根本厚美
出版社、編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。女性誌や健康雑誌、単行本などのライターからWeb業界へ。出産後、エキサイトブログの編集・執筆に携わり、ピックアップブロガーはじめ、良質なブロガーのインタビュー記事、特集、暮らしノートなどを担当。ブログでの経験を活かし、ブロガーのノウハウが詰まったライフスタイル系の記事を中心に執筆。1児の母。おいしいものと温泉が大好き!
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京都の町家で仕事と子育てを楽しみながら、自分らしいシンプルライフを送る人気ブロガー、FU-KOさんのインタビュー。後編は、ふたりのお子さんを育てるママとして、「子どもとの暮らし」のなかで大切にしていることや、もの選び&収納のコツ、お気に入りの子どもアイテムについて教えていただきました。
■子どもの伸びる力を見守ることが大切
自然な笑顔や泣き顔がかわいいゴンちゃん、まめぴーくんの愛称で親しまれるふたりのお子さんのママとして、のびのびした子育てを楽しむ「
FU-KOなまいにち。」のFU-KOさん。お子さんとの暮らしの中で大切にしていることは、子どもの伸びゆく力を信じ、焦らずに見守ることだといいます。
「わたしもかつてそうだったのですが、親ってつい子どもを『正しい道に導かなくては』とがんばりがちです。
もちろん大切な子どもの将来を考えるのは自然なことだと思いますが、それは、『親である自分のエゴではないか』『本当に子どものためなのか…』と、悩んだときには、つねに気をつけるようにしています。
子どもは生まれながらにしてちゃんと個性があるし、自ら成長していこうという力を備えているんですよね。
だから、そばにいるわたしたちができることは、彼らの伸びゆく力を信じ、できるだけそれを邪魔しないことなんじゃないかな、と思うんです」
小さなころから習い事や勉強を早めにさせる方も多いようですが、「そこはあえて待ちたい」というFU-KOさん。子どもだってつねにがんばっていても、思うようにならないもどかしさに悩むこともあるでしょう。
「そんなときに、『もっとがんばれ』『もっと学べ』というのでは子どもも辛いと思います。それより、しかるべき時がくれば、子どもはすごい吸収力で学び、成長していく…。
そのときに大切なのは、やりたいことにまっすぐ立ち向かえる体力だったり、ものごとに対する好奇心に素直に反応していく心の健やかさ」だといいます。
「だからこそ、まずは土台をととのえてあげることが大切。心地よく安心して休める家があり、心と体を満たすおいしいごはんがあれば、それで充分なんじゃないかな、と。
疲れたときやくじけたときにきちんと『ゆるむ』ことができなければ、『またがんばろう』と思う力もわいてこないですよね」と続けます。
そのためにも、「親自身がその土台となる暮らしを大切にし、自分自身の人生を楽しむことも大切」というFU-KOさん。子育ても暮らしもがんばりすぎず、自分らしく楽しむことの大切さを改めて考えさせてくれます。
■子どもの「もの選び」は、本人の「好き」という気持ちを尊重する
子どもの伸びゆく力を見守るFU-KOさんのやさしい目線は、子どもの「もの選び」にもつながっています。
「1歳ごろからは子どもには、自分のものは自分で選ばせるようにしています。とはいえ、小さい頃は選択肢がたくさんあるとなかなか決まらないので、あらかじめ、わたしの目線で、『これならいい』『長く使えて愛着のわくもの』など、アイテムを絞ったなかから『どれがいい?』と選ばせるようにしていました。
私は洋服作家なので洋服もつい自分好みの服を着せたくなりますが、好みがはっきりする年齢になってからは、生地やデザインを子どもと相談してから作っています。
そうまでして『選ばせる』ことにこだわるのは、それこそが自分の『好き』を確認する作業だと思っているからなんです。
子どもも自分が選んだお気に入りのものは大切に扱いますし、親が自分の意見を尊重してくれた、という信頼関係にもつながる気がして…」とその理由を教えてくれます。
「10才の長女も4才の長男も、ふたりともこだわりはすごいですが、何かを選ぶときは『私はこれ!』『僕はこれ!』と迷いなく、瞬時に決定するんですね。それがとっても頼もしいなあ、と思っていて。
大げさかもしれないけれど、世間の常識とか誰かの基準なんかに邪魔されない、自分の『好き』がちゃんとわかっていれば、それが『生きるちから』になる。くじけずに、やりたいことにまっすぐ向かえる強さになるんじゃないかな、と思うんです」
たしかに自分で好きなものを選ぶことは、ものを大切にする気持ちを育むとともに、自分の自信にもつながり、自己実現する力を育てることにつながりそうです。
■子どもが片づけやすい収納の工夫を!
FU-KOさんの「子どもの目線」に立ってものを見たり考えたりすることは、子どもの収納や片づけにおいても活かされています。