お絵描きの必須アイテムのペンタブですが、製品選びはむずかしく安い買い物ではないので慎重になりますよね。
板タブや液タブ、プロ向けなどさまざまな人に向けてペンタブを選ぶときのポイントと、おすすめ11選をご紹介します!
山田貴史
某大手イヤホン・ヘッドホン専門ショップ元販売員です。10年間勤めていました。初心者から専門家レベルの接客経験があるので、読者様それぞれのニーズにあった情報をお届けします。
プロフィール詳細へ>>この記事ではペンタブ選びに悩む方に向けておすすめのペンタブを、板タブや液タブ、プロ向けなどさまざまな方に向けてご紹介します。
お絵かきにはペンタブは必須の道具ですが、製品選びは難しく、特に初心者の方は迷うことでしょう。
ネット上にはさまざまな情報や口コミがあふれていますが、この記事もそのひとつとして皆さんの役に立つことは間違いありません。ペンタブ選びで抱きがちな質問や疑問にもお答えしましたので、ぜひご覧ください。
ママアイテム編集部
ペンタブレットは決して安い買い物ではありません。ですから、製品選びも慎重になると思います。ここではそんな皆様の手助けのために、ペンタブのおすすめな選び方を5つご紹介します。
ここをご覧頂ければ、きっと欲しい商品に行き付けるはずです。
ペンタブ初心者や中級者がペンタブを購入する際、必ず当たる壁が「板タブ」か「液タブ」のどちらにするかです。まずはタブレット初心者の方のために、板タブと液タブについてご説明します。
板タブとは、板状のタブレットをなぞって描画しますが、描画画面はパソコンの画面になるタブレットです。マウスと同じように画面を見ながら絵を描いていきます。
マウスと異なる点は、マウスが相対座標でポインタの位置を決めるのに対して、板タブの場合は絶対座標で決めるということ。つまり板タブにペンを置いた位置と画面上の位置が完全に一致するように作られています。
画面をみながら描画するため、板タブはパソコンに接続して使用しないといけません。マウスがパソコンに接続されていないと使えないことと同じです。
板タブは書く場所(タブレット)と見る場所(PCモニター)が違うのに対して、液タブの場合はタブレットの液晶上に描画画面が表示されます。つまり紙に直接絵を描いているのと同じような感覚で描画することが出来ます。
もちろん描画データはPC内にありますので、液タブもPCに接続しておく必要があります。イメージとしては「パソコンにペンで描画できるモニターがひとつ増えた」状態です。
またタブレットで直接描画するため、タブレットの傾きを調節する機能が付いています。製品によって傾け方はさまざまですが、全角度自由なものから、数段階調整といったものまであります。
このように板タブと液タブは使い方が大きく異なりますので、まずは板タブ・液タブのどちらにするのか決めましょう。
タブレットの描画範囲に以下の3種類があります。
Mサイズ:16〜24インチ以下
そしてサイズの確認には製品仕様に「外形寸法」が書いてありますので、これを参考にしてください。
この外形寸法を参考にして、まずは机のサイズを見て置き場所がちゃんとあるか、その置き場所で書きやすいのかチェックしましょう。
板タブの場合、モニタサイズとの対応も考えないといけません。
板タブはモニタ上のポインタ位置(描画位置)と、タブレット上のペン先のポイントが完全に一致するように出来ています。
そのため大きなモニタに対して小さいタブレットを使うのは若干無理がありますので、注意しましょう。
大きなイラストを描く場合、解像度の関係で細かなところを描画するにはモニターが大きいことに越したことはありませんよね。タブレットも同じで、入力範囲が大きいほど大きなイラストを描きやすくなります。
筆圧レベルとは、ペンの力加減を読み取る能力のことで、数値が高いほど微妙な力加減やタッチを表現出来ます。
筆圧レベルには、512,1024,2048,4096……とさまざまなものがありますが、筆圧が低いものを選ぶ理由はありません。
つまり筆圧レベルは高いほど有利だと考えてください。
とはいえ、筆圧レベルが高くなるにつれて価格も上がります。通常の使用であれば2,048レベルの筆圧で十分でしょう。
ペンタブの価格について、おおよその相場価格を調査してみました。調査は大手通販会社の価格や売れ筋商品を参考とし、ここでは最安価格帯、売れ筋価格帯、最高級価格帯の3つに分けてご説明します。
最安価格帯 | 売れ筋価格帯 | 最高級価格帯 | |
価格 | 6,000円〜 | 80,000円〜15万円 | 25万円〜30万円 |
最安価格帯の特徴としては筆圧レベルは2048まで対応しているものの、最高読み取り解像度が0.01mmと他の製品に比べると粗くなっています。また傾き検出などの検出力も低い、あるいは検知できないものが多いです。
売れ筋価格帯になると、筆圧レベルは2048で十分な数値の上、読み取り解像度が0.005mmと非常に細かくなります。また傾き検出も可能で、コードレス・電池レスといった商品がメインです。
最高級価格帯は売れ筋価格帯の2倍近い価格となりますが、当然ながらあらゆるスペックが高いです。液タブで高級なグラフィックボードを使用し、筆圧レベルも8192まで対応します。
また視野角も広く、紙で書いているような感覚を味わうことが出来るでしょう。
80,000円〜100,000円程度のものが満足度が高いため、このあたりが相場と考えて良いでしょう。あとはご自身の予算や求めるスペックを元に製品を決めていけば自ずと買うべき製品と釣り合う値段も見えてくるはずです。
ペンタブレットを購入するにあたり、メーカー選びも大切です。さまざまなメーカーが独自のペンタブレットを発売していますが、初心者の方は特に「どのメーカーのものを買えば良いのかわからない」かもしれません。
そこでおすすめのメーカー・ブランドをご紹介します。
ワコムはペンタブレットを扱う人で知らない人はいないといわれるほどの超有名メーカーです。インターネット上には「ワコムの製品を選んでおけば間違いない」と言い切る方もいました。
ワコムの理念は、クリエイティビティにあふれた世界を願って活動をしている企業で、あらゆるクリエイターや創造性のある方のサポートをすることを考えて製品作りをしています。
そのクリエイティビティが私たちのインスピレーションやイマジネーションを広げ、新たなイノベーションを生み出します。その原動力となるための製品作りやクリエイターの手伝いを、ペンタブレットを通して行う企業です。
プリンストンは東京に本社を置く企業で、1,995年に設立されました。
その理念は人と物を繋ぐ、人と人を繋ぐ、物と物を繋ぐといった繋げることをモットーとして、ペンタブレットはもちろん、テレビ会議システムやPC・スマホ周辺機器、パソコン部品などの設計製造、販売を手がけています。
ペンタブレットは比較的安価な初心者向けの製品、エントリーモデルに近い価格のものを販売しています。
ドスパラは主にオーダーメイドでパソコンやPC周辺機器など販売するメーカーで、独自のタブレットやペンタブも開発しています。
自作パソコンの世界では知らない人はいないくらいのメーカーですが、液タブシリーズraytrektabはコンパクトボディでスケッチブックのような感覚で描ける素晴らしいタブレットです。
X-P PENは2005年に日本に置いて設立された企業で、ペンタブレットの研究開発を手がけるメーカーです。
シェアは決して多角はありませんが、「プロフェッショナリズム」「対応力」「顧客へのロイヤリティー」「グリーンテクノロジー」の4つをコアとして経営を進めています。
環境へ配慮したバッテリーフリーのスタイラスペン開発に成功し、現在はアジア各国へ商品展開をする企業に成長しました。
この企業独自の研究や商品デザインは今後のペンタブレット業界の行く末を考えるうえで、欠かせない材料となるでしょう。
今回の商品選定では以下のポイントを比較検討します。
上で紹介したタブレットの種類(板タブ、液タブ)やサイズ、筆圧レベル、入力範囲といった基本的なスペックから、読み込み分解能、傾き検知レベルなど細かな仕様まで幅広く比較します。
本記事で一番おすすめしたい板タブレットをまずご紹介します。この製品はタブレット業界のフラッグシップ企業とも呼べるワコムから販売されている製品です。
本製品Intuos Pro Mediu PTH-660/KOの強みは高い筆圧レベルとコンパクトな本体に収められた入力範囲の広さです。
筆圧レベルは最高8192という驚異的な数字のため、筆圧レベルで製品選びに失敗することはまずありません。
また入力範囲はMサイズですが、本体はIntuos5のSサイズと同じくらいの大きさですので、本体がかなりコンパクトになっています。
読み込み分解能や読み込み速度は本記事で掲載しているタブレットの中でもトップクラスの精度を誇りますし、読み取り可能高さ10mmというのも3Dモデリング初心者には十分な数字でしょう。
傾き検知レベルについても同様、±60あれば十分です。
ペンタブレットは私たちとパソコンを繋ぐインターフェースです。しかも私たちが表現したいものを出来る限り精密にパソコン上に書き出して映し出すには、ペンタブそのもののスペックはとても重要になります。
そして頭の中に思い描くクリエイティブなイマジネーションを描き出す技量は、私たちのトレーニングにかかっています。
本製品はこれからトレーニングを始めるタブレット初心者にもおすすめできますし、技量が向上したあとでも不満なく使えるスペックを備えています。
特別な事情がなければ、本製品を選んでおいて間違いはないといっても過言ではないで製品です。
板タブレットは慣れるまでに時間がかかるものですが、慣れてしまえば手放せないほど便利なツールです。ここではおすすめしたい板タブレットを4商品ご紹介します。
本商品「WoodPad PTB-WPD7MB」は板タブデビュー、お絵かきデビューなどに適したエントリーモデルです。
エントリーモデルとはいえ、読み込み分解能は0.01mmと通常使用では精度がありますし、何よりも重要な筆圧レベルは2048と十分な数字を持っています。
素材は天然のものを使用しており、部屋のインテリアとも調和が取れるでしょう。逆にデジタルな感じが好きな方は、他のエントリーモデルを選んだほうが良いかもしれません。
またペンは電池不要で使用可能ですので、エコかつ軽量です。長時間の使用でも手が疲れることはありません。
本商品「Intuos Pro Large PTH-860/KO」はミドルクラスの板タブですが、使いこなせば十分すぎるほどの性能を持った板タブです。
筆圧レベルは8196と十分すぎる数字を持ち、読み込み速度も200ppsと高めの数字です。
また入力範囲がかなり大きいため、大きな絵を描く、あるいは描きたい方にもおすすめできます。板タブに慣れながらご自身の絵の技量を上げても、十分ついてきてくれる板タブです。
気になる書き味ですが、4種類の替え芯が用意されているため、好みの書き味にたどり着けます。そしてワコムらしい黒の本体はパソコン周辺機器との相性も抜群でしょう。
ペンタブレットといえばワコム、というほどワコムは大きなシェアを占めるペンタブレット開発メーカーですが、そのエントリーモデルが本商品「Intuos Draw small CTL-490/WO」です。
入力範囲が小さいですが、その分本体も小さいため狭い場所での使用に適しています。また余計な機能がないシンプルなモデルのため、エントリーモデルとしても重宝するでしょう。
惜しいのは筆圧レベルが1024というところですが、人によっては1024でも十分、あるいは2048との差はあまり感じないので、そこまで気にするほどの筆圧レベルではないと思われます。
お絵かき初心者が次のステップに進むためには「お絵かきの量をこなす」ことはとても大切です。
そんな初心者のために作られたモデルで入手しやすく、すぐにお絵かきを始めることが出来ます。ワコム製品が欲しい初心者の方やお絵かきに興味がある方は一度試してみてはいかがでしょうか?
本商品「Bamboo Pen CTL-470/K0」は、初心者脱出のためのお絵かき練習に適したモデルです。
筆圧レベルが1024というのは少し惜しいですが、その他のスペックはミドルクラス、売れ筋クラスのタブレットに引けを取りません。
もちろん本記事で一番おすすめの「Intuos Pro Mediu PTH-660/KO」といったモデルにいきなり入るのもよいと思いますが、ご自身の技量に合わせて板タブをステップアップさせていくのもアリでしょう。
エントリーモデルとしても、2台目の板タブ、液タブから板タブに乗り換えるといった色々な方におすすめできるペンタブレットです。
板タブにためらう、あるいは手元で描いている感を味わいたい方におすすめなペンタブレットは、液タブです。液タブのメリットは「直感的に描ける」「板タブに比べるとすぐに慣れる」「板タブとしても使える」といったところ。
価格的には板タブに負けますが、その分、使いやすさや作業効率の良さは抜群です。ここではおすすめしたい液タブを4商品ご紹介します。
液タブのメリットはたくさんありますが、板タブと大きな違いとしては持ち運びが出来ることにもあります。いつでもどこでもお絵かきが出来るのは、特に初心者には嬉しいのではないでしょうか。
もちろん持ち運びしやすい13インチHDですので、ノートパソコンを持ち歩いている感覚に近いはずです。
手元の画面に絵を描いていきますので、紙で書いているような感覚を味わうことも可能です。画面の傾きは3段階調整可能ですから、好みの傾きで思う存分お絵かきを楽しみましょう。
今使っているペンタブレットに不満が出てきたら、本製品の買い時かもしれません。
本商品「Cintiq Pro 13 DTH-1320」は筆圧レベル8149、高いレスポンス性能を持ち、今まで抱いて不満をすべて払拭してくれるようなペンタブレットでしょう。
視野角も広く、傾き検知レベルも申し分ありません。技術の徹底した見直しにより、角の描きやすさも抜群です。
操作はマルチタッチ機能やラジアルメニューにより、直感的かつスピーディーな機能アクセスを実現しました。ショートカットなど、思い通りのカスタマイズであなたのクリエイティビティーを存分に発揮してください。
ふとしたときにお絵かきをしたい、思いついたときにパッと描きたい。そんな方の為に作られている液タブが本製品「raytrektab DG-D08IWP」です。
raytrektab DG-D08IWPはスケッチブックに近い感覚で持ち歩いて使える点が魅力で、思いついたアイデアを書き残したいとき、リビングなのでのんびりお絵かきしたいときなどに重宝するでしょう。重さも400gと、持ち歩きを意識して作られています。
画面サイズは8インチとコンパクトですが、筆圧レベル4096と申し分のない数値で精度高く利用できます。また標準芯。フェルト芯など替え芯も充実していますので、持ち歩き液タブとしては強くおすすめできる商品です。
本商品「Artist22E」はデザインやアニメ、デッサンはもちろん、3Dモデリングまで対応できる液タブで、「とにかく色々やりたい!」という方に強くおすすめしたいタブレットです。
入力サイズは447×335とかなり広く、あなたの頭の中にあるインスピレーションやアクティビティをそのまま液タブ上に表現出来るでしょう。
読み取り可能高さも15mmありますので3Dモデリングにも最適。さらに読み込み速度も速く、まるで液タブと繋がっている感覚でお絵かき、モデリングが可能です。
惜しいのは筆圧レベルが2048というところですが、一般の使用であればまったく問題ないレベルです。
続いてご紹介するのは「プロ向け」の高級タブレットです。
プロ向けのような高級機の場合、精度が高いことはもちろんのこと、ショートカットやカスタマイズなどさまざまな機能が付いています。
本商品「Wacom Mobilestudio Pro 16 DTH-WI620H/KO」は場所を選ばずにグラフィックデザインや写真加工、スケッチなどが出来る液タブで、最高級クラスの性能を誇ります。
見える範囲のスペックからの特徴は広い入力範囲です。液晶は15.6インチを誇り、読み取り高さもしっかりとした15mmですから、、3DCADやスカルプティングなど3D作業にも適しています。
マルチタッチ機能で回転や拡大、縮小なども自由自在です。さらにラジアルスイッチにはよく使うショートカットキーを登録するなど、液タブを自分だけの仕様に仕上げることが出来ます。
本商品「Cintiq 27QHD DTK-2700/KO」はワコムが誇るブランドCintiqシリーズの中でも最上位機種で(記事執筆時)、その大きな画面はまるで画板。ワークスペースを設けているプロ、セミプロ向けの機種となります。
その液晶は27型で、QHDサイズ(2,560×1,440)に対応し、Adobe RGBの97%を表示することが出来ます。
もちろん液晶はタッチパネル対応で(未対応版もあり)、拡大縮小を繰り返しながら精緻な描画が可能です。
本商品「Cintiq companion2」最大の特徴はWindowsOSを搭載しており、Windowsパソコンとしても利用できるところです。
つまり液タブとPCを融合させ、いつでもどこでもモバイル環境と描画環境が入る優れものです。あなたの相棒として、ペンタブレットとしてでなく、タブレット型PCとして素晴らしい能力を発揮してくれるでしょう。
なおPCに接続することでCintiq 13HDとして利用できるため、作業環境の幅も広がります。
ここではペンタブレットを購入する際に気になる疑問や質問にお答えします。
みなさんにぴったりのお絵かき環境を手に入れるために、ぜひお読みください。
パソコンは必要です。
ペンタブレットはパソコンにデータの保存を行ったり、パソコンで描画ソフトをインストールしたりするため、パソコンは必須です。
板タブであればWoodPad PTB-WPD7MB、液タブであればraytrektab DG-D08IWPがおすすめです。
ペンタブの使い方がわからない初心者であれば、ひょっとしたらペンタブレットは向いてない、使いづらいといった後悔に繋がることもあるため、まずは安価なものや小さめで手軽に使える物をおすすめします。
そのためWoodPad PTB-WPD7MBやraytrektab DG-D08IWPが良いでしょう。
ただ評判が良いメーカーの物を選びたい、腕前が上がっても買い換えたくないという方の場合、とても評判が良いメーカーのワコム製、Intuos Pro Mediu PTH-660/KOもおすすめです。
これはこの記事でも一番のおすすめとして紹介しており、初心者を脱出しても使い続けられる性能を持ったペンタブレットです。
使い方によりけりです。下で詳しく説明します。
ワイヤレスの要不要は使い方によると思われます。PC前で作業することが前提であれば不要ですし、離れた場所でお絵かきをするのであれば必要でしょう。
ただしワイヤレスの場合、線の描画がペンの動きについてこない(遅延する)ことがあります。これはかなりのストレスになるため、ワイヤレス機能は不要という方もいます。
またワイヤレス機能を付ける場合、ワイヤレスキットが別売りのオプションになっている機種もあるので、購入前に確認しましょう。
この記事ではさまざまな板タブ、液タブを初心者向け、プロ向けなどに分けてご紹介しました。ペンタブレットはお絵かきや仕事に欠かせない道具として浸透しています。
これはあなたが創造したいものを作り出してくれる最高の道具ですし、デジタルとあなたの手・頭を繋ぐ大切なインターフェースです。
製品選びに妥協せず、今のあなたにとって最高の描画環境を手に入れてください。