秋のワイン祭りと街歩き@ドイツ
2013年11月14日
2013.10.6
ドイツの父なる川といわれるライン川。その中流域は、世界遺産となるほどの風光明媚な景色が続く。Boppard(ボッパルト)はライン川が大きくうねる場所に位置し、街からは悠々と流れる川とブドウ畑が臨める。川沿いには幾つも船着場があり、大小様々な船が発着している。船でケルンまで上っていくもよし、リューデスハイムまで下るもよし。ここを起点に、どんな旅ができるか想像するだけでも楽しい。
街散策のスタートは、Rhein allee(ラインアレー)と呼ばれる川沿いの遊歩道。10分もあれば端から端まで歩けるほどの距離だが、途中、土産物屋を冷やかしたり、カフェを物色したり。川沿いのカフェでは、秋の気配たっぷりの眺めを楽しみながらお茶する方の姿も。
川沿いには白亜のホテルが建ち並び、優美な空気が漂う。
ホテルのテラスで、新聞を読みながらコーヒーを飲むおじさんまでもが絵になる風景。
素敵なホテルと肩を並べるのは、17世紀に建てられた木組みのいえ。1951年からはカフェとして使われているというから、かなりの老舗。外から中を伺っていたら、店から出て来たおじさんに、「日本人かい?」と声をかけれた。日本人だと答えると、「この街と日本の青梅は姉妹都市なんだよ。」なんてマメ情報を教えてくれた。
「青年に夢を持たせるために」と、国民性の似ているドイツの都市との姉妹都市提携を望んでいたの青梅市。その当時、蛇の目ミシンの社長さんを介して、選定されたのがワインの産地として有名なこのBoppard(ボッパルト)。姉妹都市となったのが1965年(昭和40年)。以来、様々な交流が図られているそうだ。
ライン川を臨む景色を楽しんだ後は、ワイン祭りが開かれている広場へ向かう。路地へと足を踏み入れると、ブドウの葉がつたう素敵な風景。
この通りにはWeinstube(ヴァインシュトゥーベ=ワイン酒場)があり、店の入り口にはとぼけた給仕が飾られていた。ミニチュアのワインボトルやグラスが可愛らしくて、見入ってしまう。
広場へ向かう途中、出会ったのが、厳しい顔のお母さんと男の子。昨夜はワイン祭りに訪れた呑ベイ達に悪戯されて、男の手にはチョコレートやらいろいろな菓子が乗せられておりました。祭りの会場同様に朝にはすっかり掃除されておったのが、ワイン祭りの最終日となるこの日、よからぬ輩がお供え物よろしく悪戯するのは必至でしょう。
小さな街ながら、目抜き通りはなかなかの賑わい。
Boppard(ボッパルト)には2つの教会がございまして、こちらはMarktplatz(マルクト広場)に建つSt. Severus。
教会周辺には、おいしそうなレストランがいくつもございます。今回の滞在ではワイン会場の出店で、飲んだり食べたり。残念ながらこの街のカフェやレストランに一度も入ることができなかったが、どこもハズレはなさそう。
ワイン祭りの期間中、この街には音楽が溢れる。メイン会場のステージでの演奏をはじめ、いくつものマーチングバンドが街角でウキウキするようなメロディーを奏でていた。
メルヘンな装いの機械からは、ノスタルジーたっぷりなメロディー。大きなカセットテープをセッティングすると演奏がはじまる仕掛け。太鼓を自動的に叩くスティックが装置に取り付けてあったりして、眺めているのがまた楽し。
2度の週末に渉り開かれたワイン祭り。会場となるMarktplatz(マルクト広場)は、昼前で人影まばら。
オランダから招かれたバンドの演奏がはじまると、あちらこちらから人が集まりだし広場に活気が溢れ出す。バンドの名は、”Zuutjes An”。曲と曲の合間にはワインをきゅっと飲み干したりと、リラックスな雰囲気での演奏。聴いているこちらもゼクトを片手に・・・、音楽は酒とともに楽しまねば。
【Sekt(白・ロゼ)・・・2ユーロ/0,1l】
会場にはテーブルと椅子もございますが、立ち飲みが流儀のよう。この通り、背の高いテーブルと樽がポツポツ置かれいる。
ドイツが誇るのはビールだけではござりません。年間を通し各地でワイン祭りが開かれるほど、ワインもおいしい国。
こちらは最後に頂いたワイン。どれにしようか迷ってしまい、店のおじさんに「オススメはどれですか?」と尋ねたら、おじさんがものすごく不機嫌になっしまった。「どれもおいしいんだよ!馬鹿なこときくなよ。」だとさ。店の名前は、”Weingut Toni Lorenz”。頑固おやじがいるラーメン屋のような緊張感。グラスで頂いたワインが旨かったので、1本土産に買ってみたら、「どうだ!うまいだろう」的な笑顔のおやじ。
世界遺産のライン川中流域に位置するBoppard(ボッパルト)で、ワインと音楽をたっぷり楽しめた週末でございました。写真の城は、ライン川に浮かぶ城。Boppard(ボッパルト)をリューデスハイム方面に下っていくと、こんな変り種の城も見れるんでございます。父なるラインは紅葉真盛り、ドイツの秋もなかなか素敵でござるよ。
- Text & Photo by
- うきうきビール生活 in フランクフルト