「9ボーダー」の井之脇海と「虎に翼」の上川周作、映画『ハピネス』の窪塚愛流と「エルピス―希望、あるいは災い―」の篠原悠伸のWキャストによる舞台、モチロンプロデュース「ボクの穴、彼の穴。W」からメインビジュアルが解禁された。本作は松尾スズキが初めて翻訳したフランスの童話作家デビッド・カリ著/セルジュ・ブロック絵の「ボクの穴、彼の穴。」(千倉書房)の絵本を原作した2人芝居。戦場に残された敵対する2人の若い兵士。今日も向こうの穴では、敵(彼)がボクに銃を向けている。孤独に苛まれ、星空に癒され、幾度も限界を迎えながら、やがて「彼」を知ることで、勇気をもって新たな未来へと踏み出す希望の物語。舞台は戦場ながらも、ユーモアと人間の根源的な優しさが満ち溢れた作品となっている。今回、翻案・脚本・演出を務めるのは、卓越した発想力と機知に富んだ演出で奇想天外な世界観を愛情一杯に描き、数々の作品でその才能を発揮しているノゾエ征爾。出演には井之脇海・上川周作ペアの<ボクチーム>、窪塚愛流・篠原悠伸ペアの<彼チーム>と、2チームWキャストで上演。2チーム交互に上演することで、それぞれの俳優の魅力がより鮮明になり、それぞれ違う魅力を放つこととなりそうだ。解禁となるメインビジュアルは、映画ビジュアルや、「GUCCI」、資生堂をはじめ、あらゆる分野とのコラボレーションを行うヒグチユウコの描き下ろし。繊細なタッチで描かれたキャストのイラストは、ヒグチさんならではの幻想的、かつ、魅惑的な世界を感じさせるもの。裏面は、穴から表に出ようとするキャスト写真で表面とリンク。表裏一体のビジュアルは、“ボク”と“彼”の在り方を表している様にも見えてくる。また、始動した特設HPでは、チラシにも掲載された、ヒグチユウコ作画のキャストイラストや、その表裏一体の写真なども使用し、作品の世界を表現。作品のスポット映像やキャストの動画コメントも公開されている。▼あらすじ戦場にいる敵対する“ボク”と“彼”。2人は同じく穴の中で息をひそめて相手の出方を探っている。ボクが頼るものは戦場に向かう時に渡された1丁の銃と“戦争マニュアル”。そのマニュアルには、「彼は血も涙もない、本当のモンスターだ」と書かれている。2人は空腹に耐え、星空に癒され、家族を想いながら、もう随分長く独りぼっちだ。やがて限界が訪れ、ボクは相手の穴に向かう。「敵を殺さなければならない。でないと敵に殺されるからだ」。彼の穴に到着したボク。そこに彼の姿は無く、見つけたものは自分が持っているものと全く同じ“戦争マニュアル”。そこには“ボクがモンスターだ”と書かれている。衝撃を受けるボク。「ボクは人間だ!モンスターじゃない!ウソばかり書いてある!」そしてもう一つ見つけたものは、彼の家族写真。楽しい温かい家族写真だ。ボクは彼を想像する。こんな家族が待っている人間が、女や子どもを殺す?ボクと彼は、同じウソをつかれているということだろうか…。モチロンプロデュース「ボクの穴、彼の穴。W」東京公演:9月17日(火)~9月29日(日)スパイラルホール(スパイラル3F)にて、大阪公演:10月4日(金)~10月6日(日)近鉄アート館にて上演。(シネマカフェ編集部)
2024年05月13日2022年10月期に放送され大きな話題を呼んだ連続ドラマ「エルピス-希望、あるいは災い-」が年末年始に一挙再放送されることが決定した。第60回ギャラクシー賞テレビ部門大賞、第49回放送文化基金賞ドラマ部門最優秀賞、2023年日本民間放送連盟賞番組部門(テレビドラマ)最優秀賞、東京ドラマアウォード2023連続ドラマ部門 優秀賞など、多数の賞を受賞し、話題を集めた本作。カンテレでは、再放送を求める声に応え、年末年始に全10話を一挙放送することが決定。スキャンダルによってエースの座から転落したアナウンサー・浅川恵那(長澤さん)と彼女に共鳴した仲間たちが、犯人とされた男の死刑が確定した、10代の女性が連続して殺害された事件のえん罪疑惑を追う中で、一度は失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描いていく。恵那とともに行動するうだつのあがらない若手ディレクター・岸本拓朗役として眞栄田郷敦、恵那と拓朗の先輩で報道局のエース記者・斎藤正一役として鈴木亮平が出演する。再放送決定について、カンテレ・坂口隆晴総合編成部長は「社会や組織の論理のなかで、多くの人が無自覚なまま、あるいは見て見ぬふりをするなかで、誰かを傷つけている。そんな歪みが様々な場所で噴出した一年だったように思います。このドラマは自分の価値を取り戻す“再生”の物語です。来年への希望を込めて、放送します。ぜひ、ご覧ください」と、コメントを寄せた。【放送日】12月31日(日)午前10時~11時15分(第1話)12月31日(日)正午~午後3時45分(第2話~第5話)2024年1月2日(火)正午~午後2時45分(第6話~第8話)2024年1月3日(水)正午~午後2時(第9話、第10話)(いずれも、関西ローカルで放送)「エルピス-希望、あるいは災い-」は12月31日(日)午前10時より関西テレビにて再放送。(シネマカフェ編集部)
2023年12月18日この犬をここから追い出したい。アメリカの動物保護施設がFacebookに投稿した、ある保護犬の紹介文に反響が上がりました。その犬とは、テキサス州にある『ウィチタ郡ヒューメイン・ソサエティ』にいるエディくん。一般的に保護施設ではそれぞれの動物たちの魅力をアピールします。ところがエディくんの紹介文に書かれていたのは…!ほかの犬が大嫌いなエディは約8.5㎏の体重でロットワイラーに勝つことができます。もしあなたがバーでケンカをしたら、エディはあなたを援護し、5人の男たちの額にタバコの火を押しつけて、その間手にもったビールを1滴もこぼさないでしょう。もしあなたが、彼を養子にできると思うなら、どうぞ遠慮なく。エディはほかの大型犬たちを怖がらせるので、私たちは彼をここから追い出したいのです。Humane Society of Wichita Countyーより引用(和訳)どうやらエディくんはケンカが強くて、自分より体が大きい相手でもものともしない、荒くれ者のよう。しかし、写真ではとってもかわいらしい犬にしか見えません!この投稿を見た人たちは爆笑!たちまち拡散されて「エディが欲しい」という人たちが次々と現れます。そして投稿からわずか8時間後には、エディくんに里親が決まったのです!エディくんは新しい家族にすぐに懐いて、楽しく過ごしているそうです。「人懐っこい」「子供が好き」など、よくある犬のいいところではなく、真逆の内容で人々の興味を引いたエディくんの紹介文。おかげですぐに家族ができて、『ウィチタ郡ヒューメイン・ソサエティ』の作戦は大成功でしたね![文・構成/grape編集部]
2023年12月04日「First Love 初恋」の俳優・須藤蓮が「エルピス-希望、あるいは災い-」の脚本家・渡辺あやと組んだ監督2作目『ABYSS アビス』から本予告映像が解禁。シンガーソングライター・marucoporoporo(マルコポロポロ)の「Little boy and girl」が公式イメージソングに決定した。解禁された本予告は、「夜に海を見ちゃだめだぞ。海の目と目があったら引きずり込まれて死ぬぞ」そう告げて海で死んだ兄の声から幕を開ける。そして彼女と出会ったケイ。惹かれ合う2人を包み込み、潜るような予告映像に流れる公式イメージソングは、歌詞とその声の透明感や浮遊感が作品のイメージにぴったりのmarucoporoporoが2018年にリリースした「Little boy and girl」。予告編ディレクターは「ぐるり。」豊下美穂が担当した。タイトルの『ABYSS アビス』は「深淵」という意味。渋谷のナイトクラブで働く現代の若者が死んだ兄の恋人と出会い、純粋な恋心に沈んでいく様を描いている。恋の痛みや胸の苦しみを思い出すような痛々しいほどの純愛物語、心の琴線に触れる繊細な作品となった本作は、デビュー作である『逆光』とは全く違った雰囲気の須藤監督ならではの描き方や映像の美しさ、音楽にも注目となっている。marucoporoporoは2015年より音楽活動を開始。作詞作曲、編曲、ミキシングまで自身で手掛けるシンガーソングライター。ライブでの独自の変則チューニングによって生み出されるアコースティックギターの朧げな音の響きは、重なり合う歌声と共に会場を包み込む。2018年1月に、「Little boy and girl」を含んだ1stEP「In her dream」をリリースした。marucoporoporoさんは、「予告編映像を拝見して本当にこだわって大切に制作された作品なんだろうなと、想いが伝わってきました。想いを込めて制作された映像に私の曲を選んでくださり、ありがとうございます。音楽も生き生きとしてる感じがします」とコメントを寄せている。『ABYSS アビス』は9月15日(金)より渋谷シネクイントほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ABYSS アビス 2023年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開(C)2023『ABYSS アビス』製作委員会
2023年06月30日「First Love 初恋」などの俳優・須藤蓮と、「エルピス-希望、あるいは災い-」の渡辺あやの共同脚本による待望の第2作『ABYSS アビス』の公開日が9月15日(金)に決定。メインビジュアルが完成した。タイトルの『ABYSS アビス』とは「深淵」という意味。渋谷のナイトクラブで働く現代の若者が死んだ兄の恋人と出会い、純粋な恋心に沈んでゆく様を描いていく。誰かを想う痛みや、胸の苦しみを思い出すような痛々しいほどの純愛物語、心の琴線に触れる繊細な作品となった。須藤監督のデビュー作で、渡辺あや(脚本)とタッグを組んだ初監督作『逆光』とは全く違った雰囲気であり、フレッシュな感性による描き方や映像の美しさ、音楽にも注目。主演は須藤監督自らが務め、ヒロイン役には期待の新人・佐々木ありさが、透明感たっぷりに体当たりの演技に挑む。なお、本作『ABYSS アビス』は自主配給宣伝のため資金をクラウドファンディングで募集中となっている。■須藤蓮監督からコメント到着自分の全てを1時間45分に叩き込みました。僕の渾身の監督作「ABYSS」を全国、そして世界に届けたいです。そして今年は監督作と共に"恋"がテーマの映画フェスを全国各地で立ち上げてアツくて、誰もみたことがない、体験を作り上げたいです。願わくば、触れたあなたの世界が輝きその結果、映画界や日本の未来が拓かれる。そんな活動がしたいと思ってます。どうぞ応援よろしくお願いします!映画監督/俳優須藤蓮『ABYSS アビス』は9月15日(金)より渋谷シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2023年05月15日●悩んだ時期を乗り越え“ありのまま”でいられるようにグラビアの活動に加え、俳優としてもさまざまな作品に出演している華村あすか。昨年、カンテレ・フジテレビ系ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』で “ボンボンガール”のメンバー・篠山あさみを演じ注目された。24歳の誕生日である3月18日には、2nd写真集『真価論』を発売する。昔から自分のことが好きではなかったという華村が、内面も外見も自分磨きをして自分のことを認められるように。そんな大きな変化を遂げた華村の今の魅力が詰まった一冊となっており、「やり過ぎたかも」というほど大胆に美ボディを披露している。『真価論』は、華村がリスペクトするアーティスト・琴音の楽曲「真価論」からもらって、このタイトルに。「自信がなく気分が元気でいられない時期があったのですが、琴音さんのアルバムの中の一曲『真価論』が、私の当時の気持ちそのものを書き写している歌のようで、歌詞に散らばっている言葉が全部私が求めている言葉だったんです。この曲にすごく救われたので、そのまま『真価論』という言葉をお借りしました」琴音は、高校時代にテレビ番組のカラオケバトルで優勝に輝いた実力者。華村はその頃からのファンだったという。「この子スターになりそうだなと思って応援していて、メジャーデビューされたときはすごくうれしくて、そこから全部聴いているのですが、力強い歌に勇気や元気をもらっています」悩んでいた2年間は自分が自分ではないような感覚に陥り、「自分をさらけ出せなかった」と振り返る。「力が抜ける瞬間がなく、ずっと何かに操られているみたいで、ありのままでいられなくて、『何のために今こうしているんだろう?』とか、『なんで?』という疑問を持ったまま生活していました」だが、あるとき現場で思い切って話してみたら、共演者やスタッフから「こんなしゃべる子だったの?」「なんでもっと出さなかったの?」と言われ、本来の自分が受け入れてもらったことで「ありのままの自分を出していこう」と思えたのだという。「この仕事は自分を発信して興味を持ってもらう必要がありますし、お芝居以外のところで演じていても意味がないと思ったので、殻を破ろう、ありのままでいようと決めました。そして、周りからどう言われても、自分のことを認めて大事にしてあげなきゃと思い、やっと自分を出せるようになりました」続けて、さらけ出せるようになった “ありのままの自分”について、 「しゃべることが大好きです。最初の頃は『女の子らしい』『清純派』というイメージが強かったと思いますが、全くそんなことはない」と述べ、「皆さんが思っているようなキラキラした女の子を作っていた意識はなかったですが、気づいたらそうでいなきゃいけないと勝手に縛られていました」と打ち明けた。●ショートにイメチェン! ボディメイクにも励み自分に自信「変わりたい」「進化したい」との思いから、昨年の春に長かった髪の毛をバッサリ切ってショートに。また、3年前ぐらいからボディメイクにも励んでいる。「以前は単純に痩せるためにダイエットをしていましたが、そこからさらに、もっと引き締めたいという意識が芽生え、食事制限に加えてトレーニングをして鍛えるようになりました」体作りで大切にしていることを尋ねると、「とても筋肉質で、かつ太りやすい体質なので、むくまないように気をつけています。筋肉がつかないように毎日ストレッチをしたり、筋肉をローラーでほぐしたり。食事に関しては、太りやすいので小麦はなるべく食べないように。お米か豆腐を食べるようにしています」と説明した。ボディメイクを始めてからの変化は、体重よりも見た目が大きいとのこと。今回の写真集で仕上がった美ボディを披露しているが、完成度は「60%」と自己評価は低く、「全然まだ満足していません」ときっぱり。「今はまだ、とりあえず引き締まったかな、くらいです」と話す。目指すは森星のようなスタイルだという。「一番の理想は森星さんで、ずっと憧れています。細いところは細いけど、骨骨しくなく、女性らしい。ただ細いのではなく、引き締まった細さ。あそこまでは絶対なれないですけど近づきたいなと」まだ満足はできていないとはいえ、「自分の理想の手前に近づいたかな」と手応え。気持ち的にもビジュアル的にも好きになれるように努力をして、「やっと自分を認めることができました」とほほ笑む。「3年間もボディメイクを続けてこられたという事実が自信なんです。周りの方も変化に気づいてくれて『頑張ったね』と言ってもらえて、絞ったからできた仕事もたくさんあって、そういった意味で3年間やってきた自分を『よくやったね』と認めることができ、自分に自信がつきました」子供時代についても聞いてみると「体は丈夫ですが、生まれつき気がすごく弱くて、だから自分のことが好きになれなくて。今もまだ大好きにはなれていません。(大好きが100だとすると)以前は0で今は30%。それだけでも私の中では進歩なんです」と語る。そして、「気が弱い人間は自分で自分に課題を与えて、それを達成していかないと自信がつかないし、強くなれない。ずっと自分に厳しくしているのは、そのせいだと思います。自分に課題を与えたほうが生きている感じがするんです」と自己分析。自分のことを100%好きになるには「あと30年かかりそうです」と笑い、「仕事で結果がついてきたら100になるかもしれないですし、全然想像つかないです」と話した。●「女優業に力を入れたい」『エルピス』出演が転機に今後の活動については、「女優業に力を入れたい」とのこと。『エルピス』への出演によってそう思うようになったそうで、「この世界から離れようか悩んでいたタイミングで出演が決まったので、すごく自分にとって大きかったです」と述べ、一歩踏み出して参加した結果、演じる楽しさややりがいを感じることができたと振り返る。「髪を切ったりして自分の中でも変わって、『エルピス』など自分でも信じられないような大きな作品に参加できるように。これからもチャンスを無駄にしないようにしていき、演じる仕事をしている人間としてちょっとずつ認められたいなと思っています」最後に改めて、写真集について「(カメラマンの)沢渡(朔)さんのお力もあって、鍛えたことが目に見えてわかる写真がたくさんあるので、ただの写真集というより、鍛えてきたというのを頭に入れて見ていただけたら。だからこそ着られたかわいい衣装たちにも注目してほしいです」とメッセージを送った。なお、3月18日には東京・SHIBUYA TSUTAYAにて発売記念イベントを開催する。■華村あすか(はなむら・あすか)1999年3月18 日生まれ、山形県出身。2017年に東京・原宿で現在の事務所からスカウトされ、同年『週刊プレイボーイ』の表紙&巻頭グラビアでデビュー。グラビア活動を出発点に、翌2018年にはテレビ東京系ドラマ『宮本から君へ』で女優デビューし、同年映画『初恋スケッチ ~まいっちんぐマチコ先生~』で映画デビュー。2022年には長澤まさみ主演のカンテレ・フジテレビ系ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』に出演し注目された。
2023年03月18日春になると入学、入園シーズンの到来。子供はワクワク、お母さんは登校や登園に必要なものを準備しなければなりません。今年で4歳になる娘のこっこちゃんを育てる、荒川つま(arakawalove_blog)さんもその1人。幼稚園に入園することが決まった、こっこちゃんのバッグや上履き袋を作るために、布を購入しに行くことになりました。ここっちゃんに好きな布を選んでもらおうと、一緒に繊維街へ出かけると、思わぬところで難航してしまったようで…。「飛んでいる蜂さんが、蝶々の飛んでいるお花畑を眺めて『あ〜どのお花で蜜を吸おうかな』と考えているバッグ」こんなに細かく指定されるなんて、誰が予想したでしょうか。まるでデザイナーのような想像力!お母さんの荒川つまさんが「え…」と閉口してしまう気持ちがよく分かります。具体的すぎるがゆえ、なかなかイメージに合う布が見つからず、町中を歩き回ってへとへとに…。結果的には無事見つかったものの、想定よりも高級な生地で大幅に予算オーバー。お母さんにとっては厳しい結果となりましたが、こっこちゃんには理想通りの布で作られたバッグを持って、楽しく登園して欲しいですね。そして、この豊かな想像力と上質な物を見極める力は大物になる予感、将来が楽しみです。[文・構成/grape編集部]
2023年02月21日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年10月スタートのテレビドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』(フジテレビ系)の見どころや考察を連載していきます。誰も触れられない『パンドラの箱』を開けた彼らに待ち受けたのは、『災い』か『希望』か。手に汗握る、最終回スタート大門副総理(山路和弘)の元秘書・大門享(迫田孝也)の死は病死として公表された。だが真相は他殺だった。そして村井(岡部たかし)はそのことを知り、『ニュース8』のスタジオに殴り込み、怒りを爆発させる。その村井の姿を見た浅川(長澤まさみ)は、自分の古巣である報道を木っ端微塵にしたくなる程の真実があると感じ、その事情を聞きに岸本の元を訪ねに行く。一方、岸本(眞栄田郷敦)は憔悴しきっていた。浅川が訪れた時も、一度居留守をしようとしたが通用せず、岸本は渋々部屋に通す。信じていた浅川から「番組を背負う立場で無茶はできない」と跳ね返されてからというもの、二人は言葉を交わすこともなく、岸本は深い失意の中にいた。だが浅川もたとえ信用を取り戻せなくても、消えそうな真実を見過ごすことはできなかった。言葉に詰まりながらもう一度お願いすると、岸本は享へのインタビュー音声を浅川に差し出した。だが、彼はもう手を引くつもりだった。始まりは、ただ勝ち組でいるためだった。だが、浅川をはじめ、周りに助けられていく中で、本当の自分と向き合い、我武者羅に突き進んできた。諦めかけてもその度に自分の情熱に従い、全てを賭けて挑んできたのだ。それがいつしか自分よがりの『報道ごっこ』となっていたのだ。希望が見えなくなる先へ足を踏み入れることが、何より怖かった。そんな様子に対して、浅川は自分で報道すると言い出す。岸本は「殺されますよ」と忠告をするが、浅川は声を荒げて言い放つ。「何で殺されなきゃいけないのよ!」この浅川の叫びは、亨の言葉でもあった。確かに全部覚悟の上だ。しがらみを捨てた自分に訪れる悲劇を、何処かで感じてもいただろう。だが、人の命の価値もわからぬ人間のくだらぬ欲望のために殺される以上に理不尽なことはない。真実を伝えることは何も無茶なことでないはずだ。浅川はアナウンサーとして、一人の人間として、真っ当に生きたいだけなのだ。誰かを信じていたいという願いや『希望』を奪われ続けたこれまでを思い、浅川は息を切らしながら本音をぶつける。でもこんな災いだらけの闇の中に、希望はあるのだろうか…。そう弱気になりそうな瞬間に享へのインタビューの続きがレコーダーから流れる。ふと、真っ暗闇の中に一筋、細い光がさしたような気持ちです…。そして浅川は、その中に探し続けてきた答えを見つける。享が見た光と二人が、リンクしたかのように、西日の暖かい光が、冷え切っていたはずの岸本の部屋に滑り込んでくる。「希望って、誰かを信じられるってことなんだね」岸本の目にも涙が込み上げてくる。お互いが知らぬうちに希望を与える存在になっていたのだ。目の前にいる信じられる誰かが『希望』そのものなのだ。浅川は誓った。「希望がないなんて、もう二度と言わない」ついに動き出した浅川早速浅川は、滝川(三浦貴大)に今夜の『ニュース8』で大門の揉み消しに関する報道を扱いたいと相談を持ちかける。渋る滝川に対して清々しい顔で、浅川は「私やったことあるもん」と答える。正気ではないと周りから指差されようとかつての『浅川恵那』はもうゴミ箱へ捨ててきたのだ。揺るがぬ覚悟を決めスッキリした表情で去っていく浅川に、ひと言、滝川がクギを刺す。だが一度考えてみたい。狂っているのは、本当はどっちの方なんだろうか。そして、浅川の強行を知った滝川は、放送前のスタジオに斎藤(鈴木亮平)を呼び出す。そして浅川に、斎藤は大門のニュースを外してほしいと願い出る。案ずるはこの国の行く末。緊迫した世界情勢の中での国政と司法の混乱。国際的信用の失墜の中で起こり得る悲劇。このカードを今切るべきではない…斎藤はそう強く説得する。確かに先を見据えれば真っ当な意見に聞こえるし、浅川が取れる責任で賄えきれるほどその波紋は小さいものではないだろう。だがこんな時だけ都合良く国家や世界という大きな存在を提示して良いのだろうか。紛れもない真実を権力で押し潰すような腐り切った存在に、未来を預ける方が余程怖いことなのではないのか。国際的信用を失う行動をしている人間は、私達ではなく、力を持った貴方達のはずなのに。おかしいものをおかしいと声を上げる者の小さな声を無視したって、何事もなかったかのように世界は回り続ける。国家を形成する一細胞である自分が何かを成しても人生も世界もマシになんてならない。だがもう目の前にいる誰かを裏切り続けるなんてできない。浅川には迷いはなかった。壇上を降りて、勝負に出る。「では、本城彰を逮捕させてください」浅川の表情には一点の曇りもなかった。そして斎藤が差し出した手を浅川は強く握り返し、ついに本城彰の特集の放送が決まった。もう1人ではない、『希望』という存在を得た浅川しかし半ば勢いだったし、「明日まで待つと、事故か病気で出れなくなるよ」という脅しまでオマケされ、浅川は少々不安気味だった。だが浅川には『希望』がいた。岸本拓朗がいた。その『希望』が偶然にも、テレビ局に特集データを持って出向いていた。「君、最高!」という言葉に、信じていて良かったという気持ちが詰まっていた。浅川は岸本に何故か愛情のビンタをお見舞いし、そのままスタジオへ駆けていく。そして運命の『ニュース8』の放送が始まった。彼らが必死に掴んできた真実が、知りたい誰かに伝わっていく。駆け抜けた彼らの集大成だ。そして冤罪を暴くために協力してくれた人々が、岸本の連絡を受け、その放送を見守っていた。誰よりも松本を信じ続け、冤罪事件を暴くそのきっかけを作ったチェリー(三浦透子)をはじめ、『フライデーボンボン』で特集に協力した若者達。被害者のために奮闘した遺族や西澤の嘘の目撃証言を覆した由美子。松本の冤罪証明に何年も前から奮闘してきた木村弁護士(六角精児)や情報を提供してくれた笹岡(池津祥子)。皆、誰かを信じ、必死に生きた者達だ。彼らの小さな声が集まり、大きな声となって届いた。『生きること』の本質とは放送後すぐ、岸本と浅川は小さな定食屋に入る。そこは村井行きつけの美味しい牛丼が食べられるお店だった。浅川が「お腹すいた」とこぼし、大盛りの牛丼を大きな口を開け微笑みながらそれを頬張る。そして遅れて登場した知った顔に「遅い」と不満を投げながらも、笑顔で迎える。そして無事に冤罪が証明された松本が、チェリーが作ったカレーとショートケーキを美味しそうに食べる。そんなごく当たり前の日常が、何故か強く響いてくる。何も喉を通らなかった浅川が。孤独感に苛まれてきた岸本が。信じたものに何度も裏切られてきた村井が。多くの時間を奪われ続けた松本が。そんな彼らが笑い合あってご飯を食べているのだ。信じ合える人と美味しいご飯を食べているだけで、世界で一番最強になった気分にだってなれてしまう。そしてエンディングで黒く爛れたケーキを作り続けた浅川と真っ白なケーキを食べ続けたチェリーの『信じる誰かへの希望があるか』での対比。それらが『生きること』はつまり『信じる人と共に食べること』という本質に気づかせてくれた。『正しさ』はそこに存在しながらも、時に強大な力に飲み込まれ、歪められ、真実との間に壁をつくり、凶器へと姿を変える。闇に葬られた真実は人の見えない場所で渦を巻き、また別の真実の手を掴み引き摺り込もうとする。そんな腐りきった構図は一瞬でひっくり返えせるものではない。だが、浅川恵那や岸本拓朗のように、何の問題意識も感じてこなかった人間だって、自分自身を見つめ直し、壁にぶち当たる度に変わり続け、戦い抜けば、災いの中の『希望』を掴むことだって決して不可能なことではないのである。そうだ。『エルピス』が描いてきたのは、横暴な国家権力やメディアの報道責任に対する挑戦だけではないはずだ。絶望の中をこれからも生きていく私達に、誰かを救うことのできる『希望』をそっと託してくれたに違いないのだ。[文・構成/grape編集部]
2022年12月31日長澤まさみが主演する「エルピス―希望、あるいは災い―」最終話が12月26日オンエア。牛丼を頬張る恵那と拓朗、カレーとショートケーキを口にし涙するさくらの姿に「当たり前の日常が戻ったんだね」「食べることは生きること」など感動の声が殺到している。本作は長澤さんが「コンフィデンスマンJP」以来、4年半ぶりに連続ドラマ主演を務めた社会派エンターテインメント。「ニュース8」のキャスターをしている浅川恵那を長澤さんが演じ、フリージャーナリストとして八頭尾山少女連続殺人事件を追う岸本拓朗に眞栄田郷敦。今は大門副総理の下で動く斎藤正一に鈴木亮平。かつて大門のスキャンダルを暴こうとした村井喬一に岡部たかし。拓朗たちが動くきっかけとなったヘアメイクの大山さくらに三浦透子。連続殺人事件の犯人として死刑が確定した松本良夫に片岡正二郎。「ニュース8」のディレクター・滝川雄大に三浦貴大。松本の弁護士・木村卓に六角精児。新聞記者の笹岡まゆみに池津祥子。拓朗の母で弁護士の岸本陸子に筒井真理子。連続殺人の真犯人らしき本城彰に永山瑛太。連続殺人事件が起きた地域に絶大な影響力を持つ副総理の大門雄二に山路和弘といった面々が出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。最終回では村井がスタジオで暴れる姿を見た恵那が拓朗の自宅を訪れ、かつて大門がレイプ事件を揉み消し、被害者が自殺したことを知る。亨(迫田孝也)が大門に消されたことで自分の無力さを痛感、心が折れた拓朗に対し、恵那はこのネタを「ニュース8」で扱うと告げ、滝川にそのことを話すが彼は斎藤に連絡。放送直前のスタジオに斎藤が乗り込んでくる…という展開に。恵那と斎藤は、本城が八頭尾山少女連続殺人事件の真犯人だと報道する代わりに大門の件は取り下げる形で話をつける。放送後、お腹をすかせた恵那は拓朗と牛丼を口にする。そこに村井もやってくる…。このシーンに「美味しそうに牛丼をかきこむ浅川さんと岸本くんが見られてよかった」「恵那と岸本がもぐもぐ牛丼の大盛り食べてるのも生きる力とか希望とかを感じられて良かった」「牛丼もりもり食べてる二人に希望が見えた。食べることは生きること」などの反応が集まる。その後舞台は2020年に移り、さくらがタマネギを切りカレーを作る場面が映し出される。カレーを振る舞う相手は釈放された松本。かつて14歳の時にごちそうしてもらったカレーを、今度はさくらが作ってあげ、当時と同じくショートケーキを2人で口にする…。このラストに「チェリーさん、何でカレー作ってんだろと思ったら、松本さんが!二人でケーキ食べてるところで、涙腺がゆるみそうになった」「最後、チェリーさんが松本さんとカレー食べてた!幸せそうに笑っててほんとに良かった」「松本さんがカレー食べてチェリーさんが泣きながらいちごショート食べてあぁ当たり前の日常が戻ったんだねと号泣」「チェリーさんと松本さんがカレーを食べているときの幸せな顔。涙が止まらなかった」など、2人の幸せな姿に号泣する視聴者も続出している。(笠緒)
2022年12月27日12月26日の最終回を目前に控えたドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』(フジテレビ系)。このドラマにおいて視聴者に絶賛されているのが、主演の長澤まさみ(35)演じる浅川の後輩役・岸本を演じる俳優・眞栄田郷敦(22)だ。父は千葉真一さん(享年82)、兄は新田真剣佑(26)という芸能一家に育った眞栄田。デビュー3年目ながら、SNS上には眞栄田の演技を賞賛する声がずらりと並ぶ。《鈴木亮平さんの演技力は以前から分かっていたから、私一番の収穫は眞栄田郷敦さんを発見出来た事。毎回圧倒される。》《眞栄田郷敦、「希望」が消える瞬間の演技が上手すぎて脱帽。》今年9月、本誌はそんな眞栄田の『エルピス』撮影現場を目撃。まだまだ暑さが残るなか、ドラマの“秋”という季節設定からジャンパー姿だったという眞栄田。快適とは言えない環境でも、眞栄田はほほ笑みを浮かべ、現場をもり立てていたという。今年活躍した“二世”といえば、元「THE BOOM」でシンガーソングライターの宮沢和史(56)を父に持つ宮沢氷魚(28)も忘れてはならない。’17年に俳優デビューした宮沢は、’20年の『エール』につづき今年もNHK連続テレビ小説に出演。『ちむどんどん』でヒロイン・暢子(黒島結奈)の夫・和彦を演じた。来年2月には、主演・鈴木亮平の恋人役で出演する映画『エゴイスト』の公開も決まるなど、活躍ぶりが目立っている。12月20日には、自身のインスタグラム上で、韓国の人気俳優、パク・ソジュン(34)とパリでディナーを共にしたことを明かし、話題を呼んだことも記憶に新しい。そんな宮沢が11月上旬に杏の自宅から、『ちむどんどん』で共演した黒島とともに談笑しながら出てくる姿を本誌はキャッチ。その日、杏の自宅では杏の息子の誕生日パーティーが行われていたという。国内でも、役者仲間としっかり絆を築いているようだ。■5度目逮捕・三田佳子の次男が繰り返していた「お金の無心」このようにブレイクする二世タレントがいる一方で、世間を騒がす“二世”も……。今年9月、覚醒剤取締法違反で逮捕をされたのは女優の三田佳子(81)の次男で元俳優の高橋祐也容疑者(42)だ。高橋容疑者が覚醒剤事件で逮捕されるのは、高校時代から数えてこれで5度目。親を頼らず自力で芸能界に居場所を見つけようとする眞栄田や宮沢とは対照的に、高橋容疑者は大人になってからもお金の無心を繰り返していたという。「三田さんが’17年のドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)に出演した際、高橋容疑者は周囲に『ドラマのギャラが1千万円入るから俺が全部もらってやる!』と豪語していたそうです」(週刊誌記者)息子が逮捕されるたびに、謝罪会見を開いたり、出演作品を降板したりしてきた責任感の強い母の三田も、このような振る舞いや’18年の4度目の逮捕には愛想をつかしたのだろうか。「婦人公論」’19年4月9日号では、息子について《世間からはいつまでたっても親が過保護にしていると思われているようですが、決してそんなことはありません。私としては、すでに次男からも卒母しています》と語っていた。三田から“卒母”を宣言されてしまった高橋容疑者だが、父で元NHKプロデューサーの康夫さん(81)とランチをする姿を、本誌は’20年夏に目撃している。高級中華料理店でランチを終えて康夫さんの車に戻ろうとする高橋容疑者の白いズボンには、オレンジ色のシミがべっとりと付いていた。■「あのビルから飛んでやるわ!」ツイッターで不穏ツイートを連発したいしだ壱成今年前半、その“奇行”から注目を集めたのはタレントのいしだ壱成(48)。大麻取締法違反(所持)で’01年に逮捕され、’21年には3度目の離婚を経験するなど世間の注目を集め続ける人物だ。そんないしだは今年5月19日に、自身のTwitterに《あのビルから飛んでやるわ!じゃあ、そんなわけでさよなら》と投稿。そのほかにも《素人は黙ってろ》《簡単だよ死ぬのは》《さよなら!!!!!!F〇CK OFF!!!!》といった内容を連投していた。その後いしだはツイートを削除したものの、ファンの間では心配の声が相次いだ。後に、いしだが東スポのインタビューに答えたところによると、このツイートは、ライブ配信アプリ「ふわっち」の配信中に、部屋の窓に反射して女性スタッフが映り込んだことで、ファンから猛バッシングを受けたことが原因だという。そんないしだの心境を表すかのような“ずぶ濡れ通勤姿”を本誌は目撃。バスから降りた石田は、土砂降りの雨を気にすることなく、地下鉄の入口までずぶ濡れになりながら向かっていった。屋根のある入口に着き、10分ほど携帯電話をいじりながら雨宿りすると、次の仕事先へ向かうため改札階へと下りていったのだった。今年後半にはトルコで植毛手術をうけ、27歳年下の新恋人もでき心機一転となったいしだ。現在は父親である石田純一(68)との初共演となる映画『散歩屋ケンちゃん』の来年4月公開に向けて奔走中だ。そんな息子に対する父の信頼は厚いようで、まいどなニュースの取材に対し、石田純一は「壱成は天才。また演技が評価されて再ブレイクすると信じている」とコメントしている。‘23年は、父親の期待通り、V字回復の年となるか――。
2022年12月25日12月26日(月)に最終話が放送されるドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」より、長澤まさみ、眞栄田郷敦、鈴木亮平からクランクアップ時のコメントが到着した。本作は、実在する複数の事件から着想を得て制作された社会派エンターテインメント。スキャンダルによってエースの座から転落したアナウンサー・浅川恵那と、若手ディレクター・岸本拓朗らが、女性連続殺人事件の冤罪疑惑に迫っていく。4か月間に及ぶ撮影のラストを、都内のスタジオで迎えた、恵那役の長澤さん。ラストシーンは、恵那が「大洋テレビ」の正面ゲートから駆け足で飛び出してくるという設定で、恵那は何者かに声をかけられて驚き、思わず床に倒れ込んでしまうという最終話。長澤さんは「恵那を演じるという上で、すごくプレッシャーを感じていて、でもやっぱり、恵那を演じる上で一番支えてくれたのは、相方である拓朗役の眞栄田郷敦さんだと思います。郷敦さんがいなければ、恵那を演じることはできませんでしたし、先輩なんで『ちょっとかっこいいとこ見せたいな』と思っていたんですけど、全然そんな姿を見せることができなくて、助けられてばかりでした。本当に、郷敦さんがいてくれたから、この役を最後まで演じることができました」と相方に対する感謝の言葉と共に感慨に浸る。一方、眞栄田さんのクランクアップは、関東近郊の駅前にあるスナック。拓朗が“西澤証言のうそ”を暴くきっかけを店のホステスから得るという第5話のシーン。眞栄田さんは「本当に自分の力量以上のものを、皆さんに引き出していただいたなぁと、本当に、本当に、感謝しています。なんか今の僕は、『ミート矢澤』(ロケ弁当の差し入れ)でしか、それを表現できないんですけど…。本当にこれからもっと芝居をうまくなりたいし、役者としてもっと大きくなって、分かんないですけど、何かこう、また、(スタッフの皆さんに)返せる日が来たらいいなと思っています」と周囲の笑いを誘いつつ挨拶。そして、2人より一足早くクランクアップを迎えた鈴木さんのラストは、フリージャーナリストに転身した斎藤が、「ニュース8」のポスターでほほ笑む恵那を見つめ返し、また歩き出すという第8話のシーン。鈴木さんは「本当にこのドラマに関われて光栄だなと思っております。ドキドキしています。仕上がり楽しみにしています」と最終話に期待した。「エルピス―希望、あるいは災い―」は毎週月曜日22時~カンテレ・フジテレビ系にて放送中。(cinemacafe.net)
2022年12月24日長澤まさみがキャスターを演じる「エルピス―希望、あるいは災い―」の9話が12月19日オンエア。斎藤に迫る村井に「やっぱ強えわ」など賞賛が集まる一方、村井の言葉に顔がこわばる斎藤には「背筋が凍る」「苦悩してるよね」といった声が寄せられている。少女連続殺人事件を巡り、長澤さん演じるアナウンサーと、彼女の番組を担当していた若手ディレクター、2人が共に知る元報道記者らの物語が繰り広げられる社会派エンターテインメントとなる本作。深夜の情報番組「フライデーボンボン」出演時に八頭尾山少女連続殺人事件に関するスクープを報道したことで「ニュース8」のキャスターに返り咲いた浅川恵那役に長澤さん。八頭尾山少女連続殺人事件の真犯人だと思われる男のネタを掴んだあとクビになった岸本拓朗役に眞栄田郷敦。連続殺人事件の真実を隠蔽したと思われる大門副総理と近しい斎藤正一役に鈴木亮平。連続殺人事件の犯人に匿われた過去を持つヘアメイクの大山さくら役に三浦透子。「ニュース8」のディレクターをしている滝川雄大役に三浦貴大。拓朗を溺愛する母の岸本陸子役に筒井真理子。「フライデーボンボン」プロデューサーで子会社に飛ばされた村井喬一役に岡部たかし。真犯人である証拠が出てきた本城彰役に永山瑛太。副総理の大門雄二役に山路和弘といった顔ぶれが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。彰が八頭尾山少女連続殺人事件の犯人だというスクープが週刊誌に出る直前、「ニュース8」で未成年売春あっせんで男が逮捕されたというニュースとともに、その店で新たな事件の被害者、中村優香が働いていたことが報道され、拓朗は解雇される。恵那は会議でこれが警察の印象操作だと訴えたものの、滝川らは耳を貸さず、警察発表がそのまま報じられることになっていた。拓朗は村井の紹介で大門副総理の娘婿で秘書の亨(迫田孝也)と会い、村井から、かつて大門が派閥議員のレイプ事件をもみ消そうとし、その事を告発しようとする亨に力を貸したもののすんでのところで揉み消され、フライデーボンボンに飛ばされたことを明かされる…というのが今回のストーリー。揉み消された亨の告発を週刊潮流で掲載して、大門を潰そうと考える拓朗だが、そんななか亨が死亡する。亨の葬儀でマスコミ対応をする斎藤のもとに現れた村井は「本当は病死じゃなくて自殺だから?」と、公にされてない事実を突きつけ、固まる斎藤に続けて「本当は自殺じゃなくて他殺だから~?」とおどけたような口調で迫る。そして「引き返すなら今じゃないかな」と続けると、一転シリアスな口調で「この先はもう、戻ってこれねえぞ」と言い放ち、彼の元から立ち去る…。今回のエピソードでの村井の行動に「ギャルみたいなテンションでぶっ込んでいく村井さんやっぱ強えわ」「バブル世代の脂っこいしつこさをたぎらせた村井さんを、一番好ましく思うとは思わなかった」「村井さんが唯一信用できる人だなんて、まさかこんなことになるなんて」といった反応が殺到。村井に迫られた際の斎藤の表情にも「喪服の斎藤の目つきには、背筋が凍る」「斎藤さんの怖い顔、渋くて格好良かった。苦悩してるよね」といった声が。「斎藤さんは村井さんの言葉で引き返すことができるんだろうか」と、次回の最終回に向け、斎藤の動向を気にする視聴者からのコメントもSNSに届いている。【最終回あらすじ】スタジオに殴り込んできた村井のただならぬ様子を見た恵那は、真意を知りたいと拓朗の元を訪ねる。しかし亨を死に追いやったことに責任を感じ、かつての村井の忠告の意味を思い知らされた拓朗は今度こそ、この一件から手を引くと宣言。深い失意と恐怖に襲われる拓朗の言葉に、恵那が出した答えは…。「エルピス―希望、あるいは災い―」は毎週月曜日22:00~フジテレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年12月20日長澤まさみ、眞栄田郷敦共演の「エルピス」第8話が12月12日オンエア。真犯人に関する決定的な証拠を掴んだ拓朗に対する恵那の“裏切り”に「浅川が斎藤みたいになっていく」「今日の展開は苦しすぎる」など、ショックを受ける視聴者が続出している。長澤さんがスキャンダルで1度はエースの座を転落したアナウンサーを、眞栄田さんが中学時代に友人を亡くした過去を抱える若手ディレクターをそれぞれ演じる、実在の複数の事件から着想を得た社会派エンターテインメントである本作。出演は「ニュース8」のキャスター・浅川恵那役に長澤さん。弁護士の両親の元に生まれた岸本拓朗役に眞栄田さん。恵那や拓朗が追っている“八頭尾山少女連続殺人事件”に関する新情報を揉み消そうとしていた斎藤正一役に鈴木亮平。“八頭尾山少女連続殺人事件”に関する新事実を報道したことで子会社に飛ばされた村井喬一役に岡部たかし。「ニュース8」のディレクター・滝川雄大役に三浦貴大。拓朗に協力する首都新聞政治部記者の笹岡まゆみ役に池津祥子。事件現場に近い商店街で怪しげな店をやっていた本城彰役に永山瑛太。事件の舞台になった地域に大きな力を持つ副総理の大門雄二役に山路和弘といった面々。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。事件を調べるなかで迷い込んだ商店街で出会った、えたいの知れない雰囲気と危険をはらんだ瞳で恵那を惑わせた男。その男こそ大門副総理の有力な支援者である「本城建託」社長の長男・本城彰だった。あの男には何かあると直感した恵那に頼まれ拓朗が調べると、八頭尾山で3人目の女子生徒が殺されてから再び犠牲者が出るまでの12年間、彰は海外を転々としていたことが判る。彰が八頭尾山少女連続殺人事件の犯人で、事件を隠蔽するため海外に逃げていたのではないかと考えた拓朗は、最後に殺された中村優香と親しかった高岡ひかるにたどり着く。ひかるは優香が「自分の好きだった人を取った」と言う。その男性は彰だった。拓朗は優香の遺品から彰のものと思われるストールを預かりDNA鑑定を行う。するとストールに付着していたDNAが、過去の被害者・井川晴美のスカートについていたものと一致する…というのが今回のストーリー。拓朗はこのスクープを恵那に伝えるが反応は鈍く、「ニュース8」に持ち込んでも滝川からは後追いなら報道できるとの返答。恵那は村井に連絡し彼の知人の週刊誌記者と拓朗を繋ぎ、スクープは週刊誌で掲載されることになる。「できる限りのことはする」と話す恵那に、「できないんなら言わなきゃいいのに」と冷たく言い返したうえ、恵那に「一番卑怯」と言い放つ拓朗。しかし拓朗も優香の母親に「やれるだけのことはやってみます」と口にしていた…。視聴者からは「できる限りの事はするって優香さんの母親に言ってたよね??岸本」「できる限りのことするって、君も言ったよ拓ちゃん??」「できる限りのことはする」さっき自分も言ってたね、被害者のお母さんに」などのツッコミが殺到。しかし彰に関するスクープが掲載された雑誌が発売される直前に「ニュース8」で、未成年売春あっせんで男が逮捕されたというニュースとともに、その従業員リストに中村優香の名前があったと報道。そして拓朗は解雇される…。恵那が拓朗のスクープを潰す…という展開に「うわ・・・浅川最低だな」「え、浅川ちゃん裏切った」「浅川が斎藤みたいになっていく」「やだ、もう。今日の展開は苦しすぎる」といった反応が続出している。【第9話あらすじ】本城彰が真犯人である事実を揉み消され、会社も解雇された拓朗。背後に巨大な力を感じた恵那が再び心身のバランスを崩していく一方、大門の娘婿で秘書の大門亨に接触を図った村井は、拓朗にジャーナリストを名乗らせ亨と引き合わせる。亨は村井の力を借りて大門の告発を試みたこと過去もあるといい、拓朗は村井もかつて真実を握りつぶされた過去があると知り驚く…。「エルピス―希望、あるいは災い―」は毎週月曜日22:00~フジテレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年12月13日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年10月スタートのテレビドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』(フジテレビ系)の見どころや考察を連載していきます。八頭尾山連続殺人事件の真相解明は、瞬く間に全国に広まっていったが、その後は大した進展もなく、松本死刑囚(片岡正二郎)の冤罪はまだ証明できずにいた。一方、浅川恵那(長澤まさみ)は『ニュース8』の看板アナとして忙しない日々を過ごし、岸本(眞栄田郷敦)は経理部へ異動。一方の齋藤(鈴木亮平)は、会社を辞め、ジャーナリストとして他局のテレビに出演するなど政治の世界へと飛び込んでいた。そんな斎藤を通して浅川は、八飛市出身の副総理大臣の大門(山路和弘)がなんらかの形で事件に関わり、報道にも圧力をかけていたのではないかと考え、新聞記者の笹岡(池津祥子)に大門の身辺調査を依頼する。笹岡によれば、事件当時は警察庁長官だった大門が県警に圧力をかけたとするならば、高リスクを顧みなかっただけの相当な理由があったのではないかという。相当に近しく有力な人物からの頼みであった可能性が浮上してきたのだ。一方の岸本は異動でかえって動きやすくなっていた。だがDNA鑑定も再審も一向に動く気配はなく、真実が人間が作ったものだとは思えないくらい、重たく、冷たく感じられた。そして岸本は母・陸子(筒井真理子)と久しぶりに会うことに。弁護士である陸子も、検察の力が圧倒的な構図の中で、DNA再鑑定まで持ち込むことは難しいと話す。「この社会というのはね、君らが思っているよりずっと、恐ろしいものなのよ」そんな陸子の言葉だが、岸本はそれをもって実感してきた。母親との関係もそうだ。裕福な家庭、力のある両親、色々な権力に従ってやっと勝ち組でいられた自分はきっと、検察に嫌われてたくないがために真実を捻じ曲げてきた者たちと同じなのだ。だがもう同じにはなりたくなかった。何も信じられなくなっていても、あの頃には戻りたくなかった。岸本はそんな思いからか、実の母親に対しても終始他人行儀で接していた。そして岸本が村井(岡部たかし)に愚痴をこぼしていると、『ニュース8』から浅川の声が聞こえて来る。そして二人の瞳に飛び込んできたのは、松本死刑囚のDNA再鑑定実施の速報だった。退官する人間に働く『圧力』弁護士の木村(六角精児)によると、現裁判長が再来月に退官するため、この先出世も左遷もないからこうした奇跡的な決断を下したのだという。しかし再鑑定には検察の壁がそびえ立っていた。検察側と弁護側の両方がDNAを鑑定するため、松本とDNAが一致しないとしても、検察側がそれを正直に公表するとは限らない。過ちが詰まった箱を退官する人間に勝手に開けられまいとする力が、それを必死に閉じ込めようとするのである。浅川はこの事態を重く受け止めつつも、木村の「組織というのは必ずしも一枚岩ではない」という言葉を聞き、強大な組織の中の個人の良心を信じたい気持ちが大きくなっていた。だが岸本からは、「それは平和ボケして考えることから逃げてるだけだ」と喝を入れられる。信じたいと思うことは決して逃げではないが、自分では何もアクションを起こそうとせず、ただ全てを丸投げする意味での『信じる』も存在する。確かに報道にいる浅川は最近「時間がない」と岸本の声掛けを遮ることが増えていた。岸本から見れば、事件を追うことを辞めたと捉えられても無理もなく、浅川も結局、権力の一部となっているかのように思えただろう。岸本は、無関心で生きていた自分に対して浅川か投げかけた「おかしいと思うものを飲み込んじゃダメなんだよ」という言葉を今も繰り返し唱えてきた。だからこそ、寂しさも感じているのだ。一方の浅川は本当に時間がなかったが、その中でも大門の情報を集めるなどやれることはやってきたつもりであるし、この環境に甘えているわけでもなかった。浅川は半ば逆ギレしたかのように岸本にバックを投げつけ、『バカな岸本』を殴り倒して帰っていった。帰る途中、村井から電話がかかってきて、泣き言を吐かれた浅川は「甘ったれないでください」と逆に喝を入れ、そのまま電話を切る。浅川は忙しい。だが、それに甘えはしない。まだ何も終わっちゃいないのである。刑事が告白した許されざる罪そしてDNAの鑑定結果が公表される。弁護側の鑑定では検出されたDNAは犯人の松本とは一致しなかったものの、検察側の鑑定ではDNAは検出されなかったという結果だった。岸本は想定内だったが、一方の浅川は心塞がる思いだった。浅川は、八飛市出身の大門が当時の警察に圧かけて逮捕させなかった可能性があることを伝え、笹岡に調べてもらった大門関連の資料を岸本に託す。そんな頃、岸本の元には以前訪れた八飛署の平川刑事から連絡が入り、話を聞くことになる。あれほど「絶対にあり得ない」との一点張りだった平川だったが、金銭を受けとった後、その重い口がようやく開く。語られた真実は、許されざる罪だった。「うちは無実の人間を犯人にでっち上げたんです」上が真犯人を逮捕させたくないという裏事情があると現場の皆が感じていたという。だからこそ丁度よかったのだ。悲しむ家族がおらず、少女を匿っていた松本良夫が、それに適任だった。こうして署の刑事たちは目を明け、真実を追い求めることを辞めた。長い間、耳を塞ぎ、口を閉ざし続けてきた。だが平川自身は「あくまで正義側の人間である」と語る。金銭という手土産もなく、そこまで世間から注目されていなかった時にはあれだけ否定していた隠蔽を、今は自慢気に話すのだ。平川はきっと警察内部の当時を語ったヒーロー気分なのだろうか。目の前にあるのは正義なんかではなかった。毒に侵され続けた平川が願うのは、犯人の逮捕だという。「組織は一枚岩ではない」と言い放った平川の告白がまさかこの言葉の象徴とされるとは思わないだろう。岸本はそんな平川に思わず口がすべってしまう。「なんというか、まじクソですね」その後、被害者の井川晴美の姉・純夏が八頭尾山連続殺人事件の被害者遺族の会を立ち上げる。だが集まりの中で、結成の記者会見を開きたいというと、会場はざわついた。被害者遺族は当時から散々マスコミの的にされてきたのである。もう一度注目を浴びるなんて御免なのだ。そして他にも気になる点があった。それは多くの家族が出席している中、去年当時14歳で殺害された中村優香の遺族だけは連絡が取れなかったのだという。というのも、岸本が平川から受け取った資料によると、家族はまだ30代の母親と二人の兄弟の三人暮らし。そして彼女は18歳と偽って風俗で働いていたという。中村優香の事件が真犯人の犯行だとするならば、松本を救い出す最短の道になり得る。岸本は遺体現場まで出向き、解決を願い、被害者に静かに手を合わせた。明るみになってきた、八飛と大門の関係その帰り、岸本は麓の八飛市中に大門のポスターが貼られていることに気づく。地元の人間によれば、大門の幼馴染である本城が代表を務める本城建託が、ここ一帯の権力を握っているのだという。そして岸本は託された資料の中で本城を見つけるが、兄妹の中で一人だけ業務を手伝っていなかった長男の本城彰(永山瑛太)が気にかかった。この人物こそあの商店街で店をしていた人間だ。浅川が『見つめられただけで体が動かなくなってしまった』あの男だ。明るみになってきた、八飛と大門の関係。そして中村優香の殺人事件の真相とは。物語はついに終盤へと加速していく。[文・構成/grape編集部]
2022年12月11日長澤まさみと眞栄田郷敦が共演する「エルピス―希望、あるいは災い―」第7話が12月5日放送。眞栄田さんがエンディング曲に参加していることに「大興奮しちゃったよ」「カッコ良すぎ」などの反応が上がるとともに、映像の変化にも注目が集まっている模様だ。長澤さんが4年半ぶりに連ドラ主演作となる本作は、長澤さん演じるアナウンサーと、彼女の番組を担当していた若きディレクターが、冤罪疑惑を追うことになるなかで、失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描く社会派エンターテインメントとなる。かつてスキャンダルで降板となった「ニュース8」のキャスターに返り咲いたアナウンサーの浅川恵那を長澤さんが演じるほか、経理に飛ばされてしまったが、そのおかげで時間ができ、“八頭尾山少女連続殺人事件”の調査を続ける岸本拓朗に眞栄田さん。大洋テレビのエース記者だったが退職した斎藤正一には鈴木亮平。「フライデーボンボン」のチーフプロデューサーだったが、子会社に異動させられた村井喬一には岡部たかし。「ニュース8」のディレクター・滝川雄大には三浦貴大。弁護士をしている拓朗の母・岸本陸子に筒井真理子。“八頭尾山少女連続殺人事件”の犯人として死刑宣告を受けている松本の弁護士・木村卓には六角精児。「首都新聞」の政治部記者・笹岡まゆみに池津祥子。斎藤に目をかけている副総理の大門雄二には山路和弘といったキャストも出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。副総理の大門が“八頭尾山少女連続殺人事件”の舞台となった八飛市出身だと気づいた恵那は、まゆみに大門の身辺調査を依頼。斎藤の言動から大門が事件に何らかの形で関与しているのではないかと考えたのだ。一方、経理部へ異動したあとも拓朗は事件を追っていた。だが新たな手掛かりは何も得られず落ち込んでいた。拓朗が村井に愚痴をこぼしていると、そこに松本のDNA再鑑定を裁判所が認めたという驚きのニュースが飛び込んでくる。まゆみから大門に関わる重要人物のリストを手に入れた恵那は拓朗にリストを託し、拓朗はそのリストを元に調査を開始、やがて大門と太い繋がりを持つ地元有力者の息子・本城彰(永山瑛太)にたどり着く。拓朗から彰の話を聞いた恵那は以前、彼と会った時のことを思い出し戦慄する…というのが今回のストーリー。この展開に視聴者からは「やっと話が繋がったかと思ったが、まだまだ謎が」「瑛太が犯人ってそんなあっさりいかないような… 毎週次回が気になりすぎる」「これまでの展開を見るに、そんなまっすぐに瑛太が真犯人で終わるわけなさそう」などといった反応が上がる。また今回から眞栄田さんが、エンディング曲「Mirage」にサックス演奏で参加していたことも明かされ「Mirage feat.眞栄田郷敦」って画面に出て大興奮しちゃったよ」「出演作のエンディング曲演奏なんてカッコ良すぎ」などのメッセージがSNSに投稿されるなか、その映像にも変化が。「EDケーキの箱がエルピスと書かれた紙に 台本のようにも見えた」「ケーキの箱じゃなくなった!あれはなに?台本…?」「怖いよ…もう なんでケーキの箱が「エルピス」の本に?」など、エンディングの変化も視聴者の注目を集めている模様だ。【第8話あらすじ】本城彰には何かある…そう直感した恵那に頼まれ拓朗が調べてみると、八頭尾山で3人目の女子生徒が殺されてから、再び犠牲者が出るまでの12年間、彰は海外を転々としていたという。拓朗は最後に殺された中村優香と親しかった高岡ひかるにたどり着き、ひかるの携帯電話に残されていた写真が拓朗をさらに突き動かす…。「エルピス―希望、あるいは災い―」は毎週月曜日22:00~フジテレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年12月06日長澤まさみ主演ドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」第7話が12月5日(月)今夜放送され、出演する眞栄田郷敦が、主題歌「Mirage」にサックス演奏で参加していたことが明らかになった。本作には、アナウンサー・浅川恵那(長澤さん)と共に行動するうだつのあがらない若手ディレクター・岸本拓朗役で出演中の眞栄田さん。中・高校ともに吹奏楽部に所属し、アルトサックスを担当していた高校時代には、全国コンクールで入賞、将来はプロの演奏家を目指していたほど。第7話エンディングで眞栄田さんがサックス参加した新バージョン「Mirage(feat.眞栄田郷敦)」のレコーディングには、音楽集団「Mirage Collective」のメンバーからSTUTS(プロデュース)と武嶋聡(サックス/フルート)が立ち会い、眞栄田さんのサックスが堪能できるようアレンジされている。なお、「Mirage Collective」によるアルバム「Mirage」は12月21日(水)にリリース予定で、詳細やトラックリストは後日発表される。「エルピス―希望、あるいは災い―」は毎週月曜日22時~カンテレ・フジテレビ系にて放送中。(cinemacafe.net)
2022年12月05日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年10月スタートのテレビドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』(フジテレビ系)の見どころや考察を連載していきます。松本良夫(片岡正二郎)が犯人だとする西澤(世志男)の証言は本当なのか。その問いに「嘘です」と答えたのは西澤の元妻・由美子だった。この逮捕の決め手となった目撃証言が覆され、再審の可能性が一気に浮上し、浅川恵那(長澤まさみ)と岸本(眞栄田郷敦)は一層勢いづく。だが浅川はもう『フライデーボンボン』で扱えるネタの範疇を超えているとして、今後は報道部に任せるつもりだった。取り扱う手段や媒体によって事の重みというものは変わってしまうものだ。一個人が声を上げようが誰にも注目されないまま放置されていくように、事実にはそれに見合った大きさの器がある。事実を正しく広めていく方がよほど大切だと浅川も考えていた。しかしチーフの村井(岡部たかし)はそれを遮り「うちでやる」と宣言する。浅川が説得するも村井の強気な姿勢は変わらなかった。村井も以前は報道にいた人間で、報道魂を燃えたぎらせ覚悟を決めていたのだ。そして『フライデーボンボン』での運命の放送が始まる。もはやいつものフライデーボンボンのおちゃらけた雰囲気は無く、冒頭から目撃証言に関する特集映像が流れ始める。「死刑が確定している松本良夫死刑囚には、冤罪の可能性が強まったことになります」それは瞬く間に日本中に広まっていく。情報提供した由美子、嘘の証言をした西澤、松本を思う大山ことチェリー(三浦透子)、報道の斎藤(鈴木亮平)がそれを見守っていた。あれだけ一喜一憂していた視聴率もどうこう言ってる場合ではないほど、反響は想像を超えた。他局や新聞をはじめとするメディアが次々と取り上げた。すると由美子や家族のもとにマスコミが押しかけ、しまいには西澤は逃亡し、証言を得られなくなってしまった。浅川たちはいかに甘かったかを思い知らされることとなった。そして社内の緊急幹部会が行われ、上層部が決めたのは、『事件を追っていた記者』としての浅川の『ニュース8』出演だった。アナウンサー・浅川恵那がかつて輝きを放っていた、あの場所だ。浅川に届いた、斎藤のメッセージこの凱旋出演に、浅川は手放しで喜ぶことができなかった。斎藤が副総理の大門(山路和弘)と繋がっていると知ったときから、斎藤を通じて大門から当局に圧力をかけられたのではないかという疑念を抱いていた。出演前に浅川のもとを訪ねてきた村井もそれが気がかりだったと言う。そして浅川に今日の出演を取り止めてもいいという提案をする。村井は斎藤と関係を持つ浅川と、アナウンサーとしての浅川を救うため、逃げ道を照らそうとしたのだ。しかし、「もう逃げも隠れもしない」と浅川は断る。「この仕事は、私です。丸ごと今の私自身なんです」その時、浅川のスマホの通知音が鳴る。それは斎藤からのメッセージだった。「オンエアの後にしようかと思ってたけど」という内容。それに続く言葉が、浅川の頭の中で渦巻いて見えていた。わかっていても、放送前にその続きを読む覚悟はなかったため、浅川は村井にスマホを託し、一人スタジオへ向かった。大事なことは言わないくせに、メッセージは無駄に刻んで伝えてくる斎藤による通知音が鳴り響く。その通知音を消せず文句を漏らす村井が一人その場所に残される中、浅川は、『ニュース8』に出演を果たした。放送終了後、浅川は続きを見る。そこには「ここまでにしよう」という言葉が綴られていた。斎藤は報道という器から溢れてしまった。その器が自分がいる場所ではないことが、最初から決まっていたかのようだった。そして浅川は斎藤との間に出来、た決して埋められぬ溝を必死に取り繕ってきた。だが斎藤から送られるサインの本当の意図を、背中合わせの浅川は見ることは叶わないのだ。いつか目の前に訪れる別れという終着点を迎えるために、一本道をひたすら歩いた。そこは斎藤の甘い優しさに包まれていて、足先が元いた場所に向く瞬間は、浅川に訪れることはなかった。それでも決めた『ニュース8』への出演。それが意味するものは別れだった。「それでもそういう君をこそ、俺は好きだった」斎藤の最後の言葉を目にして、浅川は一人で泣き叫ぶ。その裏で斎藤は今日も、大門の横で笑みを浮かべるのだ。バラバラになった元『フライデーボンボン』のその後そして番組は改編期に合わせて打ち切りとなった。だがMCの海老天(梶原善)は続投で『ウィークエンドポンポン』が後番組に続き、スタッフも大体がそのまま残留。番組がリニューアルしただけのようだが、会社としてはケジメをつけたことを世間、そして大門に示す必要があったのだ。一方、村井は関連子会社へ飛ばされ、岸本は経理部への異動が決まっていた。番組陣での最後の宴会が行われた。誰もこんな番組の宴会の最後が、和やかな雰囲気になると思ってなかっただろう。誰も何も期待しない、そんな昨日を繰り返すようなぬるま湯の『フライデーボンボン』の雰囲気は浅川と岸本、あの冤罪事件を中心に変わっていったのだろうか。浅川と岸本が歌う『贈る言葉』を聞きながら、村井をはじめ製作陣が流した涙や笑顔が、この10年間を『墓場』に捧げた、彼らなりの執着点そのもののように見えた。ついに浅川は、メインキャスターとして『ニュース8』の舞台に返り咲いた。それからというもの、浅川の毎日は、オンエア中心の生活になった。1秒も待たずに変化していく世界に追いつくのに必死だった。浅川には、時間がなかった。今も一人で事件を追う岸本からの電話を即刻遮ってしまう。報道っていつも必要以上に忙しい、忙しい、時間ないふりして。浅川は自分自身に問う。忙しいふりをして大事なことを忘れようとしているだけなのだろうか。第一話で浅川が報道に対して発したこの言葉が自分に返ってくる。上層部はこれが狙いだったのかもしれない。目紛しく回る報道に浅川を置くことで、あの事件に関して無駄な詮索ができないようにさせたのだ。新たな問題は、別の問題を隠して、闇に埋もれさせ、見えなくさせる。情報が広まるのが著しくはやいこの時代でそれは表裏一体となる事実なのだ。新たなものが積み重なって、奥にあるものを直視できる時間が減っていく。綺麗な空気に触れる時間が削れて、真実は朽ちて、風化し、忘れ去られていくのだ。そして問題を追う者の心も同じ結末になる可能性すらある。皆、冤罪事件を追っていてもジャーナリズム精神だとか、上に良い顔したいからだとか、自分が自分で居続けるためにだとか、松本のために冤罪を暴くことが根底にある者は少ない。方向を見失えば、真実は簡単に朽ちていってしまうのである。最終章へとつながる、巨大な構図そして岸本は一人でも新たな情報を探しに、連続殺人事件が起きた八飛市の商店街の喫茶店を訪れていた。そこで耳にしたのは、大門が副総理になってからというもの八飛が本城建託の土地の天下になったという話だった。岸本は商店街のあの場所を訪れる。浅川が謎の男と会った店は、貸店舗となっていた。そしてその横には大門のポスターが貼られていた。大門は八飛市出身だったのだ。ついに見えてきた巨大な構図。浅川達は新たな情報を掴めるのか、今後も目が離せない。[文・構成/grape編集部]
2022年12月05日映画『ドライブ・マイ・カー』で、物静かなドライバー役を好演した俳優の三浦透子さん。現在放送中のドラマ『エルピス ―希望、あるいは災い―』では「こういうメイクさんいそう!」と思わずにはいられない佇まいを完璧に体現している。そんな唯一無二の雰囲気と多才さで注目を集める三浦さんの初の長編単独主演映画『そばかす』が公開されます。――『そばかす』の主人公である佳純は、恋愛感情も性欲もないアセクシュアルの女性です。最初に脚本を読んだとき、どんな感想を抱きましたか?三浦透子:アセクシュアルというものを、この映画を通して知る人も多いかと思います。だから、責任の大きさも感じましたし、主人公の感覚がどうしても理解できないなら、やらない方がいいなと思いながら読みました。でも、わかると思ったことが圧倒的に多くて。幸せのあり方や、何を大切にして生きていくかというのは人それぞれでいいはずです。それなのに、世間的には20代の女性は当たり前に恋愛をしていて、していなくても本当はしたいはずという価値観がまだまだ多数であると感じます。そういうことに私自身、違和感を覚えることが多かった。だから、脚本を読んでいて、私が演じることで何かできるんじゃないかと思いましたね。自分の中での基準ですが。――佳純のようなキャラクターは、これまでの日本映画でほとんど描かれてこなかったと思います。どのようなアプローチで役を掴んでいったんでしょうか?三浦:役へのアプローチは、今までと変わりません。それは佳純という人物をちゃんと理解するということ。アセクシュアルであるということが彼女のアイデンティティのすべてではありません。そういうラベルに集約して彼女をひもとくことはこの映画のメッセージに反することだと思いました。うつ病を抱えた父親やAV女優の仕事をしていた友達も登場しますが、そういうレッテルを剥がして、生身のその人自身と向き合うことが大切なんだ、それが隣の誰かを救う優しさになるんだということを描いた映画です。だから、私自身もそういう優しさを持って彼女を理解しようと努めました。――終盤、家族で焼き肉を食べているとき、妹が佳純に「お姉ちゃんはレズビアンなんでしょ?」と言う場面が印象に残っています。あれも、何を考えているのかわからない佳純に「レズビアン」というレッテルを貼ることで、理解可能なものにしようというシーンだと思いました。三浦:妹のあの言葉は、彼女なりの精一杯の優しさでもあったと思うんです。告白してくれたら、別に否定する人なんてこの家族にはいないよ、という。でも、そもそも告白しないといけないものなのかな、誰かに説明する必要なんてあるのかな、というのも同時に感じました。演じていて私自身もいろいろと考えさせられたシーンでしたね。登場人物、みんな優しいんですよ。ただ、その優しさをもってしても救えない何かがあるというのも事実で。だけど結局、わかり合うために必要なのもやっぱり優しさなんです。そういう意味で、すべての登場人物に愛を持って観られる映画だと思います。アーティストになれるとは思っていませんでした。――三浦さんは本作の主題歌である「風になれ」も歌われています。羊文学の塩塚モエカさんが作詞と作曲を手掛けられていますが、これは三浦さん自身のリクエストだったそうですね。三浦:制作の経緯を言うと、出演オファーをいただいたときに、主題歌も歌ってほしいと言われました。じゃあ、誰に頼もうかと自分の音楽チームと相談する中で、いつかご一緒したいと思っていた塩塚さんの名前を出したんです。ただ、自分の中で決定打になったのは、ラストシーンを撮っていたとき。佳純が走り出すシーンですが、この後に流れる音楽は塩塚さんにお願いしたいと心が決まりました。映画を何度も観て、想いをしっかり汲み取った曲にしていただけて感謝しかありません。自分としては、あの疾走の先の佳純のために歌ったつもりです。――12月14日には、「風になれ」を含む2ndミニアルバム『点描』がリリースされます。どんな想いで作られたんですか?三浦:前回のアルバム(『ASTERISK』)は、全体のコンセプトを決めてから曲を作っていきました。だけど、今回のアルバムはそうではなくて、一曲一曲を完成させていった感じなんです。だから、全部を並べたときにどういうものが見えるのかは、私もまだわかってなくて。でも、確実に私の“今”を集めた作品にはなっていると思います。――塩塚さんの他にも、YeYeさん、有元キイチさん、小田朋美さんなど錚々たるメンツが楽曲を提供されています。事前のやりとりなどあったのですか?三浦:曲を作っていただく方には、事前に私とお話ししていただく時間を作ってもらっています。別に音楽の話ではなく、最近興味があることや考えていることを話すだけのこともありますが。その上で曲を作っていただくことで、私自身が自然と歌える曲にしたいという想いがあります。たとえタイアップ曲だとしても、自分がしっくりこないと感じてしまう曲や歌詞は歌わないようにしようと思っていて。だから、自分から遠くない、自分の真ん中にあるものをちゃんと積み重ねたアルバムが作れたかなと思います。――このミニアルバムには、ご自身で作詞をされた曲も収録されているそうですね。三浦:作詞って、自分が届けたいメッセージを言葉にする作業だと思い込んでいたんです。考えていることはもちろんありますが、人に伝えたいかと言われたらそうではないので、自分はできないなと思っていました。けど、別に自分の思っていることを書かなくてもいいんだよと言われて。今回は、なんとなくの主人公を思い浮かべながら、言葉遊び的に書いてみました。今の自分の感情を書いたつもりはなかったのに、完成したものを読み返すと「あ、今の自分はこういうことを考えているんだな」と感じられる部分もあって。作詞ってそういう作業なんだという気づきもあって面白かったですね。――では、その物語の主人公は三浦さん自身ではないんですか?三浦:結果として私に近くなったとは思います。ただ、自分だと思いすぎると書けないこともあるし、自分じゃないことにしてしまえば、自分が思っていないことも書ける。そうやって自分と少し距離を取ったから書けた詞だと思います。――歌手デビューのきっかけは、タナダユキ監督の手掛けたCMで歌声を披露したことだそうですね。最近も連絡を取ることは?三浦:つい先日、連絡を取ったんです。「今度、新しいアルバムを出すんです。いま歌手をやっているのは、タナダさんとの出会いのおかげです」とお伝えしたら、「純粋に嬉しい。あなたの声を楽しみにしている」と言ってくださって。いただいた縁を形にできる今があって、嬉しいなと思いました。――三浦さんの歌声は一度聴いたら耳から離れない強さと繊細さがあると思います。タナダさんに見出される前に、歌手になりたいとは思わなかったんですか?三浦:歌うことも自分の歌声も前から好きではありました。ただ、アーティストになりたいと思ったことはありませんでした。以前所属していたのが音楽系の事務所で、ダンススクールにも通っていたので、周りにはアーティストになりたい子がたくさんいました。そういう子たちと比べると、アーティストになるときに必要な精神性みたいなものを、私は持っていない。人前でパフォーマンスをするとか、自分の想いを届けたいとか、そういうものが自分にはない。だから、歌うという行為はできるし、役者として演じた役の中で歌うこともできるけど、アーティストにはなれないなと感じていたんです。だけど、気づいたら何かこんなことになりました(笑)。今は、この感覚の私のままでもできるアーティスト活動もあるのかなと思えています。あと、始めてから2年くらい経って、私の中でアーティストとして育っている自我のようなものもあるかなと思います。恋愛感情も性欲もない女性が、周囲の無理解に傷つきながら、それでも強く生きていく姿を描く映画『そばかす』は、12月16日~全国公開。劇団「玉田企画」を主宰する玉田真也が監督を、映画『his』の脚本で高い評価を得たアサダアツシが企画・原作・脚本を務める。ドラマ『六本木クラス』の挿入歌「点灯」などを収録した2ndミニアルバム『点描』は12月14日リリース。みうら・とうこ1996年10月20日生まれ。5歳のとき、2代目なっちゃんとして、「サントリー なっちゃん」のCMに出演し俳優デビュー。近年の出演作に映画『ドライブ・マイ・カー』『スパゲティコード・ラブ』など。2020年、1stミニアルバム『ASTERISK』をリリース。歌手としては映画『天気の子』の主題歌なども歌っている。ベスト¥44,000(Room no.8/otto design TEL:03・6804・9559)シャツ¥39,800(pelican×斉藤シャツ/斉藤シャツcamisasaito.katsuta@gmail.com)パンツ¥39,600(beautiful people/beautiful people 青山店 TEL:03・6447・1869)シューズ¥104,500(MARGARET HOWELL TEL:03・5785・6445)イヤリング¥19,800(ete TEL:0120・10・6616)靴下はスタイリスト私物※『anan』2022年12月7日号より。写真・安保涼平スタイリスト・佐々木 翔ヘア&メイク・秋鹿裕子(W)インタビュー、文・鍵和田啓介(by anan編集部)
2022年12月03日長澤まさみが主演する、現在放送中のカンテレ・フジテレビ系月10ドラマ「エルピスー希望、あるいは災いー」の主題歌「Mirage」にて、長澤さんがヴォーカルを担当していることが分かった。主題歌を担当するのは、STUTSが音楽プロデュースを手掛ける音楽集団「Mirage Collective」。今回YONCE(Suchmos)に加えて、長澤さんがフィーチャリングとしてヴォーカルに参加。YONCEと長澤さん、2人の歌声が聴ける「Mirage Collective」シングル第4弾「Mirage Op.4 - Collective ver.(feat.長澤まさみ)」は11月29日より配信リリース。そして、MUISC VIDEOが「Mirage Collective」のオフィシャルYouTubeチャンネルにて同日11月29日21時よりプレミア公開となる。「Mirage Collective」- Collective ver.のメンバーは、STUTS(プロデューサー/ミックス・エンジニア/MPC)、YONCE(Suchmos|ヴォーカル)、butaji(コーラス)、長岡亮介(ペトロールズ|ギター/コーラス)、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S|ベース)、荒田洸(WONK|ドラム)、高橋佑成(ローズ/ピアノ)、武嶋聡(サックス/フルート)、佐瀬悠輔(トランペット)、大田垣“OTG”正信(トロンボーン)、須原杏(バイオリン)、林田順平(チェロ)の合計12名。本楽曲は作詞:YONCE,butaji、作曲:STUTS,butaji、編曲・プロデュース:STUTSが担当しており、「Collective ver.」とタイトルについている楽曲は「Mirage Collective」によるバンド・アレンジ・ヴァージョンとなる。「Mirage Op.4 - Collective ver.(feat. 長澤まさみ)」は各種音楽配信サイトにて配信中。「エルピスー希望、あるいは災いー」は毎週月曜22時~カンテレ・フジテレビ系全国ネットにて放送中。(text:cinemacafe.net)
2022年11月29日ドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」にレギュラー出演する筒井真理子が主演する、『川っぺりムコリッタ』『かもめ食堂』の荻上直子監督のオリジナル最新作『波紋』が2023年初夏に公開決定。光石研、磯村勇斗ら共演者も登場する特報映像が解禁となった。須藤依子は、今朝も1ミリ違わず砂に波紋を描いている。庭に作った枯山水の手入れは、依子の毎朝の習慣であった。“緑命会”という水を信仰する新興宗教に傾倒し、日々の祈りと勉強会に勤しみながら、依子はひとり穏やかに暮らしていた。ある日、長いこと失踪したままだった夫、修が突然帰ってくるまでは――。主人公・須藤依子を演じるのは、筒井真理子。2016年、映画『淵に立つ』で第38回ヨコハマ映画祭 主演女優賞、第31回高崎映画祭 最優秀主演女優賞、第71回毎日映画コンクール 女優優主演賞と主演女優賞3冠を達成。2019年、映画『よこがお』で第70回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。演技の幅が広く、気品ある女性の役から悪役までその圧倒的な存在と演技力で国内外問わず注目され、現在放送中のドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」の岸本拓朗の母・陸子役でも強烈な印象を残している。筒井真理子失踪する依子の夫、修を演じるのは、光石研。荻上監督の映画『めがね』(07)に出演し、『アウトレイジビヨンド』(12)やNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」(10)などの冷徹なヤクザ役からよき父親役まで、多様なキャラクターを見事に演じる日本を代表する名俳優。光石研そんな2人の息子役・拓哉を演じるのは、磯村勇斗。『ヤクザと家族 The Family』(21)『劇場版 きのう何食べた?』(21)で第45回日本アカデミー新人俳優賞を受賞。『PLAN75』『前科者』『ビリーバーズ』『さかなのこ』(いずれも22)など、様々な役に完璧になりきる演技力の高さから活躍の場を広げている。磯村勇斗また依子を取り巻く人々には、“緑命会”という新興宗教の代表を努める橋本昌子役にキムラ緑子、信者である小笠原ひとみ役の江口のりこと伊藤節子役の平岩紙が絶妙に笑いを呼ぶキャラクターを体現。依子のパート先のスーパーで迷惑な客・門倉太郎役を柄本明、依子と同じスーパーのパート先の清掃員・水木役を木野花、依子の隣人・渡辺美佐江役を安藤玉恵など、日本を代表する俳優陣が揃った。監督は、長編映画デビュー作『バーバー吉野』(04)でベルリン国際映画祭児童映画部門特別賞を受賞した荻上直子。『かもめ食堂』(06)の大ヒットにより、日本映画の新しいジャンルを築き、『めがね』はベルリン国際映画祭でザルツゲーバー賞を受賞。2011年には、第61回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞、2017年に『彼らが本気で編むときは、』で日本初のベルリン国際映画祭テディ審査員特別賞を受賞し、2022年には『川っぺりムコリッタ』が公開。そんな日本を代表する荻上監督がずっと温めてきたオリジナル作品『波紋』に対し、「私の中にある意地悪で邪悪な部分を全部投入したような映画になりました」とコメントしている。この度、解禁されたスチール写真は、美しく高貴な紫色のタイトルに反し、キャストの面々はモノトーン。まるで依子を中心にこれから起こる様々な絶望が波紋のように広がる様子を表現。また特報映像では、依子(筒井真理子)が憎悪を剥き出しにした表情で夫・修(光石研)に対する恨みを表すシーンから始まる。そして夫・修の「俺、さっさと死ぬわ」というひと言から一変し、声を上げて甲高く笑うシーンがとても印象的である映像に。ラストの「絶望を、笑え」という言葉が衝撃を与えている。震災、老々介護、新興宗教、障がい者差別…。世の中に起こっている得体の知れない闇は須藤家に縮図となって現れ、全てを押し殺した依子の感情が発露されるとき、映画は絶望からエンターテインメントへと昇華していく。磯村勇斗は手話に挑戦キャスト&監督よりコメント到着筒井さんは、「最近は“壊れてゆく女性”の役が続いていたので、荻上監督の作風から想像するとご一緒させて頂ける機会はないかと思っていました。ですのでとても嬉しかったです。脚本を読んだ時、監督が醸し出す穏やかな空気の中に潜む日常の些細な棘、ビターな社会風刺が溶け合っていて目を見張りました。演出も人間の細部を見抜く力が的確で、身をゆだねることができ安心でした」とコメント。「いまは先の見えない不穏なものに覆われているような時代ですが、是非この映画を観て絶望に絡めとられず前を進む気持ちになっていただけたら」と語る。「久しぶりに荻上組へ参加させて頂き、凄く嬉しかった」という光石さんは、「監督は以前と変わらず、穏やかに粘り強く、俳優に寄り添い演出をしてくださり、安心して身を委ねる事が出来ました」と、やはり荻上監督への信頼を語った。磯村さんは「筒井真理子さん演じる母、須藤依子を中心に、家族や取り巻く人物達のやり取りは、怖いのだが、思わず笑ってしまうところが多く、荻上監督の描く世界は面白いなと、一気に引き込まれました」と語り、「今作では、手話が必要な役でした。新たな言語に触れる機会を頂き、現場でも一つ一つ丁寧に確認しながら作り上げていきました」と明かした。荻上直子監督<コメント全文>その日は、雨が降っていた。駅に向かう途中にある、とある新興宗教施設の前を通りかかったとき、ふと目にした光景。施設の前の傘立てには、数千本の傘が詰まっていた。傘の数と同じだけの人々が、この新興宗教を拠り所にしている。何かを信じていないと生きていくのが不安な人々がこんなにもいるという現実に、私は立ちすくんだ。施設から出てきた小綺麗な格好の女性たちが気になった。この時の光景が、物語を創作するきっかけになる。日本におけるジェンダーギャップ指数(146ヵ国中116位)が示しているように、我が国では男性中心の社会がいまだに続いている。多くの家庭では依然として夫は外に働きに出て、妻は家庭を守るという家父長制の伝統を引き継いでいる。主人公は義父の介護をしているが、彼女にとっては心から出たものではなく、世間体を気にしての義務であったと思う。日本では今なお女は良き妻、良き母でいればいい、という同調圧力は根強く顕在し、女たちを縛っている。果たして、女たちはこのまま黙っていればいいのだろうか?突然訪れた夫の失踪。主人公は自分で問題を解決するのではなく、現実逃避の道を選ぶ。新興宗教へ救いを求め、のめり込む彼女の姿は、日本女性の生きづらさを象徴する。くしくも、本映画の製作中に起きた安倍元首相暗殺事件によりクローズアップされた「統一教会」の問題だが、教会にはまり大金を貢いでしまった犯人の母と主人公の姿は悲しく重なる。荒れ果てた心を鎮めるために、枯山水の庭園を整える毎日を送っていた彼女だが、ついにはそんな自分を嘲笑し、大切な庭を崩していく。自分が思い描く人生からかけ離れていく中、さまざまな体験を通して周りの人々と関わり、そして夫の死によって、抑圧してきた自分自身から解放される。リセットされた彼女の人生は、自由へと目覚めていく。私は、この国で女であるということが、息苦しくてたまらない。それでも、そんな現状をなんとかしようともがき、映画を作る。たくさんのブラックユーモアを込めて。『波紋』は2023年初夏、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:波紋 2023年初夏、全国にて公開予定©2022 映画「波紋」フィルムパートナーズ
2022年11月29日長澤まさみがニュースキャスターを演じる「エルピス」。11月28日放送の6話では村井が語ったあるセリフに「報道でどんな経験してきたんだろう」「「村井語録」作って欲しいわ・・・」など、言葉に感銘を受けた視聴者からSNSに数多くの反応が寄せられている。ニュース番組のサブキャスターを担当していたが、路上キスを週刊誌に撮られ深夜の情報番組「フライデーボンボン」に飛ばされた浅川恵那は、同番組の若手ディレクター・岸本拓朗から、かつて世間を騒がせた“八頭尾山少女連続殺人事件”の犯人とされる死刑囚、松本良夫が冤罪ではないかと相談を受ける。2人が事件を調べていくなかで再び似た手口の事件が起こり、さらに路上キスの相手で報道のエース記者である斎藤正一から、事件の報道を控えるよう圧をかけられる。斎藤は元警察庁長官である副総理と太いパイプを持ち、副総理の大門が事件の調査をさせまいとしているのではないか…というストーリーが展開してきた本作。「フライデーボンボン」に飛ばされたアナウンサーの浅川恵那に長澤さん。冤罪の証明につながる大きな証言を得た「フライデーボンボン」ディレクターの岸本拓朗に眞栄田郷敦。事件の報道を妨害しようとする報道局エース記者の斎藤正一に鈴木亮平。かつて報道にいた「フライデーボンボン」のチーフプロデューサー・村井喬一に岡部たかし。松本の松本の弁護をしている木村卓に六角精児。斎藤と深い繋がりがある副総理の大門雄二には山路和弘といったキャストが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。松本逮捕につながった重要な証言がウソだった…証言者・西澤の元妻・吉村由美子の告白について、村井は事が事だけに報道部に任せるべきだという恵那や名越(近藤公園)の言葉をよそに、「フライデーボンボン」で大々的に報じると宣言。報道は大きな反響を呼ぶのだが、騒ぎが大きくなるなかで西澤が逃亡。重要な証言者がいなくなったことで再捜査も難しくなり、木村は恵那に怒りをぶつける。他媒体もこの件について報道を始めるなか、恵那は村井から、かつて自分がサブキャスターを務めていた「ニュース8」に出演するよう言われる…というのが6話の展開。本番が迫るなか、恵那は村井に、斎藤を通じて大門から会社に圧力がかかっていたから「フライデーボンボン」で由美子の証言を流すことにしたんですよね?と話す。斎藤が“権力の犬”へと変節したことに憤る恵那に、村井は「斎藤って男はさ、素質がありすぎるんだよ。報道じゃなくて“あっち側”の」と答え、「溢れる才能っていうのは文字通り溢れてくるもんで、自分で止められるやつなんていねぇ…つまりそれは同時に厄災でもあって、なにか大事なもんを人生から押し流しちまうことも、ままある」と語る。「溢れる才能が厄災って言葉にふるえた」「村井さん、報道でどんな経験してきたんだろうなぁ」「報道で煙たがられてバラエティ→関係会社に飛ばされたの、あまりにも生々しい」「ほんと「村井語録」作って欲しいわ・・・」など、村井のこの言葉にうなる多くの視聴者からの声がSNSに続々と寄せられる。その後「フライデーボンボン」は打ち切りに。恵那は「ニュース8」のキャスターとして報道に返り咲き、拓朗は経理部に飛ばされてしまう。しかし拓朗は事件の取材を続け、ついに瑛太演じる謎の男と大門の繋がりを知る…。「瑛太は大門の身内か?」「瑛太は副総裁の身内なんだろうね」「瑛太さんが大金持ちの息子で副総理と……」「瑛太が真犯人で政治家の息子だから揉み消されてるって話?」など、この展開にも多くの反応が集まっている。【第7話あらすじ】大門副総理が八飛市出身だと気づいた恵那は、新聞記者のまゆみ(池津祥子)に大門の身辺調査を依頼。斎藤の言動から警察に対し絶大な力を持っていた大門が、事件に何らかの形で関与しているのではないかと考える。大門に関わる重要人物のリストを手に入れた恵那は、ある仮説を立証すべく多忙な自分に代わってその人物たちを調べてほしいと拓朗にリストを託す…。「エルピス―希望、あるいは災い―」は毎週月曜日22:00~フジテレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年11月29日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年10月スタートのテレビドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』(フジテレビ系)の見どころや考察を連載していきます。時は2018年。12年前に起きた八頭尾山連続殺人事件の冤罪特集が深夜の情報番組『フライデーボンボン』で2回放送された後、突如棄却が決定した松本良夫(片岡正二郎)の再審請求。冤罪を暴くことに身も心も入れ込んできた浅川恵那(長澤まさみ)と岸本拓朗(眞栄田郷敦)だったが、上層部から正式に放送と制作の中止を言い渡され、二人は何も口出しできなかった。実際、視聴率も世間の反響も良かった。無関心でいる世の中の風向きが少しずつ変わり始めようとしたこのタイミングだ。数字が命の上層部だって、きっと第三弾を心待ちにしていたはずだった。だが実際は、テレビの要となる報道にお気楽バラエティーは敵うはずがなかった。現に、報道にいる齋藤(鈴木亮平)も制作中止の理由を、報道に検察などの大きな国家権力の圧がかかっているからだと考えていた。制作者の墓場である『フライデーボンボン』だから捻り潰さ潰されたのではなく、バラエティーは、報道には逆らえないといったパワーバランスが働いているのだ。そして岸本にこの話を持ちかけたチェリーこと大山さくら(三浦透子)が自殺を図っていた。命は助かったものの、錯乱状態だったチェリーは、自分自身に殺意を向け、ベランダから身を乗り出したのだ。松本のために真相追及していたチェリーだったが、それがかえって松本を追い詰めることになり、責任を感じているのだ。浅川はそのチェリーの姿を見て、これ以上詮索することは危険だと判断し、引き返すことを決めてしまった。手に入れた決定的な証言一方の岸本はこの時、立派な髭を生やし、人が変わってしまったようだった。友人を見殺しにした過去。『負け続けている』本当の自分を知り、彼は正義に縋ることでしか精神を保てる方法が見つからなくなっていたのだ。それは、ここで諦めたくないと躍起になっていた、かつての浅川恵那のようだった。「なんでこんなとこまで来ちゃったんだよ…」というぼやきは、タイヤがパンクしたまま加速し続ける自転車のハンドルをただ握り、後ろの自分が見えないようにする岸本の心の声なのだろう。そんな彼が目を付けたのは、松本逮捕の決め手となった目撃証言だった。当初報道された『ロン毛の男』の証言はいつの間にかすり替わり、いかにも松本を犯人に仕向けたような胡散臭い証言が取り上げられた。これを証言した西澤正(世志男)の身辺を調べ始めると、10年前まで八頭尾山近くの町に住んでいたことが判明する。その後も地道に現地で聞き込みを続ける中で、西澤の息子・健太の同級生だという男と接触することに成功した。その男が語ったのは、西澤がDVをしていたという新情報だった。岸本は健太を探す理由を述べた上で、健太を介して母親との接触を試みた。そして岸本は西澤の元妻・由美子に約束を取り付け、早速インタビューを行うが、そこで明かされたのは、隠された真実だった。由美子は、西澤の証言を「あり得ない」とキッパリと否定する。その時刻は自宅で酔っ払って寝ており、八頭尾山で松本の姿を見ていたはずがなかったという。そして金のために嘘の証言をしたという線も、身に覚えのない架空らしき会社からの振り込みという決定的証拠が裏付けていた。由美子は涙ながらに謝罪し、ふと事件が起こった日のことを思い出していた。あの日は獅子座流星群が流れる日だった。父親が暴力を振るう毎日、西澤家にとってこれが『普通』の日々となっていた。その『普通』を変えたのは、流れ星を一緒に見ようという息子の言葉だった。そして一緒に星空を見上げたという。日常が麻痺した彼らにとって、この日は特別だった。あの夜空だけは彼らに平等にあったのだ。そしてあの日、八頭尾山にいた井川晴美も、同じ空を。こうして岸本は今後を揺るがす、決定的証言を手に入れた。だがいつもなら喜んで報告する岸本の姿は、浅川の隣にいない。彼女はすでに齋藤正一という男に支配されていた。無機質な恰好から、カジュアルな出立ちとなり、「好きな女とうまいもん食いたい」という甘い言葉に乗せられ、今日もまた、浅川の心は冤罪事件なんて忘れて、自分達マスコミの罪なんて考えず、完全に斎藤の元にあった。そんな時、『ニュース8』のディレクター・滝川雄大(三浦貴大)から、斎藤が副総理・大門雄二(山路和弘)に可愛がられていると教えられ、浅川は驚く。斎藤は多くは語らない男だ。知らなくていいことだと何かを隠し、優しさを見せる。浅川はその優しさの裏側にあるものを見ようとしなかったのである。再び距離が近づいた二人だったが、お互いの思惑をそう上手くは汲み取れないのだ。岸本が抱えるもう1つの葛藤一方岸本は、母・陸子(筒井真理子)との歪な関係にもケリをつけたかった。陸子は「俺、この家出るね」と切り出した岸本の腕を掴み、「不自由なく暮らせたのは自分のおかげだ」と訴え、引き戻そうとする。「お前を食わせているのはこの私だ!」という言葉をよく聞くが、自分が与えてきた愛をこうして裏切られるなんて思いもしないのである。岸本は目も合わせようとしなかった。陸子は助けを求める声を無視し、大切な友人の命は一瞬にして消え去った。そしてその事実さえ、握り潰されてしまったのだ。だが陸子も家庭を守るには権力者に倣うしか術がなかったのである。二人共、結局同じなのだ。勝ちに留まるためには勝った者の前で平伏し、ひたすら負け続けるしかなかったのだ。岸本はそのまま母を置いて家を飛び出してしまう。閉じた岸本の扉を開いた唯一の人物は…そして岸本は冤罪特集の3回目を独断で放送することに決めた。岸本は嵌めようとした張本人であるであるボンボンガールの篠山あさみを利用しようとするも、差し替えVTRを渡す岸本の震える手を見て、事前に村井(岡部たかし)が差押えたため、放送はされなかった。放送終わり、村井に呼び出された浅川は、その時初めて岸本が掴んだ真実を知ることになった。浅川は、また真相が闇に葬られたことを嘆いていた岸本を呼び出し、「君は、本当にすごいことをしたね」と岸本を讃え、釈放の希望の光も見えてきたと前のめりに話した。少し間を置き、やっと口を開いたかと思えば岸本は「俺ちょっと、雑炊食っていいですか?」と言い出す。突然のことに失笑してしまうが、岸本は既に限界を迎えていたのにも関わらず、ずっとご飯を食べておらず、睡眠も取っていなかった。元気に雑炊を平らげ、眠りにつく岸本を見て、浅川は安堵する。岸本がたった一人で突っ走った結果、報道としての浅川を再び呼び覚ました。そして反対に、閉ざされた岸本の道をまた開いたのは、浅川ただ一人なのだ。今回は、報道とバラエティー、国家権力とマスコミの絶対に逆らえぬ関係、斎藤と岸本の先輩・後輩の関係、斎藤と浅川の依存関係、岸本と母親歪な関係…と今回は特にパワーバランスに焦点が当たっていた。それと対象に、浅川と岸本はお互いに良くも悪くも影響を及ぼし合っている関係なのだと言える。夜がもう少しで明けようとしていた。夜明けに岸本が感じたのは、真実を嫌う者が葬り去る闇の世界が晴れる、確かな自信なのだ。[文・構成/grape編集部]
2022年11月27日長澤まさみ主演「エルピス―希望、あるいは災い―」の第5話が11月21日オンエア。ファミレスでいきなり雑炊を注文する拓朗の姿に「涙が溢れて止まらなかった」などの声が上がるとともに、演じる眞栄田郷敦の演技にも「役作りすごい」など賞賛が集まっている。長澤さん4年半ぶりの連ドラ主演作となる本作は、スキャンダルでエースの座から転落したアナウンサーと、友人を救えなかった過去を持つ若きディレクターが、ある冤罪疑惑を追うなかで失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描く社会派エンターテインメント。ニュース番組のサブキャスターを担当していたが、路上キスを週刊誌に撮られて深夜の情報番組「フライデーボンボン」に飛ばされたアナウンサーの浅川恵那役で長澤さんが主演。両親が弁護士という裕福な家庭で育った岸本拓朗には眞栄田郷敦。元警察庁長官である副総理と太いパイプを持つ報道局のエース記者・斎藤正一に鈴木亮平。「フライデーボンボン」のチーフプロデューサーの村井喬一に岡部たかし。「ニュース8」のディレクターをしている滝川雄大に三浦貴大。拓朗の母で弁護士の岸本陸子に筒井真理子といったキャストも共演する。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。松本死刑囚(片岡正二郎)の再審請求が棄却され、責任を感じたさくら(三浦透子)が自殺を図る。さらに特集の続編を制作することを禁じられ、大きな力に脅威を感じた恵那は上層部の決定を静かに受け入れる。この事に納得できず、さらに村井に過去を明かした後から食欲も失った拓朗は単独で、事件の目撃証言をした西澤(世志男)の身辺を調べ始める。すると西澤がかつて事件のあった八頭尾山のふもとの町に住んでいたことが判明。現地で聞き込みを続けるなかで、西澤の元妻と繋がる。西澤の元妻にインタビューすると、事件の目撃証言は嘘で、証言をした後から架空の企業を通じ西澤に金が振り込まれるようになったことが判明。その映像を「フライデーボンボン」で流そうとする拓朗だが、その作戦は村井によって阻止される。絶望感をさいなまれる拓朗だが、映像を見た恵那は彼のもとに駆けつけ「最強の真実を君は掴んだ」と告げる…というのが今回のストーリー。恵那の言葉を聞いた拓朗は「…雑炊、食っていいっすか?」と切り出す。いきなりのことに「えっ!?」と驚く恵那に、拓朗は近くの客が雑炊を食べてる姿を見て「すっげぇ旨そうなんすよ…」と話す…。「今回もドキドキひやひやしながら見てましたが雑炊のくだりで爆笑しました」「岸本が、貪るように雑炊を食い散らかすのを見ながら、涙が溢れて止まらなかった」「緊張が解けた途端「雑炊食べたい」とか人の心の変化と食って強い繋がりがある」「(心が)死んでいた状態だったんだろうね。そして生き返ったからこそ、雑炊を食らい爆眠をかましたのだと」など、空腹感が蘇り雑炊を食べまくる拓朗に数多くの反応が寄せられる。また前回までと打って変わって、ひげ面で頬もこけた拓朗の姿にも「郷敦さんの役作りすごい 酔っ払った演技などもうますぎる」「演技の振り幅ハンパない郷敦に引き込まれた」「鬼気迫っていて郷敦くんの演技もっと見たいと思わされた」などの反応が続出。眞栄田さんの演技に賞賛が集まっている。【第6話あらすじ】逮捕の決め手となった西澤の目撃証言が覆されたことで、再審は現実味を帯びる。さらにこの事実が村井の魂にも火をつけ、報道部に任せるべきだという恵那や名越(近藤公園)の言葉をよそに、村井は「フライデーボンボン」で大々的に報じると宣言。オンエア後の反応はすさまじく、恵那たちの考えがいかに甘かったかを思い知らされる、取り返しのつかない事態が起きてしまう…。「エルピス―希望、あるいは災い―」は毎週月曜日22:00~フジテレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年11月22日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年10月スタートのテレビドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』(フジテレビ系)の見どころや考察を連載していきます。「構わない、全部覚悟の上だ。逃げも隠れもしませんよ」松本良夫死刑囚(片岡正二郎)冤罪特集を独断で放映した浅川恵那(長澤まさみ)はそう決意し、その瞳は放送中も真っ直ぐを捉え続けていた。このことは、MCの海老田天丼/海老天(梶原善)を除き、制作を共にした岸本拓朗(眞栄田郷敦)も、反対していたディレクターの名越公平(近藤公園)、そして村井(岡部たかし)をはじめ、誰も知らなかった。だが、その村井にジャーナリズム魂が舞い戻ったのか、何故か続行のサインを出し、オンエアも番組も無事終了。その後、浅川は名越からお決まりのパワハラ気味な叱責を受け、岸本にもお決まりの目力で責められる。その一方で、視聴率万年最下位『フライデーボンボン』史上最大の関心が寄せられるなど、世間の特集への反響は想像以上に大きかった。浅川と岸本のもとに、被害者遺族として取材した井川晴美の姉・純夏から電話がかかってくる。純夏は特集を見た晴美の友人が両親に反応を寄せたと聞き、浅川に感謝を伝えたかったのだという。浅川は直ぐに涙が溢れた。この特集を放送する意義があり、そして自分の正義が報われた瞬間だった。SNSの反応を見ても、事件をこのまま終わらせまいとするネットユーザーが大半を占め、6.5%という高水準の視聴率も浅川の背中を押した。放送不適切と判断したはずの局長もなぜか大喜びだった。浅川は、名越の嘘だったと言うが、局長が手のひらを返しただけのようにも思える。どちらにせよ、浅川の言う通り「おじさんたちのメンツとプライドは地雷」なのだ。自分のポジションを奪われないために必死にしがみつき、小さな塵のようなプライドを大きく見せびらかして壁の頂上で良い顔しながら笑ってるのだ。そんな状況の中だからまだ危ういことは、浅川自身もわかっていた。ただ一部が動き出すきっかけをつくっただけである。素直に喜ぶ岸本を制しながら一層意気込む思いだった。そして、笹岡まゆみ(池津祥子)から行方不明女子中学生の殺害事件の被害者と晴美の死体の特徴が酷似していることを教えられる。しかも自分達の間違いを隠蔽するためなのか、警察は捜査を終了させるとの噂もあるという。この情報提供を受け、浅川たちが次に調べたのは、矛盾している目撃証言だった。目撃者の西澤(世志男)は、「身長160cm、40~50代の作業服を着た男が山道から駆け降りてきて、自転車で立ち去った」と証言していた。しかし、捜査の初期段階では「ロン毛の若者だった」という別の証言があったはずだ。西澤の証言が嘘ならば、再審請求も通るはず。しかし『開かずの扉』と呼ばれる日本の司法ではそれが叶うケースの方が少ないのである。検察側の同意がいるDNA鑑定。隠したいことがあれば思い通りにできてしまうのだ。可能性はゼロではないものの、こんなのゼロに等しいも同然なのである。それでも浅川達はまずはこの目撃情報や矛盾点について第二回の特集を組んだ。ネットメディアを中心に世間の話題として広めることに成功し、名越も局長も後戻りはできなくなっていた。視聴者を騒然とさせた、長澤まさみのベッドシーンそんな矢先、浅川は弁護士の木村(六角精児)から、に、再審請求が棄却されたことを告げられる。視聴率は取れて世の中の関心は強いのにこのタイミングでの棄却。番組と関係があるのかも、何もわからなかった。しかしこれだけは推測できた。検察や裁判所、そのメンツがプライドが捻り潰されたようなものなのだ。今すぐ手を打ちたいものなのだろう。「敵はどこにいるかわからない」という村井の言葉が今返ってくる。人のためにある司法が時として敵として立ちはだかる。岸本は捜索を続ける意思を主張するが、浅川はもう半分諦めるしかないと思っていた。国中が再審しろと言えば動くかもしれないって思っていたが、ネットの反応なんて世の中の一部の声にすぎない。時が立てば話題は移り変わり、すぐ鎮火してしまう。浅川の「勝ってこないよ君」は岸本を含めた若者のような全てが人任せの人間を指しているのだ。国家権力の力を、思い知る。そして浅川は政治にも精通している斎藤(鈴木亮平)が話したかった内容がこれに関わることなのか気になり始める。斎藤を家に招き、早速再審請求が棄却されたことや何を話そうとしていたのかを聞くが、「知らない方がいいこともある」と言い、浅川の頬に手を添えるだけだった。そんな斎藤の誘惑を、浅川は拒むことはできない。断捨離で全てを捨て去ったはずの部屋にはダブルベットが置かれている。浅川にとっては、この世界に絶望した時に「大丈夫だよ」と言われ、何かを考えるより、ただ抱かれ、斎藤の温もりを感じる方が自分を守っているように思えるのだ。斎藤もそれを理解っていた。二人の関係は、ただ愛で繋がっているものではない。「かなわない、かないっこなかった、最初から」浅川の言葉はきっと斎藤に、そして権力にも。開け広げすぎた『パンドラの箱』そして岸本の元に視聴者から晴美と手紙の文通していたというネタが寄せられるが、斎藤からガセネタと告げられ、まんまと騙されたことを知り、村井とやけ酒をしていた。そこで村井に改めて忠告を受けるも、「負けちゃダメ」と特集を続ける意思を見せる。いや、『続けなくては』ならないのだ。自分が持ち込んだことへの責任を感じているわけではない。ただ彼は、全てにおいて勝ち組であり、エリートである自分を誇りに思い続けるしかないのだ。でも本当は、もうわかっていた。勝ち組という幻想の中に居続けるために、友達を見殺しにしてまで、偽りの笑顔を演じてきただけということを。それは、『負けている』と同然だったということを。「一体僕は、何に勝ってるっていうんですかね」そう村井に打ち明け岸本は、ある場所へと連れて行かれた。そこは明王中学の校舎が見える屋上だった。村井は当時、生徒の自殺を取材していたのだ。逃げ出そうとする岸本に、「自分が何に負けてきたのか向き合え。それができねえ限り、お前は一生負け続けて終わるぞ」と忠告する。岸本の目にはまだ、『あの手』がこびりついていた。「何だよ勝ち組って、どう勝ってんだよ…!」岸本は声を枯らして泣く。負け続けた『岸本拓朗』を、他人からも、勝ち組の自分にも見抜かれてしまった。勝ち組である自分が崩れ始めた。一発指で弾けば簡単に砕け散る、そんな脆い器だった。いつもそこにあった、奴の強烈な目力は今はもうない。食べ物も喉を通らなかった。浅川はそんな岸本の様子に「脳天から真っ二つに切られたような気がした」という。「自分の弱さを、愚かさを、情けなさを、見抜かれたと思った」そう言いながら鏡を見る浅川。落ちぶれたもう一つの自分を客観視したような気になったという暗示だろうか。『岸本拓朗』。つまりこれは私、『浅川恵那』なんだと。そしてラスト、再審請求が棄却されたと聞いた、チェリーこと大山さくら(三浦透子)らしき女性がベランダから転落する。パンドラの箱を開け広げてしまったことなよる、余波はどこまで続くのか。次週も注目だ。[文・構成/grape編集部]
2022年11月18日長澤まさみ、眞栄田郷敦、鈴木亮平共演「エルピス」の4話が11月14日放送。恵那を“口封じ”しようとする斎藤…その姿に「悪い男って言葉だけじゃ説明できない悪い男」「斎藤さんの思う壺って感じで後味悪かった」など視聴者から憤りの声が噴出している。本作は長澤さん演じる転落したアナウンサーと、彼女の番組を担当する若きディレクターが、女性連続殺人事件の冤罪疑惑を追う中で、一度は失った自分の価値を取り戻していく姿を描く、実在の複数の事件から着想を得た社会派エンターテインメント。キャストはニュース番組のサブキャスターを担当していたが、路上キスを週刊誌に撮られて深夜の情報番組「フライデーボンボン」に飛ばされた浅川恵那に長澤さん。両親が弁護士で裕福な家庭に育ったが、学生時代に暗い過去がある様子の「フライデーボンボン」芸能ニュース担当・岸本拓朗に眞栄田さん。恵那の路上キスの相手で、拓朗が新入社員時代に指導を受けた報道局エース記者の斎藤正一に鈴木さん。拓朗に“八頭尾山少女連続殺人事件”について調べるよう頼んだヘアメイクの大山さくらに三浦透子。恵那と拓朗の番組「フライデーボンボン」のチーフプロデューサー・村井喬一に岡部たかし。弁護士をしている拓朗の母の岸本陸子に筒井真理子。八頭尾山少女連続殺人事件で犯人とされる松本の弁護をしている木村卓に六角精児といった顔ぶれ。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。恵那は、八頭尾山少女連続殺人事件の被害者遺族ら事件関係者にインタビューした映像の放送を強行。VTRを独断で流した恵那は名越から厳しい叱責を受けるが、特集は好評で第2弾も放送される。そんな矢先、恵那は木村から、松本死刑囚(片岡正二郎)の再審請求が棄却されたという衝撃の事実を聞かされる…というのが今回のストーリー。“自分たちの報道のせいで松本の再審請求が棄却されたのでは?”と大きなショックを受けた恵那は特集継続の中止を決める。そして斎藤に連絡し「私に放送を止めさせたかったんじゃないですか?」と問う。斎藤は「そうだよ」とあっさり認め、「知らないほうがいいこともあるんじゃないの?」と続ける。怒りと悔しさが入り混じったような表情を浮かべる恵那の頬を撫で、「やめて」と拒もうとする恵那に「じゃあさ、なんでベッド買ったの?」とささやく…。この斎藤の放ったセリフに視聴者からは「じゃあ、なんでベッド買ったの」の破壊力えぐすぎて言われたい台詞オブザイヤーに堂々のランクイン」「もう「じゃあなんでベッド買ったの?」しか思い出せない どうしてくれるんだ」「じゃあ何でベッド買ったの?」をこんなに色っぽく言える鈴木亮平がすごい」など大きな反響が巻き起こる。また明確に“口封じ”しようとしていたことを明かす斎藤に「恵那がまだ好きだってことわかってるから……斎藤は、まじ悪い男だ」「斎藤さん、悪い男って言葉だけじゃ説明できない悪い男」「今回は完全に斎藤さんの思う壺って感じで後味悪かった」など、憤りの声も多数。一方で「恵那はただの女に落ちてるわけではなく、斎藤を引っかけようとしてる……?」と、恵那が単に斎藤に拐かされてるわけではないという投稿もタイムラインに上がっている。【第5話あらすじ】松本の再審請求が棄却され責任を感じたさくらが自殺を図る。特集の続編制作も禁じられ、あがらえない大きな力に脅威を感じた恵那は、上層部の決定を静かに受け入れる。だがどうしても納得できない拓朗は、単独で事件の目撃証言をした西澤(世志男)の身辺を調べ始める。聞き込みを続けるなかで西澤の新たな顔が浮かび上がってくる…。「エルピス―希望、あるいは災い―」は毎週月曜日22:00~フジテレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年11月15日冤罪というパンドラの箱を開けた、かつての人気アナウンサーが、失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描く社会派エンターテインメント「エルピス―希望、あるいは災い―」。早くもドラマファンが毎回期待を寄せる今作で主人公・浅川恵那を演じるのは、「コンフィデンスマンJP」以来、4年半ぶりの連続ドラマ主演となった長澤まさみ。初回から「圧倒された」「貫禄が素晴らしい」「一瞬で引き込まれた」など絶賛の声が相次いでいる中、第3話では長澤さん演じる恵那が、ついに独断で“正しさ”に突っ走ってしまう様子が描かれた。希望か、災いか。冤罪をテーマに昨今の世相を反映する「エルピス」「エルピス-希望、あるいは災い-」第4話古代ギリシャ語で、様々な災厄が飛び出すことから「決して開けてはならないもの」の例えとしても用いられる【パンドラの箱】の中に残されたものを示し、【希望】あるいは【災厄】と訳されるという「エルピス」。物語の舞台は2018年。報道局のエース記者・斎藤正一(鈴木亮平)とのキス写真を週刊誌に撮られるというスキャンダルによって、人気報道番組「ニュース8」のサブキャスターから一転、金曜深夜の脱力系情報バラエティ「フライデーボンボン」のコーナーMCを担当しているアナウンサーの浅川恵那(長澤さん)。彼女は、若手ディレクター・岸本拓朗(眞栄田郷敦)がヘアメイク担当の“チェリーさん”こと大山さくら(三浦透子)から依頼されたことをきっかけに、岸本とともに、最高裁で死刑判決を言い渡された松本良男(片岡正二郎)の冤罪疑惑を追うことになる。第3話では、恵那と拓朗が斎藤からアドバイスを受けながら、当時事件の捜査にあたっていた刑事と被害者遺族のインタビューに成功。一連の流れをVTRにまとめ「フライデーボンボン」の若手スタッフからも好感触を得て、あとは放送するだけとなったものの、最終的には放送局長から「放送不適切」とストップがかかってしまうところまでが描かれた。それまで、あまりにも多くの「言いたいこと」や「言うべきこと」を飲み込み続けてきた恵那は、眠ることや、食べることがうまくできなくなっていた。拓朗がこの話を持ち込んでも初めは「面倒なことには関わりたくない」と話し、事件を報道した記憶すらなかった恵那だが、当時ニュースを読んだ「浅川さんにだって責任はあるかもしれない」という拓朗の言葉に我に返る。いまさら冤罪を疑うことは国家権力を敵に回すことになり、もし追及に失敗したら無実かもしれない男性が死刑になってしまう。セクハラ、モラハラ、パワハラ常習の報道局出身のチーフプロデューサー・村井(岡部たかし)にもそう言われた恵那は、もうこれ以上、飲み込みたくないものは飲み込めない、と腹を決めるのだ。なぜか眞栄田さん演じる拓朗と一緒だと、事件の検証で作ってみたカレーさえも食べることができる恵那。事件現場の八頭尾山近くの喫茶店でもそうだった。拓朗の空気の読めないマイペースさや、生半可な正義感は自己評価の高さの裏返しであり、それが恵那を安心させるのか。ただ、そんな拓朗にも同級生がいじめにより自殺した、という過去がある。また、話題を集める鈴木さん演じる斎藤との関係も見逃せない。スキャンダルに巻き込まれても男性の斎藤は御咎めなしで、むしろ政治部官邸キャップへと異例の出世を遂げている。第2話では、エース記者の斎藤にプロポーズされたら「勝ちだ」とかつて思っていたことがどれだけ狂っていたのかわかった、と恵那が打ち明けるシーンもあった。第3話ラストでは、冤罪疑惑のVTRを放送できなくなったことで落ち込み、飲み過ぎてしまった恵那と、そんな彼女を見た斎藤はなし崩し的に再び関係を持ってしまう。これは「もう迷わない」と宣言した恵那の思惑なのだろうか…?とはいえ、恵那は岸本たちを置き去りにして、先に突っ走ってしまった。報道、とりわけテレビがもたらす映像の影響力は良くも悪くも凄まじい。それに長澤さんと「ラスト・フレンズ」(2008)や「若者たち2014」で共演している永山瑛太演じる、サングラスの長髪姿の男性も気にかかる。当初は生気のなかった恵那が冤罪を追う目的を得たことで凛とした凄みを増していく様を、見事に体現している長澤さん。エンドクレジットに参考文献がずらりと列記されるように実際の事件を参考にして練られた脚本は、NHK連続テレビ小説「カーネーション」や土曜ドラマ「今ここにある危機とぼくの好感度について」などを手がけ、今回初めて民放連続ドラマを執筆した渡辺あや。渡辺さんと、TBS「カルテット」やカンテレ/フジテレビ「大豆田とわ子と三人の元夫」などの佐野亜裕美プロデューサーとの6年越しの企画を背負うだけの気概も感じさせる。第8話あらすじ(12月12日放送)かつて迷い込んだ商店街で、暗がりのなか、えたいの知れない雰囲気と危険をはらんだ瞳で恵那(長澤まさみ)を惑わせた男――。その人物こそが、大門副総理(山路和弘)の有力な支援者である「本城建託」社長の長男・本城彰だという。あの男には何かある…。そう直感した恵那に頼まれ、拓朗(眞栄田郷敦)が調べると、彰に対する地元の評判は上々。だが一方で、その存在があまり知られていないことも分かった。八頭尾山で3人目の女子生徒が殺されてから、再び犠牲者が出るまでの12年間、彰は海外を転々としていたという。連続猟奇殺人の犯人について、ある“仮説”を立てた拓朗は、再び八飛市で聞き込みを行い、最後に殺された中村優香と親しかった高岡ひかるにたどり着く。ひかるは、亡くなった優香をどこか快く思っていない様子だったが、拓朗がある質問をすると、当時のことをぽつりぽつりと話し始めた…。さらに、ひかるの携帯電話に残されていた写真が、拓朗をさらに突き動かすことになる。事件の真相に近づこうと突き進み、興奮気味に報告をしてきた拓朗に対して、恵那の反応は妙に鈍かった。強いいら立ちを隠せない拓朗はついに、恵那に“本心“を問い詰めたが、返ってきた言葉は…。大河ドラマから“ダー子”まで役にとらわれない姿勢1987年6月3日生まれ。静岡県出身。2000年「東宝シンデレラ」オーディションのグランプリに選ばれデビューした長澤さんは、デビュー20周年を超え、ますます精力的に活躍している。『キングダム』(19)で『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)以来となる2度目の日本アカデミー賞最優秀助演女優賞に輝き、実話をベースにした大森立嗣監督作『MOTHER マザー』(2020)では新境地を見せ、人気シリーズの映画化第2弾『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(2020)と合わせて第44回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。『MOTHER マザー』シリアスな人間ドラマから「コンフィデンスマンJP」の“ダー子”まで、実に様々な作品・ジャンルに挑んできた長澤さんだが、『MOTHER マザー』でのシネマカフェインタビューの際には、「実は、(同作の)秋子を演じる前まで、明るい役や強い役が続いたりしていたんです。ワッと感情的な雰囲気を持つ役が多かったので、1度払拭したい思いがありました」と、チャレンジをいとわない姿勢を語ったことも。また、台湾のドラマシリーズ「ショコラ」(2014)や中国映画『唐人街探偵 東京MISSION』(2021)などアジアでも知られる俳優となり、近年は生徒から教師になった「ドラゴン桜」シーズン2、歌声も披露する『SING/シング:ネクストステージ』(2021)、『シン・ウルトラマン』『百花』(2022)などに絶え間なく出演。現在は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で語りを務めているが、10月16日の放送回では「真田丸」(2016)以来の“出演”も果たしている。『海街Diary』(2015)綾瀬はるか、夏帆、広瀬すずとの共演で演じた四姉妹の次女・佳乃は、思っていることをはっきりと言う。信用金庫の窓口業務から営業に異動になり、坂下(加瀬亮)と外回りをするうちにその真摯な仕事ぶりに影響を受けていくキャラクター。真面目なスーツ姿の反面、男性関係で不運が続くとやけ酒するというギャップも。『グッドモーニングショー』(2016)長澤さんとテレビ局といえば、朝の情報番組のサブキャスター役を演じた本作がある。主人公は、ある災害現場のレポートで“失態”をした落ち目のキャスター・澄田(中井貴一)で、長澤さんは澄田と交際していると信じ込むアナウンサー・小川圭子役に。「初めての女子アナ役ということで、普段のお芝居の時の発声とも異なるので、現役の女子アナの方に発声指導を受けて視聴者に分かりやすく伝える大事さを知りました」と製作発表時にコメントしていた。『マスカレード・ホテル』(2018)ベストセラー作家・東野圭吾原作、木村拓哉ら超豪華キャストが共演したグランドホテル形式ミステリー。捜査のためにホテルにやってきた刑事・新田浩介(木村さん)の指導役を務めるフロントクローク・山岸尚美をクールに熱演。“お客様第一”という仕事に対する矜持が仇になってしまう(!?)山岸は必見。『すばらしき世界』(2020)前科者の三上(役所広司)が社会復帰を目指す密着番組を撮ろうと、ディレクター・津乃田(仲野太賀)を焚きつけるTV局プロデューサー・吉澤を演じた。西川美和監督との初タッグを「常に緊張感があり、コツコツと積み重ねる仕事だと改めて思った」と述懐していたのが印象的。あるとき、ブチキレた三上の姿を見て慌てて逃げ出してしまった津乃田に、「撮らないなら止めに入れ、止めないなら撮って人に伝えろ」と、どっちつかずの“報道”は何も救わないと叱責したことも。社会からはみ出した人が「いまほど生きづらい時代ってない」と話し、三上を通じて世間に一石を投じるつもりはあったようだが、三上の密着にためらいを見せ始める津乃田とは異なり、映像を見ながら「面白い」と笑う姿もあった。『コンフィデンスマンJP 英雄編』(2022)「目に見えるものが真実とは限らない。何が本当で、何が嘘か――」。まさに「エルピス」での真相追及かのようなセリフでお馴染みの本シリーズ。映画3作目ともなれば、ロケ地も(?)騙しもパワーアップ&スケールアップ。詐欺で変装するキャラクターが憑依し、役に振りきる“ダー子”は長澤さんの演技力を堪能できる。なお、今作ではジェシーやスタアはきっと世界のどこかにいる、と思わせる演出が心憎い。『ロストケア』(2023年3月公開予定)松山ケンイチと長澤さんが連続殺人犯役と検事役で初共演する、社会派エンターテインメント映画。松山さん演じる献身的な介護士・斯波宗典は、42人を殺害しながら「僕は42人を“救いました”...」と供述、長澤さん演じる検事・大友秀美は彼が言う“救い”や、“正義”に向き合うことになる。「正しいとはなにかを、悩み、心が揺れ動く役でした。私自身の迷いや心の揺れと、秀美の感情が良い方向にリンクし、良い演技ができました」と語っており、「エルピス」との共通点もありそうだ。(上原礼子)■関連作品:ロストケア 2023年3月24日より全国にて公開©2023「ロストケア」製作委員会
2022年11月14日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年10月スタートのテレビドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』(フジテレビ系)の見どころや考察を連載していきます。人それぞれに『正しさ』がある。そしてその『正しさ』は時に凶器へと変わる――。『エルピス』第3話をあらすじとともに振り返る三人の死刑執行が突然報道される。12年前の連続婦女殺人を冤罪事件として追う、浅川恵那(長澤まさみ)は、死刑執行が死刑囚となった松本良夫(片岡正二郎)でないことに安堵するも、一刻も早く冤罪証明が急がれた。そんな中、当時の担当弁護士の木村卓(六角精児)から、首都新聞の記者・笹岡まゆみ(池津祥子)を紹介され、共に事件を追う岸本拓朗(眞栄田郷敦)も同席して会うことに。笹岡のクセの強さに圧倒されつつも、新聞社が調べた過去の事件資料を手に入れた浅川達は早速、資料をもとに取材を行うことにした。まず、事件の捜査に関わった八飛署の刑事・平川勉のもとを訪ねた。岸本が真犯人が野放しになっている可能性があると必死に伝えるも、平川は完璧に解決済みであり、絶対にあり得ないとの一点張り。だが当時の捜査のことは「正直、あんまり覚えていない」と言う。覚えていないのにそう言うのは、最高裁の判決を信じているからなのだ。我が国の司法に絶対的正しさを求める彼にとっては、岸本が思う闇なんてどこにもない。だが岸本は自分の正しさを見せつけるかのように言い返す。浅川に『空気の読めない人』だと言われたが、岸本は『空気を読む』ことを正しさと信じて人生を送ってきたのである。「空気ってどうやったら読まないでいられるんだろう」そう呟く浅川も空気を読んでばかりだった。自分が我慢さえしておけば、世界は勝手に動いていく…そう思うのだった。マスコミが被害者に与える罪その後、当時取り調べを行った山下守にインタビューを敢行できることになる。この人物こそ、松本の自供を引き出したとされる人間だった。身に覚えのない罪で連行し、暴力を振るい、脅し続けた結果、松本が漏らしてしまった「もう許してください」を自白の代わりとした人間だ。山下は言葉を濁しながら、「それはやったということです」と正当化する。もう私には関係のない話だからこれ以上聞くなという空気がそこにはあった。『空気が読める』浅川は言い返すことができなかった。それから撮影した映像を編集していた際に、斎藤正一(鈴木亮平)から被害者遺族を味方につけるというアドバイスを受け、ご遺族の居場所を探すことに。これが難航するかと思われたが、事件の捜査を行った刑事を見つけるよりずっと簡単だった。それは被害者のプライバシーなど、全然守られちゃいないということを意味していた。事件が起こるとマスコミは被害者近辺を漁る。交友関係を探り、家を囲み、採れたてホヤホヤの情報から無神経な質問ばかり投げかける。被害者の心配をしている者などほとんどおらず、ネタの鮮度ばかり気にして大スクープだと騒ぎ出すのだ。12年前の事件の被害者の遺族も同じだった。井川晴美が下着を売るためにあの山に入ったと報道されたことを受け、次々と不躾な質問を投げかけられた。マスコミにはもう懲り懲りだった。そんなところで「別に真犯人がいる」などと今更言われたって、最愛の娘は帰って来やしないのだ。浅川達は案の定門前払いされてしまう。浅川が偶然出会った店主は、キーマンとなりえるのか取材を諦めた浅川がその近くを歩いていると、偶然怪しげな路地裏に迷い込む。そのシャッター街の中で、その店は開いていた。浅川は恐る恐る、店主らしき男に、事件について覚えているかと尋ねる。その長い髪を結んだ男は、何かを知っているような反応を見せた。「あなたがお知りになりたいことは、言語なんて目の粗い道具だけですくいきれるものではありませんよ」男は浅川に徐に近寄った。男の瞳はまばたきさえせず、静かに浅川を捉えた。電話が鳴ったため、浅川は一度その場を離れるも、岸本を連れて戻った時にはその店はもう、そこにはなかった。何かある。あの人は何かを知っている。浅川は静まり返った路地裏を振り返った。この人物がキーマンとなるのだろうか…。そして、遺族のインタビューに既に諦めムードな岸本に、浅川は同じマスコミである自分達の過ちは自分達で挽回するしかないと一喝する。それからも取材に奔走していると、被害者の井川晴美の姉・純夏から電話が入る。純夏は事実は別にあるかもしれないという言葉に救われていた。あの日の夜、姉妹で八頭尾山へ流星群を見に行く約束をしていたこともあり、晴美が下着を売るために山に入ったという説明もどうしても信じられなかった。「純夏さんのお姿とお声は、私たちがどれだけ言葉を並べたって伝えられないことを、一瞬で伝えてくださると思います」『言語という目の粗い道具』では掬いきれぬくらいの純夏の思いを乗せたインタビューは、浅川の正義感を奮い立たせ、感化されやすい若者の中にある正しさを目覚めさせた。「正しいことなら味方は勝手についてくる」という浅川の言葉は本当だった。しかし、ぬるま湯に浸かり続けてきた者たちは最も変化を恐れる。番組の体制自体に問題があると念を押すも、製作陣は難色を示していた。だがプロデューサーの村井喬一(岡部たかし)は賛成する。当時の刑事の顔出しNGを指摘するなど、ジャーナリズム心に火が着いたかのように思われたが、局長に却下されることを見越してただ投げやりになっただけらしい。一方の浅川もそれは何度も経験したことで分かりきっていた。正しいと思うことを貫きたいマスコミだっているのだが、そこには腐りかけた世の中が作り上げてきた壁があるのだ。覚悟を決めた浅川の『正義』が視聴者を動かすその夜、話したいことがあると、浅川の自宅に斎藤が尋ねてくる。お酒を飲んでぐったりする浅川の前で、斎藤は一人煙草を吸い始めた。食べ物すら喉に通らない浅川はまた吐き出してしまう。権力に敵わないと思い知ったとしても、どうしても飲み込みたくはなかったのだ。浅川は声を上げて泣き出し、斎藤の優しさを求めた。酒と煙草に縋るしか落ち着いてはいられない二人は、互いを求め合った。今この時に湧き上がる欲望と気持ちに正直になったのである。そして浅川は一人、覚悟を決めた。翌日、『フライデーボンボン』で放送されたのは、冤罪特集の映像だった。いつも通り浅川が笑顔を見せて始まるコーナーの中身は、パンドラの箱。それはまるでEDでチェリーこと大山さくら(三浦透子)がテレビ越しに浅川を見ていたように、受け取る視聴者に浅川の正義は広まって行く。混乱に包まれた現場を置き去りにして、そのVTRは流れ続けた。浅川と岸本、2人の『正しさ』とは人それぞれ『正しい』と思うことがある。浅川はもはや何かに取り憑かれているようだ。「自分たちの過ちなんだから、自分たちで何とか挽回するしかない」という言葉は、根底にある正義なのだ。同じく、いじめの加害者として友達を見殺しにした岸本も、とにかく正しいことがしたいのだ。冤罪を暴くことも、披露宴で楽しくなくても笑い、祝福する気がなくても話を合わせて空気を読み、未だに墓参りに行くのも、自分は正しさの中にいるのだと気持ちよくなりたいのだ。浅川恵那、岸本拓朗。二人の正しさは『救い』か『凶器』か。新たなフェーズを迎える次回も必見だ。[文・構成/grape編集部]
2022年11月13日長澤まさみ主演「エルピス―希望、あるいは災い―」第3話が11月7日オンエア。泥酔した恵那が斎藤にしたキスに「キスから朝の間に何か話がついたんじゃ」など、視聴者の間で様々な憶測が広がっている。長澤さんが「コンフィデンスマンJP」以来4年半ぶりに連ドラで主演する本作は、スキャンダルでエースの座から転落したアナウンサーが仲間たちと冤罪疑惑を追うなかで、失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描く社会派エンターテインメント。キャストは路上キスを週刊誌に撮られてニュース番組を降板、異動して深夜の情報番組「フライデーボンボン」のコーナーMCを担当している大洋テレビアナウンサー・浅川恵那役に長澤さん。共演には両親が弁護士という裕福な家庭で育ったが、過去に闇を抱えている様子の岸本拓朗に眞栄田郷敦。報道局のエースで恵那の路上キスの相手でもある斎藤正一に鈴木亮平。恵那と拓朗が追うことになる冤罪事件に深く関わるヘアメイクの大山さくらに三浦透子。冤罪事件を扱うことに否定的な元報道で「フライデーボンボン」チーフプロデューサーの村井喬一に岡部たかし。「ニュース8」ディレクターの滝川雄大に三浦貴大。拓朗の母の岸本陸子には筒井真理子。副総理の大門雄二には山路和弘といったキャスト。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。弁護士の木村(六角精児)から新聞記者の笹岡まゆみ(池津祥子)を紹介された恵那と拓朗は、当時の事件資料を手に入れることに成功。恵那は資料をもとに12年前に事件の捜査に関わった八飛署の刑事・平川勉を訪ねるが「犯人は松本で間違いない」の一点張りで、実際に取り調べを行った刑事もすでに退職して所在は不明だった。が、2週間後、拓朗が刑事の居場所を突き止め、恵那は松本の自供を引き出したとされる山下守元警部にインタビューを敢行する…というのが3話の展開。被害者遺族のもとに取材に赴く恵那たちだが、遺族から水をかけられてしまう。その帰り道、目の前を通りかかった事件被害者と同世代の女子学生たちのあとを追った恵那は、薄暗い通路に1軒だけ開いている店を見つける。気になって店の人間に事件について聞くと、その男は「その話をするなら、まずこの店を閉めなければ」と立ち上がり、「シャッターを降ろして鍵を閉め、この電気を消し、そしてあなたが聞くというのなら話しますよ」と恵那に迫る…。永山瑛太演じるその男に「瑛太…今日は完全に持って行かれた、あの妖気」「1シーンで凄い印象残してる」「怪しすぎる瑛太の店、、、色々目が離せない」「瑛太出てきたとき、ちょっと怖かった」などの声が続出。「怪しげな雑貨屋の謎のロン毛男=瑛太氏の登場に唖然。いかにも真犯人ぽい」という声と同時に「あんな感じで瑛太出てきたらもう視聴者は犯人瑛太に確定なんで是非そのウラをかいていただきたい」といった反応も上がり、永山さん演じる謎の男の正体がSNSでは大きな話題に。一方、被害者の姉のインタビューまでとったものの、“局長判断”として映像をボツにされた恵那は落ち込んで泥酔。そんな恵那のもとを訪ねる斎藤。斎藤は嘔吐したのち号泣する恵那を優しくいたわる。すると恵那は斎藤にキスをして…2人のキスシーンには「彼女は彼を悪い男かと知っていて、未練半分、何かしらほだそうと企みがあるのか…」といった声や、恵那が斎藤がやってきた目的に気付いたうえで「忠告(という名の圧力)を聞いてしまうと身動き取れなくなるし、後に彼を巻き込む可能性もある。つまり、あのキスは「逆口封じ」」だとする声。ラストで恵那がスタッフを騙して事件の取材映像を流したことと絡めて「浅川さんと亮平とで、あのキスから朝の間に何か話がついたんじゃなかろうか?」と推測する声まで、様々な反応が寄せられている。【第4話あらすじ】恵那の画策で被害者遺族ら事件関係者にインタビューした映像が「フライデーボンボン」で放送される。恵那の“奇襲”にスタッフたちはぼうぜん。オンエア後恵那は名越(近藤公園)から厳しい叱責を受けるが、一方、特集への反響は想像以上に大きなものとなっていく…。「エルピス―希望、あるいは災い―」は毎週月曜日22:00~フジテレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年11月08日Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。2022年10月スタートのテレビドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』(フジテレビ系)の見どころや考察を連載していきます。今真実として見えている世界は、嘘か真か。「真犯人は野放しになってるんですよ」大洋テレビの番組『フライデーボンボン』のコーナーMCを担当するアナウンサー・浅川恵那(長澤まさみ)は、そう言い残し早々に離脱した若手ディレクター・岸本拓朗(眞栄田郷敦)に代わり、12年前の連続殺人事件の冤罪を暴くために、一人で事件を追っていた。そんな中、事件は再び音を立て始める。行方不明となっていた八飛市在住の女子中学生・中村優香が八頭尾山で遺体で発見されたのだ。そして首には絞められた跡が。これは連続殺人事件の被害者と同じ状況だった。これが真犯人ならば死刑囚となった松本良夫(片岡正二郎)の冤罪を証明できる。浅川は今が世間の興味を引ける絶好のチャンスだと考え、自分のコーナーで取り上げようとするも、プロデューサーの村井(岡部たかし)達に猛反発され即刻却下。誰も危険な橋は渡りたくない、お気楽で地に落ちたまま安定してしまった環境。それが業界の墓場『フライデーボンボン』だ。落ちこぼれた者達の受け皿というのは、実際、浅川も同じだった。だが浅川は固く決意していた。「私はもう、あとに引く気はない」チェリーが明かした、松本の素顔浅川は逮捕当日に松本の家で保護されたヘアメイクのチェリーこと大山さくら(三浦透子)から話を聞く。彼女が声を震わせながら語ったのは、松本から感じた確かな温もりだった。事件が起こった日はチェリーの誕生日だった。19時頃に家に帰ると、松本はカレーを作り、お祝いのケーキも用意して待っていた。虐待を受けてきたチェリーにとって、これが初めて生まれてきたと実感した瞬間だった。虐待から身を救い、誕生日まで祝ってくれた松本のことを思うと、殺人犯とは信じ難かった。他人に見せる表情など、本当の姿のほんの一面に過ぎないのかもしれない。それでもチェリーはこの十数年間、たった一人で裁判記録を纏め上げ、冤罪事件と闘い、松本を信じてきたのだ。そんな思いを受け、浅川はひとまず事件当日の松本の行動を洗うことに。そして一度は手を引いた岸本も、浅川の動向は気になって仕方なく、その異様に強い目力で浅川を見つめ続け、覚悟はないが自分も手伝いたいと申し出てくる。無責任に足を踏み入れ、人の目を怖れて中途半端に身を引いたと思ったら、覚悟なんてそらに浮いたまま首を突っ込む。そんな現代の若者の写鏡のような岸本に呆れつつ、仲間は多い方がいいと考えた浅川は、岸本にも松本の動きを再現してもらうことに。その中で、違和感があることに気づく。弁護側は退勤後、食品とケーキを買ってそのまま帰宅。1時間かけてカレーを作ったと主張。しかし検察側は、ケーキを買った後八頭尾山に向かい、30分の間に殺害して、チェリーが帰宅するまでの10分でカレーを作ったと主張していた。実際に二人が検察側の主張通り足取りを再現するも、時間的に厳しいものがあった。しかも10分で作ったカレーは当然不味く、ケーキは原型を留めていなかった。そんな短時間でカレーを作れるもんじゃないことを、検察側の人間も解っていたはずだった。それでも、松本を挙げるという上の方針は変わることはなかったのである。しかも、岸本が協力をお願いしていた報道局のエース斎藤正一(鈴木亮平)によると、山の入り口で目撃されたのは『ロン毛の若者』だと報道されたが、いつの間にかこの目撃証言はすり替わっていったのだ。このインチキな報道が偽物の真実を作り上げたのだろうか。最初から全て無かったかのように。そして控訴審から松本を弁護していた木村卓(六角精児)を通して面会を申し込んでいた松本から、浅川宛てに手紙が届く。綴られたのは、悲痛な叫びだった。「私は弱い人間であります。情けない男であります。しかしながら、私は決して殺人犯ではありません」身に覚えのない罪で力づくで連行され、昼夜問わず暴力を振るわれ、脅され続けれ、身も心も疲弊したタイミングで、認めれば楽になれると見せかけの優しさに、松本は「もう許してください」と漏らしてしまった。それが自白の代わりとなった。松本は今、死刑囚として突然処刑を告げられる朝、格子の隙間から差す光を見る時を待っている。そんな、違う世界線だと思いたくなるような自白の取り方を有り得ないと感じただろうか。きっとリアルならば、私達は自分が巻き込まれてなくて良かったと思うだろう。真実がそうだと簡単に飲み込んでしまうのは、自分のテリトリー外のものには、潜在的に信頼を寄せていると見せかけて、ただ無関心なのだ。だが実際そうした大きな権力が、松本のような声の小さい弱い者を選別し、踏み潰すと同時に、何も知らない人間を、嘘で塗り固められた簡単には出られぬ塀の中に追いやるのだ。そして今日も純白なケーキを笑って食べる。それが本当はぐちゃぐちゃになっているとも知らずに。『エルピス』がフィクションでありながらリアルな点情報提供のお礼として斎藤を自宅に招いたとき、そして「マスコミ報道は無責任」と木村に突かれたとき、浅川は自分のこれまでの有様を思い返していた。浅川は上層部にかけあって入社3年目でサブキャスターとなった。将来性のある斎藤との関係も、今思えば自分を大きく見せるための手段でしかなかった。その矢先のスキャンダル。浅川は皮相だけを見続ける自分に気づいたのだ。ずっと前から知らぬうちに沢山のものを失っていた。そしてそれは『どんなことが起こっても正しい真実を伝えるキャスター』という夢も同じだった。「そんな夢は一生叶えられないと知りました」浅川は思い出す。3.11。原発に関して、問題ないと強調した自分を。2020五輪の招致。汚染水による東京への害はないと、最終プレゼンを報道した自分を。東京五輪が開催決定し、震災復興へ人々も期待を寄せているというコメントをした自分を。そこには、実在する出来事の映像と共に、笑顔の仮面を着け、渡された原稿を、何度も練習して修得した『真実のような語り口』で伝える浅川の姿があった。この作品が『フィクション』であり同時に『リアル』な点はここにある。実際の事件から着想を得た今作で、現実にリンクさせた演出が伝えるのは、目に見えない圧力だ。あたかも真実のように伝えられた中に紛れてしまった真実や抑え込まれた叫びがどれほどあったのかということなのだ。この一つの冤罪事件を通して、私たちも今、見つめ直すべきなのだ。第1話と変化した第2話ED初回から続いて大注目となった第二話。今回で気になるのが初回とのEDの違いだ。最後、浅川を見ながらショートケーキを食べていたチェリーから、じっと見つめるチェリーに変わっている。事件の鍵を握っているのチェリーという暗示なのだろうか。そして浅川と斎藤の関係、岸本の掌の鉛筆で刺した傷の記憶とは…。そして死刑囚の死刑を執行を告げるニュースを、浅川達は目にする。また『本当の真実』が消えてしまうのだろうか。次回も目が離せない。[文・構成/grape編集部]
2022年11月06日窓辺の総合インテリアメーカー、トーソー株式会社(本社:東京都中央区/代表取締役社長:前川 圭二)は、カンテレ・フジテレビ系列 連続ドラマ「エルピス-希望、あるいは災い-」に美術協力をしました。主人公が勤めるテレビ局のセットにアルミブラインド「ベネアル25」が登場しています。■協力製品アルミブラインド ベネアル25 ※こちらはベネアル25の使用事例イメージです。TB-905 シルバー■製品の詳細は以下のURLからご覧いただけます。アルミブラインド: ■番組概要放送 : カンテレ・フジテレビ系列2022年10月24日~ 毎週月曜日 よる10時~放送タイトル : 「エルピス-希望、あるいは災い-」公式サイト: ストーリー: スキャンダルによって落ち目となったアナウンサーと、バラエティー番組の若手ディレクターらが、10代女性が連続して殺害された事件の冤罪疑惑を追う中で、一度は失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描く、社会派エンターテインメントです。■画像はこちらよりダウンロード可能です。 ■会社概要会社名 : トーソー株式会社所在地 : 〒104-0033 東京都中央区新川1丁目4番9号代表 : 代表取締役社長 前川 圭二設立 : 1949年9月資本金 : 11億7,000万円事業内容: インテリア製品の企画、製造、販売 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月01日