都心から少し離れた70㎡のマンションを3LDKから間取りを1LDKに変更されたAさんご夫妻。大きめのウォークインクローゼットとシューズクローゼットを作り、たっぷり収納ができるようにしました。「広いリビングのソファで本を読んだり、音楽を聴いたりしたい」「スッキリした空間を眺めながら、リビングでくつろぎたい」などのご希望の中、家具は最小限に。印象的なソファは、広島のインテリアブランド・ALGORHYTHM(アルゴリズム)のもので、ソファの上の壁は段差をつけてギャラリー風にしました。大きめのダイニングテーブルには、椅子が2脚。余白のある空間作りで、大切な家具が主役になる、アートのような風景です。余白のある空間作りの、もう一つの特徴は玄関周りです。シューズクローゼットは玄関からの土間続きで、靴のまま入ることができます。お気に入りの香り、イタリアのDR.VRANJES(ドットール・ヴラニエス)のディフューザーを玄関に置き、余白という視覚的な面だけでなく、香りも活用してゆったりとした雰囲気を作っています。自分たちにとって必要なものだけをセレクトすることにより、余白が生まれ、心地よい暮らしを実現しました。キッチンからリビングを眺める。今回のリノベーションに合わせて制作されたアートが飾られているリビングからキッチンを眺める。今まで集めてきた思い出の家具を見るのが至福の時間ウォークインクローゼットから寝室を見る。キッチンから寝室まで通り抜けできるので、家事や身支度がしやすいトイレは淡いグレーの塗装で落ち着きのある空間に幅の広い洗面は朝の支度がしやすく、ピンクの塗装とお気に入りのタイルで気分の上がる空間リビングと廊下を区切るドアは組子を用いて、上品な玄関ホールにゆとりを持たせた廊下は、家全体を広く感じられる玄関横の窓のあるシューズクローゼットには、長年愛用したペンダントライトをアクセントに家の所々にフレグランスや植物が置かれ、心地よい香りに包まれる
2022年03月25日マイホームは人生でもっとも大きな買い物です。せっかくなら、家族のこだわりがたっぷり詰まった、理想のわが家を…と誰もが思うでしょう。しかし、実際に家を買った人に話を聞いてみると、「正直、このこだわりはいらなかった」と後悔している人もちらほら。こだわりの実現にはお金がかかりますので、後悔することはできれば避けたいですよね。ママたちがどんなこだわりを「いらなかったな」と感じているのか? その声に耳を傾けてみましょう。■畳にこだわったばっかりに…見落とした子どもの成長 Tさんの場合最初は、4歳の男の子と2歳の女の子のママ・Tさんのケースです。「2年前に一戸建ての注文住宅を建てました。私は和室のある家に憧れていたのですが、子ども部屋の確保などを考慮するとなかなか難しくて…。それでもあきらめきれず、リビングの隅に一段高くなった畳スペースを設けることにしたんです。家が完成した当初は大満足で、畳スペースで読書や昼寝を楽しんでいました。」しかし、そこには“子どもの成長”という落とし穴が…。「上の子が成長して動きまわるようになると、畳スペースの段差が危なっかしくて…。娘もこれからどんどん活発になっていくでしょうし、畳スペースより、リビングそのものの広さを優先すべきだったと後悔しています」たしかに、リビングと続きになっているちょっとした和室はとてもすてき。ただ、安全性のことも忘れずに検討しておきましょう。■オシャレで開放的だけど…家中に響きわたる音に後悔 Kさんの場合続いては、リビング階段にこだわったものの、ちょっとだけ後悔しているというKさん。一体、何が気になるのでしょうか?「憧れのリビング階段&吹き抜けでとても開放的なマイホーム。基本的には大変気に入っていますが、ただ一点、リビングの音が家全体に響いてしまうことが気になっています。子どもの夜泣きがひどい時期には、家のどこへ連れて行っても家中に泣き声が響いてしまって…。2階の寝室で寝ている夫も目を覚ましていました。こんなに音が響くと知っていたら、やらなかったかも?」リビング階段や吹き抜けだからと言って、かならずしも音が気になるというわけではないでしょう。ただ、構造によってはこういった問題も起こり得るようです。リビング階段や吹き抜けはたしかに開放的でオシャレ。子ども部屋が2階の場合、リビングを通らなければ子どもが自室へ行けないため、親子のコミュニケーションが増えるといった魅力もあります。何を優先するか、将来のことも含めてよく考える必要がありますね。 ■ベビーカーが入らない! 後悔のシューズクローゼット Cさんの場合次に紹介するのは、妊娠中に一戸建て住宅を購入し、現在は新居で子育て奮闘中のCさん。シューズクローゼットが不要だったと感じているそうです。「子どものおもちゃや靴が増えていくだろうから…と、広めのシューズクローゼットにこだわりました。でも、実際に子どもが産まれてみると、玄関が狭くてベビーカーがそのまま入らないんです! 折りたためば入りますが、とても不便!」シューズクローゼットを優先するあまり、肝心の玄関が狭くなってしまった例です。「シューズクローゼットも結局、それほど広い作りにはならなくて、ベビーカーがそのまま入るほどのスペースはありません。どっちつかずになってしまうくらいなら、あきらめれば良かったなと思います」玄関は家の顔。すっきりきれいに保つために、ゆったりとした玄関収納を確保できるシューズクローゼットはとても魅力的です。しかし、玄関の広さも生活には欠かせないポイントですね。■こだわりの作業台がキッチン家電置き場に Aさんの場合最後は、家づくりではキッチンにとことんこだわったというAさん。一つ心残りがあるそうです。「キッチンの背面に少しスペースがあったので、テーブルを造り付けして作業台を設けました。しかし、実際に生活をはじめてみると、作業台が活躍するシーンはあまりなく…。現在は、キッチン家電置き場になっています。こんなことなら、収納家具を設置できるように、何もないスペースとして空けておけば良かったです」キッチンの作業台は、ちょっと書き物を、読書を、子どもと一緒に調理を…なんて夢がふくらみますが、そのために収納・家電設置スペースが減ってしまうのは困りもの。作業台の設置は、必要な収納・家電設置スペースを確保したうえで検討した方が良さそうです。マイホーム購入において情報収集は大切なポイント。ただ、「こんな機能・工夫があると便利ですよ、すてきですよ」という前向きな情報にくらべ、「これは失敗だった!」というネガティブな情報は耳に入りにくいものです。こだわりを実現しようとすると、その一方で犠牲になる部分があるかも? 暮らしはじめてから後悔しないために、こだわりの「デメリット」にもきちんと目を向けることをおすすめします。
2017年09月12日