北海道・江別、大阪・梅田、福岡・六本松の蔦屋書店でイベント開催アップルシード・エージェンシー契約作家で非認知能力育成のパイオニア、ボーク重子さんの初の大人向け「非認知能力」コーチング本『人生・キャリアのモヤモヤから自由になれる大人の「非認知能力」を鍛える25の質問』が発売後5日で重版と好評です。ボーク重子さんは予約が半年待ちの人気ライフコーチとして日米で活躍。この度、在住するワシントンから来日して、北海道・大阪・福岡の蔦屋書店でトークイベントを開催することになりました。本書は、政府がリスキリングを推進する変化の激しい現代社会で、これからどんなスキルを身につければいいのか、ロールモデルも見つけづらく、キャリア迷子になっているモヤモヤした悩みを抱える人に向けて、エールと確かな解決策を提示する内容。ボーク重子さんがこれまで修得した本場アメリカのコーチングメソッド、非認知能力育成スキル、科学的リサーチとデータ、論理的なビジネスツール等に加え、日本の文化的・慣習的背景を考慮して考案したスキルを収録。各章「気づき→肯定→決断→行動」の4ステップを読み進めると必ず1つの武が身につく構成となっています。資格や知能テストなどのように数値化できないといわれる「非認知能力」は近年就職試験や人事評価などに取り入れる企業も出てくるなどビジネスの現場でも重要視されています。一方、幼児教育ではその重要性は周知の事実となり、私立学校などではすでにカリキュラムに取り入れられています。いまや大学生の5割が「総合型選抜」や「推薦」で入学する時代。読み書き、IQや資格など数値や基準によって測ることができない「非認知能力」は今後さらに重要視されると思われます。これからの時代、誰かの指示待ちや敷かれたレールの上を器用に歩く力ではなく、何があるかわからないけれど、「何が起こっても大丈夫な自分」をつくる力が大切だとボーク重子さんは言います。子育て中の方も、これから子育てをする方も聞いておきたい「非認知能力」の武器の身につけ方をボーク重子さんがお話します。SNSでも「見るだけで元気が出る」と人気のボーク重子さんのパワフルトークが聞けるイベントとなっています。【北海道・江別 蔦屋書店 イベント開催概要】■日時:2023年5月10日(水)14:00~15:00■参加費用(税込価格)①会場参加:1,100円②会場参加+サイン本:2,860円■お申込み: 【福岡・六本松 蔦屋書店イベント開催概要】■開催日時:2023年5月14日(日)11時~12時■参加費用(税込価格)①会場参加:1,650円②会場参加+サイン本:3,410円③オンライン視聴:1,100円④オンライン視聴+サイン本+送料700円:3,560円■お申込み: 【大阪・梅田 蔦屋書店 イベント開催概要】■日時:2023年5月22日(月)11時~12時■参加費用(税込価格)①会場参加:2,200円②会場参加+サイン本:3,960円■お申込み: 【ボーク重子さんプロフィール】BYBSコーチング代表、 ICF会員ライフコーチ福島県生まれ。30歳目前に単独渡英し、美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学、現代美術史の修士号を取得する。1998年に渡米、結婚し娘を出産する。非認知能力育児に出会い、研究・調査・実践を重ね、自身の育児に活用。娘・スカイが18歳のときに「全米最優秀女子高生」に選ばれる。子育てと同時に自身のライフワークであるアート業界のキャリアも構築、2004年にはアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年、アートを通じての社会貢献を評価され「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。現在は、「非認知能力育成のパイオニア」として知られ、140名のBYBS非認知能力育児コーチを抱えるコーチング会社の代表を務め、全米・日本各地で子育てや自分育てに関するコーチングを展開中。著書は『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)など多数。2023年、全国にある「学研教室」のフランチャイズオーナー向けに「非認知能力」プログラムを制作・監修。【書籍『人生・キャリアのモヤモヤから自由になれる大人の「非認知能力」を鍛える25の質問』について】非認知能力とは、自己肯定感、自分軸、成功体質、主体性、オープンマインド、共感力などからなる、目には見えない「生きる力」「人間力」とも呼べるもの。ボークさんが「大人の非認知能力」について書いた初めての書籍。質問を読者に投げかけて考えさせるという紙上「コーチング」の手法をとり、ボークさんによる励ましの声も豊富で、読むだけでポジティブになれる本。・発売日:2023/2/17・出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン・価格:1,760円(税込)人生・キャリアのモヤモヤから自由になれる 大人の「非認知能力」を鍛える25の質問 | ボーク 重子 |本 | 通販 | Amazon : Shigeko Bork (@shigekobork) • Instagram photos and videos : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年04月22日「早く起きなさい」「宿題しなさい」「いいかげんゲームをやめなさい」などなど。つい口をついて出る「しなさい」の言葉。しかし本音を言えば親だって、言いたくて言っているわけではありませんよね。そんな親のお悩みに目からウロコのアドバイスを与えてくれるのが、ボーク重子さんの 『しなさいと言わない子育て』 (サンマーク出版)です。世界中の親たちから信頼を集める非認知能力育児のパイオニア、ボーク重子さんが提案するのは、子どもたちが大人になってからも人生に不可欠な能力を育んでくれる子育て術。変化の激しい社会を生き抜く子どもたちを育てるヒント満載の子育てバイブルとも言える一冊です。ボーク重子(ぼーくしげこ)さんShigeko Bork BYBS Coaching LLC代表、作家、ICF会員。米・ワシントンDC在住。2004年、アジア現代アートギャラリーをオープン、2006年、ワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)と共に「ワシントンの美しい25人」のひとりとして紹介される。2017年、一人娘であるスカイが「全米最優秀女子高生コンクール」で優勝、多くのメディアに取り上げられた。現在は、日米で講演・執筆活動中Instagram: @shigekobork Youtube: ボーク重子 Official Channel ■「しなさい」のひと言が子どもの大切なものを奪っている…!?「しなさい」と言われるから「しない」子が育つ、そう明言するボーク重子さん。本書でも、そもそも「しなさい」と言うことは、子どものやる気を失わせ、反発を招く行為であると説明します。では、「しなさいと言わない子育て」とは一体どんなものなのでしょうか?それは子どもに対して、「これはどう?」「やってみようか」という提案型の声かけを行うこと。例えば帰宅後、いつもランドセルを片付けないわが子に「片付けてみよっか」と声かけを変えてみたら…? 「しなさい」ではなく、「やってみようか」と意思決定権や選択肢を与える声かけをすることは、「自分のやりたいことを自分で決めてやる楽しさ」「やれる自信」「自分自身をありのまま受け入れる肯定感」を感じながら成長できるのだそう。つまりは「しなさい」と言わない子育ては、単に親がラクできるというのではなく、子ども自身の主体性や自己肯定感、粘り強さ、忍耐力、回復力ーーいわゆる「非認知能力」を育むことにもつながるのです。そんな子どもたちの「非認知能力」を開花させるのに親ができることが、「環境づくり」。本書では、非認知能力のパイオニアとも言われるボーク重子さんによる子育ての大原則である、以下4つの環境づくりを解説します。【非認知能力を開花させる4つの環境づくり】・親が「しなさい」と言わない環境 →自己肯定感を育む・プログラムしすぎない環境 →主体性を高める・親がやりすぎない環境 →自分でできる子を育む・我慢せずとも自制心が育つ環境 →自分で自分を管理できる能力を育むでは「しなさい!」だらけの子育てからどのように脱却すればよいのでしょうか?よくありがちな困ったお悩みに沿って、そのヒントを一部ご紹介します。■親がわが子を「できない子」にしている…!? 「自分でできる子」を育てるポイント思うようにできないわが子に対して、つい手を出しすぎてしまう経験はありませんか? しかし、親が先回りして完璧な対応をすることは、「子どもから学びと成長を奪うこと」になると本書は警告します。しかも子どもが「できない」のは、年齢や能力の面であきらかにできない以外は、以下の4つのうちのどれかだといいます。【子どもができない理由4つ】・これまでやったことがない・やり方を知らない・教えてもらってない・慣れていない要するに子どもの「できない」は、「やればできるようになる」ということ。やっていくうちに上達して、どんどんできるようになるのです。しかし、親がやりすぎることで、子どもはいつまでたってもできるようにはなりません。上記のように子どもは「できない」のではなく、「これまでやったことがない」「やり方を知らない」のであれば、やり方を学び、やり方に慣れればいいだけと本書は伝えます。ではどうやって…?その鍵となるのが、目標達成のために計画を立て、実行して達成するという「実行機能」という力。つまりは計画性や実行力とも言い表せます。さらに「実行能力」は、普段のお手伝いやお誕生日会のイベントなどの機会を使って、高めることができるといいます。しかし実行機能を伸ばすためには、大人がまず枠組みを作ってあげることが重要。はじめての作業に取り組むときは、まず「作業の細分化」を行うことがポイントです!【細分化の順序】目標を設定します。「いつまでに、〇〇をやる」どのような作業が必要か、書き出しますどの作業で必要な情報は何かを書き出します次にいつやるか、いつまでにやるかを書き出しますやったらチェックしますさらにポイントは、親がやり方を教えるのではなく、親も「一緒にやる」こと。週末のお出かけの計画など、親子で一緒に目標設定〜計画〜実行までを行うことで、徐々に子どもたちもコツをつかみ、「私はできる」という自信が子どもの主体性につながります。これまではつい親が口出ししていた学校の準備など、子どもが自分でできないと困るタスクは、やり方を見せ、親から子どもへとタスク移行を行いましょう。たとえば、「ボタンをとめる」という小さなタスクに関しても、こんな風に…!はじめは不慣れなわが子を前にヤキモキするかもしれません。しかしぐっとこらえ「見守る」ことが、「自分でできる子」に育てる一歩になるというのです。 ■「いつまでゲームしてるの?」と言わなくていい“しつけ”って?ゲームや動画を楽しむ機会が多い現代の子どもたち。放っておいたら何時間も没頭してしまうケースも多く、親としてはつい声を荒げてしまうこともあるのではないでしょうか。とはいえ、「ダメ」と言っても、子どもは簡単にはやめてくれないからこそ悩みのタネに…。では一体どうしたらよいのでしょうか?まず始めに取り組みたいのが、「ルールを子どもと一緒に決めること」。親が勝手にルールを決めてしまえば、「叱られないために守る」ものとなってしまい、「叱られないためにどうするか」ばかりに考えが向くようになります。そうではなく、自分でルールを決定し、そのルールを守ることで子どもたちは日々自信と達成感を味わえるというのです。それでもゲームがやめられない場合に本書が提案するのが「インターバルトレーニング」です。インターバルトレーニングとは、「短い時間で異なるタスクを交互に行う、集中力と自制心を高めるとトレーニング」のこと。小学生低学年なら、15分ゲームをやったら、次は宿題を15分、そしてまたゲームを15分…というように交互に繰り返しながら15分を過ごします。これを繰り返すことで、先を見越す力が自然とつき、「今はゲームができなくても、15分間宿題をしたらゲームができる」=「これをやったあとにはいいことが待っている」と自然に思えるようになるといいます。さらにもう一点、本書が提案しているのが、「自制心は我慢ではなく、先を見越す力」という考え方。自制心は「我慢」ではなく「楽しんで」身につけることがポイントです。しつけは「やらされる」ものから、「自己管理」へ。そのためにも、子どもたちが納得したうえで、自分たちでルールを作ることが大切なのです。そのほか本書では、つい親が曖昧に濫用しがちな「ちょっと待ってて」の上手な使い方や、子どもの「これ買って」攻撃への対応策など、親が日々直面する課題に対する回答が切り口鋭く解説されています。最近ガミガミ言い過ぎかな…とお悩みの方も、普段の育児に取り入れるだけで子どもとの時間が変わる“魔法のスパイス”のような本書をぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。 \ Amazonで買う /『しなさいと言わない子育て』 『しなさいと言わない子育て』ボーク重子著(サンマーク出版)1,400円(税抜) 日常にあふれる「しなさい」という言葉。これを言わずにすむならば、どんなに気持ちが穏やかでしょう。でも、それをかなえる子育て法があります。「しなさいと言わない」ことから始まる、新しい親子関係を試してみませんか?
2022年07月15日発売記念緊急来日!日本全国35か所で講演活動を実施。新刊記念トークイベントオンライン参加者募集中◆今すぐ実践できる!子どもが変わる小さなしかけ・ヒントをマンガで紹介非認知能力育児のパイオニアであり、欧米の最先端育児を知り尽くすライフコーチ、ボーク重子さんの最新刊『しなさいと言わない子育て』が6月15日にサンマーク出版より刊行されます。子育てをしているとつい「しなさい」「○×やったの?」「早くして!」と上から強く言ってしまいがち。日常にあふれる「しなさい」という言葉を言わずに、子どもが自ら進んで行動し、自分を管理できたら-そう思う親御さんは多いと思います。「しなさい」という言葉は、子どもから能力を「奪う」言葉だと著者は指摘しています。子どもに備わってほしい「自分を大切だと思う自己肯定感」「自分はできると思う自己効力感」「自分を管理できる自制心」といった能力は、数値化できない「非認知能力」と呼ばれるもの。著者のボーク重子さんは、非認知能力を調査・研究し、育児に実践し続けるパイオニアにして、ライフコーチとして母親たちの悩みや迷いに寄り添い、これまで1万人近くの人に講演やワークショップで接してきました。本書は、ボーク重子さんが勧める子育て法の「基本」が「もっとも簡単にわかる入門書」にして初のマンガ版です。親の「マインドチェンジ」と「ちょっとしたしかけ」で、子どもが変わる魔法のような方法が収められています。【目次より】「しなさい」と言わない子育ては究極の自己肯定感をはぐくみます■1日30分の「空想タイム」ルーティンで子どもに余白を与えよう■習いごとは2つまで「今日何しよう」は好奇心の扉■習いごとのキモは「小さく始めること」「やめ方のルールを決めておくこと」■意見を持つ子どもを育てるために親にできること■「子ども部屋を片付けなさい! 」は無駄なしつけ?■時間制限と門限を「子どもと一緒に」決めていますか?■ゲームがやめられない子どもに最適な「インターバルトレーニング」■「受験」でも非認知能力を伸ばす大事なポイント【書籍概要】■発売日:2022/06/15■出版社:サンマーク出版■サイズ:320ページ■ISBN:978-4-7631-3990-0◆非認知能力とは「認知能力」とは正反対の力を指します。「認知能力」とはテストの点数や知能指数(IQ)、偏差値など、数値化できたり、目に見えたりする基準や知識のことですが、非認知能力とは、その逆、数値化も可視化もできない「目に見えない力」を指します。自己肯定感、自信、自制心、主体性、好奇心、創造性、想像力、柔軟性、やり抜く力、回復力、共感力、協働力、社会性などの総称です。(本書より)2000年にノーベル経済学習を受賞したジェームズ・ヘックマンの研究で「人生の幸せと成功に大きく寄与する」と証明された能力とされています。◆6月24日(金)代官山蔦屋書店でボーク重子さん・娘のスカイさんとトークイベント実施オンラインチケット発売中!『しなさいと言わない子育て』(サンマーク出版)の出版を記念して、ワシントン在住の著者・ボーク重子さんと、娘・スカイさんのトークイベントを実施。お二人でのイベントは4年ぶりです。18歳のときに「全米最優秀女子高生」となり一躍脚光を浴び、大学卒業後、現在はニューヨークで社会人1年目の生活を送るスカイさん、ボークさんが「しなさいと言わない子育て」を振り返りながら、親子で幸せになる子育てのコツを伝授します。【オンライン参加チケット概要】・イベント [オンライン参加] 券(1,650円/税込)・サイン入り書籍『しなさいと言わない子育て』(サンマーク出版・1,540円/税込)+イベント [オンライン参加] 券(1,100円/税込)+送料(500円/税込) セット 3,140円(税込)◆新刊記念緊急来日!日本全国35か所で非認知能力育成を目的とするコーチング・ワークショップ全国ツアーボーク重子さんのもとで非認知能力を学び、しっかりした自己肯定感で、自分軸で目標を作り、達成し、自分らしい人生を切り開いていく子どもを育てるために子育てコーチングを行う「BYBS非認知能力育児コーチ」は日本全国に約100人います。全国各地のコーチがボークさんのメソッドを元に日々、生徒さんと共に非認知能力について学んでいます。今回の来日では、ボーク重子さんがBYBS非認知能力育児コーチとその生徒さんのもとを訪ね、非認知能力育児に関する勉強会・意見交換会を日本全国北海道から沖縄まで35か所で行い、集まった方の育児、仕事、夫婦関係、人間関係などの悩みに答えます。【全国ツアー行程】5月13日(金)岩手県水沢江刺、宮城県名取市5月18日(水)東京・六本木5月21日(土)奈良県明日香村、兵庫県神戸市5月29日(日)長野県松本市6月2日(火)北海道札幌市6月4日(土)高知県高知市6月5日(日)徳島県徳島市6月11日(土)東京・用賀、品川、神奈川県・金沢文庫6月12日(日)茨城県日立市6月17日(金)埼玉県和光市6月18日(土)愛知県豊田市6月19日(日)大阪府八尾市6月20日(月)岐阜県岐阜市6月20日(月)福島県川俣町6月24日(金)東京・代官山6月24日(金)佐賀県佐賀市6月25日(土)福岡県福岡市6月26日(日)沖縄県那覇市6月28日(火)千葉県幕張市6月29日(水)新潟県新潟市【著者・ボーク重子さんプロフィール】Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。ICF(国際コーチング連盟)会員ライフコーチ。アートコンサルタント。福島県生まれ。30歳目前に単独渡英し、美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学、現代美術史の修士号を取得する。フランス語習得のための留学中、のちに夫となるアメリカ人と出会い1998年に渡米、結婚し娘を出産する。「どんなときも自分らしく強くしなやかに生きていく力を」という願いのもと、ワシントンDCで育児をスタート。非認知能力育児に出会い、研究・調査・実践を重ね、自身の育児に活用。娘・スカイが18歳のときに「全米最優秀女子高生The Distinguished Young Women of America」に選ばれる。子育てと同時に自身のライフワークであるアート業界のキャリアも構築、2004年にはアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年アートを通じての社会貢献を評価され「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。現在は、ライフコーチとして、全米・日本各地で子育てやママに向けたコーチングを展開中。Bork Shigeko - TOP : 【イベント&オンライン配信(Zoom)】「しなさいと言わない子育てでハッピーに」ボーク重子&スカイ緊急帰国トークイベント | 代官山 T-SITE : しなさいと言わない子育て 著者:ボーク重子 : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年06月15日「子どもにはやりたいことを見つけてほしい!」と考えているママ自身が、なかなかやりたいことが見つけられなかったり、時間がなくて諦めたり……ということは珍しくないですよね。「誰かのために」「社会のために」という、外向きのエネルギーに子どもを向けるために、親が意識して声がけするといいと話すボーク重子さん。そんなボークさんに、ママの生き方についてお話を伺います。 『子どもの「やりたいこと」の見つけ方」』 の続きです。■ママが打ち込む姿が子どもの非認知能力を伸ばす――子どもには本当にやりたいことを見つけてほしい。そう考えるママ自身、なかなか自分のやりたいことができずにいることも多いです。そうした現状をどう見ておられますか?ボーク重子さん(以下、ボークさん):子どもの非認知能力を育む秘密兵器は、「ママがやりたいことを見つけて、取り組むこと」なんですね。「何かやりたいことを見つけなさい」と言うよりも、身近にいる大人がどう生きているかを見せることが、子どもたちにとって一番のロールモデルになります。私は、母親が「子どものお世話をする人」から、「子どもを導く存在」に変わっていくべきだと考えています。ママ自身が、子育てをしながらでも、自分のやりたいことを諦めずに両立させている、その姿こそが子どもたちにとって最高のお手本となるからです。――子どもに見せるのは、具体的にどのような姿がいいのでしょうか。ボークさん:かっこいい姿だけじゃなくて、失敗をたくさん見せてあげてください。ママは失敗もするけどその度に立ち上がっている、失敗なんてどうってことないと気づかせてあげることができます。私は、子どものお手本になるのは、かっこいい正しい人のことではなくて、自分自身の成長過程を見せられる人だと考えています。そのためにも、ママがやりたいことを見つけて、取り組んでいる姿というのは、子どもにとても大きな影響を与えると思います。■母親としての「罪悪感」との付き合い方――ただ、子育てに家事に仕事にと、ママたちのやることは多くて、自分の時間が持つことに対して罪悪感を抱く人も少なくないと思います。ボークさん:どうしても「完璧な母親」のイメージにとらわれて、家事も育児も、そしてさらに仕事まで「完璧にやらなくては」と、自分を追い込んでしまうお母さんは多いですよね。でも、子どもは「ダメなママでこめんね」と悲しげなママより、「ママは今日もがんばったよ!」と話す笑顔のママといる方が幸せなはずです。ママ自身が自分の人生を広く探し求めることが、子どもを導くロールモデルとして、おおいに役出つということを踏まえると、罪悪感を持つ必要はまったくありません!――忙しい日々の中でどうやって自分の時間を作ればいいのでしょうか。ボークさん:家事が完璧にできていることってどれだけ重要なのでしょう。たとえば誰かが靴下を丸めたまま洗濯カゴに出していたら、そのまま洗ってそのまま干せばいい。自分が重要だと思わないのなら別にしなくてもいいんです。「ToDoリスト」ではなく「いたしませんリスト」を作って、やらなくていいことは徹底的にやらない。そうすると、自分の心に余裕ができます。あとは、「ママは行方不明」の時間を作るのもオススメです。たった15分でもいいので、「これからママは行方不明なので、自分のことは自分でやってください」と家族に言うんです。最初は文句を言われるかもしれないけれど、続けるうちにきっと慣れてきますから。 ■何をしたいか忘れてしまったママたちへ――「何をしたいのか」。あらためて問われると難しく感じるのですが、どのような観点で見つけていけばいいのでしょうか。ボークさん:私は、“楽しいパッション(情熱を持てること)”とは、結局は自分と社会とのつながりだと思うんです。自己満足で終わる内容も、悪くはないですが、家族がいるのに「一人でホールケーキを全部食べちゃう」ようなものですよね。家族や友だちと分けたら、自分の取り分は減るけれど、幸せは何倍にもなります。自分のやりたいことで、だれか1人でもいいので、役に立つとか、幸せにできていると思えたときに、自分自身の幸福度も高まると思います。人生100年という長い時間を、楽しく過ごすためには重要な考え方だと思います。――なかには、「子育てこそが私のやりたいことだ」というママもいると思いますが、それではダメなのでしょうか?ボークさん:もちろん、「子育てが私のパッションだ」というのは、素晴らしいことですし、それも大いにありです。ただ、子どもは高校を卒業すると、ほとんどの場合、巣立っていってしまうんですね。だからこそ家庭の中という内向きの視点に自分と社会の接点というもう一つの視点を取り入れることが大切だと思います。私自身50代で、ちょうど周りも子どもが巣立ち始めたのですが、「自分の人生これからだ! 」という人と、「何をすればいいのか…」という人との二つのグループに分かれてしまっている。何が二つを分けたかと考えてみると、「自分の人生を止めたか、止めていないか」なんです。専業主婦をしていても、意識を変えることで社会とのつながりを保つことができるでしょう。たとえば、自分の好きなパンを作って、それをご近所さんに配ること、それも社会とのつながりなんですよね。――母親という役割だけではなく、「自分自身がどんな人間か」という視点が大切なんですね。ボークさん:そうですね、「子どもを育てている」だけでは、その人がどんな人間かはわかりません。何に関心を持ち、どんなことを考えているのか。やりたいことは何か、楽しいと思うことは何か、そうしたことを聞いて、初めてその人に対する興味がわいてきますよね。母親としての役割には、責任が非常に重くのしかかってきますが、大切なのは、自分はどんな風に生きたいのか、何のために生きるのか、ということを忘れないことかもしれません。■十分に頑張っている自分をほめてあげる――今、がんばっているママたちにメッセージをいただけますか。ボークさん:今の時代は本当に過渡期で、女性の生き方も多様化しているし、教育改革も動いています。そんななか、ママたちは仕事もして家事もして子育てもして、大変なことも悩みも多いことと思います。そうした時代であったとしても、心に余裕を持って生きることはとても大切です。そのためにも、自分ができなかったことではなく、できたことを思い出して、毎日自分をほめてあげてほしい。そして、自分を見つめる時間もぜひ作ってほしいと思います。その子の子育てはたった1回しかないし、自分の人生もたった1回しかないからこそ、心の何処かに余裕を持って楽しんで欲しいなと思います。――ありがとうございました。ここまで、ボーク重子さんにママの生き方についてお話を聞きました。子どもに対して親自身が、何か打ち込めるものを見つけて取り組む姿を見せることに大きな意味がある、それを思うとママ自身もがんばる力がわいてきそうですよね。ママのタスクは多く、その中で自分のやりたいことが何か見つけて、実践するのは簡単ではありませんが、自分自身の人生についても、ぜひ考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。■今回お話を伺ったボーク重子さんのご著書 『「パッション」の見つけ方: 「人生100年ずっと幸せ」の最強ルール』 (ボーク重子/小学館 ¥1,400(税抜))ボーク重子(ぼーく しげこ)さん作家、ICF会員。米・ワシントンDC在住。2004年、アジア現代アートギャラリーをオープン、2006年、ワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)と共に「ワシントンの美しい25人」のひとりとして紹介される。2017年、一人娘であるスカイが「全米最優秀女子高生コンクール」で優勝、多くのメディアに取り上げられた。現在は、日米で講演・執筆活動中。著書に『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)のほか、近著に『「パッション」の見つけ方: 「人生100年ずっと幸せ」の最強ルール』がある。Instagram: @shigekobork
2020年01月08日できれば親としては子どもが本当に好きなことを思いっきりさせてあげたいところですが、それがなかなか難しいと感じている人も少なくないでしょう。そこで、 『「パッション」の見つけ方: 「人生100年ずっと幸せ」の最強ルール』 を上梓し、子育てやキャリア構築などについて日本やアメリカで講演会やワークショップを展開するボーク重子さんに、親ができることについてお話を伺いました。ボーク重子(ぼーくしげこ)さん作家、ICF会員。米・ワシントンDC在住。2004年、アジア現代アートギャラリーをオープン、2006年、ワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)と共に「ワシントンの美しい25人」のひとりとして紹介される。2017年、一人娘であるスカイが「全米最優秀女子高生コンクール」で優勝、多くのメディアに取り上げられた。現在は、日米で講演・執筆活動中。Instagram: @shigekobork ■いま必要な「考える力」と「楽しむ力」――人工知能(AI)が進化して、私たちの生活もどんどん便利になっています。そんな今の時代に、子どもたちに必要なのはどんな力だと思いますか? ボーク重子さん(以下、ボークさん):人工知能は、インプットしたら正確にほしいことを瞬時にアウトプットしてくれますよね。そういう部分では、もはや人工知能の方が人間よりも早くて、太刀打ちできないんです。ただ、人工知能には、「楽しんで仕事をする」とか、「だれかの役に立ちたい」とか、そういった感情を持つことはできません。私たちには、考えること、そして楽しむことができる。そういうところこそが大きな力となります。これこそが「非認知能力」と言われるもので、子どもたちは、今後この力を伸ばしていくことが重要だと思っています。――「非認知能力」を育むためには、何が必要となってくるのでしょうか? ボークさん:そうですね、子どもたち自身は、自分がやりたいと思えることについては、「やる気」と「エネルギー」がわいてきます。だれかに無理やりやらされたことについて、なかなかがんばれないのは大人も同じですよね。だからこそ、子ども自身が「こんなことがしたい」という思いを持つことが重要なのです。これこそまさに、「出る杭」と言われるようなものを持った人だと私は考えています。 ■「出る杭は打たれる?」子どもがやりたいことを見つけるには ――日本では、どうしても「出る杭」は打たれる傾向にある気がします。そんななかで、子どもたちの考える力や楽しむ力をどう伸ばせばいいのか悩んでしまいます。 ボークさん:私は、思考力のベースにあるのは知識なので、知識を身につけさせることに重点を置いてきた日本の教育もすばらしいと考えています。そして、現在は非認知能力の大切さもだんだんと認識されてきて、学校での教育も徐々に変わってきています。ただ、それでも非認知能力に重きを置く教育は、アメリカなどと比べると、まだまだ日本では進んでいるとは言えない状況です。そんな学校状況でも、家庭での親から子どもに対する接し方によっては非認知能力を伸ばすことができるんです。 ――具体的には、どのように接すればいいのでしょうか。 ボークさん:たとえば子どもが、「相撲取りになりたいから、今日からたくさん食べる!」と言い始めたとして…。ママの内心では「本当はサッカー選手になってほしかったな、大変だな」なんて思ったとしても、「わかった、ママも相撲大好き! がんばれ! がんばれ!」と言える家庭環境がいいですよね。子どもの意見をけっして否定せず、意思を尊重して、自分自身でいられる場所を確保してあげてほしいです。 ――小さい子どもの場合だと、やりたいことがよくわからないこともあって、どう聞き取ってあげればいいか悩むこともあります。 ボークさん:乳児だと、まだ話せない子も多いですね。それなのに「何したいの?」と聞いても、知識と経験が格段に少ないので、何も言えません。そうしたときは、選択肢をいくつか与えてあげて、どれがいいか選ばせてあげる。そうすることで、選ぶ力、選んだことに責任を持つ力を少しずつ伸ばしてあげられると思います ■習い事で子どもの可能性を広げる!――子どものやりたいことを見つけるために、習い事は効果的だと思っています。だから空いている時間があると、ついできるだけたくさん詰め込みたくなってしまうのですが。 ボークさん:わが家では、娘が本当にやりたいことを見つけるまで15ほどの習い事を試しました。でも同時にやるのは、多くても2つまでと決めていたんです。多くの習い事をすると、それだけ毎日のスケジュールがプログラミングされてしまって、子どもの自由時間がなくなってしまいます。そうしたことを続けると、子どもが「指示待ち」の状態になってしまいかねません。さらに、習い事が増えることによって、ママも子どもも疲れ切っちゃうことが大きな問題です。――子どもにとって、夢中になれる習い事を探してあげるにはどうすればいいですか? ボークさん:親が決めてさせるのではなく、子どもが主体的に決めることが大切です。見学や体験に行ってみて、もしイヤだというようなら、無理にはさせない。また、習い事にこだわる必要はないと思います。仕事で忙しいママにとっては、習い事の送り迎えも大変ですから、無理をしてまでやるのは本末転倒です。たとえばおうちでのお手伝いとか、近くの公園に行くとか。習い事でなくても、いろいろな体験をさせてあげることができますよ。■子どもの「やりたいこと」の見つけ方 ――たとえば、子どもにとってやりたいことが「ゲーム」だった場合、それでも「がんばれ!」と言っていいものか悩んでしまいます。 ボークさん:ゲームが大好きで、何時間もできるというのはすごいことですが、それは内向きで、自分が楽しいだけですよね。それを外向きにしてあげる。たとえば、おじいちゃんにゲームを教えてあげるといったように、じつはほんの少しだけ向きを変えるための働きかけをして、子どものすぐ身近にあるモノや人を使えばいいんです。大事なのは、意識を変えること。やりたいこと、大好きなことがあったら、それを外向きに、周りの人も巻き込んでいくことができないかと考えることが大切です。 ――意識を外向きにしていくために、親はどういった声がけをすればいいですか? ボークさん:日本ではよく「大きくなったら何になりたい?」って聞ききますよね? そうすると子どもは「サッカー選手」なんて答えが返ってきます。一方、アメリカでは、「どんな人間になりたい?」と聞きます。そうすると、「僕が元気に走り回る姿を見てみんなに元気になって欲しいからサッカー選手になりたい」といったように答えます。この2つは似ているようで全然違うんです。「どんな人間になりたいか」を考えることで、社会と自分のつながりを意識できます。自分が社会の一部で、何ができるのかということを考える、そうした生き方をこれからの子どもたちは意識できるように声がけできるといいですね。 ここまで、ボークさんには子どもたちが自分らしく生きていくためのヒントをお伺いしました。ちょっと意識を変えるだけで、子どもへの声がけや習い事の選び方など、子どもの非認知能力を高められそうなヒントが多く得られましたね。次回は、子どもだけでなくママも自分のやりたいことを見つけていこうという、ボークさんの考えをさらにうかがっていきます!■今回お話を伺ったボーク重子さんのご著書 『「パッション」の見つけ方: 「人生100年ずっと幸せ」の最強ルール』 (ボーク重子/小学館 ¥1,400(税抜))
2020年01月07日「子どもの言うことを親がジャッジしてしまうと、子どもは『親にとって正しい答え』を言おうとするようになり、自分で考えることをしなくなる」と話すボーク重子さん。一人娘スカイさんが「全米最優秀女子高生」コンテストで優勝し、さらに自身も2004年に念願のアジア現代アートギャラリーをオープンさせ、現在では子育て、キャリア構築、ワークライフバランスについての講演会やワークショップを展開しているボークさんに、現在の日本の育児の現状についてもお話をうかがいました。前回、ボークさんは「グローバル社会で生き抜くスキルをつけるために、家庭での対話が重要」とお聞きしました。そこで重要となってくるパパとママの対話についてお話をお聞きします。さらに日本で問題となっているのが「ワンオペ育児」の状況。日本のママが直面する問題にボークさんは、「いたしません!」宣言というポジティブなメッセージをママに贈ってくれました。》 「英語できない親でも、グローバル時代を生き抜く力を育てられる!」 ■「パパとママの会話が子どもの手本になる!――子どもが自分の意見を表に出せるようにするためには、何が大切なのでしょうか?ボークさん:子どもの対話力をあげるには、大人が手本になるのもいい方法です。子どもにとって、一番身近な存在は、パパとママ。家族というのは最小にして最強のコミュニティですから、ここでも否定から入ってはいけません。「この材料で、カレーしかメニューが思い浮かばないなんて!」という批判的な対応だと、親の顔色を見て、ウケのいい答えを言おうとしてしまいます(※)。※リベラルアーツ的思考力の素地を作るためには、家庭での毎日の会話で十分にできるとボークさんは語ります。たとえば晩ご飯のメニュー決め。ただ子どもの意見に対して親がジャッジしてはいけないと話します。――大人にとって都合のいいことや気にいることを言ってくれる子のほうが、大人はラクだから「いい子」だと思いがちですよね。ボークさん:都合のいいことも、悪いことも、まずは否定しないことが大切です。そして、それを夫婦のやりとりで、見せてあげれば、子どもは安心します。冷蔵庫の材料を伝えて、パパも一所懸命考えて答える。ママも受け止める。そのような親のやり取りを見て、子どもは自然と学びます。パパが「肉じゃがができるね。今日は肉じゃがが食べたいな」と言ったとき、ママが面倒臭く感じても、即座に「え? 肉じゃが? じゃあ、自分で作れば?」というような反応ではなく(笑)、「たしかに肉じゃがも作れる材料だね。でも、今日は、ちょっと煮物を作る時間が足りないから、この材料を小さく切ってカレーにしようか?」などと返せばいいのです。「否定されない」、「受け止めてもらえる」、という見本をぜひ、ご夫婦でも見せてあげてください。「安全でない」と子どもが感じると、子どもは自分を見失い始めます。大人が求める答えをしてしまうのです。そうすると、自己肯定感は下がります。■「ママはどれだけやるか?」ではなく、「どれだけやらないか」――「ワンオペ育児」が多い日本だと、夫婦の会話を子どもに見せる機会自体が少ないご家庭もありそうです。ボークさん:私は「ワンオペ育児」という言葉を知ったときに、とんでもないことだと思いました。驚きとショックでプルプルしてしまったほどに。日本の女性は有能なので、やれば、ほとんどのことができてしまうんですよね。だから、ワンオペ育児もやろうと思えばできてしまう。――たとえ「ワンオペ育児」でなくても、育児中のワーママは、やることがたくさんありすぎて、あらたに何かを始めることが大変だと感じてしまうかもしれません。ボークさん:やることがたくさんありすぎて、それを整理するために、to doリストを作る方もいるかもしれませんが、to doリストは、達成感をもたらしてくれるけれど、疲れも持ってきます。だって「やらないといけないこと」が書き連ねてあるのですから。だからto doリストを見直してみてください。本当にやらなければならないこと、その中に、いくつありますか? 仕事、家事、育児、全力投球を3つもしなければならないなんて、無理です。to doリストを作ったら、作った端から消してしまいましょう(笑)。料理、洗濯、掃除……すべてを納得のいくまで行うなんて無理なのです。家族のために、子どものために、食卓においしそうな料理を並べたいと思う気持ちに嘘はなくても、美しい料理を作るためにママの笑顔が消えてしまったら、本末転倒。「買ってきたけれどおいしそうでしょ?」ってママが笑って言うほうがよっぽど、子どもはうれしいものです。■パパがいるときには、「いたしません」宣言を!――笑顔でいることが大切! それを実現するには?ボークさん:リベラルアーツ(※)を培うためには、ママが対話の時間や心のゆとりを持つことがマストです。そのためには時間を作り出すことが必要。でも1日の時間は決まっています。そんななかで笑顔を保つためにできること、それには日常のTo Do家事をどれだけ「やらないか」が勝負です。※リベラルアーツとは、「自由とは?」、「正義とは?」など問いを立てて、自分と向き合い、そこから自分の考え方や生き方についての意見を構築していくための学び掃除はお掃除ロボットを回しておけばいい。生ゴミはディスポーザーに入れればいい。パートナーが在宅しているとき、ママは家事を「いたしません」でいいんです。たとえば、日曜日の昼食の準備は「いたしません」のように。やってしまえばできることを「いたしません」と言うのには、覚悟が必要です。でも、やらないことで時間を作り、その時間は、ママが心にゆとりを持つこと、例えば「やりたいこと」に時間を使ったり、子どもとの対話に使ったりしましょう。――サボったり、手抜きでいいのでしょうか? 仕事をしているだけで罪悪感を感じるママもいる中、家事も手抜きだとさらに罪悪感を感じるママもでてきそうです。ボークさん:「女性はこうあるべき」「ママはこうあるべき」「妻はこうあるべき」「働くママはこうあるべき」など、女性に課せられたいろんな「べきが」あるなか、あえて「いたしません」というのは罪悪感や劣等感を伴うかもしれません。だから母、妻という立場ではなく、女性は、「自分でいる」ことがとても大変なんです。そう考えると、もしかしたら女性が自分でいられるというのは、生まれたときだけかもしれませんね。その後は、「女の子なんだから」と言われ続けて育ちます。どんなときも、いい娘、いい妻、いい母でいるように、そして自分のことは後回しにしていい、と訓練されていってしまう。そして、気づかぬうちに、自分でも自分にそう言い聞かせてします。国の調査によると、6歳未満の子どもをもつ夫婦の家事・育児関連時間は、男性が1時間23分(女性が約7時間34分)と圧倒的に低い状態です(※1)。そんなの私に言わせれば犯罪です(笑)。ハーバード大のリサーチ(※2)によると、「働くママに育てられた女の子は、マネージャーになる確率が高く、男の子は家事育児の時間が倍で、不幸になることなんて『ない』」というデータがあります。ママが働いているからという理由で、罪悪感を抱える必要なんてないんです。働くことが好きなら罪悪感から自由になってもっともっとエンジョイしてほしいと思います。「ママが心にゆとりを持つ」。この時間を確保するために、いますぐできることがあります。それは家族の役割を決めるということです。なぜなら家族はコミュニティーなのですから、全員参加が基本です。子どもの場合は、年齢に合わせて「家族のためにできること」をみんなで決めます。それは、たとえばお皿を下げることかもしれないし、おもちゃを自分で片すことかもしれない。パパの場合には、週末のランチとディナーと1週間に必要な食料の買い出しをするとかいかがでしょう?家族の役割を決める時に大切なルールが1つだけあります。それは「ダメ出しをしない」。ランチがまずくても、作ってくれた人に文句は言いません。子どものおもちゃの片付け方が完璧でなかったとしても、ママはやり直しをしないようにしましょう。そして大切なことは、「ありがとう」と伝えること。こうしたことを家族で習慣にして、それを繰り返していくうちに、だれもがどんどん上手になっていくのですから。「世界基準の子どもの教養」で必要なことの1つに、「誰かの役に立つ」意識を持つことがあります。それは、お子さんが家族の役割を果たしたときに、「あなたのおかげで、家の〇〇が助かった」と声かけするだけで家庭で育むことができるんです。それは、家庭からからスタートして、学校、社会と世界が広がっていきます。さらに家族の役割を決めて全員参加で助け合うことにはもう1つ利点があります。それは子どもの自己肯定感が上がるということ。誰かの役に立つことで、自分も幸せな気持ちになり、「自分ってすごいじゃない」と思え自分を認められるようになるのです。――貢献する意識を小さい頃から芽生えさせることはできそうですね。ボークさん:激動する社会を生き抜き、みずからの力で将来を切り開いていくためには、みずから課題を見つけ、考える力が必要です。考える力を培うには、意見を述べる機会をどれだけ増やせるかが鍵になってきます。そして私たちは一人では生きていけません。社会とのつながりのなかで生きていきます。だからこそ自分の意見を構築する第一歩を、そして「誰かの役に立つ」意識作りを、まずは今日から、家庭で始めてみてください。この2つを意識することは、グローバル社会で活躍するために必要不可欠になっていきます。■今回のお話を伺ったボーク重子さんのご著書 『世界基準の子どもの教養』 (ボーク重子/ポプラ社 1,600円(税抜き))ボーク重子(ぼーく・しげこ)さんICF認定ライフコーチ。アートコンサルタント。福島県出身。米・ワシントンDC在住。子育てと並行して自身のキャリアも積み上げ、2004年に念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年にワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)と共に「ワシントンの美しい25人」の一人として紹介される。『心の強い幸せな子になる0〜10歳の家庭教育「非認知能力」の育て方』(小学館)、『「全米最優秀女子高生」を育てた教育法 世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)のほか、近著に『世界基準の子どもの教養』(ポプラ社)がある。※1.総務省 「平成 28 年社会生活基本調査」 (pdf)※2.ハーバード・ビジネス・スクールKathleen McGinn教授レポート「Working Mothers Raise More Successful Daughters and Empathetic Sons」
2019年07月31日「全米最優秀女子高生」コンテストで優勝した娘さんを持ち、またご自身も「ワシントンの美しい25人」の一人として紹介されるなど、グローバル社会で大活躍しているボーク重子さん。そんなボーク重子さんがグローバル社会で生き抜くためのヒントをまとめた書籍 『世界基準の子どもの教養』 (ポプラ社)を上梓しました。そこで、ボークさんがご自身でも実践していらっしゃる「世界のどんな場でも活躍できるために必要なこと」をズバリ! おうかがいしました。お話をうかがったのは…ボーク重子(ぼーく・しげこ)さん30歳の誕生日前に渡英、ロンドンにある美術系大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、フランス語の勉強のために訪れた南仏の語学学校で、米国人である現在の夫と出会う。1998年渡米、出産。子育てと並行して自身のキャリアも積み上げ、2004年に念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。一人娘スカイは2017年「全米最優秀女子高生」コンテストで優勝。現在は全米・日本各地で子育て、キャリア構築、ワークライフバランスについての講演会やワークショップを展開中。■グローバル社会で生き抜くスキルって日本人に必要なの?――「グローバル社会」って、いったい全体、なんなのでしょうか?ボーク重子さん(以下、ボークさん):「グローバル社会」と聞くと「子どもまだ小さいし、ウチには関係ないわ」と思う方もいるかもしれません。でもじつは、いまの日本はすでに立派なグローバル社会なんですよ。たとえば、コーヒーの「スターバックス」も、パソコンの「アップル」も、チョコレートの「キットカット」も、みなさんの周りにはグローバル企業のサービスやアイテムがあふれています。そして、コンビニエンスストアなどを利用すれば、みなさんの身近で、外国籍の店員さんがたくさん働いていらっしゃることにすぐに気づくのではないでしょうか。――そう言われてみれば、現在の日本は「グローバル社会」まっただ中なんですね。そんな日本の読者に向けて、なぜ今回、「グローバル社会に必要なスキル」についての本を書かれたのでしょう?ボークさん:どんどん変化している世界では、今後はそのなかで生き残ろうとするだけでなく、さらなる発展のために変わっていくことも重要となっていきます。日本人にはすばらしい美徳があり、勉強はできるし、非常に優秀で、教育への意識も高いと思います。でも、グローバル社会で生き抜くスキルを身につけるための視点が、少し欠けてしまっているような気がしました。それが原因でグローバル社会で活躍するチャンスを逃してしまっているとしたら、それはとてももったいないと思ったのです。 私自身、アメリカに移住した頃は、外国人のコミュニティに入れずにつらい思いをしました。それまでに留学の経験もあったし、英会話ができないわけではなかったのに、です。英語がわかるかどうかよりも、グローバル社会に入っていくためにはもっと大切なことがあったと気づいたのです。■世界基準で考えたときに、必要なことは、たったの6つ!――ボークさんが考える世界基準の子どもの教養とは?ボークさん: 今、現在進行形で子育てをしているママたちに「グローバル社会でサヴァイブしていくために必要なこと」を挙げるとしたら、6つあります。●リベラルアーツを学び自分の意見を持つこと●Cause(誰かのためになる)という自分らしい社会との関わり方を持つこと●教養あふれる会話と会話術を身につけること●外から見た印象の教養度をあげること●グローバル教養あふれる食事の仕方 ●グローバル社会でネットワークを築くための社交のルールを知ること――どれも、言われてみれば身についていたほうが良さそうですが、いきなり全部となると、なかなか難しそうですね。ボークさん:一番、大切なのは、「リベラルアーツ」です。まずは、リベラルアーツを培うことを意識することが、今からできることです。――リベラルアーツって何ですか?ボークさん:日本でもリベラルアーツという言葉を聞く機会は、少しずつ増えてきましたけれど、「教養教育」のようなニュアンスが強く、本来の意味とは異なります。――「リベラルアーツ」と聞くと、大学生になってから教養として身につけていくような学問で、子育て中のママには関係ないような…と思ってしまいますが。ボークさん:リベラルアーツを「教養を身につけるための学問」としてしまうと、知識の詰まった本を読むだけで終わってしまいます。リベラルアーツというのは、「問いを立てる力」、そしてそこから「自分なりの答えを見つけていくプロセス」です。「自由とは?」、「自分はどう働きたいのか?」、「自分はどう生きたいのか?」といったさまざまな問いを立てて、自分と向き合い、そこから自分の考え方や生き方についての意見を構築していくための学びなのです。■家庭でできる「世界基準」の子育てとは――家庭でできることは、どんなことがあるのでしょう?ボークさん:リベラルアーツ的思考力の素地を作っていくことは、小さな子どものうちからできます。子どもが主体性を持って、話したり、何かに取り組んだりすること。それこそがリベラルアーツなのですから。家庭では、毎日の会話で、十分にできます。習慣化することが大切です。1回やった、では習慣になりませんから、毎日、続けるのです。――具体的に、どのような会話をするといいのでしょう?ボークさん:何かについて「なんでそう思うの?」という素朴な疑問を声にすればいいだけです。対話は、難しいことではありません。「今日、幼稚園で何をやったの?」とか「今、冷蔵庫にこれしかないんだけど、晩ご飯、何が作れるかな?」とか何でもいいんです。「このご飯、もっとおいしくするには、どうしたらいいと思う?」とか。――質問をすることが家庭でのリベラルアーツの培い方では大切なのですね。ボークさん:対話で大切なのは2つだけ。●1つ目は、考える機会を与えること。その引き金になるのが、こちら側からの質問。質問されると考える。もっと成長して大きくなったら、自問という方法もあるけれど、それができるようになるまでは、他者が質問することで考える機会を作ってあげればいい。●2つ目は、表現する機会と安全な環境を与えること。質問されて考えて、自分なりの考えを持てたとして、それを相手に伝わるようにするには、外に出す機会がないと習慣化しません。そして子どもが自分の考えを表現しやすい環境が大切になってきます。最初は、たどたどしい説明かもしれないけれど、「そうなんだ、そんなふうに考えたのね? どうしてそんな風に考えたんだろう?」と質問を挟んだりするうちに、徐々に論理的に考えられるようになります。そして、徐々に論理的に、他者に伝えられるようになります。■正しさにとらわれて親が裁判官になってはいけない!――子どもとの対話で注意すべきことはありますか?ボークさん:大切なのは、子どもが自分の考えを外に出すときに、聞き手がジャッジ(判断・批判)してはいけないということ。「なんでそんな風に思ったの!おかしいんじゃない?」などと、親が裁判官になってはいけません。親が裁判官になってしまうと、子どもは、「親にとって正しい答え」を言おうとしてしまうからです。そうすると、親の顔色をうかがうようになって、自分で考えることをしなくなります。聞き手は、子どもがどんな突飛な発想で答えても、ユニークな言葉を選んでも、正誤を突きつけない。何を言ってもいいんだという環境をまずは作ってあげることが重要です。そうでないと、子どもに、「ここは安全な場ではない」と思われてしまいます。安全な場だという認識が持てて初めて、子どもは自分なりの考えを安心して聞き手に伝えることができるのです。――ボークさんご自身もそのような対話を実践してきたのでしょうか?ボークさん:じつは、私はもともと指示待ち人間でした。「結果を早く出せることが優秀で、それが評価の基準だった時代の教育」で育ったので、アメリカに移住したあとは、人と対話することを恐れていました。「自分の発言が間違っていたらどうしよう」、「こんなことも知らないのと思われたらどうしよう」、「私の質問で相手を傷つけたらどうしよう」といった感じで思っていたのです。だから、当時の私と同じように、「どんな対話をすればいいのかしら」とプレッシャーを感じるママがいてもおかしくありません。でも、一番重要なのは子どもに興味関心を持つこと。好奇心があれば、自然と質問は出てきます。私自身の子育てを振り返れば、「今日、学校で何したの?」など、いろいろと質問をしただけでした。たくさん質問してもらえると、子どもは「自分に興味を持ってもらえている」とうれしい気持ちになります。「やりなさい」「こうしなさい」と指示するように話すのでなく、子どもに興味を持つことで生まれる質問を大切にしていました。――ボークさんが子育て中に対話でよく取り上げた話題は何ですか?ボークさん:身近なことが多かったですね。晩ご飯のメニュー決めなどは、本当に身近で小さな子でも関心が持ちやすいと思います。たとえば、「冷蔵庫に人参とジャガイモと玉ねぎとお肉があるけれど、これで何が作れると思う?」と親が聞くとします。子どもがカレーと答えたら「そうね、カレーもいいね。カレーができるね」と返事してあげればいいのです。もしも、家族の誰かがランチにカレーを食べていて、晩ご飯もカレーになってしまうのを避けたかったり、体調を崩していてカレーがふさわしくなかったら、「カレーなんて○○だからダメでしょ」と否定してしまわずに、「カレーの他にも何か作れるものはないかな?」とか「カレーもいいけれど、他にこの材料で食べたいメニューはないかな?」と、新たに質問を投げかけるのです。即座に否定してしまっては、「わかってもらえない」「伝わらない」と子どもは不安を抱えてしまうだけです。でも子どもにとっては親に「カレーはどう?」と提案するには、不安があります。なぜならママに「できないやつ」と思われたくないから。そのためには大事なことはパパとママがロールモデルになることなんです。グローバル社会を生き抜くためスキルを付けるために、家庭での親子の会話がとっても重要だと話すボーク重子さん。次回は、子どもが「自分で考えて自分で問いをみつけて、自分の意見を言う」ために必要となってくるパパとママの対話についてお話を伺います。またワンオペ育児と言う言葉が聞かれる日本の現状について、ボーク重子さんは「驚きとショックで震えた」と語ります。そんなボーク重子さんが日本のママに伝えたいこととは?■今回のお話を伺ったボーク重子さんのご著書 『世界基準の子どもの教養』 (ボーク重子/ポプラ社 1,600円(税抜き))ボーク重子(ぼーく・しげこ)さんICF認定ライフコーチ。アートコンサルタント。福島県出身。米・ワシントンDC在住。子育てと並行して自身のキャリアも積み上げ、2004年に念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年にワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)と共に「ワシントンの美しい25人」の一人として紹介される。『心の強い幸せな子になる0〜10歳の家庭教育「非認知能力」の育て方』(小学館)、『「全米最優秀女子高生」を育てた教育法 世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)のほか、近著に『世界基準の子どもの教養』(ポプラ社)がある。
2019年07月30日ライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開する、アメリカ・ワシントンDC在住のボーク重子さん。全米の女子高生が知性や才能、リーダーシップを競う大学奨学金コンクール「全米最優秀女子高生」で娘のスカイさんが優勝したことでも注目を集め、出版された本は軒並みベストセラーになっています。ボーク重子さんが子育ての軸としたのが「非認知能力」でした。非認知能力とは、回復力、やり抜く力、自信、リーダーシップ、主体性、社会性、共感力……など、数字では測れないさまざまな力のことですが、なかでもボーク重子さんは「自己肯定感」の重要性を強く説きます。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/櫻井健司(インタビューカットのみ)「べき」にとらわれる大人が子どもの自己肯定感を下げてしまう日本人の自己肯定感が低いということは耳にしたことがある人もいるかもしれません。その理由を考えると、多くの人が「『べき』にとらわれている」からだと思うのです。男性はこうあるべき、女性はこうあるべき、親は……、子どもは……というふうについ考えていませんか?それを子どもにあてはめるということは、ひとつの決まったサイズの服をすべての子どもに着せようとするようなものだとわたしは思うのです。子どもの体の大きさは一人ひとりちがいますから、その服がぴったり合うとは限りませんよね?ブカブカだったり窮屈だったり丈が足りないという子もいるでしょう。そんなふうにして、「どうして僕はこの服が全然似合わないんだろう」なんて考えさせてしまっては、その子の自己肯定感が高まるはずもありません。そうではなくて、「合う服というものはみんなそれぞれにちがう」「それが個性なんだ」と思わせてあげなければいけないのです。そうすれば、いいところも悪いところも含めて自分をありのままに認めることになる。「これが自分だ!」といえるようになる。それが、自己肯定感を高めるためのスタート地点なのだと思います。どんな子どもも同じように育て、一丸となって国力を上げるといった時代は終わりました。これからは「個の力」が求められる時代です。そういう意味では、子どもを育てる親、大人が子どもの個性をいかに認めるかということを考えなければなりません。多民族国家で「一人ひとりがちがうことが普通」のアメリカとはちがって、日本の場合は基本的に単一民族国家ですから、個性を認める意識が育ちにくいのかもしれませんね。でも幸い、いまも現在進行形で進んでいることですが、日本に移住してくる外国人はさらに増えるでしょう。そうなると、個性があたりまえのように認められ、日本人の自己肯定感も上がってくるということも考えられますよね。自己肯定感を高める最善策は家庭でのお手伝いにありでは、自己肯定感が低い人間にはどんな特徴が見られるのでしょうか。「自己」肯定感という言葉から、自己肯定感の影響は個人のなかで完結しているものと考えてしまう人もいるでしょう。でも、そうではありません。自己肯定感が低い、つまり自分を認められない人間は、「他人も認められない」のです。すると、「僕はなんて駄目なんだ」「また失敗しちゃった」という思いが、「あなたは駄目だね」「あなた、それは失敗だよ」とまわりの人間に向かい、どうしても他人を攻撃したり批判したりしがちになります。そうなると、周囲から煙たがれてしまうことは明白ですよね。自分の個性を生かして他人と協働していくことが求められるといわれるこれからの時代を生きるには、それは致命的なことといっていいかもしれません。では、どうすれば子どもの自己肯定感を高められるのでしょうか?先にお伝えしたように、子どもが、いいところも悪いところも含めて自分をありのままに認める、「これが自分だ!」といえるようになることが、まずは大切なこと。そして、子どもにそうさせるためのベストの方法が、「誰かの役に立つ」という経験をさせることにあるとわたしは考えています。自分の行動によって、まわりの誰かが「ありがとう」といってくれてよろこぶ姿を見る。「自分は誰かの役に立てるんだ!」という思いが、自己肯定感を高めていくのです。そういう経験を得るには、社会貢献活動やボランティアなども考えられますが、小さい子どもの自己肯定感を高めるということを考えれば、わかりやすく周囲から肯定されることが大切です。そうなると、やはり最初は家庭でのお手伝いがベストの方法でしょう。子ども自身が自分の役割として決めたお手伝いをしたのなら、親御さんは「ありがとう」と伝えて、たくさん褒めてあげてください。子どもは親御さんに認められることで自分を認められる。そうやって、自己肯定感が高まるという好循環を生んでいくはずです。叱るときは必ず理由もきちんと伝える加えて、子どもの自己肯定感を高めるにあたってのNG行動もお伝えしておきます。それは「否定する」ということ。頭ごなしの否定は、認めることの対極の行動です。それを繰り返せば、子どもが自分を認められるようになるはずもありません。たとえば、親がつくった料理に対して子どもが「これはあまり美味しくない」といったとします。そこで「そんなこと、いわないの!」なんていってはいけません。意見というものには正解も間違いもないのですから、その意見、子どもの思いをしっかり受け止めてあげるべきです。否定するのではなく、「へえ、そうなんだ」と子どもの発言を認めて、「ほんとに?どんなふうに美味しくない?」と質問してみるのです。そのやり取りは子どもを肯定しているということですから、子どもの自己肯定感を高めていくことにきちんとつながります。とはいえ、危険な遊びをしようとしたときなど、どうしても叱らなければならない場面もあります。そういうときに大切なことが、「必ず理由も伝える」こと。大人だってそうでしょう?「やめなさい!」とだけいわれたら、「どうして?」と思うじゃないですか。小さい子どもにはまだ論理を理解する力がないと思っている人も多いかもしれませんが、そうではありません。丁寧に理由を伝えれば、子どもはその論理をきちんと理解するものです。イコールそれは、子どもと「同じ目線に立つ」ということでもあります。親と子どもではなく、人間対人間という関係性を意識することが大切です。子どもというのは、すべてを親が教えなければならない存在ではなくて、人間同士としてどうやって一緒に生きていくのかと考えるべき存在なのだと思います。『世界基準の子どもの教養』ボーク重子 著/ポプラ社(2019)■ ボーク重子さん インタビュー一覧第1回:子どもが親の失敗から学ぶもの。「やり抜く力」を育むなら“格好悪い親”であれ第2回:「親の態度」がカギを握る。子どもの自己肯定感を高める行動、低める行動第3回:「ルールを守れる子ども」はこうして育つ。親が子に与えるべき大事な“時間”(※近日公開)第4回:「自分の考えを言えない」問題の解決法。幼い子どもにこそ大切な“リベラルアーツ”(※近日公開)【プロフィール】ボーク重子(ぼーく・しげこ)ライフコーチ。福島県出身。30歳の誕生日1週間前に「わたしの一番したいことをしよう」と渡英し、ロンドンにある美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、留学中にフランス語の勉強に訪れた南仏の語学学校でのちに夫となるアメリカ人と出会い1998年に渡米、出産。「我が子には、自分で人生を切り開き、どんなときも自分らしく強く生きてほしい」との願いを胸に、全米一研究機関の集中するワシントンDCで、最高の子育て法を模索。科学的データ、最新の教育法、心理学セミナー、大学での研究や名門大学の教育に対する考え方を詳細にリサーチし、アメリカのエリート教育にたどりつく。最高の子育てには親自身の自分育てが必要だという研究データをもとに、目標達成メソッド「SMARTゴール」を子育てに応用、娘・スカイさんは「全米最優秀女子高生 The Distinguished Young Women of America」に選ばれた。同時に、子育てのための自分育てで自身のキャリアも着実に積み上げ、2004年、念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年アートを通じての社会貢献を評価されワシントニアン誌によってオバマ大統領(当時上院議員)やワシントンポスト紙副社長らとともに「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。2009年、ギャラリー業務に加えアートコンサルティング業を開始。現在はアート業界でのキャリアに加え、ライフコーチとして全米並びに日本各地で、子育て、キャリア構築、ワークライフバランスについて講演会やワークショップを展開している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月09日