストロフィーに知的障害は合併するの?出典 : 筋ジストロフィーの中のいくつかの種類には、知的障害が見られることがあります。例えば、デュシェンヌ型では、軽度から重度の知的障害が見られることがあります。また、先天性筋ジストロフィーの福山型には、比較的重度の知的障害を伴うことが多いことが分かっています。知的障害の程度や困りごとは人によってさまざまです。お子さんが筋ジストロフィーを発症した場合は、学校の先生や医師と相談しながら、本人が快適に学習できる環境を整えていくことが大切でしょう。筋ジストロフィー患者のための医療・福祉制度出典 : 筋ジストロフィーが発症した場合、治療には多大な費用がかかります。その際に役に立つのが医療費の助成です。・指定難病医療費助成制度筋ジストロフィーは国の定める指定難病です。そのため、筋ジストロフィーであることを申請し、特定医療費(指定難病)受給者証が交付されれば、指定難病に対する支援を受けることができます。・小児慢性特定疾病医療費助成制度18歳未満の児童を対象にした医療費助成制度として、国によって定められた疾患に対して医療費が助成されます。平成29年4月1日から722疾病が認定されています。各型の筋ジストロフィーのうち7つの型の筋ジストロフィーが対象になっています。(以下、出典をご参照ください。)出典:小児慢性特定疾病情報センター・自立支援医療(育成医療・更生医療)身体に障害を抱えており、その症状が手術等の治療によって確実に改善されるという見込みがある場合に、医療費の自己負担額が補助されます。筋ジストロフィーがある人の身体介護サービスなどに適用されています。・高額療養費の助成高額療養費は、医療機関で払った額が1ヶ月間で一定額を超えていた場合、超過分の金額が支払われるというものです。年齢や所得によっても支給額が変動します。筋ジストロフィーがある人の入院や手術などに適応されます。厚生労働省患者の自立:筋ジストロフィー患者の事例から知っておきたい公費負担医療制度筋ジストロフィーの患者には医療費の助成だけではなく、手当や貸し付け等も充実しています。・障害基礎年金国民年金に加入している間に初めて医師の診療を受けており、障害等級1、2級の状態にある場合に支給されます。平成29年4月現在、1級は年額97万4125円(77万9300円×1.25)、2級は77万9300円となっています。・特別児童扶養手当精神または身体に障害のある子どもを家庭において育てている方に支給される手当です。支給額は障害等級が1級の子どもに対して月5万1450円、2級の場合3万4270円となっています。(平成29年4月現在)所得に関する条件があるため、注意が必要です。障害基礎年金厚生労働省:特別児童扶養手当についてこれらの他にも、障害児福祉手当や障害児・者扶養救済制度、特別支援教育修学奨励費の支給等様々な手当があります。ご本人のご家庭の状況や症状の状態に合わせて、上手く利用していくとよいでしょう。また筋ジストロフィーの患者を支援するものの中には、金銭面での支援だけではなく、日常生活用具の貸出や給付をするもの、日常生活の介助のサービス、各種割引の制度などもあります。さまざまなサービスを上手く使いながら、より負担の少ない生活を送りましょう。まとめ出典 : 筋ジストロフィーは、その種類から症状、治療法に至るまでさまざまな病気です。根本的に病気を治す方法は今も研究途中ですが、医療やテクノロジーの発達、また手当などの制定によって、患者さんを支える幅広い選択肢とサポートはさらに広がってきています。リハビリや薬物療法など専門家の協力を得ながら、多岐にわたる課題を日常生活を通じて少しでも緩和できるよう、取り組んでいけるとよいですね。参考:日本筋ジストロフィー協会参考:難病情報センター参考文献:宮本信也/著、竹田一則/編『障害理解のための医学・生理学』2010年明石書店/刊参考文献:河原仁志/編著『筋ジストロフィーってなあに?』2008年診断と治療社/刊
2017年04月14日発達障害とは出典 : 発達障害とは、先天的な脳機能の障害で、想定される時期に年齢相応の発達が見られない、または年齢相応のスキルが獲得できないことで起きる障害を指します。その症状は、通常低年齢の発達期において発現します。2005年4月に制定された発達障害者支援法では発達障害は以下のように定義されました。この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。発達障害はいくつかのカテゴリーに分類され、診断基準によって多少異なりますが、大きく分けて「広汎性発達障害(PDD)」「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」「学習障害(LD)」の3つに分類されます。広汎性発達障害には自閉症やアスペルガー症候群などのコミュニケーションの障害が含まれますが、アメリカ精神医学会の診断基準である『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)では自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)という障害名に統合されています。また『DSM-5』ではADHDは注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害、学習障害は限局性学習症/限局性学習障害という診断名となります。これらの発達障害の中には知的障害が併存する場合もあります。Upload By 発達障害のキホン発達障害の原因は?出典 : 発達障害の症状は、先天的な脳機能障害が原因となって生じます。ですが、その詳細なメカニズムや、なぜその脳機能障害が引き起こされるのかははっきりとは解明されてはいません。研究が進み、発達障害の一部について証明された事実であったり、関連が指摘された要因については少しずつわかってきました。ですが発達障害の症状は様々であり、原因も多様であると考えられ、全ての人に当てはまる原因はないのではないかとも言われています。一方で、かつて言われていた「親のしつけ方・育て方が悪い」「親の愛情不足」といった心因論は現在では医学的に否定されています。以下に、現在考えられている発達障害の原因とそのメカニズムをご紹介します。発達障害の原因はまだはっきりとは解明されていないものの、発達障害を引き起こす脳機能障害には遺伝的要因が関連している可能性が指摘されています。例えば、広汎性発達障害に関しては、1970年代から盛んに双生児研究が行われ、一卵性双生児間では発現率が5~7割ほどという研究結果が多くあります。この数値は二卵性双生児の場合より高いと言われています。一卵性双生児は遺伝子情報が同じです。その一卵性双生児で一人が広汎性発達障害だと二人とも広汎性発達障害になる可能性が高いという結果が出たことは、何らかの遺伝子要因が広汎性発達障害と関連があることを示唆しています。また現在では、遺伝子研究が進み、染色体の一部分の重複により生じる発達障害があることや、それに関連する遺伝子がいくつか発見されています。ですが、一卵性双生児間での一致率が100パーセントではないことなどから、発達障害が単純な遺伝的要因だけで発現するわけではなく、現在では関連する遺伝子が複数あることもわかってきました。また、「親の育て方」という説や、MMRワクチンの接種が原因とする説など、研究の結果否定された環境要因もありますが、子どもの心身は、胎児期から発達期にとる睡眠や栄養、周りの人との関わりといった様々な要因によって支えられ、発達していきます。そのため、環境要因が全く関わりがないと考えることはできません。これらのことから、現在、発達障害にはなんらかの遺伝的要因が関わっているが、その他のさまざまな環境要因と複雑かつ相互に影響し合って発現するという考えが主流になっています。つまりある特定の遺伝子があれば必ず発症するというわけではなく、また遺伝的な要因と言っても親から子へ単純に遺伝するという意味ではないのです。さらに発達障害は、1つの原因による1つの道筋ではなく一人ひとり違った道筋を経て発症すると考えられ、全ての人にあてはまる要因を解明するのは難しいのではないかとも言われています。発達障害はどうやって発症するの?出典 : 発達障害が発症し、それが明らかになるまでには以下のようなステップがあります。1. 発達障害のもととなる脳機能障害が生じる発達障害はなんらかの遺伝的要因をもつ、つまり発達障害になりやすい体質が先天的にある人が、胎児期や出生後に脳や心身が発達する中で様々な要因の影響を受け、脳機能障害を生じることで起こると言えます。2. 脳機能障害により認知や感覚の偏りを引き起こされるそうした脳機能の障害や偏りによって、認知の方法や感じ方に違いが生まれ、それが様々な行動特性を引き起こすのではないかと言われています。例えば、情動を認知したりコントロールをする前頭葉や扁桃体などの機能に障害があり、そのために気持ちのコントロールやコミュニケーションをとるのが難しいのではないかという説もあります。また、発達障害のある人は記憶の仕方に特性があるといわれています。そのために非常に記憶力が高かったり、ワーキングメモリと呼ばれる情報の処理や記憶の仕組みにトラブルがあったりする人がいます。刺激を認識する機能になんらかのアンバランスが生じる人もいます。たとえば刺激を感じやすい感覚過敏や、逆に刺激を感じにくい感覚鈍磨がある場合もあります。3. 発達の遅れなどの症状が現れ、問題や困りごとが明らかになる発達障害の症状の発現時期は人によって異なります。最近では早期にそのリスクを発見するため、特に自閉症スペクトラムや広汎性発達障害などではアイ・トラッキング・システムなどを使い、初期症状を見つけるための研究も進められていますが、一般的には症状が顕著に発現するのは幼児期頃からと言われています。乳児期には周りの子どもとコミュニケーションをとったりすることもあまりなく、また個人差も大きい時期なので、はっきりとはわからないことも多いのですが、集団参加や社会的な機能が要求される時期になると、行動面や対人関係・社会性の側面でなんらかの症状が目立ち始めると言われています。きっかけとしては以下のような場合に、発達障害がある可能性に気づき、なんらかの支援を受けることが多いようです。・1歳半や3歳健診などの乳幼児健康診査や小児科などで発達の遅れを指摘される・園や学校に進んで集団生活がはじまり、コミュニケーションなどで困りごとが起きる・子育ての悩みを相談するまた、学習障害の症状の発現時期については、目立った症状が見られるようになるのは読み書きを覚え始める就学前の年齢になり、学習を開始してからだと言えます。また、幼少期の特性の偏りは単にその子どもの苦手や不得意に分類される可能性があり、区別が難しいため診断が遅れる傾向があります。障害が軽度の場合や特に困りごとが起きなかった場合など、見過ごされてそのまま成長することもあります。中には子どもの頃に気づかず、大人になってから広汎性発達障害と診断された方もいます。不安障害やうつ病などの気分障害・睡眠障害などのいわゆる二次障害と呼ばれる症状や状態となり、その検査を通して発達障害に気づく人もいます。発達障害の理解とl対応広汎性発達障害/自閉症スペクトラム・ADHD・学習障害、それぞれの原因は?出典 : 自閉症スペクトラム(ASD)や広汎性発達障害に含まれるグループについては、現段階では正確な原因は解明されていませんが、脳機能の障害により症状が引き起こされるといわれています。その脳機能障害は、先天的な遺伝要因と、様々な環境要因が複雑かつ相互に影響し合って発現するというのが現在主流となっている説です。最も中心的な関連遺伝子と考えられているのが、シナプスの形成とシナプスの機能にかかわるタンパク質をつくるために必要な情報にかかわる遺伝子です。たとえば、シナプスの形成に関与する遺伝子であるNLGN3やNLGN4、これらと機能的にかかわりの深いSHANK3などが自閉症スペクトラムとの関連が指摘されています。つまり、シナプスにおける神経伝達の軽微な異常によって、自閉症スペクトラムに見られる精神発達に障害が引き起こされると考えられています。(飯田順三/編・著『アスペルガー症候群の子どもたち』合同出版,2014年/刊p.95~96より引用)上記を含め、自閉症スペクトラムの関連遺伝子が数多く報告されています。ですが、さまざまな遺伝子が複雑に関連しているため、現時点では、原因となる遺伝子を完全に特定することはできてはいません。かつて広汎性発達障害に含まれていたレット障害(レット症候群)についてはX染色体上に存在する遺伝子の突然変異が原因だということが発見されました。1999年にMECP2という遺伝子が主な原因遺伝子であることが発見され、その後2004年にCDKL5、2008年にFOXG1という原因遺伝子も発見されています。そのため自閉症スペクトラム障害の概念から除外されました。また、広汎性発達障害や自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害の症状を引き起こすと考えられる脳機能の偏りとしては以下のような説があります。1. 脳領域間の機能的連結低下脳内のネットワークの連結機能がうまくいかず、定型発達の人の場合と比べて機能が低下していることから自閉症スペクトラム障害になるのではないかという説があります。2. 社会的な活動をするための脳の部位の機能異常人の脳には部位ごとに役割があります。その中に社会的な活動をするために使う部位もあり、以下のような部位に異常が起きたり働きが弱かったりするため、うまく人の表情や感情が理解できないのではないかと言われています。・扁桃体(へんとうたい)…人の表情を認識し感情を読み取る部位です・紡錘状回(ぼうすいじょうかい)…紡錘状回は人の顔を認識する部位です・上側頭溝…人の目や口などの部位の動きを認識する部位です・前頭葉…前頭葉にはミラーニューロンと呼ばれる神経が存在しており、人に対する「共感」の感情に関わっています3. 小脳の異常小脳は、平衡感覚や強調運動などに関わっていると言われています。そのため小脳に異常が起きると、バランス感覚をあまり持てなくなると言われています。ほかにも、小脳に異常が起きると感情や認知にも影響があるのではないかと報告されていますし、自閉症スペクトラム障害の中には実際に小脳への異常が見られた人もいます。4. 脳内物質の異常自閉症スペクトラム障害では、脳内物質に異常があるという報告があります。普通の人と比べて、血中オキシトシンが低い、セロトニンが高い、血中グルタミン酸が高いという違いが見られたという研究があります。ADHDの症状が起こる確かな原因はまだ解明されていませんが、ADHDには複数の関連遺伝子が素因としてあり、それらが様々な道筋をたどって、このような特有の脳機能の偏りを引き起こし、ADHDの症状につながるのではないかと言われています。現在有力だとされている素因は脳の前頭野部分の機能異常です。近年の研究から、ADHDの人は行動等をコントロールしている神経系に機能異常があるのではないかと考えられています。前頭葉は脳の前部分にあり、物事を整理整頓したり論理的に考えたりする働きをします。この部位は注意を持続させたり行動などをコントロールさせたりします。ADHDの人は、この部分の働きに何らかのかたよりや異常があり、前頭葉がうまく働いていないのではないかと考えられています。前頭葉が働くためには、神経伝達物質のドーパミンがニューロンによって運ばれなくてはいけません。しかしADHDの人の場合ニューロンによってドーパミンがうまく運べず前頭葉の働きが弱くなってしまい、それが原因で「多動」「衝動」「不注意」の3つの特徴が現れると考えられています。ADHDの人は五感からの刺激を敏感に感じ取ってしまう傾向がありますが、それも前頭葉の働きが弱いからだと言われています。思考よりも五感からの刺激を敏感に感じ取ってしまい感覚を過剰に感じてしまうので、論理的に考えたり集中するのが苦手となると考えられています。出典 : 学習障害の症状を引き起こす具体的な脳機能障害としては、中枢神経のトラブルが仮説の中でも最も有力と言われています。脳は無意識に感覚器官から入ってきた情報を処理し、整理して記憶します。そして必要に応じてその情報を取り出します。文字を読んだり書いたり、計算をしたりといった学習にはこれらの働きが必要です。中枢神経は脳や脊髄、体の様々な部分の働きを指令する部分であり、これらの情報処理を担っています。そのため、この機能のトラブルが学習障害の困難を引き起こすのではないかと考えられています。この説の検証が難しい理由は、医学的に検査を行っても分からないほどの小さな異常が原因とされているからです。発達障害を検査する方法はあるの?出典 : 現在の医学では妊娠中の羊水検査、血液検査、エコー写真などの出生前診断で判明することはありません。また、出生後も遺伝子検査や血液検査といった生理学的な検査では診断できません。これは、発達障害の原因が完全には解明されておらず、またその原因も複雑で単一ではないと考えられるためです。今後も生理学的な検査方法を確立するのはかなり難しいとも言われています。発達障害の人の多くが幼児の頃から12歳ぐらいの間に何らかの困りごとや症状をきっかけに専門機関を相談・受診し、医師によって発達障害だと診断されます。診断は問診と心理検査・知能検査などの様々な検査を総合的に判断して行われます。その他MRIを使い脳の器質的な疾病がないかを確認する場合もあります。検査や診察は一度ではなく、何度か行われたうえで慎重に診断が下されることが多いのです。発達障害は治療できるの?出典 : 発達障害を完全に治療する薬や手術などの医学的な方法は現在ありません。しかし、障害の特徴を緩和させたり、本人の困りごとを改善する方法はいくつかあります。例えば環境調整を含めた心理・社会的アプローチや症状を和らげるための薬の使用などです。早期からの療育は症状改善に大きな効果があるとされています。各都道府県に設置された「保健福祉センター」などで相談すると、適切な医療機関や児童発達支援なども紹介してもらえます。療育的支援では、苦手な部分をサポートしたり得意なことを伸ばすような訓練を受けることができます。適切なコミュニケーションの取り方や自己コントロールを学び、苦手な部分に対する対処法を身に付け自信をつけることで、困りごとを減らし二次障害の予防に繋がります。二次障害とは、適切な治療やサポートを受けられない場合に、うつや不安障害、不登校やひきこもりなど障害の主症状とは異なる症状や状態を引き起こしてしまうことを指します。ペアレントトレーニングと言って、発達障害の子どもを持つ親のためのトレーニングを実施している機関もあります。親が適切に接することで、子どもが日々感じている困難を軽減し、症状の改善に繋げます。また、特別支援教育や通常の教育のなかでも環境調整や合理的配慮を行いながら、一人ひとりに合わせた支援が行われます。発達障害の人の中には、こだわりや集中力を活かして高い専門性を身につけたり、優れた才能を持っている人もいます。才能・いいところを伸ばせるような教育が求められます。多動性や衝動性が強い子どもの場合、服薬を取り入れることもあります。脳内の神経伝達物質の不足を改善する働きがあり、症状がやわらぎます。症状が緩和することで、衝動的な行動で周りの友達と関係が築けず、孤立してしまう悩みなどが要因ともなる二次障害も予防できます。薬の服用で困難さが軽減されることで、本来の能力を発揮できるようになり、自分に自信が持てるようになるケースもあります。薬を服用している間は落ち着いて話を聞くことができるので、その間にスキルトレーニングを行い、本人の能力を高められるように親は努めましょう。しかしながら薬には合う合わないもあり、副作用が働いてしまう場合もあります。薬の利用は主治医とよく相談し、納得した上で用法・用量を守って進めるようにしましょう。また薬を利用したとしても、行動面や学習面での親や教育者からのサポートは引き続き必要です。まとめ出典 : 発達障害の原因を探ることは、治療法の開発・研究のためにはとても大切であり、世界中の研究者が日々、研究を進めています。その成果が少しずつ明らかになってはいるものの、いまだにわからないことが多いのが現状です。また、発達障害が発症する道筋は一つではなく、複雑な要因が絡み合っていると考えられるため、すべての人に当てはまるたった一つの原因は今後もわからないのではないかという考え方が主流となっています。ただ、ひとつ確かなことは、発達障害は、親や本人のせいで起きるものではないということです。目の前の子どもにとって大切なことは、どうしたら本人の困りごとがなくなるか、特性を生かしていけるかという対応方法を考えてみることです。一人ひとりの子どもの発達障害の特性は様々なバリエーションがあります。保護者や支援者が一人で悩み考えるのではなく、地域の相談機関や専門家と繋がりながら解決していきましょう。地域情報|発達ナビ日本小児神経学会 「発達障害診療医師名簿」参考文献:鷲見聡/著『発達障害の謎を解く』日本評論社/刊参考文献:日本精神神経学会/監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル 』医学書院/刊参考書籍:宮本 信也 , 竹田 一則 /編著『障害理解のための医学・生理学』明石書店/刊参考書籍:服部 陵子/著『Q&A家族のための自閉症ガイドブック―専門医による診断・特性理解・支援の相談室』明石書店,2011年/刊飯田順三/編・著『アスペルガー症候群の子どもたち』合同出版,2014年/刊せせらぎメンタルクリニック 「アスペルガー症候群の原因。アスペルガー症候群はなぜ生じるのか」松浦こどもメンタルクリニック 「ADHD」参考書籍:中山和彦・小野和哉/著『図解よくわかる大人の発達障害』ナツメ社,2011年/刊
2016年11月25日スウェーデンのカロリンスカ研究所は10月5日、今年のノーベル医学・生理学賞に北里大学の大村智 特別栄誉教授ら3名を選出したと発表した。今回は、アイルランドのWilliam C. Campbell氏、中国のYouyou Tu氏との共同受賞で、大村特別栄誉教授は抗寄生虫薬のエバーメクチンを発見した業績が評価された。エバーメクチンから開発されたイベルメクチンはアフリカなどの感染症に対し大きな効果をあげている。同教授はこれまでにも、2014年に医学への顕著な業績に与えられるガードナー国際保健賞を受賞するなど、寄生虫病に対する治療法の研究で国際的な評価を得ていた。
2015年10月05日自然科学研究機構生理学研究所の定藤規弘教授、総合研究大学院大の菅原翔大学院生、名古屋工業大学の田中悟志テニュア・トラック准教授の研究グループは8日、東京大学先端科学技術研究センターの渡邊克巳准教授と共同で、運動トレーニングを行った際に他人から褒められると”上手”に運動技能を取得できることを科学的に証明したと発表した。実験では、48人の成人にトレーニングを行い、ある連続的な指の動かし方(30秒間のうちにキーボードのキーをある順番にできるだけ早くたたく)を覚えてもらった。そして、この指運動トレーニングの直後に、被験者を”自分が評価者から褒められる”グループ、”他人が評価者から褒められるのを見る”グループ、”自分の成績だけをグラフで見る”グループの3つにわけ、”褒められ”実験を行った。自分が評価者から褒められたグループは、次の日に覚えたことを思いだして再度指を動かしてもらうときに、他のグループに比べて、より”上手”に指運動ができることがわかった。運動トレーニングの直後に褒められることが、その後の運動技能の習得を促したことが確認された。定藤教授は「”褒められる”ということは、脳にとっては金銭的報酬にも匹敵する社会的報酬であるといえる。運動トレーニングをした後、この社会的報酬を得ることによって、運動技能の取得をより”上手”に促すことを科学的に証明できた。”褒めて伸ばす”という標語に科学的妥当性を提示するもので、教育やリハビリテーションにおいて、より簡便で効果的な”褒め”の方略につながる可能性がある」と話している。今回の研究成果は、米国科学誌プロスワン(電子版、11月7日号)に掲載された。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月12日