写真をプリントするときにおすすめのプリンターを、プロ監修のもとに比較し、紹介していきます。持ち運びも容易な小型プリンターから、A3ノビ対応の複合機まで、大きさは...
山田貴史
某大手イヤホン・ヘッドホン専門ショップ元販売員です。10年間勤めていました。初心者から専門家レベルの接客経験があるので、読者様それぞれのニーズにあった情報をお届けします。
プロフィール詳細へ>>写真をプリントするときにおすすめのプリンターを、プロ監修のもとに比較し、紹介していきます。
持ち運びも容易な小型プリンターから、A3ノビ対応の複合機まで、大きさはもとより、スマホやアプリなどを使って手軽に印刷できる大人気の商品や、ちょっとしたオモチャ感覚で使える楽しい製品など、さまざまな機種を細かく解説します。
また、選ぶときの注意点や印刷時の気になる疑問にもまるっとお答えし、フォトプリンター購入を徹底サポートします。
ママアイテム編集部
フォトプリンターを選ぶときに、チェックしたい項目や、注意したいポイントなどを7つピックアップし、サイズ感から印刷方式の種類、各価格帯の説明まで、細かく解説します。
旅行やイベントごとに良く出かける人は、小型軽量で持ち運びがし易いモバイルタイプのフォトプリンターがおすすめ。何といっても撮ったその場でプリントアウトして周りの人とシェアできるのが魅力です。通常のプリンターと違い、家に置いていても場所を取らないことが魅力で、使用していないときには押し入れやちょっとしたスペースに収容可能な点もうれしいですね。
小さいながらも高機能な商品が多々販売されているので、ぜひチェックしてみてください。
一年に数回しかプリンターを使わない人には、コンパクトタイプのフォトプリンターがおすすめです。年賀状や子どもの運動会の写真をプリントアウトする程度であれば、そこまで高性能な商品は必要ありませんので、収納場所などを考えてもコンパクトタイプの製品をチョイスするのはベターな選択であるといえます。逆に、ハードに使いたい、写真のクオリティを求めている人は高機能、高解像度のモデルを選ぶのが良いでしょう。プリンターは使用シーンを考えて選択するのがおすすめです。
最近では、スマートフォンやデジカメから直接転送して印刷ができるタイプのプリンターも多く販売されています。Wi-Fi対応のものもありますので、プリントする場所を問わないのも魅力です。プリンターを扱うときには基本的にPCからプリンタにデータを飛ばして印刷することが多いので、PCを持っていない人にはありがたい機能なのではないでしょうか。
また、コード類が煩雑にならない点もメリットで、部屋の景観を乱しませんし、ペットや小さな子どもが居る家庭にもおすすめのタイプです。
プリンターにはいくつかの印刷方式があり、それぞれ特徴が違います。
代表例を挙げてみますと「昇華型熱転写方式」は、熱でインクを用紙に転写する仕組みであり、滑らかでキレイな写真に仕上がるのが特徴で、印刷には専用の用紙とインクが必要になります。「ZINK方式」は、専用の感熱紙を使うタイプです。「ZINK」とはゼロ・インクの略であり、プリンタ内部で与える温度によって異なる色が発色し、写真として印刷されます。「インクジェット方式」は、お馴染みの印刷方法ですね。さまざまな用紙を印刷可能ですが、インクカートリッジのランニングコストが嵩張ってしまったり、ほかのタイプと比較すると少々大型で置き場所を選ぶのがデメリットです。
デバイスの多様化に伴い、各プリンターが対応しているメモリーカードや接続方法も増える一方です。スマートフォンやタブレットで印刷する場合であればWi-FiやBluetoothなどのワイヤレス接続が可能か、デスクトップパソコンやデジカメは、USB接続やSD/microSDカードなどに対応しているかなどを確認しましょう。購入前の確認は、上述した印刷方式などと合わせて、非常に重要な事柄です。せっかく購入したのに、自分が持っているメモリーカードや用紙では印刷できない、なんていうことにならないためにも、しっかりとチェックしてください。
最近ではタッチパネル液晶が付いているプリンターも増えてきました。直感的、感覚的に操作ができるのはうれしいですね。各メーカーとも違った機能、タッチ感の物を出していますので、実際に触る機会があればぜひチェックしてみてください。液晶モニタの利点としては、インクの残量や用紙切れなどがわかりやすく、メンテナンスの方法もわかりやすいことが挙げられます。
プリンターの価格は印刷方式や複合機など、タイプによってまちまちですが、売上動向を参考にし、3つの価格帯に分け、それぞれ特徴を説明していきます。
最安値価格帯 | 売れ筋価格帯 | 高級価格帯 | |
---|---|---|---|
参考価格 | 〜5,000円 | 5,000〜30,000円 | 30,000円〜 |
特徴 | 年賀状やちょっとした写真のプリントアウトなら十分 | 各社有名モデルが揃う。よく使う人はこちらの価格帯がおすすめ | 高精細・高解像度モデルが増える。プロ使用の製品も |
最安値価格帯のプリンターでも、必要十分な機能を備えている機種は多く、年賀状やちょっとした写真のプリントアウトなら問題なく使用できます。また、とくに低価格のモデルにおいてはインクが無くなるまで使って、その都度買い換える人もいるそうです。
売れ筋価格帯は、値幅の広さの通り、さまざまな機種が出揃います。機能も多岐に渡り、使用シーンに応じて選べることから、購入目的がはっきりとした人は、この価格帯の製品を購入することが多いようです。
高級価格帯も、売れ筋価格帯と同じく使用シーンに応じて柔軟な選択が可能ですが、どれもほかの価格帯に比べて頭一つ抜き出た性能を持っています。価格帯のなかでもかなりの開きがありますが、上位は完全にプロカメラマンが使うような機種が多く見られます。
代表的なフォトプリンターのおすすめメーカー・ブランドをリストアップしました。各社とも、プリンターのみならず、カメラやビデオ、半導体など、複合的な事業を手がけ、日夜技術革新に勤しんでいます。
知らぬ人は居ないであろう、日本が誇るカメラ、ビデオなどの映像機器、プリンター、複写機などの事務機器から半導体関連の製品まで、世界をリードし続けているメーカーがキヤノンです。カメラはもとより、プリンターも多くのプロフェッショナルに使用されています。
日本のプリンターメーカーで、キヤノンと人気を二分しているのが「EPSON(エプソン)」です。会社が創業以来培ってきた「省・小・精の技術」のとおり、常に革新的で信頼の置ける製品を多数開発、販売している優良企業です。
富士フイルムは、2014年に創立80周年を迎えた老舗メーカーです。カメラ・フィルムのメーカーとして認知している人も多いのではないでしょうか。近年では「スマホ de チェキ」シリーズをはじめとした、時代に寄り添う新しい商品を発売し、注目を集めている遊び心の利いた企業です。
時計のメーカーとして有名な「CASIO(カシオ)」も、プリンター事業を手がけています。現在では惜しまれつつも撤退してしまいましたが、今でも根強いファンが存在しています。
「Polaroid(ポラロイド)」は、1937年に創立されたメーカーで、撮ったその場ですぐ印刷して見ることができるインスタントカメラの原理を開発し、実用化した企業です。印刷の色味はPolaroidにしか出せない味わいなので、プロ・アマ問わず、登場以降多くのファンを獲得し続けてきた老舗ブランドです。
フォトプリンターの選定ポイントとして、「これさえチェックしておけば安心」という項目をリストアップし、以下にまとめました。比較するときの参考にしてください。
今一番おすすめのフォトプリンターを、専門家が独自の視点でセレクトしました。持ち運びがし易く、遊び心もたっぷりと入った一推しプリンターはコチラです。
富士フイルムが販売する“スマホdeチェキ" instax SHARE SP-2は、スマホの画像データがそのままチェキとして出力されるという、ありそうでなかったアイデアが光るフォトプリンターです。小さいながらも320dpiと解像度は申し分なく、単純なスマホ操作で直ぐにプリントアウトできることから、チェキの代替え機として、また2台目として購入する人が多く、とくに若者から絶大な人気を得ている商品です。
「チェキ」と付いているように、もちろん持ち運びが可能で、重量もわずか250gと非常に扱いやすい設計になっています。1回の充電で約100枚ものプリントが可能なので、ちょっとしたパーティーくらいならば難なくこなせる頼もしさも備えています。
チェキ独特の風合いも損なわれておらず、「スマホdeチェキ」の名に偽りはありません。それどころか、スマートフォンアプリでの色調整、フィルター機能、テンプレートも充実しているので、まるでInstagramの画面がそのままプリントアウトできるようなイメージで使用可能です。
また、「性格診断」「相性診断」「名刺チェキ」の3種類のゲームも標準で搭載、各種パーティーで大活躍すること間違いなしでしょう。チェキと違ってスマホからデータを送信するので、撮り直しが容易なところもうれしいポイントですね。
スマートフォンとスムーズに連携し、気軽にフォトプリントが楽しめる一推しのフォトプリンターを紹介します。
【LifePrint】LP001-1 は、通常のモバイルプリンターとしての機能を備えながら、世界初の画像と動画を組み合わせた「AR写真」を印刷することができるフォトプリンターです。作成方法は簡単で、スマホのカメラロールやSNS上にある画像をアプリで紐付けるだけ。つまりはほぼタッチ操作のみで作成することができます。さらに、FacebookやInstagramなどの各種SNSともシームレスに連携していますので、すぐに投稿が可能なのも大きなメリットだといえるでしょう。動く年賀状やDMなど、面白い使い方が想像できる機種であり、違った形で写真をプレゼントしたいと考えている人にはとくにおすすめです。
インスタントカメラの王様、Polaroidが販売するモバイルフォトプリンター「ZIP Mobile Printer White POLMP01W」は、まさに「現代のポラロイド」といったスタイルで、撮ること、印刷することの楽しみを再発見させてくれるプリンターです。コンパクトかつ、ワイヤレス対応なので、結婚式や同窓会、アウトドアなど、場所を選びません。撮ったら直ぐに印刷が可能です。こちらの商品もスムーズなアプリ連携が可能なので、撮り直しも気軽にでき、フィルムが無駄になることがありません。付属アプリは単なる連携だけでなく、QRコードを作成し画像にメッセージを入れたり、複数の写真を組み合わせてのコラージュも手軽にできるなど、写真加工アプリとしてもなかなかの出来栄えです。
小型タイプのフォトプリンターのなかでも、とくに機能性が高く、ユニークな特徴を持った製品を紹介します。どの製品も楽しさと機能性を兼ね備えた良機種です。
「タカラトミー」といえば、玩具で有名なメーカーですが、遊び心がたっぷりとつまったフォトプリンターも販売しています。TPJ-03SOの一番の特徴は、まず電源不要ということ。フィルムパックにフィルムを入れ、箱のような本体の左右を開き、台座のような箇所に現像したい画像を映したスマートフォンを載せ、本体のシャッターを切ることで撮影が完了します。あとはフィルム排出つまみを回すだけでフィルムが出てきます。ほかのモバイル・小型プリンターとまったく違った撮影方式で手間もかかりますが、「この手間が面白い」「写真の風合いが良い」と、多くの購入者から称賛され、「日本おもちゃ大賞2017」で「ハイターゲット・トイ部門 優秀賞」を受賞した人気商品です。
EPSONの人気ラインである「カラリオシリーズ」から販売されているPF-71は、シンプルながらもたくさんの機能を持った汎用性の高いコンパクトプリンターです。デジカメからのプリントはもちろん、スマホからのワイヤレス印刷にも完全対応。チェキなどではなく、しっかりとした「写真」に仕上げたい人は、こちらの機種が良いでしょう。これだけの機能がついて、大きさはA4サイズ以下というのもうれしいところで、ちょっとした持ち運びも苦になりません。無論、無線LANも標準搭載されています。
とにかく年賀状や宛名作成に特化したプリンターがCASIOの8型タッチパネル・手書き認識対応プリン写ル PCP-2500です。ひと目見れば、ほかのプリンターと大きく違うことがわかります。なかでも顕著なのがキーボードが付いているということ。そう、本機種はこれ一台で年賀状の作成が可能なのです。ちょうど、ワープロと年賀状作成ソフトが一緒になったような機能を持っていると表現すれば、イメージが湧きやすいでしょうか。文字変換もATOKが標準搭載され、年賀状や各種手紙で頻出する単語を予測変換するなど、プリンターの枠を越えて、手軽にハガキ制作をすることが可能です。残念ながら現在は生産を終了してしまっていますが、今でもそれなりに使える名(迷)機種であるといえるでしょう。
PCが無くとも直接デジカメやスマートフォンからプリントアウトできる、ワイヤレスタイプのおすすめプリンターをセレクトしました。コード類も少ないため、いつでもどこでもスッキリと使えます。
昇華型熱転写方式にオーバーコートを組み合わせることで、美しく長持ちする写真をプリントアウトすることに成功した商品がSELPHY CP1300WHです。写真は撮る以外にも見る楽しみがあり、なるべく長く、劣化しないことが望ましいので、このような技術はフォトプリンターを選ぶうえでの大きなアドバンテージになります。Wi-Fiでの無線プリントや大型の液晶に使いやすいユーザーインターフェースと、小さいながらもキヤノン独自の技術が詰まっていて、写真を複数枚レイアウトして印刷できる「レイアウト印刷」や、インスタントカメラ風にプリントできるなど、ちょっとうれしい機能が盛りだくさんです。
年賀状を作成するのに特化した商品が、EPSONのハガキプリンター PF-81-2018です。選べるデザインはなんと4,389種類、有名作家のテンプレートが多数付属しています。これらを組み合わせるだけでも高クオリティの年賀状が簡単に作成できます。
9.0型の大型タッチパネルで直感的に操作できるのもユーザーフレンドリーで、付属のキーボードを使用すればさらに操作性が向上します。また、専用アプリを利用することで、スマホからもスムーズに印刷が可能で、フォトシールの印刷なども手軽に行なえます。コンパクトプリンターに年賀状作成機能がついたお得な機種なので、プリンターは年賀状くらいしか使わないという人にとくにおすすめです。
上手く撮れた写真は、大きく引き伸ばしたいものです。そこで、A3サイズにも対応するおすすめのフォトプリンターを紹介します。
EPSONのインクジェット複合機 カラリオ EP-979A3は、コンパクトなボディながらもA3サイズプリントに対応したプリンターです。プリント、スキャン、コピーと、複合機に必要な要素を取り揃えつつ、撮影情報付き印刷や、ウェブページ印刷に対応するなど、細かい配慮が行き届いた良機種です。また、動作音を低減するモードが搭載されていて、深夜でも周囲を気にすることなくプリントすることができます。プリンターの動作音は置く場所にもよりますが、結構な音量なので、この機能はうれしいところですね。
HP(ヒューレット・パッカード)のOfficejet 7110 AirPrint CR768A#ABJは、余分な機能を削ぎ落とし、プリントに特化したプリンターです。そのため、非常に操作性が高く、使い勝手が良いのが特徴です。PC操作になれていたり、加工をプリンター側で行わない人には、このくらいの機能がちょうど良いでしょう。もちろん、機能面で光るポイントもあります。ノートPCやスマートフォンからファイルを送るだけでプリントができたり、オプションで自動両面プリントにも対応できたりと、プリントをする側の都合を考え、しっかりとデザインされていることが伝わってくる商品です。
フォトプリンターを購入するときによくある疑問や質問をまとめました。素朴な疑問から印刷に関する悩みまで、専門家がアンサーします。
昇華印刷の場合には使うことができませんが、インクジェットであれば可能です。無理に印刷しようとすると故障の原因になってしまうこともありますので、プリンターの対応用紙をよくチェックし、合った用紙を使いましょう。
使用機種、用紙などによってかなりの違いがありますが、やはり家庭用フォトプリンターでは、印刷専門店でプリントアウトするよりクオリティは下がります。ただ、写真の仕上がりは好みの問題もありますので、一概に良い、悪いでは語れない面もあります。
フォトプリンターは、写真をプリントするプリンターのことを指し、インクジェットプリンターは、インクジェットという印刷方式を指します。つまり、どちらも同じプリンターで、インクジェットプリンターならば、インクジェット方式で印刷するフォトプリンターということになります。
スマートフォンからの印刷は、基本的にWi-Fi環境が必要ですが、現在はLANルーターが無い場合でも、ダイレクトにプリンターと繋げる機能を持った商品も登場しています。インターネット環境が無い人は、購入時に必ず確認するようにしてください。
専門業者で出すプリントに近づける場合、なるべく高解像度で高機能なプリンターを使うことが重要です。なかでも、プロが使うような各メーカーのハイエンドモデルをセレクトするのが無難です。また、紙質も仕上がりに大きな影響を及ぼすため、紙も高クオリティなものを使うことをおすすめします。
フォトプリンターにはさまざまな種類や機能があり、日夜進化を続けているということがわかりました。今回紹介した機種は小ぶりな商品が多いですが、各機種とも、数年前と比べて性能面で大きく成長していることがうかがえ、今では過去の大型プリンターよりも高性能、高機能なプリンターがたくさんあることに驚かされました。
プリンターは買い替えてみると、性能の進歩に驚かされるものです。買い替えを検討中の人も、新規購入を考えている人も、ぜひとも今回紹介したような、最新のプリンターを試してみてくださいね。