現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、これまで彼氏ができたことがないという32歳女性。婚活をしつつ、自分に自信を持つため「1000万貯金」を目標に節約に励んでいるそうですが…。彼女がパートナーに出会うためにまずすべきことを、三松先生が教えてくれます!佐和子(32)モテないのは“半額シール”レスだとガッカリする脳のせい。1000万貯金レスでも、モテてる女性はたくさんいるもん【レスなひとびと】vol. 239不動産会社のバックオフィスで働く32歳の佐和子にはある夢がある。それは、1000万円貯金すること。今まで彼氏ができたこともなく、男性には相手にされない。むしろバカにされている視線すら感じる。いろんな意味で自信がないことに気づいている。1000万貯めれば、自分に自信が持てるかも。だから、とにかくなんでも安くおさめて現金、貯めてやる。「20時から貼られる半額シールに間に合わないー」仕事を終えると、近くのスーパーに向かってドタドタと走っていくのが佐和子の日課。購入した半額惣菜を夕飯にして、残りを翌日のお弁当につめる。揚げものばっかだし、消費期限すぎてるけど、自分のだから、まあいいっしょ。もちろん、婚活はあきらめてない。だって、結婚したら家賃や食費が折半。最強の節約ができるではないか。婚活アプリでは、とにかく倹約女子なことをアピール。お弁当の写真も載せた。あまりいいねがこない。なぜ? 茶色一色の半額惣菜弁当だってバレてるから?「あ〜、もう!」帰ってすぐ、500円で買ったユル部屋着に着替え、からあげやコロッケなどのお惣菜をつまむ。皿は使わない。洗う水道代と洗剤がもったいない。ソファにごろ寝してアプリをひらく。いいねを送ってくるのは、50歳オーバーのおじさまばかり。どんどん“ナシ”のほうにスワイプしていき、そして…誰もいなくなった。節約中だけど、買った惣菜のほうが安いしおいしいから、料理はしない。10年前に買った毛羽立ちのトレーナーの袖が抜けそうだがまだ着られるからギリ大丈夫。服は破れるまで着ないともったいなくて、ここ3年くらいは買ってない。あ、メルカリで、1,400円の紺スカートは買った。職場用。最近は会社が繁忙期。残業多めで、半額シールのタイミングに間に合わない。“半額シール”レス商品を買うことのほうが多くて、悔しくて、悲しくてイライラ。残業代は出るけど、半額で惣菜を買えないとなるとプラマイゼロな気がする。ケチ根性の計算だが。1か月後、やっと仕事が落ち着いた。「今日こそは」と走っていくと、あった! ラスイチの半額シールつき大葉ささみカツ。「あっ」勢いよく手を伸ばすと、骨ばった大きめの手とぶつかってしまう。見ると、毛玉だらけのニット姿の男性がささみカツのパックに手を。「えと…すみません」手をひっこめてしまった。同い年くらいかな?顔は好みだ。でも、ちょっと、というかかなり身なりがみすぼらしい。金欠なのかも。佐和子だって、袖が黒ずんでいるリボンタイつきブラウス。人のことは言えない。ただ、マジで金欠だと、家賃も食費も佐和子が出してあげることになる。それはごめんだ。…って、何考えてるんだ?スーパー半額売り場で婚活かよ。ささみカツ、どうする。「どうぞ」佐和子の目を見て、ささみカツを勧めてくる男性。「これうまいっすよね。大葉がしゃれてる」んん!? あり? ありなのか?会話をはずませて、仲良くなってしまうのがいいのか。シールを見つめる佐和子であった。【三松さんからのコメント】ファストファッションでおしゃれ服も安く買える時代、1着の服をそれだけ長く着るのはあっぱれ。エコで、SDGsウーマンじゃないですか。でも男性側は、倹約に付き合わなくちゃいけないと思うとゲンナリしてしまうかもしれません。「僕のお金の使い方まで口出してきそう」ってね。過度の倹約家は、アピールポイントなのではなくて、むしろマイナスポイントとも言えます。しかし、お金の価値観が合う男性にとって、佐和子さんはまたとないパートナー。倹約家の男性はきっと「あれが欲しい」「これが欲しい」「結婚式はここしかイヤだ」という女性を敬遠します。相手によって、アピールポイントは違うってことです。倹約の捉え方も個人差ありますもの。佐和子さんの結婚したい一番の理由は、「生活費を折半できるから」ですか?そんな理由で結婚決めるのは、ちょっと違う。年齢や容姿を基準に相手を選んでいることから、恋愛をしたい気持ちもうかがえます。もし、恋愛や異性に向き合うのがこわくて、節約や半額シールに逃げているのなら、油たっぷりのお惣菜をいったんやめて、期間を決めて自分に投資してみては?お肌、髪質、体型、高価でなくてもこぎれいなファッション。そして笑顔と余裕ある仕草。これで充分、モテに必要なファクターの「品位」がにじみ出てきます。「この人、ありかも?」なんて考え始めちゃったのが、よいきっかけになる。「“半額シール”レスの食材を選ぶ脳は大事だが、自己投資脳を目覚めさせてみよ。これまでと違う自分がいることに気づくぜ。そこから婚活スタートだ!」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©sandra/Adobe Stock文・三松真由美
2024年04月25日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、3年片思いしていた会社の同僚と晴れて恋人同士になったという21歳女性。ところが、初デートで彼のある行動が気になり…。恋人に対して急に冷めてしまう「蛙化現象」が起きてしまったときの対処法について、三松先生が教えてくれます!美穂(21歳)、これって蛙化?ハンカチレス男に1000日の恋も冷めてしまう【レスなひとびと】vol. 238マッチョ好きの美穂は、同じ会社に勤めるたくましい上腕をもつ剛に片思いして早3年。同僚には「ちょいゴリラ系だよね」って言われてる彼だけど、美穂にとってはそこがいいのだ。この春、歓送迎会の帰りに思い切って告白。まさかのOK。週末は初デート。桜がキレイな山にプチ登山することになった。「あー、服、迷う! っていうか、土曜ってどのくらいの気温なんだろ」調べると、山にしては結構気温が上がるみたいだった。剛にも伝えようと思ってLINEする。「土曜日は結構気温が上がるみたい。温度調整しやすい服で来てね。楽しみにしてるよ」気遣いができるところを見せたくて、丁寧に伝えた。そして、当日。よく晴れて、気持ちのいいお天気だ。剛が車で迎えに来てくれて、山の麓まで。そのあと車を停めて登山道を歩いていく。普段からバスケや筋トレをしている剛は、足取りが軽い。上着を脱いで、半袖から覗く上腕二頭筋にキュン。「あー、あの腕に腕枕してもらいたい」と、ついつい妄想してしまう。胸筋も広くてこんもり盛り上がってていい感じ。「さすがにこんだけ歩くと暑いね」初デートなのに汗だくで引かれないかな? と思いながら、美穂はハンカチで汗を拭う。「だね。ちょっと俺にもそれ貸して」「あ、うん」なんの気なしにタオルハンカチを渡すと、剛はゴシゴシと顔とうなじの汗を拭いはじめた。(えっ…?)せめて、ぽんぽんと押して拭きとる程度かと思っていたのに。皮脂までたっぷりつくくらい、しっかり拭く。アスリート系なのに自分のタオルとかハンカチ持ってないの?固まる美穂。一昨日「結構気温が上がるよ」って言ったはずなのに。服装のことに加えて「ハンカチもタオルも水筒も忘れずにね」って言わないといけなかった?それって、まるで遠足の前日のお母さんみたいでいやだよ。ハンカチを受け取ると、汗が染み込んだところを内側にして畳む。汗くさっ…。ああ、お気に入りのフェイラーのゴリラ柄ハンカチが…。「うお〜! 桜、満開じゃん」頂上近くの、桜が綺麗なエリアまでやってきた。剛はテンション高めだ。でも美穂は、さっきのことでモヤモヤ。心から楽しみきれない。「美穂、どうした?」「ううん」帰りは、車で美穂の家まで送ってくれた。そのまま帰すのもそっけないかなと思い「コーヒーでも飲んでく?」と聞いてみた。「お、いいねえ」うれしそうについてくる剛。ずっと待ち望んでいたはずの瞬間。それなのに、覆いかぶさる剛の髪から、美穂のカラダに降ってくる男臭の汗が気になる。やっぱり…なんか違うかも。【三松さんからのコメント】2023年の流行語トップ10にも選出された「蛙化現象」。もともとはグリム童話『かえるの王さま』が由来で「好きな相手に好意を向けられた途端、嫌いになってしまう現象」を指します。一方、Z世代のあいだでは、「好きなはずの相手のイヤな面を見て、急に冷めてしまう現象」として使われているようですね。蛙化のきっかけは、近づいたときの鼻息の荒さや鼻毛、店員さんへの横柄な態度などとさまざま。鼻息が荒いのはもう、どうしようもないですが。話を聞いていると、理想高めの人や完璧主義者に起こりやすいようです。 美穂さんも、片思いの期間が3年と長かったので、どうしても剛さんへの期待がふくらんでしまったのではないかなと。仲が深まるうちに、「もー! ちょっと、やめてよ!」と笑い飛ばせるようになればいいですが。ずっと憧れていた相手だからこそ、初デートではからかいづらかったのかもしれません。とはいえ、汗がイヤなのは大丈夫か?夫婦仲相談所に来られる妻の方々から「衛生的にズボラな夫とはまったく合わない」「あの汚さは生理的に無理」という言葉が出ます。今後、結婚するとしたらますますニオイと体液に触れるシーンは増えていく。一生続く結婚生活。そのたびに眉をヒソメていられない。そう考えると、蛙化の直感は正しいのかもしれません。「ハンカチ王子ではなくハンカチレス汚男子(おダンシ)。衛生概念の温度差は結婚後、冷めるファクターになる!よーく考えてから付き合ってね」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©BullRun/Adobe Stock文・三松真由美
2024年04月18日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、大学院生の彼氏との金銭感覚の違いに悩む24歳会社員女性。彼女は彼氏に給与水準の高い会社へ就職してもらいたいと思っているけれど、彼氏はバイト三昧で…。ふたりがこれからも長く一緒にいるためにできることを三松先生が教えてくれます!葵(24歳)、計画性レスの彼氏の奨学金が400万円。将来、二人で払うのは嫌かも【レスなひとびと】vol. 237葵は、丸の内のIT企業で働く会社員。もうすぐ3年目。華やかな暮らしが好きな葵は、とにかく給料重視で就活の荒波を乗り切った。よって年収は同世代の1.7倍。やりきった感で何度もママとねえちゃんと乾杯した。星空を見上げて彼氏の正人に電話。「お疲れ〜!」華金、同期飲みの帰り道。ギリ会社徒歩圏内に家を借りているので帰りは徒歩。「正人、今日は何してたの?」「バイト。いやー、今日も忙しかった」「えっ、今日は合説じゃなかったの?」「いや、バイトリーダーに急遽入れないかって言われちゃって。2割増でバイト代出すって言われたから、行ってきた」「ふーん」「葵は? 遅かったね」「同期と飲み会だよん。 超―いい店だったんだよ。写真送るね」写真は、東京駅の駅舎がバックに映る、夜景が綺麗なテラス席。葵の隣には、ほっぺがくっつきそうなくらい近くに男性の同僚がいて、楽しそうにピース。正人は大学院生。今年が就活の年だ。でも、葵と違って家庭に余裕がなく、仕送りなしの一人暮らし。だから、就活よりもバイトを優先させている。すでに奨学金を合計400万円借りているのに。葵は思う。正人にはなんとしてでも、葵みたいに給与水準の高い会社に入ってもらわないと。年収も家事もフィフティで依存しない結婚が夢。本音を言えば、将来、結婚したとして400万円を肩代わりしたくない。「そんなふうに計画性ゼロじゃ、いい会社入れないよ」「でも、バイトしないと今の生活が立ちゆかないしさ」正人は無駄遣いするほうではない。どちらかといえば倹約家。バイトを休む余裕はないのだろう。「就活中くらい、親に頼れないの?」「無理だよ。葵みたいに学費も生活費も出してもらえる家の人にはわからないって。住んでる世界が違うんさ」「……」何も返せない。週末、正人とのお花見デート。シートを敷いて、パン屋で調達したサンドイッチと缶ワイン。正人は、あれからずっと、葵の同僚との飲み会のことが気になって焦っていた。あのピース野郎は葵を狙ってんじゃないかと。こんなシートデートでいいのかよ。華やかな場が好きな葵だ。もっともっとバイトしてお金を稼いで、いい店に連れていかないと。ってことで、月末にがんばった。「えっ、お店予約してくれたの? ありがと」桜が見えるテラス席。春らしいパステルツイードのワンピースに身を包んだ葵が、にっこり微笑む。ちょっと無理してでも連れてきてよかった。そう思った正人だったけれど…。食事のあと葵に聞かれた。「ねえ、正人、お金ないんじゃないの?」ちょっと機嫌が悪そうだ。いい店で喜んでくれてると思ったのに。「いや、葵が同期とすげーいい店行ってただろ。それ見て俺、焦っちゃって。だから最近、バイトがんばってた」「頑張るとこ違ってない?いい会社に就職しないと奨学金も返せないよ。金銭感覚一緒でないとやっていけない」せっかくのスプリングデートが台無しだ。【三松さんからのコメント】就活、大変なのはよくわかります。自分に一致する理念と待遇の板挟み。でもわがまま言ってたらどっこも内定取れない。そんな時代なのですよね。高給、福利厚生安定の会社に就職したいなら、葵さんの言う通り計画性をもって動くことが重要。就活の辛さを知っている葵さんが、焦る気持ちもわかります。ただ、日本学生支援機構の調査によると、奨学金を借りている学生は、全体の5割。葵さんはそのことをご存知でしたかね。親に学費や生活費を出してもらえることは、あたりまえではないのです。どうしても正人さんの時間を捻出したいのなら、一緒に住んで生活費を軽減してあげてもいいのかもしれません。しかし結婚確定のわけではないし、時間があれば高給会社に入れるわけでもない。葵さんがいつも奢るのもおかしいし。悩みどころですね。ならば、会社選定と就活のノウハウをみっちり伝授することはできるのでは。バイトだって、立派なガクチカとして語れます。生活費を稼ぐため、一生懸命働いていたのなら、そのなかで工夫したことや体験談もあるのではないかと。それらを二人で洗い出す。葵さんは正人さんと将来も一緒にいたいゆえに、奨学金のことを心配している。正人さんは、将来より現在を心配している。ピース野郎に寝取られたくないから。「そこは安心して。あなたしか愛していない」と伝えるのも大事。葵さんを喜ばせたいためにバイトをがんばっているってことを認めて、受け止めましょう。二人が一緒にいられるようにするのに、まだまだできることがありそうです。「計画性レス彼氏、ひどいやつはいっぱいいる。給与全部ギャンブル…とかね。お金ないのに高いゴハン食べる彼ってのもアルアルでしょ!気になったら、目標設定シートをあなたが作ってあげればいいのよ。目標達成ごとにご褒美を出すってことで、やってみよ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©simona/Adobe Stock文・三松真由美
2024年04月11日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、4年付き合った彼氏に旅行先でフラれてしまった26歳女性。自信を回復するために彼女がとった行動とは…。恋愛でも人生でも、一発逆転するために必要な心掛けを三松先生が教えてくれます!舞(26歳)、奮発した旅行先で、まさかの彼氏レスになったが挽回したよ【レスなひとびと】vol. 236オーシャンフロントの客室。テラスに出た舞は、ミルキーブルーの海を眺めながら「わあ、気持ちいい」とワントーン高い声をあげる。彼氏の友哉と付き合って4年の記念日。奮発して沖縄旅行にやってきた。最近ちょっと友哉とのイチャイチャが足りてない。この旅行では存分にくっつく予定だった。夜、サンセットを眺めながらグリル料理を楽しんだあと。いよいよイチャイチャタイム。なのに、いつまでも部屋のソファでスマホをいじる友哉。舞はしびれを切らして抱きつく。「さみしいよ」そう言って、友哉のシャツのボタンを外していく。すると。「そういうのやめろよ」いつになく語気の強い友哉に、ビクッとして離れる舞。何よりハグを拒否されたことがショックだった。「ここ1年くらい、舞と一緒にいてもそういう気になれない」「それって」「今日は無理して旅行来たけど、俺たち、これ以上うまくいく気がしない」別れ話?沖縄で?最近、うっすらそんな気はしていた。だからこそ今回の旅行で挽回しようと思ってたのに、ここで言う?結婚式のための貯金だって、ずいぶん前から2人でしてたのに。結局、沖縄旅行を早々に切り上げることに。共同貯金をはんぶんこして友哉とは別れた。舞は思う。わたしって魅力ないのかな。SNSフォロワーは男性多いんだけどな。考えれば考えるほど自信がなくなり、将来への不安が募っていく。ある日の会社帰り。駅ナカの書店で一冊の本が舞の目に留まった。手にとって少し読んでみると「フラれた女は海外留学へ行け!」という趣旨のエッセイ本だった。本に書かれたカナダでの生活に思いが飛んでゆく。高校時代、ホームステイをする友達を見て羨ましかったことも思い出す。結婚の予定もなくなったわけだし、式のために貯めていたお金で海外行ってもいいかも。カナダ留学に向けて舞は準備を始めた。まず、英語の勉強と試験。それから、学校の手続きやビザ申請。さらに、英会話ができるマッチングアプリを駆使して、コミュ力も磨く。働きながらの留学準備は忙しい。だんだんと友哉のことを考える時間も減っていった。そして、いよいよ退職。カナダへと旅立った。半年後。舞は新しい彼、アランと同棲していた。「I’m going(いってきます)」アランは、舞が外出しようとするたびキスしてくれる。帰ってきたら、必ず抱きしめてくれる。もう、絶対友哉じゃ満足できないな。元彼と比較するのもなんだが、アランと付き合えたのは元彼が振ってくれたおかげだと思っている。【三松さんからのコメント】留学に行く理由は、語学研修とか、視野を広げるだけじゃない。恋人探しだっていう人も実は結構いるのです。舞さん、友哉さんにフラれた後、他の男性で自信を回復しようとしなかったのがえらかった。フラレ女性は、次の彼氏を秒で探すぞのアグレッシブ系と「傷ついた私」におぼれるメンポヨ(メンタルポヨポヨのよわっちさん)系と分かれますね。語学学習をして、勇気出して異国での生活を始める。ライフスタイルを大幅チェンジするというハードルが高いことに挑戦するって立派です。集中してがんばったので自信が回復したのでは?そんな舞さんだからこそ、アランのようなセクシー彼氏ができたのでしょう。法律を破ったり、誰かに迷惑をかけなければ地球上のどこにいったっていい。だって人生一度キリですもん。自信をなくしたとき、行き詰まったとき、もう手立てはないと思ってしまいがち。実はいくらでも選択肢はある。舞さんのようにグワっと視野を広げるだけで、世界が変わることもあるのです。「彼氏レスになった時こそ、勝負に出るんだ。人生一発逆転のいいきっかけになる!」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©peach100/Adobe Stock文・三松真由美
2024年03月28日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、書店員として働く23歳女性。副業でフードデリバリーの配達員をはじめたら、なんと胸キュンの出会いが…。素敵な出会いをするための秘訣を三松先生が教えてくれます!紬(23歳)、大好きな書店仕事だけど貯金レス。始めたフードデリバリーのバイトで…【レスなひとびと】vol. 235紬は書店員として働く23歳。物心ついた頃から本好き。本に関わる仕事はずっと夢だった。しかし。「今月も全然貯金できなかった〜!」紬の手取りは月15万円前後。家賃7万円、光熱費1.5万円、食費3万円。毎月ギリギリ。でも本の仕事が大好きなので転職はしたくない。ジムに行くお金はないので、運動を兼ねつつできる副業はないかと考えた。フードデリバリーの配達員だ!最初のうちは、慣れない大きなリュックによろめいた。ただ、ふだんとは違って屋外で働く開放感がいい感じ。「え、これどこから入るの?」転機が訪れたのは、ある雨の晩。目的地に着いたものの、タワマンの入り口には「入居者専用」の看板が。配達員は、配達専用裏口まで回らないといけないっぽい。あわてて自転車でターンしようとすると、ズベッと滑って転んでしまった!「うそっ、中身が」幸いハンバーガーだったからギリセーフ。ただコーヒーが少しこぼれてしまった。「味は劣るかもだけど…」エントランスの自販機で、ひとまずコーヒーを買い直して修復。オートロックの自動ドアを2回もくぐって、やっとエレベーターで29階へ。チャイムを鳴らすと、同い年くらいのスウェット姿の男性が出てくる。「すみません、さっき転んでしまって、コーヒーが少しこぼれてしまって。別のもので申し訳ないのですが、よかったら」怒られちゃうかも、とびくびくしながらハンバーガーの袋とコーヒーを差し出す。彼は受け取ると「こんな雨の日にすみません。ちょっと待ってて」と言い、タオルを持って戻ってきた。「返さなくていいから」そう言って、紬にタオルを渡してドアを閉めた。数日後、配達のバイトの日。「あっ」再び、あのタワマン29階の彼からオーダーが入った。洗って畳んでおいたタオルを一緒に持って出る。そして彼に桜フラペチーノの袋と、タオルの入った紙袋を渡すと。「え!あのときの…。ありがとう」驚きながらお礼を言われた。彼の左手には読みかけの小説が。最近紬も読んだ小説だ。「あ、その小説、いい展開しますよね、奇想天外っていうか」思わずポロッと感想が出てしまう。すると、彼が初めて笑った。「本、お好きなんですか」「はあ、いつもは書店員しててこっちは副業で」「そうなんですか…あの…」彼から名刺を渡される。誰でも知ってる外資系のIT企業だ。「ツカサっていいます。よかったら、今度ごはん行きませんか。小説の話したいな」「…!」久しぶりに、なんだかドキドキ。好きなものがきっかけになるって、いいな。【三松さんからのコメント】好きなものへの気持ちを貫く紬さん、かっこいいですね。今の時代、「仕事に不満がある」=「転職しなければならない」わけではない。お金をむっちゃかけて運動している社会人が多いなか、お金をもらいながら運動しちゃおうというポジティブさが推せます。フードデリバリーのバイトが出会いにつながったのは、紬さんの他者を気遣う人間性のたまもの。困難な状況でも投げやりにならず、ごかまさず、最大限の気遣いをしたから。趣味が合ったのもGOOD。趣味はもっておいて損はないと思ったでしょ!好きじゃないものをムリやり摂取する必要はありませんが、人との共通点が作れれば作れるほど、いい出会いの確率って上がります。趣味をもつって大切。読書、動画、料理、スポーツ、あ、大谷翔平選手だってスポーツが取り持ったご縁じゃないですか!少しでも「おもしろいかも」と思ったら深掘りチェックしてみて。もしかしたら、それがきっかけで話が弾むことだってある。紬さんにはマネー貯金はなくても、いい出会いのための「経験貯金」があったのです。彼と一緒に桜フラペチーノを持って、御苑の桜の木の下でふたりで読書。ドラマのような楽しいデートができるといいですね!「貯金レスでも卑屈にならず、経験貯金をしとこう。趣味や好きなことを突き詰めとくとタワマンに住むことができるかもしれない。あ、人間性も磨くのは忘れずに」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©aerogondo/Adobe Stock文・三松真由美
2024年03月21日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、自分との時間より趣味を優先する彼氏に不満を感じている26歳女性。将来の生活にも不安を感じているとのことですが…。長続きカップルになるためにはどうしたらいいか、結婚前に必ずしておくべきことを三松先生が教えてくれます!翔子(26歳)、趣味の時間を大事にする彼。趣味レスなわたしってつまんない女か【レスなひとびと】vol. 233「じゃ、行ってくるわ」朝5時前。同棲中の彼氏、陽平はベッドを抜け出し、スノボに出かけていった。最近はいつもこうだ。「もうすぐシーズンが終わるから」って毎週のようにスノボに出かけていくんだもん。翔子も一度だけ、一緒に行ったことはある。ふだんは着ないような派手色のウェアとゴーグルとニット帽を買って。陽平は「かわいいじゃん」ってほめてくれたけど…。「ぜんっぜん滑れないーー」サラサラとロングヘアをなびかせて、真横を滑走していく女性を見ると翔子は腰が引けてしまった。リフトを降りたばかりで、先はものすごく長いのにどうやって下まで行こう。「しょーがねぇなぁ、ゆっくりでいいから」と笑いながら、最初は手取り足取り優しく教えてくれていたものの、そりゃ教えてばかりじゃつまんないよね。彼は思いきり滑りたくなったのか、1時間だけ別行動することに。寒くて、寂しくて、孤独で、一体何のために冬山に来たんだ!?あれ以来、翔子はスノボには同行していない。一緒に住むまではそれでよかった。翔子は大きな病院で看護師をしていて、ランダムシフト。土日に毎週休めるわけじゃない。土日はアウトドア派の陽平がむしろ都合いいくらいだ。行動がわかってるので浮気の心配もしなくていいし。その考えは一緒に住み始めて一転した。「え、今週も行くの?」の繰り返し。毎週末に出かける陽平。仕事か趣味かで、家のことはまったくやらない。「わりぃ、また友達と約束してるんだ。エッチはまたね。翔子はどっか行きたいとこがあるんだっけ?」「んー、特にあるってわけじゃないけど、最近一緒にゆっくりできてないなって」「そかそか。じゃあ、やりたいことできたら教えて!」陽平はまず趣味優先。翔子のことはその次。しかも、チラッと見えてしまった。陽平のスマホに、サークル掲示板のアプリが入っているのを。ためしに翔子もアプリをダウンロードしてみる。掲示板には「お茶できる20〜30代募集」といった簡単なものから「1泊でスノボ行く人募集」といったものまでいろいろある。スノボサークルの参加者を探すと「よーちゃん」がいた。アイコンはずいぶん前にふたりで行ったカフェデートで、翔子が撮った写真。そのサークルには、もちろん女性もいる。今頃、陽平は上級者の男女でスノボを楽しんでいるのだろうか。全然家のこともやらずに、春夏はサーフィンやキャンプ、秋冬はスノボ。(わたしも何か、趣味を作ればいいのかなあ)もやもやして、二度寝もできなくなってしまう。このままじゃ、結婚しても一緒に子育てできる気がしない。【三松さんからのコメント】なるほど趣味や友達付き合いを優先する彼氏に不満な日々ですね。結婚前に不安や不満はすり合わせしておかないと、「結婚したら直るだろう」ってことは一切ありません。家のことを翔子さんに任せていつまでも子ども気分。自由気ままな彼氏。お互い働いているのにフェアじゃない。まずは、家事の分担を決めるところからです。「趣味に時間使う前に、生活の基本は二人でシェアしよう」が第一声です。陽平さんはなにか明確な目的がないと、行動を起こさないタイプ。「この日はしよう」とあらかじめ計画をしてみて。は家事だけでなく、映画、ゲーム、ドライブ、カフェデート、エッチなど二人で共にする行動。それでも自分の趣味と付き合いを優先するようならば、別れるかどうかを真剣に検討したほうがよかろうかと。趣味は必ずしも同じじゃなくていい。パートナーの趣味を受け入れ、自分は全然違うことをする。でも二人でする何かのときにはコミットして充実タイムを過ごす。そんな関係が健全です。趣味がないならば無理して探す必要はありません。「パートナーとなんもせずまったり過ごすのが好き」という人だっていくらでもいます。問題は彼が翔子さんのその気持ちを察するかどうかです。察することが苦手な彼なら、バチッと言葉で伝えないとわからない。結婚できるかどうか、今のうちに模索してみてくださいね。「趣味レス女性でもぜんぜんOK。でも彼が“趣味>二人時間”ってタイプなら結婚後、確実にレスになります!いいのか。それで。寂しいぞう」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©KRIS/Adobe Stock文・三松真由美
2024年02月29日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、推し一筋でリアルな恋愛に縁がなかった22歳女性。バイト先の男性に突然告白され、驚きつつデートするもトラブルに遭遇してしまい…。「いい彼氏」になれるのはどんな男性なのか、三松先生が教えてくれます!風花(22歳)、ぬい撮り中に「非常識ね」と指摘され動揺。私って常識レスなの??【レスなひとびと】vol. 231風花には推しがいる。お出かけの時は、いつだって推しぬいと一緒。ぬい活は、風花の暮らしのなかの欠かせないルーティンだ。そして、同じグループを推してる子とのお出かけが、一番気楽だった。推し仲間はすべてを分かち合える。だから、バイト先の竜崎くんに誘われたときは心底驚いた。「間宮さん、この通り沿いにパフェ専門店がオープンしたの知ってる?僕、甘党なんだ。男一人だと行きづらいから、付き合ってくんない?や、もちろん興味なかったら全然断ってくれていんだけど」「えっ!エミリーパフェのことかな。ま、まぁいいけど…」高さのある盛り付けがキレイなそのパフェ店は、SNSでも話題になっていた。今月限定のいちごパフェは、推しのメンカラの赤と同じだから、写真を撮ったらすごく映えそうで、正直ひとりでも行こうと思ってた。だから、勢いでOKしちゃった。「あの、うち、推しがいて。カフェとか行くと、いっつも推しのぬい…あ、小さいぬいぐるみなんだけど…と写真撮ってるんだよね。竜崎くんはそういうの、恥ずかしくない?」「え、全然。てゆうか知ってるよ、間宮さんがよく、休憩中にぬいと写真撮ってるの」(み、見られてたのかあ)思わぬ発言に、顔がホワンと赤くなる。「ごめん、やっぱ言う。男一人だから入れないんじゃなくて、間宮さんが気になってるから一緒に行きたいの」(って、どういう展開?…)突然の告白。これまで推しにしか恋愛感情がなかった風花は心臓が飛び出そうになる。とはいえ、同時に思う。なかなかうちの推し活を理解するのは難しいだろうな、と。悶々。(パフェ店でのうちを見て、竜崎くん、常識ないやつって、きっと引くんだろうな)1週間後、竜崎くんが予約してくれたパフェ店に行った。予定通り、いちごパフェの隣にぬいを置いて撮影タイム。絶対映える。ウキウキだ。意外にも竜崎くんはそれを楽しそうに見ている。と、そのとき。「あっ、汚〜い」こちらに向かって、すぐ隣のテーブルの女性が大きな声を出した。目がつり上がって怖い顔。驚いて固まっていると、こう言った。「あなた、不衛生じゃない?洗濯もできない汚れたぬいぐるみを食べ物のそばに置いて。隣の席にいる私達のことも考えてよ。子どもじゃあるまいし。非常識よ」店にいるみんなが、こちらを見ている。不意打ちすぎて、言葉が出ず、ぬいをテーブル下に隠してうつむいてしまう。涙がこぼれそう。(やっぱ、常識はずれかあ。竜崎くん、きっと、こんなうちといるのは嫌だろうな)「そんなふうに指摘してくるほうがずっと非常識です。僕たちは、予約のとき、お店の方に人形と写真を撮っていいかの確認を取ってますよ」(え…?)竜崎くんの言葉に顔を上げる。すると、説教女は「うるさいわね!気分悪いわ。ここで食べるの嫌になったわ」と言ってレジへと立ち去っていった。(竜崎くん、そんなことまで確認しておいてくれたんだ)「さ、撮って!いつも楽しそうに推し活してる間宮さんのこと、いいなと思ってたんだよ。一生懸命でいい感じだなって」ほんと、竜崎くんには、ドキッとさせられっぱなしだ。【三松さんからのコメント】今や、20代の半数は推しがいるとも言われています。実際にフル推し活をしている人の割合はもう少し低いかもしれませんが、それでも「ぬい撮り=周囲に引かれること」というふうに考えて、自分から身を引く必要はないない。勇気を出してデート、行ってみてよかったですね!それにしても、急に怒鳴られたのは災難でした。ぬいを置いているのは、風花さんのパフェの隣。その説教女のパフェではないですし、同席しているわけでもない。自分のなかの常識を振りかざし、個人を怒鳴り、公の場で辱める。そのひとこそ非常識な行動だわあと感じました。思わぬアクシデントが起きた時の咄嗟対応って、性格が出ます。さっと動いて、かばってくれた竜崎くん、ナイスです。きっと、風花さんが心から楽しめるように事前準備してくれていたのですね。気遣い度抜群。これからのおふたりの進展が、楽しみです。「常識レスかなと感じてるあなた。空気を読む力があれば大丈夫。時と場所を考えて気遣いを。それを補ってくれる彼氏をゲッチュできれば幸せ者です」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©hakase420/Adobe Stock文・三松真由美
2024年02月15日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、オンラインゲームで知り合った男性に「会わない?」と誘われた26歳女性。彼には同棲中の彼女がいるらしいのですが…。彼女がまず考えるべきことは何か、三松先生が教えてくれます!ユキ(26歳)、冷静さレス。「4年付き合っている彼女よりユキのほうがかわいい」って言われて舞い上がる【レスなひとびと】vol. 230仕事の日は、帰宅するとひとまずNintendo Switchの電源を入れる。「あ、コウさんいるじゃん」モフモフ部屋着に着替えながら画面を確認すると、気になっている彼がいるのが見えた。ユキはショッピングモールの雑貨店で働く26歳。立ち仕事なので、帰宅後はもう、一歩も動きたくない。とはいえ、ひとりの部屋はさみしい。そんなユキに、オンラインプレイができるゲームはぴったりだったのだ。ユキの気になる相手コウさんは、フリーのコンピュータエンジニア。30歳。彼女と同棲中らしい。それなのに、ボイスチャットをしながら一緒にプレイするうちに「ユキちゃんって声、かわいいよね」「正直、彼女よりも気が合う」「あー、ユキちゃんみたいな子が彼女だったらなぁ。ノリもいいし」とノリノリで言ってきたのだ。最初は驚いたけど、悪い気はしなかった。だって、4年も付き合っている彼女よりも、ユキが上だと言っている。今まで好きな人はいたことがあるけれど、恋が実ったことはない。モテたこともない。だから、コウさんの言葉を聞くと、「わたしって、ほんとはすごく魅力的なのかもしれない」と優越感が湧き上がる。「調子いいなあ」と最初は聞き流していたけど、毎日のように褒められて、だんだん彼が気になってきてしまっている。仕事でくたくたの夜に「今日はユキちゃんといっぱいプレイできたから疲れ取れたわ」なんて言われると、なんだかこっちもそんなような気がしてきてしまう。だから、ついに聞いてみた。「コウさん、彼女さんと一緒に住んでるのに、そんなこと言っていいんですか?聞かれたらまずくないですか」「いや、自分の部屋だし平気だよ。彼女もオレっちのゲームのことなんか興味ないと思うし」「え、そうなんですか?あんまり仲良くないとか…」「そうそう。友達って感じ。だからさあ、今度、ユキちゃん会わない?ちょっと遠いけど、新幹線ならすぐっしょ」突然の誘いに驚いてしまう。でも、コウさんとは気が合うし、趣味も同じだし、いい人だし。会ってみたい。(もしかしたら、彼女と別れて、わたしと付き合うことになるかも?)そう思ったものの、まだちょっと怖くて渋ってしまう。「新幹線代は、会ってから払うからさ。来月こっちおいでよ、どこかの部屋にSwitch持ち込んで、一緒にプレイしたらめっちゃ楽しそうじゃない?」ぐいぐい来るコウさんに、すぐ返事ができない。「え、ユキちゃん思ってたよりノリよくないな。仕事忙しいとかかな」ああ、ノリが悪いってマイナス評価がついちゃった。早く決断しなくちゃいけないけど、どうしたらいいかわからない。【三松さんからのコメント】オンラインゲームで出会って結婚、何組か話を聞いたことがあります。スプラ婚とか言うんですね。ブキを持ってウエディングフォトを撮ったり、ウェルカムボードにイカのぬいぐるみを飾ったり、楽しそうでした。趣味をきっかけにして出会うと、一緒に楽しめることが多くてとってもよしです。お相手の性格も把握しやすいし。ユキさんが「会ってみたい」と思うのなら止めませんが、コウさんは彼女に不義理な男性ってことはわかりますよね。未婚とはいえ浮気に当てはまります。ほかにも気になるのは、コウさんが、ユキさんのペースを尊重していないところ。「会おう」と言われて即決できないのは、決して悪いことではありません。それをすぐ「ノリが悪い」と指摘してくるのは、自分の都合しか考えていないゆえの行動ではないか。本当にユキさんのことが気になっていて、大切にしたいと思っているのなら、待てるはず。彼女とのことをまずは整理してから誘うのが「まっとうな恋愛」です。ユキさんも毎回「可愛い」と言われて舞い上がっているだけなのか、それとも本当にコウさんが気になっているのか、冷静に自分対話してみて。冷静さレスで焦って会いに行っても、望むような未来にはつながりません。「恋と結婚は勢いが勝負という噂もありますが、1回目デートでパンツは脱ぐな」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Suthida/Adobe Stock文・三松真由美
2024年02月08日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、AGA治療のクリニックで働く24歳女性。患者のアラフォー男性から誘われ「想定外」と思っていたものの…。三松先生が、よい恋愛をするために、ルックスより重視すべきことを教えてくれます!ツグミ(24歳)13歳年上頭髪レス男に言い寄られるがアリか?【レスなひとびと】vol. 229駅や電車でよく見かけるAGA治療のクリニック。ツグミは新橋のクリニックで受付事務の仕事をしている。患者さんの対応、管理だけでなく、空き時間にはヘアサイクルのイラストを描いたり、毛髪診断士さんと勉強会をしたりと充実の職場。毎日仕事に行くのが楽しくてしょうがない。患者さんは、たしかに年齢の割に薄い人が多い。元通りの髪型に戻りたいと一生懸命な様子を見ていると、心から応援したくなる。恥ずかしそうに目を合わせぬよう処方箋を受け取るひともいれば「今夜ゴハンどう?」のグイグイ系患者さんもいて、男性観察ができる。学びの多い職場だ。土曜出勤のシフトで、仕事終わりに銀座でゴハンでもしようかと思っていた日。クリニックを出ると、患者の藤川さんが背後から声をかけてきた。「あのう、この前、NewJeansが好きって立ち話してるのを聞いたので、よかったらこれ使いませんか。妹が間違えて2つ購入したって…」手のひらサイズの公式雑貨。「わあ、かわいい。私、どこでそんなこと言ってました?」「昼休みに、受付カウンターでナースさんと。僕、診察が長引いたんで、待合ロビーにいたんです」長く通院してる患者さんの嬉しい気遣い。快く受け取った。すると藤川さんは名刺を差し出し、早口で言う。「もしお茶お付き合いくださるなら、いつでもメールください」いやあ、ないない。頭頂部のヘアがないアラフォー男性。想定外です。と思いながらも失礼にならぬよう名刺はいただいた。名のあるIT会社だ。カルテ見たら37歳。にしてはツルルン。ツグミに不運な事件が起きたのはその数日後。マッチングアプリでマッチした男性と初めてのデートの日。そいつが最低ゲス野郎で、食事の後、無理やりツグミとラブホ街を通り、ホテルに連れ込もうとしたのだ。恐怖を味わい、思い切りバッグで殴ってダッシュして逃げた。自宅付近の駅に着いたのは24時25分。マンションまでの道は徒歩14分。人気がなく薄暗い。怖い。あんなことをされた後の夜道は臆病になる。交番のおまわりさんは外勤なのか、無人…。小さな駅なのでタクシー乗り場はない。思わず名刺を取り出す。藤川さんの携帯番号をプッシュ。遅い時間なのにすぐに出てくれた。理由を話して、家まで送ってくれないかと頼むツグミ。駅中で待っていると、藤川さんは、タクシーを飛ばして来てくれた。なんだかホッとする。無事家に着いた。「ありがとうございます。今度お礼にケーキをごちそうします」と思わずお礼を。ってことで、休日にカフェで藤川さんとお礼のケーキタイム。これがまた、とんでもなく楽しかったのだ。お仕事でAIを使ってることをわかりやすく教えてくれたり、趣味の自転車街巡りの話を聞いたり。NewJeansについてもなんとなく話が合う。頭頂部のことがまったく気にならなくなった。あまりに、会話が楽しくて、また会いたくなったではないか。髪型はうちのクリニック通院できっとフサフサになるはず。それを待たずに、今のうちに付き合ってみてもいいかも。脳内で、藤川さんにカツラをかぶせる想像をしてみる。「アリかも!!!」思わず叫ぶツグミを、藤川さんが不思議そうに見つめる。どうなる、この恋。【三松さんからのコメント】ツグミさん、その恋、アリですよアリ。NewJeansの立ち話を聞いたときに彼は「チャンス」と思ったんでしょうね。ネットに頼らず、現実世界でツグミさんにアプローチした行動力がすばらしいです。その心意気、評価できます。リアルガチで告って玉砕するのを避けがちな令和男性。彼は頭頂部コンプレックスがあるので、振られる覚悟で話しかけたはず。恋愛開始は第一印象、見た目に左右されやすいのですが、ルックスより、そのひとの醸し出す雰囲気、受け答えの心地よさを深掘りすると、より上等の恋に発展します。この恋、進めてみましょう。「頭髪レスの男性、第一印象にとらわれず、じっくり話してみて。心地よければ付き合ってよし!今のAGA治療はすごいんだから」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©japolia/Adobe Stock文・三松真由美
2024年01月25日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、憧れのお店で働くことにやりがいを感じている21歳女性。仕事を応援してくれていたはずの彼氏がある日不満を言い出し…。三松先生が、恋、仕事、結婚に悩む女性に大切なアドバイスをしてくれます!真希(21歳)、念願の正社員で休日レス。休みが合わずに彼が不満を言い出した【レスなひとびと】vol. 228「よしっ、これで今日は売り切ったね!」真希は表参道の人気ケーキ店で働く21歳。3年目の今年、「正社員にならないか」と打診されラッキー!正社員になったばかりではりきっている。アルバイトのときとは責任の重さが違うけれど、憧れの夢の世界のようなお店で社員として働いて、お客さんの笑顔にたくさん触れて、だんだん自信もついてきた。収入もアップしたから、いいことだらけ。彼への誕生日プレゼントに奮発してジル・サンダーのマフラーを買ったぞ。陽平とは付き合いはじめて1年半。陽平は高校時代に入っていたバド部の先輩。卒業したあと、何度か集まるうちに告白された。今年の陽平の誕生日は日曜日で、真希はお店に出るシフト。デートはできない。でも、仕事が終わったら陽平の家に行って、マフラーを渡すのを楽しみにしていた。いよいよ誕生日当日。お店を閉めたのは22時すぎ。なんとか日付が変わる前に、陽平の家につけそうだ。「おかえり!」陽平はまだ起きて待っていてくれていた。いつも通り、甘い缶のカクテルを飲みながら、陽平の膝の間に座ってイチャイチャ。おっぱい撫でられたり、うなじにキスされたり。真希も、陽平の耳たぶを甘噛みしてベッド行こうとささやく。短い時間だったとしても、こうしてくっつける時間が最高に幸せだ。ベッドに寝っ転がると、空気が一転。「ねえ、真希」「ん」陽平が突然、真剣な顔で名前を呼ぶから、ドキッとする。「真希、むちゃ仕事してるよね。不規則な仕事。俺、誕生日とかクリスマス、年末年始とかのイベントごと、ほぼひとりで過ごさなきゃいけないのかな」「…?」「ときどき思うんだよ。もっと普通の仕事をしてる子と付き合ってたらなって。土日とか会える子」え、急にどうした。普通の仕事って、何?しかも、他の子と付き合う選択肢もあったみたいな言い方…。一気に胸が苦しくなる。確かに、土日休みの会社員をしている陽平とは、休みがまったく合わない。さらに去年から、新年に食べるフランスの伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」の販売を始めて、年末年始も前より忙しくなった。陽平は私のかわいい口元も、とぼける顔も、栗色ヘアも、オムレツ作るのが上手なとこも、仕事に全集中するとこも全部含めて好きって言ってくれてた。「どうしてそんなこと言うの。陽平、わたしの仕事応援してくれるって言ってたよね?」「そうだけどさ。だって、どうするの、子どもとかできたら。イベントごとのお祝いはできないってこと。土日もないしさ。変じゃない?」せっかく憧れのお店で働いて、どんどん仕事を任せてもらえるようになってきたのに。これからも続けていきたいって、思ってるのに。これって、おかしいことかな。今の仕事をしながらだと、恋をしたり、家庭をもったりはあきらめなくちゃいけないの?あんなに渡すのが楽しみだったマフラー、どうしたらいいかわからない。【三松さんからのコメント】真希さん、全然おかしくないです。私達は土日祝日に買いものをしたり、レジャーを楽しんだり、病院で急患で診てもらえたり、さまざまなことをしてもらえますよね。それは当然、そのとき働いている人がいるからです。そういう社会の構造を知ろうとせず、自分の休みに合わないという事実のみで大切な人を傷つけてしまう陽平さん、年齢のわりに子どもっぽい!!陽平さんは、どうしても休日にずーっと真希さんといたいのでしょうか。ぼっちが苦手なタイプか。もし、友達や趣味が少なく、ひとりで過ごすのが苦なのであれば、陽平さんが平日休みの会社に転職する方法もある。イベント日だって、別にその日に何かしなければいけないわけじゃない。1日遅れのクリスマスでも楽しめるはず。できるときに、できるやり方で楽しめばいい。臨機応変な対応ができる彼氏のほうが、この先一緒にいて安心ですよ。マイナスをプラスに変える力をもつ彼氏。そして丸一日一緒じゃなかったとしても、限られた時間を密度濃く過ごすことができる彼氏。今、彼の不満が浮かび上がったので、真希さんはそんな彼氏に育ててあげるほうが早いですね。憧れの職場で生き生きと働く真希さんは、間違いなくステキです。そういう仕事には、なかなか巡り合えるものではないので今の環境を大切にね。あ!仕事をがんばるうちに、そんな真希さんにアプローチしてくる人がいて、真希さんのほうに違う“選択肢”ができるかもしれません。人生はどう転ぶかわからない。彼の不満を解消すべく育て上げるか、今の仕事を応援してくれるひとの出現を待つか。「休日レスで、文句言う彼氏なら一緒にいる時間を濃厚にする方法を編み出そう。そんでもブーブー言うなら別れてよし」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©millenius/Adobe Stock文・三松真由美
2024年01月18日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、おうちデートしかしない彼氏に不満の24歳女性のお悩み。さらに誕生日前に金欠アピールされて…。三松先生が、彼氏の本質をずばりジャッジします!百々子(24歳)誕生日にまさかのプレゼントレス!?彼氏の金欠アピールの意味ってなんだ【レスなひとびと】vol. 228百々子は仙台の小さな不動産会社で派遣社員として働いている。仕事は17時ぴったりに終わるけど、収入も少なめ。だから、週に2日、20時から24時のあいだ、ガールズバーで副業。ユキトとの出会いは、1か月前。百々子が勤めるガルバに、お客さんとしてやってきた。ラップみたいなリズムを取りながらユキトが話しかけてくる。「レ・ン・ラ・ク・サ・キ、お・し・え・て・ベイビ」ドキュンお砂糖たっぷりミルクティみたいに甘くて、ホッと落ちつくユキトの声。ふざけるとこも好みだ。直球の好み。他のお客さんには「えー!もうちょっと仲良くなってからじゃないと教えない」って返してた。「お見送りの時に渡します」小さな声でそう答えた。「ふーん、本名は百々子っていうんだ。可愛いね」連絡先を交換してからは新幹線並みに早かった。モーニングコールや、おやすみの通話を数日続けたあと、「うち遊びに来ない?」と誘われた。ユキトの家は、百々子の家から高速使って40分くらい。けっこう遠いが胸を高鳴らせて、高速を走った。とびきり甘い音楽をかけて、気分はドラマのヒロインだ。ユキトの部屋のインテリアはごくシンプル。暖房器具はエアコンしかなくてちょっと寒い。「ベッドでくっつけばあったかいよ」と手を引かれて。「ユ、ユキトッ!え、もう?早くない?まだ出会って2週間だよ」「こんな可愛い子が、彼女で超うれしい。ねぇ百々子、ダメ?」耳元で大好きなミルクティーボイスが囁く。細くてサラサラの栗色に染めた前髪にそそられる。つい「ダメじゃないけど」と言ってしまう。会って2週間で一線、越えてしまった。「別に付き合ってるんだし、何の問題もないよね。大人同士だし」百々子はそう思っていたが。「今日もうち来ない?」ユキトから来るのは、家へのお誘いばかり。百々子の家に来たり、どこかにお出かけしたりが全然ない。高速代もバカにならないし、と思って、勇気を出して伝えてみた。「毎回の高速代が、結構響いてて」「週に2〜3日うちにいるのに、百々子は家賃とか光熱費、払ってないよね。そのぶんだと思えばよくないか」「え」「てゆうか、俺、金欠やばくて。あ、いや、金貸してとは言わないよ。そんなんかっこ悪いから。でも、バイクのローンとか部屋の更新料とか重なって、ほんと金ないんだ」百々子の誕生日がもうすぐだと、話した矢先のことだった。これって「プレゼントは渡せないから期待しないでね」ってこと?ブランドものが欲しいわけじゃないけど、これまで全くお金をかけてくれないのは寂しかった。「付き合いはじめたばかりだし、気を遣わないでね」って、言うべきか。【三松さんからのコメント】百々子さん、もっといい人がいるのではないですか。百々子さんはいわゆるダメンズ引きの性質ですかね。相手の本質を見抜かないと。「高速代がかかっても、ユキトさんと過ごす時間はプライスレス」そう思って通ってるかもしれません。でも彼のほうはどうでしょう。そこまで大切に思ってくれているのか。百々子さんとの時間に、お金を出そうとはしない。光熱費と高速代を等価と考える。しかも、やることはやる。そして、誕生日の直前にお金ない宣言。お付き合いして初めての誕生日なのに、彼女に夢を見せてくれないタイプ。金欠なのは、百歩譲ってしょうがない。我が国の平均収入は上がらないのに、物価はどんどん上がってますし。とは言え、少しでも彼女をお祝いしたい気持ちがあるのなら、「お金はないけど当日は一緒にいたいから、手料理を振舞わせてほしい」など、愛ある言葉を一緒に伝えるべきですよね。「お金ない」だけ伝えて、相手に「プレゼントはいいよ」と言ってもらうのを期待するなんてダメ男の要素あり。光熱費を要求されるのは時間の問題。せっかくのガルバのバイト代が高速代に、思いやり欠如の男性に消えてしまうなんてもったいない!バイト代で好きな服を買って、別の出会いの場に飛び込んだほうがいいと私はジャッジしました。「バースデーのプレゼントレス問題。プレゼントってケイト・スペードやサマタバのバッグじゃなくても手料理でもいいよね。そういう思考をもつ彼氏を見つけよう」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Krakenimages.com/Adobe Stock文・三松真由美
2024年01月11日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、お坊ちゃん育ちの彼氏との「格差交際」にモヤモヤしている25歳女性のお悩み。三松先生が、見過ごしてはいけない大切なことを教えてくれます!遥香(25歳)、苦労レスのお坊ちゃま彼氏にざわつく【レスなひとびと】vol. 226自転車で3キロ先の食品会社まで通勤する遥香。天気がいい日は気持ちがいい。地元就職は、都会みたいに刺激はないけど、安定した生活で貯金もできるから最高。機嫌よく大好きなハリー・スタイルズを聴きながら走っていたら、後ろから車の音。狭い道だったので端っこに寄ろうとしたら…ガッコーン!段差にバランスを失って転んでしまった。土手の草の上でよかった。だが左手首に激痛。やばい。折れたか。車から降りてきた青年が、申し訳なさそうに頭を下げながら遥香に手を貸す。「ごめんなさい。僕の不注意で」「いえいえ。こっちが勝手にバランス崩してこけたんですー」「捻挫か折れてるかわからないから、駅前の整形外科までお送りします。乗って」断ったものの、たしかに骨折は怖いので自転車を土手に停めて、病院に連れて行ってもらった。結果、捻挫だから大丈夫。貼り薬をもらうだけでよかった。その青年がロビーでずっと待っていて、名刺をくれた。「僕のせいなので、治るまで病院代出しますので」“御堂丸産業御堂丸晃久MIDOUMARUAKIHISA”えええ!地元で材木屋やガソリンスタンドやコンビニなんかを手掛けてる地主のボンボンじゃないか。遥香は恐縮するが、いったん連絡先を交換した。それからは、怪我の様子を聞くために晃久から頻繁に連絡が入り、治りかけたころ食事に誘われる。「まじで?これって花より男子のリアル版ってこと?」災い転じての彼氏の出現に遥香は軽くバンザイ。楽しいデートが続く恋愛初期段階。ハッピー遥香は「地元就職、正解だあ」と母や友達と嬉しさを分かち合った。しかし。生まれながらのお坊ちゃん育ちの晃久にだんだん違和感を感じるように。たとえば、ピクニックでスニーカーに泥水がついて汚れたら慌てて車で近くの靴屋に駆け込み、新品購入。汚れたのは店員に「捨てといて」とクール顔。「ええ?ナイキのたっかいやつ、捨てる?洗えばいいじゃない」…とは言えない。飲食店ではメニューの一番高いやつから順にオーダー。そして従業員にタメ口。「済んだ皿は即刻下げてよ」的な。「そんな上から目線、失礼だよ」…とは言えない。スマホやタブレットで新機種が出ると即日購入。「まだ全然使えますよね、あと1年使えば下取りで得する」…とは言えない。問題はベッドだ。ベッドに全裸で寝そべって、なんもしない。遥香に「好きに動いていいよ」の発言。最初はとまどったが、5回したら慣れた。なんとか我慢できる。決定的に無理ではないけど、晃久との恋愛継続はありなのか。【三松さんからのコメント】平等を謳う時代ですが“格差婚”については、ネットニュースでもしばしば流れてきます。人気女優さんとまだ売れてない俳優さんの例などです。一般世間でもそれらしき結婚はたーくさんあります。お家柄、親の資産、当事者のステイタスや収入、外見…そんなもん上下あるの?というようなものも見方によっては格差婚。格差の定義は、ひとによって作られる。もちろんうまくいくカップルもあれば、下とされてる側がいたたまれなくなって離婚のケースもあり。遥香さんの“格差交際”、今はまだ遥香さんのザワツキ程度の問題ですが、もし結婚したり、子どもができたりすると彼のご家族がアレコレ介入する可能性はかなり高し。嫁姑問題も起こりやすいってのがわたしの実感です。それに、現在の遥香さんの「これってあり?」の彼の言動。かなりやばくないですか。苦労知らずの坊ちゃんにありがちと見過ごしてはダメです。苦労知らずでも礼儀やマナーを守る、謙虚なぼっちゃまもいるのですから!苦労の量ではなく、気質の問題かと。遥香さんが言いにくいという関係性もダメです。彼に嫌われたくないから言わないのか。彼が資産家だからしょうがないとあきらめてるのか。そんなパワーバランスは不健全恋愛です。気になる点は言い合う関係性を構築しなければ今後うまくいかない。まずはなぜ言えないのか理由を洗い出してくださいね。「格差恋愛、花男(はなだん)みたいな恋をめざそう。卑屈にならず、気高い心持ちで相手に向き合うのだ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©fizkes/Adobe Stock文・三松真由美
2023年12月21日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、「コスパがいい」結婚を望んでいる29歳女性のお悩み。年収900万超の彼氏をゲットしましたが…。三松先生が、カップルのお金のルールについて、すべきこと、してはいけないことを教えてくれます!結菜(29歳)、稼ぎ力レス。結婚で挽回すれば大丈夫!と思ってた【レスなひとびと】vol. 225空港でグランドスタッフとして働く結菜は、年収が入社時から変わらないのが悩み。「日本経済、どうなってんの。ドイツを見習え」とぼやく日々。それでも転職する気が起きないのは、福利厚生がバツグンにいいからだ。海外への飛行機は数万円割引、国内への飛行機はうまくいけば無料で乗れてしまう。旅行好きの結菜には、最高の環境。しかし、このまま年収がずっと上がらないのはキツい。手取りは20万円いかないから、美容費や服飾費、旅行先でのホテル代や食費にすべて消える。実家暮らしだから、なんとかなっているものの。将来的にはマンションを持ちたいと思うも、頭金はどうすんだ。だから、結菜は婚活することにした。稼ぎのいいのパートナーを探せば一発解決。結婚はコスパがいいってネットニュースで読んだ。パートナーの条件をあれこれ挙げてみる。まずは安定年収。その次に、なんでも結菜に賛同してくれる寛大さ。年は5歳差以内で、身長175センチ以上。外見はバッチリかわいい結菜。メルカリ達人なので洋服コーデも優秀。コリドー街で、すぐ相手をゲットした。メーカー勤務の遼くんは、話し方が穏やかで年収900万越えの塩顔男性。3度目のデートで告白されてお付き合い開始。驚きの事実が発覚したのは、クリスマスデート中のこと。赤坂の一軒家フレンチで、将来について夢を語ろうと思った矢先。「あ、俺、今月カード止まってるんだった。結菜ちゃん、キャッシュある?」「え、結菜6000円しか持ってないよ」「大丈夫、そしたらギリ足りるかな。LINEペイは?」今まで全部ごちそうしてくれてたのに、彼女になったとたん、お金とるの?っていうか、カード止まってるってどういうこと?「遼くん、ちょっとクレカの明細見せて」「え〜!恥ずかしいなあ。まあ、別にいいか」真っ白なクロスのかかったテーブルで、遼のスマホを凝視。履歴に、怪しいものはない。でも、とにかく飲み代が多い。タクシー代も。手取りは70万円超えらしいけど、カードの請求額は50万円超え。家賃は20万円だって言ってた。もしかして、貯金全然ないんじゃない?バルのあとは、ふたりで遼の家へ。酔っ払った遼は「結菜ちゃん、かわいい」とおしりをモミモミ、顎クイしてチュッ。結菜は全然そんな気持ちになれない。だって、リッツで結婚式挙げたいし、マイホームは品川あたりに欲しい。海外旅行にだって行きたいもん。子どもにだって、いい教育を受けさせたい。それなのに、全然貯金がないなんて。「ねえ、遼くん。さっきの話なんだけど」「ん?」「遼くんって、貯金とかしてる?結菜、心配になっちゃって」「…心配ってなに?」「だってこれから結婚したら、いろいろお金、必要になるでしょ」「そんないるもんか?結菜も全然貯金ないって言ってたよね」「だって結菜は、手取り少ないもん」上目遣いに甘えて言った。「え。俺の貯金頼みってこと?」離れる手。冷めた顔。ああ、可愛く言えばなんでも許されるって思ってたのに!【三松さんからのコメント】結菜さん、お金目当ての本心を出しすぎましたね。モテそうな彼をゲットしておきながら、とにかく気にするのは資金のことばかり。せっかくのクリスマスデートで「貯金してる?」は、もっとも言ってはいけないワードです。彼も萎えてしまうでしょう。結菜さんが、節約したり、少なくても貯金ができるタイプならわかります。でも、実際は稼ぎが少ないのを理由に貯金ゼロ。人のお金の使い方を指摘する前に、自分のお金の使い方を見直してからモノを言え。支出を減らせないのなら、収入を増やす努力をするのが賢い女性。副業を考えるとかね。旅行が大好きでリーズナブルに行けるなら、旅の様子をブログにしてアップしてフォロワーを増やすとか、今風の稼ぎ方はいくらでもある。都内の平均住宅価格を知っていますか?彼の年収が1000万円あったとしても、結菜さんもがんばらないとキツいのです。彼も努力ナシで今の年収のわけじゃない。付き合いたての状態で、彼のお金を自由に使う権利はありません。彼の立場に立って考えてみて。「稼ぎ力レスは、しょうがないとあきらめないこと。努力はしてみよう!レスな分を彼に出してもらおうとするマインドは、いつかばれて愛にヒビが入ります」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©buritora/Adobe Stock文・三松真由美
2023年12月14日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、学生の彼氏との経済格差に悩む女性のお悩み。二人で海外旅行をするために親に援助してもらうことになり…。三松先生が、「愛とお金の問題」について教えてくれます!香苗(24歳)、お金レスだけど海外旅行に行きたい!親に出してもらってもいいよね【レスなひとびと】vol. 224オフィス家具会社で派遣社員として働く香苗は、なぜか普通の会社員では手が届かないようなブランドのバッグを3つ持っている。パパ活をしているわけではない。香苗は「実家の援助が多め」なのだ。実家は目黒。職場は渋谷。社会人になってからも「一人暮らしする意味がないから」と言って、実家から通っていた。実家には生活費を入れていない。だってパパは会社の重役さんだから、入れる必要ないっしょ。給料はすべてネイルやコスメや趣味につぎ込む。金欠になったらママにおねだり。ママもお買い物好きだから、一緒に銀座シックスや東急プラザに行けば、ほしいものを買ってくれる。1つ年下、23歳の彼、啓介とは大学で出会った。交際をはじめて、かれこれ4年。啓介はまだ大学院生で一人暮らしをしているから、家計はカツカツだ。外見は派手な香苗だけど、恋人は一緒にいて安心できる人が一番だと思っている。ハイブランド好きなチャラ男はNGというマイルール。ふだんは啓介に合わせておうちデートが多め。一緒に動画LIVEを観たり、動画観ながら料理をしたり。結婚してもずーっとこんなフワフワな夫婦でいたいなと夢を見る。今のままでじゅうぶん楽しかったけど…。「でも、やっぱりたまにはパーッと遊びたい!」というお嬢様欲が溢れてきた。高校までは家族でハワイ行ってたもの。よって、交際4年記念にグアムへ旅行することを提案。しかし、啓介にはお金がない。しかも香苗が選ぶホテルは、高級なところばかり。香苗との電話中「1泊5万円なんて、僕には出せないよ」と啓介がこぼす。すると、スマホ越しの香苗は「大丈夫だよん。ママに言えば、啓介のぶんも出してくれる。あ、ねぇ、ママー!」と叫ぶ。「ちょ!!!」スマホの向こうで、早速話をつけようとする香苗に、啓介は急いでストップをかける。結婚しているわけでもないのに、パートナーの母親に旅行のお金を出してもらうなんてとんでもない。数日後、香苗が啓介の家にやってきた。「ママ、ホテル代出してくれるって。エアだけは自分たちで出しなさいって。一緒にネットで予約取っちゃお」「マジかよ…。」しぶしぶ顔でOKする啓介。その日からだ。香苗の母からの干渉がはじまったのは。今まで、香苗は啓介のことを詳しく親には話していなかった。「カナちゃんが好きな人ならいいわ。はやく結婚して孫の顔を見せて」的な発想の親だと信じてた。でも、旅行代金の一件でなんだか親達の態度が変わってきた。なぜか香苗とママと啓介の3人のLINEグループができた。そして、啓介さんはいつから働くのかとか、今大学で研究していることが将来に結びつくのかなどをLINEで聞いてくるように。啓介の家でイチャイチャの最中。香苗の母親からLINEがピコン。「今年、〇〇社が採用に力を入れているみたい。啓介さんにぴったりなんじゃない」とURLつき。啓介は、全然集中できなくて萎えてしまう。「あのさ、香苗のことは好きだけど、正直、親が入り込んでくるとちょっとしんどい。旅行のお金もらうのも、惨めっていう気持ち、わかってくれよ」そして、旅行はキャンセル。LINEから啓介が消滅した…。【三松さんからのコメント】実家住まいの皆さんも、一人暮らしの皆さんも、よーく考えてみましょう。すねかじりのなにが悪いのか。親には経済的余裕があり、子を援助できるのを喜んでいる。子のほうも、親のお金で楽できる。しかし、その関係の中で「精神的自立」ができるのか。香苗さんが親の決めたとおりにしか動けず、経済以外の案件も親に頼っているのであれば心配です。香苗さんは仕事もあるし、彼を自分で見つけた。精神的には一応自立しています。両親同居も悪いことではありませぬ。ただ、香苗さんがバッグを買ってもらうのと、彼の旅行代金を出してもらうのとでは話が違うのです。この本質に気づけないようではオトナではありません。お金を出してもらう=意見されるのを許す…ってことにつながりませんか。株主が株持ってる会社に物申すのと似てないか。香苗さんは、自分の親になにか言われても躊躇なく無視できるでしょう。でも、啓介さんは他人です。彼女の母親に意見されるとスルーはできないでしょう。オトナ対応をしなければならないと気づくお年頃。「お金、出してもらえるならいいじゃん」というお気楽な判断が、啓介さんの大きなストレスになることに気づきましょう。香苗さんも、彼のご両親に会って揉まれれば、オトナ対応の重要性が理解できると思います。結婚するのであれば、お相手一族のプライドなどおもんぱかり、結婚となってもうまくやってゆける関係に持ってゆきましょうね。姑問題がこじれるとそれはそれは泥沼です。「彼と私の経済格差。そんなもん愛さえあれば乗り越えられるもーん!と思うなかれ。愛とお金は上手に付き合わないと問題必発します。ふかーく考える習慣を」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©EZPS/Adobe Stock文・三松真由美
2023年11月23日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、東京に憧れている地方在住の女性のお悩み。いい感じだった彼が上京にすることになり…。三松先生が、「人生の決断をするために必要なこと」を教えてくれます!リホ(26歳)、決断力レス。上京した子がうらやましいのに真似できないよ【レスなひとびと】vol. 223ずっと、決められたレールの上を歩いてきた。高校はリホの住むT県T市から通える範囲で、県で3番目に偏差値の高い学校。大学は、親と高校の先生に勧められた地元国立大学。とくにやりたいことがなかったから、親戚に言われるままに公務員試験を受けた。受かった。一応けじめとして一人暮らしを始めたけれど、社会人になっても生活圏は大きく変わらない。違和感を覚えたのは、就職して2か月目頃。「村越さん、パソコンがいうこと聞かんのよ。こっち来られま」「あ、はい!」「村越さ〜ん。こっちもエクセルの印刷範囲の設定がうまくいかんが〜」「あ、はい、次そちらに行きます」連日、役所のおじさんたちにPCのレクチャーを依頼され、リホはだんだん腹が立ってきた。PC周りの仕事を振られるたびにイライラしてしまう。こっちは情シスの人じゃないっつーの!パッとしない毎日。つまらない毎日。そして、帰り道の車で信号待ちをしている時、ふと思ったのだ。“わたし、ずっとこんなふうに欠乏感をかかえたまま生きていくのかな”そしてSNSを眺める時間が増えた。就職を機に上京した子たちが、今になってうらやましくなる。就職活動の時、キラキラ目を輝かせて「あたし、絶対東京に住む。丸の内のオフィスで働きたいの」と言っていた同じゼミの奈々。リホは、内心「アホくさ」と思っていた。でも、今は違う。八重洲ミッドタウンとか虎ノ門ヒルズとか、おしゃれな場所で、同僚たちと時間を過ごす奈々がうらやましい。週末は表参道の美容院。常連らしく、カリスマ美容師のインスタのストーリーに「いつもありがとうございます」と添えられた彼女の後ろ姿が載っている。なにそれ、なにそれ。そんなモデルみたいな髪型してもあんたには似合わんわ。都会派アピールしやがって…。つい意地悪な気持ちになる。“わたしだって、しようと思えば上京なんてすぐできる”そう思っていたのに。そんなリホにも、転機が訪れた。ほんのちょっといい感じだった同僚の直樹が、転職で東京に行くらしいのだ。(あっ、これってチャンスや。上京する理由ができる)そう思ったリホは、直樹を飲みに誘った。駅前の個室居酒屋で、頬杖をついてこぼす。「いいなあ、東京。ついて行きたいわあ」直樹はうっすら、リホに好意がありそうだった。だから、この話をすれば、冗談でも「一緒に来る?」って言ってくれるんじゃないかって期待した。でも、帰ってきたのは予想外の言葉だった。「毎回言ってるよね、それ。リホはまじめちゃんだし、ちょっといいなと思ってた時期はあるけど、言うだけでなかなか踏み出さないところはあんま好きじゃない」グサッ。こうして、直樹は一人で東京へ行ってしまった。【三松さんからのコメント】リホさん、自分一人でなにか決めた経験が少ないんだからこれはしょうがない展開です。決められたレールの上を歩いて、今までは特に不満もなかった。でも、今は違いますよね。「いいな、東京」って、明確に憧れをもっている。現状に苛立っている。物足りなさを感じている。人生初の大きな決断をするチャンスではないですか。親や先生が決めてくれた道から外れるのには、勇気がいるかもしれません。憧れを通り越して、飢餓感を感じたり、他者の幸せを妬む自分に気づいたら、動いてみるのも選択肢のひとつ。シン仕事・シン住まい・シン彼氏。新しい“シン”を取りに行くのは自分しかいない。「都会、つらい。やっぱ地元でいいや」と思うかもしれない。そしたら地元のよさがわかるっしょ。今までコツコツ堅実にやってきたリホさんなら“シン”の決断も悪くない。直樹さんに頼ることなく、自分の憧れを探ってみてもいいのではと思います。思い切った決断こそが、リホさんオリジナルの人生をつくっていくのです。もしそれが理想どおりでなければ「想定外でした!」と言って軌道修正すればいいだけの話。「彼氏に頼ったり決断させたりする癖は修正しとこう。うまくいかなかったときに彼のせいにして関係性ムチャムチャになるぞ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©czfphoto/Adobe Stock文・三松真由美
2023年11月16日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、シェアハウスに入居している21歳女性。シェア仲間と公認カップルになったが…。三松先生が、シェアハウス内での恋愛で気をつけるべきことを教えてくれます!花梨(21歳)、シェアハウスに入居して絶好調!だが気遣いレスで最悪女のレッテル貼られる【レスなひとびと】vol. 220花梨は、メイク動画配信をしている。10万円台の月収から、コスメ代も捻出するのは結構キツイ。しかもそろそろ、今のボロアパートは取り壊し。初期費用の安い引っ越し先として、花梨にピッタリなのがシェアハウスだった。4.5畳の個室はむっちゃ狭いけれど、キッチンやリビング、映画鑑賞部屋やテラスなど、共有スペースが広いので全く問題ないし。引っ越しを機に自室で撮った「絶対かわちい おうちデート用すっぴん風メイク&部屋着」は、なんと初の7万回再生超え。ふんわり眉に、赤ちゃんみたいなぷるぷるリップ、ゆるポニーテールに、ショートパンツの部屋着がXでもバズった。いい調子。ある晩、リビングで動画を編集していたら、シェア仲間で一番いいなと思っていた悠斗くんとふたりきりに。「花梨ちゃん、いつも遅くまでがんばってるよね」って、ホットココアを作ってくれて、キュン。勇気出して「彼女いるん?」って聞いたら、「いない」って。「…彼氏に立候補してもいいですか」に「うん!」とうなずいたら、頭の後ろに手を回されて、チュッ。誰もいないリビングで、ふたりだけのヒミツの夜。ドラマっぽすぎるじゃないか。そしてシェア仲間公認の仲に発展した。「ねぇ、悠斗くん。動画も人気が出てきたし、ちょっと手を広げたいなって思って。カップル動画を撮るのって、どう思う?」「いいけど。でも、他の入居者たちに迷惑かけないようにしないとだよ」「大丈夫だよ。みんなも、花梨たちのこと見て、結構楽しんでるし」花梨は「昼間ならいいっしょ」と言って、共有のキッチンで、ふたりが料理している様子を撮り始めた。料理の合間にチュしたりする、イチャイチャ系動画。その間、他の人たちは遠慮して入ってこない。そんなことが何日か続き、周りがザワツキ始める。なにも気に留めないKYな花梨にしびれをきらした悠斗が言う。「ちょっと、まわりに気を遣わなすぎじゃない?」「なんで?悠斗は、花梨が人気配信者になるのがイヤなの?」「いや、そうじゃなくて。みんな困ってるから」「なんも言ってこないけど?」「……」悠斗はため息をつき、自室に戻っていった。花梨がノックしても、まったく返事をしてくれない。その後の動画も協力してくれないし。共有のリビングで、悠斗をやっと見つけた花梨は「ちょっと悠斗!あんた、なんなの。動画協力する約束っしょ」と叫ぶ。すると、リビングでPC作業していた同居人たちが、ついに口を開いた。「ちょっと静かにして」「っていうか、いい加減に迷惑だよ」「あんた、シェア向いてない!」と不満が大爆発。挙句の果てに、悠斗がポロッと「別れよ。君みたいな無神経なひととはやっていけない」って。普通、みんなの前でフルか!?プライドズタズタだし、みんなも怒ってる。この先ここで暮らすのは気まずい。でも、お金ないし、どうしよう。【三松さんからのコメント】シェアハウス内での恋愛、最近増えてきていると聞いています。20代前半の男女が多いシェアハウス内では、メンバーのうち3分の1がカップルだというケースもあるそうで。一つ屋根の下で暮らす。長―い合宿みたいなものですよ。恋も喧嘩も陰口もいろいろ起きることでしょう。確かに彼を探す“場”としてはアリアリな住み家です。家事できるひとかどうかチェックもできるしね!部屋片付いてるなとか、手料理まめに作ってるなとか。しかし大事なことを忘れてはいけません。共同の場では、相手の気持ちや、まわりへの配慮。シェアハウスに入居してくる人の目的は人それぞれ。花梨さんのように、初期費用の安さから選ぶ人もいるし、人脈作りのために入居する人もいる。ひとり暮らしの寂しさが苦手で常に誰かといたい人もいる。夢を叶えることが第一優先で、恋愛をしたがらない人だっている。各自の背景を想像したり、空気を読むことが必要です。シェアハウスはみんなの生活の場。花梨さんのように、自分の目的だけのために共有部を占有する人は、疎まれて当然。カップル動画を撮りたいのならば、まずはお金を貯めて、悠斗くんと同棲を目指せ。波に乗っている動画配信業をもっと盛り上げていきたいでしょうが、配信者として有名になるほど、気遣いレスなところが浮き彫りになってきます。人気と無視は紙一重。驕り高ぶるな。現実でもネット界でも炎上を避けるべく、まずはまわりに気を遣える訓練を。世界は自分中心に回っているのではないと腹に据えて。「シェアハウスの公共の場でエッチっぽいことしちゃって追い出された住人がいるんだって!気遣いレスどころかマナーレス。追い出されて当然。気をつけようシェア!」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©taka/Adobe Stock文・三松真由美
2023年10月19日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、人づきあいがよく家族思い、職場の女性にも人気の32歳男性。会社での評判とは裏腹に、飲み会で女性に甘い言葉をかけられて浮気心が抑えられず…。三松先生が、調子に乗って不倫に走りがちな男性の特徴を教えてくれます!琥太郎(32歳)“昔好きだった発言”に調子こいて人気レスになってしまう【レスなひとびと】vol. 218東京・大手町界隈のおしゃれ飲み屋には活気が戻り、社内飲みも復活したこの頃。「将来結婚するなら琥太郎さんみたいな人がいいですうう」社内の飲み会で、若手女性陣から口をそろえてそう言われるたび、つくづくこのキャラでいて正解だったと思う。仕事ができて、人付き合いばつぐん。しかも家族を大事にするやつ。琥太郎には、妻と1歳の子どもがいる。出版社で働く妻は、時期によっては琥太郎より忙しい。保育園のお迎えや夕食作りは琥太郎が担当することも多かった。仕事と家事の両立ができる完成形パパという噂だ。ある晩、学生時代の友人、エレナからビアガーデンの誘いが来た。デパートの屋上で、涼しい風を浴びながらの1杯を想像する。家族以外と遊びに行くことのなかった夏を思い返し、「行く」と返事した。もちろん妻にも許可をとった。ビアメンバーは琥太郎、エレナ、尚美、真斗の4人。琥太郎が学生時代にバイトしていたチェーン店のカフェの同世代メンバーだ。当時からよく一緒に海やスノボに行き、今でも時々こうして集まっている。尚美と真斗がトイレに立ったタイミングで、エレナがボソッとつぶやく。「あたしね、実は昔、コタくんのことちょっといいと思ってたんだよね。まっ、昔の話なんだけどね!」来たー。“昔好きだった発言”。琥太郎はドキッ。妻のことは誰より大切だ。でも、出産後から今まで、約2年間のレス。でも、目の前のエレナは、自分のことを男として見てくれてるじゃないか。久々の雄魂が震えだす。“エレナには彼氏がいるみたいだけど、もしかしたら、もしかしちゃうかも”外で飲んで、開放的な気分になっているせいか、エロい妄想がムクムク。帰り道、またまたふたりになったエレナを誘ってみた。「え、2軒目ってこと?いいけど。コタくんのパートナーに怒られないかな」「今日は遅くなるってしっかり伝えたから」「実はあたしも、飲み足りなかったからうれしい。行っちゃおっか」にっこり笑ってOK。琥太郎、ガッツポーズ。2軒目の店で、「コタくん、ほんとかっこよくなったよね。余裕が出たっていうかさ。大人になってる」のセリフまで引き出せた。これはイケる。そう確信して、帰り道に本気のお誘い。「ねえ、あそこ寄ってかない?」琥太郎が指さしたのは、スタイリッシュ系ラブホテル。ビアガーデンが池袋でよかったあ。すると、エレナ、「え…」とマジで引いてるリアクション。「あたし、彼氏いるって言ったよね? コタくんだけは、そういうんじゃないと思ってたのに」と、軽蔑マックスの怒り顔。「い、いや、冗談だよ」と返すもののエレナは呆れ返ったまま。「昔いいと思ってたんだよね」は「してもいいよ」のサインじゃなかったのか!?残念な勘違い男、きっとエレナにまずい噂を流されて、評価がダダ下がりになる。【三松さんからのコメント】メンズの家族思いな様子や、パートナーができて余裕のある姿は、時に魅力的に映るもの。そりゃコタくん、職場女性に人気出ますよ。しかしエレナさんの“昔好きだった発言”で、ちゃっかりその気になったコタくん。職場女性から“先輩みたいなひとが彼氏だったらな”とトロンとした眼で告げられてもイッてしまうのではないか??つまり、スキがありすぎる。自分に自信もありすぎる。「エレナさんはコタくんの近況を知って、素直にかっこいいと思ったところもあるでしょう。ただエレナさんには彼氏がいて、特にコタくんとどうこうなりたいとは思っていない」ということを見極めなければだめ。ひとの彼女を取っちゃだめです。しかも家には妻もいるのに。今回のコタくんは男性ですが、この逆パターンもけっこうお話聞いてます。彼女がいる男性から甘い言葉をかけられて勘違いした結果、ビッチ枠に入れられてしまう彼氏いる女性。既婚者の皆さん、彼氏彼女がいる皆さん、社内で人気モンだからと調子に乗りすぎてはいけません。「“昔好きだった発言”は、今でもしたいというわけではない。ひとの気持ちを汲み取ったリアクションを」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Полина Власова/Adobe Stock文・三松真由美
2023年09月28日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、学生時代はモテモテだったという24歳男性。彼女がいるものの、自分に気があるらしい女性を誘ってみたが…。三松先生が、パートナーとして信用できない男性の特徴を教えてくれます!晶馬(24歳)、モテモテだった学生時代。でもフェムテック知識レスで、株大暴落。【レスなひとびと】vol. 217なんかおもしろいことないかなと考えていた、ある夕方。梨々子のもとに、Facebookメッセンジャーアプリで連絡が来た。「明日、中学のメンバーで集まろうって話してるんだけど」って。どうやら、学年イチ人気があった、晶馬も来るらしい。梨々子も晶馬に思いを寄せていたうちのひとり。久しぶりに会えるのは楽しみだ。しかも明日暇だし。「行く行く」駅前の飲み屋で、集まったのは8人ほど。晶馬は当時よりもさらに背が伸びていて、爽やかで存在感抜群。でも、話を聞いていると彼女がいるっぽい。そりゃそうだよね。数年ぶりのメンバー再会で、楽しい時間はあっという間に過ぎてゆく。解散直前、トイレの前で晶馬に呼び止められる。「ねえ、ちょっとこのあともう1軒行かない?」って。学生時代、憧れていた相手からの誘いにドキリ。こんなドラマみたいな展開ある?「梨々子のこと、前からかわいいと思ってたんだよね」2軒目の飲み屋で、晶馬からの思わぬ告白。店を出て歩いていると「もう歩けない、お願い。休もう」って晶馬が言う。流れでホテルに。彼女とはうまくいってないって言ってたし、付き合えたらいいなあって、正直期待した。けれど、3回目のデートで、「生理なんで今日は無理」と伝えたらなんだか不服そう。「まだ、20時だよね。ドラストでピル買ってくる?」と聞いてきた。“ん?ドラッグストアでピルを買う?”話がうまく噛み合わないと思った梨々子は、晶馬によくよく話を聞いてみる。するとわかった。晶馬は生理のこと、全然理解していない。生理はドラッグストアで薬を買って飲めば、すぐにずらせるものだと思っているらしい。もういい大人なのに、そんな程度の知識もないなんて、ダメ男じゃないか。急に冷めた。「この人はナシ」ついでに、あまりにもびっくりしたから、この前の飲み会メンバーの女子にだけ、話しちゃった。そうしたら、ミサが「ごめん」って。「梨々子がお手洗いに行っているあいだ、中学のとき、梨々子が晶馬のこと好きだったらしい」って言っちゃったんだよねって。「ちょっとミサ!だからだったんだ」とつっこむけれど、晶馬が最低なヤツなのは納得。好意を持ってくれてた相手ならイケるって思われた…短絡的すぎる。それに乗ってしまったのも馬鹿だけど。「晶馬ってやっぱり顔だけだ」「やさしそうに見えるけど、なんも考えてないよね」「頭悪い男は付き合っちゃだめ」晶馬の株は大暴落。付き合わなくってよかった、と思う梨々子であった。【三松さんからのコメント】社会人になってから付き合う恋人=一緒に生きていく相手、という考え方にもなってくる。女性の身体のことを知ろうとしないまま生きてきた晶馬さん、確かにパートナーとして信頼できません。しかも、お付き合いしている彼女がいるというのだから驚きです。これまで彼女と話し合って来なかったのか。そう言えばTwitter(X)で23歳男性の「トイレで生理する」という発言が話題になっていましたよね。生理は射精のように自分の意思で排出する行為だと思っていたようでした。トンチンカンこの上ない。学生のころは、イケメンってだけでモテたかもしれません。ある程度大人になればモテの質が変化してきます。ルックスに甘んじて何も学ばず、適当な知識だけで生きていると、取り巻く周囲の人々が離れてゆく。彼から聞きにくいこともあるので、女性からパートナーに生理や妊娠の仕組み、性感染症の話題を出して、二人で高め合うのがベストカップル。さて、梨々子さん。浮気から始まる恋は、浮気で終わること多し。彼女からの報復には気をつけて。「もっと自分を大切に。悪いことしたら、次は災難が降りかかるぞ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Africa Studio/Adobe Stock文・三松真由美
2023年09月21日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、学生時代の仲間と一泊二日のぶどう狩りに行った23歳女性。そのなかに意中の彼もいたのだが…。三松先生が、恋が長続きする女性の特徴を教えてくれます!美咲(23歳)、待ちに待った彼とのぶどう狩り。でも、虫対策レスで楽しめない休日になったよ【レスなひとびと】vol. 216待ちに待った、学生時代の仲良しメンバーでの一泊二日のぶどう狩り。男女3人ずつ、計6人のメンバーの中には、美咲が思いを寄せる大輝もいる。この旅行で、絶対、大輝に振り向いてもらう。そう念じて、レンタカーの車内では、無事に大輝の隣をゲット。「あ、ごめんっ」山道のカーブ、不可抗力でカラダが横に倒れて、隣の大輝と密着。「いいって。揺れるけど、酔ってない?大丈夫か」そっと耳元で聞いてくれる大輝にますますキュン。美咲は、よくまわりから脚をほめられる。「細白(ホソシロ)――。膝丸(ひざまる)――」って感じで。だから今日も、デニムのミニスカートに白いコットンブラウスだ。知子と果穂は、ワイドパンツとサロペットと、かなりゆるい服選び。3人の中だと一番美咲がガーリーでキュート。「よし、差をつけたな」と思っていたんだけど。(えっ、こんな格好してるのって私だけ!?)農園に着くなり、まわりの女性たちとの服装のギャップが気になりはじめた。みんな長ズボン、長袖シャツ。アームカバーをつけているひともいる。ひとまず受付を済ませて、みんなで農園に入るけれど。(ぷ〜ん)もう秋だから、と思って虫除けスプレー持ってこなかったけど。虫いるじゃないか!ノーガードの美咲のホソシロ脚には、すでに虫刺されがポツポツ。自慢の脚がちょっと見られたくないぶさいくな状態に。(か、か、かゆい)そう思いながらも、ぼりぼり掻くのはみっともない気がして、ガマン。すると、大輝がこっちにやってきた。「美咲、ぶどうに手、届いてんの?」「えっ、なにそれ〜!さすがに届くよ」「だってほら、まだ一房もとってきてないからさ」「あ、う、うん」痒くてそれどころではないんだが。「ほら、あそこのやつとか、熟しててうまそうじゃない?俺が房持ってるから、美咲、切ってよ」「うん」やっぱり、大輝ってやさしいな。美咲は、大輝との共同作業に胸を高鳴らせる。でもそのとき、脚にまた蚊が止まってる気が。「あ、ちょっと待って」急いで太ももを手でパチパチ払って、視線をぶどうに戻す。そうしたら、向こうから知子と果穂がやってきた。「美咲、そのカッコだと虫刺されやばくない?スプレー貸したげる」「白ブラウスも汚れちゃいそうで心配だよ。なんで今日その服なん?」大輝の前でそんなこと言わなくても。無知なやつだと思われるじゃない。知子と果穂は、美咲の純な想いを知らないし、しょうがないといえばしょうがないんだけど。大輝が、美咲の脚に目をやって。「えっ、めっちゃ刺されてるじゃん。まずいよ。この脚」と心配そう。っていうか、ちょっと引いてる…。いつのまにか、ぶどうからも手が離れてしまっている。ああ、こんなことなら、知子や果穂みたいなガード万全の格好でくるべきだった。狙いすぎた自分を大反省。【三松さんからのコメント】せっかくの好きな人とのおでかけ、気合を入れたくなる気持ちはわかるわかる。でも、18歳過ぎたなら目的に応じた応じた“TPO”というのを意識しないと恥ずかしいです。まわりに気を遣わせてしまうし、自分も思いっきり楽しめないでしょう。そしてなにより狙った彼に「適切な衣服を選べない残念なひと」と思われて、幻滅されたらもったいない。美咲さん、ふだんからガーリーなファッションが多めなのでしょう。もしそうだとしたら、アウトドアシーンでのカジュアルファッションは、逆にアリだったかも。「こんな格好もするんだ」と、きっといい意味でのギャップ萌えにつながります。もし一泊二日ならば、部屋着をヘルシーなショートパンツにするなど、ホソシロ脚をアピールするシーンは他にもありそうですし。以前、日焼け止め忘れてひどい日焼けになり、痛みでエッチ中断した女性の話を紹介しましたが、恋の成就に「備えあれば憂いなし」ということわざは活きてきます。みんなで旅行をするときは、日焼け止め・虫除けスプレー、ウエットティッシュなどあらゆる予防線を貼るべし。さらに、予備の薬や、マスクなどプラスαを忍ばせておくと、自分も安心。友達助けもできる。手が汚れたときに、さりげなくウエットティッシュを差し出されたら。性別問わず、やられてイヤな人はいません。つい、ファッションや髪型、肌の手入れなど見た目の美しさを優先しがちですが、内面のやさしさを見つめてくれるひとを彼にすると、その恋、長続きします。「レスなひとびとに告ぐ。備えあれば憂いなし。起こりうる複数のアクシデントに向けて予防策を準備せよ。例:今日のデートで初裸になると予測したらムダ毛処理して、予備パンツをバッグに入れとくみたいな」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©bymuratdeniz/Gettyimages文・三松真由美
2023年09月14日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、彼女と同棲中の26歳男性。心から幸せを感じる彼だったが…。三松先生が、同棲や交際が長続きしない男性の特徴を教えてくれます!カツラ(26歳)、同棲いい感じだと思っていたのに、おでかけレスで彼女が実家に帰っちまった【レスなひとびと】vol. 215少しだけ風が涼しくなってきた、ある休日。ちょっぴり頬をふくらませて、文香がカツラの顔をのぞきこむ。「も〜カツラ、いつまで寝てるの?」「ごめんごめん、昨日朝4時までオンラインゲームやっちゃってさ。ってか、めっちゃいい匂いしない?もしかして焼きたてパンかな」そう言って、カツラが勢いよく起きあがる。「そうだよ。カツラがなかなか起きてこないから、シナモンパン焼いちゃった」「やべー、俺、幸せすぎじゃない?」「はい、はい、いいから顔洗う!」文香にうながされ、カツラは洗面所へ。同棲はじめて半年。こういう何気ない休日に、カツラは心から幸せを感じていた。「同棲、サイコーー!」文香は、製菓専門学校を出たあとパン屋さんで働いている。いずれは、自分の店をひらくのが夢らしい。ということで、彼女の焼くパンは絶品なのだ。料理もうまい。「うっわ。外はカリッとしてて、中はふわっふわ。もうね、顔近づけただけで幸せな匂いするもん。はぁーー最高」焼きたてのパンを頬張り、絶賛するカツラ。でも、いつもなら喜んでくれるはずの文香が、浮かない様子だ。「どうしたの?」「ううん」「そう?ならいいけど…」おなかがいっぱいになったカツラは、元気のない文香を抱きしめて再びベッドへ。機嫌がよくないのはわかるけど、どうしたらいいかわからない。文香の作るパンと文香のふわふわおっぱいで幸せすぎる日常。このままいちゃいちゃする流れだと思った、そのとき。「ねえ、カツラはこれでいいって思ってる?」険悪な声。「えっ、なに?もしかして、食器の片付けサボったから怒ってる。ごめん。あとでやるから許して」「じゃなくて。前から言ってたじゃん」「な、なんだっけ」「休みが合う日は、おでかけしたいって」「あ、あ言ってたね」「結局、夏もどこにも行けなかったじゃん。花火も神社のお祭も、フェスもなんにもなし。大体昼まで寝てるし、計画立てようって言っても全然乗り気じゃないし」「いや、そんなに出かけたがってるって、知らなくて。計画しようって言ってもいつも途中で話終わっちゃうから」「だって、全然乗り気じゃないから、無理やり連れてくのもイヤで。カツラは家が好き。私は外で遊びたい。うちらやっぱり合わないのかな?」「そんなことない。俺、文香のこと好きだし。毎週は無理かもだけどできるだけ希望は叶えたいって思ってる」「そうなの?」「もちろん。じゃあさ、今日は遠出は無理かもだけど。文香が前、気になるって言ってたカフェ行こう。お店づくりの参考にしたいって言ってたとこ」「えっ、いいの?」文香に笑顔が戻る。「やっぱ、今日はカフェやめとこう。…わたし、ヤるだけの彼女になりたくない」文香はご機嫌ななめで瞬速で実家に帰ってしまった…。【三松さんからのコメント】夏が終わり、デートについての不満がポロッと出てくるカップル多発。「ああしておけばよかった」「ここも行っておきたかった」「休みを合わせてくれなくて最低―」など。特に今年は、花火大会やお祭りが久しぶりに開催されましたよね。しばらくガマンしていたぶん、今年の夏こそははじけるぞ!と期待が大きかったのではないかなと。二人がインドア系カップルならばいいですが、カツラさんたちはどうやらそうではない様子。カフェデートが提案できたまではよかったんですが、いちゃいちゃですりかえちゃダメだわ。インドア派orアウトドア派。どちらが歩みよるかは臨機応変対応せよ。もともと休日は家でダラダラ好きの人も、一緒におでかけするうちに、楽しさに気づくパターンもよく聞きます。ジコチュー彼氏、ジコチュー彼女にならぬよう同棲するなら察する努力を。「彼女の(彼氏の)不機嫌を抱くことで埋め合わせようとするなかれ。それだけの相手って思われたら不利。いや待て。極上のテクがあるなら、それでもいいかもしれんわ。誰か挑戦してみて」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Dmitrii Marchenko/Gettyimages文・三松真由美
2023年08月31日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、32歳で初めて合コンに参加したという女性。そこで、27歳の年下男性といい雰囲気になったが…。三松先生が、男性がドン引きする「女性の言葉」を教えてくれます!真帆(32歳)自信レスで「自称おばさん発言」がやめられない!【レスなひとびと】vol. 21432歳になって、はじめての合コン。しかも相手はオール年下らしい。正直、20代男性なんて…「おばさん」って思われそうじゃないか。真帆はびびっていた。でも、合コンは盛り上がり、27歳の郁人くんはぐいぐい来た。合コン終わってすぐ「真帆さん、また会いたいです」ってニッコリ。真帆はどちらかといえば年上好き。でも、こんなにストレートに好意を示してくれるって、うれしい。キュンとはこういう感覚なのか?好奇心も混じり、デートに行くことに。お互い人材系の会社で働いているところまでは合コンで紹介済み。ゆっくり話してみると、ちょうど同じ資格試験の勉強中。どうやって勉強時間を作っているかとか、わかりやすかった動画や参考書とか、シェアして盛り上がる。ふたりとも日本酒好きで詳しくて、お酒の銘柄やお店の話も楽しくてしょうがない。なんか、意外といい感じかも。そう思った真帆だったが、いかんせん自信がない。ひとりになると急に、「遊ばれてるだけなのでは?」と不安になる。だって、郁人くんはかっこいいし、仕事もがんばってるし、なにより若いしーーー。そのうえ大企業勤めだし、職場には同い歳のかわいい子がいっぱいいるんだろうなとアレヤコレヤ邪念が。金曜日の夜、つい郁人くんからの返信がないから送ってしまった。「後輩女子と華金?おばさん、嫉妬しちゃうな〜」って。「遊んでない、仕事だよ!」って返ってきたけど、わかんないよね。2回目のデートでバーに行ったあと、ホテルに行く流れになった。もちろん、郁人くんとはくっつきたい。でも、2回目でホテルって、やっぱり遊ばれてるに違いない。年上だから、チョロいって思われてるんじゃないか。また邪念がムクムク。シャワーを浴びて、タオルを巻いた姿で出てきた郁人くんの上半身は、鍛えられてて、今風マッスル。Tarzanとか読んで鍛えたに違いない。褒めると「1年前からジム行き始めたんだよね」とうれしそう。引き締まった若々しいカラダを見て、真帆の不安はさらに増幅。勇気を出して、真帆も脱いでみたけれど。「やっぱ若い子と比べたら、肌にハリがないよね」「いや、30代になってから急にむくみがひどくなって」「背中とかソバカスあるしさ」と自虐が止まらない。「真帆さん、きれいだよ」と郁人くんは言ってくれるけど。どうしても「だってやっぱり、郁人くんに比べたらおばさんだし」と返してしまう。何度目かのやりとりのあと、郁人くんがついに言った。「おれ、真帆さんのこと、すごくいいと思ってきたのに、そんなふうに言われると萎えるわああ」って。郁人くんは服を着始めてしまう。「また時間がある時飲もうね」って、ホテル代を置いて出て行ってしまった。ただの飲み相手に位置付けされた。“おばさんだから、萎えたんだろうな。一生彼氏なんかできないよ。わたし”【三松さんからのコメント】真帆さん、それ、年齢のせいじゃありません。自信レスなのを年齢のせいにしているだけ。ひとは、自信がない部分について、つい言い訳をしてしまうもの。「頭悪いのは親に似た」「ブサイクに生まれたのは運命」「妹のほうがかわいい」などなど。内心は自信レスの事象を「そんなことないよ。全部好きだよ」って、まるごと受け止めてほしい。だからあえて先に自虐に走って、それを相手に否定してもらいたいという回路。そんな、はかない思いで自虐が止まらないのかもしれません。かわいい面もあるのですが、それって何度も続くとただのめんどくさい女。何度も繰り返すうちに、もともとよかったはずの印象が、自虐のイメージで塗り替えられてしまいます。ああ、もったいない。「おばさんだよ」「かわいくないよ」「スタイル悪いし」などの言葉は、使い過ぎに気をつけて。しかも同じ年齢の同性の前でそれ言うと、彼女もまた「おばさん区分」に入れられてるって、いい気分じゃなくなる。傷つきたくないし、防御線を張りたくなる気持ちはわかりますが、せっかくのチャンスを、自虐連射で逃してしまうのは不正解。真帆さんは資格試験の勉強をしていたり、日本酒に詳しかったりで、彼の目には一生懸命で話が合う女性に映っていたはず。もっと一緒にいたいなと思われたから誘われたんです。「このひと、いいかも」と思ったら、傷つく覚悟も必要です。自虐は卒業して、自分磨きをしていけば、どっちに転んだとしてもプラスです。「口にする言葉って大事です。そっちに意識が傾くからね。呪いの言葉を口にすると怖~い顔になる。性格も悪くなるぞ。呪うな。自分を貶めるな。負けの言葉を口癖にするな」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Wavebreakmedia/Gettyimages文・三松真由美
2023年08月24日漫画家の倉田真由美(52)が観客からの性暴力被害を告発したDJ SODA(35)に対して8月22日、持論を展開。ネットで、話題となっている。8月14日、前日に出演した大阪・泉南市で行われた音楽フェス「MUSIC CIRCUS’23」の公演中に、一部の観客から胸を触られる被害にあったとSNS上で告白したDJ SODA。一部で「露出の多い服を着ているからだ」という声が上がるなか同日、Twitter(現X)にこう投稿した。《私は人々に私に触ってほしいから露出した服を着るのではない。 私は服を選ぶ時、自己満足で着たい服を着ているし、どの服を着れば自分が綺麗に見えるかをよく知っているし、その服を着る事で自分の自信になる》《ウォーターフェスティバルで露出している服を着る事が間違っているの? 私は自分が着たい服を着る自由があるし、誰も服装で人を判断できない。私の体は自分のものであって、他人のものじゃない》そんなDJ SODAの意見を疑問視したのが倉田だ。「服装で人を判断できない」とDJ SODAが綴ったことについて、倉田は22日にTwitterで《いや、できるよ》と切り出し、こう投稿した。《だって服を選ぶのは自分。センスも、自分をどう見せたいかも、その人の考え方から出てきたもの。何を着るか自由だからこそその人らしさが出るし、「ファッションは自己表現」と言える。服によって「どう見られるか」は、自分が引き受けなくてはならない》さらに倉田は《半裸のような格好をしているからといって「触っていい」と解釈するのは勿論アウトだが、「性的に見られたいのね」「エロを全面に押し出すのね」と解釈するのは普通のこと。口に出して言わないだけで、そう思う人が多いのは当たり前》といい、《「そんな風に解釈しないで!そんなつもりはない」というのはちょっと無理がある。人の解釈はその人のものだ。発信者に強制され得るものじゃない》と記した。■「全くその通り」のいっぽうで「主張が噛み合ってない」という指摘もすると、倉田の投稿は大きな注目を集めることに。ネットでは《全くその通り。他人の内心の自由まで奪おうとするヤツって何様のつもりなんだと思ってしまいますね》《行動に移さない限りどのような印象を抱いても良いし、合法の範囲でならそれを出力しても良い》《どんな格好しててもいいと思うけど、露出の多いエロい格好をしたら、露出の多いエロい格好が好きでエロく見られたい人なんだなって見た人が思うのは自然な感情です》と倉田に賛同する声が上がっている。いっぽう、《ベルリンでは当局が公営プールでの女性のトップレス遊泳を許可。このニュースを知った時やはり「エロく見られたい」からと思う?》《こう解釈するのが普通っていうのが「歪んでる」んだって。(白目)半裸の男性に対して「性的に見られたいのね」「エロを全面に押し出すのね」とはならんやろ》という否定的な声もあった。また《外見で判断される事はありますよ ただ彼女は触られたくないと言ってるだけでエロく見られたくないとは言ってないのでそもそも主張が噛み合ってないかと思います》《DJ女性のコメントの趣旨から外れた枝葉の言葉だけ切り取り論破した気になってませんか?》とDJ SODAの発言の趣旨からずれていると指摘する声も上がっていた。
2023年08月23日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、交際歴3年の彼がいる23歳女性。いつものように、仕事帰りに彼の家へ向かったが…。三松先生が、女性が相手から別れを告げられる原因のひとつを教えてくれます!蘭(23歳)彼の家の玄関でプーン。これって、ふられるパターン?【レスなひとびと】vol. 213じめじめとして暑い日の、帰宅ラッシュの電車内。(はあー。冷房ってサイコー!今日はがんばったし、最寄りのスーパーでお惣菜とビール買っていっちゃお)蘭は、IT系の会社でソフトウェアの営業をする23歳。ほどよい疲れを抱えつつ、彼の家に向かい中だ。彼氏の健太とは、お付き合い歴3年目。大学のテニスサークルで出会って、だんだんと恋に発展。社会人になってからは家の合鍵をくれて、順調に交際を続けている。(ピンポーン)「おつかれっ!」ドアが開いて、笑顔の健太が現れた。「ごめん、手がいっぱいで鍵あけられなくて。はい、ビールとお惣菜買ってきたよー。飲も飲も」そう言って靴を脱いだとたん、健太の笑顔が固まった。蘭をジッと見つめ、なにやら言葉を失っている。「ど、どうしたの…?」蘭は健太の反応に戸惑いつつ、ふっとあることに気づいた。(げげっ、なんか足元から、賞味期限切れ納豆みたいなニオイがする!?く、く、くさい)顔は真っ赤、頭は真っ白。長く付き合ってきたけど、こんなことって今までなかったぞ。まさに地獄絵図。「ご、ごめん!なんか…クサいよね…」そう言って、うずくまり、言葉を詰まらせながら謝る蘭。しばらく無言の健太を、おそるおそる見上げる。目が合って、健太が顔をゆがめて笑い出した。「いや、蘭も足とか、クサくなるんだなって思ってさ」「え、ちょ、どういう」「ほら、シャワー浴びておいでよ」「うん」健太が笑ってくれて、気まずい状況はなんとか和らいでいったけど。恥ずかしい気持ちは消えないまま、シャワーを浴びる。足の指の間をソープでゴシゴシこする。足の臭いってどっから湧き出るんだろう。そして部屋へ。冷えたビールとお惣菜、そして“謎の粉”が出してあった。「これ、おれのニオイケアグッズ」「え、そうなんだ」蘭は、今までニオイケアグッズなんて、高校生の頃から使ってる、汗拭きシートや制汗スプレーくらいしか知らなかった。「引越しのバイトしてたときに、先輩から教えてもらって。靴にいれると臭わなくなる粉。ストックあるから蘭にもやるよ」「ありがと」「でも、蘭でもクサくなるとか、かわいいよ。それだけ、1日汗かいてがんばってるってことだよな」そう言って、頭を撫でてくれた。「恥ずかしよ。臭い女なんて。穴があったら入りたいよ」そういって、体育座りをした膝に、顔をうずめる蘭を、健太はぎゅぅっと抱きしめる。「大丈夫、大丈夫。年取ったら、もっと恥ずかしいこと絶対あるって。おれのお尻、蘭に拭いてもらうことになるかもしれないし」「もう、なにそれ」顔をあげて笑う蘭に、キスが降ってくる。本当に、そのくらいの歳になっても、そばにいられたらなと思う蘭だった。【三松さんからのコメント】健太さん、ムッチャいい彼氏さんじゃないですか!気まずくなるような事態に、瞬間でそれを笑いとばせちゃうユーモアがあるってステキです。彼女に恥をかかせないようさりげなく機転を利かせる頭の良さ。ニオイケア、意外と疎い女性がいるのですよ。足もそうですが、脇やフェムゾーンも。夏になると、ツンとすえたニオイがしてる人、電車や混んでいるスーパーのレジなどで遭遇しませんか。「わたしは大丈夫」と思っていても、体質やライフスタイルが変化して、急にニオイが倍増することもあります。ストレスも大敵。月経や行為もニオイにかかわってきます。ちょっとクサいけど、まぁいいやとフタをして、それでパートナーとの関係が悪化してしまったらもったいないですよね。ニオイケアは汗かく部位にあらかじめ塗っておくものや、フェムゾーン専用ミストなど、いろいろあるので試してね。もちろん、過敏になりすぎる必要はなし。ただ、パートナーがみんな健太さんみたいな対応をしてくれるとは限りません。彼女のフェムゾーンを触ると3日間くらい爪から臭うというお話も聞いたなあ。彼らは彼女と別れています。言いづらいから伝えずに、別の理由でそっと別れを告げるなんてケースも。よって相手への思いやりとして、ニオイには気を遣いましょう。ニオイを気にせず思いっきり開放的になれるボディを意識すると、モテ度もあがります。「少々臭うほうが燃える」というメンズもいますが、だいたいは臭いレスを求めています。女性もそうでしょ!「フェムケア必須の清潔時代になりました。フットとフェムの“2F地帯”はケアしてニオイレス彼女をめざそう」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Ghislain & Marie David de Lossy/Gettyimages文・三松真由美
2023年08月17日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、友達以上恋人未満の彼がいる28歳女性。この夏は、彼と交際をスタートさせようと、プール付きホテルステイのデートへと意気込むが…。陽歌(28歳)日焼け止めレスで初夜がとんでもない事態に【レスなひとびと】vol. 211朝食付きプールステイプランを丈二が予約してくれた。最近、きっつい仕事に追われていたので、久々のリフレッシュ。円高なので海外リゾートはとても無理。せめて電車で行ける格安のリゾートスポットを見つけようってことで彼氏未満の丈二ががんばったのだ。映え水着で、麦わら帽子で「彼とサマバケ!」的な写真撮らなくちゃ。友達連中からは、「最近の陽歌(ようか)は仕事人間だから彼なんてできないよ。恋愛敗者の夏は寂しいぞう」と冷やかされていた。まだ友達以上で止まっている丈二は、ツンデレ系。毎晩電話してくる週もあれば、放置5日間継続なんてのもザラ。しかし陽歌は本命にしてもいい相手だと思ってる。丈二がクールな時期には陽歌は仕事に没頭できるし。「仕事より僕を優先して」なんて素振りは見せない。「よし!丈二とのマジ交際をこの夏、開始してしまおう。」というのが今回のサマーデートの決断だ。手が届くお値段のVivienneのサングラスとお花がついたツバ広帽子、webで選んだビスチェ風のパープルカラー水着。香りも大事ね。ジョー マローンのネクタリンがいいかな。セクシーアイテムとしてアンクレットも買った。プールサイドで、思い切りセクシーさをアピってからの激しい初夜。いや、待て。ベッドでも挑発感満載のブラとパンティで驚かせよう。初めてなんだから(丈二とは…)とにかく興奮させて、わたしの虜にしてしまおう。丈二のプールサイドでの脳内を想像してみる。(お泊りプランでokってことは、ぜったいしていいってことだよな。うわあ、陽歌の水着姿なんて初めて見たよ。胸、パンチ効いてるわあ。やべっ、もうムラムラしてきた)ってなことを妄想しながら、お泊り準備の買い物やらなんやらでイベント前のウキウキ感を楽しむ。その日は、ギラギラ太陽が照りつける最高気温サマーデイ。リゾート気分を満喫するにはもってこいの気候…のはずだったが。おしゃれスタイルで出向いたプールサイドで気づいた。「あっ、水着や小物に夢中で日焼け止め忘れたじゃん」まあ、いいか。女優帽あるし、上着あるし。しかし、真夏の太陽は甘くなかった。写真撮りに夢中で時間忘れてポーズ取ったり、上着脱いでプールの中で水をピチャピチャかけあったりと恋愛ドラマ気分で遊んでるうちに。ジリジリヒリヒリ。ヒリヒリしながらもディナーをすませ、いよいよ丈二との初夜タイム。超絶ぬるいシャワーを浴びて、決めブラをつけようとするとストラップが日焼け背中に当たり、「いったーい」。丈二が抱き寄せたときに爪が肩に当たり「ぎょえーーーー痛いーーー」もともと色白で肌が弱い陽歌。ほてりまくったボディは、ちょっとこするだけでジリジリヒリヒリ。シーツに横たわるだけで痛い。「ジョーくん、ミニバーから氷取ってきてーー」氷で冷やしながら、なんとか遂行しようと奮闘する二人。「ごめん、陽歌が痛い痛いゆうから気が散って無理だわ」丈二が拗ね顔で言い放つ。ムチャクチャ気まずい空気が流れ、丈二が一言。「今日は僕たちの大事な日にしたかったのに、こんな情けない姿みせることになって、落ち込んだよ。付き合うの考え直そう」【三松さんからのコメント】交際開始の記念日にしようとはりきったのにチーン…。神様のちょっとしたイタズラと思って笑い飛ばすしかありません。しかし、陽歌さんの綿密な交際計画と、彼氏選びを深く考察する姿勢はグッドです。20歳までに完了させときたいとか、24歳までに本命彼氏作りたいとか、33歳までに子どもつくるんだとか、目標設定するのはよいのですが、デッドラインを決めてしまうと、それ間近になってあわてて誤った判断をしてしまいますので。陽歌さんのように冷静に「やっていい相手か」「マジ交際していい相手か」を考察するのは大事。あせってダメンズと付き合うより賢い恋愛対策です。丈二さんは、行為を完遂できなかったのでプライドが傷つき、ネガティブな対応になりましたが、そこはリカバリーできるはずです。サマープール企画第2段で、リベンジしましょう。より愛が深まっていい関係になれます。日焼けヒリヒリのことは笑い話として受け止めて。「初夜。入念なお膳立はいいけど、アクシデントは付き物です。それをデヘヘと笑い会える彼かどうかも見極めようね。日焼け止めレスは笑うしかない」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Jelena Danilovic/Gettyimages文・三松真由美
2023年07月27日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、才色兼備でマッチングアプリでもモテモテの32歳女性。ハイスぺ男性とデートをするが…。三松先生が初デートで言ってはいけないことを教えてくれます!紗奈(32歳)、30代でもマッチングアプリで無双状態。でも、いつも遊ばれて終わるのはなぜ【レスなひとびと】vol. 210「えっ、こんなにいいねがつくの!?」紗奈は最近彼と別れたばかりの32歳。30歳を超えてからのマッチングアプリは、なかなか思い通りいかないと聞いていた。しかし、紗奈に限ってはそんなことナシ。それもそのはず、紗奈は元モデル。今は英会話講師をしていて、まさに才色兼備。海外旅行中に撮ったノースリーブワンピの写真に、イキイキと働いている様子がうかがえるプロフィール文。紗奈には、皆が狙いそうな男性が次々とアプローチをしてきた。高収入かつイケメンで、エスコート上手。宏樹も、そのうちのひとりだった。金曜日の夜、丸ビル内のバルで初デート。夜風を浴びながらの会話が初対面ながら心地よい。「紗奈さん、なんで彼氏いないか不思議。なんでアプリ使ってんの」「宏樹さんこそ。わたしはね、歴代彼氏に財布からお金抜かれたり、浮気されまくったりして、ほんと、男運ないみたい」紗奈は自虐的に笑いながら言う。「そうなの?しっかりしてそうー。そんなふうに見えないけどな」宏樹の不思議そうなリアクションがおもしろくて、調子に乗ってしまう。歴代のヤバい彼の話をたくさんした。そのあと、酔い覚ましに30分ちょっと歩き、小伝馬町のほうにある宏樹のマンションへ。宏樹の家は、一言でいうとキレイ!デザイナーズマンションの一室。紗奈はひとまず、カウンターキッチンのところにあるスツールに腰掛ける。すると宏樹が、「そっちじゃなくて、こっち」とお姫様だっこ。「ねえ、舌出して」ベッドの上で、顎をクイッとやられて深いキス。「自分で脱ぐ?それとも脱がしてほしい?」それまで紳士的な雰囲気だったのに、ふたりっきりになると結構なイジワルスタイル。そんなギャップもたまらなくて…。翌朝、紗奈が目覚めると、宏樹が朝食を作ってくれていた。お店で出てくるみたいにふわっふわなパンケーキに、とろけるチーズのスクランブルエッグ、バジルのボイルドウインナーにトマト。外でも家でも完璧じゃないか。名残惜しかったけど、昼からは英会話レッスンがある。朝食を食べて少しいちゃいちゃしたあと、玄関でキスして、宏樹の家をあとにした。結婚して、こんなふうにおしゃれに暮らせたら楽しいだろうなって、ついつい妄想してしまう。シティ派カップルってやつか。その日の夜、宏樹からのLINE。<昨日はありがとう!また時間があるとき声かけるね>これって、彼女候補じゃなくて、遊び相手に送るLINEだ。実は最近、紗奈には、同じようなことが3回立て続けにあった。「一体、わたしの何が悪いの」【三松さんからのコメント】紗奈さん、いわゆるハイスペ男性に都合のいい女性にされてしまう系ですね。相手からすると、外見はきれいで、センスがいい。でもガチ彼女としては物足りない部分がある。時間あいたときにおしゃべりしてエッチするぶんには充分。アプリではモテモテなのに、遊び相手止まりが3回も続いたとなれば、その理由が気になりますよね。真相はもちろん、相手に聞かないとわかりませんが。気になるのは、初デートのタイミングで、歴代の彼にぞんざいに扱われた話をしているところ。デート相手の多いイケてる男性は、選択肢も多い。相手をまだよく知らない段階で、何人もの元カレに大事にされなかった話を聞かされると「このひと、そんなにバリューないのか?男に大事にされない女ってどうよ。痛い感じだ」なんて、思われる可能性があります。紗奈さんは魅力的なのに「他人から大事にされないキャラ」をアピールするのは戦略ミス。おもしろい話をして、相手を楽しませてあげようというサービス精神はステキなのですが、会話の内容をよく考えましょう。もちろん、紗奈さんの話を聞いて「俺はそんなふうにしないよ」というふうに思ってくれる男性がいればOK。とは言え、恋愛自虐会話はある程度距離が縮まってからするように。逆に自慢話ばかりもよくないのよ。「こいつ、どんだけうぬぼれーー」って引かれてしまう。恋愛成就ってほんとにむずかしい。「自分で自分を価値レスにしないこと。うぬぼれにならないレベルで自分は素敵!を見極めて」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©South_agency/Gettyimages文・三松真由美
2023年07月20日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、結婚願望が強い29歳女性。一方、交際中の彼は全くする気がなくて…。三松先生が教える正解とは?美波(29歳)、結婚願望レスの彼氏に、あの手この手で結婚迫る。そして、ついに…。【レスなひとびと】vol. 209「桃菜、めっちゃきれいだったよう」「ありがと、美波。次は美波の番だね」ウェディングドレス姿の親友、桃菜が美波の手をぎゅっと握る。今日は桃菜の結婚式。とあるアパレルブランドの広報として働く美波は、4年前、今の彼、透と出会った。自社ブランドの着こなしを、おしゃれに描いてくれるイラストレーターを探していて、見つけたのが透だったのだ。ふたりとも、こだわりが強いほうだから最初はぶつかりあった。でも、結局惹かれあって交際に発展。ふたりでこだわり抜いて選んだインテリアがそろう家で、同棲している。付き合いはじめる時に透は言った。「悪いけど、おれ、自由な生き方が好きだし、結婚する気はないから」でも、美波には自信があった。そんなこと言ってても、結局美波に夢中になって、結婚を申し込んでくると。今までの男性がみんなそうだったからだ。そう、美波はモテ系。しかし、交際から2年経っても全くそんな気配がない。まわりの友達は、どんどん結婚していくというのに。美波は、作戦を練りまくる。まずは『ゼクシィ』を買ってきて、リビングテーブルの上に思いっきり見えるように置く。しかし、透はスルー!お次は、横浜でのデート中。「えっ、今日みなとみらいのホテルでドレスの試着会やってるじゃん!ねっ、ドレス着るだけでいいから付き合っってよ」「まあ着るだけならいいけど…。あっ、これ美波の会社の系列のブランドじゃん!」「そうそう」なんて偶然を装って、あらかじめ調べておいた結婚式無料相談会へ。「今日契約すると、なんと35%オフなんですよ」「え!ねえねえ透、申し込んじゃおうよ」うまく結婚式の相談話にこぎつけ、相談員のお姉さんとキャッキャと盛り上がる美波。外面がいいタイプの透が、反論するタイミングを失っているのをいいことに、手続きを進めていく。「はい、じゃあ透はここにサインして」「え…ああ、うん」もうここまでいったら、するしかないよね、結婚。しちゃおう。美波はそう思っていた。しかし、帰宅後、透はいきなりブチ切れる。鬼みたいな顔で。「一体なんなん?」「…え?透もいいと思ったから、サインしてくれたんよね」「いや、もう途中からなんだコイツって思って。どうでもいいやと思ってとりあえずサインしただけ」「は?どういうこと?」「ほんと、こうやって無理やり人のこと縛ろうとするの、どうかと思うよ。おれたち、もう終わりだよ」翌日、透は荷物をまとめて、家を出て行ってしまった。壁に飾ってある透が描いた二人のイラストが、寂しく微笑んでいる。【三松さんからのコメント】美波さん、どうしても結婚したいんだ!そのあせる気持ちが、裏目に出てしまいましたね。確かに、なかなか結婚に踏み切らない彼に対して「先に結婚式のお日取りだけ決める」というのは、一見有効そうです。しかし、それは彼の性格をみて、意思を尊重しながら判断しなくては。透さんは最初っから「結婚願望がない」と言っていますよね。「いつかしようと思っているけどなかなか決めない」のと、「結婚するという人生の選択がない」というのは、違うのです。もともとする予定がないのに、急かされる。しかも、断れない状況を無理くり作って、思い通りにしようとする。パートナーの人生をコントロールしようとする美波さんの行動は、「自由に生きたい」と思っている透さんには「あり得ない女」に映ります。自由に生きたい男性と、早く結婚したい女性のカップルの悩みはたくさん聞きますが、それぞれの理由を深いところまで掘り起こすのが重要。簡単に一言で答えても、深掘りするといろいろ見えてきます。「自由」というのは何を指しているのか、結婚したいのはなぜなのか。話し合って、それでも妥協できなければ、スパッと別れるのが正解。「だって何年も付き合ったのにーーーー」と思うかもしれませんが、今が一番若いのですから。しがみつかない。無駄な時間と思わず、「勉強させていただきました」と頭を下げて別れること。男性の生涯未婚率は2割超えですもん!「結婚願望レス男に、いやいやいつかはスルっしょ!と導いた結果、半数は撃沈すると構えておいたほうがよし。まじで結婚したくない男性は増えてるんだからさ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©key05/Gettyimages文・三松真由美
2023年07月13日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、自分に自信のある24歳女性。日々ちやほやされているが、そろそろ本気で彼を作ろうと動き出すが…。三松先生が、実は男性がドン引きする女性の特徴を教えてくれます!ゆりあ(24歳)謙虚さレスで、上から目線の痛いオンナ【レスなひとびと】vol. 205「Chu!ゆりあでご〜め〜ん」ゆりあは歌い終わってみんなに投げキッス。「西城さんかわいいぞうー!」「僕らはね、正直みんなこういうの好き」「あざとすぎー」会社のカラオケで、調子乗って歌ったら、死ぬほど褒められた。ゆりあは、小規模不動産会社で働く24歳。10名の社員のうち、9名が男性で、毎日ちやほやされまくり。天国みたいな職場。2年前、社会人になりたてのころに振られて以来、彼はいない。会社の人の話ばかりするゆりあに「そんなにいい男がいっぱいいるなら、俺いる意味なくない?」と彼が言い出してケンカ別れしたのだ。20代前半も最後の年。ゆりあは「そろそろ彼氏、作ろう」と思いたち、審査制のマッチングアプリに登録。選んだアプリは顔写真の審査があったけど、もっちろんばっちり通過した。男性は年収審査もあるようで、どんな男性とマッチするのかドキドキだ。最初に会ったのは、大手食品メーカーに勤める、実家が太い男性。でも彼、自分の話しかしない。しかも、ずーっと自慢話。バルのおいしい料理をつつきながら約3時間、睡魔との戦い…。つまんねえ男。低評価、つけとこう。お次にマッチしたのは、医療系のアプリを開発するベンチャー企業のさわやか男性、晴臣さん。「ゆりあさん、声もかわいいですね。昔なにかやってました?放送部とか、バンドのボーカルとか」と、褒め上手かつ聞き上手。だから、つい語っちゃった。「晴臣さんの前に会った人、ほんっとに自慢話ばかりで」「やっぱり、なんでも『うんうん』って聞いてくれるおおらかな男性しか勝たん、ですよ」「しかも、割り勘だったの。最初のデートくらい奢ってくれなきゃ、男性として見られなくないですか?」晴臣さんはずっと「うんうん」「え〜大変だったね」とやさしく笑いながら相槌を打ってくれた。(こ、これって私の好きなタイプに寄せてきてるよね!?)そう思ったゆりあは、次のデートに自ら誘った。「次、水族館デートとかどうですか?晴臣さんとなら、絶対楽しい!」「いいね。ちょっと予定確認して、またLINEする」そのあとトイレに行っているあいだに、晴臣さんはお会計を済ませてくれていて。スマートで、聞き上手で、笑顔がステキ。帰りの電車から即、お礼のLINE。こういうの大事ってこともわかってる。その日のうちに速攻お礼LINE。女子評価上げとかなきゃ。しかし。家に着いても、お風呂から出ても、ベッドに入っても、既読がつかず。翌朝になっても未読のまま。冷や汗ダラダラのところに、アプリから通知が届いた。晴臣くんからのレビューだ。相手がどう評価したかは知らされないが、自分についた平均点が変わるから、相手にどんな評価をつけたのかは大体わかる。おそらく、容姿の評価は満点。でも性格の評価が最悪低得点だ。あんなに楽しい時間だったのに、なんで?もしかして振られた?【三松さんからのコメント】自分に自信をもつのはいいことです。きっと、ゆりあさんはかわいらしい女性なのですね。しかしですよ「自分は選ぶ立場の人間だ」という振る舞いはNG。理想の男性像があるのはあたりまえ。好みの男性を前にして、相手にこちらの理想をわかってほしい気持ちも理解できます。ただ恋活の場合、相手から聞かれない限り、しょっぱなから条件を並べ立てるのはいかがなものか。前の男性の低評価を論じるなどもってのほか。「僕もこんなふうに言いふらされるんだろうな」と思われます。そのうえ、「理想が高くて、俺じゃ無理だ」「ワガママすぎて付き合いきれない」「なんでこんな上から目線?」と思われてしまい、恋愛対象から外れるリスクしかない。ゆりあさんだって、いくら好みのルックスの男性だったとしても、面と向かって「俺、〇〇な女じゃなきゃ、ダメなんだよね」(〇〇は今の自分にはない要素)なんて言われたら、イヤな気分になりませんか。なんだか試されているみたいで。晴臣さんはきっと、デートの場では合わせてくれたのです。でも、本心は「この人、なんで自分が選ぶ立場だって思ってるんだ?これくらいのルックスでどんだけ女王様気分になってるんだ」ですよ。謙虚さ、忘れちゃいけませぬぞ。「フォロワー多い女性が陥りがちな罠。謙虚さレス。フォローしてくれてるメンズの気分なんてはかないもんです。真実の姿はSNSやマッチングアプリ紹介欄では見えないってことを覚えとけ」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Zinkevych/Gettyimages文・三松真由美
2023年06月08日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、ハイスペックな彼と交際中の25歳女性。ついにプロポーズされたが…。三松先生が、結婚するにあたり、もっとも大事なことを教えてくれます!彩花(25歳)、婚約者が友達レス。結婚式の予定を立てはじめたけれど友達いない男ってどうよ【レスなひとびと】vol. 203「結婚しよう」誕生日ディナーのあと、ハリー・ウィンストンの指輪をパカッ。彩花は世界一幸せだと思った。彼の千景は商社マン。顔がシュッと細くて身長も高い。彩花が憧れてたK大学卒。今までも、彩花は友達から「いいな〜」とうらやましがられてきた。その彼がついに、プロポーズしてくれたのだ!プロポーズされつつ、彩花は脳内で「SNSへの投稿文は何にしようかな」と考えはじめる。ああ、みんなの反応が楽しみすぎる。爆速で結婚式場を決めて、インスタで花嫁アカも作った。しかし…。「招待客の人数差、ありすぎじゃない!?」千景は、招待したい友達がゼロらしい。「俺、全然友達いないし」と。確かに、休日も彼はいつも家にいる。「ええ?K大学のすてきな学友は呼ばないのー?」彩花はしょんぼり。こちらは学友狙いの女子友ゲストがたくさんいるのに、どうしたらいいんだろう。プロポーズ報告をSNSへ投稿したとたん、みんなからのリアクションは最高だった。でも、気持ちよかったのは一瞬だけ。実際はなんだか満たされない。エッチだって最近、あんまりしてないし。「新婚早々、レスにはなりたくないよ…」というのが本音。友達には言いたくないから、自分の機嫌は自分で取る。ヘアサロンとまつげサロンとランジェリーショップをはしごして、口角上げて千景の部屋に。「ただいま〜」「どうしたの、あやたん。機嫌いいね」そう笑いかけてはくれたものの、千景はなにも気づいてくれない。でも「ベッドでなら」と思った彩花は夜、念入りに髪をブローして、ベッドにイン。いい香りのヘア美容液もつけてる。南青山で買った7,000円のやつ。「ねぇねぇ」と甘えると、千景は「ん?」と覆いかぶさってきてくれた。「こっちおいで」って、おでこにキス。でもいい香りには気づかない。そして、パジャマのボタンを外す。でも、新調したランジェリーへの感想はなし。あああ、燃えない。なんとなく、彩花を見てしてくれてるんじゃなくて、「彼女だから一応ルーチン」でそうしてくれているだけのような気がしてむなしくなる。結婚だって「そういうものだから」しようと流れ作業でしてるだけな気がした。千景って、人に関心がなさすぎる。こんなにカンペキなのに、友達が全然いないのはそのせいなんじゃない?別に趣味や仕事で忙しいとかじゃなくて。幼少期から見た目がよくて、勝手に人が寄ってきたぶん、自分から関心をもって人と親しくなろうとした経験がないんだろう。千景はあれこれ想像する。友達レスなところをあらためて知って、急に彼がしょうもない奴に見えてきた。お互いの両親への挨拶もしたし、式の予約金も振り込んだけど、まだ入籍はしていない。みんなからはうらやましがられてるけど…この結婚、どうする彩花!!!!【三松さんからのコメント】彩花さん、友達がいないのは、悪いことではないのですよ。逆に、友達付き合いが頻繁すぎて、家庭をおろそかにするメンズもいますし。「夫が地元の友だちと夜になるとスケボーして夜中まで帰宅しません」という悩み相談を先日受けたばかりです。式の招待客は、両家が納得しているのであれば、かならずしも揃える必要はないでしょう。最近は参列者レンタルっていうサービスもあるんですってね!婚姻数が減少中の我が国、花嫁・花婿もレンタルなんじゃないかって感じるときもありまする。イイね獲得のために「花嫁やってみた」的な。さて今回、問題なのは、友達レスなことじゃなく、彩花さんに対する関心がないこと。結婚したあと、ふたりで取り組むプロジェクトはもっともっと増えます。今の時点で、彩花さんに関心がないとなると、妊娠や出産など、カラダの負担が大きい時期を乗り切るシーンで妻側が置いてけぼりになりそうな予感。もう一度考えてみてください。彩花さんは、千景さんのどんなところを好きになったのですか?もし、「ルックスが好みでスペックの高いところ」なのだとしたら、千景さんのことをとやかく言う権利はありません。逆に、千景さんは、彩花さんのどんなところを好きになったのでしょうか。「かわいい」とか「やさしい」とかあたりさわりのない回答であれば、彩花さんが考えているとおり「そういうものだから」結婚しようとしているのかも。具体的にどこが好きかパキパキ言えるか確認を。今からだって遅くない。結婚に大事なのはまわりの「イイね」じゃなくて二人の納得感。もう一度、じっくり話し合ってみようではないか。「彼が友達レスでも夫としてダメなわけではない。ガチ親友が一人だけいるとか、最低限のコミュニケーションは取れるとか細部まで観察してみるとよいでしょう。まれーにヤリペニで評判最低の友達レス男みたいなのはいるからそこは注意ね」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©EmirMemedovski/Gettyimages文・三松真由美
2023年05月18日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、自分より稼ぎのいい彼と同棲を決めた24歳女性。だが、部屋を決めた早々に彼の秘密が発覚して…。三松先生が、同棲をしてはいけないカップルの特徴を教えてくれます!リサ(24歳)、結婚前提でお付き合いしている彼に借金があった!貯金レスだよ、さあ、どうする?【レスなひとびと】vol. 200リサはジェラート屋さんで働く24歳。彼の蒼とは3か月前、行きつけのおでんバーで出会った。サウナ好き同士で意気投合し、出会ったその日に交際開始。ふたりとも高円寺住み。リサは手取り16万円。人材業界で営業職として働く蒼は32万円で、その差は2倍!リサの家は家賃5.5万円。築40年で、駅から徒歩19分の3点ユニットバス。蒼の家は築4年、駅からも10分以内で、ピカピカの洗面所だってある1DK。と、いうわけで当然リサは蒼の家にほぼほぼ住み着くようになっていた。狭いけど。金曜日の夜。リサと蒼はタオルを持って近所の銭湯へ。もちろんオプションサウナにも入って、ととのってきた。「は〜。今日あまみ、めっちゃ出たわ」「あたしもー。ねぇ、コンビニでお酒とお菓子買ってさ、このあと蒼んちで飲もうよ。明日あたしも休みだし」「ってリサ、今週1回も自分ちに帰ってなくない?」「えー。蒼はあたしがいて邪魔なん?」「邪魔とかじゃ…ないけどさ」帰宅後、レモン缶チューハイを冷蔵庫に入れるリサに後ろから抱きつく蒼。キスをしながらベッドへ移動。ゆっくり温まって、無駄な力の抜けたカラダ同士を重ねるとトロトロのバターみたいになる。幸せな二人。「蒼、二人で部屋借りて同棲しない?そのほうがコスパいいじゃん」蒼の肩のくぼみにほっぺたをのせて、リサが言う。蒼も「水風呂入りながらそれ考えてたわ」と笑って、同棲決定。翌日、さっそく不動産屋さんへ。高円寺界隈。リノベしたてのすてきな賃貸マンションを見つけた。青い瓦屋根に質感のある白い壁、おしゃれな形の鉄柵がついたバルコニー。中は日当たり抜群で、寝室とリビングを区切る、黒いフレームのガラス戸が今っぽい。「ここ住みたい!」と即決。翌週にすぐ契約に向かう。契約最中に現在ローンを組んでいないか聞かれて、リサは「えっ、ないですよー」と言ったけど…。なんと蒼には、60万円の借金があると発覚。しかも、貯金もゼロ。ひとまず家は借りられたけど、初期費用はすべてリサが負担するはめに。引越しにもお金をかけられない。大きい車を借りて、気合のセルフ引越しの予定だ。蒼とだったらそれも楽しいだろうけど。でも、これからもお金立て替えなきゃいけない感じだったらどうしよう。今日、リサはひとりでサウナに行った。常連の麻知子おばさんに、蒼の借金のこと話したら「やー。同棲やめときなさい。借金してる男は一生借金すっから」って大声出された。でも、お金のこと以外では蒼にイヤなところはないし、このまま行っちゃいたいよ。60万円の借金って、そんなにヤバいかな?【三松さんからのコメント】ほんわかカップルの恋愛物語のように見えますが、雨雲が見えてきたってことですね。一緒に住むとなると、今まで知らなかったことがポツポツ出てくるもんです。親がうるさいとか、食の好みが違いすぎるとか。リサさんは手取り16万円だけれど、引越し代と初期費用と払ってあげられる余裕がある。おそらく、堅実に貯金ができるタイプなのでしょう。蒼さんがリサさんに家計を管理させてくれるなら、この先もやっていける可能性はアリ。1か月の収支を一緒に見直して、金融機関とリサさんにお金を返せる見通しをつけ、リサさんにも借用書を書かせること!同棲からの結婚を期待していても、彼が冷めてしまい、ある日突然お金返さず消えたという例、けっこう聞いています。お金貸したほうは大損。そして蒼くんのお金の使い道を聞き出してね。内緒にしたがっているのであればアウト。同棲解消マスト。ヘンなことに使っている可能性もあります。怪しい投資とか、ギャンブルとかね。同棲はコスパがいいからって気楽に始めてはいけませぬ。お金の欠乏で愛が冷めるというリスク回避はしておいてね。お金の使い方、生活習慣、友達付き合い、いろんな角度からお相手のジャッジをしていきましょう。もちろん自分ジャッジも忘れずに。「貯金レス男と同棲していいか問題。若さゆえ、それはいいけど借金ありの場合は何に使ったかを要チェック。カネの切れ目が縁の切れ目ということわざを胸に刻め」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Goran13/Gettyimages文・三松真由美
2023年04月20日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、塩顔イケメンの同僚から好意を寄せられている24歳女性。ある日、同僚とは別に、途中入社してきた頭髪薄めの男性社員に飲みに誘われて…。最終的に彼女が選んだのは?三松先生がいい男の特徴を教えてくれます!弓子(24歳)頭髪レスの彼氏を好きになったよ。まったく問題なし!【レスなひとびと】vol. 198弓子は人材派遣会社で総務の仕事をしている。社内行事の準備で同僚の川端くんと組んで集中して取り組む日々。川端くんは入社当時から弓子のことが気になっている様子だが、弓子は「それほど」でもないので軽くいなしていた。とはいえ川端くんは、今どきの塩顔イケメン。穏やかな話し方をするし、落ち着いていていい感じ。後輩のみっちゃんは「川端さんの顔ファンでーす」と公言している。ほかの女性社員でも川端推しが最低4名いる。そんなある日、中途入社の杉野ヨシキさんが同じフロアに入ってきた。初日から女性社員たちの噂話の的になる。まだアラサーなのに。なんと…髪の毛が…薄々。植毛CMのビフォーアフターのビフォーのひと。「気にしてそうだよね。かわいそう」という噂が…。仕事がバリバリできるのでスカウトされたらしい。実際、弓子にも新しいソフトウェアの使い方ティップスや、海外支店への配布資料の効率的な作り方など理解しやすく教えてくれた。ヨシキさんの評判はジワジワ上昇。スマートな物言い。博学で話の引き出しも多い。困っている人を見つけると、自然に寄り添って手を差し伸べる。社内行事が近づいて、弓子と川端くんチームが残業していると、ビタミンドリンクの差し入れをしてくれた。「ちっ、かっこつけやがって」と川端くんが、見下す顔をしたので、弓子は“川端くんは、ないわあ”と一気にドンザメした。モテ男の本性を見てしまった感じ。よって、川端くんが、誘ってきても絶対断るようになる。社内行事が無事終わり、ホッとしたその日、ヨシキさんが「がんばったね、堀内さん!飲みにでも行く?」と声をかけてきた。寂しい頭頂部も、見慣れてしまえば変ではない。むしろ、ぱっちり二重のアーモンドアイに気づいた。髪型に目がいくので気づかなかったが、お肌がきめ細かくてきれい!思わずさわりたくなるほっぺ。“ルッキズム問題が話題となる昨今、見た目で彼氏を選ぶのはよくないし。しかも私だって決して美人さんじゃないし”「ヨシキさん、行きましょう!いっぱいお話したいです」エントランスを抜けると、ヨシキさんが、リュックからキャップを取り出してかぶる。ゲゲゲ!!!なんかキュンするーーーー!衝撃で弓子の目が2倍に大きくなる。完全ノックアウト。嬉しそうに歩く二人の後ろ姿を微妙な表情で見つめて立ちすくむ川端くん。なぜ彼に弓子を取られてしまったか、反省の余地ありの川端くんでありました。【三松さんからのコメント】「彼氏を見た目で選んではいけません」まっとうなご意見であります。叶姉妹様は「グットルッキングガイ」とお呼びになられますが、ここではGLGと略しましょう。GLGは基準もないし、女性側の好みもバッラバラなので型にはまったものではありません。プクッとした愛嬌があるお笑い芸人タイプが好きなひともいれば、ボサボサ眉でシャツインのオタク系でもアニメの話で盛り上がるから大好きというひともいます。弓子さんも髪の毛レスでも彼がかっこよく見えてきたという事例です。パッと見で「好き!」というキュン度が上がるのは大切ですが、その後、彼の立ち居振る舞い、生活習慣、清潔感、金銭感覚、マナー、ルールを守れるかどうか、他者を貶めないかどうかなどなど総合的に見ておかないと、お付き合いしたあとえらい目に遭います。川端くんみたいに裏表ある、外面(そとづら)が良いGLGと結婚した女性が私の運営する夫婦仲相談所に多数訪れます。口をそろえて言うことをざっくりまとめると「夫は外面がいいので、周りから羨ましがられますが家ではマウント取りまくりで、二面性があるモラハラ夫です」となります。周りにいませんか?「早苗さんの旦那さん、犬顔イケメンでやさしいし、頼りがいあっていいなあ」という評価だとします。しかし早苗さんは家で嫌味を言われるのが辛くて、顔を合わせぬよう他の部屋に逃げている。こんなカップル、少なくないのです。「結論。顔の好みは大事にしつつも、ほかで“ン?“と感じる行為を見つけたら観察を深めなさい。髪の毛レスなんて、小さな小さな問題です」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。©Shannon Fagan/Gettyimages文・三松真由美
2023年03月30日