湿度の高い日本の家庭で重宝する除湿機ですが、どれも似たような見た目なためおすすめ商品がわかりづらいですよね。「失敗しない選び方は?」「季節ごとに最適な商品はある...
山田貴史
某大手イヤホン・ヘッドホン専門ショップ元販売員です。10年間勤めていました。初心者から専門家レベルの接客経験があるので、読者様それぞれのニーズにあった情報をお届けします。
プロフィール詳細へ>>湿度の高い日本の家庭で重宝する除湿機ですが、どれも似たような見た目なためおすすめ商品がわかりづらいですよね。「失敗しない選び方は?」「季節ごとに最適な商品はあるの?」という疑問に答えるため専門家にヒアリングして8台厳選しました!
ママアイテム編集部
見た目はどれも似ていますが、実は商品ごとにかなり違いがある除湿機。買ってから「思ったのと違う……」と後悔しないように、以下の項目をチェックしておきましょう。
除湿機には大きく分けて3種類あります。それぞれ良い点と悪い点がありますので、自分がどのタイプを購入すれば良いのか確認しましょう。
コンプレッサー式 | デシカント (ゼオライト)式 | ハイブリッド式 | |
特徴 | 空気を取り込んで冷やし、結露させた水分を取り除いて乾いた空気を送り出す | 空気中に含まれる水分を乾燥剤(ゼオライト)に吸着させて、乾いた空気を出す | コンプレッサー式とデシカント式を組み合わせている |
メリット | ・除湿できる量が多い ・気温が高いほど除湿効果が高くなる | ・サイズが小さく軽いものが多い ・運転音が小さめ | 夏はコンプレッサー式、冬はデシカント式で1年中使用できる |
デメリット | ・気温が低いとあまり効果が発揮されない ・重い | ・ヒーターを使用するので電気代が高くなる ・室温が上昇するので夏は使いにくい | ・本体が大きめ ・価格が高い |
おすすめな人 | 気温も湿度も高い梅雨の時期や夏に使用したい人 | 冬の室内干しや結露対策に使いたい人 | 洗濯物を室内干しする習慣があるなど、1年中除湿をしたい人 |
最近はコンプレッサー式とデシカント式の両方を兼ね備えたハイブリッド式の除湿機も多いですが、価格は高めです。お財布と相談しながら、どの商品を買うか決めましょう。
商品によって取り除ける水の量に違いはありますが、なにをもって除湿力を判断すれば良いかわかりづらいですよね。除湿機の能力を簡単にチェックするには、定格除湿能力を確認しましょう。
定格除湿能力は、除湿機を1日運転させた場合に取り除くことができる水の量を表す指標です。定格除湿能力が大きい方がたくさん水を取ってくれますが、数値が大きければ大きいほど価格は高くなるので、使用する部屋の広さを考慮しつつ選ぶと良いでしょう。
除湿機は空気中の水分を取り込んで乾いた空気を出すことで、室内の湿度を下げます。空気中の水分は排水タンクの中に溜めるので、タンクがいっぱいになると運転ができなくなってしまいます。
排水タンクの容量が大きければ、それだけ水を捨てる回数を減らすことができます。除湿力の高い商品は水が溜まるスピードも早いので、なるべくタンクが大きめの商品を選んで捨てる手間を省くと良いでしょう。
除湿機は構造上、空気を本体の中に取り込むため、部品であるフィルターの掃除や交換が必要になってきます。また、空気中の水が内部に溜まるので、放っておくとカビが発生する原因になってしまいます。
そのため、フィルターや排水タンク、本体の掃除をこまめに行う必要があります。どの商品でもメンテナンスは必要になりますが、内部を乾燥させる機能がついているなど、より掃除が楽になる商品を選ぶと大変さが緩和されます。
よく売れている商品は、いくらで買えるのでしょうか?ここでは、除湿機の最安値とされている価格帯や、売れている商品の価格帯、そして高級商品の価格帯を見ていきましょう。
最安値価格帯 | 売れ筋価格帯 | 高級価格帯 | |
価格 | 〜1万円以下 | 1万5千〜4万円 | 5万円〜 |
特徴 | ・排水タンクの容量が小さい ・除湿能力が劣る | ・使い勝手が良い ・除湿能力がそれなりに高い | ・除湿能力が高い ・広い部屋にも使える ・多機能 |
衣類や部屋の乾燥に使う除湿機であれば、安くても5千円以上することが多いです。大体1万5千円以上予算が確保できるのであれば、よく売れている人気商品を購入できますね。
価格の高い商品の中には、空気清浄機としても使用できるような多機能のものもあります。除湿と同時に空気の汚れやにおいを取り除きたいのであれば、空気清浄機と一体になったものを購入するのも良いでしょう。
除湿機も空気清浄機と同じく空気を取り込む構造をしているので、空気清浄機でも有名なメーカー各社が、除湿機でも高性能な商品を販売しています。
確かな除湿力と洗練されたデザイン、そして大手メーカーならではのブランド力で人気の除湿機を販売しているのが、パナソニックです。ハイブリッド式の除湿機の取り扱っているので、季節を問わない使い勝手の良さで高評価を得ています。
古くから日本の家電業界を支えてきたメーカーである三菱電機は、機能的な除湿機を揃えています。本体内の掃除ができる機能が搭載されていたり、フィルターが抗菌になっていたりと、長く使い続けることを考えたメンテナンス力に定評があります。
生活家電や調理用品、日用品など幅広い商品を展開しているメーカーといえば、アイリスオーヤマです。除湿機能のみのシンプルな商品が多いですが、その分価格は安いので手が届きやすいです。多機能商品を求めていない人におすすめですね。
空気を綺麗にする独自技術「プラズマクラスター」が搭載された商品を多数販売しているシャープ。プラズマクラスターは除湿機にも搭載されています。空気清浄機能や加湿機能が付いた多機能除湿機が人気を集めていますね。
調理家電や生活家電を多く販売しているほか、ホームページやSNSでの情報発信も盛んに行っている象印は、独特な除湿機が注目を集めています。回転しながら送風したり、コースを選べたりと使い勝手の良い除湿機で、室内干しでもストレスなく乾燥させることができます。
除湿能力
排水タンクの容量
メンテナンス
運転音の静かさ
連続排水
気温が高いほど除湿効果が高まるコンプレッサー式除湿機は、夏に使用すれば少ない電力で高い効果を発揮してくれます。多くのメーカーから優れた商品が販売されているので、チェックしてみましょう。
除湿能力:コンプレッサー式
排水タンクの容量:3L
メンテナンス:◯
運転音の静かさ:標準49dB/弱29dB
連続排水:◯
2017年4月に発売された「三菱電機 MJ-120MX」は、室内に干した洗濯物を乾かす機能に優れている除湿機。衣類全体を乾かす全体乾燥の他に、乾きにくい部分に集中的に送風する集中乾燥機能が付いているのです。
シャツのワキ部分など、生地が重なっているところは乾きにくいので、まず全体を乾かした後に集中的に風を当てて乾燥させます。すると乾燥具合にムラができず、干し直すこともありません。赤外線センサーと温度・湿度センサーによる乾き具合の把握は、大手電機メーカーならではの技術といえるでしょう。
また、衣類の乾燥だけでなく、部屋中の除湿にも使えます。「部屋サラリ」モードを使えば、カビの発生を抑えられますよ。梅雨時にも最適です。
除湿能力:コンプレッサー式
排水タンクの容量:4.5L
メンテナンス:◯
運転音の静かさ:標準50dB/39dB
連続排水:◯(24時間で運転停止)
コンプレッサー式のデメリットとして、気温が低い冬は除湿力が発揮しづらいという点があげられますが、「コロナ CD-H1817」は冬でも強力に除湿ができます。室温が10℃を下回ると、ヒーターを使用して除湿を行う冬モードが搭載されているのです。
ヒーターがついているならハイブリッド式ではないかと思われますが、コンプレッサー式です。ハイブリッド式の商品よりも価格が抑えられるので、冬も除湿機を使用したい人におすすめです。
また、4.5Lという大容量タンクのおかげで約6時間連続で運転が可能です。お出かけ中にも除湿ができて便利ですね。運転を停止したあとに本体内部を乾燥してくれるモードが搭載されているので、カビの発生を抑制して清潔に保つことができます。
除湿能力:コンプレッサー式
排水タンクの容量:4L
メンテナンス:◯
運転音の静かさ:記載なし
連続排水:◯
除湿と同時に空気の汚れも取れたら良いなと考えているあなたには、「アイリスオーヤマ DCE-120」がおすすめ。
空気清浄機能付き除湿機なので、しっかり湿気を取りながら空気を綺麗にしてくれるのです。集塵フィルターの他に活性炭フィルターもついているので、空気中を漂う嫌なにおいも除去してくれます。多機能で最安値は2万円台という安さなのが驚きですね。
除湿力はかなり優れているといえますが、「温風が出て室温が高くなる」という意見も見られました。外出中に除湿機を働かせておいて帰宅すると、3℃ほど室温が上昇していたという人もいました。
コンプレッサー式ですが、夏の暑い日に使うのは少し大変かもしれません。暑くなっても良いから空気を綺麗にしたい人に向いています。
除湿能力:コンプレッサー式
排水タンクの容量:3.5L
メンテナンス:◯
運転音の静かさ:記載なし
連続排水:✕
見た目のスタイリッシュさは求めないから、とにかくしっかり洗濯物を乾かせる除湿機が欲しい!というあなたには、「アイリスオーヤマ DCC-6515C」がおすすめ。コンプレッサー式の除湿機の上にサーキュレーターを組み合わせた、独特な見た目のモデルです。
スタイリッシュとは程遠いですが、サーキュレーターの強力送風によって室内に干した洗濯物もバッチリ乾きます。梅雨時に発生する生乾きの嫌なにおいも格段に抑えられますよ。
サーキュレーターを向きを変えれば、押し入れの中や部屋の隅などカビが発生しやすい場所にもピンポイントで使えます。実際に湿り気の多い場所に使うとカビが発生しなくなったと、購入者も確かな手応えを感じていますよ。
除湿能力:コンプレッサー式
排水タンクの容量:3L
メンテナンス:◯
運転音の静かさ:40dB
連続排水:✕
洗濯物を室内で乾かすために除湿をしたいけれど、冬の風邪が流行る時期は十分に加湿をしたいという人は、加湿機としても除湿機としても使える「シャープ KC-HD70」を購入してみてはいかがでしょうか。
除加湿空気清浄機なので、空気を清潔に保ちながら除湿と加湿を使い分けることができます。すべての機能が1台で済ませられるので、何台も家電を購入しなくて良いですね。本体サイズが大きいので場所を取りますが、年中使えます。
除湿・加湿・空気清浄の3役を1台でこなすため、価格は高いです。除湿と空気清浄のみで構わないのであれば、もっと安い商品はありますね。加湿と除湿を使い分けたい場合はこの商品を購入すると便利でしょう。
ヒーターを使用するため室温が上がりやすいデシカント(ゼオライト)式除湿機は、冬に使うのがおすすめです。冬に室内の洗濯物を干すときなどに重宝しますよ。
除湿能力:デシカント式
排水タンクの容量:2.8L
メンテナンス:◯
運転音の静かさ:47dB
連続排水:✕
「象印 RJ-XA70-WL」は、デシカント式除湿機の中では人気の高い商品です。円柱状のおしゃれな見た目と便利な機能が、購入者を満足させています。
最も大きな魅力は、送風幅が選べる点です。部屋全体の空気をかき混ぜて除湿することもできますし、洗濯物を干している場所にだけピンポイントで風を当てることもできます。
デメリットとして排水タンクの容量が小さいことが挙げられます。以前発売されていたモデルが6Lという大容量だったために、購入者も不満に思いやすいのでしょう。
しかし、大容量にすると水捨てをサボってカビが発生してしまうため、かえってタンクが小さくて良いという意見もありました。こまめに水を捨てられるのであれば、問題ないでしょう。
コンプレッサー式とデシカント式それぞれのデメリットを補い、良い所だけを生かしたのがハイブリッド式除湿機。価格は高めですが、1年中快適に除湿することができますよ。
除湿能力:ハイブリッド式
排水タンクの容量:3.2L
メンテナンス:◯
運転音の静かさ:おまかせ49dB/おまかせ・中39dB
連続排水:✕
高性能なハイブリッド式除湿機を販売しているパナソニックですが、特に使い勝手の良い商品として「パナソニック F-YHPX120」が挙げられます。シンプルでスタイリッシュなデザインですが、強力な除湿機能を搭載しています。
ポイントは、乾かしたいものに合わせて風向きを変えられるところ。たくさん洗濯物があるときは広く風を送るワイド送風、乾きにくい衣類には集中的に風を当てるスポット送風というように、風の幅を変えてしっかり乾かすことができるのです。
雨の中の部活でビショビショになった子どもの運動靴を明日までに乾かしたいというときも、下向きに風を当てればあっという間に乾かすことができます。ハイブリッドなので1年中快適に使えるのも嬉しいですね。
除湿能力:ハイブリッド式
排水タンクの容量:5L
メンテナンス:◯
運転音の静かさ:おまかせ49dB/おまかせ・中44dB
連続排水:✕
「パナソニックF-YHPX200」は、上で紹介した「パナソニック F-YHPX120」と同シリーズなので機能はほとんど同じですが、排水タンクが5Lという大容量になっています。
こまめに水を捨てる必要がないので、出かける前に電源を入れておけば外出中に衣類乾燥をしてくれますよ。大容量タンクでもこまめに掃除をしなければカビが発生してしまうので、清潔にすることをこころがけてくださいね。
また、先ほど紹介した商品と比べると約1.6倍の除湿パワーを誇ります。そのため、全体がジメジメしている部屋や、大家族の洗濯物乾燥にも使えます。効果が高い分価格も高くなりますが、ハイパワーを求めるのであればこちらがおすすめですね。
どの種類の除湿機を買えば良いの?そもそもエアコンのドライ機能じゃダメなの?
除湿機はそれなりに価格が高い家電ですから、購入前は慎重になって色々な疑問が出てきますよね。疑問はここでまとめて解決しましょう。
冬場に使用するのであれば、デシカント式かハイブリッド式がおすすめ。コンプレッサー式は空気を取り込んで冷やすことで水分を取り除く方法なので、もともと空気の温度が低い冬は、せっかくの高い除湿効果が十分に発揮されないのです。
冬の室内干しにのみ使用するのであればデシカント式、1年を通して使用するのであればハイブリッド式が良いでしょう。
使えないことはありませんが、デシカント式はヒーターを使用するので室温が高くなってしまい、夏には不向き。せっかく湿気を取り除いてくれても、夏に部屋が暑くなるとまた違ったストレスが出てきますよね。
夏にデシカント式の除湿機を使う場合は、部屋に人がいない外出時などに限って使うと良いでしょう。
エアコンのドライ機能は部屋の湿気を取り除くことができますが、あくまで空間に使用することができるだけです。狭い部屋であれば簡単に湿度を下げられますが、広い部屋になると全体を乾かすことは難しいですし、洗濯物を早く乾かす機能もありません。
除湿機は部屋の湿度を下げてくれるほか、室内干ししている洗濯物を早く乾かすことができます。取り込める水の容量も除湿機のほうが多いので、効率的に湿気を取り除いてくれますよ。
最近は梅雨時だけではなく、花粉やPM2.5を避けるため、そして防犯目的から洗濯物を室内に干すのが定番になりつつあります。室内に干すと乾くのに時間がかかり、生乾きの嫌なにおいがしてしまいますよね。除湿機は効率的に湿度を下げて、洗濯物を早く乾かしてにおいを防いでくれる優れものです。
コンプレッサー式、デシカント(ゼオライト)式、ハイブリッド式という3種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットは記事冒頭で紹介したとおりなので、あなたに合った商品を賢く選ぶために参考にしてみてくださいね。
空気を清浄してくれるものが良いのか?メンテナンスが楽な商品が良いのか?確認すべきポイントは色々あります。購入してから希望と違ったと後悔しないように、商品選びは慎重に行いましょう。専門家にヒアリングをして書いたこの記事が参考になれば嬉しいです。