酒器の素材や形状によって、日本酒の味わいが大きく変わることを知っていますか?香り高い酒、味が濃い酒など、日本酒の種類に合わせて酒器の素材・形状を選ぶことによって...
中村史恵
テレビ通販で美容食を購入し、そこから美容食にどハマり。美容食使用歴10年の40代主婦です。美容食に関するレビューや記事執筆などのお仕事依頼を受託していて、美容食アドバイザーともいわれています。
プロフィール詳細へ>>酒器の素材や形状によって、日本酒の味わいが大きく変わることを知っていますか?
香り高い酒、味が濃い酒など、日本酒の種類に合わせて酒器の素材・形状を選ぶことによって、日本酒はもっとおいしくなるんです。
そこで酒器に詳しい日本酒専門家に、実用性の高さと見た目のおしゃれさを兼ね備えた酒器を選定してもらいました!
日本酒の味と酒器の美しさを、口と目で楽しめる素敵な品々ばかりです。
自分の晩酌のため、または大切な人へのプレゼントとしてもどうぞ。
ママアイテム編集部
日本酒は銘柄によって、味の濃さや香りの良さなどそれぞれに違う個性をもっています。お酒の種類ごとに適した酒器の形状・素材が異なるので、まずは酒器選びの基準となるポイントを見ていきましょう。
酒器には、日本酒を飲むための小さな器「猪口」「ぐい呑み」と、ピッチャーのような役割をする「徳利」「片口」があります。他にも酒器はいろいろとありますが、一般的によく使われているのがこの4種類。
まずはそれぞれの定義や特徴について紹介します。
直接口を付けて、日本酒を飲むための器です。片手にすっぽり収まるくらいの小さなサイズで、50ml程度入るものが主流です。口が広くて浅いものや、口が小さくて深いものなど、さまざまな形があります。
用途は猪口と同じで、猪口より大きいものをぐい呑みと呼びます。「〇ml以上入るものをぐい呑みと呼ぶ」というような明確な定義はありません。
猪口やぐい呑みに日本酒を注ぐための酒器です。首元がきゅっと細くくびれているのが特徴で、注ぐときに「トクトク」という小気味良い音が鳴ります。
口がせまいため日本酒の香りを中に閉じ込める効果があり、どの酒に使うのにも適しています。ただし、中を洗浄しにくいのが玉にキズです。
片口も、酒を猪口やぐい呑みに注ぐ際に使う酒器です。徳利との違いはなんといっても、口径の広さ。コップ型や碗型などがあり、その中でも注ぎ口がひとつついている酒器を片口と呼びます。
洗浄しやすいというメリットはありますが、酒が空気に触れる面積が広いので香り・味わいが変化しやすいのが難点です。大人数で飲むなど、消費が早いときに利用するのがよいでしょう。
酒器の素材としては「ガラス」「陶器」「錫」「漆器」が一般的です。器の素材が日本酒に直接作用し、熱の通しやすさ、唇に当たる触感の違いから、日本酒の風味や味わいを変えてくれます。
味を楽しみたいなら素材にこだわるのがおすすめです。各素材の特徴について紹介いたします。
日本酒本来の味を楽しみたいなら、ガラスの酒器がぴったりです。素材に味を左右されず、すっきりシャープな味わいを楽しめます。
見た目に清涼感があるので、生酒などの冷酒や、夏にオンザロックで日本酒を楽しむ際に最も適しているでしょう。洗練されたデザインのガラス製酒器は、食卓を華やかにしてくれます。
土・石でできた陶磁器は、最もオーソドックスで、実用性・外観の美しさ共に非常にバランスがとれている素材です。陶器の酒器は日本酒をまろやかで柔らかい印象にしてくれます。
湯煎でき、軽くであれば電子レンジにも使えるので、燗をしたいなら陶器製の酒器を選べば間違いありません。
錫には水を浄化する作用があるといわれており、日本酒の酸味や苦みといった雑味を取り除いて優しい印象の飲み口にしてくれます。さらに保温性・保冷性にも優れた素材です。
錫は柔らかい金属のため機械での加工が難しく、錫製酒器のほとんどが職人の手仕事。金属でありながら、温かく優しい雰囲気が漂う特別感のある酒器です。
植物由来の塗料が塗られた漆器は、唇をつけるとしっとりと柔らかい感触がするのが特徴です。高級で艶やかなこの素材は、日本酒をとろりとした濃厚な味わいに感じさせます。
木素材の漆器であれば、木香が酒についてより華やかさを感じることができるでしょう。
日本酒には、香りの強さと味の濃さから4つの種類に分類されます。それぞれ相性の良い酒器の形状が異なるので、好きなタイプの酒に合っている酒器を選ぶといいでしょう。
香り高く、濃厚でずっしりとした味わいの酒です。 熟成させた酒に多く、ぐびぐびと一気に飲むタイプの味ではありません。
濃厚な味と香りを同時に口に含むことができる、口がきゅっとすぼまったつぼみ型の猪口が最適です。
香りは控えめなものの、原料である米の素直な味わいを楽しめるのが醇酒の特徴です。 香りに影響されず、米そのものの複雑で奥深い味を感じることができます。
飲んだときに舌全体に酒が行き渡る、口径がややすぼまったもの、あるいはストレートタイプのぐい呑みがおすすめです。最も日本酒らしい味なので、和風の酒器を選ぶと粋な雰囲気がでます。
香り高く、キレの良いさっぱりとした味わいの酒です。米が原料でありながら、花や柑橘のような華やかな香りがするのは薫酒ならではの魅力です。
香りを鼻で楽しむなら香りを引き立ててくれるラッパ状のぐい呑み、口で楽しむなら香りがこもるタイプのつぼみ型の酒器が向いています。
水のようにさらりとした香り・味わいの軽快さがあるのが爽酒です。癖が少なく、若々しい爽やかさがあります。
ただし香りも味わいも繊細なため、空気に触れることで香りが薄くなったり、温度で味わいが変わったりしてしまいやすい傾向があります。そこで、ひと口でくいっと飲み切れる、小さい猪口で飲むのがおすすめです。
酒器は素材によって価格帯が異なります。そこで素材・酒器ごとの価格相場を表にまとめました。
有名な作家が作ったものや、由緒ある伝統工芸品は非常に高価なので、同じ素材でも価格帯にかなりの差があります。
東京の専門店などに行くと10万円オーバーの酒器もありますが、こちらで紹介するのはネット通販で手に入る商品の相場です。
おすすめの価格帯は3千円〜2万円。手が届きやすい価格で、デザインも品質もいいのがこの価格帯の商品です。
酒器セット | 徳利・片口 | 猪口・ぐい呑み | |
---|---|---|---|
ガラス | 2,000円~45,000円 | 500円~30,000円 | 100円~21,000円 |
陶器 | 800円~21,000円 | 300円~25,000円 | 100円~38,000円 |
錫 | 8,000円~70,000円 | 5,000円~20,000円 | 3,000円~15,000円 |
漆器 | 3,800円~302,000円 | 4,000円~54,000円 | 500円~40,000円 |
酒器には機械で生産されたものから、職人さんの手でひとつひとつ作られているこだわりの逸品など、さまざまなものがあります。
世の中にはたくさんの酒器が出回っているので、どれを選べばいいのか分からず迷ってしまいますよね。ここでは、専門家がおすすめするメーカー・ブランドを紹介します。
丸伊製陶は滋賀県甲賀市にある、信楽焼(しがらやき)の製造と販売を手掛けるメーカーです。
取り扱っている信楽焼は日本六古窯のひとつで、1200年以上前から日本で愛されてきた由緒ある伝統的工芸品です。基本的に絵付けはされず、原料となる土の素朴な雰囲気と、多彩な釉薬で味わいを出すのが特徴です。
丸伊製陶ではわび・さびを感じる渋い作風から、モダンでスタイリッシュなデザインの食器まで幅広く取り扱っています。
酒器に関しては実用性・デザイン性を兼ね備えた渋い雰囲気のものが多く、好みの酒にぴったりな酒器を見つけることができるでしょう。
有田やきもの市場は、佐賀県有田町にある有田焼の卸会社で、有田焼を作るさまざまな窯から品質の高い食器を仕入れて販売しています。
石を原料とする磁器の有田焼は、美しい絵付けが有名な日本古来の伝統工芸です。
乳白色の下地に赤・青・緑といった鮮やかな色彩で動植物が描かれているのが有田焼の特徴。釉薬だけで仕上げたシンプルなデザインもあり、それもまた深い味わいがあります。
有田焼の酒器は、実用性の高さはもちろん、繊細な絵付けがされたものが多く見ていて飽きないデザインのものが多数あります。
複数の窯から有田焼を仕入れている有田焼やきもの市場であれば、多様なデザインの中からお気に入りの一品を探していただけます。
まえじゅう漆器は、石川県加賀市にある漆器の製造販売メーカー。加賀市の山中温泉で生産される、山中漆を取り扱っています。
石川県にはいくつかの漆器の名産地があり、その中でも山中漆器は「木地の山中」と呼ばれるほど木材加工技術に優れています。山中漆器の元となる、山中木地挽物は石川県の無形文化財に指定されるほどです。
今日では樹脂製素材・ポリウレタン塗装といった現代漆器の製造に取り組んでおり、他の産地と比べ、質・量ともに右に出るものはありません。
まえじゅう漆器の酒器は、他の素材にはない雅な雰囲気が漂い特別な日や祝いごとにぴったりなデザインです。もちろん、日常的に使える工芸品としても高い評価を得ています。
酒器を選ぶ際に重視したポイントは、サイズと重さです。素材によっては重量感があるものや、素材が分厚くてスタックできず場所をとってしまうというものもあります。
そこで素材や形状にこだわりつつも、日常で使うことを考えた扱いやすい酒器にこだわって、専門家に選定してもらいました。
酒器に求められる要素は、何度使っても飽きないデザインはもちろんのこと、日常使いの食器としての実用性、そして日本酒をよりおいしく味わうための機能性の高さです。
そこで、多数ある酒器の中から、総合評価が最も良いおすすめの酒器を選出しました!
1200年の歴史がある信楽焼の一品です。
厚みが出やすい陶器製でありながら、比較的薄い作りで扱いやすくなっています。口をつける渕が薄いことで、日本酒を飲む際の口当たりに影響せず本来の味わいそのものを楽しむことが可能です。
シンプルながら日本らしい味わいのある和のデザインも、末永く使う上で飽きがきません。
ぐい呑みのサイズは大きすぎず小さすぎず、どの種類の酒にも無難に対応できるストレートタイプとなっています。
セットになっている片口は、背高タイプで酒と空気の接地面積が少ないことに加え、注ぎ口の逆側にへこみがつけられており、揮発した香りを容器の中に閉じ込める作用があります。
香りを逃しやすいという片口のデメリットをうまくデザインでカバーしている、アイディアに富んだ造形です。
どんな種類の酒を飲むときにも活躍できる、万能型の酒器といえます。
土や石が素材となる陶器製・磁器製のおすすめ酒器を紹介します。これらの酒器は日本らしい温かみのある外見と柔らかい口当たりが特徴で、辛口の酒もまろやかに感じさせてくれる効果があります。
塗料などに金属が使われていなければ、電子レンジにも湯煎にも耐えるので、熱燗用にも使えます。
有田焼は、またの名を伊万里焼ともいいます。こちらは有田焼らしい青・赤・緑で鮮やかな絵付けがされた品です。職人による繊細な絵を目で楽しみながら、口では日本酒を楽しみながら、1度で2度楽しめることでしょう。
香りを閉じ込めることができる口がせまい徳利に加え、ラッパ型のぐい呑みのセットになっているので、吟醸・大吟醸といったフルーティーで華やかな香りが楽しめる薫酒に最適です。
素材が石由来である磁器は、ガラスに近い飲み口でもあり、しかし陶器的な暖かさも持ち合わせるハイブリット型。そのため辛みが出やすい薫酒の味わいを、すっきり飲みやすくしてくれます。
彩り豊かな日本の伝統工芸で香り高い酒が楽しみたいなら、徳利・ラッパ型の有田焼一択でしょう。
こちらは岐阜県の伝統的工芸品である、美濃焼の酒器です。
紹介するのは、春らしい桜色が可愛らしい徳利とぐい呑みのセット。釉薬が織りなす自然な桜色のグラデーションは、まさに春の晩酌に持ってこいのデザインで、日本酒好きな女性の方にとくに喜ばれるでしょう。
美濃焼は伝統的工芸品でありながら、古風にもモダンにも対応した多彩なデザインが豊富にあるのが特徴です。
販売元の結彩の蔵は美濃焼の窯元からあらゆる食器を仕入れる産地問屋で、他にも季節感が楽しめる酒器セットをたくさん取り揃えています。
紹介している桜のつぼみのようなぐい呑みは、口径がきゅっとすぼまっているので、豊かな香りと複雑な味わいを持つ純米系の醇酒がぴったり。まさに花のような香りが楽しめます。
続いては、錫器製のおすすめ酒器を紹介します。錫は金属でありながら、無毒・無臭という特性を持っており、古くから食器に使われてきた素材です。
錫は希少性が高い金属のため陶磁器製に比べて値は張りますが、錆びることも割れることもないので末永く使うことができます。
大阪錫器で作られる錫製のチロリ・ぐい呑みセットです。
こちらは「大阪浪華錫器」という国指定の伝統的工芸品。なんといっても、磨き上げられたピカピカの光沢が、大阪錫器の酒器ならではの美しさです。
ぐい呑みとセットになっている「チロリ」とは、酒を湯煎で燗するための器具の名称。錫器は金属製のため電子レンジにはかけられませんが、湯煎でならば燗することができます。
ただし、熱伝導率が良い素材のため、温めすぎると金属部分が熱くなって手で持てなくなるので、注意が必要です。
蓋付きチロリとストレートな口径のぐい呑みセットですから、どの種類の酒にも無難に対応できます。
この酒器で飲むとより一層楽しめる酒の種類は、きんきんに冷やした生酒や生貯蔵酒。錫の保冷性の高さに加え、チロリに蓋がついているので、温度変化や揮発で風味が変化しやすい爽酒の難点を補ってくれます。
富山県高岡市にある鋳造メーカー能作の片口です。
鋳造は富岡市の伝統産業であり、長い年月をかけて培われた高い技術力で作られるのが能作の錫製テーブルウェア。控えめな濁りのあるツヤが特徴で、一見地味ではありますが、なかなか飽きが来ない奥深い質感です。
錫には日本酒の雑味を取り除く効果があるといわれており、雑味や辛みの強い酒をまろやかな印象にしてくれます。実際に飲み比べてみれば、その差にすぐに気づくことでしょう。
見た目が美しく、口径が大きい片口なので、日本酒の消費が早い方やお客さんが来たときに出すのが最適です。錫製酒器は冷蔵庫に入れればきんきんに冷えるので、氷を入れてオンザロックにせずとも酒を冷やす効果があります。
錫の浄化効果を感じるため、雑味が出やすい醇酒や、辛口な爽酒を飲むのがおすすめ。ぜひ他の酒器も用意して、飲み比べをしてみてください。
漆器の酒器は、他の素材にはないしっとりとしたツヤのある質感が楽しめます。濃厚な黒・赤・金の色味は雅な雰囲気を醸し出し、その高級感からは職人の技術の高さや、手作りの温かみを感じることができるでしょう。
お正月やおめでたい日には、漆器で日本酒を飲むと気分が盛り上がります。
大中小3サイズの赤い盃に、黒地の銚子と屠蘇台がついた豪華な3点セットです。
ウレタン製の塗料が使われている現代漆器であり、難しい手入れは必要ありません。もちろん民芸品である山中漆器の品ですから、質の高さに定評があります。
わびさびとは異なる艶やかな日本らしさを持っており、濃い黒地に、赤・金のコントラストが映えてまさに迎春やハレの日にぴったりです。
銚子は蓋付きで、飛んでしまいやすい日本酒の香りを閉じ込めておくことができ、実用性の面でも優れています。セットの盆があるのも漆器のセットならではでしょう。
盃は、最も口径が広く浅いタイプのぐい呑みを指します。漆器の酒器といえば盃が一般的。漆器の盃に注いだ日本酒に金箔や花びらを浮かべれば、風流な雰囲気が出ること間違いありません。
絵付けされておらず質素なデザインでありながら、高級な雰囲気があふれる屠蘇器揃です。
北市漆器店は石川県加賀市にある、明治時代から山中漆器を取り扱う会社。シンプル・モダンなデザインの漆器を扱うというコンセプトの通り、ツヤのある黒地に淵に金が入ったデザインと、盃の濃厚な赤のコントラストからは上質さを感じられます。
ゆるやかにカーブが入ったデザインからもまた、デザイン性の高さをうかがい知れます。
こちらは蓋つきの銚子と、大中小の盃が入っているセットです。盃で日本酒を飲む際には、どの器で飲むよりも鼻が酒に近づきます。そのため、香りのよい薫酒や、濃厚な熟酒などを楽しむとより奥深い香りを堪能できるでしょう。
繊細なデザインから素朴なデザインまで、幅広い表情を持つガラス製酒器は強い人気があります。
ガラスは他の素材に比べ酒に与える影響が少なく、その涼しげな外見から、どちらかといえばキレのよいさっぱりとした味わいをイメージさせてくれます。慣れ親しんだ素材ですから、日常使いにぴったりの使用感です。
青い模様が夏を思わせる、東洋佐々木ガラスの洗練されたデザインのガラス製酒器セットです。
とくに注目すべきは、変わった形をした徳利。中ほどにえぐられたような大きな穴が開いており、ここに氷をセットすることで酒を冷やせます。
日本酒をオンザロックで飲むのが流行ってきていますが、氷が溶けてせっかくの日本酒が薄くなってしまう難点があるのです。しかし、この徳利の形状であればその心配はありません。冷えた冷酒をそのままの味わいで楽しめます。
冷酒用の酒器ですから、もちろん生酒や生貯蔵酒といった冷やしておいしい爽酒にぴったりです。お猪口も55mlと小さめサイズなので、変化に弱い爽酒を飲むのに実に適しています。
津軽びいどろの鮮やかな色彩が楽しい、春夏秋冬をイメージした盃4つセットです。
レトロでかわいらしいデザインは、女性や若い方へのプレゼントとして喜ばれるでしょう。
4つの盃の形は全て均等ではなく、季節をイメージしてそれぞれ形が異なります。
春は下がすぼんだストレート、夏はやや口径が開いた寸胴、飽きはラッパ型、冬は小さめの猪口で、このセットがあればどんな酒も飲みこなすことができるそう。
販売元のアデリアは江戸時代から続くガラス製品のメーカーで、4つの盃はひとつひとつ職人の手作りの品。個性豊かなこの酒器は、その日の気分で選んだり、家族や友達と好きなものを選んでお酒を飲むのが楽しくなりそうです。
廣田硝子の徳利・猪口・手籠の3点セットです。
製造元の廣田硝子は、ガラス製造の老舗メーカー。大正浪漫を感じる昔ながらのデザインや、江戸切子といった民芸品、さらには極限にまで洗練された現代的なデザインまで幅広く製造し、海外でも高い評価を受けています。
紹介する酒器は、名前の通り吹雪をイメージさせるデザイン。素朴な曇りガラスがモダンでありながら、どこかノスタルジーを感じます。手籠付きなので、食卓のみならずリビングやテラスに持ち出すのにも便利です。
涼し気な雰囲気があるガラス製酒器ですから、冷酒を飲むと楽しめます。首がすぼまった徳利にややラッパ型の猪口のセットなので、薫酒を飲むのが最も適しているでしょう。
日本酒と酒器の相性について紹介してきましたが、いざ酒器を選ぶ段階となるとさまざまな疑問が浮かんでくるはず。そこで、よくある疑問にお答えします。
のんびり飲みたいなら、口を付ける部分が分厚い猪口やぐい呑みがおすすめです。
酒器の厚さが味の印象に大きく影響します。厚みのある酒器は、日本酒を柔らかくまろやかな味わいに感じさせるので、口を飽きさせません。ゆっくり時間をかけて酒の味を楽しむことができるでしょう。
純米酒は、醸造アルコールを添加していない米と麹だけで作られた純粋な日本酒。良い香りと複雑な味わいが特徴なので、香りを溜め込み、舌全体に酒が広がるつぼみ型の酒器が純米酒のよさを一番引き出してくれます。
素材としては陶器製が最適でしょう。分厚くなりやすい素材であることに加え、陶器にも酒をまろやかに感じさせる効果があるので、酒器の厚さと相まって相乗効果が狙えます。
厚め・陶器・つぼみ型の酒器こそ、純米酒をのんびり飲みたいときに最も適した組み合わせです。
酒器が日本酒の味に与える影響は、予想以上に大きなものです。日本酒の奥深い味わいを楽しむためには、酒器という要素は切っても切り離せない関係といっても過言ではありません。
古来より日本人に愛されてきた日本酒は、ぜひ日本の伝統的工芸品や、職人の技が光る逸品で楽しんでほしいと、専門家はいいます。
私も民芸品や職人さん手作りの一点物までたくさんの酒器をもっていますが、人の手がかかっている酒器で飲む日本酒はより一層おいしく、特別な気分になれます。
今回紹介した酒器たちは、日本酒好きな人にプレゼントすれば「さすが」といわれるものばかり。まずは好きな日本酒の味を4種類から選び、次に素材、最後に形状を決めると好みの日本酒にぴったりな酒器を選び出すことができますよ。
お気に入りの酒器を見つけて、日本酒の味わいを楽しんでください。