乳腺炎は、産後のママの約25%で起こるといわれています。乳腺炎は、母乳が停滞・詰まってしまったうっ滞乳腺炎と、細菌感染による化膿性乳腺炎に分けられます。細菌感染症による、化膿性乳腺炎の場合細菌感染による乳腺炎は、乳頭が傷ついたこと(授乳開始後まもなくは、赤ちゃんに吸われることで、乳頭が切れることが多々あります)などがきっかけとなり、ブドウ球菌、連鎖球菌といった皮膚に住み着いている菌たちによって炎症が起こります。・おっぱいが熱を持つ・赤みを帯びる・しこりができる・押さえると痛い・発熱、悪寒・頭痛、関節痛などの全身症状・白い母乳ではなく、黄色っぽい母乳が出るなどの症状が出ます。この場合、授乳はできず、抗生物質での治療が第1選択となります。迷わず病院へ行きましょう!母乳が停滞・詰まってしまった、うっ滞乳腺炎の場合母乳が停滞・詰まった乳腺炎では、胸の張りやしこり、多少の痛みを感じますが、感染をしているわけではないので乳房の赤み、熱感はありません。しかし、母乳の停滞が続くと細菌感染を起こし、結果的に化膿性乳腺炎になることもあります。停滞・詰まった場合は乳房マッサージ、授乳、搾乳を行い、停滞・詰まりを早急に改善しなくてはいけません。そもそもなぜ、乳腺は停滞し、詰まるのか乳腺が詰まる原因は、血液やリンパ液などによる乳管の圧迫、乳汁の凝固、赤ちゃんの吸い方が上手ではない、乳頭亀裂によりオキシトシンが分泌されにくいことなどが考えられます。つまり、血行不良やおっぱいの質が悪い、おっぱいがしっかり飲まれず残っている、ホルモン異常といった感じでしょうか。そこで、第1に「血行を良くする」、第2に「おっぱいの質を良くする」、第3に「おっぱいを乳腺に残さない」、これらを徹底していただくことで停滞・詰まりの乳腺炎を回避しやすくします。乳腺炎予防のステップ(1)血行を良くするおっぱいは鎖骨、わきの下、胸骨、肋骨などの血管から血液が注がれ、作られます。そこでまずは、胸周りの血管の流れを良くすることが大切です。肩こりや肩甲骨が動かない状態では、血行不良が起こりやすくなります。マッサージやストレッチが効果的ですね。もしすでに停滞や詰まりがあったら、しこりをマッサージして小さく砕き、赤ちゃんに飲んでもらうか、搾乳をしましょう。乳腺炎予防のステップ(2)おっぱいの質を良くするおっぱいの質には、食事が大いに影響してきます。ただし、賛否両論があり、一概に「これは良くて、これはダメというものもない」ということを覚えていてください。それを踏まえた上で、食べたほうが良いものとして挙げられるのは・白米・うどん・そば・納豆・鶏肉・白身魚・根菜類 など。避けたほうが良い食べ物としては、・もち米・パスタ・ラーメン・菓子パン・乳製品・牛肉・マヨネーズ・お菓子などがあります。要は水分、たんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどをバランスよく食べることが重要です。産後は忙しく、なかなかこだわった食事を作るのも大変ですが、おにぎりだけ、菓子パンだけなどという食事だけは絶対に避けなくてはいけません。東洋医学では、タンポポの根っこ(ダンディディライオン)、はと麦、ラズベリーリーフが母乳の出を良くするといわれています。これらはお茶としてよく飲まれており、カフェインも入っていないので、試してみてはいかがでしょうか? そのほか、古来より葛根湯が母乳の出を良くするといわれ、使われています。乳腺炎予防のステップ(3)おっぱいを乳腺に残さない「おっぱいを乳腺に残さない」という点については、赤ちゃんが生まれてみないとわからないことがたぶんにあります。赤ちゃんが上手に飲めるかどうかはそれぞれですし、母乳が出すぎて赤ちゃんが飲みきれないことや、逆に乳管が細くて出にくいなど、乳腺に残りやすい状況はそれぞれにありますが、どれも実際に授乳を始めてみないことにはわかりません。そこで、妊娠中から乳頭マッサージをするのは対策のひとつとして有効です。あとは搾乳することでしょうか?日本では搾乳文化はあまりありませんが、欧米では搾乳機は出産グッズのマストアイテムとなっています。もちろん、赤ちゃんがよく飲み、残さないのが理想ではありますが、うまくいかない場合は利用してみましょう。そして、飲ませる時には、乳管にあるおっぱいをご自身の手で誘導し、乳首まで運ぶことも忘れないでください。乳腺が停滞・詰まってしまったら、ステップ(1)と(3)を試し、滞っている塊を取り除きましょう。そして予防を含め、ステップ(2)を心がけましょう。この3つを駆使して、痛い乳腺炎の予防をしましょう。(鈴木元<天使のたまご総院長>)
2015年09月26日前回 は、乳腺炎の3つの段階と症状について解説しました。今回は、おもに改善策についてお話しします。乳腺炎がどの段階になったら病院を受診すべきなのか、そして、病院へ行く前にできることはあるのか、解説していきます。■第1段階:急性鬱滞(うったい)性乳腺炎(急性停滞性乳腺炎)乳房の一部が熱を持つ、痛む、しこりができるなど、「様子がおかしい?」と自覚できる段階。この段階では、病院を受診しない人も多いです。自分でできる改善策としては、以下の3つが挙げられます。・抱き方を変えながら赤ちゃんに乳首の奥までしっかりくわえてもらい、乳腺に溜まったおっぱいを飲んでもらう循環が良くなり、乳房の血液やリンパの流れも改善して炎症がおさまっていきます。・葛根湯を飲む葛根湯は、頭痛、発熱、悪寒など風邪の初期症状に効く漢方薬です。筋肉痛や肩こりといった体内の炎症を抑える効果もあるので、乳腺炎にも良いとされています。ただし、衰弱している人や胃腸が弱い人には効果が薄いともいわれているので、不安な場合は飲む前に医師や薬剤師に相談しましょう。・食事は甘い物や高カロリー食や乳製品を控え、あっさり和食にする食べたものの脂肪分がカスとなって乳腺内に残り、おっぱいが詰まりやすくなることで乳腺炎を発症することもあります。母乳育児中はとてもお腹がすきますが、スープや常備菜などを上手に使って、甘いものや動物性脂肪を摂取する頻度を抑えましょう。■第2段階:感染性乳腺炎細菌による炎症が加わり、発熱や痛みの症状が強くなります。ここまで乳腺炎の症状が進行すると、病院を受診する必要があります。寒気がして発熱した時点で、すぐに病院や助産院、桶谷式の母乳相談室で様子を見てもらいましょう。症状の進行度合いによっては、抗生物質の服用が必要になることもあります。授乳中でも飲める抗生物質もありますので、医師にきちんと相談すれば大丈夫です。受診までに少し時間がある時は、以下のことをやっておきましょう。・鬱滞性乳腺炎と同じく、溜まったおっぱいを出し切るもし「おっぱいの味まで変わってしまった」といった理由で、赤ちゃんに飲んでもらえない場合は、清潔な手で搾乳してください。・おっぱいの分泌量を増やし過ぎないよう、入浴はシャワーで済ませる湯船に浸かり、血行が良くなると母乳の分泌量が増え、さらなる炎症をおこすきっかけになります。入浴はシャワーだけで済ますようにしましょう。・里芋で作った湿布やキャベツの外葉などを当て、乳房を適度に冷やす昔から里芋で作る湿布には消炎作用があると言われ、打ち身やねんざ、腫れものなど、酸化した古い血や毒素の吸い出しなどに使われてきました。作り方は、すりおろした里芋、または水に溶かした里芋粉を厚手のクッキングペーパーやふきんなどに包み、乳房にあてて冷やすだけ。少しゆるいようであれば、小麦粉を加えてもよいでしょう。キャベツの外葉を一枚はがしておっぱいの上にかぶせるだけでも、おっぱい全体が張って熱を持った時に、ちょうどよい具合に熱を取る効果があるとされています。保冷剤で冷やすのもよいですが、冷やし過ぎも乳腺炎にとってよくないので、注意が必要です。■第3段階:腫瘍性乳腺炎(化膿性乳腺炎)感染性乳腺炎よりも細菌がさらに繁殖し、乳房の中で膿の塊ができてしまった状態。皮膚が赤く腫れて、熱や痛みをもち、39度以上に発熱することもあります。ここまでくると、もはや自宅できることはありません。一刻も早く病院(できれば乳腺科)を受診しましょう。外科での切開手術が必要になります。 切開と聞くととても痛そうですが、膿をしっかり出し切ることができたら、嘘のようにスッキリするそうです。あとは傷の回復を待ちながら、無理のないよう暮らしましょう。■乳腺炎はあっという間に進行します。早めの処置を乳腺炎の発症は、おっぱいが溜まることだけが原因ではなく、食生活や全身の疲れも大きく影響します。日頃からこってりしたものや甘い物を食べ過ぎず、睡眠不足の日は「赤ちゃんと一緒に眠る」などして、疲れを溜め過ぎないようにしましょう。乳腺炎は進行がとても早く、ひどくなるのもあっという間です。病院に行くのは抵抗があるという人は、熱が出たらすぐに、母乳育児の専門の助産師や、桶谷式の母乳相談室に行ってみてください。症状に応じて、的確に処置してもらえるはずです。乳腺炎も、正しい対処法を知っておけばきっと大丈夫なはず! と信じて、赤ちゃんと二人三脚の母乳生活をがんばっていきましょう。
2014年11月08日乳腺炎とは、乳腺が炎症をおこすこと。妊娠中の人でも一度は聞いたことがあるでしょう。乳腺炎になるとおっぱいが腫れて痛い、熱が出てつらいといった症状が出て、授乳に支障をきたします。乳腺炎のことは、妊娠中から知っておいたほうが、いざという時の役に立ちます。今回はまず、乳腺炎の症状について紹介しましょう。乳腺炎には、進行の度合いによって3つの段階があり、それぞれ症状が異なります。■第1段階:急性鬱滞(うったい)性乳腺炎(急性停滞性乳腺炎)乳腺炎の初期段階です。赤ちゃんに飲んでもらえないまま、乳腺の小葉や乳管の中に残った母乳が、濃く、古くなることがきっかけで生じます。母乳育児をしているママなら、一度は経験するのではないでしょうか。おもな症状は・おっぱいの一部が熱を持つ、痛む、しこりができる・おっぱいの一部が赤くなる・母乳が黄味がかった色になる(まれに、かぼちゃやにんじんの食べ過ぎなどでβカロチンを過剰摂取すると、黄味がかった色になることもあります)・肩や背中が重くなり、赤ちゃんを抱っこする時に違和感が生じるなどです。出産後まもないママがなりやすいともいわれています。■第2段階:感染性乳腺炎鬱滞性乳腺炎を改善できないでいると、溜まったおっぱいに細菌が繁殖し、感染性乳腺炎になってしまうことがあります。感染性乳腺炎のおもな症状は・おっぱいが痛み、赤く腫れる・寒気がする、熱が出始める・赤ちゃんを抱っこしたり、歩いたりすると振動が胸に響いて痛む・母乳が少ししょっぱい味になるなど。栄養いっぱいで温かいおっぱいは、細菌にとって最高の住処。そのため、進行も早まります。おっぱいに痛みがあり、熱が出てきてしまったら、すぐに助産院か病院を受診したほうがよいでしょう。■第3段階:腫瘍性乳腺炎(化膿性乳腺炎)感染性乳腺炎を放っておくと、細菌がさらに繁殖して、乳房の中で膿(うみ)の塊を作ってしまいます。・皮膚が赤く腫れている・おっぱいに痛みと熱をもった固いしこりができている・39度以上の発熱がある以上のような症状が見られる時は、ただちに病院を受診してください。ここまでくると母乳マッサージだけでは対応しきれず、乳房の脇を切開して膿を出す外科手術が必要になります。乳腺炎にかかり始めたなと思ったら、まずはしっかりと赤ちゃんにおっぱいを飲んでもらいましょう。そうしないと、1日と経たないうちに鬱滞性乳腺炎に移行し、数日で感染性乳腺炎や腫瘍性乳腺炎に進行してしまいます。■乳腺炎にならないために、普段からできること乳腺炎は、体質によってかかりやすさが違う部分もありますが、日々の心がけで、ある程度予防することができます。以下の3つのポイントに気をつけておきましょう。・あっさりした和食や塩分控えめな自然の食材を中心にとした、赤ちゃんにとっておいしいおっぱいを作れる食生活にする・「ちょっと危ないかも」と感じた段階でしっかり授乳しながら、できるだけ安静を心がける・日頃から授乳する時の角度を変えて、正しいくわえ方で赤ちゃんにおっぱいを飲んでもらうようにする乳腺炎が進むと、赤ちゃんが母乳をしばらく飲めなくなる場合も出てきます。そうなると、これまで母乳だけで育てていたママは、ミルクの準備や後片付けなどでさらに大変になってしまいます。できるだけ、乳腺炎予防を心がけてください。次回は、乳腺炎の進行段階別に、医療機関に相談すべきタイミングや、病院に行く前にできることを解説します。
2014年11月06日10月新ドラマでアダルトな魅力女優として多彩に活躍する米倉涼子が、テレビ朝日系で10月にスタートする「ドクターX~外科医・大門未知子~」(木曜・21:00~)に主演し、医師役に初挑戦することが分かった。先月には、米ニューヨークの本場ブロードウェイでミュージカル「シカゴ」に挑戦。見事に演じ切った彼女が、さらなる新しい境地、挑戦をみせてくれるドラマとなりそうだ。破天荒かつ美しすぎるセクシー天才外科医米倉演じる大門未知子は、天才的な勘と腕で難しいオペを次々に成功させてゆく、フリーランスの女外科医。スーパードクターとして、ドクターXの異名をもち、さまざまな病院を渡り歩く。医療、医局、金銭、人脈といった、古いつながりが切り離せない大病院の実態を背景に、彼女が敢然と立ち向かう医療ドラマとなっている。技術もすごいが、ルックスもすごいのがこの女外科医だ。短パン&生脚美脚に白衣を颯爽とまとうのが定番スタイル。派手で大胆すぎるファッションで、初勤務する病院では“誰かの愛人”かと間違われるほどの強烈なキャラクターとなっている。セクシーでアダルトに演じてみたいと米倉も意気込みはばっちり。医療界におけるストーリーもさることながら、大胆なファッションと彼女ならではの美しいスタイル、そして美しいメスさばきなどもみどころとなりそうだ。元の記事を読む
2012年08月22日聖心美容外科は、5月1日から全国8院で新しいタイプの制汗剤「パースピレックス」を処方している。脇にひと塗りするだけで3~5日間制汗効果が長時間持続。気になる汗やニオイを抑え、ノースリーブやカラーシャツの汗じみを気にすることなく過ごせるという。同剤は、汗を抑えたい部位(脇、手、足)に塗布すると、主成分の塩化アルミニウムが汗腺内の水分に反応。汗腺深部に角栓を作りふたをすることで、発汗を物理的に抑制する。1回の使用で角栓がターンオーバーで排出されるまでの3~5日間の制汗作用があり、毎日塗り直さなくてもよいという。脇だけでなく、手のひらや足の裏にも使用可能とのこと。また、角栓が形成される際に生じる微量の塩酸を減退させるため、乳酸アルミニウムを配合。このため、皮膚への刺激を防ぎ、アレルギーの心配も不要とのこと。さらに無香料タイプで、男性も気軽に使用でき、女性のフレグランスの香りの邪魔をせず、しかも衣服への色移りや白い筋などが残る心配も不要という。同外科では、脇や手足の多汗症、軽度のワキガに悩んでいる人、これまでの制汗剤・デオドラント剤では塗り直しが必要だった人、仕事柄、外回りが多い人、スポーツなどアクティブな趣味を楽しみたい人、濃い色のシャツやカットソーの汗ジミが気になる人、ボトックス注射による多汗症治療に抵抗のある人に、特に同剤の使用をすすめたいとしている。なお、発売元はデンマークのRiemann A/S社、価格は内容量25ml(約3カ月分)で4,800円。購入に際しては医師の処方が必要とのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月12日金沢医科大病院乳腺内分泌外科の野口昌邦教授が、乳房の傷跡が目立ちにくい新しい”乳がん手術法”を確立、乳輪や脇の下などを切開し切り口を移動させて施術する独自の技術のため、患者の体の負担が小さいという。乳房を残したい女性の願いと、がんの治癒とを両立させる手術法として、今後普及させたいとのこと。これを富山新聞が報じている。最近の乳がん手術では、腫瘍部だけを切除し乳房を残す「乳房温存手術」が一般に行われているが、この場合、傷跡が目立ったり、乳房が変形してしまうケースも少なくない。傷跡目立たず乳房の変形も少ない、新手術法を開発そこで、乳がん手術の第一人者である野口教授は、乳輪の周囲や脇の下など目立たない部位を2~3センチ切開し、皮膚の保護などに使う器具をはめ込んで移動させることにより、切除部を直視しながら手術を行う方法を開発したもの。窓を移動させるような動きから、この手術法を「ムービングウインドー法」と名付けたという。この方法では、従来と比べて乳房の傷跡が目立ちにくく、乳房の変形も少ない。かといって、再発し易いこともないとのこと。また最近普及してきた内視鏡手術と比べても手術時間が短く、出血量も少ないという。保険適用内で行え、かつ費用負担も少ない!さらにこの手術は、保険適用内で行えるほか、内視鏡など高価な器具を使わないため、病院側の費用が節約できる利点もあるとのこと。乳がん発症者は年々増加する傾向にあり、いま4万人を超えるとのことだが、女性にとっては大きな望みにつながるだけに、これは朗報といえる。
2010年10月28日