ウーマンエキサイトの皆さん、こんにちは!ドイツで2歳の息子を育てている主婦、ぱん田ぱん太です。皆さんのお住まいの地域の暑さはいかがですか? ドイツは平均的に日本よりも気温が低い国ではあるのですが、それでも夏が暑いことに変わりはありません。2歳の息子、フリッツ君にも暑さによる変化がありました。食欲不振です。普段なら大好物の白ごはん(本当に、ただの白ごはんが好きなんです)や、焼いたソーセージなどですら、なかなか食が進みません。水分は普段よりもしっかりと取っていたので、無理に食べさせることもないかと思い…。特別に、普段ならデザートやおやつ「ヨーグルト」をあげることにしました。やはり冷たいものなら食欲が湧くのか、ヨーグルトはぱくぱくと食べてくれるのです。食欲不振を心配していたので、「もっともっと」とせがまれて安心しました。それゆえ、フリッツ君が欲しがるだけどんどん食べさせてしまったのです。2個目のヨーグルトを半分ほど開けたときでした。フリッツ君が突然おなかを押さえ、腹痛を訴えたのです。次の瞬間には、思いきり吐いてしまいました…!号泣するフリッツ君を慰め、反省しながら汚れた衣服を着替えさせ、軽く掃除をしたのですが、フリッツ君の号泣は止まりません。「まさか、まだ腹痛が…!?」と心配したのですが、そうではない様子。フリッツ君をなだめながら、根気よく理由を聞いてみると…?まさかの、おなかが減ってごはんが食べたいからという理由でした。(笑)たしかに、嘔吐した量を考えると、晩ごはん代わりに食べたヨーグルトをほとんど全部吐いてしまったようですから、無理もありません。腹痛のせいじゃなくてよかった~!とはいえ反省し、これ以来いくらフリッツ君が欲しがっても、ヨーグルトは1回に1個だけにしています…。また暑い日の食事は、ドイツ流晩ごはん「Kaltes Essen(カルテスエッセン)」を出すことが多くなりました。直訳すると「冷たい食事」。その名のとおり、火を使わずに作る食事です。代表的なメニューは、薄切りのパンにハムやチーズ、きゅうりやトマトなどの野菜を添えたもの。ごくごく簡単なものですが、食欲の湧かない暑い夏でも食べやすく、わが家のフリッツ君もよく食べてくれます。日本でも作れるメニューですし、蒸し暑い日の夕食や食事を簡単に済ませたい日には、手軽でおすすめです。皆さんもぜひ「今日の食事はドイツ流!」と言って、「Kaltes Essen」を出してみてはいかがですか?
2020年09月01日世間はお盆休みですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。休暇をとられている方も、世間のカレンダーとは逆にお仕事の方も、お子さんが夏休みのこの時期に色々と考えることがあるのではないでしょうか。本日は、ジュニアサッカー(少年サッカー)の保護者向け情報サイト「サカイク」で2020年1月から7月に配信した記事の中でみなさんの注目度が高かった記事をランキングでご紹介します。サッカーを通してわが子を成長させる親の接し方について参考になることがたくさんありますので、ぜひいま一度ご覧ください。第5位上手い子だけボールを触れればいいの? サッカー強国ドイツが導入を決めた3vs3のミニゲーム「フニーニョ」とはわが子を含めチームメイトの子どもたちも、好きでやっているサッカーなのに試合中1度もボールに触れない子がいて良いと思いますか?それで「楽しい」という気持ちをもち続けられるでしょうか。スポーツ本来の楽しみ方を全員に感じてもらう、みんながボールに触れる環境がチーム全体のレベルアップにつながります。少年の全国大会がないドイツで、ドイツサッカー連盟が9歳以下の試合に導入を推奨したことで注目されるようになったミニゲーム「フニーニョ」が、チームの底上げにおすすめな理由とは。ドイツで長く指導者を務め、フニーニョ導入の経緯や実際の現場を知る中野吉之伴さんに教えていただいたフニーニョのメリット記事を読む>>第4位新年度から8人制にも本格適用! 新ルールをおさらいしよう!! <前編>すでにJリーグでは取り入れられているサッカーの新ルール。まだ小学生年代では適用しきれていないかもしれませんが、もともと日本サッカー協会が「遅くとも2020年4月1日」と8人制サッカーのルール改正適用の時期を定めていました。すべての大会で新ルールが適用されるのですが、今年は新型コロナウイルスの影響などでチーム活動停止の期間などもあり、まだ新ルールに慣れてないチーム、子どもたちも多いのでは?酷暑の時期、涼しい場所での座学でサッカーへの理解を高めるのもお勧めです。ハンドや交代など多くのルールが改正された今回の新ルールについて今のうちに覚えておきましょう記事を読む>>第3位夏休み短縮、炎天下の登校...今年の夏、子どもたちの学校生活で心配なことトップは?3位にはこの夏の心配事のアンケート結果がランクインしました。多くの学校で夏休みが短縮され、例年は夏休みだった時期も登校になり、マスクをしての授業など、親も子も先生方も経験したことがない今年の夏への不安など、忌憚なきご意見が寄せられました。保護者のみなさんが心配しているのはどんなことなのか、外出の際に子どもに気を付けてほしいことは・・・記事を読む>>第2位「うちの子運動神経が悪くて」と悩む親必見!「サッカー以前」に必要な運動スキルとは「運動能力」の記事に関心の高い親御さんはとても多いです。運動ができる子と苦手な子の違いは何でしょうか。親御さんたちの中にも自分の幼少期に比べ、わが子の運動体験が少ないかも......と潜在的に感じている方もいらっしゃると思います。そもそもいまの子どもたちはサッカーをするための基礎的な運動体験から得られる体力運動能力が低いので、サッカーのスキル習得を中心とした練習や運動をしても上手く習得できないのだ、といわきスポーツクラブアカデミーアドバイザーを務める小俣よしのぶさんが教えてくれました。身体活動の基礎となる姿勢維持の力が弱い子も増えているのだとか。「走る運動も身体を支える力が必要です。走るフォームを直してほしいという要望をよく聞きますが、走る運動は総合的な体力運動で、子どもにとっては高負荷の運動なんです」運動が苦手なお子さんの運動機能を向上させるために、家庭でもできる「身体機能を整える運動」を教えてくれたので参考にしてください記事を読む>>第1位高校サッカー選手権優勝の静岡学園が、部員が多く1日2時間半程度しか練習できないからこそ身につけたタイムマネジメント術毎年注目度の高い高校サッカー選手権大会。今年優勝した静岡学園は南米のサッカースタイルをベースに世界で活躍できる選手育成を目指し、足元のスキルなど個人技に優れた静学スタイルは多くのファンを魅了しました。昨年度の部員は260名。なのに練習グラウンドはフルコート1面と小コート1面という環境。グランドを使える時間が限られているなかでサッカーも勉強も両立するために選手たちがどんな工夫をしているか、齊藤興龍コーチにお話を伺いました。サッカーに勉強にと忙しい選手たちのタイムマネジメントに関心のある保護者の意見も多く寄せられます。近年では現役サッカー部員で東大合格者も生んだ静岡学園の選手たちが、どんな風に時間を使って高いレベルでタイムマネジメントをしているか、ご覧ください記事を読む>>いかがでしたでしょうか。これからも親御さんご自身が考えるきっかけになったり、チームがよくなるきっかけになる記事を配信していきますので、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。【保護者、指導者の皆さんへ】連日猛暑続きで夏バテが続いている方もいらっしゃるのではないですか?まだまだ暑い日は続きますが、お父さんお母さんの疲労回復のためにこちらの記事をご紹介しますので、参考にしてリフレッシュしてくださいね。バスクリンのお風呂博士に聞いた「正しい入浴と睡眠の知識」>>
2020年08月11日みなさんは、恋人に別れを告げたことはありますか。別れ話の際、相手からすぐに「分かった」と了承されることもあれば、「別れたくない」と食い下がられることもあるでしょう。ドイツのコブレンツ市歌劇場で、現役バレエダンサーとして活躍している川端千帆(@ChihoKawabata)さん。川端さんはある日、餃子を作りながら、昔付き合っていたドイツ人男性のことを思い出しました。付き合っていた当時、川端さんから彼に「別れよう」と告げると、彼は…。分かった。…でも最後に、餃子の作り方だけ教えてくれ。そういえば昔、ドイツ人の元彼に別れを切り出したとき「分かった。・・・でも最後にギョーザの作り方だけ教えてくれ」って真剣に言われたの、今思い出してもめっちゃ笑えるやんとかなんとか考えながらさっき生地こねてました。よし、ワインを一口飲んだらタネを包んでいこう— 川端千帆@Theater Koblenz (@ChihoKawabata) August 7, 2020 餃子の皮から手作りするという川端さん。彼にも振舞っていた餃子が絶品だったのでしょう。別れる前にどうしても、餃子のレシピだけは知っておきたかったという男性に笑ってしまいます。投稿にはさまざまな声が寄せられました。・餃子とビールの組み合わせは最高だもんね。・彼は餃子を食べるたびに、川端さんのことを思い出しているかも。・恋人たちの最後の別れが笑い話になるっていいなぁ。私は穏やかに別れられたことがない。彼は今もきっとドイツのどこかで、川端さんに教わった餃子を作っていることでしょう。川端さんは、バレエの劇場の裏側を自身のブログにつづっています。気になった人は、こちらもぜひご覧ください。踊るドイツブログ[文・構成/grape編集部]
2020年08月10日ウーマンエキサイトの皆さん、こんにちは! ドイツでひとり息子のフリッツ君を子育てしているぱん田ぱん太です。フリッツ君は現在2歳5カ月。以前の記事 「理不尽さは想像以上…2歳の息子が、ついに「イヤイヤ期」に突入!?【ドイツDE親バカ絵日記 Vol.22】」 でもご紹介したのですが、フリッツ君も軽いイヤイヤ期に入った模様。おそらくイヤイヤ期の兆候だと見られるのは、「とにかくママの言うことを否定する」こと!(笑)自分で絵本を見るときには、きちんと「これ、ママうし! これ、パパしか!」と指差ししながらきちんと言えるので、明らかにわざとやっているようです。わがままを言われて泣き叫ばれるのに比べたら、かわいいものですね。しかし、ある日のこと。私はフリッツ君に隙あらば愛情を伝えるのが日課なので、この日もいつもどおり、こう言いました。すると、返ってきた反応は…。えーーーー!! ナンデ、ナンデェ!?どのママさんも一度は通るであろう、子どもに愛情を拒否される経験を(大抵の場合、本心じゃないとしても)、まさかこんなに早くするなんて!?突然のことに動揺しつつ、お願いしてみると…。え? そーなん…?普通にぎゅっと抱きついてきて、「ママだいすき!」ですって。どういうこと?落ち着いて、情報を整理してみます。え、そっちー!?(笑)どうやら「ママはぼくのこと、だいすきじゃないもん! ぼくがママをだいすきなだけだもん!」という謎の反抗だったようです。なんでも反抗してみたいお年頃とは言え、まさかそう来るとは。とはいえ前述のとおり、本心とは反対のことを言っているであろうことは分かっているので、「ないの~!」と否定してじだんだを踏むフリッツ君にも、いつもどおり愛情をた~っぷり伝えてあげたのでした。
2020年08月01日ウーマンエキサイトの皆さん、こんにちは!ドイツで2歳の息子を育てているぱん田ぱん太です。わが家では最近、満を持して買った子ども用品があります。ドイツの子どもたちは皆が通る道。それは…。Laufrad(キックバイク)です! 日本の子どもたちにも浸透しているのでしょうか? 二輪ですがペダルはなく、地面を蹴って進むタイプのものです。ドイツの子どもたちは自転車デビューの前に、このキックバイクを乗りこなすことでバランスを取ることを覚えるのが一般的です。安全のためにヘルメットも購入し、買ったその日にさっそく近所の公園まで行ってみることに。まだ少しよろよろと危なっかしく、進むスピードもゆっくりですが、上手に運転できているし、楽しそう!しかし、数分後。嫌な予感がしてきました。(ないの=フリッツ君流の幼児語で、「イヤ」「嫌い」などネガティブな意味全般で使われます)。自分で思ったよりも乗りこなせなかったからなのか…思っていたよりしんどかったからなのか…わずか数分で拒否されました(笑)。しかし、ここでスパルタ教育をしてしまって、キックバイク自体が嫌いになってしまったら本末転倒。「初日だしな」と言い聞かせ、公園までの残りの道のりは、私がキックバイクを持って歩くことに。しかしその後すぐに…。合わせ技、来ました!!そう、フリッツ君はもともと抱っこが大好きで、少し歩くとすぐに抱っこを要求するタイプ。今回キックバイクを買ったのは、「これがあれば抱っこの要求が減るかも?」というひそかな期待もあったのです。結局、片手に10kgのフリッツ君+ヘルメット、もう片手にはキックバイクを持って歩くという修行をする羽目に…。息を切らしながら、なんとか公園に着きました。なぜか一丁前に疲れたような顔をするフリッツ君。いや、あなた疲れてないでしょ!(笑)その後も雨が降らない限り、できるだけ毎日キックバイクに乗せるようにしていますが、フリッツ君は相変わらず数分間乗ったらすぐに降りてしまいます。しかし、ママ友に相談してみると「うちの子もそんな感じだったけど、ある日急に、意地でも降りないくらいキックバイクが好きになったわよ」という情報もあったので、これからも諦めず(ただしスパルタになりすぎず)キックバイクの練習をさせようと思います!
2020年07月01日それぞれの国で人気のある絵本はどんなものなのでしょうか。国によって文化や生活様式、色彩感覚が違います。例えば、ドイツではどんな絵本がよく読まれているのでしょうか。ドイツ在住4年目のりえ(@deutsch_rie)さんの娘さんが読んでいる絵本は、ドイツではおなじみの『Wieso? Weshalb? Warum?(なぜ?どうして?どうなっているの?)』という幼児向けの図鑑シリーズです。4-7歳向けの身体についてのドイツ語絵本子ども騙しではなく、ガッツリ教えてくれるの好き。今私が下痢なんだけど、「ママ、痛いのは胃?腸?バクテリアがいるかな?」だって! pic.twitter.com/8bRrprfnVp — りえ背中バッキバキ (@deutsch_rie) May 22, 2020 こちらは、動物、自動車、鉄道、人体、天気、植物など子供が「なぜ?」と不思議に思うことをテーマ別に図解で詳しく紹介している本です。また子供が楽しめるように仕掛け絵本となっており、めくるとさらに詳しい絵や内容が書かれています。内容を見ると、「子供がここまで理解できるのかな?」というほど細かく描写されています。かわいいイラストも多く、子供も自然と楽しく学べる図鑑なのでしょう。また海外の絵本は、語学学習の教材としてもオススメで、りえさんも自身のドイツ語の勉強に役立てているとのこと。確かに絵本は、子供にも分かりやすいように一般的な単語がチョイスされているので、初心者の語学学習にはオススメなのかもしれませんね。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2020年06月22日2020年6/17より7/7まで日本橋三越本店6階時計売り場にて行わる「ドイツ時計フェア」にドイツ時計メーカーDAMASKO(ダマスコ)が出展いたします。三越では初となるダマスコのお取扱いです。三越でのドイツ時計フェアでは新開発の自社製クロノグラフムーブメントキャリバー「C51-6」搭載のDC86をご覧いただけます。すべてのモデルが80000アンペア耐磁、710ヴィッカースの硬度(316Lステンレスの4倍)などハイスペックが基準となっているダマスコ。自社製シリコンヒゲゼンマイ搭載モデルなど、ドイツ屈指の技術力を誇るダマスコの製品を是非お楽しみください。フェア 詳細■期間2020年6月17日(水)~7月7日(火)■開催場所【日本橋三越本店】6階〒103-8001 東京都中央区日本橋室町1-4-1 6F ウォッチコーナー営業時間:午前10時~午後7時TEL:03-3241-3311URL: Model■最新自社製ムーブメント搭載DC86L型番:DC86L価格:55万円(税込)素材:アイス硬化ニッケルフリーステンレススチール(316Lステンレススチールの4倍の硬度)ケース径:43.3mm(ベゼル含む)厚さ:13.80mm防水性:100M耐磁性:80,000A/m駆動方式:自動巻き(C51-6)機能:デイト、クロノグラフ(クロノグラフ秒針、センター60分同軸積算計、12時間積算計)、24時間計、スモールセコンド)■ユーロファイターモデル型番:DC56L価格:29万7,000円(税込)素材:アイス硬化ニッケルフリーステンレススチール(316Lステンレススチールの4倍の硬度)ケース径:直径40.00mm厚さ:13.80mmmm防水性:100M耐磁性:80,000A/m駆動方式:自動巻き(ETA7500)機能:デイデイト(英語/ドイツ語)、クロノグラフ■300M防水ダイバーモデル型番:DSUB2価格:29万1,500円(税込)素材:ジャーマンサブマリンスチールケース径:直径44.20mm(ベゼル含む)厚さ:12.60mm防水性:300M耐磁性:80,000A/m駆動方式:自動巻き(ETA 2824-2)機能:デイト■ABOUT DAMASKOドイツのマニュファクチュールDAMASKO(ダマスコ)は1994年にドイツのレーゲンスブルクで創設した金属加工会社を母体にした時計メーカーです。創業者のコンラッド・ダマスコ氏は金属加工のスペシャリストであり、同社では潜水艦やスペースシャトルに使用される先進の素材や技術をもとに一般的な時計ブランドとは違ったアプローチ方法での開発に挑戦し続けています。AIRBUS社も認めたテクノロジー過酷な環境下でのパフォーマンスが求められるパイロットウォッチ。DAMASKOはユーロファイターのパイロットウォッチとして10年以上採用されているだけでなく、AIRBUS社の公式タイムキーパーとして認定されており、その信頼性が世界最高峰のものだと実証されています。■公式サイトURL:企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年06月17日ウーマンエキサイトの皆さん、こんにちは!ドイツで2歳の一人息子・フリッツ君を育てているぱん田ぱん太と申します。本日は、フリッツ君のお気に入りの本を読んでいて驚かされたエピソードをご紹介します。その本は、ジャングルや海、森、荒野など、場所別に生息する動物たちの写真と説明が載った、子ども向けの動物図鑑のような内容のものです。ドイツの本なのですべてドイツ語ですが、フリッツ君はバイリンガル教育中なので、私が日本語に訳しながら読んであげています。その中で「海」のページにいたのが、有名なちょうちんあんこう。フリッツ君が覚えやすいように「あんこう」とだけ教えました。すると…。予想外の反応が!? あんこうが…おいしい?? 母は困惑です。もちろん、ドイツに住んでいるフリッツ君が「あんこう鍋」なんて日本の、しかも特殊な料理を食べたことがあるわけがありません(笑)。その日の夜、私はこの不思議な出来事について思いを巡らせていました。一体どうしてフリッツ君があんこうを見て「おいしい」と言ったのか、気になって仕方がなかったのです。そして、考えを巡らせているうち、とある記憶が蘇りました…。それは数カ月前のこと。日本の友達が、たくさんの日本食をプレゼントで送ってくれたのです。私も大好物のそれをフリッツ君にあげてみると、フリッツ君も気に入ったようでした。それは…。こ、こ、これだーーーー!!合点が行きました。そうです、フリッツ君はこのとき私が「あんこ、おいしい」と教えたのを覚えていたらしく、「あんこう」を聞いて「あんこ」と勘違い。だから「おいちっち」と言ったのです。普段は少し時間がたつとすぐに忘れてしまうことも多く、子どもの記憶はとても短いと感じますが、まさか数カ月前に教えた言葉を覚えていたなんて…。子どもの脳は本当に不思議。驚かされることばかりですね!ちなみにこのあと、あんことあんこうは違うこと、あんこうはあの甘~いデザートではないことを教えてあげましたが、いまだにあんこうの写真を見ては「おいちっち!」と言っています(笑)。
2020年06月01日ウーマンエキサイトの皆さん、こんにちは!ドイツでハーフのひとり息子の子育てをしている、ぱん田ぱん太です。2018年バレンタインデー生まれのフリッツ君は、現在2歳を少し過ぎたところ。ここ最近、私はフリッツ君の"アレ"に備えるべく、情報を集めまくっていました。それは…。そうです。小さな子を育てる親たちが、ほぼ確実に向き合わなければならない試練の時期「イヤイヤ期」です。ベストが尽くせるよう、私も事前情報をたくさん収集していましたが…。なんとも不穏な言葉ばかり。イヤイヤ期とは、それほど大変なものなのでしょう。しかし肝心のフリッツ君には、まだそういった兆候は見られませんでした。イヤイヤ期が来る時期も、子それぞれですものね。ところが、ある日のことです。前回の連載記事 「”トラクター愛”あふれる2歳児。外あそび中に見せた、驚きの想像力とは…!?【ドイツDE親バカ絵日記 Vol.20】」 でもお伝えしたとおり、フリッツ君は大の「トラクター」ファン。この日も、一緒にトラクターの載っている絵本を見ていました。絵本の中の緑のトラクターが赤いトレーラーをつけていますが、フリッツ君はどうやらその赤いトレーラーを、隣の赤いトラクターにカチッとくっつけたいと思ったようなのです。私は笑いながら「それは無理だよ~」と軽く言いました。すると、フリッツ君の表情がみるみるゆがみ…。そ、そんなに!?そして、そんなこと言われても!私は冷静に解説を試みましたが、フリッツ君には届きません。そして…。床に寝転がって手足をバタバタ。絵に描いたようなイヤイヤ期です!!事前情報のおかげで「イヤイヤ期と真正面から向き合っても、いい方向には向かわない」と知っていたため、私はとりあえずフリッツ君の気持ちが落ち着くのを待つことに。初めてのイヤイヤ期だからか、このあと比較的すぐに泣き止んでくれました。きっと今後、何をどうしても泣き止まないレベルの”イヤイヤ”が襲いかかってくるのでしょう。我が子の大切な成長過程だということを忘れずに、頑張って乗り切りたいと思います!
2020年05月20日ドイツ生まれのハーバルブランド クナイプから、「クナイプ リフレッシュスプレー」を2020年5月5日より数量限定で発売しております。働き方のスタイルが変化している中、ご自宅で過ごす時間が多くなっています。リモートワークなどで高さの合わない机でのPC作業で「首・肩のコリ」「疲労感」は増えていませんか? お家の中で首や肩、腰にシューッとひと吹きすれば、メントールの清涼感とハーブの力で身体も心もリフレッシュ!お仕事中や家事の合間などに「ちょっと疲れたかな」と感じたら、シューッとひと吹きしてマッサージ。配合ハーブのアルニカ*はヨーロッパでは古くから薬草として利用されています。植物を知り尽くした「クナイプ」だからこそできる、ハーブの力でのリフレッシュタイムです。スポーツ後のマッサージにもおすすめです。ストレッチや散歩ができない時でも「クナイプ リフレッシュスプレー」があれば、ご自宅で手軽にリフレッシュ!■クナイプ リフレッシュスプレー<マッサージ用ローション 150mL / 800円> ※数量限定発売ヨーロッパでは古くから薬草として利用されているハーブ、アルニカ*を配合。メントールの清涼感とシベリアモミやマツの安らぐ香りで、緊張した首・肩・腰などをスーッとリセット。※首・肩などボディ専用。お顔にはご使用できません。目や口に入らないようにご注意ください。*アルニカ花エキス(保湿成分)企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年05月08日ウーマンエキサイトの皆さん、こんにちは!ドイツで、2歳になったハーフの息子を育てているぱん田ぱん太です。私と2歳の息子のフリッツ君は現在、とある家主さんの家に間借りをしています。日本ではあまり見かけませんが、ドイツでは一軒家をシェアして住むシステムが一般的に浸透しているのです。家主さんの奥さんはとても子ども好きで優しく、フリッツ君の遊べそうなものを見つけると、すぐ私たちに貸してくれます。そして、今回奥さんが持ってきてくれたおもちゃは…。さめ!?そう、かの有名な、順番に歯を押していくと、どれかの歯を押した瞬間にガブッとかまれる、危機一髪系のパーティーグッズです。奥さんはアメリカ出身で、アメリカに住んでいた頃から持っているものなのだそう。わたしが小さい頃、わが家にも「さめ」ではなく「犬」バージョンの同じおもちゃがありました。おもちゃとはいえ、フリッツ君はまだ2歳。いきなり指を挟まれたら、驚いて泣いてしまうかもしれません。まずは丁寧にさめさんを紹介し…。目の前でわたしがやってみせることに! 順番に歯を押していくと、ついに…。イッタァ!!たまたま挟まれた場所が悪かったのでしょうか? めちゃくちゃ痛かったです。これを子どもにやらせるなんて、とんでもない…! 古いアメリカ製品だし、当時のおもちゃは子どもにも容赦がなかったのでしょうか…?それにそもそも、こういうパーティーグッズの対象年齢はもう少し上なのでしょう。2歳のフリッツ君にはまだ早かった、そう思って振り返ると…。まったく見ておらず、わたしがひとりで騒いでいました。完全に”かまれ損”です。フリッツ君がもう少し成長した頃に、このおもちゃでもう一度遊んでみたいと思います。皆さんも、こういったジョークグッズをお子さんと扱うときは油断しないことをおすすめします…!
2020年05月06日ドイツ国家を揺るがしたベストセラーを映画化し、2019年上半期のドイツ映画No.1ヒットとなった話題作『コリーニ事件』。本作に主演するエリアス・ムバレクは、本国で出演作が次々にヒット、エキゾチックなルックスで多くのファンを夢中にさせている。主人公ライネンを演じるのは、ドイツ・ミュンヘン出身のエリアス・ムバレク。チュニジア人の父とオーストリア人の母を持ち、エキゾチックなルックスで、いま年齢問わずファンを虜にしている人気No.1の俳優だ。下積み時代には移民青年の端役を演じることが多かったが、現在はインスタグラムのフォロワーが256万人を抱える、ドイツで最も成功した俳優のひとりといわれるまでに。出演作は国内で軒並みヒットを飛ばし、一躍名を馳せた主演作『ゲーテなんてくそくらえ』のコメディ演技から、日本でも“謎解きエンタテイメント”として人気を博した『ピエロがお前を嘲笑う』などのシリアスな演技まで、幅広い役柄を自然に演じられる演技力が評価され、出演オファーが後を絶たない。また、リリー・コリンズ主演の『シャドウハンター』では、ハリウッドデビューも果たしている。本作には、原作のフェルディナント・フォン・シーラッハの大ファンということで出演を決めたムバレク。一方で、監督を務めたマルコ・クロイツパイントナーはムバレクが主演をすると聞いて「これはいける」と確信してオファーを引き受けたとか。「ムバレクは、刑事訴訟法を諳んじて言えるようになるまでリサーチをし、裁判を傍聴し、たくさんの弁護士の話を聞いていた。弁護士がやることとやらないこと、裁判で何が違反や違法になるのかについて完璧に会得していたよ」と、彼の熱心な役作りについても感心したそう。ドイツの監督ならば誰もが一度は組んでみたいと思う、俳優のひとりだという。今年2月にはドイツで最新主演作のラブコメディ『Nightlife』(原題)が公開され、4週連続で興行収入ランキングのトップ3にランクインを果たし、抜群の人気を示した。母親の出身地であるオーストリアの国籍を持つムバレクだが、ハリウッドでも活躍するダニエル・ブリュールやアウグスト・ディールのように、国外での活動も増えてくるかも?いまから彼の活躍に期待していて。『コリーニ事件』は6月12日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年05月06日"CarlSchmidtSohnは、クラウドファンディングサービスMakuakeにて、湯切り機能、蓋立掛け機能他2機能のついた便利鍋「ARON」の先行販売を開始しました。CarlSchmidtSohnの、湯切り鍋「ARON」は4月13日時点で、目標金額を達成。狭いキッチンの救世主として便利な4つの機能を持ちながらも、Reddotデザイン賞を受賞したデザイン性の両面から好評頂いております。「ARON」は1829年創業191周年のドイツの老舗包丁、鍋メーカーである「CarlSchmidtSohn(カール・シュミット・ソン)」が扱う、世界的デザイン賞であるreddotデザイン賞、iFデザイン賞を受賞した、デザイン便利鍋です。ハンドルで蓋を抑えながら、安全に湯切りをすることができます。大小の湯切り穴が対角線上に位置しており、茹でるものに併せて2つの湯切り穴を使い分けることが出来ます。鍋の内側に水位線があるので計量もらくらく♪取っ手穴でロングパスタ200gのパスタを計ることが出来ます。※16cm、20cm共通サイズとなります。‐南瓜のそぼろ餡かけ‐その他はプロジェクトページにて確認できます!■マクアケのプロジェクトページはこちら時短が叶う便利鍋『ARON』老舗ドイツメーカが誇る世界的デザイン受賞製品初上陸!実施期間:2020年3月31日~2020年5月29日CarlSchmidtSohnとは◇創業191周年の老舗調理器具メーカー1829年ドイツのゾーリンゲンという町でカールシュミットソンは刀鍛冶として創業しました。ゾーリンゲンは、刃物の加工技術で世界有数の産地であり、現存する調理器具メーカーにもゾーリンゲンをルーツにするメーカが御座います。カールシュミットソンはその中で、ドイツザクセン王国第5代アルベルト国王時代に王室御用達業者の地位を築きましたその伝統に培われた技術は、鍋・フライパンへと受け継がれ、世界市場へと発展を遂げて、今では世界40か国以上で販売されております。◇世界的デザイン賞を各種受賞しているCarlSchmidtSohnの製品CarlSchmidtSohn社の製品デザインは、世界的デザイン賞であるIFデザイン賞(独)、reddotデザイン賞(独)、BestBandAward(韓)を受賞しております。伝統を大事にしつつも、各国の料理スタイルに併せて常に新しいデザインを追求しているCarlSchmidtSohn社ならではの製品は世界各国で親しまれております。今回ご紹介したCarlSchmidtSohn製品は日本ではクラウドファンディングサービスMakuake限定での販売となります!先行キャンペーンで最大30%OFFでお得に手に入れるチャンスです!是非、販売ページをチェックしてみて下さい。時短が叶う便利鍋『ARON』老舗ドイツメーカが誇る世界的デザイン受賞製品初上陸!実施期間:2020年3月31日~2020年5月29日企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年05月01日ウーマンエキサイトの皆さん、こんにちは!ドイツで2歳のひとり息子を育てているぱん田ぱん太です。皆さんのお子さんの中にも、「乗り物好き」な子は大勢いるのではないでしょうか。わが家の2歳児、フリッツ君もその中のひとりです。では、なんの乗り物がお好みですか? 救急車? 消防車? パトカー? フリッツ君は…。「トラクター」ひと筋なのです!トラクターは、日本ではそこまで子どもに人気がない印象がありますが、ドイツでは男女問わず、子どもが好きな乗り物のひとつ。おもちゃはもちろん、子どもの雑貨や身に着けるもののモチーフとしても大人気です。おしゃべりが上手になってきたフリッツ君は、トラクターについて隅々まで知りたがり、次々と質問を投げかけてきます。対する私は、乗り物の知識がなく勉強中なので、しどろもどろな答えになりがちです…。ある日、外遊びに出かけた折のこと。外出自粛の影響で、最近は人気のない近所の広い野原くらいしか選択肢がありませんが、フリッツ君は楽しそうです。この日は、草むらの中から伸びるバールのようなものが気になった様子。トラクターの煙突と形が似ているからでしょうか。私もそれが何なのか分からず、観察していたら…。突然、フリッツ君が絶望的な表情で叫びました。謎の棒の前で、くずおれるフリッツ君。私には何が起きたんだか、さっぱり。フリッツ君がショックを受けている理由が分からず、少し考えて…そして気付きました。そう、フリッツ君は野原に伸びる煙突に似た棒を、トラクターの煙突だと勘違い。どうやら、煙突の下にあるはずのトラクターが「土の中に埋められている」と思ったようなのです。必死に誤解を解いて励ましてあげると、フリッツ君はなんとか納得してくれました。先入観を持たない子どもの想像力は、なんとまあ豊かなんでしょうか…!!その豊かな想像力が今回のような絶望ではなく、できるだけ楽しく喜ばしい方向に働くよう、母として手助けしていきたいですね。
2020年04月20日ウーマンエキサイトの皆さん、こんにちは! ドイツで2歳の息子を育てているぱん田ぱん太です。さてドイツでは、2~3月(年や地域によってまちまちですが)にかけて、大きなイベントがあります。昔からある伝統的なお祭りです。それは…。仮装カーニバル!様々な仮装をした各団体(ビール工場、薬局、学生団体など、こちらも様々です)の参加者たちが、金管バンドで音楽を奏でたり、ダンスをしたりしながらパレードをするのです!見に来ている観客に向かってお菓子を投げたり手渡したりしてくれるので、子どもたちは特に大喜び。今年は仮装カーニバル初体験のフリッツ君を連れて観に行きました!パレード中はかなりの人混みになるので、かさばるベビーカーは置いて、抱っこ紐を利用して行くことに(酔っている人も多くて怖かったり、大変だったりもしますが)。パレードが行われる町までは、普段なら私の住んでいる場所から路面電車で1本なのですが…。この日はパレードの関係で、町まで1本で行ける路面電車がありませんでした。仕方ないので、家から町までのちょうど中間地点あたりにある駅まで路面電車で行き、そこからは20分ほどかけて徒歩で行くことに。2歳のフリッツ君の体重は約10キロ。抱っこ紐を利用しているとはいえ、かなりしんどい…! 思わず「重いねえ」と漏らすと…。本人は「めっちゃおっきいにーちゃ!(=お兄ちゃんの意)」と誇らしげな反応。これには私も同意せざるを得ません!(笑)街に着くまでもう少し、というところで、さらなる試練が…。天気予報で降水確率を見ていたので傘は持っていたものの、路面電車もベビーカーもなく、さらに雨。苦難は重なります。しかしいつかはゴールが見える! 苦労しながらも、ようやく街に着きました。パレードの音楽も聞こえてきます! ほっとひと安心してフリッツ君を見てみると…。はい。すやすやと寝ていました(笑)。街に着くまで、想定よりもずーっと長く時間がかかってしまったので仕方ありません…。やるせないけれど!この後フリッツ君は目を覚まし、無事にパレードを見て、魔女や狼の仮装に怖がりながらも、たくさんのお菓子をもらって大満足でした!来年の仮装カーニバルは、もう少し「街に着くまで」のことも含めて、念入りに計画しようと思います…!
2020年03月12日ウーマンエキサイトの皆さん、こんにちは! ドイツ在住の主婦、ぱん田ぱん太です。みなさん、ドイツの独特な形のパン「プレッツェル」はご存じでしょうか? 最近は日本のパン屋さんでも売られているみたいなので、見たことがある方もいらっしゃるかと思います。おいしくて、材料もシンプル(小麦粉、イースト、水、塩、重曹のみ)。価格もパン屋なら60~70セント(約75~85円)、スーパーなら30セント(約35円)ほどと安く、ドイツではいたるところで買えるパンです。手に持って食べやすい形で服も汚すことなく食べられますし、ちょっとしたおやつにぴったりなので、外出先で子どもによく買ってあげています。もちろんわが家の一人息子、フリッツ君もプレッツェルがだーいすき。パン屋さんを見かけるとプレッツェルをねだるので、よく買ってあげています。ある日のこと。ベビーカーに座らせたフリッツ君と一緒にスーパーでお買い物をしていると…。突然、ベビーカーから出たいと泣き出してしまいました。でも、すんなりと出してあげるわけにはいきません。小さな子を持つご家族はわかると思いますが、小さな子どもをスーパーで自由に動き回らせるのは心配ですよね…。迷子の心配もあるし、子どもは買わない商品でもおかまいなしに触りたがるし、万が一何かを壊してしまえば買い取りです(汗)。そのとき目に付いたのが、スーパーに併設されているパン屋さん!プレッツェルを買うことで泣き止まないかなと挑戦してみましたが…。プレッツェルではごまかせなかった様子。と、思いきや…!ちゃんとごまかせていた様子。でもなぜか泣き止まない(笑)。そうなんです、今度は「プレッツェルがほしい」という理由で、泣き止まなくなってしまったのです。結局このあと急いでお買い物を終わらせ、プレッツェルを買ってあげたら、食べ始めるなり、ぴたりと泣き止みました。ちゃんとその手にプレッツェルを手に入れるまでは、安心できなかったのかも。フリッツ君は現在2歳になったばかり。これから、プレッツェルでもごまかせないイヤイヤ期が来るであろうことを考えると、これぐらいはかわいいものですよね…。
2020年02月18日サッカークラブや各種スポーツ団体を対象に「スポーツマンのこころ」と銘打つ講義で、一流アスリートになるための心得を伝え続ける岐阜協立大学経営学部教授の高橋正紀先生。ドイツ・ケルン体育大学留学時代から十数年かけ、独自のメソッドを構築してきました。聴講者はすでに6万人超。その多くが、成長するために必要なメンタルの本質を理解したと実感しています。高橋先生はまた、「スポーツマンのこころ」の効果を数値化し証明したスポーツ精神医学の論文で医学博士号を取得しています。いわば、医学の世界で証明された、世界と戦える「こころの育成法」なのです。日本では今、「サッカーを楽しませてと言われるが、それだけで強くなるのか」と不安を覚えたり、「サッカーは教えられるが、精神的な部分を育てるのが難しい」と悩む指導者は少なくありません。根性論が通用しなくなった時代、子どもたちの「こころの成長ベクトル」をどこへ、どのように伸ばすか。「こころを育てる」たくさんのヒントがここにあります。(監修/高橋正紀構成・文/「スポーツマンのこころ推進委員会」)<<前回|連載一覧>>(写真は少年サッカーのイメージです)■練習の「意味」ではなく「やり方」の質問ばかり。反復練習にこだわる日本人以前、ドイツ人のコーチからこんな話をされました。「タカハシ、ドイツに視察に来る日本人コーチは、ぼくらがやっている練習メニューを一所懸命にノートに書きつけている。どうしてそんなことをするんだろう?意味がわからない」聞けば、4対4を行うと「いつもこのグリッド(範囲)で行うのですか?」とか「何分くらい?」「ワンタッチではやらないのですか?」と練習のやり方に関する質問に終始するそうです。「彼らの質問はおかしいよ。その時のそのチームの課題を改善するためにのみメニューは創られるのだから、それを正確に書き写しても彼らには何の意味もない。私がどんな課題に対して、どんな意図でその練習をしているかを聞かれるのならば話す意味があると思うけどね」加えて、ドイツでは育成年代であろうとも、毎日同じ内容の練習はやらない。そこについても日本人コーチは驚きます。私もドイツに行ったとき、驚きました。日本では、例えば1週間のサイクルである程度同じ練習を繰り返すことが多い。いわゆる、反復練習ですね。この反復練習は、意識を高く持てない場合、何も考えずにトレーニングすることになり易い。曜日ごとにほぼ同じメニューをしばらくの間繰り返すので、そこに"慣れ"が生じることで、練習の質が落ちる可能性があるのです。反復練習にこだわるのは、学校でドリル学習を多くやらされてきたからなのか?と考えたりします。同じスポーツで、野球も素振りという反復を繰り返します。これは自分のよい形を探し、定着させる目的があるのでしょうが、米国では素振りはしないそうです。素振りをしている日本人選手に、メジャーの選手が「空振りの練習をしてどうするのだ?」と不思議そうに言った、という話は有名です。私たち指導者は「何のためにこの練習をするか」をもっと考え、そのことを子どもたちに伝えなくてはいけません。と同時に、「いつも頭を使って考えてやる練習」をやっているかも見直すべきです。育成年代の試合を観に行くと、最近はコーチたちが「自分で考えろ」と叱咤激励している場面に出会います。ですが、その前に大人が工夫しなくてはいけません。子どもたちに自分たちで考えるベース作りをする。間違っても、何をしても叱られない空気を生み出す。考えないとできない練習メニューにする。飽きずに意欲的に取り組めるようにしてほしいと思います。■上達のイメージは「らせん階段」海外では子どもが練習中に改善提案してくることもさらに、もうひとつ。みなさんの頭の中にある上達するイメージを変えてください。従来の日本のサッカー指導は「組み立てていくイメージ」でした。まっすぐの階段を一段一段昇っていくイメージです。最初にドリブルをやって、ひとりでボールを運んでゴールできるようにします。ドリブルができたら、次にドリル練習でキックを改善。次はトラップ練習、そしてパス練習と、スキルトレーニングがすべて段階的です。これは、ゲームを中心に行い、その中で出た課題から総合的にスキルを高めていくドイツとはかなり違います。この「総合的にスキルを高める」イメージは、ドイツの哲学者ヘーゲルが提唱した「物事のらせん的発展の法則」と似ています。例えば、サッカーを始めた小学1年生が、らせん階段をゆっくり登っていく姿を見ている。そんな想像をしてみてください。真上から見ると、1年生はひとつの円をぐるぐる回っているようにしか見えません。ちっとも上に進んでいないように見えます。ところが、角度を変えて横から見ると、少しづつ確実に、上へ昇っていることがわかります。このらせん階段の話は、池上正コーチも著書で説明しています。ゲームを軸に、その日ここが足りないなと思ったらそのトレーニングを足す、という考え方もドイツの育成と同じです。ゲームばかりしていて上手くなるのですか?といぶかしげな指導者は多いのですが、技術を切り出してみるのではなく、全体像で見てあげることが重要です。FCバルセロナの現地スクールで長年コーチを務めた村松尚登さんも、自身の著書で「スペインの育成は氷の塊を削っていく作業」だと語っています。スペインでは、選手が練習の途中で「ナオト!この練習、こうしたほうがいいんじゃないの?」とどんどん提案してくるそうです。ただし、日本では指導者と選手、教師と生徒の関係が主従的なので、子どもたちはそんなふうに教育されていません。したがって、大学教員になってドイツ留学した私は、帰国してからの1年間は毎日メニューを変えて練習してみたのですが、残念ながらチームは強くなりませんでした。選手たちの多くは高校までに、説明された練習の意図を理解してトレーニングに主体的に取り組む経験をしていないため、日々の変化についてこれなかったのです。私の力不足もあったと反省しています。唯一、試合前日の土曜日をもオフにしたのは奏功しました。学生たちは自分たちで課題を持って自主練を始めたことでうまくなりました。■学校でも「当たり前」を見直す動きが。サッカーも......(写真は少年サッカーのイメージです)最近は、日本サッカー協会が勧めるマッチ・トレーニング・マッチ(MTM)の実践をするコーチも出てきましたが、まだまだ少数派。街クラブをのぞくと、対面パスから練習が始まるチームは少なくありません。ぜひ、上達のイメージを、普通の階段から、らせん階段に転換してほしいと思います。ヘーゲルは、らせん階段を昇るのは「進歩・発展」しているけれど、もともといた場所に戻るようにも見えるため、それを「復活・復古」と意味づけします。この2つの視点を組み合わせ「物事の発展はただ発展するのではなく、古いものが新たな価値として復活してくる」と定義しました。社会の発展は、例えば手紙がメールになり、SNSになったように、意味は同じでも形を変えて進化することを私たちに教えてくれています。ちなみに、計算ドリルや漢字ドリルといったドリル学習をやめる小学校も出てきています。「当たり前」を見直す動きは、あらゆる場所で始まっています。<<前回|連載一覧>>高橋正紀(たかはし・まさのり)1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。
2020年02月12日ウーマンエキサイトの皆さん、こんにちは!ドイツ在住の主婦、ぱん田ぱん太です。我が家の1歳の息子、フリッツ君は動物が大好きです。犬や猫はもちろんですが、ライオンやクマやぞうなど、身近にはいない動物が特に大好き!しかし、フリッツ君がそれらの動物を知っているのは、もちろんおもちゃやぬいぐるみ、テレビや絵本など、本物じゃないものばかり。本物の動物達を生で見せてあげたくて、フリッツ君を動物園に連れていくことにしました!しかし…ドイツの動物園は、日本の動物園とは少し違う点があります。それは…日本の動物園だと、動物達は比較的小さな檻に入れられていることが多い気がしますが、私がこれまでに見てきた様々なドイツの動物園では、動物達は皆それぞれ広々としたスペースを与えられていました。大きなシロクマには、池のついた大きな庭が。ちょうど木の陰でお昼寝中でした。立派なトラには、広大な林が。ガラス越しに見てみましたが、もはや端や最奥など見えないほどの広さの林。このどこかにトラが隠れているのでしょう。姿すら見られませんでした。フリッツ君はなんだかんだで楽しそうですが、親としては焦ります。だって、何のために動物園に来たんだかって感じじゃないですか!(笑)そのまま先に進むと…ついにはっきりと動物の姿が!ライオンのスペースもやっぱり大きく、遠くからしか見られないのですが、ラッキーなことに高い丘の上に登っていてくれました!これならフリッツ君もついに本物のライオンを見られます!「あそこにライオンさんがいるよ!」と声をかけると、フリッツ君は一目散にライオンのいる方向に向かって駆け出しました!…と思ったら、ライオンスペースの少し手前にあった砂利で遊び初めました…(笑)「ほら、上見て!ライオンさん!」と促してみましたが、気付いてくれず。結局…園内にある子供の遊び場を一番堪能していました…!(笑)本物の動物を見せたくて連れて来た母親の身としては複雑ですが、きっと1歳の子供はこんなものなのでしょう。楽しんでくれたようなのでよし!もう少し大きくなってからまた動物園には来るとして、しばらくは絵本やおもちゃのライオンで満足してもらうことにします!(笑)
2020年01月17日「ポンパドール」の新フレーバー誕生ドイツ発のティーブランド「ポンパドール」のオーガニックラインに、新フレーバー「オーガニック ユアマイベリー」(税抜780円)が仲間入り。2020年1月17日(金)より全国発売されます。素材の味を楽しもう「ポンパドール」のオーガニックシリーズは、ハーブ独自の甘さを引き出し、素材そのものがもつ味や香りを味わえるのが特徴。今回新たに発売される「オーガニック ユアマイベリー」は、有機栽培のハイビスカスやローズヒップ、ラズベリーなど、様々なフルーツとハーブをブレンドした一品です。甘酸っぱいベリーと爽やかなフルーツのフレーバーを楽しめます。春先取りのピンクパッケージ淡いピンク色のパッケージには、ベリーやハートのイラストが散りばめられ、見ているだけで優しい気持ちにさせてくれます。有機JAS認定取得でノンカフェイン、無着色と、身体への優しさにもこだわりが。妊娠中の人でも安心して口にできるでしょう。(画像はプレスリリースより)【参考】※日本緑茶センター株式会社のプレスリリース
2020年01月14日ウーマンエキサイトの皆さん、こんにちは!ドイツで国際結婚、主婦をしているぱん田ぱん太です。我が家の現在1歳10ヵ月の一人息子、フリッツ君は私が在宅仕事のため、保育園などには行っていません。しかし、とにかく小さなうちからいろんな経験をしてほしいのが親心。そこで、ドイツの「Spielgruppe(シュピールグルッペ)」というシステムを利用してみることにしました!■赤ちゃんとママの憩いの場Spiel=遊び、Gruppe=グループ。どこかの施設が部屋を貸し出し、「〇曜日の〇時から〇時まで」など時間を決めて、そこで自由に子供達とその家族が遊ぶ、というシステムです。年会費などを取る場合もありますが、私たちが通っているシュピールグルッペは完全無料!コーヒーや紅茶、子供達のためのフルーツ、手作りのケーキやクッキーが用意されていて、それらを飲んだり食べたりした人が好きな額だけ寄付をするというルールです。シュピールグルッペは、ある程度大きな町ならあちこちにあるので、私と同じく近所に住んでいる親子が集まってきます。ご近所さんとここで知り合う場合も!子供達の年齢は、生後半年~1歳半くらいが多い様子。1歳10ヵ月のフリッツ君はここではお兄ちゃんです。初めてフリッツ君をシュピールグルッペに参加させることになり、母の私は緊張。なぜかというと…フリッツ君、今までに年上のいとことしか遊んだ経験が無いのです。年上の従兄は、基本的にフリッツ君におもちゃを譲って甘やかしてくれます。しかし、シュピールグルッペにいる子供達は、むしろフリッツ君より年下の子ばかり。果たしてフリッツ君はうまくやっていけるのでしょうか…?■生まれて初めての「譲ってもらえない相手」施設は小さな子供達向けのため、用意されたおもちゃはドイツ国産の木のおもちゃやおままごとセット、年季の入った古くから人気のおもちゃなど、たくさん揃っています。フリッツ君はたくさんの大人たちや子供たちのいる場所に来て緊張した様子でしたが、大好きな車のおもちゃを見つけ遊び始めました。しかし…まだハイハイの小さな可愛い女の子が、フリッツ君の持っていた車に興味を示して手を伸ばしてきました。なんで? なんでぼくのおもちゃ取ろうとするの!?初めての経験に、明らかにショックを受けた様子のフリッツ君。まだおもちゃを取られたわけではないのに、泣き出してしまいました…。しかし!これも成長、社会勉強の一環!母はフリッツ君の背中を押します。今度は別のおもちゃで、その子と一緒に遊ばせようとしてみます。女の子は全く物怖じしません。(女の子の方が強い…?)フリッツ君もすぐに泣き止んで遊ぼうとしてみますが…その女の子が自分の遊んでいるおもちゃに触り始めると立ち上がって、泣きながら謎のポーズをキメて抗議する始末。他の子供達とおもちゃの取り合いになって泣くくらいは想定していましたが、まさかおもちゃを触られただけで泣くとは…。おもちゃを譲ってもらえることが当たり前だったフリッツ君ですから、よほど傷ついたのでしょう…。はじめはこんなやり取りもあり心配しましたが、この後回数を重ねるにつれ、フリッツ君は徐々に慣れていき、今では他の子供達とおもちゃを共有して遊べるように!メンタルが鍛えられたようで、母は安心。毎週のようにシュピールグルッペを訪れ、楽しく遊んでいます。我が子のちょっとした成長をこの目で見られて嬉しくなった出来事でした。
2019年12月30日ウーマンエキサイトの皆さん、こんにちは!ドイツで国際結婚し、1歳10ヵ月の息子の母親で主婦をしているぱん田ぱん太です!11月後半からクリスマス前までにかけて、ドイツはとっても盛り上がる時期です。その理由はもちろん…ドイツ中で行われるクリスマスマーケット!わたしももちろん息子を連れて、近くの町のクリスマスマーケットに訪れるのを楽しみにしていました!しかし、注意しなければならないことが一つ。クリスマスマーケットの特別感に、ついついお財布の紐が緩んでしまい、あれもこれもと買いたくなってしまうのです…!思えば、日本にいた頃も、ずらりと並ぶ夏祭りの屋台を前にすると同じような感じでした。というわけで、家でしっかりお昼ご飯を食べておなかを満たし、いざクリスマスマーケットへ!■賑わいをみせるマーケット※ツヴェッチュゲン/Zwetschgen=西洋すももの一種皆さん、ホットワインはお好きでしょうか?ドイツのクリスマスマーケットでは定番中の定番の飲み物です。寒いドイツの冬に、外で飲むホットワインのおいしさは格別です。これは飲まずにはいられません!※キンダープンシュ/Kinderpunsch=子供用のノンアルコールホットワインシナモンの味がじわりと染み渡る、暖かい子供ホットワインを息子のフリッツ君と二人で分けて飲みました。そして、体が暖まったところで次に見つけたのは…※レープクーヘン/Lebkuchen=スパイスが効いた、パンとクッキーの間のようなドイツのクリスマスの定番お菓子砂糖で文字が描かれている、かわいいレープクーヘンを見つけてフリッツ君にプレゼント!ちなみにメッセージの意味は「君のために」です。ただし、このレープクーヘン…お砂糖とはちみつがたっぷり入っているため、子供にあげる際には結構慎重になります。■盛り上がりはピークに!屋台をあちこち見て回っていると、いつの間にか夕食の時間が近づいていました。わたしたちは南ドイツに住んでいるためお魚料理はあまりしょっちゅう食べる習慣が無く、鮭の専門屋台が珍しかったので、晩ご飯に買っちゃいました!目の前でグリルで焼いた鮭を、ドイツらしい少し固めの丸パンに挟んだサーモンサンドイッチはとってもおいしかったです。おなかもいっぱいになったところで次に見つけたのは…小さい子供用の、移動型メリーゴーランド!車が大好きなフリッツ君が反応しないわけはありません。日本ではメリーゴーランドと言えば白馬や馬車のイメージですが、ドイツのクリスマスマーケットのようなお祭りに用意される小さい子用のメリーゴーランドですと、車などのデザインが多いのです。フリッツ君はメリーゴーランドに乗れて大満足!こっちまで楽しくなっちゃいます。そして、おなかも満たされ、屋台も一通り見回ったところで…お土産に「Gebrannte Mandeln/焼いたアーモンド(=ドイツの屋台の定番お菓子。アーモンドを甘く炒めてある)」まで買って帰路につきました!・・・あれ?お財布の紐を締めて臨むと決意したはずなのに?しっかりとお昼ご飯を食べたアレはいずこへ…年に一度のクリスマスマーケット。愛する我が子の笑顔ために、母は今宵も家計簿がんばります。皆さんもこの時期のドイツを訪れることがあったら、ぜひクリスマスマーケット、堪能してくださいね!
2019年12月18日いつもは指導者の皆さんからのご相談にお応えしている本連載ですが、今回は番外編としてこの夏池上さんがドイツで視察してきた内容をお伝えします。ジュニア年代が一番多く、年齢が上がるとともにプレー人口が減るピラミッド型の日本と違い、ドイツは子どもから始めたら大人までやめるプレーヤーがほとんどいない、逆三角形に近い。なぜならサッカーを好きでい続けられる環境や、プレーができる受け皿があるからです。「日本とは環境が違う」という方もいらっしゃるかもしれませんが、サッカー大国ドイツの育成には、日本の指導現場でも参考にしたいこと、取り入れたい姿勢があります。(取材・文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<熱くなりすぎて喧嘩してしまう子への対応を教えてください■普段の練習一つとっても、上達に差が出る要因がある夏の終わりに、ドイツの育成現場を視察してきました。今年で3回目。ドイツで長年育成コーチを務めている、サカイクでのおなじみの中野吉之伴さんが、案内係を引き受けてくださいました。今回あらためて感じたのは、子どもたちが何かに煽られて必死でやっている感じがまったく見受けられないことです。ここは日本の小中高校生と大きく違ところです。小学生が、左右の足で交互でボールを蹴るような練習をしていたときのことです。全員、交互に蹴っていました。日本で似たような練習をすると、左足は得意じゃないから、右で蹴る、という子が必ずいます。日本の子は自分が下手なのを見せたくないわけです。ところが、ドイツにはいませんでした。みんな練習をやる意味をちゃんと知っているからです。冒頭で伝えたように、そんなに必死に全力でやっているようには見えませんが上手くなるためにできないことにも挑戦する姿勢が見受けられるのです。いかがでしょうか。言われたことをきちんと理解してやっている子ども。うまくやらないとコーチから刺激を受けながら、煽られながらやっている子ども。私は、相当差が出るように思います。■右足しか使わない日本人、上手くいかなくても左右を使うドイツの子小学校高学年の練習に、ひとり日本人の子どもが入りました。このときはロングキックの練習で、時計回りで走ってきて蹴る、その逆に回ってきて蹴るといった動作を4か所に分かれて行っていました。反時計回り、つまり左から回ると、蹴るなら右足になります。逆だと左足になる。そうすると、ドイツの子はコーチに何も言われなくても左右使います。でも、日本の子どもは時計回りのときも右足で蹴ってしまうことがあったのです。動作がつながらないのでなんとなく不自然です。これはその子の個人的な問題ではありませんでした。その時に参加していた他の指導者の方にも聞いたのですが、上手くできないことが恥ずかしいとか、叱られるとかというプレッシャーからか、できないことを隠してしまう傾向は多くの日本の子どもに見られるということでした。この練習で、右利きらしいドイツの子は左足をうまく使えない子が何人もいました。でも、失敗して照れくさそうだったり、暗い顔をしたりする子はひとりもいません。つまり、「うまくできないことが恥ずかしい」と思っていないのだと感じました。ただ、ただ、楽しそうに、でも、熱中してボールを蹴る。次はこう蹴ってみよう、もうちょっと体をたてて、軸足を踏ん張ってなど、自分でいろいろ考えながらやっているのだと思います。■「そんなの無理!」日本の子たちが難しい課題にチャレンジしない理由中学生の練習でも、すごくよくチャレンジする姿が目につきました。ディフェンスの裏をとってゴール前に抜けだして、こんなふうにシュートしてごらん、とコーチが一度デモンストレーションをしたら、それをひとり3回ずつくらいやります。その後に、コーチが「じゃあ、ここからは自分たちで考えてやってごらん」と言います。そうすると、ドイツの子どもたちは、コーチに教えられたかたちではひとりもやりません。日本の中学生に「ここからは自分で考えてごらん」と言っても、きっとコーチが見せたかたちを繰り返す子が大半だと思うのです。そして、もしかしたら、そもそも「自分で考えてやってごらん」というコーチが少ないのかもしれません。日本で「こんな練習をします!」と子どもたちに言うと、「いや、ぼくはそれは上手くないから、こっちをやりたい」言ったりします。特に難しい課題を与えられると、「よし、じゃあがんばるぞ」という感じになりません。「そんなの無理!」のほうが、圧倒的に多いのです。つまり、根本的にサッカーと向き合うベースが違います。そのことを、一緒にドイツを訪れた日本人のコーチたちに話したら、みなさんうなずいていらっしゃいました。ほかにも、3対2をやると、2人チームの方が、一人少ないから勝てるわけないよ!と言って真剣に取り組もうとしないことがあります。少しでも難易度が高いと、チャレンジしなくなってしまいます。きっと普段から、少し難しいことをやって失敗すると、何か言われたり、言われないまでにもなんとなく嫌な雰囲気になる。ダメだったね、というネガティブな空気を恐れながら生きてきたのだと思います。恐らく日本の大人たちが、うまくできないことを、悔しいとか、恥ずかしいと感じることを、子どもたちのモチベーションにしてきたのだと考えます。怒鳴ったり、声を荒げるといった方法しか知りません。そのことによる悪い副作用が、失敗を恐れてチャレンジしたがらないマインドを作って来たのではないでしょうか。ドイツでもコーチはポイントをアドバイスするほかは、子どもと楽しそうにトレーニングをしていました。■同じ年数サッカーをしているのに、日本とドイツの強さに差が出るのはなぜ?(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)ところで、私はここ数年、自分が住んでいる町の中学校で部活動の外部コーチをしています。中学生たちに「ドイツと日本はどっちが強い?」と聞くと、全員が「ドイツ」と答えます。サッカーを始めた年齢は同じくらいなのに、どうしてだと思う?そんな質問をしてから、前述した右足と左足の話をしました。「叱られたり、強制的にやらされたりした人たちと、自分で考えて自分から熱中している人たちが、同じ時間サッカーをやっていると、違いは出てくるね」そんな話をしました。しかも、ドイツの選手たちは18歳くらいまで、週2回か3回しか練習をしないし、週1試合しか試合もやらないのです。大人の方も、なぜ違いが出るのかを真剣に考えてみてください。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2019年10月21日日本映画界が世界に誇る名女優のひとりといえば、昨年惜しまれつつこの世を去った樹木希林さん。映画と人々の心のなかで生き続ける樹木さんが、女優人生の最後に選んだ作品がいよいよ公開を迎えます。それは……。感動に満ちた『命みじかし、恋せよ乙女』!【映画、ときどき私】 vol. 251ドイツのミュンヘンで、仕事も家族も生きる希望さえも失っていたカール。酒に溺れ、どん底だった彼のもとに突然ユウと名乗る風変りな日本人の女性が現れる。彼女と過ごすうちに、カールは人生を見つめ直しはじめ、新たな一歩を踏み出そうとしていた。ところがその矢先、ユウが忽然と姿を消してしまう。そこで、カールはユウを探すため、彼女の故郷である神奈川県の茅ケ崎へと降り立つことに。たどり着いた旅館で年老いた女将と出会い、カールは知られざる真実を知ることとなるのだった……。本作は、樹木さんにとっては遺作であり、世界デビューを果たしたかけがえのない1本。今回は、現場での様子を誰よりも知るこちらの方にお話を伺ってきました。監督・脚本を務めたドーリス・デリエ監督!ドイツでもっとも成功した女性監督のひとりとして名前があがるデリエ監督。これまで日本を舞台にした映画を5作品も制作するなど、日本を愛してやまない監督が本作を通して伝えたいメッセージや樹木さんとの思い出について語ってくれました。―まずは、心に傷を負った人物が再生するという題材を取り上げようと思ったのはなぜですか?監督今回は、主人公のカールが自分のアイデンティティをいかに見つけていくかというストーリー。彼はマッチョというわけでも、女っぽい部分があるというわけでもないので、その間にあるアイデンティティを模索している間に、自分の“形”を探していくという物語にしました。―日本に関する作品を撮り続けるだけでなく、監督はこの30数年の間に、30回以上も日本を訪れているそうですが、日本に興味を持つようになったきっかけはありますか?監督まだ映画学校に通っていたとき、小津安二郎監督の作品を授業で見させられていたんですが、当時はまだ20歳くらいだったので、正直に言うと家族の話はつまらないと思っていました。というのもそのくらいの年齢のときは、家族という題材にはなかなか興味を持つことができないものですよね。なので、若いときはどちらかというと、アクションがあってテンポが早い黒澤明監督のほうが好きでした。ただ、母親になってから改めて小津作品を観てみたら、家族がテーマだからこそ、すごく心に響いたんです。そんなふうに、映画を通じて自然と日本への興味を持つようになったのかなと思います。―では、日本の文化から影響を受けたことなどがあれば教えてください。監督この作品で言うなら、日本の「幽霊」をテーマとして入れたこと。西洋の考え方だとあの世とこの世がはっきりとわけられていますが、日本の文化ではその境目があいまいなところがありますよね?現代においては「机は机だし、人は人」といった具合に全部がわけて考えられていますが、世界というのは、本当はお互いに影響し合っていて、すべてのものは繋がっているんだと私は思っています。樹木さんの生き方から学びたいと思ったことは?―監督にとって、樹木さんは長年憧れていた存在でもあったそうですが、一緒にお仕事をされてみて、学んだことはありましたか?監督「私が彼女から学んだこと」と言うのはおこがましいので、「私が彼女から学びたいと思っていること」にしますが、まずは仕事に対する深い献身ぶりと役者として物語を綴っていこうとする思い。あとは、超がつくほどのプロフェッショナルイズム。そして、本当に謙虚な姿勢です。たとえば、アメリカの女優さんのなかには、10人のマネージャーと10人のアシスタント、さらに10人のメイクを引き連れてきたり、食べ物をリクエストしてきたりする人もいますが、樹木さんはそのどれもまったくありませんでした。私たちが「何か特別な食事をご用意しましょうか?」と何度たずねても一切なく、逆に「何を食べているの?私もそれを食べるわ」とおっしゃるほどだったのです。樹木さんはスーパースターなので、いろいろと心の準備をしていましたが、何も要求されることなく、スタッフとキャストに家族の一員が加わったくらいの感覚でした。そんなふうに、何も求めないところや謙虚なところは、尊敬していると同時に学びたいと思っています。―樹木さんが多くの人から尊敬されている理由がわかるようなエピソードですね。そのほかにも、印象に残っている樹木さんの思い出はありますか?監督あとは、すごくいろいろな物がクリアに見えていらっしゃる方だと思いました。病気についてもそうですが、病状についてもオープンで、自分の命が短いということも理解されているようでした。この痛みを抱え、歳を重ねた肉体こそが自分の体であり、アイデンティティだと。だから、「病気に縛られる必要はないんだ」「自由に私自身でいるんだ」という感じでいらっしゃるところもステキだなと思いました。もちろん、痛みを抱えていらっしゃるのは見ていてわかりましたが、それについて何も言わずにいるところも彼女の素晴らしさ。あと、樹木さんといえば、やはり独特のユーモアの持ち主ですよね。多くの人が経験している苦しみを描いている―確かに、樹木さんのユーモアのセンスは魅力のひとつだと思います。また、劇中ではカールが本当の自分へと解放されていく姿も印象的ですが、周囲の期待に応えようとがんばるあまり、自分を見失っていく男性が多いのも事実。今回、そういう男性を主人公に描こうと思った理由は何ですか?監督ユウが重ね着しているさまざまなタイプの服を徐々に脱いでいくシーンで表しているように、女性は服装を変えるだけでもいろいろな女性像になることができますが、それに比べると男性は多くのことが限定されがち。それがこの作品の最初の問いかけになりました。劇中で、カールはサラリーマンという役割を当てられても、家族思いの父親の役割を当てられても居心地が悪くなってしまいますが、その理由は自分で見つけた道ではなく、周りに与えられているものだから。それゆえに、カールは周りから求められる役割が本当の自分とは違うことに苦しみ、不幸せに感じてしまうのですが、こういった気持ちは彼だけではなく、多くの人が経験していることなのではないでしょうか。―そんなふうに、周りから与えられる理想と現実に悩んだ経験は、誰にでもあると思います。監督もそういった葛藤を味わったことがありますか?監督もちろん、私にもそういう経験がありますが、それは34歳で母親になったとき。私の人生のなかでも一番変化したときでもあり、その変化が怖いと思っていた時期でした。というのも、それまでの私はスタッフのなかに女性ひとりでいるような一匹狼タイプ。現場から現場へと移り、世界中の好きなところに行っては自分の好きなことをしていました。それが母親になることによって、「この先の自分はどうなってしまうのか?」と悩むようになったのです。なかでも一番怖かったのは、社会が「映画監督であり作家である自分」と「母であり妻である自分」そのどちらかしか選ばせてくれないのではないかと思ったとき。つまり、これをきっかけに仕事ができなくなる可能性があったらどうしようかと考えてしまったのです。社会が決めた役割をよしとしないことも必要―その恐怖はどのようにして乗り越えていったのでしょうか?同じ悩みを抱えている女性たちに向けて対処法があれば教えてください。監督私の場合、当時は友達がよく居候したりしていたこともあったので、子どももそのうちのひとりだと思えばいいんだと考えるようにしました。そんなふうに「誰かと共同生活するだけ」と思えるようになったことで、そんなに怖くないなと感じるようになったと思います。つまり、社会が「こうあるべき」と決めている役割をよしとするのではなく、ときにはそう思わないことも必要だということです。哀しくもあり、美しくもあるのが人生!人生で繰り返される出会いの喜びや別れの悲しみ、そして理想と現実との葛藤。それでも、人は生きている限り、幸せにならなければならないと感じるはずです。誰の背中も優しく押してくれる樹木さんの心揺さぶるメッセージから、“人生を愛するヒント”を受け取ってみては?心に触れる予告編はこちら!作品情報『命みじかし、恋せよ乙女』8 月 16 日(金)より、 TOHO シネマズ シャンテ他にて全国順次公開配給:ギャガ©2019 OLGA FILM GMBH, ROLIZE GMBH & CO. KG
2019年08月15日人生には大きな決断を迫られる瞬間は、誰にでも起こりうるもの。そこで、激動の時代のなかで、人生を左右する重大な分岐点に立たされたある学生たちを描いた話題作をご紹介します。その作品とは……。衝撃の実話『僕たちは希望という名の列車に乗った』!【映画、ときどき私】 vol. 2291956年、東ドイツの高校に通っていた青年テオとクルト。ある日、列車に乗って訪れた西ベルリンで、自分たちの国と同じくソ連の影響下に置かれていたハンガリーのニュース映像を目の当たりにする。自由を求めて立ち上がるハンガリー市民に共感した彼らは、授業中に2分間の黙とうをすることをクラスメイトたちに提案するのだった。純粋な哀悼の気持ちで実行した彼らだったが、東ドイツでは「社会主義国家への反逆」とみなされ、国家を敵に回す一大事へと発展してしまう。彼らを待ち受ける未来とは……?本作は、ディートリッヒ・ガルスカ氏の実体験を綴ったノンフィクションをもとに映画化された注目作。そこで、完成までに緻密なリサーチを重ねて作り上げたこちらの方にお話を聞いてきました。ドイツ映画界の気鋭ラース・クラウメ監督!前作『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』でも高い評価を受けているクラウメ監督は、今回も実話に挑戦。制作過程で感じた思いや自身の若い頃の経験などについてなどを語ってもらいました。―未成年の若者たちがたった数分間の黙とうを捧げただけで、ここまでの政治的弾圧を受けたという事実に観客は衝撃を覚えると思いますが、監督が最初にこの話を聞いたときはどのように感じましたか?監督僕が初めて知ったとき、実はあまりショックはなかったんだ。というのも、ドイツの歴史にはもっと恐ろしい出来事もたくさんあったから、ドイツ人としては正直言って「そういうこともあるよね」くらいの感じだったよ。実際、ドイツ中で作品を見せて話を聞いてみると、「自分の学校や職場でも似たことが起きました」といった反響がたくさんあったくらい。ただ、僕にとって興味深く感じたのは、学生たちが連帯したこと。こういう経験をしたとみなさん話してはいたけれど、劇中の学生たちのように独裁的な体制に対して立ち上がったという方がとても珍しいことだったんだ。たから、僕もこのストーリーのなかでも、その部分が一番強いところだと感じているよ。観客のリアクションは面白いものがあった―ドイツでは歴史的な実話を描いた作品は数多くありますが、1950年代はあまり注目されて来なかった時期。それにも関わらず、監督は前作と本作でいずれもこの年代を描いていますが、その理由を教えてください。監督映画ではなかなか50年代が描かれることがなかったからこそ、どちらの作品もドイツの観客のリアクションはとてもおもしろいものがあったよ。というのも、戦後のドイツが東と西それぞれでどのように社会再建をし、どうやって政治的な秩序を作り直したのかということが知られていなかったからなんだ。それがこの2作品のテーマでもあるけれど、特に今回は生徒たちが大人の社会の決まりみたいなものを破ったことがみなさんに響いた部分もあったと思うよ。今回は批判を受けることもなかった―本作の舞台は東ドイツですが、監督は西ドイツの出身。リサーチをされるうえで、これまで西ドイツから見て感じていた東ドイツと印象が変わることもありましたか?監督社会における「個」の概念が違うというのは、非常に興味深かったところかな。というのも、やはり自分は西側で育っているから資本主義的な考え方にのっとった「社会における個人とは何か?」という考え方に慣れているけれど、劇中で描かれているのは社会主義国としての社会。実際、ドイツが分断されたとき「東ドイツは社会主義国になりました」と突然言われて、東ドイツの人たちは「自分で選んだわけではないけれど、新しい政治的体制がそういうものであれば個人よりも社会という集合体に重きを置くやり方を試してみよう」と思っていたんだ。僕はリサーチをするまでは、彼らがそんな葛藤を持ちながら向き合っていたことは知らなかったから、そういう姿を見ることができたことは一番の驚きだったよ。ちなみに、東ドイツの題材を西ドイツ出身の監督が作ると、批判を受けることもけっこうあるんだけど、原作者のディートリッヒさんと密にコラボレーションしていったおかげか、今回はそういった声を聞くことはなかった。それだけ旧東ドイツの人たちにとっても、リアルに感じてもらえたということじゃないかな。タイムレスなものを目指していた―本作では、ドイツが恐ろしい過去から新しい未来に移行しようと模索する話であり、世代間にある価値観の違いといったものなどが描かれていますが、いまの時代にそういったことを描きたかったのはなぜですか?監督すべては『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』から始まっていることでもあるけれど、どちらの作品にも共通している映画のモチーフとしては何かに対する反抗心や抗議すること。ナチス政権のあとにどんなふうに社会を再建していったのかということについても、深く洞察できる内容だと思ったんだ。ただ、歴史的な物語をそのまま描くだけでは単なる歴史の授業のようになってしまい、映画にするまでもないよね?だからこそ、そこに人間的な価値観や言論の自由、さらには連帯することという普遍的なものをプラスして、タイムレスなものを目指したんだ。監督が自らを投影したキャラクターとは?―まさにその“普遍性”という部分がいまの観客にも響くところであり、「自分だったらどうするか?」と考えさせられました。監督も共感できるような自分に近いキャラクターなどもいたのでしょうか?監督僕の分身と言えるのはテオ。実は、僕も17歳くらいのときに政治的な抗議活動に参加していたことがあるんだけど、その理由はそうすれば好きな女の子が僕に関心を持ってくれると思ったから(笑)。本当は政治には興味がないサッカー青年だったんだ。だから、劇中のエピソードには僕の体験から来ているところもあるんだよ。自分だったらどうするかは、「彼らと同じように連帯感を持って立ち上がっただろう」と言うのは簡単だけど、やっぱり実際にその場にならないとわからないと思うよ。たとえば、頭でよくないとわかっていることでも、僕もスマホを使いまくってしまうし、必要のないものを消費してしまうことも多いからね。数日間で自分の未来像が変わったことがある―本作ではたった2分が彼らの人生を変えてしまいますが、監督にとってもひとつの出来事で人生や考え方が変わったしまった経験があれば教えてください。監督もちろん、人生においてそういう瞬間はたくさんあったよ。彼らと同じくらいの年齢の頃、僕は写真家になりたいと思っていたんだ。そんなとき、ベルリンの壁が崩壊して、ルーマニアから来た先生にルーマニアの状況がよくないことを教えてもらい、学校で寄付を募って、それをトラックに積んでみんなで運んだことがあった。僕は記録係として写真を撮っていたんだけれど、そこでルーマニアの人たちがどんな状況で暮らしているのかを初めて自分の目で見て、すごく心に刻まれたんだ。それがフォトジャーナリストになりたいと思うようになったきっかけ。たった数日間の滞在だったにも関わらず、そこで自分の未来像が完全に変わったんだけど、そういった瞬間は誰にでもあるものだと思うよ。希望を胸に未来へ走り出す!日本人にとってはあまり知ることのできない歴史的背景を舞台にしているものの、描かれているのは人として正しい行いとは何かという時代を超えた価値観や仲間との絆。実話だからこその心揺さぶる展開と、それを体現する若手俳優たちの熱演からも目が離せない1本です。胸がザワつく予告編はこちら!作品情報『僕たちは希望という名の列車に乗った』5月17日(金)、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開配給:アルバトロス・フィルム、クロックワークス©Studiocanal GmbH Julia Terjung
2019年05月15日ドイツは朝ごはんが一番おいしい。ミュンヘンへ、毎年仕事に訪れている方から聞いた、異国のおいしい文化の話。ドイツと言えばビールで知られることから、ドイツフードの定番はやはりビールに合う種類豊富なソーセージや大迫力のスタミナ肉料理、お酒の進むプレッツェルなどが真っ先に思い浮かぶ。もちろんそれらもおいしいのだが、ドイツはもっとも朝ごはんがおいしい国だった。3月に滞在したミュンヘン、ハンブルクでの宿泊先は、ドイツとウィーンに計8施設を展開する人気の都市型ホテル、ルビーホテル。ミュンヘン(Ruby Lilly Hotel)でもハンブルク(Ruby Lotti Hotel)でも街の中心部にほど近い場所に位置する。ミュンヘンでは、人気美術館が密集するマックスヴォルシュタット地区にあり、現代美術館ピナコテーク・デア・モデルネ(Pinakothek der Moderne)も徒歩圏内だ。ハンブルクでは大きな窓からすぐ横を流れる運河を眺められた。1階にはワークスペースにもなるカフェ、バーを併設し、私はそこで毎朝朝食を食べた。平日は6時半から始まるビュッフェ式の朝食のこだわりはすべてオーガニック(ドイツで承認された有機検査機関の基準DE-ÖKO-006に準拠)であること。ドイツの朝は、調理をしない冷たい食事が中心。ハム、サラミ、フレッシュミルクにチーズやヨーグルト、バター、卵、トマトや青野菜、ピクルス、フムス、フルーツとフルーツジュース、全粒穀物のシリアルにスーパーフード、ドライフルーツ、地元のベーカリーで作られる全粒パン、Hausbrandt社のコーヒー、オーガニックティー。このルビーホテルに限らず、充実したビュッフェスタイルのホテルの朝食、そしてオーガニック・ビオ・エコ先進国であるドイツにおいて、オーガニック食材はスタンダードだそうだ。まだ人もまばらな早朝、これら一品一品をゆっくり眺めてはお皿に彩るのが楽しみで、毎朝7時には部屋から起き出しカフェに向かった。30分もすると席はたちまちいっぱいになり、新聞を読んだり、昨夜や今日一日の予定についてを会話をしたり、皆がそれぞれゆったりと朝の時間を楽しむ。ドイツの朝は早い。食パン、クロワッサン、プレッツェル、シナモンシュガーを練り込んだフランツブロートヒェン(Franzbrötchen)など、パンの種類はほんとうに豊富。なかでも多くの人が主食とするのは、ハード系のシードやナッツを練り込んだりトッピングしたブロートヒェン(小さなパン)、好きな分だけスライスするブロート(大きなパン)。ブロートヒェンはナイフをくるっと一回転させ、横半分にカットした面にバターやジャムを塗る。スライスしたブロートにハムやチーズや野菜をのせて食べるのも定番。ハムは、鶏ハム、生ハムなど、チーズも新鮮なカッテージ、モッツァレラ、クリームチーズなど5、6種類が用意されている。朝食に卵を食べるのはドイツも同じ。しかし、スクランブルエッグやオムレツではなく、好みの固さにボイルしたゆで卵(ホテルの朝食ではソフトボイルドとハードボイルドの2種類を常備)。殻のまま上部をナイフでコツコツと割りながら切り取り、塩をかけスプーンですくって食べる食べ方が特徴的だ。キウイ、グレープ、オレンジ、スイカ、パインなど自家製のフルーツは、ヨーグルトと合わせてフルーツサラダにする。ウォールナッツや粉末のアーモンド、ヘーゼルナッツ、サルタナ、スーパーフードのフラックスシードなどを好みでブレンドしたオリジナルのミューズリ(グラノーラのようなもの)にヨーグルトをかけても食べるのも良い。食材そのものの味をシンプルに感じつつ、それらを組み合わせる楽しみ。おいしいドイツの朝食ルール、ぜひ試してみて。【ホテル情報】Ruby Lilly Hotel Munich住所:Dachauer Str. 37, 80335 MünchenRuby Lotti Hotel Hamburg住所: Düsternstraße 1, 20355 Hamburg
2019年05月10日かつてドイツが東西に分断されていた時代に、東ベルリン郊外の高校生たちに起きた実話を基にした『僕たちは希望という名の列車に乗った』。本作には、ドイツ映画界期待のイケメン俳優たちが勢ぞろい。優等生ヒーロー系、やんちゃヒーロー系など、それぞれの個性が分かる特別映像が、いち早くシネマカフェに到着した。著者のディートリッヒ・ガルスカが自身の体験を記したノンフィクションに基づく本作は、高校生たちが行ったわずか2分間の黙祷が国家機関の目に留まり、政治的な弾圧へと発展していく衝撃的な物語。少年少女が人生の全てを懸けて下した決断、 そして大人たちに抗う彼らが成し遂げた“小さな革命”とは――?『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』(’16)でドイツ映画賞6部門を制した気鋭ラース・クラウメ監督が、旧東ドイツで起こった知られざる史実に触発され、メガホンをとった。西ドイツの映画館へ忍び込む高校生たち…登場するのは、クラスのリーダー的存在で、労働者階級の出身ながら一族で初めて大学へ進む予定のテオ、テオの親友で市議会議員の父を持つ正義感あふれるクルト、戦争の英雄だった亡き父に憧れている真面目なエリック、映画監督になるのが夢でお調子者のパウル。ほんの数週間前までは卒業を控え、未来への希望に満ち溢れていた彼らが、政府に追い詰められていく様子が分かる映像となっている。祖父の墓参りを口実に西ベルリンを訪れた(※)テオとクルト。街を駆け抜け、ウィンドウに飾られた商品に感嘆し、高校生らしい好奇心で映画館に忍び込み、『ジャングルの裸女』という当時ヒットしていたアドベンチャー・コメディを見ようとする(※当時はまだベルリンの壁の建設前で、検問はあるものの行き来ができていた)。地元に帰り、同級生のエリック、パウルに「トップレス映画を見た!」と自慢し、「ぼくも見たいな」「堕落するぞ」など無邪気に言い合う彼ら。ちょっとやんちゃな面もある、どこにでもいる生き生きとした高校生の姿が映し出される。さらに、この映画館で見たニュース映像をきっかけに、授業中に2分間の黙祷を行ったことから政府に反革命を疑われ、精神的に追い詰められたエリックが「お前を裏切った。申し訳ない」と涙でクルトに告白する教会でのシーンが続く。政府に目をつけられ鋭い追及を受け続けるエリックを演じたヨナス・ダスラーは、1996年生まれのドイツ映画界注目の若手俳優。今年のベルリン国際映画祭コンペ部門に出品されたファティ・アキン監督の新作『Der goldene Handschuh』(英題:The Golden Glove)では主演に抜擢、実在の連続猟奇殺人鬼フリッツ・ホンカを演じている。また、ヨナスと、テオ役のレオナルド・シャイヒャー、クルト役のトム・グラメンツの3人はドイツの名門エルンスト・ブッシュ演劇大学で演技を学んでいる。レオナルドはオスカー・レーラー監督『生きる源』(’13/未)でモーリッツ・ブライブトロイの息子役を演じたことがあり、学生映画やTVで活躍していたトムは本作が初めての大役。劇中ではあまり社会問題に興味がない陽気なパウルを演じたイザイア・ミカルスキだが、実際の彼はハーバード大学に在学中。『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』(’11)や『もうひとりのシェイクスピア』(’11)などへの出演経験があり、ドイツ映画は今回が初めて。映像は、青春映画らしいみずみずしいきらめきに満ちあふれ、政治的タブーを犯してしまった若者たちが、仲間との友情や恋を育みながら、あるときはまっすぐに主張をぶつけ合い、「人間として正しきこと」とは何かをひたむきに模索していく姿をドラマティックに映し出す。新進俳優たちのフレッシュな演技に、ぜひ注目してほしい。『僕たちは希望という名の列車に乗った』は5月17日(金)よりBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:僕たちは希望という名の列車に乗った 2019年5月17日よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開©2018 ZDF/ Logos: akzente, zero one, Studiocanal und Wunderwerk
2019年05月05日季節の変わり目。寒くなったり暑くなったり気温差の激しいドイツは特に体調管理が難しい! よく喉があやしくなり、そこからこじらせると風邪に発展していくタイプの私。ちょっとでも変だな、と思ったら試している方法があります。 1つ目は、Ricolaのハーブキャンディシリーズのアップルミント味。 ホームステイをしていたときホストマザーに、『喉で大事なのは常に潤すこと!どんな飴でもいいから舐めておくといいわよ』と言われたので、ちょっとイガイガしてきたなと思ったときは飴を舐めるようにしています。特にこのアップルミント味はスッキリ食べやすくて、風邪じゃないときも頂いちゃいます。何よりこの小箱が可愛くて持ち運びにも最適。 2つ目は、ドイツのセラピストさんに伺ってから常備しているティーツリーオイル。 風邪をひきそうなときはコップの水に数滴いれてうがいしています。Primaveraのオイルをお勧めされました。高品質な精油だそう。旅行や泊まりでのお仕事のときにも、いざというときのためにポーチに入れておいてお守り代わりにしています(笑) 3つ目はドイツ定番、ハーブティー。 私、日本にいたときはハーブティーが苦手でどちらかというと嫌いな方でしたが、ドイツにはあまりにも種類が多く、体調の症状別にも豊富にあるのでいつの間にか飲むようになり、今では当たり前の存在になりました。 Sonnentorのハーブティーシリーズはオーガニックなうえイラストもタイトルも良くて、うちにはのどのお茶をいつも置いています。 名前は“Frosch im Hals(カエルが喉に)“。喉にたんがからまり「ん ゙、ん ゙」となる状態のことをドイツ語では「喉にカエルがいる」って言うんですが、それを可愛いイラストで表してくれています。どれもお手頃価格で購入でき、普段使いできるのでありがたいです。お土産にもおすすめですよ。 季節の変わり目、皆様も体調にはくれぐれもお気を付けくださいね! Mari Kusakari◇Website◇ ◇Instagram◇
2019年04月27日皆さんは「海外生活」と聞くと、どのようなことを想像するでしょうか。カッコいい?憧れる?それとも大変そう?楽しみやワクワクのような期待感情と同時に、日本とは違う文化、習慣、生活様式に困惑・驚愕することもあります。筆者が若かった20代の頃は、海外旅行へ行くと「トイレットペーパーの向きが違う!」とか「夜はお風呂に入らないの?」とか「日曜日はお店が開いてないの!?」 などなど、その都度驚いていました。いわゆるアラサーの時にアメリカ生活を経験し、30か国以上の国へ旅行している筆者なので、「さすがにそんな感じだから、ドイツに来て驚くことなんてもう無いだろう」と思っていましたが、人間、何歳になっても何か発見と驚きがあるものですね。ドイツに来てもうすぐ2年。個人的にドイツへ来て驚いたことトップ3をご紹介します。■ 1.ドイツの枕は正方形!この「枕が正方形問題」ですが、いまだに謎が解決しておらず、「何でこの形?」と、いつも思っています。夫はもとより、他のドイツ人になぜ正方形なのかを質問しても「え?日本は形違うの?なんでか?ん~そう言われてもわからない。でも僕は正方形が好きだけどね!」と言われます。すごく奇妙です。とはいえ、海外旅行に行ってホテルに泊まったら、日本と同じ長方形です。ということは、正方形なのはドイツだけなのでしょうか?不思議なことに、ドイツで布団カバーやまくらカバーを買おうとすると、デフォルトで正方形の枕カバーがセットでついてきます。サイズは80cm×80cm が一般的。大きすぎる上、なぜが正方形なドイツの枕に現在では大分慣れてきて、この正方形を2つ折りにして長方形にしているのですが、どうも目覚めが悪く、首が痛くなります。Everything / PIXTA(ピクスタ)ちなみに、「長方形の枕は売っていないのか?」という疑問が沸くところですが、そういう訳でもなく、寝具売り場の隅っこにひっそりと置かれています。もちろん、長方形サイズの枕カバーを探すのも一苦労です。グローバル展開している北欧系の大手家具メーカーならば、もっとセレクションがあるかも?と思って行ってみても、ほぼすべて正方形で、長方形のカバーは隅に単色のみでひっそりと置かれているだけでした。ドイツの不思議のひとつです。■ 2.半端なく強力なカルキ!皆さんは、水には硬水と軟水があるのはご存じのことでしょう。そして、「ヨーロッパは、地域によって硬水のところが結構ある」ということも、ある程度ご存知かと思います。ドイツも地域差があるようですが、一般的にはほぼ全土硬水です。硬水ということは、「ミネラル分が多く、イコール健康的」ともいえるかもしれないのですが、厄介なのが「カルキ」なのです。カルキというと、次亜塩素酸カルシウム。この物質は、日本では一般的に、水道水やプールの消毒に用いられる薬品として知られています。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)ドイツの水は、成分添加されているのではなく、自然にこの成分が多く含まれており、天然水の硬度がとても高い硬水なので、シャワー、洗面ボウル、流し台など、水を使用した後の水滴がすぐに真っ白になってしまうのです。一番驚いたのは、電気ポットに水を入れて沸かしたあと、その水を放置して次に使う時に電気ポットの中の水を捨てたら、白い塊がざっくざっくと出てきたことです!初めてこの「ざっくざっく」を見た時は、思わず変な悲鳴を上げてしまったほどです。そして、実はこのカルキの対処法がそれなりにあります。バスルームの場合には、カルキ除去専用のスプレーやクリーナーが販売されているので、それで掃除すればピッカピカです!キッチン用品は、金物タワシでこするか、これまたキッチンステンレス用のカルキ対策クリーナーがあるので、それで磨けばピッカピカです!そして、「電気ポット真っ白状態」を克服するには「お酢」が効果的です。maruco / PIXTA(ピクスタ)ドイツのスーパーへいって、お酢やドレッシングのコーナーに行くと必ず「Essig Essenz(エッシッヒエッセンツ)」と呼ばれる酸度が超強力なお酢が販売されています。始めは、「これを何かに応用して食用にするのか?」と思い、安かったので買ってみたのですが、ドイツの主婦たちはこれを使ってお掃除することがわかりました。実際、お掃除用品のクリーナーにも「Essing」(お酢)の文字が書かれているのをよく見かけます。お酢の成分が配合されているということでしょう。この「Essig Essenz」を少し電気ポットに入れてお湯を沸かすだけで、真っ白だった電気ポットがピッカピカになります。薬剤など使うわけでないので、キッチンのお掃除、キッチン用具のお掃除にぴったりです。最近は日本でもクエン酸でバスルームやキッチンのお掃除をする方も増えていますので、同じ考え方です。ただ、少しお酢臭くなるので、よくすすぐか2度拭きしています。■ 3.洗濯したら白いタオルがピンク色に!ドイツに来たばかりのころは、洗濯機の表示や使い方のドイツ語がまったく分からなかったので、かなり「勘」で洗濯していました。説明書には英語表記もあったので、それを読んではいましたが、なぜかドイツの洗濯機は一度回したら、一回の洗濯時間がかなり長いのです。2時間半とか、3時間とか普通です。良く考えずに「コットンモード」や「スポーツウェアモード」に設定して洗濯していたのですが、ある時、日本と同じ感覚で、色物と白いタオルを一緒に洗った時に悲劇が起こりました。洗濯が終わって取り出してみると、白いタオルやベージュ色の私のブラウスなどがピンク色に!夫の赤いTシャツを一緒に洗って、それが色移りしたらしいのです。maruco / PIXTA(ピクスタ)とはいえ、そのTシャツは、もう何度も着ていて何度も洗濯しているものでした。「このタイミングで色落ちするのは何故だろう?」と思いました。使っていた洗濯洗剤が悪かったのかと思い、違うブランドに変えてみたりしたのですが、どうやらこの色落ち・色移りも硬水の仕業らしいのです。そこで、スーパーやドラッグストアで見つけたのが「色移り防止シート」です。このシートは、黒もの・ダークカラー用、白専用、カラーミックス等、用途別に販売されていて、洗濯する前に洗濯機の中にシートを1枚入れるだけの優れモノ。パッケージによると、このシートが色落ちした水を吸ってくれるとのことです。このシートは、最近は日本でも販売されているようで「身代わり地蔵」と呼ばれ、ネットで話題を呼んでいます。写真左から色移り防止シートのパッケージ、使用前のシート、身代わり後の色吸収したシート写真をご覧いただければ、この「身代わり具合」の凄さに感銘を受けるはずです。「ドイツ生活、それなりにハプニングがあるなあ」と思いつつも、必ずそれに対処できるものが売られているところが、さすがドイツ!と感じてしまう今日この頃です。ドイツ人が「お掃除好き」と言われる由縁も理解できます。きっと「お掃除好き」なのではなくて「やらなければいけないもの」「ほうっておくと大変なことになるから毎日しましょう」的な感覚なのだと住んでいて感じます。ちなみに、ドイツの洗濯機はこのカルキが故障などの原因となるため、カルキ対策モードが内臓されています。ドイツで生活している筆者が驚いた事の多くには、それなりに対処法があり、日本の住まいにも活用できるアイディアがあると思います。ぜひ、お酢やクエン酸を使ったお掃除法、色移り防止シートなどを実際の生活で試してみていただければと思います。
2019年04月15日4月に入り、新たな職場で新生活をスタートさせたという人も多いのでは?そんななか、ご紹介するオススメの映画は、夜間のスーパーマーケットで働き始めたばかりの青年が主人公の話題作『希望の灯り』です。そこで、主演を務めたこちらの方にお話を聞いてきました。それは……。写真・黒川ひろみ(フランツ・ロゴフスキ)俳優、ダンサーとして活躍中フランツ・ロゴフスキさん!【映画、ときどき私】 vol. 2222018年のベルリン国際映画祭では「シューティングスター賞」、そして本作で第68回ドイツアカデミー賞主演男優賞を受賞したフランツさん。いまドイツ映画界でもっとも注目されている俳優のひとりと言われており、日本でも今年は主演作が2本公開となっています。そこで今回は、撮影秘話から自身の恋愛観まで語っていただきました。―本作はドイツの歴史的な背景を描きつつ、ラブストーリーとしても人間ドラマしても楽しめる作品ですが、出演を決めた理由から教えてください。フランツさんそれは、原作者でもあるクレメンス・マイヤーとトーマス・ステューバー監督の2人による脚本に惹かれたから。というのも、これまでに野望的すぎたり、空虚的すぎたりする脚本を数多く読んできたけど、今回はとてもシンプルな言葉で人間の奥深い感情を描いていると感じたんだ。つまりそれは、父と子や愛、そしてドイツの歴史といったどのテーマもシンプルに表現しているということ。だからこそ、それぞれの細部が見えてくるんだけれど、そういうところが素晴らしいなと感じて、ぜひこの作品に出演したいと思ったんだ。―決してセリフの多い役ではないですが、フランツさんの佇まいから多くのものを感じることができました。役作りのためにどのような準備をしましたか?フランツさん普段は山登りやヨガが好きで体を動かしているのだけど、役作りのために体を鍛える必要があったから、撮影の前から、日頃はあまり行かないジムに通うようにしていたんだ。腕や首の後ろにタトゥーをしている青年という設定もあって、今回は首がすごく太い人やタトゥーが入っているような人がたくさんいるようなジムに行ったよ(笑)。あと、タバコを吸うシーンが多かったから、つねにタバコを吸うようにもしていたかな。普段はまったく吸わないんだけど、撮影中に吸っていた本数は1日40本!もちろん、いまはもう吸っていないけどね。―クリスティアンの話すときの間も独特に感じましたが、どのようなことを意識されていましたか?フランツさんまずはセリフを覚えて、そのストーリーについて多く語るようにしたよ。そのうえで、リハーサルを重ねてセリフを調整したり、監督と話し合ったりしながら撮影前までに人物像を作り上げていくようにしたんだ。フィクションだけどドキュメンタリーのようだった―物語の大半はスーパーマーケットが舞台ということで、撮影中に印象に残っていることはありますか?フランツさん今回はあまり予算がなくて、スーパーを新しく作ることができなかったから、本物のスーパーを閉店後に借りて、開店するまでの間で撮影していだんだ。夜通し寝ずに日光も浴びずに撮影していたから、実際に深夜働いている人と同じような環境。だから、作品はフィクションだけれど、どこかドキュメンタリーのようなところもあったんじゃないかな。―フォークリフトの運転も実際にご自身でされているそうですが、いかがでしたか?フランツさん撮影の前にフォークリフトの免許を取ったんだけど、車とはメカニズムが違って左に行きたいときに右に行ってしまったりするから、それに慣れないといけないのは大変だったよ。でも、スーパーの店長がすごくいい人で、「店内で好きに練習していいよ」と言ってくれたんだけど、初めて乗ったときに思いっきり棚に突っ込んでしまって……。高さ10メートル、長さ20メートルの棚が大きく揺れて、危うく倒れてきそうになったこともあったけどね。―クリスティアンが年上の女性に恋してしまう場面では、不器用だけど一生懸命女性を喜ばせようとする感じがステキだなと思いました。ご自分と似ているところもありましたか?フランツさん役を演じるときは、自分と似ているところをつねに探すようにしているよ。僕自身は、女性に積極的にアプローチするときもあれば、急にシャイになってしまうときもあるので、両方の側面を持っていると言えるかな。だから、クリスティアンの不器用でぎこちない感じというのもすごく理解できるよ。実は、僕は気に入った女性と出会ったとき、頭の中でいろいろと考えすぎて想像を膨らませてしまうと、ものすごくシャイになって動けなくなってしまうんだ。だから、好きになった人がいたら即行動に移すようにしているよ。そうしないと、結局ひとりで家にいることになってしまうからね(笑)。人の愛し方を学ぶ姿が描かれている―そういった共通点を感じながら演じていらっしゃったんですね。フランツさんただ、演じるうえで意識していたのは、彼を理解してから自分との間にスペースを設けること。そして、そこからクリスティアンという人物を成長させていくことが必要だったんだ。ちなみに、僕もクリスティアンのようにプレゼントを贈ったりするのが好きだから、劇中で彼が彼女にケーキをあげるシーンはとても印象に残っているよ。―そこは女性にとっても、思わずキュンとしてしまうシーンのひとつだと思います。フランツさんこの作品は青春を描いているとも思うんだけど、いままで愛を知らなかったクリスティアンが、初めて愛を知り、そこから彼自身が成長していくんだ。これは赤ちゃんが歩き方を学ぶようなものであって、彼も初めて人の愛し方を学んだんじゃないかな。―フランツさんもクリスティアンのように一目惚れした経験や恋愛で頭がいっぱいになって仕事がおろそかになったことはありますか?フランツさんもちろんあるよ(笑)。ただ、愛にはレシピがないから、準備しておくことができないんだよね。突然やってくるもので、それがいつかはわからないから、僕もどう備えていいかはわからないんだ。僕は自分の心のなかに“花”をたくさん咲かせていて、好きな女性と出会ったときにそれをあげたいと思うんだけど、いざというときに「花はどこにいったんだろう?」と見失ってしまう。準備をしているつもりでも、素敵な人と出会うとなかなか行動に移せないんだよね。本当に不思議だなと思うよ。日本では驚くことがたくさんある―まさにその通りだと私も思います……。では、日本についてもお伺いしたいのですが、今回初めて来日されて驚いたことはありますか?フランツさん驚くことばかりだよ!ドイツもそれなりにきれいだけど、日本はすごく美意識が高いし、整理整頓されているのがすごいよね。たとえば、ドイツなら地下鉄で5人降りて、5人乗るだけで混乱が起きるけど、日本では100人降りて100人乗っても問題なくスムーズに動けているくらいだから(笑)。あと、今回うれしかったのは、大好きな浮世絵を買うことができたこと、それからクライミングジムで友達ができたことかな。それから、ベルリンにもお寿司屋さんはたくさんあるけれど、「あれはお寿司ではない」と気がつくことができたよ!日本で食べたお寿司は、涙が出るほどのおいしさだよね。このあともステューバー監督とお寿司を食べに行くんだけど、きっと2人して泣くことになると思うよ(笑)。―それでは最後に、ananweb読者に向けてひと言お願いします!フランツさん今回日本に来ることができて本当にうれしく思っているんだ。だから、日本のみなさんにもこの映画を観て欲しいし、気に入ってくれることを願っているよ。そして、また来年戻ってくる予定なので、そのときはぜひみんなでお寿司を食べに行きましょう(笑)!インタビューを終えてみて……。映画ではミステリアスな印象が強いですが、実際は冗談が好きでとても気さくなフランツさん。ダンサーでもあるだけに、鍛え上げられたスラリとした佇まいが素敵でした。意外にも、「子連れ狼」シリーズがお気に入りというほどの日本好きでもあるようなので、また次回の来日もお待ちしたいと思います。かけがえのない喜びで世界は溢れている!小さな幸せや人との繋がりで感じられる温もりが、心の中を優しく照らしてくれる本作。人生ではときに絶望に陥ることがあっても、その先にはきっと希望の光があるのだと感じさせてくれるはずです。ストーリー旧東ドイツにあるスーパーマーケットで、在庫管理担当として働き始めた内気なクリスティアン。そこでは、父親のような存在のブルーノから仕事のいろはやフォークリフトの操縦を教えてもらっていた。そんなある日、クリスティアンはお菓子担当として働く年上のワケあり女性マリオンと出会い、謎めいた魅力に一瞬で惹かれてしまう。いつしか、2人は親密になっていくのだった……。温かさを感じる予告編はこちら!作品情報『希望の灯り』4月5日(金)より、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開配給:彩プロ© 2018 Sommerhaus Filmproduktion GmbH
2019年04月03日ドイツの大きなイベントの一つ、カーニバル。私の住んでいる地域周辺だとデュッセルドルフ・ケルン・マインツが代表的なカーニバルタウン。毎年11月11日の11時11分にカーニバル期間がスタートします。 デュッセルドルフの場合はこの日にホッペンディッツというマスコットのお目覚めからスタート。それから数か月経ったあと、大体毎年2・3月に集大成を迎えます。そのカーニバル期間最後の木〜火曜日の6日間はお祭り。仮装して飲んで大騒ぎ! 特にRosenmontag/薔薇の月曜日には大フィナーレとしてパレードが街を闊歩します。そのパレードが偶然、私の家の真下で準備・出発までの待機をするということだったので、せっかくなので今年は友達を呼んでみんなでわいわい上から眺めることにしました! なぜか例年いつもカーニバルの時期に空模様が悪くなるんですが、今年も残念ながらまさにでした…。嵐が迫ってる予報です。 前日の夜に決行か中止か判断しますというニュースが町中を駆け巡り、どうなるのかそわそわしていた日曜日。夜に入った情報は、2時間程遅らせてスタートしますとのこと! 月曜日の朝、身支度やら片付けやらしながらぱっと窓から下を見ると、もうちらほら車が並んでいました。 2時間遅らせてくれたことで私ものんびり来客準備。 こちらは大晦日の過ごし方のお話をした時にも登場したベルリーナー。カーニバルの必需品でもあります。 なぜこの時期にベルリーナーを食べるのかというと、「薔薇の月曜日が終わった2日後の水曜日からイースターまでの40日間絶食期間に入る」という伝統があり、肉・卵・乳製品・お酒がNGになるので、その前にこれらのものを食べ納めすることで始まった習慣だそうです。 そこまでちゃんとカーニバルを祝わないという人でもこの絶食期間にお酒を断ったり、チョコレートを断ったり、オリジナルの断食をする人も多いです。 さて、だんだん下も準備が整ってきました! 途中雨風が強まってきて心配でしたが、カーニバル団体の皆様はなんてことない様子で、さすが…。パレードの上で飲んで談笑して楽しそう! なんだかんだで雨はやみ、出発する頃にはお日様も見えるようになってきました。私がこの日のために窓に書いたペイントもきらり☆Helau!(ヘラウ!)はデュッセルドルフのカーニバルの掛け声です。 寒いですが我が家も窓を全開にして街中に繰り出すパレードたちをお見送り。この時もうすでに音楽はガンガン&パレードMCの盛り上げトークでかなりノリノリ!熱気が上がっています。 次々と出発していくパレードたち。 (右に停まっているのは出発待ち中の車、左側はパレードがどんどん前進していっています)ちなみにこのパレードの中には主にお菓子が大量に用意されていて、街中でみんなに配られます。(配るというか撒くという表現が近いかもしれませんが…。)お菓子目当てに下で待っている人たちは降ってくるお菓子を次々にキャッチ! 酔っぱらっている人も多いしみんなかなり本気なので場所によってはだいぶ強気にいかないともらえない厳しい戦いとなります...。 私は家で上からの参戦だったのでもちろんお菓子はもらえませんでしたが、ちょうどお菓子を投げ込みやすい階に住んでいる人たちは色々投げ込んでもらっていました。本当に寒かったので、私は途中暖かい場所に逃げたり休み休み。こんなのができるのも家の中ならではですね。みんなが小腹が空いたときに食べられるようにドイツ風レンズ豆のスープを作っておいたのですがこれが大正解!冷え切った体にしみる〜。 時間はすぐに過ぎてしまい、3時間程経ってあっという間にパレードがはけ、にぎやかな音楽もなくなりがらんとした道。そこに出現したのは…何台ものオレンジ色の車。そう、清掃車です。手際よく作業して何事もなかったかのように元に戻っていく道…。 切り替えが早い。ドイツらしくて笑ってしまいました。パレードを見送った後はみんなでぬくぬくテレビを見たり映画を見たり、食べて飲んで夜までまったり。これはまた来年もうちでパーティーすることになりそうです。 Mari Kusakari◇Website◇ ◇Instagram◇
2019年03月20日