ほとんどの会社も仕事始めを迎え、「いよいよ今年も本格的に動き出したな」と感じることが多いこの時期。2010年のスタートを軽やかに切る景気付けに、会社帰りや週末に映画館へ出掛けてみてはいかがですか?人気女優が12年ぶりにスクリーンで主演を務める恋愛ものや、世界中で親しまれている絵本の実写版など、一月公開の映画は興味深い作品が目白押し。その中でも特に注目している作品について、694名のビジネスウーマンにアンケートを採ってみました。 >>男性編も見るQ、2010年1月公開の映画で観たいのは?1位『サヨナライツカ』16%2位『シャネル&ストラヴィンスキー』12%3位『かいじゅうたちのいるところ』11%4位『(500)日のサマー』10%5位『おとうと』9%■『サヨナライツカ』が観たい人は……「中山美穂が久々に主演を務める映画だし、どんな風に自由奔放な女性を演じているのか興味がある」(29歳/法律/秘書・アシスタント)・「久しぶりに中山美穂の演技が見られる上に、彼女の旦那様の辻仁成が原作の映画だから」(23歳/小売/販売)・「原作の小説を読んで、映画も観てみたいと思った」(25歳/ソフトウェア/プログラマー)・「愛されることより愛することのすばらしさに気付く過程が描かれているというところに、とても興味が湧いた」(26歳/IT/SE)・「恋愛映画が好きだし、この作品は切ない恋愛について勉強ができそうな内容だと思ったから」(22歳/運輸/営業)■『シャネル&ストラヴィンスキー』が観たい人は……・「シャネルというブランドのことはよく知っているが、デザイナー自身のことは実はあまり知らないので」(27歳/化学/研究開発)・「シャネルにもストラヴィンスキーにも興味がある上に、二人が知り合いだったことすら知らなかったので、ストーリーラインに興味あり」(27歳/人材紹介/営業)・「シャネルにまつわる映画を他にも観て、一人の女性として魅力的な彼女について、もっと知りたいと思ったので」(28歳/人材紹介/経営・コンサルタント)・「シャネルの人生にまつわる他の映画とは違うストーリーのようなので、どんなストーリーなのか楽しみ」(24歳/医療/その他)・「ヤン・クーネン監督が『ドーベルマン』でとてもよい人物描写をしていたので、彼の別の作品も見たいと思っている」(23歳/団体/その他)■『かいじゅうたちのいるところ』が観たい人は……・「同名の原作絵本が大好きだから」(21歳/教育関連/その他)・「絵本がどのように実写化されるのか楽しみ」(25歳/食品/総務)・「世界中で愛されているストーリーがどのような映画になるのか楽しみだから」(29歳/その他/その他)・「心が温まりそうだから」(23歳/印刷/営業)■『(500)日のサマー』が観たい人は……・「恋愛ものでかつ、可愛くて笑えるコメディ的要素がありそうだから」(22歳/公益法人/その他)・「運命の恋を信じない女という設定が自分と似ているから」(29歳/精密機器/秘書・アシスタント)・「明るいラブコメディーは見ていて幸せになるから」(23歳/ホテル/サービス)■『おとうと』が観たい人は……・「笑福亭鶴瓶の自然な演技が好きなので」(25歳/ホテル/財務)・「吉永さゆりと笑福亭鶴瓶の掛け合いがみたい」(23歳/食品/販売)・「山田洋次監督が好きだから」(28歳/人材紹介/人事)総評「久しぶりに中山美穂の演技が見られる上に、彼女の旦那様の辻仁成が原作の映画だから」(23歳/小売/販売)という理由などから、ビジネスウーマンから最も注目を集めた1月公開映画は『サヨナライツカ』でした。12年ぶりの映画主演を務める中山美穂演じる主人公が、「愛されることよりも愛することこそが本当の愛である」ということに気付いていくというストーリーには、「切ない恋愛について勉強ができそう」(22歳/運輸/営業)という期待の声も……。第2位に選ばれたのは、シャネルのデザイナー、ココ・シャネルと20世紀を代表するロシア人作曲家、イーゴリ・ストラヴィンスキーの知られざる恋を描いた『シャネル&ストラヴィンスキー』。カール・ラガーフェルドとシャネルのメゾンが協力したという衣装の美しさも、見物であること間違いなしですね。以下3位には「心が温まりそう」(23歳/印刷/営業)な絵本が原作のファンタジー映画、『かいじゅうたちのいるところ』、4位には「ラブコメが観たい」(25歳/自動車関連/研究開発)という理由から、キュートなLAムービー『(500)日のサマー』、5位には「吉永さゆりと笑福亭鶴瓶の掛け合いがみたい」(23歳/食品/販売)と注目を集めた、山田洋次監督の『おとうと』が、それぞれランクインしました。あなたの興味を引く新作映画は、これらの中にありましたか?(文・兄矢壱子)>>男性編も見る>>映画情報満載の『コブタメ』をチェック調査時期:2009年12月8日~12月14日調査対象:COBS ONLINE会員調査数:女性694名調査方法:インターネットログイン式アンケート完全版(画像などあり)を見る
2010年01月05日「物の良さはタグに付いた名前では計れない……」。そうは分かっていても、やっぱり捨てきれないブランドへの憧れ。日常的に使う財布においては特に、「使い勝手がよい」、「丈夫」などの理由からも有名ブランドのものを愛用しているビジネスウーマンも少なくないのでは?そんな彼女たちが、この時期に新たに欲しいと思っているブランド財布について調べてみました。>>男性編も見るQ、クリスマスに欲しい財布は、どこのブランド?1位グッチ16%2位ルイ・ヴィトン15%3位コーチ11%4位ミュウミュウ7%5位シャネル5%■グッチの財布、人気の理由は……・「使いやすいし、デザインに飽きがこない」(28歳/機械/秘書・アシスタント)・「誰もが知っているブランドであるし、かわいい柄が結構あるので」(25歳/情報/営業)・「ロゴが好きだから」(23歳/ソフトウェア/プログラマー)・「大人過ぎず、子ども過ぎずちょうどいいデザインだから」(27歳/IT/総務)・「グッチの長財布を持っていると、大人な感じがするから憧れ」(26歳/生保/営業)■ルイ・ヴィトンの財布、人気の理由は……・「今使っているヴィトンの財布は、9年間ずっと使っているが飽きがこなく、また丈夫なので」(27歳/食品/企画開発)・「お洒落で、高級感がある。憧れ」(25歳/医薬品/研究開発)・「モノグラムだと流行り廃りがないし、皮なので長年使用できる」(26歳/人材派遣/総務)・「定番で長く使えそう」(24歳/電気工事/積算)■コーチの財布、人気の理由は……・「色味が好き」(25歳/飲食/サービス)・「働く女性のイメージがあるブランドだから」(24歳/IT/プログラマー)・「ブランドの中ではまだ手が届きそうな価格だから」(23歳/損保/事務)・「カジュアルにも使えるから」(24歳/化粧品/営業)■ミュウミュウの財布、人気の理由は……・「持ってても嫌味のないブランドだと思う」(23歳/商社/営業)・「女の子らしいブランドだから」(25歳/化学/秘書・アシスタント)・「『可愛い』と『大人』の中間。また、ブランドを主張しすぎているものが好きではないから」(25歳/小売/販売)■シャネルの財布、人気の理由は……・「可愛いのに大人っぽくてセクシーなブランドだから」(26歳/商社/秘書・アシスタント)・「キルティングが可愛いから」(27歳/小売/販売)■その他のブランド財布が欲しい人は……・エルメス「革が上質そうだから」(27歳/人材紹介/営業)・クロエ「デザインが好きなので」(25歳/飲食/販売)■総評定番なのに飽きが来ない、大人っぽいのに可愛い……そんな声を集め、「クリスマスに欲しいブランド財布」第1位に輝いたのはグッチでした。バックルに輝く「G」のマークをはじめ、デザインや柄に惹かれるというビジネスウーマンが多いようです。また、「ヴィトンやシャネルに比べて、いかにも『高級ブランド!!』という感じがしないから」(26歳/卸/財務)という声に代表されるように、どんな場面でも浮かないデザインの妙が魅力。ビジネスウーマンの間で人気と需要を集めるのも、不思議でないブランドと言えるかもしれません。2位にはルイ・ヴィトンがランクイン。丈夫な革で出来たモノグラムやダミエ、エピなどのシリーズはもちろん、女性の間ではカラフルでキッチュなヴェルニシリーズも定番人気の一つ。仮に「ヴィトンの財布を買おう!」と決心できたとしても、そこからシリーズや形、色を決めるのに、さらに時間を要してしまう可能性は大きそうです。新春セールでも滅多に大幅割引はされないブランド財布。このランキングを見て「欲しいかも」と思った人は、「2010年も頑張ろう!」という気持ちを込めて、思い切って手に入れてみては?(文・兄矢壱子)>>男性編も見るCOBS ONLINE会員アンケート(調査方法:インターネットログイン式アンケート、期間:2009年11月24日~11月29日、集計人数:女性719名)完全版(画像などあり)を見る
2009年12月16日「BONES」恋バナ捜査の最後を飾るのは、骨博士“ボーンズ”ことテンペランス・ブレナン役のエミリー・デシャネル!ジェファソニアン法医学研究所の天才法人類学者であり、遺体の骨から様々な事実を分析する専門家として事件捜査に協力するブレナン博士の登場です。昨年の7月に来日し、「BONES」のプロモーションを行ったことも記憶に新しいエミリーですが、今回は撮影現場でリラックスしている彼女を直撃しました。ブレナンとブースに関する鋭い見解がいろいろ聞けましたよ!天才ゆえか対人スキルに問題があり、率直な物言いで相手をどん引きさせることもしばしばのブレナンですが、そんな彼女が相棒のFBI捜査官・ブースや研究所の仲間たちとの友情を通し、徐々に変化していくのが「BONES」の見どころ。シーズン1ではだいぶ変人度(?)の高かったブレナンも、シーズンを経るにつれ温かみを増していきます。しかも、シーズン4のブレナンは人間関係について自ら学ぼうとするなど、過去最高に健気でキュートな面も!これはやっぱりブースの影響によるもの?「そうね。ブレナンはブースとの関係を通し、オープンな人間へと変化していくの。ブースは彼女に、どうすればもっと魅力的で好かれるようになるかを教える存在でもあるのよ。だからこそ、彼女は自分の周りに張り巡らしていた壁を壊し始める。それって、ブースはもちろんジェファソニアンの仲間も含め、本当に信頼し、愛する人たちに出会えたからよね。もっと温かく、人に好かれ、社交的になる方法を学びたいと、彼女は自ら思い始めるの。そんなふうに努力するブレナンが私は大好きよ」。「『BONES』は深いレベルで愛し合っているのに、お互いに対する気持ちを決して認めることができない男女を描いた物語」とも語るエミリーですが、自らを変えてくれた運命の男性、ブースがすぐそばにいるにもかかわらず、ブレナンが彼と恋人同士になるのはまだまだ先のよう。シーズン4では、知的な会話を楽しめる男性とセックスを楽しめる男性のふたりに対し、ブレナンが二股をかける(!)展開も見られます。「本当は、知的な会話ができて、セックスも楽しめる相手を見つけるのが理想よね。私の目標もそうよ(笑)。そういう意味では、ブレナンの論理や欲求を理解することは出来たわ。自分が求めているものをひとりの人間の中に見つけることが出来ないから、ふたりに求めたのね。ちょっと男性的な行動だけど、彼女らしいわ。私自身はブレナンほど極端じゃないし、ふたりの男性と同時にデートをしたこともないけど、男性的な行動という点で言えば共感できる部分はある。実は以前、バレンタイン・デーをすっかり忘れていた私に、恋人が花だったか何かをくれたの。普通、記念日やイベントに気を払えないのは男性なのにね。私だって、記念日を気にかけない男性がナイスじゃないとは思っているのよ(笑)」。続けて、「ブレナンは本当に欲しいと思っている男性、ブースを得られないから、別の男性ふたりの中に欲しいものを見出そうとしたの。彼女にとって、ブースは両方を兼ね備えている存在なのにね」とも。となると、今後の展開がますます気になるところです…。そんなふたりに、ものすごい展開が待ち受けるシーズン4。ブレナンとブースの関係の行方は、世界中のTVドラマファンにとっていまやブランジェリーナの私生活以上の関心事!?ふたりがたどる恋の結末を予想しつつ、まずはシーズン4を楽しみましょう!(text:Hikaru Watanabe)DVD「BONES−骨は語る−シーズン4」Vol.1〜3レンタルリリース中発売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント© 2009 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.■関連作品:BONESボーンズ [海外TVドラマ]■関連記事:シネマカフェ的海外ドラマvol.124「BONES」恋バナ!捜査ファイル第4回シネマカフェ的海外ドラマvol.123「BONES」恋バナ!捜査ファイル第3回シネマカフェ的海外ドラマvol.122「BONES」恋バナ!捜査ファイル第2回シネマカフェ的海外ドラマvol.121「BONES」恋バナ!捜査ファイル第1回事件の鍵は骨!「BONES─骨は語る─」の美人捜査官、エミリー・デシャネル
2009年10月29日アンジェラ役のミカエラ・コンリンに続き、「BONES」恋バナ捜査に応じてくれたのはジャック・ホッジンズ役のT・J・サイン。ホッジンズはジェファソニアン法医学研究所に籍を置き、遺体についた虫や鉱物から犯罪現場の状況を割り出す専門家として、ブレナンらとチームを組んでいる有能な博士です。持ち前の反骨精神からか、政府が関わる(と彼が信じている)陰謀の追求にも余念がない変わり者、ホッジンズ。ほかのTVドラマだったら恋愛パートには一見無縁そうなキャラのホッジンズですが、そんな彼にも大きなロマンスが訪れ、シリーズを通して語られていくのが「BONES」の「BONES」らしいところ!彼は同僚のアンジェラと真剣な関係を築き、なかなか発展しないブレナンとブースを差し置いて結婚へとこぎつけます。しかし、シーズン4ではホッジンズとアンジェラにまさかの展開が…。「シーズン1のラストで、ホッジンズとアンジェラは互いを知るようになり、シーズン2で互いをもっと好きになる。それからは彼が彼女にプロポーズし、またプロポーズし、そしてまたプロポーズする状態だったよね(笑)。なのに、彼らはシーズン4の冒頭で、ある変化の時を迎えてしまう。でも、ホッジンズはいまもアンジェラをとても愛しているんだ。いつだって彼はアンジェラが自分の元に戻ってきてくれることを願っているんだよ」。「アンジェラ役のミカエラとはものすごく仲良しだから、彼女と恋愛関係を演じるのはすごく楽しい」とも語るT・Jですが、アンジェラに対するホッジンズの愛を実感できる重要なシーンがいまも心に残っていると言います。「シーズン2で、ブレナンとホッジンズが生き埋めにされる事件が起きただろう?あの事件の最中、恐怖に駆られたホッジンズは仲間のブレナンに心を開き、本音を告白したんだ。アンジェラへの愛という本音をね。それはホッジンズにとって、とても大きな成長だったと思う。その後、彼は気持ちを一層強めていくんだ」。ホッジンズの想いをとうとうと解説するT・Jの姿は、アンジェラを愛するホッジンズそのもの。何だかキュンとしてしまいます。果たして、彼にハッピーエンドは訪れるのでしょうか?「今後ふたりの間に何が起こるか、あまり明かすことはできないけれど、エキサイティングな何かが起きることにはなっているよ。僕自身は元通りの関係に戻ってほしいと願っている。とにかく彼は彼女に夢中だからね。ただ、恋人同士の関係においては、ある程度の余白を保つことも時には大事。ホッジンズとアンジェラ、ブースとブレナンの間には、これからもたくさんのことが起こるだろうね。ふたつの男女関係が、互いを興味深いものへと引き立てる役割を果たしていくんだ。だから、たくさんのことが起こるんだよ(笑)」。ところで、T・J自身は日本が大好きで、3年前のクリスマスには妹さんと一緒に東京を旅したのだとか。「銀座や新宿、六本木に行ったよ。六本木ヒルズなんて大好きだね!また行きたいな…」だそうですよ。最終回となる次回はいよいよブレナン役、エミリー・デシャネルの登場!頭脳明晰ヒロインが恋バナを炸裂させます!(text:Hikaru Watanabe)DVD「BONES−骨は語る−シーズン4」Vol.1〜3レンタルリリース中発売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント© 2009 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.■関連作品:BONESボーンズ [海外TVドラマ]■関連記事:シネマカフェ的海外ドラマvol.123「BONES」恋バナ!捜査ファイル第3回シネマカフェ的海外ドラマvol.122「BONES」恋バナ!捜査ファイル第2回シネマカフェ的海外ドラマvol.121「BONES」恋バナ!捜査ファイル第1回事件の鍵は骨!「BONES─骨は語る─」の美人捜査官、エミリー・デシャネル骨だけが真相を知る!ドラマ「BONES」特製マグカップを3名様にプレゼント
2009年10月22日被害者の遺体の骨から事件の謎を解き明かす女性法人類学者、テンペランス・ブレナンと、タフでマッチョなFBI捜査官、シーリー・ブースがコンビを組み、様々な犯罪に立ち向かう人気ドラマ「BONES−骨は語る−」。数ある犯罪捜査ドラマの中でも高い人気を誇り、シーズンを重ねるごとにファンを増やし続ける「BONES」ですが、その理由はずばり、物語の中で展開する“恋バナ”にあり!?というわけで、今回からは“「BONES」の恋バナ”を徹底フィーチャー!撮影現場にもお邪魔し、各キャストに恋バナのあれこれを熱く語ってもらいました。訪れたのは、シーズン5を撮影中のロサンゼルス、FOXスタジオ。日本ではこれからシーズン4のリリースが始まりますが、アメリカではシーズン5の放送が9月中旬から始まっています。シーズン1からずっと同スタジオで撮影してきた「BONES」だけに、ブレナンが勤めるジェファソニアン法医学研究所やブースのいるFBIオフィスといった、ドラマ内でおなじみの空間がスタジオ内の一角に常設。私たちはFBIオフィスのセット内で、撮影の合間を縫ってインタビューに応じてくれるというキャストたちを待つことになりました。さて、キャストたちの登場を待つ間に、「BONES」の内容を改めてざっとおさらい。冒頭にも触れたように、「BONES」の基本ストーリーは、法人類学者のブレナンとFBI捜査官・ブースがチームとなり、事件の謎を解き明かすというもの。遺体が発見されるたびに、ブースがブレナンに協力を要請するのが各エピソードのパターンであり、1話完結型の物語となっています。と、ここまでは典型的な犯罪捜査ドラマの形態ですが、「BONES」で注目すべきはブレナンとブースの関係!学者としては天才だけれど人間関係構築テクに難アリのブレナンと、いわゆる体育会系で単純明快なブースは固い絆で結ばれており、パートナー以上恋人未満の間柄。本人同士は絶対に認めないけれど、傍から見ればまさに運命のカップル!というのがブレナンとブースなのです。その雰囲気は2人の会話や行動の端々にも表れていて、たとえそれぞれに彼氏彼女がいるときでも、一番大切なのはお互いという事実が一目瞭然。だったら、さっさとくっついちゃえばいいのに!と思わされつつも、そう簡単にくっつくことはなく、かと言ってメロドラマ調のすれ違いが続くわけでもない、新感覚のプラトニック・ロマンスが繰り広げられています。「視聴者がブレナンとブースの関係に注目するよう、最初から期待していたとは言えないけれど、そうなればいいなと思っていたのは事実。彼らの関係がシリーズを動かす原動力になると考えていたし、それが『BONES』をほかの犯罪捜査ドラマとは違うものにしてくれると思っていた」と教えてくれたのはクリエイターのハート・ハンソン。彼はまた、「2人の関係が上手く機能しなければ、シリーズも上手くいかないだろうと思っていた。幸いなことに、ブレナン役のエミリー・デシャネルとブース役のデイビッド・ボレアナズは奇跡を見せてくれたね」とも言っています。というわけで、次回はまず、ブース役のデイビッドに恋バナを語ってもらいましょう。(text:Hikaru Watanabe)DVD「BONES−骨は語る−シーズン4」Vol.1〜310月2日(金)レンタル開始発売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント© 2009 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.■関連作品:BONESボーンズ [海外TVドラマ]■関連記事:事件の鍵は骨!「BONES─骨は語る─」の美人捜査官、エミリー・デシャネル骨だけが真相を知る!ドラマ「BONES」特製マグカップを3名様にプレゼント
2009年10月01日20世紀を代表するファッション・デザイナーであり、現代女性のカリスマ的存在として崇められる、ココ・シャネル。類まれなる才能と反骨精神を糧にして、田舎の仕立て屋のお針子から伝説のデザイナーとなった彼女だが、その成功の裏には、ある一人の男性の存在がいた。彼の名は、アーサー・“ボーイ”・カペル。現在公開中の『ココ・アヴァン・シャネル』で、シャネルが生涯唯一、本当に愛したと言われるイギリス人実業家・カペルを演じた、アレッサンドロ・ニボラに話を聞いた。異国の地・フランスで支えになったオドレイの存在深い教養と先見的な視野を兼ね備え、出会った瞬間にシャネルの心を射止めるカペル。流暢なフランス語でココを口説く紳士に、女性の心は虜に。ニボラは、今回ハリウッドを離れ、異国の地・フランスでこの役に挑んだ。「今回、僕にとっての一番のチャレンジは、やっぱりフランス語で演技をすることだった。とにかくリアリティをもたらすために、言葉に集中しながら、かなり細かく指導を受けながら台詞を覚えました。普段、自分が慣れている仕事のやり方とも違ってとても難しかったよ」。そんな中、主人公・シャネル役のオドレイ・トトゥが、力強い支えになったようだ。「オドレイは何作か英語での役をやったことがあったから、なじみのない言葉で味わう境遇をよく理解してくれたんだ。撮影初日、僕は死にたい気分だったんだけど、彼女が僕を呼んでこう言ってくれたんだ。『最悪なのは最初だけよ、そこからはもう良くなるしかないわ』とね。とても心強いパートナーだった。彼女は、見た目はとても小柄で細くて、脆くてデリケートで純粋な、鳥のような生き物のように見えるけど、実際はタフな女性なんだ。とても野心的だし、知的で強い面を持った女性でした」。フランスでの撮影は3か月にも及んだ。改めてハリウッド映画の撮影との違いを尋ねると、時折いたずらっぽい笑顔を見せながら答えてくれた。「フランスのスタッフとは3か月の撮影の間ずっと一緒にいたから、家族のような気持ちになったよ。アメリカとの違いは、いつも昼にワインとチーズが出ることかな(笑)。そんな贅沢はアメリカでは味わえないからね。あともう一つの贅沢といえば、いつも朝の8時から夜の6時までしか働かないことだね。アメリカのインディペンデント映画では、1日14〜16時間働くのも普通だから。この作品は3か月かかったけど、アメリカだったら1か月で終わってたんじゃないかな(笑)」。また、本作でカギとなるのは、シャネルのスタイルを象徴する衣裳の数々。そのヒントとなったと言われる男性たちの衣裳も然り。目の前で話す、カジュアルルックなニボラと、髭を蓄えスーツを上品に着こなす劇中のカペル、どう見ても同一人には見えないのだが…。「衣裳というのは仮面舞踏会の仮面みたいで、別人のようにちょっと大胆になれますよね。でも今回、撮影の初日に監督に『カウボーイみたいな歩き方をしている。イギリスの貴族に見えないからダメ』と指摘されたんだ。僕としては、労働者階級から出てきた人物だったから、もう少し荒削りのほうがいいと思ったんだけど」。では、お気に入りの劇中のシャネルの衣裳は…?「僕の好きな衣裳は、シャネルとカペルが初めてキスするときに着ている少年っぽい服だね。小さい帽子に、小さなジャケットと短いズボンを合わせて。何でかは分からないけど、すごくセクシーだったよ。実は、(シャネルに言う)『少年の服を脱がせるのは慣れてないんだ』というのが一番のお気に入りの台詞なんだ(笑)」。男性視点での、ココ・シャネルの魅力カペルはシャネルの生涯の恋人であったのと同時に、男性中心の社会の中で、彼女の才能を開花させた立役者の一人でもあった。最後に、カペル役を通して見た、シャネルという女性の魅力を語ってもらった。「シャネルは最初の現代的な女性の一人だったと思います。女性がまだ社会に出て働いていない時代に仕事を持っていたからね。そのためには、多大な勇気と情熱、そしてときには残酷さも必要だったと思うし、それらの要素が彼女の能力と成功を支えていたんだ。現代においても男女関係なく、成功するためにはそんな資質が求められると思うけど、この時代では、常に競争の世界で生きる男性に対して、残酷さに関しては、女性が露骨にそれを出すのは敬遠されていたんだ。もちろん、女性だって残酷さは持ってるけどね(笑)。女性が自分の力を示しつつも女性らしさを保つのは困難なことだけど、シャネルはその両方を持ちあわせていた。そんなうまいバランスをいまの女性は追い求めているんじゃないかな」。■関連作品:ココ・アヴァン・シャネル 2009年9月18日より全国にて公開© Haut et Court - Cine@ - Warnerbros. Ent. France et France 2 Cinema■関連記事:オドレイ・トトゥ、シャネルを熱演!ダンスシーンに「恥ずかしがり屋なので」と照れも“シャネル”オドレイ・トトゥ来日に国民的美少女・工藤綾乃も感激!生まれ変わりたい女優は誰?「MTV」オリジナル携帯ストラップを10名様プレゼントファッション小噺vol.109王道の伝記&ピグマリオン精神に見る“シャネル”ファッション小噺vol.108現役ミューズが演じる“シャネル”伝説
2009年09月21日唯一無二の存在感でファッション界をリード、女性が男性と対等に肩を並べる時代の礎を築くことに多大な貢献をした人物の一人、ガブリエル・“ココ”・シャネル。フランスを代表する女優オドレイ・トトゥをシャネル役に迎え、本国で大ヒットを遂げた伝記映画『ココ・アヴァン・シャネル』がまもなく日本で公開を迎える。9月8日(火)、本作の記者会見が行われ、2年ぶり4回目の来日を果たしたオドレイが作品、そしてシャネルの魅力について語った。駆けつけた多くの報道陣を前にして、感動と緊張で思わず笑いが込み上げてきたというオドレイ。本作で、彼女はお針子として生計を立てながら田舎のキャバレーで歌っていた時代から、人生最大の恋を経験し、パリでデザイナーとしての才能を開花させるまでのシャネルの軌跡を演じきった。伝説のデザイナーを演じてみての新たな発見を聞かれると、「驚いたことは2つあります」と話し始めた。「まずひとつは、彼女が最初はデザイナーを目指していなかったということ。元々は歌手か女優を目指していたことに驚きました。2つ目は、彼女がとても困難な幼少時代を送っていたこと。孤児院で育ち、ほぼ独学で教養を身につけたこと、独自に交流を広げていったことに驚きました」。さらに、同じ女性としてシャネルとの共通点について質問が及ぶと、「生まれた地方が一緒なので、その地独特の容姿は似てますし、同じしし座の女ということで性格的に似ているかもしれない。また、子供の頃から自立心を持っていて、精神の自由をとても大切にしているところは似ていると思います」と共感を示した。キャバレーのシーンでは、もちろんオドレイ本人の生歌&キュートな振り付けの披露もあるが、「私生活でも踊ることは好きですよ、パーティでお酒が入ったときくらいですが。恥ずかしがり屋なので…」と少し照れ気味。加えて「でも、映画の振り付けは簡単だったので、それほど苦労はしなかったです。とても楽しく撮影できましたよ」と笑顔を見せた。この日は白のレースをあしらったフェミニンなブラウスに、黒レザーのタイトスカートと黒のピンヒールで引き締めたコーディネートのオドレイ。自身の好みのファッションを尋ねられ「いろんなものが好き」と答えたが、シャネルの「シンプルでありながらエレガントなところが好きです。彼女の作った服は、時代を先取りしていて、いつの時代も愛されているということがすごいと思う。彼女の並外れた仕事ぶりには敬服します」とも。さらに、お洒落にいそしむ女性に向けて、「私も年齢を重ねるごとにファッションの大切さを痛感しています。女性がデリケートな神経をはらって自分を美しく見せることは素晴らしいですし、洋服は内面の個性を映し出すものなので、常に努力し続けてほしいです」とアドバイスを贈った。最後に、これからの日本公開に向けて、「この映画では、1人の女性を実に見事に描いてます。また、シャネルやファッション以外にも、時代背景がしっかりと描かれているのでいろんな人が楽しめる作品になってると思います」と見どころを語ってくれたオドレイ。数ある出演作の中でも、彼女の代表作となるであろう『ココ・アヴァン・シャネル』は9月18日(金)より全国にて公開。■関連作品:ココ・アヴァン・シャネル 2009年9月18日より全国にて公開© Haut et Court - Cine@ - Warnerbros. Ent. France et France 2 Cinema■関連記事:“シャネル”オドレイ・トトゥ来日に国民的美少女・工藤綾乃も感激!生まれ変わりたい女優は誰?「MTV」オリジナル携帯ストラップを10名様プレゼントファッション小噺vol.109王道の伝記&ピグマリオン精神に見る“シャネル”ファッション小噺vol.108現役ミューズが演じる“シャネル”伝説世紀のデザイナーを熱演オドレイ「知られざるシャネルの喜びや悲しみを伝えたい」
2009年09月09日孤児院での生活から兵士を相手にするナイトクラブでの歌い手、そして田舎の仕立て屋でのお針子としての生活を経て、世界の「シャネル」を一代で立ち上げた天才デザイナー、ココ・シャネル。彼女の知られざる前半生に焦点を当てた『ココ・アヴァン・シャネル』がまもなく公開を迎える。これに先立ち、シャネルを演じたオドレイ・トトゥが来日!9月7日(月)にオドレイが出席してのジャパン・プレミアイベントが開催された。黒いスーツワンピース姿で登場したオドレイ。赤いカーペットが敷きつめられた階段を降りてくる彼女を報道陣はフラッシュの嵐で迎えた。オドレイは集まったファンに「ようこそお越しくださいました。これが4度目の来日となりますが、来るたびに嬉しい気持ちでいっぱいになります。みんなで楽しみながら撮った映画ですので、ぜひ楽しんでください」と呼びかけた。伝説のデザイナーの役を演じたことについては「これまでも何度かシャネル役のオファーはありましたが、この作品ではこれまで明かされることのなかった彼女の若き日の物語が描かれるということで、出演を決めました」と明かした。この日は、スペシャルゲストとして先日、「国民的美少女」グランプリに輝いた工藤綾乃とアナウンサーの内田恭子も登場。工藤さんはオドレイに「シャネルは恋にも仕事にも一生懸命ですが、その点についてどう思いますか?」と質問。するとオドレイは「シャネルは何人分もの人生を歩んでいた人物です。仕事も一生懸命でしたが、恋をすれば彼女は仕事のペースが落ちてしまうんですね。そんなところが人間的な部分だと思いました」と答えた。さらに内田さんが日本人の女性の魅力について尋ねると、オドレイは「日本の女性はとても魅力的。男性につき従うばかりでなく、自立していて美しいと思います」と笑顔で語った。『ココ・アヴァン・シャネル』は9月18日(金)より全国にて公開。■関連作品:ココ・アヴァン・シャネル 2009年9月18日より全国にて公開© Haut et Court - Cine@ - Warnerbros. Ent. France et France 2 Cinema■関連記事:生まれ変わりたい女優は誰?「MTV」オリジナル携帯ストラップを10名様プレゼントファッション小噺vol.109王道の伝記&ピグマリオン精神に見る“シャネル”ファッション小噺vol.108現役ミューズが演じる“シャネル”伝説世紀のデザイナーを熱演オドレイ「知られざるシャネルの喜びや悲しみを伝えたい」オドレイ・トトゥ&シャーリー・マクレーンそれぞれのシャネルが映す女の生きざま
2009年09月08日8月8日(土)の公開が決まった映画『ココ・シャネル』。前回ご紹介した『ココ・アヴァン・シャネル』が、シャネル王国を築くきっかけとなった最初の成功まで、つまりガブリエルの半生を綴ったものでした。対してこちらは、すでに有名となり、第二次世界大戦後、15年の沈黙を破って復帰しようとする70歳のココ・シャネルが、自らの人生をふり返るというスタイルをとっています。子供時代から、成功した後まで一気にふり返るので、やや急ぎ足の印象も。『ココ・アヴァン・シャネル』に比べて、当然ながら濃度は薄め。でも、シャネルについて伝記を読むようにいろいろ知りたいと思ったら、まずはこちらから観るのがおすすめです。公開時期も、シャネル関連映画の中で最も早いことですし。本作の比類ないところは、伝説の女優シャーリー・マクレーンが、伝説のデザイナーを演じるところ。服によって、女性の意識、そして女性自身のあり方を因習から解放した歴史的人物。すでに名声を得て、伝説となっている人物を演じるには、それ相応の迫力というものが必須となりますが、マクレーンなら文句なし。自らの人生をふり返るシャネルが、要所要所で入れるコメントが、解説を加えているようにも感じられ、現代にも強い影響を与えている女性像が見えやすく描かれています。もう一本のシャネル関連の話題作は、去る5月に行われた第62回カンヌ国際映画祭のクロージング作品、ヤン・クーネン監督の『シャネルとストラヴィンスキーシークレット・ストーリー』(原題:Coco Chanel & Igor Stravinsky)です。恋多きココと、彼女が愛し、サポートしたロシアの作曲家イーゴリ・ストラヴィンスキーとの関係を描いています。見どころは、シャネルの現デザイナーであるカール・ラガーフェルドが直々に手がけたという衣裳。彼のお気に入りで、シャネルの顔としても活躍したアナ・ムグラリスが主演しているのも、あまりに出来すぎ。『ココ・アヴァン・シャネル』も、衣裳はシャネルから協力を受けていますから、さすがはフランス作品と唸らされます。さて、『シャネルとストラヴィンスキーシークレット・ストーリー』に描かれているように、ココは多くの芸術家を無名時代から支えています。ストラヴィンスキーはもちろん、パブロ・ピカソ、ルキノ・ヴィスコンティ、ジャン・コクトーら、『ココ・シャネル』でもその名が登場しています。そんな彼女に敬意を表し、“ピグマリオン”と呼ぶ人もいます。ギリシャ神話に語源を持つ“Pygmalion”とは、才能を信じ、支援して、開花させる人という意味。実は、彼女のピグマリオン精神はいまもブランドの核として息づいています。その典型が、「CHANEL PYGMALION DAYS CLASSICAL CONCERTS」。2005年からスタートしたこのプログラムは、若手音楽家たちを育てるために始まったプロジェクトの一環。今後の成長を見守り、応援していくというもので、シャネル銀座ビルディング4階にある「CHANEL NEXUS HALL」にて、無料で聴くことができます(抽選制)。私も何度か通いましたが、有名な演奏家とは、素人が聴いても明らかに違います。でも、演奏が楽しくてしょうがない気持ち、観客に語りかけようとする姿勢、フレッシュな魅力に満ちあふれていて、今後が楽しみ、頑張ってほしいなという気持ちが湧いてきます。資金で援助できなくても、こういった場に足を運び、演奏家に応援の気持ちを向けるだけでも、きっと意味のある援助となるはず。芸術家にとっても、数多くのLIVEを経験して場数を踏むということは大切なことですから。シャネル銀座ビルディングで体験する、ガブリエルのピグマリオン精神。シャネル関連の映画とともに、ぜひ味わってみてください。シャネル銀座ビルディング(text:June Makiguchi)■関連作品:ココ・シャネル 2009年8月8日よりBunkamuraル・シネマ、TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2009 ALCHEMY/PIX ALL RIGHTS RESERVED.シャネル&ストラヴィンスキーシークレット・ストーリー 2010年、シネスイッチ銀座、Bunkamura ル・シネマほか公開ココ・アヴァン・シャネル 2009年9月18日より全国にて公開© Haut et Court - Cine@ - Warnerbros. Ent. France et France 2 Cinema■関連記事:世界で最も有名なデザイナー、伝説の物語『ココ・シャネル』イベント付き試写会に10組20名様をご招待ファッション小噺vol.108現役ミューズが演じる“シャネル”伝説世紀のデザイナーを熱演オドレイ「知られざるシャネルの喜びや悲しみを伝えたい」オドレイ・トトゥ&シャーリー・マクレーンそれぞれのシャネルが映す女の生きざま
2009年07月10日今年は、エンタメ界に素敵なシンクロニシティが起こりました。ファッションデザイナー、ガブリエル・シャネルの生涯を描いた作品が、2009年だけで3本も誕生。大地真央主演に舞台も上演されるなど、今年はまさにシャネル・イヤーなのです。シネマカフェ読者にも、シャネルのファンは多いはず。女性なら一度はシャネル・スーツに身を包んでみたいという想いがあるのではないでしょうか。数々の功績と伝説に彩られた、ココ(シャネルの愛称)の人生については、ある程度は知られています。でも、まだまだ知らないことはいっぱい。そんなココの生涯を、違った視点で辿ることができるのですから、ファッションに関心のある人にとってはこの上ない喜び。もちろん、ファッションにはそれほど興味がないという人にも、時代を築いた女性の一代記として十分に見応えを感じられるはずです。そんな作品たちの中で、成功するまでのガブリエル・シャネルの軌跡を辿っているのが、『ココ・アヴァン・シャネル』。直訳すると、シャネル以前のココ。つまり、“シャネル”としての名声を得る前の無名時代を中心に描いています。シャネル初心者にとっては、最も親しみやすい作品かもしれませんね。シャネルという魅力的な人物が形成されていった時代性、彼女の成功を後押しした数々の出来事、成功の影で犠牲になった平凡な幸せなど、背景もきちんと描かれているので、シャネルというブランドの精神や、その魅力の必然性などを感じられると思います。もちろん、「シャネルについてはいろいろ知っている」という大ファンが痺れるような仕掛けもいっぱい。ココが実際に所有していたアクセサリーが登場したり、コンセルヴァトワール・シャネルの協力により貸し出されたドレスとジュエリーが登場したり。特にファッションショーのシーンは注目。モデルたちが着用しているのは、衣裳ではなく全てが本物のシャネル。大変な眩さでした。ところで、オドレイがシャネルを演じるのでは「キュート過ぎるのでは?」と思うかもしれませんが、なかなかどうして。ボーイッシュ=中性的な魅力で、女性の社会進出の基礎を築いた芯の強さや、“デコラティブ”の対極にある“シンプル”を体現。意志の強そうな大きな瞳が、ココが秘めていたであろう情熱を、エレガントに魅せてくれました。しかも、彼女はシャネルNo.5の現役ミューズ。広告用フィルムの監督は『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ。以前、ニコール・キッドマンと『ムーラン・ルージュ』のバス・ラーマン監督が組んだ映像も話題となりましたが、今回も映画界のゴールデンコンビならではの、ドラマティックな映像が楽しめます。「CHANEL No.5 THE FILM」はシャネルの公式サイトで鑑賞可能。9月の『ココ・アヴァン・シャネル』公開までちょっと時間がありますから、それまではNo.5の映像を味わってみてください。次回は、シャネルを描いたほか2作をご紹介します!(text:June Makiguchi)『ココ・アヴァン・シャネル』公式サイトシャネル公式サイト■関連作品:ココ・アヴァン・シャネル 2009年9月、全国にて公開© Haut et Court - Cine@ - Warnerbros. Ent. France et France 2 Cinema■関連記事:世紀のデザイナーを熱演オドレイ「知られざるシャネルの喜びや悲しみを伝えたい」オドレイ・トトゥ&シャーリー・マクレーンそれぞれのシャネルが映す女の生きざま
2009年06月12日