編集/ライター
山口彩
インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。子育てと旅を中心に編集・執筆中。旅メディア「TABIZINE」編集長。記事を通じて世の中を楽しむ視点や、心が自由になるひとときを伝えられたら、と思っている。マイペースな子ども2人と一緒に0歳から人生やり直し中。いつか家族で宇宙旅行に行きたい。
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子どもは遊びを通じて成長していくもの。おもちゃは月齢に合ったもの、親子で一緒に夢中になれるものを選びたいですよね。
このシリーズでは、東京おもちゃ美術館副館長の石井さんにお聞きした、月齢別のおすすめおもちゃと遊び方のコツをご紹介していきます!
グッド・トイとは
記事内に登場する「グッド・トイ」とは、東京おもちゃ美術館を運営する認定NPO法人日本グッド・トイ委員会が、おもちゃ選びの指針となるよう、1985年から毎年選定している「遊び力を引き出すよいおもちゃ」です。
納得がいくまでとことん遊び倒せるおもちゃ
一人歩きやおしゃべりを始めるようになると、「自分はこうしたい!」という気持ちも強くなります。2歳前後はイヤイヤ期もありますね。
でも実はこの時期、子どもたちは“繰り返しの天才”なんですよ。納得がいくまでとことん遊び倒せる、そんなおもちゃを選んであげましょう。
Tuminy(ツミニー)|グッド・トイ2011年選定
2歳児がハマる! お父さんたちも大好き! トラックをバックで車庫に入れてから出発すると、積み木がひとつだけトラックに乗るおもちゃです。
その仕掛けは一度見ると誰もが驚嘆します。余った積み木を家に見立て、宅急便ごっこも楽しいもの。「お届け物でーす」「ハンコください」そんなやりとりをしながら、何度も何度も繰り返し車庫に戻っては荷物を載せて出発する。
そのたびに、「ほらね」「ぼくってすごい!」その気持ちを反芻します。ママは「ほんとだね」「すごいね」と受け止めましょう。
そんな細かなやりとりが、失敗してももう1回がんばろうと思う気持ちにもつながっていくのです。
大工さん|グッド・トイ2000年選定
トントントン。黄色い穴にペグを木槌で打つと、クニクニっと側面からひとつ、ペグが飛び出します。
ペグを打つ感触があまりにも気持ちよく、木槌を打つ手が止まらなくなるおもちゃ。男女問わず人気です。繰り返しの天才たちは、とことん遊び続けることでおもちゃを自在に扱い、ものの仕組みがわかるようになります。
もちろん取り合いになることも。でも、それくらい集中できるものがあることはむしろ喜ばしいことです。
無理に「かして」「いいよ」の練習をさせて気持ちに蓋をするより、悔しい気持ち、やりたい気持ちを受け止めてあげたい場面です。
モンキー(ハンドパペット)|グッド・トイ2003年選定
ママと子ども二人だけで向き合っていると、2歳前後のイヤイヤ期はまともにぶつかり合うことになります。
そんなとき、第三者になれるパペットは強い味方。「本当はまだ遊びたかったんだよね」「アンパンマンの靴下がよかったんだよね〜でも今洗濯中なんだって」そんな風に、ママと子どもの間をパペットが取り持ってくれます。
ママもパペットの声色を使うことで、客観的になれて気持ちが落ち着くことでしょう。
パペットは「お友達」なので、他のおもちゃと一緒におもちゃ箱に放り込んだりせずに、その子の居場所を必ず作ってあげましょう。大事にすることで、つらいときも一緒に乗り越えられる、いい相棒になってくれます。
グライフパズル・動物
パズルはできるかできないか、結果が一目瞭然。ある意味、正解がある遊びです。好きか嫌いか好みが分かれがちのおもちゃとも言えます。
このパズルのいいところは、ピースが立つところ。積み木と組み合わせて動物園を作ったり、お話ごっこをしたり、遊びを展開していけるのがおすすめの理由です。
つまみがついているのも、子どもにとって楽しいポイントなんですよ。
ビリボ|グッド・トイ2006年選定
座ってクルクル回ったり、逆さにして椅子にしたり、かぶって遊んだり。部屋ではおもちゃ箱、外ではバケツ代わりにもなります。
雪が降ったらそりにしてみる? そんな風に自分で考えて自由に遊びたいおもちゃです。丈夫なので長く愛用できます。
おもちゃで好奇心とやる気を育む
やってみたい! というワクワク感は、心と体を活性化させるエネルギーです。
気持ちのままにやりたいことが存分にできたとき、それはその子の自信につながっていきます。怒られないいい子より、好きなものを自分で見つけられる子へ。
そんな視点で、おもちゃと共に、子どもたちのワクワクを見守っていきたいですね。
今回ご紹介したおもちゃで遊べる「東京おもちゃ美術館」は、元小学校の校舎を活用して作られたおもちゃと遊びのミュージアム。
木の温もりを五感で感じられる「おもちゃのもり」や、国内外の優れたおもちゃを揃えた「グッド・トイてんじしつ」、0~2歳までの親子専用の「赤ちゃん木育ひろば」などで、世代を越えて楽しむことができます。
遊び方や楽しみ方がわからないときには、赤いエプロンのボランティアスタッフ「おもちゃ学芸員」がサポートしてくれます。
▼施設情報
住所:東京都新宿区四谷4-20 四谷ひろば内
営業時間:10:00~16:00(最終入館15:30)
※毎週木曜日休館日(2月・9月、年末年始に特別休館日あり)
入館料:こども(6ヶ月~小学生)/500円 おとな(中学生以上)/800円 おとなこどもペア券/1,200円
・東京おもちゃ美術館
・日本グッド・トイ委員会