小型PCは仕事にもプライベートにもおすすめで、何と言っても持ち運びのしやすさが魅力的。しかし、せっかく購入するなら軽いだけではなく性能にもこだわりたいものです。...
山田貴史
某大手イヤホン・ヘッドホン専門ショップ元販売員です。10年間勤めていました。初心者から専門家レベルの接客経験があるので、読者様それぞれのニーズにあった情報をお届けします。
プロフィール詳細へ>>小型PCは仕事にもプライベートにもおすすめで、何と言っても持ち運びのしやすさが魅力的。
しかし、せっかく購入するなら軽いだけではなく性能にもこだわりたいものです。
そこで、今回はパソコンの専門家に小型PCのノウハウを教えていただきました。
ママアイテム編集部
一言で小型PCと言っても実にさまざまなメーカーやブランドがあって、とてもじゃないですがそう簡単には比較ができません。しかし、専門家によると、自分に合う小型PCを選ぶポイントは主に6つなんだそう。
自分がどのようなシーンでどんな使い方をするのかというのが明確になっていれば、パソコン選びで失敗することはないでしょう。
ふだんからパソコンを使用することが多い人は「メモリの容量」という言葉をよく耳にするかもしれません。
メモリ容量というのは、簡単に言うとパソコンの処理能力のことを指します。
ですので、メモリの容量が大きければ大きいほど処理スピードが速く、途中で動作が止まるようなこともなくなってきます。
しかし、ただ大きければ良いというものでもなく、小さなデータ処理しかしないのに大きなメモリ容量のパソコンを使っていても無駄でしかないのです。
しかも、メモリ容量が大きいほど値段も高くなりますので、自分の用途に合ったメモリ容量に合わせてパソコンを選ぶようにしましょう。
一般的なメモリ容量の目安としては1〜2G程のものが多く、インターネットや資料作成等が問題なく行える容量となっています。一般的な企業で使用しているもの2Gのものが多いそう。
4〜8Gになってくると、いわゆるハイスペックと呼ばれるレベルになり、重い動画や画像の編集だったり、プログラムの処理を問題なくこなせる容量となります。
そして、8G以上の超ハイスペックとなると、高画質のオンラインゲームや大きなプログラムを処理するような専門家が使うレベルです。
メモリ容量1~2G | メモリ容量4~8G | メモリ容量8G以上 |
インターネットや資料作成ができる | 動画や画像編集ができる | 大きなプログラム処理ができる |
CPUとはパソコンの中央処理装置のことで、人間の体で例えると脳の部分に該当します。つまり、情報処理やデータのやり取りを行う最も重要なものということ。
ですので、CPUの性能が良いほど頭がよく処理速度も速くなります。
しかし、CPUの性能もメモリ容量と同様、高い料金を払って高性能のパソコンを購入しても使われていなければ無駄になります。
そして、そんなCPUの性能(頭の良さ)を表しているのが「性能スコア」と呼ばれる数値です。
体感ではよくわからない性能も数値にすることで明確になります。
インターネット検索や動画閲覧、文書作成程度であればスコアが2000〜3499程度のCPU性能で十分でしょう。
また、動画編集やエンコードを使用する場合では3500〜5499、CG作成やCAD、3Dゲームを行うようなら高処理、高負荷にも耐えられる8000〜9999くらいの性能スコアのものを選ぶのが妥当なところでしょう。
CPU性能2000~3499 | CPU性能3500~3499 | CPU性能8000~9999 |
インターネット、文書作成、動画 | 動画編集、エンコード使用 | CG作成、CAD、3Dゲームなど |
ちなみに、主流となっているCPUは2メーカーとなっていて、ほとんどのパソコンには「インテル」か「AMD」のCPUが搭載されています。
どちらも同じくらいの知名度と性能の良さがあるのでどちらでも問題ありませんが、どちらかといえばAMDの方が価格が低めになっています。
それから、パソコンを購入する際には「デュアルコア」とか「クアッドコア」という記載がされているのですが、この「コア」というのはCPUの中にあるチップのことを指しています。
CPUの中で実際にデータ処理をするコア部分になります。
デュアルコアはチップが2つ、クアッドコアはチップが4つ搭載されていて、数字が多い方が一度に処理できるデータ量も大きいということ。
つまり、CG作成やCAD、3Dゲームを行うのであれば、性能スコアの高い、クアッドコアのCPUを選ぶようにするのがおすすめなのです。
小型PCと言っても大きさもさまざまで、11インチほどのものから超小型と呼ばれるものまで揃っています。
持ち運ぶ頻度が多いのであれば小さいに超したことはありませんが、あまり小さすぎると「スマホとかわらないんじゃない?」なんて思いますよね。
しかし、これらもニーズがあるから存在しているわけで、使い方によっては画期的な小型PCなのです。
世間で小型PCと呼ばれるものは液晶ディスプレイの大きさが11インチ以下のパソコンで、モバイルパソコンなんて呼ばれたりもしています。
形も、ノートパソコンをそのまま小さくしたようなものや、スマホにキーボードを付けたようなもの、また、超小型と言われるものではもはや液晶やキーボードはなく、てのひらサイズの箱をモニターやテレビ画面の後ろに付けて使用するといったものになります。
これらも自分の用途に合わせて選ぶことで、より効率的に使用することができます。
ストレージというのは、データの情報を記録するハードディスクや光磁気ディスクドライブなどの記憶装置を言います。
主流になっているのはHDDやSSDですが、どの装置が内蔵されているかによってパソコンの重さやバッテリーの消費量が変わってくるので、購入する際にはストレージも確認しておくべきポイントなんだそう。
このHDDとSSDを比べてみると、総合的にはSSDの方が性能がよく軽量化もされている装置なので、とくにこだわりがないのであればSSDを選ぶのが妥当でしょう。
HDD | SSD | |
容量 | ◎ | △ |
性能 | ◯ | ◎ |
省エネ | × | ◎ |
小型化・軽量化 | × | ◎ |
衝撃に対する強さ | × | ◎ |
小型PCともなると持ち運びのしやすさを重視してつくられているものが多いので、コンパクトで軽量化されているものが多いです。
なかには、ラップトップとして使用するだけでなく、液晶画面とキーボードの取り外しができて画面タッチで操作ができる「タブレット機能」がついたものもあります。
これであれば簡単な用途の時にはタブレットとして持ち歩くことができるので、重さがだいぶ軽減できるでしょう。
打ち込みが多くなる場合にはキーボードを取り付ければ良いだけなので、さらにいろいろな使い方ができるようになります。
こういった変換機能も考慮して、できるだけ効率的に使用できるものを選ぶようにしてみましょう。
パソコンを購入するうえで気になるのがやはり値段ではないでしょうか。
家電量販店や専門店では実際にパソコンを見てから購入ができますが、人件費のかからないネット販売の方が価格が低めに設定されています。
とはいえ、ネット上でも本当にたくさんのショップがあってそれぞれ価格も違うので、ある程度相場をチェックすることが必要です。
そして、パソコンの価格というのは大きさに比例しているものではありませんから、小型PCだからと言って価格が低いわけでもないのです。
最安値価格帯、売れ筋価格帯、高級価格帯それぞれの特長を理解して、その中から自分の予算に合ったものを選ぶようにすると、自ずと自分に合ったパソコンが出てくるようになるでしょう。
最安値価格帯 | 売れ筋価格帯 | 高級価格帯 | |
価格 | 10,000〜20,000円 | 30,000〜80,000円 | 90,000以上 |
特徴 | 基本的な機能しかつていない | 基本的なソフトがプリインストールされている | ハイスペックPC |
小型PCは、一般的な大きさのノートパソコンやデスクトップと比べて需要が少なくなりがちなため、全てのメーカーから販売されているわけではありません。
とはいえ、持ち運びが便利なので密かに人気があるのも事実です。
有名一流メーカーでも展開しているところが多いので、ここでは小型PCを取り扱っているおすすめメーカーをまとめてみました。
エネルギー、社会インフラ、電子デバイス、デジタルソリューションの4つの分野から社会を支えている有名メーカー。日本国内だけでなく全世界で名が通っているほどの人気があります。
数あるノートパソコンの中でも「Dynabook」シリーズが有名です。
日本の国内シェアTOP3に入る超有名メーカーです。個人ユーザーはもちろん、世界中の大企業でもNEC製品を導入しているほどの信頼と実績があります。
人気ノートパソコンモデルは「LAVIE」となっていて、ハイスペック機能にも自信を持っています。
こちらも世界で知られる日系メーカーです。多くの企業で製品が導入されていて、スマートフォンやタブレットなどを含め、国産コンピューターにこだわった幅広い製品を展開しています。
人気モデルは「LIFEBOOK」です。
生活過程で使用するあらゆる製品を手がけている超有名日系メーカーです。
新しい技術をどんどん取り入れていくメーカーなので、こちらも世界的な人気を誇っています。認知度と信頼性も超一流。
そんなパナソニックはノートパソコンの「Let’s note」で知られています。
世界1位のマザーボードとコンシューマ市場を誇る台湾のメーカーです。ノートパソコンの出荷台数はなんと世界2位。パソコン向けの高性能パーツやインターネットデバイスも手がけていて世界中で注目を集めています。
BTOを主な販売方法としている日本のパソコンメーカー。
パソコンに特化しているだけあって、多彩なラインアップの中なら低価格でカスタマイズができるという魅力が人気を呼んでいます。
また、電話サポートや修理対応も手厚いことで知られています。
ノートパソコンは会社や自宅でも利用されているもので、持ち運びができるとして人気があるタイプです。
そんなノートパソコンをそのまま小さくしたのが小型ノートPC。一般的なノートパコソンに比べて更に持ち運びに優れたタイプとなります。
小さくても機能は劣らず、お仕事にもプライベートにも問題なく利用できる優れもの!
まずは、ストレージの総合的性能が高いSSDを搭載した高性能小型ノートPCを紹介しましょう。
小型で軽量にも関わらずCPUはクアッドコアを搭載。更にSSDが加わることで本格的なパソコンに劣らない使い方ができます。
また、持ち運びがしやすいとなるとその分出先でUSBデバイスなどを使う頻度が増えますが、こちらはUSB端子を本体側面に配置してあるので、いろいろなデバイスが使いやすい作りになっています。
更に、映像出力端子のHDMIとD-Subも備え付けられていて、ビジネスシーンでも十分に活躍できる小型PCなのです。
容量やスピードが足りなくなった場合にも、もっと高性能なタイプへのカスタマイズが可能だから、長く使うことができるでしょう。
搭載するSSDやCPUを複数の性能から選ぶことができ、自分の用途に合わせてカスタマイズができます。
そして、出先で使用するには嬉しい低消費電力・低発熱設計!ファンレス構造にもなっていて図書館などの静かな場所でも気兼ねなく作業ができます。
本体のデザインやキーボードの使いやすさも考慮されているので作業がしやすく、SDカードスロット、HDMIコネクタ搭載、USBポートが2つ、オーディオ端子という、モバイルPCとしては十分な拡張性だといえるでしょう。
こちらはB5サイズのノートよりもひとまわり小さいコンパクトボディが魅力です。
USBポート、LANポート、VGA、SDスロットル、HDMIのコネクタがフル装備されているので、外つけ不要でどんなデバイスも繋げることができます。
そして、セキュリティチップ(TPM)が搭載されているのも嬉しいポイントでしょう。
液晶は360度回転できるようになっていて、タブレットに切り替えて使用することもできます。
また、こちらのシリーズも低省電力設計となっているからバッテリーの持ちが抜群。出先で充電を気にするストレスがだいぶ軽減できるでしょう。
8色から好きなカラーを選べるということと、カラーキーボードもおしゃれ感があって好評です。
出先でノートパソコンを使用する際に必要となるWi-Fiやテザリングを気にせず、いつでもどこでも使用できるLTE内臓を選択できるというのが大きな魅力です。
しかも、SIMフリータイプなので国内外でストレスなく使用ができるという、まさにモバイル感覚で使用するノートパソコンです。
モバイルPCには珍しい16GBの大容量と、USBポート3つ、LAN、VGA、HDMI端子の搭載で、その辺の低価格なノートパソコンよりもはるかに高性能です。
出先で使用することが多いとどうしてもセキュリティ面に気をつけなければなりませんが、S11シリーズは指紋認証を導入しているので安心感があります。
そして、SONY独特のシンプルでかっこいいデザインもファンが多いポイントです。
持ち運びにこだわるのであればノートパソコンよりもタブレット!と考えている人も多いと思いますが、打ち込みが多くなるとどうしてもキーボードが恋しくなるものです。
そんな人に人気があるのがタブレットとしても使用できる小型PC。
液晶部分とキーボード部分が切り離せるので、簡単な作用の時にはタブレットとして持ち歩くことができます。
そんなタブレット型の小型PCでおすすめしたいものを2つ見つけました。
タブレットにできるPCだとどうしても重量が重くなってしまうのですが、このタイプはなんと約580g!キーボード装着時でも1kgと超軽量タイプです。
薄さも9mmと、タブレット型PCの中でも最軽量クラスとなっています。こうなると毎日でも持ち歩きたくなるほど快適でしょう。
そして、ASUSのキーボードは全シリーズが人工工学に基づいたデザインとなっているので、長時間のタイピングでも疲れないのです。
性能面でもクアッドコアのIntelプロセッサ、64GBのストレージを搭載しています。
ただ、SSDではなくeMMCという部分がネックにはなるものの、インターネットや文書作成は問題なくこなせる容量なので、いろいろなシーンで活躍ができるPCでしょう。
パソコンとタブレットの使い分けによって画面設定が自動で切り替わるから、キーボードから取り外してそのまま使えます。
バッテリーもキーボード側とタブレットの両方に内蔵されていて、出先でも約12時間のロングバッテリーなのが嬉しいところ。
とにかくコンパクトで軽いので、とくに女性に人気がある小型PCです。
また、USBコネクタ3種類、ヘッドホン、HDMI端子、SDカードスロットとインターフェースも充実していて、ビジネスシーンでもスマートに使用することができるでしょう。
手頃な金額で購入できるコンパクトマシンとして長年高い評価を得ている商品です。
パソコンの購入といえば、デスクトップタイプかラップトップタイプのどちらかを思い浮かべる人が多いと思いますが、液晶のないパソコン本体のみのタイプもあります。
家庭用として購入する人は少ないですが、会社やイベント会場などではよく使われているタイプなのです。
本体だけのタイプは「液晶分離型デスクトップ」とも呼ばれていて、一体型と比べて拡張性があるのが特徴です。
いわゆるハイスペックと呼ばれる性能を持っているパソコンです。
デザインもシンプルだし、比較的コンパクト設計となっているので置く場所に困らないでしょう。
付属ソフトはOSのみとシンプル。人によっては物足りないと感じるかもしれませんが、逆に単純で使いやすいという声の方が多いようです。
グラフィックボードがないので画像編集をする場合にはちょっと不便かもしれません。
とは言え、ADM製のCPUとコンパクトさを持ち合わせたパソコンとしてはこれ以上ないほどのコストパフォーマンスだといえるでしょう。
両手の平にすっぽりとおさまるほどの正方形で、重さもたったの2.1kg。そのため、持ち運びしたい人にはピッタリです。
シンプルなサテンブラックで部屋のどこに置いても邪魔になりません。
さらに、スーパーマルチドライブ内奥でDVD-RAMの読み書きも可能。
ゲームや大きいデータのやり取りを行わないのであれば利便性の高いパソコンだといえます。
HDDに加えてSSDも搭載している大容量タイプの液晶分離型デスクトップ。
約3TBのHDDモデルなら保存領域をしっかりと確保することができます。
Microsost Office Premiumが搭載されているので、まさに底なしの性能とクオリティを駆使することができるでしょう。
3Dオンラインゲームや高解像の動画、画像の編集も楽々こなせるスペックであることから、とくにゲーム好きの人に大人気なんだそう。
SSD(Slid State Drive)というのは、フラッシュメモリを搭載した記憶装置のことを言います。現代のパソコンやスマートフォンで使用される主流の記憶媒体は、このSSDとHDDが多いです。
同じ記憶媒体ではありますが、HDDの方が従来型となっているのでSSDとの構造が違っています。
HDDは円盤状の磁気体を高速回転させて情報を読み込むのに対して、SSDはメモリチップによって情報を読み込むようになっています。
つまり、SSDはHDDと比べて衝撃や熱に強く、静かで、パソコンの起動速度やデータ処理速度が圧倒的に早い記憶媒体であるということです。
超小型PCも使い方は一般的なデスクトップPCと同じです。
ただ、パソコン本体のみの状態ではあるので、何か操作をするときには電源やモニターやマウス、キーボードを接続して使用します。
「だったら一体型の方が便利なのでは?」と思うかもしれませんが、以前使用していたパソコンのモニターだけ残っていたり、キーボードやマウスは違うメーカーのものを使用したいなど、自分仕様にアレンジができるという部分が大きなメリットとなります。
また、パソコンのモニターというのは場所を取る部品になりますが、超小型PCであればテレビに取り付けて、テレビモニターを使ってパソコン操作が行えるのも魅力でしょう。
今回は専門家にアドバイスを伺いながら9つの小型PCを紹介しました。
自分に合ったパソコンを選ぶためにまず基本となるのが、やはり「どのようにパソコンを使いたいのか」という部分です。
そこを基盤として、CPU性能やストレージなどを選んでいくようになるので、自分がパソコンを使っている場面を明確にイメージすることがポイントになるとのこと。
また、とくに女性はCPUやSSDといった言葉に苦手意識を持っている人が多く、よくわからないままパソコンを購入してしまう人が多いようです。
無駄に性能の良いパソコンを購入しても高額なだけなので、この機会に少しでも知識を覚えてみてはいかがでしょうか。
そうすることで、もっとスムーズに自分のパソコンが見つけられるようになるでしょう。