『マトリックス』シリーズのキアヌ・リーブスと『シザーハンズ』のウィノナ・ライダーが4度目の共演を果たす『Destination Wedding』(原題)が、『おとなの恋は、まわり道』の邦題で12月に日本公開決定し、予告編も到着。2人は個性が強すぎて恋愛も人生もうまくいかない男女という、インパクト絶大のキャラクターに挑む。■ストーリーイケメンだけどヘンクツなフランク(キアヌ・リーブス)。美人なのに、ドクゼツが止まらないリンジー(ウィノナ・ライダー)。気が付けば、“おひとり様”記録を更新中のふたりが、最悪の結婚式に招待された。花婿は、フランクが絶縁中の異父弟で、リンジーを捨てた元婚約者なのだ。出会った瞬間から、互いに感じ悪さ爆発のふたりだったが、言い合いを繰り返すうちにお互いに惹かれ始める。しかしこれは、なかなか素直に恋に落ちることができない、大人の恋の始まりだった――。■キアヌ・リーブス&ウィノナ・ライダー、およそ10年ぶり4度目の共演!“絶縁した家族の結婚式”に出席するフランクと、“元婚約者の結婚式”に出席するリンジー。独身生活が長くてお互いにもういい歳をした大人だが、口論や会話を重ねるうちに、徐々にお互いの共通点に気づいていく…。本作は、いまさら自分は変えられないけど、素敵な恋はしたい。そんな全ての人に贈る、“まわり道”ラブストーリーだ。出演するのは、『ドラキュラ』『スキャナー・ダークリー』『50歳の恋愛白書』に続き、今作が4度目の共演となるキアヌとウィノナ。『ドラキュラ』では本物の司祭を呼び、正式な儀式にのっとって結婚シーンを撮影したそうで、2人の結婚は成立していたとかいないとか…。今回は脚本を気に入ったウィノナが、キアヌに脚本を送ったことで実現。共演を重ねてきた2人だから実現できた掛け合いに注目だ。■個性強めなキャラを好演!今回キアヌが演じるのは、ヘンクツで憂鬱な男フランク。キアヌは「ものすごく不安定で人間嫌いだけど、僕は彼のウィットが好きだし、苦しみも理解できる」と演じるキャラクターについて語り、「愛は多くの人にとっては良いものかもしれないが、彼には大きな不幸をもたらして終わるだけのもの。だったら最初から痛みを感じずに済むように関わらなければいいと思っている。だけど彼はリンジーと出会って、彼女に惹かれていく自分に気づき、自分の過去を乗り越えようとするのです」とコメントしている。そして、ウィノナが婚約者に結婚式を目前にして棄てられた過去を持ち、運命の恋を信じられなくなった“毒舌ヘリクツ女”リンジーを演じる。本作の監督を務めたヴィクター・レヴィンは、ウィノナについて「彼女のようには誰も演じられない。この自然なウィノナらしさは誰にも真似できないんだ。彼女はキャラクターを本能で理解している。だから簡単に自分を開放して、自然に演じられるんだ」とまさにハマり役と大絶賛している。■最悪な結婚式での出会い――予告編公開決定と同時に到着した予告編では、キアヌ演じるフランクとウィノナ演じるリンジーが、全く祝う気になれない最悪の結婚式での出会いからスタート。キアヌのキャリアの中でもトップクラスの変人男は、キスをしても相手に「心は開かないからな」と言い放つ始末。一方の“ヘリクツ女”は、元婚約者の結婚式に「過去との決別のため」という理屈で出席するも、逆に上手くいっていないいまの自分にヘコんでしまう…。キアヌ・リーブス×ウィノナ・ライダー、輝き続ける2人が贈るスパイスのきいた大人のラブストーリーをまずはこちらから覗いてみて。『おとなの恋は、まわり道』は12月、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2018年09月14日5月30日、清水国明(67)が4度目の結婚をしていたと一部週刊誌が報道。さらに、妻は妊娠中だという。 15年の秋には前妻と離婚していたようだが、「ごく限られた人にしか伝えていません」と明かした清水。お相手のA子さんは、清水より25歳年下の42歳。14年にテレビの仕事を通じて知り合い、交際へと発展。妊娠がキッカケで3月に入籍し、出産予定は11月だという。 翌31日、「あのねのね」で相方を務める原田伸郎(66)が「ノンストップ!」(フジテレビ系)の電話インタビューに応じた。原田は清水の4度目婚について、こう驚きを表現した。 「前の奥さんとはもう離婚したんですか?すみません、お騒がせして……」 2カ月前にも打ち合わせで、清水に電話をしたという原田。しかし何の報告もなかったようで、番組スタッフから11月には子供が産まれると聞かされると「えー!子供もですか?子供もできたんですか?」と仰天。「それは初めて聞きました。僕には前もって言っておいてほしかった」と苦笑した。 原田は「ぼくを何だと思ってるのか。相棒だと思ってないんでしょうね」と本音を漏らしつつ、こう結んだ。 「いい加減にしないとダメですよ、5回目、6回目があったら……。それが心配」 ネットでは清水の年齢を踏まえ、「家族が心配」と慮る声が上がっている。 《子供が20歳になると清水氏は87歳になる。元気な人はおられるが、日本の男性の平均寿命を大きくオーバーしている。人の事だが心配だね》《年齢のこともあるし、介護とか始まったら奥さん大変じゃないかな》《生まれてくる赤ちゃんを幸せにして欲しいです》 いっぽうで、「夢のある話」といった男性たちからの声も。 《夢のある話やないか》《清水国明さん67才で4度目の結婚!!1度くらい分けて頂けないでしょうか》《女性から見たこの人の魅力ってなんなんだろう、経済力と優しさとかなのかな》
2018年05月31日名作映画『レインマン』の、日本で3度目となる舞台化が決定。今回は2008年に発表されたロンドンのウエスト・エンド版の翻訳上演となり、上演台本と演出を松井周が務め、サヴァン症候群の兄・レイモンドを椎名桔平が演じる。【チケット情報はこちら】松井は自身が主宰する劇団“サンプル”を今年再始動させるほか、俳優としても活躍する多才な人物。今回オファーを受けた決め手として松井は、脚本の面白さを第一に挙げる。「すごく練られたホンで、人と人が会話している楽しさが、そのまんま作品になっているんですよね。だから上演台本を書くうえでもあまり変えられなくて。ただライブ感のある会話にはしたかったので、しゃべりやすい、思わず言ってしまうような言葉には変えています。そういった無意識というか、登場人物たちが無防備に過ごしている感じを、うまく舞台に上げられたらいいですね」レイモンド役の椎名は、2006年、2007年の鈴木勝秀演出版で、ともに弟のチャーリー役として出演。それだけに松井は「共犯者になって欲しいというか、一緒にこの舞台をつくっていければ」と椎名への期待感を滲ませる。一方椎名は「レイモンドが難役なのは、過去に目の前で見てきたわけですから…」と苦笑い。「ただ僕が(当時レイモンドを演じた)橋爪功さんと同じうまみを出せるかといえば、そこでは勝負出来ない。だから例えばこの人がこういう心理状態にある時、体をどう作動させているかなど、ひとつひとつ自分の中で消化していくことで、自ずとこの役の動きや話し方といったものが生まれていくんじゃないかと思います」と、新たなレイモンド役に臨む心境を明かした。そんな椎名の言葉に、「今の話を聞いて、ご一緒するのがさらに楽しみになりました」と松井。「やっぱりその人がそうなってしまう理由というのは、誰かの模倣ではなく、その体の、心の中にあるわけですからね。それがお客さんにとっても一番強い表現になるはずなので」と語ると、椎名も「やはり、そういった役への深い探求が出来るのが舞台の稽古であり、とても贅沢な時間。優れた演出家の方に、“それは違うぞ”とかいろいろ言われるのは、役者にとっては大きな喜びでもありますから」と笑う。すると松井も「そこは僕も一緒に楽しみたいですね」と、これから始まる稽古の充実ぶりを予感させ、さらに「その中でお客さんがグッと惹きつけられるような、濃密な空間をつくっていけたらと思います」と抱負を述べた。公演は7月20日(金)より、東京・新国立劇場中劇場にて。その後、静岡、福岡、大阪、宮城、愛知を巡演する。取材・文:野上瑠美子
2018年05月30日アーティスト・俳優として活躍する福山雅治が、細田守監督最新作『未来のミライ』で物語の核となる人物を演じていることが分かった。『そして父になる』『三度目の殺人』などで俳優として活躍し、現在公開&放送中の『名探偵コナン ゼロの執行人』や「正義のセ」では主題歌を担当するなど歌手としても絶大な支持を受ける福山さん。細田監督とはかねてより親交があったそうだが、作品を一緒に創作するのはこれが初めてとのこと。細田監督は昨年から物語の中核を担う“ある役”についてのオーディションを積み重ねていたが、キャスティングは難航。しかし、今年に入って2人が再会したとき、細田監督はずっと探していたその“ある役”=「青年」のイメージと、福山さんの人間性が重なることに気付いたのだそう。そんなこの「青年」は、上白石萌歌が声をあてる主人公のくんちゃんが時をこえた旅先で出会う物語のキーパーソン。予告編でくんちゃんを馬やバイクに乗せ、さっそうと走る姿が話題となっていた人物だ。本人役でのカメオ出演はあるものの、福山さんがアニメーション映画へ本格的に出演するのは今回が初めて。「細田監督作品の住人になれる機会をいただけたことを大変嬉しく思います」と心境を明かす福山さんは、「収録前に、まだ絵も音も完成してない映像資料を観させていただきましたが、その段階ですでに、心引き込まれ感動出来るこの作品が持つ力に驚きました」と作品の印象を語る。また、「歌うということを仕事にしながらも、声で役を表現することはほぼ未経験なので、現場では恥ずかしながらすべてに緊張し、そしてすべてに刺激を受けました」と収録をふり返り、「今作品の完成を、これまで通り細田監督のいちファンとして心待ちにしています」とコメントしている。『未来のミライ』は7月20日(金)より全国東宝系にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:未来のミライ 2018年7月20日より全国東宝系にて公開ⓒ 2018 スタジオ地図
2018年05月09日『三度目の殺人』『そして父になる』の是枝裕和監督が手掛ける渾身作 『万引き家族』の完成披露試写会&舞台挨拶が4月25日(水)に行われ、リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林ら“家族”が全員で登場した。祝・カンヌ国際映画祭出品決定! 発表後初、“家族”全員で登場5月8日より開催される「第71回カンヌ国際映画祭」にてコンペティション部門へ正式出品することが決定し話題となっている本作。決定後、初めて“家族”全員での登場となった今回のイベントでは、父・治役のリリーさんは「やっと観ていただけると思うと非常に嬉しく感じます。是枝監督がまたすごいものをつくったので是非ご覧ください」と思いを述べ、妻・信代役の安藤さんは「この家族がまた久しぶりに集まったのでとても嬉しいです」とコメント。是枝監督も「先週初号試写で今日は完成披露試写ということでできたてホヤホヤなので、このようなかなりスピード感でこうゆう形でお届けできてちょっとびっくりしています。どんな風に観ていただけるか楽しみにしています」と挨拶した。また、カンヌのコンペティション部門への出品は『海街diary』以来3年ぶり、5回目の出品となる是枝監督は、「このスピードに追い付くのが精いっぱいという感じです。とても素晴らしいことなんですけど、喜び合う手前で止まっています(苦笑)」と現在の心境を明かし、続けてリリーさんは「俺の情けなさぶりを世界にみてもらおうと思います」と語っていた。今回、是枝組初参加となった安藤さんと松岡さんは、「産後初めての作品になったことやこの先どうするかも決まっていなかったので、このタイミングでこの作品に参加することができて本当によかったです」(安藤さん)、「想像よりも早く参加できたことは本当に有難く思っていて、参加してみると自分の居場所はここだったんだなって思えるほど息のしやすい現場でした」(松岡さん)と2人とも参加できてよかったと話している。オーディションで選ばれた子役2人、キャスティング理由は…さらに、これまでにも多くの作品で子どもたちを撮ってきた是枝監督。今作でも息子・祥太役に城桧吏、治に拾われ家族の娘になるゆり役に佐々木みゆと子役を起用。2人はオーディションで選ばれたそうで、是枝監督は桧吏くんについて「オーディションで部屋に入ってきたときにこの子だってピンときた。いつまでも見てられると思った」と、みゆちゃんについては「オーディションで部屋の隅でポテトチップスを食べるシーンを演じてもらったんですが、そのポテトチップスの食べ方がよかった(笑)」とキャスティング理由を明かす。一方、桧吏くんは「最初は緊張したけど、わかりやすく教えていただいて温かな現場でした」と撮影をふり返ると、リリーさんは桧吏くんの語尾の上がった喋り方が気になったようで、「なんだよ、なんで語尾が上がんだよ。大宮のキャバクラ嬢みたいだぞ」とツッコミ。そんな軽妙な掛け合いに会場は笑いに包まれ、そして今回お芝居が初めてだったというみゆちゃんは先ほどの起用理由を聞いて「とても嬉しかった!」と元気よくコメントし、“母”安藤さんの顔を綻ばせていた。“劣化版”『海街diary』!?また、撮影現場の写真と一緒に思い出をふり返る場面では、昨年の夏に2日間だけ先にクランクインされた海での写真が披露。台本も完成していない中家族6人での撮影だったそうで、リリーさんは「なんか劣化版の『海街diary』みたいだな」とボソリ…。安藤さんも「そうそう、ポスタービジュアルの縁側の写真も劣化版の『海街diary』みたいなね…」と言うと、続けてリリーさんが「あのポスタービジュアルの家族の笑顔と『万引き家族』ってタイトルみると、ソフトバンクの新しい家族割りみたいだよな」と話し、会場は大爆笑!次にオフショットが公開されると、リリーさんが現場スタッフやキャストのために用意した駄菓子のクリスマスツリーのことに触れ、「祥太がカラムーチョがないってクレームいうから急きょ付け足したんですよ」と明かすと、「いってないです!」と桧吏くんに怒られる一幕も。最後に是枝監督は「各世代、いま一番撮りたいと思う役者さんで映画をつくりました。撮影中、みなさんの演技をみながらどんどん作品のテーマも浮かび上がってきて、とても稀有な現場だと感じていましたし、シリアスな作品ではありますが、とても幸せだと思える作品になりました。濃密な時間を過ごせたことが作品からも伝わるかと思います」とコメントしていた。『万引き家族』は6月8日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2018年04月26日『三度目の殺人』の是枝裕和監督最新作『万引き家族』が、第71回カンヌ国際映画祭“コンペティション部門”に正式出品されることが決定。是枝監督は、「こんな小さな作品に目を留めて頂いて感謝しています。素直に嬉しいです」と喜びのコメントを寄せている。是枝監督の長編13作目となる本作は、様々な“家族のかたち”を描き続けてきた監督が、「この10年間考え続けてきたことを全部込めた」と語る、渾身の一作。是枝監督作品としては、今回でカンヌ国際映画祭への出品は7回目。またコンペティション部門では、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが4姉妹を演じた『海街diary』から3年ぶり5回目の出品に。また、『誰も知らない』では主演を務めた柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞、『そして父になる』では審査員賞を受賞し海外からも注目を集める是枝監督作品とあって、今回も賞の行方に大きな注目が集まること間違いなしだ。今回の出品決定について是枝監督は、「5度目のコンペということで『賞レース』とか『意気込み』とはちょっと違う感慨もあって、本来の祭の目的である、映画という豊かな文化に触れて、今後の自分の映画作りの課題を見つけるようなゆったりとした時間にしたいなあと思っています」とコメント。息子と協力して万引きを重ねる父・治役として出演しているリリー・フランキーは、「普遍的な家族の問題と、いま世界で同時期に起きている家族にまつわる社会問題。絆、金、善悪、生と性。是枝さんの切り取った、見過ごしてしまいそうで、決して見逃してはいけない日常の表裏がカンヌ映画祭に評価されたことを、心から嬉しく思い、また誇りに思います。是枝監督おめでとうございます」と喜び、その妻・信代役の安藤サクラも、「憧れのカンヌ国際映画祭!しかもコンペティション部門!凄い!おめでとうございます!東京の谷底で黒い粒子にまみれてたあの汚ったない家族がカンヌで赤絨毯とは!かっこいいなぁ。監督、おめでとうございます!万引き家族の行方が楽しみです」と祝福した。『万引き家族』は6月8日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2018年04月12日3月2日に都内で授賞式が行われた「第41回日本アカデミー賞」で、女優の広瀬すず(19)が「三度目の殺人」で最優秀助演女優賞を獲得した。 昨年は優秀主演女優賞と優秀助演女優賞をW受賞したが、最優秀賞に輝いたのは今回が初めて。広瀬は「うれしいです」と感激の面持ちで、「いろいろな作品で少しでも力になれる役者になれるよう頑張ります」と今後の女優としての成長を誓った。 「続々と主演作が舞い込んでいる広瀬さんですが、むしろ演技が評価を受けているのは脇役の作品が多いんです。また助演で賞を受賞しているのは、是枝裕和監督『三度目の殺人』と『海街diary』、李相日監督の『怒り』。2人ともなかなか厳しい監督として知られています。徹底的に追い込まれることによって、広瀬さんの女優としての潜在能力が大いに発揮されたのではないでしょうか」(映画ライター) 若くして主演と助演のいずれもこなせる。そうした点を高く評価する声が上がっているという。 「今後も、しばらくオファーが途切れることはなさそうです。ほかの芸能プロは“第2のすず”になり得る人材の発掘・育成に尽力しているが、なかなかそこまでの逸材はいない状態。同年代の女優陣では“一人勝ち”が続きそうです」(芸能プロダクション関係者) 3月17日からは主演シリーズの完結編「ちはやふる-結び-」が公開される。今度こそ、主演での戴冠が期待される。
2018年03月05日第41回日本アカデミー賞の授賞式が2日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催され、是枝裕和監督の『三度目の殺人』が作品賞を含む6部門(監督賞・脚本賞・編集賞・作品賞・助演女優賞・助演男優賞)で最優秀賞を獲得した。授賞式の締めくくりに最優秀作品賞が発表され、ステージ上で喜びを分かち合った出演者とスタッフ。広瀬すずは同作で最優秀助演女優賞も受けていたことから「お腹が痛いです」と笑顔を見せて笑いを誘い、「すてきな景色を見させていただきました。ありがとうございます」と感謝の言葉を伝えた。一方、個人で3冠(監督賞・脚本賞・編集賞)を達成した是枝監督は、「チャレンジの連続だったものがこういう形で評価をいただいて、本当にうれしく思っております」とあいさつし、「まだまだ映画よく分からないなというのが正直な感想なので、さらにまたこの受賞を糧にしてもう一歩先に進みたいと思います」とさらなる躍進を誓う。また、最優秀監督賞のスピーチでは、「現場で脚本があまりに変わっていくので、プロデューサー陣が『本当にやばいんじゃないか』ということが度々ありました」「ヒリヒリするような時間を何度もこの映画のプロセスで過ごしたんですけど、最終的には信頼していただいた」と苦労話も。この日、主演の福山雅治は欠席。是枝監督は、「中心には福山雅治さんがいてくれて。僕が悩んで先が見えなくなった時に、『大丈夫ですよ。音楽もそういう時に一番良いものが生まれたりしますから』と常に僕を信頼して任せてくれました」と語り、「まずそのことに本当に感謝していますし、彼のもとにも届けたいと思います」と秘話を明かしていた。
2018年03月02日「第41回日本アカデミー賞授賞式」が3月2日(金)に開催され、『三度目の殺人』が最優秀作品賞を受賞した。10部門において優秀賞を受賞している『三度目の殺人』は、作品賞以外にも、最優秀監督賞、最優秀脚本賞など、計6部門で最優秀賞を受賞し、圧倒的な強さを見せた。なお、最優秀主演男優賞は『あゝ、荒野 前編』の菅田将暉、最優秀主演女優賞は『彼女がその名を知らない鳥たち』の蒼井優、最優秀助演男優賞は『三度目の殺人』の役所広司、最優秀助演女優賞は広瀬すずが受賞した。『三度目の殺人』は、是枝裕和監督が法廷を舞台に、狭い接見室のガラス越しに展開される弁護士と犯人のただならぬ攻防を描いた心理サスペンス。殺人の前科のある三隈(役所さん)が、解雇された工場の社長を殺害。犯人の国選弁護士(福山雅治)は、死刑確実といわれる判決を無期懲役に持ち込もうと意気込む。だが、三隈は接見のたびに供述を変え、被害者の娘(広瀬さん)との接点も明らかになるなど、裁判は迷走していく。坦々としたやり取りに、手に汗握る緊迫感が加えられた芝居と演出が光る作品だ。個人でも最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀編集賞の3冠に輝いた是枝監督は、恐縮の面持ちで「現場で脚本があまりに変わっていくので、プロデューサー陣が“これは本当にやばいんじゃないか”と、何度か会議室に呼ばれました。この規模のものを、オリジナルの脚本を書いた人間が監督をするというレアなケースだと思いますが、信頼していただけて感謝をしています」と想いを込める。そして、授賞式にはいなかった主演の福山さんに向けて、「福山雅治さんが、僕が悩んで先が見えなくなったとき、常に“大丈夫ですよ、音楽もそういうときに、いいものが生まれたりするから”と、信頼して任せてくれました。本当に感謝しています。彼のもとへ届けたいと思います」と、心のこもったメッセージを送った。是枝監督とともにステージに立った広瀬さんは、「なんか…お腹が痛いです。素敵な景色を見させていただきました。ありがとうございます」と告げ、役所さんも「原田組(※『関ケ原』で優秀男優賞を受賞)と是枝組の間に挟まって、複雑な気持ちですが…、おめでとうございます、監督!」と笑顔で祝った。(cinamacafe.net)■関連作品:三度目の殺人 2017年9月9日より全国にて公開© 2017フジテレビジョンアミューズギャガ
2018年03月02日『三度目の殺人』の役所広司が、第41回日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞を受賞。これまで幾多もの最優秀賞を受賞してきた役所さんだが、助演男優賞における最優秀受賞は初となった。役所さんは、「もしかしたら…っていう気持ちはあったんですけど。本当に感謝しなければいけない。是枝監督、ありがとうございました」と微笑みをたやさず、檀上から是枝裕和監督に語りかけた。助演男優賞には、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』より西田敏行、『家族はつらいよ2』の西村雅彦、『探偵はBARにいる3』の松田龍平、『武曲 MUKOKU』の村上虹郎、そして、『三度目の殺人』と『関ヶ原』の2作品より役所さんが選出・受賞され、その中から『三度目の殺人』での受賞となった。役所さん自身、初めての是枝組参戦となった『三度目の殺人』では、殺人の前科があり、解雇された工場の社長を殺害したとされる容疑者・三隈を演じた。7回にわたる接見室でのシーンでは、供述を二転三転させ、事件の闇深さを体感させた。初の是枝組について、役所さんは「本当にずっと作品のファンで、どうやって撮影しているのか、現場を1回見てみたい、出てみたいと思っていました。だから、やっと叶った。監督の粘り強さはすごかったですね」と述懐。是枝監督も、「今回は僕も念願叶ってご一緒できて。本当に目の前で役所さんが演じているのを見ながら、“演出って何だろう”と考えさせられてしまうくらい、僕が脚本に書いたもの以上を提示されているので、見逃さないでいるので精いっぱいでした。本当に勉強になりました」と名優に言葉を尽くした。受賞スピーチにおいて、役所さんは「映画の仕事をさせてもらってから随分たちますけど、アカデミー賞の会場に来ると、素晴らしい監督やスタッフの人たち、日本映画を支えてきた人たちに会うのが楽しみで。影響を受けたり、教えられたり、真似をして日本映画の中でずっと働かせてもらっています」と、自身の道のりとともに映画業界への愛情を表現。「今回は、本当に素晴らしい賞をいただきまして、ありがとうございました。今度の映画では、福山さんとの芝居が多くて、本当にふたりで作り上げました、感謝したいと思います。年を取ってきましたけど…(笑)、この賞をきっかけに、これからも、もうしばらく頑張っていこうと思います」と、変わらず俳優として歩んでくれることを約束した。(cinamacafe.net)■関連作品:三度目の殺人 2017年9月9日より全国にて公開© 2017フジテレビジョンアミューズギャガ
2018年03月02日「第41回日本アカデミー賞」授賞式が3月2日(金)に開催され、最優秀助演女優賞部門で『三度目の殺人』の広瀬すずが受賞。19歳にして、3年連続の優秀助演女優賞を受賞していた広瀬さんは、「三度目」にして最優秀助演女優賞に輝き、うれしさをグッと噛み締めながら感激のスピーチを行った。優秀助演女優賞には広瀬さんのほか、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の尾野真千子、『探偵はBARにいる3』の北川景子、『家族はつらいよ2』の夏川結衣、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の薬師丸ひろ子と、新旧実力派女優陣がそろい踏みとなる中、最年少の広瀬さんが受賞の快挙を成し遂げた。『三度目の殺人』は『そして父になる』『海街dairy』などで家族を描き、日本アカデミー賞を始め、国内外の賞を受賞してきた是枝裕和監督が、舞台を法廷に移して挑んだ心理サスペンス。広瀬さんは是枝監督と2度目のタッグを組み、劇中、被害者の娘で事件のカギを握る、脚の不自由な高校生役を強く演じた。『海街dairy』をふり返って、広瀬さんは「前回、台本をいただかないでやったので、今回はいただきながらの撮影なので、ちょっと恥ずかしい気持ちになりました。今日やるシーンを知っている自分が恥ずかしかったです」と気恥ずかしそうに語った。是枝監督は「この間に、すごくいろいろな監督たちといい仕事をして、キャリアを積んで戻ってきた。一緒に仕事ができて、すごく肝が据わったというか、大きく育っているなと。ついていくのに精いっぱいでした」と、絶大なる信頼を寄せ、広瀬さんを讃えた。受賞の発表があった後、一瞬きょとんとした表情を見せた広瀬さんは壇上に上がると、プレゼンターの妻夫木聡からブロンズ像を受け取ると、ようやく笑みを見せた。「本当にありがとうございます。何をしゃべればいいか、わからないんですけど…」と言葉をつまらせるも、「やっぱり一番こみあがってくるのはうれしい、です。(是枝)監督には、いつも見たことのない景色をたくさん見せていただくので、これからも少しずつでも恩返しができるように」ときっぱりと言い切った。そして、「自分が参加させていただいた作品に、少しでも力になるような役者さんになれるように、これからも頑張ります」と真摯に語った。(cinamacafe.net)■関連作品:三度目の殺人 2017年9月9日より全国にて公開© 2017フジテレビジョンアミューズギャガ
2018年03月02日『熱海殺人事件 CROSS OVER 45』が、2月17日に東京・紀伊國屋ホールで開幕。それに先駆け、公開ゲネプロと囲み取材が行われ、味方良介、木﨑ゆりあ、α-X’sの敦貴と匠海、NON STYLEの石田明が登壇した。【チケット情報はこちら】つかこうへいが1973年に文学座に書き下ろした代表作「熱海殺人事件」。その45周年上演となる本作は、演出を岡村俊一が手掛け、昨年はじめて木村伝兵衛部長刑事を演じた味方が引き続き同役を務めるほか、水野朋子婦人警官を木崎ゆりあ、犯人・大山金太郎をWキャストで敦貴と匠海(公開ゲネプロには匠海が出演)、富山から来た田舎の刑事・熊田留吉を石田という布陣で上演される。囲み取材で、味方は「45周年ということでかなり気合いが入っているとともに、稽古を通して、このメンツなら絶対に勝てるという確信があります。ぜひたくさんの人に観てもらい、『「熱海殺人事件」ってすげーな』『演劇っていいな』と思ってもらえるように精一杯やっていきます」と熱くコメント。木崎は「この作品に出会えてよかったと心から思っています。観に来てくださる方にもそう思ってもらえるように、しっかり届けられたら」と笑顔。Wキャストで出演する敦貴は「歴史ある作品に貢献できるよう全力でがんばります!」、匠海は「僕にしかできない大山金太郎をやろうと思っています!」と共に緊張を漂わせる。石田は「この中で私はダントツ年上で踏んできた場数も違うので、羽生(結弦)くんばりのノーミスで届けたいです。そのくらいの気持ちでみんなを引っ張っていけたら!」とキャスト達を笑わせる。稽古を振り返り、木崎が長台詞への苦労を明かすと、味方は「稽古開始当初は正直、『これ完成するのかな』と思ってましたけど、長台詞をきちんと使いこなして、意味を捉えながら発するパワーを感じて。稽古って裏切らないんだなと学びました」と語り、石田も「ここ1か月は(稽古後も)ずっと舞台の話をしていた。それがちゃんとカタチになってる」と自信をのぞかせた。公開ゲネプロでは、取材でも「これだけまっすぐな目をして台詞を言えるこの力は、なかなか見られない」(味方)、「『熱海殺人事件』の一番きれいなところを表現してるんじゃないか」(石田)と語られたように、若い木崎と匠海が全身全霊の体当たりで熱演。味方と石田の深く熱い芝居と絡み合い、このメンバーだからこそ浮かび上がる戯曲の魅力を見せつけた。「50年、100年とこの作品が続いていくように、僕らがつかさん、岡村さんの想いを背負って、最後の最後までたくさんの人に愛を届けられたら」(味方)という本作は、3月5日(月)まで東京・紀伊國屋ホールにて上演中。取材・文:中川實穗
2018年02月19日舞台『熱海殺人事件 CROSS OVER 45』が2月17日(土)、東京・紀伊國屋ホールで開幕する。舞台「熱海殺人事件」CROSS OVER 45」チケット情報つかこうへいの代表作『熱海殺人事件』の45周年を記念した本作は、演出を岡村俊一が手掛け、木村伝兵衛部長刑事を味方良介、水野朋子婦人警官を木崎ゆりあ、犯人・大山金太郎をWキャストでα-X’sの敦貴と匠海、富山から来た新任の刑事・熊田留吉を石田明(NON STYLE)という布陣で上演される。昨年に引き続き、木村伝兵衛を演じる味方に話を聞いた。「今年はより木村伝兵衛という役の重さを感じています」と語る味方。「去年はどこかがむしゃらな部分もあって、『俺が木村伝兵衛をやるんだ』という気持ちが前に出ていたし、『若さで勝負するんだ』という気持ちがあったけど、今年はそれが取り払われて。もっとこの役と向き合っていかなければ、もっと本質で向き合っていかなければ、『熱海殺人事件』という本を僕が理解して、全部を回していかなければって。そう考えると、これほど大変なことはないなと感じますね」と、昨年初めて木村伝兵衛を演じ、その中でただひとり、続投で出演する意味や役割を全身全霊で受け止める。石田や木崎、敦貴、匠海との共演には「異種格闘技戦」的な魅力を感じているという。「まず自分の部下役に石田さんがいるって、これほど怖いことはないです。圧倒的な芝居スキル、心を持ってる人なので。稽古してても泣かされそうになるんですよ。伝兵衛なのに、やばいやばい負ける負ける、みたいな。強力な仲間だけど一番のライバルです。ゆりあちゃんやα-X’sのふたりには、稽古場で『あ、新しい空気が入ってきた』と感じています。初舞台だったりもするので、純粋な部分がやっぱりあって。役者ってどうしても計算でやる部分があるんだけど、そうじゃない生のもの、わからずにやってるからこそ出てくるものがあるんですよね。それに心が動かされる瞬間があります。このカンパニーの新たな『熱海殺人事件』ができると思います」この作品には表面上の物語とその奥にある想いという構造があるが、観るうえで準備は必要か聞いてみると「もちろん本質を知って欲しいという気持ちもあるけども、でも『なんかすげーもん観たな』と思って欲しいんですよね。『すげーことやってんな』『自分たちにはできないな』と思ってもらえればもらえるほど、僕は嬉しい。だから前情報なしでいいと思います。その中で気になったらもう1回足を運んでもらって、誰かひとりだけを観てみたり、人間模様を観察してもらうとまた楽しめると思う。無理に話を理解しよう理解しようと思って観ると、置いてかれちゃいますから!」。公演は2月17日(土)から3月5日(月)まで東京・紀伊國屋ホールにて。取材・文:中川實穗
2018年02月05日つかこうへいの代表作として上演され続けてきた「熱海殺人事件」の45周年公演『熱海殺人事件 CROSS OVER 45』が2月17日(土)に開幕する。その公開稽古と囲み取材が行われた。舞台『熱海殺人事件 CROSS OVER 45』チケット情報つかこうへいが1973年に文学座に書き下ろし、以降、東京・紀伊國屋ホールを拠点に“春の風物詩”と呼ばれるほど再演を重ねられてきた「熱海殺人事件」。2010年につかが亡くなった後も“つかこうへい復活祭”として紀伊國屋ホールで上演され続ける作品だ。今年はその45周年を記念し“CROSS OVER 45”と銘打ち、演出を岡村俊一、木村伝兵衛部長刑事を味方良介、水野朋子婦人警官を木崎ゆりあ、犯人・大山金太郎をWキャストでα-X’sの敦貴と匠海、富山から来た刑事・熊田留吉を石田明(NON STYLE)というメンバーでつくりあげる。公開稽古では、稽古が白熱しすぎてボロボロ(!)という服装で登場したキャスト陣が冒頭から15分ほどのシーンを披露。木崎は大人の恋心を秘めた婦人警官を体当たりで演じ、石田は未熟な若手刑事を笑いも織り交ぜながら繊細につくりあげ、Wキャストで(公開稽古では途中交代で出演)恋人殺しの犯人を演じた敦貴と匠海は圧倒的な透明感で新たな大山像をみせた。そして昨年、馬場徹と並び史上最年少の24歳で木村伝兵衛を演じた味方は、より圧倒的な存在として場の空気を動かし、“CROSS OVER 45”ならではの『熱海殺人事件』をみせつけた。稽古後の囲み取材では、味方が「新たなメンバーと、45年間の想いを背負いながら僕らの『熱海殺人事件』をつくれたら」、石田は「ひとり、お笑いですけど、この歴史のある作品の名を汚さないようにがんばりたいです」、木﨑は「AKB48を卒業して初の仕事がこの舞台でよかったなとすごく思っています。心強い先輩方もいらっしゃいますし、自分もがんばらなきゃと思うような後輩たち(敦貴・匠海)もいるので。やりがいがあって楽しいです」と笑顔。敦貴は「同じグループのメンバーとWキャストで演じることができて幸せですし、ライバル心を強く持って取り組みたい」、匠海は「僕にとって初舞台ですが、敦貴には負けたくないので精一杯がんばります!」と意気込む。石田が「この舞台は変な人しか無理ですから。ひと癖もふた癖もないと台本に食われちゃう!」と話す本作。コメディタッチな演出に質問が及ぶと味方が「実はその裏に何があるのか、僕らの台詞の裏に何があるのか、ということに気づくと、メッセージがすごく詰まっていて。表だけで探っていくと見つからない部分、この人はなんでこんなこと言うんだろう、こんなことやっているんだろうっていう部分がある」と解説する場面も見られた。公演は2月17日(土)から3月5日(月)まで東京・紀伊國屋ホールにて。撮影・取材・文:中川實穗
2018年02月01日証拠隠滅や偽造に脅迫など、どんな汚い手を使ってでも依頼人を無罪へと導く冷酷非道な剛腕弁護士アナリーズ・キーティングを主人公としたサスペンスドラマ『殺人を無罪にする方法』。※本記事はネタバレを含んだ内容です。これから視聴予定の方はご注意ください。『殺人を無罪にする方法』そのシーズン3が3月7日、DVD Vol.1~4をレンタル開始、DVD Part1を発売(4700円+税)、一挙デジタル配信を開始する。さらに3月20日には、DVD Vol.5~8のレンタル開始、DVD Part2の発売(4700円+税)も予定している。主人公アナリーズを演じるのは、ヴィオラ・デイヴィス。彼女は同ドラマシーズン1の演技が評価され、2015年にはエミー賞ドラマ部門主演女優賞に選ばれている。エミー賞はテレビ界のアカデミー賞とも呼ばれており、受賞はアフリカ系アメリカ人女性としては初となる快挙だった。また製作総指揮を務めるのは、『スキャンダル』など数々のヒット作を生み出したションダ・ライムズだ。『殺人を無罪にする方法』のシーズン2のラストでは、アナリーズの法律事務所のインターン生ウェス・ギビンズ(アルフレッド・イーノック)の父親が射殺された。そしてシーズン3でも、同法律事務所の周囲で遺体が発見されたが、犠牲者はまさかの人物。止まらない殺人事件にアナリーズは何をするのか。視聴者さえも試される、緊迫感あふれる怒涛の展開となっている。(C)2018 ABC Studios
2018年01月24日「第41回 日本アカデミー賞」において優秀賞が発表された。『君の膵臓をたべたい』『三度目の殺人』ほか、アニメーション作品からは『メアリと魔女の花』『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』などが優秀賞に選ばれ、新人俳優賞には中条あやみ、浜辺美波、北村匠海、竹内涼真が決定した。同賞は、2016年12月16日~2017年12月15日に公開され、選考基準を満たした作品を対象に選出。表彰式は3月2日(金)に行われ、「第40回日本アカデミー賞」において最優秀主演女優賞に輝いた宮沢りえと、日本アカデミー賞協会組織委員会副会長の西田敏行が司会を務める。今回優秀作品賞には5作品が決定。まず、浜辺美波と北村匠海W主演映画『君の膵臓をたべたい』。本作では、浜辺さんと北村さんが共に新人俳優賞に選ばれたほか、吉田智子が優秀脚本賞に選出。続いて『そして父になる』の是枝裕和監督と、福山雅治が2度目のタッグを組んだ『三度目の殺人』。是枝監督オリジナル脚本の法廷心理ドラマを描く本作は、是枝監督が優秀監督賞&脚本賞、優秀助演男優賞に役所広司、優秀助演女優賞に広瀬すず。さらに音楽賞、撮影賞、照明賞、録音賞、編集賞を受賞。「V6」岡田准一主演の『関ヶ原』では、原田眞人が優秀監督賞、岡田さんが優秀主演男優賞、『三度目の殺人』でも名が挙がった役所さんが同じく助演男優賞、そのほか、音楽賞、撮影賞、照明賞など。東野圭吾史上最も泣ける感動作を映画化した『ナミヤ雑貨店の奇蹟』では、西田敏行と尾野真千子が優秀助演男優賞&女優賞のほか、監督賞、脚本賞などを受賞。そして、野村萬斎、市川猿之助、中井貴一ら「狂言×歌舞伎×日本映画界」のトップが競演する『花戦さ』では、篠原哲雄が優秀監督賞、森下佳子が優秀脚本賞を受賞した。またアニメーション作品からは、広瀬すず、菅田将暉、宮野真守らが声の出演をし注目を集めた『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』、高畑充希が主人公を演じた神山健治監督作『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』、杉咲花&神木隆之介出演『メアリと魔女の花』、シリーズ最高興収68.9億円を記録した『名探偵コナン から紅の恋歌』、森見登美彦のベストセラー小説を映画化した『夜は短し歩けよ乙女』と5作品が選ばれた。さらに、優秀外国作品賞には『ダンケルク』『ドリーム』『美女と野獣』『女神の見えざる手』『ラ・ラ・ランド』。このほかにも、優秀主演男優賞には大泉洋(『探偵はBARにいる3』)、佐藤健(『8年越しの花嫁 奇跡の実話』)、菅田将暉(『あゝ、荒野 前篇』)、藤原竜也(『22年目の告白-私が殺人犯です-』)。新人俳優賞には『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』から中条あやみ、『帝一の國』から竹内涼真と、いま注目の俳優が決定した。各賞の最優秀賞発表&授賞式は、3月2日(金)グランドプリンスホテル新高輪にて開催。同日21時からは日本テレビ系にて「第41回日本アカデミー賞授賞式」を放送予定。(cinemacafe.net)■関連作品:ひるね姫~知らないワタシの物語~ 2017年3月18日より全国にて公開(C) 2017 ひるね姫製作委員会名探偵コナン から紅の恋歌 2017年4月15日より全国東宝系にて公開(C) 2017 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会花戦さ 2017年6月3日より全国にて公開(C) 2017「花戦さ」製作委員会夜は短し歩けよ乙女 2017年4月7日より全国にて公開(C) 森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会君の膵臓をたべたい 2017年7月28日より全国東宝系にて公開(C) 2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会メアリと魔女の花 2017年7月8日より全国東宝系にて公開(C) 2017「メアリと魔女の花」製作委員会打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 2017年8月18日より全国東宝系にてロードショー©; 2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会
2018年01月15日玉木宏(37)の主演映画『悪と仮面のルール』が1月13日、公開される。 本作で“悪になるために生まれた殺人者”という難役を熱演している玉木はスポーツ紙の取材に対し、「特殊な映画で、勝負したいと思えるような作品なので、多くの人に観ていただきたいと思います」と語っている。 玉木が「勝負したい」と意気込むのには理由があるという。 ドラマ『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)で“千秋先輩役”として出演し、大ブレイクを果たした玉木。いまだに「千秋先輩」と声をかけられることもあるという。そのイメージから「まだ抜け出せていないのでは」という苦悩を、明かしているのだ。 「まだ自分は、あのときを超えられていないのかと思ってしまうんですよね。また次に新しいものが生まれれば、イメージは塗り替えられるという思いがあります」 たしかに近年は、そのイメージを覆すような役どころを演じている。 たとえば昨年末に放送された松本清張原作ドラマ「鬼畜」(テレビ朝日系)では、愛人との間に3人の子どもを作る男を“怪演”。“ドロドロ愛憎劇”にもかかわらずクリスマスイブに放映されたことでも話題を呼ぶとともに、Twitterでは玉木の演技力にも注目が集まっていた。 《玉木宏クズ男の演技うまいなぁ〜!》《玉木宏にのだめの頃の面影ナッシング》《スタイル良い美形はクズ男に役がよく映える リアルにいそう》 これからも、新しい表情を見せてほしい!
2018年01月13日『誰も知らない』『そして父になる』『三度目の殺人』の是枝裕和監督の最新作が、リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林ら豪華キャストを迎え、6月に公開されることが決定。すでに昨年12月よりクランクインしている本作は、今月1月いっぱいで撮影を終える予定だという。なお、タイトルは未定。あらすじ再開発が進むなか、ポツンと残された古い住宅街。日雇い仕事の父・治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は“親子”ならではの連携プレーで万引きに精を出している。その帰り道、団地の廊下で凍えている幼い女の子を目にした治は思わず家に連れて帰ってしまう。突然、子どもを連れてきた夫に腹をたてる信代(安藤サクラ)だったが、体じゅう傷だらけのじゅり(佐々木みゆ)の境遇を察し、面倒をみることにした。祖母・初枝(樹木希林)の年金を頼りに暮らすその一家は、風俗のバイトをしている信代の妹・亜紀(松岡茉優)、そして新しい家族のじゅりも加わり、貧しいながらも幸せに暮らしていた。しかし、ある事件をきっかけに家族の隠された秘密が明らかになっていく――。是枝監督が手掛け、柳楽優弥がカンヌ国際映画祭で最優秀主演男優賞を受賞したセンセーショナルな問題作『誰も知らない』(2004)は、実際の子ども置き去り事件を元に、過酷な状況下で生きる子どもの姿をリアルに描いた。あれから13年、様々な“家族のかたち”を描き続けてきた監督が、この10年間考え続けてきたことを全部込めたと語る、渾身の最新作が始動!是枝組に安藤サクラ&松岡茉優が初参加最新作は、東京の下町に暮らす一見どこにでもいそうな、平凡で貧しい家族だが、実は「犯罪」で生計をたて、ひっそりと暮らしている家族を描く物語。「犯罪」でしかつながれなかった家族たち。不完全だが、愛すべき“家族”の心揺さぶる衝撃のストーリーが紡がれる。本作に出演するのは、『そして父になる』で庶民的な父親を好演したリリーさんが柴田治役。その妻・信代役と妻の妹・亜紀役に、是枝組初参加となる安藤さんと松岡さん。祖母・初枝役には、是枝作品の「家族」に欠かせぬ存在である樹木さん。さらに、オーディションで選ばれた子役2人、城桧吏と映画初出演となる佐々木みゆが、息子・祥太と新しい家族のじゅりを演じる。樹木希林、是枝監督作はこれで最後?「是枝作品の中に居るのはこれでおしまい」今作で監督のほかにも脚本や編集も担当する是枝監督は、本作製作のきっかけについて、「死亡通知を出さずに親の年金を不正に貰い続けていた家族が逮捕された事件に触れたこと」と明かす。是枝監督とはもう4回目だと言うリリーさんは、「純粋に嬉しいです。是枝組独特の穏やかで澄んだ空気感の中、本作は社会や人にとって、とても重大なのに、ほんの1日で黙殺されてしまうような出来事にフォーカスを当てていく。是枝監督らしい、いい作品になると感じています」とコメント。安藤さんは、「いまこのタイミングでこの作品に出演できることをとても嬉しく思っています」と言い、「どんなことになることやら、なかなか想像ができません。とにかく、やってみます!」と意気込みを語っている。また松岡さんは、「あの本を読んだ、あの映画を見た。産まれて、育ててもらって、生きてきたすべてのことが正しかったんだと肯定されたような気持ちでした。夢のような顔合わせは現実には思えなかったです」とオファー時の心境を明かし、樹木さんも「是枝作品の中に居るのは これで おしまいちょいと ブラブラしすぎる台本は読みちがえるわ 口は出すわ悪口は言うわ 都合悪けりゃボケたふりするわ困ったもんだ」と出演について独特なコメントを寄せている。是枝裕和監督最新作は2018年6月、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開予定。※タイトルは未定(cinemacafe.net)
2018年01月05日2018年も『熱海殺人事件』が東京・紀伊國屋ホールで上演される。婦人警官・水野朋子を演じる木崎ゆりあと、演出を手掛ける岡村俊一に話を聞いた。舞台「熱海殺人事件」CROSS OVER 45チケット情報“春の風物詩”と呼ばれるほど紀伊國屋ホールで上演されてきた『熱海殺人事件』。1973年に初演、映画化、ドラマ化もされたつかこうへいの代表作で、2010年につかが亡くなってからも、つか作品を数多く手がける岡村俊一の演出で同劇場で上演され続けている。その2018年版は、木村伝兵衛部長刑事を昨年に引き続き味方良介、水野朋子婦人警官を木崎ゆりあ、犯人・大山金太郎をWキャストでα-X’sの敦貴と匠海、富山から来た刑事・熊田留吉に石田明(NON STYLE)で上演する。木崎はこの9月にSKE48・AKB48を卒業したばかり。女優としてやっていきたいという木崎の、卒業後初の演技仕事となる。「今はビックリというのが一番簡単で分かりやすい気持ちです。『熱海殺人事件』は有名な作品ですし、4人芝居のうちのひとりとして演じるというのも驚きました。早口大丈夫かなとか(笑)、不安なことはいっぱいありますが、その何倍も楽しみ。これ以上ないくらいありがたいです」。そんな木崎を岡村は「AKB48時代からパンチ力がある役柄をやってのけることができる勢いや思い切りの良さがある。今回は傷だらけのゆりあを(笑)、演じてもらおうと思っています」。木崎が演じるのは水野朋子婦人警官役。これまでもさまざまな女優に演じられてきた役柄だが、岡村は「水野朋子はすごいパワハラとセクハラにあう役なので、それに生の反応で返せばいい演技になっていく。俳優というのは『こういうことが起きたときにあなたはどうしますか』と問われ続ける職業だと思うので。だから頭で考えて『こんな役にしようと思ってる』では通用しない。特につかこうへい流の作品は。追い込まれている姿を見せるというような、そういう芝居になると思います」。その中でも木崎は「攻撃陣3人を受け止めて返す側。そのときどきできちんと二塁打を打ったりバントをしなきゃいけない」(岡村)と4人芝居ならではの苦労もありそうだが、木崎自身は「舞台経験がほぼないに等しいので、それでこの極限まで持ってかれる舞台に参加するのが楽しみです!」と頼もしい。岡村の演出作品には、『あずみ』の川栄李奈、『新・幕末純情伝』の松井玲奈と元メンバーが出演しているが「川栄にも松井玲奈ちゃんにも負けたくない気持ちがあります。稽古で『川栄はもっとできたぞ』『松井はもっと動けたぞ』と言われたら悔しいし。超えていきたいですね」公演は2018年2月17日(土)から3月5日(月)まで東京・紀伊國屋ホールにて。取材・文:中川實穗
2017年12月27日モデルでシングルマザーだったMALIAさん(34)が自身4度目の結婚を発表し、話題を呼んでいます。 もともと10代で人気ギャル雑誌の読者モデルとしてデビューした彼女。その後19歳で当時Jリーガーだった男性と結婚。そして21歳で初めての離婚を経験。そこからあれよあれよという間に、有名格闘家、Jリーガーとの結婚&離婚を経験。先日、3人目のJリーガーと4度目の結婚を発表しました(なんて複雑なんでしょう)。 一般的に離婚は1度なら“よくあること”と偏見もそこまで生まれないものですが、2度3度ともなると「結婚に向いてないのでは?」と思われるのが一般的です。そんな世間の目も気にしないのが彼女の強さであり魅力の1つだと思いますが、そもそも3回以上結婚や離婚を重ねる男女の結婚観は一般的な感覚とはいろんな部分で違います。 筆者は過去6度の結婚経験がある男性など、複数婚経験者に話を聞いてきました。そこにはいくつか共通するパターンがあるようなので、MALIAさんの話になぞらえながらご紹介します。 ■結婚は1つの“示し”にしか過ぎない? 結婚というのは一般的な感覚でいえば、「一生に一度の誓い」のはず。しかし2回、3回と回数を重ねている人にとっては少し意味合いが違うように思います。 複数回の結婚を経験した人に過去聞いた話だと「この人といたい、それだけ」という10年20年先の将来を考えないシンプルな決断であったり、「相手から結婚してと言われたからした」と受け身な結婚理由を話す人もいました。1回もしてない人からするとビックイベントな結婚も、3回目以上の人からすると「本籍を移す」くらいの労力と思い入れなのかもしれません。 ちなみにこれも興味深いのですが、複数回の結婚・離婚を経験している人の多くは離婚時にドロドロとモメていません(一部の大金持ちを除く)。離婚の苦労の大半は子どもの親権と財産分与。モメずに離婚できると結婚への苦手意識が生まれにくく、ひいては複数回の結婚につながっていくのかもしれません。 ■離婚経験はネガティブバイアスになることも 複数の離婚経験というのは第一印象として“奔放”“恋愛豊富すぎる”など、ネガティブなイメージにつながります。しかしそれを凌駕するほどの見た目の魅力や性格の良さがわかると、人の印象は“ふりこ”のように逆にうんと良くなることがあります。 心理学では、これを「ゲインロス効果」と呼びます。第一印象が普通の人と第一印象が悪い人がその後に評価を上げるようなことを行うと、第一印象の悪い人のほうが高評価につながるというものです。 MALIAさんの場合、その美貌は見ればわかりますし飾らないキャラクターがテレビ人気にもつながっています。もしかしたらこういった“素朴な美人要素”が、彼女の離婚歴をプラスのパワーに変えているのかもしれません。 ■中には結婚に闇を持っている人も 結婚をある意味健全に何回も繰り返す人は、結婚話を語る際もとにかく明るくサバサバしているのが特徴です。しかし中には、結婚に“心の闇”が映し出されている人もいます。 “心の闇”とは理想の夫婦像を追いかけ続けた結果として結婚離婚が繰り返されていたり、自分を100%相手に承認してもらいたいという欲求が結婚の動機だったりする場合です。 その根っこには、自身の親子やきょうだい関係にトラウマがあったりするようです。ただ心の問題を結婚に投影する人は結婚当時を語るとき極端に後ろめたく思っていたり、「相手が全部悪い!」と原因を決めつけるような発言をします。 とはいえ何度も結婚できるということは異性としての魅力を兼ね備えていることにほかならないのですが、MALIAさんはいったいどんな結婚観を持っているのでしょう……。 4度の結婚のうち、3人はサッカー選手で、1人は格闘家。とにかく身体能力の高さを相手にもとめているように見えるMALIAさん。もし5回目の結婚があるのなら(そんなことを考えるのも変ですが)、個人的には世界規模の男性を射止めてほしい。そう、W杯代表選手や欧州リーグに出ている一流選手をゲットして、実業家シンママからセレブママへステップアップを狙ってほしいと思います。 名前の通り、多くの人の“マリア”となっている彼女の結婚が今度こそ長きにわたり幸あらんことを。
2017年11月27日アルツハイマーになった元連続殺人犯が、新しい殺人犯の登場により忘れていた過去の殺人の習慣が蘇り、2人の間で激しい死闘が繰り広げられるクライムスリラー『殺人者の記憶法』。韓国を代表する俳優ソル・ギョングとキム・ナムギルが共演する本作から、この度日本版予告編が到着した。公開された予告編は、薄暗い竹林の中に横たわる一人の男、ソル・ギョング演じる元連続殺人犯・ビョンスの独白からスタート。そして、接触事故でビョンスが出くわしたのは、謎の男・テジュ。彼に自分と同じ“何か”を感じ取り、彼も殺人鬼だと確信し警戒するビョンスだが、そんな中テジュは言葉巧みにビョンスの愛娘・ウンヒ(キム・ソリョン)に近づき親しくなってしまう。テジュが殺人犯であると通報しても全く相手にされず、一人でウンヒを守ろうとするビョンスだが、次第に病状が進行。映像では、「記憶が消える」「俺の脳が死んでいく」と妄想と現実の狭間で混乱していく様子も描かれている。『殺人者の記憶法』は2018年1月27日(土)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年10月31日『ダンケルク』でもいぶし銀の名演を発揮するケネス・ブラナーが主演・監督を務める『オリエント急行殺人事件』。アガサ・クリスティーによるミステリーの名作を、“全く新しい”エンターテインメントに生まれ変わらせた本作から、新たな1分30秒の予告編とポスタービジュアルが公開された。到着した映像の冒頭では、トルコ発フランス行きの寝台列車オリエント急行で、尊大な富豪ラチェット(ジョニー・デップ)と“正しき者の守護者”と世間から呼ばれているという世界一の名探偵エルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)のやりとりが映し出される。ポアロが眼光鋭く見つめかえしたラチェットは、やがて刺殺されてしまう。「乗客全員が容疑者だ」と断言するポアロは、共通点といえば目的地のみ、境遇はさまざまな教授、執事、伯爵、伯爵夫人、秘書、家庭教師、宣教師、未亡人、セールスマン、メイド、医者、公爵夫人、車掌の13名の捜査を開始する。列車の外へ逃げる影や、ポアロに詰め寄る者、拳銃を構える者、暴力を振るう者、泣き叫ぶ者…物語が激しく展開していく様子も見て取れる。殺人事件を描いてはいるものの、画面が煌びやかなのは、65mmフィルムで撮影されたからのみならず、「この列車には、名優たちが必要だった」とのポスターのコピーが示すとおり、“全員名優”だからこそ。クリスティーを曾祖母にもつアガサ・クリスティー社(ACL)会長兼CEOのジェームズ・プリチャードは、本作について「曾祖母は列車が大好きでしたし、実際に彼女はオリエント急行に乗車していろいろな旅に出てたくさんの経験をして、それら全てが彼女の描くストーリーにつながりました。『オリエント急行殺人事件』は、彼女にとって間違いなく“特別な作品”です」と明かしており、これだけの豪華キャストが実現した理由といえる。さらに「ケネスが演じるポアロは、いままでのポアロよりもスタイリッシュで、よりアクティブになっている。そして、これまでのポアロとは違ったアプローチで列車の外でのシーンもある」と、名探偵ポアロ演じるケネスに太鼓判を押し、原作を知っている人に対してもサプライズがあることをほのめかす。そんなポアロを演じたケネスは、全世界で大ヒットした『シンデレラ』でも、誰もが知る物語に新たな解釈を加えて現代に甦らせたことでも知られている。本作でも、監督も兼任しており、「アガサ・クリスティーの作品を描くには、素晴らしい娯楽作というだけでなく、喪失感や、悲しみという心の奥深くに触れることになる。本作でも登場人物は、多くの感情的な秘密を抱えている」とケネスは分析。続けて、感情的な秘密を表現するキャストについて「深い感情を見事に体現できる名優たちとキャラクターを組み合わせることに興奮したし、彼ら全員を描くプロセスにもワクワクした。そして、皆で、積み重ねたストーリーの層をはがし、人間性の層もはがしていったんだ」と名優たちとの共演をふり返っている。到着した映像やビジュアルでも確認できる、ミシェル・ファイファー、ジュディ・デンチ、ペネロペ・クルス、ウィレム・デフォーといったアカデミー賞ノミネート・受賞俳優に、『スター・ウォーズ』シリーズのデイジー・リドリー、『僕のワンダフル・ライフ』のジョシュ・ギャッド、大ヒットミュージカル「ハミルトン」やミュージカルドラマ「SMASH」のレスリー・オドム・Jrといったキャストたち、ケネスとともにプロデューサーを務める巨匠リドリー・スコットや『シャーロック・ホームズ』脚本のサイモン・キンバーグなど、とにかく “豪華すぎる”本作。この冬、“世界一の名探偵”ポアロが豪華列車で、華麗な謎解きの旅へと誘う。『オリエント急行殺人事件』は12月8日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年10月13日今年、藤原竜也×伊藤英明×入江悠監督でリメイクされ大ヒットを記録した『22年目の告白 -私が殺人犯です-』のオリジナル作品『殺人の告白』の監督が手がけ、カンヌを大いに沸かせたスタイリッシュ・ヒロインアクション『THE VILLAINESS』が、邦題『悪女/AKUJO』として2018年2月に日本公開されることが決まった。犯罪組織の殺し屋として育てられ、最愛の人を殺された女性スクヒ。国家直属の暗殺者として第2の人生を歩み、愛と裏切りに翻弄されながら最強無敵の“悪女”と化していく――。ヒロインアクション映画の金字塔『ニキータ』に、韓国的な要素“恨(ハン)”のエモーションを投入した物語のなかで、誰も見たことのないエクストリーム・バイオレンスが覚醒する。監督は、スタントマン出身という異色の経歴を持ち、オリジナル作品『殺人の告白』で知られるチョン・ビョンギル。本作では、敵対組織のアジトに単身乗り込んだヒロインが数十人もの敵と死闘を繰り広げるさまを、FPS(First Person Shooting)ゲームやVR映像を思わせる“1人称視点”映像で捉えるなど、斬新で迫力ある映像体験を作り上げた。また、愛する人を殺され、運命に翻弄される最強無敵の暗殺者として、監督の常軌を逸したアクション演出に体を張って応えたのは、女優キム・オクビン。パク・チャヌク監督『渇き』では女ヴァンパイア、チャン・フン監督『高地戦』では“2秒”と呼ばれる凄腕スナイパーを演じて鮮烈な印象を残した彼女が、本作ではテコンドーとハプキドーの黒帯を持つという身体能力の高さを遺憾なく発揮。撮影前に長期にわたる猛特訓を経て、日本刀から自動小銃、ハンドガン、手斧まで多彩な武器を使いこなす戦闘シーンのほぼ全てをノースタントで熱演。これまで見たことがない狂気の最先端アクションを体現した。共演には、『JSA』『トンマッコルへようこそ』で世界的にも知られ、キム・オクビンとは3度目の共演となるシン・ハギュン、TVドラマ「上流社会」などに出演し日本にも熱狂的なファンを持つモデルで俳優のソンジュンなど、豪華キャストが集結する。本作は、第70回カンヌ国際映画祭公式招待作品として、これまで『グエムル‐漢江の怪物‐』や『チェイサー』、現在公開中の『新感染ファイナル・エクスプレス』など、毎年エッジのきいた良質なアクション&ホラームービーが選定されるミッドナイト・スクリーニング部門にて上映され、話題沸騰。「新たなアクション映画の幕開け」(Film)、「今年最もクレイジーな作品」(Indie Wire)、「脳裏に焼き付く冒頭7分のノンストップアクション」(VARIETY)など、各メディアが絶賛を贈った。さらに今年6月に本国・韓国で上映されると、成人指定にも関わらず公開4日間で46万人以上を動員する大ヒットに。またもカンヌから発信され、世界中を興奮の渦に巻き込んだ超過激な最先端アクションが、ついに日本上陸を果たす。『悪女/AKUJO』は2018年2月、角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年09月28日是枝裕和監督の『三度目の殺人』がコンペティション部門に出品され、北野武監督の『アウトレイジ 最終章』がクロージング上映された第74回ヴェネチア国際映画祭。このほど、メキシコが生んだ映像の魔術師ギレルモ・デル・トロ監督が放つファンタジー・ロマンス『The Shape of Water』(原題)が、最高賞にあたる金獅子賞を獲得したことがわかった。舞台は1962年、アメリカと旧ソビエトの冷戦時代。清掃員として、政府の極秘研究所に勤めるイライザ(サリー・ホーキンス)は孤独な生活を送っていた。だが、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と一緒に“極秘の実験”を見てしまったことで、彼女の生活は一変する。人間ではない不思議な生き物との、言葉を超えた愛。それを支える優しい隣人らの助けを借りてイライザと“彼”の愛はどこへ向かうのか…。本作は、『パシフィック・リム』『パンズ・ラビリンス』などの世界的ヒット作で知られる、メキシコの巨匠デル・トロ監督によるファンタジー・ロマンス。ひとりの孤独な女性と、水の中で生きる不思議な生物との超越した“愛”を描き、公式上映の際には映画祭の会場は興奮のるつぼに!イタリア現地時間9月9日、日本時間10日未明に行われた授賞式で、見事、金獅子賞の栄冠に輝いた。メキシコ人監督の金獅子賞受賞は、史上初。孤独だが、慈愛に満ちた女性イライザを演じたのは、『ブルージャスミン』『パディントン2』のサリー・ホーキンス。彼女を支える優しい隣人には『扉をたたく人』のリチャード・ジェンキンス、イライザと恋に落ちる生き物に息吹を与えるのは『パンズ・ラビリンス』でもデル・トロ監督とタッグを組んだダグ・ジョーンズ。また、冷徹な政府の調査官に『ノクターナル・アニマルズ』のマイケル・シャノン、そして、イライザの頼もしい同僚に『ドリーム』のオクタヴィア・スペンサーと本年度アカデミー賞ノミネート俳優が扮し、観る者を未知の世界にタイムスリップさせる。類まれなる美しさをたたえた映像世界で描かれた、空想をも超える純愛と覚醒に、世界が喝采を贈った本作。ファンタジー映画の新たなる金字塔として、早くもアカデミー賞ノミネート確実との声も上がっている本作に、引き続き注目していて。『The Shape of Water』(原題)は2018年、日本公開。(text:cinemacafe.net)
2017年09月11日現在開催中のヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、公式上映も話題を呼んだ是枝裕和監督の最新作『三度目の殺人』。本作で『そして父になる』に続いて是枝監督とタッグを組み、裁判に“勝つこと”最優先のクールな弁護士・重盛を演じたのが福山雅治。今回は監督も大絶賛を贈る、福山さんの眼差しの演技に注目した。『そして父になる』から4年、是枝監督とは2度目のタッグとなった福山さん。ミュージシャンや写真家としても活躍しながら、同作では日本アカデミー賞で優秀主演男優賞を受賞するなど、多方面で才能を発揮している。『そして父になる』では、一見、冷徹に見える超エリートの父親・良多を演じていたが、本作でも超エリートで、裁判に勝つためなら真実は二の次と考える弁護士・重盛役を熱演。劇中では、重盛が弁護することになった容疑者の三隅(役所広司)の二転三転する供述に大きく揺さぶられ、真実を求めていくうちに、三隅の深い闇に飲み込まれていく姿を鮮烈に演じている。是枝監督は、今回4年ぶりの再タッグとなった福山さんについて、「『そして父になる』でも思っていたのですが、福山さんはただ“見てる”ときの画がすごく強い人。何かを“見てる眼差し”や“見てる表情”から、いろんな感情が読み取れる。ですから、黙っているシーンをどう魅力的に撮るかということを考えました」と語る。セリフ以外の場面でも感情が滲み出る福山さんの眼差しの演技を大絶賛する是枝監督は、「そんな福山さんを、役所さんの力を借りて、どう揺さぶっていくか、どういじめていくかというのが今回のコンセプトです(笑)」と明かす。最初の本読みの段階から、福山さん演じる重盛と役所さん演じる三隅がガラス越しに会話を交わす接見室のシーンのやりとりを目の当たりにした是枝監督は、身体的な動きが制限される場面にも関わらず、2人がお互いを揺さぶり合い、感情や立場が大きく動いていく様に、圧倒的な面白さを感じ、ゾクゾクしたという。その結果、接見室でのやりとりのシーンを、当初より大幅に増やすことにしたのだとか。是枝監督をも魅了する福山さんの眼差しの演技と、その目で真実を問いかける三隅との接見室のシーンは、必見ポイントの1つといえそうだ。『三度目の殺人』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2017年09月10日是枝裕和監督の最新作『三度目の殺人』の初日舞台挨拶が9月9日(土)、都内で行われ、是枝監督と2度目のタッグを組んだ主演の福山雅治、共演する役所広司、広瀬すず、満島真之介が登壇した。捉え方ひとつで形を変える“真実”の危うさと、それでも何かを信じたい人間の願いを浮き彫りにする、オリジナル脚本の法廷サスペンス。勝ちにこだわるエリート弁護士の重盛を演じた福山さんと、殺人犯・三隅を演じ、是枝組に初参加した役所さんとの“演技バトル”が大きな見どころだ。福山さんは「一般的な謎解きサスペンスとは逆の手法で、最後にたくさんの謎をちりばめたような革新的な作品。ご覧になる皆さんも、翻ろうされる参加型のエンターテインメント」と是枝監督の新境地をアピール。その分、見終わった後に“モヤモヤ”も残るため、福山さんは「監督と役所さんに、『本当のこと、教えてください』ってうかがったんですけど、ふたりとも『福山さん、どう思う?』って、全然教えてくれない」と不服そう。舞台上では劇中の追求シーンを再現する形で、「今日こそ、本当のこと、教えてください」と役所さんに迫った。ところが、当の役所さんは「僕はひとりも殺していないんですよ。まあ、皆さん、判断してください」とつれない返事。福山さんは「今日もまだ、かたくなに教えてくれないんですね。本当は何か、やってるだろ!(笑)」と白旗をあげていた。第74回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門へ選出され、9月5日(現地時間)に是枝監督をはじめ、福山さん、役所さん、広瀬さんが現地入り。公式上映後には、満席の会場から割れんばかりの6分間に及ぶスタンディングオーベーションが起こった。是枝作品としては、『幻の光』以来の2度目の受賞に期待がかかるコンペティション部門の結果発表は、日本時間9月10日の1時~2時に行われる。結果発表の約10時間前というドキドキの中、帰国したばかりの福山さんは「手応え?あったと思いますよ」と自信の表情。「ベネチアでは“コウジ”コールがすごかった」と現地の役所さん人気を報告していた。『三度目の殺人』は全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年09月09日福山雅治主演、是枝裕和監督のタッグで贈る法廷心理サスペンス『三度目の殺人』の公開を記念して、同じく2人がタッグを組んだ2013年公開の映画『そして父になる』が、9月16日(土)に土曜プレミアムにて放送されることが決定した。大手建設会社に勤め、都心の高級マンションで暮らす野々宮良多(福山雅治)は、成功を自分の能力と努力で培ったと自負していた。そんな良多は6歳になった一人息子慶多(二宮慶多)の優しすぎる性格をもどかしく思っていた。ある日、一本の電話で良多の人生は変わる。妻・みどり(尾野真千子)が慶多を生んだ、出身地・群馬の病院で子どもの取り違えがあったことが発覚したのだ。DNA鑑定の結果、慶多は他人の子だった。みどりは気づかなかった自分を責め、良多は息子に抱いていた不満の意味を知る。良多は、戸惑いながらも相手方の家族と交流を始めるが、群馬で小さな電気屋を営む斎木雄大(リリー・フランキー)とゆかり(真木よう子)夫妻の身なりや粗野な言動に眉をひそめる。過去の取り違え事件では100%血のつながりをとるというが、一心に愛情を注いできたみどりと、温かで賑やかな家庭を築いてきた斎木夫婦は、育てた子を手放すことに苦しむ。早い方が良いという良多の意見でついに“交換”が始まるが、そこから、良多の「父」としての本当の葛藤が始まる――。第66回カンヌ国際映画祭「審査員特別賞」を受賞し話題となった本作は、日本でも昭和40年代までは頻繁にあった「取り違え事件」を丹念にリサーチしたうえ、オリジナルの脚本で贈る衝撃の感動作。福山さんが初の父親役にして人生で初めての壁にぶつかり葛藤する男という難役に挑み、その妻役を尾野真千子が演じるほか、もう一組の夫婦役に真木よう子とリリー・フランキー。さらに、風吹ジュン、國村準、樹木希林、夏八木勲ら豪華ベテラン陣が脇を固めている。土曜プレミアム映画『そして父になる』は9月16日(土)21時~フジテレビにて放送(20分拡大)。※一部地域を除く『三度目の殺人』は9月9日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:そして父になる 2013年9月24日~27日より全国にて先行公開、9月28日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2013『そして父になる』製作委員会
2017年09月07日『そして父になる』(13)の是枝裕和監督と福山雅治が2度目のタッグを組んだ映画『三度目の殺人』。前作で是枝監督としっかり信頼関係を築いた福山は、本作で俳優としての真価をみごとに発揮しました。その立役者は、名優・役所広司。この映画、個人的な感想を述べると「福山雅治が役所広司に精神的にいたぶられる映画」でした。福山演じる敏腕弁護士・重盛が弁護するのは、殺人の前科がある三隅(役所広司)。彼は今回の事件では犯行を自供し、死刑が確実だと思われましたが、重盛はなんとか無期懲役に持ち込もうとします。その後、被害者の娘・咲江(広瀬すず)が三隅を心から慕い、だれにも言えない秘密を彼にだけ打ち明けていたことが判明。重盛が、三隅は咲江のために殺人を犯したのではないかと思い始めた矢先に、三隅自身が供述を二転三転させていきます。■イケてるはずの福山雅治が役所広司に飲みこまれる!?役所広司はサイコ・スリラー『CURE』(97)の刑事役で、萩原聖人演じる殺人犯に翻弄(ほんろう)されていく役どころを演じたことがありましたが、今回はその報復が福山に向けられたのでしょうか!? 役所は、大ヒット中の『関ヶ原』で演じたタヌキオヤジ家康と同一人物とは到底思えません(笑)。福山は『そして父になる』でも鼻につくようなエリートを演じていましたが、今回も自信たっぷりのクールな弁護士役です。彼は真実よりも依頼人の利益を優先させるリアリスト。そんなイケてる重盛が、三隅によって激しく揺さぶられていきます。『三度目の殺人』の脚本も手がけた是枝監督はトークショーで「福山さんは嫌なセリフを話す時のさげすんだ感じや語尾の雰囲気がうまい」と言っていましたが、本作を見れば納得。ドキュメンタリー出身の是枝監督が捉える役者の表情は毎回リアルです。今回の福山演じる重盛は、役柄上で完全に受け手で、得体の知れないモンスターのような殺人犯と対峙(たいじ)していくという流れです。日本映画界切っての名優・役所広司を敵に回したことで、福山の役者としての潜在能力がぐいぐいと引き出されていきます。それは是枝監督の狙いでもありました。主人公の心の揺れ幅は、『そして父になる』よりも大きく、役者としての深みもさらに増しています。■広瀬すずの目の奥に宿る闇オーラを浴びる福山!被害者の娘・咲江役を演じるのは、『海街diary』(15)に続いて是枝組に参加した広瀬すず。スポ根青春映画や青春ラブコメディでは、持ち前の愛くるしさを炸裂(さくれつ)させている彼女ですが、やはり是枝監督作の彼女はひと味もふた味も違います。咲江の目の奥には、底知れぬ闇が! 彼女は、是枝監督作を経て、渡辺謙らと共演した群像劇『怒り』(16)で李相日監督にも鍛えられ、女優として覚醒した感じを受けました。さらに広瀬のポテンシャルを知り尽くした是枝監督によって、息をのむようなすごみを引き出しています。福山演じる重盛は、咲江の発言にも戸惑いを隠せません。福山はここでも、世代は違えどモンスター級の女優・広瀬すずと向き合い、受け手として彼女が放つ暗黒のオーラを浴びました。この相互作用が本作の妙味であり、俳優・福山雅治の吸収力や反射能力にもうなります。■福山雅治の苦渋に満ちた表情がキモ通常の法廷サスペンスで追い求めるのは事件の真相、すなわち真実ですが、『三度目の殺人』では、少し勝手が違います。是枝監督が本作の脚本を手がけるにあたり、何人かの弁護士にリサーチして行き着いたのが「法廷は真実を解明する場所ではない」という着地点でした。重盛自身も、三隅が二度目の殺人を犯したかどうかはわからずに弁護をしていきます。やがて彼は三隅の心情に寄り添おうとし、真実を知りたい、そして彼を死刑にさせたくないと心から思うようになりますが、なぜか三隅はそれを望んでいないようでした。 ここで三隅が、裁判官という職種について「人の命を自由にできる」と語っていたひと言がきいてきます。重盛の心の葛藤は観客にも連鎖し、「人を裁くこととは何ぞや?」という究極の問いをつきつけられることに…。はたして三隅に下された判決とは? そして『三度目の殺人』の意味とは?『三度目の殺人』はジャンルとしては法廷サスペンスというよりはスリラーとか心理ドラマに近い。観終わった後のもやもや感やざわめきも、是枝監督にとっては「してやったり」なんでしょう。とにかく俳優陣の存在感が圧巻です。福山雅治ファンとしては、ドSな視点から彼がメンタル面でいたぶられていく表情を堪能してはいかがでしょうか?『三度目の殺人』9月9日(土)公開公式サイト:
2017年09月06日是枝裕和監督が主演に福山雅治を迎え、法廷心理サスペンスに挑んだ『三度目の殺人』。劇中で得体のしれない殺人犯役を怪演し、弁護士役を演じる福山さんのみならず、初タッグとなった是枝監督までも揺さぶった名優・役所広司について、監督からコメントが到着した。本作で、勝ちにこだわる弁護士・重盛(福山さん)が担当した殺人事件の容疑者・三隅を演じる役所さん。1996年公開の大ヒット作『Shall we ダンス?』をはじめ、『眠る男』『シャブ街道』ではその年の主演男優賞を独占し、翌97年の故・今村昌平監督のカンヌパルム・ドール受賞作『うなぎ』、社会現象となった『失楽園』などで日本映画界を代表する実力派として地位を確立。『SAYURI』(’05)や『バベル』(’07)といったハリウッド映画にも立て続けに出演し、10kgの減量を成功させて挑んだ中島哲也監督の『渇き。』(’14)ではシッチェス・カタロニア国際映画祭で日本人初の最優秀男優賞を受賞するなど、世界中でその実力を見せつけている。そんな役所さんは、意外にも是枝監督作品は本作が初出演。接見のたびに供述を変え、まるで別人のような表情を見せる得体のしれない殺人犯・三隅という男を怪演しており、福山さん演じる弁護士・重盛を事件の真相の闇に呑み込んでいく。今回の豪華タッグが実現した経緯について、「役所さんとはなんとなく将来的に作品をやりたいねっていう話はしていたんですけど、去年役所さんから突然年賀状が来たんですよ。手書きで、“そろそろですね”って書いてあって(笑)。だからそろそろなのかなって。やるからには、演出家として相当覚悟がいる役者なので、本当に胸を借りるつもりで今回は入っていただきました」と、撮影現場でのインタビューでふり返っていた是枝監督。また、劇中で殺人についての供述をコロコロと変えていく役所さんの演技については「役所さんを見ていると、本当にやったんだろうなっていう瞬間と、もしかしたらやってないかもしれないっていう瞬間があって、どちらも本当にそう思うんですよね。すごいなと思って、改めて衝撃を受けました」と、福山さん演じる重盛と同様、監督自身もその演技に揺さぶられていたことを明かしている。脚本を執筆しながら撮影を進行していった是枝監督は、役所さんの圧倒的な演技に物語の結末を書き変えようかと何度も悩んだという。果たして、役所さん演じる殺人犯・三隅はなぜ殺したのか?本当に殺したのか?その結末と共に、監督までをも揺さぶる怪演っぷりをスクリーンで目撃してみて。『三度目の殺人』は9月9日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年09月04日主演最新作『三度目の殺人』がベネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品されることになった福山雅治が、NHK総合で平日の朝に放送されている「あさイチ」の9月1日(金)放送回に生出演する。映画祭出席のためイタリアに向かう直前の福山さんが作品への想いを語る。音楽アーティストとして1990年にデビュー。「IT’S ONLY LOVE」「HELLO」「桜坂」などの名曲を世に送り出し、9月には新曲「聖域」のリリースも控える福山さん。俳優としては1993年放送のドラマ「ひとつ屋根の下」の“チイ兄ちゃん”役をはじめ「いつかまた逢える」「パーフェクトラブ!」などで“トレンディ俳優”として人気となり、2007年から始まった「ガリレオ」シリーズは連ドラ2ndシーズンやSPドラマのほか映画化もされ息の長い人気を誇る作品に。また2010年にはNHK大河ドラマ「龍馬伝」で坂本龍馬役を演じて主演。「第19回橋田賞」「第48回ギャラクシー賞」を受賞。2013年の是枝裕和監督作品『そして父になる』では「第37回日本アカデミー賞」をはじめ「第35回ヨコハマ映画祭」「第28回高崎映画祭」で主演男優賞を受賞するなど日本を代表する俳優へと上り詰めた。また歌手、俳優としてだけでなく写真家としての顔も持つなど多彩な活躍をみせる福山さんが、今回「あさイチ」のプレミアムトークに登場。最新作『三度目の殺人』へかける想いから音楽アーティストとして常に新境地に挑み続ける姿勢。そして“アラフィフ”を迎える現在の心境などを、ベネチア行き直前の福山さんに司会のNHKアナウンサー・有働由美子と「V6」井ノ原快彦の2人がとことんインタビューする。福山さんの主演最新作『三度目の殺人』は『そして父になる』の是枝裕和監督と2度目のタッグを組んだ法廷サスペンス。それは、ありふれた裁判のはずだった。殺人の前科がある三隅が解雇された工場の社長を殺し、火をつけた容疑で起訴された。犯行も自供し、死刑はほぼ確実だった。その弁護を担当することになった重盛。裁判をビジネスと割り切る彼は、どうにか無期懲役に持ちこむために調査を始める。だが、何かが、おかしい。調査を進めるにつれ、重盛の中で違和感が生まれていく。三隅の供述は会うたびに変わる。動機さえも…。弁護に真実は必要ない。そう信じていた弁護士が、初めて心の底から真実を知りたいと願い始める。やがて、三隅と被害者の娘・咲江の接点が明らかになり、新たな事実が浮かび上がる――。勝ちにこだわる弁護士・重盛を福山さんが演じ、死刑がほぼ確実な殺人事件の容疑者・三隅には役所広司。『海街diary』に続き是枝作品に出演する広瀬すずのほか斉藤由貴、吉田鋼太郎、満島真之介、市川実日子らが顔をそろえる。『三度目の殺人』は9月9日(土)より全国にて公開。福山さんをゲストに迎える「あさイチ」は9月1日(金)8時15分~NHK総合でオンエア。(笠緒)
2017年08月31日