妻が仕事で不在の時は当然一人で家事をこなさなければならない。それでも息子はいつも通り夕食の前でも後でも「お父さん遊ぼっ!」と詰め寄ってくる。「やることがいっぱいあるから今は無理!」とストレートに断ると、息子はムキになって引き下がる。そんなある日、「今日も遅くなる」と妻から連絡が入った。息子はワンパターンの攻撃を仕掛けてくる。「お父さん遊ぼ〜!」この日の僕は「洗い物して、風呂入れて、布団敷いて、洗濯たたんでからね」とたたみかけるように全てのタスクを息子に伝えてみた。僕の反撃を浴びた息子は「おふろ…ふとん…」と情報を処理しきれない様子で寝室に消えていった。あきらめてくれたようだとホッとして、リビングで洗濯物をたたんでいるとドタドタドタッと息子が再び登場。そしてさりげなく「布団敷いたよ。これで遊べる?」と言った。僕は驚いて寝室をのぞきに行った。雑ではあるが一人分だけ布団が敷いてあった。「一個は敷いたから、もう一個はお父さんがやってね」と息子が面倒臭そうに言った。それがとても彼らしくて僕は笑いながら「ありがとう」と言って、残りの洗濯物も一緒にたたんで欲しいとお願いしてみた。「じゃあ〜、小っちゃいタオルだけね」と言って手伝ってくれた。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年10月17日3歳の息子は少し前までは僕や妻よりも早く起きてすぐに僕をたたき起こしていたのに、最近はめっきり朝が弱くなった。遅く起きてきて保育園に行く支度もせず朝ご飯も食べずにブロックに夢中になってしまう。何度か呼びかけてようやく朝食を食べ始めると、今度は途中で立ち上がってブロックの手直しを始める。一分一秒を惜しんで遊び続けるのだった。そうこうしているとあっという間に出発の時間になってドタバタと着替えて飛び出すことになるのだが、遊び足りない息子はのろのろと面倒くさそうな動きで「まだお家で遊びたい〜」と嘆くのだった。ところが、保育園に着くと息子の態度は一変する。教室に入って一緒に着替えやタオルの準備を済ませるや否や「もう遊んでいい?」と今度は保育園で遊ぶことで頭がいっぱいになっているらしい。僕が「いいよ…」と言い終わる前にダッシュで立ち去ってしまった。バイバイすら無い…。夕方、お迎えに行くと息子はなかなか教室から出てこない。お茶を飲んで一服したり、今日作ったブロックを次々に披露。そしてそのブロックを一個一個パーツごとに分解してゆっくりと片付けを始めるのだった。「外が暗くなっちゃうから早く帰ろ〜」と懇願すると息子はようやく重い腰を上げる。やれやれと下駄箱で靴を履かせて外に出ようとした瞬間、息子は「オシッコ!」と叫んで履いたばかりの靴を脱ぎ捨て、トイレに駆け込んだ。また振り出しに戻ってしまったと落ち込んでいたら、トイレからは息子の陽気な鼻歌が聞こえてきた。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年10月10日『我的美麗日記(私のきれい日記)』台湾発のフェイスマスク『我的美麗日記(私のきれい日記)』は、全世界で年間2.5億枚を売上、世界中から愛される商品だ。この度、『我的美麗日記(私のきれい日記)』を展開する統一超商東京マーケティング株式会社は、ブランド史上最高級の美容液を使用した『プレミアムクリーム』シリーズを新発売すると発表した。私のきれい日記史上最高級の美容液同シリーズでは、最高美容液成分を使用。「なめらか潤い処方」と「植物発酵乳化技術」を使用することにより、美容成分が角質層の奥深くまで染み渡る。同シリーズでは、「Aquaroad(ゆるめる)」「Tinysome(しみこむ)」「Cosphingo(とどめる)」の3つプレミアムうるおい伝導機能が働く。「ホワイトアルプスエーデルワイス」と「南極氷河」「ホワイトアルプスエーデルワイス」は、アルプス山脈のエーデルワイスから抽出したエーデルワイスエキスを配合したブライトニング&エイジングケアクリームマスク。3枚入り690円(税抜)だ。「南極氷河」は、南極海洋氷山の底部クレイから抽出した糖タンパク質を配合したモイストリッチなクリームマスク。 3枚入り690円(税抜)だ。(画像はプレスリリースより)【参考】※私のきれい日記『プレミアムクリームマスク』を新発売!9月15日(金)からバラエティショップ、ドラッグストアにて発売
2017年10月05日9月の平日に兵庫から両親が上京してきた。その日、息子は保育園を休んでじいちゃん・ばあちゃんに遊んでもらった。近所の公園で走り回った帰り道にビジターセンターで絵本を読んで一服するという息子のお気に入りコースを満喫。息子はビジターセンターで休憩中にアイスココアを買って飲んだ。飲みかけのココアのカップをテーブルに置いて、絵本を読んだりカードゲームをしたりして遊んでいた。途中、席を立った息子はテーブルの上に置いておいたココアのカップが無くなっていることに気付いた。「ココアは?」と呆然とする息子。「あっ!ごめん…。残した氷が溶けてるだけやと思って捨ててしもた…」と青ざめるばあちゃん。「もう一回買って」と半泣きでお願いする息子。2杯は飲み過ぎだろうと思って「帰ってお茶を飲もう」と提案したが受け入れられず、結局帰りに買って帰ろうということで落ち着いた。それからまたしばらく遊んで、そろそろ帰ろうかという時間になって席を立った息子にばあちゃんが「帰ったらブドウがあるから食べようか」と提案したが、息子はすかさず「ココア買ってからね!」とココアから気をそらせようとするばあちゃんの狙いを見透かしていた。ばあちゃんは何も言い返すことが出来なかった。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年10月03日9月の夏休みに計画した旅行の行き先は沖縄石垣島。3歳の息子は海水浴デビューを楽しみにしていた。僕は3泊4日のほとんどを海で過ごすことになるだろうと思い、水中カメラをレンタルしていた。が、初日から天気は不安定で2日目、3日目は雨がほぼ確定していた。初日はホテルの近くのビーチでのんびり過ごす予定だったが、空港からホテルまでの道中のスポットを細かく見て回る計画に変更し慌ただしいスタートになった。途中ビーチに立ち寄るも海の状態が悪く、早々に遊泳禁止になっており透き通る海をただただ眺めるばかりだった。水中カメラの出番も無い。その後、ホテルにチェックインを済ませると外にプールを発見した。予約時には海で頭がいっぱいであまり気にかけていなかったが、プールのあるホテルにしておいて本当に良かった。泳ぐ気満々の僕たちは迷わず水着に着替えて飛び込んだ。プールに入ってみると息子にとっては海よりこちらの方が良かったのではと思えるほど長時間楽しめた。ここでは水中カメラも大活躍で、プールではしゃぐ息子の普段ではなかなか見られない弾けた表情をたくさん撮ることが出来た。息子も撮りたいと言うので持たせると真剣にバシバシ撮っていた。海でカメラを持たせるにはまだまだ不安があるけれどプールなら流される心配も無い。天気予報は正確でその後の2日間は大雨。海はその後も遊泳の出来る状態にはならず、海水浴は次回に持ち越しとなった。息子は3日目に雨が上がるとウキウキしながら水着に着替えて、プール目指して一目散にかけ出した。最終日の朝にもまたプールに入ってご満悦の息子は「海で泳ぎたかったね〜」と嘆く僕に「言っても入れないんだから言わないで!」と、ごもっともな正論をぶつけてきた。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年09月26日9月に家族で遅めの夏休みをとって沖縄に旅立った。息子にとっては初めての飛行機で、家を出る前からご機嫌だった。僕も飛行機には数えるほどしか乗ったことが無いので、ちゃんと先導できるかが気がかりだった。バスが空港に到着して、搭乗手続きを済ませ乗り場へ移動。乗り場までの移動距離が思いの外長く3人でダッシュするハメになってしまった。3人で空港の窓からゆっくり飛行機を眺める時間をとりたかったが、断念した。機内でもご機嫌な息子は特に機内サービスが気に入ったようで、客室乗務員の女性がカートを押して近づいてくるとスーッと机を手前に引き出して座席前方を睨み、女性の頭がチラッと見えると「リンゴジュースっ!」とフライング気味に注文をしていた。初めての飛行機とは思えない慣れた所作が可笑しかった。3時間を越えるフライトで一睡もせずジュースをチビチビと楽しんだ息子は、飛行機が着陸態勢に入り「シートベルトをお締め下さい」のアナウンスが聞こえた瞬間「オシッコ!」と言って跳び上がった。最悪の場合、間に合わなければこれに……とビニール袋を手に握りしめたがなんとか着陸まで持ちこたえてくれた。そして今度は到着した空港でトイレまで抱っこで一目散にダッシュした。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年09月19日以前勤めていた会社の元上司Uさんが写真展を開催するということで、家族3人でオープニングパーティーに出かけた。3歳の息子はすぐに飽きてしまうだろうと思い、妻と息子は一通り見たら先に夕食を食べに行ってもらう予定にした。Uさん一家とは家族ぐるみで仲良くして頂いている間柄で、5歳の息子さんのお下がりの洋服を頂いたりもしている。よそ行きの服は頂き物の方が多いほどで、大変助かっている。U家のMくん5歳はいつも息子の遊び相手をしてくれる優しいお兄ちゃん。しかし息子がMくんと会うのは5ヶ月ぶりで、お互い緊張して近づこうとしない。息子は会場に入るなり「もう帰る」と言い出した。しかし、大勢の来客をかき分けて進んだ先に豪華なケータリングを発見し表情が一変。「食べても良いよ」と言うとすぐさまポテトに飛びついた。僕はこの隙に会場の写真を見ることが出来た。その後息子はMくんとともに会場の大人達にチヤホヤされて、一緒におやつを食べたりおもちゃで遊んでアッという間に打ち解けた。子ども同士は打ち解けるのが早い!と安心したのもつかの間、走り回る子ども達が作品に激突しないかと心配で気が気じゃなかった。それでも何とか無事に僕も妻も展示を堪能し、Uさんともゆっくりとお話が出来て大満足。「そろそろ帰ろうか」と息子に告げると「まだ帰らない!」と言って、キッズスペースと化したエントランスに居座り続けた。ここにいる誰よりも楽しんでいる様子の息子だった。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年09月12日今年の夏、息子は3歳で野外プールデビューを果たした。お風呂での様子を見ていると水を浴びるのが苦手のようなので、少しでも慣れると良いなと思っていた。まずは子ども用の浅いプールに入った。息子の顔が水泳帽にギュッと押しつぶされた状態を見て笑いをこらえつつ、遊泳開始。プールに設置された滑り台が気に入ったようで何度もそこから飛び込んでいた。お風呂の時とは違って、ビショ濡れになってはしゃいでいるので一瞬で心配は吹き飛んだ。どうやらお湯と石けんの泡が苦手だったらしい。子ども用プールでひとしきり遊んだ後は息子に浮き輪を装着して深いプールに移動した。移動中に10分間の一斉休憩時間になり皆がプールサイドに上がる。子ども連れのお父さん方がプールサイドで寝っ転がって日光浴。10分後、休憩時間終了のアナウンスで一斉に子ども達にたたき起こされている。初めての野外プールで長時間泳ぐのは体力的に心配なので、時計を見て「あと10分泳いだら上がろうね」と息子に言った。息子はすかさず「嫌だ!もう一回あっちのプール(子ども用)にも行きたい!」と言うので仕方なく再度子ども用プールに移動。その後は息子が考案した「滑り台から滑って浮き輪にお尻がスッポリ収まったらクリア」というバカバカしいゲームをひたすらやってプールを後にした。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年09月05日気が付くと毎日、息子との間に小さな約束を繰り返し結んでいる。「デザートはご飯を食べた後」「絵本は歯磨きの後」「歩道では走らない」「保育園から帰る支度が早く出来たら遊ぼう」…など数え始めると切りが無い。約束事(ルール)は家族の身の安全はもちろんのこと、お互いに快適に過ごせるようにするためにも必要なもの。自分の感情・欲求をコントロールして行動することで物事が円滑に進んだり、時間的な余裕にもつながったりというようなことを少しでも感じてくれれば良いなあと思っている。だから例えば「デザートはご飯を食べた後」という約束をする場合には先に「デザートを食べると満腹になってご飯が食べられなくなるでしょ」と出来るだけ簡単になぜダメなのかを説明するようにしている。しかしながら感情・欲求というのはなかなかやっかいなもので、冷蔵庫にあると知っているバナナをご飯の後まで我慢するというのは3歳児にとっては並大抵のことではない。「一切れだけだから!」「バナナ食べてもご飯食べられるから!」「リンゴでも良いから!」とまくし立て、ルールは破るためにあると言わんばかりに果敢に法の網をくぐり抜けようとする息子との悪戦苦闘の毎日が続いている。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年08月29日妻の帰りが仕事で遅い時は息子と2人で過ごす。息子が1~2歳の頃は「よしっ」と気合いを入れて乗り切るような大変な夜になる事が多かった。お母さんがいない寂しさで乱れてしまったり、夕飯の準備中も遊びたくてまとわりつくのでなかなか料理が進められないということが多かった。僕の仕事までもが立て込んでいる時は最悪で、夕飯を作って息子と食べていると仕事先から電話がかかってくる。電話に出ると急ぎの対応が必要な用件だった。息子が電話に近寄ってきて僕のセリフをまんま大声で復唱する。「すみません。息子が近くにおりまして…」と謝ると問題無いですよと言ってはもらえたものの、僕の相づちから何から真似するので会話にならず、ベランダまで逃げて外から窓を抑えて息子の侵入を防ぎつつ電話を続けた。息子は室内から「開げて~!出だい~!!」と泣き叫ぶ。1~2分攻防しながら話していると息子は諦めてスタスタと食卓へ。その後は息子の様子を見つつ電話応対し数分後に終了。室内へ戻ろうと窓に手をかけると、開かない……。なんと息子が鍵をかけている。しょんぼり夕飯を食べる息子に窓を叩いてSOSして開けてもらうなんていうこともあった。そんな息子が3歳になって少し変わってきた。先日も息子と2人で過ごすことになった。早々に夕飯を食べ終えた息子は早速「お父さん、遊ぼ!」と誘ってくる。「まだ食べてるからちょっと待ってて」以前ならこの段階で「すぐ遊びたい!」と叫び出すこともあった。けれどその時は「いいよ」と言ってお気に入りの絵本を持って来てとなりに座って見始めた。僕は拍子抜けしてビールを飲みながらゆっくり夕飯を食べる。それだけなんだけど、なんだかとてもまったりして幸せな気分を味わった。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年08月24日冷蔵庫を開けて夕飯の食材を物色していると「梨が食べたい」と息子がのぞき込んできた。梨は無かったのでブドウかヨーグルトをすすめてみた。どちらも息子の大好物なのだが、どうしても梨が良いというので夕飯に足りない食材の買い出しついでに買うことにした。スーパーには2種類の梨があったので、安いほうの中からどれが良いか息子に選ばせた。すると息子は「こっちがいい!」と言って高価な梨の棚から選び取った。明らかにパッケージが違うのでごまかしが効かず高価な梨を買うことになった。息子に選ばせる作戦は失敗に終わった。「すぐ切って!ご飯の前に食べる!」家に戻って早速妻に梨を切ってもらう。息子は待ちきれずに妻の後ろから背伸びしてのぞき込んでいる。カットした梨が盛られた皿を手に息子がこちらにやってきた。「リンゴで〜す!」猛烈に食べたかったはずの梨を最後の最後にリンゴと思い込んでこちらに送り届けてくれた。夕食の後にもまた梨を食べてご機嫌な息子に「いっぱい梨食べたから寝る前にトイレに行ってね」と言うと「出ないよ!」と全く行く気配が無い。「おねしょしたく無いでしょ」と重ねて言っても「出ないから!」の一点張り。それでも念のため行ってとしつこく言ってようやく息子は不満そうに席を立った。トイレの中からは「ジョンジョロロロロロロ〜」と大量のオシッコが放出されている音が流れ続けていた。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年08月15日ある日突然、赤ちゃんがパパを拒絶するかのように泣き出すことがあります。これは「パパ見知り」ともいわれ、赤ちゃんがパパに対して人見知りをしてしまうことをいいます。個人差はありますが、生後半年から2歳くらいの間に見られ、ギャン泣きするわが子に途方に暮れたパパが、育児をあきらめてしまう原因にもなるといわれています。この「パパ見知り」、どうやって回避すればいいのでしょうか。■赤ちゃんはパパの何を受け入れないのか?「うちの娘は、1歳を迎える直前でパパ見知りがスタート。夫が抱っこすると、すぐに泣き出してしまいました。夫はとてもショックを受けて…。でも赤ちゃんとパパをよく観察していると、パパが赤ちゃんの食事の世話をしている最中は泣かないんですよ。だから『娘がパパを受け入れるところはどこなのか?』を探して、それを夫に頼むことにしました。娘は、私以外の人に抱っこされるのがいやだったみたいで、それさえしなければ大丈夫。添い寝も問題なし。夫のできることを見つけてはお願いしていました。こうして距離を縮めるうちに、パパ見知りはしなくなったように感じます」(34歳・4歳児のママ)娘が泣くからといって、パパを放置しては、育児への参加意欲が失われてしまうかも。パパ見知りはママ以外の人を認識できるようになったからともいわれています。子どもの成長した喜びを伝えつつ、パパのフォローを忘れないようにしましょう。■もはやパパは他人!? 赤ちゃんがパパを覚えるには「夫は出張が多く、1週間以上も家を空けることがしょっちゅう。そのため、生後3ヶ月くらいからパパ見知りが始まってしまいました。抱っこはもちろん、近づくだけで号泣。もはや他人としか思えなかったのかもしれませんね。そこで、パパの顔や声を覚えてもらおうと、出張時もSkypeで娘と会話してもらうことに。娘は何を言われているかわからないかもしれませんが、パパが近くにいるということを感じてほしいと思ったんです。いまでもパパの抱っこは苦手ですが、話しかけても泣かなくなったし、少しずつ改善されているのかな?」(33歳・1歳児のママ)生まれたばかりのときはママと一緒に過ごす時間が圧倒的に長く、パパと顔を合わせる時間は少ないという家庭は多いですよね。それでも、テレビ電話などを使って娘と話す機会を作れば、他人とは思われずにすむかも?残業が多い場合は、パパの仕事の合間にぜひ時間を作ってもらいましょう。娘の顔を見れば仕事の効率がアップして、早く帰ってきてくれると、さらにうれしいですね。■赤ちゃんの前でハグ! 夫婦仲がパパ見知りを救う?「息子は、生後半年くらいでパパ見知りに。先輩ママから『夫婦仲がいいと直る』と聞いたので、実践してみました。息子の前でわざとらしくハグしたり、夫にあーんして食べさせてもらったり(笑)。効果があったのか成長したからなのかはわかりませんが、徐々に改善されました」(32歳・2歳児のママ)パパとママが仲良くすることで、「パパ=怖い人ではない」と印象付けることができそうです。夫婦仲もより深まって一石二鳥!?■夫フォローをしないと、非イクメンになってしまう!?「長男は1歳くらいでパパ見知りをするようになりました。姑から『気にしないほうがいい』といわれたこともあり、とくに何も対策を取らなかったのですが。でも、夫は相当ショックを受けたみたいで、育児に協力してくれなくなってしまいました。次男もパパ見知りをしましたが、そのときは夫に『気にしないほうがいいみたいだよ』、『パパが積極的にお世話したら変わるかもね』とフォローしました。すると、嫌われたくないからか、一生懸命お世話をしてくれるようになったんです。頭でわかっていてもやっぱりパパにとってはショックな出来事だろうから、「きちんとフォローしてあげなきゃいけなかったと反省しました。その後、長女が生まれたときには、パパ見知りされないように積極的に育児に参加していました」(39歳・小学3年生、小学1年生、4歳児のママ)頭ではわかっていても、わが子に拒絶されるのはつらいですよね…。他人の子に泣かれても悲しいものですが、それが自分の子となればなおさらです。パパが傷心になるのは言うまでもありません。イクメンになってもらうためにも、ママがしっかりフォローしてあげたいですね。
2017年08月09日ある週末、仕事が終わらずギブ寸前になった。土日も作業をしたくて妻と息子にはジージ・バーバの家に行ってもらった。一緒に遊べなくてごめんよという思いで見送ると「いっぱい遊んでくるからね!」となかなか頼もしい一言を残して出て行った。休みに目一杯仕事を進めて、晴れ晴れした気分で二人を迎える。ドアを開くや否や息子はマシンガンのように話し始めた。「お父さんあのね!ジージが!ジージが!……!」要約するとジージがおもちゃをプレゼントしてくれたらしい。「お父さん!遊ぼ!すぐに!」簡潔に要件を伝えるなあと関心する間も無く一緒に遊び始めた。遊んでやりたい気持ちとは裏腹に体力は仕事で使い果たしていた。夕飯前も夕飯後も風呂上がりにも同じ遊びを始める息子に思わず「えっ、まだやるの?」と言ってしまった。すると息子はニヤリと笑って「こんなにやるとは思わなかったでしょ?」「……うん」なんだこのしてやったり感は……。僕は床に突っ伏した。「もうちょっと遊ぼうよ。これもこれもお父さんに貸してあげるから、ねっねっ」倒れた僕の顔をのぞき込んで懇願する息子の話術はもはやセールスマンの域に達している。息子が一番大事なおもちゃを寄越すのは相当譲歩している証拠なので渋々立ち上がる僕だった。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年08月08日夏のプールや祭りの疲れがたまって、少々体調の優れない息子。カリカリと機嫌が悪くなったり怒りっぽくなったりする日が続いていた。休日には出来るだけ休息を取らせたいところ……。しかし土曜日の朝6時、朝日とともに飛び起きた息子は隣で寝ている僕と妻をたたき起こす。僕と妻が声を揃えて「休みなんだからゆっくりしようよ〜」と目も開かずに懇願すると「ゆっくりしないいいいいッ!!!」とすでにエンジン全開で転げ回る息子であった。この日は大雨。息子の体を休めるにはちょうどいいなと思っていたら、食材が乏しいので車でスーパーへ買い物に出かけることになった。妻は運転免許が無いので僕が送迎する。僕と息子は駐車場で待機して妻一人でスーパーに向かった。すると息子が「一緒に行きたい!」と言い出した。「体が疲れてるからやめておこう」風邪でも引いたら大変なのでそう説得する。それでも息子は大泣き、声も大きくなる一方で、車中の大音響に耐えられなくなった僕は土砂降りの中、息子と一緒に妻を追った。息子は食品売り場の妻を見つけると大急ぎで駆け寄った。そして妻が食材を入れている買い物カゴをつかみ「もう一回最初からやって!!」とまたしても大泣きしてしまった。妻も息子の勢いに負けて一度選んだ食材を一個一個もとの場所に戻していった。その後なんとか買い物を済ませ、クタクタになって食卓に辿り着いた。さっきまで「この世の終わりを迎えたのか」というぐらい荒れていた息子はすっかり立ち直っている。スーパーでのどさくさに紛れて買わされたふりかけを手に嬉しそうに席に着いた。息子は呆れるほど切り替えが早かったが、僕と妻の精神的ダメージはしばらく癒えることは無かった……。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年08月01日最近の息子の口癖は「戦おう!」。なかなか大胆なフレーズだ。戦隊ものを少しずつ見始めてからというもの食事中も車中も公園でも常に臨戦態勢で嬉しそうに身構えている。もちろん激しい格闘では無く、こちらが一方的に吹っ飛ばされる相撲なのだがいつどこででもこれが始まるのはなかなか辛い。妻の両親(ジージ・バーバ)と一緒に旅行に行った時も宿に着くなり「よし、みんなで戦おう!」と宣言したので思わずバトル・ロワイヤルのような情景を想像してしまい、ジージ・バーバと目が合って苦笑してしまった。宿泊する部屋に入るとキレイに整えられたベッドに乗っかり、跳び蹴り。こちらは休暇のつもりでも、お構いなしに飛び跳ねている。夕食を食べようと食堂に移動すると普段はお目にかかれない料理に目を輝かせる一同。息子もちょっと贅沢な夕食に飛びついている。ようやく一息付ける瞬間が来た。トイレに息子を連れて行こうと席を離れた瞬間、シェフが息子にパンで出来た仮面を得意げに披露。「うーん、これはマズイ……」と思うが早いか、パンの仮面を付けて変身の儀式を始める息子がそこに居た。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年07月25日僕はただ今、虫歯の治療中。何度目かの治療の日、息子の定期検診も一緒に予約して連れて行った。息子の検診は特段の問題無くブラッシングとフッ素塗布であっという間に終わった。「がんばったから好きなの選んで良いよ〜」息子は歯科助手さんからご褒美のミニチュア消しゴムをもらっている。続いて僕の番、右上奥歯の治療が始まった。僕の後の患者がキャンセルになり時間があるからということで時間をかけて一気に治療を進めるということになった。息子が退屈しないかが気がかりだったが、早く治したかったのでお願いすることにした。息子は診療室から5メートルくらい離れたキッズルームで遊んでいる。壁があるので様子は見えないが、「良い子で遊んでますよ〜」と歯科助手さんが声をかけてくれたので僕は安心して治療を受けていた。しかし、その直後「おとーさーん!」という声がキッズルームから聞こえてきた。ペタペタペタっと息子のスリッパ音が近づいてくる。息子「おと〜さーん、これ開けて〜」何のためらいも無く治療中の父に包装されたミニチュア消しゴムを差し出す息子。僕「りま、まっへ(今は待って)」主治医「田渕さん、口は開けたままで!」息子「おと〜さーん、早く開けて〜」僕「りょっほ、まっへ(ちょっと待って)」息子「開けてよ!」僕「はひへ(かして)」主治医「ちょっと閉じないで!」僕「はひ」開けろ開けろのカオス診療室で何とか口を開けたまま、消しゴムの包装も開けて息子に中身を渡すことが出来た。主治医「ここ見えますか?」と先生が治療中の歯の経過を指し示す。息子「ここ見えますか?」主治医と息子が一緒に僕の右上6番(第一大臼歯)を覗いている。僕「はい。あ〜(屈辱)」僕の口内チェックに飽きた息子は再びキッズルームに引っ込んだ。治療終了後、キッズルームにいる息子を迎えに行くと「ちゃんと歯磨きしないと虫歯になるからね〜」と言いながらぬいぐるみのワニの歯を丁寧にブラッシングしていた。息子が選んだミニチュア消しゴムは虫歯の父への当てつけなのか歯ブラシセットだった。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年07月21日保育園に息子を迎えに行くと先生が今日の様子を話してくれた。昼寝を拒否する子が多いので「寝ない子は教室の隅で魔女が見てるよ〜」と先生が脅かしてみたらしい。息子も昼寝しなかったグループで、その中で一番ビビってすぐに目をギュッと閉じていたという話だった。家に帰ってその話を夕飯の支度をしている妻に伝えると「へえ〜」と半笑いの意味深な顔でキュウリを刻んでいた。そんな妻を余所にして息子は塗り絵に熱中している。妻が「もうすぐご飯だから手を洗って〜」と何度か声をかけても知らん顔。妻はあきらめて夕飯作りを続けた。「ご飯できたから塗り絵終わりにして〜。聞こえないの〜」と妻から息子への最後通告。それでも息子は何を言われても聞こえないふりを決め込んでいる。その時妻が「あれ?窓の外に何かいる!?」と言いながら息子の後方を怯えた目で見た。瞬時に凍り付いた顔で妻を見た息子は「聞こえてるじゃない!」と言われながら渋々手を洗って席に着いた。その後もお風呂や歯磨きの指示をスルーする息子に妻の脅しが容赦なく発射された。ちょっとした仕返しをしてニヤニヤとほくそ笑む妻に、ゾクッと寒気を感じた夏だった。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年07月11日妻が休日出勤になった日曜日、この日は東京都議会議員選挙の投票日だったので息子を連れて投票所の小学校へ向かった。部屋を出てエレベーターに乗ると大きな鏡に僕と息子の姿が映る。僕がぽにょんと膨らんだ自分のお腹をさすさすしていると「僕、お父さんぐらい大きくなる?」と息子が尋ねてきた。僕が「手のひらも、足も大きいからお父さんより大きくなれるかも」と答えると「早く大人になりたいんだ」と言って自分の容姿を眺めていた。外に出ると横切る自転車を見て「速い自転車に乗りたい」と言い出した。僕:「もうちょっとランニングバイクで練習して」息子:「もう坂道でも走れるから!」僕:「じゃあ誕生日のプレゼントは自転車にする?」息子:「お父さんみたいな大きいのがいい」僕:「体に合ったのがいいんじゃない?」息子:「いやだ、速いのがいい」僕:「あれは大人用だから」息子:「すぐ大人になりたい。今日がいいんだ」その語り口調には哀愁が漂っていて相当な苦悩を抱えている様子だった。途中、自動販売機で水を購入しようとボタンにタッチすると「僕もそんなに高い所に届きたい(手が届くようになりたい)」と大人に対する憧れ発言が止まらなくなった息子。小学校に着くと一輪車やプールを見てあれもやりたいこれもやりたいと目を輝かせていた。投票所の体育館に入って受付で投票券を受け取る。すかさず息子が「なんで僕には紙が無いの?」と受付の人にも聞こえる声で尋ねた。僕はここでも「大人になったら貰えるよ」と無敵ワードを使った。すると息子:「その紙に何を書くの?」僕;「人の名前だよ」息子:「誰の名前?何で書くの?」僕:「僕等が住む街の色んな事を決めてくれる人を選ぶんだよ」息子:「どうやったらいいの?(どうやって選ばれるの?)」僕:「たくさんの人に名前を書いてもらった人が選ばれるんだよ」息子:「じゃあいっぱい名前書いて」僕:「1人1枚なんだ」息子:「じゃあいっぱい星書いといて」僕:「これは七夕飾りじゃ無いんだよ」そんなやり取りをしながら二人で投票箱に紙を入れた。帰り道、「お父さんが名前書いた人が一番いっぱいだったらいいね」と議会制民主主義を理解した3歳児と道を歩きながら、大人にだけ与えられた特権について考えて「やっぱり大人っていいなあ」と改めて気付かされた日曜日だった。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年07月04日休日に家族3人で公園に出かけた。「交通公園」という一風変わった公園で、園内が子ども達の街になっている。小さな信号や横断歩道がある道路を子どもが運転する足こぎカートが往来している。道の途中にバスや消防車が展示してあって、子ども達が乗ったりよじ登ったりして大盛況だった。小学生以下限定の足こぎカートなら3歳の息子でも乗れると思って来てみたが、実物は思いの外大きなものだった。カートを乗りこなしているのはほとんどが5歳以上という印象。それでも息子はカート乗り場に並ぶ行列の最後尾で「一人で乗りたい!」と意気込んでいる。乗り場をスタートして子どもの街をぐるっと一周してまた乗り場まで帰ってきたら交代するルール。息子に順番が回ってきて勢いよくカートに乗り込んだ。やはり足が届かない…と思いきや、シートの前方ギリギリにお尻を載せて傾いた姿勢のまま器用にこぎ始めた。僕はカートを押してあげようとしていた手を引っ込めて、息子の後を追った。このように近頃は道を歩く時に手をつなぐのを嫌がったり、野菜を自分でカットしたがったりと危なっかしい反面で成長を感じる場面が増えてきた。手が離れた嬉しさと寂しさが同時に押し寄せてくる。息子はだんだんコツをつかんで姿勢を修正し、その後は順調にスピードアップしていった。子どもの街の道路は本物さながらに渋滞になっていたり、衝突事故が起こっていたりでクラクションの代わりに子どもの叫び声が飛び交っていた。息子はその混乱の中、回り道や寄り道を繰り返して出来るだけ長く乗っていられるように時間稼ぎを始めた。そんな悪知恵もどんどん成長を見せ始めている。閉園の時間になりカートを降りた帰り道、遊び足りない様子の息子は「鬼ごっこしよ!」と提案してきた。しかしその公園は一面アスファルトだったので却下。息子は「嫌だ!追いかけて!」とすかさずダッシュし、すかさず転倒…。息子は子ども特有の後ろから追いかけてくる敵を確認しながら走るスタイルなのでよく転ぶ。おでこに無数の砂利がくっついて泣き崩れた。まだまだ息子からは目が離せそうに無いと気持ちを改めた一日でした。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年06月27日いつどのタイミングで知ってしまったのかは分からないが、息子はどうやら「勝利」の味を知ってしまったらしい。最近の口癖が「絶対勝つ」なので間違いない。朝目覚めると「よーいどん!」という威勢の良い息子のかけ声で僕と息子の「着替え競争」が始まる。息子のかけ声は元気いっぱいだが、パンツを脱いだところで遊びに行ってしまったりお尻を寝ている妻の顔に乗っけたりしてすぐサボる。先に僕が着替え終えてしまうと泣きわめき保育園に遅刻するほど機嫌を損ねてしまうことがあるので、朝は「お父さん勝てそう!お父さん勝てそう!」と息子を必死に挑発しながら何とか着替えさせている。そうして僅差で息子の方が早く着替え終えると、「今何個(何回)勝った?」と聞いてくる。僕が「24」と答えると「お父さんは?」と聞いてくるので「10」と答える。すると「よっしゃ〜あああ!!お父さん全然勝てないねえ〜」とこの上なく憎たらしい台詞を吐いてくる。朝食を食べ始めると「朝食早食いバトル」が幕を開ける。朝食ぐらいゆっくり食べたいよという心配はご無用。ここでも息子は元気な「よーいどん!」の後はペチャクチャしゃべりながらマイペースに食事を進める。そしてもう競争のことなど忘れた食後に「誰が早かった?」と妻にジャッジを求める。厳しく中立であるはずのレフリーは息子の機嫌次第で判定を変えてしまう。公平さのかけらも無い…。じゃんけんをする時の息子はここでも「勝利」にこだわる。息子はまず最初に「チョキ出すからね!」と宣言。初めて聞いた時は高度な心理戦を仕掛けてきたと思って念のためこちらもチョキを出したら引き分けになった。どうやら「僕を勝たせろ」という意味の宣言だったらしい。。。「僕が負けたらどうなるか分かってるの?」というある意味高度な心理戦を仕掛けてくる頭脳派?な息子。その日もウチには「よっしゃ〜あああ!!」という息子歓喜の雄叫びが響き渡っていた。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年06月20日保育園の帰り支度、息子はいつも必ず担任のT先生とタッチして帰る。息子が見つけた保育園での楽しみの一つ。友達にはまだまだ照れがあるようだけど、先生にはかなり気を許している。そんなある日、いつものように息子を迎えに行くとT先生は早退されていた。息子はそれに納得出来ず、「T先生にタッチしたい!」と泣きながら玄関で座り込んでしまった。何人もの先生が僕等の前を通り過ぎて、その度に「どうしたの〜」と優しく息子に声を掛けてくれた。事情を話すとやはり先生達も「T先生はもう電車の中かな〜」と駄目押し…。息子は片足だけ靴を履いて力尽きてしまった。「そろそろ帰りましょうよ〜」と僕は敬語でご機嫌を伺うが「T先生とタッチ」とお決まりのフレーズが帰って来るだけの平行線。そこにまたさっき声を掛けてくれた先生が登場。「今すぐ追いかけたら先生いるかも!」と空気が一変する助言をくれた。息子もやる気になって「靴はかせて!」と嬉しそうに立ち上がった。内心で「自分ではかへんのかい!」とズッコケつつ靴を履かせてようやく扉を開けて玄関を出た。そこからは近くに居るはずのないT先生を探す旅が始まる予定だった。さて、どうはぐらかして帰るかと悩んでいるところに背後から息子の名前を呼ぶ声がした。「おーい!おーい!」オートロックの玄関扉の向こう側から女の子がバイバイしている。息子に「あの子、すんごい手を振ってくれてるよ」と言っても素知らぬ顔で「階段ジャーンプ!」と飛び出して行ってしまった。代わりに僕がバイバイしてその場を後にした。自転車まで移動すると「歩いて行く!」と言い出した息子。ここは逆らわずしばらく歩かせることにした。その帰り道、息子は突然オシッコを漏らしてしまった。その場で着替えさせようとズボンを脱がせていると、玄関でバイバイしてくれたHちゃんがタイミング悪く追いついてきてしまった。「最悪だ…」息子も恥ずかしいに違いない。とにかく急いで着替えさせようと思ってズボンを下ろすと「見て見て!」と息子が嬉しそうにパンツを取り上げた。するとパンツのオシッコで濡れた股間部分にキャラクターの泣いている顔が浮かび上がっている。そう言えば息子のパンツにはお漏らしチェック機能があって、濡れるとキャラクターが浮かび上がるということを思い出した。「早くお母さんにも見せたい〜!」と大はしゃぎする息子はその勢いでHちゃんとハイタッチした。<下請けパパ日記は毎週火曜日更新中!ぜひ来週もご覧ください!>
2017年06月13日子育てマンガといえば、ママ目線のものは多くありますが、最近気になっているのが、パパ目線で描かれている個性派のマンガ。なかなか知ることができないパパの喜びや苦悩、不安をゆるくて楽しいイラストでTwitterやWebサイトなどで描いている、2人のパパを紹介します。シュールなイラストがインパクト! あおむろひろゆきさん1人目は、あおむろひろゆきさん。大阪在住で、3歳と6ヵ月のお子さんのパパです。Twitterで、お子さんの成長や遊び、パパ友作りにパパの悩み、ご自身の個性的なファッションや音楽活動などについて、ユーモアとシュールさたっぷりに綴っています。 なんといっても、ゆるくてかわいらしい、一度見たら忘れられないイラストがインパクト大。オチもシュールで、読んでいて、いつも吹き出してしまいます。またご自身が作るオリジナルのおもちゃや画像コラージュも、かなりぶっ飛んでいておもしろいので、チェックしてみてください。4月に最新本『新米おとうちゃんと小さな怪獣』(KKベストセラーズ)を出版したばかりで、こちらもおすすめです。夫婦のやり取りがおもしろく、トレンド感たっぷり! 小山健さんもう1人は、小山健さん。あおむろさんのTwitterを通じて知った小山さんも、4ヵ月の娘さんのパパです。娘さんの子育てを通して初めて知ったことや、奥さんである「さち子」さんとの育児や普段のやり取りがおもしろく、読むといつも癒されます。マンガはTwitterや「webasta」の連載マンガ「お父さんクエスト」で読むことができます。 小山さんのイラストは、ゆるさに加えてトレンド感があって軽快。おしゃれなイラストが、今っぽいネタにもフィットしていて、マンガのみならずイラストレーターとしても活躍されています。また、小山さん自身がたまにつぶやく、女性への尊敬や愛情をこめたつぶやきが独特で、つい笑ってしまいます。子育てとは違いますが、小山さんが「オモコロ」で連載しているマンガ「ツキイチ!生理ちゃん」では、主人公の女性に毎月生理がやってくるエピソードを、現代的におもしろく、時には真面目に描いています。こちらもぜひチェックしてみてください。「子育てが大変なのはママだけ」「パパにも大変さを分かってほしいな」と思うことは、よくありますよね。でも、パパの気持ちを知ることも大事なこと。2人の楽しいパパマンガを読んで、ママが気づかない子育ての一面や楽しさ、パパの隠れた気持ちを知るきっかけにするのも良いかもしれません。もちろん、ただ笑って、リフレッシュするのにもおすすめですよ。◆あおむろひろゆき◆小山 健<文:フリーランス記者武田由紀子>
2017年06月12日パパと子どもが一緒に過ごす時間について、アンケートでは半数以上のママが「足りていない」と回答しました。けれど、いざパパに子どもを任せるとなると、危ないことをさせないか甘やかし過ぎないか心配になるのが、ママの正直な気持ちではないでしょうか。しかしこうした両親の育て方の違いこそ、子どもの成長にとってプラスになるそうです。今号の特集はパパもママも必見です!お話を聞いたのは:おおたとしまささん育児・教育ジャーナリスト。男性の育児、教育、子育て夫婦のパートナーシップについて、執筆・講演活動を行う。著書に「忙しいビジネスマンのための3分間育児」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など多数。14歳の男の子と11歳の女の子のパパ。夫婦の違いが多様な価値観を子どもに伝える部屋中におもちゃを広げて遊ばせる。すぐお菓子を買ってしまう。普段のしつけをガラガラと崩していくパパに、「余計なことしないで!」と思うママも多いのではないでしょうか?しかしそうした夫婦の違いこそが、子育てを豊かにしていくと私は考えています。いつもパパの意見がママと一致していたら、子どもは一つの価値観にしか触れられません。でもママに叱られた後に、パパが「やりたかった気持ちは分かるぞ」と言ってくれることで、人の意見は一つではないと学びます。子どもを取り巻く大人が少なくなっている現代こそ、パパにはママと違う価値観を伝える存在であってほしいのです。お互いの頑張りを認め合うことが夫婦円満のコツ「パパには安心して子どもを任せられない」という声も聞きます。でもそれって、ママがさせていないだけではないでしょうか?「どうせできないから」と諦めてしまうのは、「うちの子は自分で起きられないから」と、毎朝起こしてあげるのと同じ。パパの成長を妨げています。本当にやってほしい気持ちがあるなら、思い切ってパパに子どもを一日預けてみましょう。帰宅して、外食やコンビニご飯で済ませていた(私もやります)としても、頼んだからには「一日頑張ってくれてありがとう」とお礼を伝えて。「やっぱり私がいないとダメね」は、心の中で思っておけばいいんです。後輩に仕事を教えるのと同じで、最初から自分と同じレベルは望めません。成功体験をたくさん積ませ、パパのスキルアップを待ちましょう。反対に器用にこなしてしまうパパは、帰宅したママに向かって「楽勝だったよ」と言わないように。それはたまたま10キロ走った人が、終わらないマラソンを走っている人に向かって「走るのって楽しいね」と言っているようなものです。そもそもこなす量が違うのですから、「ママがいなくて大変だったよ」という気持ちを表してあげて。衝突し合いながらパートナーシップは深まっていく食事の時のテレビや、おでかけ帰りのジュースを良しとするかなど、子育てについての夫婦の意見はいちいち違って当然です。悪いのは意見が割れることではなく、考えの違う二人が無理に結論を出そうとすること。お互いに自分の意見を言ったらそこで終わりにするのがおすすめです。結論を出さないと意味がないんじゃないの、と思われるかもしれませんが、大事なのは「パパ(ママ)はこういう考えの持ち主なんだ」ということがお互いにインプットされることです。すると次第に「自分はこう考えるけれど、パパ(ママ)ならこう思うんじゃないかな」と、相手の立場に立って考えられるようになっていきます。これが関係を進化させられた、夫婦のパートナーシップです。意見の食い違いを恐れたり、相手の考え方に耳を閉ざしていては、それ以上夫婦の関係は進化していきません。次にまとめたので、参考にしてくださいね。◆夫婦の意見が違うとき話し合いを泥沼化させないコツ1.結論を出そうとしないお互いに意見を出し尽くしたらそこでストップ。多くの人は「話し合うからには結論を出さなきゃ」という考えに陥りがちですが、話し合いの目的は「相手はこんなふうに考えていたんだ」と知ることです。2.最終決定者を分野ごとに決めておく子どもの習い事や受験など、どうしても意見を一つに絞らなければならない場合もあります。例えば、教育はパパ・しつけはママというふうに、あらかじめ分野ごとの最終決定者を決めておきましょう。3.決定者は相手の考えを最大限尊重する最終決定者は、何でも好き勝手に決めていいわけではありません。自分が決める側だからこそ、相手の意見をよく聞き、最大限に尊重した決断をすること。それが民主主義のマナーです。Q.ママから見て、パパが子どもと過ごす時間は足りていますか?Q.「足りていない」と感じる理由は何ですか?(複数回答)※2017年3月1日~4月11日、Webアンケート、有効回答数1296量より質でキメる!3分間パパ遊び仕事で忙しく帰宅後はぐったり…。子どもと過ごす時間が少ないパパは、遊び方もママと違って当然。「仕事のことを頭に残したまま長時間遊ぶのではなく、たった3分間でも子どもに集中することが大事」と語るおおたさんに、限られた時間の中でできる、おすすめの遊びを聞きました。●ジェスチャーゲームパパと子どもで順番に何かを演じ、それを当てるゲームです。「早く正解した方が勝ち!」と競ったり、ママにどちらがうまいか判定してもらってもいいですね。●携帯アプリを遊び道具にできればゲーム要素のないアプリを、アイデアで遊び道具に変えるのが理想。例えば電灯アプリの光を、暗くした部屋の壁に当てて動かすだけでも子どもは喜びます。外出先なら、ホワイトボードアプリでお絵描きや、迷路を描いて遊ぶのもいいですね。ごみ箱バスケットチラシなどを丸め、ごみ箱をめがけて「せーの!」で投げ入れる遊び。ママには怒られそうですが、「狙って投げる」という運動能力が鍛えられます。ごみ箱の位置をだんだん遠くしたり、投げるものを変えたりして盛り上がりましょう。●宝探しゲーム折り紙やお手紙など、ちょっとしたお宝を家の中に仕込み、「棚の裏に何かがあるよ」というヒントを頼りに子どもが探します。出張が多いパパなら、出張日数分のお宝を仕込んでも。毎日一つずつ探してもらえば、パパの存在感もアップします。●子どもに遊びを教えてもらう「今、幼稚園で何がはやっているの?」と聞いてみましょう。手遊びや替え歌など、子どもは道具を使わなくてもできる遊びをたくさん知っています。普段は教えてもらう立場なので、パパに「へぇ~!」と感心されるだけで大満足してくれるものです。●なんでだろう?クイズ「散歩中の犬がしょっちゅうおしっこするのはなんでだろう?」など身の回りのことをクイズにします。思いもよらない答えが返ってきたら「面白い考えだね」と発想力を褒めてあげて。パパも答えを知らないときは一緒に調べてみましょう。子どもの心をつかむ!3秒名セリフ集遊びだけでなく、普段の関わり方も大事。3秒で子どもの心をぐっとつかむパパの名セリフを紹介します。●「きみのおかげでパパはパパになれたんだよ」子どもは「パパは初めからパパだった」と思っているもの。自分はパパにとって大きな存在なのだと知ることが、自尊感情につながります。●「さっきは怒り過ぎた、ごめんね」こんなことを言うと父親としての威厳がなくなると思うのは間違い。自分の誤りを潔く認められる人こそ、子どもは威厳を感じるものです。●「こうしていると疲れが取れるなぁ」子どもを膝に乗せたり、ぎゅっと抱き締めたりしながら言いましょう。自分にはパパを癒せる力があることや、もし子ども自身にもつらいことがあったときは、家族にぎゅっとしてもらえばいいんだ、ということを伝えられます。●「いいイタズラだね!」子どもがイタズラをして、ママに怒られたとき。それが本当にセンスを感じるものであれば、こっそり耳打ちしてあげるといいでしょう。●「ママにはナイショだよ」子どもをワクワクさせ、パパと子どもの絆を深める魔法の言葉です。公園の片隅にドングリを隠すなど、他愛のないことであれば二人の秘密にしてしまいましょう。単身赴任中のパパたちへ 超時空大作戦で離れていても心は近くに!時間があるときはスカイプなどのテレビ電話で、赴任先と自宅をつないでおきましょう。スカイプでつないだまま、同じ時間にご飯を食べるのもいいですね。距離は離れていても、子どもが「パパはいつも僕・私のことを考えてくれている」と思えることが大切です。「子どもが苦手」なパパたちへ 無理に反応しなくてOK子どもを喜ばせようと、無理にオーバーな反応をする必要はありませんよ。子どもは感づきますし、「無理をしてでも人から期待されたリアクションをしなければいけない」という意識を刷り込みかねません。遊び相手が苦手なパパなら、日曜大工や洗濯物たたみなど、お手伝いに子どもを巻き込んでしまいましょう。自然な声掛けが出てきますし、「パパの役に立てた」だけで子どもは大満足です。巻頭特集監修/西東桂子さん(あんふぁんサポーター)illustrationYAMAMOTO Mamoru
2017年06月07日休日に友人宅で素麺パーティーをした。友人には息子と同じ3歳の男の子C君がいる。C君は最近「いやいやいや」というワードがお気に入りらしい。「嫌だ嫌だ」の意味ではなく、まるで謙虚なビジネスマンのように「いやいやいや、私はそんな…」と謙遜するようなニュアンスをかもし出していて笑ってしまった。息子もさっそく影響されて嬉しそうに「いやいやいや」と話し始めたので、これはもう飲みの席で「いやいやいや、ここは私が…」と勘定を譲り合う大人の所作に近かった。家では圧倒的に僕より妻の話し方をコピーすることが多い息子。自分が注意されてきた言葉を使って僕のミスを責め立てる機会をうかがっている。僕が二度寝でダラダラしていたら「早く起きなさいっ!」ぴしゃりと言って布団を引きはがす。(妻はそこまでしません、念のためフォロー…)まだ息子がオムツを着用していた頃にはことあるごとに「オシッコ出てない?ウンチ出てない?」と僕のパンツを引っ張ってくるのでした。そんな息子と妻、二人を同時に敵に回すとヤバい。顔も話し方もそっくりな二人が同じフレーズをユニゾンでくらわせてくる。そのダメージは通常の2倍どころではない。夜更かしして寝坊などしようものなら。。。と、鬼の首を取ったように詰め寄ってくる。そんな息子の言葉コピー能力は保育園でも発揮される。先生によく言われる言葉はやはりすぐにコピーしてしまう。どんどん話せる言葉が増えて息子は嬉しそうにベラベラしゃべっている。僕と妻がリビングで寝そべった状態で息子の話を聞いていると「あなた達!ちゃんと座りなさい!」と一喝された。ははーん。今日は先生の話を聞かずに怒られたな。と、息子の保育園での過ごし方が透けて見えてしまった。「今日先生にそう言って怒られたの?」と聞くと気まずそうにうなずいた。息子にとっては大誤算だったに違いない。最近はクラスの乱暴者の言葉遣いがお気に入りのようで、何の前触れもなく「バカ野郎!」と言い放ち、「うるせえ、うるせえ」と連呼することがある。そんな時は夫婦一丸となって冷ややかに対応することにしている。「うわあ。こんな乱暴者とは遊びたくないねえ」一切冗談抜きで対応することで乱暴なだけの言葉使いは時として他人を遠ざけてしまうということを分かって欲しいと思った。会話がどんどん高度になって大変楽しい日々ではあるが、何でもかんでも飲み込んで乱暴な言葉も平気で言い放つ奔放さに怖さを感じることもある。「バカ野郎!」も使い方によっては面白い言葉なので言葉狩りにはならないように教えていきたいと思うけれど、伝え方はなかなか難しい。ひとまずは風呂上がり僕が家の中を裸で歩き回っている時の「バカ野郎!」はOKということにする。
2017年06月06日息子が1~3歳までの2年間通った初めての保育園。夫婦揃って内気な僕たちは、保育園でもママさんパパさん達と話す機会を作れずにいた。そこは1歳児と2歳児だけの保育園で、総勢30名程度。のんびりした雰囲気が漂う場所で好きだった。1歳クラスの時の子ども達はまだ言葉も多くないので、息子のお友達といってもキャラクターがハッキリとはしなかった。それが2歳クラスになったある日、いつものように僕が息子を迎えに行くと同じクラスの女の子達が騒いでいた。「ヘンな顔~」「ヘンな顔~」女子の視線は完全に僕の顔面を捉えている。2歳も後半に差し掛かかり、他人をおちょくって笑うという程度には言語が発達している子ども達。標的は僕に限らず迎えに来たパパ達を片っ端から「ヘンな顔~」と牽制して笑っている。お望み通り軽く変顔を作ってから周りのパパ達に「いやあ、参りましたなあ」的な目配せをする。そんな日をきっかけにして一言二言パパさん達と話が出来るようになった。帰宅後、そのつたない会話に十分な手応えを感じて「〇くんパパとしゃべったよ!」と妻に大事件のテンションで報告した。ちょうど妻も子ども達を通じてママさん達との会話が増え始めたようで嬉しそうにしていた。2歳児よりも遥かに会話に手こずっている情けない30代。自分には無関係だろうと思っていた「パパ友」「ママ友」というワードが少し身近に感じられたのもこの時期だった。少し会話が始まると、だんだん周りのパパさん達に興味が沸いてきた。特に自分と送迎ルートやお迎え時間が近いパパさんとは急速に仲良くなった。保育園の草むしりがあった日曜日、パパさん達と汗だくになって作業を終えた後のひととき、誰からともなく子どもの話、家庭の話、そして仕事の話まで冷たい麦茶を片手に語り合った。職業の話になって、お迎えを担当しているパパさん達がライターや出版業など自分に近い業界のお仕事だったことに驚いた。帰り道、一人のパパさんと話し足りず一緒に僕の自宅前まで自転車で移動して、そのまま1時間ほど立ち話をしてしまった。まるで中学生の部活帰り。こうなるともう話題は尽きず、時にはファミレス、または居酒屋で何度もご一緒する仲となった。パパさん達とご一緒する際は息子達もご一緒で、ファミレスでハムスターのように机の下やソファーの上をはい回る子ども達を無視して「マイホームは購入か賃貸か」の議論を繰り広げたりした。Kちゃん(女児)のパパはキャンプに誘ってくれた。野外音楽フェスとキャンプが一体になったイベントだった。我が家は引っ越して息子の保育園も変わっていたが、それでも変わらず声を掛けてもらえるのは嬉しかった。Kちゃん一家は年に4~5回はキャンプに行くという。僕たち一家はそのパパさんのお陰で初のテント泊を体験することが出来た。Kちゃんのパパがフェス会場に移動するため手荷物を出来るだけ減らそうと工夫を凝らす中、Kちゃんは「メルちゃん」という名の人形をとても大事そうに抱きかかえている。Kパパが「それ、いるかあ…?」とため息を漏らすが、Kちゃんは断固として「メルちゃんを連れて行く」と言う。その後、キャンプ場近くの野外フェス会場に到着した僕たち。ライブの爆音が響き渡る中、まさかのタイミングで寝てしまった息子。ちょうどお昼時の爆睡だったので、仕方なく息子を抱えたままベンチを確保して腰掛け、妻に昼食のそばを買ってきてもらってそのままの姿勢で食べた。しばらくして息子が起きて、ようやく体が解放されたかと思うと今度はKちゃんが「メルちゃんもお昼寝したいんだって」と言って僕の膝にメルちゃんを丁寧に寝かせた。その所作はお人形遊びというよりももう一人の友達という雰囲気だったので、とても粗末には扱えず、僕の膝はまたしばらく休憩所として利用された。パパ友との付き合いが出来るとこうして息子以外の子どもの成長が見られるのもまた面白い。新しい保育園でも会話のチャンスを虎視眈々と狙っている。つづく
2017年05月30日息子は今のところ特別お絵描きが好きでは無い。それよりもブロック遊びがダントツで好きだ。僕がイラストの仕事をしているせいで、友達と子どもの話になると意外だと言われることが多い。でも本人が興味を示さないのであれば無理に教えることはしたくないので、好きなモノで遊ばせる。そんな息子だからこれまでに手掛けた絵画作品は少なく、たまに筆をとった時には妻と共に固唾を呑んで制作を見守る。そうして出来上がった作品は家宝としてファイリングされる。と、ここまでは良い。とても良い。息子のタチの悪さはここからで、自分で何かを描くよりも父母に指示通りの絵を描かせることに楽しみを見出し始めた。そもそもこのイラストコラムのタイトルになっている「下請け」とは息子の発注者気質に由来している。それでは、息子の発注を5つのステップで紹介します。(なんのこっちゃ)ステップ1「動物を描く」親に絵を描かせることを覚え始めた頃は、動物やキャラクターを発注してきた。誕生日に息子にあげたスケッチブックを手渡される。そして息子の記憶にある動物の容姿を描くことが求められるので、イメージを近づけるため注文を聞いて修正を重ねる。ステップ2「シーンを描く」動物単体に飽きるとシーンを描かせるようになった。長い線路を走る電車、窓からはカエルやキリンが顔を出す。空席が目立つとNGなので、窓という窓に動物たちを配置する。。。仕事かっ!これでは仕事じゃないか!何だ!?イメージを近づけるって!と僕は発狂寸前。時々息子もマ−カーを握って僕が描いた動物の顔を紙に穴が開くまで塗りつぶす。ステップ3「ゲームの舞台を描く」次に池を泳ぐ魚の群れを描いてその池の周りに僕と妻と息子の3人が立っているという絵の発注が来た。注文通りに描き終えると息子がおもむろにマジックを手に取り、「釣りしよっと」と言って池の周りに立っている3人の釣り竿に糸を描き足して魚につなぐというゲームを始めた。どこまでも良いとこ取りをする息子だが、遊び方の引き出しは多い。ステップ4「知らない友達の顔を描く」この辺りまで来るともっと雲行きが怪しくなってくる。息子が保育園で出会った友達の顔を描けと言うのだ。4月に転園したばかりでも息子はあっという間に友達の顔と名前を覚えてしまった。自分のクラスどころか年長さんまで覚え始めているので「〇〇君のお姉ちゃん描いて」などと言われて手も足も出ない。。。というか知らないから描けない。想像でいい加減に描くと大変怒る。ステップ5「絵本を描く」息子からの発注の最終形態。息子お気に入りの絵本のストーリーを絵で再現していく(再現しろ)という悪魔のような命令。仕事並(否、仕事以上)にハードなご依頼である。それでも「そんなもん描けるかあ!ぼっけえ!」とは言いたくない変なプライドがあり、こちらも意地になって食らいつく。保育園の懇親会の日、親子で街のフリースペースに食べ物を持ち寄って遊んだ。施設のおもちゃで思い思いに遊び始める子ども達。一人の女の子が僕の所におもちゃを持って近寄ってきた。「ねえねえ、ウサギ描いて」ここでも始まってしまった悪夢のイラスト受注会。この娘が中学生だったら「ご予算は?」と制作費の話でもしてあげたいところだが、相手は3歳。磁石で絵が描けるお絵かきボードを手渡された僕は引きつっていたかもしれない満面の笑みでウサギを描いた。僕の前に子どもが2人3人と集まりだして、背後からはママさん達ものぞき込んでいる。やってきた男の子が「今度はカーズのスポーツカー!」とリクエストしてきた。「まずは下描きを…」というわけにもいかず、一発描きに自信が無かった僕は辺りを見回した。窓際の棚にスポーツカーのおもちゃを発見。絶対にばれないように思いっきりカンニングした。つづく
2017年05月23日ゴールデンウィーク3日目に息子が連休に飽きてしまうという予想外の事態が起こった。そして迎えたGW4日目の5月6日、家族で益子の陶器市へ出発。今回の旅行は日程も何もかもを妻に任せていた。息子は「早く旅行行こー!」とテンションを持ち直している。このタイミングで旅行を計画していた妻のファインプレーに助けられた。旅行の目的は陶器市で食器を買うこと。陶器市に行くのは2回目、初めて行ったのはちょうど3年前で息子が0歳の時だった。その旅行が初めての3人旅行、家族で揃いの食器を買った。それから3年で主に息子が「お手伝い」という名の元に食器を洗ったり運んだりする際に割ってしまい、食器は不揃いになってしまった。そこで今回の旅行で引越記念も兼ねて食器を新調しようという計画を立てた。「旅行」というワードに心を躍らせる息子は車で2時間半の道のりを全く寝ずに過ごした。車中で「旅行はどこ〜?」と何度も叫んでいた。予定時刻に陶器市会場に到着。早速、会場入口に展示販売された「幸福を呼ぶ」という巨大ふくろうの陶器の置物に興味を示す息子。それを両手で掴んで戦いごっこを始めようとしている。全く幸福な結末を迎えられる予感がしないので早々にやめさせて移動する。たくさんの露店に並べられた陶器に胸が躍る僕と妻。「陶器??はあ?」と全く楽しめない息子。この温度差のまま3人で行動するのは難しいと判断して、僕と妻が30分交代で食器を探すことにした。初めに僕が露店に繰り出す。息子と妻はまた置物を見て待っている。ゆっくり陶器を味わいたいところだが、脳内にはタイムリミットを示すデジタル時計が浮かんでいる。獣のような目で真剣に素早く必要な食器を吟味していく。しかし、後から妻も見て回ることを考えるとなかなか一人で決定が出来ない。家族用の食器は目星だけ付けて自分用のコーヒーカップと茶碗を買った。その後、妻が良い食器達を発見したので作戦は成功だった。妻と交代して、僕と息子はお祭りのようになっている露店エリアを散策したが「旅行はどこ?」と未だ手応えを得られない様子の息子だった。手分けして食器を手に入れた僕たちは、昼食をとってから宿泊予定のペンションに向かった。この移動でようやく息子は眠りに落ちた。良いタイミングで寝たので宿に着いてすぐに部屋に寝かせようと建物の中に入ると、チェックインの予定時刻は1時間以上過ぎているというのにまだ部屋の準備が出来ていないというトラブル発生。宿のおばさんが「あと5分!」と言うので、森の木々に囲まれた駐車場で鳥のさえずりを聞きながら待つこと5分。ようやく準備が出来たので僕は急いで部屋の布団に息子を寝かせた。妻は部屋に入ろうとしたところを突如現れた宿のおじさんに「タケノコ採る?」と呼び止められた。息子にもタケノコ掘りを体験させたいと思った妻は嬉しそうに「明日の朝できますか?」と尋ねたけれど、マイペースなおじさんは「すぐそこだから」とそのまま妻を竹やぶに連れ去った。その後も妻が一向に部屋に入って来ないので様子を見ようと部屋から出る。すると窓越しに、庭でおじさんにタケノコ料理の指導を受けている妻の姿を確認。明日の朝を希望していた人が手荷物もそのままで、収穫から皮を剥いてさばいて煮るところまでがっちり教わっている(やらされている)。突然農家を訪れて採れたて野菜で調理を始める旅番組の様な状況の妻を見て、吹き出しそうになるのを抑えて僕もリビングを通って外に出てみた。リビングの棚やデッキのテーブルにはたくさんの益子焼の器が並べられている。このペンションはおじさん・おばさん夫婦2人で切り盛りされている。おばさんの夕飯準備を待つ間、デッキでおじさんも採りたてのタケノコを調理しながら色々な話を聞かせてくれた。「タケノコは薄皮も旨い」だの「芽もツマミにいける」だの「皮のまま大きな鍋で煮た方が旨いという人もいる」だのとタケノコうんちくが止まらない。タケノコを鍋で煮る間、デッキに並べられた益子焼の器を見ていたら宿のおじさんが「気に入ったのがあったら一つ差し上げます」と言ってくれた。「え~いいんですか?」と驚いていると、おじさんは大きなプラスチックのかごに無造作に放り込まれている器の一つを取り出して「これなんか〇〇さんの作品でいい値段しますよ」と雨ざらしになった名作をゴミのように拾い上げた。。。なかなかにガサツなおじさんはタケノコを煮始めて10分が過ぎようとしている時、おもむろにスマホを取り出してどこかに電話する。「ああ、お忙しいですか?ああそうですか。いや、タケノコはどれぐらい茹でるといいんですか?」耳を疑う僕と妻。タケノコうんちくを語る得意げなおじさんの姿が走馬燈のようによみがえった。電話の最後には「え?そんなに茹でるんですか?」と驚いちゃったおじさんの姿にこらえきれず妻と爆笑してしまった。夕食前に目覚めた息子は見覚えの無い暗い部屋に戸惑っていたけれど、「今日はここに泊まるよ」と伝えると「まだ帰らない?」と嬉しそうにしていた。夕飯のタケノコは息子の大好物なのでたくさん食べた。 5月7日(GW5日目最終日)。昨日の陶器市で旅行の目的を果たしたため、この日はノープランだった。チェックアウトを済ませると、妻が気になる森林公園があるので行ってみたいと言う。昨日はあまり息子向けのスポットが無かったので、歩いたり走ったりしたくてムズムズしていることだろうと思って行き先に選んだ。辿り着いたその場所は公園と言うよりもほぼ山だった。さほど期待せずとりあえず登山道を少し歩いてみて帰ろうということになった。歩いていると登山道の途中途中に丸太を組み合わせた無骨な遊具が出現するが、大人でもクリアが難しいと思われるスケール感にほぼスルーして行く。なかなかストイックな登山の様相。僕と妻はお互い何となく「これどこまで行って引き返す?何も無いし、そろそろかな…」という空気を醸し出す。その時足元でガサガサという音。音がした方向を見ると茶色のトカゲがいた。僕はトカゲを妻と息子に見せてやりたくてすぐにカメラで写真を撮った。本当はサッと手づかみで捕まえたかったけれど、逃げられたら元も子もないのでまずは写真で見せた。写真を見た2人が驚いて「どこどこ?」と興味を示したので、僕は嬉しくなってトカゲを捕まえようと手を伸ばす。しかしトカゲはガササっと一瞬で姿を消してしまった。息子はまだ実物のトカゲを見たことが無いのでどうしても見せたいと思い、2匹目を探すべく歩みを進めることにした。生き物を探すことで3人の登山は楽しくなった。足元に注意して歩き始めるとトカゲ以外にもクモ・イモムシ・トンボ・ちょうちょ・ハチなど様々な虫が目に入って来た。普段見ることが出来ない虫たちを見て僕は急にエンジンがかかって見つけた虫の名称を息子と妻に教え始めた。「コモリグモ」「イトトンボ」「モンシロチョウ」「コメツキムシ」ここぞとばかりに田舎育ちの本領発揮。虫の名前を口に出すのは十数年ぶりだろうと思うけれど、案外覚えているものだなあと嬉しくなった。「いろいろ知っててスゴイね〜」と妻。こんなにストレートな言葉で褒められたのはいつぶりだろうか。僕は調子に乗ってタケノコうんちくおじさんの様に「この虫はね…この虫はね…」と語り続けた。そうしてしばらく歩いていると登山道は下りになり、またしばらく歩くと水の流れる音が聞こえてきた。その先は小川が流れる湿地になっていて、小さな水たまりのような池が点在していた。その水たまりにはうじゃうじゃと大量のオタマジャクシが泳いでいたので両手ですくって3人で観察。妻は「気持ち悪〜」と一歩下がって見ていたけれど、息子は小さな足が生えかけているオタマジャクシを凝視していた。ここまで来たらカエルも見せてやりたいなあと思い、めぼしい草むらを探索。足を踏み入れるや否やアマガエルが跳び上がった。ポケモンはよく知らないけれどカエルなら捕まえる自信がある。アマガエルの観察を最後にパパの臨時生物教室は終了した。サッと立ち寄る予定の森林公園で思わぬ収穫があり、気が付くと2時間以上も歩いていた。春のフィールドワーク、充実感は格別だった。ゴールデンウィークの話「もう遊ばない…」連休を持て余した息子~前編~は こちら !
2017年05月16日数字の1から5までは保育園に行く平日をカウントすることで覚えた息子。毎日実際に手を広げて指折り数えて土日を待ちわびている。4月も後半に差しかかり、転園した保育園での新生活には適応し始めたものの、相変わらず休日は待ち遠しい様子。4月最後の週、僕が「5回保育園に行ったら2回休みで、その後2回行ったら5回休みだよ」と息子に伝えると「えっ?この5!?これの!これの!5!?」と5本指を広げて信じられないという顔で喜んでいた。そして迎えたゴールデンウィーク。我が家の5日間計画は初日の5月3日。息子は朝6時起きで一人寝室を出てリビングで遊び始める。僕と妻は休みの直前まで仕事に集中していたため息子の独り言を聞きつつ寝る。その時、じいちゃんからの着信。「始発で出たから10時ぐらいに駅に着きます」。8時、朝食の準備を怠けてサンドウィッチを買ってきて3人で食べる。「おじいちゃんとおばあちゃんまだ?」息子はじいちゃん・ばあちゃん(以下じいばあ)を待ちわびて早く目が覚めてしまったようだ。10時前になって僕と息子はじいばあを迎えに行くため家を出た。妻は残って掃除など。駅に着くと予定の時間から15分ほど遅れてじいばあが改札を出てきた。急行電車に乗ってと伝えておいたのに、各駅停車に乗ってしまったらしい。東京に来ると「うわあ〜。ここにもドトールあるやん」が口癖のじいちゃん登場。息子は前日に保育園で作った鯉のぼりをじいばあに見せたくて駅に持参していた。じいばあが到着するなり「コレ見て〜」と振り振り見せるも、じいちゃんは「お〜。元気やったか〜!」と会いたくてたまらなかった孫のほっぺたと自分のほっぺたを合わせてすりすり。「コレ作った。コレ作った。」と訴える息子の言葉は届かない。じいちゃんと孫、待ち遠しさのすれ違い。ばあちゃんが「鯉のぼり上手に作ったなあ〜!」と感想を伝えてようやく息子は鯉のぼりを持った手を下ろした。その後、昼食の材料を買ったり通っている保育園を案内してからウチに帰った。昼は妻が弁当を作って近所の公園でピクニック。じいばあに会うのは二ヶ月ぶり。息子はその間に習得したボール投げやランニングバイクで技を披露する。暖かいから暑いへと移り変わるこの季節に息子は汗だくになって走り回った。初日に熱中症になってしまっては計画が台無しなので弁当を食べて早めに帰宅する。帰宅したら昼寝、これはあくまでも親の計画。息子は止まらない。「じいちゃんはコレ持って。ばあちゃんコレ。お父さん…。お母さん…。」と全員参加のブロック遊びが始まった。30分が過ぎ、40分が過ぎ、次々に息子の相手から脱落していく勇者達。最終的には息子もライフを使い果たして泣きながら昼寝した。息子がフル充電で目覚めた夕方、みんなで買い物に行く。夏用のパンツ、ブロック(追加で買った)、弁当箱を手に入れた息子。全てじいちゃんの財布から支払いが完了。初日はこうして過ぎていった。4日(GW2日目)。夜ぐっすり眠った息子はこの日も早朝からリビングに駆けだして行った。リビングにはじいばあが布団を敷いて寝ている。じいばあに「朝だよ!起きて!」と叫んでいる息子。僕と妻は完全にお任せして寝る。昨日買ってもらったブロックでパワーアップした建造物に挑むため、やる気に満ち満ちている。昼には妻の両親(ジージ・バーバ)も合流して外で昼食。その後、全員参加のブロック…。ここぞとばかりに奮闘してくれるじいちゃん達。ジージ・バーバが帰っても息子は遊び続けた。5日(GW3日目)やはりこの日も息子は早朝に起きた。まるで本物の建築現場の作業員のように自身の手掛ける建造物のチェックを怠らない。じいばあと遊べる時間もあとわずか、電車の時間まで建てては壊しをひたすら繰り返した。お別れの時間、帰り道の途中まで見送りをして公園で別れた。その後、強い日差しの公園で水遊びをしてクタクタになるまで遊んで帰った。夜、早朝から全力で遊び続けた息子は「もう遊ばない…」という耳を疑う言葉を放って布団に倒れ込んだ。初日から3日間で近所の公園、外食、買い物、家のおもちゃ、新しいおもちゃを遊び尽くし、四六時中大好きな誰かに遊んでもらえて、思い通りに事が運び過ぎた息子は抜け殻と化していた。そして続けて話し始める。「明日〇〇先生にパンツ見せる…」息子はこの連休中にオムツをほぼ卒業する事が出来た。そしておじいちゃんに買って貰ったパンツをはいている。その成果を早く保育園の先生に見せたいのだ。僕も休みが続くと頭の働きが鈍くなりそうで無性に仕事がしたくなるので息子の「休み飽きたし、そろそろ保育園行ってもいいな」という心境には共感できるところがあった。しかし、息子よ。ゴールデンウィークはまだ続くのだ。ゴールデンウィークの話(後編)につづく
2017年05月09日3週間ほどで少しずつ慣れ始めた息子の転園生活。息子の口から何度も飛び出す友達の名前がある。熱く語るその子の名前は「N君」。外では大人しい息子とはタイプが違うようで、一言で言えば荒々しい雰囲気だ。「N君が蹴ってた」「N君が踏んでた」と暴れ回っている様子を話してくれる息子の顔はとてもうれしそう。蹴られた踏まれたと直接の被害では無いところを見ると現状ではまだ距離を置いて観察している段階のようだが、その口調には「憧れ」にも似た感情が溢れていた。どうやら息子には乱暴者がカッコイイと思っている節がある(パパ日記第11話のK君も乱暴者だったし…)。でもたとえN君が乱暴者だったとしても息子のカリスマになってくれて今は感謝しかありません。妻が仕事で不在の休日。暖かくなったので息子の春夏の衣服を買いに出かけた。去年の衣服は1年で着られなくなり、あのお気に入りもこの高かったやつもクローゼットで眠りにつく。ほぼ毎日見ていてもいつの間に大きくなっているのか不思議で仕方の無い息子の体。ウチの前の川沿いの緑道を二人で歩いてバス停を目指す。自転車が来なければ手を繋がなくても一人でズンズン歩けるようになった。これもまた成長の証。「N君とおんなじ靴下あるかな~」憧れは最高潮。バスが来ると息子は必ず「ピーする~!!」と言って僕から財布を取り上げる。背伸びして電子マネーをピッとタッチすると財布を用済みとばかりに投げ捨てるようにこちらに寄越す。以前この行為によって駅の改札でカード類をぶちまけられた経験があったので毎回ヒヤヒヤしている。降りるバス停が近づくと今度は「まだダメ?まだダメ?」と降車ボタンを押すタイミングを計りだす。でも大抵息子よりも早く誰かが押してしまう。「あれ~赤くなっちゃった…」自分が押すより早く赤い停車ランプが付いたことを嘆く息子。「いや、今押せてたよ!」と嘘フォローして疑念の目で見られたことがあるので、それはもうしない。服屋さんに着くと息子は一目散に靴下コーナーへ「N君とおんなじやつ探すから、お父さんは服見てて!」と役割分担を命じてきた。言われた通りに遠巻きに息子を見ながら息子が飽きないうちにと急いで服を選ぶ。子ども服はかわいいモノがたくさん揃っていて選ぶのが楽しい。絵柄をあしらったモノが多く、つい仕事(イラスト)目線でパターンに注目してしまったり動物のデフォルメの上手さに感心したりして時間がかかる。その間息子は「どこよ~?恐いヤツどこにあるの~?」とお目当てが見つけられない様子。(恐いヤツとはヒーローのことらしい)僕は服を選び終えて息子の靴下探しに参戦。しかし息子が欲しいN君モデルのヒーロー靴下は無く、恐竜がモチーフのかわいい靴下を「これ恐っ!めちゃくちゃ恐い目してるよ!」と必死にプレゼンして熟考の末、「ヒーロー靴下は僕がネットで探す」という条件付きでなんとか採用になった。帰宅後、僕が選んだ服は妻には好評だったけれど、かわいい目線で選びすぎていたことが息子には耐えがたかったようだ。N君の多大なる影響で価値観が「かわいい」から「かっこいい」への転換期を迎えている。そんな息子を納得させるため、かわいいクマのパターンを「クマは恐いよ~。爪は鋭いし、体は大きいし!」と妻と協力してクマの脅威という観点から息子にプレゼンしたら、今度は難関のペンギン。かわいらしいペンギンがちょこんとスイカをキックしてる柄の服を「ペンギンがスイカ蹴飛ばしてるよ。悪いね~。」流石に恐いねとは言えないのでペンギンが食べ物を粗末にするヒール役の設定で乗り切る。そして「明日N君に見せる」と納得の回答を得る。「でも絶対ヒーローのヤツ買っといてよ!」と最後の念押しに余念が無い。月曜日、目覚めた息子は着替えの段になり「これはカッコイイ?これはカッコイイ?」とコーディネートに夢中。結果、クマの服と恐竜の靴下で登園。息子の体はお気に入りの服を誰かに見せたい(つまり褒められたい)とき背筋が反り返るような仕組みになっている。この日もそのボディービルダーのような自信満々の決めポーズで、無言でまずは先生のところへ向かう。まだ自分から気安く声を掛けられるほど慣れてはいないので、先生が息子のアピールに気付くまで息子は反り続ける。「あら~!お洋服カッコイイ!」このお年頃の男子に必要な褒め言葉を完璧に会得しておられるベテラン保育士の一言でようやく息子はいつもの姿勢に戻って、バレリーナのように照れくさそうに踊った。お次はいよいよN君にお披露目する。僕は朝の準備をしながら見守った。N君は教室を出たデッキのところで一人ブロック遊びをしている。息子の決めポーズは準備万端。N君が息子に気付く。「よう」とでも言いそうな雰囲気で軽く左手を挙げた。それだけ。カリスマは容易く人を褒めない。息子が憧れる気持ちが良く分かった。N君は恐い目をしたヒーローの靴下を履いていた。つづく
2017年05月02日引越し先で初めて迎える4月、息子は新たな保育園に通い始めた。初めの一週間は慣らし保育というシステムで短時間からスタートする。妻と僕は仕事を調整して対応した。初日と2日目は9時〜12時、給食を食べてから帰ってきた。行きも帰りも泣かないで踏ん張っていた。家に着くなりダッシュでブロック遊びを始め、「お父さんも来て〜!」急げ急げと張り切っている。まるで何事も無かったように過ごしていた。しかし、息子からは一言も保育園でのエピソードが出ない。僕は「慣れるまでの辛抱だ」と心の中で自分に対してなのか息子になのか曖昧なままつぶやいた。登園3日目は15時まで、給食を食べて昼寝しておやつを食べて帰ってきた。この日も昨日同様にブロック遊びにまっしぐら。「お父さんもお母さんも一緒に遊ぼうよ!!」勘ぐりすぎかもしれないけれど、保育園での緊張感を振り払っているように見えた。「今日はお仕事しないといけないんだ」と僕が言うと泣いてしまったが、妻のフォローでなんとか落ち着きを取り戻した。その後は驚異のハイテンション。リビングから仕事部屋までは2部屋挟んでいるけれど大声がこだましていた。登園4日目は16時まで、息子はここにきて忍耐力の限界を迎え始める。保育園に迎えに行くと昼寝から起きた子ども達は教室で思い思いに散らばって遊んでいる。息子はこちらに背を向けて一人でぽつんと絵本を開いていた。…寂しい。「こんにちは、田渕です」と挨拶すると息子がクルッと振り返り、友達や先生に聞かれたくないから小さめの声で「お〜と〜お〜う〜さあ〜ん」と軟体動物のように骨抜きになってトロトロと甘えてきた。この人、相当無理してる!と察知してすぐに教室から連れ出して抱っこする。息子は抱きつき返しては来ない。もう手も足もトロトロでそんな気力もないのだ。その後、園門を出ても「お〜と〜お〜う〜さあ〜ん」と甘え続けていた。門を出て息子を自転車に乗せようとするが、とろけているので危ない。「抱っこがいい〜」と言うので15Kgの息子を左手で抱っこ、右手で荷物をぶら下げた自転車を押して帰る。今はこれぐらい甘えさせてあげてもいいと思った。5分ほどそうして歩いていると息子の調子が戻ったので自転車に乗せる事ができた。僕はペダルをこぎながら「僕、もっともっと仕事頑張るから−!!」などとわけも分からない決意を脳内ループさせていた。今ふり返ると自分の情緒も変になっていたと思う。登園5日目、慣らし保育最終日は17時まで。ここまで来るとほぼフルタイムになる。朝、着替えない、遊び続ける、ご飯を食べない、靴を履かないなどあらゆる手段で登園を拒否する息子。「前の保育園がいい〜!」とお世話になった先生の名前を叫ぶ。送り担当の僕がなんとか駐輪場まで連れて行ったが「今日はお母さんと行きたい!!」とごねだし、大泣きに発展、渋々ウチに戻って仕事で急いでいる妻に交代。妻も僕も先行きに不安しか無かった。激動の5日間をなんとか乗り切った息子は週末の土曜から39度の高熱を出してしまった。その後もなかなか体温が安定しないので義父・義母のサポートを受けながら火曜まで休むことになった。登園は3週目を迎えた。ある日を境に息子が新保育園の友達の名前を教えてくれるようになった。うれしそうに名前と特徴を話してくれる。何があったのかは定かで無いが友達と話すきっかけをつかめたようだ。うれしかった。妻と半泣きで話を聞いた。いつものブロック遊びではマンションか温泉を作る息子はその日、保育園を建設していた。園児をたくさん集めて新保育園の先生の名前も飛び出した。次の朝、ブロックの保育園は息子が操る怪物が思いっきりぶっ壊していたけれど、3週目からの息子は平常に戻って楽しそうに新保育園に通っている。長い目で見守っていきたいと思った。。。つづく
2017年04月25日