中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、徐々に寒さが厳しくなる秋は便秘になりやすい季節なのだそう。そこで愛先生が、すぐできる便秘対策を教えてくれます!最近、便秘になっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 184そろそろ便秘の季節がやってきました。便秘の季節は朝の喉のイガイガや加湿器と一緒にやってきます。漢方では秋は、肺と大腸に不調が生じやすい季節と考えています。実際、乾燥した冷たい空気のなか、耳鼻科系の不調や腸の不調を感じる方は増えていますよね。新型コロナウイルスではないけれども、喉が痛かったり、熱が出たり、便秘や下痢になったりと…不調を感じるたびに「コロナじゃないよ!」と周囲に言い訳をしなければならない面倒な時代となりました。どんな季節も季節の変わり目も元気でいることが、自分の身体的な問題だけではなく、印象もよく面倒な問題もなく過ごすことができます。また、腸の不調は、免疫機能に深く関連するため、秋の便秘は要注意ですよね。ということで、今週は季節的に増える便秘の対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、便秘対策となる食薬習慣最近、水分は定期的にとることはできていますか?湿度の管理はできていますか?秋のコッテリした、甘くて、クリーミーな食べ物ばかりを食べていませんか?もともと漢方では、秋には便秘が増えるとされていますが、気候や秋の味覚を楽しむために作られた加工品も便秘を加速させてしまう要因となってしまいます。また、これからどんどん空気は乾燥し、ごちそうの機会が増え、年末に向けてやることが増えて忙しくなることが予想されます。冬になると毎年、体調を崩してしまうという人も多いのではないでしょうか。そんな人は、まず腸に注目してみましょう。スルッとした便が出ていますか?コロコロとウサギのフンのような便が出ていませんか?黒くてべっとりとした便はでていませんか?単純に数日間便が出ないことだけが問題ではありません。便がすっきり出ない人は、下腹がでて見た目が悪くなることだけではなく、風邪を引きやすくなったり、乾燥肌からの肌荒れも加速しやすくなったりしてしまいます。漢方では、この状態を『肺陰虚』や『虚熱』などと表現します。そこで、今週は『肺陰』を補うことを中心に行っていきます。今週食べるとよい食材・メニューは、【なめこと大根おろしの味噌汁】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:なめこと大根おろしの味噌汁】作り方は簡単です。いつもの味噌汁の具に、なめこを採用するだけ。仕上げに、大根おろしをのせて完成です。【なめこ】なめこのネバネバ成分には、腸内環境を整え、バリア機能を高める成分が含まれます。また、タンパク質の吸収を促す働きも。『肺・大腸』に『陰』を補うために役立ちます。【大根おろし】大根は、アブラナ科の野菜なので抗酸化、抗炎症、抗糖化などに働くスルフォラファンが含まれます。また、胃腸の働きを助けるジアスターゼや食物繊維も豊富です。ただ、熱に弱いので食べる直前にのせましょうね。私たちは、自然の一部として生きています。季節により体調が変動するのは当然のこと。でも、上手に食薬をとりいれることによって変化に柔軟に適応できるようになります。自分のカラダの変化を見逃さずに食薬をつかって、それが悪化して病気につながらないように事前に対応して元気をキープできるようにしましょう。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Satome Yokote/Gettyimages©Oliver Rossi/Gettyimages文・大久保愛
2022年10月28日秋になり空気の乾燥も手伝って、唇がカサついていませんか。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、唇の乾燥を和らげる簡単な方法を教えてくれます。唇、カサカサ荒れていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 183朝起きると喉がイガイガする日が増えてきました。晴れた日は、澄んだ空気に遠くの山々がくっきり見えて感激しますが、それは空気中の水分量が減り、視界がよくなっていることも理由の一つです。これからの時期、リップクリームやハンドクリーム、ボディクリームなどで保湿が欠かせなくなりますよね。唇の皮がカサカサになり、リップクリームをいくら塗っても改善できなかったり、なめてしまって悪化させたり、皮をきれいにはいでまたむけての繰り返しというかたも多いのではないでしょうか。唇は、頬などの皮膚と比べ5倍もの速さで水分が蒸発し乾燥すると言われています。内臓と外界との接点となる唇は、外気の乾燥に加え、内臓の状態というのも影響してきます。そこで、空気の乾燥が増していくこれからの時期、唇の乾燥を少しでも和らげるためにできる食薬習慣を紹介していきます。今週は、唇の皮むけの対策となる食薬習慣そろそろ唇、指先、かかと、スネなどの、秋冬特有の乾燥が出始めるころではないでしょうか。とくに、唇の乾燥は第一印象や清潔感に影響したり、口紅の発色が悪くなったり、大きな口を開けて食事をするときなどに不快感を感じますよね。そして、その場しのぎで舐めてしまったり、マスクをして隠れるからと気にするのをやめたりしてはいけません。唇は、皮膚でも粘膜でもなく、分類的にはその中間くらいの機能をもつとされています。外界から飲食物を摂取するときに口を入り口としますが、その時の異物侵入のための第一関門にもなるため、温度や質感に対して敏感になるよう感覚神経が発達しています。また、漢方では見た目で体調を判断する望診という診断方法をつかいますが、唇も判断するときの材料となっています。唇の赤みはたくさんの毛細血管が透けてみえることによって生じているため、唇の色が青いと冷えていたり血流が悪かったり、白っぽかったら貧血気味だったり、真っ赤だと炎症を起こしていたり、熱がこもりやすい状態と考えます。さらに、カサカサしているときには、胃腸にダメージが加わっているとも考えます。そこで、唇が乾燥してきたときには保湿やクレンジングも大切ですが、それに加え胃腸に対する負担も減らす、『脾』や『腸』のケアをすることを推奨します。そこで、今週食べるとよい食材・メニューは、【サツマイモとリンゴのレモン煮】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:サツマイモとリンゴのレモン煮】作り方は簡単です。サツマイモとリンゴを皮をむかずに一口大にカットします。そして、お水とみりん、お好みで蜂蜜などを加え煮込み、レモン汁をたっぷりかけたら完成です。干しブドウやシナモンなどを加えるのもおすすめです。【サツマイモ】秋といえばサツマイモが恋しくなりますよね。サツマイモといえば、食物繊維が多く腸活のお供としても有名です。その皮は、たまに白っぽい液体が出てくると思いますが、これはヤラピンという成分です。腸の動きをさらに活性化し腸を整えてくれます。皮周辺が腸活には重要です。さらに抗酸化作用の高いビタミンCやβカロテンなども含むため、お肌のトラブルで悩むときにはおすすめです。【リンゴ】リンゴ1個で医者いらずともいわれるリンゴですが、特に皮に強力な抗酸化作用、血流促進、口臭予防などに役立つ成分が多く含まれます。また、加熱すると皮に多く含まれるペクチンの抗酸化力が高まるためおすすめです。サツマイモもリンゴも今が旬ですよね。旬の食材は、基本的にその季節の不調を取り除く力を秘めています。レモンでさっぱり煮込んで、唇ケアをしていきましょう。甘味を強くすれば日持ちもしますよ。たくさん作って、ちょっとずつ食べるのもおすすめです。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©hisa nishiya/Gettyimages©damircudic/Gettyimages文・大久保愛
2022年10月21日最も過ごしやすい時期であるのに、カラダがついていけず体調を崩していませんか。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、粘膜の免疫機能を整えたり、新陳代謝を高めたりと、風邪の引き始めに行いたい対策を教えてくれます!季節が変わり、風邪を引いていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 182地域によっては、アウターが必要な季節になってきましたね。急に季節が変わり、久しぶりに風邪を引いてしまったという声をよく耳にします。みなさんはいかがでしょうか?油断すると体調を崩してしまいそうですよね。こんなときこそ食薬です。10月は、本来1年でもっとも気候が穏やかな時期といわれています。そのため、今月は心と体のメンテナンスをしたり、夏の疲れをリセットして寒い冬に備えたり、好きなことをして快適に過ごせるご褒美のような季節です。ですが、そんなときに体調を崩してしまっていてはすごくもったいないですよね。そこで、今週は風邪を引いてしまいそうなときの食薬習慣を紹介していきます。今週は、風邪を引いてしまいそうなときの食薬習慣日中の温かさにくらべて、日が沈んだ後の冷え込みに体がなれない、自律神経を乱してだるい、寒暖差や乾燥した空気にむせてしまうなど、季節にカラダを適合させることに難しさを感じてしまう日もありますよね。ただ、真夏や真冬、じめじめした冬などと比べると随分とカラダが楽だと思います。むしろカラダが頑丈な人は、秋風のひんやりした夜の風、澄んだ空気を心地よく感じていることでしょう。この時期、風邪を引いてしまいやすい人の特徴として、口内炎ができやすく治りにくい、便がスッキリ出にくくなってきたなどということがあります。これは、粘膜の免疫機能が低下している状態です。漢方では、『肺陰虚』、『気血両虚』などと表現します。ということで、今週は、粘膜を強化するために、新陳代謝を高める亜鉛やビタミンB群、アミノ酸を豊富に含み『気血』を補う食薬と粘膜を強化する『肺陰』を補う食物繊維を多く含む食薬をとりいれることがおすすめです。食べるとよい食材・メニューは、【ゴボウの牛肉巻き】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:ゴボウの牛肉巻き】作り方は簡単です。ゴボウのまわりにクルクルと牛肉を巻き付けて焼き、醤油やみりん、ニンニク、七味唐辛子などで味を整え、食べやすい大きさにカットして、刻んだネギを添えたら完成です。【ゴボウ】皮やアクに高い抗酸化力をもつゴボウ。よく洗い、皮は剥かずにアクは抜かずに食べるのがおすすめ。また、イヌリンなどの食物繊維を含み、腸の働きを高め『肺陰』を補ってくれます。【牛肉】必須アミノ酸がバランスよく含まれ、さらに鉄や亜鉛などのミネラル、ビタミンB群もとりいれることができ『気血』を補うための優秀食材です。ただ、脂身の多い部分は、消化に負担がかかるので、赤みの部分を選ぶようにしましょう。風邪を引く前には、ちょっとした不調やいつもと違った負荷のかかる行動をしていることが多いです。毎年、この時期には風邪を引いてしまうという人は、自分のカラダをしっかり観察して、客観的分析をすることで、行動を変化させて風邪を未然に防ぐようにしていきたいですね。まずは、何をしていいかわからないというかたは、ゴボウの牛肉巻きをお試しください。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©SHIROKUMA DESIGN/Gettyimages©Westend61/Gettyimages文・大久保愛
2022年10月14日秋を通り越して冬を感じさせるような気温の低い日が続きました。寒暖差にカラダが追いつかず、体調を崩していませんか。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、風邪の引き始めに効果的な方法を教えてくれます!気温が急に低下!体調を崩していませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 181急に冬がやってきたようなお天気が続きました。冷え込んだ朝は布団から出るのがつらいですよね。秋晴れもつかの間に肌寒い毎日が続きます。また、こういった急に冷え込んだ日が続くとカラダが慣れず、寒暖差でくしゃみや鼻水などがとまらず、風邪ぎみの人も増えているようです。もともと冷え性の人は手先足先が冷たくなってしまい、急に冬物のコートを着始める日も増えてきたのではないでしょうか。ところで、しっかり湯船につかっていますか?良質な睡眠には睡眠時に深部体温が下がることが必要になります。そのため、もともと冷えてしまっている人は、うまく深部体温が下がらず、睡眠の質を低下させてしまいます。夜はしっかり湯船につかり、体を温め睡眠の質を上げ、成長ホルモンの分泌を高め、体に対するダメージを一日ずつリセットしておきましょうね。ということで、今週は急な冷えで風邪気味になってしまった人のための食薬習慣です。今週は、冷えて風邪気味になってしまった人のための食薬習慣急に冷え込み、空模様は不安定になり、秋の心地よさはどこへやら。急な雨や冷え込みにくしゃみ鼻水、手足の冷え、足のむくみ、睡眠の質の低下などを感じていないでしょうか。そのまま放置していると、バリア機能は低下し、これからの風邪シーズンにさまざまな感染症にかかりやすくなってしまいます。この時期はもともと漢方ではバリア機能が低下しやすい『肺気虚』になりやすいと言われています。そして、もともと『気血水』が不足している人が特にその影響をうけ、さまざまな不調が表面化してきてしまいます。そこで、今週は急な冷え込みに負けないように『気』と『血』を補いバリア機能を高めるために『気』と『水』を補い、自律神経を整えるために『血』を補い『気』の巡りを改善することで対策をとっていきましょう。食べるとよい食材・メニューは、【鮭と梅干しの混ぜご飯】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:鮭と梅干しの混ぜごはん】作り方は簡単です。ほぐした鮭と叩いた梅干し、大葉、おろし生姜、鰹節、海苔などを入れて、醤油で味を整えたら完成です。混ぜご飯ではなく、炊きこんでしまうのもよいですね。【鮭】『気・血』を補う代表的な食材、鮭。ヘム鉄やタンパク質、ビタミンB群などをバランスよく含んでいます。さらに、『水』を補うEPAやDHA、ビタミンDも豊富です。そして、さまざまな細胞にかかるダメージを軽減する赤い色素アスタキサンチンも含むスーパーフードです。【梅干し】『気』を補うクエン酸や、リンゴ酸、コハク酸や『水』を補うミネラルも豊富です。さらに、酸味のある食材は、『気』の巡りの改善に役立つので自律神経を整えるために役立ちます。また、加熱した梅干しは、脂肪燃焼に役立つバニリンという成分が増えるので、ダイエット中の人は炊き込みご飯の方がおすすめです。地球に生まれた以上、気候の変化に適応するすべをいくつも身につけておかなければなりません。異常気象や新種のウイルスなど、年々増えていますが、その都度翻弄されないようにカラダのベースを強くしたり、環境変化に適応する食薬を身に着けておくことは必須だと言えますね。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©bebe/Gettyimages©portishead1/Gettyimages文・大久保愛
2022年10月08日夏が過ぎ、朝晩の涼しさを感じるようになるころ、食欲不振や疲れやすさなどの不調を感じていませんか?過ごしやすくなる季節ではありますが、もしかするとその不調は「秋バテ」かもしれません。秋バテは食事や生活習慣の工夫で対策ができます。秋を元気に乗り越え、寒い冬を迎える前に体調を整えておきましょう。秋バテとは秋バテとは、季節の変わり目である秋にさまざまな不調を引き起こすことを指します。思い当たる原因がないのに、なんとなくカラダの調子が整わない…という方は「秋バテ」しているかもしれません。秋バテの症状の例は以下が知られています。・食欲不振・疲れやすい・カラダがだるい・寝つきが悪い・朝起きられない・めまい、立ちくらみ・胃腸の不調・肩こり・頭痛これらの症状は、寒暖差により自律神経が乱れることが原因と考えられています。また夏の疲れが残っていることや、台風による気圧の変化なども理由といわれています。秋バテ対策のポイント5つ秋バテの対策には、自律神経を整え、不調を起こしにくい食事や生活習慣が大切です。ポイントを5つ紹介しますので、季節の変わり目は意識してみましょう。冷たい飲み物は避けて常温~温かい飲み物をとる冷たい飲み物のとりすぎは胃腸を冷やし、不調を招く原因になりかねません。食欲が低下すると必要な栄養素が不足し、悪循環におちいることも考えられます。朝晩は涼しくても、日中に暑さを感じることもあるため、つい冷たい飲み物をとってしまうかもしれません。ですが冷たすぎる飲み物はなるべく避け、常温、または温かい飲み物を心がけましょう。1日3食バランスよく食べる1日3食バランスよくとることで、カラダの回復に必要な栄養素を補給できます。エネルギー不足の状態では、疲労感や集中力の低下がみられることもあり、不調を感じやすくなる原因にもなります。とくに朝食は1日の活動のエネルギー源となるため、欠かさずとりましょう。また不足すると倦怠感や疲労感の原因となる、鉄やビタミンB1を含む食べ物を意識して取り入れるのもおすすめです。【鉄を含む食べ物】レバー・卵・牛もも肉・いわし・カツオ・あさり・納豆・豆腐・小松菜・ほうれん草・干しいちじく・ドライレーズン…など【ビタミンB1を含む食べ物】豚肉、うなぎ、玄米、納豆、豆腐、蕎麦…など湯船に浸かってリラックスする忙しいとシャワーで済ませる方も多いかもしれませんが、疲労感や倦怠感が気になるときは、温かい湯船にゆっくり浸かりリラックスしましょう。ぬるま湯はリラックスに関わる副交感神経を優位にし、カラダの緊張をほぐしてくれるといわれています。40℃以下のぬるめの温度で、ゆっくり浸かってみましょう。寝つきへの効果も期待されているため、安眠したい方にもおすすめです。早寝早起きを心がける自律神経のバランスを整えるためには、早寝早起きを心がけて体内時計を整えることが大切です。体内時計が乱れることで、眠気や倦怠感などの不調を引き起こすことが知られているため、秋バテ対策ではとくに気をつける必要があります。体内時計を整えるためには、とくに起床時に日光を浴びることが大切といわれています。遅寝の習慣がついてしまっている方は、早寝早起きできるように毎日のルーティーンを見直してみて、できるところから改善しましょう。適度な運動を行う適度な運動により、快眠への効果やストレス解消効果が期待されています。涼しくなりカラダを動かしやすくなる時期でもあるため、軽い運動からはじめてみませんか?早足のウォーキングや軽いランニング、また通勤や買い物の際に遠回りして10分程余分に歩く、などの方法でよいでしょう。不調を感じているときは無理しすぎず、できる範囲からはじめてみてくださいね。 秋バテにならないためには、早い内から気をつけて対策することが大切です。規則正しい生活を心がけて、寒い冬に備えて体調を整えておきましょう。 【参考・参照】文部科学省日本食品標準成分表2020年版(八訂)一般社団法人 奈良県医師会「秋バテ」ってどんな病気?対策は?<>(最終閲覧日:2022/8/30) 【執筆者】広田千尋/管理栄養士これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
2022年10月02日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、仕事漬けの日々で心身ともに疲労困憊の25歳女性。見かねた彼が提案してくれたのは…?三松先生が「休むこと」の重要性と、忙しくてもできる新しい休息方法を教えてくれます!チヨリ(25)休暇レスで体も心もくたくたに。ワーケーションでリフレッシュ!【レスなひとびと】vol. 176(うー、肩こりヤバいし、目がショボショボする…)チヨリの仕事はプログラマー。目を酷使するし、首と背中がガチゴチ。最近は特にいそがしく休みもとれない。彼氏の涼馬とも、近所でのゴハンデートが限界だ。エッチなんてまったくできてないし。涼馬は締め切りをかかえるチヨリを気遣って、その件には触れない。在宅勤務終了後、目がショボショボなのに、またスマホを見てしまう。明日は1日お休みだけど、1日じゃ遠出もできない。結局家で、終わらなかったぶんの仕事をしたり、YouTubeを見たりして過ごすんだ。(こんなに仕事ばっかりの毎日、嫌だ〜〜〜!でも、仕事全然終わらないし。てか間に合うのか?納期迫ってるぞ)翌週、涼馬からLINEが送られてきた。「ねえ、ちよちゃん。在宅勤務なんだったら、気分変えてワーケーションしてみない?うちの会社は手当出るんだよ」添付されているURLを開くと、オーシャンビューのお部屋の写真!広いデスクとWi-Fi、プチ露天風呂もついている。夜はふたりで一緒に入って、海を眺めながらまったりできそうだ。「行きたい!」うちは手当出ないけど、1日くらいならいいだろう。1か月後、早朝6時。車で涼馬が迎えにきてくれた。パソコンと1泊分の着替えを入れて、出発。普通の平日なのに、旅行みたいでワクワク。3時間後には到着し、いつも通り9時半に始業。部屋は、ほっこり落ち着く無垢の木の内装で、海を感じさせるロイヤルブルーのカーテンやソファがすてき。そして何より、窓からはホンモノの海。仕事の合間に顔を上げるだけで、癒される…。何より仕事がはかどる。気分変わると、脳がスッキリするみたい。「お昼は海鮮丼、テイクアウトしてくるよ」ランチは、涼馬が車で買ってきてくれた海鮮丼。海を見ながら食べれば、たった1時間の昼休みが最高のリフレッシュタイムになった。午後は超集中して、あんまり顔も上げなかったけれど、なんとか21時に終業。納期に間に合いそう。21時に終わったら、ふだんはどこにも行けない。でも、今日はお部屋の露天風呂で涼馬と乾杯できるんだ。「ちよちゃん、肩凝ってるでしょ。ちょっとこっちきて、マッサージしてあげる」湯船のなかで、涼馬がチヨリの後ろに回って、肩を揉み始める。温泉のとろっとした湯質と相まって、なんだかちょっとエッチ。仕事でガチガチだった心とカラダがほぐれるにつれて、久しぶりにそういう気分になってきた。涼馬が満面の笑みで後ろから抱きついてくる。「うれしい。チヨちゃん、最近ずっと仕事がんばりすぎてて、心ここにあらずだったから。リラックスした顔、久しぶりに見られて安心した。大好き」「わたしも大好き。今日は連れてきてくれて、ありがとね」リフレッシュできたし、仕事できたし。気分転換って大事なのね。【三松さんからのコメント】チヨリさんは、仕事のことで頭がいっぱい。そうなると急に「休みをとって旅行に行こう」なんて発想はできない。そこでワーケーション!がんばりやさんな彼女を理解して、上手に日常からエスケープさせてあげられた涼馬さん、すばらしい彼ね。在宅勤務=家が職場。コロナで外出を控えなくちゃの現状もありますが、休日もずっと家にこもりきりだと、気持ちの切り替えもしづらいですよね。たまには、自然に触れて心と体を休めることも大切。仕事モードが切り替わって、パートナーとのコミュニケーション&スキンシップも楽しめるようになります。チヨリさんはこれを機に、ワーケーションと旅行をくっつけて、勇気を出して有休申請をしたそうです。みなさんのなかには、夏季休暇が取れるはずなのに、まだ申請していない人もいるのでは?休みナシで働くと、やっぱり無理がたたって、回復に時間がかかることになってしまいます。仕事の効率も落ちます。「休暇レスで、疲労困憊のあなた。休暇レスはセックスレスを牽引する。セクシー気分を思い出すためにも休暇を取ろう」三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©Tim Robberts/Gettyimages文・三松真由美
2022年09月15日睡眠も休息もしっかり取ったのにカラダがだるい、眠い、ヤル気が出ない。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生よると、季節の変わり目の今は長引く疲労感に悩まされる人が多いそう。そこで、愛先生が毎日の疲労を軽減し、やる気を取り戻す簡単習慣を教えてくれます!最近、疲れが長引いていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 177みなさん、お元気ですか?この時期、いくら休んでも疲れがとれない、だるい、動きたくない、横になりたい…と感じてしまうことが多いようです。本当は今日はあれもこれも終わらせないといけないのに、ぐったりボーっとしていたら一日があっという間に終わってしまった…など、自分の計画に行動が伴わずストレスを感じていることもあるのではないでしょうか。ただ、9月の前半は季節の変わり目であるため、ある程度このようなことが起こっても仕方のない時期です。ですが、そのままにしていては時間が無駄に過ぎていくばかり、そして後回しにしたタスクは後の自分を苦しめることになるでしょう。ということで、今週はやる気を取り戻す食薬習慣を紹介していきます。今週は、疲れが取れないときの食薬習慣一生懸命仕事をしたり、運動をしたり、出かけたりした後に疲労感を感じることは誰にでもあります。ですが、何もしていない、もしくは睡眠をとりカラダを休めたはずの朝に疲れを感じていては問題ですよね。朝から、だるい、やる気がない、起き上がれないなどの状態は、生活の質をガクンと落としてしまいます。そんな毎日を過ごしている方はすぐにでも脱出したいですよね。漢方では疲れが取れない状態を『脾気虚』といいます。基本的にタンパク質、ビタミンB群、ミネラルなどの栄養素が不足していたり、ストレスが多いのにビタミンCや抗酸化物質などダメージを軽減する食材がとれていなかったりと栄養摂取がアンバランスであることもいけないことですが、疲労感がとれないことは季節的な問題も大いに影響しています。そこで、今週は季節の変わり目が原因となる、長引く疲労感を軽減する、『脾気』を補う食薬習慣を紹介していきます。食べるとよい食材・メニューは、【モロヘイヤのせ豆腐】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材:モロヘイヤのせ豆腐】作り方は、モロヘイヤをさっとゆでて、細かく刻みポン酢やすりゴマと混ぜて、レンチンした豆腐にのせ、鰹節をたっぷり添えて完成。【モロヘイヤ】「王様の野菜」と呼ばれるほど栄養価の高い野菜。鉄、カルシウム、抗酸化ビタミンなどが豊富に含まれます。さらに、ねばねばの成分が胃腸の働きを支えるので『補中益気』してくれます。【豆腐】タンパク質やビタミンB群、食物繊維やサポニンなどを多く含み、『脾気』を補い体に栄養の補給をしながらも便通の改善や脂肪の蓄積を予防する働きもあるデトックスにも役立つ食材です。朝、今日は何をしようかなとワクワク元気に目覚める日と、動きたくない、何もしたくないと思い目覚める日では一日の内容が大きく変わってきてしまいますよね。時間を大切に楽しく過ごしたいと考えている人は、気候や環境の変化に目を向け、自分のカラダを柔軟に適応できるように食事や入浴、運動などで調整する習慣を身につけていきましょうね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化と様々なものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©matsuriri/Gettyimages©SBenitez/Gettyimages©Maryna Terletska/Gettyimages文・大久保愛
2022年09月09日季節が移りゆく今、気温や気圧の変化により胃腸や自律神経が乱れ、心身に不調を感じる人が多いようです。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、胃腸と自律神経を整える方法を教えてくれます!最近、胃腸の不調や重ダルさを感じていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 176急激に、夏が終わったような気候がやってくる日も増えてきましたね。涼しくて夜中ぐっすり眠れるようになってきたなんて話もよく耳にするようになってきました。ですが、天気が不安定であるせいなのか、胃もたれしたり、便秘や下痢になってしまったり、気持ちのアップダウンが増えてしまうということも同時に増えてきたように感じます。今までは、冷たいものの食べ過ぎや冷房などの冷えによる影響も多かったと思いますが、最近では気圧の変化による胃腸や自律神経の不調も表面化してきているようです。そこで今週は、胃腸と自律神経の不調を解消する食薬習慣を紹介していきます。今週は、胃腸と自律神経の不調を解消する食薬習慣ここ数日、暑い日と過ごしやすい日とを頻繁に繰り返すようになってきましたね。暑苦しかった夏から、季節が移り変わるタイミングであることを実感します。ただ、変化が多いことを苦手としているのが、人間の体です。体には、体の状態を一定に保つ働きである自律神経や内分泌系、免疫系などの機能が備わっていますが、頻繁な自然界の変化によりそのバランスを乱してしまうことがあります。代表的なのが、自律神経の乱れによる胃腸の不調や重ダルさ、不安感などメンタルにかかわることなどではないでしょうか。漢方では、胃腸が低下し自律神経が乱れているときの状況を「脾」の働きが低下し、「痰湿」が溜まっている状態と考えます。そこで、今週は「脾」の働きを助け「痰湿」をとりのぞく食薬習慣を紹介していきます。食べるとよい食材・メニューは、【ワカメとカブの酢の物】です。おまけにストレスを軽減する「気」の巡りを改善する食材である柑橘系をトッピングするとさらに効果的です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:カブとワカメの酢の物】作り方は、葉と、皮ごとスライスしたカブと、戻したワカメをビニール袋に入れ、お酢と塩、お好みで蜂蜜やオリゴ糖などを加え手でよくもんでなじませたら完成。レモンやユズなどを加えるとストレスケアに。アマニ油やオリーブオイルなどを加えるとβカロテンの吸収がアップし抗酸化力アップに。【カブ】カブの皮には、消化を助けるジアスターゼという成分が多く含まれています。「脾」を支え、「痰湿」をとりのぞくために有効な食材です。また、カブの葉には、抗酸化作用の高いβカロテンも多く含むためストレスや寝不足など忙しい毎日で発生してしまう活性酸素の除去にも役立ちます。【ワカメ】腸を潤し、腸から老廃物の排泄を促すためにはもってこいの食材です。水溶性の食物繊維であるフコイダンやアルギン酸などは、胃腸の粘膜と強化したり、肝臓の働きを助けたり、免疫機能をサポートする働きがあります。さらに、ヨウ素やビタミン、ミネラルも豊富です。何が原因のわからない、病気とは言えない小さな不調を感じた時には、ファーストチョイスとして胃腸の働きを改善することを優先させてみるとすんなり症状が緩和することがあります。これから季節の変わり目になるので不安定な気候の日が増えていくことでしょう。そのため、今現在不調がなくとも日ごろから胃腸のケアをしていく習慣つけていくのがおすすめです。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化と様々なものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Aleksei Morozov/Gettyimages©PhotoAlto/Frederic Cirou/Gettyimages©Westend61/Gettyimages文・大久保愛
2022年09月02日食欲不振、便秘、下痢…その不調、酷暑で疲れきった自律神経が原因かも?夏疲れのお悩み「胃腸の不調」のケア法を「せたがや内科・神経内科クリニック」院長・久手堅司さんと腰痛・自律神経専門整体院「natura‐ナチュラ‐」院長の前田祐樹さんが教えてくれました。お腹の不調の原因は、体の冷えから始まる。冷房の効いた部屋に、冷たい飲み物、アイス…。夏は体の内外から冷やすモノに囲まれている。「体が冷え、さらには内臓が冷えて、お腹の調子が悪くなるのが一番多いパターン。『脳腸相関』といわれるように、腸は脳、ひいては自律神経と相互に影響し合っています。つまり、お腹の調子が悪くなると、自律神経は乱れますし、自律神経が乱れるとお腹に不調を感じるのです」(久手堅さん)この不調の連鎖を断ち切るには、まずお腹の働きを底上げすること。「お腹を冷やさないというのはマスト。加えて、胃腸をサポートするストレッチやツボ押し、食事で整えていきましょう」(前田さん)ストレッチで整える!ねじりストレッチ上半身をねじり、胸椎や肋骨の可動性を良くすることで、お腹の不快感をほぐし、鈍くなった胃腸の動きを助ける。横向きになって寝る。上の脚を90度に曲げて前に出し、上にある腕を頭上に伸ばす。腰の位置はキープしたまま上半身をねじり上を向き、その状態で20秒、深呼吸をする。反対側も同様に行う。【20秒深呼吸】横向きになり、上の脚を90度に曲げた状態に戻る。手のひらを正面に向け、腕をまっすぐ上げる。肘を曲げながら、体を後ろにねじる。ゆっくり腕と体を元の位置に戻す。これを5回くり返す。反対側も同様に行う。【5回くり返し】横向きになり、上の脚を90度に曲げた状態に戻る。今度は手の甲を正面に向け、腕をまっすぐ上げる。肘を曲げながら、体を後ろにねじる。ゆっくり腕と体を元の位置に戻す。これを5回くり返す。反対側も同様に行う。【5回くり返し】生活習慣で整える!こまめに発酵食品を摂るお腹の調子を整える代表といえば、ヨーグルトや甘酒、納豆などの発酵食品。「ヨーグルトや甘酒は、夏に失いがちな水分も入っていますし、栄養も摂りやすいのでぴったり。習慣づけて、定期的に取り入れるようにするといいですね」(久手堅さん)左・BifiX ヨーグルトほんのり甘い 375g¥207(グリコお客様センター TEL:0120・141・369)右・飲む玄米 115g¥205 9月上旬発売(八海醸造お客様相談室 TEL:0800・800・3865)ツボ押しで整える!消化器系の改善ツボ押し手には胃腸と関わりのあるツボが集中。急な腹痛や下痢の時にも、このツボ押しが効果的。手のひらの付け根に、親指をぐっと押し当てる。そこから生命線のラインに沿って、指をすべらせるように10回マッサージする。【左右各10回】ツボは人差し指の爪の付け根にある。そこを親指と人差し指で挟む。少し痛いくらいの力加減で、10秒押して一度離す、を5回くり返す。【左右各5回】人差し指の骨の付け根と親指の骨の付け根の交わるくぼみに、親指を当てる。少し痛いくらいの力加減でぐっと10秒押し、力を緩める。5回行う。【左右各5回】久手堅(くでけん) 司さん「せたがや内科・神経内科クリニック」院長。「自律神経失調症外来」を設け、多くの患者を診る。近著に『毎日がラクになる!自律神経が整う本』(宝島社)。前田祐樹さん腰痛・自律神経専門整体院「natura -ナチュラ-」院長。3万人以上の体の不調を診た経験から、『1分でできる!自律神経を整えるセルフケア事典』(マイナビ出版)を上梓。ブラトップ¥4,990タイツ¥6,270(共にアディダス/アディダスお客様窓口TEL:0570・033・033)※『anan』2022年8月31日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・仮屋薗寛子ヘア&メイク・浜田あゆみモデル・宗馬さよ(NMT)イラスト・別府麻衣取材、文・間野加菜代(by anan編集部)
2022年08月30日だるい、気分が沈む、やる気が出ない、イライラするなど…夏の疲れが出るころです。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、今の時期の「心身の不調」を改善する簡単な方法を教えてくれます!夏の疲れが出ていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 175なんだかだるい、動きがスローになってきた、気分が沈む、やる気が出ない、イライラしやすくなってきたなど、本調子の自分から3割減で活動している人がそろそろ増えてくるころではないでしょうか。というのも、夏の疲れが蓄積してきたころだからです。湿度が高く暑い気候、強い紫外線、大雨の日、寒い室内、氷の入った冷たい飲み物など、カラダにとってあらゆる角度からダメージを受けている状況が続いています。カラダには、ホメオスタシスといって一定の状態に体を保つ働きが備わっています。そのときに酷使されるのが自律神経・免疫・内分泌系です。そのため、長い夏を過ごしていると自然と病気とはいえなくてもなんとなく感じる不調が夏の疲れとして表面化してくるのです。ということで、今週は夏の疲れを軽減する食薬習慣を紹介していきます。今週は、夏の疲れを軽減する食薬習慣8月もあっという間にすぎ、今年も残すところ4か月となりました。年末まで絶好調で過ごすためには、まず始めに夏の疲れを引きずらないようにしなければなりません。猛暑や水害など異常気象も多く、夏バテをしたり、疲労感を感じてしまうことは仕方のないことです。ですが、その都度不調はリセットしていかなければ、心とカラダに対する負担は積み重なり、さらなる気候や環境の変化に体がついていくことができなくなります。そして、季節の変わり目に風邪を引いたり、感染症にかかってしまったり、PMSや月経痛が悪化してしまったりとさまざまな不調をいつも以上に強く感じてしまうことがあります。今月感じている不調は、今月のうちに対処しておきたいですね。漢方では、心と体がバテている状態を『気・血』が不足している状態と考えます。そして、重ダルさは『湿』がたまっている状態と考えます。そのため、今週は『気・血』を補い『湿』を取り除く食薬習慣を紹介していきます。食べるとよい食材・メニューは、【アスパラと明太子のソテー】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:アスパラと明太子のソテー】作り方は、斜め切りにしたアスパラとほぐした明太子を一緒にソテーしたら完成です。味付けは明太子のみでもOKです。【アスパラ】アスパラガスに豊富に含まれることが理由で名づけられたアスパラギン酸は、エネルギー代謝や新陳代謝をアップさせ『気』を補ったり、体に有毒なアンモニアの解毒をして、利尿を促すはたらきもあり『湿』を取り除きます。【明太子】活性酸素の除去に働くビタミンEやビタミンA、心と体の強化に必要なタンパク質、ビタミンD、亜鉛などが含まれていて『気・血』を補います。さらに、心の安定に欠かせないナイアシンも豊富な特徴があります。明太子のほかにも、たらこや筋子やイクラ、数の子などの魚卵にも共通しています。心とカラダの疲れは、食事だけではなく、睡眠や運動のバランスによっても解消することができます。毎月末には食習慣だけではなく自分の生活全般を見直す習慣をつけることも大切です。9月も元気に過ごせるように整えていきましょうね。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化と様々なものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©lemon/Gettyimages©fizkes/Gettyimages©Xavier Lorenzo/Gettyimages文・大久保愛
2022年08月26日新型コロナウイルスの第7波の猛威により、自宅療養者が急増している。医療機関のひっ迫もあり、多少の不調であれば市販の医薬品で対処する人も少なくない。そして、夏場にはコロナのほかにも体調のトラブル要因が多々ある。市販薬を求めて薬局やドラッグストアを訪れると、種類が豊富すぎてどれを選んだらよいのかわからなくて困った、という経験がある人もいるだろう。薬剤師の宇多川久美子さんは、「市販薬には、最近まで処方せんが必要だったものもある」と指摘する。「解熱鎮痛剤で知られているロキソニン、皮膚疾患に使うリンデロンV、胃薬のガスター10などは今では手軽に買えますが、薬効が強く、以前は薬剤師の処方のもと、取り扱いに注意が必要だった薬です。こうした市販薬を『スイッチOTC』といいます。これらの薬剤をはじめ、薬には副作用がつきもの。そのことを頭に入れておくことが大切です」専門家のアドバイスをもとに、夏に出やすい症状について、市販薬の選び方、そして使い方を一度チェックしておこう。まずは夏かぜ。室内と屋外の気温差や、疲労の蓄積などが影響してかぜの症状が表れることが多い。「夏のかぜは鼻水やくしゃみ、のどが痛いといった症状が主です。総合感冒薬、すなわちかぜ薬にはあらゆる症状に対する薬効が含まれていますから、鼻水やくしゃみが顕著なかぜであれば、『抗ヒスタミン系』の薬を選択しましょう。ただし、ウイルス性疾患を根本から治す薬はありません。目的はあくまでも症状を緩和することです」(宇多川さん)薬を飲んで症状を抑えながら、十分な休息をとって、自分の体がウイルスに打ち勝つ環境を整えることが大切だ。銀座よしえクリニックの井上肇さん(聖マリアンナ医科大学特任教授)も次のように話す。「かぜ薬はズルズルと飲み続けるものではありません。なかなか体調が改善しないようであれば、市販薬の服用を中止して医療機関にかかりましょう」胃痛、胃もたれ、胃のむかつきなども暑い日が続くと出やすい。「キリキリとした胃の痛みは胃酸過多が原因で起こります。このとき、痛みがあるからといって解熱鎮痛剤を使うのはNG。胃の粘膜が荒らされて、かえって胃痛が悪化することも。最初はガスター10などH2ブロッカーと呼ばれる胃酸をコントロールする薬を1週間ほど服用し、その後、胃の粘膜を保護する薬を飲んで粘膜を落ち着かせましょう」(井上さん)痛みにはとりあえず解熱鎮痛剤、という癖がある人は改めよう。そして、症状が長引く場合はやはり医療機関の受診を。気温差が大きいと生じがちな便秘も、薬の頼りすぎには注意。「便秘薬で排便ができても、またすぐに薬に頼るようでは根本的な解決にはなりません。1週間ほど薬を飲みながら毎日排便を促し、腸に排便の習慣を記憶させたら服用を止めましょう」(井上さん)同様に、腸内の病原体を体外に排出する作用である下痢も、薬に依存しすぎるのは好ましくない。反対に、安易に薬を中止しないほうがよいケースも。汗をかきやすい夏場の悩みである湿疹や皮膚のかゆみに対処する薬は、ステロイドか非ステロイドに大きく分けられるが、井上さんは2段階での使用を推奨する。「ステロイドは効き目がいいので、塗り始めて数日もすると多くの場合、かゆみなどの症状が治まります。この時点で塗布をやめてしまう人が多いのですが、その後も1週間ほど継続し、この後に抗ヒスタミン軟膏やクリームに切り替えて、肌がつるつるに戻るまで適量を塗布することが症状を絶つためには大切です。ステロイドは患部を覆うくらい十分な量を塗布して一気に叩いてしまうことが、効果を得るためにも皮膚への影響を少なくするうえでもとても重要なのです」水虫を治療するための薬もまた、ある程度の期間使用を続けたい。薬局やドラッグストアを訪れる際は、服用している処方薬やアレルギーなどがある場合はそれを薬剤師に伝えることを忘れずに。市販薬の効能と副作用をきちんと把握したうえで、不調を乗り切るために上手に役立てよう。
2022年08月26日現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、月経痛が酷い31歳女性。さんざん悩んでピルを服用し始めた彼女に、彼が言った衝撃的なセリフとは…。三松先生が、付き合うと後悔するダメ彼の特徴を教えてくれます。みつほ(31歳)月経痛レスなカラダを手に入れたのは、自分のためなのに!【レスなひとびと】vol. 174「は〜。なんで毎月出血するんだ。ほんっと、憂うつになる」トイレでみつほはため息をつく。なんで望みもしないのに毎月毎月、血が出てくるんだろ。腹痛も腰痛も頭痛もひどいし、気分は落ち込む。下着の洗濯も大変だし、寝る時シーツ汚したこともあるし。デートのとき、臭いも気になるし。本当に嫌なことしかない。<生理なくす>や<子宮いらない>と検索もしたこともある。あまりに生理痛がつらいので、ピルをもらおうと婦人科に行き検査を受けた。検査結果に異常はなかったけれど、血圧の関係で血栓のリスクが高く、普通のピルは処方できないと言われる。どうしようもないのか…とため息。そのあと比較的血栓のリスクが低い「ミニピル」というのがあると説明を受けた。服用で、生理がなくなる人もいるのだという。処方してもらえるピルは病院によっていろいろあるらしいけれど。みつほは速攻で決断。「それにします」さっそく、服用開始。最初こそ不正出血があったが、しばらくすると、嘘みたいに生理痛はなくなった。もともと自分のカラダの管理は自分でしたいタイプ。だから彼氏の淳には、ピルを服用しはじめたことを言うつもりがなかった。でもある日、あまりにもうれしくて、言ってしまった。「最近ピル飲み始めたら、生理がなくなってさ。いや、ほんと楽だわ」「えっ、そうなんだ、知らなかった」最初こそ淳はそう言ったものの。数日後、淳の家。抱き合っていると、淳がみつほの顔色をうかがうようにして、聞いてきた。「ねえ、ピル飲み始めたってことは、付けないでしていいってこと?俺、うれしい」その瞬間、なんだか目の前の淳がめちゃくちゃアホな生き物に見えてしまった。みつほは、毎月の憂うつに真剣に悩み、それを少しでも軽減するためにピルを服用しはじめた。それなのに淳は、みつほがピルを飲み始めたのをラッキーだと思っている。そのうえ、なかば自分のためだと喜んでいるように見える。散々悩んで、勉強して、クリニックを検索して。しかもミニピルは規則正しく飲まないとと釘を刺された。手間をかけて、お金を払って、飲む時間を気にするストレスも増えた…なにも考えていない淳がそれに“タダ乗り”しようとしてくる。なんなんだ、こいつは一体。最初の「えっ、そうなんだ、知らなかった」は百歩譲って許す。ピルについて、知識として知らなかったのかもしれないから。でも、そのあと数日あったはずだ。ピルについて調べる時間だってある。本当にみつほのことを大切に思っているのであれば、そうするだろう。そして、次のデートで話題にあげるならば、まず「なぜピルを飲み始めたのか」と聞くべきじゃないか。「あんたのためじゃないから」驚くほど、冷たい声が出た。服を着て、淳の家を出る。一瞬で彼氏レスになった。でも、淳みたいな彼氏なら、いないほうがしあわせなんじゃね?【三松さんからのコメント】みつほさん、別れて正解です。花まる選択肢。パートナーとは、お互いが笑顔で健康でいられるよう意思疎通しておくのが理想よ。相手のカラダ、健康状態、メンタルのことを気にかけず、自分のメリットばかりを考える淳さんとは、付き合い続けてもいずれ疲れてしまうでしょう。日本では、ピルを服用している女性は全体の2.9パーセントと言われています。おそらく増えていくことでしょう。フェムテックの波が到来してきています。フェムテックとは、女性の健康とテクノロジーをかけ合わせた言葉で、女性特有の悩み、まさに月経痛やPMS、妊娠、SEXのトラブルについて改善予防しようとする環境を整えようという動き。男性の皆さんは、月経痛や不妊問題、ピルについての基礎的なことを知っておく必要があります。月経があまりにつらいときは、ガマンせず婦人科を受診してください。みつほさんは幸い、異常がありませんでしたが、病気が見つかって治療や手術をした女性の話はたくさん聞いています。自分のカラダなのに、思うようにいかないことは多いですよね。痛みや、ブルーな気分はコントロールできないものです。きちんと向き合って、どうにか改善しようとするみつほさんは素敵です。次に出会う人は、そんなみつほさんをきちんと大切にする、フェムテックのことも一緒に学んでくれる素敵なパートナーでありますように!三松真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。©EmirMemedovski/Gettyimages文・三松真由美
2022年08月25日お盆が過ぎ、夏休みを終えた人も多いでしょう。いつものペースに戻れていますか?中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、夏休みボケを解消する方法を教えてくれます。眼精疲労や脳疲労、だるさといった不調を感じている人は必見です!夏休みボケや疲労を酷く感じていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 174お盆が終わり楽しかった夏休みから急激に日常へと引き戻されましたね。お休み明けは、頭がお休みモードとの切り替えに時間がかかったり、休日で止まっていた仕事が一気に流れ込んできたりとちょっとリズムを乱してしまうような機会が増えているころだと思います。また、気候は猛暑だったり、強い雨が降ったり、気圧の変化があったりと目まぐるしく変化するここ最近でした。生活環境に加え、自然環境も大きく変動する今の時期、休みボケや疲労感などをいつも以上に強く感じてしまう人も多いことでしょう。そこで今週は、夏休みボケを解消する食薬習慣を紹介していきます。今週は、夏休みボケを解消する食薬習慣楽しい夏も終盤に差し掛かってきましたね。お盆を過ぎると徐々に暑さは和らぎ始め、過ごしやすい日も増えていきます。ただ、お盆中の不安定な空模様による気圧の変動に伴って頭痛やむくみ、めまい、耳鳴りなどの不調、アウトドアによる紫外線ダメージ、夜更かしからくる疲労感など、さまざまな要因で不調を感じる人も多かったと思います。そんななか、夏休みは終わっていきましたが、長期の旅行で気疲れしたり肉体的な疲労が蓄積したり、休み明けに仕事が一時的に増えたことによる眼精疲労や脳疲労で日常に心も体もついていかないこともあると思います。このように日常が始まり頭や目が疲れ、寝不足や休息不足で体の修復が追いつかずにいる状況を漢方では『肝腎陰虚』とよびます。そこで、今回は『肝と腎』に潤いを補い不調を緩和する食薬習慣を紹介していきます。食べるとよい食材・メニューは、【クルミ入りキャロットラペ】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:クルミ入りキャロットラぺ】作り方は、千切りのニンジンにお酢、オリーブオイル、塩、ブラックペッパー、砕いたクルミを混ぜてなじませたら完成。レモン汁を加えたり、アマニ油を入れたり、明太子を和えたりと、アレンジしてみてください。【ニンジン】βカロテンを多く含むことが特徴のニンジン。目や鼻の粘膜、お肌の新陳代謝を助けたり、強い抗酸化作用があるため、眼精疲労やドライアイ、日焼けなどの改善にも役立ちます。中心部よりも皮の方に栄養素が高いため、皮ごと食べるのがおすすめ。また、βカロテンは脂溶性なので、油と一緒に食べるとその吸収率が高まります。目の働きを改善し、潤いをもたらすニンジンは『肝陰』を補う食材だといえます。【クルミ】抗酸化作用の高いポリフェノール、脳の働きを助けるオメガ3脂肪酸、食物繊維やミネラルが豊富です。頭がぼーっとするときやストレスが多い時のおやつとしても最適です。脳の働きを助けるくるみは『腎陰』を補う食材だといえます。連休明けの今の時期には、焦らずスロースタートで自分のペースを取り戻していきましょう。急な変化は、自律神経の乱れを生じ、なんとなく感じる不調を増やしてしまいます。今週は、ゆっくりと心を無にしてニンジンを千切りにして心を整えてみましょう。今必要な食材をとることももちろん大切なことですが、料理をする工程にも心と体にプラスに転じる要素があります。リズム運動、短期的な目標の達成などは、心の安定に役立ちます。週末をつかって体調のメンテナンスをしてみてくださいね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化と様々なものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©kazuma seki/Gettyimages©tommaso79/Gettyimages©Westend61/Gettyimages文・大久保愛
2022年08月19日中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、暑さや紫外線、屋内外の気温差、気圧の変化などさまざまな要因から、夏は自律神経が乱れやすいのだそう。そこで、愛先生が自律神経を整える簡単な方法を教えてくれます。月経不順や頭痛、だるさや不眠などの不調改善に役立ちそう!最近、疲れが酷くなっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 173徐々に世の中は夏休みの時期になりましたね。夏休みをとれる人もとれない人もそろそろリラックスが必要な時期なのではないでしょうか。さまざまな社会的なニュースがあったり、猛暑の中一生懸命仕事をしたりとここ数年、なんだかんだあまり気が休まらないですよね。ですが、緊張状態が長く続くと自律神経は乱れてしまいます。自律神経は、免疫機能やホルモン分泌などにも影響します。なので、自律神経が乱れると月経不順やPMS、頭痛、めまい、湿疹、口内炎、感染症にかかりやすくなるなどの多岐にわたる不調がでてきてしまいます。そして、自律神経を乱す要因は、精神的なストレスだけではなく、気温や湿度、気圧などの変化による肉体的に生じるストレスも要因となります。そこで、今週は過ごしづらい夏の環境でも自律神経を整えられる食薬習慣を紹介していきます。今週は、自律神経が乱れたときの食薬習慣皆さん、今年の夏を楽しむことはできていますか?何かを心から楽しいと感じるためには、心と体がともに健康である必要があります。ですが、夏の暑さ、強い紫外線、冷えている室内、たまにくる低気圧、湿度の高さなどさまざまな変化が私たちの体に影響を与え自律神経を乱してしまいます。とくに、脳の神経伝達物質の栄養が不足していたり、ストレスに対抗するホルモンコルチゾールを分泌する副腎をサポートする栄養が不足していたり、メンタルや免疫に関わる腸内環境が悪い状態だったり、エネルギーを作り出すミトコンドリアの栄養が不足していたりすると環境の変化に弱くなり、少しのイレギュラーなできごとに体がついていかなくなってしまいます。これを漢方では『肝血虚』や『肝気鬱結』などといいます。そこで、今週は『血』を補い、『気』の巡りを改善する食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは、【漬けカツオのミョウガ添え】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:漬けカツオのミョウガ添え】作り方は、カツオのたたきをビニール袋に入れ、醤油、みりんを同量ずつ、おろし生姜、すりゴマをたっぷり入れ、30分程度冷蔵庫に置いておきます。そして、盛り付けたらミョウガや大葉などお好きな薬味を添えて完成です。【カツオ】カツオには、心の安定に役立つ脳の神経伝達物質の材料となるタンパク質やビタミンB群、鉄が豊富に含まれ『血』を補うことがきます。さらに、感情をコントロールするセロトニンの分泌を促すビタミンD、脳細胞を活性化するDHAが多く思考力の低下やだるさの改善にも役立ちます。【ミョウガ】夏野菜なので、体にこもる無駄な熱を冷ます働きがあります。また、香りや辛みの成分であるα―ピネンやミョウガジアールなどには、『気』の巡りを改善したり、血流を促したり、抗酸化の働きなどが期待できます。私たちの体には、常に体の状態を一定に保つホメオスタシス(恒常性)とい機能が備わっています。ですが、気温が高かったり、湿度が高かったり、室温が低かったりとさまざまな環境下におかれる夏は、体を一定に保とうとするために働く自律神経が頑張りすぎて疲れてしまいます。頑張っている私たちの体を応援するために適切な栄養を取り入れてあげましょうね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化と様々なものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©ayakono/Gettyimages©BartekSzewczyk/Gettyimages©Xavier Lorenzo/Gettyimages文・大久保愛
2022年08月10日厳しい暑さが続いています。睡眠はしっかり取れていますか?PMSは酷くなっていませんか?中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、睡眠不足や月経前は、食欲の増す人が多いそう。そこで愛先生が、「快眠」と「食欲コントロール」をテーマに解決策を教えてくれます!猛暑の夏、月経前に食べ過ぎていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 172蒸し暑いから、ついでに食欲が落ちれば痩せるのに…でも、そんな気配はなく、むしろ食べ過ぎてしまって困っている…と感じている人はいないでしょうか。夏バテで食べられなくなり痩せてしまう人の方がレアなのかもしれませんね。睡眠と食欲は密接に関係しているのですが、ムシムシして寝苦しい日が続き、寝つきが悪くなったり、エアコンが効きすぎて早朝に起きてしまったりと睡眠時間が減少してはいないでしょうか。睡眠が十分にとれていない人は、食欲を抑えにくくなってしまう傾向があるのです。さらに、PMSの影響で月経前に食欲を抑えられなくなることが多い人は、この時期いつもよりも過食に走ってしまうかもしれません。そこで、今週は月経前の過食対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、月経前の過食対策となる食薬習慣夏になって、太り始めてしまったということはないでしょうか。腕や足など露出が増えたり、腰回りがタイトな服が増える夏に太り始めることは避けたいことですが、暑くて運動もしたくないし、食べることを控えることも難しく感じてしまうこともあると思います。とくに、蒸し暑いと寝つきが悪く睡眠不足になってしまうこともあると思いますが、睡眠不足は食欲を増進させてしまいます。睡眠時間が短いと、食欲を抑えるレプチンというホルモンが減り、食欲を増進するグレリンというホルモンが増えてしまうからです。さらに月経前にはプロゲステロンというホルモンの分泌量が増えますが、これにより体に栄養を蓄えようとするように働くため食欲が増していきます。漢方では、貧血傾向、栄養状態が悪いなど『肝血』が不足した状態であったり、神経過敏でイライラが爆発しやすい『肝火上炎』の状態であるときに、睡眠の質が低下しやすく、PMSの症状を感じやすくなると考えます。そこで、今週は『血』を補い『肝火』を抑える食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは、【イカとトマトのバジルソテー】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:イカとトマトのバジルソテー】作り方は、輪切りにしたイカとカットしたトマトをニンニクとオリーブオイルで炒めて、火が通ったら塩やブラックペッパーで味を整え、バジルをあえたら完成です。【イカ】睡眠の質を高める『グリシン』という成分が多く含まれています。また、高タンパク、低脂質、ビタミンB群、タウリン、ビタミンE、DHA、EPAなどが豊富なため、心を安定させる『血』やエネルギーを作り出すミトコンドリアを活性化させる『気』などを補う働きがあります。さらに、アスパラギン酸や、ベタインなどの旨味成分も豊富なため、塩や醤油などシンプルな味付けでOKな食材です。【トマト】夏野菜の代表的な存在トマトは、体にこもった熱や炎症を抑える『肝火』を抑える働きを持つクエン酸やリンゴ酸を含んでいます。さらに、抗酸化作用の高い、ビタミンACEとリコピンも多いため夏の紫外線疲労や日焼けによるダメージケアにも役立ちます。イカとトマトに、香り高く『気』の巡りを改善するバジルを合わせることで、より感情のムラを和らげるために役立ちます。自分でコントロールしづらい心と体の不調が起きたときには、まずは食事・睡眠・運動量などの基本的なことの見直しをすることが改善の近道だったりします。食欲が止まらないときは、意外と栄養不足により起こっていることも多いです。偏食になっていないか振り返ってみましょうね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©sashimi/Gettyimages©Laura Olivas/Gettyimages©Westend61/Gettyimages文・大久保愛
2022年08月03日月経前は便秘気味となり、月経中は下痢になる。月経周期に伴いお腹の調子が悪くなる人は少なくないでしょう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、そうした腸内環境の悪化はセロトニンの減少や、免疫細胞の機能低下などにつながってしまうそう。そこで愛先生が、腸の不調を整える簡単な方法を教えてくれます!最近、お腹の調子はどうですか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 171夏になるとお腹を冷やして下痢になる人もいれば、便秘になる人も多いと思います。どちらにせよ腸に問題を抱えることがあるのではないでしょうか。冷たい飲み物をよく飲み、入浴はシャワーだけですませ、夜にアイスを食べ、冷房で芯から体を冷やして、そうめんや冷やし中華や焼きそばなど麺類ばかり食べて、野菜を食べる機会が減ってはいないでしょうか。もし該当していたら、胃腸にダメージがかかっていると思います。特に女性の場合には、月経前に便秘になり月経がはじまると下痢になるなどタイミングによってもお通じに悩まれる人も多いので、胃腸のコンディションは常に安定させておきたいですよね。そこで、今週は、月経周期に伴う腸の不調を整える食薬習慣を紹介していきます。今週は、月経周期に伴う腸の不調対策としての食薬習慣暑い日が続きますが、体調はお変わりありませんか?今月もあっという間に終盤に差し掛かり、今年の夏も後半戦へと突入です。夏といえば、夏バテにより食欲が落ちることもあれば、冷たいものを食べ過ぎることもあり、何かと胃腸の不調を感じる機会が増えます。それに加え、女性の場合には、高温期にプロゲステロンの分泌が増えますが、それによって腸の動きは抑制され、大腸での水分の再吸収も促されるため便秘傾向になります。コロコロで黒くて硬く、ニオイのきつい便になったり、残便感を感じやすくなることがあります。そうなると腸内環境が悪化することによる二次災害が起こり始めます。例えば、腸に多く存在するハッピーホルモンであるセロトニンが減少したり、腸に多くが存在する免疫細胞の機能が低下したりしてしまいます。漢方では、これを『陰虚燥熱』などと表現し、体の潤いが不足し、腸や肌が乾燥したり、ほてりや炎症など熱の症状を感じやすくなると考えます。そこで、今週は、『陰』を補うことで体を腸から潤し『清熱』する食薬習慣を紹介します。今週食べるとよい食材・メニューは、【梅干しとメカブの和え物】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:梅干しとメカブの和え物】作り方は、梅干しの種を取り除き包丁で叩き、メカブとお酢と醤油で一緒に和えたら完成。キュウリや長芋、すりゴマを和えるとさらによいです。【梅干し】胃の働きを助けたり、疲労を回復したり、肝臓の働きを助けたりする酸味の成分クエン酸を含みます。さらに、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸などの有機酸やリグナンなども含むため抗菌作用や抗ウイルス作用なども期待できます。また、汗として消耗しがちなミネラルも豊富。夏に必要な栄養素を優しく補い『清熱』『補陰』する食材です。【メカブ】ネバネバ成分であるフコイダンやアルギン酸などの水溶性食物繊維が腸内を潤し『陰』を補うことで、腸内環境を整え便通を促します。さらに、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどもミネラルも豊富なので、脱水しがちなシーズンにぴったり。便の状態は、自分の生活習慣に対する腸からのフィードバックでもあります。便秘をしたり、お腹が張ったり、便のニオイがきつかったり、便が緩くなったりするのは、直近の生活が影響していることが多いです。腸の不調を感じた時には、前日の食事や睡眠の状態、冷えの状態などを振り返り、体にとってマイナスな行動をしていないかチェックし、その都度対処していくことで、体質を好転させていきましょう。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©hisa nishiya/Gettyimages©Westend61/Gettyimages©Westend61/Gettyimages文・大久保愛
2022年07月28日月経前の不調のひとつ、ほてりやのぼせ。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によれば、冷房の効いた室内と高温多湿の屋外との行き来で自律神経が乱れやすいこの時期は、それらが強く出やすいそう。そこで愛先生が、自律神経を整え、かつほてり対策となる簡単な方法を教えてくれます!月経前のほてり、気になりませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 170蒸し暑いと体に熱がこもって、ほてりを強く感じることはないでしょうか。冷房で足元が冷えたり、お腹を触ると冷たかったり、肌の表面は冷えているのに体感として熱がこもっている感じがすることってあります。冷やしたらいいのか温めたらいいのかわからなくなりますよね。特に女性の場合には、月経前にほてりやのぼせを強く感じてしまう人も多いと思います。月経前症候群(PMS)の一種でもありますが、不快な症状ですよね。そこで今週は、まだまだ蒸し暑く自律神経を乱し、それにともないホルモンバランスまでも乱れを生じさせてしまいやすいので、ほてり対策の食薬習慣を紹介していきます。今週は、月経前のほてり対策としての食薬習慣私たちは、夏の暑さを感じると汗をかき、汗を蒸発させることで熱を冷まし体温調整を行っています。ですが、高温多湿の環境では、なかなか汗は蒸発できません。さらに、冷房の環境にいて暑い外にたまに出ることを繰り返していても体がその寒暖差に適応できずに、体温調節がうまくできません。これらによって自律神経を乱してしまうことがあります。こうして、ほてり、だるさ、不眠、めまい、むくみなどさまざまな不調を感じさせてしまいます。さらに女性の場合には、女性ホルモンが1か月の中で大きく変化していますが、このホルモンの調節を行っている部分が自律神経も調整している脳の視床下部です。そのため、自律神経が乱れているときには、ホルモンバランスにも影響して、月経前の異常も感じやすくさせてしまいます。もともとPMSを感じやすい人は強くほてりを感じてしまうことがあります。漢方では、このときに体を潤し熱を冷ます『清熱滋陰』をするとよいと考えます。さらに、同時に血流を促す『活血』を行うことも効果的です。そこで今週食べるとよい食材・メニューは、【モロヘイヤと豚の生姜炒め】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:モロヘイヤと豚の生姜炒め】作り方は、ニンニクと豚肉を炒めて、モロヘイヤを加え、醤油、みりんで味を整え、すりごまとおろし生姜をたっぷりあえたら完成です。【モロヘイヤ】夏野菜の王様と言われるモロヘイヤ。ネバネバ成分のマンナンなどが、胃腸の粘膜を強化し、消化を助けます。栄養素としては、抗酸化ビタミンACE、カルシウム、鉄などのミネラル、ビタミンB群なども豊富で、夏のバテた体にぴったりです。漢方では、『清熱滋陰』作用があるとされています。ビタミンAやビタミンEは脂溶性なので、炒めて油と一緒に食べると吸収が高まり効果的です。【生姜】生姜は、生で食べるか加熱して食べるかで効能が変わります。生で食べると強い抗菌作用があり、体温調節がうまくいかず体にこもってしまった熱を発散したり、血流を促すために役立ちます。逆に加熱して食べると有効成分に変化が起こり、体を深部から温める働きが期待できるので、冷房で冷えている人は加熱がおすすめです。暑いから単純に冷たいものを食べて体を冷ますというのは、熱中症のときなどには適していますが、自律神経の乱れによるほてりには、食事による栄養成分によって問題を解決していくことが好ましいです。ほてりで悩む方は、ぜひお試しください。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©SIphotography/Gettyimages©kali9/Gettyimages©Westend61/Gettyimages文・大久保愛
2022年07月22日「40歳を過ぎると体に不調が出てくる」と聞いてはいましたが、40代になったばかりのころはあまり実感していませんでした。しかし、41歳、42歳……と年齢が進むにつれて、生理前の片頭痛、何をしても減らない体重、イライラ、肩凝りなど、さまざまな不調に悩まされるように。「不調を解消するために少しは体を動かしたほうが良いかも」と思い、いろいろと模索。そして、たどり着いたのは……。★関連記事:更年期の頭痛、頭が重い…原因は? 何科を受診すべき?【更年期の基礎知識8】室内でもできる有酸素運動はある?うちの夫はジョギングが趣味で、始めてから半年で5kg近く痩せました。ジョギングは有酸素運動なので、20分以上毎日続けると痩せやすくなる上に、代謝がアップして血流も良くなるのだそうです。私も「血流が良くなるなら肩凝りや冷えにも効果がありそう」と思って、以前から興味はありました。でも「外で自分が走っている姿を誰かに見られるのは恥ずかしい」「遠くの公園まで行くのは面倒で続かなそう」「雨が降ったら絶対に無理」などいろいろと考えてしまい、なかなか実行に移せませんでした。「じゃあ家の中でできる運動は?」「そんなものはないか?」と探していたら、夫のジョギングサークルの先輩からその場で足踏みするだけの「その場ジョギング」と、室内でもできる「スロージョギング」というものを教えてもらいました。体1つあればできるお手軽さがgood!「その場ジョギング」とはその名のとおり、その場で足踏みするようにジョギングをするだけ。床が固いと足が痛くなってしまうので、足元に毛布やタオルを敷きます。私は有酸素運動で効果が出始める20分間継続することを目標に始めてみましたが、テレビを見ながらおこなうとあっという間に時間がたちます。また、「スロージョギング」は、歩くのと同じくらいのペースでゆっくり走ります。家の中の限られたスペースでする場合は、6歩走って3歩でターン(厳密でなくてもいい)を繰り返すと良いとのことです。こちらも私は好きな音楽を聴きながらおこなっていますが、目標の20分があっという間に感じます。固い床よりは畳などの柔らかめのところがやりやすいと思います。ガチンコなジョギングではなく、テレビを見ながら、音楽を聴きながら、煮物が煮えるのを待ちながらなどの「ながらジョギング」なので、服装も普段着のまま、ちょっと手が空いたらおこなってみるくらいの軽い気持ちで取りかかれています。無理をしないことが持続のコツこの「その場ジョギング」と「スロージョギング」ですが、今のところ、面倒くさがりの私でも1カ月以上続いています。マイルールとして、できない日や気が乗らない日はしない、週に3~4日できればOKとしています。その緩さが続けるコツです。では、1カ月ほど続けた効果はどうなのかというと、体重は「少し減ったかな~?」というくらいにとどまっています。でも、下腹と太ももがほんの少し締まった感じがしています。「その場&スロージョギング」を始めてから、足とおしりあたりに筋肉痛があったので、「筋肉を使っているんだな~」と実感しています。筋肉を付けると脂肪が燃焼しやすいと聞いたことがあるので、これからの効果を期待しています。また、血液の循環が良くなったのか、肩凝りが少しラクになったのと、化粧ノリが良くなったのは特に感じます。何よりも運動したあとの爽快感と、私は音楽をかけて思いきり歌いながらやっているのでストレス発散効果が抜群です。まとめ40代半ばに差し掛かってから感じ始めた不調を解決すべく、ズボラな自分でもできる手軽な運動「その場&スロージョギング」をスタート。特に道具は必要なく、体1つあれば、テレビを見ながらでも考えごとをしながらでも、その場でできちゃうので、日常に取り入れやすい運動方法だと思います。私は意外にも体を動かすとスカッとするタイプだったようで、これにより心身共にリフレッシュできている気がします。自分に合った方法で不調やイライラを少しでも軽減できるように、これから訪れる更年期ともうまく付き合っていきたいものです。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/粒来拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。著者/中村 エルモ(44歳)介護が必要な親を持ち、わんぱくな男子2人の子育て中。Wケアに奮闘しながらも「楽しく生きる」がモットーです。
2022年07月20日程度の差はあれど、月経前に不調を感じるという女性はほとんどと言ってもいいかもしれません。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、月経前の気分の落ち込みを改善する簡単な方法を教えてくれます!月経前は気分の落ち込みが酷くなる?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 169女性にはどうしても気分が落ち込んでしまう瞬間があります。特に、月経前。理由もなく涙がでたり、悲しくてどうしようもなくなったり、どんな出来事も悪い面しか見えなくなったり、みんなが笑っていても笑えないときがあったり、必要以上に反省してしまうことが多かったり…。また、ネガティブな考えは、迷宮入りするパターンが多く、悪い思考や過去の記憶を連鎖的に結び付け、嫌な気分が長期化したり、寝る時間を削ってまでくよくよと嫌な思考が頭の中を巡ってしまいます。たまにであれば、そんな自分の一面もあるんだなと客観視して吹き飛ばしてしまえばよいですが、頻繁に起きてしまうのであれば、自分の人生において深刻な問題になってしまうと思います。女性の場合には、高温期である月経前のタイミングに深刻な気分の落ち込みを数日間感じてしまう人が多いです。そこで、今週はただでさえ、暑さにやられ心がバテてしまいそうな人が増えてきていると思うので、月経前の気分の落ち込みを軽減する食薬習慣を紹介していきます。今週は、月経前の気分の落ち込みを軽減する食薬習慣月経前、月経中、排卵時など全く何の不調も起こらないという人は、非常にレアだと思います。みなさんはいかがでしょうか。何も起こらないことが理想ですが、さまざまな複合的な要因で、気分の落ち込み、不安感、イライラ、過食、膨満感、出血、腹痛、下痢、便秘、胃痛などさまざまな症状に悩まされるものです。このなかでも、気分の落ち込みについては、漢方では胃腸が弱く疲れやすい『脾気虚』や『血虚』のタイプの人に起こりやすいと考えられています。気分の落ち込みは、脳の神経伝達物質に関係する必要な栄養の吸収がしっかりできることや、腸内環境と関係するセロトニンという物質の量も関係してきます。さらに、今のような湿度が高い時期には『脾』がダメージを受けやすいと考えられています。そこで、今週は『脾』の働きをサポートし『気血』を補う食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは、【オクラ納豆】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:オクラ納豆】オクラは生でも食べることができるので、抵抗がない人は生で食べると便利。キッチンバサミでそのままオクラをカットしながら納豆に混ぜて、醤油を加えたり、お酢やカイワレ、ブロッコリースプラウトなどを混ぜて食べても良いと思います。気になる人は、オクラをレンジでチンしてから加えてみてくださいね。【オクラ】オクラは夏野菜なので、体にこもる熱を冷ましてくれたり、ネバネバ成分が胃腸の粘膜を強化したり、腸内環境を整えるために役立ちます。『脾気』を補い、『胃熱』を抑える野菜です。他にも、ビタミンB群、ビタミンC、マグネシウム、鉄、カルシウムなども含まれています。足がはやく余りやすい野菜の一つでもあると思うので、納豆や味噌汁にポトポト落として新鮮なうちに食べ切りましょう。ちなみに冷凍保存も可能です。【納豆】納豆は、タンパク質が豊富で、腸内環境にプラスに働く優秀な食材です。また、オクラに含まれるネバネバ成分はタンパク質の吸収を促すため、納豆との食べ合わせは最高です。『気血』を補うことのできる食材です。気力も体力もないときには、お菓子やお総菜などではなく納豆を食べるようにしてみましょう。便秘解消、ダイエットにもなりますよ。気分が落ち込んだときには、自分の目の前の世界が暗くなりますよね。たまにはそんな日もあっていいと思いますが、毎月訪れたり、長期的に続くようでは生活に支障がでます。まずは何からはじめたらよいかわからないときは、食事の内容の見直しをしてみましょう。もし、それも面倒なときには、とりあえずオクラ納豆を食べてみて一休みしてみてくださいね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Valeriy_G/Gettyimages©Igor Ustynskyy/Gettyimages©Inside Creative House/Gettyimages文・大久保愛
2022年07月15日異常な暑さがひと段落したとはいえ、蒸し暑い日は続いています。そこに月経が重なれば、カラダのだるさをより感じる人は多いでしょう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、自律神経を整え、だるさや疲労感など月経時の不調を防ぐ簡単な方法を教えてくれます。最近、月経時のだるさが酷くありませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 168最近、グッスリ眠れていますか?朝スッキリしていますか?日中元気に活動できていますか?もし、毎日疲れが上乗せされ続けている気がするという場合には、寝室の湿度を気にしてみてください。日本の夏は、どうしても湿度が高くなりがちです。気温がそれほど高くなくとも、湿度が高ければ体感温度が上がってしまいます。いくら部屋の温度を調整しても嫌な感じがする人は、湿度が高いかもしれません。夏は、睡眠時に室温が26度前後、湿度が60%前後に保たれていることが理想です。もし、7月に入りダラダラ過ごす時間が増え、ダメ人間のようになっている人がいたら、湿度や温度を測定して管理してみましょうね。そして、基本的に女性が1か月のうちにだるくなりやすいのは、「血」が不足しやすい月経中です。そのため、今月は月経時にだるさをいつも以上に感じてしまっている人も多いのではないでしょうか。自然界、女性ホルモンの2つの影響により、体調は悪化傾向です。そこで、今週は月経中のだるさを軽減する食薬習慣を紹介します。今週は、月経中のだるさを軽減する食薬習慣暑かったり、雨が降ったり、少し気温が落ち着いたり、最近の天気は私たちの気分と同じようにコロコロ変わりますね。気候の変化は自律神経に影響するので、気分が気候に合わせてコロコロ変わるのは仕方ないことではあります。ですが、だるい、眠い、やる気がでない、集中力がでない、動きがスローになるなどの状況は、生活に支障を少しずつきたしていきますよね。疲労感と同時に、効率が悪い行動が続くとやるべきことも積み重なっていき、気分は滅入ってしまいますね。これを漢方では、エネルギー不足の「気虚」自律神経が乱れる「気滞」だるさを感じる「痰湿」などと表現します。さらに、女性の場合には月経が重なると、心と体の安定に働く「血」が不足してしまい、状況はどんどんと悪化していく一方。そうならないためにも、「気血」を補い、巡りの改善をしてだるさから解放されましょう。今週食べるよい食材・メニューは、【ココナッツオイルチョコレート】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:ココナッツオイルチョコレート】作り方を紹介します。まずココナッツオイルを常温に置いておきます。今の季節だとココナッツオイルは常温で液化します。そこに、ピュアココアとオリゴ糖や蜂蜜をお好みで加え、よく混ぜ保存容器や製氷機に入れ、冷蔵庫で冷やします。1時間くらいすると固まってチョコレートのようになっています。【ココナッツオイル】ココナッツオイルには、中鎖脂肪酸が多く含まれています。中鎖脂肪酸はエネルギー効率がよく、だるい、疲れなどの「気」が不足しているときの即戦力になってくれます。さらに、抗菌作用が高く、腸内環境を整えるためにも役立ち「痰湿」を取り除くためにも役立ちます。【ココア】強い抗酸化作用、血行促進作用、抗菌作用、血糖値の上昇を抑える作用、リラックス作用などがあり、巡りの改善にも役立ちます。さらに、マグネシウムや鉄、亜鉛などミネラルも豊富で「血」を補う働きも。疲れた時に、チョコレートを食べたら元気になるというのは、とっても嬉しいことです。しかも、面倒な手作りチョコレートが、ココナッツオイルを使うと非常に簡単に作れてしまいます。最近、本調子じゃないなと感じている人は、ぜひお試しくださいね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©bymuratdeniz/Gettyimages©bymuratdeniz/Gettyimages©Eugenio Marongiu/Gettyimages文・大久保愛
2022年07月08日中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、月経前は皮脂分泌が増え、便秘がちになるため、フェイスラインのニキビなど肌荒れが起きやすいそう。さらに日本特有の高温多湿の気候、マスクによる蒸れ、暑さによる偏食からくる腸内環境の悪化などから、今の時期はさらに肌状態が悪化する人が多いとのこと。そこで、愛先生が月経前の肌トラブル予防策を教えてくれます!月経前の肌荒れ、気になりませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 167猛暑の中、食欲が落ちてげっそりすると思いきや、むしろいつもより食べ過ぎてしまうことはないでしょうか。夏の暑さにバテているなら食欲が落ちて痩せたらいいのにと思ってしまいますが、現実には食欲は落ちずたくさん食べて、痩せずに重だるさだけを感じる人も多いようです。高温多湿の時期に食べすぎてしまうと腸に負担がかかり、出てくるのがフェイスラインやマスクの内側のニキビや赤みなど肌トラブルです。そして、紫外線が強い今の時期は、お肌と目に入る刺激が体中に活性酸素を過剰に発生させたり、マスクの中の肌を蒸れさせ、擦れて肌トラブルが加速していきます。さらに、女性の場合には月経前に皮脂の分泌が増えるため、この時期に肌トラブルを起こしてしまう人も続出するとだと思います。そこで今週は、月経前の肌トラブル予防のための食薬習慣を紹介します。今週は、月経前の肌トラブル予防のための食薬習慣長時間、外にいることに危機感を感じるほど暑い日が続きますね。みなさん、いかがおすごしでしょうか?外に一歩出ると早くも日陰や室内に入りたくなりますよね。汗をかき、マスクで蒸れ、紫外線の刺激を受け、エアコンで乾燥するお肌はこまめなお手入れをしなければ荒れてしまいそうです。さらに、夏バテをしつつも室内の冷えた空間で過ごす時間が多い私たちは、食欲を落としてしまうよりも、麺類やパン、すぐにつまめるお菓子やお総菜などちょっとジャンクな食べ物が欲しくなることもあると思います。さらに、仕事終わりや夕食時に冷たいハイボールやビール、アイスクリームなどを摂る習慣がついてしまった人もいるかもしれませんね。ということで、暑い夏には意外と偏ったものを食べ過ぎてしまうことがあるのですが、それによって腸内環境は当然悪化の一途をたどります。そして、腸の鏡とされるお肌の状態も悪化の一途をたどることでしょう。さらには、女性の場合月経前に皮脂分泌が増え、便秘がちになるため、フェイスラインのニキビなどに悩む人も増えることでしょう。これを漢方では、体の内側から炎症の原因になる『湿熱』がたまっている状態と考えます。そこで、体の外と内側から炎症を起こしてしまう今の時期、『湿熱』をとりのぞき肌トラブルを防ぐための食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは、【米なし手巻き寿司】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:米なし手巻き寿司】作り方は、海苔の上にレタスをのせ手巻きずしの要領で好きな具材をのせ、お醤油やドレッシングをつけて食べます。ピクルスを一緒に入れると酢飯のような味わいになりより手巻き寿司のようになります。暑い時期には、生野菜離れをしやすくなりますが、手でちぎって巻いてすぐ食べられる米なし手巻き寿司はすごく簡単で便利な一品です。サニーレタスレタスよりも色素が多いサニーレタスは、抗酸化作用のある物質を多く含みます。また、不溶性と水溶性の食物繊維の含有バランスが腸にとって理想的であるため、偏食で腸内環境が乱れている人にもってこいの食材。たっぷり食べると『湿熱』をとりのぞく働きが期待できます。また、カリウムも豊富なため、冷房でむくみが気になる人にもおすすめです。海苔サニーレタスと同様に食物繊維が豊富で『湿熱』を取り除くために役立ちます。さらに、マグネシウム、鉄、カリウムなどのミネラル、ビタミンB12、葉酸、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンKなどの栄養もマルチに含んでいます。肌荒れに悩んだとき、月経前に過食気味になるとき、野菜不足に悩むときなど気軽にできる一品なので、ぜひお試しください。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Prostock-Studio/Gettyimages©Cavan Images/Gettyimages©Inti St Clair/Gettyimages文・大久保愛
2022年07月01日中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、暑さにカラダが慣れていない今の時期は、カラダのだるさや月経異常などが起きやすいのだそう。そこで、愛先生がそれら女性特有の不調対策を教えてくれます!最近カラダがだるく、月経絡みの不調が悪化していませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 166今年も夏至が過ぎ、太陽が真夏の位置へと移動したことによって、夏らしい日差しや気温を体感するようになってきましたね。暑さをしのぐためにエアコンに頼る時間が増え始めているのではないでしょうか。この蒸し暑さによって、早くも夏バテのようなダルさや疲労感を感じることもあるかもしれません。漢方ではこのバテやすいタイプを『脾気虚』といいます。その特徴としてよくある症状は、月経がダラダラと長引きやすかったり、排卵出血があったり、月経中貧血になりやすかったり、あざができやすかったり、傷の治りが悪かったり、胃腸が弱かったり、筋肉が少なかったり、代謝が低く疲れやすかったり、冷えやすかったりというものがあります。そのため、バテやすい今の時期、これらの不調は悪化していきます。ということで、暑さを強く感じやすくバテがちな今週は、月経にまつわる不調の対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、月経にまつわる不調のための食薬習慣最近、不正出血があったり、月経がダラダラと続いてしまったり、月経中に強いだるさを感じたりと今までとちょっと違う症状がでてきてはいないでしょうか。これを漢方では『脾気虚』といいますが、『脾気』の働きの1つとして『固摂』といって出血のコントロールがあります。そのため、『脾気』が不足している『脾気虚』の人は、月経の出血が長引いたり、排卵出血など不正出血が起こりやすかったりすることがあります。その改善のための食薬としては、胃腸に負担をかけずに『脾気』を補給できる食材をとりいれることが必要になります。また、ホルモンの乱れを整えるためには生殖機能に関わる『腎』の働きの強化も同時に必要となります。そこで、今週は『脾気』を補いながらも『腎』をサポートする食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは【ソラマメのペペロンチーノ風炒め】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:ささみとソラマメのペペロンチーノ風炒め】作り方は、ささみとソラマメをニンニクと鷹の爪と一緒にオリーブオイルで炒めて塩で味を整えるだけ。【ソラマメ】ソラマメにはビタミンB群が豊富で、「気」を補う力が強いため代謝を上げたい人におすすめ。また、若返りに働くビタミンB3の一種NMNもわずかですが含まれ『補腎』にも役立ちます。さらに、鉄、カルシウムなどのミネラル、タンパク質、食物繊維、そして薄皮に抗酸化に役立つポリフェノールも含まれています。【ささみ】筋トレの味方といえばささみですが、筋力をつけたり、代謝を上げるために必要なタンパク質が多く、低脂質、低カロリー、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンK、ミネラルも豊富です。『気』を補う代表的な食材です。暑い夏に不調を感じたら、冷たいものをたくさん食べて一時的な快適さを求めるのではなく、今の体に必要な食べ物を考え、長期的な改善策を立てましょうね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Poike/Gettyimages©PixelsEffect/Gettyimages©Dimitri Otis/Gettyimages文・大久保愛
2022年06月26日学生時代から、生理前のPMSや生理中の不調など、ホルモンバランスに振り回されてきた私。40歳になってからも、とにかく朝から晩まで不調続き。婦人科に相談しに行くと、「自律神経」が原因かもと言われました。自律神経を整える方法について調べ実践していくうちに、だんだんと体調に変化が!?息子のチック症発症をきっかけに婦人科を受診とにかく不調続きの私の半生高校生のころから生理痛がひどく、社会人になってからは生理前のPMSも加わり、生理やホルモンバランスの変動に振り回されてきました。ピルなども試しましたが、どれも体に合わずに断念。40歳になってからは、不調がさらに悪化。排卵日前後には体中が痛くなり、気分が落ち込む。排卵が終わればPMSでイライラしてネガティブに。生理が来れば、激しい腹痛と吐き気、腰の痛み。生理が終わるころには、体中の鉄分がなくなってしまったかのように貧血っぽく、常時めまい、吐き気、ぐったりして寝込む……。1カ月のほとんどが不調の連続です。なんとか折り合いをつけながら生活していたものの、離婚してシングルになり、息子が不登校で引きこもりになったため、私も家でぐったり寝込んだりイライラしたりしているわけにはいかなくなりました。繊細な息子は私の精神状態を敏感に感じ取り、ストレスからチック症を発症してしまったからです。このままではいけないと思った私は、婦人科を受診することにしました。婦人科で言われた思いがけない言葉に涙不調を改善するため勧められたのは、子宮の入り口に装着して直接ホルモンが作用するという薬でした。この薬は生理中の出血や腹痛を軽くするものだそうです。また、排卵日前後とPMSの不調については、ホルモンバランスを整える漢方で様子を見ましょうということになりました。残る対策は生理後の不調です。生理後の貧血による不調がつらいので、鉄分を補う鉄剤を処方してほしいと私が言うと「採血してみましょう」と医師。採血の結果、貧血はなく、「貧血ではないので鉄剤を飲んでも症状の改善には有効ではないです」と言われました。え? と私はがく然としました。私はどうにかしてこの不調を治したいと思って婦人科に来たのだから、このままじゃ引き下がれないと思い、「シングルで、ひとり息子が不登校で、今日婦人科に来るのもやっとだったんです。発達障害で、チックも発症してしまって……」と、関係ないことまで話しました。すると、「それは大変ですね。体調が悪くなるのは当然です。元々ある不調に精神的ストレスが上乗せされますからね。ひどくて当然。大変ですね」と医師。思いがけない言葉に、涙が出てしまいました。原因はストレス! 自律神経の乱れのせいホルモンバランスのせいで体調不良になっていると勝手に思い込んでいたけれど、私の場合は精神的なストレスで自律神経が乱れ、さらに不調がひどくなっていると医師に教えてもらいました。また、貧血のようにめまいが起きる原因は、「起立性低血圧」ではないかとのこと。これもストレスから起こる自律神経の乱れが原因の1つらしいです。私は早速、ネットで「自律神経整える」と検索したり、図書館で本を借りて読んだりしました。そして、自律神経を意識した生活を心がけるように。私が意識したことを簡単にまとめると、・深呼吸をする・ゆっくり動いて生活する・笑顔を作る・朝日を浴びる・軽い運動・ストレスを解消する工夫まず効果を実感したのが、深呼吸でした。気持ちが落ち込んで寝込んでしまったとき、ゆっくり深呼吸してみたのです。すると、目の前の霧が晴れたようにスッキリしました。お風呂でもゆっくり深い呼吸を意識しながら体を洗い、頭を洗いました。すると、毎回お風呂から出たあとはぐったりして座り込んでしまっていたのに、それがなくなったのです。また、意識して笑顔を作ることで、自然と楽しい気持ちになることも実感しました。まとめ心と体はつながっているという言葉をよく聞きますが、私はこのことを改めて再認識しました。私の場合、ストレスを感じて常に呼吸が浅くなっていたのかもしれません。深呼吸することによって、肺をはじめ体の隅々に酸素が行き渡ったように感じ、体や脳が動くようになりました。こんな基本的なことができていなくて、自律神経がうまく働かなかったようです。体調が悪いからなんとかしなきゃという焦りも、もしかしたら症状を悪化させてしまっていたのかもしれません。排卵日前後や生理前に体調が悪くなる日もありますが、前に比べると本当に快適に生活できるようになりました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。マンガ/山口がたこ著者/こんにゃく(40歳)40歳のシングルマザー。フリーランス。発達障害の一人息子は現在不登校真っ最中。毎日毎時間、いかに幸せに暮らすかを模索することが趣味。東京から大阪に移住し、山の風景に心癒やされる日々。
2022年06月22日月経前に起こる不調、月経前症候群(PMS)に悩まされている人は、腸内環境を整えることに目を向けるといいかもしれません。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、簡単にできる腸活を教えてくれます。最近、生理前の不調が酷くなっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 165最近、便がスッキリ出ない、コロコロする、お腹が張ってくるというようなことはありませんか。蒸し暑い日が続くと傷みやすいサラダなど生野菜を食べる機会が減ってくるという人もいるのではないでしょうか。また、低気圧やエアコンの影響で自律神経を乱してしまう人も増えてくると思います。食物繊維の摂取量が減り、自律神経が乱れると起こるのが腸の不調です。腸の状態は、お肌、体臭、口臭、免疫、メンタルなど広い範囲に影響してきてしまいます。とくに、生理前に便秘や肌荒れ、気分の落ち込みなどを強く感じる人が多い傾向があります。そこで、今週は生理周期によって体調が変動しやすい人のための腸からはじめる食薬習慣を紹介していきます。今週は、女性のための腸からはじめる食薬習慣生理前になるとイライラしたり、急に涙が出てきたり、ニキビができたり、過食したり、体重が増えたりとさまざまな不調に悩む人は多いと思います。そんなときに、注目してほしいのが腸です。ここ最近、スッキリ便が出ているのか、おならや便のニオイがきつくなっていないか、便が硬すぎたり緩すぎたりしないかということです。さまざまな不調の諸悪の根源は腸にあるかもしれないからです。腸内環境は、メンタルやお肌の状態とリンクしています。生理前の不調に悩んだら、まずは食物繊維や発酵食品、温かい飲み物などをとる意識をしてみましょう。漢方では、生理前に自律神経が乱れメンタルの不調を感じやすくなる状況を、セロトニンなど脳の神経伝達物質の材料となる『肝血』が不足していると考えます。そして、過食やニキビなどの不調が起こりやすい状態を腸内環境が乱れている『湿熱』が生じている状態と考えます。ということで、今週は『肝血』を補い、『湿熱』をとりのぞき腸内環境を整える食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは、【シラスとモヤシのポン酢和え】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:シラスとモヤシのポン酢和え】作り方は、レンチンしたもやしにポン酢とシラスを和えたら完成です。【しらす】カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛のミネラル、ビタミンD、タンパク質、ビタミンB群、オメガ3脂肪酸を含む超栄養価の高い食材です。『気血水』すべてを補う働きがあります。【モヤシ】かさ増し食材として有名なモヤシですが、消化を助けるアミラーゼ、腸内環境を整え、便通を促す食物繊維が多く含まれているため『湿熱』を取り除く働きがあります。また、『血』の材料となる鉄の利用を促すモリブデンが非常に多く、葉酸も含むため『肝血』を補うために役立ちます。なんとなく不調を感じた時には、ピンポイントで不調だけをとらえるのではなく、腸をはじめとしたカラダ全体を整えることを意識すると意外とすんなり不調が解決することがあります。もし生理前に不調を感じている場合には、まずは腸活をとりいれてみてくださいね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。月経前症候群※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Marc Romanelli/Gettyimages©Westend61/Gettyimages©MixMedia/Gettyimages文・大久保愛
2022年06月17日寝てもカラダがだるい、やる気が出ない。梅雨に入り、これらをより強く感じている人は多いかもしれません。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、もうすぐやってくる猛烈な暑さに負けないためにも、今からできる「スタミナがつく」簡単な方法を教えてくれます。最近、特にだるさを感じていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 164どんよりした空模様が続き、心も体もなんだかシャキッとしないどんよりした毎日をお過ごしの方はいないでしょうか。気候の変化にともなって、気持ちや体調が左右されることを実感しますよね。雨の日は、朝からやる気が喪失、重だるい足取りに、顔のむくみ、日中の眠気を感じることも。かと思えば、夜になると目が冴えたり、朝方目を覚ましてしまったり…。疲れをリセットする余裕がなくなってしまい、スタミナ切れを感じてしまう日も増えてしまうかもしれません。そこで、今週はお天気に負けない、スタミナが充実した体になるための食薬習慣を紹介していきます。今週は、スタミナをつける食薬習慣朝から「あー、疲れた」と何度も口に出してはいないでしょうか。疲れてだるい毎日は、ぼーっとしたり、集中力が低下することで大切な自分の時間をあっという間に消費してしまいます。休日には、ダラダラしてしまい気がついたら夜だったなんてこともあるかもしれません。高温多湿の天候を漢方では、『脾』が弱りやすく、スタミナがなくなってしまう『気虚』になりやすいと考えます。今後、気温も湿度もどんどん上がっていくことが予測されます。今からスタミナ切れに陥っていたら、今後が心配です。そんなときは、食薬で対策をとっていくことも必要になります。そこで、今週はスタミナ対策として消化の働きをしている『脾』を支えながら『気』を補い、元気はつらつを目指す食薬習慣を紹介していきます。食べるとよい食材・メニューは、【豚肉のおろしポン酢】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:豚肉のおろしポン酢】作り方は、豚肉と玉ねぎを炒めて、大根おろしをたっぷりのっけて千切りした大葉や万能ねぎを添えてポン酢をかけたら完成です。【豚肉】タンパク質、鉄、亜鉛などのミネラル、ビタミンB群を豊富に含む『気血』を補うスタミナ食材です。特に、糖質のエネルギー代謝を上げるビタミンB1を多く含むため、疲れているとき、肌寒く感じるときにも役立ちます。【大根おろし】ジアスターゼという消化を助ける酵素が含まれるので、胃腸の調子が悪くてもお肉などちょっと消化に負担がかかる食材と合わせて食べるとその栄養の吸収を促してくれる『補気』を助ける野菜です。『脾気虚』の改善に役立ちます。また、抗酸化作用が高いイソチオシアネートという辛み成分も含まれるので辛みも有効成分と考え、大根おろしの汁までいただきましょう。スタミナがほしいからと栄養ドリンクやカフェインを着火剤のように使ってはいないでしょうか。一時的にスタミナを沸かせるようなことではなく、食薬を習慣として根本から元気な体を作っていくほうが、今後さらに過ごしづらくなる梅雨や夏の気候を乗り越えるために必要なことです。今、スタミナ切れを感じている人は、食事の見直しをしてみましょうね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Laurence Monneret/Gettyimages©South_agency/Gettyimages©Westend61/Gettyimages文・大久保愛
2022年06月10日関東地方は梅雨を感じさせるような湿度の高い日が多くなりました。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、この時期の特徴に加えて、新生活のストレスやGW時の食べ癖などが加わり、肌の状態が悪くなりやすいのだそう。そこで、愛先生が簡単にできる肌トラブル対策を教えてくれます!最近、肌荒れに悩んでいませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 163気温はじわじわと上がり、夏を思わせる日も増えてきましたね。それとともに、梅雨を目前にして雨の日も増えてきました。やはり今年も6月は高温多湿な環境になりましたね。室内の除湿が必要な日も増えてきましたが、お肌も一緒にベトベトオイリーで赤みが出てきたり、湿疹が出てきたりして、保湿はしたいけれども相反して除湿したくなるような状態に悩む日もでてくるかもしれません。これは、高温多湿な環境にも影響しますが、今までの食べ癖なども影響してきています。そこで、今週は湿疹、オイリー肌、赤ら顔などの肌トラブルの対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、肌トラブル対策となる食薬習慣蒸し暑くじんわりと汗をかく気候になってきましたね。高温多湿の環境は、汗をかいても汗が蒸発しづらくなるため、体に熱がこもりやすくなることがあります。また、4月からのストレス、5月のGWからの食べ癖などが重なり、好きなものを好きなだけ好きなタイミングで食べてしまうことはないでしょうか。食事の偏り、常に何かを食べていたり、空腹を感じることがないような生活は、体の中に老廃物をため込みやすくなったり、炎症を起こす原因になってしまったりします。また、甘いものや脂質の多い食べものばかり食べていると、胃腸の負担になるだけではなく、皮脂分泌が増えたり、雑菌の繁殖が起こりやすくなってしまうことで、湿疹や赤ら顔、体臭などの原因となってしまうこともあります。この原因物質を漢方では、『湿熱』と呼びます。体に熱がこもりやすい今のシーズンは余計に『湿熱』を生じやすくなります。また、偏食によりお肌の新陳代謝を低下させてしまうことを『血虚』といいます。そこで、今週は肌トラブルの対策として『湿熱』を除去しながら、湿熱の原因となる甘いものや油物を控え、肌の新陳代謝を上げるように『血』を補う食薬習慣を紹介していきます。食べるとよい食材・メニューは、【タコとキャベツのガーリック炒め】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:タコとキャベツのガーリック炒め】作り方は、食べやすい大きさに切ったキャベツとゆでダコ、みじん切りかチューブのニンニクを炒めて、塩とブラックペッパーで味を整えたら完成です。【タコ】高タンパク、ビタミンB群、ビタミンA、亜鉛を含むため、肌の新陳代謝を促す『血』を補うことができます。さらに、低脂質、低カロリーでもあり美容にうれしい食材です。そして、タウリンを豊富に含むため、肝臓の働きを助け『湿熱』の解毒を促してくれます。【キャベツ】炎症を抑えるスルフォラファンや抗酸化作用のあるビタミンC、胃腸の働きを助けるビタミンUと食物繊維を含んでいます。体の中から、炎症を抑えつつ、炎症の原因の排泄を促してくれます。漢方では、『清熱』、『痰湿除去』を促し、美肌に導くことが考えられます。肌トラブルに関しては、外からステロイド剤などの塗り薬を使ったり、最新の基礎化粧品を使ったりとさまざまなことを試したくなる人が多いと思います。ですが、肌トラブルはある程度清潔を保ち、紫外線対策をし、保湿をしていたら起こりにくいものです。体の中からの原因の除去を検討することもお肌の状態を改善するためには非常に有効です。ぜひ食薬習慣を試して体の中から改善してみてくださいね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Zero Creatives/Gettyimages©fizkes/Gettyimages©Cecilie_Arcurs/Gettyimages文・大久保愛
2022年06月03日肩こりに悩まされている人は多いですよね。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、肩こりは長時間同じ姿勢でいたり、運動不足だったりすることからくるだけでなく、緊張やストレスなどでメンタルが不安定になり、カラダが硬直することも原因のひとつだそう。そこで、愛先生が簡単にできる肩こり対策を教えてくれます!肩こり、酷くなっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 162突然ですが、運動量は足りていますか?一日何歩歩いていますか?階段をのぼって息切れしていませんか?ここ数年、以前よりも運動量が減った人は多いのではないでしょうか。そして、運動量が減るということは、必然的に同じ態勢で過ごす時間も増えていくということでもあります。それによって、基礎代謝が下がったり、太ってしまったり、心肺機能が衰えてしまうこともあると思います。ですが、頻繁にしんどいと思うことといえば、肩こりではないでしょうか。肩回りが硬直すると自然と頭部の血流は悪くなり、頭痛や耳鳴り、めまいを感じてしまったり、鎖骨がなくなって首のしわが増えたり、肩甲骨が開いて天使の羽が消えてしまったりと連動して起こる見た目の老化を加速させることにもつながります。とういうことで、今週は肩こり対策としての食薬習慣を紹介します。今週は、肩こり対策となる食薬習慣二足歩行で重たい頭が一番上にある人類には、どうしても起こってしまう問題の一つとして肩こりがあります。仕方のない問題ではありますが、肩こりから派生する不快感は多大なものですよね。姿勢の問題は、自分の意識や整体、筋トレ、ストレッチなでの努力で改善できると思います。ですが、ストレス、緊張、不安感などでメンタルの不安定さから体に力が入りやすいタイプの人は現代に多く存在します。内面からくる問題に対しては対策が少し難しくなりますよね。漢方薬で、自律神経を整えることもよいと思いますが、日ごろの食事から改善するスキルを身に着けておくことも大切です。漢方では、同じ姿勢をしていることで物理的に起こる肩こりを『瘀血』といい、メンタルからくる体の硬直を『気滞』といいます。さらに、春の今の時期には、『肝気鬱結』といって、より『気』の巡りが悪くなりやすい時と考えます。そこで、今週は『気』と『血』の巡りを改善する食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは、【オレンジのイタリアンサラダ】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:オレンジのイタリアンサラダ】作り方は、オレンジ、トマト、バジルを食べやすい大きさにカットし、器に盛りつけ、オレンジをギュッと絞り、オリーブオイルと塩をかけたら完成です。モッツアレラチーズなどを混ぜて、ブラックペッパーをかけてもよいですね。【オレンジ】オレンジのさわやかな香りであるリモネンには、『気』の巡りを改善する働きがあり、オレンジにある筋の部分に含まれるヘスペリジンは、毛細血管を強くして血流を促す働きがあります。『気滞血瘀』の解消に役立ちます。また、みかんよりも食物繊維が多く、腸内環境を整えるためにも役立ちます。【バジル】香りが特徴的なバジルですが、リナロール、カンファー、オイゲノールなどのファイトケミカルがたっぷりです。『気』の巡りを改善しリラックスさせたり、強い抗菌作用、鎮痛作用なども期待できます。また、ベータカロテンやビタミンEも豊富に含み抗酸化作用も高く、古代ギリシャでは、王さまの薬草とも呼ばれていました。私たちは、普通に生活していると運動不足になったり、姿勢が乱れたり、デスクワークをしたりと巡りが悪くなる生活スタイルを過ごすことになります。首や肩に負担がかかることは、ある程度仕方のないことです。姿勢を正したり、緊張など感情からくる体のこわばりを和らげるために食薬を取り入れたりすることで、日ごろから対策をとっていきたいですね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©ilkercelik/Gettyimages©Moyo Studio/Gettyimages©Inside Creative House/Gettyimages文・大久保愛
2022年05月27日気温の高い日が増え、薄着の季節となりました。そのぽっこりお腹、もしかしたら目立っているかもしれません!そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、簡単にできるぽっこりお腹対策を教えてくれます。胃腸の不調やぽっこりお腹は早めの対策が肝心です!【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 161最近、下っ腹がでてきていないですか?お腹にガスがたまって苦しかったり、便秘気味になっていたり、タイトなスカートがはけなくなってきていたりすると、不快感だけではなく、外見にも自信がもてなくなってしまいますよね。さらに、腸の調子が悪い状態が続いてしまうとニキビができたり、体臭や口臭がきつくなったり、気分が落ち込みやすくなったりといいことはありません。ぽっこりお腹は、早めの対策が大事だといえます。とくに、少しずつ気温が高くなりつつなる今、アイスや甘くて冷たい飲み物や、ハイボールなどを口にする機会は増えていませんか?下腹部が気になるときには避けたい食べ物・飲み物です。そこで、今週はぽっこりお腹の対策となる食薬習慣を紹介します。今週は、ぽっこりお腹の対策となる食薬習慣雨の日が少しずつ増え、関東では、つつじや藤の花の時期が過ぎ、バラがきれいに咲き乱れる梅雨目前の季節に移り変わってきました。そして、春の慌ただしさも少しずつ落ち着いてきた頃でしょうか。徐々にアウターを着る機会が減り、体形がわかりやすい服装になっていきます。そんな時に気になるのは、お腹周りの様子だと思います。甘いものや冷たいものを食べすぎたり、食物繊維が足りなかったりすると腸の状態は悪化してしまうことでしょう。そして、お腹はぽっこりと立派な状態になります。この状態を漢方では、『痰湿』がたまっていると表現します。そして、長期化すると『湿熱』となり肌トラブルや不眠、不安感などの漢方で『熱』症状がプラスされていくと考えられています。そこで、今週は、『痰湿』を取り除く食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは、【切り干し大根の味噌汁】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:切り干し大根の味噌汁】作り方は、普段作っている味噌汁の具材として切り干し大根を加えるだけです。【切り干し大根】消化を助けるジアスターゼやアミラーゼを含み、腸の働きを助ける食物繊維も豊富に含まれています。『痰湿』を取り除く代表的な食材といえるでしょう。また、ビタミンB群、カルシウム、亜鉛、鉄、マグネシウムなどの栄養も豊富です。お味噌汁だけではなく、サラダや酢の物などにもプラスしてみてはいかがでしょうか。【味噌汁】『痰湿』除去に役立ち胃腸に良い働きをする、発酵食品であり温かい食べ物といえば味噌汁です。今後気温の上昇とともに冷たい飲食物が増えることが予想されます。そのため、蒸し暑い日こそ味噌汁習慣を身に着けてみてはいかがでしょうか。痩せるために食べないことを選択するのではなく、いま必要なものを考えて食べて痩せることを目指しましょう。代謝を上げたり、むくみを改善したり、便秘を解消したりする食べものを体調に合わせて取り入れていきましょう。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Peter Dazeley/Gettyimages©Charday Penn/Gettyimages©Inside Creative House/Gettyimages文・大久保愛
2022年05月20日イラストレーター&漫画家のフカザワナオコさんは、アラフィフ女子の日常についてマンガにされています。アラフィフになり、心身に不調を感じることが増えたフカザワさん。原因を探ろうとするも、簡単にはいかないようで……。★関連記事:<アラフィフマンガ>「私たちも若くないから」体調不良は更年期だからと決め付けがちだけれどこんにちは、フカザワナオコです。たまにありますね、こういう日。なんだか不調で、でも不調の理由の心当たりがあり過ぎて、よくわからないという(涙)。気圧だけが理由ではなくて、花粉に体が反応したとか、更年期も真っ最中だし、最近ちょっとバタバタしてて疲れもたまっていたことも考えられるし……。そういったすべてがちょっとずつ積み重なって、その日のどんよりにつながってるのかなぁと。やることがあるときはそうもいかないけれど、できれば無理せずに体を休めるのがベストだな、と思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/フカザワ ナオコ(49歳)イラストレーター&漫画家。コミックエッセイを主に描いている。2021年9月8日に新刊『40代が、こんなにしんどいなんて聞いてなかった』(1430円/幻冬舎)が発売。絵日記ブログ「ひとこま作者」を日々更新中。 Instagram:@fukazawanaoko1973
2022年05月09日ここ数年のおこもり生活で「疲れ、だるさ」「肩こり」「頭痛」を感じていませんか?なんとなく不調を感じている人は、女性に多い傾向が。もしかしたら貧血が隠れているかも。原因と対処法を婦人科医が教えます。なんとなく不調を感じている女性は8割超えツムラが2021年12月、全国の20代から40代の男女1,800人に行ったアンケート調査の結果では、日常生活の中で心身の調子がなんとなく悪い「なんとなく不調」を感じている人が全体の77.1%いました。女性に限定すると83.3%が感じている結果に。「なんとなく不調」の具体的な症状をたずねたところ、女性のTOP3は、1位「疲れ・だるさ」62.5%2位「肩こり」54.9%3位「頭痛」53.5%でした。多くの人が感じている不調。「なんとなくだから、たいしたことない」と流して放置してしまいがちですが、果たしてなぜこんなに不調を感じている人が多いのでしょうか?「なんとなく不調」の原因と対策は?婦人科医が解説「霞が関ビル診療所」の婦人科医丸山綾さんは、次のように解説しています。丸山さん「なんとなく不調」は、体温調節やカラダの基本的な調節を担う「自律神経の不調」であることが多いようです。ーーでは、生活の中で、どのような対処を行えばいいでしょうか。丸山さんまずは睡眠、食生活、運動習慣など生活習慣や生活リズムを整えましょう。生活リズムは寝る時間と起きる時間を一定にすること、そして運動習慣が大事です。漢方医学では、気血水という三つの要素が滞っていることが、不調を引き起こすと考えます。この気血水を巡らせるのが運動です。散歩をしたり室内でスクワットしたり、自分の体力や好みに合わせて体を動かす習慣をつけることが、不調の予防にとても役に立ちます。とはいえ、仕事や育児などで、自分だけではコントロールできないこともあります。そんなときは、医療機関に相談してください。今回の調査でも不調で病院を受診する女性はごくわずかでしたが、不調ぐらいでは病院に行かず、どうにも我慢できなくなってやっと病院に行くという回答が見られました。その背景には、月経痛などの不調を病気と思っていないことや、我慢を美徳とする傾向などが考えられます。しかし、不調を我慢する必要はなく、適切な対処をすることで、不調のない日常を取り戻すことができます。その疲れやすさと頭痛、「隠れ貧血」かも?ーー丸山さんによれば、医療機関を受診することで、隠れた病気がないかを確認できるメリットもあるそうです。丸山さん20代~40代女性では、疲れやすさや頭痛の原因として、「隠れ貧血」が多く見られます。自己判断でのセルフケアで時間とお金を費やしてしまう方もいらっしゃいますが、適切な血液検査で確認できる場合が多く、実は全く別の原因が…というケースも残念ながらあります。他に階段を上った後や運動時の息切れ、落ち込みやすさやうつ症状、肩こりの悪化などが、いわゆる貧血の症状と認識されておらず、わかりづらい症状です。また一般的に貧血の症状と知られている冷え症や肌荒れ、爪割れ、脱毛や白髪などもみられます。隠れ貧血が疑われたときの自分でできる対処法ーーもし隠れ貧血が疑われたとき、自分でできることにはどのようなことがあるのでしょうか。丸山さん鉄分を多く含む食材を摂取しましょう。摂取のコツは、特に植物性食品に多い「非ヘム鉄」は動物性食品に多い「ヘム鉄」より鉄吸収量が低いので、ビタミンCを含む食品と一緒に摂取すること。そして鉄分摂取前後は鉄の吸収を阻害するタンニンを含む濃い緑茶、紅茶、コーヒーは避けることです。また、鉄は鉄なべや鉄器などの使用、鉄のサプリメントの服用の方法もあります。ただし、過剰摂取はNGなので適切な摂取量は厳守しましょう。ーー一日の適切な摂取量はどのくらいなのでしょうか?丸山さん月経のある女性の必要摂取量は1日10.5mg。レバーなどの食事での鉄分の摂取は、その吸収量の低さから、かなり頑張ってもせいぜい1日10mg程度と言われています。それに対して鉄剤は1錠50mgのものもあります。ちなみに鉄のサプリメントは3mg程度のものが多いようです。鉄剤を摂取していれば鉄分としては十分といえます。むしろ過剰は害になるので、医療機関でのフォローが使用の前提です。しかし、実際には赤血球やヘモグロビンの原料は鉄以外に亜鉛、ビタミンB12、葉酸なども必要なので、鉄剤を服用していてもバランスの良い食生活を心がけましょう。病院で貧血がわかったらどんな治療を受ける?ーー医療機関にかかり、血液検査をして貧血がわかれば、実際どのような治療が行われるのでしょうか。丸山さん貧血そのものに対する治療として、食生活指導、鉄剤・ビタミン剤の処方と同時に、貧血の原因検索と、原疾患(持病)があればそちらの治療をします。具体的には、胃潰瘍・十二指腸潰瘍をはじめとした消化器系疾患の有無、子宮筋腫・子宮内膜症(とくに子宮腺筋症)の有無と過多月経の評価、必要があれば血液疾患の検索です。とくに月経のある女性はそれらの婦人科疾患が貧血の原因となっていることは多いので、必要があれば手術療法の他、低用量ピルなどで月経量のコントロールをすることは有効です。ピルにより月経量そのものが減り、貧血も改善されるので、別途貧血の治療をする必要がなくなることも多いです。ーー「なんとなく不調」のように病気ではなさそうな頭痛やだるさであっても、症状があれば対症療法や漢方薬などで治療することができるようです。自己判断せず、心身の不調を感じたら、医療機関に気軽に相談しましょう。Information教えてくれた人…丸山 綾(まるやま・あや)さん「霞が関ビル診療所」婦人科医。1999年、日本大学医学部卒業。駿河台日本大学病院(現日本大学病院)、丸の内クリニックなどを経て、現職。専門は産婦人科一般、漢方診療。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本東洋医学会漢方専門医。(C)fizkes/Getty Images文・椎原茜
2022年04月25日