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2024年11月2日(土)より、東京、南青山にある根津美術館では、『百草蒔絵薬箪笥(ひゃくそうまきえくすりたんす)と飯塚桃葉(いいづかとうよう)』展が開催される。根津美術館が所蔵する《百草蒔絵薬箪笥》が、今年新たに国の重要文化財に指定されたことを記念して行われる展覧会だ。《百草蒔絵薬箪笥》とは、徳島藩のお抱え蒔絵師・飯塚桃葉(初代・?~1790)が制作した薬箱。箱の表面と内部の引き出し前面は、寄裂(よせぎれ)風の文様がほどこされ、エキゾチックで繊細な金具が要所に付された豪華な大名道具だが、なかでも素晴らしいのが本作の蓋裏にほどこされた蒔絵である。ここには百種の草や昆虫がその名とともに精緻な研出蒔絵であらわされており、その選定には本草家など専門家の関与が想定される。また薬箱の中に収められた銀製卦算(けさん・文鎮の一種)、銀製合子(ごうす・蓋付きの小さな容器)、硝子製薬瓶、鍼灸道具、薬袋といった道具類も重要文化財に指定された。箪笥に付随した目録によると、合子や薬袋には、漢方だけでなく、蘭方の薬も入っていた。《雪華蒔絵印籠》原羊遊斎作日本・江戸時代19世紀永青文庫蔵同展には、本作を制作した初代飯塚桃葉の代表作も集結。なおこの薬箪笥は、桃葉が仕えた阿波徳島藩主・蜂須賀重喜のために制作されたと考えられていたが、近年、蜂須賀家と重要な関係にあった讃岐高松藩主・松平家への贈答用に作られた可能性が浮上している。ちなみに当時、讃岐高松藩の藩主であった松平頼恭は、稀代の「博物大名」として知られ、彼の命でつくられた博物図譜『衆芳画譜』には、高松藩に仕えていた平賀源内も参画した。同展では、松平頼恭はもちろん、ほかの博物大名や彼らのネットワークなども紹介し、18世紀後半の博物学と美術の様相も紹介する。《衆芳画譜》薬草第二日本・江戸時代18世紀高松松平家歴史資料(香川県立ミュージアム保管)講演会、スライドレクチャー、素浄瑠璃の上演など、各種関連プログラムの詳細と申し込みは、美術館ホームページで確認を。同時開催は、『仏教美術の魅力-鎌倉時代初期の仏像』(展示室3)、『花と鳥たちの楽園』(展示室5)、『炉開きの茶会』(展示室6)。<開催概要>重要文化財指定記念特別展『百草蒔絵薬箪笥と飯塚桃葉』会期:2024年11月2日(土)~12月8日(日)会場:根津美術館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)休館日:月曜(11月4日を除く)、11月5日(火)料金:一般1,500円、大高1200円(オンライン日時指定予約制)公式サイト:
2024年10月30日2024年11月2日(土)より、大阪の国立国際美術館では、特別展『線表現の可能性』を開催する。同館の所蔵品の中から、版画、素描を中心に、絵画、彫刻、写真を加えた約150点を選び、現代美術における線表現の多様性を紹介する展覧会だ。直線、曲線、点線、破線といった種類のほか、鉛筆や木炭、チョークなど画材によっても変わる線の表情。同展では、線の用い方やその性質を4つ章に分け、絵画における線の役割とその可能性を紹介する。まず第1章の「線の動き、またはその痕跡」では、画家達が用いた筆やペンの動きの痕跡から豊かで多様な線の表情を紹介する。画家達はどのように手を動かして、この線を生み出したのかを追体験できるセクションだ。また第2章「物語る線たち」では、輪郭線を駆使した線画から、線が物語るイメージの世界を堪能する。漫画に親しんできた日本人には、親しみやすいテーマかもしれない。須藤由希子《家と駐車場》2007年国立国際美術館蔵第3章「直線による構成」では、数学的、幾何学的な性格をもった直線にフォーカス。20世紀に入って直線が多用されるようになった立体主義などの新しい抽象絵画を紹介する。そして第4章の「線と立体」では、線と彫刻との関係に焦点を当てる。同セクションでは、植松奎二、宮﨑豊治、湯原和夫という3人の彫刻家をピックアップし、彼らのエスキース(下絵)と、実際の立体作品を対比的に紹介しながら、線表現の可能性を考える。宮﨑豊治《Seeing…》1981年国立国際美術館蔵以上の展示に加えて、同展では、「2020年代の物故作家」のコーナーも。舟越桂やクリスチャン・ボルタンスキーなど、近年亡くなった国内外の作家たちの作品を通して、現代美術の歩みを紹介する。<開催概要>特別展『線表現の可能性』会期:2024年11月2日(土)~2025年1月26日(日)会場:国立国際美術館時間:10:00~17:00、金土は20:00まで(入場は閉館30分前まで)休館日:月曜(11月4日、1月13日は開館)、11月5日(火)、1月14日(火)、12月28日(土)~1月4日(土)料金:一般1,200円、大学700円公式サイト:
2024年10月29日2022年4月、東京・世田谷文学館で開幕し、その後全国各地の美術館に巡回。これまでに約70万人を動員してきた『ヨシタケシンスケ展かもしれない』の東京凱旋展となる『ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ』が京橋のCREATIVE MUSEUM TOKYO(東京・京橋)にて2025年3月20日(木・祝)より開催される。同展は、『りんごかもしれない』『もう ぬげない』『あんなに あんなに』などで知られる絵本作家ヨシタケシンスケの初の大規模個展。ヨシタケが身の回りのできごとを観察し、小さな手帳に長年にわたって描き続けた膨大な枚数のスケッチをはじめ、アイデアスケッチやラフ、原画、愛蔵のコレクションなどから、作家のインスピレーションの源や創作の過程を紹介。さらに、絵本の世界を体感できるユニークな体験型の作品も設置される。東京会場では、さらにこの会場限定となる大型の体験展示も複数登場。絵本原画やスケッチ、さらに展覧会オリジナルグッズも「たっぷり増量」予定だという。<開催概要>『ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ』2025年3月20日(木・祝)~2025年6月3日(火)、CREATIVE MUSEUM TOKYOにて開催公式サイト:
2024年10月16日六本木ヒルズのランドマークでもある、卵を抱いた巨大な蜘蛛の彫刻。その作者の回顧展『ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 行っとくけど、素晴らしかったわ』が、2025年1月19日(日) まで森美術館で開催中だ。幼少期からのトラウマ的な体験を、神話や寓話的な世界観につながる普遍的なアートへと昇華させた20世紀を代表するアーティストのひとりである。副題「地獄から帰ってきたところ 行っとくけど、素晴らしかったわ」は、夫の遺品であるハンカチに言葉を刺繍した作品から付けられた。ルイーズ・ブルジョワ《ママン》1999/2002年所蔵:森ビル株式会社(東京)《無題(地獄から帰ってきたところ)》1996年撮影:Christopher Burke(C) The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo, and VAGA at Artists Rights Society (ARS), New York自らを「サバイバー」と呼ぶブルジョワは、1911年、パリでタペストリーの画廊と修復工房を営む家に生まれ、2010年、98歳でニューヨークにて没した。アート界の評価が白人男性優位だった時代でもあり、70歳でようやくニューヨーク近代美術館での個展が実現。没後も世界の主要な美術館で展覧会が開かれ、今回の回顧展は日本では27年ぶりとなる。2023年から2024年にかけてシドニーのニュー・サウス・ウェールズ州立美術館で開催された大規模な個展の一部にニューヨーク、日本などから作品を加えて再構成した。森美術館の後、台湾に巡回する。自身の版画作品《聖セバスティアヌス》(1992年)の前に立つルイーズ・ブルジョワ。ブルックリンのスタジオにて。1993年撮影:Philipp Hugues Bonan画像提供:イーストン財団(ニューヨーク)同展は、ブルジョワの創造の源泉である家族や親しい人との人間関係をテーマとした3章と、その間に2つのコラムを挟んで構成。愛や孤独などの感情、身体性、セクシュアリティ、ジェンダーなどを主題としたインスタレーション、彫刻、絵画など106点で全貌に迫る。森美術館キュレーターの椿玲子と矢作学が企画し、イーストン財団キュレーターのフィリップ・ララット=スミスが企画監修を務めた。弟1章「私を見捨てないで」では、特に母に見捨てられることへの不安に苦しんだブルジョワが、母性の複雑さを表現した作品をたどる。父の不倫を黙認した母。20歳のとき、スペイン風邪に罹患して以来介護していた母が死去し、川への投身自殺を図るが父に助けられる。アート制作を始めたのは、自らの感情と向き合うためだった。《かまえる蜘蛛》の威嚇する姿は、我が子を外敵から保護すると同時に、脅かす存在にもなる「母性」を表す。《かまえる蜘蛛》2003年展示風景:「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」森美術館(東京)2024年撮影:長谷川健太 (C) The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo, and VAGA at Artists Rights Society (ARS), New York, 2024.一方、乳房から5本の糸を垂らす布製の人形は、惜しみなく愛情を与える母を象徴する。ブルジョワは1938年、パリでアメリカ人美術史家ロバート・ゴールドウォーターと結婚しニューヨークに移住。フランスの家族とアメリカで自ら築いた家族の双方、父と母、3人の子どもからなる5人家族だった。《良い母》(部分)2003年撮影:Christopher Burke(C) The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo, and VAGA at Artists Rights Society (ARS), New Yorkまた、苦悩ばかりでなく、信頼と愛の大切さも知っていく。互いの渦に引き込まれそうになりながらも支え合う《カップル》、定時にスタジオに出勤してくる助手への信頼を表す《午前10時にあなたはやってくる》では、安定的な他者との交わりに救いを見出している。《カップル》2003年(手前)、《午前10時にあなたはやってくる》2007年。展示風景:「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」森美術館(東京)2024年撮影:長谷川健太(C) The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo, and VAGA at Artists Rights Society (ARS), New York, 2024.第2章「地獄から帰ってきたところ」では、支配的で不誠実な父への愛憎が語られる。1951年の父の没後、精神分析を通じて、父をはじめ近しい人々への複雑な感情が自作に影響を与えていることに気づく。《父の破壊》では、家父長的で横柄な父を子どもと母が殺して食卓で食べてしまうという幻想を表現。自縛ともなる憎しみや攻撃性を作品という形で消化していく。《父の破壊》1974年所蔵:グレンストーン美術館(米国メリーランド州ポトマック) 撮影:Ron Amstutz (C) The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo, and VAGA at Artists Rights Society (ARS), New York第3章「青空の修復」では、ブルジョワが芸術活動を通していかに意識と無意識、母性と父性、過去と現在とのバランスを整えようとしたかを見つめる。晩年には、家族や親しかった人々との関係を修復する方法などを模索し続けた。《雲と洞窟》1982-1989年 所蔵:イーストン財団(ニューヨーク) Courtesy: Kunstmuseum Den Haag, the Netherlands展示風景:「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」森美術館(東京)2024年撮影:長谷川健太(C) The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo, and VAGA at Artists Rights Society (ARS), New York, 2024.《トピアリーⅣ》1999年撮影:Christopher Burke(C) The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo, and VAGA at Artists Rights Society (ARS), New York間の2つのコラムにも触れておきたい。コラム1「堕ちた女―初期の絵画と彫刻」では、アメリカでの最初の10年に制作した絵画や彫刻を紹介。コラム2「無意識の風景」では60年代の彫刻作品を中心に紹介している。この頃には樹脂・石膏・ラテックスなど柔らかい素材、水平性、有機的で抽象的な作風が特徴となる。同時代のミニマリズムに迎合せず、無意識や感情に形を与える隠れ家や巣のような造形も見られる。キュレーターのひとり、矢作は「ブルジョワは苦しみから完全に解放され、過去のトラウマを完全に治癒できるとは信じていなかったようです。何度も繰り返し不安や恐怖など心の痛みに立ち戻りながら、自身の感情と記憶を芸術の域まで高めたのです」と語る。思えばNHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』で、主人公の寅子が生涯を賭けた法の世界も「地獄」に喩えられていた。戦争や災害、パンデミックなど、さまざまな課題に直面する現代。身近な家庭問題と世界情勢のはざまで、そう易々と楽園は見つからない。ブルジョワでさえ「地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」と笑えるまでに70年もかかったのだ。その都度もがきながらも、なんとか生き抜く杖となったのがアートだった。勇気がふつふつと湧いてくる展覧会だ。取材・文:白坂由里<開催概要>『ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ』2024年9月25日(水)~2025年1月19日(日)、森美術館にて開催※事前予約可(日時指定券)公式サイト:
2024年10月15日三鷹の森ジブリ美術館は、企画展示「君たちはどう生きるか」展 第三部「背景美術編」を2024年11月23日(土)から2025年11月まで開催する。長編アニメ映画『君たちはどう生きるか』の背景美術に注目「君たちはどう生きるか」展は、宮﨑駿が監督を務めるスタジオジブリの長編アニメーション映画『君たちはどう生きるか』のために描かれた“手描きの絵”に焦点を当てる企画展示。これまで、制作過程の中で描かれた鉛筆画や、絵の具を使った絵を紹介する第一部「イメージボード編」、アニメーションの設計図ともいえるレイアウトに着目した第二部「レイアウト編」が開催されてきた。唯一無二の芸術性が光る、手描きの背景美術第三部「背景美術編」では、アニメーションの美しく豊かな画面を構成する、背景美術を紹介。宮﨑駿が常々「アニメーション映画の品格は背景美術で決まる」と発言しているとおり、『君たちはどう生きるか』においても人の手と紙、絵具、水を用いたからこそ生まれる光と影の質感、色彩世界を見て取ることができる。デジタルツールであれば複製や加工、修正を容易に行えるものの、『君たちはどう生きるか』では少数の美術スタッフが手描きで精緻な背景美術を完成させた。同じ絵をもう一度再現したり、地塗りを後から消したりすることが簡単にはできない、手描きならではの唯一無二の風合いと、高い技術を展示を通して体感することができそうだ。なお、第三部「背景美術編」は、当初よりも開催期間を延長し、1年間開催。2025年5月までの前期と、5月以降の後期で一部展示を入れ替える予定だ。【詳細】「君たちはどう生きるか」展 第三部 背景美術編開催期間:・前期 2024年11月23日(土)~2025年5月(予定)・後期 2025年5月~2025年11月(予定)会場:三鷹の森ジブリ美術館住所:東京都三鷹市下連雀1-1-83※三鷹の森ジブリ美術館の入場は日時指定の予約制。11月入場分のチケットは、10月10日(水)よりローソンチケットにて発売。※チケットに関する詳細は公式WEBサイト(より。企画・監修:宮崎吾朗
2024年10月13日2023年4月に上海、同年10月にロンドンで成功を収めた世界巡回展「Gucci Cosmos」が、グッチ日本上陸60周年を記念して2024年10月に京都へ上陸し、京都市京セラ美術館にて開催しています。©FASHION HEADLINE100年以上にわたるグッチの歴史の中で特にアイコニックなデザインを先進的な演出で展示するエキシビションは、ブランド創設の地フィレンツェと50年以上にわたり姉妹都市である京都、そして日本との長く深い結びつきを祝すとともに、人々を時の螺旋を遡るような旅へと誘いながら、フィレンツェから始まったグッチの歴史を探求し、その尽きることのないクリエイティビティへの賛歌を紡ぎ出します。©FASHION HEADLINE本展では、100年以上にわたり継承されてきたグッチのコードとスピリットがどのようにアイコニックなデザインに生かされてきたか、また、それぞれの時代を象徴するアイテムがいかにして歴代のグッチのクリエイティブ・ディレクターやデザイナーたちにインスピレーションをもたらし、再解釈されてきたかを探求します。本展はまた、イタリアが誇る最高峰のクラフツマンシップと伝統に根ざしたクリエイティビティの力を革新していくことにより、グッチが時代を映し出してきただけではなく、自ら新しい時代を切り開き、社会とその美意識の変化を牽引してきたことを明らかにします。また、フィレンツェにあるアーカイブ収蔵拠点の扉を開き、歴史的な逸品やシンボルを通じてグッチの伝統とクラフツマンシップを世界の都市に紹介するとともに、開催地独自の視点を取り入れ、グッチのグローバルな影響力と開催地の伝統文化を融合した展示を展開しています。そして、長きにわたるグッチと日本の絆をたたえながら、京都と日本に生き生きと息づいている伝統文化とその革新の歴史に共鳴するストーリーとエレメントも紹介します。Courtesy of GUCCIGucci Cosmosは、英国の著名なコンテンポラリーアーティストであるエス・デヴリンが考案とデザインを、イタリアのファッション研究家であり評論家のマリア・ルイーザ・フリーザがキュレーションを手がけたイマーシブな展示で、グッチの過去、現在、未来をめぐる遊び心に富んだ旅を体験することができます。展示品の中心となるのは、15世紀に建てられたフィレンツェのパラッツォ・セッティマンニに収蔵されているグッチのアーカイブです。 各展示ルームでは、1921年のブランド創設以来変わることなく継承されているブランド理念とともに、絶え間なく刷新され続けるインスピレーションとクリエイティビティを多様な側面から照らし出します。©FASHION HEADLINETime Maze - 時の迷宮来場者の旅のスタート地点に、エス・デヴリンは、グッチの豊かな歴史における重要な瞬間を映し出す万華鏡のような構造体をデザインしました。この活気あふれるゲートウェイは、その先に広がる最初の展示ルーム「Time Maze」への入口となり、イマーシブな体験を通じてブランドの進化を探求する魅惑的な旅の幕開けを告げます。移り変わるインスタレーションのパターンが、グッチオ・グッチの誕生からサバト・デ・サルノの時代に至るまでのタイムラインをビジュアライズして映し出し、時の迷宮へと導きます。 「Time Maze」では、同心円状に配された3つのセクションにグッチがそのカリスマ性とアイデンティティを確立した重要なタイミングやアイテムがマッピングされ、来場者にグッチの過去、現在、未来をそれぞれの視点で感じ取る機会を提供します。©FASHION HEADLINEZoetrope - 乗馬の世界ここでは、グッチと乗馬の世界のつながりをたたえ、その歴史を通じて表現されてきたインスピレーション源やアイテムを紹介します。円形の空間を取り囲むように設置された大型スクリーンに迫力のある映像が映し出され、疾走する馬の蹄の音と、馬たちの鼓動のリズムに乗せて乗馬にまつわる言葉を朗読する声が響き渡ります。展示されている数々のアーカイブ アイテムは、乗馬の世界とつながるグッチのさまざまなシグネチャーモチーフが、どのようにイマジネーションをかき立て続けてきたかを示しています。Courtesy of GUCCIEchoes - クリエイティビティの系譜ここでは、1970年代から現在までのグッチのコレクションをまとったマネキンたちがランウェイを歩くモデルのように展示されています。これらのルックはシーズン(年代)ごとではなく、カラーやインスピレーションによって並べられることで、まるで時を超えてダンスをするかのような、新たなつながりが生み出されています。 そこには、グッチが自らの価値観、伝統、現代性とのクリエイティブな対話を絶え間なく続けていること、そしてファッションは美しさだけでなく社会的な変革をも促すことができるというブランドの信念が力強く示されています。©FASHION HEADLINELeisure Legacy - ライフスタイル賛歌さらに進むと、来場者は「Leisure Legacy」と名付けられた華やかな空間に入ります。ここは、レジャーとファッションのつながりをリードしてきたグッチの輝かしい伝統に捧げられた聖域であり、その物語はグッチの歴史に深く織り込まれています。これらのアーカイブは多様な表現で、スポーツの世界やライフスタイルに対するグッチの揺るぎない情熱を物語っています。この魅力あふれる品々の隣には、京都市京セラ美術館のコレクションから選ばれた日本における余暇や屋外での楽しみにちなんだ作品が飾られています。すべての作品は暮らしとレジャーの密接なつながりや相互作用、人々が追い求めるシンプルでありながらも奥深い喜びを表現し、たたえています。Courtesy of GUCCI©FASHION HEADLINEBamboo - バンブーの世界「Bamboo」の展示ルームに一歩入ると、来場者の旅は、グッチの最も象徴的なクリエイションのひとつである〔グッチ バンブー 1947〕バッグの起源へと導かれます。ここでは、さまざまな形と素材で作られた〔グッチ バンブー 1947〕バッグを一堂に見ることができます。またここには、グッチの日本上陸60周年を記念するコラボレーションプロジェクト「Bamboo 1947: Then and Now」の一環として、ヴィンテージの〔グッチ バンブー 1947〕バッグを日本の伝統工芸作家とコンテンポラリーアーティストが再生した作品の一部が展示されています。メインウォールには、竹から生まれ月へと帰っていった美しいかぐや姫の物語を思い起こさせる映像が映し出され、その上部にはいくつものアームが波打つような動きで竹林が風にそよぐ雰囲気を創り出しています。Courtesy of GUCCI©FASHION HEADLINERed Threads - グッチの絆鮮やかなレッドで彩られたこの展示ルームは、誰もが人生に影響を与える運命の相手と目に見えない赤い糸で結ばれているという日本の「赤い糸」の伝承にインスピレーションを得ています。レッドはグッチの歴史を通して繰り返し登場してきたカラーであり、過去と現在をクリエイティブな表現でつなぐ“fil rouge”(赤い糸)です。クリエイティブ・ディレクター サバト・デ・サルノは深みのある赤を「グッチ ロッソ アンコーラ」と名づけ、グッチの新たなシグネチャーカラーとしました。グッチの伝統と響き合うグッチ ロッソ アンコーラは、既存の枠にとらわれない大胆さと、タイムレスなエレガンスの共存を体現しています。Courtesy of GUCCICourtesy of GUCCIGucci Cosmosは2024年12月1日まで、京都の京都市京セラ美術館で開催されます。GUCCI COSMOSAN EXPLORATION OF HERITAGEグッチ日本上陸60周年記念展主 催 : グッチ、京都市会 場 : 京都市京セラ美術館 本館 北回廊1階、新館 東山キューブ 〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町124会 期 : 2024年10月1日(火)–12月1日(日)開館時間 : 10:00 - 18:00(最終入場は17:00 まで)休館日: 月曜日(祝・休日の場合は開館)観 覧 料 : 一般 2,200円(2,000円) 大学生 1,500円(1,300円) 高校生 1,000円(800円)中学生以下は無料U R L : st/capsule/cosmos-exhibition#GucciCosmosKyoto#Gucci60YearsInJapanGUCCI1921年、フィレンツェで創設されたグッチは、世界のラグジュアリーファッションを牽引するブランドのひとつです。ブランド創設100周年を経て、グッチは社長兼CEOジャン=フランソワ・パルーとクリエイティブ・ディレクター サバト・デ・サルノの下、クリエイティビティ、イタリアのクラフツマンシップ、イノベーションをたたえながら、ラグジュアリーの再定義への歩みを続けています。
2024年10月11日1920~30年代、革命を経たメキシコで画家・美術教育者として活動し、戦後日本でも活動を続けた北川民次。約30年ぶりとなる回顧展『北川民次展 メキシコから日本へ』が世田谷美術館で11月17日(日)まで開催中だ。名古屋市美術館を経て世田谷美術館、年明けに郡山市立美術館に巡回する3館共同企画。プレス内覧会から同展担当キュレーター塚田美紀の言葉を交えながらレポートする。同展では6つのテーマを設け、各章ごとに「メキシコから日本へ」と緩やかにループするように構成されている。まず、北川民次はなぜメキシコへ行ったのだろうか。「ほぼ偶然と言ってもいいのではないでしょうか。北川民次は1894年、静岡県で製茶業を営む家に生まれ、1914年、20歳のとき、すでにアメリカ西海岸で商売をしていた兄を頼ってアメリカに行きます。稼業より芸術に興味があり、ニューヨークで働きながら学んでお金を貯めて、1921年、本当の“ライフ”を求めてメキシコへ向かいました。途中キューバで現金とアメリカで描いたドローイングを盗まれ、メキシコで長く生活することになります」(塚田)北川民次1949年撮影:松谷錦二郎提供:世田谷美術館展覧会全体に通底するのは、北川の市井の人々へのあたたかな視線。例えば、第1章「民衆へのまなざし」では、メキシコで先住民の集落を訪ねていた北川が、先住民文化を共有し、近代化する社会をたくましく生きる姿を描いている。また、1936年に帰国後も、近年公開されるようになった出征兵士を描いた作品などから、戦争で被害を被るのはいつも庶民だという批判精神が感じられる。中央左から《トラルパム霊園のお祭り》1930年名古屋市美術館、《ランチェロの唄》1938年東京国立近代美術館《トラルパム霊園のお祭り》1930年名古屋市美術館提供:世田谷美術館左から《鉛の兵隊(銃後の少女)》1939年個人蔵、《作文を書く少女(慰問文を書く少女)》1939年名古屋市美術館、《出征兵士》1944年東京都現代美術館戦時下の日本。第3章「幻想と象徴」では、シュルレアリスムの非現実的・暗示的手法を、検閲を逃れる武器として用いた画家たちと響き合うような作品を紹介。1940年、国家行事として行われた「紀元二千六百年奉祝美術展覧会」出品作《岩山に茂る》は、不毛の土地で粘り強く生きる植物を描いているが、時代への抵抗を潜ませているとも取れる。北川が戦争画の波に巻き込まれなかった所以を塚田に聞くと「欧米中心の時代に、進んでメキシコに行くという異色の経歴であり、帰国時は国内では全く無名の画家だったためではないか」という答え。確かに主流や時流から距離を置き、よく世界を観察していたように思われる。《岩山に茂る》1940年個人蔵提供:世田谷美術館妻の故郷・愛知県瀬戸市に疎開後は気に入って終の住処となった。第4章「都市と機械文明」では、産業のまち「瀬戸」を描いた作品なども。「当初は、機械化による良いものづくりが社会にもたらす豊かさへの期待があったと思うんです。それが60年代以降は公害の問題などもあり、両義的な絵を描くようになります」(塚田)。第4章「都市と機械文明」展示風景また、北川は、メキシコと日本で庶民への美術教育にも取り組んだ。第5章「美術教育と絵本の仕事」では、まずメキシコ市南部のトラルパンと市から約170キロ離れたタスコの野外美術学校での教師としての活動を紹介。同展のキービジュアルにもなったロバの絵は、現地の雑誌で大きく掲載された作品。「メキシコでは革命で国が疲弊した後、とりわけアメリカから多くの観光客を招いて活性化させようとしました。野外美術学校で同僚の画家が書いた同記事では、土産物屋や風光明媚な場所にだけ行ってわかったような顔をして帰る観光客が多いなか、北川は先住民の暮らしに分け入って絵を描いている人。私たち(メキシコ人)の眼で描いていると紹介されています。ロバは、当時のメキシコの庶民にとって家族同然の動物であり、それを愛情深く丁寧に描いているんです」(塚田)。展示風景よりメキシコの野外美術学校で教師をしていた頃の作品群《ロバ》1928年愛媛県美術館提供:世田谷美術館また、戦時中は日本でも学校開設を試みたが叶わず、やきものづくりがテーマの『マハフノツボ(魔法の壺)』など2冊の絵本を制作。戦後は、名古屋の東山動物園で1か月、子供たちが絵を描く学校を2年間行った。北川の真意が親や周囲に必ずしも理解されたわけではないようだが、子供たちは自由に絵を描いているように見える。「名古屋東山動物園美術学校」に関する展示風景また、ディエゴ・リベラら1920年代のメキシコ壁画運動の作家たちと交流があり、帰国後も壁画を描くことをずっと目指していた。第2章「壁画と社会」では、メキシコで現実社会と向き合い、社会に対する批評や見解を作品で表現することを学んだ北川が、沖縄の米軍基地問題や安保闘争を扱った作品などを展示。左から《タスコの祭》1937年静岡県立美術館、《メキシコ戦後の図》1938年宮城県美術館左から《白と黒》1960年 刈谷市美術館蔵、《いなごの群れ》1959年 名古屋市美術館そして「エピローグ 再びメキシコへ」の名古屋CBC会館壁画や瀬戸市民会館陶壁など、ようやく実現した壁画制作へとつながる。名古屋旧カゴメビルの壁画原画について「トマトという名前はメキシコの先住民の言葉に由来する、メキシコとつながりの深い食べもの。メキシコではポピュラーな緑のトマトの種を取り寄せて、自ら栽培しながら描いたといいます」(塚田)。《名古屋旧カゴメビル壁画原画 TOMATO》1962年頃カゴメ株式会社「会場をぐるっと回り、ずいぶん旅をしたなという感じを持っていただけたら嬉しいです」と塚田。画中に時折見られる「バッタ」は北川の分身だそうだ。近年復刊された著書『絵を描く子供たち』には、社会を変えようと人々が声を挙げるアメリカやメキシコに比べ、日本人は運命的に捉えて戦おうとしないといった難しさも綴られている。1989年に没後も、作品を通して「自由とは何か」を伝えてくる草の根の画家を今こそ見直したい。取材・文・撮影(提供写真以外):白坂由里<開催概要>『生誕130年記念北川民次展―メキシコから日本へ』2024年9月21日(土)〜11月17日(日)、世田谷美術館にて開催公式サイト:
2024年10月07日国立西洋美術館で、2025年10月25日(土)から2026年2月15日(日)まで、『オルセー美術館所蔵印象派―室内をめぐる物語』が開催されることが発表された。印象派といえば、戸外の風景を移ろう光とともにとらえた絵画がまず最初に思い浮かぶが、同展では、彼らが多く描いたテーマのひとつである室内の表現に注目。「印象派の殿堂」ともいわれるパリ・オルセー美術館所蔵の作品68点を中心に、国内の重要作品も加えた約100点で、室内をめぐる印象派の画家たちの関心のありかや表現上の挑戦をたどっていく。なお、オルセー美術館の印象派コレクションがこの規模で来日するのは、およそ10年ぶりのこと。また今回は、若きドガの才気みなぎる代表作《家族の肖像(ベレッリ家)》が日本で初めて展示される。さらに、マネ、モネ、ルノワール、セザンヌらの名品も一堂に会し、室内というテーマを通して印象派のもうひとつの魅力を堪能できる機会となりそうだ。<開催情報>『オルセー美術館所蔵印象派―室内をめぐる物語』2025年10月25日(土)~2026年2月15日(日)、国立西洋美術館にて開催公式サイト:
2024年10月01日特別展「中国陶磁・至宝の競艶—上海博物館×大阪市立東洋陶磁美術館」が、大阪市立東洋陶磁美術館にて、2024年10月19日(土)から2025年3月30日(日)まで開催される。中国陶磁の名品が一堂に中国を代表する博物館のひとつ、上海博物館と、東洋陶磁のコレクションで世界第一級の質・量を誇る、大阪市立東洋陶磁美術館。特別展「中国陶磁・至宝の競艶—上海博物館×大阪市立東洋陶磁美術館」は、両館のコレクションの中国陶磁を一堂に集め、その真髄を紹介する展覧会だ。上海博物館が誇る陶磁器コレクションが来日1952年に開館した上海博物館は、青銅器、陶磁器、絵画、書、彫刻、玉器、貨幣など、貴重な中国文物を数多く擁している。なかでも陶磁器は、同館のコレクションを代表するものである。本展では、その所蔵作品より、日本初公開作品22件を含む、50件の中国陶磁が来日。そのうち10件は、中国で国宝級に相当する「国家一級文物」に指定されている。希少な中国陶磁の名品を公開本展では、唐時代から清時代にいたる、中国陶磁の名品を公開。なかでも、清時代に景徳鎮官窯で作られた《蘋果緑釉印盒(ひんかりょくゆういんごう)》(国家一級文物)は、海外初出品。鮮やかな紅色を示す「豇豆紅(こうとうこう)釉」は、希少であるとされている。そのなかで《蘋果緑釉印盒》は、焼成中に淡い緑色となり、部分的に紅色も見られる、極めて珍しい作品となっている。2館のコレクションの競艶(きょうえん)また、上海博物館と大阪市立東洋陶磁美術館それぞれの所蔵品の競艶も。白磁や青磁など、唐時代から明時代にいたる中国陶磁の逸品を目にすることができる。展覧会概要大阪市・上海市友好都市提携50周年記念特別展「中国陶磁・至宝の競艶—上海博物館×大阪市立東洋陶磁美術館」会期:2024年10月19日(土)〜2025年3月30日(日)会場:大阪市立東洋陶磁美術館住所:大阪府大阪市北区中之島1-1-26開館時間:9:30〜17:00※12月20日(金)・21日(土)は19:00閉館※入館はいずれも閉館30分前まで休館日:月曜日(11月4日(月・振)、1月13日(月・祝)、2月24日(月・振)は開館)、11月5日(火)、12月28日(土)〜1月4日(土)、1月14日(火)、2月25日(火)入館料:一般 1,800円(1,600円)、高校・大学生 800円(700円)※( )内は20名以上の団体料金※中学生以下、障がい者手帳などの所持者および介護者1名、大阪市内在住の65歳以上(要証明)は無料※上記の料金で館内の展示すべてを観覧可【問い合わせ先】大阪市立東洋陶磁美術館TEL:06-6223-0055
2024年09月29日箱根のポーラ美術館が来年の企画展スケジュールを発表した。2025年は、近代から現代までの美術における色彩の歴史を読み直す『カラーズ ― 色の秘密にせまる印象派から現代アートへ』、ゴッホの存在がさまざまな時代や地域にもたらした影響と、現代における新たな価値を考察する『ゴッホ・インパクト(仮)』が開催される。2024年12月14日(土)から開催される『カラーズ ― 色の秘密にせまる印象派から現代アートへ』は、近代から現代までの美術における「色彩」に注目する。多様な分野で色彩の果たす役割が広がっている昨今、色彩論や色を表現する素材との関係にふれながら、改めて色彩の役割について考察。モネ、スーラなど、油絵具を巧みに扱い、さまざまな色彩によって視覚世界を再構築した19 世紀の印象派や新印象派、マティスら20 世紀のフォーヴィスムの絵画や抽象絵画、さらには現代アートにいたる近現代の色彩の美術史を、絵画や彫刻、インスタレーションなどによって読み直していく。ロベール・ドローネー《傘をさす女性、またはパリジェンヌ》1913年 ポーラ美術館ベルナール・フリズ《Ijo》2020年 ポーラ美術館©Bernard Frize / ADAGP, Paris, 2024 Photo: Ken Kato Courtesy of the artist and Perrotin『カラーズ ― 色の秘密にせまる印象派から現代アートへ』会期:2024年12月14日(土)~ 2025年5月18日(日)■おもな出品作家(予定)杉本博司、クロード・モネ、ジョルジュ・スーラ、ロベール・ドローネー、アンリ・マティス、ピエール・ボナール、ヘレン・フランケンサーラー、モーリス・ルイス、ケネス・ノーランド、ドナルド・ジャッド、ブリジット・ライリー、ゲルハルト・リヒター、ベルナール・フリズ、ヴォルフガング・ティルマンス、グオリャン・タン、杉本博司、桑山忠明、前田信明、坂本夏子、山口歴、流麻二果、門田光雅、山田航平、川人綾、山本太郎、草間彌生ほか森村泰昌《自画像の美術史(ゴッホ/青い炎)》2016 / 2018年 ポーラ美術館copyright of the artist, courtesy of ShugoArts2025年5月31日(土)からの『ゴッホ・インパクト(仮)』は、ポーラ美術館が開館以来初めて開催するフィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)をテーマとした展覧会となる。わずか37年ほどの生涯のなかで、個性と情熱にあふれた数多くの作品をのこしたゴッホ。うねるような筆触と大胆な色彩による独自の様式を用いた絵画はもちろん、その劇的な生涯も今なお多くの人々の心を揺さぶり続けている。同展では、陽光きらめく南仏のアルルで制作された《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》(1888年)、最晩年にオーヴェール=シュル=オワーズで制作された《アザミの花》(1890年)など、ポーラ美術館が収蔵する3点のゴッホ作品を軸に、芸術に人生を捧げたゴッホという存在が、さまざまな時代においてどのようなインパクトを与えたのかを検証。さらに現代という時代のなかで、「ゴッホ」がいかにして新たな価値を持ち得るのかを考察する。フィンセント・ファン・ゴッホ《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》1888年 ポーラ美術館『ゴッホ・インパクト(仮)』会期:2025年5月31日(土)~11月30日(日)予定■おもな出品作家(予定)フィンセント・ファン・ゴッホ、ポール・シニャック、アンリ・エドモン・クロス、ポール・セザンヌ、ポール・ゴーガン、アンリ・マティス、アンドレ・ドラン、モーリス・ド・ヴラマンク、佐伯祐三、前田寛治、萬鐵五郎、岸田劉生、木村荘八、草間彌生、森村泰昌、福田美蘭、桑久保徹、フィオナ・タンほか
2024年09月25日アムステルダム国立美術館は、2024年9月27日から2025年1月12日まで「アジアのブロンズ像」展を開催し、紀元前の貴重な芸術品から現代のアートまで4000年にわたる75点の貴重な芸術作品を展示します。詳細URL: 「アジアのブロンズ像」展Guhyasamaya Aksobhya, Tibet, 15th century. Rijksmuseum, Amsterdam日本をはじめ、インド、中国、インドネシア、ベトナム、パキスタン、ネパール、韓国のブロンズ像が展示される今回の特別展では、その多くが、オランダ、もしくはヨーロッパで公開されるのが初めてとなる作品です。仏陀、シヴァ神、ヴィシュヌ神などのブロンズ像を見ると、天国がどのように想像されていたのかが窺えます。ブロンズの鏡、武器、鐘、酒器、香炉などは、しばしば、神話上の生き物や、ライオン、象などの形で作られました。ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館、ライデン世界博物館、パリのセルヌスキ美術館、ケルン市立東洋美術館から、日本の貴重な仏像や工芸品などが8点出品されます。さらに、山本合金製作所(京都)の鏡師 山本 晃久氏に国立美術館が今回の特別展のために発注した「魔境」2点も展示されます。アムステルダム国立美術館の館長タコ・ダービッツ氏は、「これほど大規模にアジア諸国とコラボレーションした特別展は未だかつてありませんでした。ヨーロッパで初公開となるユニークな作品を多くの方にお見せできることに感謝しています。古代の職人の高い技術と創造性を用いた作品を見ると、彼らの比類ない芸術的な才能に感動をもたらすでしょう。」と語りました。本展では、アジア各国の美術館から出品された作品の他、欧米の美術館からの作品も展示します。■「魔境」について魔境とは光を当てると鏡の背に施された文様を反射光に投影する鏡のこと。江戸時代に弾圧を受けた隠れキリシタンが、マリア像やキリスト像を崇めるために使われていました。山本合金製作所の五代目 山本 晃久氏は、伝統的な手作業で魔境制作を続ける日本で最後の鏡師です。魔鏡 アムステルダム国立美術館Magic Mirror, Rijksmuseum Amsterdamザリガニの形の香炉Lobster shaped incense burner, Japan 19-20th century, Musee Cernuschi, Parisシヴァ神像 アムステルダム国立美術館Shiva Nataraja, India, c. 1100-1200. Rijksmuseum, Amsterdam (on loan from the Royal Asian Art Society in the Netherlands).【イベント概要】イベント名: 「アジアのブロンズ像」展開催期間 : 2024年9月27日から2025年1月12日開催場所 : アムステルダム国立美術館 フィリップス棟URL : ※アムステルダム国立美術館 公式サイト 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年09月25日2024年9月28日(土)より、弥生美術館では、『上條淳士展LIVE』が開催される。革新的かつスタイリッシュな漫画で、後の漫画表現に大きな影響を与えた上條淳士の画業40周年を記念して行われる展覧会だ。1963年生まれの上條淳士は、83年に「モッブ★ハンター」(週刊少年サンデー増刊号)でデビュー。その後、「ZINGY」(原作・雁屋哲)、「To-y」、「SEX」、「赤×黒」、「8 -エイト-」、「DOG LAW」(原作・武論尊)などを発表し、カリスマ的な人気を得た。イラストレーションの仕事も多数手掛け、近年はギャラリーでの展示活動も精力的に行っている。「To-y」より(1987年)©Atsushi Kamijo Shogakukan Creative彼の代表作の中でも、音楽漫画の金字塔と呼ばれるのが「To-y」である。パンク・ロックバンドのボーカルだった冬威(トーイ)が、芸能界を駆け抜ける本作は、日本の80年代の音楽業界のリアルな描写や、「音」を描かずして描いた革新的なライブシーンなどの表現が、後の音楽漫画、ミュージシャンに影響を与えた。また米軍基地のある街を舞台に、3人の少年少女が危険な裏社会を生きる伝説的名作「SEX」は、こだわり抜かれた作画や魅力的なキャラクター像が話題を呼んだ。「SEX」より(1989年)©Atsushi Kamijo Shogakukan Creative上條淳士の漫画は、ストーリーの魅力もさることながら、「男はエロく、女はカッコよく」との言葉に象徴される登場人物、シャープな線画で独得な空気感や時間の流れを表現する、スタイリッシュな画面構成などが特徴だ。同展では、そんな上條淳士の原画初公開の初期作品から近年のイラストレーション、最新作までを、約1カ月ごとに一部展示替えをしながら紹介する。また会期中は上條淳のサイン会や本人によるトークライブなど、関連イベントが多数開催される。美術館併設のカフェでの会期限定のコラボメニューや、展示に合わせた関連書籍の刊行予定も合わせて、詳細は美術館ホームページで確認を。<開催概要>『画業 40 周年記念 上條淳士展 LIVE』会場:弥生美術館会期:2024年9月28日(土)~2025年1月26日(日)※会期中展示替えあり休館日:月曜(10月14日、11月4日、1月13日は開館)、10月15日、11月5日、1月14日(火)、12月28日(土)~1月3日(金)時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)料金:一 般 1,000円、大高 900 円、中小500 円※竹久夢二美術館と 2 館併せて観覧可公式サイト:
2024年09月09日企画展「スペインの巨匠・ミロ 版画の宇宙」が、群馬県立館林美術館にて、2024年9月28日(土)から12月15日(日)まで開催される。ミロの版画作品、初期から晩年までパブロ・ピカソやサルバドール・ダリと並んで、20世紀を代表するスペインの芸術家として知られる、ジョアン・ミロ。太陽や月、星、鳥など、故郷・スペインの自然に着想を得つつ、ミロは、これらのモチーフを抽象化し、色鮮やかな作品を手がけたのであった。ミロは、絵画や陶芸など、幅広いジャンルの制作を行った。そのうち、油彩画とともにライフワークとして取り組んだのが、版画である。ステンシル、エッチング、木版、リトグラフなど、さまざまな技法にわたるミロの版画作品は、2,500点以上にのぼる。企画展「スペインの巨匠・ミロ 版画の宇宙」は、ミロの版画作品を紹介する展覧会。初の版画作品『一羽の小さなカササギがいた』をはじめとする初期作から、スペインを代表する芸術家として制作した晩年の《「ワールドカップ’82 スペイン」ポスター》まで、約150点を公開する。また、自ら「私は絵画と詩とを区別しません」と語ったミロは、絵と詩を等しく大切にしており、詩人の詩に挿絵をつけた詩画集を数多く残している。本展では、トリスタン・ツァラの『独り語る』やジャック・プレヴェールの『アドニット』といった作品を目にすることができる。展覧会概要企画展「スペインの巨匠・ミロ 版画の宇宙」会期:2024年9月28日(土)~12月15日(日)会場:群馬県立館林美術館 展示室2~4住所:群馬県館林市日向町2003開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)休館日:月曜日(10月14日(月・祝)・28日(月)、11月4日(月・祝)は開館)、10月15日(火)・29日(火)、11月5日(火)観覧料:一般 830円(660円)、高校・大学生 410円(320円)※( )内は20名以上の団体割引料金※中学生以下、障害者手帳などの所持者および介護者1名は無料※65歳以上の群馬県在住者は、平日のみ2割引※10月28日(月)「県民の日」は観覧無料【問い合わせ先】群馬県立館林美術館TEL:0276-72-8188
2024年09月06日特別展「フィンランドのライフスタイル—暮らしを豊かにするデザイン—」が、神戸ファッション美術館にて、2024年9月14日(土)から11月10日(日)まで開催される。なお、香川県などでも開催された巡回展だ。暮らしを彩るフィンランドデザインアール・ヌーヴォーやバウハウスなどの芸術運動から影響を受けつつ、暮らしを豊かにするような独自の様式を築いていったフィンランドのデザイン業界。独特の形状や色彩を取り入れると同時に機能性を兼ね備えた食器・家具は、世界で広く愛されている。特別展「フィンランドのライフスタイル—暮らしを豊かにするデザイン—」では、代表的なデザイナーが手掛けたプロダクトの展示を通して、フィンランドのデザイン文化の魅力に迫る。生活に根ざした普遍的な美たとえば、うねり・曲線の美を花瓶や照明器具などに落とし込んだアルヴァ・アアルトと、モダンなタンブラーやグラスをデザインした妻、アイノ・アアルト。そのほかにも、イルマリ・タピオヴァーラによるスツールや、カイ・フランクの皿などからは、日常生活に根ざした普遍的な芸術性・機能性が感じられる。自然を着想源に自然から着想を得たモチーフも、フィンランドのデザインの特徴。ビルゲル・カイピアイネンによる植物模様の壁掛けプレートや、石本藤雄が提案する花型のレリーフなど、デザイナー自身が体感した自然をそのまま落とし込んだプロダクトの数々に注目だ。【詳細】特別展「フィンランドのライフスタイル—暮らしを豊かにするデザイン—」会期:2024年9月14日(土)〜11月10日(日)場所:神戸ファッション美術館住所:神戸市東灘区向洋町中2-9-1開館時間:10:00〜18:00(最終入館 17:30)休館日:月曜日、9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)※9月16日(月)、9月23日(月)、10月14日(月)、11月4日(月)は開館。料金:・[通常]一般 1,000円/大学生・65歳以上 500円/高校生以下 無料・[団体]一般 800円/大学生・65歳以上 400円/高校生以下 無料※神戸市内在住の65歳以上は無料。※団体料金は有料入館者30名以上で適用。【問い合わせ先】神戸ファッション美術館TEL:078-858-0050
2024年09月05日ドイツを拠点として活動する西川勝人による日本初の回顧展『西川勝人 静寂の響き』が、9月14日(土)〜2025年1月26日(日)、DIC川村記念美術館で開催される。1949年東京生まれの西川は、バウハウス誕生の地であるドイツに23歳で渡り、ミュンヘン美術大学を経て、デュッセルドルフ美術大学でエルヴィン・ヘーリッヒに師事。ノイス市にあるインゼル・ホンブロイヒ美術館の活動に参画したことを機に、隣接するアトリエを拠点として活動を続けている。シンプルな構造と簡素な素材による白い彫刻に代表されるように、光と闇、その間の漠とした陰影がもたらす静けさが魅力だ。ほかにも、写真、絵画、ドローイング、インスタレーション、建築的構造物など、表現方法は多岐にわたるが、いずれもその存在を声高に主張することなく、静謐さをたたえている。西川勝人《池のほとり》2010年作家蔵©Katsuhito Nishikawa 2024今回の展覧会は、1980年代以降の創作から西川自身が作品を選んで構成。自然光、外光、照明、間接光と、さまざまな光のもとで、作品の表情の違いも楽しめる。また、美術館前に広がる池には、同展のために制作された新作の屋外彫刻《佐倉の月》が浮かぶ。会期中にトークイベントやミュージアムコンサートなども行われるので、ぜひチェックしてから出かけたい。西川勝人《根》1994年作家蔵 ©Katsuhito Nishikawa 2024ヨーロッパを拠点としているため、日本国内で見る機会が限られてきた西川の40年を超える活動をまとめて見られる貴重な機会。都会の喧騒を離れた自然豊かな美術館で、瞑想に浸るような体験になりそうだ。<開催概要>『西川勝人静寂の響き』会期:2024年9月14日(土)〜2025年1月26日(日)会場:DIC川村記念美術館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)休館日:月曜(祝日の場合は開館翌平日休)、12月24日(火)〜1月1日(水)入館料:一般 1,800円 、大学・65歳以上 1,600円公式サイト:
2024年08月27日企画展「画業40周年記念 上條淳士展 LIVE」が、東京の弥生美術館にて、2024年9月28日(土)から2025年1月26日(日)まで開催される。漫画家・上條淳士の画業に迫る1983年に『モッブ★ハンター』でデビューして以降、『To-y』『SEX』『赤×黒』といった名作を発表してきた漫画家、上條淳士。「画業40周年記念 上條淳士展 LIVE」では、漫画界の内外に大きな影響を与えてきた、シャープな線で描かれるスタイリッシュな漫画作品や最新のイラスト作品を展示し、上條の画業を見つめ直す。1980年代の音楽界を描く『To-y』たとえば、1980年代の音楽界をリアルに描写した『To-y』の展示。音そのものを描かずに表現されるライブシーンや、センスが光るファッションの描写など、上條の技量が再びフォーカスされる。なお、上條は、作中のキャラクターのモデルとなっていた吉川晃司のCDジャケットも手掛けており、そのイラストなどが併せて紹介される。『SEX』に登場する魅力的なキャラクターたちまた、美しくも力強い“生き方”を描く上條作品の特徴の一つとして、それ以前の少年漫画にはあまりなかったようなキャラクターデザインが挙げられる。会場では、原画の数々を通して、上條による魅力的なキャラクター、洗練された画面構成、独特の空気、時間の流れなどを読み解いていく。【詳細】企画展「画業40周年記念 上條淳士展 LIVE」会期:2024年9月28日(土)〜2025年1月26日(日)・[Ⅰ期]9月28日(土)〜10月27日(日)・[Ⅱ期]10月29日(火)〜11月24日(日)・[Ⅲ期]11月26日(火)〜12月22日(日)・[Ⅳ期]12月24日(火)〜1月26日(日)場所:弥生美術館住所:東京都文京区弥生2-4-3開館時間:10:00〜17:00(最終入館 16:30)休館日:月曜日、12月28日(土)〜1月3日(金)※10月14日(月・祝)、11月4日(月・祝)、1月13日(月・祝)は開館、 10月15日(火)、11月5日(火)、1月14日(火)は休館。入館料:一般 1,000円/大学生・高校生 900円/中学生・小学生 500円※竹久夢二美術館と併せて観覧可能。※Ⅰ期〜Ⅳ期のそれぞれで、一部作品の入れ替えを行う。【問い合わせ先】弥生美術館TEL:03-3812-0012
2024年08月26日2024年9月19日(木)より、東京都美術館では、『田中一村展奄美の光 魂の絵画』が開催される。卓越した画才を持ちながらも中央画壇と一線を画し、ひとり奄美大島で独自の画境を切り拓いた田中一村(たなか・いっそん/1908-1977)の全貌を紹介する大回顧展だ。6歳の頃には、すでに「米邨」の画号で絵を描き、10代の頃には何度も画会を開くほどに南画家として活躍していた田中一村。ところが、難なく合格した東京美術学校の日本画科を、わずか2カ月で退学した後は、千葉での活動が長く続いた。戦後は川端龍子主宰の青龍展に参加するも、自信作が落選したことに納得できず団体から離れ、日展や院展に出品した作品も全て落選。53歳の時に本格的に奄美大島に移住した後は、紬工場の染色工として働き、制作費が貯まると絵画に専念するという生活を送った。《菊図》 大正4年(1915)個人蔵 Ⓒ2024 Hiroshi Niiyama同展では、彼が奄美で描いた作品をはじめ、スケッチや工芸品、資料を含めた250件を超える作品が紹介されるが、なかでも一村自身が「閻魔大王えの土産品」と手紙に書いた《アダンの海辺》と《不喰芋の蘇鐵》は必見。前者は一村にとって奄美大島を象徴するモチーフ「アダン」の実を、きらめく波涛や砂浜を背景に大きく描いた作品、後者は花芽から実が落ちるまでの不喰芋の命の円環を、南国の生命力あふれる濃密な自然の中に表現した作品だ。《アダンの海辺》昭和44年(1969)個人蔵 Ⓒ2024 Hiroshi Niiyamaその他、一村が23歳の時に描いた初公開の力作《椿図屏風》や、青龍展で初入選した《白い花》など、注目作がズラリと並ぶ。なぜこれほどの才能を持った一村が、生前、認められなかったのか?様々な思いに心がざわつくことだろう。また同展では一村が支援者や周囲の人と交わした交流の軌跡を追うことで、決して「孤高の画家」ではなかった彼の人間的な魅力にも迫っていく。記念公演会やトークショーなど、関連イベントも多数。詳細は展覧会公式サイトで確認を。<開催概要>『田中一村展奄美の光 魂の絵画』会期:2024年9月19日(木)~12月1日(日)会場:東京都美術館 企画展示室時間:9:30~17:30、金曜は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)休室日:月曜(9月23日、10月14日、11月4日は開室)、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)料金:一般 2,000円、大学1,300円、65歳以上 1,500円公式サイト:
2024年08月22日京都府立堂本印象美術館は、特別企画展「生誕120年記念モダニスト福田豊四郎、秋田を描く土田麦僊に愛された日本画家」を、会期:2024年10月9日(水)~11月24日(日)にて開催いたします。秋田に題材を求めた作品を中心に、初期から晩年までの代表作を一堂に紹介会期:2024年10月9日(水)~2024年11月24日(日)開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)休館日:月曜日(祝休日の場合は翌平日休館)予定を変更する場合がございます。ご来館前に当館ホームページなどで最新情報をご確認ください。入場料金:一般510(400)円、高大生400(320)円、小中生200(160)円※()は20名以上の団体料金※65歳以上の方(要公的証明書)および障害者手帳をご提示の方(介護者1名含む)は無料主催:京都府、京都府立堂本印象美術館(指定管理者:公益財団法人京都文化財団)、京都新聞特別協力:秋田県立近代美術館助成:一般財団法人地域創造■展覧会概要福田豊四郎(1904-1970)は郷里秋田の風景を詩情豊かに描きながら、一方で日本画の革新を目指したモダニストという面を持ちます。豊四郎ははじめ京都で洋画を学んだ後、東京の川端龍子と京都の土田麦僊に師事して日本画家となります。1928年に活動拠点を東京へ遷してからは、龍子の青龍社に所属して意欲作を発表しますが、1933年に脱退し、その後吉岡堅二とともに西洋絵画の手法などを取り入れた新しい感覚の日本画を追求して前衛的な活動を推し進めていきます。1948年の創造美術(のちの創画会)旗揚げの際にはその先頭に立ち、戦後の日本画を牽引しました。本展では、豊四郎が生涯にわたり愛した秋田に題材を求めた作品を中心に、初期から晩年までの代表作を一堂に紹介し、豊四郎芸術の魅力に迫ります。■みどころ【京都では初の回顧展】福田豊四郎の京都時代(1923-28)の作品を展示し、京都の地での豊四郎の確かな足跡を紹介します。【師、土田麦僊と川端龍子との交流を紹介(初公開の書簡資料含む)】師の麦僊と龍子は豊四郎の実力を高く評価しました。二人の教えを受け、模索する豊四郎の心の動きを書簡資料などから読み解きます。【実物を見て味わってほしい豊四郎芸術の魅力】カラリスト豊四郎ならではのモダン感覚あふれる表現とともに、生涯にわたり一貫して変わらない秋田への郷土愛を感じてください。■イベント【関連イベント】●ギャラリートーク(参加費・申込不要、要入場券)日時:2024年10月19日(土)14:00~2024年11月9日(土)14:00~場所:美術館 2階展示室●記念座談会「福田豊四郎の芸術と人間的魅力を語る」(申込不要)日時:2024年10月27日(日)13:30~15:30登壇者:土屋 禮一氏(日本画家、日本芸術院会員)菊屋 吉生氏(山口大学名誉教授)野地 耕一郎氏(泉屋博古館東京館長)松尾 敦子(当館主任学芸員)聞き手:林屋 祐子(京都新聞社メディア局)会場:立命館大学末川記念会館講義室定員:先着150名(当日12時30分より美術館ロビーにて整理券を配布します)参加費:無料(本展観覧券または65歳以上の公的証明書が必要)●トークセッション「雪、氷、田園のロマン ー福田豊四郎の世界」(要申込)日時:2024年10月16日(水)10:30~11:30出演:松尾 敦子(当館主任学芸員)林屋 祐子(京都新聞社メディア局)会場:京都新聞文化ホール(京都市中京区烏丸通夷川上ル 京都新聞ビル7階)参加費:510円(本展観覧券1枚付き)※問合せ京都新聞COM事業推進局開発推進部(TEL:075-255-9757)平日10時~17時●佛教大学オープンラーニングセンター京都新聞総合研究所提携講座(要申込)「アートサロン広げる!深める!アートの世界」特別企画展「モダニスト福田豊四郎、秋田を描く」描いても想っても尽きないふるさと日時:2024年11月11日(月)13:00~14:15講師:松尾 敦子(当館主任学芸員)会場:佛教大学 15号館南館 オープンラーニングセンター(京都市北区紫野北花ノ坊町96)定員:対面100名/オンライン200名料金:会員1,000円、ビジター2,000円※9月25日(水)より申込受付開始※問い合わせ佛教大学 オープンラーニングセンター(TEL:075-366-5511)平日10時~17時(出典元の情報/画像より一部抜粋)(最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください)※出典:プレスリリース
2024年08月21日出版160周年記念『不思議の国のアリス展』が愛知県の松坂屋美術館で9月21日(土)まで開催されている。本展は、ルイス・キャロルの名作『不思議の国のアリス』の原点に迫る展覧会だ。印象的なシーンを抜き出したフォトスポット(C)Macmillan Publishers International Limited. THE MACMILLAN ALICE(TM)小説『不思議の国のアリス』は、1865年に英国マクミラン社から発売され、風刺挿絵画家のジョン・テニエルが挿絵を担当。その後、マクミラン社は挿絵をカラー化したり、時には異なる画家による挿絵を交えて本作を出版してきた。同じシーンを4人の画家が描いた作品が並ぶ(C)Macmillan Publishers International Limited. THE MACMILLAN ALICE(TM)この展覧会ではマクミラン社が所有する日本初公開となるカラー原画をはじめ、印刷の原版や貴重な研究資料など約250点が登場。これまでに挿絵を手がけた4人の画家の表現を同会場で一度に楽しむことができる。芥川龍之介が翻訳に関わった作品など貴重な資料も多数展示(C)Macmillan Publishers International Limited. THE MACMILLAN ALICE(TM)出版から160年。今でも世界中で愛され続ける名作の“はじまり”と、その後の進化をたどることができる貴重な催しだ。図録はもちろん、展覧会オリジナルのグッズなども多数販売(売り切れの際はご容赦ください)(C)Macmillan Publishers International Limited. THE MACMILLAN ALICE(TM)出版160周記念不思議の国のアリス展■チケット情報()8月3日(土)〜9月21日(土)10時~18時※入館は閉館30分前まで※会期中無休松坂屋美術館(松坂屋名古屋店南館7階)
2024年08月20日ポーラ美術館にて、イベント「Wilderness - Night at Pola Museum of Art」が、2024年9月6日(金)18時より開催される。“音楽×アート”を楽しむポーラ美術館の夜イベント「Wilderness - Night at Pola Museum of Art」は、夜のポーラ美術館で、音楽とともにアートが楽しめる一夜限りのイベント。会場では、イギリス・ロンドン在住のミュージシャンの大森日向子が、日本初となる単独DJ公演を展開する。ライトアップされた美術館の中では、コレクション展や企画展を鑑賞できるほか、開催中の企画展「フィリップ・パレーノ:この場所、あの空」に関するミュージアム・トークを開催。夜の美術館で非日常の鑑賞体験を楽しむことができる。【詳細】ポーラ美術館「Wilderness - Night at Pola Museum of Art」開催日時:2024年9月6日(金)18:00〜場所:ポーラ美術館住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285開館時間:10:00〜21:00(最終入館 19:30) ※イベント当日入館料:大人 2,200円/大学・高校生 1,700円/中学生以下 無料※障害者手帳所有者および付添者(1名まで)は1,100円。※団体割引あり。【問い合わせ先】ポーラ美術館TEL:0460-84-2111
2024年08月18日企画展「竹久夢二と読売新聞 ~記者・夢二の仕事とそれから~」が、東京の竹久夢二美術館にて、2024年9月28日(土)から2025年1月26日(日)まで開催される。竹久夢二と読売新の関わりをひもとくセンチメンタルな画風の「夢二式美人画」を手がけ、大正ロマンを象徴する画家として知られる、竹久夢二。明治〜大正時代の雑誌に発表したイラストレーションをはじめ、日本画から水彩画、油彩画、木版画、デザイン、そして詩や童話まで手がけるなど、多岐にわたる分野で活躍した。明治17年(1884年)に生まれた夢二は、明治40年、読売新聞に入社。房総から水戸、仙台、松島方面を取材して「涼しき土地」を連載するなど、『読売新聞』には、若き夢二が記者として手がけた時事スケッチや、紀行文の連載が掲載された。企画展「竹久夢二と読売新聞 ~記者・夢二の仕事とそれから~」では、夢二が『読売新聞』で記者として携わった仕事に加えて、公私ともに注目されて取材対象となった夢二にまつわる記事を紹介。さらに、明治時代末から昭和時代初期にかけてメディアに取り上げられたトピックを、夢二作品とともに紹介する。展覧会概要企画展「竹久夢二と読売新聞 ~記者・夢二の仕事とそれから~」会期:2024年9月28日(土)〜2025年1月26日(日)会場:竹久夢二美術館住所:東京都文京区弥生2-4-2開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)休館日:月曜日(10月14日(月・祝)、11月4日(月・振)、1月13日(月・祝)は開館)、10月15日(火)、11月5日(火)、12月28日(土)~1月3日(金)、1月14日(火)入館料:一般 1,000円、高校・大学生 900円、小・中学生 500円※弥生美術館とあわせて観覧可【問い合わせ先】竹久夢二美術館TEL:03-5689-0462
2024年08月17日アール・デコ建築で名高い旧朝香宮邸を本館とする東京都庭園美術館は、その特徴的な建築の魅力を重点的に紹介する『建物公開展』を年に一度、テーマを決めて開催してきた。この恒例の展覧会が、今年は建物の大きな見どころのひとつである「照明」に焦点をあてて、9月14日(土) から11月10日(日)まで開催される。朝香宮邸は、1920年代にフランスのパリに滞在した朝香宮夫妻が、当時全盛期にあったアール・デコ様式に魅せられて建てた建物だ。フランスの装飾美術家アンリ・ラパンが主要な部屋の室内装飾を手がけ、宮内省内匠寮の技師らが全体の設計を担い、1933(昭和8)年に竣工した。最先端の技術と最高級の素材を用い、日仏のデザインを融合させたこの名建築は、当初の建物の様子を今も良好な状態で伝えることから、国の重要文化財に指定されている。東京都庭園美術館本館 大客室シャンデリア ルネ・ラリック《ブカレスト》各部屋に合わせてデザインされた照明器具もまた、宮邸時代の雰囲気を伝えてくれるもののひとつだ。今回は、こうした照明にまつわる丁寧な紹介をほどこすことに加え、各室に同時代のランプ類を配し、旧宮邸の家具やしつらえとともに当時の雰囲気を演出するという。建物公開展の大きな魅力は、大食堂のテーブル・セッティングをはじめとして、宮邸の時代の趣が感じられる再現展示が行われることだ。また、普段は作品保護のために閉じられている本館の窓のカーテンも開け放たれ、大きな窓から望む景色とともに、室内装飾やアール・デコの意匠をじっくり味わうこともできる。通常は閉鎖されていることが多い特別なスペースである3階のウインターガーデンも公開される予定だ。東京都庭園美術館本館 ウインターガーデン暑い夏を乗り切れば、繊細な陽の光の移ろいを長く楽しめる季節が到来する。窓から差し込む秋の陽光を浴びた邸宅空間を堪能したあとは、徐々に色づき始める庭園の散策もお薦めだ。なお同展では、一定の条件のもと、館内の写真撮影も可能で、それぞれのお気に入りのスポットを写真で持ち帰れる趣向となっている。<開催概要>『建物公開2024あかり、ともるとき』会期:2024年9月14日(土)~11月10日(日)会場:東京都庭園美術館(本館+新館)時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)休館日:月曜(9月16日、23日、10月14日、11月4日は開館)、9月17日(火)、24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)料金:一般1,000円、大学800円、高中500円、65歳以上500円※都内在住在学の中学無料公式サイト:
2024年08月16日京都国立近代美術館(MoMAK)では、2024年9月13日(金)より、京都服飾文化研究財団(KCI)との共同企画展『LOVEファッション-私を着がえるとき』を開催する。KCI が所蔵する18世紀から現代までの衣装コレクションを中心に、人間の根源的な欲望を照射するアートや文学作品と ともに、ファッションとの関わりにみられる様々な「LOVE」のかたちについて考える展覧会だ。「自然にかえりたい」「綺麗になりたい」「ありのままでいたい」「自由になりたい」「我を忘れたい」という5つのキーワードで構成される同展では、KCIが厳選した18世紀以降の衣装を通じて、「着ること」の面白さや奥深さを紹介。また時代や性別を超えた衣装で人々の固定概念を揺さぶる川久保玲(コム・デ・ギャルソン)や、コロナ禍、2度に渡る延期を乗り越えて発表されたジャン=ポール・ゴルチエとサカイのコラボレーションなど、着る人や作り手の「LOVE 」にあふれた作品にも注目だ。Loewe(ジョナサン・アンダーソン)ドレス(部分)2022 年秋冬 © 京都服飾文化 研究財団、撮影:来田猛と同時に、会場では様々な願望や葛藤を抱えながら現代を生きる「私」のありようを、現在活躍するアーティストたちの作品を通して紹介。身近な友人との日常を切り取ったヴォルフガング・ティルマンスの写真や、同世代の女性たちのインタビューを題材に描いた松川朋奈の絵画などから、服を着る「私」の存在とその認識を考える。Christian Dior(クリスチャン・ディオール)イブニング・ドレス 1951 年春夏 © 京都服飾文化研究財団、撮影:来田猛同展ではグラフィック・デザインに、「第8回横浜トリエンナーレ」(2024)の総合グラフィック・デザインを手掛けた岡﨑真理子、会場デザインに、気鋭の建築コレクティブGROUPを起用。 翻訳家・柴田元幸氏の記念 講演会、アーティストによるギャラリー・トーク、ワークショップなどの関連イベントとともに、展覧会オリジナルグッズも多数用意されている。どちらも今後の追加が予定されるので、イベントの申し込み方法やスケジュールも含めて、詳細は同展特別サイトで確認を。<開催概要>『LOVE ファッション─私を着がえるとき』会期:2024年9月13日(金)~11月 24日(日)会場:京都国立近代美術館)時間:10:00~18:00、金曜は20:00まで(入館は閉館30 分前まで)休館日:月曜(9月16日、23日、10月14日、11月4日は開館)、9 月17日(火)、9 月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火) )料金:一般1,700円、大学1,100円、高校600円公式サイト:
2024年08月13日手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』の連載50周年を記念した展覧会「手塚治虫 ブラック・ジャック展」が、美術館「えき」KYOTOにて、2024年9月1日(日)から10月6日(日)まで開催される。なお、東京・六本木でも開催された巡回展だ。手塚治虫『ブラック・ジャック』の魅力に迫る展覧会1973年11月から1983年10月まで、少年漫画誌『週刊少年チャンピオン』に掲載された『ブラック・ジャック』。無免許医でありながら天才的な外科技術を持ち、不可能と言われる手術をもこなすブラック・ジャックと、彼が生んだ“18歳で0歳”の女の子ピノコを中心に、様々なテーマやメッセージを込めた物語が展開された。「手塚治虫 ブラック・ジャック展」では、全4室の展示エリアを通して『ブラック・ジャック』の魅力を紹介。たとえば、作品の“誕生秘話”をテーマにした第2室では、『ブラック・ジャック』の原稿や手塚の医科大学時代の資料などを展示し、手塚の発想力の秘密に迫る。“蘇生”をテーマにした第4室では、手術のシーンを現代アートの視点から再解釈する展示や、作品を現代医療の側面から読み解くコーナーなどを設置。『ブラック・ジャック』の世界を余すところなく味わえる内容となっている。【詳細】展覧会「手塚治虫 ブラック・ジャック展」会期:2024年9月1日(日)~10月6日(日)場所:美術館「えき」KYOTO住所:京都府京都市下京区東塩小路町 ジェイアール京都伊勢丹 7階 隣接開館時間:10:00〜19:30 ※最終入館 19:00休館日:なし〈チケット情報〉■当日券販売場所:美術館「えき」KYOTO チケット窓口、チケットぴあ(Pコード 994-885)、ローソンチケット(Lコード 54465)料金:一般 1,100円/高校生・大学生 900円/小学生・中学生 700円■前売券販売期間:2024年7月13日(土)〜8月31日(土)販売場所:美術館「えき」KYOTO チケット窓口、チケットぴあ(Pコード 994-885)、ローソンチケット(Lコード 54465)料金:一般 900円/高校生・大学生 700円/小学生・中学生 500円■ペア前売券販売期間:2024年7月13日(土)10:00〜8月12日(月・振)販売場所:ローソンチケット(Lコード 54465)料金:1,700円(2枚)※「手塚治虫」の「塚」は旧字体【問い合わせ先】ジェイアール京都伊勢丹大代表TEL:075-352-1111
2024年08月08日あべのハルカス美術館では、日本美術や西洋美術、現代アートなど多彩な展覧会を開催しています。2024年は、7月6日より開催中の「あべのハルカス美術館開館10周年記念 広重 ー摺の極ー 」に続き、10月より「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵 」、2025年は、1月より「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」、4月より「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」を開催予定です。(既報のとおり。詳細は別紙参照)このたび上記の展覧会に続き、新たに下記展覧会の開催が決定しましたのでお知らせいたします。今後も、より魅力的な都市型美術館として多くのお客様にお越しいただけるよう運営してまいります。「深堀隆介展 水面のゆらぎの中へ」会 期 :2025年7月5日(土)~9月7日(日)共 催 :読売テレビ、読売新聞社開 催 趣 旨 :金魚に魅せられ、創作を続ける美術作家・深堀隆介。透明樹脂にアクリル絵の具で何層にも重ねて描く「2.5Dペインティング」とも称される斬新な技法により立体感のある金魚を作り出してきました。その作品は、まるで目の前に水があり、命のある美しい金魚が泳いでいるかのような迫真性を観る者に与えます。水面の揺らぎの中にあるのは虚か実か、幻か現か。 深堀は自身の作品をまるで生きているかのように「見せる」一方で、それが命を持たない絵の具の積層であるという事実に正面から対峙します。深堀の作品には、幻影と物質の同居というリアリズムにおける根源的な命題が横たわっているのです。本展では初期の立体作品から、絵画、映像、大規模なインスタレーションなど新作を含む作品約300点を一挙ご紹介。深堀が一貫して取り組んできた金魚の造形にあらためて光をあて、描くこと、リアルであることに対する作家の思想に迫る展覧会です。虚実の狭間をたゆたうように私たちを誘う、〈金魚繚乱〉の世界をご覧ください。※上記の画像データは貸出が可能です。ご希望の方はお問合せください。また、事前に原稿の確認が必要になります。(画像の使用は、本展覧会をご紹介いただく媒体に限ります。ご使用後は破棄をお願いします。)※開催1ヶ月前を目処に詳細なプレスリリースを皆様のもとへお送りします。別紙: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年08月06日喜多方市美術館では夏の特別企画展として、「生命のうた 高砂淳二写真展」を2024年8月3日(土)~9月23日(月)に開催します。高砂淳二(1962~)は宮城県石巻市出身の写真家で、世界中の国を訪れ、海、虹、風景、夜空など地球全体をフィールドに撮影活動を続けています。2022年、世界最高峰といわれる自然写真賞「Wildlife Photographer of the Year」の自然芸術部門において最優秀賞を受賞しました。本展は、高砂氏が撮影した繊細で美しい地球の表情とそこに住む生き物たちの愛らしい姿など80点あまりの写真を紹介します。地球には無数の生き物たちが暮らしています。微小なものから巨大生物まで、それぞれが命を謳歌することで地球は元気を保っています。それはまるで、みんなが自分自身の歌を歌うことで、地球がハーモニー溢れる曲を奏でているかのようです。今回の展示では、世界各地の自然風景とともにさまざまな生き物が登場し、その特徴的な姿を見せてくれます。「私たち人間は、この美しい地球をこんなにも多くの愛らしく個性的な生き物たちとシェアして暮らしている」ということをあらためて感じていただければと思います。タテゴトアザラシの仔/セントローレンス湾・カナダ (C)Junji Takasago“天空の鏡”で羽を休めるフラミンゴ/ウユニ塩湖・ボリビア (C)Junji Takasagoグリズリーの母子/アラスカ・アメリカ (C)Junji Takasago■高砂淳二(たかさごじゅんじ)自然写真家。熱帯から極地まで、地球そのものをフィールドに撮影活動を行っている。最新刊「この惑星の声を聴く」(クレヴィス)ほか、著書は30冊を超える。フランス・パリ日本文化会館、ザルツブルグ博物館、美術館「えき」KYOTOなど写真展多数開催。TBS「情熱大陸」、NHK「SWITCHインタビュー」をはじめ、テレビ、ラジオ、雑誌等のメディアや講演会などで、自然の大切さ、自然と人間の関係性、人間の地球上での役割などを幅広く伝え続けている。海の環境NPO法人OWS(The Oceanic Wildlife Society)理事。みやぎ絆大使。■関連イベント<オープニングイベント>作家によるギャラリートーク 2024年8月3日(土)11:00~高砂淳二氏場所:喜多方市美術館内料金:無料 ※当日観覧券が必要です。<作家スライドショーとサイン会>撮影エピソードや出品作品の解説後、サイン会 2024年8月10日(土)13:30~高砂淳二氏 50席 (※要予約、美術館に電話または直接お申込みください)場所 :喜多方プラザ文化センター小ホール料金 :無料 ※当日観覧券が必要です。申込受付:2024年7月18日(木)~受付時間:9:30~17:30 水曜休館※サイン会は美術館もしくは会場で書籍を購入された方に限ります。<担当学芸員によるギャラリートーク>2024年9月14日(土)13:30~担当学芸員場所 :喜多方市美術館内料金 :無料 ※当日観覧券が必要です。■開催概要会期 : 2024年8月3日(土)~9月23日(月)主催 : 喜多方市美術館特別協力: 高砂写真事務所、株式会社ニコン、株式会社ニコンイメージングジャパン企画制作: M&M COLOR後援 : 福島民報社、福島民友新聞社、朝日新聞福島総局、読売新聞東京本社福島支局、毎日新聞福島支局、産経新聞福島支局、河北新報社、福島テレビ、福島中央テレビ、福島放送、テレビユー福島、ラジオ福島、ふくしまFM、喜多方シティエフエム観覧料 : 一般(600円)、小・中・高校生(250円)、65歳以上75歳未満(300円)、未就学児・75歳以上(無料)休館日 : 水曜日URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年08月02日展覧会「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」が、2024年9月28日(土)から11月16日(土)まで、名古屋の松坂屋美術館にて開催される。東京・六本木の森アーツセンターギャラリーなどでも開催された巡回展だ。「キース・ヘリング展」超大作含めた約150点が集結明るくポップな作風で知られるキース・ヘリングは、1980年代のアメリカ美術を代表するアーティストだ。「アートはみんなのために」という信念を持つへリングは、1980年代初頭、ニューヨークの地下鉄駅構内で黒い紙が貼られた使われていない広告板にチョークで絵を描く「サブウェイ・ドローイング」を開始。コミカルで誰もが楽しめるイメージは、やがて地下鉄の通勤客の間で話題を呼び、ヘリングは一躍有名になった。「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」は、そんなキース・ヘリングの作品約150点が一堂に会する展覧会。舞台セットのために制作された幅6メートルに及ぶ大型作品や、ブラックライトによって光を放る作品など、へリングが手掛けた多彩なクリエーションを楽しむことができる。なかには、ニューヨークで開催された最後の個展のために制作された三角形の大作《無題》も。下書きをせずにリズミカルなラインで描かれる他の作品とは異なり、慎重に構成された色づかいやかたちが特徴的な、ヘリングの集大成とも言える作品だ。展覧会オリジナルグッズまた、展覧会オリジナルグッズも要チェック。犬をモチーフにした《イコンズ》の刺繍をあしらったキャップや、《アンディ・マウス》をデザインしたクッキー缶など、へリングならではのデザインを落とし込んだ限定アイテムがラインナップする。展覧会概要展覧会「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」会期:2024年9月28日(土)~11月16日(土)※会期中無休会場:松坂屋美術館(松坂屋名古屋店 南館7階)住所:愛知県名古屋市中区栄3-16-1開館時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)入館料:[当日券]一般・大学生 1,800円、中高生 1,200円、小学生 500円/[前売券・優待]一般・大学生 1,600円、中高生 1,000円、小学生 300円/[平日ペアチケット](前売のみ) 3,000円※前売券は9月27日(金)まで販売※平日ペアチケットはローソンチケットで前売のみの取り扱い※未就学児以下無料※障がい者手帳(身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・療育手帳)、小児慢性疾患手帳、被爆者健康手帳、特定疾患医療受給者証、特定医療費(指定難病)受給者証、デジタル障害者手帳「ミライロID」を提示した者、およびその介添えのための同伴者1名まで無料※学生料金は入場の際に要学生証提示<アイテム例>・キャップ 4,180円・ベイクドクッキー缶(全2種) 各1,350円※時期によって会場併設ショップでの取り扱い商品が異なる場合や売り切れの場合あり
2024年07月29日町が保有する「織田コレクション」を中心にした、国内初となるケアホルムを本格的に紹介する展覧会北海道東川町は、汐留の「パナソニック汐留美術館」で2024年9月16日(月・祝)まで開催している企画展「ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム」展に、織田コレクションとして特別協力しています。20世紀のデンマークを代表する家具デザイナーである、ポール・ケアホルム(Poul Kjærholm、1929〜1980年)。本展示は、国内の美術館でケアホルムの仕事を初めて本格的に紹介する展覧会であり、東川町が有する「織田コレクション」を中心に構成された展覧会です。展覧会概要(展覧会公式HPより)椅子は、私たちにとって最も身近な道具の一つです。その造形は、座るための合理的な機能を追求したかた ちでありながらも、彫刻作品のような自律した美しさを宿しています。とりわけ前世紀の優れた建築家やデザ イナーが手がけた椅子は、時代を超える名作として浸透し、近年ますます関心が高まっています。 本展で紹介するポール・ケアホルム(1929~1980)は、20世紀デンマークを代表する家具デザイナーです。 ミッドセンチュリーの北欧家具といえば、温もりのある木調のデザインを思い浮かべるかもしれません。しか しケアホルムの特徴は、当時では珍しく、石や金属などの硬質な素材を取り合わせた厳格なデザインにあり ます。それでいて各々の家具は決して冷たい印象を与えず、置かれる空間に心地よい緊張感をもたらしま す。古びることのない、ミニマルで清潔な造形に凝縮されたケアホルムの仕事は日本の建築ともよく響き合 い、国内の愛好家の間でも根強く支持され続けています。 本展は、長年にわたり椅子研究と収集を続けてきた織田憲嗣氏(東海大学名誉教授)のコレクションを中心 に、ケアホルムの主要作品を網羅した、日本の美術館では初めての展覧会となります。織田コレクションを有 する北海道東川町の協力のもと、家具約50点と関連資料を紹介するとともに、ケアホルムのデザイン哲学と 洗練された家具の造形美を、気鋭の建築家・田根剛氏(ATTA)の会場構成によりお楽しみいただきます。開催概要展覧会会期:2024年6月29日(土)〜 9月16日(月・祝)※土曜日・日曜日・祝日は日時指定予約(平日は予約不要)開館時間:午前10時~午後6時(ご入館は午後5時30分まで)※7月5日(金)、8月2日(金)、9月6日(金)、13日(金)、14日(土)は夜間開館 午後8時まで開館(ご入館は午後7時30分まで)休館日:水曜日(ただし9月11日(水)は開館)8月13日(火)〜16日(金)入館料:一般:1,200円、65歳以上:1,100円、大学生・高校生:700円、中学生以下:無料※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。主催:パナソニック汐留美術館、東京新聞後援:デンマーク王国大使館、港区教育委員会特別協力:北海道東川町、織田コレクション協力会、旭川家具工業協同組合助成:公益財団法人ユニオン造形文化財団学術協力:織田憲嗣(東海大学名誉教授)会場構成:田根剛(ATTA)協力:フリッツ・ハンセン、パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社当館学芸員によるスライドトーク本展担当学芸員が、展覧会の見どころや作品をご紹介いたします。日時:8月23日(金)、9月7日(土)、いずれも午後3時~定員:先着50名(予約不要)聴講費:無料(ただし本展の観覧券が必要です)会場:パナソニック東京汐留ビル5階ホール*9月7日(土)の展覧会観覧には、事前の日時指定予約が必要です。展覧会の見どころと特徴1. 20世紀デンマークを生きた異才のデザイナー、日本の美術館で初めての本格的な展覧会ポール・ケアホルムは1950年代から70年代にかけて活動したデンマークの家具デザイナーです。51歳で亡くなるまでの約30年間に生み出した家具デザインは、素材の特性をいかしたミニマリズムを極め、洗練された不朽の名作として、特に建築やデザインの分野で高く評価されてきました。日本国内でも北欧デザインに対する多様な視線が注がれる中、本展は国内美術館でケアホルムを本格的に紹介する初の展覧会として、代表的作品が一堂に会する貴重な機会となります。2. 織田コレクションが語るケアホルムの魅力本展は、北海道東川町が有する「織田コレクション」を中心に展示構成します。「織田コレクション」は、椅子研究家の織田憲嗣氏が収集した、北欧を中心とする20世紀デザインの家具や日用品、関連資料などがベースです。系統立てて形成された、資料性の高い国内有数のデザインコレクションとして知られています。今回の展示では、収集と研究とともに、日常生活で実際に名作家具を使用する織田氏の、使い手ならではの視点で抽出されたケアホルムの魅力を味わっていただきます。3. 現代のクリエイティブによるユニークな鑑賞空間パリを拠点に世界的に活躍する建築家、田根剛氏(ATTA)と協働して会場を構成します。展示では作品一つ一つの構造やディテールに焦点を当てるとともに、収集家である織田氏の視線を通して浮かび上がるケアホルムデザインの美に迫ります。織田氏が語り伝える言葉や、グラフィックデザイナー・イラストレーターとしての一面も持つ氏が描いたケアホルム家具のイラストなどもあわせて紹介し、来場者のケアホルム体験が深められるよう趣向を凝らします。会場では、実際にケアホルムデザインの椅子に座ってご体験いただけるコーナーもご用意します。ポール・ケアホルム 《エレメントチェア(PK 25)》 1951年 スチール、フラッグハリアード 織田コレクション/北海道東川町蔵 撮影:大塚友記憲ポール・ケアホルム 《PK 0》 1952年 成型合板(塗装) 織田コレクション/北海道東川町蔵 撮影:大塚友記憲ポール・ケアホルム自邸にて 1961年頃 Photo courtesy of FRITZ HANSEN※画像写真の無断転載を禁じますポール・ケアホルム展 | パナソニック汐留美術館 Panasonic Shiodome Museum of Art | Panasonic : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年07月29日2024年7月27日(土)より、アーティゾン美術館では、『空間と作品』展を開催する。通常美術館では、美術品は展示室の展示室に整然と並べられ、誰もが鑑賞できるようになっている。しかし、当然のことながら、それらが生まれてきた時には、邸宅の建具として作られたり、個人のプライベートな空間を飾るために描かれるなど、所有者との密接な関係を持っていた。同展では、モネ、セザンヌ、藤田嗣治、岸田劉生、琳派など、石橋財団コレクション144点で、美術品がどのような状況で生まれ、扱われ、受け継いでこられたのかを、「祈りの対象」「持ち主の存在」など6つのテーマに添った空間構成で紹介する。岸田劉生《麗子像》1922年 石橋財団アーティゾン美術館また江戸時代の人々はこのように襖絵を見ていたのでは?という照明を照明家の豊久将三が、自分だったらこんな美術品に囲まれてくつろぎたいという夢の空間を、インテリアスタイリストの石井佳苗が演出しているのも見どころだ。さらに今回の展示ではブリヂストン美術館時代から築き上げてきた貴重な学芸資料も公開。会場限定ではあるものの、それらはQRコードを使って自分のスマートフォンからもアクセスできる。スマホを持っている人は、同館のオリジナルアプリをダウンロードして聴く無料の音声ガイドとともに楽しみたい。アンリ・マティス《画室の裸婦》1899年 石橋財団アーティゾン美術館同展は3フロアをすべてコレクションで埋め尽くす作品展だが、ミニマリズムの画家として知られるロバート・ライマンの大型作品や、イタリアのデザイン界を代表するエットレ・ソットサスの家具、豊臣秀吉の書翰など、初公開の作品にも注目だ。同館の歴史ある土曜講座では、7月27日「光とアート」(豊久将三・照明家)、8月17日「暮らしとアート」(石井佳苗・インテリアスタイリスト)、9月7日「空間と作品」(平間理香・アーティゾン美術館学芸員)、10月5日「音楽とアート」(都一中・一中節宗家十二世)を予定。(定員は80人。事前予約制・先着順)各講座の詳細は同館ホームページで確認を。<開催概要>『空間と作品』会期:2024年7月27日(土)〜10月14日(月・祝)会場:アーティゾン美術館時間:10:00〜18:00、金曜は20:00まで(入館は閉館30分前まで)休館日:月曜(8月12日、9月16日、9月23日、10月14日は開館)、8月13日(火)、9月17日(火)、9月24日(火)料金:ウェブ予約1,200円、窓口販売1,500円(学生無料、高校生以上はウェブが予約)※予約枠に空きがある場合美術館窓口販売あり公式サイト:
2024年07月25日展覧会「ポケモン×工芸展 −美とわざの大発見−」が、2024年7月6日(土)から9月9日(月)まで、静岡・熱海市のMOA美術館にて開催。2023年6月に金沢の国立工芸館で開催された巡回展となる。ポケモン×工芸の出会いロールプレイングゲームやカードゲーム、アニメ、映画など、メディアミックスで国内外のファンを魅了し続けるポケットモンスター、略してポケモン。「ポケモン×工芸展 −美とわざの大発見−」は、そんなポケモンを工芸で表現した展覧会だ。日本の人間国宝とされる匠から若手まで、20名のアーティストが手掛けたポケモンの工芸作品、約70点が一堂に会する。忠実に再現されたポケモンの姿会場は3つの展示構成からなり、まずはじめは、ポケモンの姿を忠実に再現した作品群にフォーカス。ポケモンのフォルムはもちろん、皮膚や毛並みなどこまかなディテールにもこだわった工芸品が並ぶ。優美に身体をしならせたギャラドスや、どっしりと構えるフシギバナなど、ポケモンの仕草や表情、そして気配や出現の瞬間をも的確に捉えた作品を楽しむことができる。ポケモンならではの世界観を工芸でまた、育成や進化、交換などポケモンの世界観に焦点をあてた工芸品もお目見え。たとえば、坪島悠貴の《可変金物ココガラ/アーマーガア》は、ことりポケモンのココガラから、カラスポケモンへ最終進化したアーマーガアへと姿を変えることができる作品となっている。ポケモン×暮らしのなかの工芸さらに、器や着物といった日々の暮らしに寄り添う実用的な工芸品とポケモンの出会いにも注目。迫力のあるリザードンの姿を表現した壺や、美しいルギアやホウオウの姿をあしらった香合などが展示される。なお、「ポケモン×工芸展 −美とわざの大発見−」では、静岡会場から初公開となる新作も並ぶ予定だ。展覧会概要「ポケモン×工芸展 −美とわざの大発見−」会期:2024年7月6日(土)~9月9日(月)会場:MOA美術館住所:静岡県熱海市桃山町26-2開館時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)休館日:木曜日 ※ただし8月1日(木)、8月8日(木)、8月15日(木)は開館。料金:・当日券 一般 1,760(1,430)円、高大生 1,100(770)円、中学生以下無料・オンラインチケット(日時指定あり/日時指定なし) 一般・65 才以上 1,540円、高大生 880円※高大生と65才以上の者は要身分証明。※日時指定券の会場販売は無し。※日時指定券の所持者を優先して案内。当日券は待つ場合あり。※10名以上の団体は事前予約が必要。MOA美術館へ要申し込み。※( )内は10 名以上の団体料金。※障がい者手帳の所持者と付き添い者(2名まで)は無料。【問い合わせ先】TEL:0557-84-2511©2024 Pokémon. ©1995-2024 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.TM, (R),and character names are trademarks of Nintendo.
2024年07月14日