ゴールデンウィークが明けると、心身の不調を抱える人たちが増えがち。休み明けに不調が深刻化するだけでなく、連休前からじわじわと溜まっていたストレスが限界を迎えるケースもあるでしょう。今回はメンタル心理カウンセラーである並木まきが、女性たちが直面した連休明けの不調エピソードをご紹介します。「合わない」と感じていた会社を1年ちょっとで退社「入社時から『自分に合わない』って感じていた会社に勤めていたのですが、親に相談したら『何があっても、3年は勤めなさい』と言われたので、ずっと我慢をしていました。でも入社1年を過ぎたときの連休に、会社に行かなくてもいい解放感がすごくて、しばらく感じていなかった伸び伸びとした気持ちを取り戻したんです。連休の終わりが近づくにつれて、また会社に行かなくてはいけないのか…と思ったら、どんどん気分も沈んできて。それでも連休後に頑張って出社していましたが、どんどん『私は何のために、こんな我慢をしてまでここで働いているんだろう?』って疑問が大きくなっちゃったんです。思い切って転職をしたほうが、幸せになれるのではないかという結論に至りました。そうと決めたら後先を考えずに、その日のうちに退職の意向を上司に伝えました。社内では私が五月病で辞めたって噂になったらしいですが、あのまま働いていたら本格的にメンタルを壊していた気がします。あれから何年も経ち、当時の決断は間違っていなかったと確信しています」(33歳・女性/IT)周囲からは勢いで辞めたように見えても、本人が熟慮の末に決断したことであるケースもあります。将来的に自分が壊れそうな危険を感じているならば、どこかで踏ん切りをつけて自分の幸せを求める行動も大切です。それによって周囲がどんな噂を流そうとも、気にしないことが一番でしょう。彼氏と会うのが面倒になった「連休を一緒に過ごした彼のことが、連休明けにすごく面倒に感じたことがあります。最初は『倦怠期?』って思ったのですが、時間が経つにつれて、どんどん彼のことがイヤになってしまって。それまではお互いに仕事が忙しくて、まとまった時間を一緒に過ごしたことがありませんでした。でも、連休になって初めて何日も一緒に居たことが引き金になって、私の気持ちは完全に冷めちゃったんですよね。連休明けには、彼の存在がストレスでしかなくなっていました。『彼に申し訳ないから、また好きにならなくちゃ』と義務感もあって当時は焦りましたけど、結局私の気持ちが彼に戻ることはありませんでした。今思い返しても、すごくストレスが大きかった思い出です」(34歳・女性/自由業)連休中、普段とは異なるスタイルで恋人と過ごすことによって、これまでには感じたことのない違和感が生じることもあります。こういったシグナルは自然なことなので、無理に打ち消そうとすると余計にストレスになる場合も。彼との相性を見極めることができてよかった、と前向きに捉えていきましょう。仕事でミスが増えた「普段から仕事が忙しいので、連休にはなるべく予定を入れずに寝溜めをしたりぼーっと過ごしたりするのですが、ある年の連休明けは、それまでに経験したことがないくらい“連休ボケ”が抜けなくて困りました。自分でも呆れるくらいにあまりにもミスを連発するので、体調が悪いことにして仕事をサボった日もあったくらいです。“これ”という原因も思い浮かばず、どうしたものか…と悩んでいたのですが、気づいたら連休ボケを抜けていたのでよかったです。でも、今振り返ると仕事で相当なプレッシャーがかかっていた時期と重なるんですよね。多分、自分でも気づかないうちに体がもっと休みたがっていたのかも…という気がしています」(37歳・女性/経営コンサルタント事務所)自分らしくない行動が増えているときには、負担がかかっているサインであることも。無理をし続けると、あとになって深刻な状況にもなりかねないので「おかしいかも?」と感じたら、連休だけにこだわらずに少し休息をとることも大切です。連休明けには、ちょっとした不調を抱える人が少なくありません。“これ”という理由が思い当たらないときには、体からの警告シグナルが出ていると捉え、生活サイクルを改善したりオンの日にも少しだけ休息時間を増やしてみたりするといいでしょう。「しんどいな」と思ったときに、無理は禁物!自分だけで解決が難しそうな場合には、早めに専門家の助言を求めてもいいかもしれません。©ah/Adobe Stock ©琢也 栂/Adobe Stock文・並木まき
2024年05月06日忙しいのにやる気になれず、気持ちは焦るばかり。しかもそんなときに限って眠気に襲われる…。眠気に打ち勝つのは至難の業ですよね。そうならないよう、日ごろから良質な睡眠を得るための生活習慣、食生活の心がけがやっぱり大切です。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、日中の眠気対策となる食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます!朝はフルーツジュースでなく果物をそのまま取り入れよう【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 263やりたいことがどんどん増え、やりきれなかったことが溜まっていき、もう何から手を付けたらよいのかわからない…そんな状況に陥っている人も多いかもしれません。優先順位をつけることすら面倒に感じ始めたら何も進まなくなり、処理スピードも格段に落ちてしまいますよね。しかも、絶対に寝てはいけないときに限って、強烈な睡魔が襲ってきてしまうことも多く、舌を噛んでみたり、ボールペンで手を突っついてみたり。どうにか起きようとしてみても、一度うとうとし始めるとその状況から抜け出すことは至難の業です。トイレに立っても、コーヒーを飲んでも、一向に目が覚めず、仕事がはかどらないばかりか、怠惰で失礼な態度に見えてしまいます。眠気とは本当にやっかいなものですよね。ということで、今週は何をやるか、やらないか、優先すべきかを仕分けし、集中して一つのことに取り込むことができるように、日中の眠気対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、日中の眠気対策となる食薬習慣やらなければならないことが山積みになると私たちがついしてしまいがちなのが、現実逃避です。急に身の回りの掃除をし始めたり、動画を見始めたり、今やる必要のないことばかりし始めてしまうことってありますよね。そして、無駄に夜更かししてしまった次の日の朝はだるくて、日中はぼーっとして、いざというときに寝てしまったあげく、夜には自由時間を謳歌するという、忙しい時に限って出てくるダメなバージョンの自分が嫌になる…そんなこともあるかもしれません。この諸悪の根源ともなる日中の眠気が起こる理由を漢方医学では、貧血気味な女性に多い『血虚』によって集中力が欠落し、注意力散漫になる状態と考えます。そして、もう一つ血糖値の乱高下により昼食後から眠くて集中力がなくなる『脾気虚』の状態であると考えます。そこで、『脾』をサポートし『気血』を補う食薬がおすすめです。今週食べるとよい食薬は、【グルテンフリー焼売】です。そして逆にNG習慣は、【朝イチのオレンジジュース】習慣です。食薬ごはん【グルテンフリー焼売】『気血』を補う鶏肉でつくる焼売です。小麦粉の生地ではなくキャベツの生地にすることによって、糖質オフかつ胃や腸の働きをサポートし『脾気』を養うこともできます。レンチンで簡単にできるので、お弁当のおかずや面倒な日のおかずにもおすすめです。<材料>キャベツ芯など(みじん切り)(a)鶏ひき肉150g味噌小さじ2オートミール大さじ1生姜1片(みじん切り)キャベツたっぷり(千切り)<作り方>ポリ袋にaを入れよくこねる。aを一口大にまるめ、キャベツを全体にまぶし、耐熱容器に並べる。あまったキャベツも一緒にいれる。ラップをして、レンジ600wで5分くらい加熱したら完成。NG行動【朝イチのオレンジジュース】日中のパフォーマンスが悪くて困っている人は、朝にオレンジジュースを飲むのではなく、オレンジやミカン、グレープフルーツをそのまま食べる方がおすすめ。そのときには、薄皮は取り除かずに食物繊維もたっぷり食べましょう。朝に果物をとることは、糖質や食物繊維、ビタミン、ファイトケミカルなどを取り入れることができ、さらに果物をむいたり、切ったりするときに果物の香りをたっぷり楽しむこともストレスケアになります。ですが、朝イチでジュースに加工された果物をゴクゴク飲むと、糖質過多になったり、血糖値が急上昇したりすることで、日中の眠気、集中力の低下、メンタルが不安定になることなどもあります。もし健康習慣と考えオレンジジュースやフルーツジュースなどを取り入れている場合には、違った健康習慣を検討してみるのが良いと思います。いつまでもやる気がでずにウトウトしていると時間がどんどんなくなり、最終的に自分で自分を追い詰めることになってしまいます。そうならないように、集中力を下げてしまうような血糖値の乱高下を生じさせる食事を引け、胃腸に負担がかからないようなタンパク質やビタミンB群、良質な脂質を含む食事などを心がけていきましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©ひとりごと/Adobe Stock文・大久保愛
2024年04月26日4月も半ばを過ぎ、新年度の疲れを感じ始めている人も多いかもしれません。気力が続かず、「早くも5月病かも」という声も聞こえてきます。とはいえ、ゴールデンウィークに向けて、まだまだがんばりが必要な時期です。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、疲れを感じやすい人におすすめの食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます!いつもの朝食、じつは間違っているかも…【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 262GWまであと少しですが、そろそろ新生活の疲れが溜まってきていませんか。とくに環境が変わっていないという人も、4月は疲れやすいですよね。疲れやすいということは、朝もつらいし、集中力も続かないし、睡眠の質も悪いという状況になっていることが多いと思います。なんだか言葉を羅列するだけで憂鬱になりそうですね。一方で、今年のGWは大型連休になる人も多いので、心待ちにする気持ちも大きいはず。ですが、その前までに終わらせなければならない仕事や出かける準備などで疲れてしまい、効率よく動くことができないと、焦りと疲労ばかりが蓄積していきます。さらに、GWに入ってからも旅行や帰省など体力のいる移動やイベントが待ち受けている人は、今から疲れ果ててしまっていると、せっかくの楽しみもバテバテで、休み明けに5月病に突入してしまう可能性もあります。できるかぎり、その日の疲れはその日のうちにリセットしていきたいですね。ということで、今週は疲れやすさを何とかしたいという人のための食薬習慣を紹介していきます。今週は、疲れやすくなっているときの食薬習慣朝起きて「あー疲れた」、仕事を始めてすぐ「休みたい」、どこかへ出かけても「もう帰りたい」…気力がマイナスになってしまうことってありますよね。誰にも急かされず、時間も無限にあり、周りの人のことも一切考える必要がないのであれば、ぐーたらしていたいですが、そういうわけにはいきません。特に4月のGW直前は、気力を充実させ、テキパキ動きたい時期だと思います。漢方医学では、疲れやすい状況を『気虚』といいます。とくに食事のバランスや食べるタイミングが乱れていたり、欠食することが多かったり、胃腸に負担がかかるような食事のとり方をすることで『脾気』が不足して疲れていることがあります。また、寝ても寝ても寝足りない感じがしたり、忍耐力が足りないと感じるときには、ストレスや睡眠不足により副腎が疲れてしまい『腎気』が不足して疲れていることもあります。ということで、今週食べるとよい食材は、『腎』や『脾』の働きを助け、『気』を充実させる【手羽先ともち麦の参鶏湯風】がおすすめです。そして逆にNG習慣は、【朝はバナナだけ】ですませる食習慣です。食薬ごはん【手羽先ともち麦の参鶏湯風】『腎気』や『脾気』を補う手羽先をよく煮込んで作る簡易参鶏湯です。具材に『腎』の働きを助けるきくらげや『補気』をサポートするニンニクや生姜、ストレスの改善に役立つ大葉などを使って疲れを吹き飛ばしましょう。さらに、お米の代わりにもち麦を使うと血糖値の急上昇を抑えたり、腸内環境を整える働きもプラスできます。<材料>もち麦100g手羽先6-8本(1パック)ニンニク2片(スライス)生姜2片(千切り)水700mlきくらげお好みで醤油・酒・みりん各大さじ1塩お好みで大葉お好みで<作り方>材料を30分以上よく煮込んでトロミがついたら、大葉を添えて完成。NG行動【朝はバナナだけ】朝は時間がないし、何も食べないと頭も働かないし、糖分がとれて、腸活になるバナナは最高!と考え、朝食はバナナだけで済ませるという人は多いかもしれません。バナナは、糖分や食物繊維、ミネラルなども摂ることができていいと思います。ですが、疲れやすいとお悩みのかたは、朝にタンパク質の摂取も同時に行うことがおすすめです。疲れにくい体づくりや睡眠の質を向上させるためには、十分なタンパク質の摂取が必要不可欠だからです。焼きバナナにきな粉をかけたものとゆで玉子を食べたり、バナナと納豆とツナサラダを食べたりと、ひと工夫加えてみるのはいかがでしょうか。朝食は、毎日似たようなものを繰り返すかたがほとんどです。毎日繰り返しやすい食事内容が時間をかけて体調や体質に大きな影響をもたらします。疲れやすい体質を改善したいと考えるときには、パターン化してしまっている朝食の見直しをしてみてはいかがでしょうか。4月はあっと言う間でしたね。変化が多い時期は、過ぎるのを早く感じます。日々の生活は忙しいと思いますが、忙しい時ほど、食事の時間だけでもご自愛食でケアしてあげてみてはいかがでしょうか。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Anastasiia Neibauer/Adobe Stock文・大久保愛
2024年04月19日なんだかいつもより抜け毛が多い、分け目が薄くなっている気がする…。そんな髪のお悩みはありませんか。実は、春と秋は抜け毛が増える季節。なるべくストレスを避け、食事のバランスにも気を配ることが大切です。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、薄毛・抜け毛対策となる食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます!いつもより抜け毛が多い?と気になることはありませんか【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 261髪の毛のボリュームが減ってきた、髪の毛の分け目が薄くなってきたと感じることはないでしょうか。若々しく見える髪の毛のボリュームや量に自信がなくなってしまうことは心配ですよね。ただ、春はさまざまな原因が重なり、ヘアサイクルが乱れ、通常の2倍ほどの量の毛が抜けてしまうこともあるようです。新生活による環境の変化や急な気候の変動などにより、たくさんのストレスが加わることで、ホルモンバランスや頭皮の血流を悪化させてしまうことが考えられます。さらに、忙しい毎日が続くことで、食事内容が乱れたり、寝る時間が遅くなってきたりすることもありますよね。加えて、4月~5月は、真夏に近い量の紫外線が降り注ぎ、頭皮へのダメージが増えていく時期でもあります。慣れない環境で、いつも明るく、爽やかな印象で過ごしたい4月ですが、鏡を見るたびに気分が落ち込まないよう、今回は薄毛・抜け毛対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、薄毛・抜け毛対策となる食薬習慣ヘアブラシやお風呂の排水口、枕元などに抜け髪が増えていることはないでしょうか。実は、季節によって抜け毛の量は前後するものです。とくに春と秋は抜け毛が増える時期ともいわれています。抜け毛は自然な現象ではありますが、明らかに抜け毛の量が多い場合には気になりますよね。また、ストレスや花粉などにより免疫が低下しているときには、髪の毛がまばらに抜けてしまう、びまん性円形脱毛症に悩まされてしまうこともあります。遺伝性の抜け毛の場合は異なりますが、季節やストレス、食事内容、「寝る前スマホ」をはじめとした睡眠の質低下などの影響により、薄毛や抜け毛の症状が悪化しているときには、自分で対策をとることができます。漢方医学では、『髪は腎の華』、『髪は血の余り』などと表現されているのですが、食薬ではその対策として、成長ホルモンの分泌などエイジングケアに関わる『腎』をサポートし、自律神経を整え、髪の毛を丈夫にする『血』を補い、巡らせることが必要だと考えています。ということで、今週食べるとよい食材は、『補腎』や『補血』、『活血』が期待できる【タコとニラのトマトスープ】です。そして逆にNG習慣は、『瘀血』や『痰湿』を作り出す【朝のラーメン】です。食薬ごはん【タコとニラのトマトスープ】タコ、トマト、ニラの組み合わせはうま味成分が豊富で美味しいだけでなく、新陳代謝や血流を促すため『補血』『活血』が期待でき、抗酸化作用もあるため『補腎』も期待できます。さらに、タコには、睡眠の質を高めるグリシンや肝臓の解毒を強化するタウリンも含まれるため、『肝気鬱結』の解消にもつながり春のストレスケアに役立たちます。<材料>タコ100g(一口大)ニラ1/3束(3センチくらいに切る)ニンニク1片(スライス)トマトジュース200ml水200ml(干しシイタケを戻す)干しシイタケ2個(スライス・戻し汁ごと使う)醤油大さじ1みりん小さじ1胡椒・オリーブオイルお好みで<作り方>材料をお鍋に入れて煮る。仕上げにオリーブオイルや胡椒をちらして完成。NG行動【朝のラーメン】ラーメンといえば、高カロリー・高塩分・高糖質・抗脂質という明らかに健康の対極に存在するけれども、至福の時間を与えてくれもする食材だと思います。ストレスが多いときや頑張る自分に対するご褒美食としても優秀ですが、血流が低下する『瘀血』や、脂漏性皮膚炎の原因となる『痰湿』を生じさせてしまうため、頭皮環境を悪化させてしまうことがあります。美容面で悩みを抱えているときにはなるべく避けたいメニューの一つです。また、朝から麺類で糖質をがっつりと取り入れると、血糖コントロールが上手くできずにストレスに敏感な状態で1日を過ごすことになりかねません。また、腸内環境も乱されてしまうため、自律神経も乱れ、睡眠の質も低下し、血流や発毛サイクルなどにも影響してしまうことも考えられます。薄毛や抜け毛が気になるときには、ヘアケア剤の選び方やヘアセットなども大事ですが、タンパク質やビタミンB群、ミネラルなどバランスよく摂取することや過剰に脂質や糖質をとらないようにすること、十分に睡眠時間を確保すること、短時間でも定期的に運動する習慣を身に着けることも大切です。頭皮を部分的に見つめるのではなく、体全体のバランスを整えていきましょう。そして、そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©mraoraor/Adobe Stock文・大久保愛
2024年04月13日新年度が始まり、新たな環境で過ごしているかたも多いこの時期。失敗できないのに寝坊してしまった、仕事中にどうしても眠くなる、といった「睡眠」に関する悩みを抱えているかたもいると思います。眠気なんて吹き飛ばして、スタートダッシュをきめたいですよね。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、朝が弱い人のための食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます!朝起きられない人が気をつけるべき習慣とは?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 260春になると冬眠から目覚めたような感覚で、ウトウトした気分になる人も多いのではないでしょうか。この時期になると、朝は起きるのに時間がかかり、昼は眠くて集中できず、16時すぎくらいから徐々に元気になり、寝る時間には目が冴える…といった体内リズムに陥ってしまうこともあるかもしれません。どこから整えればいいのかわからなくなりますよね。体内時計をリセットする唯一のタイミングは朝といわれていますが、体内時計を乱すタイミングは無限に存在しています。とくに、環境の変化があったり、低気圧、寒暖差などの影響もあるこの時期は、なおさら自律神経が乱れ、体は繊細に外部の刺激を真っ向から受けることになるでしょう。その結果、朝はだるくなり、いつまでも寝ていたい、仕事にいきたくないという気分になってしまいます。ということで、今週は朝なかなか起きれないという人のための食薬習慣を紹介していきます。今週は、朝が弱い人のための食薬習慣目覚ましを5分刻みでかけても起きれない、すぐ横になりたくなって動けない、だるすぎてスキンケアも化粧をする時間ももったいない…という干物女になってしまっている人はいませんか?本来、4月は新年度ということもあり、潜在的にクールビューティーでできる女に見られたくなることもあるかもしれません。ですが、リアルなところそんな余裕はないですよね。新しいことばかりで忙しいし、考えることも多い。環境の変化に体はついてこないし、年齢にともない疲れは取れなくなるし、なんとなく感じる不調も湧いてきては消えを繰り返すしで、メンタル爆発までカウントダウンしてしまう…ということもあると思います。漢方医学では、朝が弱い人は『腎陽虚』といわれています。腎陽虚になると、脳と副腎の連携がうまくできていない副腎疲労の状態となり、朝の不調やストレス耐性の低下、昼間の集中力の低下、女性ホルモンの乱れなどを感じやすくなります。そんなときにおすすめなのが、オメガ3脂肪酸や抗酸化物質、タンパク質、ビタミンB群、鉄、マグネシウム、亜鉛、ビタミンCなどを含む『腎』の働きを支える食薬です。ということで、今週食べるとよい食材は、『補腎』作用のある【炊飯器でつくる鯖缶パエリア】です。そして逆にNG習慣は、大切な鉄の吸収を抑制させてしまう【ランチ時のコーヒー】です。食薬ごはん【炊飯器でつくる鯖缶パエリア】鯖は、良質な脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質が豊富で、『腎』の働きを助ける働きがあります。そして、疲れやだるさを解消するためには、どれだけ楽をして食事を作るかという部分もポイントとなります。このパエリアは、炊飯器に入れるだけで完成してしまう簡単レシピなので、毎日お悩みの人はぜひお試しください。<材料>aアサリ1パック生姜1片米2合サバの水煮缶汁ごと1缶醤油・酒・みりん各小さじ2トマトジュース適量万能ネギお好みで<作り方>aを炊飯器にいれ、2合の目盛りまでトマトジュースを加え、炊き上げ、ネギを添えて完成。NG行動【ランチ時のコーヒー】自律神経を整えたり、集中力を維持するためには、脳の神経伝達物質や酸素を運搬する赤血球などに必要となる鉄が必要不可欠です。この大切な鉄の吸収に影響するものとしてコーヒーがあります。例えば、仕事中にコーヒーを飲み、ランチ後に再びコーヒーを飲み、午後も頑張るぞー!と気合いを入れる人も多いと思います。ですが、食事の直前や直後にコーヒーなどタンニンを含むものを取り入れると、食事に含まれる非ヘム鉄の吸収を抑制してしまう可能性があります。とくに貧血気味のかたは、ルイボスティやカモミールティ、ローズヒップティ、杜仲茶、黒豆茶などを選んでみましょう。ただ、深煎りのコーヒーであればタンニンが減るので、鉄の吸収への影響が少なくなります。4月は、やることや考えることが多く、時間を有意義に使いたいですよね。朝スッキリ目覚めることは、1日の充実につながります。毎日、あっという間に夜になり、今日もやりたいことがあまりできなかった…ということが、少しでも減るように食薬を取り入れていきましょう。そして、そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Good Studio/Adobe Stock文・大久保愛
2024年04月05日気候が不安定で、花粉症や「なんとなく不調」を抱える人が多いこの時期、喉の痛みやイガイガ、鼻水、痰がからむなどの症状に集中力を欠くこともしばしば。花粉の影響や風邪の引きはじめ程度に考えられがちですが、じつは喉や鼻の違和感はその他の不調とも関連していることがあるそうで…。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、喉や鼻のバリア機能を強化する食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます!喉、鼻の違和感、原因は風邪や花粉だけではありません【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 259気候も体調も崩れがちなこの時期。例年よりも肌寒い冷たい雨の日が続き、桜の成長は足踏みをしています。開花も大幅に遅れているようですね。スッキリとしない毎日ですが、咳や痰、鼻水など喉や鼻の症状に悩まされてはいませんか。喉や鼻の症状は、鼻や口の周りを赤くカサカサにしたり、会話しにくくなったり、咳をするときに気をつかわなければならなかったり、口呼吸になったりと、煩わしいポイントが増えてしまいますよね。とくに新しい環境がスタートするこの時期、コンディションを整えておきたいところだと思います。そこで、今週は咳・痰・鼻水など喉や鼻の不調で悩む人のための食薬習慣を紹介していきます。今週は、喉や鼻の不調で悩む人のための食薬習慣春の変化しやすい気候であったり、花粉が舞っている時期を元気に過ごすためには、バリア機能が強固であることが必要です。風邪なのか花粉なのか原因がわかりにくい、喉や鼻の不調に長期的に悩まされる人が増える時期だからです。ただ、すべてが風邪や花粉症ではなく、慢性的に上咽頭に炎症を起こし、しつこい症状を感じているケースもあります。上咽頭とは、外部から花粉や細菌、ウイルス、ダニ、ほこりなど様々なものが鼻から吸い込まれますが、これらから体を守る仕組みをもっている部分です。上咽頭は、細菌やウイルスなどによる直接的な刺激だけではなく、疲労やストレス、睡眠不足などの生活習慣も要因となり、慢性的な炎症を起こしてしまうことがあります。その場合には、痰が絡んだり、喉が常にイガイガ、鼻水が喉の方に落ちる感じがあったりといった症状を感じたりします。さらに、上咽頭炎は病巣となり、炎症物質が全身を巡り、皮膚や関節の不調、腎炎などの二次疾患を引き起こすことまであります。対策として、上咽頭擦過療法(EAT)や鼻うがいなどが知られていますが、何はともあれ免疫機能をサポートする食事を摂ることが、喉や鼻の不調を感じるときには必須となります。漢方医学では、バリア機能が低下しているときには、『衛気』と『陰』を養うとよいとされています。ということで、今週食べるとよい食材は、『衛気』と『陰』を養う【豚肉と蓮根パプリカの甘酢炒め】です。そして、NG習慣は腸へダメージを与え免疫を低下させてしまう【朝のパンと牛乳】です。食薬ごはん【豚肉と蓮根パプリカの甘酢炒め】抗酸化作用の高いパプリカ、腸を整え『気陰』を補うレンコン、不調を寄せ付けない体力をつけるビタミンB群やタンパク質、ミネラルを含む豚肉をさっぱり甘酢で炒め煮にした1品がおすすめ。<材料>豚肉150g(一口大)レンコン5㎝(スライス)パプリカ1個(一口大)ニンニク1片(スライス)酢・酒大さじ2醤油・みりん各大さじ1<作り方>豚肉を調味料に15分くらいつける。フライパンで野菜をサッと炒めたら、調味料ごと豚肉をフライパンに加え、炒め煮たら完成。NG行動【朝のパンと牛乳】小麦製品をしばらく摂らないようにすると、アレルギー症状や肌トラブル、腸の不調など体感を得やすい部分での改善がみられるかたが多い印象です。小麦製品や乳製品はともに、腸に炎症を生じさせ、腸粘膜のバリア機能を低下させてしまいます。季節の変わり目かつ年度の変わり目であるこの時期には、腸の働きを整えることをいつも以上に意識した食事を取り入れ、免疫機能が低下しないように気をつけていきましょう。また、とくに朝は、腸内環境を整えるために食物繊維や発酵食品を取り入れると良いとされているタイミングです。朝はサラダや味噌汁、納豆などで食物繊維を取り入れてみましょう。3月、4月は、大事なイベントが増える時期です。いざというときに鼻がズルズルしていたり、鼻をかみ過ぎて肌荒れしていたり、痰が絡んで話しにくくなっていたり、咳がでて嫌がられたりしないように、日ごろからコンディションを整えるようにしていきたいですね。そして、そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Chaco_stock/Adobe Stock文・大久保愛
2024年03月29日友人夫婦を襲った大規模な水害。家や店舗が浸水し、憔悴(しょうすい)し切ってしまったご主人にさまざまな不調が出るように。それらの不調は病院に通って対処できていましたが、なぜか耳鳴りだけが良くなりません。それどころか、日に日に悪化していくのです……。原因がわからず不安になる中、病院を転々とする夫婦。行きついた診断は、意外すぎる内容だったのです。被災後、謎の耳鳴りがし始める…これは、私の友人が38歳のときの話です。友人が住んでいた地域を大雨が襲い、大規模な水害が起こりました。夫婦で美容室を営んでいた友人でしたが、水害により持ち家と店舗が浸水。友人はもちろんですが、それ以上に一家の大黒柱であった10歳年上のご主人が憔悴し切ってしまったようです。水害後、ご主人に徐々に不調が出始めました。最初はめまいがするようになり、そのうち過呼吸症候群(不安や緊張などが原因で呼吸過多になり、めまいや頭痛、手の指先や口の周りのしびれ、呼吸困難、失神などの症状を起こすこと)になることも増え、夜中や接客中にまで症状が出てしまうように……。友人はその都度、ご主人を病院に連れて行っていました。しかし、友人も疲れ切ってしまい、ご主人に入院を勧めたようです。地元の総合病院で、自律神経失調症(自律神経のバランスが乱れることでさまざまな症状を来すこと)と高血圧症と診断されたご主人。そのまま入院することになりました。久しぶりにしっかり休めたようで、入院生活はとても快適だったそう。血圧は下がり、症状も治まって1カ月で退院することに。その後も、たまに症状をぶり返すも、病院で数日入院すれば治まる、というのを繰り返していたある日。ご主人に耳鳴りの症状が現れます。水害後、ささいな変化にも敏感になっていたご主人は、すぐにいつもの病院へ。しかし、「耳鳴りは耳鼻科に行ってください。ここには耳鼻科医がいないので」と、断られてしまいました。「いつもの病院に行けば治る」と思っていたご主人。「早く原因を知りたい。治療してもらいたい」という焦りが、隣にいた友人にも伝わってきたそうです。病院をたらい回しに。ついには占いまですぐに耳鼻科に行った友人夫婦。検査してもらいましたが異常は見つからず、耳鼻科の先生から勧められた心療内科へ行くことに。そこでも特に異常はないと診断され、ご主人はさらにイライラを増していったそう。次は「脳神経外科に行く」と言い張り、自らお願いしてMRIまで撮ってもらい、すみずみまで検査してもらったそうです。しかし、やはり異常はありませんでした。「ならば医学的な原因ではないのかもしれない!」とご主人に言われて、友人夫婦が向かったのは占い師。しかし、背中をポンっとたたかれて終わったそう。結局、耳鳴りの原因も、改善策もわからないまま数カ月。その間もひどくなっていく耳鳴りに焦っている様子のご主人に、友人はなんと声をかけていいのかわからないでいました。「こんなに調べたのに、原因もわからずひどくなるなんて……」途方に暮れていた矢先、知人からある病院を勧められました。意外すぎた原因とは有名な先生がいるというその病院は、整形外科と内科の病院でした。友人夫婦は、わらにもすがる思いで先生を訪ねました。先生は、ご主人のお薬手帳や今までの検査結果、通院歴など詳しく見てくださったそう。その上で、下された診断は意外なものでした。「これだけの検査をした結果を見ても、各科の先生も言っていたように異常はないでしょう。ではなぜ耳鳴りが悪化するのか、それは薬の飲み過ぎが原因かもしれません」先生の発言に驚いた夫婦。先生から告げられた内容は、「たくさんの種類の薬を服用することは、副作用を起こすリスクを上げる」ということでした。ご主人は行く先々で薬を処方されており、気付いたら8種類以上服用していました。「一度服用をやめてみましょう」という先生に、「では、どうして耳鳴りが始まったのですか!?」と聞いたご主人。先生から「最初の耳鳴りは今と比べてそんなにひどいものでしたか?」と問いかけられハッとします。先生は続けて「薬の飲み過ぎも原因として上げられますが、それ以上に、無理をし過ぎたことが原因だと思います。ストレスや疲労などで耳鳴りが起こることは十分に考えられるので」と言いました。一緒に聞いていた友人は納得した半面、ご主人がかたくなに病気だと思い込んでいたことに気付いたそうです。「各病院の先生はさまざまな視点から、症状を軽減するのに効果的な薬を処方してくださいました。しかし、薬に頼らずに治すほうが近道となるケースもあります。今はとにかく、精神をリラックスさせることを心がけてください」と先生から告げられ、診察は終わりました。意外な診断結果に拍子抜けした友人夫婦でしたが、先生の説明はとてもふに落ちたそう。その後、先生に言われたとおり、薬をやめて精神を落ち着かせることに努めたご主人。音楽を聴いたり、温泉に入ったり、休む時間を作るように心がけ、徐々に症状は改善。いつの間にか、あれだけ悩んでいた耳鳴りは治っていたようです。まとめ友人夫婦にとって、衝撃の大きかった今回の出来事。当時のことを振り返ると、「大事なのは病名を付けることではなく、症状を治すことにある」ということに、なぜ気付かなかったのか? と思ったそうです。この話を聞いて、私も病院に行くことや診断をもらうことが目的になっているときがあるように感じました。大切なのは専門家の指示に従いつつ、自分も自分の体と向き合い現状を知ること。そして、治療や薬にすべてを任せるのではなく、自分でもできることを考えて健康的な生活を心がけることが重要だと思いました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/高島雅之先生(たかしま耳鼻咽喉科院長)日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本睡眠学会専門医。金沢医科大学医学部卒業。金沢医科大学耳鼻咽喉科で講師を務めたのち、2007年に開院。「病気の状態や経過について可能な範囲でわかりやすく説明する」ことをモットーに地域医療に従事。「宇都宮スリープセンター」を併設し睡眠医療にも携わる。テレビやラジオなどメディアでも、いろいろなジャンルにおいて医療情報を発信。著書に『専門医が教える鼻と睡眠の深い関係鼻スッキリで夜ぐっすり』(クロスメディア・パブリッシング)があり、Amazonのカテゴリー7つで1位を獲得。イラスト/サトウユカ著者/Erindaパートナーと二人暮らしをしながら、幸せになるべく日々奮闘しているパンダ大好きアラサー。バセドウ病持ちで、旅行と音楽と食べることが趣味。
2024年03月24日春分の日が過ぎ、桜の開花ももうすぐ。華やぐ空気と対照的に、じつは春のこの時期はメンタルを乱す人が増えると言われています。なんとなくイライラ、モヤモヤするというかたも多いのではないでしょうか。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、春のメンタルケアにつながる食薬習慣と、NG習慣を教えてくださいます!春はメンタルの乱れにご用心【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 258春の強い風がビュンビュン吹く日もありますが、徐々に気温が上がってきましたね。今年の桜の開花は、平年並みか平年より早いといわれています。春分の日を過ぎると冬の寒さを忘れてしまいがちですが、油断をしていると冬に逆戻りして花冷えの日が続くことも。暖かさと寒さの繰り返しにより自律神経を乱してしまうこともあるため、注意が必要です。また、4月に環境が変わる人も変わらない人も、どちらにせよ世の中は目まぐるしく変化する時期なので、ちょっと気分がシャキッとするのではないでしょうか。春はこのように環境の変化が起こりやすいことから、メンタルを乱しやすい時期といわれています。春に気を張りすぎると、GWには緊張の糸が切れてしまい、五月病のような不調に悩まされるかたも多いです。周りの変化に柔軟に対応できるように、食事や睡眠など体の基礎を固めることを今からコツコツしていければ、新年度のスタートを清々しく過ごせると思いますよ。ということで、今週は春の乱れやすいメンタルを整える食薬習慣を紹介していきます。今週は、春の乱れやすいメンタルを整える食薬習慣春の気候へと移りゆく中、木々がピンク色に変わる前に、桜やストロベリーなどピンク色のポスターや商品が目に入ってくる機会も増えましたよね。心穏やかに春を楽しみたいと感じさせてくれますが、身の回りにイライラしている人は増えていないでしょうか。意外といつもよりも神経過敏になっている人は多いと思います。他人事と思っていたら、気づけば自分自身も小さなことに機嫌を損ねてしまっているということもあるかもしれません。怒りっぽくなってしまうことも、実は漢方医学では古くから伝えられている、春の風物詩として知られています。ただ、年度末にイライラしていては、人間関係にも、仕事にも良いことはありませんよね。漢方医学では、春に神経過敏で怒りっぽくなってしまう人のことを『肝気鬱結』の状態と考えています。『肝』の働きを整えるためには、腸内環境を整え、ファイトケミカルをたっぷりとることがおすすめです。腸肝循環を円滑に行うことで、メンタルケアと春のデトックスを同時に行っていきましょう。ということで、今週食べるとよい食材は、『肝』の働きを助ける【キャベツのオレンジサラダ】です。また、体だけではなく、心の不調を感じたときにも胃や腸の状態が元気であることは、絶対に必要なことです。イライラするなと感じたら、膨満感がないか、便がコロコロしていないか、便のニオイがきつくないか、軟便ではないか…と胃や腸の状態を確認し、メンタルケアのファーストチョイスとして胃腸への負担を減らすことを考えてみましょう。そして逆にNG習慣は、【毎朝のヨーグルト】です。食薬ごはん【キャベツのオレンジサラダ】ビタミンUやビタミンC、スルフォラファン、食物繊維を含むことで、『肝』や胃、腸に対してプラスに働くキャベツは春に絶対外すことのできない食薬です。そこに、食べる『抑肝散陳皮半夏(怒りっぽいときに飲む漢方)』ともいえる粒マスタード、オレンジをプラスことで、春の心のモヤモヤ、イライラを取り除きましょう。<材料>キャベツ4枚(ちぎる)オレンジ1個(薄皮はとらず輪切りに)オリーブオイル大さじ1粒マスタード大さじ1塩・レモン汁お好みで<作り方>ポリ袋に材料をいれて、よくなじませたら完成。NG行動【毎朝のヨーグルト】発酵食品であるヨーグルトは、健康のために毎朝食べる人も多いと思います。ただ、毎日同じものを繰り返し食べるのではなく、ヨーグルトを食べたら、ぬか漬けや納豆の日もあるといった形で発酵食品をローテーションさせ、腸内細菌の多様性を養うことも大切です。また、ヨーグルトに含まれるカゼインには、腸に炎症を起こす可能性があったり、モルヒネ様作用を起こし依存性があったり、デトックスに必要なシステインの取り込みを阻害してしまうことがあります。グルテン好きな人同様に乳製品好きな人も、これらを控える提案に対して強い拒絶を示すことがありますが、それは依存性が強いからということも理由の1つとして考えられます。朝ヨーグルトが固定している人は、ほかの発酵食品を食べる日を作ったり、乳酸菌などのサプリメントで補うなど腸を整えるための様々なバリエーションを作ってみてくださいね。春はワクワクすることが増える時期ですが、それと同時にイライラやモヤモヤも増える時期でもあります。タスクも増える時期なので、感情に振り回されないようにメンタルを整えるために食事を使って、体の基礎から整えていきたいですね。そして、そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©mochi/Adobe Stock文・大久保愛
2024年03月22日女性のデリケートゾーンの悩みには様々なものがありますが、「おりもの」もそのひとつ。量や色、ニオイなどに変化を感じると不安ですよね。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、おりもののニオイが気になる人のための食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます!私のおりもの、もしかしてにおってる…?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 2562020年ころから、フェムケアやフェムテックという考え方が急速に広まってきましたよね。女性の社会進出が進むなか、男性に比べ女性は妊娠、出産、更年期などのライフステージに合わせて、様々な女性特有の不調に悩まされることになります。また、毎月訪れる月経時には、PMSや月経痛、排卵痛、不正出血、月経過多、おりものの異常などの不快症状を感じ、ひと月の中でも調子のよい時期がほとんどないという方も多いです。こういった背景から、吸水ショーツやおりものの異常を軽減するアプリケータやデリケートゾーン用の保湿オイル、オンラインピル処方、卵子凍結サービスなど、幅広く女性の活動を支える商品やサービスが次々と登場しています。日々進化するテクノロジーに頼ることは、もちろん必要ですが、自分で解決できる問題も中にはあるかもしれません。女性の体は、ホルモンバランスに日々翻弄されていますが、そんな中でも「不調が起こりにくい人」が存在します。具体的にどんな人であれば不調が起こりにくいのかというと、「食事、運動、ストレス管理、睡眠などの自己管理に長けている人」です。とくにその中でも食事は、まずはじめに体に影響を与えるものです。ということで、今週は女性の不調の中でも悩む人が多い、おりもののニオイが気になるという人に向けた食薬習慣を紹介していきます。今週は、おりもののニオイが気になるときの食薬習慣最近、おりものについて「量が増えた」「ニオイが気になる」「粘性が強くなった」「色が濃くなった」などの違和感をもったことはないでしょうか。それらの症状は、下着が蒸れやすかったり、締め付けの強い服を日常的に着ていたり、デリケートゾーンを洗いすぎているなど、外的なことが原因である場合もあります。もともと女性ホルモンの変動に合わせておりものの質は変化するものですが、それ以上に違和感があるときには注意が必要かもしれません。カンジダ膣炎やクラミジア、トリコモナス膣炎などの可能性もあるからです。ただし、今回は生活スタイルによって変化するおりものについて解説したいと思います。例えば、漢方医学では体が冷えて『腎陽虚』のときには、水っぽいおりものが増えるとされており、デニッシュやクリームパン、クロワッサンなど菓子パンなど甘いもの、小麦製品などを摂ることが多いときには、『湿熱』を生じ、粘性とニオイが強いおりものが増えるとされています。そこで、今週はおりものの気になるニオイの対策をとるために、『湿熱』を除去し、雑菌に負けないように『腎』を強化する食薬を紹介します。今週食べるとよい食薬は、【大根おろしとトロロをかけたキャベツの味噌汁】です。そして逆にNG習慣は、【デニッシュ、クリームパン、クロワッサンなど、菓子パン】の食べ過ぎです。食薬ごはん【大根おろしとトロロをかけたキャベツ味噌汁】胃腸の働きを整えつつ『湿熱』を取り除くアブラナ科の野菜であるキャベツと大根、『腎』を強化する長芋を組み合わせたお味噌汁で、腸内環境を整えつつ免疫の低下を防ぎ、炎症や雑菌の繁殖が起こりにくい体内環境づくりをしていきましょう。<材料>大根5㎝くらい(皮ごとすりおろす)長芋5㎝くらい(皮ごとすりおろす)キャベツ4枚(小さくちぎる)生姜2片(すりおろす)鰹節1つかみ(手で粉々にしていれる)水400ml味噌大さじ1海苔あれば少し(刻む)七味お好みで<作り方>おろした大根と長芋をよく混ぜ合わせておく(A)。お鍋に水、キャベツ、生姜、鰹節を入れ火が通ったら、味噌を溶く。器によそい、(A)をお好みで載せて、海苔と七味をトッピングする。NG行動【デニッシュ、クリームパン、クロワッサンなど、菓子パン】小麦や砂糖、クリーム系の乳製品などは、カンジダ菌の好物です。腸内環境を荒らし、リーキーガット(腸管壁浸漏)を起こすことで、免疫が低下したり、炎症体質へと偏ってしまうことがあります。抗生物質やおりものシートなどの対処療法だけではなく、体の内側からケアをすることはマストです。女性の不調は、一難去ってまた一難という感じで、何十年も落ち着くことが難しいのが現状です。平穏に暮らすためには、テクノロジーだけに頼るのではなく、自分の行動を変えて体質改善していくことが必要不可欠。心と体の状態を常に安定させるためにも自分の体を一番に優先することを考え、日ごろの習慣の見直しをしていきましょうね。そして、そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©ssstocker/Adobe Stock文・大久保愛
2024年03月08日眠りが浅い、寝つきが悪い、夜中に目が覚めるなど、睡眠の質の低下に悩む人がたくさんいます。疲れているのに眠れず、翌日まで不調を引きずってしまうことも…。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、良質な睡眠を得るための食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます!よく眠れずに悩んでいませんか【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 255疲れたと思い布団に入ると目が冴えてしまったり、その日の出来事や悩みをくよくよ考えだしてしまったり、悪夢を見て夜中に何度も目を覚ましたり、トイレに起きてしまったり…。睡眠にまつわる悩みに何年も苦しめられているという人は意外と多いのではないでしょうか。睡眠は、単純に体を休憩させる時間ではなく、細胞の修復や免疫の向上、記憶の固定、感情の整理などその働きは多岐にわたり、心と体が元気でいるために欠かすことのできない大切なものです。2、3日連続して質の良い睡眠をとることができただけでも、疲れがすっきりとれたり、お肌の状態が好調になったりすることを体感できるので、睡眠の影響力は想像できますよね。ということで、今週は睡眠の質を高めるための食薬習慣を紹介していきます。今週は、睡眠の質を高めるための食薬習慣眠れない日が続くと、今日は眠れるかなと夜になるにつれて自分にプレッシャーをかけて、余計に眠れなくなってしまう人もいらっしゃるようです。睡眠に関しては、眠るタイミングにだけ気合を入れても質の向上が望めるものではありません。睡眠の質には、朝の過ごし方、食べているもの、ストレス環境、運動や入浴の習慣、睡眠時の環境など、非常にたくさんの要因が存在しています。そのため、睡眠の質を下げている習慣を日ごろから一つでも多く減らしていくことが大切です。漢方医学では、寝つきが悪かったり、すぐ目を覚ましてしまうようなタイプを『心脾両虚』や『心血虚』、『肝血虚』など『血』が不足していると考えることがあります。そこで、食べるとよい食薬は、胃腸に優しく『血』を補ってくれる【即席玉子と豆腐のスープ】です。そして逆にNG習慣は、寝つきを改善する目的で飲むと常習的になってしまう【寝酒】です。食薬ごはん【即席玉子と豆腐のスープ】『血』を補い睡眠の質を高めてくれる漢方薬の“人参養栄湯”のような優しいスープです。セロトニンの原料となるトリプトファンや睡眠の質を高めるセリンなどを含む豆腐と玉子を具材とします。梅干しや塩昆布で味を整え胃腸の働きもサポートしていきます。<材料>A・塩昆布5g・梅干し1個(包丁で叩く)・絹豆腐半丁(スプーンですくう)・醤油小さじ1くらい・水200mlB・溶き玉子2個・豆乳200ml<作り方>Aを加熱し沸騰したら、溶き玉子を加え固まったら、豆乳を加えて完成。NG行動【寝酒】不眠を解消するためにお酒を飲むことは、アルコールに対する依存症の可能性を高めたり、眠りが浅くなったり、睡眠のリズムの余計に乱してしまうことがあります。不安や不眠を解消することを目的として、お酒を飲むことは控えましょう。健康で若々しくいるためには、睡眠の質を向上させることが必要です。食事の内容や量、タイミングも睡眠の質に関係するので食事の管理も大切ですが、スマートウォッチなどで、睡眠のスコアと生活スタイルをリンクさせて考えることで、生活の見直しも同時に行っていくと対策をたてやすくなります。そして、そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©星野スウ/Adobe Stock文・大久保愛
2024年03月01日2月は乾燥、寒暖差、スギ花粉と、皮膚への負担が大きく肌トラブルが起きやすい時期。また、肌の不調は生活習慣の乱れから起こることもあります。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、この時期の肌トラブル対策につながる食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます!肌トラブルは生活習慣見直しの合図【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 254最近、お肌の赤みやかゆみ、粉を吹いたような乾燥肌、ぶつぶつした湿疹など肌トラブルに悩まされているという方が増えてきているようです。実は2月は肌トラブルが表面化しやすい月ともいわれています。冬の乾燥した空気の中、ダメージをため込んでいたお肌は、この時期の気候に翻弄されます。花粉やホコリ、寒暖差によって生じる刺激が加わり、バリア機能は低下。2月からはスギ花粉が飛散し始め、3月から4月にかけてピークを迎えます。そのため、保湿や洗顔など基礎的なスキンケアに気を使う必要がでてきます。メイクをしたまま眠ってしまったり、ちょっとの乾燥でも放置すればいつの間にか長引く肌荒れを引き起こしてしまうことも。そこで、今週は乾燥に加え、寒暖差によっても引き起こされる肌トラブルの対策について紹介していきます。今週は、乾燥と寒暖差による肌トラブルの対策となる食薬習慣暖かくなる日も増えてきましたが、ぐっと気温が下がる日もまだまだあります。気候が安定しないのはこの時期の特徴でもありますが、気温が低くお肌の温度も下がることで、血流が悪くなり、ターンオーバーを乱してしまうことがあります。また、湿度は一年の中でも最も低い時期ともいわれており、お肌の水分は奪われていきます。この状態で花粉などの刺激を多く受ければ当然、肌荒れを感じる人も増えます。そこで、体の内側からもお肌のケアをしていく必要がでてくるのです。漢方医学では、もともと貧血気味であったり、タンパク質の摂取不足であったり、胃腸の消化吸収能力が低下することによって引き起こされる『血虚』であったり、便秘気味だったり、舌に亀裂がしっかりと入っているようなタイプでエアコンなど乾燥した環境で喉の調子が悪くなりやすい『肺陰虚』の体質の人などが、肌トラブルを抱えやすいといわれています。そこで、今週は『血』を補い、『肺』の働きをサポートする食薬を紹介していきます。食べるとよい食材は、【蓮根とワカメのタコの酢の物】です。NG習慣は、かゆみや乾燥を悪化させてしまう【ラーメンやパスタなど麺類】など糖質や脂質の多い食事のとりすぎです。食薬ごはん【蓮根とワカメのタコの酢の物】『血』を補うタコと『肺陰』を補うレンコン、腸内環境を整えたるワカメやお酢を合わせることによって体の中からお肌のケアをしていきます。また、ワカメやお酢は腸内環境を整えるだけではなく血糖値の安定に役立ったり、タコは亜鉛やタンパク質、タウリンを含むことで、解毒・ターンオーバーを促すためにも役立ちます。<材料>タコ80gくらい(一口大)レンコン5㎝くらい(一口大)ワカメ3gくらい(水に戻す)醤油・みりん各小さじ1酢大さじ1鰹節一掴み<作り方>材料をポリ袋にいれ、レンジで5分くらい加熱したら完成。NG行動【ラーメンやパスタなど麺類の食べ過ぎ】ラーメンやパスタは、糖質や脂質を多くとり過ぎてしまいやすいメニューの一つだと思います。糖質のとり過ぎはターンオーバーを促すビタミンB群を消耗してしまうため、肌トラブルを抱えたいときには控えたいものです。また、脂質が多い食品を摂ることはビタミンB群の消耗につながり、さらに皮脂の分泌を促すことがあるため、ぶつぶつとした炎症を起こしているときには控えめにしましょう。さらに、お肌の鏡として知られている腸内環境にもネガティブな影響を与えてしまうため、2月は麺類控えめがおすすめです。漢方医学で考えると、肌トラブルは生活習慣のどこかを見直すべき合図としても知られています。いつもとお肌の状態が違うと感じた時には、外側からのケアに加え、内側からの対策を加えることで、元気でキレイを維持していきましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©shima/Adobe Stock文・大久保愛
2024年02月22日暖かさを感じるようになってくる頃、眠気やだるさなど、カラダの不調を感じていませんか?冬から春へと季節が変わる頃に起きる不調は、もしかしたら「春バテ」かもしれません。今回は春バテの原因や対処法について、あすけん栄養士が解説します。春バテとは?春バテとは、季節の変わり目である春に感じる不調を指す言葉として使われます。不調の内容には、眠気、だるさ、肩こりなどのカラダの不調から、イライラ、憂鬱感、気分の落ち込みなどの精神的な不調までさまざまなようです。春バテは寒暖差による自律神経の乱れが原因として考えられています。春は暖かい日と寒い日が交互に続いたり、朝晩の気温の差があったりと寒暖差が大きく、自律神経のバランスを崩してしまいやすいもの。また春は新生活や転勤、異動などの生活変化によるストレスや、花粉症の時期とも重なり、人によってはさらにストレスがかかってしまうこともあります。体調を崩してしまう前に、なんとか対策しておきましょう。春バテ対策のポイント3つ春バテの原因とされる自律神経が乱れないようにするには、睡眠や食事などの生活習慣の見直しが大切です。春バテ対策のポイントを3つに分けてご紹介します。1.毎日3食規則正しくとる自律神経を整えるには、規則正しい食生活を心がけることが大切です。とくに朝ご飯を抜きがちな方は、生活リズムが乱れやすくなるものです。朝ご飯はカラダを目覚めさせてくれる大事な役割があるため、食べる習慣を身に付けましょう。2.睡眠で休養をとる忙しい日が続くと睡眠がおろそかになってしまうかもしれませんが、睡眠不足はストレスの元。忙しいときこそしっかりと睡眠を取り休養しましょう。ホットパックなどで目元を温めるとリラックス効果があるといわれています。疲れ目対策にも良いとされているため、目を使う作業が多い方は寝る前に取り入れてみるのも良いですね。また湯船にゆっくり浸かるとリラックスでき、眠りを助けてくれますよ。いつもシャワーで済ませている方は、ぜひ試してみてください。3.軽い運動でリフレッシュ軽い運動やストレッチはストレス解消に役立ち、自律神経も整えてくれます。暖かい日は外で身体を動かすのも良いですね。運動する習慣があまりない方は、ウォーキングやストレッチなどの軽い運動から、無理なく始めてみてください。春は年度末の忙しさや、生活や環境の変化などもあり、知らないうちにストレスを感じることも多いでしょう。生活習慣をしっかり整え、春バテに負けないカラダ作りをしておきましょう。 【執筆者】広田千尋/管理栄養士これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
2024年02月18日2月に入り、花粉症の症状を訴える人が増え始めています。本格的な症状が出る前に、急いで対策しようと考えている人も多いのではないでしょうか。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、花粉症予防につながる食薬習慣と、症状を悪化させてしまうNG習慣を教えてくれます!食事の見直しによる花粉症対策を【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 252花粉症は2人に1人といわれる時代になってきていますが、体調いかがでしょうか。今年は、早い地域だと2月上旬から花粉症の症状を感じる人が出始めているようです。花粉症の対策としてよくあるのが、マスクをしたり、眼鏡をしたり、ワセリンなどで鼻や目の周りをプロテクトしたり、飲み薬を飲んだり…といったことが挙げられると思います。漢方相談でも例年、花粉症に悩む方のお話を耳にします。中には花粉症を悪化させる生活習慣を続けつつも、自然治癒力を高める漢方や食事でなんとか改善したいと望む方もいらっしゃいます。ただ、あることを習慣化していると、どうしても花粉症を悪化させてしまうことがあるため、漢方などの予防医療は力を発揮することが難しい場合があります。そこで、今回は一足早い花粉症対策となる食薬習慣と、花粉症を悪化させる何気ない食習慣について解説していきます。今週は、花粉症対策となる食薬習慣春の風物詩の一つとして、梅の開花や春霞とともにやってくるのが花粉症です。鼻づまり、鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、充血、涙、咳、喉や肌のかゆみ、頭重感、頭痛、だるさ、下痢、イライラ、熱っぽさ、ほてりなどなど、様々な不調を感じさせることがあります。症状を強く感じると、生活の質を急激に落としてしまうことにもつながります。花粉症とは、一般的であり、毎年あることでもあり、深刻でもあるものですが、意外と軽視されがちです。漢方相談でも、ラーメンやパン、お菓子などを毎日食べながらも、治癒力を高めることで早期に花粉症を軽減したいとお話されるかたは少なくありません。ですが、やはり漢方や食事で自分の本来もつ治癒力を高めることで花粉症を軽減したい場合には、生活習慣の見直しも同時に行うことが、より体感を得るためには欠かせないこととなります。漢方医学では、アレルギー体質の人は『肺・腎・脾』のどこかが弱かったり、『湿熱』などの炎症を起こしやすい体質であることが考えられていなす。そこで、今週は『肺・腎・脾』を強化しつつ『湿熱』を解消する食薬を紹介していきます。今週食べると良い食薬は、【牡蠣とキノコのソテー】です。NG習慣は、くしゃみや鼻水が止まらないときの【ラーメン】です。食薬ごはん【牡蠣とキノコのソテー】亜鉛や鉄などのミネラル、タンパク質やビタミンB群など『肺・腎・脾』のサポートに役立つ牡蠣とバリア機能をサポートするビタミンDや食物繊維を含みキノコ類を組み合わせることで一足早めの花粉症対策をはじめてみてはいかがでしょうか。<材料>牡蠣100gマッシュルーム1パックエノキ1/2袋(3㎝くらいに切る)ニンニク1片(スライス)鷹の爪適量塩適量オリーブオイル大さじ1<作り方>材料をオリーブオイルで炒めて完成。NG行動【ラーメン】まず、ラーメンを食べるという動作で鼻水がでるという人も多いと思いまが、それ以上に麺に含まれるグルテンを多く食べる人たちには、腸内環境を悪化させ、免疫機能の低下が起こりやすくなることが考えられます。また、花粉症だけではなく、その他の様々な症状を感じさせることがあります。たとえば、疲れやすい、便秘気味、集中できない、イライラする、頭痛がある、体がだるい、アトピーやぜんそくなどの症状がある、肌トラブルが治らないなどの不調です。もし思い当たる人は、麺類に含まれるグルテンが原因で腸粘膜に炎症を起こし、体調不良を起こしている可能性も考えられます。花粉症がつらく、さらにはこの時期不調が増えると感じている人は、麺類を少し控えめにしてみましょう。毎年の苦しい不調ですが、その時期さえ過ぎれば不調がでてこないので、根本的な対策を行う方が少ないのが花粉症の特徴でもあります。この時期をきっかけとして、長期的なスパンで、アレルギー対策を始めてはいかがでしょうか。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Yukiko/Adobe Stock文・大久保愛
2024年02月09日眠れない。夜中に目が覚める。眠っても疲れがとれない…。睡眠にまつわる悩みにはさまざまなものがありますよね。睡眠の質をもっと高めたいと思っている人は多くいるのではないでしょうか。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、睡眠障害を防ぐ食薬習慣と、見直すべきNG習慣を教えてくれます!睡眠の質が低下していませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 251疲れているのに眠れない、寝ようと思って布団に入っても眠れない、たくさん寝たのに疲れが取れていない、朝起きると疲れているなどの睡眠に関する悩みを抱える人は多いのではないでしょうか。睡眠は、疲れた体を癒すだけではなく、細胞の修復や記憶の整理など体全体のメンテナンスとしての機能も兼ね揃えています。寝なくても十分元気だから、夜しか自由な時間が作れないから…などと理由をつけ、寝る間を惜しんで日々生活しているという人もいらっしゃると思います。ですが、タイパよく、そして、いつまでも若々しくいるためには、どうしても睡眠の質を落とさないようにする習慣が必要となります。最近では、ウェアラブルデバイスなどで睡眠のスコアを一定に保つように管理している人も増えてきていますよね。睡眠の重要性は年々広く浸透してきている印象です。ということで、今週は忙しかったり、ストレスが多かったりすると疎かにしてしまいがちな睡眠障害の対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、睡眠障害の対策となる食薬習慣朝スッキリしていますか?寝ていただけなのに朝起きると肩が凝っていたり、疲れてはいませんか?『あー疲れた!』が口癖になっていたり、午前中はやる気がなく仕事の効率が悪かったり、楽しみたいときに気分が乗らなかったりと様々なジレンマに悩まされることがあるかもしれません。漢方医学では、睡眠の質を向上するためには、自律神経を整えるために役立つ『血』を補うことが必要で、そのためには、食べているものの内容も大切ですが、消化吸収能力を表す『脾』の働きが整っていることも大事だと考えます。そして、睡眠の質が向上すると『気』は充実し、『腎』の働きが強化され、老化防止や持久力の保持に役立つと考えられています。ということで、今週は『血』を補い、『脾』の働きを助ける食薬を取り入れていきましょう。今週食べると良い食薬は【イカのみぞれ煮】です。NG習慣は、新しい情報が次々と頭を巡り、睡眠を妨げる【寝る前のスマホ】です。食薬ごはん【イカのみぞれ煮】夕食には、イカや海老、ホタテ、カニなどに多く含まれている“グリシン”の摂取を心がけると『補血』につながり、体内時計が整いやすいといわれています。そして、魚介類と一緒に消化を促す大根おろしなどを夕食に一緒に食べることで『脾気』を補いましょう。また、朝食には、必須アミノ酸を摂取できるように玉子や納豆、肉などをとりいれ、睡眠に必要なセロトニンやメラトニンの材料を取り入れることも有効とされています。<材料>イカ1/2はい(一口大)大根5㎝(皮ごとすりおろす)人参1/3本(一口大)ニンニク1片(スライス)水200ml醤油小さじ2みりん小さじ1<作り方>人参、イカ、ニンニクと調味料を柔らかくなるまで煮込む。大根おろしと和えたら完成。NG行動【寝る前のスマホ】寝る前にスマホを見ていると、たくさんの情報や刺激的な情報が次々と目に入り、脳が興奮してしまうことで睡眠の質を阻害してしまうことがあります。寝る時間が近づくにつれて、なるべく部屋の明かりは暖色系のリラックスできる明かりにして、スマホを見る場合には、ブルーライトカット設定にしたり、癒し系の動画などリラックスできるものを選択するようにした方がよいでしょう。睡眠は単純に体を休めることだけではなく、生活習慣病や精神疾患、心疾患、肥満など様々なことへの予防として欠かせないものです。不調を感じるときには、睡眠の質に影響するものを一つずつ改善していくことも大切ですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©shima/Adobe Stock文・大久保愛
2024年02月02日1月もあっという間に過ぎ、もうすぐ2月。1年でもっとも寒さが厳しい季節の到来です。今の時期に特に気をつけたいのが、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスなどの感染症をはじめとした不調対策。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、さまざまな不調を招く自律神経の乱れや免疫力低下を防ぐ食薬習慣と、見直すべきNG習慣を教えてくれます!免疫力を高める食事と生活習慣は身についていますか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 250今の時期、周りに体調を崩して苦しんでいる人が増えてきていませんか?何かイベントがあったり、ここぞというときに限って体調不良に悩まされる人も多いかもしれません。よりによって今、体調を崩さなくても…と自分のカラダにうんざりすることもありますよね。年度末に近づき、休むことのできない人も多いと思います。1年の中でも寒さが厳しい季節となり、様々な感染症をはじめとして、不調対策も欠かせなくなります。ということで今週は、体調を崩しやすい季節を健やかに過ごすための食薬習慣を紹介していきます。今週は、体調不良を寄せつけない食薬習慣年明けから早くも1か月が経ち、時間が過ぎる早さを実感しますよね。いろいろな目標を達成したり、日常のタスクをこなすために無茶をすることもあるかもしれません。そんな中、熱が出たり、咳が止まらなくなったり、下痢になったり、蕁麻疹がでたりと様々な不調に悩まされ、日々の業務をストップすることを余儀なくされることもあると思います。ただ、感染症シーズンであっても、元気な人はいつでも元気です。そして、逆に体調不良を感じる人は毎年同じようなメンバーではないでしょうか。この差を漢方医学では、バリア機能である『衛気』や『肺』、免疫や回復力に関わる『腎』の働きにより生じるものと考えることがあります。ということで、今週は季節特有の不調に悩まされないように『肺腎』の働きをサポートし、『気』を補う食薬を取り入れることで、体の土台を強化していきましょう。今週食べると良い食薬は【葱と山芋と明太子のお好み焼き風】です。NG習慣は、休日の【寝だめ】です。食薬ごはん【葱と山芋と明太子のお好み焼き風】まずは、ビタミンDやセロトニン、ジオスゲニンなどを意識した食薬をとることで、『肺や腎』をサポートしていきます。ジオスゲニンを含む山芋、ビタミンDを含む明太子、そして血流を促すネギ、アミノ酸スコア100で神経伝達物質の材料となる卵を組み合わせて、『補気血』できるお好み焼きのようにして食べましょう。<材料>山芋6センチ(ポリ袋に入れ瓶底などを使って荒くつぶす)玉子2個明太子1腹生姜1片(みじん切り)ネギ1/2本(輪切り)醤油・みりん各大さじ1海苔・あおさお好みで<作り方>山芋、玉子、明太子、調味料をポリ袋に入れよく混ぜる()。クッキングシートをフライパンに敷き、ネギを炒める。そこにを加え蓋をして蒸し焼きにする。海苔やアオサをトッピングして完成。NG行動【寝だめ】休日になると、平日の疲れを癒すために、寝だめする人も多いのではないでしょうか。一見よさそうな行動ですが、平日と休日の睡眠のリズムがずれてしまうことでソーシャル・ジェットラグを招き、睡眠の質を低下させる原因とも考えられています。一時的に疲れは取れた気分になりますが、体内時計とともに自律神経を乱し、疲労感や免疫力の低下までも感じさせてしまいます。なるべく休日も起きる時間は遅くせずに、就寝時間を早めることによって睡眠時間の確保を目指したり、日ごろの睡眠時間の見直しをしていくことが、長期的に強い体をつくることにつながります。忙しい時こそ、何かをプラスする健康法ではなく、睡眠や食事など生活の基盤の見直しを行うことで体調を整えていきたいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Dzianis Vasilyeu/Adobe Stock文・大久保愛
2024年01月26日毎年年明けは、なんだか胃腸の不調が。。。クリスマスから年末年始にかけて、ご馳走を食べたり、お酒を飲んだりする機会が増えて、気にしていたにも関わらず、食べ過ぎ飲み過ぎになりがちなんですよね。それにまた新しい年のスタートということもあって、春に向かってダイエットしたいなという気持ちにもなっている方も多いのでは?。そんな方におすすめのヘルシーフードをご紹介!ダイエット食や本格的な薬膳までじっくりみていきましょう。さらば罪悪感!ヘルシーラーメンで小腹を満たそう夜中のラーメン。。。食べたいけど、カロリーが気になって諦めるという方も多いですよね。そんな方に朗報!『低カロリー・低糖質』のヘルシーラーメン、こんにゃく麺×ベジタブルの「ベジニャクヌードル」が登場です!しっかりと食べ応えがあるのに、カロリーはなんと「66kcal」。糖質も、味噌味:「5.4g」、野菜白湯味:「6.5g」と一般的な中華麺の糖質量(75g)と比べても大幅カット!これなら夜中に小腹が空いた時やダイエット中にも安心ですよね。こんにゃく麺というと、本当に美味しいの??と思う方もいらっしゃることと思いますが、結着製法により、2本結着した麺の谷間にスープがしっかり絡み、歯切れも良くつるっと喉越しがいい麺に仕上がっています。味は、あっさり仕上げた野菜白湯と濃厚で深い味わいの味噌味をご用意。気分やお好みでお選びいただけます。また麺とスープのみの商品が多い中、具材として「キャベツ、にんじん、豆腐そぼろ」を加えているから満足感もアップ。食べ応えもありますよ。さらに作り方もレンジに入れて90秒で完成ととても簡単。温まったら器に移すだけとお鍋も不要です。忙しくて時間のない時にも、ヘルシーに美味しくダイエットしませんか? 【ご紹介したアイテム】低カロリー・低糖質のヘルシーラーメン、こんにゃく麺×ベジタブルの「ベジニャクヌードル」です。レンチン90秒でサッと作れるダイエットメニュー。美味しさと食べ応えで満足の1杯です。⇒ ベジニャクヌードル 身体と心を労るレトルトスープ疲れた時、体を内側から温めたい時には、具沢山のスープが1番のご馳走。身体に優しく美味しいスープがレトルトで食べられたら、忙しい主婦にとっては、こんなにありがたい事はありませんよね。この鶏白湯と白菜のスープ/ONE POT WONDERは、原材料はとってもシンプル。鶏白湯・白菜・鶏肉・塩・ニンニク・豚、これだけ。さらに調味料は塩だけで、素材の美味しさを引き出しています。鶏肉の旨味と、とろっとした白菜の甘味が身体に染み渡り、濃厚な味わい。柔らかいけれど、しっかりと肉感を感じられる鶏、豚の背脂とニンニクのアクセントが食べ応えをプラスしてくれて、メインになってくれるスープなんです。また食品添加物や化学調味料を使用していないから、小さなお子様からご年配の方まで安心して食べていただけます。作り方は、電子レンジまたは湯煎でとっても簡単。忙しい時にもサッと作ることができるのがポイント!さらに麺を入れたり、ご飯を入れたりのアレンジで、がっつり食べたい時にも◎。日持ちもするのでアウトドア用や非常食として準備しておいたり、プレゼントとしてもおすすめですよ。 【ご紹介したアイテム】「ONE POT WONDER」の鶏白湯と白菜のスープは、シンプルだけど濃厚な味わいや、素材を活かした旨味がじゅわっと染み渡り、身も心もあたためてくれます。⇒ 鶏白湯と白菜のスープ/ONE POT WONDER アウトドア キャンプ ソト飯 用意するのは鶏肉だけ!お家で本格参鶏湯ちょっと疲れたなとか風邪っぽいなというときに、すぐに病院へ行ったり、市販薬に頼ったりしていませんか?そんな時に食べ物で整えるのが昔ながらの知恵。漢方に用いられる食材を使っているヘルシー料理でもある、本格参鶏湯をお家で作ってみませんか?参鶏湯とは、鶏肉と一緒に、朝鮮人参、鹿茸、ファンギなどの漢方ともち米、くるみ、松の実、にんにくなどを煮込んで作る韓国伝統の薬膳料理。体調がすぐれない時にも、美容や健康に気遣いたいという方にも食べていただきたいメニューです。鶏肉以外の準備しにくい材料が本場韓国から完全無添加の厳選されたものがキットに入っているから、お家で簡単に本格参鶏湯を作ることができます。作り方もとっても簡単。大きめの鍋に材料を入れてコトコト煮込むだけ。寒い日に美味しく食べて、体調を整えて、風邪に負けない身体を作りましょう! 【ご紹介したアイテム】寒い時期だけでなく、韓国では夏バテ防止として食べる習慣もある参鶏湯。薬膳料理や補身料理(ポシン料理・滋養食)ともいわれる参鶏湯を手軽に作れる材料のセットです。⇒ 食べる本格薬膳スープ参鶏湯(サムゲタン)キット 手間をかけずに美味しく、身体に優しいメニューを食べられるのは、本当に大助かり。2024年は身体に優しく、美味しく食べて、体調を整えていきましょう。 おーまえ京都在住。ほぼ毎日自転車行動。時間があると気になる場所やお店をウロウロ探し回りがち。お笑いと犬がずっと好き。最近はリボベジに小さな幸せを感じてます。
2024年01月10日日々忙しくしていたり、環境の変化があったりすると、ちょっとした不調を見逃してしまいがち。そんな時、筆跡から不調のサインを見つけることができます。筆跡心理学とは、筆跡を見て性格や心理を読み解く学問のこと。日本ではまだ歴史の浅い分野ですが、ヨーロッパでは140年以上も前から研究されているメジャーな学問です。今回の記事では、不調のサインを表す筆跡を紹介します。自分の体調はもちろん、同僚や家族など他人の不調サインも読み取れるので、ぜひチェックしてみてくださいね。■筆跡から「不調サイン」を見極めるポイント今回紹介する分析ポイントは3つ。紙とペンを用意して筆跡をチェックしてみましょう!◇(1)細かい部分がつぶれている「識」や「創」など画数の多い文字中にある、「日」や「口」がつぶれているかどうかをチェックしてみましょう。もし、空間に隙間がなくつぶれている場合は、肉体的・精神的に疲れやストレスを抱えている可能性があります。文字を書くという行為は、それなりに労力を使います。特に、パソコンで文章を書くことに慣れている現代人は、ペンを持って書くことに対してよりパワーを使うのです。そのため疲労やストレスがある時は、手に力が入りにくかったり気力が湧いてこなかったりして、それが文字にも表れてしまいます。実際、筆者も寝不足の時は、メモの文字がつぶれているなと感じることがあります。実体験からいうと、できるだけ力を使わないよう簡略化して書こうとしたり、集中力がなく書くことをまとめきれないまま手を動かしたりすることで、文字がつぶれてしまうイメージです。ちなみに、元からせっかちな性格な人は、急いで文字を書くことでつぶれてしまうこともあります。普段からつぶれ気味の方は、必ずしも不調のサインというわけではないかもしれません。◇(2)直線がブレたりゆがんだりしている通常、まっすぐ書くはずの線がカクッと途中でブレていたり、ゆがんでいたりしたら、気力や体力が弱っているサインかもしれません。思ったように手に力が入らない、文字を書く力が湧いてこないという状態だと、力強く書くことができず線がブレてしまうのです。もし自覚がなかったとしても、この筆跡が見られた時はぜひ休息を心掛けましょう。◇(3)急に文字が小さくなる文字の大きさには、その人の外向性が出ます。普段から文字を大きめに書く人は、行動力があって外向的。オープンマインドな性格で、しっかり自己主張できるタイプが多いといえます。一方で、文字を小さめに書く人は、控えめで内向的。思ったことをあまり口にせず、大人しいタイプが多いといえます。または、大きな体格にコンプレックスがある場合も「小さく見られたい」という心理から、文字を小さく書く傾向があります。元々は大きめの文字を書いていた人が、ある時から急に小さく書くようになった場合は注意が必要です。何かに抑圧されて、ストレスを抱えている可能性があります。どんなことにストレスを感じているのか、自身の心に問いかけてみましょう。■その時の心理状況で筆跡は変化する!筆跡分析のセミナーなどで、よく参加者の方から「その日によって字が違う」と言われることがありますが、筆者自身もそう感じたことがあります。みなさんも、子どもの頃や学生時代と今の文字を比べると、きっと違いがあるのではないでしょうか?心身の状態によって行動が変わるのと同じように、その時々で筆跡も変わるもの。「役職に就いたら上昇志向を表す筆跡が出てきた」など、環境が変わった時にも筆跡は変化します。つまり、筆跡によってリアルタイムの自分が見えるということなのです。過去と比べれば、心境の変化も見えてくるでしょう。ぜひ昔の手帳やメモを引っ張り出して、筆跡を観察してみてください。不調も含め、思いがけない発見があるかもしれませんよ。(関由佳)※画像はイメージです
2024年01月10日今すぐできる冷えとりワザ11月20日、心身の不調の原因となる冷えの対策を紹介する女性向けの新刊『ココロとカラダの不調が消える 今すぐ、冷えとり!』がオレンジページから発売された。価格は1595円(税込)である。オレンジページは2016年に『本当にすごい 冷えとり百科』を発売しており、新刊はその内容を加筆、修正したものとなっている。医師や専門家32人による冷え対策男性よりも冷えに悩みがちな女性。熱は筋肉より生み出されるが、もともと女性は筋肉量が少ないため、カラダが冷えやすく、冷暖房の環境、ダイエット、ファッションなども冷え性に関係している。また、女性特有のライフステージの変化がホルモンバランスに影響を与え、冷え性になりやすいという。新刊では、医師や専門家32人が簡単で即効性のある冷え対策を紹介。頭痛、だるさ、肩こりなどの身体的な不調のほか、イライラや落ち込みといった精神的な不調にも効果が期待できる。美肌になって太りにくくなり、睡眠を改善する運動や食事などの生活習慣、マッサージ、ファッションなど、簡単なセルフケアが掲載されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※ココロとカラダの不調が消える 今すぐ、冷えとり! ‐ オレンジページの本 ‐ オレンジページnet
2023年12月04日「なんとなく体調が悪い」と感じるときは、体に何らかの変化が起きていることがあります。体調不良の予兆を見逃さなければ、不調につながる前に対処ができるはず。また、毎日の食生活が不調を招いていることもあるので、食事の見直しも有効でしょう。今回は女医や管理栄養士の方に聞いた、「体調不良の予兆とNGごはん」をご紹介します。“便秘や下痢”は自律神経が乱れているサイン?なぜか便秘や下痢が続くとき、実は自律神経が乱れている可能性があります。今回は自律神経が乱れているときにどういった症状が現れるのか、どのような対策があるのか解説していきます。自律神経とはそもそも自律神経というのは、心拍数や消化活動など、私たちの体の機能を自動的に制御するものです。交感神経と副交感神経の2つがあり、お互いにバランスを取り合うことによって、身体の状態を保つ働きがあるんですね。一般的に、自律神経が乱れると、多くの健康問題が引き起こされる可能性があります(※1)。便秘や下痢に悩まされている人は…実は、自律神経の乱れが原因で「便秘や下痢」のような消化器系の問題が生じることがあります。これは、自律神経の働きのひとつに消化器官の動きをコントロールする働きがあるからです。便秘や下痢といった症状は、腸炎などの病気によって起こることがあります。ですが、腸炎などの病気がないにもかかわらず、便秘や下痢がある、便秘や下痢を繰り返している、人前で話すなどストレスのかかるイベントの前後で症状が強まるといった場合は、自律神経の乱れが原因である可能性も高いのです。自律神経の乱れと消化器系自律神経のバランスが整っていると、適切な消化活動が行われます。ですが、ストレス下などで交感神経と副交感神経のバランスの乱れが持続すると、便秘や下痢につながってしまうことがあります。一時的なものであれば問題ないですが、長期に渡って便秘や下痢を繰り返したり、腹痛を伴ったりする場合は、過敏性腸症候群(※2)のほか、何らかの消化器疾患の可能性もありますので、消化器内科を受診するのがいいでしょう。他の体調不良の予兆自律神経の乱れによる影響は、便秘や下痢だけではありません。例えば下記に挙げるようなものがあります(※1)。【全身的症状】だるい、眠れない、疲れがとれないなど【器官的症状】頭痛、肩こり、動悸や息切れ、めまい、のぼせ、立ちくらみ、冷えなど【精神的症状】情緒不安定、イライラや不安感、うつなど自律神経が乱れる原因自律神経の乱れは、ストレス、過労、睡眠不足、不規則な生活、栄養不足など、さまざまな要因があるでしょう。なお、女性のほうが男性に比べて自律神経が乱れやすいとも考えられています。これは、月経に伴う女性ホルモンの変化が影響を及ぼしてしまうことがあるためです。※ 文・産婦人科専門医/ママ女医ちえこ※ 2023年10月8日配信管理栄養士が明かす「実はNGな朝ごはん」朝ごはんを摂ることは、一日の始まりに体と脳を目覚めさせるために大切です。時間がない朝は、食事を手軽に摂るために簡単にすましているという人もいるかもしれません。しかし、なかには健康やダイエットの観点から注意したいメニューもあります。菓子パン菓子パンは糖質や脂質が多く、食事というよりはお菓子に近い食べ物です。朝に菓子パンだけという食事は栄養バランスが偏り、高エネルギーになりやすいため、毎日のように続けていると体重増加や血糖値が上がる可能性も。特にメロンパンやクロワッサンなどのサクサクしたパン、ドーナツやカレーパンなど揚げてあるもの、生クリームがたくさん使われているものは、脂質が多く含まれているため注意が必要でしょう。パンを食べたいときは、食パンやロールパンなどのシンプルなパンがおすすめです。さらにたんぱく質が摂れるゆで卵や、野菜が摂れるサラダなどを組み合わせると栄養バランスもよくなりますよ。グラノーラグラノーラとは、オーツ麦やナッツなどにシロップやオイルなどを混ぜてオーブンで焼き上げたシリアルの一種です。商品によってはドライフルーツが入っている場合もあります。ドライフルーツは体に良さそうなイメージがあるかもしれませんが、フルーツを乾燥させている分濃縮され、少量でも高エネルギーになりやすい食べ物です。そのため、グラノーラは意外と糖分や脂質が多くなりやすく、ダイエット中の方は特に食べすぎに気を付けたほうが良いでしょう。対策としては、シロップやドライフルーツが添加されていないオートミールに置き換える、なるべく糖質や脂質が低いタイプを選ぶなどがおすすめです。また、グラノーラを牛乳やヨーグルトと一緒に摂る場合は低脂肪タイプを選ぶようにしてみてください。スムージーダイエットや健康のためにとスムージーを飲んでいるという人もいるかもしれません。しかし、果物やシロップなどをたくさん使った甘いスムージーは糖分が多く、飲みすぎると血糖値や中性脂肪の上昇に影響をおよぼす可能性があります。スムージーを手作りするならシロップなどの甘味は控えめにし、葉物野菜を混ぜたり豆乳や牛乳などたんぱく質が摂れるものも加えたりするとよいでしょう。ただ、胃の調子がよくない場合などは、消化されやすいスムージーを飲むのがおすすめです。体調に合わせて朝食を選ぶといいですね。※ 文/管理栄養士・寺内麻美※ 2023年10月8日配信秋バテ予防におすすめの食材ここからは、秋バテ予防のためにおすすめしたい食材をご紹介します。秋に旬を迎える食材を選んだので、ぜひ参考にしてみてください。鮭秋に旬を迎える鮭は、DHAやEPA、良質なタンパク質やビタミンDなど、健康のために必要な栄養素が豊富に含まれているとされます。また、鮭の赤い色素のもとであるアスタキサンチンには抗酸化作用があり、免疫力の低下防止が期待できます(※3)。季節の変わり目に体調を崩しやすい人は、ぜひ摂ってみてください。山芋山芋はカリウムやマグネシウムなどのミネラル、ビタミンB群、ビタミンCなどをバランス良く含みます。また、山芋に含まれているネバネバ成分には胃粘膜を保護する働きがあり、ジアスターゼという消化酵素には胃腸の働きを促す効果が期待できます。夏に疲れた胃腸をいたわるために、とろろなどを取り入れるとよいでしょう。きのこ秋の味覚であるきのこ類も秋バテ予防におすすめの食材です。きのこには、食物繊維やビタミンD、ビタミンB群も含まれており、栄養価が高いうえに低カロリー。食物繊維を意識して摂ることで腸内環境が整い、免疫力アップが期待できます(※4)。また、ビタミンB群は疲労回復効果が期待できる栄養素です。これからの季節は味噌汁やスープなど温かいメニューに入れてもよいでしょう。※ 文/管理栄養士・寺内麻美※ 2023年9月10日配信不調を感じたら体の変化や食事を見直そう下痢や便秘が続くときは、自律神経が乱れているサインかもしれません。日頃から体の変化をこまめに観察し、体調不良の予兆を見逃さないように気をつけましょう。また、定番の朝食メニューのなかには、食べすぎると不調を招く可能性がある食材も。適量を意識する、栄養バランスを考えた組み合わせにするなど、不調を遠ざける工夫が大切です。疲れを感じたときは、秋バテ予防におすすめの食材も積極的に摂りましょう。【参考】※1 厚生労働省.e-ヘルスネット自律神経失調症※2 厚生労働省.e-ヘルスネット過敏性腸症候群※3 厚生労働省.e-ヘルスネット抗酸化物質※4 厚生労働省.e-ヘルスネット腸内細菌と健康©kei907/Adobe Stock ©New Africa/Adobe Stock ©taa22/Adobe Stock©photosomething/Adobe Stock ©Mills/PIXTA(ピクスタ)文・ママ女医ちえこ、寺内麻美 再編集・Natsu
2023年11月05日女性たちが付き合っていかなければならない、月経(通称:生理)。個人差はありますが、生理痛や、生理が始まる数日前から心身に不調をきたすPMS(月経前症候群)などに悩む女性は多いといいます。オムニウッチー(omni_uttii821)さんは、PMSの症状に日頃から悩まされているとか。種類がさまざまなPMSの症状を、あるものにたとえた漫画を投稿し、共感を呼んでいます。生理前の不調を『アレ』にたとえると?PMSの症状は『情緒不安定』『イライラ』『激しい眠気』など200種類以上あるといわれており、どんな症状が出るかは人によってさまざま。また同じ人でも、月によって症状が違います。そんな規則性がないPMSの症状を、投稿者さんは、カプセルトイにたとえたのです…!生理が近付くたびに、強制的にカプセルトイをやらされる理不尽さは、PMSの症状に悩む女性の心情を分かりやすく表現しています。漫画には「めちゃくちゃ分かる」「まさにこれ」といったコメントが寄せられました。・私も生理前の症状は「何が出るかな」状態です。大変ですよね…。・症状なしのスーパーレアがあったらいいのに。・すごく分かります。私は毎回、4つくらい同時にカプセルが出てくる。・共感しかないし、たとえが面白い!毎月のようにランダムなPMSの症状と付き合っていくのは、大変なもの。PMSの症状によって日常生活に支障をきたす場合は、病院を受診するのも1つの手でしょう。生理前のカプセルトイをまわした時には、無理をせず、自分の身体を労わって過ごしたいですね。[文・構成/grape編集部]
2023年10月19日学生時代から、生理前のPMSや生理中の不調など、ホルモンバランスに振り回されてきた私。40歳になってからも、とにかく朝から晩まで不調続き。婦人科に相談しに行くと、「自律神経」が原因かもと言われました。自律神経を整える方法について調べ実践していくうちに、だんだんと体調に変化が!?息子のチック症発症をきっかけに婦人科を受診高校生のころから生理痛がひどく、社会人になってからは生理前のPMSも加わり、生理やホルモンバランスの変動に振り回されてきました。ピルなども試しましたが、どれも体に合わずに断念。40歳になってからは、不調がさらに悪化。排卵日前後には体中が痛くなり、気分が落ち込む。排卵が終わればPMSでイライラしてネガティブに。生理が来れば、激しい腹痛と吐き気、腰の痛み。生理が終わるころには、体中の鉄分がなくなってしまったかのように貧血っぽく、常時めまい、吐き気、ぐったりして寝込む……。1カ月のほとんどが不調の連続です。なんとか折り合いをつけながら生活していたものの、離婚してシングルになり、息子が不登校で引きこもりになったため、私も家でぐったり寝込んだりイライラしたりしているわけにはいかなくなりました。繊細な息子は私の精神状態を敏感に感じ取り、ストレスからチック症を発症してしまったからです。このままではいけないと思った私は、婦人科を受診することにしました。婦人科で言われた思いがけない言葉に涙不調を改善するため勧められたのは、子宮の入り口に装着して直接ホルモンが作用するという薬でした。この薬は生理中の出血や腹痛を軽くするものだそうです。また、排卵日前後とPMSの不調については、ホルモンバランスを整える漢方で様子を見ましょうということになりました。残る対策は生理後の不調です。生理後の貧血による不調がつらいので、鉄分を補う鉄剤を処方してほしいと私が言うと「採血してみましょう」と医師。採血の結果、貧血はなく、「貧血ではないので鉄剤を飲んでも症状の改善には有効ではないです」と言われました。え? と私はがく然としました。私はどうにかしてこの不調を治したいと思って婦人科に来たのだから、このままじゃ引き下がれないと思い、「シングルで、ひとり息子が不登校で、今日婦人科に来るのもやっとだったんです。発達障害で、チックも発症してしまって……」と、関係ないことまで話しました。すると、「それは大変ですね。体調が悪くなるのは当然です。元々ある不調に精神的ストレスが上乗せされますからね。ひどくて当然。大変ですね」と医師。思いがけない言葉に、涙が出てしまいました。原因はストレス! 自律神経の乱れのせいホルモンバランスのせいで体調不良になっていると勝手に思い込んでいたけれど、私の場合は精神的なストレスで自律神経が乱れ、さらに不調がひどくなっていると医師に教えてもらいました。また、貧血のようにめまいが起きる原因は、「起立性低血圧」ではないかとのこと。これもストレスから起こる自律神経の乱れが原因の1つらしいです。私は早速、ネットで「自律神経整える」と検索したり、図書館で本を借りて読んだりしました。そして、自律神経を意識した生活を心がけるように。私が意識したことを簡単にまとめると、・深呼吸をする・ゆっくり動いて生活する・笑顔を作る・朝日を浴びる・軽い運動・ストレスを解消する工夫まず効果を実感したのが、深呼吸でした。気持ちが落ち込んで寝込んでしまったとき、ゆっくり深呼吸してみたのです。すると、目の前の霧が晴れたようにスッキリしました。お風呂でもゆっくり深い呼吸を意識しながら体を洗い、頭を洗いました。すると、毎回お風呂から出たあとはぐったりして座り込んでしまっていたのに、それがなくなったのです。また、意識して笑顔を作ることで、自然と楽しい気持ちになることも実感しました。まとめ心と体はつながっているという言葉をよく聞きますが、私はこのことを改めて再認識しました。私の場合、ストレスを感じて常に呼吸が浅くなっていたのかもしれません。深呼吸することによって、肺をはじめ体の隅々に酸素が行き渡ったように感じ、体や脳が動くようになりました。こんな基本的なことができていなくて、自律神経がうまく働かなかったようです。体調が悪いからなんとかしなきゃという焦りも、もしかしたら症状を悪化させてしまっていたのかもしれません。排卵日前後や生理前に体調が悪くなる日もありますが、前に比べると本当に快適に生活できるようになりました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。マンガ/山口がたこ著者/こんにゃく(40歳)40歳のシングルマザー。フリーランス。発達障害の一人息子は現在不登校真っ最中。毎日毎時間、いかに幸せに暮らすかを模索することが趣味。東京から大阪に移住し、山の風景に心癒やされる日々。
2023年10月08日夏の暑さも和らぎ、涼しくなってくる今の時期は、過ごしやすい気温ではありますが夏の疲れを引きずっているとだるさを感じることも。体調を整えるためには、食事でしっかり栄養を摂るための工夫も大切です。そこで今回は、秋の体調不良を予防するためにおすすめの食材やレシピをご紹介します。秋の不調におすすめの食事とは夏の暑さによる疲れが体調にあらわれやすい秋の初めは、体調を崩さないよう食事にも気をつけたいものです。基本的にはさまざまな食材をバランスよく摂ることがおすすめですが、なかでも積極的に摂っていただきたい食材や栄養素についてお伝えします。たんぱく質たんぱく質は肌や髪、筋肉など私たちの体をつくる材料となる栄養素です。特に運動後の疲れには、たんぱく質が不足しないように食事で補給しましょう。たんぱく質は肉・魚・玉子・大豆製品などに多く含まれています。ビタミンB群ビタミンB群は体内で糖質・脂質・たんぱく質を分解し、エネルギーを生み出す重要な働きをしています。なかでも注目したいのはビタミンB1。糖質の代謝を助ける働きをし、ビタミンB1が不足すると疲労感やだるさなどにつながるといわれています。ビタミンB1は肉・魚・玉子などに多く、とくに豚肉はよい供給源です。抗酸化ビタミン抗酸化ビタミンとは、免疫力低下の要因にもなる「活性酸素」の働きを抑えるビタミンのことです。ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどが抗酸化作用の強いビタミンといわれています。これらは野菜や果物に多く含まれているため、積極的に摂るとよいでしょう(※1)。秋の体調を整えるためのレシピ3つここからは、秋の体調不良を回復させるためにおすすめしたいレシピを3つご紹介します。旬の食材も取り入れてみたので、ぜひ参考にしてみてください。鶏むね肉とパプリカのオイスターソース炒め鶏むね肉は良質なたんぱく質が多く含まれ、パプリカにはビタミンCが豊富に含まれています。また、辛みのついた味付けは食欲増進効果が期待できます。【材料(2人分)】・鶏むね肉:1枚・赤パプリカ:1/2個・黄パプリカ:1/2個・しめじ:1パック・料理酒:小さじ1・しょうゆ:小さじ1・片栗粉:小さじ1・ごま油:大さじ1(A)・オイスターソース:大さじ1・みりん:大さじ1・しょうゆ:小さじ1・豆板醬:小さじ1・おろしにんにく:小さじ1/2【作り方】1.鶏むね肉はそぎ切りにし、縦にカットして棒状にする。料理酒としょうゆを揉みこみ、10分ほど置いておく。その後、片栗粉を揉みこむ。2.赤パプリカ・黄パプリカは種とわたを取り除いて細切りに、しめじは根元を切り落としてほぐしておく。3.フライパンにごま油を入れて熱し、1の鶏むね肉を入れて中火で炒める。鶏むね肉の色が変わったらパプリカとしめじを加え、火が通るまで炒める。4.3に(A)を混ぜ合わせた調味料を加え、炒め合わせたら器に盛って完成。【ポイント】豆板醬の量はお好みで調整してください。冷めてもおいしく召し上がれるため、お弁当のおかずにもおすすめです。さつまいもと玉ねぎの豚汁豚肉には糖質の代謝を助けるビタミンB1が多く含まれ、疲労回復に役立つと考えられます。また、秋の味覚であるさつまいもには、加熱しても壊れにくく抗酸化作用のあるビタミンCが含まれています。【材料(2人分)】・豚こま切れ肉:100g・さつまいも:1/2本・玉ねぎ:1/2個・生姜:1かけ・小ねぎ:適量・ごま油:大さじ1・水:400ml・和風顆粒だし:小さじ1・みそ:大さじ2【作り方】1.さつまいもは1mmほどの半月切りにして水にさらす。玉ねぎは薄切りに、小ねぎは小口切りにする。生姜はすりおろす。2.鍋にごま油を入れて中火で熱し、豚肉を入れて炒める。3.豚肉の色が変わったら水と和風顆粒だし・さつまいも・玉ねぎを加えて、具材がやわらかくなるまで5分ほど煮る。4.3を弱火にして味噌を溶かし入れ、火を止めて器に盛り、生姜と小ねぎを散らして完成。【ポイント】豚肉はバラ肉などほかの部位に代えてもおいしく作れます。ごぼうやにんじんなどほかの根菜を加えても栄養たっぷりの1品となりますよ。鮭のレモンマリネ鮭には良質なたんぱく質のほか、ビタミンB群や抗酸化作用のあるアスタキサンチンが豊富に含まれています(※2)。ビタミン豊富な野菜と合わせて酸味を効かせたマリネにすると、食欲がないときもさっぱりと食べられますよ。【材料(2人分)】・生鮭:2切れ・塩・こしょう:少々・小麦粉:小さじ2・オリーブ油:小さじ1・玉ねぎ:1/4個・にんじん:1/3本・ピーマン:1/2個・塩:ひとつまみ・レモン:1/2個(A)・酢:大さじ2・オリーブ油:大さじ2・塩:小さじ1/2・砂糖:小さじ1・レモン汁:小さじ1【作り方】1.鮭は一口大にカットして塩・こしょうで下味をつける。2.玉ねぎは薄切り、にんじんとピーマンは細切りにし、電子レンジ600Wで1分加熱する。レモンは薄い輪切りにする。3.(A)を混ぜ合わせてマリネ液をつくる。4.1の鮭は5分ほど置いたら水気をふき取り、小麦粉をまぶす。5.フライパンにオリーブ油を入れて中火で熱し、鮭を焼く。片面に焼き目がついたら裏返し、中まで火を通す。6.鮭と野菜、3のマリネ液、レモンを合わせて、粗熱がとれたら冷蔵庫で30分ほど冷やして完成。【ポイント】鮭が熱いうちにマリネ液につけると味が染みこみやすくなります。レモンやお酢の酸味を効かせることで、塩分が控えめでもおいしく食べられます。旬の食材を取り入れて元気に秋を過ごしましょう体調を整えるためには、今回ご紹介した食材のほかに、旬の食材を取り入れることも大切です。旬の食材は栄養価も高く、季節を感じられる食事になりますよ。食生活においていちばん大切なのは栄養バランスのとれた食事ですが、疲れを感じたら疲労回復が期待できる食品も意識して摂り入れていきましょう。【参考】※1 厚生労働省.e-ヘルスネット抗酸化ビタミン※2 厚生労働省.e-ヘルスネット 抗酸化物質©puhimec/Adobe Stock筆者情報寺内麻美管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。文/管理栄養士・寺内麻美
2023年09月22日むくみ、慢性疲労、肩こり、下痢や便秘…。夏の終わりにやってくるこうした不調は体に余分な水分がたまっているせいかも。脱・夏不調のために、体内の水分を調整する方法を医師の石原新菜先生が教えてくれました。日々の生活でちょっと意識を変えて水分調整。必要な水分量は人によって違うが、摂る水分と出す水分のバランスが大切と石原先生。「1日に出ていく水分は、尿や便、汗や呼吸で蒸発する分でおよそ2L。同量の水分が必要ですが、食事から摂る水分などをのぞき、飲み物として摂るのは1~1.5Lが目安です」。なんとなく飲むのではなく、汗をかいたりトイレに行ったら飲む、喉が渇いたら飲む。これを意識すること。そして、体を冷やさず、質のいい睡眠、適度な運動で巡りを改善!水分調整1お風呂で温め、汗を出す。シャワーで済ませず、湯船に浸かる習慣を。全身の血行が良くなり、水分や老廃物が汗として排出される。40°Cくらいのぬるめのお湯に10~15分ほど浸かれば、副交感神経が優位になり、寝つきが良くなる効果も。水分調整2ウォーキングで代謝アップ。運動不足もむくみの原因に。ウォーキングやストレッチなど有酸素運動を取り入れて代謝を上げれば、水分が排出されやすくなる。一方で、激しい運動は腎臓に負担をかけることも。無理のない適度な運動を心がけて。水分調整3良質な睡眠で腎を癒す。内臓の疲れを取り、充電するために大切な睡眠。睡眠時間が短いと腎機能が早く衰えるというデータもあり、7時間ほど眠るのが理想的。睡眠中は腎臓を休ませるために、寝る3時間前には食事を済ませよう。水分調整4腹巻きで胃と腎を温める。お腹を触ると冷たい人は多いはず。お腹の冷えは腎臓の冷えと機能低下につながり、水分が排出されにくくなり、また体が冷えるという悪循環に。腹巻きで温めることで胃腸や腎臓の働きが活発になって水はけが改善される。水分調整5体を温める食材を摂る。根菜類やショウガ、赤身の肉や魚など、東洋医学でいう体を温める陽性の食材を意識して摂り、体温&免疫力アップを。白砂糖や緑茶などは体を冷やす性質があるので注意。水分排出を促す小豆や黒豆も取り入れてみて。水分調整6適量の水分を摂る。水分のがぶ飲みは禁物。「喉が渇いたら適量を飲む」意識づけが大切。コップに少しずつ入れて飲む、温かいドリンクを選ぶなどの工夫を。冷たくて喉越しのいいドリンクはつい飲みすぎてしまうので注意しよう。石原新菜先生医師。イシハラクリニック副院長。漢方薬処方を中心とする診療を行う傍ら、ショウガや腹巻きなどによる温め健康法を提唱している。『病気にならない 蒸しショウガ健康法』(アスコム)、『水出し健康法』(幻冬舎ルネッサンス)など著書多数。※『anan』2023年9月20日号より。イラスト・kame取材、文・熊坂麻美(by anan編集部)
2023年09月17日9月といっても、まだまだ続く暑さ。室内外の気温差や寝苦しい熱帯夜、突然の気象変化などから、自律神経の乱れや喉の不調を訴える人が多いそう。そこで中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、つい取り入れがちだけど実は自律神経を乱すNG習慣と対策を教えてくれます!気温差や気象の変化で体調を崩していませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 229体温と変わらないくらいの暑さが強烈な毎日、目が痛くなるような強い紫外線、睡眠の質が低下する熱帯夜、そして突然の雨、雷。気分屋な夏はいつまで続くのでしょうか。起きているときも、寝ているときも常にエアコン完備がスタンダードであるこのシーズンは、自律神経の乱れや喉のトラブルなどに悩まされる人が激増します。何かしら、不調を抱えている人は多いのではないでしょうか。とくに、些細なことで傷ついたり、イラっとしてしまったり、やる気が喪失してしまったりと、プチストレスが積み重なり、なんとなく感じる不調が強固なものへと進化していくこともあるかもしれないですね。自律神経の乱れに伴い月経前の胸やお腹の張り、便秘、イライラ、過食、頭痛などの不調もいつもより強く感じる人もでてくることでしょう。ということで、今週は自律神経を整え、気候や空調が作り出す環境に負けない食薬習慣を紹介していきます。今週は、自律神経を整える食薬習慣いよいよ9月。9月といえば、もう少し過ごしやすかった印象がありますが、現実は大きくかけ離れ、体温に近い気温を観測する地域もいまだに多いですよね。ということは、室内と屋外の気温差を強く感じることにもなり、睡眠時の空調管理にも難しさを感じる人が多いと思います。そろそろ、睡眠不足、疲労感、ふらつき、月経不順、イライラ、気分の落ち込み、注意力散漫、頭痛などの自律神経にまつわる不調で悩む人が増えてくることでしょう。漢方では、自律神経が乱れやすいときの状態を『肝血虚』と呼び、実際に自律神経が乱れた状態を『肝気鬱結』、気分が落ち込みやすくなっている状態を『胆虚』などと呼んでいます。そこで、今週は、気候変化や空調による影響に負けずに自律神経を整えるために『肝血』を補い、『肝胆』を支えることで『気』の巡りを改善する食薬を紹介します。今週食べるとよい食材は、【モロヘイヤと舞茸の玉子炒め】。逆にNGな習慣は、気分転換に取り入れがちな【コーヒーとクッキーでのひと休み】です。食薬ごはん【モロヘイヤと舞茸の玉子炒め】モロヘイヤは、自律神経を安定させるうえで欠かせない腸内環境のケアに役立つペクチンやマンナンなどの食物繊維を多く含み、ネバネバした特徴があります。腸内環境が悪化している状態は、肝臓や胆のうへも悪影響を与えてしまうため、『肝胆』を支えるために、胆汁の分泌を促し、腸内環境を整える水溶性食物繊維をとるのがおすすめです。また、βカロテンやビタミンC、ビタミンE、葉酸なども豊富で、その栄養価の高さから王様の野菜とも呼ばれているほどです。さらに、キノコ類には、心を落ち着かせるGABAが含まれているので、自律神経が乱れがちなときにおすすめな食材です。これらの食材をアミノ酸スコアが100で『肝血』を補うことのできる玉子と炒めることで、心の安定をサポートしていきましょう。<材料>Aマイタケ1パック(ちぎる)モロヘイヤ1束(3センチくらいに切る)ニンニク1片(スライス)B溶き玉子2個醤油小さじ2みりん小さじ1水大さじ1<作り方>フライパンでAを炒める。Bをまぜあわせ、フライパンに加える。玉子が固まるまで炒めたら完成。NG行動【コーヒーとクッキーでひと休み】イライラしたり、だるくなったり、気分が落ち込んだり、やる気がなくなったりと気分が乗らないときには、コーヒーとクッキーなどの甘いもので気分転換をする頻度が増えてしまうことがあるかもしれません。もしくは、休憩ではなく、コーヒーと甘いものを口にしながら仕事を続けることもあるかもしれませんね。ですが、いつの間にかカフェインや糖質をとりすぎてしまうと、自律神経が乱れているときには逆効果となってしまうことも。カフェインで交感神経が優位になったり、甘いものでビタミンB群が消耗したり、血糖値が乱高下することで、心が不安定になることもあるのです。ながら食べによる食べ過ぎ、飲み過ぎのないようにコントロールしたり、調子の悪いときだけでも、おやつを小魚アーモンドやミックスナッツに変更するなど、おやつの内容の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。今の時期、何かしら不調を感じる方は多いと思います。ですが、暑さや気圧の大きな変化は、9月後半の秋分の日あたりまで続くことが予想されます。途中でギブアップしないようにコツコツメンテナンスをして、健康維持をしていきたいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©ayakono/Adobe Stock文・大久保愛
2023年09月01日40代から感じるようになった更年期の不調。しかし、子どものことを優先し、自分の不調に向き合うことをしていませんでした。50代になり、自分と向き合い2つの対策をおこなったことで症状が緩和した体験談をお話しします。★関連記事:更年期の代表的な症状って? のぼせ、ほてり、発汗があるときの治療と受診の目安【更年期の基礎知識4】40代から更年期症状が始まった!?40代になってから自営業で飲食店を営むようになったのですが、そのころからホットフラッシュのような症状を感じることが多くなりました。最初は自営業を始めたこともあって緊張しているのかと思い、気にもしていませんでした。しかし、毎日人に会って緊張すると手に汗を握る程度だったのに、数年たったころには普段の出る汗の3倍以上の汗が出るようになっていて洋服がびしょ濡れになったり、汗をかいて体が冷えてきたり、心臓の鼓動が大きくなって不安感が出てきたりと体調にも大きく変化が起きてきました。頭痛やめまいも出てきて、立っていられないときには家にこもったままで寝ていました。倦怠感やイライラなどの症状も当たり前のように出てきたのを覚えています。40代半ばで体も心もだんだんつらくなってきた40代からの体調不良が更年期症状だと意識し始めたのは、40代半ばになってからでした。しかし、シングルマザーの私には体調不良でも悩んでいる暇などない日々でした。自分のことより子どものことを優先していたため、更年期症状が出ていても、見て見ぬふりだったと思います。体の変化に目をそむけたままだったので、限界が来ていたのか心がつらくなるようなことがだんだん増えたのも40代半ば過ぎだった思います。食欲がなくただ眠くて体がだるい日々が続いていました。体が軽いと心も軽くなると気付く50代40代から悩まされてきた更年期症状と思われる症状ですが、50代になり2つの対策をおこなったことで、症状が緩和されてきました。まず1つ目はプチ断食です。食欲が出ないこともあり、10時間以上食べないこともありました。そうすると内臓が休まったのか、体の調子が徐々に良くなってきました。体の調子が回復するだけでなく、肌のハリも出て肌の調子も良くなったように感じています。そして、2つ目が運動です。私は50代になってから20代〜30代でしていたゴルフを趣味として再開することにしました。約20年ぶりのゴルフでしたが、月に1回自然の中での運動は気持ち良く、楽しむことができました。さらに、ゴルフで気の合う仲間と楽しい食事で笑うことが増えてからは、肌も体調も良くて若いころに近付いているように感じます。さらに、体調が良くなると心もラクになり、深刻に考えがちだった子どもの進路なども前向きに考えられるようになりました。40代のころとはまったく別人になったように気分も明るくなり、心に余裕も出てきました。まとめ40代から始まったと思われる更年期症状はプチ断食や運動をすることで改善されていきました。更年期の不調を通じて、体からの不調のサインを無視せず、しっかりと向き合うことが大事だと気付くことができました。元気に60代・70代を過ごすために体からのサインは見逃さず、体をいたわって過ごしていきたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。著者/かみ(51歳)高校3年生の子ども1人。未婚の母。調理師資格を持ち、その知識を生かしたブログを書いている時間が楽しい。生米・ジャガイモ・大豆でヴィーガンレシピ考案中。何より宇宙が大好き。
2023年08月21日大型連休が終わり、しっかり体調を整えたいところです。そこで健康と眠りのスペシャリスト、松浦志野さんに、気温や湿度の差が激しい時期に気をつけたい生活スタイルを教えていただきました。気候変動による気象病すでに梅雨時のようなじめっとした蒸し暑さがあると思えば、逆にひんやりする日もあり、寒暖差や気圧変動の大きい時期です。気象の変化によって起きる体調不良を気象病といい、頭痛や倦怠感、やる気が出ない、寝起きが悪いといった症状が出ることがあります。これは自律神経が大きく関係しています。気圧の変化で過剰に自律神経が反応してしまい、睡眠や気持ちの浮き沈み、カラダの症状にも影響していきます。しかしどんなに辛い状況でもお仕事や育児、家事があります。梅雨時期のような時期でも快適に過ごせるよう対策を行っていきましょう!1.体内時計を整えるまずは自分にとって最適な睡眠時間を見つけることから始めていきます。休みの日の前日、いつもの就寝時刻に眠りにつきましょう。ここで休みの前日だからといって遅寝はせず、睡眠の質を高めるために入浴をして、お風呂から上がり汗が引いたら就寝します。お風呂から出てからはスマホを見ず、ストレッチや深呼吸、アロマを取り入れてリラックス効果を高めましょう。そして、就寝後、翌朝に自然に目が覚めた時刻を確認してください。これを数日繰り返すことで自分にとっての最適時刻がわかります。睡眠が足りていないと初めは遅くに目が醒めると思いますが、数日続けていくと適切な時刻に起床できます。その時間があなたにとっての最適な睡眠時間です。起きなければいけない時刻から逆算して、自分に必要な睡眠時間がとれる就寝時刻を決めることで、体内時計を整えるための一歩前進になります。2.朝起きたらカーテンを開けて、まずは1分の日光浴朝自然に目が覚めて、まずはカーテンを開けて、もし可能ならそのままベランダに出て、まずは1分でかまわないので日光を感じましょう。この時の注意点は太陽を直接見ないように気をつけてください。目の網膜で光を感じることで脳に指令が送られ、体内時計が整うことがわかっています。そして午前中のうちに30分以上太陽の光を浴びましょう。たとえ雨でも曇りでも家の中よりは外の方が明るいです。網膜で光を感じることが大切になります。通勤時はできるだけ日の当たるところを歩くのもいい方法です。体内時計をコントロールしているのは「光」になります。日光浴をすることで脳内の神経伝達物質のひとつであるセロトニンが増え、気持ちも明るくなり、体温上昇もするため、夜との体温差ができて睡眠の質の向上にもなります。3.19時ごろに軽めの運動をする睡眠の質を整えるには体温の高低差が大切になります。深部体温といって内臓や脳などカラダの内側の温度は個人差はありますが、19時ごろが最も高くなり、朝方4時ごろが低くなります。19時ごろに軽めの運動でさらに体温を上げることでより睡眠の質を改善できます。軽めの運動といっても簡単です。お仕事からの帰宅の際にいつもより少し早歩きをしてみる、遠回りをして歩く距離を増やす、駅では階段を使う、電車の中で「ながら運動」でもかまいません。4.お風呂に入りカラダの内側の温度を上げるお風呂に入っていただくことで温熱作用によりカラダの深部体温が一時的にぐっと上がり、その反動で急降下するときが最適の就寝のタイミングです。カラダの熱は引いて、手足がポカポカと温かくなっていることがサインです。深部体温を上げる入浴方法は40℃のお湯に15分浸かることです。就寝時刻の1時間ほど前に入浴終了していただければ汗も引き、気持ちよくおやすみになれます。汗をかいている時はうまく寝つくことができないので、汗が引いてから就寝してください。しかし、シャワーのみや数分程度の入浴では深部体温は上がりきらないので、入浴後はすぐにベッドへ入っていただくことがいいでしょう。5.耳をもみもみで血流を上げる耳を温めることで血管が拡張し、血液循環がよくなり、交感神経の働きが低下します。また、耳の周りにはリンパ節もあるため、温めることで老廃物の代謝効率がよくなり、気象病による頭痛などの緩和、リラックス効果も高まります。私たちは日々いろんな音を聞いたり、目から情報を受け取り、交感神経がたかぶり緊張しやすい状況になっています。寝る前にはリラックス効果を高めることが必要です。やり方は耳の付け根を指で挟み、前回し後ろ回しを10回ずつ行ってみましょう。優しく耳全体を包み込んで温めたり、もみもみしていただくのも効果的です。梅雨時の気象病対策は自律神経を整え、カラダを温め、適切な生活習慣を取り入れることで大幅な改善が見込まれます。時期の問題だからと諦めずに対処をすることで、快適な生活を送れるようになります。それでもお仕事が手につかないようであれば、一度病院で受診をされてみてください。【参考資料】・「わたし」と向き合う1日10分のお風呂習慣小林式マインドフルネス入浴法発行:エムディーエヌコーポレーション著者:小林麻利子・入浴の質が睡眠を決める発行:株式会社カンゼン著者:小林麻利子(C)ayakono/Getty Images松浦志野健康と眠りのスペシャリスト。眠りとお風呂の専門家・小林麻利子さんに師事している。埼玉県出身。看護師、ベビーマッサージ講師。スリープカウンセラーとしてひだまり by SleeoLIVE主催。1児の母。看護師として総合病院、訪問看護を経験。自身が不規則な生活や睡眠不足、眠れないと悩んでいる方の多いという経験から同じように悩む人を助けたいという思いで小林に師事。現在はベビーマッサージのレッスン、日本初のマンツーマン&対面の睡眠改善カウンセリングを行い、赤ちゃんから大人までの熟睡を導くサポートをしている。文・松浦志野
2023年05月11日肩が凝る、腰が痛い、体が重い、片頭痛、むくみでふくらはぎがたるいなどたくさんの不調に日々悩まされている40代半ばの私。つらいなと感じたらその時々に対処しているのですが、なんとなく良くなったかなと感じる程度で、完全に不調が回復することはありませんでした。しかし、美容院での芳香浴をきっかけに自分自身をいたわる大切さを感じ、意識的にケアする日を設けようと思うように。その詳細を紹介します。★関連記事:「40代の不調を解消したい」ズボラでもおうちで気楽にできる有酸素運動が良い感じ!【体験談】きっかけは美容室でのアロマオイルここ数年通っている美容室でアロマオイルで芳香浴というのを教えてもらいました。教えてもらったのは、花粉によるアレルギー症状で目のかゆみ、くしゃみがひどい時期に、美容院を予約した日のことです。私のひどい状態を見て、美容師さんが熱いお湯を張ったボウルにミント・ラベンダー・パチュリのアロマオイルを数滴垂らしたものを用意してくれました。そのボウルから立ち上がる蒸気に顔を近づけ、アロマを感じながら深い呼吸をするという芳香浴をしてくれました。アロマオイルは自分が心地良いと思うものを選ばせていただいたので、香りが気持ち良く特に目のかゆみのアレルギー症状が和らぎました。美容師さんいわく、効果が持続するものではないけれど、ひとときでもスッキリすることができればいいですねとのこと。この10分ほどの体験を通して、ひとときでも自分をいたわることは大切だなと感じました。家でできることを取り入れてみた美容院での体験からわが家でもすぐに実践したいと思いましたが、うちには猫がいるのでアロマ関係はおこなわないことにしています。それは人間と違って猫にとってアロマは安全性が証明されていないからです。また家で自分をケアしたいと思ったときに、子どもがいないひとりだけの時間におこないたいので、平日午前中の2~3時間でできるものと限られてきます。考えた末、私が持っている癒やしグッズを片っ端から使ってみようと思いつきました。おきゅう、脚の電動マッサージ、頭皮の電動マッサージです。これらは今までは別々の日に使うことはあっても、続けて使うことはありませんでした。ひょっとして、この3つを同じ日におこなえば癒やし効果も高いのではないかと思い実践することにしました。そして最後はハーブティーを飲むという、リラクゼーションサロンのような段取りを組みました。リラックス効果は高かったまず初めに、両手両足のおきゅうから始めました。おきゅうをのせるツボの位置によって熱く感じたり感じなかったりするので、毎回おきゅうは不思議だなとおもしろがりながらおこなっています。おきゅうは火を着けると井草の香りがするので、一応猫に配慮して換気扇をつけながらおこない、15分ほどで終了。次に脚の電動マッサージを30分ほど。足裏、ふくらはぎ、太ももまでマッサージできるタイプで、強弱や温度などの調節ができるものです。特にふくらはぎがだるいので、脚のマッサージは時間をかけておこなっています。最後に頭皮マッサージを15分。電動のマッサージャーなので私が力を入れなくても良いのでラクちんです。頭頂部、側頭部の凝りがほぐれていく瞬間は声が出てしまうほどのイタ気持ち良さ。なんとなくですが、おきゅうから始めるとツボが温まり体の血の巡りが良くなりそう、その後のマッサージがよく効きそうという理由で、おきゅうを一番におこなっています。3つ全部終わったあとは、ボーっとしてしまうほどしっかりとリラックスできました。そしてハーブティーを飲み終了です。マッサージで体の不調は完全に回復したわけではありませんが、リラックスできたので、だいぶラクにはなりました。まとめ美容室でアロマオイルを使った芳香浴をしてリラックスできた体験から、家でも実践したいと願ったものの、猫がいるため断念。代わりに、すでに持っているおきゅう・脚の電動マッサージ、頭皮の電動マッサージを使い自分をいたわることにしました。実際に体験したところ、マッサージの効果はあり、さらに自分の時間を有意義に使えたという充実感が生まれました。また子どものいない時間に、家で自分ができることでリラックスできるのはとても効率的だと思いました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。著者/れいこ (43歳)電化製品好きな夫、保育園児の子ども2人、猫と暮らしている。コーヒーと美容家電が好き。
2023年05月09日なんとなく調子が悪い、ドキドキしがち、不安感に支配されている…など、もしかしたら環境の変化等によるストレスが自律神経を乱し、いわゆる五月病になっているのかもしれません。医師や心理学の先生に解説と対策法を教えてもらいました。いつでもできる!自律神経を整える簡単呼吸法自律神経というワード、見たり聞いたりしたことがあって、なんとなく心に関わるものだということを知っているかたが多いのではないでしょうか。医学博士の根来秀行先生に、自律神経についての簡単な解説とコントロールするための呼吸法を教えてもらいました。自律神経とは自律神経とは、呼吸や消化器官、体温調節など、全身の機能を司る神経のこと。おもに日中に行動を活発化する交感神経と、おもに日が暮れる頃から優位になり体をリラックスさせる副交感神経の2つがある。根木先生ストレスなどが多いと交感神経が優位になり、自律神経のバランスが崩れます。それを調整できるのが呼吸法。正しく行うことで、自律神経だけでなく、脳内ホルモン、心拍数、血管、心の状態にも影響を与えることができます。回数やタイミング、呼吸の仕方、深さなどによっても効果が変わってくるので、そのときどきで使い分けて、免疫力を強化しましょう。自律神経を整える呼吸法ベースの呼吸法副交感神経のスイッチを入れる呼吸法。「吐く息を長く」を意識すればよいだけなので、気がついたときにこまめに行って、疲労を軽減しよう。HOW TO1、鼻から軽く息を吐く。2、お腹をふくらませながら、ゆっくりと4秒間かけて鼻から息を吸う。お腹が数cmふくらむようにしっかりと息を吸い込んで。慣れないうちは、おへその上に手を当てて確認しながら行おう。3、お腹を絞るようなイメージでへこませながら、鼻からゆっくりと8秒間かけて息を吐く。2と3を落ち着くまで続けよう。ストレスを感じたら4・4・8呼吸法不安やストレスを感じたときに交感神経が優位になるのを食い止める呼吸法。心拍数や血圧の上昇を防ぎ、頭もスッキリ!HOW TO1、楽な姿勢で椅子に座り、おへその上に軽く手を置く。2、2~3回、腹式呼吸をし、息を吐ききる。3、4秒かけて息を吸う。4、4秒、息を止める。5、お腹を絞るようなイメージで8秒かけて息を吐く。3~5を4回繰り返す。根来秀行先生医師、医学博士。ハーバード&ソルボンヌ大学客員教授。著書は『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来が教える ストレス リセット呼吸術』(KADOKAWA)など。※ 『anan』2023年3月29日号より。イラスト・岡田 丈取材、文・古屋美枝(by anan編集部)※ 2023年3月26日配信頭痛、倦怠感、首肩の凝りは全部低気圧のせい?天気の変化によってカラダに不調の症状が現れる人は「気象病」かもしれません。どんな気象条件で、どういう症状が現れるのか、改善方法などを医師の久手堅司先生に教えてもらいました。気圧の低下など急激な気象の変化が体の負担に。そもそも気象病は何かというと、気象の変化によって引き起こされる心身の不調のこと。久手堅先生なかでも気圧の変化が顕著で、例えば雨が降る前日に気圧が急激に下がるなど、その差が大きいと不調の原因になります。気温に関しても“差”がポイントに。そのため季節の変わり目や、台風の時期に症状が現れやすいのです。一番多いのは頭痛です。あとは倦怠感、首肩の凝り、めまいなど。気象病は女性に多く、貧血や低血圧ぎみの人が多いことや、女性特有のホルモンの変動などが影響していると考えられます。CHECK LIST天気が悪い時に体調が悪い雨が降る前や天候が崩れる時に、その変化がなんとなく予測できる頭痛持ち(緊張型頭痛、片頭痛など)だ首こり、肩こりがあるめまいや耳鳴りが起こりやすい起床時、日中に倦怠感がある低血圧ぎみで、血圧が低いと不調が出る姿勢が悪く、猫背や反り腰がある1、2番目の両方にチェックがついた人は、気象病の可能性がかなり高い。それ以外の項目は、チェックの数が多くなるほど、気象病になるリスクが高くなる。ただし、該当する数が多いからといって、必ず気象病ということではない。気象病の対策気象病かどうかの確認のためにも、また、自分が気象病とわかったら、いつ体調が悪くなりそうなのか予期するためにも、これらを役立てて。1、天気予報をこまめに確認。オーソドックスなのは、テレビやネットで天気予報を確認すること。「注目すべきは自分が住んでいる地域よりも西の天気。基本的に天気は西から東へと移動するので、西の天気が崩れ始めたら、そろそろ気象病が現れるかもと心構えができると思います。気象病は季節的なピークはありますが、気圧など気象条件は一年中変化するため、年間通してなり得るもの。天気予報をこまめに見ておくと、大事な予定はずらすなどスケジュールを立てやすくなるはず」2、アプリ「頭痛ーる」を活用しよう。気圧の変化による不調を予測するには、「頭痛ーる」というアプリも便利。「自分が住んでいる市区町村を登録すると、気象病で体調不良を起こしやすい日時が、気圧の変化を表すグラフや『警戒』などのマークでわかります。気圧だけでなく、寒暖差の指数もあり。また、痛みを表す記録やメモ機能もあるので、どんな気象条件で体調不良になったのかを残しておけば、自分のパターンがわかり、事前に頭痛薬などを用意しておくこともできるでしょう」気象病を予防する気象病は、もともと不調のある人がなるもの。つまり、予防には日頃の不調を改善しておくことが第一。自律神経のケアでベースを整えよう。自律神経を整える呼吸法「呼吸は、自律神経をコントロールする唯一の方法」とのこと。もともと不調がある人は呼吸が浅くて速くなりがち。それを改善するには、腹式呼吸と胸式呼吸を組み合わせた深い呼吸が有効。ポイントはしっかり吐くこと。腹式呼吸から。仰向けで、ひざを90度に。両手をお腹に乗せ、お腹を意識しながら、鼻から10秒吸って、口から10秒吐く。次は胸式呼吸。両手を「Tの字」にして胸骨に乗せる。胸郭が上下するのを意識しながら、鼻から10秒吸い、口から10秒吐く。これも胸式。両手で包み込むように肋骨に手を添え、10秒ずつ深呼吸。肋骨が左右に広がったり、縮まったりするのを感じる。気象病の症状をケアする気象病の症状が現れた時は、症状を和らげるためのマッサージやストレッチを取り入れて。辛い場合には無理せず薬を飲みつつ、ケアで補おう。片頭痛と緊張型頭痛をケアするマッサージ片頭痛は吐き気や嘔吐を伴う場合も。和らげるには、顔まわりにある咬筋と内側翼突筋をほぐすこと。一方、緊張型頭痛は頭を締めつけられるような痛み。眼精疲労が関係していることが多く、こめかみを中心にマッサージ。【1】咬筋食いしばった時に硬くなる咬筋をマッサージ。頬骨の下に人差し指、中指、薬指を当て、内から外へ押しながら回す。【2】内側翼突筋頬骨の下に縦に走る筋肉。3本の指は【1】と同じ位置に置き、下から上へ、上から下へ、軽くポンポンと押す。【3】こめかみ緊張型頭痛で最も痛くなりやすいのがここ。指を広げてこめかみから眉上あたりに置いたら、小さく円を描く。久手堅 司(くでけん・つかさ)先生内科医、せたがや内科・神経内科クリニック院長。「気象病・天気病外来」を立ち上げ、5000人以上を診療。近著は『気象病ハンドブック』(誠文堂新光社)。※ 『anan』2022年11月23日号より。イラスト・Knty取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)※ 2022年11月20日配信落ち着きたい時に聴くと良い音楽音楽を聴いて心が癒される仕組みやシーン別のオススメ音楽を音楽心理学に詳しい星野悦子先生に教えてもらいました。星野先生一般的には、癒されたい時=脳を休ませたい時ですよね。そういう時にあまり複雑な音楽を聴くと、頑張って曲を理解しようとして疲れてしまうんです。だから、やや遅めのテンポで、メロディの主張が強すぎない、シンプルなものがいいといわれています。その代表格がバロック音楽ですね。クラシックの名曲は数百年にわたり多くの人々に力を与えてきたわけで、やはりリラックス効果が大きいと感じます。癒しの楽器といえば昔からハープがよく知られ、聖書の中でも“王のメランコリー(鬱状態)を竪琴で癒した”というエピソードがあるほど。クラリネットやオーボエなどの木管楽器の音色がいいとする研究もあります。シーン別聴くといい音楽落ち着きたい時控えめな音量で、あまり耳に残らない音楽。意識の邪魔にならないような、耳に残りにくい=覚えにくい曲を。かといって複雑すぎる曲はNG。もちろん、聴く時の音量は抑えめに。星野先生ローテンポの静かな曲で気分を落ち込ませすぎるとやる気が下がってしまうので、脳が興奮しない程度に、明るく軽い曲調のものを選ぶといいと思います。車を運転する時のBGMについても同様です。エネルギーを補いたい時エモーショナルで、少しアップテンポなもの。沈んだ気分を上げたい時は、まずは静かなものから聴き始めて、少しずつアップテンポに。星野先生テンポが速くなるほど、また音量が増すほど生理的覚醒が上がります。元気を出したいならば、ポジティブなムードのある長調のメロディがおすすめです。あまり高揚しすぎるのが嫌な場合は、テンポが速めでも短調の曲がほどよい場合もあります。ほしの・えつこ心理学博士。上野学園大学音楽学部音楽学科の特任教授として教鞭を執るほか、日本音楽知覚認知学会監事や日本心理学会音楽心理学研究会の代表も務める。著書に『音楽心理学入門』(誠信書房)や『音楽知覚認知ハンドブック』(北大路書房)など。※ 『anan』2022年9月14日号より。イラスト・藤田 翔取材、文・大場桃果(by anan編集部)※ 2022年9月8日配信ココロの不調に対する対策法をストックしようココロの不調は誰にでも起きる可能性があります。ただ、そうなった時の対策法をいくつか知っておけば、上手に付き合っていくことができるのではないでしょうか。とはいえ、改善がみられない時は、きちんと専門家の診断を受け、改善へ向けて少しずつ前進しましょう。まとめ構成・小田原みみ
2023年05月07日これまで生理前の不調を感じたことがなかった私。しかしあるとき、自分でも信じられないような体の不調に襲われたのです! どうすることもできず、涙までこぼれて……。その不調の原因とは!? 生理前の不調とは無縁だった私 普段は、生理前に体の不調を感じることがほとんどない私。症状があっても、生理がくる2〜3日前くらいにすこし腹痛があったり、腰のだるさを感じたりする程度です。 その症状も鎮痛薬を飲めばすぐに治るため、日常生活に支障をきたすことはなく、仕事や勉強などに影響することはありませんでした。 そして大人になった私は、3人の子どもを出産。出産後の生理でも生理症状に変化はなく、生理で体調が悪くなるということはほとんどありませんでした。 謎の吐き気の原因は生理前の不調? そんなある日、体にある異変を感じたのです。 普段は、生理予定日の1〜2日くらい前からおなかが痛くなったり腰がだるくなったりするのですが、そのときは生理予定日の3日以上前からおなかや腰に違和感がありました。 さらに、いつもの生理前には起こらない“吐き気”を感じたのです。布団の中で寝ていても、吐き気が治らず「無理。吐く!」とトイレに駆け込みました。そのままトイレで嘔吐してしまい、「この症状は何なんだろう」「前日に変な物を食べたかな?」と食あたりを疑いました。 その日は心も体も不安定なままその日中続く吐き気とふらつきにどうしていいかわからず、生理中のメンタル不調も相まって、思わず涙がこぼれてきます。起きあがる気力もなく、横になって耐えることしかできませんでした。 出勤前に体調の悪そうな私を見ていた夫が早めに帰ってきてくれたため、家事や育児は夫に任せ、その日は早めに眠りにつくことに……。 翌朝、トイレに行くと生理がきていました。そして、前日の体調不良が嘘のように回復! 「あの吐き気は何だったの?」と不思議に思うほどです。 初めて生理前の体調不良で苦しめられ、あとになって「あれはPMS(月経前症候群)だったのかもしれない」と思いました。 生理前に体の不調を感じたのはこのときだけ。しかし、体に不調が出てもおかしくない年齢になったので、これからは特に心身ともに気をつけて生活していきたいです。 ※この記事は実話に基づいた体験談であり、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者/Sugar111 佐藤幸代イラスト/コジママユコ監修/助産師 松田玲子 ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!
2023年05月01日YouTubeでも人気の整体院院長4月20日、血流を改善してさまざまな不調を改善しようという新刊『1分で血流はよくなる! 1分のかんたん体操で不調がスッキリ解消!』が発売された。著者は柔道整復師で鍼灸師、京都市北区にある等持院駅前整体院院長の塚田真也(つかたしんや)氏であり、同氏のYouTubeは登録者数約11万人である。A5判、128ページ、発行はGakken、定価は1,540円(税込)となっている。1分体操・1分ツボ押し・生活習慣・食事整体院の院長として「血流を改善すれば不調は解消する」をモットーに施術してきた塚田真也氏だが、数年前「異型狭心症(安静時狭心症)」だと診断される。自らの体において、自分自身のための血流改善生活を始めることになり、あらためて「健康は血流がすべて」だと実感したという。薬がなくても血流は改善できると確信している同氏。たとえば、高血圧では血圧を下げる薬が処方されるが、それらは血管を拡張することによって血圧を下げるものが多い。もしも、血管を拡張できるほかの方法があれば、薬は不要になるかもしれない。ストレス、抜けない疲れ、不眠、腰痛、肩こり、首こり、冷え、むくみ、高血圧、肥満、生理痛、頻尿、抜け毛、便秘、乾燥肌などにも血流が関係しているとしており、新刊では、「1分体操」や「1分ツボ押し」などの血流を改善する方法を紹介する。また、生活習慣や食事についてもくわしく解説されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※『1分で血流はよくなる! 1分のかんたん体操で不調がスッキリ解消!』 ‐ 学研出版サイト
2023年04月25日