今回のお悩み「2024年から始まる新NISAって?今までとの違いは?」これまでつみたてNISAをやっていたのですが、2024年からNISA制度が変わり、新しいNISAが導入されると聞きました。これまでの制度との違いは何ですか?具体的にどのように変わるのでしょうか?(30代/福祉系・サービス業)■新しいNISA制度とは?2024年1月からNISAが新しい制度(=新NISA)に変わります。新NISAを簡単に説明すると、これまでのつみたてNISAと一般NISAが合体したようなイメージです。この2つの口座で投資ができるのは2023年12月までです。新NISAになると、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になり、非課税保有期間(※1)は無期限化。そして、非課税保有限度額の総枠(※2)の上限は1,800万円(※3)となります。このうち、満額の1800万円の枠をフルに利用するためには、最低でも600万円はつみたて投資枠で運用する必要があります。残りの1,200万円は、つみたて投資枠でも成長投資枠でも投資可能ということになります。また、年間投資枠はつみたて投資枠で120万円、成長投資枠は240万円ですので、年間上限は合計360万円、満額の1,800万円を目指したいという方は、つみたて投資枠と成長投資枠を併用していきましょう。すでに一般NISA口座やつみたてNISA口座を開設済みの方は、今利用している証券会社で自動的に新NISA口座が作られるので、新たな手続きは不要。つみたてNISA口座の場合、つみたて投資枠の方で自動的に開設され、成長投資枠も併用できるようになります。一般NISA口座で設定されたものは、一部対象外となる銘柄の場合は積立設定が自動解除されます。※1 非課税保有期間の無期限化に伴い、現行のつみたてNISAと同様、定期的に利用者の住所等を確認し、制度の適正な運用を担保※2 利用者それぞれの非課税保有限度額については、金融機関から一定のクラウドを利用して提供された情報を国税庁において管理※3 簿価残高方式で管理(枠の再利用が可能)■新NISAのメリットと注意点まずは、非課税保有期間に限度が無くなったことがメリットといえるでしょう。また、つみたて投資枠の投資対象商品は現行のつみたてNISAと同様ですが、成長投資枠は上場株式・投資信託等(※4)でフレキシブルに運用することができます。整理・監理銘柄、信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託及びデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等を除外した上場株式・投資信託等(※4)が対象なので、比較的自由度が高いといえるでしょう。投資信託に投資をする際は必ず目論見書があります。これはどのように投資していくのかといった運用方針が書かれていますので、リスクとリターンを考えつつ、自分の投資スタンスと合致するのか必ず目を通すようにしましょう。成長投資枠は株式だけに投資かつ、企業を分散させないなど場合によってはリスクが高くなるので注意。株式投資をするなら自分で企業分析などをして投資をすることをおすすめします。その際、金融マーケットの情報や企業分析がされているなど、トレードツールが豊富な証券会社を選ぶと良いでしょう。また、投資に慣れていない人は、ひとつに多額の投資をせず、地域分散やリスク分散するようにしましょう。長期・積立・分散がポイントなので、積立をしながら分散投資をするのが良いと思います。※4 金融機関による「成長投資枠」を使った回転売買への勧誘行為に対し、金融庁が監督指針を快晴し、法令に基づき監督及びモニタリングを実施■併用可能になった「成長投資枠」やったほうが良い?成長投資枠は一気に買わないといけないイメージがありますが、意外とそんなことはありません。現状のつみたてNISAでの人気の投資信託は、米国株式メイン(S&P500)の投資信託や、全世界株式(オールカントリー)ですが、そればかり積み立てているとそれが逆にリスクになることも。選択肢が多いのが成長投資枠なので、株式ばかりではなく他の投資信託と組み合わせると、よりリスク分散できます。「投資はしたいけど何から手をつけたらいいか分からない」「口座は開設したのに、何もしていない」という人は、ロボットアドバイザー投資を利用するのも良いでしょう。ロボットアドバイザー投資とは、プログラミングとAIを活用して、投資に関する診断やアドバイス、運用をしてくれるサービスのことです。ロボットアドバイザー投資は、つみたて投資枠では手数料はゼロで、成長投資枠では1%なのでトータルの手数料は0.6%程度です。また、投資をする際は手数料にも注目しましょう。9月30日からSBI証券と、10月1日から楽天証券が国内株式の取引手数料が無料化(※5)されました。どちらももともと口座開設手数料や管理手数料は無料で、人気のあるネット証券でもあります。国内株式の取引手数料が無料になる=利益が出やすいともいえます。※5 SBI証券は、取引報告書など交付書面を「電子交付」に設定することが条件。楽天証券では新たな「ゼロコース」に変更することが条件となります。令和のマネーハック85新NISAは従来よりもメリットたくさん!これを機に「成長投資枠」も活用し、リスク分散をして賢く投資をしましょう。(監修:丸山晴美、取材・文:高橋千里、イラスト:itabamoe)
2023年10月16日今回のお悩み「結局何を買えば良い?つみたてNISA銘柄の選び方」つみたてNISAを始めようと口座開設をしたのですが、銘柄を選ぶところでつまずいています。何を選べば良いか、基礎から教えてください!(30代前半/金融・事務職)■積立投資をやるべき理由は?今はインフレが進んでいます。インフレとは、簡単にいうと物価が継続的に上昇していくこと。つまり、お金の価値が下がっている状態なんですね。日本はどうしても賃金が上がりにくくまた、社会保険料や増税で可処分所得が減少傾向ということもあり、所得面では物価上昇に応じて所得が増えていないというのが現状です。ということは今、現預金の価値が目減りしているという状態。今後もこのインフレが続くと考えられるので、投資運用は併用していくのが大事です。一般的な投資運用では、利益に対して約20%の税金がかかります。つまり、10万円の利益が出ると、そのうち2万円ほどが税金として引かれて、実際の手取りは8万円くらいになるということ。対して、非課税投資枠の口座・つみたてNISA・一般NISAに存在する「非課税投資枠」は利益に対する税金がかかりません。そのため、10万円の利益が出たら、まるっと手元に残るというのが特徴です。また、投資枠もつみたてNISAと一般NISAとでは異なります。口座はどちらか一つしか選べないので、自分に合った方を選びましょう。■つみたてNISAの銘柄の種類つみたてNISAの銘柄は、金融庁が定めた条件を満たした商品が対象となっているため、基本的には安全性が確保されています。つまり、値下がるリスクが低いということ。そのため、長期的に投資をしたい人に適しています。また、手数料が低いというメリットもあります。投資には興味はあるけれど、なかなか一歩踏み出せないという未経験者・初心者の方におすすめの制度だといえるでしょう。年間40万円の投資枠なので、1カ月あたりだいたい33,000円まで積立ができます。一般NISAは年間120万円の投資枠がありますが、口座を作っても実際にはやらない人が多いんです。なぜかというと、自分で銘柄を選んで売買しないとならないから。一方で、つみたてNISAは一度積立を決定すると、毎月一定の金額をほぼ強制的に積み立てられます。私の体感では、休眠口座にならずちゃんと利用している人が多いです。■初心者はどのように選べばいい?投資には「卵を一つのかごに盛るな」という格言があります。ひとつのかごに卵を盛ってしまうと、そのかごが落ちてしまったときに全部の卵がダメになります。しかし、複数のかごに卵を分けて盛ることで、ひとつがダメになっても、他がまだ残っている状態になります。つまり、投資先はリスクヘッジのために分散した方がいいことを指しています。例えば、地域の分散。国内だけでなく、海外に分散する方法もあります。他には、金融商品の分散もあります。株式メインで運用している投資信託もあれば、債権メインで運用している投資信託もあります。バランスを考えて配分することで、リスク分散することができます。ここで言うリスクとは、元本が減るリスクのことです。一般的に元本が減るリスクが低いものよりも、減るリスクが高いものほど値上がり益が期待できます。分散投資の基準は、がんがん投資したいのか、安全に運用したいのかという自分の狙いにあります。つみたてNISAの主な銘柄の種類は投資信託の目論見書のようなものがジャンルごとに一つ一つ書かれているので、そこから選べます。基本的には運用方針を確認すると詳細が分かりますよ。「リスク不平等」というのがあり、元本が減るリスクを許容できるかによって選ぶ商品が変わってきます。例えば、株だと減るリスクは高いが根上がる可能性も高くなります。アクティブに運用したい人は株式メインで運用している投資信託で、地域を分散させたポートフォリオを組んでみてもいいでしょう。もう少しゆるく運用したい人は債権メインで、ポートフォリオを組むのがおすすめです。とはいえ、債券をメインにして運用される投資信託にもリスクがありますので、目論見書を参考にして選ぶといいでしょう。また、米国株メインの投資信託を買いつつ、債権メインの投資信託にしてバランスを取るハイブリット型もおすすめです。自分がどういう風に運用したいのか次第で、どのような投資信託にするかも決まってきます。日本が一番良い、アメリカが一番有能ということもありません。動きを取りたくなければバランスを見て選ぶようにしましょう。何度も言いますが、大事なのは「長期・積立・分散」。特に初心者さんほど、ひとつの銘柄に集中させるのではなく、「長期・積立・分散」をつみたてNISAで実現してくださいね。令和のマネーハック79投資で大事なのは「長期・積立・分散」。自分に合った基準で分散させ、安全性の高い運用を心がけましょう。(監修:丸山晴美、取材・文:高橋千里、イラスト:itabamoe)
2023年07月24日■前回までの話家計が厳しくて教育費を削るべきかどうか…で悩むママたちは多くいます。そんな時に考えたい「習い事の始める時と辞め時」について。また子どもとお金の話をするときに「うちはお金がない」と言ってしまってもいいのか? という問題も横山先生が回答します。 >>1話目を見る 「節約は得意だけれど、投資は怖い…。でも、最近、「つみたてNISA(ニーサ)」や「iDeco(イデコ)」という言葉をよく聞くから、やっぱり投資はしておくべき?」そんなママたちを代表して家計再生コンサルタントの横山光昭さんにお話しを伺ってきました。横山 光昭(よこやま・みつあき)さん家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。株式会社マイエフピー代表取締役。お金の使い方を改善する独自の家計再生プログラムで、これまで24,000万件以上の家計相談を受けてきた。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。■「投資はすべきか?」プロの驚くべき回答は?楢戸:直球で聞きます。投資ってするべきなんですか?横山:「するべきか?」というよりも、「しなければマズい!」という人たちが多いのが現実です。「怖い」といった感情的な判断軸で、判断している場合ではないというか…。正直なところ、極論を言ってしまえば、「やらなければ、アウト」な人が多いんです。楢戸:え!? それって「貯金」というペースだけでは、必要な老後資金を貯められないという意味ですか?横山:そうですね。「老後資金を、公的年金だけで十分賄えます」という人はレアケースだと思います。そうなると、ある程度は自分で用意しておく必要があります。私たちは、ライフプラン表を使って、具体的に計算をします。そうすると「この貯金ペースだけでは、必要な老後資金を貯められない」という人が、大半なんです。■投資が初めての人におすすめの「パッチテスト」楢戸:厳しい現実ですね…。でもお金のことを、「ライフプラン」という長い時間軸で考えられる人は、まだ少ないと思います。「節約を頑張れば大丈夫なのでは?」という目線の方に、「ライフプラン的に見て、投資をしなければ間に合わない」という話をしても難しい…。この目線の切り替えは、どうしたら良いでしょうか?横山:よくある話ですけど、「投資を少額からやってみる」というのは、王道だと思います。「つみたてNISA」や「iDeco」は、税制の優遇制度なのはご存知ですか?入口としては、「つみたてNISA」の方が入りやすいですね。こういった制度を使って、まずは投資を少しだけ始めてみるんです。楢戸:NISAは「少額投資非課税制度」の愛称です。この制度には「少額投資を、税金の優遇制度を使って推奨します!」という国からのメッセージが込められています。「少額の投資を体験する」という意味で、いわば「投資のパッチテスト」です。自分が投資に対して、どんな反応をするのか? それを知ることから始める…くらいのテンションだったら、「やってみようかな?」と思える人もいるかもしれません。横山:パッチテストいいですね! うちでも使います(笑)。本格的な投資を始める前に、まずはパッチテストで体験予想をしておくと心理的なハードルは下がります。■リアルに投資を始めた人の実感は?楢戸:以前、ウーマンエキサイトの連載で、横山さんの「貯金感覚で始める3000円投資生活」を特集したことがありました。特集を担当した編集者さんが、この特集を機に投資を始めたそうなんです。その編集者さんは「最初は全然増えずに、放ったらかしにしていました。ある時、フッとみたら上がっていて、そこから勉強を始めました」と、おっしゃっていました。投資に対して、頭で「減った時のこと」を考えるのではなく、行動を起こして、「増えた」というプチ体験をすると、投資をスムーズに始められると思います。いい意味での「欲」を持てるようになれば、興味も沸きますしね。横山:好奇心ですよね。楢戸:好奇心という言葉、いいですね!▼「貯金感覚で始める3000円投資生活」 ■投資の「値動き」に一喜一憂しないためには?横山:私が推進している投資は、「インデックスファンドを長い時間をかけて積み立てする」というもので、そんなに怖くはないと思っています。「家訓として言われているので、僕は絶対に投資はできません!」と、おっしゃる方も、一定数いらっしゃいますが…。そういう方は、「投資」と「投機」を混同されているのかもしれませんね。楢戸:インデックスファンドを長期で積み立てするというのは、世の中のお金の流れに乗り遅れない、最も手軽な方法だと私は思っています。横山:ただ、コロナショックもそうでしたが、「半年」「1年」といった短いスパンで見てしまうと、値下がりをすることもあります。投資に慣れていないと、この最初の値動きのアップダウンで、「やっぱり投資は無理」と思ってしまう人がいるのかもしれません。繰り返しになりますが、私が推奨しているのは、10年単位で保有をする「長期投資」です。10年単位のスパンで見れば、値動きしつつも、資産は増えていくとは思います。今、個人投資家の数は日本の人口の6分の1くらいかな? もう少し増えてもいいと思います。■夫に「お金の話」をどう切り出すか?の大問題!楢戸:最後にひとつ聞いていいですか? 投資に対しての価値観の擦り合わせにも繋がると話ですが、結局のところ「お金の話」は、ママひとりでは、解決できないと思うんです。でも「お金のことを、夫にどう切り出すか?」。このハードルは、とてつもなく高いと思うんです。そんなママたちに、アドバイスをお願いします!横山:とても難しい問題ですね。旦那さんにお金の話をする際に、私がお勧めしているのは「実際の数字を見せる」ということです。「今月の収入は〇〇円で、支出の内訳はこうでした」みたいな一覧表を作るのです。具体的な数字があると、男性はイメージが沸きやすいと思います。楢戸:感情に訴えるのではなく、相手が理解しやすい資料を用意するということですね。あとは、「ひとりで不安にならない」ってことですかね?横山:それは、大いにあります。それから、子どもにも一緒に話に参加してもらう。楢戸:子どもに「わが家のお金の話」をすることは、「自分は、この家の大切な構成員なんだ」という子どもの自尊感情を育てることにも繋がると思います。横山:そうですね。私自身も、子どもたちに対して、「みんなが『株式会社 横山』のメンバーなんだ!」という気持ちで接しています。大人は固定概念に囚われがちなので、子どもからお金について新鮮な目線を教えてもらうこと、今でもありますよ。【この記事のまとめ】投資をしないと、アウトな人が多い。横山さんの言葉は、かなり衝撃でした。でも、お金を「ライフプラン表を使って人生の最後まで考えてみる」という視点は、大切ですね。昨年(2022年)12月には、NISAの制度改正も発表になり、これから投資分野はますます熱くなりそう…。ひとりでお金のことを悩むのではなく、家族でお金の話を共有しつつ、具体的な行動ができると良いですね!■今回、取材を受けてくださった横山光昭先生の書籍 90日で「貯める力」をつける本 (横山光昭著/ディスカヴァー・トゥエンティワン 1540円(税込))「赤字家計」「貯金ゼロ」「低収入」の家計を再生してきた伝説のメソッドが超リニューアル!なぜ、今、「貯める力」なのでしょうか?1つ目は 「リスク対策」、2つ目は「お金を増やすため」。「貯める力」は、一生お金に困らない“基本の力”となります。横山 光昭(よこやま・みつあき)さん家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。株式会社マイエフピー代表取締役。お金の使い方を改善する独自の家計再生プログラムで、これまで24,000万件以上の家計相談を受けてきた。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。イラスト:ありま
2023年07月12日「つみたてNISAとは、’18年からスタートした投資信託を対象にした非課税制度のことです。通常の投資なら、投資で出た利益に20%ほどの税金がかかりますが、つみたてNISAには税金がかかりません。積立額の上限は1年間に40万円までで20年間非課税で運用できます。しかも、20歳以上であれば何歳からでも始められますし、いつでも売却や引き出しができます」そう話すのは、『つみたてNISAの教科書』(ナツメ社)の著者でファイナンシャル・プランナーの風呂内亜矢さん。金融庁によると’20年12月末までの「つみたてNISA」の口座数は、302万8,259で1年前と比較すると、1.6倍にも増えたという。「つみたてNISAを始める人が増えたのは前述のメリットにプラスして、コロナ禍でのおうち時間を活用して、家計の見直しをしながら、将来への備えについて夫婦で話し合いができたことが大きいと思います」(風呂内さん・以下同)たとえば毎月1万円を普通預金に預けた場合、5年後に約60万円、10年に約120万円、20年後に約240万円になる。つみたてNISAに同じ金額を預けて、年2%の利回りで運用できたとすると、5年後には約63万円、10年後には約132万円、20年後には約294万円と差は歴然!将来、平均何%の利益が必ず出るという確証はないが、リスクを最小限に抑えるためにも少額からスタートして長期間運用するのがベストだ。そんな、つみたてNISAの始め方を風呂内さんに教えてもらった。【ステップ1】“身近な銀行・信用金庫”の窓口に行く!投資信託の種類がたくさんあるネット証券がベストだが、パソコンやスマホの操作に慣れない人は、今、普通口座を開いている金融機関の窓口で聞いてみることからスタートしよう。「今、普通預金の講座を開いているメインバンクのほうが担当者に質問しやすいので、最初は身近な金融機関でスタートしてみるのも手です。ただし気をつけたい点は、銀行などでは、つみたてNISAで運用できる投資信託を4〜5本くらいしか扱っていないケースが多いこと。もっとたくさんの商品から選びたいという人は、ほぼすべての商品がそろうネット証券で口座を開くことをおすすめします。基本、1年間のうちに1人1口座しか開けませんので、銀行とネット証券の2つで口座を開きたいと思っても、受け付けてもらえませんので気をつけましょう」次の年に、ネット証券などほかの金融機関に口座を移すという方法はOK。パソコンやスマホの操作が慣れたら、トライしてみるのもいいかも。【ステップ2】“つみたてNISA口座”を開設する!「つみたてNISAの口座を開設したい」と金融機関に伝えると、申し込みに必要な書類が一式、自宅に届くので、わざわざ金融機関に出向かなくてもいい。また、コロナ禍の今は、窓口での相談も予約制の金融機関も多いので、電話で確認してからのほうが二度手間にならずに済む。「届け出の際に必要なものは、届け出印、マイナンバーカードまたは通知カード+運転免許証、パスポート、住民基本台帳カード(顔写真つき)などから1つ。これらの身分証明書をコピーして、届け出の書類と一緒に送付する方法が一般的です。証券会社を選んだら総合口座、銀行は普通口座を同時に開設する必要があるのでこれらのことも事前に聞いておきましょう」【ステップ3】月々の“つみたて額”を決める!つみたてNISAの1年間の非課税枠は40万円で、1カ月は約3万3,000円だが枠いっぱい使うのではなく、現在毎月積み立てている金額の5〜10%を目安にしてみよう。「まずはご自身の、今の貯蓄額がいくらなのか把握しましょう。たとえば万が一、病気やケガで仕事ができなくなって収入が途絶えたときの、入院費や生活費を想定して、毎月の生活費の3カ月〜6カ月分、あるいは500万円ぐらい貯めておくと、大きなアクシデントにも対応できます。この金額が下回っている人は投資の前にまずはお金を貯めましょう」【ステップ4】“投資信託”を選ぶ口座を開設すると、各金融機関は税務署に「NISA口座」開設することを申請する。審査には約2〜3週間。口座開設の確認通知が来てから、投資のための入金手続きを行い、投資信託を選ぶ。「つみたてNISAの投資信託は、手数料が安いというのも魅力のひとつです。特に、販売手数料は0円で、運用や管理にかかる費用として毎日引かれる信託報酬も、かなり低めに設定されています。目安は0.1〜1%。売るときにも信託財産保留額というコストがかかり、これも0.1〜0.5%程度です。これらの手数料を比較して安いタイプのものを選ぶといいでしょう」【ステップ5】その後は“放っておく”ぐらいの感覚でOK!最終的に1〜3%程度の利回りを目指せるように、長い期間、預けておくことが大切。そのときの経済状況に一喜一憂しないで、“放っておく”くらいの気持ちで投資しよう。「実際に投資をやりながらのほうが、投資信託の仕組みや経済について理解できるようになります」「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載
2021年05月06日「つみたてNISA制度を始めてみたいけど、どのような制度かわからない」「どの金融機関で始めたらいいのかわからない」といった疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。楽天証券でつみたてNISAを始めると、ポイントで投資できるうえにポイントを貯めることができます。本記事ではつみたてNISA制度の概要、楽天証券でお得に投資する方法などを簡潔にまとめていきます。つみたてNISA制度の概要&メリット・デメリット金融庁HP出典:リンクつみたてNISAのデメリットつみたてNISAにはメリットがある一方でデメリットもあります。それは損益通算ができないという点です。損益通算とは、売却損が出た場合に他の売却益などと通算することで、税金の額を減らすことができる制度です。NISA口座やつみたてNISA口座で運用していて損失が出た場合、他の運用益と相殺することはできません。[adsense_middle]楽天スーパーポイントで投資が可能楽天証券のポイント投資『運用は危険、怖い』と思っている方でも、自分のお金を投資するのではなく、ポイントを原資にすると気楽に始められるのではないでしょうか。楽天証券では、楽天スーパーポイントを使って運用商品を購入できます(※期間限定ポイントは使えません)。投資商品を売却することでポイントの現金化も可能です。ポイントで投資できる商品は3つあります。投資信託国内株式(現物)バイナリーオプション本記事では、つみたてNISA口座を活用した積立投信の買い方を中心に説明させていただきます。【手順1】楽天証券で口座を開設するまずは楽天証券で口座を開設します。つみたてNISAと合わせて特定口座(課税口座)も開設しておくと便利です。必要な書類は以下の通りです。本人確認資料マイナンバーの通知カードまたはマイナンバーカードスマホ、マイナンバーカードまたは運転免許証を持っていると、スマホ完結で手続きができます。それ以外の書類をお持ちの方は郵送にて口座開設ができます。本人確認資料やマイナンバーカードの住所変更などが未済の場合は口座開設ができません。まずは、各種変更手続きを済ませてから口座を開設しましょう。【手順2】証券口座に入金する入金方法①らくらく入金らくらく入金は、楽天銀行のサイトにアクセスすることなく、楽天銀行の口座から楽天証券の口座に入金ができるサービスです。非常に簡単でスピーディに入金でき、振込手数料は無料です。入金方法②インターネットバンキングインターネットバンキングからの入金は、楽天証券の提携先の銀行で口座を持っている方が利用できます。即時入金が可能かつパソコンやスマホで操作でき、振込手数料は無料です。対象の銀行は以下の通りです。楽天銀行三井住友銀行三菱UFJ銀行みずほ銀行ゆうちょ銀行ジャパンネット銀行セブン銀行りそな銀行埼玉りそな銀行関西みらい銀行住信SBIネット銀行イオン銀行広島銀行入金方法③振込入金近所のコンビニATMや銀行窓口から振込をする方法です。振込手数料は自己負担になります。【手順3】投資信託を選び、積立設定を行う証券口座を開設したら、投資する投資信託を決めます。投資信託の分類方法には「①投資する資産、②運用方法、③投資する地域」の3種類があります。投信の分類方法や種類を把握して、ご自身に合った商品を選ぶようにしましょう。分類①投資する資産株式投信株とは、企業が資金を調達するために会社のオーナー権利として発行するものです。株の投資信託は、1社だけではなく数十〜数百社に投資をしているので、少額でも分散投資することが可能になります。債券投信債券とは、国や企業などの発行体が資金を借り入れするために発行する有価証券です。債券は利率や償還日が決まっていて、償還時に元本が返ってくる仕組みになっています(発行体の信用リスクなどはあります)。既発債券の場合は債券そのものの価格が変動します。債券投信の場合は新発・既発の債券を複数保有しているため、基準価格は毎日変わります。また、債券投信では満期などは決まっていません。投信期間が定まっている場合がありますが、元本のまま戻ってくるわけではありません。不動産投信(REIT)不動産投信とは、オフィス、商業施設、住宅などの不動産に投資をして、家賃収入や不動産の売買益を投資家に配当する投資信託です。利益の90%超を配当することで分配金を損金算入できて効率的に運用できるため、他の投信に比べて分配金の額が高い傾向があります。バランス型投信バランス型投信とは株、債券、不動産などさまざまな分野の資産に分散して投資する投資信託です。それぞれの資産が違う値動きをするため、リスクを抑えながら運用することが可能です。分類②運用方法インデックスファンドインデックスファンドとは、市場平均通りの投資成果を目指す投信です。日経225、ダウ、S&P500などの指標に連動した投信が定番です。購入時手数料や運用管理費が比較的安いことが多く、コストを抑えて運用することが可能です。アクティブファンドアクティブファンドとは、独自の銘柄選択や資産配分により市場平均以上のパフォーマンスを目指す投信です。運用するのに手間がかかるため、購入時手数料や運用管理費が高くなる傾向にあります。積極的な運用をしていく場合におすすめです。分類③投資先の地域国内投信国内の資産に投資する投資信託です。約定日(購入価格が決まる日)は申込当日になります。海外投信海外の資産に投資する投資信託です。海外の中でも、先進国・新興国などと限定している投資信託が多いです。投資先が海外になりますので、資産の値動きに加えて為替の影響を受けます。約定日は原則、申込日の翌営業日になります。[adsense_middle]SPUでポイントを大量に獲得するやり方SPU(スーパーポイントアッププログラム)とはSPUは、楽天グループのさまざまなサービスの条件を達成するごとに、楽天市場のお買い物でもらえるポイントの倍率が上がっていくお得な制度です。月の末日までに条件を複数満たした場合、条件を満たす前の買い物も含め月初に遡ってポイントを受け取ることができます。出典:楽天HPを参考に筆者作成会員ランク別の月間ポイント獲得の上限は以下の通りです。ダイヤモンド会員:15,000ポイントプラチナ会員:12,000ポイントゴールド会員:9,000ポイントシルバー会員:7,000ポイントその他会員:5,000ポイント※2021年4月1日以降、楽天ゴールドカードを利用した楽天市場での買い物ポイントが+4倍から+2倍に変更になります。従来は楽天カード利用による+2倍と、ゴールドカード利用による+2倍の合計+4倍がもらえていましたが、2021年4月1日以降は楽天カード利用による+2倍のみになります。ただし、プレミアムカードの還元率は変わりません。※2021年4月1日以降、Rakuten パ・リーグSpecialはSPUの対象外になる予定です。楽天証券でSPUの倍率を上げる3つの条件条件①購入時にポイントを使う設定にするSPUの倍率を上げるためには、購入の際にポイントを使うよう設定しましょう。購入方法は積立でもスポット購入でも対象になります。積立購入:毎月同じ金額、日にちで投資信託を自動的に購入し続ける方法スポット購入:任意のタイミングで金額を指定して購入する方法積立投信の場合、ポイント利用をする設定にして現金で購入していれば、仮にポイント残高が0でもSPUの対象になります(2018年10月28日以降に積立設定した場合)。スポット購入の場合は、ポイントを1ポイント以上使うように入力して投信を購入します。注意点として、期間限定ポイント(SPUで獲得した楽天ポイント含む)は使用できません。条件②1回の注文で投資信託を500円以上購入するSPUの倍率を上げる条件として、1回の購入金額が500円以上である必要があります。ただし、すべてをポイントで購入する必要はありません。例えば、1ポイントと499円の証券口座残高で500円分の投信を購入しても対象になります。複数回に分けてポイント投資をした累計が500円以上の場合は対象外になってしまうので注意しましょう。具体的には、楽天証券で積立投信を購入する場合は1日100円から設定できますが、100円ずつの積立を5回行ってもSPU対象にはなりません。国内株(現物)、バイナリーオプションもポイントで購入できますが、SPU判定の対象外になります。条件③楽天ポイントコースを設定する楽天証券では積立投信を楽天カード決済で積立したり、株を購入したりすることでポイントが貯まります。ポイントを貯めるには2種類のコースがあり、選択制になっています。それぞれメリット・デメリットがありますので自分に合った方を選ぶようにしましょう。楽天ポイントコース(SPU対象)楽天証券と楽天アカウントを紐付けたポイントコースです。楽天グループ各社で利用できる共通ポイントが貯まります。楽天ポイントコースを選ぶとSPUの倍率UP対象になります。楽天証券ポイントコースこちらは楽天証券限定のポイントコースで、貯めたポイントをJMBマイルに交換できます。JMBマイルに交換するには、JALマイレージバンクの日本地区会員(入会金・年会費無料)であることが必要です。また、楽天ポイントに変換することも可能です。ただし、こちらのコースを選ぶとSPUの倍率UP対象外になります。楽天のサービスを複数利用していてSPUの倍率を上げたい方は、楽天ポイントコースへの変更をおすすめします。【注意点】SPUでもらえるポイントは期間限定ポイントSPUの条件をクリアして受け取ったポイントは通常のポイントと違い、期間限定ポイントになります。期間限定ポイントとは、有効期間が限定されているポイントです。通常ポイントと期間限定ポイントを両方保有している場合は、期間限定ポイントが優先して使われるため、自分で選んだり設定したりする必要はありません。また、複数の期間限定ポイントを保有している場合は期限の近い方から使われます。ポイントの明細は楽天point clubなどで確認できますので、有効期限切れにならないようにしましょう。楽天カードで積立投信を購入するとさらにお得に積立投信を楽天カード決済で購入するメリット積立投信の決済では楽天カードを活用するのがおすすめです。楽天カード決済の特徴は以下の4点です。決済額100円につき1ポイントもらえる積立額の上限額は50,000円まで積立日は毎月1日になる楽天ポイントまたは楽天証券ポイントを利用できる決済額100円ごとに1ポイントがもらえるため、運用益が1%確約されているとも言えます。また、つみたてNISA口座での購入も対象です。つみたてNISA口座の年間積立上限額は40万円なので、月々で計算すると「40万円÷12カ月≒3万3333円」です。そのため、つみたてNISAの枠と楽天カード決済の積立投信の上限(5万円)を最大限に活かすには、33,000円をつみたてNISA口座で、残りの17,000円を特定口座でそれぞれ積み立て、月に500ポイントを受け取るといいでしょう。楽天のポイント投資とつみたてNISAに関するまとめつみたてNISAは税制メリットの大きいお得な制度ですので、ぜひ活用を検討してみてください。楽天証券ではポイントで投資ができ、積立投信を購入することでポイントを1%貯められるため、他の金融機関に比べてもメリットがあります。さらにSPUの倍率を上げることも可能なので、楽天市場での普段のお買い物がさらにお得になるでしょう。
2021年03月22日つみたてNISAで運用している投資信託は、基本的に長期での運用を心がけるべきですが、いつでも売却はできます。つまり、資金が必要なときに現金化できるというメリットがあるのです。この記事では、つみたてNISA運用中に現金を引き出す方法と、売却のメリット・デメリットについて解説します。つみたてNISAと途中売却のメリット金融審議会「高齢社会における資産形成・管理」左の図は1995年から20年間、A: 定期預金のみ、B:国内の株・債券に半分ずつ投資、C:国内・先進国・新興国の株や債券に6分の1ずつ投資した場合の実績を表しています。Aの定期預金は元本割れのリスクはありませんが、20年間運用していても1.32%(平均0.1%)しか利益率はありません。一方、国内の株・債券に半分ずつ投資した場合、20年間で38%(年平均1.9%)の収益を得られます。ただし収益のブレが大きく、途中でマイナスリターンになることもあります。そして Cの国内・先進国・新興国の株と債券に6分の1ずつ幅広く分散投資した場合、収益率が79.9%(年平均4.0%)ともっとも高かった上、マイナスリターンになることなく順調に収益を伸ばしていることがわかります。積立期間が長期になると利益率は安定する右の図は、1985年以降の各年に、毎月同じ金額ずつ国内外の株式や債券に積立・分散したと仮定し、保有期間が経過した時点での時価をもとに運用結果(投資収益率)を算出したものです。保有期間が5年ではマイナスリターンも発生しますが、保有期間が20年になるとプラスリターンに収斂し、そのばらつきも2~8%の間に落ちつきます。つみたてNISAの非課税期間も20年です。ですから、シミュレーションではつみたてNISAの運用結果もプラスのリターンになる可能性が高いと考えられます。もちろんこれらの結果は過去の実績にもとづくものであり、将来も同じような結果になるとは限りません。しかし、長期・積立・分散投資がリスクをコントロールし、一定のリターンをもたらしやすいという点で、多くの個人投資家にとって望ましい資産形成の方法だといえます。つみたて(積立)NISAの途中売却・現金引き出しに関するまとめつみたてNISAはiDeCoと異なり、いつでも売却して現金を引き出すことが可能です。お金が必要なときに解約できるほか、目標金額に達したときに売却できるなど、柔軟に運用できるという点が大きなメリットであるといえるでしょう。ただし株価が暴落したからといって、つみたてNISAを解約したり、運用を途中でやめてしまったりしてはいけません。20年以上の長期で運用を考えた場合、収益率はプラスリターンに収斂する可能性が高いからです。短期的なマーケット環境に一喜一憂することなく、長期で安定した運用を心がけるようにしましょう。
2020年10月10日つみたてNISAは、iDeCo(個人型確定拠出年金)と同じように長期での資産形成に向いている制度ですが、途中でやめてしまう人もいるのは何故でしょうか。運用に失敗してしまう人はどのような特徴があるのか、どのように対処すればいいのかについて解説します。コロナ禍でも増えるつみたてNISA金融審議会市場ワーキング・グループ報告書左の図は、1995年から2015年までの20年間の運用益を表しています。「A:定期預金」だけでは、20年間の運用で1.32%(年率0.1%)しか資産は増えませんが、「B:国内の株式と債券に半分ずつ投資」した場合は、38%(年率1.9%)のリターンとなるのです。ただ収益のブレが大きく、マイナスになっている年もあります。しかし、「C:国内・先進国・新興国の株式や債券に6分の1ずつ投資」した場合、79.9%(年率4%)と高いリターンを得られます。株式のみではリスクが高くなりますが、このように幅広く国際分散投資を行っておけば、リスクを抑えながら高いリターンを望めるのです。また右の図は、1985年から毎月同額ずつ株式や債券に積立・分散投資した結果です。保有期間が5年の場合はマイナスリターンも発生しますが、保有期間が20年になるとプラスリターンに収斂し、そのバラツキも小さくなることがわかります。これらはあくまでも過去の実績にもとづくものであり、将来においても同じ結果が得られるとは限りません。しかし長期・積立・分散投資がリスクをコントロールし、一定のリターンをもたらしやすいという点で、多くの人にとって好ましい資産形成であるといえるでしょう。つみたてNISAで損する人の共通点まとめつみたてNISAは10年、20年にわたって運用を行っていく制度です。最初は誰でも長期で運用しようと考えて始めるのですが、途中でやめてしまう人もいます。しかし、積立投資は量を積み上げていく投資手法なので、相場の上げ下げの結果によって運用をやめてしまうのは不要です。途中で価格が下がっても大丈夫だと理解しておけば、相場の上げ下げは気にならなくなります。短期的な視点で考えず、10~20年といった長期で考えて運用を続けるようにしましょう。
2020年09月11日2018年1月より「つみたてNISA」が始まり、約1年半経過しました。皆さんも耳にした事や目にした事はあるのではないでしょうか?現在加入者数も右肩上がりに増えており、今まで投資に親しみの無かった方でも気軽に始められる制度です。今回はつみたてNISAでどんなファンドを選んだら良いのかという事を解説していきます。また今回は選び方だけでなく、つみたてNISA、投資信託の仕組みにも触れて解説していきますので、初心者の方は是非最後までお付き合い下さい。ファンドからご覧になりたい方は先へ読み進めて頂ければと思います。投資信託とつみたてNISAを知ろう!投資信託の特徴投資信託の特徴は次の通りです株や債券に間接的に投資する商品運用はプロが行う為、深く考えずお任せ投資となる市場環境によって利益が出たり、損失が出る可能性もある元本保証は無い為、投資の責任は投資家に帰属するファンドは様々あり色々組み合せたり、バランス良く1つに纏まったファンドもある出た利益に対し約20%の源泉分離課税がかかるまとめるとこんな感じです。特に6番目の源泉分離課税がこれまでの投資信託におけるネックでした。利益が出たぞと思っても、その利益に対し約20%もの税金が差し引かれるのは、誰しも嫌なのではないでしょうか?この点を解消したのが次に解説します、つみたてNISAです。つみたてNISAとは冒頭でも書きましたが、制度自体は歴史が浅く、まだ1年半しか経過していません。過去には「NISA」や「iDeCo」といった投資信託や株を使って運用しながら、非課税の恩恵を受けられる商品がリリースされており、つみたてNISAは「NISA」「iDeCo」と同じく非課税適用となる商品です。ここで言う非課税とは、先程、投資信託の部分で解説しました源泉分離課税が掛からないという事です。この点が解消された為、また商品の特性上、複利で運用されるので、大きな投資効果が見込めるようになりました。この複利は非常に大きな効果を生み出します。参考までに複利を解説しておきます。複利とは投資した元金から利息(利益)が出たものが元金に組み込まれ、更に金利(利回り)が付くことによって増えていく事。特に効果を発揮するケースは長期に渡って運用する事が望ましい。つみたてNISAの特徴主な特徴は次の通りです。年間40万円の支出に対して出た運用益は非課税対象上記支出期間の20年間(2018年~2037年)までは非課税期間である証券会社にもよるが、最低100円から投資可能国が厳選したファンドばかりで、手数料が比較的少ないインデックスファンドが中心主だった特徴は4つです。ご覧のように20年間は利益に対し課税されません。そこに対し複利効果が乗っかってきますので、大きな運用成果を期待できる事になります。また「つみたて」という言葉でもお分かりのように、毎月投資という形で積立てていきますので、値動きのリスクを回避する手法を自動的に取っています。(楽天証券やSBI証券では毎日積立も可能です。しかも100円投資も可能です。)ここまで投資家に寄り添った制度は今までありませんでしたので、加入者が増加している事も頷けますね。投資信託とつみたてNISAのまとめここまでは、制度に関する理解を深めて頂く為の解説を行いました。ご覧の様につみたてNISAは、将来の資産形成には非常にマッチした商品であると言えます。また20年間と長期に渡って投資を行う事で、損失の機会を軽減してくれます。こちらの図をご覧ください。これは株式投資のリターンの図になります。長期に渡るにつれ、マイナスが軽減されているのが分かりますよね。逆に短い期間程、損失の機会は多くなる事を示しています。つまり、投資における最大の成果を出すために、また損失の機会をいかに出さなくするかは、長期投資による事が一番だという事になります。結果つみたてNISAの20年間の期間は、ぴったりとハマる事になります。つみたてNISAをご検討の方は、お早めに始める事をおすすめ致します。[adsense_middle]2019年版!積立NISAの商品(銘柄)の選び方ご覧のように、日経平均と比べても明らかに違いが分かりますね。ずっと右肩上がりで推移しています。リーマンショックやITバブルの崩壊もありましたが、それでも日経平均を上回っています。また、つみたてNISAの20年間を考慮しても十分な成果を期待できるファンドでもあります。世界経済の中心である米国のファンドですので、安心できる材料は揃っていると言っても良いでしょう。また、証券会社での販売ランキングには上位に入っていますので、他の方も購入している点で考えてもおすすめです。よくある質問:楽天証券でないと購入できないの?商品名に楽天と付いていますが、楽天証券でしか購入できないかというと、そうではありません。SBI証券等、他証券会社でも取扱いはありますので、このファンドを購入する事は可能です。ひふみプラスこのファンドは日本株式に多く投資しているファンドでアクティブファンドです。先程インデックスファンドがベストと書いたばかりでしたが、このファンドは販売以来、右肩上がりで運用成果を出してきたファンドです。その運用手法も特殊で、ファンドを運用するレオス・キャピタル・ワークスの社長自ら様々な企業に訪問し、情報収集して投資に及んでいます。データだけでなく、現地に足を運ぶ地道なやり方ではありますが、結果を出すための努力を惜しまない運用手法は素晴らしいと思います。つみたてNISAのおすすめのファンドに関するまとめ今回はつみたてNISAのファンドの選び方、私がおすすめする厳選したファンド3選をご紹介してきました。私のクライアントにもお話しますが、つみたてNISAはお任せ投資で気楽に始めましょうとお伝えしています。ファンドの数に惑わされないように、3つのファンドに絞ってご紹介しましたが、それ以上に制度が仕上がっていますので、つみたてNISAをご検討の方はお早めに始める事、悩まなくて良い投資スタイルで望んで欲しいと思います。
2019年07月08日今回はつみたてNISAを始める方にとって、どの銀行、証券会社で始めればいいのかを比較した記事になります。メリットのある方が良いですし、長期に渡ってお付き合いしていくので最初から慎重になりますよね。では早速解説していきますね。つみたてNISA口座比較の前におさらいしておきましょう(ゆうちょ銀行)全部で8本の投資信託より選択できる様になっています。うち6本がインデックスファンド、2本はアクティブファンドになっていますね。ここでインデックスファンドとアクティブファンドの違いを紹介した記事もご覧ください。いくらから始められる?ゆうちょ銀行では最低1,000円から投資可能になっていますね。手数料は?購入時手数料や換金時手数料は無料となっています。唯一かかるのは信託報酬と呼ばれる運用する方に対する間接的なコスト位です。年齢は何歳から?20歳以上であれば可能です。限度額はいくらまで?つみたてNISAは年間40万円までの積立金額であれば運用益に対して非課税となります。また最長20年間は非課税運用期間を設ける事が可能ですので、最大800万円までは非課税対象金額と思って大丈夫です。ゆうちょ銀行の特徴私から見た特徴を幾つか挙げます。まずファンド自体8本と極めて少ないです。しかし、8本だからこそ選び易い(悩まなくても良い)と思います。またWebで購入できるものと、店頭で購入できるものもあります。最低購入金額は1,000円からとなっているので、最初の一歩として、抵抗は無いと思います。また全国に拠点が存在するので、転勤等が発生する方は相談し易いと考えます。みずほ銀行みずほ銀行は、ゆうちょ銀行同様に誰もが聞いた事ある銀行です。主に都心部に多いかと思います。ではゆうちょ銀行とどこが違うのか。早速解説していきますね。みずほ銀行の取扱い商品みずほ銀行のつみたてNISA商品は何と5本となっており、ゆうちょ銀行よりも少ない本数となっています。明らかに選び易さを追求していると思います。いくらから始められる?ゆうちょ銀行と同じく1,000円から積立可能となっています。手数料は?ゆうちょ銀行と同じく購入手数料などはかかりません。また、ATM手数料が無料になる特典が有り、みずほ銀行をよく利用される方はお得でしょう。年齢は何歳から?年齢は同じく20歳から購入可能です。限度額はいくらまで?ゆうちょと同じく800万円までは非課税枠として積立可能です。みずほ銀行の特徴みずほ銀行のつみたてNISAはやはりその本数の少なさにあります。5本であれば目移りはあまりしません。しかも、みずほ銀行のロボアドバイザーがいますので、迷ったり、悩んだ時にわずか2分でぴったりのファンドを選べるというシステムも入っています。この点は初心者にとっては有難いですよね。そしてATM手数料無料や振込手数料も無料だったり(回数制限有り)と特典もありますので、みずほ銀行の利用頻度の高い方にはオススメです。ネット証券の積立NISAの特徴(SBI証券)SBI証券での積立NISA対象商品はゆうちょ銀行、みずほ銀行を遥かに凌ぐ150本ものファンドが扱われています。かなりの本数に何を選べば良いのか戸惑ってしまう事もあるのではないでしょうか?逆にかなりの本数の為、色々と組み合わせなどが自由であると考える事もできますね。いくらから始められる?SBI証券は100円から投資可能となっています。投資を気軽に始めてみようかな?とお考えの方にとっては、かなりハードルが低くなっていますね。非常に始めやすい価格設定です。手数料は?購入手数料は同じく掛かる事はありません。SBI証券の特徴何と言っても150本ものファンドを要している事に尽きます。これだけの商品ラインナップを誇っていますので、初心者から、経験者まで幅広く対応できる点は大きいと思います。返って初心者の方にとってはファンド選びが少々難しいかもしれません。それと特徴的なのは100円から投資を始められる点ですね。大きなお金だと決断も鈍ってしまうかもしれませんが、手軽なワンコインでの投資は心理的にも非常に気が楽になりますね。楽天証券次にネット証券大手の楽天証券に関して解説していきます。こちらもSBI証券同様にネット証券では大手です。しかも銀行や通販、プロ野球チームにサッカーのスポンサーと世界的な認知は高いですよね。楽天証券の取扱い商品(楽天証券)こちらもSBI証券と同じく150本ものファンドを取り扱っています。銀行と比べるとかなりの本数ですね。やはり何が良いのか?迷う方もいらっしゃるでしょう。いくらから始められる?同様に100円から可能です。業界を代表するだけあって、ここもSBI証券と差がありませんね。楽天証券の特徴ほぼSBI証券と遜色無いですが、サービス面で差があります。大きく言えば2つ。1つ目は、楽天スーパーポイントで積立可能になるという点です。これはお買い物等した際にポイントが付いてきますよね。このポイントを積立NISAに充てる事ができるんです。最近ではポイントも非常に大事な資産となってきましたね。決して無駄にならない様に使えるのは有難いです。2つ目は楽天銀行とマネーブリッジで紐づけた場合、普通預金の金利が0.10%になるという事です。これば証券会社、銀行を持っている楽天だからこそかもしれませんが、引落口座を楽天銀行に指定してしまえば、預金金利が大幅に上昇します。これもかなり大きいですね。この様なサービスの違いで競争しているんですね。かなりお得です!松井証券次に解説したいのは松井証券です。あまり耳馴染みの無い方もいらっしゃるかもしれませんが、株主優待で生活している「桐谷さん」という男性をご存知ですか?この桐谷さんはTVでも取り上げられるほどの有名人です。この桐谷さんがオススメな証券会社がこの松井証券ですと発言した事により一躍有名になりました。気になる積立NISAはどんなでしょう?松井証券の取扱い商品松井証券では積立NISAの取扱い商品本数146本と、こちらもかなりのボリュームを要しています。ネット証券ではその殆どが140~150本と多く、通常の銀行や、証券会社の取扱い本数とは異なる仕組みになっていますね。いくらから始められる?SBI証券、楽天証券と同様に100円から始められます。松井証券の特徴SBI証券、楽天証券と同様に、商品ラインナップは多く、またロボアドバイザーがいますので、購入に迷ったらピッタリの商品を選んでくれます。また、毎月積立だけでなく、毎日積立も出来るシステムですので、ライフスタイルに合った投資方法を選べます。つみたてNISA(積立NISA)のおすすめ銀行・証券5社の比較表つみたてNISA(積立NISA)のおすすめ口座まとめ今回は銀行とネット証券の比較で解説してきました。大きな違いで言えば銀行の方が商品少なく、投資金額1,000円から。ネット証券は商品多く、投資金額100円からといった違いです。その他手数料等はほぼ同じ(無料)ですので、それぞれのファンドにかかる信託報酬が違いになってくるでしょう。私がオススメと思うのは楽天証券ですね。サービスの違いが大きく、普通預金金利も上がりますので、利用してお得感は高いと思います。しかし、他社も競争で新たなサービスを生み出すでしょう。その都度コロコロと変える訳にはいきませんので、今回解説した特徴と、皆さんのライフスタイル、価値観に合わせて選んで下さい。
2019年03月27日iDeCo(イデコ)とつみたてNISAという言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。ただ、つみたてNISAは2018年から始まったばかりで、その内容が広まっていないのも事実です。本記事では、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAの違いについて、分かりやすく解説します。iDeCo(イデコ)とつみたてNISAの違いを分かりやすく解説!共通しているところは「積み立て投資」まず、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAに共通しているところから見ていきます。それは「積み立て投資」です。積み立て投資とは:一般的に毎月、一定の日に一定の金額で、あらかじめ決めておいた金融商品を購入すること積み立て投資のメリット売買タイミングを読まないので、自然に資産形成ができやすい一般的に積み立て投資をした方が、売買タイミングを読むよりも良い成績になることがデータとして出ている金融危機時など、本来の安い時期にも恐怖心に負けることなく合理的な投資ができるあまり知られていませんが、多くの人にとっての投資で一番上手な運用方法は「ほぼ何もしないで、積み立て投資に徹すること」です。データとして、頻繁に売買をすればするほど、運用成績が悪化することが出ています。ちなみに、男性の方が女性よりも頻繁に売買をする傾向にあり、数値としてはっきりと(統計的に)「女性の方が、男性より投資が上手い」と出ています。これは、男性は自信過剰気味なので売買を頻繁に行い、女性は何もしない人が多いからです。自信過剰(オーバーコンフィデンス):行動経済学の用語・本来、株価などの値動きはランダム・ウォーカー(法則がない)なので誰も値動き予想・売買については自信がないのが自然なのに、不思議と自信がある不自然な状態。しかし誰もが陥りがち。積み立て投資のデメリット高い時期にも買ってしまう(しかし、それでも売買タイミングを読むよりは良い成績になりやすい)金融商品選びで「マシでないもの(一例:コストが異常に高い)」を買った場合、そのまま放置してしまいがちというものがあります。特に後者の「マシでないモノ」を選んでしまうと、資産形成に大きなブレーキがかかりますので、要注意です。金融商品の選び方が分からない方はこちらの関連記事をご覧ください。iDeCo(イデコ)とは?まず、iDeCo(イデコ)とは、原則として20歳から60歳までのおよそすべての人が加入できる、老後のための資産形成・運用の制度です。通常の証券会社で積み立て投資を行うよりも、税制面で優遇されています。運用益が非課税で自動再投資掛金が全額所得控除受け取り時にも各種控除出せるお金(掛け金・拠出金)は、その人の働き方によって変わります。※原則として60歳になるまで、解約できません。つみたてNISAとは?一方のつみたてNISAも、やはり税制面で優遇されています。特徴は以下となります。運用益が非課税非課税期間は最長20年間非課税投資枠は毎年40万円(非課税枠は最大800万円)口座開設する年の1月1日時点で20歳以上の国内居住者は利用できる(※60歳以上でも利用可能)解約はいつでもできます。金融庁つみたてNISAちなみに、iDeCo(イデコ)厚生労働省管轄、つみたてNISAは金融庁管轄と管轄が違います。iDeCo(イデコ)とつみたてNISA 両方したい!併用できる?気になるのが、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAが併用できるのか?というところですが、基本的に併用できます。iDeCo(イデコ)とつみたてNISAは併用できる専業主婦・主夫でもiDeCo(イデコ)とつみたてNISAを併用できる?併用できるのはこんな人基本的につみたてNISAは20歳以上の方なら加入できます。つまり、専業主婦・主夫でも加入できます。iDeCo(イデコ)もおよそすべての人が加入できますが、条件がありますので、ご自分が加入できるかどうかはイデコ公式HPの「カンタン加入診断」で確認できます。上記の診断結果で加入可能であれば、基本的にiDeCo(イデコ)とつみたてNISAを併用できます。iDeCo(イデコ)とつみたてNISAどっちが有利?使い分ける?それでは、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAはどちらが有利なのでしょうか?よくある誤解として、iDeCo(イデコ)・つみたてNISA・普通の証券会社など、どこで投資をしても、投資対象が同じであれば、運用成績は変わりません。基本的にコストの高い・低い、税金のかかる・かからないによって、押し下げられる幅(率)が異なるだけです。当然ながら、コストが低く、税金がかからない(優遇されている)方で行うのが得策です。その点を考えますと、普通の証券会社よりは、つみたてNISAの方がお得であり、さらにそれよりもiDeCo(イデコ)の方が税制面でより優遇されていますので、より有利と考えられます。【税制面上】普通の証券会社 < つみたてNISA < iDeCo(イデコ)なぜiDeCo(イデコ)の方が優れているかと言いますと、理由の一つに所得税の控除があるからです。人によっては、一生で数百万円もお得(払った税金が帰ってくる)になることがあります。所得控除やシミュレーションについての記事はこちらをご覧ください。ただ、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAのどちらも普通の証券会社の課税口座で行うよりは税制上有利なので、できるだけ利用したいところです。iDeCo(イデコ)とつみたてNISAだけでなく、普通の証券会社の口座(課税口座)でも積立投資すべき?先ほども触れましたが、ロボアドでもラップファンドでも、投資対象が同じなら、運用成績は変わりません。極端な話を言えば、道を歩いている「誰か」に任せても、投資対象が同じなら、基本的な運用成績は変わらないのです。任せたコスト分や課税される分だけ、運用成績が押し下げられるのが現実です。コストをかければ良い結果が出るのであれば、とっくに年金問題などは解決しています。そのため、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAには、ロボアドやファンドラップは基本的にありません。ただ、iDeCo(イデコ)の方は基準が甘く、コストが明らかに高いものがありますので、注意しましょう。コストが高くても、理論上良いことは起こりません。実に多い誤解として「誰かに任せたら、平均よりも良い成績になる」気がするものですが、現実は、私たち一人一人が賢い投資家として、積み立て投資に徹して、自分で管理し、変なこと(一例:安い時に慌てて売る)をしないことです。まあ、変なことをしてしまうのが人間なのですが。コスト・税金の分だけ、運用成績が下がるのが現実コストをかければ、平均より高いリターンが得られる、というのは理論上間違い実質運用成績=運用成績 - コストや税金iDeCo(イデコ)とつみたてNISAの中身(運用商品)の違いiDeCo(イデコ)とつみたてNISAでは、中身である運用商品が少し異なっています。結論から言いますと、理論上、合理的なモノが多いのは、iDeCo(イデコ)よりもつみたてNISAであると考えられます。iDeCo(イデコ)とつみたてNISAは同じ商品じゃない?iDeCo(イデコ)とつみたてNISA、両方とも、投資信託と呼ばれる運用商品がメインです。もちろん、iDeCo(イデコ)の方は、元本保証タイプの預貯金に相当するものがあります。投資信託とは、大きな風呂敷袋の中にたくさんの金融商品が入ったような投資商品。分散投資に優れている。誰でも容易に世界に分散投資を行うことが可能。ただし、世の中の9割以上の投資信託は理論上「マシではない」のが現実。iDeCo(イデコ)の場合は、金融機関によって品ぞろえが違いますので、先にもご紹介した見極め方法の記事を参考にして選ぶことが理論上は、合理的です。興味のある方はご覧ください。一方、つみたてNISAには、厳しい基準が設けられており、いわゆる「マシでない」投資信託が少ないと考えられます。一言で言うと、コストが安いインデックス型投資信託が多いのです。インデックス型投資信託:いわゆる「平均」に連動することだけを目標とする投資信託。実は投資の世界では「平均」こそがもっとも効率的な存在であると考えられる。そのためつみたてNISAのラインナップの9割はインデックス型投資信託に設定されている(2018年1月時点)また、つみたてNISAには以下のものがありません。つみたてNISAは株式が主体の投資信託つみたてNISAにないものは、これらです。元本保証の預貯金タイプがない債券主体の投資信託がない(債券が一部入ったバランス型はある)投資初心者の人からすると「元本保証タイプもないし、リスクの低いと言われる債券主体の投資信託もないし、ナニこれ?こんなの全然合理的じゃない!」と思われるかもしれません。そう、つみたてNISAはハイリスク・ハイリターンの株式主体のインデックス型投資信託が基本なのです。これはそのまま長期分散投資の肝です。iDeCo(イデコ)では、株式主体以外の投資信託も「買えてしまう」筆者は、金融庁がこのつみたてNISAにハイリスク・ハイリターンの株式主体のインデックス型投資信託を基本にしたことに、大いに尊敬・称賛・賛同いたします。じつは、投資ではリスクとリターンがおおむね比例する、と理論上考えられますので、コストを考慮するとある程度のリスクとリターンを背負わないと効率が悪いとみることもできます(大変口の悪い言い方をしますと、高いコストで期待リターンの低いものを選んでいるとカモの状態です)。投資のリスクとリターンはおおむね比例すると考えられる(いつもそうなるわけではなく、理論上のお話)ところが、iDeCo(イデコ)では、預貯金も債券も選べるようになっているので(必要な人ももちろんいますが)多くの人は、無意識にも預貯金・債券をメインにしてしまっています。これでは、多くの人の資産はローリスク・ローリターンなので、老後に必要なだけお金が大きくならない可能性があるのです。もちろん、投資は自己責任で自己判断の世界ですので、誰にも強制できません。何かしら「合理的な投資を促す仕組み」が必要だと筆者は常々感じています。そこで、かどうかは筆者の推測ですが、金融庁のつみたてNISAでは、預貯金と債券をばっさりと切り捨てました。個人的に、実に理論上素晴らしい仕組みだと思います。ただ、値動きは激しいので、急落時などに慌てて安い時に売らないようにするという、金融知識が必要です。急落時は長期で見ると「安くたくさん買えて、儲かる」時期ですので、積み立て投資を継続することが大切です。要約すると「何もしないで積み立てるのが正解」となり、冒頭の積み立て投資の説明につながります。株式主体の投資信託:金融危機時には半分以上価格が下がる可能性があり、ハイリスク。しかし、それゆえにリターンが付いてくると考えられ、長期分散投資においては重要な存在iDeCo(イデコ)とつみたてNISAのポートフォリオ(アセットアロケーション)は異なる?このように、品ぞろえが異なるため、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAではポートフォリオ(またはアセットアロケーション)が異なることがあります。ポートフォリオ:金融商品の組み合わせを指すことが一般的アセットアロケーション:資産クラスの組み合わせを指すことが一般的ここで重要なのはシンプルさです。大切なのは、投資家自身が、自分のポートフォリオ(毎月積み立てている金融商品の割合)が全体として、どのくらいの期待リターンとリスクを表しているのか・目指しているのかが、スッと分かるかどうかです。ここのポイントに関しましては、また別記事で詳しくご紹介できれば、と思います。まとめ:iDeCo(イデコ)もつみたてNISAも老後の資産形成を念頭に基本的にiDeCo(イデコ)とつみたてNISAは両方使える、併用できるiDeCo(イデコ)とつみたてNISAでは、税制上はiDeCo(イデコ)の方がつみたてNISAより有利iDeCo(イデコ)とつみたてNISAでは同じタイプの金融商品も買えるが、買えないものもある(後者は株式主体の投資信託)iDeCo(イデコ)とつみたてNISAのどちらも、税制上優遇されています。また、老後の資産形成・運用にとても適しています。毎月の掛け金に余裕のある方は、併用を考慮してみるのも良いかもしれません。
2019年01月11日「’18年から、つみたてNISAの運用が始まります。NISAとは、少額投資非課税制度のこと。株や投資信託などで運用して得た利益には、通常、20.315%の税金がかかりますが、NISAなら非課税になります」 こう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。’14年に始まったNISA制度。当初の非課税枠は年100万円だったが、’16年から年120万円に広がった。非課税での運用は最長5年間。’18年1月からは「つみたてNISA」の運用が始まる。そこで荻原さんが、つみたてNISAについて解説してくれた。 「’16年からは『ジュニアNISA(未成年少額投資非課税制度)』も始まりました。利用対象が未成年で、非課税枠が年80万円であること以外は、一般のNISAとほとんど同じ制度設計です。しかし、ジュニアNISAには、利用者が18歳になるまでは非課税での引き出しが原則できないなど、使いづらい面があります。そのため、一般NISAは約1,090万口座開設されていますが、ジュニアNISAは約23万口座にとどまっています(’17年6月時点・金融庁調べ)」 確かに、一般NISAは国民の約1割の1,000万口座以上開設されており、快調に進んでいるように見える。 「しかし、金融庁の調査で、口座開設者の半数以上が60歳以上で、若い人はあまり活用していないことがわかりました。さらに、口座を開いたものの、運用はしていない未活用口座が半数以上を占めていると指摘されました(’16年6月末時点)。そこで新たに考えられたのが、’18年から始まるつみたてNISAです。若い人でも投資しやすい少額の積立て方式で、おもに投資信託を購入します。そのため、非課税枠は年40万円までですが、最長20年という長期間の非課税投資を可能にしました」 特筆すべきは、つみたてNISAの対象となる投資商品。 「投資信託か、あるいは上場投資信託(ETF)なのですが、金融庁が決めた要件を満たすものだけに限定されています。すなわち、1・投資による利益が増えにくい『毎月分配型』ではない。2・投資商品を買うときに必要な販売手数料が無料。3・投資商品を保有している期間にかかる信託報酬が一定水準以下の安いもの、などです」 現在は投資信託の128本と、ETFの3本が対象商品だ(’17年12月6日・金融庁)。 「ところが、金融庁の要件をクリアしたものを、『金融庁のお墨付き』などと宣伝する向きもあり、私は危惧しています。金融庁は手数料の安さなどは判定しましたが、リスクについては別問題です。また『投資信託なら安心』というのも間違いです。投資である以上、リスクはつきもの。つみたてNISAを始めるのなら、運用成績に十分注意を払うことが必要です。投資は自己責任と覚悟してください」
2017年12月28日来年からの「つみたてNISA」導入に向け、10月から専用口座の受付けが始まった。だが、「『つみたてNISA』って何?」という人も多いのでは?そこで、耳慣れない人のため、経済ジャーナリストの荻原博子さんがどんな制度なのか解説してくれた。 「まず、『NISA(少額投資非課税制度)』とは、’14年に始まった、投資での儲けが非課税になる制度です。株式や投資信託などの保有期間に受け取る配当金や分配金、また、売却した際の儲けなどに、通常20.315%の税金がかかるところ、NISAならゼロです」 20歳以上を対象とする現行のNISAは、年間最大120万円を、5年間投資できる。投資先は、株式や投資信託、リート(不動産投資信託)など、さまざまだ。 「これに対して、つみたてNISAの投資額は年間最大40万円。額は少なくても、非課税投資期間は20年と長期です。そもそも積立て投資とは、たとえば『毎月1日に1万円ずつ、A投資信託を買う』と決めると、あとは自動的に買い続けてくれる方法です。これをつみたてNISA口座で行うと、運用益が税金で減らされることなく次の運用に向かうので、利回りが向上しやすいといわれます。さらに、つみたてNISAは、投資先が金融庁の基準を満たした一部の投資信託などに限られていることも、特徴です。投資初心者向きだと国は推奨しています」 しかし、NISAで儲かったときのメリットはよく知られているが、損したときのデメリットはあまり語られない、と荻原さんは言う。NISAでは非課税投資期間が終わると、一般の口座に移すか、売却するか、選択しなければならない。このとき、損失が出ているケースを見てみよう。 「AさんがつみたてNISAで毎月2万円、20年で総額480万円を元手として、投資信託を買ったとします。しかし、投資信託の価値が400万円に暴落。売却すると80万円の赤字なので、値上がりを待とうと、一般口座に移しました。この際、一般口座での買付け額は時価、つまり400万円となるルールがあります。その後、450万円に持ち直した時点で、Aさんは売却しました。一般口座での買付け額が400万円のものを450万円で売れば、50万円の儲け。税金は約10万円かかりました。NISA口座を経ず、初めから一般口座だったら、30万円の損失ですから、税金はかかりませんでした」 金融庁によると、NISAは約1,077万件開設されている(’17年3月末時点)。しかし、実際に運用されているのは約60%(’17年7月末・日本証券業協会調べ)だ。 「国や金融機関は、NISAに興味はあるが躊躇している人に、一歩を踏み出してもらおうと躍起です。『よくわからないが、金融庁のお墨付きだから安心』はもってのほか。投資は自己責任が鉄則です」
2017年10月13日