「京都サンガF.C.」について知りたいことや今話題の「京都サンガF.C.」についての記事をチェック! (4/10)
こんにちは、おーまえです。京都のちょっといいこと、連載6回目の今回は、京都の市についてご紹介します。京都では骨董などを扱う市が定期的に、そしていろんな寺社仏閣でも行われています。中でも有名なものは、毎月21日開催の東寺の市、通称「弘法さん」と毎月25日開催の北野天満宮の市、通称「天神さん」。たくさんのお店が並び、老若男女、誰が行っても何か欲しいものが見つかること間違いなしのこの市。早起きして行ってきましたー!弘法さん行われる東寺は、京都駅から南、大宮九条にある五重塔が有名なお寺です。広い境内には、さまざまなお店が並びます。着いた途端にワクワクしますー。▲門のそばからお店がずらり。骨董だけではなく、作家さんの手作りの器、お漬物や野菜なども販売されています。一緒に行ったうちの旦那さんは、工具屋さんで長時間楽しそうに選んでいましたよ。▲お漬物も手作りで安い!しっかりと個別包装もされています。▲掘り出し物がありそうな雰囲気がプンプンする、工具屋さん。また東寺に来たら食べたい、東寺餅をお土産に購入。ふわふわのお餅と餡子のバランスが◎。シンプルな美味しさです。続いて北野天満宮で開催される天神さんへ!北野天満宮は、春は梅苑が開かれることでも有名で合格祈願で訪れる方も多い神社です。こちらは境内というよりは、北野天満宮の東側の通りや駐車場にお店がずらりと並びます。私個人的な印象としては、天神さんは古い着物などの衣類のお店が多いように感じました。オシャレに着物を着てみたいという方にはかなりおすすめです!▲着物や帯、布類もたくさん!▲参道には露天が並んでお祭り感も楽しめます。▲トミカのミニカーも並んでました〜。▲ガラクタの中から掘り出し物を探すのこそ、こういう市の醍醐味!行けばついつい長居していろんなお店を覗きたくなる市。宝物探し感覚でずっと見てられます。こだわりの品揃えを感じさせるお店も多く、常連のお店さんに常連のお客さんがしっかりいて、所々で「久しぶりやねえ、元気やった?」とお話しする姿も見かけました。そんな和気藹々とした雰囲気の市が気軽に楽しめるのも、京都のちょっといいところです。今回の市は緊急事態宣言の前、人の少ない朝の時間帯に参加したものをご紹介をさせていただきました。緊急事態宣言等の感染防止の観点から、現在は開催中止になることも多い市ですが、今の状況が落ち着いて安心、安全に楽しめる日が1日も早く訪れることを心から願っています。今回の京都のちょっといいことはここまで。また次回お会いしましょう! おーまえ京都在住。ほぼ毎日自転車行動。時間があると気になる場所やお店をウロウロ探し回りがち。お笑いと犬がずっと好き。最近はリボベジに小さな幸せを感じてます。
2021年09月14日総合ユニフォームメーカーのアイトス株式会社(本社:東京都台東区 代表取締役社長:伊藤 崇行)は、自社ブランドである「TULTEX」のアクティブワークスーツのムービーを、オフィシャルサプライヤー契約をした、サッカークラブ「F.C.大阪」とタイアップ制作いたしました。動画は2021年9月3日に公開いたします。1<背景>2021年6月に契約を結んで以来、トップチーム選手・スタッフ及びフロントスタッフの皆様に移動用、運営用として2021年より発売を開始したビジネススーツ型ワークウェア「TULTEX アクティブワークスーツ」をご着用いただいています。フォーマルな装いでありながら、軽さと高いストレッチ性で体に合わせた柔軟な動きが可能です。さらには生地表面の織り方と特殊な撥水加工により水をはじきやすく、家庭の洗濯機で丸洗い可能と使い勝手抜群の機能性に優れたアイテムです。この商品を着用しながら、選手の皆様にサッカーをしてもらい、通常のスーツにはない、ストレッチ性、軽さ、撥水性までが伝わる動画となっています。動画はアイトスYouTubeチャンネルをメインに当社のHP、SNSアカウントから視聴が可能です。躍動感あふれる選手の動きを是非ご覧ください。〈Facebook〉 〈Instagram〉 【会社概要】称号 : アイトス株式会社設立 : 昭和25年代表者 : 代表取締役社長 伊藤 崇行事業内容: 企業向け仕事服の企画・製造・販売本社 : 東京都台東区浅草橋4丁目19番7号HP : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月03日株式会社MONOGATARI(所在地:京都府京都市、代表取締役:西田 希久代)は、大人の魅力が詰まったミニマルWallet『C-secure』を、2021年9月30日までの期間限定で最大30%OFF価格で販売するキャンペーンをオフィシャルストアにて開催しております。【C-secure】Vegetable tanned WalletURL: モダンな要素とクラシックな革の魅力を備えた、アルミと革の融合がクールな『C-secure』。C-secureは、オランダで設計・開発されたスタイリッシュなRFID保護機能付きの財布です。内装にはカードを簡単に取り出せるアルミニウム製のカードケースが装備され、外装は最高級のイタリアンレザーで作られています。■特徴・最高級イタリア製の天然牛革、拘り抜いた製法(植物タンニン鞣(なめ)し)ヌメ革の使い込むにつれて出る味わい深い艶、大人の魅力がより一層増す財布です。経年変化を楽しみ、その風合いを感じてください。共に歳を重ねていける、オンリーワンの財布です。・スキミング防止C-secureのネーミング由来は“security(安全)”から創られた造語で、C-secureのコンセプトそのものです。特許申請済みで保護機能は万全。カードケースの素材であるアルミニウムの耐久性も申し分ありません。安心安全を保障します。・ミニマムファッション収納力が高く、手のひらサイズでコンパクト。便利でミニマルな生活を送りながら、セキュリティ対策も万全にしておきたい。そんな方にオススメです。アルミニウムケースのクールさと、使い込むにつれて風合いが出てくる天然革の暖かさ。大人の魅力が詰まったミニマルWallet『C-secure』。使い込むほどにオンリーワンの味・風合いが増し、革に刻み込まれていきます。■製品概要製品名 : ミニマルWallet『C-secure』特別仕様『Vegetable tanned Wallet』価格 : 13,200円(税込)※特別価格:最大30%OFFカラー : 全4種(Montana / Gun / Maccha / Saddle)カードケース: 2サイズ(Normal / XL)素材 : フルグレインレザー生産国 : オランダURL : ■会社概要商号 : 株式会社MONOGATARI代表者 : 代表取締役 西田 希久代所在地 : 京都府京都市下京区新町通松原下ル富永町107番地1設立 : 2020年6月事業内容: 輸入貿易業連絡先 : info@monogatari-japan.com URL : ストア : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月02日心・体・肌まで「ととのえる」最高の体験を化粧品・健康食品・医薬部外品の販売事業等を展開する株式会社エクラは、「ソロサウナtune」の利用者がビタミンC美容液『fru:C(フルーシー)美容液』を体験できるキャンペーンを開催している。「ソロサウナtune」は、東京・神楽坂にある完全個室のフィンランド式サウナ。個室で着替え・サウナ浴・冷水浴・休憩のすべてが可能。個室なので、視線を気にせずに横になれるほか、自分の好きなタイミングでロウリュができる等、ストレスフリーで過ごせる。個室の予約制なので、サウナや水風呂の順番待ちがなく、不特定多数の利用者と密になることもない。同店は、新型コロナウイルス対策を徹底し、店内の環境整備に努めているため、衛生面も安心である。サウナの後にはビタミンCをしっかりチャージ『fru:C 美容液』は、フルーツ由来のビタミンCカプセル美容液である。肌に触れるとカプセルがはじけて、新鮮なビタミンCが広がり、肌本来の美しさを引き出す。厳選したフルーツエキスのパワーにより、透明感あふれる肌に導いてくれる。スキンケアをしながら、天然のフルーツアロマの芳醇な香りで癒やしの時間が楽しめる。販売価格は、28ml入り(約1か月分)で5,445円(税込み)。キャンペーンでは、『fru:C美容液』のテスターをサウナ後のパウダールームで自由に使うことができる。実施期間は、9月9日まで。予定数量に達した時点でキャンペーンは終了となる。(画像はプレスリリースより)【参考】※プレスリリース株式会社エクラ※公式ソロサウナtune※fru:C
2021年08月25日『REAL WORKOUT』と『Y.S.C.C.横浜フットサル』がスポンサー契約を締結パーソナルジム『REAL WORKOUT(リアルワークアウト)』を国内48店舗(直営・FC含む)展開する株式会社WORKOUT(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO 土屋耕平)は、2021年6月10日に横浜初のFリーグ加盟クラブ『Y.S.C.C.横浜フットサル』を運営するNPO法人横浜スポーツ&カルチャークラブ(神奈川県横浜市、理事長 吉野次郎)とオフィシャルスポンサー契約を締結致しましたことをご報告します。・REAL WORKOUTについてREAL WORKOUTは2018年に誕生して以来、「パーソナルトレーニングを全ての人に!」というコンセプトのもと、全国48店舗(神奈川県内には6店舗)を展開。今までダイエットという文脈でしか想起されなかったパーソナルジムのイメージを若者向けには“BODYMAKE”や“ファッション”、中高年層向けには“サステナブルボディ”などというキーワードでサービスづくりを行い、新しい顧客層から支持を集めていす。▶︎公式HP: ・Y.S.C.C.横浜フットサルについてY.S.C.C.横浜フットサルはNPO法⼈Y.S.C.C.(横浜スポーツ&カルチャークラブ)のフットサル部⾨として誕生しました。「横浜本牧エリア」を本拠地とし、主にサッカー、⼥⼦サッカー、他スポーツアカデミーを運営し、サッカーTOPチームはJ3リーグに所属しています。同クラブは、横浜初のFリーグ加盟クラブとして、フットサルを通じて横浜に夢・希望・憧れの創造と横浜⽂化の発信に取り組み、新たな総合型スポーツクラブの価値観の実現を⽬指しています。▶︎公式HP: ・オフィシャルスポンサー契約締結の背景REAL WORKOUTはジム運営を通して優秀なパーソナルトレーナーの育成、輩出に取り組んでいます。そのような背景から昨年度よりアスリート支援を強化するとともに、地域クラブを支援することでその地域で住まう地域住民(ファン)と、クラブ(選手)、ジム(トレーナー)の3方をフィットネスを軸に交流を促進し、地域密着型の店舗運営を展開しています。また施設内の空き時間を有効活用し、アスリートのトレーニングスペース並びにリハビリスペースとして貸し出すことでチームの戦力強化にも貢献していきます。・Fリーグ概要■Fリーグが目標とする5つのキーワード①フェアで公正なリーグに②日本最高峰の戦いを見せるリーグに③フットサルの楽しさを創造するリーグに④仲間と喜びを分かち合うリーグに⑤スポーツがともにある豊かな未来を作るリーグに■開催期間ディビジョン12021年6月5日(土)~2022年1月16日(日)ディビジョン22021年5月22日(土)~2022年1月16日(日)■大会方式ディビジョン1ホーム&アウェイ方式による2回戦総当たり(全22節132試合)ディビジョン23回戦総当たり(全15節45試合)■視聴方法全試合Abemaで無料生放送▶︎公式HP: ・会社概要株式会社WORKOUT(WORKOUT INC.)〒150-0011東京都渋谷区東3-25-3 ライオンズプラザ809代表取締役CEO土屋耕平・パーソナルジム 「REAL WORKOUT」の運営・アパレル、サプリメントの企画、販売事業設立:2018年2月資本金:4700万円(資本準備金含む)店舗数:48店舗(直営・FC店含む)URL: ・商標について・「REAL WORKOUT」は株式会社WORKOUTの登録商標です。・「WORKOUT」は株式会社WORKOUTの登録商標です。・「サステナブルボディ」は株式会社WORKOUTの登録商標です。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年07月16日カルティエ(Cartier)から、「ドゥーブルC ドゥ カルティエ」の新作レザーグッズが登場。“ドゥーブルC ロゴ”が目を引くエレガントな新作レザーグッズ2021年4月にデビューした「ドゥーブルC ドゥ カルティエ」は、カルティエ ファミリーのイニシャル“C”を2つ重ねた“ドゥーブルC ロゴ”が目を引くアイコニックなレザーコレクション。長らくカルティエの象徴として使用されてきたオーバルシェイプに囲まれた“ドゥーブルC ロゴ”を、同コレクションでは“C”の重なりだけでモダンにアップデートしている。新作では、本体で使用されるエレガントなカーフレザーと同じ色の“ドゥーブルC ロゴ”を配したミニマルで洗練されたレザーグッズを用意する。機能性にも優れるエレガントな財布やカードケース財布は、ミニマルチウォレットとフラップ付きのインターナショナルウォレットの2種類。フラップ付きのインターナショナルウォレットは、フラップポケット、カードフラップポケット、ジップポケット、さらに12個のカードスロットを備えた抜群の機能性を持ち、クラッチバッグのように携えられるのでワンマイルのお出かけにも最適だ。また、ミニマリストにおすすめのシンプルなジップ付きカードホルダーもラインナップ。5つのカードスロットを備えており、コンパクトならが収納力に優れている。バッグとお揃いでポーチを持てば、エレガントに演出できる。カラーは、ブラック、フューシャ、チェリーレッド、パウダーピンクを展開。なお一足先、2021年4月より登場しているバッグやシンプルカードホルダー、キーケースも見逃さないで。カルティエ 心斎橋ブティックが移転オープンカルティエは、関西の旗艦店である心斎橋ブティックを移転オープン。店内では心斎橋ブティック限定の「ドゥーブルC ドゥ カルティエ」ショルダーバッグ ナノモデルを販売する。気品あふれるミニマルなシルエットに、フェミニンなパウダーピンクをまとったバッグは、どんな時も身に着ける人をエレガントに見せてくれる。また、期間限定の特別なコンテンツとして、「カルティエ コレクション」の展示を6月20日(日)まで行う。メゾンの歴史を物語るジュエリー、時計、プレシャスアクセサリー約3,500点の所蔵作品の中から、31のアーカイブピースをずらりと並べている。【詳細】「ドゥーブルC ドゥ カルティエ」新作レザーグッズ商品価格・発売日:■2021年5月28日(金)発売商品・カードホルダー(7.5×13.5cm) 49,940円・ポーチ(16×24×1cm) 92,400円・ミニマルチウォレット(8.5×11cm) 67,100円■2021年6月中旬発売商品・インターナショナルウォレット (10×19×3cm) 92,400円■2021年4月~発売中商品・シンプルカードホルダー(7×10cm) 31,900円・キーケース(6.5×9.5×2cm) 52,360円<日本限定>【店舗詳細】カルティエ 心斎橋ブティックオープン日:2021年5月20日(木)住所:大阪府大阪市中央区西心斎橋2-1-3営業時間:12:00~20:00・限定アイテム:「ドゥーブルC ドゥ カルティエ」ショルダーバッグ ナノモデル、パウダーピンク 236,500円【問い合わせ先】カルティエ カスタマー サービスセンターTEL:0120-301-757
2021年06月22日Suchmosと羊文学が所属する音楽レーベル「F.C.L.S.」のYouTubeチャンネルにて、アーティスト名非公表の楽曲「Easy」が公開された。先日開設された同チャンネルでは、これまでに謎の動画が3本公開され話題になっている。「Easy」F.C.L.S.YouTubeチャンネル:オフィシャルTwitter:
2021年06月04日サッカー経験はないけど、少年団のボランティアコーチを5年ほど経験。これまでは練習を直接指導することはなかったけど、今年から3、4年生のコーチをすることに。池上正さんの書籍や指導者向けサイトCOACH UNITEDで勉強しているけど、今の自分の技量では短い練習時間の中でしっかりM-T-Mができず、手こずっている。60分の練習の中でどうM-T-Mを実施すればいい?というご相談をいただきました。ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、指導の質を高める方法をアドバイスします。(取材・文島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<どんな時に味方に声を出せばいいのかわからない子どもたちに理解させる練習はある?<お父さんコーチからの質問>はじめまして。COACH UNITEDに年間契約して、池上さんの動画を参考にしてます。サッカーは未経験ですが、少年団のボランティアコーチをしております。コーチ経験は5年で、仕事の都合で週末の練習はだいたい6~7割くらいの比率で参加しています。未経験者なので、直接指導することは滅多になく、練習のサポートや遠征のお手伝いをするのが主な役割です。今年から週一で、15人ほどの3、4年生の平日練習を担当することになりました。過去に彼らの練習に参加したことはなく、今年初顔合わせです。チームの練習頻度は平日週一で、年末年始お盆休み以外は毎週予定、雨天は中止という事になっています。冬季は簡易照明を使って実施予定です。普段週末練習は3、4年生別々で実施しており、たまに強化選手という名目で3年から数名選抜で4年の試合に参加する場合もあります。練習担当になって平日休みに仕事のシフトを動かした都合上、週末はあまり練習に参加できておらず、今は彼らの実力を見極めながら練習メニューを検討し実施してます。指導者は私1人で、団からは練習内容は特に指示はなく、楽しく体を動かしてくださいとだけ言われているので、私としては2対1等から次第に展開をしたいと考えてます。ここからが質問です。池上さんの推奨するM-T-Mを実施したいのですが、小学校のグランド事情で、設営や片付けを除くと60~70分程度しか練習時間がないため、今の私の技量ではじっくりとM-T-Mを満足に実施できません。しかも、3、4年と言うこともあって、説明もろくに聞かず、勝手にボールを蹴りに行ったり、練習メニューを理解せずに始めてしまったりと、短い時間を有効に使うことができていません。一年目ということもあり、非常に手こずっていますが、頑張って乗り越えたら、今の3年生が4年生になったときに、次の3年生をリードしながら、今よりもスムーズに練習が実施できるのではと考えてます。池上さんでしたら、60分の練習をどのように実施しますか?ぜひ教えてください。<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。お休みをやりくりしてボランティアで指導されているとのこと、大変頭が下がります。また、コーチユナイテッドでも勉強されているようで、嬉しく思います。■扱いが大変な子どもたちこそ、最初にゲームをやろう扱いがちょっと大変です、という子どもたちこそ、ぜひ最初にゲームをやってください。15~20分くらいやったら「今のゲームの中でこんなことが起きてなかった?」「何が変わると良くなると思う?」と、子どもたちに尋ねてください。何度かやれば彼らの傾向もわかってきますから、いくつか用意しておいた中から「こんな練習をしようか」とメニューを提供してください。私が推奨しているのは2-1、3-1、3-2などでしょうか。20分あれば、2種類くらいはトレーニングできます。最後に練習したことを意識してゲームをしてもらいます。■最初に考えたプランだけでなく、臨機応変に対応しましょう平日に練習できるという面では、一般的なスポーツ少年団よりも恵まれていると感じます。時間が少ししかないとマイナスに考えるよりも、平日練習のその一日を有効に使えばもっとうまくなると前向きにとらえてください。これまで平日はやっていなかったのですから、できなかったことができるようになる時間を与えられているのです。また、最初に考えたプランでやり通すのではなく、臨機応変に構えましょう。ゲームをしてあげてほしいですが、たまには「今日は前半少し練習するよ」と順番を変えてもいいでしょう。その前の試合で出てきた課題はこれだから、と説明してもいいし、うまくいかなかった部分の試合動画をタブレットなどで見せてあげるのも効果的。「こんなことがコーチは気になってるんだけど、どうかな?練習してみない?」と話しましょう。■試合をどう見るか、を考えていくと課題が見つかりやすくなる自分の力量では、と書かれていますが、試合をつぶさに見ていれば少しずつ足らない部分は見えてきます。例えば「ボールを呼んでいない(コーチングできていない)から、つながってないな」「パスミス、コントロールミスが多いな」などでしょうか。動きながら蹴っていることと、止まったボールを蹴るのとでは違うので、そのあたりを解決できるトレーニングをすればいいのです。練習メニューはネットでも、私が書いた本でも、情報はたくさんあります。つまり「試合をどうみるか?」を考えていくと、指導をレベルアップさせられるでしょう。自分たちの課題が見つけやすくなります。加えて、一度のトレーニングでうまくなるわけではないということを理解しておきましょう。ブラジルでは「ひとつのことをおぼえるのは3か月くらいかかる」と言われています。しかも、個人差があります。大人のほうが慌てずにやっていけば、必ず変化は訪れます。また、設営や片付けに時間のかかるゴールやラインは、必ずしもなくていいと思います。マーカーやコーンだけでどんどんトレーニングできます。試合もすぐにできます。ある道具を工夫してどう使うか。そんなことも考えてください。■サッカー未経験なことを気にする必要はないサッカー経験がないことを多少引け目に思っておられるようですが、まったく気にすることはありません。少年サッカー、高校サッカーなどで未経験者が優勝させたり、いいチームを作っています。未経験でも、経験があっても、指導者として成長するためには、ぜひ「いい試合」を観てください。バルセロナやマンチェスターユナイテッドなど、いいサッカーをしていると言われているチームの試合をいくつか観続けましょう。そのイメージで、子どもたちのサッカーを見てください。展開や走るスピード、パススピードなどは比べようはありません。見るところは、違うところです。選手たちはどんなところに動いているのか。ボールはどうつながったのか。ボールがないときに、選手は何をしているか。そんな目で海外の試合をみていくと「そういえば、子どもたちって、空いている場所があるのに。固まっているなあ。どうして広がらないの?」などと気づきます。「空いているのだから、呼んだら?」そうアドバイスができるし、それができるようになるための練習ができます。前述したように、練習メニューはたくさん本が出ています。広がるためにはどうしたらいいかという練習もたくさんあります。海外の試合をたくさん観ていくと、そこを子どもたちに求めることができます。「ここ、空いてたね?」「無理して行くから、とられちゃうよね?どうしたらいいかな?」そんな問いかけができるようになります。逆に、サッカーを経験した人は「まずは技術」と言ってしまいがちです。足元のスキルは大切ですが、その前に「サッカーってこういうものだよね」という理解、認知をさせる努力をしてほしいのです。団子サッカーにならないためにどうしたらいいか■団子サッカーにならないためにどうしたらいいか(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)欧州に行くと、子どもたちは団子になっていません。ところが、日本ではそうなります。「たくさんいても抜いちゃえ」「ほら一対一で勝負だ!」という言い方を大人がするからだろうと思います。団子になるのは、日本の指導環境によるものなのです。足が速い、ドリブルが上手い子は、低学年や中学年ならひとりで抜け出すことができますね。だから「(ひとりで)行け!」と言ってしまいます。その子がドリブルし始めたときに、他の子も走っている?ひとりだけで点を取るのではなく、みんなが点を取るようにするには?そんなことを子どもたちと一緒に考えてください。「きちんとサッカーになる」ということを目指してほしいと思います。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年05月28日小6だけど、プレー中どんな声を出せばいいかわかっていない子どもたち。自分のプレーで手いっぱいで周りを見る余裕がない。コーチもサッカー経験がなく、どんな場面でどう声を出させればいいのか上手く指導できない。とのご相談をいただきました。みなさんのチームではどうしていますか?ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、ご自身も実践しているメニューを例にアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<目的は一緒なのに、コーチ間で練習メニューやアプローチに相違が。指導方針のギャップを埋めるにはどうしたらいい?<お父さんコーチからの質問>こんにちは。地方のスポーツ少年団で6年生の指導をしています。サッカー経験はほとんどなく、前任の指導者が引っ越されることになり、お父さんコーチとして補助していた自分が引き継ぐことになりました。指導は3年目です。池上さんの本やサイトの記事なども読んで勉強中ですが、質問したいことは「どういう声を出させたらいいのか」です。小6でしょ?と思われるかもしれませんが、自分のプレーで手いっぱいで、周りをよく見る余裕や味方に声をかける場面がほとんどないのです。どんな時に声を出せばいいのか、サッカーをまだわかっていないという事だと思います。私がそれをちゃんと教えられてないということでもありますが......。中学以降もサッカーを続ける子はいると思うので、今のうちに声を出して味方をサポートすることを教えたいのですが、何かいい練習方法はありますでしょうか。チームのメンバーは14人で、全員同じ学校の子たちです。学年に1クラスしかない地域なので、みんな未就学のころからの付き合いなので、声をかけにくいということはないと思います。<池上さんのアドバイス>ご相談、ありがとうございます。子どもたちは、周りが見えていないのでしょう。その点も考えながら、私が実際にやっている声を出すためのトレーニングを紹介します。■まずは仲間の声を聞くことを意識させるまず、事前に以下のような説明をします。「パスをもらいたいときは、パス!って声をかけてください。そして、ボールをもらった人は、また他の人からパス!と言われたら、パスをします」これは7~8人くらいでやります。人数は適当に決めていただいて大丈夫で、もっと少なくてもかまいません。最初は、ディフェンスはつけずに、みんながフリーランニングしている状態で、ボール持ってドリブルしながら周りを見ます。周りも動きながら「パス!」と呼ぶ。呼ばれたら必ず、そこにパスをします。一度に3人くらいから呼ばれることもあります。誰にパスするのかは、無論ボール保持者が決めてパスをする。そういう練習です。これは、声を出してパスを呼ぶ、つまりコーチングも大事ですが、仲間の声を聞くトレーニングでもあります。ずっと「パス!」と言っているのに、聞いてないことがよくあります。そうすると、子どもたちは声を出さなくなりますね。そんな現象を注意深く観察してみてください。■慣れたら守備をつけレベルアップ慣れてきたら、例えば「7対1」にして、ひとり守備をつけます。ただ、やることは同じです。声が聞こえたら、必ず呼ばれた人にパスをする。複数の声がかけられますから、ディフェンスの位置を確認してボールをカットされない、取られないような味方に出さなくてはいけません。声を出していない人にはパスしません。最初にやると、子どもたちは一斉に「パス!パス!」と呼びます。そこを少しずつ整理してあげます。例えば、呼ばれた方向に守備者がいないときは、呼ばれたらすぐに出せます。そういうことを考えて、やってもらいます。そうすると、パッサーは自分の体が向いているほうにパスをします。そこで「もらったら、なるべく早くパスしよう」と言います。後ろから呼ばれたからと言って、ターンしていてはボールを素早く出せません。たくさんの声を選んで、できるだけ早くパスができる人を選ぶように促します。そうすると、子どもたちは、自分が受け手になったときに、周りを見ていないとパスをもらいづらいことがわかります。パッサーがどちらを向いているか、味方はどこにいるか。自分はもらいやすい位置なのか、そうでないのか。そこを学ぶと、徐々に声を出すタイミングが絞られてきます。■状況判断ができるようになると、かける声のレベルが上がるボールをもらうためにはどのスペースに走り込むのか。視野と判断が求められます。例えば、ディフェンスの子から一番遠いところを選ぶ。もしくは、ディフェンスが自分の近くにいれば、そこは安全ではないから声をかけないでおこうという判断もできます。「僕には今、守備がついてるから」と気を使えます。そんなふうに「パス!」と呼ぶだけでなく「こっちにはパスしちゃダメ」という声も出てきます。そうなると「左が開いてるぞ」「右が開いてるぞ」と自分がかかわらないところにもコーチングするようになります。そういう声が出始めたら、「いい声だ」「ナイスコーチング」と褒めます。そんな練習を5~6回やれば、声を出すようになります。声を出すように!と認識を。うまくいくようになったら、デイフェンスを2人にしたり「声を出さずにやってこごらんよ」と一段ハードルを上げてもいいでしょう。声がないので、そこにはさらに判断が生まれます。声出されたからパスを出すのではなくて、パッサーが自分で選ぶという判断です。■練習でやったことを試合で使わなければ意味がない私が今、一番気になっているのは、練習のときは元気なのに試合ではそうでない子どもたちです。まさしく、練習でやったことを試合でやっていません。もちろん、練習したからすぐ使えというのは難しいのですが、トライしてもらうことが肝要なのでミスしても叱らずにどんどんやってもらいましょう。「リアリティのあるトレーニングをしてください」と日本サッカー協会も言っています。「今練習したこと、使った?」と確認してあげてください。特に、小学生は夢中になると、考えなくなります。したがって、その日の試合は、その日やその週に練習したことをやるよう、コーチが仕向けてください。そうでなければ、練習をやる意味がありません。「今週練習したのだから、フリーのときは声を出そう」そんな声が子どもたちから聞こえてくるといいですね。■大きくて速くて強い、以外の武器を持ってないと中学、高校で困る先日、高校生の試合を見に行きました。ボールを繋ぐサッカーを2年生はできるようですが、3年生は裏に蹴って競争をしてしまうサッカーになってしまう引退試合だったので、3年生中心に試合をしました。すると、どんどん蹴ってしまいます。対戦相手もそういうタイプだったので、そうなってしまったのかもしれませんが、ほぼ制御不能な状態です。監督さんは「こうしかできないんですよ」とあきらめ顔でした。そういう選手たちが育っています。「考えながらやるよ」などと言われずに育ってしまったようです。勝つために頑張ろうという感覚で育った子たちです。そうなってしまうと、スピードが速い方が勝てるし、体が大きいほうが強い。それ以外の武器を持っていなければ、中学、高校と上に行ったときに困ってしまいます。次ページ:コーチングは頭の整理になるので、いいプレーにつながる■コーチングは頭の整理になるので、いいプレーにつながる(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)声を出すのも大事ですが、コーチングの意味を知ってほしいと思います。「もっとつなごうぜ」とか「練習したことやろうぜ」などと、みんなが言い合えることがいいですね。そうすると、夢中になって忘れてしまいがちな子が、いいプレーをするようになります。そのように、頭の中の整理をするための声掛けも重要です。みんながコーチングできるということは、やりたいサッカーを言い合える、ということ。またベンチにいる選手からの声も重要です。練習でやったことをベンチにいる選手も言ってあげられるといいですね!技術ではなく、頭の中の問題です。そこを指導者側が理解しなければいけません。例えば、そこを選んだのはいいことで、そこを見てパスしたことをOKにして、やり続けるよう促してください。そうすれば、ミスすることを気にしなくなります。チャレンジすることを子どもが選べたら、自分たちから声を出し続けるはずです。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年05月14日何人かいるコーチたちの間で、今やるべき練習メニューや練習時間など指導方針にギャップがある。子どもたちの成長という目的は全員一緒なのに、それぞれアプローチの部分で異なるイメージを持っていて、相容れない状態。話し合い以外にどうやって解決すればいい?とのご相談をいただきました。みなさんのチームではどうしていますか?かつては自分も同じ悩みを抱えていた、という池上正さん。ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた経験をもとにアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<ドリブルとパス、どちらを先に教えるべき?ジュニア年代の育成ではどちらを優先すべきか教えて<お父さんコーチからの質問>こんにちは。私は地元の少年団でコーチをしております。担当はU-12です。担当するトップチームのコーチ間で、今やるべき練習メニューの相違、練習時間の使い方など指導方針のギャップがあり、信頼関係がうまく構築できていないと感じています。指導対象となる子どもたちの成長を第一に考えていることは一致しているのですが、指導方針のギャップを埋めるためにはどのような行動をとるのがよいでしょうか。「子どもたちの成長」という目的は一緒なのに、そこまでのアプローチがそれぞれ異なるイメージを持っていて、相容れない状況です。池上さんはこれまでそのような場合に、どんな風に解決してきたかなど教えていただけないでしょうか。話し合いを重ねるだけでなく、練習メニューで共通認識をすり合わせることができたりする方法や、この年代にはこの練習が良いという指針など、もしそんなのがあればアドバイスをお願いします。<池上さんのアドバイス>ご相談、ありがとうございます。コーチ間で指導方針や方法論にギャップがあるというお話ですね。具体的に、どう違って、異なることでどんな弊害が起きているのかもわからないので、想像でお話しするしかないのですが、もしかしたら「違いは違いとしてそのままにする」ということでもいいのかもしれません。■相容れないように聞こえても根っこは同じ、というのは海外でもあること先日、ドイツのサッカーに詳しい湯浅健二さんの講演を拝聴しました。湯浅さんによると、世界トップの監督たちが集まると、決まって喧々諤々(けんけんがくがく)の議論が始まるそうです。「私の理論では......」と主張します。ただし、一見すると、それぞれが相容れないように聞こえるが、根っこは同じことを話しているのだそうです。そんな話を非常に面白く聴かせていただきました。このことは、まさしくオシムさんがおっしゃっていたことに通じます。「サッカーにはセオリーがあるぞ」サッカーは、どんな戦術でも共通の認識がある。そこから、こうじゃないか、ああじゃないかとそれぞれの指導者が表現を変えたり、その人らしい色をつけていくのです。■グアルディオラの「3ゾーン・5レーン」は選手に意識させるための工夫によるもの例えば、マンチェスターシティーを率いるペップ・グアルディオラ監督は、「3ゾーン・5レーン」という表現をします。これはサッカーのアタックのベーシックな考え方「3ゾーン・3レーン」を、もう少し細やかに約束ごとを作ったものです。例えば、左右のサイドを使いだすと、真ん中が空いてきます。グアルディオラ監督は基本の3レーンをさらに分けて5つにして選手に示しました。誰かがどこかのレーンに入ると、そこにスペースができます。そのレーンがあるか、ないかではなく「誰かが動くとスペースができる」というセオリーを飲み込ませるために、5つのレーンを選手に意識させる工夫をしているのです。「うちのチームはこのレーンを使うぞ」というような、新しいものが出てきたわけではありません。もとのセオリーは同じなのです。■かつては自分も同じ悩みを抱えていたそのように考えると、ご相談者様の少年団のコーチのみなさんも実は根本の考え方は同じだと感じます。アプローチの仕方に違いはあれど、「子どもたちの成長」という目的は一緒だとご相談者様も書いておられます。全員が子どもの成長を本当に思っているとしたら、実は話し合いで十分解決するケースではないでしょうか。私自身、Jリーグ2クラブに在籍した時代は、育成コーチや育成部長といった立場で多くのコーチとミーティングを重ねてきました。コーチの能力にばらつきがあるなどして、ご相談者様の悩みと同じような問題を抱えたこともあります。さまざまな意見が出される中で「カテゴリー(年代)別に、ある程度練習メニューを決めてはどうだろう」という意見も出ました。各々のコーチに任せず、指導の均一化を図るには、マニュアル化してしまうことも考えられました。そうすれば、指導がブレず進むかもしれないというわけです。■練習メニューは山ほどあるのだから、それぞれのコーチが何をしてもよいしかし、そうした場合「コーチのパーソナリティー(個性や判断)はどうなるのか?」といった異論も出てきました。そこを重要視するならば、指導の根幹となる部分(ビジョンや哲学)は共有しよう。ただし、そこからズレてしまってはいけないことはきちんとアナウンスする。その範疇で指導できそうならば、各コーチに任せた方がいいのではないか。そんな議論をたくさんしました。加えて、練習メニューの選択にも共通認識を持つことを大事にしました。練習メニューは山ほどありますから、何をしてもいいわけです。■枝葉の議論でなく、おおもとの目的をテーマに話し合ってみようそのなかで「ドリブルかパスか」みたいな、前回のこの連載でさせていただいたような話もたくさんしました。「いや、パスを重視すべきだ」「いや、どちらかに偏って指導するのではなく、クローズドスキルの時間を減らせばいい」そういった議論を重ねました。つまり、議論の内容は、常に枝葉の部分ではなく、おおもとのところをテーマにしてきた気がします。例えば、子どもがうまくなっていくことってどういうことなのか?自分で判断する重要性は何なのか?視野を持たせて自分で情報を集める能力をつけないと、上に行って困るのは子どもではないか?そうすると「みなさん、選手が自分で判断できるようになる練習をやってください」と言えばいいだけでした。■サッカーの要素が全部あるメニューさらにいえば、この年代にはこの練習が良いという指針は特に設けません。それは今も同じです。良い練習とは、サッカーの要素が全部あって、子どもがらせん階段をのぼっていけるようなメニューが一番です。そう考えると、ゲーム(ミニゲーム)が一番です。指導者は、ゲームをする際の「設定」を、その年代の特徴を考慮して考えればいいだけです。その年齢ごとに、仲間を認識できる広さや人数を調整する。例えば、幼児なら人数は、2対1や2対2など、味方は自分ともうひとりだけ。コート(グリッド)は狭く設定します。池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>次ページ:どんな練習メニューをするか、の前に大事なことは......■どんな練習メニューをするか、の前に大事なことは......(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)要するに、年齢が低ければ低いほど、人数もコートの広さも小さくなります。年齢が高くなれば4対3や4対4など、人数を増やす設定にします。パスをする選択肢(仲間)が増えてくるし、グリッドが広くなるので、パスも長くなります。日本はその気づきが欧州よりもかなり遅れました。わずか十数年前まで、小学生まで11人制でやっていたのですから。オランダは、小学生に4対4を40年前からやらせています。まずは、「どんなふうに育てるか」というビジョンを明確にするための話し合いをして みてはいかがでしょうか?池池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年04月23日ジュニア年代の指導ではドリブルとパス、どちらを先に教えたらいい?保護者も子どもたちもドリブル軍団が勝利を収める場面を見て移籍したくなるようだ。サッカーの最小局面は2対1という考えで指導しているけど、保護者や子どもたちのそんな姿を見ていると、指導が不安になる。ジュニア年代で優先的に伝えるのはドリブル?パス?というご相談。みなさんはどんな風に教えていますか?これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、お父さんコーチの悩みにアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<監督の顔を潰さずチーム外自主トレでできることは?<お父さんコーチからの質問>池上さん初めまして。私は普段は専属で街クラブのジュニアチームで指導しています。指導年齢は未就学児から小6までです。早速ですが質問です。ジュニアの育成年代に伝えて行くべき優先順位はパスですか?ドリブルですか?ドリブルに特化したスクールや動画の配信が子ども達を夢中にさせているのを目の当たりにします。またドリブルに特化したチームが有利にゲームを運び勝利する場面も多々見かけます。私としては「サッカー」を教えたいのでサッカーの最小局面は2対1という考えの元で指導しています。ただ保護者や子ども達はドリブル軍団が勝利を収める場面を見ると移籍したくなるようです。正直私も不安になる事があります。池上さんの育成に関する優先順位、勝手に前提を作って恐縮ですが、ドリブルかパスかの考えをもとにご教授いただけると幸いです。<池上さんのアドバイス>ご相談、ありがとうございます。これまでも拙書でも何度か取り上げてきましたが、ドリブルかパスかという議論は、日本ではまだ見かける議論です。そのうえ数年前から「ドリブルデザイナー」といった肩書を名乗る方も現れました。■ドリブルよりパスを教えることが難しいと思う指導者も少なくないドリブルやリフティングは、目に見えて成長がわかりやすい技術で、しかも「個人」に絞って技術の程度を評価できます。一方の「パス」は、ひとりだけの技術ではありません。受け手がボールを受けやすいスペースに現れて初めて、出し手はパスを出せます。その点では、ドリブルが個人のスキルであるのに対し、パスはチーム(組織)のスキルと言えます。その点で、指導者のみなさんはパスを教えることを難しく感じられているようです。■止める、蹴るの技術を取り出して教えるのは後でいい例えばパスのスキルというと、まずは「止めて蹴る」から教え始めます。「ボールを止められなかったり、しっかり蹴れなければパスはできない」という考えの方は多いと思います。ある指導者と話をしたときのことです。私が「うまく動くことを教えれば、サッカーは楽しくなりますよ。(止める、蹴るの)技術を取り出して教えるのは後でいいのではないか」と話したら、「ボールを蹴れない子どもに動き方を教えても仕方がないだろう」とおっしゃいました。「まさしくおっしゃる通りです。でも、キックの練習から入ると、このキックはいつ使うのかがわからないのでは?ゲームの中で、向かい合って蹴ったりするパスは使いませんよね。まず最初に、『ここに動いてボールをもらえばシュートを打てる』ということを理解できれば、子どもは『じゃあ、そのときにうまく蹴るためにキックの練習をしよう』となりませんか?」そう話しました。キックやボールコントロールを何のためにやるのか、それがわかったほうが技術練習は断然楽しくなるはずです。その指導者の方は「なるほど」と納得してくださいました。■どちらが先ではない。パスもドリブルも一緒に教えないといけない対するドリブルも、実は同じことが言えます。「こういうときにドリブルできるとどう?向こうの人にパスしやすくなるよね」とか「この密集を抜け出すためにはドリブルができるといいね」と、使いどころを一緒に探してあげてください。要するに、パスもドリブルも一緒に教えないといけません。どちらが先ということはないと私は考えます。では、その先にあるものはなにか。ご相談者様が書かれているように「2対1」がそのひとつです。さまざまな局面で、ドリブルをしたほうがいいか、パスしたほうがいいかを判断する力を養うためにも、2対1をしてもらいます。2対1から始める意味は「2人で協力すると簡単に点が取れるよね」ということを伝えるのが一番のポイントです。例えば、味方のほうにちょっとボール向けると、前が空く可能性があります。そうすると、そこでパスもできるし、自分でドリブルしてシュートも打てます。どっちもできる。「そこで何を選びますか?」といったプロセスをたどることが大事です。指導者が「そこでパスを選べ」とか「ドリブルで勝負しろ」と命じるものではありません。■ドリブルがうまくなった子にパスを教えるのは難しい加えて、これは私の経験上わかっていることですが、ドリブルが上手くなった子に、「じゃあ、次はパスができるようになろう」とパスを教えるのは難しい。ひとりでドリブルで相手を抜けてしまう子は、なかなかパスを出そうとしません。逆に、ドリブルもパスも一緒にトレーニングした子どもがゲームの中で自分の前にスペースがあるのにパスを探していたら「ここ、空いてるじゃん。ドリブルしてごらんよ」とアドバイスすると、その子は変わってきます。変化しやすいのです。パスもドリブルも、選択肢が両方ある。もっといえば、どこにパスを出すか、どんなドリブルで場面を変えるかというようにそれぞれに選択肢があることが重要です。場面場面でどれだけたくさんの情報を持てるか。そして、その情報を瞬時に整理して選べるかがいい選手の条件です。この認知、判断の次に「行動」がきます。正確に出てきたパスをコントロールし、次にパスやドリブルを選べるか。それができるプレーヤーになるためのベースをつくるのが、私たち育成年代を教える指導者の大きな仕事なのです。■サッカーに必要な認知、判断力は「大人になったら理解できる」ものではないしたがって、情報を入れるトレーニングを早くからやったほうがいい。対面パスやジグザグドリブルのようなクローズドスキルだけでは、子どもは考えなくて済みます。日本のジュニアは足元の技術が素晴らしいと言われますが、それだけをやってしまうと頭で考える力がついてきません。近年、この認知能力は、世界のサッカーが見られるようになったおかげで推進されているかもしれません。「個の力を育てないといけないのでは」という意見があります。おっしゃる通り欧州でも「個の力が重要」と言われています。抜きんでた個の技術は、メッシなどスーパーな選手がひとつのお手本でしょう。ところが、欧州の指導者は、すべての子どもたちをメッシになるように育てなきゃいけないとは思っていません。対する日本人はことさら「個の力は大切だ。メッシのような選手を育てなくては」と思ってしまうのかもしれません。ディフェンダー、ミッドフィルダー、フォワードと、ポジションの違いもありますが、共通して持たなくてはいけないのはサッカーをどう認知して判断するかという力です。このベースがあっての話が「個の力」の追求になるのですが、そこが抜けていないでしょうか。この能力は「大人になったら理解できる」というものでもありません。小さいときから、何を選びますか?何を考えますか?と、自分で考えて認知し行動する習慣をつけておく必要があります。無論、2対1の局面でもドリブルしたほうがいい場合もあります。でも、そこは「君が選べばいいんだよ」と伝える。そんな育て方をしてほしいと思います。池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>次ページ:ドリブル軍団を見て移籍したくなる理由■ドリブル軍団を見て移籍したくなる理由(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)「ドリブル軍団が勝利を収める場面を見ると移籍したくなるようだ」と書かれていますが、移籍する人たちはドリブルを指導してほしいわけではないと思います。シンプルに「強いチームに行きたい」と親子とも思っているのではないでしょうか。そこを変えない限り、日本の育成は変わらないと思います。「じゃあ、ドリブル軍団に勝つように頑張ろう」では時間がかかります。保護者や子どもたちがサッカーの本質を理解していないから、目に見えて成果がわかりやすいところに行きたくなる。そこに理解を求めたり、一緒に学ぶ姿勢を持てるといいと思います。2対1など、あなたがなさっていることは間違っていません。ご自分の指導にぜひ自信をもって、学びながら進めていってください。池池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年04月16日Canal 4℃(カナル 4℃)はお守りジュエリー「Your Color Collection」を2021年4月9日(金)より、全国のCanal 4℃店舗ほかにて発売する。「石言葉」が込められたストーン輝くお守りジュエリー「Your Color Collection」では、ピンクやパープルなどやわらかい色合いの天然石をセットしたネックレスやピアス、リングを展開。それぞれのストーンには「石言葉」が込められているので、“お守りジュエリー”として毎日身に付けるのもおすすめだ。“恋愛運向上”のローズクォーツ可憐な輝きを放つ「ローズクォーツ」は、“恋愛運の向上”のパワーを持つとされているピンクカラーのストーン。フェミニンなムードを演出するネックレスやリングが揃う。“心の癒やし”もたらすラベンダークォーツ“心の癒やし”をもたらすとされる「ラベンダークォーツ」は、恵みの雨をイメージしてしずくのようなフォルムにカット。コロンと丸みのあるストーンが、胸元にエレガントな華やかさを添えるネックレスがラインナップする。“ストレスからの開放”をもたらすグリーンアメシスト「グリーンアメシスト」は、円満な人間関係に導き、“ストレスからの解放”をもたらすとされるフレッシュな緑色のストーン。ネックレスやピアスでは、イエローゴールドのチェーンと組み合わせ、輝きをプラスした。【詳細】「Your Color Collection」発売日:2021年4月9日(金)展開店舗:全国のCanal 4℃店舗、公式オンラインショップアイテム例:・SV(PGc) ネックレス/Quartz/Topaz 14,300円・SV(PGc) リング/ Quartz /Topaz 11,000円・SV(YGc) ピアス/Amethyst/Topaz 18,700円・SV(PGc) ネックレス/Quartz/Topaz 11,000円・SV(YGc) ネックレス/Quartz (Green Amethyst)/ Topaz 11,000円【問い合わせ先】エフ・ディ・シィ・プロダクツTEL:03-5719-3266
2021年04月11日カルティエ(Cartier)は、新作バッグ「ドゥーブルC ドゥ カルティエ」を2021年4月1日(木)に発売する。新作バッグ「ドゥーブルC ドゥ カルティエ」「ドゥーブルC ドゥ カルティエ」は、“ドゥーブルC ロゴ”のジュエリークラスプが目を引くカルティエの新作レザーバッグ。“ドゥーブルCロゴ”のジュエリークラスプ“ドゥーブルC ロゴ”は、カルティエ ファミリーのイニシャル“C”を2つ重ねたロゴ。これまで“ドゥーブルCロゴ”が用いられる際にはロゴがオーバルシェイプに囲まれていたが、今回は現代的なデザインのロゴにアップデート。繊細なラッカー仕上げのメタル製クラスプに落とし込んだ。サイズはナノモデル、ミニモデルの2種類を用意し、カラーはブラック、フューシャ、チェリーレッド、パウダーピンクの4色がラインナップ。光沢感のあるレザーが色彩の魅力を引き立てている。ショルダー&クロスボディの2WAY仕様収まりの良いサイズ感と、シンプルなフォルムが洗練された雰囲気を演出。ストラップは調節可能のため、ショルダー&クロスボディの2WAYで楽しむことができる。【詳細】カルティエ「ドゥーブルC ドゥ カルティエ」バッグ発売日:2021年4月1日(木)展開店舗:全国のカルティエ ブティック、オンラインブティック※ナノモデルのパウダーピンクは心斎橋ブティック限定。・ナノモデル(13×17×5.5cm) 236,500円(税込)・ミニモデル(16×19×5.5cm) 283,800円(税込)【問い合わせ先】カルティエ カスタマー サービスセンターTEL:0120-301-757
2021年04月02日はじめまして、こんにちは。京都に住み始めてもう30年以上になる私おーまえが、日々京都で暮らす中で見たり聴いたり、感じたりするあれこれを書かせていただくことになりました。題して、「京都のちょっといいこと」です。第1回目は、京都の桜便りをお届けします。京都は、本当に桜の多い街です。都だった時代に寺社仏閣を作った際に桜を植えたことが始まりで、その後何百年も権力者の元には日本中の珍しい桜が集まり、京都はたくさんの桜が咲く街になったんだそう。そんな昔の偉い人たちのおかげで、春に街中がピンクに染まる幸せがもたらされていたとは!ありがたいですねえ。▲緑とピンクのコントラストは、今だけ楽しめる配色です。豊臣秀吉が木を全て桜にしたと言われる醍醐寺、境内に60種類400本の桜がある平野神社、また観光名所でもある哲学の道や平安神宮などなど、桜の名所と言われる場所は京都市内にたくさんありますが、誰もが自由に行くことができて、各々でのんびり桜を楽しめる名所は、鴨川に勝るところは無し!京都市内を南北に流れる鴨川は、どんなところからでも少し足を伸ばせば立ち寄れて、桜が楽しめるという手軽さも◎!それに川沿いにずらりと並んでいる中のお気にりの1本を探したりするのも楽しいです。▲北山橋から北に向かって桜がずらり。本当に今の季節は、鴨川が市民みんなの憩いの庭状態。自転車で通ういつもの通勤ルートを少し遠回りにして鴨川を下って行くと、朝からサイクリングお花見をしたりできるのも京都に住んでいて得したなあと思うことのひとつ!時間があれば、途中桜の樹の下のベンチに座って、お気に入りのパン屋さんで買ったサンドイッチを食べるモーニングお花見は、この季節だけの贅沢!▲荒神口のLANDさんのサンドイッチは、並ぶ価値ありの美味しさですよ忙しくてお花見のタイミングを逃したーというときでも、お花見が楽しめる場所があります!それが、京都市立植物園西側の半木の道に並ぶ枝垂れ桜。ソメイヨシノから1週間ほど遅れて見頃がくるこの桜は、少し濃いめのピンク色でこれまた風情があって綺麗なんです!▲写真右側が枝垂れ桜の並び。30日の時点ではまだ5分咲きくらい?そんなこんなで、見る場所や桜の品種によって、例年通りだと4月半ばごろまで京都市内は桜が楽しめます。歩いてても、自転車をこぎながらでも、バスに乗っていても、桜を目指してなくても桜が目に入ってくる鴨川沿い。思わずホワッと幸せな気分になれます。京都のちょっといいこと〜桜便り〜は、ここまで!また来月にお会いしましょう。 ■暮らしのはなし 連載:京都のちょっといいこと おーまえ京都在住。ほぼ毎日自転車行動。時間があると気になる場所やお店をウロウロ探し回りがち。お笑いと犬がずっと好き。最近はリボベジに小さな幸せを感じてます。
2021年04月01日サッカー経験者であることを知るチームの保護者から、少年団の練習とは別に定期的な自主トレを頼まれた。監督がサッカー経験がなく、具体的なコーチングがないことなどで親たちからの信頼を失いかけているようで、自分が行う自主トレに保護者が求める要素がどんどん増えている。子どもたちが大会で結果を残していることもあって親たちの「もっとちゃんと教えてほしい」という要求が高まっている状態だが、ただのお父さんコーチがどこまで関わっていい?とご相談をいただきました。これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、お父さんコーチの悩みにアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<楽しい指導より厳しい指導が良いのでは。という保護者を説得する方法は?<お父さんコーチからの質問>春から小学2年の息子がいるお父さんコーチです。少年団のコーチではありません。息子が入団するとき、私がサッカー経験者であることを知る保護者の方々から、少年団練習とは別に、週2回の定期的な自主トレを行って欲しいと依頼を受け、試合のない週末に限り自主トレコーチをしています。私は、自主トレの内容が少年団で指導されるものと違うと、子ども達のプレーに迷いが生じたり、少年団コーチにご迷惑がかかっては本末転倒であると思い、あくまでも基礎的なトレーニングに留めて行っています。しかし、少年団のコーチはサッカー経験の無いご年配コーチで、試合中に具体的なコーチングもなく、普段の練習中も子ども達を野放しにしてご自身は居眠りをされたりと、保護者からの信用を失いかけています。そうしたこともあって、私が行う自主トレに保護者が求める要素が段々と多くなってきて、私もどこまで子ども達と関わって良いか悩んでいます。監督との関係性が悪いわけではありませんが、保護者の不満を監督へ相談するというのもなかなか難しいです。子ども達は、昨夏の地区サッカー大会で優勝、今冬の地区フットサル大会でも準優勝と、今は結果が全てではないのかも知れませんが結果を残していることもあって「もっとちゃんと教えてほしい」と保護者の期待も高まり、少年団に対するフラストレーションもあるようです。このような状況で私自身どこまで関わって良いものか、自主トレで行えるメニューなどとあわせましてご指導いただきたく思います。 どうか宜しくお願い致します。<池上さんのアドバイス>ご相談、ありがとうございます。つまり、メインコーチのうかがい知れないところで、秘密の練習をしているということですね。結果が出たこともあって、保護者も「もっと練習して」と要求しているようですが、小学2年生からこのように期待して練習をたくさんさせるという状況がいいとは私は思えません。■クラブに預けたのならコーチに任せた方がいい結論から言いましょう。保護者に、チーム練習外のトレーニングを頼まれても、引き受けないほうがいいでしょう。そのクラブに預けたのだから、そこにいるコーチに任せたほうがいい。もし、保護者が担当コーチに不満を感じているのなら、話し合えばいいことです。もし、みんなでコーチに話したけど、その方自身が変わらないときは、その時点で親子で判断すればいいのではないでしょうか。例えば、移籍を考えた場合、近くに良いクラブがないという話は少なくありませんが、サッカーができる環境は間違いなくあるはずです。■自分たちで考えることで選手としての引き出しが広がる私が京都サンガに在籍しているとき、バドゥー監督がある時「ちょっと用があって30分ほど抜けるから、ちょっと見てて」とほかのコーチに指導を委ねることがありました。すると、ほかのコーチは「監督の指導方法もわからないのに、どうしたらいいんですか?」と戸惑うわけです。すると、彼は「いや、ただサッカーをすればいいんだよ」と涼しい顔で答えていました。任せたコーチがバドゥーと違うことを言ったとしても、そこで判断するのは選手です。選手からすると、監督と違うことを言われたら、そこに疑問も生まれますが、同時にそこに考える機会も生まれます。そして、そういうことは、彼らのそこから先のサッカーキャリアの中では起こりがちです。「監督はこう言ってる」「ヘッドコーチはこう言ってる」では、僕たちはどうする?そのような経路をたどることで、選手の引き出しは広がります。そう考えると、バドゥーの態度は何ら間違ったものではありません。「なんでもいいよ。サッカーやってくれれば」という言葉の裏には、「サッカーのトレーニングはどんなことをしようが、同じサッカーだ」という本質ともいえる考えがあるわけです。■自主練はコーチのいる状態でやるものなのか少年サッカーでは、いいコーチがいれば、これは受け入れ難いぞと思える指導者もいて、いろんなことに出くわします。したがって、お子さんが「ここでいい」「ここでサッカーするよ」と自分で決めて、楽しんでいるようなら、それでいいと私は考えます。そもそも、自主練は、みんなで集まって決まった時間と決まった場所で、しかもコーチがいる状態でやるものでしょうか。子どもたちに「勝手にやっておいで。やってもやらなくてもいいよ」と言って、自由にさせてあげてほしいと私は思います。■自主練することや他の子よりうまくなることより大事なことこの連載の相談にも「うちの子が自主練しないのですが、どうすればいいですか?」という質問が多いです。子どもが自主練をしないのは、サッカー以外に他にやりたいことがある、ということです。そんな生き方している子どものほうが私は素晴らしいと感じます。日本の教育は「相対評価」で、そこにいる他の子どもたちよりもうまくなると、親御さんは満足します。コーチはその地域の他のチームの子どもよりうまくなれば安心します。小さな枠の中の競争に、どんな意味があるのか。そこをぜひ一度、みなさんで考えてみてください。「みんなよりうまくなって」「他のチームより強くなって」よりも、子どもたちが自分で選んで、自分の時間をプロデュースする。そんな主体性を身につけて、サッカー以外のいろんなことを吸収していくことが大切です。■子どもたちが選ぶことが大事、大人たちも今の状況が不満なら話し合うこともうひとつ、日本のあまり良くない習慣に「一筋主義」があります。一度始めたスポーツは、最後までやり通せ。一度入ったチームで最後まで頑張れ――。どちらも、今の大人が子どものときの価値観であり、大人からの指示命令です。そうではなく、子どもが選ぶことが重要です。例えば、相談者様のチームのコーチについても、さまざまな見方ができます。「普段は居眠りしている」とありますが、逆に子どもは自由にサッカーができていいのではないか?とも受け取れます。怒鳴られたり、教え込まれるよりはずっといいと思いますが、いかがでしょうか。そのあたりもぜひ話し合ってみてください。■8歳前後は楽しく試合できればいい。自主練はやりすぎもうひとつ。「子ども達は、昨夏の地区サッカー大会で優勝、今冬の地区フットサル大会でも準優勝と、今は結果が全てではないのかも知れませんが結果を残している」と書かれています。しかしながら、この結果が自主練あってのものなのか。その効果かどうかは証明できません。年配のコーチの方は実は子どもたちの理解がよくて、ひょっとすると、とてもいいものを持っておられるかもしれません。ご相談文だけではわかりづらいのですが、そもそも8歳前後の年代は、楽しく試合をしていればいい時代です。自主練はやりすぎな気がします。私は、サカイクの兄弟サイトである指導者向けサービス「COACH UNITED ACADEMY」でもお話ししているので、よかったら参考にしてください。池上正さんの指導を動画で見る>>次ページ:ドリル的な練習より効果的な指導は......■ドリル的な練習より効果的な指導は......(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)最後に、自主トレで行えるメニューを教えてほしいとのことですが、場所はどのくらいで、人数がある程度わからないと何とも言えないところです。ご相談者様はサッカーの経験者のようなので、子どもと一緒に試合(ミニゲーム)をすればいいかと思います。ドリル的な練習をするよりは、試合の中でどんなところに動くと得なのかを考えてもらうほうが有意義な時間になりそうです。加えて、コーチがわざと強いボールを蹴ったり、強いパス出してあげるなどし、壁になってあげてください。チャレンジという壁ですね。小さいときから縦割りでプレーしている子どもが大人になってすごく上手くなるのは、上級生が壁になってくれるからです。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年03月26日勝ったり負けたりが当たり前の、普通の少年団。最近は楽しませることが大事だとよく目にするので、自分なりにメニューを組んで実施しており、子どもたちには好評だけど、保護者から「もっと厳しくしてほしい」と......。厳しくされている方が「指導されている」感が出るからだと思うけど、どうしたら楽しみながら成長することを理解いただけるのか。どんな伝え方がいい?とのご相談。保護者への伝え方など、指導者の悩みですよね。これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんがご自身が実践していることを踏まえ、保護者の皆さんへの伝え方をアドバイスします。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<U-8世代にも効率よく理解させる練習メニューが知りたい!いい方法はある?<お父さんコーチからの質問>池上さんこんにちは。私は3年前から地域のスポーツ少年団で指導をしています。地方在住なので情報が都市部に比べると遅かったり少なかったりするのは否めませんが、自分なりに本やネットなども使って勉強しています。指導しているチームはもともと県大会に毎回進出するようなレベルではなく、勝ったり負けたりが当たり前なので、歴代指導者もいわゆる厳しい指導はしておらず、サッカーの基礎を教え、練習最後に行う試合や大会などを通して学んでいくという感じです。よくある地方のチームだと思うのですが、最新のトレンドを抑えたトレーニングや、今現在「良い」とされている指導、チーム運営ができているかというと自信はありません。最近では、楽しませることが何より大事だということをよく目にするので、自分なりにネットや本などで情報を収集し実践しています。子どもたちには楽しんでもらえているようですが、保護者の皆さんに「楽しいのもいいけど、もっと厳しく指導してほしい」と言われます。親御さんたちも楽しむことが大事だと言われていることはわかっているようですが、それが結果や成長につながるかという点で完全に腹落ちしていないようなのです。分かりやすく結果が出ないと親が納得しないということと、厳しく指導されているのが目に見えるほうが「指導されている感」があって満足するようです。厳しい指導の部活などを経験している世代だからこそなのはわかりますが、そんな保護者を納得させるような伝え方や、楽しみながら上手くなることが伝わるメニューの例などがあれば教えてください。<池上さんのアドバイス>ご相談、ありがとうございます。今の親御さんたち自身が部活動などで厳しい指導を経験しているため、厳しく指導されているほうが「指導されている感」があって満足する。ご相談者様がおっしゃる通りだと思います。これは保護者のみならず指導者も同様です。皆さん、「スポーツは勝負事なのだから勝つチームがいい」「強いチームをつくるのが、いいコーチ」という評価になっています。■誰かと比べて上か下かではなく、以前よりどれだけ伸びたかを見てあげよう一方で、教育の現場は一足先に変わり始めています。例えば、子どもへの評価の考え方のひとつが「相対評価」です。誰かと比べて上か下か、そこを見ます。そうなると、わが子が、勉強にしろ、スポーツにしろ、属するグループで一番にならないと満足しません。対岸にあるのが「絶対評価」です。子どもが、以前よりどれだけ伸びたか。サッカーであれば、同じ大会で去年は1回戦負けだったのに、今年は1勝して2回戦に進んだ。それはひとつの成長としてとらえることができます。そのように「絶対評価」に慣れてくると、スポーツや少年サッカーの姿は変わってくるかもしれません。自分たちのチームがどれくらい伸びたか。コーチはそのことをよく知っているはずです。以前はあんな練習しかできなかったけど、いまはこんな練習ができるようになった。ここをもう少し鍛えて、こう変われば、もっとうまくなる――そんなイメージはできているはずです。それは、試合に勝つか負けるかではなく、個々とチーム全体が以前より上手くなる。前の年より進化する。そういうとらえ方の説明を、指導者が保護者に対し具体的な例を挙げて話せるようになるとよいかと思います。■コーチが子どもたちに話す姿を保護者にも見てもらう私は、私自身のサッカー観や指導観を保護者に伝えるために、練習や試合で子どもたちに話す姿を保護者にも見てもらいます。コーチ側がどんなことを大切にしているのか。そのことをどう伝えているのか。話を聴いている子どもたちは、そのことを理解しているのか。そういったことを親御さんに見てもらうのです。また、保護者とも可能な限り話します。私が最近新たに始めたチームで、フニーニョ(※ドイツで発祥したミニサッカー。ミニゴールを4つ使い3対3で行うミニゲーム。近年ドイツサッカー連盟が9歳以下の試合に導入を推奨した)の交流会を開催しました。試合のあと、私は保護者にこう言いました。「真剣に守っているように見えないですね。皆さん、どうですか?」すると皆さん、一斉にうなずいていらっしゃいました。「そうですね。次はもっとしっかり追いかけるようになるといいですね」と話しました。そんなふうに、次のステップが何なのかをしっかり親御さんにも伝えます。それを続けていくと、親御さんたちの姿勢は相当変わります。■楽しむことがモチベーションにつながる、という解説もしてあげるそれと同時に、サッカーを楽しむことが子どもたちのモチベーションにつながるという解説を、保護者にしてあげたほうがいいでしょう。昔から「好きこそものの上手なれ」と言われますね。サッカーが大好きだからこそ、真剣にやる。そうすることで、技術は身につきます。そのことは、スポーツ心理学の学びの中でも証明されています。とはいえ、物事に対する子どものモチベーション(動機付け)は、最初の段階では外発的なものが必要です。楽しくなるために、熱中できるために、コーチがどんな活動環境を提供してあげられるか。そこが問題です。楽しいからこそ真剣に取り組むのですが、そのうち気づけば誰も笑っていません。集中します。■「楽しい」はワイワイキャーキャーすることではない。真剣に楽しむことを教えて「子どもはサッカーを楽しみましょう」そんな価値観が広まってきたのは悪いわけではありませんが、私からすると「楽しい」がまだ甘いように感じます。ワイワイ、キャーキャーと歓声を上げるのが楽しい、というレベルで終わってないでしょうか?さらにもっと楽しくなると、笑うことはなくなります。まさしく集中し、ゾーンに入る。練習の中で白い歯を見せて笑っている子がいなくなります。そこをぜひ目指してほしいのです。徐々に真剣になっていく。そんな空気を作るために、常に勝ち負けのあるメニューを考え、子どもたちと対話し、要求を高めていきます。そこを、「笑っている子をなくす」「真剣に取り組む」といった、姿勢というか「かたち」から入ってしまうと、態度への注意が増えます。集中しよう。真剣にやろう。最後まで頑張ろう――そう指示命令されれば、子どもは真剣にやろうとするでしょう。でも、サッカーも、他のスポーツも、そうやって「真剣にやれ」と叱ってやらせるものではありません。そのような管理され作られた空気は長く続きませんし、委縮させられた子どもは自由にサッカーを考えられなくなります。池上正さんの指導を動画で見る>>次ページ:サッカーが俄然楽しくなるきっかけをつくる■「次は、今日負けたところに勝とう」と言ってはいけない理由(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)選手が勝ちたいと思うのは当然です。だから、試合に勝ったら「勝ってよかったね」でいい。それなのに大人たちが「次はあそこに勝って優勝しようぜ」と、次の「勝利」を目標に掲げていないでしょうか?負けて悔しい、でいい。そのあとに「次は、今日負けたところに勝とう」と大人は言ってははいけません。負けたら「残念だったね。また頑張ろう。うまくなろうね」でいいのです。そこで「次は勝とう、相手にリベンジしよう、とは私は言いませんよ」と保護者に説明してもいいですね。コーチがあくまでも「絶対評価」で子どもたちをとらえていることを伝えてください。私が最近地元にチームを作ったのは、絶対評価で子どもたちを育てていくとどうなるのか。子どもたちが大きく成長することを証明したいと考えているからです。ぜひ、そんなふうに考えて、保護者とたくさん話してください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年03月05日サッカー経験は小学生の時だけ。小2の息子が入団するタイミングでコーチを引き受けたけど、昔と今ではいろんなことが変わっているのを知った。長時間練習を良しとする時代でないので、効率よく理解させたいんだけど何かおすすめはある?というご質問をいただきました。みなさんならどんな練習を組みますか?これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんがこの年代の指導で大事なことを教えます。参考にしてみてください。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<8人制から11人制への移行。幅とスペースの使い方が分かってない子たちにどう教えればいい?<お父さんコーチからの質問>はじめまして。子どもがサッカーをはじめたことがきっかけでチームの指導に携わるようになりました。サッカーは小学生の頃にやったぐらいで、当時と今ではルールなどもかなり変わっているようでイチから勉強している状態です。指導に関わっているのは2年生以下のチームなのですが、効率よく教えたいと思っています。もちろん年代的にまだまだ理解力などが足りない部分はあるし、個人差も当然あるのですが、自分としては長時間練習すればいいとは考えていなくて、土日なども練習の後に友達や家族と過ごす時間を持ってほしいと思っています。なので、子どもたちが理解しやすく、上達につながる練習メニューがないものがと悩んでいるのですが、何か良い方法があれば教えてください。<池上さんのアドバイス>ご相談、ありがとうございます。長時間練習を課すのではなく、土日など練習の後に友達や家族と過ごす時間を持てるよう指導者が考えてあげるのは、とても良いことだと思います。ただし、「効率よく教える」ことを念頭に置いても、いいものはなかなか出来上がらないと思います。相手は何しろ人間で、しかも個々で発達や成長の度合いがバラバラな子どもたちです。そこを少し考えましょう。■夢中にさせられれば、必ず上手くなるそんなに焦らずに、ゆっくり子どもと一緒にコーチも成長しいこう。そんな心づもりで取り組んでほしいと思います。まだ2年生以下ですから、サッカーが楽しく感じられることを第一目標にしてください。子どもたちが嬉々として取り組める。そんな練習を組み立ててもらえば、夢中にさせられれば、必ず上手くなるはずです。そんなふうに育成をとらえなおしてみてください。例えば、「今日の練習はこれで終わりだよ」とコーチが言ったときに、子どもからブーイングが起きるような楽しい練習、やり過ぎない練習が理想です。子どもたちが余力を残して「ああ、もっとサッカーをしたい!」「コーチ、やらせて」と言ってくるような練習にしましょう。■満足度が高い時間を提供しようジュニア時代は、試合が中心でいつも試合ができることが大事です。私は地元の大阪で「サッカープレーパーク」を週に1回行っています。1年生から中学生までが縦割りで一緒に行う、楽しく夢中になる練習です。90分の中で、60分が試合です。小学6年生にプレーパークの感想を尋ねると「試合がたくさんできるから楽しい」と口をそろえて言ってくれます。満足度が高いのです。試合と試合の間にトレーニングを30分挟みますが、それもみんな楽しそうにワイワイやっています。彼らが自由に自分自身で楽しさを見つけているように見えます。プレーパーク以外の場所でも、私は楽しいサッカーを心がけます。■難しすぎると面白くない、簡単すぎると飽きるそのバランス調整を!先日は小学校に招かれ、2年生の体育の授業を行いました。3対1の鳥かごをやってみました。中には、サッカークラブに入っている子もいれば、女の子も、サッカーをしていない子もいます。最初は、足で蹴らずに、手を使ってボールをパスします。取ったり、取られたりしながらみんなワイワイやっていました。途中で私が笛を吹いたら、手でやっていたのを足に変えます。同じ場所にいてもボールをもらえないので、みんな動き出します。最後までとても楽しそうでした。私の知っている学校では3年生で「ラインサッカー」をやるのですがラインサッカーは、ドリブルをしたらきちんとボールをラインのところで止めなくてはいけません。サッカーをしたことのない子どもがこんなことはなかなかできないだろうなと感じます。そのうえ「八の字ドリブル」もあります。大阪の小学生は「こんなん、サッカースクールやんけ」と言いながらやっていました。つまり、練習の難易度を大人のほうで調整してあげることが肝要です。難し過ぎると面白くないし、簡単すぎるとすぐに飽きます。■子どもたちの意見を聞いてみればいい練習メニューの本はいっぱい出ています。どんなものでもいいので、活用してみてください。子どもがそのメニューを楽しそうにやったなら、またやればいい。でも、食いつかないなと思ったら、やめて原因を考えます。動くグリッド(広さ)を考えるとか、まずは手でやってみるなど、手立てを考えてください。広すぎると疲れてしまい動かなくなるので、動く範囲を狭くしてみればいいのです。グリッドやコートのサイズを変えたり、行う人数を変えたりします。やってみてうまくいかなかったら、そのような微調整をしてください。そういった工夫をしても、なかなか楽しめないメニューもあります。それは「メニューがダメ」なのではなく、チームの成長の度合いにその時は合わなかった、ということ。そのように考えてください。実際のところはどうなのかという判断がつきかねたら、子どもたちに聞いてみればいいのです。「楽しそうじゃないように見えるけど、この練習、どう?」と。子どもがいろいろ教えてくれるはずです。池上正さんの指導を動画で見る>>■サッカーが俄然楽しくなるきっかけをつくる(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)サッカーが楽しくなる一つの要素として個人技を教えてもいいでしょう。例えば、ドリブルのフェイント。コーチが経験者であれば、やって見せてあげます。体を右左に動かし、相手を揺さぶって抜こうとする技術。横並びでドリブルしながら、相手を抜く。ちょっと止まるふりをして、スピードで抜く。それでも抜けないときはローリングターンがあります。アウトサイド、脚の外側からターンするものです。相手を抜かなくてもよく、視野を確保して他の人にパスができます。ローリングターンを覚えて、仲間にパスを出せば、ボールを相手に奪われず、自分たちでボールをつなげます。ボールがつながると、サッカーは俄然楽しくなります。低学年はサッカーの初心者です。トレーニングメニューを探して色々チャレンジしてみてください。どんどん勉強しましょう。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年02月26日もうすぐ中学生になるので11人制の準備をさせたいけど、8人制とはコートの大きさも異なるので、どうしても中盤がぽっかり空いたり、自分でスペースを見つけることが出来ない子どもたち。11人制の動きを教えるにはどうしたらいい?とご相談をいただきました。実はこの時期よくある質問なのだそう。みなさんのチームではどうしていますか?これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんがアドバイスを送ります。参考にしてみてください。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<サッカー初めての子たちに楽しく基礎を教えるメニューが知りたい<お父さんコーチからの質問>こんにちは。小6の子たちを担当しています。11人制への移行段階での指導についてご相談です。私が指導しているのは地域の少年団で、ほとんどの子が同じ中学で部活に進みます。サッカーを続ける子は中学に入ると11人制になるわけで、今のうちから準備をさせたいと思っているのですが、やはり8人制とは勝手が違うのでなかなかうまくいきません。どうしても中盤にスペースができてしまったり、ボールの受けどころなど自分でスペースを見つけることや、スペースを作る動きが難しいようです。11人制のプレーを理解させるためのおすすめの指導などはありますか。<池上さんのアドバイス>ご相談、ありがとうございます。まず最初に申し上げておきたいことがあります。8人制から11人制というように、人数が増えるとサッカーの理解が変わるわけではありません。幅と深さを理解して相手を崩していく、もしくは守る。そこは同じです。■8人制のうちから理解させてほしいこと攻撃にしても、守備にしても、コートのサイズが大きくなれば、動く距離は変わります。パスの長さも変わる。当然のことです。ただ、その成り立ちをきちんとわかっていれば、あとは距離に対応するだけのことです。逆に言えば、8人制のところでちゃんと理解させなくてはいけませんよ、ということです。例えばドイツは、11人の前に9人制でプレーさせます。コートの大きさも、縦はペナルティエリアのライン前まで両方のゴールを出し、サイド(横)も狭くします。コートは11人制とそんなには変わらないうえに、9から11と2人しか増えないので、やるべきことはほぼ変わりません。パスもちゃんとつながります。9人制の前は7人なので、そこも同じようにスムーズです。■味方同士の距離感を保つようにトレーニングする一方の日本では、少年サッカーの8人制が大人のコートの半分サイズになります。大人コートで2面とれて、ゴールも小さいわけです。ところが、11人制になると、コートのサイズが倍になる。練習の中で成り立ちを理解しプレーしてきたのなら問題ないのですが、クローズドスキルが多くなってしまうような練習が多かったのなら、なかなかうまくいかないかもしれません。そうならないためには、8人制で味方同士の距離感を保つようトレーニングする必要があります。例えば、守備。サッカーの世界でいう「アコーディオン」のように、味方との距離が長くなったり、短くなったりするのはよくありません。選手間の距離が伸びるとスペースができて、そこを相手に使われてしまいます。つまり、コンパクトにポジションを取る。これを少年の間に身につけてもらわなくてはいけません。逆に、攻撃では広がって、スペースを生むことが需要です。幅と深さを理解させてあげることです。攻撃では広がって、ボールを奪われたら広がらずにコンパクトに守る。これを8人制でも伝えていきます。■今のやり方は中学に行く前の「塾」のようなもの。先取授業する必要なしただ、いただいたご相談では、もっと大きな問題があるような気がします。11人制に備える練習が、中学に行く前の塾のように見えるのです。そもそも、子どもたちの成長は時間がかかるし、個々でその速度も異なります。大人はそこを理解したうえで、子どもが自由に自分から様々なものを学び取っていく環境を用意するのが最も重要な役割です。どう考えたほうがいいと思う?などと、常に問いかける。例えば試合で、スペースが生まれてしまい、そこを使われて失点したり、ゲームを支配される。そんな体験はすべきです。そのような失敗をしなければ、自分でどうしたらいいかを考える経験ができません。すべて一から十まで教え込んで、成功させるばかりでは、彼らが知らないことがでてきたときに、どうしたらいいかを考える力を養えません。転ばぬ先の杖を立てては、足腰が鍛えられないのです。まずは、6年生ならば、8人制のサイズの幅と深さのトレーニングをやってください。賢くサッカーをする仕組みを理解することが重要です。例えば左サイドにボールが動いたら、相手も警戒する。そうなれば、右に大きなスペースが開く可能性がある。そういう理解を6年生はできるようにしてください。狭いところから広いところに出て行く。守る側もそれが常識で狭い側はタイトに寄せる。広いスペースの選手はぴったりはつかず、間合いを開けておく。そうすれば、サイドチェンジされても、スライドして広くカバーできます。次のステージで困らないように、とご相談者様は考えておられるようですが、次のステージでやるべきことを前もってマスターする必要はありません。今の学年でやるべきことがちゃんとして入れば問題ないのです。■大人が形ばかり追いかけると、選手たちの自分で解決する力が育たない私がジェフの中学生をみたとき、中1は小学生のサッカーしかできなくて当たり前だと話しました。入ったらすぐに2年と試合をします。ジェフに受かった子はみんな小学生時代はエース級の選手なので意気揚々と臨みますが、5分で3点取られたりしました。ここで初めて「中学生のサッカーは小学生と違うよ。これからうまくなろう」と話すのです。ペップ・グアルディオラ(イングランドマンチェスターシティの監督)が2017-18のマンチェスターシティーで成功させた「5レーン理論」という方法があります。縦に5つのレーン、横に3つのゾーンを分けて説明しています。これはチーム戦術としてみんなが理解して、それぞれがこうしよう、ああしようと考えながらプレーするひとつのベースとなる考え方です。これをやったら上手くなるわけではありません。それなのに、日本の指導者には、言葉ばかりにとらわれてしまいがちです。大人が形ばかり追いかけると、選手たちに自分で解決する力が育ちません。基本的な指針はあっても、違う解決法を選手が取るかもしれない。それはそれでいいのです。選手がその時にやったことが、その選手の「正解」だと受け取ってください。それなのに、日本ではコーチが「さっき言ったでしょ」と自分の考えや見方、とらえ方を押し付けてしまう傾向があります。あくまでも、選手が選択したことが「そのときの答え」なのだ、トレーニングは選手を自立させるためにある、ということを覚えておいてください。池上正さんの指導を動画で見る>>■中学に備えて5号球を使うのもリスクがある(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)この季節、6年生のコーチの方々に「もうすぐ11人制になりますが、なにかやったほうがいいですかね?」とよく尋ねられます。「ちゃんと育てておけば、8人が11人になろうが問題ないですよ」と私は答えます。加えて、この時期、6年生の練習や試合でいきなり5号球を使い出す指導者がいます。これもいいとは思いません。日本はオスグッドになる子が多いです。無理させず、中学生になったら蹴ればいいんだよと伝えましょう。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年02月12日高級温泉旅館「ふふ 京都」が、2021年春に京都・南禅寺エリアに開業予定。高級温泉旅館「ふふ 京都」高級温泉旅館を展開する「ふふ」シリーズ。そんな「ふふ」シリーズから「ふふ 京都」が、京都・南禅寺にほど近い、日本庭園「名勝無鄰菴」や「京セラ美術館」の隣地に誕生します。全40室にひのき香る温泉を設け、訪れるすべての人にゆったりとした時間を提供する予定。また、桜と白檀の優雅な香りが漂う客室には、京文化を感じさせる生け花や、艶やかな漆色のテーブル、障子など、職人の技術を感じさせる小物やアートが揃います。食事は、旬の食材の炭火焼きや、地産の新鮮な京野菜を使った料理を用意。敷地内に残されていた日本庭園には日本建築の"離れ"を設け、夜はBARとして利用できる他、芸妓の舞など京都ならではの無形文化も体験できます。さらに、館内には、コンシェルジュデスクがあるので、料亭やレストラン、観光について相談することが可能です。また、2021年4月には、「ふふ 熱海」のプライベート性をさらに追及した、ふふ熱海 別邸「木の間の月」を開業する予定。全国各地で癒しの時間を提供する「ふふ」シリーズの旅館です。【詳細】<ふふ 京都>開業予定日:2021年春住所:京都府京都市左京区南禅寺草川町部屋:全40室6タイプ1室料金:77,000円~※1泊2食付予約TEL:0570-0117-22
2021年01月30日職場でU‐8以下の子どもたちを指導することになったけど、自分自身はサッカー経験なし。初めてサッカーをする子たちばかりだけど、楽しんで基本が身に付くような練習はある?とお悩みのコーチよりご相談いただきました。長くサッカーを続けるためにも、サッカーに出会う時期の楽しさは大事ですよね。現在低学年や未就学児に指導されている方も池上さんのアドバイスを参考にしてください。これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、この年代への指導で大事なことをお伝えします。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<何をやっても楽しそうじゃない子のテンションを上げる練習を教えて<お父さんコーチからの質問>こんにちは。職場の幼稚園、小学校低学年でボランティアコーチをしています。自身はプレーの経験は無く、元2級審判員です。今は3級で現役です。これまでも何回も聞かれているかもしれませんが、サッカーが初めてのこの年代に楽しみながら基本を教えるには、どうすれば良いでしょうか?<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。メールに「サッカーが初めてのこの年代に楽しみながら基本を教えるには、どうすれば良いか?」とありますね。ご相談者様がおっしゃる「基本」とは、ボールを蹴る、運ぶ、止めるといった主には個人スキルを想像されていると想像します。しかしながら、サッカーは自分以外の仲間がいますね。その仲間とパスをつなぎながら、相手にボールを取られずシュートまでもっていく。そしてゴールを狙う。それがサッカーです。たとえ幼児だろうと、指導はそこから入ってほしいと思います。ところが、未就学児や小学校の低学年にミニゲームをしてもらうと、団子になります。特定の子どもだけがドリブルをし、他の子が追いかけて行くような場面が多く、ボールを扱う子どもが限られてしまいます。そのため、ボールを扱えるように、止める、蹴るを体験できる対面パスやコーンドリブルの時間が増えていく。そんな傾向があります。■「まだ団子サッカーで仕方がない」ではダメ先日、千葉県柏市サッカー協会からの依頼で、セミナーを開きました。その際に町のクラブの方から、団子サッカーをどう解消したらいいか?といった質問がありました。多くの方が「まだ幼稚園だから団子で仕方がない」と考えているようです。しかし、そのままにしておかないでください。そこからどうサッカーにつなげるか。指導者の方に対策を立ててほしいのです。仲間とつないでいくのが当たり前のこと。それがサッカーだという認識を持てるよう子どもを育てる必要があります。団子サッカーを卒業させようと考えた場合、子どもたちに「団子にならないようにしよう」とか「団子にならないで広がって」と指示することが少なくありません。ところが、言っても、言っても、団子になってしまう。指導者は途方に暮れます。■団子サッカー解消のためにどうすればいいかでは、どうするか。まずは、子どもたちに、自分たちがどんな状況になっているかを理解してもらいます。「いま、どんなふうになってる?」問いかけると、子どもなりの意見が出てきます。「○○君は僕の味方なのに、僕のボールを取りに来る」「人がいっぱいいるから前に行けない」2、3人だけでなく、みんなに尋ねてみてください。そういうことを認識させることが大事です。そのあとで、「なるほど。みんなそんなことを感じているんだね。じゃあ、どうしたらいいかな?」とまた問いかけます。そして、それぞれが「みんな広がってみる」とか「空いてる人にパスする」と、対策が出てきたら、「じゃあ、そこに気をつけてやってみよう」とまたミニゲームをやらせます。子どもですから、もちろんすぐに「自分で気をつける」ことはできません。が、やりながら、コーチからも、考える材料になる問いかけをします。「味方の近くにいるのと、遠くにいるのとでは、どっちが相手からボールを取られないかな?」そんなふうに話し合いながら練習を進めてください。そのとき、決して答えを言わないでほしいと思います。■手取り足取り教えることが指導ではない以前、私が日本人コーチの佐伯夕利子さんが所属するスペインのビジャレアルの5歳児たちのミニゲームの動画を見せた時のことです。幼児でもパスをつなげることを見せて、「ここまでに育てるのに2~3年かかるそうです」と話したら、参加していた方がこうおっしゃいました。「私はそんなに我慢できません」日本の指導者は、どうも早く結果がほしいようです。コーチが我慢する、しないの問題ではないことを理解してほしいものです。子どもたちにサッカーがどんなスポーツかを教えるには、前述したようにやり取りしながら理解を深めていく「時間」が必要不可欠だということをわかってもらえないでしょうか。「コーチがこんなに言ってるのに、どうして君たちはやらないの?」「やらないから上手くならないよね」そんなふうに責めたり、手取り足取りして教えることが指導だと思っていませんか?子どもたちを「一日も早くうまくしなければ」と思っていないでしょうか?何かができたら、次はこれというふうに、進み具合を大人のほうで決めて、そこに当てはめようとしてしまう。そこに追い付けない子どものことを心の中で否定したり、成長をあきらめていないでしょうか?指導に決まったマニュアルはありません。いま、目の前の子どもは上手くできないかもしれません。ただ、大人の目には見えないけれど、前述したように考えさせる指導をしていけば、子どもは日々何かを獲得するはずです。ビジャレアルの子どもたちも、そのようにしてサッカーの認知度を上げたのだと考えます。■サッカー経験がなくてもできる、子どもたちが自分で考えるようになる「問いかけ」また、「上手くなってもらうには、どんな声がけをしたらいいですか?」という質問をよく受けます。すでにお伝えしたように決まったマニュアルはないので、こう声をかければ上達する、という魔法の法則はありません。あるとすれば、いまのどう?うまくいった?というような問いかけです。子どもが自分で考え始めるきっかけになる問いかけは、別にベテランでなくても、サッカー経験者でなくても、誰でも聞けます。考え方を理解してもらえれば簡単なことです。ただし、この問いかけを続けるには、そういうことが必要であることを大人のほうがきちんと理解していなくてはいけません。ミスパスを「それはミスだね」とだれにでも言えますが、それは指導ではありません。そういったことを理解してもらわなくてはなりません。■問いかけと対話を重ねて子どもたちの視野を広げてあげるミスパスがあれば、「いま、誰にパスしようと思ったの?」と聞くことができるコーチになってください。「だってあそこに味方がいたんだもん」「右に味方がいたから」と答えれば、「じゃあ、左にいたのは見えた?」と尋ねる。そうすれば、「じゃあ、右も左も見られるといいね」となります。その次に「両方見ました」と言ってくる日が来ます。そのときは、じゃあ、その選択はどうだった?となります。対話だけをみても、その子どもが進化しているのがわかるかと思います。選ぶのはその子の権利。コーチの役目は、視野を広げてあげることなのです。池上正さんの指導を動画で見る>>■「こっちでしょ」コーチが答えを教えると、ほかの可能性を見逃す(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)「こっちでしょ」と一つの答えだけをコーチが教えてしまうと、見逃すものがいっぱい出てきます。サッカーをより楽しくするためには、どこがいいかな?と子どもがワクワクしながら考えられること。それができる環境を指導者が保証してあげることが重要です。そうすると、よりサッカーを楽しむためには、視野を広げるんだ、という結論になります。より楽しくなるよね、という考え方をもって子どもに接してください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年01月22日どんな練習をしても楽しそうじゃない子。練習強度に物足りなさを感じているわけでもなさそう。練習についてこれなくてツライ、という感じでもない。頼まれて昨年からコーチを引き受けたばかりで、どんな対策をしたらその子たちのテンションを上げられるのかわからなくて......。楽しくボールを蹴ってほしいけど、どうすればいい?とお悩みのお父さんコーチ。みなさんならどうしますか?これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、楽しんでできる練習メニュー例や楽しめてない子への個々のアプローチをアドバイスします。参考にしてください。(取材・文島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<相手にボールを奪われると取り返しに行けない子、ボールの奪い方をどう理解させたらいい?<お父さんコーチからの質問>初めまして。これまで池上さんの本を何冊か読み、とても勉強になりました。ありがとうございます。私は10歳の息子をもつ父で、昨年から少年団のコーチを頼まれてチームに関わっていますが、指導方法で悩みがあります。私は細かい技術指導と言うよりも、楽しく、これから先ずっとサッカーを続けて欲しいと願い、子どもたちと一緒になってボールを追いかけてサッカーを楽しんでいます。ですが、1、2名全然楽しそうでない子がいます。ハッキリ言ってうまい子たちという訳でもないので、練習強度に物足りなさを感じているわけではないと思います。なので、練習内容のレベルを下げてみても楽しそうにボールを蹴ってくれません。そういった選手のテンションの上げ方や、楽しめる練習方法などアドバイスを貰えたらと思います。お忙しいところ恐れ入りますがよろしくお願いします。<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。小学生は、いかにサッカーに興味をもってもらうか。そこが、その後も長く競技を続けてもらえる入り口だと考えます。その点から、ご相談者さまが、ひとりか二人の子どもについて「どうも楽しそうじゃないぞ」と気づいてくださり、そこをご自分で考えた末に私に相談してくださったことをうれしく思います。■一人ひとりがサッカーを始めたきっかけを知ることが大事子どもたちがサッカーを始めるきっかけは、さまざまです。自分から興味を持つ場合もあるし、友達に誘われたり。サッカー経験者やサッカーファンの親御さんから勧められることも多いです。ただし、親に連れてこられたから難しい、というわけではありません。入り口はそうだったとしても、そこからその子自身にサッカーを心から好きになってもらえるかどうか。そこがジュニアの指導者の腕の見せどころです。その点から言うと、コーチは子ども一人ひとりがどんなきっかけでサッカーを始めたのか、また、自分たちのチームを選んだのかを知っておく必要があるでしょう。■最初はシュート練習など初心者が楽しめるものをそのうえで、子どもたちの状況を踏まえながら、サッカーがどんなものなのかを伝えていきます。最初は鬼ごっこをしたり、ドリブル競争をしたりと、ボールを扱って遊ぶことを楽しんでもらう。そういったプログラムから入ってください。最初から技術練習から入ると、楽しくありません。初心者がサッカーをして、まず最初に「楽しい!」と感じられるのは、シュートが決まった瞬間だと思います。したがって、ボールをもらってシュートするような場面がたくさん出てくる練習をやらせてあげてください。ゴールを決めると楽しくなり、もっとサッカーをしたい、うまくなりたいと思うものです。フットサル日本代表元監督で、ジュニアの指導にも詳しいミゲル・ロドリゴさんと何度か話す機会があったのですが、彼は「ジュニアには、一日の練習で必ず全員が得点する状況をつくってほしい」と話していました。■楽しんでできる練習メニュー例いただいたご相談の中で「楽しめる練習方法などアドバイスを」とあります。実際にそのチームの練習を見ないとわかりませんし、こんな練習が楽しいですよと言っても、そこにいる子どもたちに合うかどうかわからないのが悩ましいところです。そのことを踏まえて、以下のメニューを参考にしてみてください。1.二人でドリブル競争・シュートゲーム皆さんにいつもお話ししていることですが、私の経験上、競争のあるメニューにすると子どもが楽しく取り組めると考えています。2.フニーニョドイツが育成段階でやろうとしている3対3。ゴールが4つあり、ボールを触る回数、シュートを打つ回数も増える。サッカー強国ドイツが導入を決めた3vs3のミニゲーム「フニーニョ」とは■子どもたちがサッカーを好きになるような指導を心がけましょう繰り返しになりますが、ご相談者さまが考える「子どもを楽しませる指導」はとても重要です。一国のサッカーを強くしたいと考えたら、プロや日本代表といったトップだけを鍛えようとしても実現しないでしょう。サッカーに出会う子たちが、いかにサッカーを好きになってくれるか。ファンをつくらなくてはいけません。そう考えると、ドイツのようなすでに4回もW杯を手にした(西ドイツ時代を含め)強豪国でも、子どもたちがより楽しくなる方法を模索しつつ普及への努力を惜しまない。その姿を見ていると、子どもたちみんなが上手くなること、底上げがいかに重要なのかがよくわかります。対する日本は、1993年にプロ化したばかりで、W杯も最初の出場は98年フランス大会からというサッカー後進国です。私たち指導者は、多くの子どもたちがサッカーを大好きになってくれるようにもっと努力しなくてはいけないと思います。もっと他のメニューや、詳しいやり方や他のメニューを知りたい場合は、手前みそではありますが、私の本を手に取ってみてください。練習方法に触れているものとしては、『池上正の子どもが伸びるサッカーの練習 』(池田書店)『「蹴る・運ぶ・繋がる」を体系的に学ぶ ジュニアサッカートレーニング』(カンゼン)の2冊があります。無論ですが、ネットその他でも情報は得られるはずです。■楽しそうじゃない子たちから好みの練習を聞きだすしつもん次に、子どもたち個々への接し方についてお話しします。私は基本的に、楽しくやっている子、集中できている子にはあまり声をかけません。その部類の子どもたちは、自分で勝手に上手くなっていく要素がすでにあります。したがって、楽しそうじゃない子や、難しい顔つき、困ったような様子の子どもに積極的に話しかけます。例えば、「こうしてみたら?」「こんなことはどう?」とかかわります。彼らとの時間を増やします。「こんな練習はどう?」「どんな練習が好き?」と彼らの好みや気持ちを聞きます。そうやって手厚いサポートをしてあげてほしいと思います。決して、「これは楽しい(はずだ)からやってごらん」と一方的に押し付けたり、「これができるようにならないと」など抑圧的にふるまってはいけません。■子どもたちのテンションの上げ方は......(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)技術面も丁寧に指導します。例えばキックが上手いけれどドリブルが下手な子には、ドリブル練習の時は一緒についてあげます。でも、キックが多く出てくる練習の時は、その子は得意なわけなので構わなくていい。キックが上手く蹴られない子のところに言って、一緒にどうやったらうまくできるかを考えます。最後に、選手のテンションの上げ方は?という質問ですが、周りがワイワイ言っても子どものテンションは上がりません。練習メニューを試しては、探っていくしか方法はないのです指導者は、子どもたちがハマりそうなメニューを見つけるためにも、たくさん引き出しをもてるよう勉強してもらえるとうれしいです。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年01月15日ボールを奪われると取り返しに行けない子。ドリブルで前へ進むイメージはあるけれど、相手にボールを奪われるとどう動いていいかわからない様子。頭でサッカーを理解していないから、ボールの奪い方が分からない?どんな指導で理解させたらいいのか、というご相談をいただきました。池上正さんは、そういった事を講演などでもよく聞くそうです。また、そのような事象が起こるのは「大人の責任」であるとも。これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、ボールを奪いに行く習慣を身につけるための指導をお伝えしますので、参考にしてください。(取材・文島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<目立たないけどいい選手、なのにセレクション全滅。受かるためにわかりやすい個性をつけさせるべき?<お父さんコーチからの質問>こんにちは。学校の少年団(U-8)で指導をしている者です。チームの中に1人、足が速く身体も大きめな子がいるのですが、ボールを奪われると取り返す動作が出来ない子がいます。これまでの記事で、日本は技術から教えていて頭で理解できていない、海外では幼少期から頭でサッカーを理解しているといったことを提言されているかと思いますが、まさにそうだと思います。ドリブルで前進していくイメージはあるけれど、相手にボールを奪われるとどう動けばいいのかわからず、一瞬立ち止まってしまったり、振り返って眺めているといった感じです。一生懸命に追いかけてボールを奪うように教えているものの、追いついても並走するのみでボールの奪い方がまだ理解できていないようです。攻撃と守備は瞬時に入れ替わるものなので、今のうちから理解してほしいと思っているのですが、おすすめの練習法などはありますか。<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。「ボールを奪われるとそこで諦めてしまい、自分で取り返しに行かないのです」講習会や講演で、指導者の方たちからよく聞く話です。ボールの奪い方が理解できていないというのもあるかもしれませんが、それよりも子どもたちが勝ち負けに注目していないから起こる現象だと感じています。そこは大人たちにも責任がありそうです。■「個を育てる」の意味を取り違えていないか少年サッカーにかかわる大人たち、コーチや保護者の皆さんは「誰が点を取ったか?」に注目しがちではないでしょうか。例えば練習中のミニゲームなどで、どちらかが負けているという場面があります。そこで、大人は「負けてるほうは、どうするの?」と問いかけて、考えさせなければいけません。この場合、「負けてるチームのみんなは、どうするの?」は、しっかりやれと発奮させるための言葉がけではなくてどうすればいいか?に注目してもらうのです。そうすると、おのずとボールを自分たちのものにしなくてはいけないことがわかり、子どもたちは動き始めます。ところが、大人は個人の評価ばかりしているように見えます。日本の育成では、長らく「個を育てる」ことが言われてきましたが、意味を取り間違えてはいないでしょうか?■みんなでボールを奪いに行く意識づけができない背景「個人の技術を高めるために、個人の技術を増やすと、チームを感じられない選手を育ててしまう」そんなことを、ドイツの体育学の学者が論文に書いています。日本では、子どもがボールを持つと「いけ!」「勝負!」と盛んに言われます。ひとりでやるプレーだけでなく、チームのために走る、みんなでボールを奪いに行くといった意識づけがなぜできないのかを考える必要がありそうです。私が考える「奪い返しに行かない理由」は、日ごろの練習がゲームやオープンスキルのメニューが中心になっていないから。点数をちゃんと数える、勝ち負けを子どもに理解させる、など彼らの「勝ちたい」という気持ちを育ててあげることが重要です。「どうしたら勝てるかな?」「点を取っても、取られると負けちゃうよね?」「相手に点を取られないようにするのは、どうしたらいいですか?そんなことを問いかけ続けてください。そうやって練習や試合で勝ち負けをたくさん経験し、負けたくない気持ちに火をつけてあげてください。■勝ち負けに執着する気持ち自体を育てないといけない時代。成功体験を積ませようしたがって、今実践している練習を変えたり、この選手の「大切な時間を潰してしまったのではないか」などと思い悩む必要はありません。この指導をぜひ続けてください。まずは賢い選手を育てることに軸足を置きましょう。それが私の指導の大前提でもあります。自分で考えられる子どもに育てていけば、カテゴリーが進むにつれて次々とハードルが現れても「チャレンジしよう。どんなふうにやればいいかな」と自分で考えられます。指導者の要求にも応えられる思考や創造力を発揮できるはずです。例えば、ここはドリブルで抜くよりもパスを選択しよう、と考えられる。その時々で最も選択すべきプレーを選べるようになります。ドリブルで抜いたり、ゴールを決めることよりも、その力を磨くことのほうが重要です。■個人の特長を伸ばすだけでなく、頭脳を育てるのが指導者の役目ひと昔前ならば、子どもは負けるとみんな泣いてしまい、勝ち負けに執着していました。が、今はそういう気持ちを育てないといけない時代になってしまいました。「あのチームとやってもどうせ勝てない」「あの子と1対1をしても勝つのは絶対無理」そう言う子どもたちには、ぜひ勝ち負けのあるメニューを与えてください。2対1や、3対2などの対人練習、つまり点を取り合うようなオープンスキルの練習を増やすことで変わってきます。勝つにはどうしたらいいか。そこを考えると、自然に自分が奪われたボールを追いかけるようになります。一度追いかけてみて奪い返せたなら、その成功体験をもとに「次も取れるかもしれない」と思うのです。そういった勝ち負けを味わうことなく中学生、高校生になってしまうと、自分がドリブルを止められてボールを奪われると、下を向いてしまいます。コーチから「取り返しに行けよ」と怒られるから仕方なく走る、という場面が多く見受けられます。しかし、この年代になって「自分が奪われたボールは取り返しに行かなくてはいけない」と理屈で教わっても、なかなか浸透しません。この習慣は、小学生時代に身につけておくべきものです。そのためにぜひメニューや指導の在り方を見直してください。■自分が点を取るのは好きだけど、チームの勝敗に興味がない子も先日も小学4年生の試合を観に行きましたが、子どもたちは自分が点を取るのは大好きです。ゴールするのは快感ですので理解できますが、それ以上に大人がそこに注目していることを知っているからかもしれません。積極的にシュートを打ちますが、相手が攻撃し始めると歩いて見ていることが多いのです。自分がシュートを入れると満足してしまい、自分のチームが勝ったか負けたかには興味がなさそうでした。ひとりでいろいろやらせすぎると、そうなってしまいます。■カウンターを食らうと足が止まってしまう子どもたち(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)もうひとつ、ボールを相手に奪われた。パスミスをしてカウンターを食らった。その際に、がくんと腰を落としたり、下を向いて足が止まってしまう子どもが多く見受けられます。けれども、ミスのスポーツといわれるサッカーでは、ボールを奪われたらすぐに取り返しにいかなくていけません。つまり、ミスにタフになる必要があります。そのため、子どもたちには「ミスしてもOKだよ」「できなくても大丈夫」といった声がけを、皆さんに勧めてきました。ミスを責めない。勝ち負けのあるメニューをたくさんやる。そこを心がけながら、子どもたちが「コーチ、もう一回やらせてよ!」と言ってくるように育ててほしいと思います。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2020年12月18日株式会社エフ・ディ・シィ・プロダクツが展開するジュエリーブランド「4℃」は、渋谷スクランブルスクエア ショップ&レストラン 5F +Q(プラスク)グッズ EVENT STAGE 5Aにて2020年12月10日~2020年12月27日 までの期間、ポップアップショップ「4℃ 2020 Christmas Stage Noel Sky」を開催いたします。今回のポップアップショップでは、2020年クリスマスコレクションの「Noel Sky」をテーマに、煌めく満天の星や人々の願いをのせる流れ星、優しい月明かりや、揺らめくオーロラの光…冬の夜空に広がるさまざまな輝きをとじこめた幻想的な限定コレクションや渋谷スクランブルスクエア限定のペアリングなど多数ご用意しております。さらに、ポップアップショップにてジュエリーをお買い求めいただいたお客様には、オーナメントとしてクリスマスツリーに飾られた4℃オリジナルキャンドルを、自ら手に取っていただきお持ち帰りできる体験型のイベントもご用意しています。クリスマスシーズンにぴったりの特別感を堪能できる空間で、大切なひとと心躍るクリスマスを過ごしてみてはいかがでしょうか?■4℃オリジナルキャンドルをプレゼントジュエリーをご購入いただいたお客様には、クリスマスツリーのオーナメントとして飾られている4℃オリジナルキャンドルをプレゼントいたします。 オレンジ、アップルの香りからキンモクセイ、ピーチへと時間とともに移りかわる香りとなります。 キャンドルに火を灯して、心温まるクリスマスが過ごせますように。*数に限りがございます。*詳しくはショップスタッフまでお問合せください。■渋谷スクランブルスクエア 「4℃ 2020 Christmas Stage Noel Sky」店舗概要営業期間:2020年12月10日(木)~2020年12月27日(日)営業時間:渋谷スクランブルスクエアに準ずる※現在、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から営業時間を変更しております。最新情報は渋谷スクランブルスクエアHPをご確認ください。場所:渋谷スクランブルスクエア ショップ&レストラン 5F +Q(プラスク)グッズ EVENT STAGE 5A(東京都渋谷区渋谷二丁目24番12号)【4℃公式サイト】企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年12月11日派手なプレーは好まず、スペースを見つけてパスを捌く、狙えたらシュートを打つような連係プレーが得意で判断力が高い子。単騎でドリブル突破したり対人プレーをどんどん仕掛けるタイプじゃなく、スペースを見つけて動ける「目立たないけどいい選手」。なのに、力試しで受けてみたトレセンでは「素人が混じっているレベル」と酷評。上の年代のトレセンに携わっているチームの代表は、「このまま成長すればトレセンメンバーでやれる」と言うけど、これまでの自分の育成方法が失敗だったのか悩む、というご相談をいただきました。これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが今回もコーチにアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<下級生との練習は上の子たちにメリットがないのでは。という上級者の親たちに年齢ミックスの良さを分かってもらうには?<お父さんコーチからの質問>いつも参考にさせていただいています。 U‐9、U‐10を指導していますが、どう育成したら良いのか悩んでいる3年生の選手がいます。私は日頃の指導の中で、試合で使える技術を大切にした練習などを行ってきました。例えば、昔からある対面での基礎練習やリフティング、1対1などには時間をかけず、1対2、2対1、4対4、ゲーム形式など、複数を意識したメニューを多めに実践しています。スター選手はいませんが、平均より少し上の選手が集まっていて、 個で勝負するよりもチームの連動性が良いチームです。その中で1人、この子は上のレベルでも十分やれるだろうなという子がいるのですが、 その子についての相談です。ドリブルや1対1など派手なプレーや対人プレーは好まず、スペースを見つけて動き、パスを捌いて、狙えたらシュートを打つような「あまり目立たないけどとてもいい選手」というタイプで、相手チームにスター選手がいても全然引けを取らないレベルではあります。本人は海外でサッカーをやりたいという夢をずっと持っていて、意識も非常に高いです。しかし、その子の父親が力試しを兼ねて強豪チームやスクールのセレクションを色々受けさせてみたところ、合格どころか「素人が混じっているレベルだ」と評価されたというのです。不合格の理由としては「基礎練習が他の受験生と同じように出来ない。ゲームでも、周りは1対1やドリブルで仕掛ける子ばかりで、どう動いていいか分からず終始あたふたした状態だった」という内容だったそうです。その父親からは「ドリブルや1対1に特化したスクールに通った方がいいかな?」と相談をうけていますが、個人技に傾倒していくと今の良さが消えてしまうのではないかとも危惧しています。正直、これまでの自分の育成方法が失敗だったのではないか、もっと違うやり方があったのではないかと悩んでいます。U-12地区トレセンの監督も務めているうちのチームの代表は「彼は目立たないけど、このまま成長すればトレセンメンバーでやれる」と認めてくれていますが、それは身内で特色を知っているからで......。知らない人が見たときに彼の良さに気づいてくれるのか、もっと分かりやすい特色を付けていくために練習を変えた方が良いのか、彼の大切な時間を潰してしまったのではないか、など葛藤している状態です。このような問題に正解はないと思いますが、指導者としてどのように考えたら良いのかアドバイスいただけると幸いです。<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。いただいたメール文を読む限り、やろうとしている育成にまったく問題ないと思いました。対面での基礎練習やリフティングといったクローズドスキルに時間をかけず、1対2、2対1、4対4やゲームなどのオープンスキル、対人練習をたくさんやっているとのこと。まさしく私がみなさんにこうあってほしいと伝えている指導です。恐らくそのような練習によって、上のレベルでやれそうな子どもが育っているのでしょう。ドリブルや1対1など派手なプレーや対人プレーは好まず、スペースを見つけて動き、パスをさばき、狙えたらシュートを打つ。ご相談文に書かれているような選手をたくさん育ててほしいと願っています。■昨今のトレセンでは「今すぐ試合に勝つ」ための選手が選ばれることも少なくないが、強豪チームの中心選手やトレセンの選考でピックアップされるのは、私が見る限り「今すぐ試合で勝つために戦える選手」が多いようです。例えばドリブルが上手くて、スピードがあって、同学年の子どもを抜いて行ける子に、大人たちは「勝負、勝負」と声がけをしてドリブル突破を勧めがちです。その子が点を取ってくれれば、全国大会に行けたり、トレセンの地区大会で一番になったりできます。その一方で、サッカーを賢く考えられ将来性のある子どもが、ベンチに置かれたり、後回しにされてしまっているのが、強豪チームの現実だと感じます。Jリーグクラブで育成に携わった時期は、さまざまなセレクションに立ち会ってきました。そのときに、私が「この子、いいね」と指摘するのが、ご相談者様が育てている選手のようなタイプです。ところが、担当コーチは「うーん」と首をひねります。彼らが欲しいのは「今すぐ使える選手」なので、いいと思う選手像には常にギャップがありました。統計的にみても、トレセンに選ばれて、そのまま選ばれ続けて日本代表に上がっていく選手はゼロです。ひとりもいません。この結果を、私たち指導者は受け止めなければいけないと思います。トレセンに入っていたけれど、途中で落ちて、Jクラブに入った、育成期はまったく注目されなかったけれど海外でプレーした結果代表に選ばれた。それが今の選手たちの、日本代表までの通り道です。そう考えると、育成方法が変われば、日本の選手たちにはまだまだ成長できる余白がたくさんあると私は見ています。もっとうまくなる。もっとサッカーを熟知した、どのクラブでもどこの国でも通用するプレーヤーになれます。■トレセンに選ばれた子が必ずしも順調に伸びるワケではない逆に言えば、育成方法が古いままの指導者に出会ってしまうと、サッカーを学べません。コーチが育成の本質を知らないまま、海外のコーチたちがどんなところに注目し、どう育てているかを知らなければ、選手自身も「今勝負できる子」を選ぶトレセンに入ったり、チームが全国大会に出たりすることがいいと思ってしまいます。さらにいえば、そのようなやり方がいいと言われてしまいます。全国大会に出た全員が上手く伸びてプロに行くかといえば、それはあり得ません。無論ですが、ご相談者様が書かれているように、正解はないのかもしれません。しかしながら、全員がどこのステージに行っても楽しめるようなサッカーの学びかたがあるはずです。上のステージでもできる学びを経験させてあげたいと私は考えています。■今の指導を変えたり、思い悩む必要はないしたがって、今実践している練習を変えたり、この選手の「大切な時間を潰してしまったのではないか」などと思い悩む必要はありません。この指導をぜひ続けてください。まずは賢い選手を育てることに軸足を置きましょう。それが私の指導の大前提でもあります。自分で考えられる子どもに育てていけば、カテゴリーが進むにつれて次々とハードルが現れても「チャレンジしよう。どんなふうにやればいいかな」と自分で考えられます。指導者の要求にも応えられる思考や創造力を発揮できるはずです。例えば、ここはドリブルで抜くよりもパスを選択しよう、と考えられる。その時々で最も選択すべきプレーを選べるようになります。ドリブルで抜いたり、ゴールを決めることよりも、その力を磨くことのほうが重要です。■個人の特長を伸ばすだけでなく、頭脳を育てるのが指導者の役目現在Jリーグにいる選手で今後も生き残っていける選手は「僕のスタイルはこれしかない」ではなく、監督の要求に応えられるうえで、自分のやりたいこともできる。そんなタイプです。海外でプレーする選手は言わずもがなでしょう。例えば「これしかできない」という選手は、そのチームに自分と同じ武器で、より高性能でかつプレーの幅が広い選手が入ってくれば負けてしまいます。「一対一が強い」「ドリブルが上手い」は、個人の特長です。特長はあって然るべきですが、それがすべてでは困るのです。攻守においてチームとして連動するときに、イメージを分かち合える頭脳をもたなくてはいけません。その頭脳を育てるのが、私たち指導者の役目なのです。■トレセンに迎合する必要はない(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)ご相談者様が教えていらっしゃる子どもは、まだ9~10歳です。この先、高学年になればどの子も体が少しずつ大きくなって、パワーも増してきます。そこに「賢さ」を足せるようになれば、その後はどこに行ってもステップアップできるでしょう。トレセンに迎合する必要はありません。ここまで私が説明したことが世界基準だと自負しています。今の指導をぜひ続けてください。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2020年12月11日人数が少なく全学年一緒に練習せざるを得ないこともあるが、上級生の保護者が納得しない。「低学年にしかメリットがない」「下の子たちと練習しても高学年はうまくならないのでは」「下の子たちのお世話係じゃない」など不満の声が。年齢ミックスで練習することで上級生も成長することをわかってもらうにはどうすればいい?とのご相談です。これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、年齢ミックスで上級生にもたらされる5つのメリットをご紹介します。(取材・文島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<相手をつかんでまで止める、競り合いで負けると「死ね」と暴言を吐く子、どう指導すればいい?<お父さんコーチからの質問>こんにちは。小学校のスポーツ少年団で全年齢を指導しています。これまで何度も紹介されているかもしれませんが、改めて異年齢やレベルがバラバラのチームで上級生(または上手い子)が、下の子たちと一緒に練習することのメリットを教えてください。所属人数が少ないのでどうしても年齢ミックスで練習をせざるをえないのですが、学年が上の子たちの保護者は、「小さい子たちと練習させてもメリットがあるのは下の子たちだけで、上級生にメリットがないのでは?」「レベルの違う(下手な)子たちと練習しても上手くならないのでは?」「小学生年代ではまだ指導者に与えてもらうことがメインなので、5、6年生も下級生のお世話係ではなく、ちゃんと指導してほしい(技術、戦術をコーチから与えてほしい)」という方も少なくありません。一人で全学年を見ているので、時間的にも限りがありますし、年齢ミックスで練習することで上の学年も伸びるということを理解していただきたいのです。異年齢と一緒に練習することで伸びるスキルなど、改めて具体的に教えてください。<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。保護者の方々からなかなか理解を得られず、苦戦している様子ですね。でも、実践されている異年齢での活動は、とてもいいことです。ぜひ横割りに変えたりせずに粘り強く取り組んでください。■「僕らが言うと小学生が文句を言うから、言いたくない」という中学生例えば、私が地元の大阪で行っている「サッカープレーパーク」では、上は中学生から、下は小学校低学年の子どもも来ています。縦割りで一緒にミニゲームをすると、中学生が口をとがらせて苦情を申し立てます。「小学生がひとりで勝手にドリブルで行っちゃうから困る」「ボールをすぐに大きく蹴るから、やりたいサッカーができない」私が「小学生に自分たちから指示を出して動かせばいいじゃない?」と言っても、「僕らが言うと文句を言うから、言いたくない」と言うのです。少子化もあって、中学生、小学生の双方が、兄弟、姉妹やいとこ、親戚といった異年齢の子どもとのコミュニケーションの経験がありません。中学生には、どうやったら年下の小学生を動かせるかを考え、言い方やタイミングを工夫することができない。小学生は、お兄さんたちの言うことを聞いてサッカーをしたら、上手くなったり、いいことがあると思えないのです。経験していないからです。■年齢ミックスで練習すると上級生も確実に成長するそれぞれがもっと小さいときから私の指導を受けて育っていたら、もっと違う状況になるはずですが、一緒にサッカーをしてきていないため理解できません。「どうして小学校の低学年と一緒にやらなきゃいけないんだ?」と戸惑っている姿が見えます。例えばそんな姿を見かけたら、上級生の親御さんは心配になって「みんな同じ学年で能力が似通っている横割りのほうがいい」と思うのかもしれません。しかしながら、縦割り集団で上級生は確実に成長します。年上の子が異年齢で活動するメリットはたくさんあるのです。ここでは五つに分けてお話ししましょう。■コーチングスキルやカバーリングのスキルなどサッカーの技術も高まるまずひとつめ。上級生は、コーチングを覚えられます。「こういうとき、どこに動いたらいい?」と問いかけるコーチングができるようになります。ボールをもらいたいときは、「ほら、ワンツーやるよ」と声を出しながらパスをすればいいとわかります。二つめ。力の差が大きいと能力が高い子のほうが伸びないのではないかと思いがちですが、それは違います。足が速くて技術もある子が、足の遅い子が間に合うようなパスを出してあげたり、試合でその子のぶんもカバーしようと集中し懸命に走ったりするようになります。三つめ。サッカーのスキルも、異年齢集団で十分鍛えられます。例えば、高学年対抵学年のゲームは、高学年にペナルティをつけると白熱した戦いになります。小さなコートなら4対6、もう少し大きければ5人対8人でやるなど、上の学年の子たちに負荷をかけるといいでしょう。負荷のかかった状況で、3人に囲まれたりしてもボールをキープできたり、数的不利のなかで頭を使ってサッカーをするトレーニングになります。ペナルティは、人数以外でもつけられます。「ドリブルはダメ。パスしかできません」とか「すべてダイレクトプレーでやってください」などと厳しめな条件を付けます。技術も判断スピードも必要なので、体格やスピードに劣る下級生が相手でも「頭」が疲労します。どんなペナルティをつけるか、ルールにするかを、どんどん考えてください。何かを教え込むのではなく、そんなふうにルールや方法を工夫できるのが指導者の役目なのです。■高学年で周りに追いついてない子は成功体験を積んで自信をつけることができる四つめ。サッカーに対して、主体的に臨む姿勢が生まれます。低学年の子どもと一緒に練習する際は、いい意味で余裕があるので「自分たちがうまくなるためには、どうしたらいいのかな?」と考えてもらいます。例えば、低学年が保持しているボールを、体をぶつけて奪いに行くのではなく「パスカットでしか奪ってはいけない」という高学年ルールを自分たちで考え出すこともできます。考え出すために、指導者がヒントをあげてください。一から十まで大人が伝えるのが指導ではありません。技術や戦術を磨く方法を、高学年の子どもたち自身が生み出すこと。そういったことも、異年齢のなかで行うことで出てきやすくなります。五つめ。高学年でも能力がまだ同学年に追いつかない子どもにとっては、自分も対等以上にやれて自信がつきます。相手は年齢が下であっても、うまくできたプレーのイメージをつかんだことには変わりありません。そういった子たちは同学年の横割りだと、うまい子に遠慮したり、すぐパスをしてしまって頼ってしまう部分があるので、そういった遠慮の解消にもなります。■指導者が最初から答えを持ってなければいけないわけではない(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)サッカーのコーチングは、指導者があらかじめ答えを持ってやらなくてはいけないわけではありません。逆に答えを持たず、子どもたちの思考や活動に広がりを与えてくれる。それが、異年齢の集団での活動だと思います。こんなこともあるよね。答えはひとつじゃないよ。自分のコーチがそんな見方をしていれば、より多くの学びを子どもたちに授けられると思います。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2020年11月27日タイの高級ホテル「デュシタニホテル」が日本初上陸。「デュシタニ京都」として、2023年9月、京都・京都市内にて開業を予定している。「デュシタニホテル」とは「デュシタニホテル」は、1948年に設立されたタイの大手ホスピタリティグループ・デュシット インターナショナルが手掛ける高級ホテル。デュシット インターナショナルは、2020年現在、世界14か国において6つのブランドで300を超えるホテル、リゾート、ヴィラを展開しており、各国から高い評価を受けている。「デュシタニ京都」4階建て約150の客室で構成そんな「デュシタニホテル」ブランドが「デュシタニ京都」として日本初上陸。京都駅からほど近い本願寺門前町に建設される予定となっており、 近隣には東本願寺、 西本願寺、京都タワー、京都水族館などの観光スポットが建ち並ぶ。施設は、4階建て約150の客室で構成。中にはタイをテーマにしたオールデイダイニングのレストラン、和食レストラン、ロビーラウンジ&バー、ファンクションルーム、フィットネス施設を備える予定となっている。【詳細】デュシタニ京都開業予定時期:2023年9月開業予定地:京都府京都市本願寺門前町
2020年11月07日京都マルイの跡地に新商業施設「京都河原町ガーデン」が誕生。2021年5月12日(水)にオープンする。新商業施設「京都河原町ガーデン」駅直結の便利なアクセス京都の中心街、四条河原町の交差点の南東に位置する京都住友ビル。同ビル内にて、2011年に誕生した「京都マルイ」は、2020年5月、惜しまれつつも約9年間の歴史に幕を閉じた。その跡地に2021年4月、駐車場も含め地下3階から地上8階までの全9フロアで構成される、商業施設「京都河原町ガーデン」が京都の新たな顔として誕生する。7・8階のフードホールは、2017年に誕生した店舗をそのまま継続し、それ以外のフロアは、大規模リニューアルが行われる。地下1階から6階までを大規模リニューアル核テナントは、1階から6階までにわたる「エディオン」。最新家電をはじめスマートフォン・携帯電話やリフォーム、おもちゃ・TVゲーム、各種関連品など地域屈指の豊富な品揃えを提供する。また、四条通りに面する1階の区画には、京都北山のテーラーを発祥とし、製造から販売までを自社で一貫して行うスーツショップ「オンリー(ONLY)」が出店。スーツだけでなく、トータルで提案するビジネスウェアのほか、国内自社工場で生産するオーダースーツも取り扱う。バラエティ豊かなフードホール上層部に位置する飲食レストラン街「フードホールに(FOOD HALL)」は、新規店舗を加えて継続展開。寿司、鉄板焼き、韓国料理、フレンチなど、多様なジャンルを網羅した12店舗が軒を連ねる。抹茶やほうじ茶を使った“和スイーツ”や京懐石など、京都ならではの料理が楽しめるのも魅力だ。地元のエンタメ・スポーツと連携館内では、地元のエンタメ・スポーツと連携したイベントも開催。年目を迎える日本初 のノンバーバルシアター「ギア -GEAR-」や「京都サンガF.C. 」とのコラボレーションを予定している。“織物”をモチーフとした外観デザイン外観デザインは、伝統の“織物”をモチーフとしたデザインに一新。以前“着物”をモチーフにしていた「京都住友ビル」の魅力も受け継いだ外装となる。【施設概要】商業施設「京都河原町ガーデン」開業日:2021年5月12日(水)※2021年4月29日(木)の開業を予定していたが延期となった。住所:京都市下京区四条河原町東入真町68アクセス:阪急京都本線「京都河原町」駅直結、京阪本線「祇園四条駅」駅徒歩3分敷地面積:3,165㎡建物規模:地上8階、地下3階(売場は地下1階まで)施設運営:住友不動産株式会社〈出店店舗〉■商業ゾーン1階:オンリー地下1階~6階:エディオン京都四条河原町店■フードホールトイロ×タニタカフェ、東京純豆腐、京都拉麺 信長、牛しゃぶ牛すき食べ放題 但馬屋、Brasserie AG、北極星、茶寮翠泉、焼肉 まる富、風月CLASSIC、もりもり寿し、炭櫓、美濃吉、越後 叶家、カジュアル天ぷら門久Produced by 天ぷら圓堂(新規出店)■施設営業時間(オープン日より当面の間)平日:ショップ 10:00~19:00、レストラン 11:00~20:00土日祝:臨時休業 ※ただしレストランは営業※その他詳細については公式HPを参照。【問い合わせ先】住友不動産株式会社 広報部TEL:03-3346-1042
2020年10月25日ボールを奪いに行ったり、近くの味方が抜かれた時は相手選手を追いかけるけど、それ以外の場面で連係プレーが少ない。DFとGKが連携してプレーできるようになってほしい、プレーのイメージを共有してお互いの声かけができるようになるにはどう指導したらいい?という質問をいただきました。これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、今回も具体的なトレーニングの例を挙げてアドバイスを送ります。参考にしてみてください。(取材・文島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<相手やボールとの距離感が理解できない小6、中学入学までに幅と深さの意識を身につけさせる練習を教えて<お父さんコーチからの質問>いつも連載を拝見しています。指導年代は小学生年代全般ですが、今シーズンは主にU-12を見ています。相談したいのは主にDFとGKの連係イメージを共有させることと、お互いの声かけ(コーチング)についてです。ボールを奪いに行ったり、近くにいた味方が抜かれたときに一生懸命相手選手を追いかけるなどのフォローはできていますが、それ以外の選手の動きが連動できていません。もっと連動して守備ができるように指導したいと思い、いくつかのパターンを用意して練習しているのですが......。最近では小学生年代でも自分たちで戦術を決めて試合に臨むチームもあるようで、私たちもそうなりたいと思っています。何より、自分たちで考えられる力をつけてほしいのです。どんな時にピンチになるか、どんな時がチャンスなのかを理解して、お互いに声をかけあって欲しいのですが、その辺の理解を促進するトレーニングがあれば教えてください。<池上さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。ゴールキーパーとフィールドプレーヤーとの連携を高めるには、試合やミニゲームでの攻撃の際にキーパーにビルドアップに加わるよう指示することです。■まずは連携の感覚を養うキーパーはゴールキックを蹴ることなく、なるべくサイドバックかストッパーに出すように言います。そこで相手がボールを奪いに来たら、またすぐキーパーに返せば取られません。そして、キーパーはまた、センターバックやサイドに出せばいいのです。最初はゆっくりと回すようにします。まずはそういうことをして「連携している」という感覚を養ってください。それをやってくと、次に「守る時も同じだ」ということに気づきます。誰が誰がボール保持者に最初にディフェンスに行くのか。カバーはどうするのか。だんだん見えてくるので、最後尾にいるキーパーからもコーチングの声が生まれてきます。ところが、これを守備から入ってしまうと、どうして守ることに意識が向いてしまいます。したがって、必ず攻撃から入って相手の先手を取る方法さえ知れば、スムーズにできるようになります。■トレーニングでの状況設定のしかたでは、練習はどうするか。まずは2対1の状況をつくればボールを取られないことがわかります。相手トップがボールを奪いに来ても、サイドバックがいて、センターバックもいるので取られません。例えば4バックなら、守備4人とキーパーがいて相手2人という5対2の状況設定でトレーニングをします。逆にディフェンス側から見たら、数的不利の時にどう守るかをここで練習できます。6年生くらいになるとそんな練習をしていく必要があるのですが、このようなビルドアップトレーニングを実際に行う人は少ないようです。すぐ試合をしてしまい、そこでやろうとします。ところが、試合になると相手に取られたらいけないと怖くなるので、焦ったキーパーやバック陣がすぐに前線に大きく蹴ったり、ミスをしてしまいます。ですので、同じ状況が何度も出てくるような設定をつくって、練習をさせてください。■攻撃と守備どちらが先か、ではなく両方一緒に高める練習のスタートが2対1で、それをベースに考えていけると、問題なくビルドアップできるようになります。例えば、相手ボールでスタートする。さあ、どういうふうに守りますか?次にディフェンスをしていてボールを奪ったら、攻撃に転じます。前進できるようつながないといけません。ところが、つなぎ方を知らないと、また取られる。つまり、守り方を知っていても、奪ったボールをつなぐことを知らなければ、取られ続けることになります。よくコーチ同士で「攻撃を先に覚えるのか、守備が先か」という話になります。いい攻撃をしてくれると、守る側は守備力を磨けます。守備力がアップすれば、そこをこじ開けなくてはいけないので、つなぐ力やアタックのスキルは向上します。鶏が先か卵が先かという話と似ていますが、両方を一緒に高めていくことを目指します。守備の場合、ファーストディフェンダーがまずはボールを奪いに行って、次はセカンドがいくというかたちで、全体で連動します。ところが、日本の少年サッカーの場合は、ファーストディフェンダーがボールを取りに行きません。このアプローチのところで、コーチの皆さんは「飛び込むな」と選手に言ってしまいます。でも、取りに行かないと取れません。相手は、プレッシャーを感じずに自由に何でもできてしまいます。これは、プロ選手でさえ同じ状況です。取りに出ていかないため、なかなかカバーリングを学べません。そこが大きな問題です。■相手に抜かれても追いかけてゆくように導いてあげる皆さんはドイツやスペインなど海外のサッカーをよくご覧になると思います。見ていると、プロたちが足を踏まれているシーンがよく出てきます。ボールを保持している選手が、寄ってきた相手に足を踏まれ倒れる場面があります。これが日本なら、体を寄せに行きます。子どもも同じようにやるので、体ごとぶつかってしまう場面が多くなるようです。それを考えると「相手にかわされてもいい。思い切って行け」と育成年代には言ってあげるべきだと思います。しかし、抜かれて失点して負けるのを避けるため、前述したように「飛び込むな」と命じてしまう。非常に根が深い問題です。このあたりの指導は、コーチの「生きざま」「生き方」みたいなものが現れるようです。取りに行って一度かわされると、日本の子どもは諦めてしまいます。かわされても、抜かれても、それでも追いかけてゆく気持ちが大切なのです。指導者がそこで「もう一回追いかけてごらん」と導いてあげてください。■日本の子どもは戦術理解に乏しい(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)ご相談者様が尋ねている「連携の声」は、戦術を理解することで出てきます。声ではなく、頭の問題といえます。相手が攻めてきた時に、どんなふうに守ったらいいのか。そういった戦術理解が、日本の子どもは乏しいようです。キーパーであれば、背後からディフェンダー全員を見て、相手が右から攻めてくるけれど、左のスペースはどうかな?と考えられる。つまり、ボールだけ見ていてはダメで、マークが外れそうな仲間に「そこケアしよう」「裏来るよ」などと教えてあげる。戦術眼やゲーム感を身に付けなくてはいけません。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2020年10月23日まだまだポジショニングの理解が浅く、相手選手やゴールとの距離感が上手くつかめていない小6の子どもたち。「幅と深さ」の意識が足りないという事だが、どう身につけさせたらいいのか。というご相談をいただきました。みなさんはどのように指導していますか?これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、幅と深さを理解するのにお勧めメニューをご紹介しますので参考にしてみてください。(取材・文島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<U‐10年代の運動能力を高めたい。サッカーの時間にできるお勧めメニューを教えて<お父さんコーチからの質問>こんにちは。学校のチームで6年生を見ることになったのですが、どのように教えてよいのか悩んでいます。年齢的にももう団子サッカーではないですが、まだまだポジショニングというか、相手選手やゴールとの距離感が上手くつかめていない子がいます。幅と深さの意識が足りない、という事だと思いますが、練習でどのように教えれば理解しやすいのか、どんな練習方法が良いのか、という部分で悩んでいます。子どもたちはみんな同じ学校に通っていて、小1から一緒にサッカーを始めたメンバーなので気心も知れているし、お互い言いたいことを言える関係性なので、サッカーの理解度が深まればプレーの質もお互いのコーチングなどの質も上がるのではないかと思っています。中学以降もサッカー部に入る子が多いので、今のうちに意識させた方が良いだろうと思っているのですが、何かいい指導方法はありますか?<池上さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。距離感、サッカーで言うところの「幅と深さ」を理解する、させるメニューや明確な指導法が、日本ではあまり浸透していないようです。■幅と深さを理解する三つのステップ幅と深さを理解するには三つのステップがあります。横に広がると何が得か。深さがあると、どんなことが起きるのか。まずはここを子どもたちに説明してください。例えば、狭いエリアでボールをもらうと、相手のディフェンダーとも味方とも距離が近くなる。相手からすぐにプレッシャーを受けてしまって、逃げられない。要するに、ボールマンがプレーすりエリアが狭くなるわけです。混雑していて、相手ディフェンダーが塊になっているような状態なので、ドリブルやパスですり抜けられません。一方で、味方同士が広がっていれば、一人ひとりのプレーエリアが広いため、相手ディフェンダーがボールを取りに来ても交わしやすい(逃げやすい)。ボールを取られずにすむ。相手のディフェンダー同士の間隔が空いてくるので、間にパスを通しやすいし、ドリブル突破もやりやすくなりますね。それが「横」の説明です。この論理は、「縦」についても同じです。前に走ってボールを受ける。つまり、深くプレーすれば、ゴールに近くなります。ゴールに近いところにボールが入ったとしたら、そこにカバーリングにいける選手は少ないはずです。ディフェンダーと1対1の場面になりやすい。そうすると、チャンスになります。そして、これが、守備側の視点から教えるとすれば「ピンチになるよね」ということです。これをホワイトボードを使ったりして、まずは口頭で説明してください。■どうすれば幅が取れるか、プレーを止めて考えさせる二つ目は、ミニゲームです。説明を聞いて意識してプレーしようとしても、最初は狭くなりがちです。そういうときは、一度フリーズさせます。「はい、動かないで。そこにいて」と一度止めるのです。「今の状況を見てごらん。どうなってますか?」そんなふうに、問いかけます。選手たちが状況を理解しやすい場面でストップしているので、狭くなってプレーしづらい状態であることが可視化できます。実際、横に広がれず(幅を使えず)、真ん中に固まることが非常に多いです。「ほら、見てごらん?どうしたいいかな?」そこで選手と話し合います。「もっと、ぼくがタッチラインのほうに寄ったほうがいい」など、意見が出てきます。「じゃあ、何を考えると広がれるかな?」そのようなやりとりをしながら、時間をかけて伝えましょう。自分たちで気づいて、解決する時間を確保してあげることが重要です。私のこれまでの経験から言っても、6年生は相当時間がかかるでしょう。広がって、ボールもらうときに「次は何を考えるか。どう動くか」といったことがなかなか理解できません。狭い状況でも、自分ひとりでドリブルしてしまう場面が多いです。そうではなく、みんなが幅と深さを理解して、いいタイミングで動き出せば、ボールがサイドに渡って、一度真ん中のポストマンに当てて、ワンツーでもらったサイドの子が折り返す。ゴール前にポストマンや二線目から走り込んだ選手がゴールする。そんなイメージが持てるようにしたいものです。昔風にいえば「パターン練習」というのがあります。サイドに振って中に当て、逆サイドにまた振って折り返してゴールする。そんな練習です。それをすると、ひとつのパターンにとらわれてしまいます。それよりも、原理原則を伝えてください。広がると、こういうことが起きるでしょ?真ん中は、サイドに広がっているからこそ使える。そんな柔軟な理解です。これを理解すれば、真ん中に入れると見せかけて、サイド使うといった相手を欺くプレーができるようになります。■幅と深さを覚えるためにオランダが行うのは「5対2」三つめのステップは、幅と深さを覚える練習です。ひとりのプレーヤーが使うエリアを広くする。相手が寄ってきて狭くなったら、逆サイドにふる。そんな原理原則を学ぶために、オランダでは「5対2」を行います。その際、横長の長方形のグリッドを使います。正方形が二つ横に並ぶ感覚です。そこで、半分の正方形のなかで4対2をする、ひとりは逆の正方形で離れてポジションを取る。そんなイメージです。例えば、ゴールに向かって左側の正方形のなかで4対2を始めます。左の端のほうに寄せるイメージです。そこから、スペースを広げておいた右にパスをする。右の選手がドリブルでゴールに向かっていけば、守備の2人のうちひとりが寄ってきます。その状態で4対1の数的優位になっているわけです。ところが、6年生くらいになると反対に出せばいいと思うので、最初はすぐに逆サイドに蹴ったりします。2人も中間守備のままで、サイドから逆サイドへ渡るだけになりがちです。その場合はストップして、ゴールへ向かうなどして、相手守備をどちらかに引き寄せるのが重要だと伝えます。相手をしっかり引き付けてから逆に出す。その感覚を覚えてもらいます。そうすると、幅と深さが身につきます。■スルーパスとサイドチェンジの両方を学べる練習(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)オランダのこの練習が面白いのは、例えば左に引き寄せて守備2人がくると、その間を通して逆サイドに出せばスルーパスのイメージになります。一方、2人を引き寄せ、その外側から逆サイドにパスをすれば、それはサイドチェンジのイメージになります。オランダサッカー協会は、このトレーニングで、スルーパスとサイドチェンジの両方を学べると考えています。オランダでは1970年代から行われていた練習なのですが、低学年からそれをやっています。17歳以下のカテゴリーになると、前出の5対2をダイレクトパスでやらせます。私はこのトレーニングを、YMCA時代に6年生にやらせていました。そうすると、簡単に相手のプレッシャーを抜けられます。そうやって幅と深さを理解した子どもたちは、YMCAの全国大会でチーム全員が出場して優勝しました。最近スタートさせたアカデミーでも、小学3年生くらいからこの練習をやろうと思っています。また、拙書『サッカーで子どもの力をひきだすオトナのおきて10(DVD付き)】』で、最後の「サッカークリニック」の章で、これの参考になりそうなメニューの説明をしています。DVDでは、それらのメニューを私が実際に指導しています。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2020年10月09日フライターグ(FREITAG)から、フライターグ ストア 京都限定となるDIYバッグ「F716 BOGGS」が登場。2020年10月2日(金)より450個限定で発売される。自らの手で仕上げる、フライターグの限定DIYバッグ「F716 BOGGS」は、一見して普通のフライターグらしいショッピングバッグだが、通常展開しているバッグとは、1つだけ決定的に違う要素がある。それは、店舗内のワークステーションを使って、組み立ての最終工程を自らが行うということ。購入者自身がバッグを完成へと導くという、ユニークなコンセプトを持ったDIYバッグだ。実際にオーダーする際は、まず最初にバッグのフロント、バッグ、底、持ち手を、次に外ポケット部分に使うトラックの幌を選択する。スイスの工場でバッグ製造時に出た端切れを用いるポケット部分は、シンプルなバッグの“顔”になる部分なので、慎重にお気に入りの端材を選びたい。好みの1枚が見つかったら、これをカッターとプレキシガラス製の型を用いて自らカットし、バッグを完成品へと仕上げていく。料金は製作費込みで18,400円+税。事前に専用サイトからの予約が必要で、その後フライターグ ストア 京都もしくはリモートビデオ電話にて作業を行う。所要時間は、スタッフとトラックの幌を選ぶ時間が30分、バッグの仕上げが30分の計1時間ほどとなっている。商品情報フライターグ ストア 京都限定バッグ「F716 BOGGS」発売日:2020年10月2日(金)※リモートビデオ電話で製作可能。受付は10日より。配送は日本国内の住所のみ。価格:18,400円+税(製作費込み)※450個限定。完売次第終了。全てのバッグにナンバリングされる。取扱店舗:フライターグ ストア 京都【店舗情報】フライターグ ストア 京都(FREITAG STORE KYOTO)住所:京都市中京区井筒屋町400-1営業時間:11:00〜20:00(月曜〜日曜)TEL:075-708-3693
2020年10月05日