トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業の自動車メーカー3社は2月12日、燃料電池自動車用の水素ステーションの整備促進に向けた支援策を検討し、共同で取り組むことに合意したと発表した。水素を燃料とする燃料電池自動車の普及のためには、魅力ある商品の提供はもとより、水素ステーションの整備が重要であり、現在、インフラ事業者による取り組みが鋭意進められているが、燃料電池自動車の導入初期においては、水素ステーションの設置・運営は容易ではない。これに対し、政府は、2014年6月に策定した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を踏まえ、燃料電池自動車の普及のためには水素ステーションの整備が早急に必要であるとして、補助金による水素ステーションの設置支援に加え、燃料電池自動車の新たな需要創出活動を推進するために水素ステーションの運営支援などを含む施策の拡充を決定した。こうした状況から、自動車メーカー3社は、ユーザーの利便性を確保し燃料電池自動車の普及を後押しするため、政府およびインフラ事業者だけではなく、政府の補助金による支援のもと、自動車メーカーとしても、ロードマップの実現に向けて水素ステーションの整備促進に取り組むことが必要であるとの認識を共有し、今後、水素ステーションの運営に係る費用の一部負担などの具体的活動の検討を進めていくという。
2015年02月17日2015年第1回となる今回は「ターミナルの環境整備」について。初期設定のまま、"素"のままでは本来の機能を発揮できず、ユーザのTerminal嫌いを助長しかねないため、敢えて古典的なテーマを取りあげることにする。年初でもあり、取り組むには格好のタイミングではないだろうか。○そもそも「シェル」の役割とはひとくちに「ターミナル」というが、実際のところ2つのプログラムにより構成される。ひとつは「Terminal.app」で、OS XのGUIを利用したターミナルエミュレータ(CUI端末として動作するソフトウェア)だ。これが狭義のターミナルだが、その上ではもうひとつ「シェル」と呼ばれるプログラムが実行される。ターミナルエミュレータ上でシェルが実行されることで、単なる文字列に過ぎないコマンドラインが適切に解釈され、コマンドとしての機能を果たすというわけだ。その意味でTerminal.appとシェルは不可分の関係だが、シェルは変更が可能だ。OS Xの場合、多くのLinux OS同様「bash(バッシュ)」が利用されるが、FreeBSDやNetBSDにユーザが多い「tcsh(ティーシーシェル)」も選択してもいい。ほかにも多機能な「zsh」やUNIX最初期のシェル「sh」も用意されており、必要に応じて使い分けることができる。くどいようだが、Terminal.appとは別のプログラムであり、設定も完全に分かれている。シェルの役割は、コマンドラインの解釈と実行だけではない。キーボードからの入力を受け取り処理する機能、具体的には「ショートカットキー」(UNIXでは「キーバインド」と呼ばれることが一般的)は、シェルの担当だ。タスク管理機能やプログラム(シェルスクリプト)を実行するインタープリタとしての機能もある。カラー表示や警告音も、シェルがターミナルエミュレータに命令することで実現される。当コラムで採用しているコマンドラインを紹介するときの表記方法 -- 行頭に「$」があるアレだ -- も、bashデフォルトのプロンプト(コマンド入力待ち状態にあることを示す記号)であり、設定を見直せば変更できる。ただし、GUIのない時代から存在するだけに、シェルの設定は若干クセがある。環境設定パネルのようなGUIがないため、テキストファイルに記述するしかないのだ。しかも行頭が「.」で始まる通称ドットファイルのため、Finder上には表示されず、ダブルクリックで編集を開始することもできない。その内容も、UNIXの流儀を知らないユーザにとっては呪文のように見えるはずだ。○まずはプロンプトの設定からこのように扱いやすいとは言い難いターミナルの環境設定だが、基本ワザさえ理解すればシェルの設定はそれほど難しくない。まずは、以下のコマンドラインをターミナルで実行してほしい。これで、テキストエディットが起動し、bashの初期設定ファイル「.bash_profile」の編集を開始できるはずだ(「~」はホームディレクトリ、「~/.bash_profile」でホームディレクトリ直下の「.bash_profile」となる)。このファイルを作成しておかないことには、システム標準の設定が適用されてしまい、bashの機能が生かされない。$ touch ~/.bash_profile$ open ~/.bash_profileどのような設定をここに書き込むかだが、まずは以下のリストをコピー&ペーストのうえ保存してほしい。その後ターミナルを再起動すれば、プロンプトの変化に気付くはずだ。export LANG=ja_JP.UTF-8export PS1=’\u@\h \w\n\$ ’まず、「export」は環境変数を定義するためのシェル(bash)の内部コマンド。環境変数とは、シェルが起動されたときに参照する一種のストックヤードで、変数に応じた機能が用意されている。環境変数の定義がシェル・カスタマイズの第一歩であり、作業の大半を占めると言ってもいいほどだ。1行目の「LANG」は、シェルが表示に使う文字コードを格納しておくもので、「ja_JP.UTF-8」は日本語UTF-8を使用することを意味する。OS X標準のファイルシステム「HFS Plus」は、ファイル/フォルダ名の文字エンコーディング形式にUTF-8を使用するため、一致させておく必要があるのだ。この定義は日本語環境では必須ともいえるもので、必ず記述しておきたい。2行目の「PS1」では、プロンプトを定義している。たかがプロンプトと思うことなかれ、bashでは27ものオプションが用意されており、ユーザ名/ホスト名や日付、現在時刻などの情報を表示できるのだ。この例ではユーザ名(\u)のあとに「@」、その直後にホスト名(\h)を出力し、スペースを1つ空けたあとでカレントディレクトリ(\w)を出力、改行(\n)してから「$」を出力、という処理を行っている。筆者は約20年におよぶ試行錯誤の結果、現在では以下のプロンプト定義に落ち着いている。時刻とユーザ名/ホスト名、カレントディレクトリそれぞれを色分けしていることがポイントだ。2行に分けて表示するのは筆者のこだわりで、こうすれば長いコマンドラインもすっきり表示できる。export PS1=’\[\e[34m\]\@ \[\e[33m\]\u@\h \[\e[32m\]\w\e[0m\n\$ ’
2015年01月19日前回、整備士の知られざる業務の実態をANA・ドック整備部の村田勇人さん(入社歴9年)にうかがった。そこでさらに、「整備士って一言で言うとどんな人ですか?」と質問したところ、「いい意味で"馬鹿正直"だと思います」という言葉が返ってきた。その"馬鹿正直"さとは何なのか? 日常生活のちょっとした時にも反応してしまう"職業病"も含めて、現役の整備士に聞いてみた!○工具はなくせない村田さんに"馬鹿正直"だと思う一例を教えていただいたところ、「例えば、私たちは1万以上ある工具を使って整備をしていますが、安全管理のために工具の紛失は厳禁です。もしひとつでもなくなってしまったら、見つかるまでみんなでひたすら探します。工具をなくしてしまった場合、それが安全を損ねてしまう可能性がありますから」とのこと。整備士はそれぞれに工具が貸与されており、工具箱にはいつも鍵をかけて管理している。個人が持つ工具は30種程度だが、業務で必要性が高いと思った工具は申請して追加することもでき、工具には全て名前と社員番号が記されている。実際、村田さんも申請を経て追加した工具があるようだが、工具が増えてもきれいに整理さているところに、整備士ならではの工夫が表れているような気がした。また、格納庫内には工具を管理している工具室があり、そこには1万以上の工具が用意されている。○ヘルメットでその人のキャリアが分かる整備士に欠かせない道具のひとつがヘルメットだが、よく見てみると人によって色が異なる。ANAでは整備士歴1~2年目は黄のヘルメット、その後は白のヘルメットに紺のラインが入り、チーフ(アシスタントマネジャー)になると白のヘルメットに緑のライン、管理職者は白のヘルメットに黒のラインが入ったものを使っている。また、ヘルメットの両サイドには、スキル区分と保有資格を表示している。例えば、整備記録を記した航空日誌に法確認のサインをする確認主任者のヘルメットには赤のしるしがある。保有資格に関しては、整備できる機種が略称で記されている。整備士を見かけることがあれば、ぜひヘルメットにも注目していただきたい。整備そのもので言うと、パイロットの場合は特定の1機種を専属で操縦するが、整備士の場合は資格があれば複数の機種を整備することができる。整備士の資格を大きく分けると、各航空会社が設けている資格と国家資格がある。また、資格はいくつもの種類に分かれており、取得した資格によって扱える機種や業務範囲が変わってくる。簡単に説明すると、社内資格には多機種にわたって軽微な作業・整備ができる資格のほか、整備作業の内容で異なる機種別の資格があり、そうした資格を取得した後に、整備士として国家資格を取得する。通常、1機種目の資格取得までには3~5年かかり、2機種目以降は8カ月~1年程度かかる。村田さんは777、737、787の3つの資格をもっているが、整備士の中には7機種の資格をもつベテランもいるそうだ。ちなみに、村田さんが初めて取得した資格が777だったため、今でも一番思い入れのある機種は777だと言う。○日常生活でも数字が別の意味に変換!?きちんと整理された工具箱にも整備士としての性格が表れていると思ったが、日常生活にも整備士ならではのちょっとした"職業病"はないのだろうか。「暗いところを点検することがあるので、整備中はライトを腰のあたりに携帯しています。そのため、日常でも暗いところがあると、ライトがなくてもつい腰に手を当ててライトを探してしまいます。また、1万以上ある工具を使って整備をするので、忘れ物には敏感です。それは日常でもそうで、いつも忘れ物はないかチェックしていますね」(村田さん)。さらに、整備には膨大なマニュアルがあり、それらの項目にはシステムごとにナンバリングがされている。そのため、整備の現場では数字を用いることが多く、数字は日常的にも意識に上りやすいそうだ。「野球選手の背番号などを見ると、ついマニュアルの数字をイメージしてしまいます。『24は電機系のエレキシステムだな』とか」(村田さん)。そもそも整備士の中には純粋に飛行機が好きという人も多いが、飛行機のほかにも乗り物全般が好きという人も少なくない。ただ、その場合も着目点がちょっと違うようで、「例えば、『どこから入って整備をするんだろう』とか、『電気系統はどうなっているんだろう』などと考えることもあります」と村田さんは言う。また、飛行機に乗った時にも自然とシートの座り心地チェックをしてしまうそうだ。整備士には、"ライン"と呼ばれる到着した航空機を出発までに点検・整備する「運航整備部門」や、"ドック"と呼ばれる飛行機を格納庫で定期点検・整備する「機体整備部門」など、主に4つの部門がある。飛行機が出発する際、手を振って見送りしてくれる整備士は"ライン"だが、"ドック"の村田さんはというと、整備した飛行機が格納庫から発つ度に、心の中で手を振って見送りをしているという。また、村田さんは空港で自分が整備をした飛行機に再会した際、「今日も無事にお客様を送り届けている」と実感するとともに、整備士としてのやりがいを感じるそうだ。こうした整備士たちの想いも乗せて飛行機は日々運航されているということを次回のフライトの前にでも思い出していただければと思う。
2014年12月09日飛行機が出発する際、ヘルメットにつなぎ姿の人たちが手を振って見送りをしている様子を目にしたことはないだろうか。彼らはグランドハンドリングや整備士などの地上職スタッフなのだが、「あの整備士は"ライン"なんですよ。私は"ドック"なんでできないんです」とANA・ドック整備部の村田勇人さん(入社歴9年)が教えてくださった。"整備士"と一口に言っても、その業務は実に多様。そこで今回、現役の整備士に整備士の実態をうかがってみた。○女性整備士は約200人ANAにはグループ会社も含めて、整備部門に所属しているスタッフは約4,700人おり、そのうち約200人は女性だ。海外の航空会社に比べると女性整備士は少ないものの、ドラマなどの影響もあり、徐々に増えているという。整備士といえど、ANAは総合職技術職で採用しているため、キャリアプランの中には整備の現場以外の業務もある。直接整備を行う業務としては、各空港で飛行ごとに到着した航空機を出発までに点検・整備する「運航整備部門」、機体を格納庫にドックインさせて定期点検・整備をする「機体整備部門」、航空機の頭脳となる電子機器や計器など装備品の点検・整備をする「装備品整備部門」、そして、航空機の心臓であるエンジンを点検・整備する「原動機整備部門」がある。一方、整備の現場以外にも、「品質保証部門」「技術部門」「機体計画・部品計画部門」「戦略部門」など、整備センターの企画・業務推進を担当する業務もある。ANAの総合職技術職で採用された場合、3カ月の総合職研修を経て整備部門に配属され、現場で培ってきた知識を生かして整備センターなどでの業務を担うことが一般的らしく、10数年後も整備の現場に残るスタッフは全体の1割程度という。○"ライン"は主に点検、"ドック"は主に整備冒頭のコメントにあった"ライン"と"ドック"だが、整備士たちは「運航整備部門」の業務を"ライン"整備、「機体整備部門」の業務を"ドック"整備と呼んでいる。私たちが空港で見かける整備士は"ライン"の整備士であり、"ドック"の整備士はその姿を空港で見かけることはほとんどないという。実際、両者の業務内容は大きく異なっている。"ライン"整備は運航整備の名の通り、飛行ごとに行う。航空会社にとって大切なサービスのひとつである「定時性」に直結しており、例えば、737クラスの飛行機であれば約30分、777クラスでは50分をひとつの目安にして点検・整備をしている。一方、"ドック"整備は1週間から長い時は1カ月程度、飛行機の翼を格納庫(ドック)に休めて、多くのパネルや機内のシートも取り外し、本格的に整備を行う。村田さんいわく、「"ライン"では点検がメインで、"ドック"では整備がメイン」だそうだ。ANAの定期点検の目安を簡単に説明すると、運航整備は飛行の度に、A整備(飛行時間: 375~600時間)は15人程度の整備士が6時間ほどかけて整備、C整備(飛行時間: 3,000~6,000時間)は各部品を取り外して約1~3週間ほどかけて整備、HMV(ヘビーメンテナンスビジット、飛行時間: 4~5年)は機体構造の点検や防蝕(ぼうしょく)作業など長期使用にともなって発生する整備を行っている。村田さんは総合職研修後、"ドック"整備を担って9年目になる。"ライン"整備の整備士は各空港にいるが、"ドック"整備の整備士は格納庫がある空港のみとなる。ANAの場合、格納庫がある空港は成田と羽田、そして伊丹であり、"ドック"整備の整備士はこれらの空港に勤務している。ちなみにANAは、1993年に設立された7機を収納できる格納庫と、2010年に設立された3機を収納できる格納庫を羽田に設けている。○整備士にもデスクワークがあるでは実際、整備士の1日はどのように始まりどのように終わるのだろうか。"ドック"整備での業務を村田さんにうかがったところ、一般のビジネスマンとは違い、ANAの整備士は早出2回・遅出2回の4日勤務に2日休暇というシフト制をとっている。早出は8:20から1時間の休憩を挟んで17:20に業務終了、遅出は15:00から1時間の休憩を挟んで24:00に業務終了となる。なお、成田や伊丹は24時間空港ではないが、フライトがない間も格納庫内での業務は行われており、場合によっては"ドック"整備の整備士も"ライン"整備の業務を担うこともあるという。早出を例にすると、8:20からの朝礼と各作業グループでのブリーフィングの後は、途中昼食を挟んで整備を行い、作業撤収・整備記録の書類整理をして業務を終える。ANAの整備の現場で2013年より始めた取り組みとして、「アサーション」というものがある。整備部門での「アサーション」は「お互いを尊重した上で発展的・協調的に意見・指摘すること」という意味だが、特に整備の現場ではそうした関係が重要になるそうだ。何万という部品からできている飛行機は、たったひとつの部品の不具合や欠落でも安全を損なう可能性がある。整備現場での小さな気づきが、重大インシデントを防ぐと言っても過言ではない。そのため、年齢や性別も異なる現場の中で、どんな小さな気づきでも発言・共有できるような雰囲気づくりを一人ひとりが心がけているという。なお、現場にいる整備士にもデスクワークはある。シフトは1カ月前に確定するが、整備する飛行機は前日に知らされるため、整備作業の前にデスクワークをする整備士も多いという。飛行機がドックインするまで、"ライン"整備では部品交換や不具合修復など日々いろいろな整備作業が行われており、"ドック"整備ではその記録などから不具合の兆候を把握し、事前に対策や予防整備を検討している。「"ライン"だったらどんな不具合がありそうか、"ドック"だったら再発はないかなど、記録を回収してチェックします」と村田さん。飛行機の「安全性」「定時性」「快適性」を支える整備士の業務は、こうしたチェックの積み重ねが根本にあるようだ。
2014年12月04日りそなグループのりそな銀行は27日、独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下中小機構)との間で「業務連携・協力に関する覚書」を締結した。この業務連携は、中小企業への「販路開拓支援」・「海外進出支援」などを目的に契約したもので、中小機構との業務連携は、大手行としては初めてだという。同社は従来より、中小企業庁から「経営革新等支援機関」の認定を受け、取引先企業に対し金融サービスにとどまらず幅広い分野での支援事業を行ってきた。また、大手企業と中小企業が接点を持つ場を提供する「りそなものづくりネットワーク」の取組みを行うなど、取引先企業の経営課題解決にも注力しているという。同連携はこうした取組みを強化する目的で行うもの。今後も、同社のネットワークと中小機構の持つ高度な課題解決力を融合させることで、より充実したソリューションを提供していくとしている。○業務連携による取組み事例販路開拓支援を目的にビジネスマッチング情報の連携「りそなものづくりネットワーク」が保有するビジネスマッチング情報と、中小機構の「J-GoodTech(ジェグテック)」(中小機構が運営する、優れた技術や製品を有する日本の中小企業と大手メーカーとの引き合わせを行うウェブマッチングサイト)が保有するビジネスマッチング情報を連携させることで、取引先企業の新たな顧客の開拓や技術提携を促進する
2014年10月28日JR西日本は29日、2004年から進めてきた大阪駅改良・開発プロジェクトの一環として、大阪駅南側の広場整備に着手すると発表した。今回の整備では、南広場東側に混在するバスターミナルとタクシー乗車場を分離し、バスターミナルを東側、タクシー乗車場を西側へと配置し直す。周辺道路の混雑緩和や歩行者の安全性向上を目的としたもので、同時に歩行者動線の美装化、わかりやすい案内設備への改修も進める。加えて、サウスゲートビルディング2階と梅田新歩道橋をつなぐ歩道橋(デッキ)を新設。上空歩行者通路の連携により、安全性と回遊性向上が見込めるとしている。2015年春頃のタクシー乗車場供用開始、2016年秋頃の歩道橋供用開始・バスターミナル完成をめざす。
2014年09月29日JR東日本はこのほど、福島駅を省エネルギー・再生可能エネルギーなどさまざまな環境保全技術を取り入れた「エコステ」モデル駅とすることを決定した。10月に整備工事工事に着手する予定で、東口駅舎改修などのリニューアル工事も同時に進める。「エコステ」モデル駅としての整備で規模が大きいのは、従来型と軽量型合わせて約2,000平方メートルにおよぶ太陽光パネルの設置。JR東日本とJR東日本コンサルタンツが共同試験していた有機薄膜太陽電池も初めて実施導入する。これらの太陽光発電によって生じた電力は同駅で使用するほか、バッテリーに蓄えることで停電時にも利用できるという。東口広場には電気自動車充電器を1基設置し、社用車に利用する。地中熱の空調への活用や、新幹線コンコース内の照明のLED化にも取り組む。同時に着手する駅リニューアル工事では、「ふくしまデスティネーションキャンペーン」(2015年4~6月)に向け、福島エリアの観光拠点駅にふさわしい駅設備への整備を実施。東口駅舎外壁をレンガ調仕上げへに改修するほか、駅舎屋根・乗換跨線橋・ホーム屋根を塗装により美化。乗換跨線橋内には在来線案内サインを新設する。ホーム床面も一部を補修する。「エコステ」モデル駅整備工事と駅リニューアル工事はともに2015年3月完了予定。
2014年09月26日JR東日本は3日、中央線神田~御茶ノ水間にある旧万世橋駅の遺構を整備し、公開することを発表した。旧ホーム部では展望カフェや屋外デッキを整備し、高架下のアーチ内部空間では商業施設を展開。2013年夏の開業を予定している。万世橋駅はいまから100年前の1912(明治45)年に開業。駅舎は辰野金吾氏の設計(辰野氏は東京駅丸の内駅舎の設計に携ったことでも知られる)で、当時は中央線の一大ターミナルとしてにぎわったという。同駅は中央線が東京駅まで延伸された後、1943年に営業を休止したが、赤レンガ高架橋や旧ホーム部、階段は現在も残っている。JR東日本は現在、旧万世橋駅付近の交通博物館(鉄道博物館への移転にともない2006年に閉館)跡地にて、「JR神田万世橋ビル」の建設工事を進めており、街のさらなる魅力向上をめざして同駅の遺構を整備・公開することに。旧ホーム部に屋外デッキと展望カフェを設置し、2カ所ある階段の遺構を活用することで回遊性のある施設になるという。高架下においては遺構と一体となった商業施設を展開するほか、神田川沿いに親水デッキを設置し、新たな水辺の風景を創出。周辺環境との調和も図る。「JR神田万世橋ビル」の竣工は2013年1月、続いて春以降に万世橋高架下開発が完成、夏に旧万世橋駅遺構整備が完成する予定となっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月04日国土交通省は29日、鉄道建設・運輸施設整備支援機構から申請のあった北海道新幹線新函館(仮称)~札幌間、北陸新幹線金沢~敦賀間、九州新幹線武雄温泉~長崎間の工事実施計画を認可した。昨年12月26日の「整備新幹線の取扱いについて(政府・与党確認事項)」を踏まえ、全国新幹線鉄道整備法第9条第4項の規定に基づき北海道、石川県、福井県、佐賀県、長崎県へ意見聴取を実施。すべての道県から回答があり、今回の認可に至った。北海道新幹線新函館(仮称)~札幌間の路線延長は約211.5km。途中駅として新八雲(仮称)駅、長万部駅、倶知安駅、新小樽(仮称)駅が設置される。全長約26.5kmの渡島トンネル(新函館~新八雲間)をはじめ、全長約18.8kmの手稲トンネル(新小樽~札幌間)、全長約18.0kmの後志トンネル(倶知安~新小樽間)など、長大トンネルが連続する区間に。今回申請分の工事費は約1兆2,386億円。工事の完成は新青森~新函館間の開業(2015年度末)からおおむね20年後とされている。北陸新幹線金沢~敦賀間の路線延長は約125.2km。途中駅として小松駅、加賀温泉駅、芦原温泉駅、福井駅、南越(仮称)駅が設置される。南越~敦賀間の新北陸トンネルは全長約20.0kmとなる予定。今回申請分の工事費は約8,968億円で、長野~金沢間の開業(2014年度末)からおおむね10年強を経ての工事完成を予定している。九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)においては、武雄温泉~長崎県をフル規格で整備し、フリーゲージトレインでの運行(博多~新鳥栖間は鹿児島ルートを共用、新鳥栖~武雄温泉間は在来線を活用)が計画されており、既着工の武雄温泉~諫早間と未着工の諫早~長崎間を一体的な事業として扱うことに。武雄温泉~長崎間の路線延長は約66.0kmで、途中駅として嬉野温泉(仮称)駅、新大村(仮称)駅、諫早駅を設置。今回申請分の工事費は約3,706億円で、工事完成は諫早~長崎間の着工からおおむね10年後を予定している。羽田雄一郎国土交通大臣は今回の着工認可について、「3区間の整備により、ビジネス・観光の交流を促進し、地域の産業や社会に大きな効果をもたらすだけではなく、災害リスクへの備えなどの観点で多重的な幹線交通体系が確保され、持続可能で活力ある国土を築くための礎となることを期待しております」と発言している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月29日京王電鉄は28日、同社の機構改革を実施したことを発表した。この中で、笹塚以西連続立体交差事業に向けた体制整備についても言及している。京王線笹塚~つつじヶ丘間では、東京都を事業主体に、「京王電鉄京王線(笹塚駅~つつじヶ丘駅間)連続立体交差化及び複々線化事業」が進められている。概要図によれば、すでに高架化された八幡山駅付近も含む笹塚~仙川間(約7.1km)が立体交差化され、さらに笹塚~つつじヶ丘間(約8.3km)の複々線化も進める計画となっている。京王電鉄は東京都とともに、事業化に向けた都市計画手続きや環境影響評価などを進めている。今回の同社の機構改革では、工務部において、これまで調布駅付近連続立体交差事業の用地取得などを行ってきた「調布用地事務所」を、「連続立体交差用地事務所」に名称変更。笹塚以西連続立体交差事業の用地取得推進体制が強化されることに。「2013年度の事業認可に備え、約10年に及ぶ大規模工事である笹塚以西連続立体交差事業の早期実現に向けた体制整備を行う」(京王電鉄)としている。機構改革ではその他、「住んでもらえる、選んでもらえる路線」をめざして沿線の生活関連サービスの深耕に向けた体制を整備するほか、新興国への進出検討など新たな成長分野への挑戦を実行する体制も整える。開発企画部に置かれた「拠点整備担当」を「新宿エリア整備担当」に名称変更し、新宿エリアにおける整備計画の深化と推進を図る。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月29日静岡県は12日、浜松市沿岸域の防潮堤等の整備に関する、同県、一条工務店グループ、浜松市の三者による基本合意について発表した。基本合意によれば、一条工務店グループは、静岡県に対し浜松市沿岸域の防潮堤整備に用いる費用として、2012年度、工事の進捗に応じて2013年度以降の2カ年度において各100億円、合計300億円を寄附する。静岡県は、できるだけ早い時期において、防潮堤の整備に着工し、これを竣工。工事対象区間は、浜名湖入口東岸から天竜川西岸までの約17.5㎞とする。防潮堤の規格は、静岡県第4次地震被害想定の前提となる津波高を上回る高さを確保するものとし、三者協議の上、十分な安全性が確保できる構造、強度等とする。また静岡県は、馬込川河口部の津波対策として、三者協議の上、水門整備など必要な対策を迅速に行う。一方、浜松市は、防潮堤整備に必要となる土砂を確保するとともに、防潮堤の整備等に関する地域住民の協力、理解促進のため、県と連携・協力して住民・各種団体等への説明を行うとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月12日車両整備・車両販売・ボディ販売事業を展開するSGモータースは、女性従業員による車両整備チーム「SGMレディース」を発足させた。同チームは、自家用車を運転する女性を対象に、フロント業務から自家用車の点検・車検などの整備業務を、女性スタッフのみで運営する。女性ドライバーが気軽に立ち寄り、車に関するさまざまな相談ができる、新しい形のカーステーションを企画しているという。新入社員2名(インドネシア出身および中国出身)を含む、計3名を一期生として発足。現在は同社の大阪店にて、技術研修を含めた実務の習得をしている。同社では今後、同チームによるカーステーションの早期展開を進めるとともに、女性従業員が活躍できる職域の拡大と活躍促進に取り組んでいくとのこと。また、家庭と仕事の両立のための社内規定の見直しや、キャリア支援など、さらなる女性活躍推進に向けたグループ横断プロジェクト(名称:わくわくウィメンズプロジェクト)に昨年から取り組んでいる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月17日大井川鐵道はこのほど、従来は関係者以外立ち入り禁止としてきた新金谷駅構内の鉄道車両整備工場に、見学コースを新設したと発表した。28日より受け入れを開始する。見学できるのはSLに乗車した15名以上の団体で、料金は大人・子供ともに1名500円(見学記念缶バッジ付き)。所定の位置から車両整備工場内や作業の様子、SLの運転準備などを見ることができ、さらに点検橋からSL運転台の見学もできる。所要時間は15分から45分。見学には大井川鐵道営業部への事前申込みが必要。同社では、「鉄道車両の整備風景を見ることで、鉄道を身近なものとして感じていただければ」としている。なお、28日より5月5日まで、オープン記念として午前8時30分から11時まで14名以下でも見学を受け入れる。同社では今後、個人客でも参加できる募集型ツアー形式の見学会をスポット的に開催していきたいとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月19日