こんにちは。ライターの和です。今回は高校3年生の方からの相談に答えさせていただきます。「私と彼は受験生です。ちょうど1年前に付き合いはじめ、LINEも電話も毎日していました。でも彼は高いレベルの大学に進路を決めていたため、夏あたりから『そろそろ勉強しないと・・・』と言っていました。それでも私はワガママを言い、連絡頻度を抑えられませんでした。しかも彼の優しさにつけ込んで、罪悪感をもちながらも理不尽に怒ったり、元カノの話をしていました。また謝るべきところで謝らなかったせいで、彼の私への怒りと受験のストレスが爆発し『どうしてお互い気分が悪くなるような話をあえてするんだよ』『結局謝るのはいつも俺だよね』と言われてしまいました。LINEでも『ひとりにさせてほしい』と言われたきり、全く返信がありません。私も自分のせいだとわかっていたので、そっとしておきました。その間深く反省し彼の大切さにも気づきました。彼を学校で見かけて一緒に帰ろうと話しても『無理だ。帰れ』と避けられてしまいます。また私のことが嫌いになったのか聞きたいため電話をしたのですが、出てくれませんでした。でもLINEのペアのアイコンは変わっていないんです。彼はいまどんな気持ちなのでしょうか?私はどう対処するのが正しいのでしょうか?」彼は受験が相当プレッシャーになっているんでしょうね。相談者様のお悩みについて一緒に考えてみましょう。■彼の気持ちとは・・・現在の彼の気持ちとしては、受験への焦りや不安でいっぱいなのだと思います。ましてや夏に思う存分勉強ができなかったのであれば、「何であのとき勉強しておかなかったんだろう・・・」「受験に失敗したらどうしよう・・・」と後悔とストレスで苦しんでいるはず。LINEのペアアイコンを変える時間すらもったいないと感じているのかも。それに彼の態度からしても、相談者様にイライラしているのは確実ですよね。きっといまは寝る間も惜しんで受験勉強に励んでおり、恋愛まで考える余裕がないのでしょう。■そっとしておく以外にできることはない相談者様がいま何をしても、ただ彼を怒らせるだけになってしまうのは間違いないでしょう。これまでの言動を深く反省し、彼の大切さに気がついたのであれば受験が終わるまでは何もするべきではありません。それが相談者様の唯一できることであり、彼がいま一番望んでいることです。それにここまで避けられているのに、まだ電話をして彼への気持ちを聞こうとするのはよくないですよね。彼の将来がかかっている大事な時期なのですから、いまはそっとしておきましょう。■話し合いは受験が終わってから相談者様は「このまま彼と別れたくないという思い」が強いはず。今後についてきちんと話し合いたいのであれば、彼の受験が終わってからにしましょう。そのときはいままで彼を怒らせてしまったことなどをきちんと謝るべき。ただ、いまの状況からすると彼ともう一度やり直すのはかなり厳しいと思います。もし彼から「別れてほしい」と言われたときは、相手の気持ちを尊重してあげることも大切でしょう。■おわりに優しかった彼がここまで怒るなんて、きっと相当のことだと思います。まずは受験が終わるまで、彼とは一切かかわらないようにしましょう。彼の気持ちが落ち着いたところで、話し合いの場を設けるようにしてくださいね。(和/ライター)(ハウコレ編集部)
2016年12月30日【ママからのご相談】小学6年生の子どもがいます。中学受験に向けて塾に通わせていますが、家では私が勉強を見ています。勉強を始めた時期がほかの家に比べて遅かったので、勉強時間は長く取るようにしています。しかし、勉強時間が相当長いのに、なかなか成果が出てきません。子どもは一生懸命に取り組んでいますが、このままだと受験に間に合わないし、折れてしまわないか心配です。●A. やみくもに学習するのをやめて、優先順位付けをご質問ありがとうございます。学習アドバイザーの佐々木恵と申します。一生懸命勉強しているのに成果が出ないと、お子さんはやる気を失ってしまう可能性が高くなりますし、質問者さん自身も不安やイライラが募ってしまい、ぶつかり合ってしまう危険性もありますね。ここで多くの方が、「もっと勉強時間を増やせば伸びるはず」と、さらに勉強時間を増やして、さらに疲弊してしまうという落とし穴にはまります。穴から抜け出すには、勉強時間を伸ばす以外の解決策 が必要になりますが、一体どうしたらいいのでしょうか?●やみくもに学んでも効果がない理由『パレートの法則 』をご存じでしょうか。『社会現象は平均的に分散しているのではなく、偏りがあり、主要な20%が全体の80%に影響を及ぼしている』というものです。勉強時間は長いのに成果がなかなか出てこない人は、やみくもに学び「すべての範囲を完璧にしなければ!」と考え、全てを均等に頭に入れようとします。すべての範囲をまんべんなく学ぶこともとても重要ですが、短時間で高得点を得ようと思うなら、重要な2割を重視して勉強する 必要があります。それで8割の得点を得られるのなら、理想的ですよね。特に、合否を判定する試験では、満点を目指す必要は全くありません。完璧を目指すというよりも、できるところを確実に解き、ほかの人ができるところを間違えずに着実にとり、プラスアルファで点数を積み上げていくことが求められるでしょう。このことからも、優先順位付けがいかに重要か、ご理解いただけると思います。●優先順位付けのコツは“過去問”にありまんべんなく学習するのではなく、重要なところだけを優先して学ぶ方が効率的ですが、問題はその方法ではないでしょうか。受験のプロではない親御さんには、どこが重要かそうでないかの判断は難しいでしょうし、そこまでのことは必要ないでしょう。そこで、活用したいのが、受験校の過去問 なのです。過去問には、重要事項が詰まっています。早い時期に過去問に触れておけば、受験校の傾向と対策を知ることができるので、受験校が何を重視しているかがわかるのです。過去問は直前まで取っておいて、実力試しにする方が多いですが、それではもったいないのです。過去問を有効活用することで、優先すべきポイントがわかるようになるのです。----------勉強時間が長いのに、うまく成果が出てこない人は、一度“まんべんなく”主義を捨てて 、過去問から傾向と対策を分析してみてはいかがでしょうか。本当に必要なところをしっかり学び、モノにすることで自信もつくはずです。ぜひ実践してみてください。【参考文献】・『勉強の技術 すべての努力を成果に変える科学的学習の極意』児玉光雄・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年11月27日俳優の阿部サダヲが、来年1月スタートのTBS系金曜ドラマ『下剋上受験』で主演を務め、父親役を演じることが22日、明らかになった。母親役は女優の深田恭子が演じる。中卒の父と偏差値41の娘が、受験塾にも行かず二人三脚で最難関中学を目指した、桜井信一による同名の実話を基にした書籍をドラマ化。この実話をもとに、小5の夏から中学受験に挑むまでの約1年半にわたる家族の奮闘を描いていく。主人公の桜井信一を演じるのは、『誰よりもママを愛す』(2006)以来10年ぶりのTBS連ドラ出演となる阿部サダヲ、信一の妻・香夏子を演じるのは今年1月期に放送された同局のドラマ『ダメな私に恋してください』で注目を集めた深田恭子。2人の娘で偏差値41から最難関中学を受験することになる娘・佳織役には、山田美紅羽がオーディションで250人の中から選ばれた。そして、東大卒で大手ゼネコン2代目社長という対照的な経歴を持つ信一の同級生・徳川直康役を要潤、中学受験経験者であることからアドバイザー的役割になる信一の職場の後輩・楢崎哲也役を風間俊介、信一の父親で中卒叩き上げの大工・桜井一夫役を小林薫が演じる。さらに、信一の中卒仲間に若旦那、皆川猿時、岡田浩暉、川村陽介、佳織の担任に小芝風花が決定した。このたび、阿部、深田、山田の3人が、中学受験をテーマにしたドラマにちなんで、学問の神様としても有名な湯島天満宮で番組のヒット祈願とすべての受験生の合格祈願を行った。3人はお祓いを受けた後、絵馬に願い事を書き込み奉納。山田が『下剋上』の"剋"の字を間違えてしまうハプニングもあり、父親役の阿部は「まるで台本があったかのような間違いだったね」と笑っていた。阿部は「お受験をテーマにしたホームドラマなのですが、スポ根ドラマのような熱いイメージがあります」と話し、香夏子役の深田について「お母さんという印象があまりないと思うんですが、リハーサルでの立ち居振る舞いを見て、どこかにいそうで楽しそうなお母さんっていうイメージが湧いてきました」とコメント。「このドラマは、"絶対に諦めない"が一つのテーマだと思います。自分自身もそういう思いで役者になり、『こうなりたい』と思っていた事を少しずつクリアしてきました。桜井信一という役を通して、そういう思いを伝えていきたいですね」と語っている。深田は「"俺塾"という言葉が出てくるのですが、私は"阿部塾"として、阿部サダヲさんのもとで一緒にお芝居できる空間を楽しみにしています」と期待を示し、「現代なのですが、何故か懐かしく感じるこの温かい家族の中で、妻として、母として、奮闘していきたいと思います」と宣言。そんな2人の娘を演じることについて、山田は「最初はすごく興奮して、あいさつのときから緊張していましたが、一緒に演技をしていてすごくおもしろく、引っ張って行ってもらっている感じがします。それに負けないようにがんばりたいと思います!」と話している。(C)TBS(C)産經新聞出版
2016年11月23日こんにちは。ハロウィンが終わったとたんにはじまるクリスマスモード。家の飾りも手抜きになってきているフリーママライターの横山かおりです。最近幼稚園のママたちのあいだで話に出るのが、“引っ越し”。小学校入学前に引っ越しを考えている家庭が多い ようです。そこで今回は子連れで実際に引っ越しをしたママたちに、気をつけるポイント、注意してみるポイントを聞いてみましたのでご紹介します。●(1)医療費や補助金の有無『妊娠中に引っ越しをしたため、あまり知識がなかったのが悪いのですが、都内から近隣の県に引っ越しをしたら医療費が1歳から有料に !都内だったらまだ無料だったのに……。よく考えれば良かったです』(1歳女の子のママ)『区によって幼稚園の補助金が全然違う!入園金も毎月の補助金も違う ので、そこもよく考えておくべき』(3歳と5歳女の子のママ)これはある程度子育てをしていないと分かりにくい問題なのですが、県や区の自治体によって補助金などはかなり変わってきます。細かいことを言えば、予防接種の負担金額なども。手間はかかりますが、金銭的な問題はとても大切なのでよく調べてみましょう。●(2)ママたちの雰囲気『いままで都内の中心部に住んでいたのですが、マイホーム購入のために都外へ。ママたちの雰囲気の違い にいまだになじめずにいます』(2歳男の子と4歳女の子のママ)『夫の転勤で関西から都内へ。ママたちが毎日オシャレでキラキラしていてついていくのが大変です。必死に頑張っています』(5歳男の子のママ)引っ越し前に近隣のママたちの雰囲気を見ておくのも重要!実際に子どもがいるなら、試しに近くの児童館などに行ってみてもいいですし、近くのスーパーなどを見てみてもなんとなく雰囲気はわかります。自分に合いそうなママ友のエリアなのかどうかは、今後生活していく上で大切なポイントです。●(3)近隣幼稚園、小学校の評判『引っ越した先に良い幼稚園がなくて 悩んでいます。園バスもあまり出ていないので通園が大変そう』(2歳女の子のママ)『近くの小学校はほとんどの子が中学受験をするので、迷った末わが家も中学受験をすることに!まぁよかったかなとは思いますが』(小学校2年生と4年生の女の子のママ)子連れで引っ越しをするうえでもっとも大切なのは、子どもの幼稚園や小学校の問題。どこにどんな幼稚園や小学校があるのか、その評判はどうなのかなど事前に調べておく必要があります。小学校まであがると中学への問題も出てくるので、先が長い話かもしれませんが、周辺の学校などはしっかりチェックしておきましょう。----------子連れで引っ越しをするときは考えなくてはいけないポイントがたくさん。大変かもしれませんが、家族みんながより良い生活をするためには引っ越し先の情報をしっかり調べておきましょう!●ライター/横山かおり(ママライター、元モデル)●モデル/神山みき(れんくん)
2016年11月13日「小学校受験」の世界…、経験のないママたちにとっては、なかなか知ることができません。「受験用の教室に通わないと合格できないの?」「とても高額な費用がかかるのでは?」、さらには「子どもにとってストレスなのでは?」という憶測を耳にすることもあります。実際に子どもの小学校受験を経験したママは、どんな感想を持っているのでしょうか。現在7歳の長男S君の小学校受験を経験したA子さんに聞きました。小学校受験はお金がかかる?私立幼稚園に通うS君は、幼稚園に入園後、小学校受験のための体操教室と塾に通っていたそうです。塾では工作を習ったり、ペーパーテストの勉強をしたり。教室も塾も、どこの学校の受験に強い(情報を持っている)といった傾向があるそうです。それにしても、お受験準備はお金がかかりそう。そっと、「毎月の出費はどれぐらいだったの?」と聞いてみました。「10万円はかかっていたと思います。夏期講習などの時期は、月20万円の出費もありました」。お受験教室では、こんなことが学べる!小学校受験のためのお教室通いと聞くと、「小さいうちから詰め込みで大変そう」という固定概念を持っている人も多そうですが、A子さんいわく、「息子は、教室が楽しくてたまらないという感じでしたよ。たとえば、『あ』がつくものの絵を描いてくるというような宿題が出るのですが、帰宅後すぐに取りかかるほど大好き。塾では、絵を描く楽しさを教えてもらったようで、今でも絵が得意です。友達に会えるのも楽しんでいましたし、ペーパー上のお勉強も、喜んで取り組んでいました。塾の先生も言っていましたが、子どもの脳は、本来学ぶことが大好き。『わかった!』という体験をすると喜ぶようになっているそうです。教室では、面接対策として、自己表現や発表の練習もあります」。小学校選びは、幼稚園年少からスタート!?さて、本格的な小学校受験の準備は、志望校を絞ることからスタートすると思うのですが、いつ頃から動けばいいのでしょうか。A子さんは、「息子が幼稚園年少から少しずつ説明会に参加しはじめ、年中で一番たくさん参加し、年長では、最終確認でしたね」とのこと。旦那さんをメインに、合計10校以上の説明会に参加したそうです。志望校選びは、子育てを考える好機「子どもが幼稚園の間に、夫婦で教育方針について、きちんと考えておいた方がいいと思います」というA子さん。まずは、小学校から始まる学校選び。家から近い公立校にするのか、または受験して、国立の付属校、あるいは私立校にするのかという選択肢があります。私立校であれば、中学や高校進学のタイミングで外部の学校を受験することを前提とする進学校にするのか、あるいは学内の基準を満たしている限り、内部進学でエスカレーター式に大学まで進める学校にするのかといった選択肢があります。もちろん、私立校は校風がさまざまですので、どの学校の教育方針がしっくりくるのか、学校説明会などで確認する必要があります。私立校を選ぶときは、ついつい無理をしがちになるようです。たとえば、遠方なのに「これぐらいなら通える」と思ってしまったり、子どもの学力や性格に合っていないのに、「ラッキーなら入れるかも」と思ってしまったり。でも、6年間通うのですから、無理をしているとあとで苦しむのは子どもです。A子さんも、「選考試験が自分の子どもに向いているかどうかは、入学してからも、その子の個性を認めてくれて、『いい子だ』と思ってもらえるかどうか。向いている学校に出会えればそれが一番幸せで、子どもの力を伸ばすことにもなると思うのです」。親が入れたい学校と、子どもに合う学校は違うこともあるので、とにかく無理は禁物ですね。受験を目指すママへのメッセージ先輩ママのA子さんから、受験を目指すママへのメッセージをいただきました。「子育て全般に言えることですが、『わが家にとってどうなのか』を見失わないことが一番大切かと思います。受験をすると決めたら、親が余裕をもった準備計画を立てること。ゆとりをもって、穏やかな気持ちで本番を迎えられるように、こつこつと準備を進めていってください。小学校受験は大変だったものの、懐かしく良い思い出になっています。受験準備を通して、家族の絆も深まりますし、子どもの今後の力にもなりますから、前向きに取り組んでくださいね」。小学校受験は、いつから準備して、出費がどれぐらいなのか、もちろん個々の家庭や住んでいる地域などによって事情は異なりますが、少なくとも首都圏では、本当に行きたい学校がある場合は、何らかの準備をすること、それなりの出費があることを覚悟した方がよさそうですね。「親が子どもに寄り添っていれば、子どもにとってプラスの経験になる」というA子さんの話は、とても参考になりました。<文:フリーランス記者鯰美紀>
2016年11月03日不登校の娘が中学へ進学。さて、何から準備すればいい?出典 : アスペルガー症候群の診断が出ている娘は、小2から不登校です。6年生の夏休みが終わり、もうじき卒業を考えなくては…と思った私は、早めに中学校へ見学に行こうと考えました。小学校の先生に「娘が小学生のうちに、中学を一緒に見学したい」と希望したところ、なぜかスクールカウンセラーと面談することになりました。9月になり、娘が通う予定の中学校に、まずは私だけで伺いました。ちなみにそこは私の母校でもあります。スクールカウンセラーの方はとても話しやすい雰囲気で、不登校の経緯、肌の過敏性のために制服は着られないかもしれないこと、本人に通学の意思はないけれど「1日だけ行ってみたい」と言っていること、私もそれで了承していることを話しました。娘が行く気になったときに、すぐ受け入れてもらえるよう、登校した場合の打ち合わせを、今度は保健教諭や生活指導の先生とすることに。カウンセラーの方の話によると、空いた教室を使って別室登校している生徒がいること、その子たちは休み時間を外して登下校しているとのことでした。不登校の子たちの様子やスクールカウンセラー室の様子がわかり、なかなか有意義な訪問となりました。いよいよ中学の校長先生と面談。これまでの経緯を伝えると、思いもよらぬ言葉が…!出典 : その後、卒業式を目前に控えた2月に、私1人で中学校の校長と面談をすることになりました。不登校の経緯、発達診断の結果、学校への要望をまとめた資料を持参して、以下のことを話しました。●小学校3年のときに支援学校に転籍したけども、それが決定的な心の傷になって学校へ完全に行かなくなったこと●勉強は全くしていないこと●心が辛いと身体症状が出ること●本人には通学する意思がなく、私もそれを認めていることすると、校長先生からこんな言葉を投げつけられました。「子どもはどんどん成長するからねぇ、刺激を与えないとこのままではだめだね。お母ちゃん、1人で考えてない?市の教育サポートセンター行ってる?勉強はさせてないの?まったく?そりゃあかんわ~。でもお母さん、学校に通わせる義務はあるんですよ。まぁ、子どもさんが無理なときはしょうがないですけどね。通信制っていいはるけど、そんな簡単に入れませんよ。学校への希望に、勉強や学校の話はしないでくれって書いてますけど、これは無理ですなぁ。小学生じゃないんだから、ちゃんと刺激も与えないといけませんし。甘いことは言ってられませんよ。小学校じゃないんですからね。本当は支援学級に入ってもらった方がいいんやけど。欠席連絡はね、担任と話し合ってください。担任が納得せんと、私らは何も言えませんから。」出典 : そして、最後に感覚過敏があって着られる服に限りがあることを話すと、「それはお母ちゃん、甘やかしすぎやわ。週に1回くらいは靴下と靴履かせてどこか通わせなぁ」こうして、校長先生のあまりにも一方的な言い方に、私はすっかり落ち込んでしまい、それから3日間寝込んでしまいました。その後、すがる思いで普段相談に乗ってもらっている親の会へ、校長先生との話を相談しに行ったのです。私が参加しているのは「登校拒否を克服する親の会」です。参加して4年ほどですが、ここには大阪府の組合に参加している教員、現役の先生なども参加し、親たちを支援してくれているのです。娘のことをよく知る教育相談のA先生に、中学校での話をするととても驚き、「これはひどい。僕も同席してまた一緒に話しに行こう」と言ってくれました。2度目の話し合い。すると、中学校側の態度に変化が出典 : 中学校の始業式の前日に、A先生についてきてもらい、中学校へ話し合いに行きました。前回、校長先生と話したのがよかったらしく、学年主任をはじめ、学年の先生全員が出席する中での話し合いとなりました。小学生のときから私が更新しながら作っている、「不登校の軌跡と娘の特性、学校へのお願い」という資料を回覧してもらいながら、資料の内容を口頭でも説明しました。この資料には時系列で以下の内容を書いています。【生育歴】・家庭環境(幼少期〜現在まで)・人生の大きな節目(離婚やいじめなど)、その時の娘の気持ちなど・娘の学校との関わり(小1~現在まで)【学校に把握しておいて欲しいこと、お願い】・発達障害の診断が出ていること、神経症で通院していること・欠席の連絡はしない(行くことがあれば連絡する)・学校からの連絡は月2回程度にしてほしい・子どもと会ったときには登校刺激をしないように・役員の仕事はできない(親も障害があること、コミュニケーションが苦手で繊細であること)出典 : この資料は、毎回説明するのが大変なので、娘が小学生の頃からずっと私が書き溜めていたものです。子どものことや家庭環境を1から説明し、理解してもらうことは、大変な労力が必要です。先生方は、口をはさむこともなく、時々質問を挟みつつも黙って真剣に私たちの話を聴いてくれました。校長先生と最初に話した時には、「単なる甘えでは?」という否定的な印象がありましたが、この資料と話し合いにより、少しだけ理解が深まっているようでした。学校の方針としては、私の希望通り娘のペースで、娘が会いたいときに担任やスクールカウンセラーなどに会ってみる、登校刺激、勉強刺激はしないということで、小学校と同じようなペースで過ごせそうでひと安心しました。A先生は、私が学校への希望を言い忘れていることを指摘したり、先生方に「お母さんとの間に誰か立つ必要があれば私がやりますし、みんなでこの子のことを考えていきたいと」言ってくれました。A先生のおかげで、落ち着いて話すことができて、本当によかったです。学校との連携は、1人で抱え込まないで。早めの相談でスムーズな入学準備を出典 : 我が家は母子家庭ですが、こうした学校との連携の際は、親の会の情報によると「学校は母親の話を割引いて聞くから、親の会の支援員や夫と一緒に話し合いの場を持つと良い」のだそうです。その理由は、「母親は子を思うあまり、感情的で大げさに話をする傾向がある」と思われているからだそう。また学校にもよると思いますが、話し合いの場では主に付き添いの人(夫や支援員)の方が、話が通りやすいそうです。中学進学については、主治医からもアドバイスをもらいました。「学校の先生は、学校に来てもらうことを前提に考えているので、娘さんの辛さがどこから来ているのか?丁寧に説明しないとわかってもらうのは難しいでしょう。学校から要望があれば、私が学校の先生と直接話します。」と言ってもらい、ホッとました。A先生は、小学校と中学校の引継ぎについても教えてくれました。以下は、私の住んでいる地域の場合の例です。●小学校と中学校の引き継ぎが行われるのは、小学校の卒業式の次の日●中3の担任がそのまま中1の担任になる●この場で、いわゆる問題のある児童などの報告も行われ、それを踏まえてクラスや担任を決める●正式なクラス分けは4月3日頃に決まる●この時期に小学校へ「中学校と話し合いの場を設けたい」と依頼すると学校側もタイミングが良いこれからこうした話し合いに行く親御さんは、覚えておくと役立つこともあるかと思います。最初にしっかり話し合っておくことが、トラブルを防ぎ、親と子の不安軽減にも大きく役立ちます。辛いこともあるかもしれませんが、しっかり準備して臨みたいものですね。
2016年10月28日【ママからのご相談】こんにちは!中学受験を控える小6女子の母です。子どもが幼稚園~低学年くらいまでは特に意識することなく、のほほんと暮らしてましたが、中学受験では保護者を交えた面接もあって、最近は自分自身の語彙力や知性の無さにうんざりしています。結婚前はお勤めも少ししていたのですが、学歴も自信も無いし、面接で娘以上にオドオドしてしまいそうで不安。知性なんて簡単に身につくものではないってわかってますけど、雰囲気だけでも賢そうに、落ち着いて見えるテクニックなんてありませんか(笑)?あまり勉強せずダラダラ生きてきたことが、こんな風に自分や家族の足を引っ張るとは思いもよりませんでした。ちなみに娘は私に似ず(主人似)成績優秀で、筆記試験の方はほぼ合格間違いなしと言われています。あああ~~~(泣)。●A. 気品高く、色気も失わず。これから知性派を目指すならお手本は壇蜜さん!こんにちは!ライターの月極姫です。娘さんの中学受験のサポート、お疲れ様です。学校によっては両親の学歴や面接時の受け答えが合否に関わるなど、なかなか厳しい現状があるようですね。さて、今回は知的な女性に自己変革したいということで、おそらくご相談者様と同年代であろう壇蜜さんをお手本にして考えてみたいと思います。いきなりハードルが高い!と思われるかもしれませんが、壇蜜さんだってもともとは普通に受験勉強に励む女の子だったのです。それがどのようにして、知性派セクシータレントになられたのか気になりませんか?では、ちょっと厳しめになるかもしれませんがビシビシまいります。●知的オーラの素その1:努力・禁欲壇蜜さんの奥深い知性の裏には、ひたむきに努力する姿勢と抑制の効いた生き方があるようです。有名女子大の英文科卒で、教員免許をはじめさまざまな資格を所持する勉強家。著書『エロスのお作法』の中でも、『ほどよく抑制された子ども時代が現在の自分を形作っている』と述べられています。堅実なご両親のもと、真面目に勉強に取り組む学生時代を送られたようですね。かといってご相談者様に、娘さんと同じ受験勉強は今さら必要ありません。しかし、どうかアレルギーを起こさずに聞いてください。“学ぶ努力・実践”なくして知的オーラは出てきません 。まず今からでも、読書をする習慣を身につけてください。興味関心を広く持ち、疑問を抱いたことは何でも調べてみましょう。ちょっとした隙間時間に、スマホをいじったりゲームをしたり漫然とテレビをみるだけではなく、学びたいことや打ち込めるものを探してください。また、過剰な自己顕示欲にも気を付けなければなりません 。日ごろの知的研鑽を「私こんなに頑張っているの!」とお友達にひけらかすのはやめてください。ストイックになりたくてもなれない人は多いもの。そのような自慢話は、誰も聞きたくありません。“他人が見ていない場面で、評価を求めずにどれほど学んでいるか ”。これが知的オーラの度合いを決めるといっても過言ではないのです。●知的オーラの素その2:色気・ギャップ砂糖の甘みが微量の塩で強調されるように、“色気”があってこそ知性が引き立ちます 。壇蜜さんに美貌や美しさが無かったら、世間はその裏に隠された知性に注目すらしなかったでしょう。例えばご相談者様の学生時代、勉強ばかりで恋や遊びとまったく無縁のクラスメイトが1人くらいいませんでしたか?失礼ながら、その子は「成績がいい」というイメージはあっても「知的」というイメージとはまた違ったのではないでしょうか?言葉は選ばなくてはなりませんが、色気カサカサの“ガリ勉”タイプに、多くの人は魅力や知性を感じない ものです 。ガリ勉は試験・受験を突破するスキルに優れていますが、世間慣れした感じがせず、視野が狭そうなイメージを与えてしまいます。人間は決して見た目で価値が決まるものではありませんが、「小ぎれいにしておいた方が皆が良い気分になる」「世間は美しいもの、セクシーなものに対して優しい」という真理をよく知った上で、自分の外面も磨いている人こそが「あ、頭いいな」という印象を与える ものです。「セクシーなのに頭が切れる」「かわいいけど賢い」。このギャップが重要です。まず「キレイ、かわいい」ありきで、その奥の意外性として知性が光っている状態を目指しましょう。●知的オーラの素その3:聞き上手雄弁を通り越して、無駄口が多くなっていませんか?人の話を聞くよりも、主張することに快感を覚えるようになってはいませんか?控えめなコミュニケーションスキルも、知的オーラを醸し出すための武器になります。知的な人は聞き上手 なのです 。壇蜜さんは夜のお仕事で接客業をされていたことがあるので、この点は一般的なママさんたちにとっては縁遠い世界かもしれませんが、人をよい気分にさせる会話術というのは「ただ引き立てるだけ、聞いてあげるだけ」というのとはまた少し違います 。ふと意見を求められたときに言葉につまるというのも困ったもので「頭からっぽ」な印象を与えてしまいます。日ごろから見聞を広げ、自分の確固たる考え方を持ってこそ、人の立場を理解し、落ち着いて傾聴し、自分の考えも的確に述べることができるのです。さらに女性らしさを保つためには、理屈だけで押し通すのではなく、自然な形で自分の感情も交えることも重要 です 。「私はあんまりそれ好きじゃないけど、なんとなくわかるわ」とか「体験したことないけど、そういうの興味あるな」とか、背伸びせずかつ柔軟さを感じさせる姿勢も「賢いな」という印象を与えるものです。●知的オーラの素その4:慎重さ壇蜜さんは意外に浮いた話が少ないことでもよく知られており、「1年間はお付き合いしてみないとわからないことが多いので、スピード婚は考えられない」という発言もしています。こうした控えめさ、慎重さも知性を裏付ける重要な要素 です。いくら美人で有能な女性でも「ハデでキレイで交際の噂が絶えない」となると単なる遊び人扱いとなり、高級感が失われてしまいます。たとえば既婚の方であれば、不倫行為が絶えなかったり、またそうした不倫の話をお友達にペラペラ自慢げに話したりするようではアウトです。男性にも女性にも丁重に扱ってもらえるようになるには、まず自分自身が自分を大切に扱うこと 。嫌な環境に身を置かない、良い意味で妥協しない。人間関係においては柔軟さも大切ですが、相手によって距離感を維持することも忘れてはなりません。誰にでも図々しくグイグイ迫っていったり、自分の心の扉を不用心に開けすぎるのも考えもの。どんな方とお付き合いしてもブレない部分、譲らなくてよい部分というのはありますよね。しっかりと芯を持ち、自分らしさを失わないよう慎重に行動しましょう。----------いかがでしたか?知性は一日にしてならずですが、今からでも遅くはありません。お子さんが大きくなるにつれて“お母さん”としての責務は少しずつ減っていきます。いずれ“空の巣症候群”になってしまわないためにも、自分自身の外見と内面を充実させて知的な毎日を送ってみてはいかがでしょうか?【参考文献】・『エロスのお作法』壇蜜・著●ライター/月極姫(フリーライター)●モデル/倉本麻貴(和くん)
2016年10月27日制服はいらない。娘なりの中学校入学準備出典 : 前回は不登校の娘と迎えた、小学校の卒業エピソードをご紹介しました。(以下、関連記事参照)今回はその合間にあった、中学校入学準備のエピソードからご紹介したいと思います。2学期の終わりの家庭訪問で、娘は担任から「小6の2学期に中学の制服採寸会がある」と聞かされました。「どうする、制服いる?」と私が聞くと、「先生、私の行く中学の名前を教えて」といってパソコンで検索をし始めました。そして、制服の画像を出してきて「これやったらいらんわ」といったのです。そして私に「体操服もいらん。またそのとき考えよう」と言いました。おそらくどんなデザインであろうと制服はいらなかったのでしょう。感覚過敏の彼女は、制服どころか普通の服装もままならない状態。制服は無理だろうと私も思っていました。そして娘は、自分なりに中学校との距離の取り方を既に考えていました。「入学式は行かない」、「中学生の間に1回くらい行ってみたい」と通学する意思がないことははっきりと言っていました。だから「制服はいらない」といったのだと思います。正直、制服姿が見たかった私ですが、彼女にとって制服は重荷になるだけだと思ったので、もし「学校に行きたい」ということがあればその時に購入したらいいと考え、一切買わないことにしたのでした。小学校を留年したいと言う娘。その真意は…出典 : 小6の3月のことです。娘がふと「小学校と中学校はだいぶ違うの?」と聞いてきました。「そうやね、だいぶ違うね。」と答えると、「小学校を卒業するの不安。留年できたらいいのに。」と言ったのです。ああ、中学校という新しい環境に入るのがとても不安なんだなと改めて感じました。最初は本人も、「どうせ通わないんだから、今までと何も変わらない」と言っていたのです。しかしだんだんと不安になってきたらしく、「中学校の先生ってどんな人だろう」など中学校のことをいろいろ聞いてくるようになりました。そして、「私はまだ小学生をクリアしていない」と言ったのです。小学校の勉強ができていない状態で、中学校に進学するのはとても怖かったようで、小学校をクリアしないと、中学校に行ってはダメだと思っているようでした。「中学へは行かない」と言っていても、心は乱れ思い悩んでいたのだな、と気付かされました。入学式当日、親子で感じた中学進学への未練出典 : あらかじめ中学校には「入学式には出席しません。学校に通う意志もありません。」と私から言ってありましたので、入学式はのんびり家で過ごそうと思っていました。でも娘は朝から熱が出て苦しそうにしています。私も頭がガンガン痛くなり、頭では切り替えたつもりでいましたが、やっぱり親子して入学式を心から追いやるのは難しいな、と感じました。結局この日は、2人して1日中寝込んで終わったのでした。不登校児にとって、進学時期はどういう心理になるのか?出典 : 娘と共に小学校卒業、そして中学校の入学を経て、ふと思い出した話があります。これは、中学校の教員から教育相談の相談員になった先生に聞いた話です。小6や中3といった、進学を控えた学年になると、急に勉強を始めてみたり、3日くらい頑張って学校に行ってみる不登校の子が、増えるそうです。「次は中学だ」、「次は高校だ」ということを意識すると、子ども自身も学校に行っていないことを気にしますし、なんとか「自分はやれる」ということを証明したくて、いろいろチャレンジしてみるのですね。子どものなかでは「進学したい」という気持ちもあります。「小学校は行けなかったけど中学こそ」「中学は行けなかったけど高校には行きたい」…こういう気持ちがあるのも、子どもの心の中では本当のことなんです。だけど、「人並みに進学したい」という気持ちの裏には、「でも行きたくない」という本心が隠れていることが多いです。そして、心のエネルギーがついてこないので、何日かは無理に行ってみたものの、やっぱりダメだったと落ち込んでしまうことが多いそうです。親は子どもの表面的な言葉や行動を見て、「やっとやる気になったのね」と期待するので、また行かなくなった我が子を前に、傷口に塩を塗りこむように責め立てることも多いのだとか。娘も、小5の終わりくらいから「学校って楽しそう」「学校へ行ってみようかな」という言動が目立ちました。けれど、放課後ちょっと学校に顔を出しただけでもダメージはひどく、先生の家庭訪問に合わせるように睡眠リズムが乱れ、当日には必ず寝ている状態でした。私はこの話を思い出し、娘の行動や気持ちにこうした変化があっても無理をさせずに済み、良かったと思っています。進学は子どもも不安。小6、中3といった時期は気を付けて出典 : 不登校の子どもは、進学を控えるととても不安定になります。人並みに進学したいという気持ち、でも行きたくないという気持ち、親や周りの期待に応えたい気持ちで揺れ動いています。1番苦しんでいるのは子どもだということを忘れず、進学を区切りに無理に次のステップに押しやるような言動は、やめてあげたいものですね。子どもたちが本当に動きたくなったときは、どれだけ親が止めても動き出します。それまでは親も辛いですが、子どもを「信じて、任せて、待つ」という気持ちを忘れないでいたいものです。
2016年10月21日中学受験を志したら、やはり重視するべきは塾選びという方も多いでしょう。指導内容や合格率、塾の校風やわが子と先生との相性など、気になることばかり。何を基準に選べばいいのか悩ましいところです。第一志望の学校に合格できるよう、計画的に進めたい中学受験。実際にわが子が中学受験に挑戦したママたちの意見を参考に、進学塾の選び方と大手進学塾・個別指導の特徴をご紹介します。■中学受験を意識するのはいつからがベスト?中学受験はいつから意識すべきでしょうか。本人に受験への意識が芽生える時期はさまざまです。小学3年生から中学受験に強い地元の大手進学塾に通わせたというケースもあれば、小学6年生の夏期講習から個別指導塾に通いはじめて無事第一志望に合格したというケースも。こればかりは正解はありません。とはいえ、一定のラインはあるようです。「6年生でスタートするのは遅かった」進学塾の中学受験専門クラスでは、学校で学ぶ勉強は5年生までに完了します。これは、6年生からは受験に向けた勉強をはじめるためだそう。中学受験合格には、受験に特化した勉強が必要なので、教科書通りの進度では間に合わないのです。6年生で塾に入ると、学校で学んでいないところをカバーするのと同時に受験対策をしなければならないので、子どもの負担は大きくなります。とはいえ、あまり中学受験に取り組むのが早すぎると、集中力が続かず受験への意欲が弱まる場合もあるよう。「3年生からスタートしたが、結局公立中学に進んだ」という声もあるくらいです。親が必死でも本人の気持ちがついてこられず、結果的に受験に失敗してしまったり、本人が受験を望まなくなってしまうこともあります。これらのことを踏まえると、勉強の難度が上がる4年生や5年生に進級する前に準備をはじめるのがベターといえそうです。■大手進学塾or個別指導。それぞれの特徴とわが子との相性は? 学校さながらのクラス数や生徒数を誇る大手進学塾と、ひとりひとりに丁寧な指導をおこなうことを売りにしている個別指導や少人数制の個人塾。わが子にとってベストな塾を選ぶポイントはどこにあるのでしょうか。<大手進学塾の特徴>大手進学塾の最大のメリットは合格実績の多さです。過去に大勢の生徒を合格させているため、学校別の対策や試験のポイントなどをしっかりとおさえています。そのため、受験へ向けての万全なカリキュラムが組まれ、一生懸命ついていけばそれ相応の実力も伴います。また、競争率が高く仲間と切磋琢磨して勉強に取りくむことができるほか、同じ学校を受験するもの同士が支えあい励ましあって進められます。ただし、先生ひとりに対して大勢の生徒がいるため、質問ひとつするにもひと苦労という声も。 「授業後、質問に押しよせる生徒で先生の前に長蛇の列ができる。うちの子はおとなしい性格なので、質問できずに帰ってくることが多かった」(35歳/5年生女児ママ)「途中でわからなくなってもそのまま授業が進んでしまう。定期テストの成績で席順が毎回変わり、落ちこぼれるとクラスも下がってしまう。娘にはストレスになってしまったようだったので退塾しました」(37歳/4年生女児ママ)上記のように、人数が多いことによるデメリットを感じた人もいます。<個人塾や個別指導の特徴>個人のペースや学力に合わせて勉強に取りくめるのが個人指導や小規模塾のメリット。質問がしやすい環境でもあるため、「わからない」をそのままにすることも少なくなります。反面、受験勉強のペースが遅くなり、受験までに十分な勉強ができない可能性もあります。また、自主性を尊重するため「人と競争する」という感覚が得られず、モチベーションの維持が難しいのも難点のひとつ。「自分より優秀な人がいるという危機感をまったく持てず『わからないままでもいい』と言いだしたので、これはまずいと大手進学塾に転塾させた」(35歳/6年生男児ママ)というケースも。目標や高みを目指すといった意識が弱まることも。塾にはそれぞれ一長一短がありますが、総じて気をつけたいのは、・友だちが通っているから・自宅から近いから・月謝が安いから・老舗塾だから、ベテラン講師がいるからという、「安易」な選び方をしないことです。考え方や本人の資質によってデメリットがメリットになることもあります。わが子の性格や学力などに合わせて慎重に選ぶことをオススメします。小学校の6年間のうち、貴重な数年を勉強に費やし、その後の人生を左右する中学受験。簡単に決められるものではありませんが、本人に目指したいという気持ちがあるのであれば、わが子が楽しく、のびのびと受験勉強に取りくめるよう、できるだけのことをしてあげたいですね。
2016年10月17日わが子に中学受験をさせるかさせないか。子どもが小学4年生くらいになると、ふつふつと頭に浮かんでくる思いがあります。「もし、第一志望に入れなかったら?」実際、初めての挫折を味わったわが子にどう接すればいいのかと頭を悩ませる親も少なくありません。でも、 第一志望には不合格だったものの、結果的には中学受験自体を「成功だった」と感じている親もいるようです。なぜママたちは「わが子に中学受験をさせてよかった」と感じたのでしょうか。中学受験をさせたママたちの“第一志望不合格”に関するエピソードをご紹介します。■子どもが相談や悩みごとを打ちあけてくれる機会が増えた「中学受験をきっかけに、成績のことや受験に関する不安などを少しずつ話してくれるように。受験をしたことで親子の会話が増えて、関係が深まったと思います」(40歳 13歳男の子のママ)小学中高学年になると、成長の過程もあり、親と真面目な話をするのが恥ずかしいと思う子も増えてきます。学校や塾の成績の話を通して親子の会話がじょじょに増え、子どもの悩みや不安を知ることができたという親は以外と多いのです。コミュニケーションをとる機会が増えたおかげで、その後の学校生活の不安も、親に打ちあけられるようになったそう。■「1番じゃなくていい」と知って勉強が好きになった「娘は幼いころから成績が良かったため、“つねに1番でないといけない”と自分を追いつめるところがあったようです。中学受験に向けての勉強中はつらそうなときもありましたが、いまは“1番じゃなくていい”という安心感から、前より勉強が好きになったようです。自分の学力に合った私学に通い、いまはバレー部の活動に夢中。学校生活も楽しそうです」(41歳 12歳女の子のママ)勉強が得意な子どもほど、成績やテストの結果に対してプレッシャーを感じることは少なくありません。第一志望に不合格となり、第二志望の学校に通うことになったことで、“必ずしも1番でなくてもいい”ということを学ぶことができたようです。■「現状でがんばる」という気持ちを教えることができた「中学受験は本人が希望していました。でも、第一志望校は残念な結果に…。直後はひどく落ちこんでいましたが、すぐに気持ちを切りかえて受験を続行し、第二志望校は合格しました。受験によって心が強くなったのではと感じています」(43歳 13歳男の子のママ)自ら望み、努力もしたけれど、必ずしも結果が伴うとは限りません。大人になればそのようなことが山ほどありますよね。挫折を経験してもすぐに気持ちを切りかえ、与えられた場所で精一杯がんばるということを、身を持って経験することができたようです。■子どもが「本当に行きたい」と思う学校に入学できた「娘は親の期待に応えようと、圏内で最もレベルの高い学校を第一志望に決めました。しかし、オープンキャンパスで見た楽しそうな雰囲気やかわいい制服などで第二志望の学校にも未練があったようでした。第一志望は不合格でしたが、いまの学校生活にとても満足しているようで親としても満足です。偏差値重視で学校を決めさせていたら、入学後に勉強についていけず、さらに塾通いになっていたかもしれません。本人が生き生きと学生生活を送っていることがなによりのよろこびです」(42歳 13歳女の子のママ)中学受験をする子どものなかには、親の期待に応えようと受験をがんばる子もいます。学校のレベルだけで判断するのではなく、実際に通うわが子が楽しんで学校生活を送れるかを親も見極める必要がありそうです。第一志望に合格することはあくまでも目標です。不合格となったことが、決して人生のまちがいや失敗ではないということを、中学受験を通して感じてもらえたら、その受験は「成功」といえるのかもしれません。もちろん、中学受験を選択するしないに関わらず、習いごとや好きなことに集中できる環境を作ってあげるなど、子どもが成長するきっかけは他にもあるはずです。たくさんある選択肢の中で、子どもの意思を尊重しつつ、サポートしてあげたいものですね。(マムズラボ)
2016年09月21日『伝説の算数教室の授業』(宮本哲也著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者が経営する「宮本算数教室」への入塾方法は、「無試験先着順」。にもかかわらず、毎年、生徒の大半が開成、麻布、栄光、筑駒、駒東、桜蔭、フェリスなど首都圏の最難関校に進学するという実績を叩き出しているのだそうです。本書は、小3~小6、中学受験直前までの授業の実況中継に加え、これまで明かされることのなかった問題を含め、実際に同教室で使われているパズル、テスト問題を全種類網羅したもの。2006年の『超強育論』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を再編集して刊行した『宮本算数教室の授業』(同)に、『超強育論』の理論編から一部抜粋したものを加え、再々編集したのだそうです。では著者は、算数を教えることについてどう考えているのでしょうか?「はじめに」から、基本的な考え方を確認してみましょう。■子どもが算数を学ぶ目的はなにか著者は本書の冒頭で、「子どもに算数をやらせる目的はなんでしょうか?」と読者に問いかけています。もしも「いい中学に入れるため」と答えたとしたら、残念ながら0点なのだとか。なぜなら算数をやる目的はただひとつ、「賢くなるため」だからだというのです。では、なんのために賢くなるのでしょうか?それは「よりよく生きるため」。これは、「自分に合った生き方を見つける」ここといいかえることもできるそうです。当然ながら、自分に合った生き方は本人にしか決めることができません(著者は、親がかわりに決めるなどもってのほかだと主張してもいます)。だとすれば、そのために必要なのは「情報を取捨選択する力」と「条件を整理する能力」。そしてこの2つの能力は、算数によって高めることができるというのです。そして著者は、これ以外の目的を持つべきではないともいいます。中学受験の成功など、ささやかな副産物にすぎないもの。なのに、そちらにばかり気を取られて本質を見失うと、間違った方向に進んでしまいかねないから。■大切なのはやはりバランスである人生は二者択一の連続。「どっちに進むべきか?」という岐路に立ったとき、後悔しないためにはあらゆる情報を集め、優先順位を決めることが必要です。いうまでもなく自分にとって優先順位の低いものから消していくことになるわけですが、そうすればおのずと方向は決まるということ。このことを踏まえたうえで著者は、「私の授業の目的は子どもを賢くすることにあります」と断言しています。たとえばピアノの国際的なコンクールで入賞するためには、実績のある先生について、ひたすら練習をする以外にありません。水泳でオリンピックに出て優勝するためにも、実績のあるコーチのもとで、ひたすら練習する以外に方法はないでしょう。しかしどちらも、やればやるほど上達するというわけでもありません。大切なのは、健康であることと、自分の意思で練習に臨むこと、そのふたつのバランス。■算数のできる子はどんな子なのかこの考え方を算数に当てはめてみた場合、練習は計算練習ということになります。では、「算数のできる子」とは「計算が速い」「難しい問題をすらすら解く」子どもでしょうか? それは違うと著者。大切なのは、「どれくらい深く考えられるようになるか」だというのです。計算は正確でありさえすれば、それほどスピードは必要ないそうです。また、本当に難しい問題は、誰がやってもすらすらとは解けないもの。70ページの「究極の数理パズル」など、誰がやっても10分以内に解くことなど不可能なわけです。もちろん繰り返し練習すれば速く解けるようにはなるでしょうが、初見では無理。■大切なのは計算の速さではない!そして重要なのは、すらすら解ける問題を解いているだけでは、学力は向上しないということ。著者が教室で、できる子を見ていて感じるのは「集中力の高さと考える深さ」だそうです。そういう子は、いったん問題を解きはじめると決して顔を上げず、ノートの上で問題と壮絶な戦いを繰り広げるというのです。しかも、答えを出したとしても、そこで終わらないのだとか。むしろ勝負は、答えを出してから。つまり、自分が出した答えに誤りがないかどうか、あらゆる方法を駆使して確認するのです。これが、「大切なのは計算の速さではなく、考える深さ」ということの意味。■自分なりの価値観を持つのが大切事実、最近の中学入試算数では、レベルの高い学校ほど問題数が少ない傾向にあるそうです。だから速さなど必要なく、粘り強く問題に取り組み、時間がある限りひたすら見なおしをする。計算の速さは有効な武器にはならず、無理にスピードを上げようとすると、雑になるだけだということです。「算数の上達=賢くなる」。そして賢くなることとは、計算が速くなることではないという考え方。ましてや算数の点数が上がることでもなく、レベルの高い中学の入試問題が解けることでもなく、そういう中学に受かることでもないといいます。大切なのは、ものを考えることができるようになること。つまり、自分なりの価値観(=判断力)を持てるようになることが大切だというわけです。*こうした考え方に基づいた本書には、説得力のある考え方がぎっしりと詰まっています。「たし算パズル」「お楽しみテスト」「思考力アップ問題」「推理パズル」「ラストスパート問題」など、掲載されている問題もオリジナリティ豊か。子どものいる方であれば、一度、手に取ってみる価値はあると思います。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※宮本哲也(2016)『伝説の算数教室の授業』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年08月24日●連載の目次は こちら から●私立小学校受験を前提に話を進めてきたが、「国立大付属小学校を受験って、どうなんだろう?」と、気になるご家庭もあるだろう。幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんにお話を伺った■「受験対応校ではない」ということを念頭に!「国立小学校は、準教科担任制を採用している学校も多く、質の高い先進的な教育を受けることができます。そのため、教育熱心なご家庭に、とても人気がありますね」(浅木さん)ただし、国立小学校は国の研究機関の付属施設という位置づけのため、受験に対応することよりも先進的な教育の研究が優先されている。「小学校入学時、併設中学、併設高校の高い進学実績を知り、学校のカリキュラムをこなすことで受験に対応できると考えているご家庭もあります。ですが、授業は受験に直結しない試験的なカリキュラムも多くあるということは、まず知っておいていただきたいことです」(浅木さん)■中学進学時に外部進学を検討するならとりわけ、小学校は国立でも、中学進学時に外部進学を検討する場合は、中学受験との両立について覚悟しておいたほうが良いだろう。なぜなら国立小学校の児童は、公立の小学校のカリキュラムよりも、調べ学習やレポートなど、中学受験に直結しないが質・量ともに負担が大きいものをこなしながら、中学受験の勉強をしなければいけないからだ。また、通学に時間がかかる(ことが多い)のも、ひとつ、ネックだと思う。この記事を書いている私は長男の中学受験を体験しているが、中学受験は、ある意味、時間との闘い。塾で出された課題をするには相当な時間がかかり、睡眠時間を削って勉強する子もいる(塾のない日の夕方~就寝までの時間管理は、多くの中学受験ママの関心事だ)。 ■教育実習生の授業が多い「また、教育実習生の授業が多いことに不満を訴える保護者もいますが、そもそも、国立大学付属小学校は国の研究機関の付属施設という位置づけ。実習生の授業が多いのは、当然です」(浅木さん)■国立大付属小学校に合格していくのは、どんな子?「まずは、くじ引きで受験する権利を手に入れなければいけませんから、運が強い子ですね。そして行動観察やペーパー対策をしっかりした子、つまり私立小学校の受験対策をしていた子が、国立大付属小学校にも合格していっているという印象です。または幼児としての基礎力(6本目リンク貼る)がしっかりある子が、半年間くらい集中的に試験対策をして合格していくパターンが多いですね」(浅木さん)■教育熱心な家庭の子が通っているのが魅力学校のカリキュラムが受験対応ではなく、ハードルも私立小学校並みに高いとはいえ、教育熱心な家庭の子どもが通っているのは事実。意識の高い友達と、勉強や課外活動を通じて切磋琢磨できる環境が整っていることは、国立小学校の魅力と言えるだろう。次回は、いよいよ最終回。「早期英才教育は有効なの?」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月26日小学校受験のための「お受験」が幼児の受験すべてではありません。実はお受験が乳児期から始まっているという事実が、最近の専門家分析であるそうです。乳児期からの受験勉強って? いったい何を見るの? というママへ、英才教育への将来展望を踏まえて情報をお伝えします。■乳幼児の脳トレーニングは、有名幼稚園受験にも対応できる?京都大学名誉教授の久保田競さんの著書『赤ちゃんの脳を育む本』でも、赤ちゃんの頃から脳に刺激を与えることは、脳の発達=お受験脳に役立つとされています。乳幼児期に脳のトレーニングをしていくと、お受験体制に入りやすくなるというわけです。また、『赤ちゃんの頭がよくなる育てかた』(主婦と生活社)の著者であり東京大学を卒業した櫻井正孝氏も、まず0歳から3歳時は脳を活発にするトレーニング、知能のトレーニングが大切ということで、ご自身も幼児教育のトレーニング所を開設しています。(参考)東京知育研究所 同書によれば、五感活用の「親子あそび」をすることで、乳幼児の才能がグングン伸び、丈夫に育つという理論が展開されています。このころは知識を養うというトレーニングよりも、五感を活用することに尽力すると、その後の幼児期に形成される脳が受験にも役立つということになります。 ■日常生活の中で、「考える力」の準備を乳幼児に養いたいのは、思考力・推理力・想像力・集中力・発見力です。好奇心をどんどん養って、脳を活発にする、右脳を使うなどのトレーニングで子どもはグングン発達していきます。速読の先生にインタビューをしたときに、「利き手ではないほうで字を書く練習をする、歯磨きをする」「画をさかさまから描く」などで右脳が刺激され、記憶力や集中力がアップすると聞きました。乳幼児の場合ですと、日常生活の中で「毎日同じことをする、くり返す」という刺激を与えるだけでも、神経回路の定着、脳の発達を促すことになります。たとえば赤ちゃんの時の座り方。首が座ってきたら、きれいに座らせたり、立たせたりする運動。はいはいも、正しい姿勢できれいにさせると、骨や筋肉の発達も兼ねて脳をうまく働かせることにつながります。■うまくできたらほめてあげる、スキンシップするいろいろなことができたら、ほめてあげることもトレーニングの一つです。ほめられると赤ちゃんでも脳が反応し、次はもっとうまくやろうとポシティブな気分になるものです。ほめることは赤ちゃんのモチベーションをアップします。また、ママとのスキンシップが多ければ安心感を持ち、落ち着いた子になるといわれています。授乳が親子のスキンシップに良いと産科で言われるのはそのためでしょう。乳幼児のお受験前のトレーニングといっても、数式を解いたり漢字を書いたりするわけではありません。日常の動作をメインに、きちっとした姿勢や動きを身に着けることは、後々のお受験キッズを形成する上でも役立ちます。また、お受験をしない場合でも、元気で頭の回転が良い子を作る基盤に。健やかな子どもの成長のために、乳幼児期から脳に刺激を与えて、適応能力が高い子の発展を目指しましょう。(高城あすか)
2016年07月26日●連載の目次は こちら から●幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんは、「小学校受験を思い立った時点で、最初に考えていただきたいのは志望校をどこにするかということです」と言う。志望校が決まったら、いよいよ本格的な受験対策が始まる。小学校受験の「もっとも大切な対策」とは? ■「学校が求めている子」とは?「小学校受験とは、いわば学校とご家庭のお見合いのようなものです。学校が求めている子とは、端的に言えば『学校の教育方針と一致したご家庭のお子さま』です」(浅木さん)。小学校受験が親の受験といわれる所以(ゆえん)は、家庭の教育方針や雰囲気が、さまざまな考査や面接を通じて試され、合否が決定されるところにある。「ですから、志望校が決まり次第、志望校の教育理念と家庭の教育理念の一致点を明確にし、一致点を意識しながら、お子様の教育をしましょう」(浅木さん)。■家庭の教育方針を明確化させる 浅木さんが主宰する柊会では、毎月、保護者に願書・面接対策となる作文を提出してもらっているそう。入試直前ではなく、入試の数年前から家庭の教育方針を明確化することで、「こんな子どもに育ってほしいけれども、今、わが子はこういうことができていない」「わが家の教育方針では、○○を子どもにしてあげたいけれども、時間的にしてあげる余裕がない。その代わりに、△△をしてあげよう」など、さまざまな思いが出てくる。これがとても効果的な面接対策となるようだ。「志望校を決定し、家庭の教育方針を深く考える作業は、幼児教室に通うより早く始めても良いくらいで、早すぎるということはありません」(浅木さん) ■両親の教育方針のすり合わせも大切願書作成や面接対策のために考え抜いた教育方針で子どもに接することで、入試当日の子どもの言動と、面接での保護者の回答が一致する。家庭の教育方針を明確化する時には必ず、パパとママの意見のすり合わせも必須だ。両親の意見が異なると、子どもは混乱する。特別な時間をとらずとも、仕事の合間にメールでやりとりをするなどして、できるだけお互いの負担にならない工夫をしよう!次回は、「小学校受験をするならチェックしたい6つのこと」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月24日●連載の目次は こちら から●幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんは、「受験をするかどうかを決めるのはご家庭ですが、その判断をできる限り後悔のないものにしていただくために、小学校受験のメリットとデメリットを事前にお伝えしています」と言う。メリットとデメリットをしっかり把握した上で、小学校受験を決意したら最初にすべきことについてお話を伺った。■志望校により選抜形式が違う「志望校をどこにするか? これは、小学校受験を思い立った時点で、最初に考えていただきたいことです」(浅木さん)小学校受験は、学校によって入試の選抜方式が違う。選抜方式と入試傾向を知ることにより子どもにかかる負担を軽減することができるからだ。 ■志望校の選抜形式にそった対策を立てるたとえば、慶応幼稚舎を第一志望にするのであれば、行動観察と絵画制作に特に力を入れ、余力を巧緻性(こうちせい:第2回<※リンク貼る>を参照)と運動、知識補充を目的とする簡単なペーパー対策にまわす。暁星小学校が第一志望なのであれば、まずはペーパー(分量、速さに対応できるレベルまで)を徹底的に仕上げ、その後、行動観察、制作、運動に取り組む。このように効率良く対策を立てることで、子どもへの負担を軽減できる。「志望校の選抜形式にそった対策を取りつつ、様々な実体験をさせ、場をわきまえられるお子様にしてあげることが合格への近道になります」(浅木さん) ■志望校が決まらない場合はペーパー対策からとは言え、なかなか志望校が決まらない場合もあるだろう。「そんな時は、ペーパー対策から始めましょう。以前に比べ、多くの学校でペーパーテストのウェイトが低くなりました。けれども、ペーパー対策をしておくと併願校を選びやすくなります。また、入試直前の志望校変更が可能になります」(浅木さん)いよいよ小学校受験対策が始動した。次回は、「小学校受験における、もっとも大切な対策とは?」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月23日小学校受験。そんな言葉に、あなたはどんなイメージを持ちますか? 今回は、「小学校受験って、どうなの?」という素朴な疑問について、幼児教育研究所柊会・代表の浅木真里さんにお話を伺いました。■浅木さんが幼児教室を始めた理由浅木さんは、灘、ラ・サールなどの難関私立中学受験指導や医学部受験をメインとする学習塾の教務部長、役員を経て、幼稚園・小学校受験指導を行う柊会(ひいらぎかい)を設立した。「思春期以降の子どもを指導して感じていたことは、幼少期の親子関係は、その後の人生に大きく影響するということです。ですから、少しでも多くの親子に小学校受験対策を通じて、より良い親子関係を育んで欲しいと思い、柊会を設立しました」(浅木さん)■オリジナル教材が必要だと思っていたが…小学校受験と聞くと、「お受験」という言葉で揶揄(やゆ)されるように、高額な幼児教室に通わせないと合格しないのではないか? というイメージがある。「私自身、小学校受験に携わっていなかった頃は、『合格するためには幼児教室の特殊なオリジナル教材が必要だ』と考えていた時期もありました。けれども、実際に指導に携わってみると、そのようなことはありませんでしたね」(浅木さん) ■大切なのは子どもの現状把握と正しい対策「皆さまが考えているほど、小学校受験は難しくありません。大切なのは、お子さまの現状を的確に把握し、正しい対策を行い、志望校からご縁をいただける確率を限りなくあげていくことです」(浅木さん)過去の入試情報については、大手幼児教室が毎年夏に発行する私立小学校の入試問題集にすべて掲載されているそう。また、学校の求める児童像については、学校のホームページや学校説明会で知ることができる。幼児教室の先生から聞いた、学校が求める児童像を鵜呑みにするのではなく、保護者が学校説明会、公開行事の日程を自ら調べ、足を運び、学校を知ろうという姿勢を持つことが合格につながるとのことだ。「過去の入試問題と学校が求める生徒像を正確に知ることできれば、わが子を志望校に合格させるために何をすべきか? という問いの答えは、おのずと導き出されます」(浅木さん)次回は、「小学校受験で得られるメリットとは?」です。今回取材を受けてくだ下さった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月20日【パパからのご相談】娘が中3で、受験を控えています。娘は明らかな文系で、国語、社会、英語の勉強は順調ですが、どう頑張っても数学の成績が伸びません。私はもともと理系で数学が得意なほうでしたので、妻から数学を教えるようにと言われ教えていますが、教えたその場ではできても、テストになると途端にできなくなり、努力が点数につながっていない状態です。全ての科目の中で最も数学に時間を費やしているのに、全く成果が出ない現状……。公立高校を志望しているので受験が心配なのもありますが、親として、この状況を何とかしてやりたいです。●A. 数学が苦手な子には、見直すべきポイントがあります!こんばんは。教育アドバイザーの佐々木です。勉強嫌いのお子さんの指導を得意としています。一生懸命やっているのに成果が出ない。これほどつらいことはありませんよね。周囲の人間は間接的にしか関われないので、もどかしい気持ちもあろうかと思います。とくに文系女子にとって、数学ってほかの科目と勉強方法が全く違うので、やりにくい部分も多いかもしれません。数学、算数が苦手な子にありがちなこと。“計算が遅い” という問題です。計算が遅すぎるゆえに、全然進まずに、嫌になって折れてしまうのですよね。数学でなかなかな伸びないとき、確認すべき点は2つです。●(1)計算のやり方を、理解できているか?計算の方法を理解していないと、足すべきところで掛け算してしまうなど、得意な人にとっては理解できないような計算 をやってしまうことがあります。もちろん、本人に悪気はありません。中学生なら、プラスマイナスの計算や文字式の計算でつまずく子がとても多いです。数学でなかなか成績が振るわないのであれば、ここの理解を確認します。特に文字式では、文字が出てくると途端にわからなくなる子がいます。文字式が苦手な子は、文字を数字に置き換えて、具体化して考える ことがコツです(たとえば、30円の品物をa個買ったときの代金を求める問題では、aを具体的な数字にします。「a個じゃなくて、3個だったらどう計算する?」と聞いてあげれば、答えられるでしょう)。●(2)単純計算を「考えずに」やれているか?計算するときに、「えーっと」と考えていたり、指で計算していたりしませんか。計算で考えてしまう ことが、遅さとミスの原因です。たとえば、歩くときに「次は右足?」と考えたら、転びますよね。自転車に乗るときに「よし!ここでブレーキ!」「ここはペダルを踏んで~」と、いちいち考えないはずです。計算のやり方を考えずに、手が勝手に動く状態。脳科学ではこれを、作業記憶 といいます。計算が作業記憶化されているかどうか、チェックしましょう。----------数学・算数については、「文章題の出来」が気になる方もいるかと思います。とはいえ、文章題いかんの前に、数学のつまずきはだいたいこの2つが根本原因です。普段はできているのであれば、この2点が定着しきっておらず、参考書等が近くにある、教えてくれる人がいるから、それをマネしてできているだけの可能性が高いです。数学って、できるようになると、とても楽しいのです。問題を解いて答えにたどり着く喜びを味わえるのは、5教科のなかでは数学だけ 。しかし、この(1)(2)ができていない状態だと、問題の答えまでたどり着けないので、まったく面白くありません。どうしても成果が出ないのであれば、思い切って戻ってみるのです。こういうときこそ、急がば回れ 。まだ受験まで時間があります。ぜひ、夏休みの時間を使って、不安なところをやり直してみてはいかがでしょうか。【参考文献】・『記憶力の脳科学』柿木隆介・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年07月01日【ママからのご相談】受験直前、子どもが一生懸命頑張っているのですが、どうしても不安です。不安から、怒鳴ってしまいます。怒鳴ってしまったあと後悔するという悪循環を、もう何度もしています。どうすれば、この不安な気持ちを解消し、 子どもを応援してあげられるでしょうか?●A. お金をかけず、不安が解消できて、合格率が上がる方法があります。ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木恵です。これまで勉強嫌いの子どもを専門に学習支援を行い、全員を第一志望に導いてきました。受験に限らず、子どもにとって大切なイベントの前。受験をする本人はもちろんですが、支える側のお母様も、心配で夜も眠れないのではないでしょうか。でも、自分が代わりに受験することもできないので、見守るしかなく、子どもがダラダラしているのを見るとイライラして怒鳴ってしまうこともあるのではないでしょうか。成績が志望校に足りなくて、不安で仕方がない……。そんな気持ちを抱えておられる方、多いのではないかと思います。イライラしたり不安になったりするのは、お子さんに受かってほしいからですよね。しかし、イライラをそのままぶつけたら、間違いなくお子さんは傷ついてしまいます 。そこで受験生を持つ親の皆さまに、不安が軽くなって、なおかつ子どものやる気も上がる方法をお伝えします!●お子さんに手紙を書きましょう受験など、ここ一番の直前に不安な気持ちになったら、お子さんに応援のお手紙を書きましょう。「いつも頑張っているね」「こんなに頑張ったんだから大丈夫だよ」そばでお子さんを見守ってきたお母様だからこそ、書ける言葉があると思います。温かい応援メッセージで、お子さんを励ましてあげましょう。●なぜ、紙に書くのか紙に書くことで、お母様の気持ちがお子さんに伝わります。しかし、メリットはそれにとどまりません。騙されたと思って一度書いてみてください。受験直前の不安な気持ちがスっと落ち着くのを感じるはずです。不安や悩みなどのマイナスな感情を抱えているとき、頭は混乱状態にあるものです。紙とペンを使って書くとき、言葉の意味やつながりに始まり、文字を書くときの手の動きや強弱、バランスなどを考えます。そのため、脳に大量の刺激が与えられ、理性的に考えることができるのです 。書き終えたものを見れば、頭の中にあった思考が客観視できます。さらに、それを読んだお子さんは、やる気200%アップ間違いなし。特に中学受験においては、多くのお子さんが中学受験を自分のためにやってはいません。子どもたちは親の喜ぶ顔のため に、一生懸命勉強しているものです。年齢が下がれば下がるほどこの傾向は強くなるでしょうが、「受かって、親を喜ばせたい」という気持ちは、小学生だろうが高校生だろうが同じなのです。●手紙を書く効果では、実際にお子さんに手紙を書いてみた親御さんの声を聞いてみましょう。『受験前日、子どもは寝る前に布団の中で私の手紙を読んでいたようです。受かったらラッキーくらいに考えていましたが、子どもも不安だったんだなと思いました。手紙があったから緊張せずに当日を迎えられたようで、無事に第一志望に合格できました』(中学受験生の母親)『手紙作戦は効果絶大でした。実は、書くことを最近しなくなりましたが、娘からのリクエストで手紙が欲しいとのことでしたので、短いですが、したためてみました。受験生は、勉強もですがいろいろな不安な気持ちとも戦っているのですよね』(高校受験生の母親)『受験前は私の方が不安でしたが、書くことで気持ちの切り替えができました。私も子どもたちの支えにならなくてはいけないので、母として、あらためて、強く構えようと思うことができました』(中学受験生の母親)お子さんからの声も紹介しましょう。『受験が不安でしたが、手紙をもらって「ひとりじゃない」と思うことができ安心しました』(高校生)いかがでしょうか。手紙を書くのは恥ずかしいかもしれません。しかし、親子の絆が強まり、不安が解消され、合格率も上がるなら……やってみる価値があります。ぜひ、受験にあたり、お子さんにお手紙を書いてあげてください。最高のお守りになるはずです。【参考文献】・『大人の脳科学常識 頭が冴えわたる脳の鍛え方』トキオ・ナレッジ(著)●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年06月19日「中高一貫校で、のびのびと思春期を過ごしてもらいたい」「内気な性格で内申点が心配だから、学力だけで判断してくれる私立中学も視野に入れたい」など。わが子を地元の公立中学ではなく、私立中学に通わせたいと考える親は少なくありません。中学受験をするなら、それなりの対策が必要です。私立に行きたいのか、公立がいいのか、小学生の本人には判断がつけられませんから、親がわが子の資質を見極めてあげる必要がありますよね。でも、どうやって? そこで、わが子の中学受験を経験された先輩ママふたりにお話を伺いました。■私立中学のメリットは?まずは、私立中学のメリットを聞きました。ひとり目は、損愛保険会社にお勤めのBさん。中学1年生女の子のママです。ご本人も中学受験の経験者だそう。「夫も私立の中高一貫校出身です。だから、娘が生まれたときから中学は私立、という選択肢が漠然と頭のなかにありました。決め手となったのは、地域の公立中学の評判があまりよくなかったことですね。私学は、それぞれ教育に関する考え方の打ちだしがあり、それに共感した家庭の子どもが通っています。また、通っているうちに、子どもの考え方や発想の生みだし方も似てくる。家族や友だちと話が合いやすいというのは大きなメリットだと思います」中学2年生の息子さんがいるCさんも、「中学受験をさせる家庭は、教育に対する考え方が似ていると思います」と言います。「子どもにしても“勉強して当たり前”という感覚が身についている。そういうお友だちと生涯を通して付きあえるというのはメリットですよね。うちの子は、わりと周囲の環境に流されやすいタイプ。わが家では、いいお友だちと出会えそうな場所として、私立中学を選択しました」(Cさん)■受験勉強をスタートさせたのはいつごろ?では、いつごろから中学受験の対策を始めたのでしょうか。高学年から、というのが一般的なようですが…。「わが家の場合、3年生の終わりの春休みに大手の中学受験塾に通わせました。でも、授業についていけず、4年生の春には別の塾へ。ひとクラスあたりの人数が多い塾は娘に合わないようだったので、最終的には少人数制の個人塾を選びました。6年生の追いこみの時期になると、土日はお弁当を持って塾に通い、塾が終わると家庭教師にも来てもらって勉強漬け。そのおかげで普通の成績だった娘の成績はメキメキとあがり、学校の通知表もオール5になりました」(Bさん)Cさんも、正式な入塾は3年生の終わりの春休みだったといいます。「ただ、早くから塾というものに慣れさせたほうがいいと思い、その塾が小学低学年を対象に行っていた1日体験講座や、理科実験プログラムに2年生のころから参加させていました。先生とも顔なじみになり、親身になってくださったので、息子も居心地がよかったようです」■志望校選びのポイント「やはり、子どもと学校の相性は大切ですよね」というのはCさん。「少なくとも中高6年間は通う場所です。大学の付属校に入学し、エスカレーター式で大学まで進学すれば10年間ですから、そこが本人の学生生活のメインになります。その学校の建学精神や校風がわが子と合っているのか、は熟考しました」(Cさん)退学率も調べたそう。「万が一、学校の勉強についていけなかった場合、どういうフォローをしてくれる学校なのかを親が事前に知っておくことは大切だと思います」(Cさん)Bさんは、自宅から1時間以内で通える範囲の私学の学園祭や体育祭を娘さんとめぐり、本人が行きたいと思った学校を志望校に決めたそうです。「娘が選んだ学校は5つありました。受験日が重なってしまったので、実際に受験をしたのは、そのうちの2校です。どちらも合格をいただくことができましたが、最終的に本人がより入学したい学校を選びました。学校生活は充実しているようです。同級生のお友だちも、口をそろえてこの学校に通ってよかったと言っています」(Bさん)子どもの資質を見極めるのと同時に大切なのは、本人の意見を尊重すること。子どもの「これから」を考えるにあたって、心に留めておきたいことですよね。(マムズラボ)
2016年06月02日この度BS プレミアムでは、7月より「受験のシンデレラ」を放送することを決定。主演にはNHKドラマ初主演の小泉孝太郎、共演には同じくNHKドラマ初出演の川口春奈が登場し、熱く、そして笑える、感動的な青春受験ドラマを描くことが分かった。五十嵐透(小泉孝太郎)は東大合格率No.1を誇る名門予備校のカリスマ講師だが、近ごろ急に酒びたりになり、生活が荒んでいた。遠藤真紀(川口春奈)は定時制に通う高校生で、昼夜複数のアルバイトをしながら生活費を稼ぐ毎日に疲れきっていた。そんな2人がある日偶然に出会う。定職につくため高校を卒業したい真紀が、「追試の勉強を教えて欲しい」と五十嵐に頼み込んできたのだ。予備校を辞め、教師のプライドも教える情熱も失った五十嵐はひらめいた。デキの悪い真紀を東大に合格させて、世間を見返してやる!実はこのとき、五十嵐は余命1年の宣告を受けていたのだ…。こうして元日本一のカリスマ講師・五十嵐と、落ちこぼれ生徒・真紀の一年後の東大合格に向けての猛烈な受験勉強が始まる――。原作は、寺島咲、豊原功補らを迎え、2008年に公開された同名映画。精神科医・和田秀樹の初監督作品で、「第5回モナコ国際映画祭」にて、作品賞、主演男優賞、主演女優賞、脚本賞の4冠に輝いた話題作だ。今回主人公・五十嵐を演じるのは「アテンションプリーズ」 「ハケンの品格」「夜行観覧車」など数々の作品に出演する小泉さん。そして、へこたれない強い意志の女子高生・真紀役には、「GTO」『好きっていいなよ。』などに出演し、今後も『にがくてあまい』 『一週間フレンズ。』と主演作が続く川口さんが好演する。お互いの印象について小泉さんは「春奈ちゃんはとてもキラキラ輝いた、純粋な心を持っている魅力的な女優さん」と語り、一方の川口さんは「穏やかでとっても安心感を与えてくれます。ふたりのテンポのいい会話劇もシリアスなシーンもこれから一緒に出来ることがとても楽しみです」と期待を寄せていた。さらに「とにかく脚本が素晴らしい」と語る小泉さんは、「この作品と出会えた幸せを感じます!おそらく僕が経験したことのない作品のテイスト、ラストシーンになると思うので五十嵐を大切に演じていきます!」と意気込み。また川口さんも「苦悩しながら葛藤しながらも真っ直ぐで全力に成長していく真紀を大事に大事に演じていきたいと思います」とコメントした。そのほか、真紀への愛情をうまく表現できないダメ母親・千枝子役に富田靖子が出演し、山口紗弥加、山田裕貴、松尾諭、川原一馬、遠藤新菜、原田佳奈、児嶋一哉、袴田吉彦らバラエティ豊かなキャストが揃っている。「受験のシンデレラ」は7月10日(日)より毎週日曜日22時~BS プレミアムにて放送開始。(cinemacafe.net)
2016年05月20日前回に引き続き、2013年開校の「駿台・浜学園」をご紹介。「算数の実力差が受験を制す」と、4教科の一般コース以外に算数のみの特訓コースもあり、テストの回数が多いのが特徴だ。今回はさらに詳しい塾の体制と、関西トップ塾が関東に進出した理由をご紹介する。○家庭学習しやすい仕組みが充実中学受験において、親の関わりが難しいと感じることの1つに、「家庭学習」があるのではないか。その点頼りになるのが、授業のポイントやアドバイスを示した同塾の「学習計画表」だ。ポイントを記した箇所には、テキストのページ数も書かれているため、復習しやすい。インターネットも活用しており、欠席時の講義や公開学力テストの解説、テキスト全問題の講義などがオンライン上で視聴可能。塾がないときでも子どもたちが自ら勉強できる環境を作るためのサポートがしっかりしている。テスト結果も随時見られるので、保護者も安心。また、学力に即した講義と少人数指導を徹底させているのも特徴だ。一般コースでは学力に応じたクラスが3種類あり、復習テストと公開学力テストの総合成績で2カ月ごとにクラス分けされる。クラスが上がれば頑張りの評価に、クラスが落ちても、次回への目標につながるとともに、学力に即した講義が受けられる。1クラスの人数は10名程度と少ないので、一人一人に先生の目が行き届く。講師については現在、関東だけでなく実績のある関西からも3分の1以上呼び寄せているという。さらに、オリジナル教材も学習内容を深く理解させるための工夫が満載だ。教材には、繰り返し学習した単元を、学年をまたがって内容を高度にしつつも再度学習する「スパイラル方式」という仕組みを採用している。この教材を使うことによって、ただ問題をこなすのではなく、意味の理解に導いて定着をはかり、効率的に勉強を進めていくことができるとのことだ。○合言葉は”満足していただける受験”関東と関西の指導体制に大きな違いはない。しかし、関西では入学試験が3教科(国語・算数・理科)でも受験できる学校が多数であるのに対し、関東は社会を含めた4教科が多いので、小4から社会の授業を実施するなどの対策をとって対応している。また、記述式の問題が多い都立の中高一貫校対策も抜かりない。2016年は見事、小石川中等教育学校(都立の中高一貫校)に合格者を輩出した。第1期生は21名と少ないが、開成中や渋谷教育学園幕張中、お茶の水女子大学附属中、女子学院中など超難関有名校の合格者も多数輩出している。同塾では、合言葉を”満足していただける受験”とし、利用者が満足感を持って受験に取り組める環境づくりを心がけているという。中学受験は親子の受験。親のサポートなしでは勝ち得ないのが実情だ。そのため、講師と子ども、もしくは講師と保護者、あるいは3者面談というかたちで、希望があれば面談を実施してくれる。申し込めば期間や回数に関係なく、相談に応じるサポート体制が整っている。子どもと親の主張が一方通行になり、コミュニケーションを円滑に取ることが難しくなったときに、間を埋めてくれる役割も担ってもらえそうだ。○少子化などの影響で関東進出少子化や受験率の低下を実感し、2003年には東海地方、そして関東進出を果たした同塾母体の「浜学園」。関東でのブランド力を高めようと、実績がありながらも中学受験部門の強化を検討していた「駿台」とタッグを組んでの開校となった。「算数指導」を看板に掲げる浜学園と理数系に強い駿台の方向性が似ていたというのもある。今回の取材先、お茶の水教室が入ったビルは「駿台」がメイン看板を掲げている。「駿台・浜学園」は3Fの全フロア。取材に応じてくれた同塾の竹森勝俊 代表取締役は、「ゆくゆくは、2歳半から入れる幼児教室(はまキッズ)から「駿台・浜学園」、大学受験で「駿台」へと1つのビルで完結する形を取りたい」と抱負を語ってくれた。今後も1年に1~2校のペースで開校していくという同塾。既存の教室の地固めも必要なので、無理な広げ方はしないそうだ。今後の展開が楽しみである。
2016年04月13日【ママからのご相談】小学校1年生の母親です。将来は、御三家と呼ばれている中学の受験を考えています。その学校の先輩ママに伺ったところ「一にも二にも算数能力を上げること」と教えてもらいました。 なんでも算数センスの良い子が圧倒的に合格するとのこと。小学生低学年で算数センスをつける方法を教えてください。●A. 算数センス=読解力を磨きましょう。こんにちは。ライターのakiです。確かに難関校の中学受験では算数で難問を出すところが多く、数学的センスを問われるところが多いです。“計算が早い”、“正確に解ける”とはちょっと別の論理的思考力というのでしょうか。そのような能力が確かに問われます。では、そのような算数センスはどのように養われるのでしょうか?実は意外に思われるかもしれませんが、国語能力、つまり読解力を養うことがその近道となりそうなのです。●数学は文系の科目。国語力を徹底的につける著名な数学者が口をそろえて言うのが「数学は文系である」 。数学は理系科目ではありますが、実は文系のような国語力が必要だということなのです。算数の文章題をイメージしてみてください。決まりごとを見つけ出す、条件を整理する、推論する。これらは、確かに国語の論理力が文字の代わりに数字で問われているに過ぎません。もちろん計算力がなければ算数はできませんが、こういった読み取り能力こそが何よりも第一に大事なのです。お茶の水大学教授の数学者、藤原正彦先生も『一にも二にも国語、その次に算数』を学習するよう言っています。その国語についても「読むが20、書くが5、話すと聞くがそれぞれ1」と言っています。つまり、徹底した国語力をつけることが算数センスを伸ばす秘訣 なのです。文章題が苦手なお子さんは、とにかく活字を読ませて(ゲームの攻略本でもマンガでもいいのです)、自分で活字を読むことに慣れさせることから始めてもいいかもしれません。●日常生活の中で時間の概念を学ばせるたとえば中学入試に頻出の問題で速度の問題があります。これを得意にさせるためには、まず時間の概念をしっかり学ばせることが大切だそうです。アナログの時計で「今家を出るのが3時半、帰ってくるのが5時。遊べるのはどれぐらいの時間?」などと日常生活の中で時間について考えさせる機会をたくさん作る のです。時間や時刻を読むのに自信が持てないと、速さを学ぶ段階でつまずいてしまう子が多いそうです。そのため、根気よくご家庭で、時間をしっかり読めるよう指導して学ばせていくことが大切なのです。●幾何学的センスは図形遊びを思う存分させることで身につけるたとえば積み木遊びや砂場遊びなど、形を作ったり積み上げていく遊びから形や図形を子どもたちは学んでいきます。レゴや立体ブロック、ジグゾーパズル、アイロンビーズやアクセサリー作りなども然りです。とにかくこれらを気の済むまで遊ばせる、作らせることが一番なのです。できなければ親が手伝うのではなく、見本を見せて自力でやらせることがいいそうです。子どもの視線で“物の形の面白さ ”を学ばせることで、違和感なく図形の問題を平面・立体共に考える(想像できる)力が養えるそうなのです。----------以上です。算数センスを身につけさせるには、問題集をたくさん解かせるだけでなく、日常の中で親が協力できることもたくさんあります。まずは、子どもの読解土台を作ってあげると、おのずと算数センスが身につくルートが生まれてきます。ぜひ、親子で一緒に楽しみながら実践してみてください。【参考文献】・『子どもが伸びる魔法のしつけ』谷かおる・著●ライター/aki(中高英語教員)
2016年04月08日今回は、小学校受験をすると決めたご家庭がやるべき心の準備と努力についてです。まず必要なのは、両親が「ブレない」ことです。小学校受験を決めると、お子さんを塾に通わせることとなります。この時点で多くのご家庭では壁にぶつかることでしょう。その内容はというと……お子さんによっては、ご両親のただならぬ意気込みに拒否反応を示し、塾に行きたくないと言ったり、塾への道中に意味不明な理由でゴネ始めたり、ということがあります。小学校受験をする子があまりいない幼稚園に通っていると、降園後の遊びを早めに切り上げることを嫌がるケースも。塾が保護者参観を義務付けていない場合、普段は母子分離ができていても、いざ塾で親と離れるとなると大泣きすることもあります。子どもがこういう行動に出る理由は、「他の子はできるのにうちの子は……」と比べられたり、うまくできないことに挑戦し続けてそれによってプライドが傷付くのが嫌だったり、ということが考えられます。しかし、だからといって頭を抱える必要は無く、このような抵抗があることは極めて普通のことと思ってください。子どもは、親の心理状態や環境の変化に敏感に反応するからです。もちろん、泣き喚く子どもを教室に押し込んで「頑張ってきて! 」と突き放すのは心の痛むもの。また、家庭で勉強に取り組んでいると、何度説明しても理解しなかったり、飽きて集中していなかったり、イライラする場面は止めどなくやってきます。つい、怒鳴ってしまい、後悔。そして、「小学校受験さえしなければ……」と思ってしまうものです。しかし、親御さんが子どもの前で少しでもそんな顔を見せたり、弱音を吐いたりしたら最後。子どもは本当によく見ているので、嫌がればやらなくていいという可能性を見いだしてきます。そしてもっと抵抗してみる、という悪循環に陥ります。○努力し続けるのは大変なことさて、塾通いに抵抗がなくなったら、次にくるのは体力と精神力の壁です。これはお子さんではなく、ご両親に先にやって来ます。勉強を進める度につまずきがあり、それを克服するための努力を繰り返すわけですが、受験1年前からはその頻度が急速に上がるので息切れしてしまうのです。子どもは日々成長しているので、与えられたものを理解できるように教えてもらえれば、次々と身に付けていきます。しかし、ご両親がお子さんの癖や言動を直すため怒らず注意し続け、できない問題を焦らず怒らずあの手この手で理解させようと努力を続けることは、かなりの我慢と体力を要します。また、小学校受験特有のプレッシャーもご両親を襲います。家族に私立小学校卒業生がいたり、近親者に合格実績がある場合、「うちだけ失敗する訳にはいかない」と思い、兄弟に合格実績があると「下の子はダメだったなんて言えない」と思ってしまいます。子どもはそれぞれ個性も能力も違うのですが、それでは済ませられないのが大人の事情。このプレッシャーに耐えながら努力を続けるには、かなりの忍耐と精神力が必要となります。働きながら日々の生活をし、その上子どもの勉強とプレッシャーにさいなまれる。こんな日々を受験当日まで耐え抜き、努力し続ける。小学校とは言え受験です。楽なことではありません。覚悟が問われます。そんな状況の中で、ぜひ味方につけてもらいたいのがよき指導者です。泣き喚くお子さんを受け入れてくれる塾の先生。巷にあふれる情報や模擬試験の結果に一喜一憂することをたしなめてくれる先生。泣きたくなる状況の中、話を親身に聞いて今するべき努力を思い出させてくれる先生。そんな先生に出会うことができれば、遠慮なく頼りましょう。そうすれば、お子さんよりご両親にとって辛いことが多い小学校受験も、乗り切ることができるのではないでしょうか。今回ご両親にお伝えしたいのが、受験すると決めたら、心が痛もうが疲れようがブレずに「やる」決意を貫くこと。お子さんが泣いた時はその理由を本人に聞き、どうすれば泣かずに行けるか話し合いましょう。感情的に怒ってしまったことは子どもに謝りましょう。一緒に志望校に憧れ、入学する日を夢見ましょう。受験は、親が子どもに無理やりさせる苦行ではありません。お子さんの将来のためにする努力です。受験勉強を通して得たものは一生の糧になります。努力は少しの無駄にもなりません。力を合わせて、一緒に成長する道を探り進んでいくのです。受験は、遅かれ早かれやってくるライフイベントです。それを「今やる」と決めたのですから。ご両親の決意が固ければ固いほど、お子さんは親の覚悟を感じ取り、嫌なことがあっても頑張ろうと腹をくくります。辛い場面の話ばかりで辟易とされたかもしれませんが、お子さんとこれだけしっかり向き合って、深く関わりながら一緒に努力をできるのは、受験の中でも小学校受験だけの魅力だと思いますよ。次回は受験準備を進めるにあたり陥りがちな不調について解説していきます。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール小学校受験向け幼児教室「クラリティー・キッズ」主宰五島 真知子自身が小学校受験を経験し、大学までの私立一貫校を卒業。大学時代に縁あって小学校受験塾(クラリティー・キッズ前身)で4年間アルバイトとして従事。大学卒業後は伊藤忠商事に総合職として約11年間勤務するも、結婚・出産・事故による負傷を経て退職。学生時代にアルバイトをした小学校受験塾の前オーナー引退に際して事業を継承し、現職。何事にも果敢に挑戦する意欲を持ち、目標を達成する為の努力を楽しむ心意気を持った輝く子どもを育成するため、教材作成から指導まで広範囲の指導を行う。※2015年度合格実績(順不同)慶応義塾幼稚舎・慶応義塾横浜初等部・立教小学校・早稲田実業学校初等部・東洋英和女学院小学部・聖心女子学院初等科・東京女学館小学校・東京都市大学付属小学校・洗足学園小学校・カリタス小学校・精華小学校・目黒星美学園小学校・桐蔭学園小学部
2016年04月08日子どもの中学受験を考える親世代にも中学受験経験者はいるかもしれない。だが30年前の受験と今の受験は大きく異なる。最新の中学入試の傾向を日本初の「塾ソムリエ」という西村則康氏にうかがった。○2020年の大学入試改革を見据えた内容が中学入試のトレンド2020年に大学入試制度が変わるため、それに伴い中学入試も変わりつつあります。今年の入試問題でその傾向が最も顕著だったのが理科です。すでにある知識で解けるという類いの問題ではなく、過去に習ったこともないような内容が書かれている長い説明文の中からヒントを探し、答えを導くというような問題が増えたと感じます。例えば男子御三家のひとつ、武蔵中学校ではクモの糸の張り方の問題が出ました。「橋糸」や「こしき」「枠糸」など初めて聞く言葉が並んでいる文章の中から、糸の張り方の規則性を導き出し、クモの巣の形を描かせるものでした。これは以前から公立中高一貫校の適性検査にあったような問題で、今後もこの流れは続いていくでしょう。未知の事柄についての探求心がある子、長い文章を一読して理解するだけの処理能力の高い子がほしいというのが、学校側の狙いだと思います。国語の長文読解は7~8年ほど前から急に難しくなりました。物語文ではなく、大学入試にも出るような論説文が多く出題されるようになり、もはや6年生が読んで理解する文章のレベルを超えています。これ以上難しくすることはないでしょう。でも算数はまだまだ難しい問題を作ることができる。難問と難問を組み合わせることで新たな難問を作れてしまうのです。ご両親が小学生だった30年前と比べて、今の中学入試の問題は格段に難しくなっています。○塾でも「考える力」を伸ばす傾向に塾で教えるのは解法のパターンですが、中にはそれを丸々覚えようとする子もいます。習った最初のテストはそれで解けますが、次にひとひねりしてあると、もうわからない。そういう時に真面目なお母さんは「この問題が苦手だから繰り返しやらせよう」となりがちですが、それは間違った勉強方法です。理解すること、納得することなく繰り返すと、ただの暗記になってしまうからです。今年も難関校の算数に●●算という名称で分類できないような問題があったのですが、こういう問題にあたった時、解き始めてこの方法じゃうまくいかないな、じゃあ見方を変えてみようという工夫ができるかできないか、そこが合否の分かれ目になります。暗記型の学習のみでは太刀打ちできません。今後ますますこのような傾向が強くなるでしょう。ただここで誤解してはいけないのは、ある程度の知識を蓄えるまでは暗記も必要だということです。覚えた知識をどう使うかが「考える力」だとすれば、知識がなければ考えることすらできません。このどちらも伸ばしていけるように、カリキュラムが組まれている塾を選ぶことをオススメします。<Blockquote>○西村則康首都圏・関西圏の難関校に2500人以上を合格させてきた実績を持つ、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。中学受験情報サイト『かしこい塾の使い方』は16万人の読者が参考にしている。
2016年03月30日受験の低年齢化が進んでいる現代。実り多い人生を歩んで欲しいと願うからこそ、教育方針が合い、カリキュラムの充実した幼稚園・小学校で学ばせたいと願うのは当然のことです。では、どう受験させたらよいのか、受験の内容は? 今回は、受験を考えているパパやママが最低限知っておきたいことを紹介します。受験には幼児教室が必須?幼稚園・小学校を受験するにあたり、まず「国立か私立か?」の選択を迫られることがあるでしょう。国立の学費は公立並みとなっていて手頃なのが魅力的。しかしその分、人気があり、入学するのは狭き門であるという認識が必要です。私立は校風にあった家庭を好む傾向があります。願書には親の勤務先や役職を記入する必要もあり、さらには家柄を重視する幼稚園もあると聞きます。つまり、子どもが置かれている環境に着目する幼稚園が多いということなのでしょう。合格するためには出題傾向をしっかりと把握し、これに対しての対策を行うことが大切です。このとき頼りになるのが幼児教室の存在です。幼児教室では多様化する試験内容に対してネットワークを駆使し、情報を収集、合格のためのカリキュラムを組んでいます。また、第三者の立場から公平に子どもの様子を評価・フォローしてくれます。家族と二人三脚で合格への道を目指すので、親としても心強いのです。本番さながらの雰囲気を体感できるの、幼児教室も魅力のひとつです。どんなに力がある子どもでも試験当日に実力を発揮できなければ合格は難しいでしょう。幼児教室では集団で授業を行うことで人前でも実力を発揮できる精神力を養います。受験当日の様子をシミュレーションした練習を行うところもあります。入試の雰囲気を前もって知ることができるのは、子どもとしてもプラス材料となるでしょう。受験のために幼児教室が必須かどうかは、各家庭の状況にもよりますが、両親ともにお受験の経験がない場合は、入っておいて損はないと言えます。知っておきたい面接対策まずは幼稚園の場合です。子どもに対しての質問は、自身の名前や家族の名前、好きな遊びや動物など、簡単に受け答えができるものがほとんど。小学校受験の際はこれに加え、簡単な数の問題や、どちらが正しいか選択させるような質問もあります。これらを明朗に答えられるだけでなく、理由づけができるようにしておいてください。同時に親の訓練も必要です。なぜその学校を志望したのか、家庭での教育方針はどうか、園や学校に求めることをあらかじめ整理しておくこと。特に幼稚園の場合は子どもよりも親の印象で面接の良し悪しが決まるといっても過言ではありません。受験では、どんな問題が出るのか従来の受験内容としては主に2つのタイプがあります。ひとつはある決まりのもと友達と遊べるかなど協調性を見るもの。もうひとつは先生との約束が守れるかなど生活習慣を見るものです。そのほか、自由に絵を描かせたり、運動をさせたりするところも。今後の傾向としてはPISA型の読解力(※)を試す問題も多くなりそうです。たとえば、数人のグループ全員で協力をしてパズルを完成させたり、簡単な物語をつくったりと学習能力を試す問題も多くなるでしょう。(※)単に文章を読んで理解するだけでなく、そこから発展して自分の意見を言ったり、わかりやすくまとめ直したりする力のこと。詳しくは、 文部科学省のWebサイト を参照してください。幼稚園や小学校は、子どもが1日の大半を過ごす場所です。受験するならば、家庭の教育方針が合うところを選び、また悔いが残ることのないよう入念に準備したいですね。(EKKO<フォークラス>)
2016年03月19日【ママからのご相談】4月から小学2年生になる女の子がいます。幼稚園のころから、塾や水泳、英会話などに通わせています。でも、自宅では自分から全く学校や塾の宿題をやらないので、「早く宿題をやりなさい!」と叱ってばかりいます。まだ低学年だから仕方がないとは思っていますが、中学受験を考えているのでこの先不安です。どうしたらよいのでしょうか?●A. 熱心なママほど子どもの未来にレールを引きがち。何事も強制はNG。こんにちは。中学受験の経験があるママライターのKOUです。ご相談者さんは、お子さんが学校などの宿題を自分から進んでやらず、なかなか学習習慣がつかないことをお悩みなのですね。学校から帰ってダラダラ過ごし、宿題をやらないお子さんを見ていると、イライラしてしまって「早く宿題やりなさい!」などと叱ってしまうのは、世の中のママたちがつい陥りがちな行為です。知人の小学校教員によると、親から何度も「宿題やりなさい!」と言われると、お子さんは“やらされている感”が強くなって、ますます自分からやるという意欲が湧いてこなくなる という悪循環が起きやすいといいます。●学ぶ環境を整え、あとは放任するまずは、私自身の小学校時代を振り返ってみます。中学受験をしたのは30年くらい前。母は働いていましたが、私に習い事をほぼ毎日させていたほどの教育ママでした。ただ、「勉強しなさい」とは一切言いませんでした。低学年のころは、私もそれほど宿題を真面目にこなしていた記憶がありません(苦笑)。私立小に通っていたこともあり、4年生になると周囲は進学塾に通っている人がほとんどでした。母によると、「お友達がみんな塾に行っているから」という理由で、私から母に頼んで受験対策の塾に通い始めたといいます。受験勉強をしている途中、勉強自体をやめたくなったことが何度もありました。でも、「塾に通いたいと言い出したのはあなたなのだから、やめるのも自由よ」と母から軽く言われると悔しくなって、受験勉強は続けました。母は、習い事などたくさんの学ぶ環境を整えてくれましたが、決して強制はせず、どちらかというと放任されていたように感じます。そのやり方が、私には合っていた ようです。あくまでも私の経験談であり、全ての方に当てはまるというわけではありませんので、ひとつの例としてご参考にしてください。そこで、教育熱心なママさんたちが陥りがちなNG行為について、御三家や灘中などの難関校に何人も合格させたカリスマ家庭教師で名門指導会代表の西村則康さんの著書『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』を基に探ってみました。●(1)「教育熱心な母親ほど子どもの未来にレールを引きがち」【例】『4年生のAくんは、1年生から大手進学塾に通っている。塾通いは母親が決めた。なぜならば、難関の男子校に入らせ、最終的には東大や慶応大に合格し、父親と同じ医者を目指してほしいからだ。母親は受験経験がなかったが、小学校入学と同時に志望校の合格実績が高い大手進学塾で学べば間違いないと思い選んだのだ。ただ、Aくんは最近、入塾してきた優秀な子たちに圧倒され、クラスが落ちるのではないかと不安な気持ちでいっぱいだ。本音は、塾ではなく野球をやりたい。今は頑張る気になれない』偏った教育熱心なママさんは、先回りして子どもの未来にレールを引きがち。しかも、そのレールの幅が狭いことが特徴 です。勉強も遊びも、親がいいと思ったことだけをやらせて、机に向かわせる。さらに有名大学や一流企業に入ればもう人生は安泰だという、今の日本にはそぐわない考えを持っていると言います。それが、『本来は可能性を秘めている子どもの未来を狭めている』と、西村さんは警鐘を鳴らしています。●(2)「英才教育のほとんどは間違っている」【例】『Bさんは、娘さんがお腹にいたときからクラシック音楽をかけたり、絵本の読み聞かせをしたりして胎教に取り組んだ。出産後、子どもの脳に良いことは全て試し、2歳からは右脳を鍛える幼児教室に入室。そのほか、スイミングや体操教室にも通った。そのおかげか、幼稚園や小学校の低学年までは他の子と比べて飲み込みが早く、運動神経も勝っていた。ところが、中学受験が本格化してきた5年生のとき、娘さんは思うように学力が伸びなくなり、親子共々、初めて人生の壁にぶつかった』西村さんは、『英才教育のほとんどは役に立たない』と言います。人間の脳は、特別なことは何もしなくても自然に成長していけるだけのプログラミングが施されており、間違った英才教育というのは、そのプログラミングを無視して無理やり脳を早く作りあげようとするものだと指摘しています。だからこそ、人間が自然に育っていくプログラミングに応じて、その年齢なりのベスト を目指すことをお勧めします。●(3)「習い事を強制しない」【例】『男の子は運動ができた方がいい、と思い込んでいるCさん。水泳にサッカー、空手を1年生の息子さんに習わせている。でも、お勉強も大切。文武両道を目指し、週2回は学習塾にも通わせている。息子さんは嫌がらずにやっていたが、最近になって突然「塾に行きたくない」と言い出した。学校の宿題や毎日の習い事が負担になり、疲れが出てきたようだった。「継続は力なり」と考えるCさんは、「休んじゃダメ」と息子さんを叱咤激励。無理やり塾に行かせた』偏った英才教育について疑問を投げ掛ける西村さんは、子どもが幼いころには、適切な量や質の刺激を与えることを心がけるよう強調しています。意図的に与える英才教育などの“学習刺激”以上に、普通の生活の中で親が知らないうちに子どもが受けている“学習刺激”に注目すべきだと言います。たとえば、友達との遊びや一人遊び、家でのお手伝いや会話を通じて、子どもは学習に結びつく刺激を受け続ける そうです。小学生の場合は、習い事にしても、親の一方的な考えて決めるのではなく、続ける基準は子どもが喜んで楽しそうにやっているかどうかです。どんな習い事でも、子どもが喜々としてやっていればそれは間違いなく効果があると言います。●(4)「“たくさん解きなさい”は親の幻想」【例】『5年生のDくん。4月からもう6年生。中学受験の勉強にも力が入る。Dくんの目標は、苦手科目の算数を克服すること。母親からは「やった分だけ力がつく。問題をたくさん解きなさい」とハッパを掛けられる。だから、塾のテキストで間違えた問題と類似した問題を、自宅で何度も解いてみる。でも、テストになるとまた同じような問題につまずいてしまい、なかなか得点に結びつかない』今まで子どもにかけてきた時間やお金が、その子自身の能力や成績の伸びにつながらない場合は、そのやり方が間違っているようです。親の中には、猛勉強さえさせれば成績が上がると考えている人がたくさんいます。西村さんは、勉強量と成績の伸びは必ずしも比例しないと言い切ります。勉強の質も大切な要素 だそうです。たとえば、子どもを塾に通わせている親の多くが陥りがちなのは、少しでもたくさんの問題を解かせようとすることです。塾から帰ってきた子どもが、今日習った知識をきちんと身につけたどうかわからないうちに、それと似た類題を解かせる。そのときの子どもたちの解き方を見ると、ほとんど問題文を読んでいない と言います。「このあたりの数字と、あのあたりの数字を引いて、それをこっちの数で割れば……」という、あいまいな記憶に基づいた解き方をしているようです。つまり、問題に対して“何が分かっているのか?(仮定)”と“何を聞いているのか?(結論)”を確認して、結論までの過程を考える作業がスッポリ抜けた解き方で終わってしまう危険があるのです。●(5)「悪い点をとってきたときの口争いは、何のメリットもない」【例】『3年生のEくんは、国語で30点台を取ってしまった。これまでの最低点だ。テストは、必ずお母さんに見せないといけない。気が進まないが、テストをお母さんに見せた。「え?これ、どういうこと?」と、お母さんは何度もEくんに尋ねる。「こんなひどい点数を取って!ちゃんと勉強しているの?」と怒鳴った。Eくんは、「今回は調子が悪かったから……」などと答えた。「調子が悪いって、どこが悪かったのよ!」とお母さん。しばらく説教が続き、Eくんはうなだれながら言い訳を探していた』悪い点数を取ったとき、親が怒りに任せて「何なのこの点数は!」と子どもに責めるのはNG行為だと言います。西村さんによると、とげとげしい言葉を浴びせることで、子どもは「やっぱりお母さんに怒られちゃった」「お母さんのこの怒りをどう静めようか」などと考え始めます。低学年の場合は、「大変なことをしちゃった。お母さんがこんなに怒るんだから、とんでもなく悪いことをしてしまったんだ」と頭の中はパニックになります。このような会話が繰り返されると、子どもはやがて起死回生のセリフを見つけ出します。「うるさい、くそばばあ!」と、点数が悪くて叱られている状況から、ひどい言葉を投げ掛けることで論点をすり替えよう とするかもしれません。口争いは子どもにはささくれだった気持ちだけが残り、母親には怒りと心配が渦巻きます。言い争うことではなく、悪い点数を取ってしまった原因を探りその対策を考えることが大切だそうです。----------以上、教育熱心なママさんたちが陥りがちなNG行為5選でした。子どもたちのほとんどが宿題をやりたくないと思うのは当然です。私もそうでした。そこで親が、「宿題をやりなさい」と言ったとしても心に響かないかもしれません。まずは子どもに、宿題をやらないことによって「どうなるか?」と考えさせることが重要だと思います。実際に、宿題をやらず学校で先生から怒られたり、きちんとやってきた子が褒められたりすることで、自分から「やろうかな」と思えるまで様子をうかがっても良いかもしれませんね。強制だけでは、子どもは動かないと感じます。ぜひ、ご参考にしてください。【参考文献】・『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』西村則康・著●ライター/KOU(ママライター)
2016年03月13日加熱する受験戦争をテーマにしたドラマが放送されるなどして、一躍有名になった「お受験」。何年かに渡って複数の教室に通わせ、家庭では子どもの生活態度に対して母親がこと細かく指摘。母親は子どものマネージャーのように日々付きっきりでサポート。このようなイメージが先行し、「専業主婦じゃないとお受験はムリ」という先入観が広がっているようにも感じます。しかし、実際のところはそんなことはありません。ここでは全10回にわたり、小学校受験について解説していきます。特に、共働き家庭に向けた情報を多く盛り込んでいきますので、小学校受験のメリット・デメリットをよくご理解いただき、子どもの将来を考える際のお役に立てればと願っています。○公立・国立・私立のメリット&デメリット初回は基本的な解説から。小学校には大きくわけて、「公立校」「国立校」「私立校」の3種類がありますので、その特徴やメリット・デメリットをお話していきましょう。公立校は最も一般的で、自宅から徒歩圏にあり、各地方公共団体の教育委員会が運営。受験をせずに入学できる小学校です。公立の良いところは、徒歩圏にあるため通学に負担がない、近所に友達ができるため学校外でも楽しく過ごせる、授業料が安い、制服や指定用品が少なく管理が楽、といったことがあげられます。一方、懸念すべき点としては、地域により学力が大きく異なる、担任等が転勤で変わりやすい、どのような家庭の子が集まるか入ってみるまでわからない、という点があります。国立校は国が運営しており、公立から選抜された先生が教鞭をとっています。文部科学省の教育研究フィールドでもあり、教育方針と選抜方針が年単位で変化することが大きな特徴です。入学するには志願と受験、そして抽選を通過する必要があり、また公立よりは広範囲ですが、学校ごとの指定学区域に居住している必要があります。良いところしては、経済的負担が少ないながらもある程度の環境が保障されている、先生の転勤が少ない、通学負担が軽いといったところです。一方、推薦による内部進学がないため、系列の附属中学に進学するにも受験が必要となります。また、文部科学省の方針や教育に関する研究内容がどう変化するか予測不能、抽選があるため受験準備をしても受けることすらできないことがある、以上が検討すべき点になります。私立校は学校法人が運営する小学校で、独自の教育理念のもと、独自の運営管理を行っています。入学するためには志願し、受験する必要があります。男子校・女子校もあり、宗教を持っている学校も多くあります。私立のメリットは、家庭が納得した方針の教育を選択できる(仮に宗教のある学校に入学しても、入信を強要されることはありません)、一定基準以上の家庭環境の子が集まる、学習準備の整った子のみのため入学直後からしっかり授業が始まる、先生の転勤がほぼない、学校によっては内部進学が可能となり、よほどのことがない限り受験なく進学が可能であることです。デメリットとしては、経済的負担が大きい、交通機関を利用した通学が多いため負担となる、受験準備が必要である、ということでしょう。ではどのような基準で私立小学校が合格を決めているかというと、両親に関しては、その学校の教育方針をよく理解した上で入学を熱望しているか、校風や教職員を重んじる意思があるか、家族の雰囲気は良好かを面接で見られます。面接がない学校に関しては、願書でこれらを確認しています。子どもに関しては、「指示を的確に理解し、忠実に実行する能力」と「机に向かった学習をし、多様な分野の能力を身につけているか」を試されています。一部ペーパー(筆記試験)を行っていない学校がありますが、試験内容を聞いていると、筆記試験という形態を取っていないだけで試験中に口頭試問が繰り返され、ルールを順守しながらも臨機応変に頭を使えていたりするかを見る行動を観察されていますので、いずれも時間をかけた訓練が必要となります。家庭での教育度合いや子どもの性格にもよりますが、理想は2年、どんなに短くても半年は準備に時間をいただきたいのが学習塾としての本音です。準備期間が短ければ短いほど習得を急ぐ必要のある内容が多いということになり、子どもへの負担も急激、かつ多大なものになり、試験本番で付け焼き刃が露呈するといったリスクも避けられません。しかし準備期間を長く取れれば、子どもに負担を少なく自然な形でたくさんのことをじっくり身につけて、応用するコツまで伝授することができます。小学校受験とは、それだけの時間と労力、費用をかけてもすべきことなのか。子どもにとって良いことなのか。お悩み解決の一助になれるよう、次回より私立小学校受験について詳しく解説していきます。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール小学校受験向け幼児教室「クラリティー・キッズ」主宰五島 真知子自身が小学校受験を経験し、大学までの私立一貫校を卒業。大学時代に縁あって小学校受験塾(クラリティー・キッズ前身)で4年間アルバイトとして従事。大学卒業後は伊藤忠商事に総合職として約12年間勤務するも、結婚・出産・事故による負傷を経て退職。学生時代にアルバイトをした小学校受験塾の前オーナー引退に際して事業を継承し、現職。何事にも果敢に挑戦する意欲を持ち、目標を達成する為の努力を楽しむ心意気を持った輝く子どもを育成するため、教材作成から指導まで広範囲の指導を行う。
2016年03月11日スーパーウェブが運営する中学受験の情報ポータルサイト「かしこい塾の使い方」は3月3日、中学受験を終えた家庭を対象とした調査結果を発表した。○最終的な受験校数は3~4校中学受験に向けての勉強方法を聞くと、「集団指導塾を利用」が8割超、「個別指導塾を利用」が3割、「少人数制塾を利用」「家庭教師を利用」が各1割程度と、計99%が進学塾や家庭教師を利用していた。中学受験にかかった費用は、「100万~200万円」が58%で最多。「かしこい塾の使い方」主任相談員で塾ソムリエの西村則康氏は「この金額は、大手塾に通った場合にかかる塾費用の相場と言えます」と話している。「200万円以上」は25%で、うち200万円台が2割、300万円が4割、350万円・400万円が各1割強。500万円以上も数件あり、最高額は600万円に上った。最終的な受験校数は、「3校」「4校」が23%で同率首位となり、計46%を占めた。次いで「5校」が18%、「2校」が15%、「6校」が10%となった。受験結果については、「とても満足」が34%、「満足」が42%と、計76%が「満足している」と回答。他方、「やや不満足」は16%、「不満足」は4%にとどまった。結果に満足している人からは「すべての受験校に合格できた」など、希望する結果が得られたからという声が多く寄せられた。調査期間は2016年2月13~21日、有効回答は2016年に中学受験を終えた133家庭。
2016年03月04日都市部を中心にますます激化している私立中学・高校への進学を巡る受験戦争。受験のための塾代に加え、入学してからの学費も公立に比べて高く、教育の世界において格差が広がる要因となっている。それは、生涯年収の格差にもつながっている。では、日本の私立中学・高校・大学などの学費が高いことについて外国人はどう思っているのか。聞いてみた。○「教育がビジネスになっていて格差社会の源」「学生は革命を起こすべき」「格差社会の源です。日本の私立はめちゃくちゃ高いというか教育そのものがすごいビジネスになってます。ヨーロッパではできるだけ平等」(フランス/35歳/男性)「母国は教育は全部ただです。私立大学は禁止のため、全国の大学は国立でただ。なお、大学の食堂は食べ放題で食事もただです。日本の学生は、革命するべきと思います」(ギリシャ/33歳/男性)「日本は私立に限らず教育費が高額。また私立は高額なのにレベルの差もある。母国では私立はあまりなく、ハイレベルな能力を持った学生がそれに応じた教育を受けられるシステムになっている」(チェコ/58歳/男性)「母国には私立学校は最近までなかったです。教育も全部(大学も含めて)ただでしたので、なんで教育を受けるのにお金を払わなければいけないのか、私には分かりません。私は教育をただで受けました(大学も)。教育は商品ではなくて、人の権利と社会の責任だと思います」(ロシア/31歳/女性)「日本はすごく高いと思います。母国でも高いですが、日本と比べたら相対的に安いと思います」(ブルガリア/33歳/女性)「台湾の私立の授業料も高いですが、日本ほどではないです。だいだい一学期40000元(16万円ぐらい)からです。国立だとその半分ぐらいです」(台湾/30歳/女性)「私立学校だからしょうがないです。でも確かに高いです。奨学金も少ないからすごく高いと思います」(ウクライナ/25歳/男性)「母国より日本の私立学校のほうが高いです」(インドネシア/36歳/男性)「ベトナムでも公立大学のほうが学費が安いです。日本の私立大学の学費は、高いと思います」(ベトナム/36歳/男性)「私立の授業料が高いのはどの国も同じ」(韓国/34歳/男性)「母国も同じく、私立に通うとかなり学費がかかります。逆に国立の方はかなり安いです。社会主義なので…。ただし、教育の質に関しては私立の方が良いです。日本の私立の授業料はかなり高いと思います」(シリア/35歳/男性)「私立なので仕方ないと思います。母国も同様です。ただ、日本では国立でもお金がかかるとは変だと思います」(ポーランド/30歳/女性)「母国も一緒です。私立の学校はかなり高いです。日本の授業料はあまり知りませんが、通貨の価値の差を考慮すると日本の方はもっと高いのではないかと思います」(イラン/28歳/女性)「はい、高いと思います。母国では学校により、低コストな私立学校もあります」(フィリピン/35歳/女性)○「当然」「一つの選択肢」「それは当然だと思います。他の国に比べて日本の私立教育は安いのでは?」(エジプト/33歳/男性)「一つの選択肢だから、別に何も考えない。高い方だとは思う。中国の私立学校はあまりいい学校がないので、入ってもあまり意味がない」(中国/28歳/男性)「授業料はほぼ同じぐらいと思います。イギリスは1年で800,000円ぐらいだと思います」(イギリス/31歳/女性)「同じぐらいです。ただし、日本のほうが授業は色々ある。例えば、家政科。母国は理系と文系ぐらいの区分けしかないです」(マレーシア/31歳/女性)○総評地方から東京に出てきて進学・就職し家庭を持った筆者が一番驚いたことの一つは、首都圏で子供に中学受験をさせる家庭の多さ。それも、特に富裕層でなくても、比較的普通の年収の家庭でも、中学受験をさせることだった。ただ、塾代を含めて、学費を見るとかなりの資金が必要になる。今回のアンケートで、多くの外国人の方々も、日本の私立学校の学費は高いと感じていることが分かった。特に、フランスの方は「格差社会の源」、ギリシャの方も「日本の学生は、革命するべき」と回答するなど、教育の機会均等の重要性を強調している。また、ロシアの方の「教育は商品ではなくて、人の権利と社会の責任だと思います」という回答には、深く共感した。一方、「私立学校だからしょうがない」との考えをする外国人もいて、国によって教育政策や教育に対する考え方が大きく異なっていることも判明した。社会主義と資本主義の争いは資本主義が勝ったといわれている。要するに、産業は民間が担うべきという考えが勝ったということだ。だが、学校教育は産業だろうか。フランスの方の回答にあった、「教育がビジネスになっている」という日本の現状には憂うべき点があることは確かだ。チェコのように、「ハイレベルな能力を持った学生がそれに応じた教育を受けられるシステムになっている」のが理想であることは間違いない。(※本文と写真は関係ありません)
2016年01月31日コンプレックス――。この厄介なものを抱える人には、それを弱みだと感じる人と、それを強みに変える人の2種類に大別される。オンライン学習塾「アオイゼミ」を運営する葵 代表取締役 兼 塾長の石井貴基氏は後者のタイプだ。石井氏が感じるコンプレックスは大学受験。函館の有名私立高校を卒業後、1年間の浪人生活を経て福島大学に進学したが、第一志望の大学ではなく、心のどこかで「東京へ出る」ことへの強い思いを持ち続けていた。大学受験が思った通りにいかなかったこと、そして上京できなかったことに悔しさを感じていた一方で、「僕は地方のことに関して同世代の起業家の誰よりも知見があると思っています」とも語っている。石井氏のこの経験は、高校・大学受験向けサービスとなるアオイゼミに色濃く反映されている。石井氏によると、「中学受験向けのサービスはしないのか」とよく尋ねられるが、そのたびに「その予定は一切ありません」と答えるのだそうだ。「東京で起きている中学受験競争は特殊です。確かに東京には1,000万人規模の人口が集中していますが、日本全体で見ると1割以下の人口に過ぎません。残りの9割の人はというと、公立の中学校・高校に入ることを目指しているケースが圧倒的多数です。僕は地方を長く見てきた経験や見識を活かして、10%よりも、90%の人の課題を解決したいと思いました」(石井氏)こう語る石井氏とはどんな起業家なのか。これからどこへいこうとしているのか。会社立ち上げまでの経緯やお金に苦労した思い出を紐解きながら、詳しく話を聞いた。○富裕層も貧困層も、高額な教育費に頭を悩ませていた―― 起業を決意したきっかけは何ですか?石井氏 : 新卒でリクルートに入社して2年、北海道支社で不動産事業の広告営業を担当しました。その後、ソニー生命保険から声をかけてもらい、札幌支社で1年営業として働きました。計3年、会社員として営業経験を積みました。昔から「起業したい!」という強い思いがあったわけではありません。ただ、独立して起業する人が多いリクルートにいた当時から、いつかは僕もここを離れるだろうなとは、ぼんやり考えていました。起業に到った最大のきっかけは、ソニー生命保険時代にファイナンシャルプランニングの業務を経験したことだと思います。ソニー生命保険は、「30歳・子ども1人・年収500万円」というベースが同じ人であっても、生き方はまったく違うものであることを前提に、お客さま一人ひとりに合ったライフプランの設計と提案を大事にしていました。賃貸派か持ち家派かといった住まいに関する考え方の違いでも、家計のキャッシュフローは将来的にまったく異なったものになります。教育面でも同じです。子どもの面倒を見るのは高校までと考える家庭から、私大でも海外留学でも子どもが望むことなら何でも叶えたいと考える家庭まで、保護者の考えは千差万別です。そういった将来に対する考えや要望はもちろん、旦那さまのお小遣いに到るまで、事細かくヒアリングさせていただいた上で、家庭ごとにライフプランを考えていきます。僕が担当したのは、世帯年収2,000万円クラスから150万円クラスまでと幅広かったですね。衣食住だけを見ると、やはりそれぞれの年収で違いが見えてきます。ですが、年収に関係なく、唯一支出の負担割合が変わらないのは、学習塾を主とした学校外の教育費でした。支出のシミュレーションを組むと、お子さんが高校・大学受験をするタイミングで通常のキャッシュフローでは回らなくなり、家計がバーストすることがよくあります。受験時には今まで予期しなかった費用がかかることから、教育費は年収の10%ほどのボリュームを占めるケースが大半。どんな家庭であれ、大きな負担としてのしかかってきます。これはどうしてだろう……と不思議に感じたのが、アオイゼミというサービスを作るきっかけになりました。○バイトとアオイゼミを掛け持ちした1年半―― 2012年3月に会社を設立していますが、その前後のエピソードを教えてください事業やビジネスモデルを考えていた2011年頃、ニコニコ生放送やUstreamなどの生放送技術が普及し始めたことがヒントになりました。動画を一方的に配信するだけだと、既存の通信教育と何ら変わりません。ですが、ネットの力を活用して、講師や生徒と生でコミュニケーションを図れる授業を提供すれば、実際の塾と同じような学習体験をお届けできて、受講生の感動を生むのではないだろうかと。画面の向こうにはリアルタイムで授業を行う講師がいて、わからないことを質問すればその場で答えてくれたり、自分と同じ瞬間に授業を理解する友だちがいたり、時にはわからないと言った仲間がいて安心したり、というような人と人とのコミュニケーションがライブ授業の醍醐味だと思っています。ITで便利さと安さを実現し、コミュニケーションで受講生の感情を動かすサービスを作りたいと思いました。そんな話を高校・大学時代からの友人二人に話したところ、ビジネスにできるのではないかとポジティブな意見をもらいました。ただ、三人で起業したときは全員27歳で、本当にお金がなかった時期でした。みんなで資金をかき集めても100万円くらいにしかならず、さぁどうするかと話して、昼間は全員で出稼ぎ(アルバイト)に出ることにしました。僕が週4回、朝から夕方までバイトしていたのはコールセンターです。出稼ぎのあと、夕方から夜にかけてはアオイゼミの事業を行う生活が1年半ほど続きました。○初の資金調達後は「おもちゃを与えられた子ども」そのもの転機が訪れたのは、2013年8月にiOSアプリをリリースしたタイミングでしょうか。インターンで入ってくれていた優秀な大学生エンジニアが3人で作ってくれたものです。それから、1日の会員登録数が10倍になるなど、一気にユーザーが増えていきました。その2カ月後、一回目の資金調達に成功しました。「おもちゃを与えられた子ども」というと例えがよくないかもしれませんが、今まで金銭的な理由でできなかったことを次々と実現していったのを覚えています。エンジニアに週5回出勤してもらえるようになったり、5人ほど入ると狭く感じるオフィスからやや広いオフィスに移ったり。新たに人も採用できました。2013年10月には10人ほどの組織でしたが、2014年4月には約20人、2015年4月には約40人、2015年11月には約50人までに仲間が増えています。―― 環境が激変しましたね。振り返って、失敗したなと思うことはありますか?資金の使い方としては間違っていないと自負しています。ただ、僕ら役員や現場のマネージャーたちも、マネジメント経験が豊富にあったわけではなかった。そういう意味で、人が急に増えたときに、適切な動きをとれていなかったと思います。仲間が5人程度であれば、全員とコミュニケーションを図っても、十分スムーズな意思疎通はできます。でも、組織が20~30人規模になると、意思決定ルートを明確にしておかなければ、各所から依頼が飛び、現場社員も誰から頼まれた仕事を優先すべきなのか、戸惑うでしょう。正直、それに気づいたタイミングは遅かったなと反省しています。それからは組織構造を整えたり、マネージャー層に裁量権を与えたり、属人性の高い仕事をフォーマット化して業務効率を上げたり、人材育成フローを整えたりと、一つひとつ手探りながらも、会社っぽい組織を作ってきました。僕自身は経営にシフトした、と言うとカッコイイですが、いまは採用や資金調達、新規事業の仕込み、業務提携など、体外的な動きを主に担当するようになりました。失敗を踏まえて、ようやく会社として整いつつあるのかな、と感じています。○利用者と支払い者が異なるサービスでは対象を絞ったマーケティングを―― サービスの認知を広げるためのマーケティング戦略についても、お話を伺っておきたいですサービスの受け手とお金の払い手が違うため、マーケティングのハードルが高いのではないかと、よく言われます。僕は、マーケティングをする上で、お子さまと保護者のどちらを対象にするかを分けて考える必要があると思っています。その上で、僕たちは受け手にフォーカスしています。10代以下の子どもにもスマホが普及していますし、「塾より分かりやすい」と言ってくれる受講生や、通っている塾をやめて「アオイゼミ1本にしました」という生徒もいます。まず、生徒自身に無料プランを使ってもらい、成績が上がったから「もっと勉強したい」「有料プランを申し込みたい」と保護者に話してもらう流れが、僕たちの理想とするところです。―― 価格設定についてはどう考えていますか? 現状のプラン(月900~5,000円)を見ると、リアルの塾と比べて大幅に安いのは明らかです起業の大本にある「教育における経済格差をなくしたい」という思いと、利用者の課金ハードルをギリギリまで下げたい、といった考えで価格設定しています。一般的に課金率5%といわれるフリーミアムモデルですから、まず無料プランを使い、有料プランでたくさん勉強したいと思ってくれる受講生が出てくると成り立つ金額感です。文部科学省が平成26年1月に発表した「子供の学習費調査 」(平成24年度)によると、「学校外活動費」(学習塾、習い事などへの支出)は、学年別に年額で見ると、公立では中学校3年の約36万4,000円、私立では小学6年の約72万4,000円が最多となっています。アオイゼミはこれを10分の1以下に、一番高額なプランでも4分の1にすることを目指しています。○起業家=投資家。最悪の状態とリスクを想定してから踏み出そう―― 最後に、起業を目指す人たちへ、アドバイスをお願いします僕は賢い人間ではないし、コンプレックスもありますし、いまも自分に自信がありません。ここまで自信がある風に話してきただけです(笑)。でも、そのぶん、心がけていることがいくつかあります。まず、情報収集を欠かさないこと。次に人に頼ること。正直、頼りっぱなしです。自分が決してできる人ではないと自覚しているので、できないことは理由を話した上で、素直にお願いしています。最後にもう一つ、常に最悪の事態を想定して、それを自分が受け入れられるか否かという基準で意思決定するようにしています。そうすれば、万が一最悪の事態に陥った時も精神的に楽になるはずです。僕は27歳で会社を作りました。2年くらいすれば会社として何かしらの結果は出るだろうと考えていました。もし失敗しても29歳。自分の営業経験があれば、どこかの会社でも月給20万円くらいで雇ってくれるだろう、という感覚はありました。良い部屋に住みたいとか、外車に乗りたいとか、そういった欲があれば話は別ですが、僕は月に20万円ならそれなりに幸せに生きていけるなと感じました。要はどちらを取りたいか、なのです。僕はやりたいことに挑戦して、万一失敗しても、その次の人生を受け入れる覚悟がありました。起業して「教育における経済・意識・地域の格差をゼロにしたい」といった目標を実現する方がリターンは大きいです。たとえ失敗しても月20万円で暮らす日々が待っているだけで。それならやるしかないでしょう。起業家は投資家でもあるのです。リスクを明確にした上で、どこまでなら挑戦できるのかを考える点では、一般的な投資の発想と同じだなと感じています。
2015年12月11日