「介護」について知りたいことや今話題の「介護」についての記事をチェック! (6/10)
“老後2,000万円問題”を機に年金制度に注目が集まっている裏で、じつは介護保険制度の“改悪”が検討されている。’21年から負担が倍になる可能性もある改悪の中身とは――。「介護保険制度がスタートしてからまもなく20年になります。現在、制度改正に向けた審議会が行われていますが、利用者の自己負担増となるような改悪プランが検討されているのです」そう懸念を示すのは淑徳大学総合福祉学部の結城康博教授。’21年4月に施行される介護保険制度の改正にむけ、8月29日に厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会で議論が始まった。3年に1度、制度を見直している審議会は、年内までに議論をまとめ、その結果を受け、来年の通常国会で法案が審議される。どんな改悪プランが検討されているのか――。「介護保険制度が始まった当初、要介護認定された高齢者が介護サービスを利用する場合、年収に関係なく、自己負担は1割でした。ところが’15年には280万円以上の年収のある人が2割負担とされ、昨年には年収340万円以上の人が3割の負担とされました。今回の審議会では、2割負担や3割負担の対象者を増やすことが議論されています。とくに2割負担については、厚生年金受給者の平均年収でもある年収190万円以上ある人を対象にする案が具体的に出ています」(結城教授・以下同)所得の基準を下げることで、国民の負担を重くし、国庫の負担を軽くしようという魂胆だ。さらに、比較的軽度な要介護1と2の人を、介護サービスの“対象外”にすることも論点になっているという。「通所介護と訪問介護が、要介護1と2に人が利用する介護サービスの3割を占めています。現在、介護保険において行っているこれらのサービスを、各自治体がボランティアを中心として行っている総合事業に任せようとしているのです」各自治体の裁量に任せられた「総合事業」。介護サービスよりも利用者の自己負担額は安く抑えられるというが……。「’15年の介護制度の改正で、要介護より軽度な要支援1と2が、総合事業に移行しました。ところが、介護のプロではないため利用者が満足なサービスが受けられないケースが続出。ボランティアの人材も不足しており総合事業制度そのものが破綻している状況なんです。とても要介護1、2の受け皿にはなりえません。しかも、洗濯や買い物などの家事は専門職でなくてもできるかもしれませんが、認知症の人に受け入れられ、介助をするとなると、専門的な知識をもった介護職員でないと難しいのです」さらに、介護保険の第2号被保険者として40~64歳が毎月支払っている介護保険料(年間平均3万3,600円)を、若い世代にも払わせることも検討されている。「たとえば、30歳以上から介護保険料を徴収するということも審議される可能性があります。しかし、まだ年齢的に介護が遠く、目の前の生活に手いっぱいの30代から、介護のためと月3,000円も徴収したとしたら、高齢者に対しての悪感情を作ってしまうかもしれません」
2019年10月04日姑や舅の介護に直面したとき、あなたならどうする?その難題に向き合うために、先輩の体験をレポート。さまざまなケースはあれど、『抜け道を見つけて、賢くすり抜ける』のが正解のようです――。「義母に認知症の兆候が現れたのは70歳代後半のこと。講演やエッセイ教室で各地を飛び回っていた義母が、同じ話を繰り返したり、批評すべき生徒さんの原稿を失くしたりするようになったのです」エッセイストとして活躍する藤原美子さんの義母は、壮絶な引き揚げ体験をつづった『流れる星は生きている』が大ベストセラーとなった作家の藤原ていさん(故人)。夫は、数学者で作家の藤原正彦さんだ。「結婚が決まったとき、人生相談で厳しい回答をしていた義母を見て、親戚から『美子ちゃん、大丈夫?』と心配されたものでした。けれどその心配は杞憂であるとすぐにわかりました」新婚当初から義父母の家の庭先に住み、頻繁に行き来するように。「思い悩んだとき『美子さん、おたおたするものではありません!』と肝の据わった活を入れられると不思議と落ち着き、その言葉が聞きたくて義母に相談しました」そんな義母が認知症と診断されたとき、主に心がけたことは3つ。【1】自己イメージを傷つけない「気丈だった母の誇りを傷つけぬように、表舞台からの引退もやんわりと『80歳はもう定年ですよね?』といった感じで勧めました」【2】ひとりにしない「義母の夕食の時間は18時と早く大変でしたが、間に合うように夕飯を作り、できるだけ皆でにぎやかに食卓を囲むようにしました。義母がひとりにならぬようにしたのです。息子たちはずっと義母に見守られながら成長してきました。今度は闊達な義母の老いていく過程を見守り手助けすることは、彼らにとっても大きな人生勉強になったのではないでしょうか」また、美子さんはなんとか義母の認知症の進行を遅らせられないかと思案。5分前のことを忘れてしまうようにもなっていたていさんだったが、昔の話を好み、生き生きと話す。そこで’01年に義母に旧満州(中国東北部)再訪を提案する。「義母の人生の原点は、満州からの引き揚げ体験。大学生を頭の息子3人も加わり、家族全員で訪れました。義母が昔を思い出すよすがとなり、要所要所で覚えていることを家族に伝えてくれました」【3】輝いていた時代の歌を聴かせる「義母の時代は満州事変以来、戦争ばかりでしたが、素晴らしい流行歌は健在で、主人が懐メロのCDを聴かせ、義母の好きな藤山一郎などを歌ってあげていました」旧満州から帰国後、ていさんは自宅から近くのホームへ入居。週末ごとに夫婦と息子3人で訪れ、昼食を共にした。症状が進み、最後の2年は寝たきりとなった。「点滴だけで命をつなぎ、意識も混濁し、これでよかったのかといまだに考えることがありますが、『死後は夫・新田次郎と共に』という義母の遺言どおり、同じ骨壺に納めることができました。いまでも問題に直面すると、義母ならどう言うだろうかと考えます。そして常日ごろから息子に義父母の話をしています。それが義父母たちが私たちの心の中に生き続ける唯一の手立てなのです」
2019年06月07日「私はいまだに、なぜこんな目に遭ったのだろうかという思いでいます。義母の介護がなければ、私たちは離婚には至らなかったのだと思います」’01年に離婚成立後も「悶々と考え続けている」と語るのは、離婚専門弁護士として活躍する原口未緒さん(42)の母・原口ふじ江さん(71)。話す内容とは裏腹に、声が大きく、エネルギッシュな明るい雰囲気の女性だ。ふじ江さんは薬剤師として65歳まで勤め上げ定年退職。いまは東京都下の一戸建てで長男と2人暮らし。長女として生まれ、その背中を見続けてきた未緒さんは、「もっと早く離婚に応じていたら母は人生をやり直すこともできたのにとも思います」と語る。ふじ江さんは24歳のとき、実兄の東大時代の友人である男性と結婚した。元夫は当時、公務員だったが、結婚後に「夢が諦められない」と一念発起し、司法試験に再挑戦。30歳で合格した努力の人だった。「ジャニーズ系のイケメンで『こんな人がいるの?』とぽーっとなってしまったんです。弁護士として事務所を独立後、一人前になるまでは私の給料だけでやりくりをして、家計費を請求したことはありませんでした」長女と長男に恵まれ、家族4人、つつましくも幸せな日々を送っていたが、ふじ江さんが30歳になったばかりのころ、すでにこのとき肝硬変を患い、余命宣告も受けていた義母を在宅介護する生活が始まる。しかし、このときの選択を、ふじ江さんは悔い続けることになる。「義母は身の回りのことは自分でできたので、子どもたちを保育園に預け、仕事を再開したんです。義母にとっては私が子どもを連れて出勤したほうが、静かでくつろげるかなと思って。義母は『自分の食べるぶんは自分で』というので、買い物だけを私がして、夕食は好きなメニューを自分でこしらえていた。でも、それがいけなかったんです」義母は2週間で倒れてしまい、搬送され、緊急入院となる。ふじ江さんは毎日仕事が終わると介護のため病院へ駆けつけていたが、結局帰らぬ人となってしまう。そして、このことが、元夫の心がふじ江さんから離れてしまう原因となる。元夫は、この期間の介護について、後に「何から何まで至らないことばかりだった!」と、調停や裁判で主張。入院中の介護も、「訪れても洗濯ばかりして、部屋で付き添うことをしなかった」と指摘された。「私は義母には誠心誠意尽くしたつもりでしたから、なぜなのか?と信じられない思いでした」ふじ江さんは悔しさをにじませるが、未緒さんはこう分析する。「母の『私なりに尽くした』というのは独りよがりなんです。『お父さんはどうしてほしいの?』と尋ねたことは一度もありません。母は自分がしたいことをしているだけで、相手がしてほしいことではないということ。そんな行き違いも離婚の原因かもしれません」最後の手段ともいえる、介護離婚という難しい結論。離婚するかしないか、その分岐点はどこにあるのか。未緒さんは次の4つをあげる。【1】夫の“妻への思いやり”「義父母の介護について「自信がない」とあなたが言ったとき、『悪いね』という夫からの思いやりは感じられますか?まずは感情的にならず話し合うこと。責めるのではなく、いまの自分の気持ちを伝えるように努めてみて。まったく伝わらなければ離婚も視野に」(未緒さん・以下同)【2】夫の“親への依存度”「夫の親への依存度はどのくらいですか?彼の人生において親からの自立は物心共に難しく、施設に入所してもらうことが精神的にも経済的にも不可能な状況で、夫はただあなたに介護を担わせようとするのであれば、離婚を考えることもやむなしかも」【3】妻の“介護スキル”「実際問題として、あなたに介護スキルはありますか?仕事をしているほうが断然好きで、『料理や掃除など家事全般は苦手』というなら、介護スキルは低いでしょう。介護に向いていないのであれば自己犠牲の気持ちは拭えません。自立できるなら離婚もありかも」【4】妻の“自立のための経済力”「1~3で『離婚も視野に入れたほうがよさそう』とわかっても、まずは2人でとことん話し合うことが大切。また経済的自立(仕事、財産分与、年金)は介護離婚をする大前提。それが難しいなら、夫を経済的な関係と割り切り、感情の処理に努めるほうが懸命です」両親の係争を長年見つめてきた未緒さんは、一時は母親に同情し、父親に反発し、疎遠にもなった。しかし同じ弁護士として活動するうちに父親の気持ちも理解できるようになったという。「父のような完璧主義者は、求める水準も高い。母はそういう要求に応えられる人ではない。母は家事全般があまり好きではないから介護には不向きです。どちらかというと仕事をしているほうが生き生きしている。そういう人は介護を担っても自分が犠牲になっているという意識がどこかにあり、うまくいきません」
2019年06月07日「“介護離婚”の多くは熟年離婚になりますが、熟年離婚は経済的に厳しいのが現実です。それでも精神の解放を求めて『離婚したい!』と思うなら、一度きりの人生、後悔のないようにしてほしいですね」そう語るのはマネーセラピストの安田まゆみさん。最後の手段ともいえる、介護離婚という難しい結論。そんな介護離婚についての知っておくべきお金の話を安田さんに聞いた(会社員の夫を持つ専業主婦」を想定)。「まず、婚姻中に夫婦が築いた共同財産は離婚時に財産分与の対象になり、基本は夫婦半々。預貯金のほか夫の厚生年金や結婚後に購入した自宅などが対象です」(安田さん・以下同)一聞すると収入の少ない主婦にとっては福音だが、いざ試算すると現実は甘くない。「たとえば40~50代の夫婦なら、子どもにお金がかかる時期なので、いざ介護離婚となっても預貯金が少ないことがほとんど。仮に自宅を売却しても多くはローンの残債もあり、1,000万円も残ればいいほうです。そうすると、妻がもらえるのは500万円にすぎません。介護が始まると身動きがとれなくなることが多いので、不安がある人はいまのうちに正社員などの安定した職を得て、かつ共同財産の額を増やしておきましょう」離婚には初期費用も必要だ。「安く見ても引っ越し関連で80万円。また、裁判や調停費用に備えて、80万円は用意しておきたいところです」いっぽう60代以降ともなると、就職は難しい。そのため、夫の退職金などまとまった財産があればそれを分け、あとは年金分割でやりくりすることが基本になる。「現在、夫婦合わせた年金の支給額は月に22万~23万円ぐらいです。そのうち、仮に妻の年金受給額が老齢基礎年金(6.5万円)と結婚前に加入していた厚生年金を合計した7万円だとしたら、夫の受給額は差し引き約15万円。このうち、年金分割の対象になるのは夫の老齢基礎年金分を除いた8.5万円のなかから、勤めていた期間のうちの結婚期間分だけなので、妻がもらえるのは半分で多くても4万円弱。つまりこの場合、離婚後の年金収入は7万円+4万円強で月11万円と少しです。財産分与があれば手元のお金は増えますが、離婚後も数十年生きることを考えれば、1カ月あたりのプラスは数万円でしょう」なお、夫に介護を丸投げされたことが離婚の火種になったとしても「それで慰謝料を請求するのは難しいでしょう」と安田さん。離婚を検討するなら、まずは“いまできること”を考えてみよう。
2019年06月07日「私はいまだに、なぜこんな目に遭ったのだろうかという思いでいます。義母の介護がなければ、私たちは離婚には至らなかったのだと思います」’01年に離婚成立後も「悶々と考え続けている」と語るのは、離婚専門弁護士として活躍する原口未緒さん(42)の母・原口ふじ江さん(71)。話す内容とは裏腹に、声が大きく、エネルギッシュな明るい雰囲気の女性だ。ふじ江さんは薬剤師として65歳まで勤め上げ定年退職。いまは東京都下の一戸建てで長男と2人暮らし。長女として生まれ、その背中を見続けてきた未緒さんは、「もっと早く離婚に応じていたら母は人生をやり直すこともできたのにとも思います」と語る。ふじ江さんは24歳のとき、実兄の東大時代の友人である男性と結婚した。元夫は当時、公務員だったが、結婚後に「夢が諦められない」と一念発起し、司法試験に再挑戦。30歳で合格した努力の人だった。「ジャニーズ系のイケメンで『こんな人がいるの?』とぽーっとなってしまったんです。弁護士として事務所を独立後、一人前になるまでは私の給料だけでやりくりをして、家計費を請求したことはありませんでした」長女と長男に恵まれ、家族4人、つつましくも幸せな日々を送っていたが、ふじ江さんが30歳になったばかりのころ、転機となる義母の介護が始まった。「義母は助産婦として長年働き、義父と建てた家で長男と同居していました。ところがあるとき長男の事業が連鎖倒産してしまい、担保にしていた持ち家も追い出され、次男である元夫が義母を引き受けることになったのです」ふじ江さんは「夫が大切に思っている母親を介護するのは当然」と快く承諾した。3歳の未緒さんと1歳に満たない長男を抱え、すでにこのとき肝硬変を患い、余命宣告も受けていた義母を在宅介護する生活が始まる。しかし、このときの選択を、ふじ江さんは悔い続けることになる。「義母は身の回りのことは自分でできたので、子どもたちを保育園に預け、仕事を再開したんです。義母にとっては私が子どもを連れて出勤したほうが、静かでくつろげるかなと思って。義母は『自分の食べるぶんは自分で』というので、買い物だけを私がして、夕食は好きなメニューを自分でこしらえていた。でも、それがいけなかったんです」義母は2週間で倒れてしまい、搬送され、緊急入院となる。ふじ江さんは毎日仕事が終わると介護のため病院へ駆けつけていたが、結局帰らぬ人となってしまう。そして、このことが、元夫の心がふじ江さんから離れてしまう原因となる。元夫は、この期間の介護について、後に「何から何まで至らないことばかりだった!」と、調停や裁判で主張。入院中の介護も、「訪れても洗濯ばかりして、部屋で付き添うことをしなかった」と指摘された。さらに決定的だったのは、義母の入院後、「仕事は辞めて介護に専念してほしい」と元夫に促されたとき、とっさに「女の働く権利を認めないの?」と反論してしまったことだった。未緒さんがこう解説する。「母はいつも一言多いんです。なぜそこでそんなことを言わなければならないの?というような間の悪さなんです」この直後から夫の浮気の痕跡を感じながら、ふじ江さんは仕事を続け、日々を過ごしていた。そして長男が小学6年生になったころ、夫から「ある女性に子どもができた」と告白される。当初は「認知だけはするが、お前と離婚はしない」と言っていたため、ふじ江さんは「私は妻なのだから」と毅然としていた。相手の女性が出産をしたと知ると、おむつを持って見舞うこともした。しかし次第にその女性は元夫との結婚を望むようになり、調停、そして離婚訴訟へと進む。そして夫側は「母親の介護から始まった妻への不信感が払拭できず、夫婦関係は修復できない」と長年の別居を理由に、離婚を主張。「私は義母には誠心誠意尽くしたつもりでしたから、なぜなのか?と信じられない思いでした」ふじ江さんは悔しさをにじませるが、未緒さんはこう分析する。「母の『私なりに尽くした』というのは独りよがりなんです。『お父さんはどうしてほしいの?』と尋ねたことは一度もありません。母は自分がしたいことをしているだけで、相手がしてほしいことではないということ。そんな行き違いも離婚の原因かもしれません」両親の係争を長年見つめてきた未緒さんは、一時は母親に同情し、父親に反発し、疎遠にもなった。しかし同じ弁護士として活動するうちに父親の気持ちも理解できるようになったという。「父のような完璧主義者は、求める水準も高い。母はそういう要求に応えられる人ではない。母は家事全般があまり好きではないから介護には不向きです。どちらかというと仕事をしているほうが生き生きしている。そういう人は介護を担っても自分が犠牲になっているという意識がどこかにあり、うまくいきません」ふじ江さんは自虐的にこうつぶやく。「ずっとどん底ですよ。もう一度人生をやり直したいの」しかし、未緒さんはこう励ます。「夫がいたらいたで、介護とかお世話が大変よ。お母さんのような人は悠々自適に生きていれば、それなりに幸せなのよ――」
2019年06月07日久々に親に会うと、介護の問題が身近に思えてきます。今年のGWに実家に帰省する予定の人の中には、親の今後について話し合おうと思っている人もいるはずです。親には何歳になっても、元気に過ごしてほしいですよね。高齢者が生き生きと、安心して暮らせる部屋づくりのコツとは?90歳を超えた今も自立した暮らしをしている女性の実例や、寝たきりにならない部屋づくりの方法など、お役立ち記事を3本まとめてご紹介します!■ 90歳を超えても「寝たきりにならない家」にするための3つの条件bino / PIXTA(ピクスタ)高齢になると、筋肉量が減り、足腰が弱くなってしまいます。また、骨密度も減っていくので、骨折しやすくなるという心配もあります。ふとした瞬間に転倒して歩けなくなり、そのまま寝たきりになってしまうケースも珍しくありません。こちらの記事では、79歳から生まれて初めて一人暮らしを始め、92歳の今もその生活を続けている女性をご紹介しています。86歳のとき入浴中に転倒し、一時は寝たきりになるおそれもありましたが、それを乗り越え、今でも元気に活動しているのだとか。寝たきりにならなかったのは、「家」に理由がありました。その3つの条件とは?詳しくは記事をチェック!92才の母が今でも「寝たきりにならない」3つの理由■ 高齢者もアクティブに過ごせる「介護ベッド」って?Mills / PIXTA(ピクスタ)寝たきりになってしまうと、本人が不自由な思いをするばかりか、体の機能の低下や、認知症の発症・進行にも影響します。寝たきりの予防には、「介護ベッド」を使うことがオススメ。上体を自動で起こすことができるので、座って過ごす手助けができますし、座ることで視界が変わって気分も前向きになります。また、寝ているときよりも座ったときの方が肺に空気がたくさん入るため、口腔内の清潔が保たれ、肺炎予防やむせ予防にもなります。このほか、利用者が活動的になる介護ベッドの使い方をレクチャーしています。詳しくは記事をチェック!介護ベッドは寝たきりや肺炎予防に!介護者の負担も激減する使い方■ 介護が楽になる「二世帯住宅」のつくり方maruco / PIXTA(ピクスタ)二世帯住宅をつくるときは、先々の介護まで想定して設計すると、いざというときとても便利です。完全分離型よりも共用部分がある融合型のつくりの方が、空間にアレンジがききます。介護が必要になったら仕切りを外して部屋の間取りを変更するなど、その時々に合わせて部屋づくりを工夫できるので、融合型の方が暮らしやすいようですよ。高齢になっても親に元気よく過ごしてもらうには、ある程度、自立して過ごせるスペースも必要でしょう。どこまでを共用とするか、介護が負担にならない部屋の配置、あると便利な設備など、参考になるアドバイスを盛りだくさんでお届けします!詳しくは記事をチェック!介護しやすい二世帯住宅とは?リビング隣を親の部屋に!
2019年04月20日「介護サービスを利用したときの自己負担額は原則1割、所得によっては2割です。しかし、昨年8月から一定の所得がある人は3割の負担に引き上げられました。“介護費用を軽減したい”という相談は増加しています。そこで、いま注目されているのが、役所での『世帯分離の手続き』というものです」そう語るのはファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん。「世帯分離」とは、いったいどんなものなのだろうか?「お金と福祉の勉強会」代表の太田哲二さんが解説する。「高齢者と同居している、またはこれから同居して親を家族で介護する、という家庭は多いでしょう。世帯分離とは、親と同居している状態で、家を“親の世帯”と“子の世帯”の2つに分けることです」なぜ世帯主を分ける必要があるのか。その理由は、日本の社会保障費の計算方法にある。「介護保険料や高額療養費などの社会保障費は世帯ごとの所得に基づいて計算されるため、所得の高い世帯ほど負担が重い。たとえば65歳以上の親が、同居している子の世帯に入っている場合、親の年金収入と子の所得を合わせたものが世帯ごとの所得です。ところが、親だけで1世帯とすれば、社会保障費は親の年金収入のみに基づいて計算されますから、負担がぐんと軽減するわけです」夫と死別した母親(74歳)と同居するA夫婦(ともに50歳)のケースを見てみよう(負担額は自治体によりことなる)。母親の年金収入が年78万円。同じ世帯の場合、子の年収500万円、その妻のパートの年収120万円、親の年金合わせて698万円が世帯所得となるため、介護保険料の支払い額は年間6万3,000円と算出される。しかし分離すると、年金収入78万円で計算するため、ほぼ半額の3万3,600円にまで減る。世帯分離の負担減効果がその本領を発揮するのは、同居している親が介護サービスを受けるようになってからだ。「1カ月の介護保険の負担によって決まる『高額介護サービス費の自己負担限度額』はA夫妻の場合月額4万4,400円ですが、分離すれば月額1万5,000円と大きく減らすことができます」A夫妻の母が、特別養護老人ホーム(以下、特養)に入所した場合、親の収入が年金だけでも、特養(ユニット型個室利用)に入ると月に15万~16万円ほどかかる。「親の預貯金が1,000万円以下ならば、分離をすると特養でかかる費用のなかで食費や居住費が軽減されます。食費は1食460円から130円、居住費は1日1,970円から820円と減り、月々5万円ほどで特養に入所することが可能です」では、A夫妻のようなケースに当てはまらなくても、申請するメリットはあるのだろうか。畠中さんが解説する。「親が75歳未満で、子が勤めている会社の健康保険組合の福利厚生が充実している場合は“保留”にしておくべきでしょう。被扶養者の親にも差額ベッド代が出たり、人間ドックを安く受けられるなどいろんなサービスがあります。しかし、75歳になると、後期高齢者医療制度に移行するため、すべての人が子の健康保険から独立します。後期高齢者は要介護リスクも上がることから、75歳以上の同居親がいる場合は“いますぐ世帯分離すべき”でしょう」世帯分離という考えは、住民基本台帳法が制定されたときからすでにあったが、介護負担の軽減のために用いられることは少なかった、と太田さんは話す。「日本では、年老いた親は家族で面倒をみることが“美徳”とされてきただけに、世帯分離という言葉を聞いて“親を捨てるのか?”と思われる人もいます。しかし、これはあくまで住民基本台帳に基づく手続きであり、戸籍はそのままなので“親と縁を切る”ことではありません。扶養から外れるわけではないので、所得税の扶養家族控除はそのまま。控除と社会保障費の両面でお得なシステムなのです」親と子の世帯分離の手続きは、住んでいる市区町村の役所で行う。「必要なものは(1)国民健康保険に加入している場合は被保険証、(2)運転免許証やパスポートなど本人確認書類、(3)印鑑です。手数料などはかかりません。『住民異動届』の書類に記入して窓口に提出。もし書類がわからなければ窓口で『世帯分離の届出書類はどれですか?』と尋ねればもらうことができます。通常、手続きは5分ほど。注意すべきなのは『介護費用を安くしたい』という理由で申請しないことです。国の意図しない活用法なので、承認してもらえないことも。余計なことを言わず、『親とは生計を共にしていない』と窓口で伝えましょう」(太田さん)
2019年04月17日自宅で親の介護をしている、親が特別養護老人ホームで介護サービスを受けているという人!月の負担額を10万円以上削れる、無料で簡単な手続きがあるのを知っていましたか?「介護サービスを利用したときの自己負担額は原則1割、所得によっては2割です。しかし、昨年8月から一定の所得がある人は3割の負担に引き上げられました。“介護費用を軽減したい”という相談は増加しています。そこで、いま注目されているのが、役所での『世帯分離の手続き』というものです」そう語るのはファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん。「世帯分離」とは、いったいどんなものなのだろうか?「お金と福祉の勉強会」代表の太田哲二さんが解説する。「高齢者と同居している、またはこれから同居して親を家族で介護する、という家庭は多いでしょう。世帯分離とは、親と同居している状態で、家を“親の世帯”と“子の世帯”の2つに分けることです」なぜ世帯主を分ける必要があるのか。その理由は、日本の社会保障費の計算方法にある。「介護保険料や高額療養費などの社会保障費は世帯ごとの所得に基づいて計算されるため、所得の高い世帯ほど負担が重い。たとえば65歳以上の親が、同居している子の世帯に入っている場合、親の年金収入と子の所得を合わせたものが世帯ごとの所得です。ところが、親だけで1世帯とすれば、社会保障費は親の年金収入のみに基づいて計算されますから、負担がぐんと軽減するわけです」夫と死別した母親(74歳)と同居するA夫婦(ともに50歳)のケースを見てみよう(負担額は自治体によりことなる)。母親の年金収入が年78万円。同じ世帯の場合、子の年収500万円、その妻のパートの年収120万円、親の年金合わせて698万円が世帯所得となるため、介護保険料の支払い額は年間6万3,000円と算出される。しかし分離すると、年金収入78万円で計算するため、ほぼ半額の3万3,600円にまで減る。「高額療養費の自己負担限度額もA夫妻の親の場合、分離前では月額4万4,000円ですが、分離後は月8,000円に。さらに、国民健康保険料の負担額や後期高齢者医療保険料も下がる可能性もあるのです」世帯分離の負担減効果がその本領を発揮するのは、同居している親が介護サービスを受けるようになってからだ。「1カ月の介護保険の負担によって決まる『高額介護サービス費の自己負担限度額』はA夫妻の場合月額4万4,400円ですが、分離すれば月額1万5,000円と大きく減らすことができます」A夫妻の母が、特別養護老人ホーム(以下、特養)に入所した場合、親の収入が年金だけでも、特養(ユニット型個室利用)に入ると月に15万~16万円ほどかかる。「親の預貯金が1,000万円以下ならば、分離をすると特養でかかる費用のなかで食費や居住費が軽減されます。食費は1食460円から130円、居住費は1日1,970円から820円と減り、月々5万円ほどで特養に入所することが可能です」月10万円以上は軽減できるため、分離前と後では、年間100万円以上も負担額が違うのだ。介護する側とされる側が共倒れにならないように、いまある仕組みをフル活用することが大事だ。
2019年04月17日今年で92歳になる私の母は、スペインにある私の家の近くのマンションでひとり暮らしをしています。母が生まれて初めてひとり暮らしを始めたのは79歳の時。今もとても元気でなんでも食べますが、一度転んで歩けなくなったことがありました。86歳のとき、1人で入浴した際に、腰を打ち付けてしまったのです。立ち上がるのがやっとの状態からまた歩けるようになり、92歳になった今でも寝たきりにならないのは3つの理由がありました。■ 1.昭和2年生まれのプライドベッドの周りに欲しいものがすべて手に届くように配置しています。腰が痛いだけではなく、腰を打った拍子にいろいろな所に影響が出てしまったのではないかと思います。足の指もうまく動かなくなり、足を左右交互に動かすことができなくなりました。それでも、オムツを拒否して絶対嫌だと言います。昭和2年生まれのプライドでしょうか。仕方がないので、ポータブルトイレをベッドの横に設置しました。ポータブルトイレは今は物置状態ベッドに腰掛ける→ベッドから立ち上がる→ポータブルトイレにつかまり立ちをする→ポータブルトイレに座るこの工程でなんとか1人の時も他人に助けられずに用を足せました。■ 2.車椅子を購入廊下で歩く練習が可能最初は食事を寝室まで持って行っていたのですが、ポータブルトイレもあることですし、食事をするのはやはり居間のほうが気分が晴れます。また、テレビも居間に置いてあるので楽に寝室に行けるように車椅子を購入しました。車椅子で居間に行くようになると、なんとなく機嫌も良いように感じます。自分の部屋であっても、そこから動けないというのは、囚われている気分になるのでしょう。そのような状況を私のブログにも書いていたのですが、経験者の方から「車椅子を買ったのなら車椅子を押して歩いてみるといいですよ」とアドバイスをいただきました。さっそく車椅子を押してみると、右、左と足が自然に動くではありませんか!何度も繰り返して普通に歩けるようになりました。みっともない姿を見せたくないという格好付けの母が練習できたのは廊下が広かったおかげです。そして車椅子があれば家の中ならどこにでも行けるのは「バリアフリー」だから。特別に意識してバリアフリーにしたわけではなく、もともとスペインの家の仕様が敷居がないため、どの家もバリアフリーなのです。もしかしたらそれもスペインでは寝たきりの高齢者が少ない理由なのかもしれません。■ 3.お風呂に手すりをつけるもともとは1人でお風呂に入っていた時に倒れてしまったのが原因で腰を痛めてしまったわけですが、それでも手すりは必須です。現在は私がフォローしてお風呂に入れていますが、西洋式のお風呂は日本のものと比べてバスタブの高さが低く、横になるタイプなので入りやすいと思います。手すりがあるので、自分で力を入れてなんとか1人で上がれるので、補助の必要がありません。ちなみにピソ(マンション)のエレベーターにも手すりがついているので安心です。■ 1人でなんでもできる環境づくりが大事bino / PIXTA(ピクスタ)母は今も1人暮らしをしています。1人暮らしをしていると意外と歩くことが増えて、じっとしているわけにもいきません。それだけリスクも増えますが、動く機会も増えます。最初の画像をご覧になって、散らかってると思われた方もいるかもしれませが、なんでもすぐに取り出せる状態が心地よいなら、とそのままにしています。私が考える寝たきりにならない家の条件は、以下の3つです。バリアフリーで歩く練習のできる廊下のある家周りに必要なものが配置され、簡単に手に取れるようになっている自分1人でなんでもできるようにする工夫がされている寂しくないかしら?とおっしゃる人もいるのですが、自分のペースで暮らせることが合っている人もいます。家族であっても、寝起きの顔を見せたくない、入れ歯を外した顔が恥ずかしいなど、高齢者にも恥じらいがあります。誰でも1人暮らしが最善策というわけではありませんが、自由に1人でいることも選択肢の一つではないでしょうか。
2019年03月26日「親の介護費用を自腹でまかなっていたら、いくらお金があっても足りない」……。こんな事態にならないように、親の財産から介護費用を捻出する準備を始めよう!「2年ぐらいだったらなんとか私のお金で援助ができると思い、母親を有料老人ホームに入れたまではよかったのですが、入居から3年以上が経過。もう出せるお金がありません!」(50代男性)「遠方に住む親が突然倒れて……。親のお金がどこにあるのか、全然見当がつかず、医療費は私が負担しています」(40代主婦)親の介護問題は、突然やって来る――。超高齢社会といわれるなか、このような悲鳴を上げる人たちは多い。一般的に7~8年といわれる介護期間だが、実際には10年以上続くことも珍しくなく、長生きしてくれるぶん、介護費用の負担額は増えていくのだ。「“人生100年時代”で介護期間も長引くことが予想されるなか、親の介護のために自分のお金を使っている場合ではありません。親も自分も100歳まで生きると考えた場合、10年、20年も負担するのは、自分の生活をどんどん苦しくするだけです。介護は“親のため”だから“親のお金”を使う。そういう考えで向き合うべきだと思います」こう語るのは、老親介護の現場を多く取材する、介護・暮らしのジャーナリストの太田差惠子さん。長引く親の介護で子どもが“破綻”しないためにも、親が元気なうちに、やっておくべき「準備」があるという。太田さんは、親のお金を介護費用に充てるためには、まず親の懐ろ事情を知ることが大事だと話す。「介護費用は“いくらかかるか”をむやみに考えるのではなく、“いくらかけられるか”。その額を把握してから、介護内容を逆算していくもの。自分の家庭の経済状況はしっかり把握している人が多いのですが、親がどれだけお金を持っているかという話になると、とたんにわからなくなる人が多くなるのです」■代理人カードを作成してもらう親の財産状況を把握したら、次に考えるべきなのは、親のどのお金を使えばいいか。「理想をいえば、介護のために使う銀行口座のキャッシュカードの所在と暗証番号は知っておきたいですね。もしものときでもスムーズにお金を出し入れすることができます。暗証番号がわからず、親の年金や預金から介護費用に充てるお金を引き出すことができずに、大変な思いをしたという人も多くいます。ただし、いくら親子でも強引に聞き出すのは法に触れるのでダメです」太田さんがおすすめするのは、親の口座のキャッシュカードをもう1枚作ってもらうこと。「本人以外もお金を引き出せる『代理人カード』と呼ばれるものが、各金融機関にはあります。親本人が金融機関で作ることができるので、元気なうちに作ってもらうようにしましょう」■預かり金口座を開設するさらに、親から介護費用の準備金として、まとまったお金を預けてもらう方法もある。たとえば、父親名義の定期預金500万円を解約し、新たに子ども名義の口座を作る。そこに父親からの「預かり金」として、500万円を入金するというものだ。「その際、父親との間でこの500万円は介護費用として使う『預かり金』である旨を記した“覚書”を交わすことが大事です。そしてトラブルを防ぐためにも、介護が始まったら、かかった費用の明細や領収書は必ず残すようにしてください」「預かり金」という名目であれば、その500万円に贈与税はかからない。ただし、父親が亡くなった時点で、残金があれば相続財産となる点に注意。
2019年03月21日介護者が肉体的に一番負担に感じるのがベッドでの介助です。寝ている状態からの起き上がり、車椅子への移乗、オムツ交換などは、介護者の体力の負担を高める原因となっています。そんな介護者にとって役立つのが「介護ベッド」。最近の介護ベッドは便利な機能が増えています。その機能と介護者の負担がどのように軽減できるかをご紹介します。■ 寝たきりにさせないための「介護ベッド」高齢者は軽い病気やケガ、あるいは骨折などがきっかけで長期間、安静した結果、寝たきりになる人が多くいます。Mills / PIXTA(ピクスタ)寝たきりになると障害は全身の器官に及びます。認知症の発症や進行にも影響するため、できるだけ起きている状態を保つことが大切です。そこでオススメなのが介護ベッドです。高さ調節や背上げ・膝上げ機能など、介護に必要な機能が備わり、介護者の負担とベッド利用者の快適性を高めてくれます。■ 上体を起こすことで肺炎予防にも寝たきり予防のためには自分で座ることが大事で、余程のことがない限り、上体を起こして生活することをオススメします。ベッドの端に腰かけ、両足を床につけて座ることを「端座位(たんざい)」と言いますが、端座位ができれば上体が起きているため肺に空気がたくさん入ることで口腔内の清潔が保たれるので、肺炎予防やむせ予防にもなるといいます。また、端座位ができれば、ベッド脇にテーブルを用意して食事をすることもできます。上体を起こすには、背上げの操作ボタンを押すだけ。ボタンから指を話すと動きが止まります。ベッドによっては背上げと膝上げが同時に動くタイプもあります。膝が上がることで状態が起きやすくなるようです。■ ベッドの高さを変えることで車椅子への移乗がラクになる介護ベッドは高さを自由に調整ができます。ベッドの高さを調整できるメリットとして、車椅子への移乗のしやすさがあります。Mills / PIXTA(ピクスタ)車椅子への移乗の際は、ベッドの高さを車椅子の座面と同じか、少し高めにして、移動しやすくします。車椅子が高いと、要介護者を持ち上げることになり余計な力が必要になります。反対に車椅子からベッドに移動する場合は、ベッドの高さを少し低くして移乗しやすくします。介護では「寝食分離」という考え方があり、就寝と食事を分け、できるだけ寝たきりにしないよう心掛けています。そのためベッドは寝る場所とし、食事はリビングでとることで生活にメリハリが生まれ、身体機能にも良い効果が期待できます。■ ベッドからの落下を防ぐサイドレールこのほかに介護ベッドの特徴として、サイドレールが付いていることです。サイドレールがあることで、利用者がそれを掴むことで寝返りなどの動作がスムーズに行えることがあります。また、サイドレールを中央に設置することによってベッドからの転落を防ぐことができます。サイドレールは位置を変えることや、取外しが簡単にできるようになっています。なお、ベッドの四方をサイドレールなどで囲うと身体拘束となり、虐待に値します。ただし、それ以外に方法がない場合は例外としています。身体拘束にならないよう、通常はサイドレールはサイドに一つずつ設置されています。■ 時にはベッドの置き場を変えてみることも必要!パナソニック「リショーネPlus(プラス)」ベッドの半分が車椅子に変身ここまで介護ベッドの性能や機能をご紹介してきましたが、時にはベッドを置く場所に変えてみることもオススメします。例えば、リビングにベッドを置いている人もいます。ダイニングで家族と一緒に食事をし、それと同じ空間のリビングでくつろぐことで、子どもや孫が気軽に声をかけてくれます。いつも寝室ではメリハリがないうえ、変化のない、刺激のない環境は認知機能の低下にもつながります。ベッドの中には、ベッドの半分が分離して車椅子のように移動できるものもあります。これであれば、車椅子に移乗しなくてもよいため、介護者の負担は大幅に減少し、無理なく移動できるようになります。いかがでしたか?ベッド一つで介護がラクになることは、まだまだ知られていないようです。ベッドや車椅子はレンタルで利用できることが多く、費用も介護保険により1割負担で借りられます。腰や膝を痛める前に、ぜひ相談してみましょう。相談は、いつも利用されているデイサービスやケアマネージャー、あるいは市役所などでも可能です。【離床アシストロボット 「リショーネPlus(プラス)」】■本体セット内容本体(ベッド+車いす)、木調ボード、ボックスシーツ(2枚1セット)、マットレス(防水カバー仕様)、充電器、車いす用バッテリーキット、車いす用ヘッドレスト■サイズ全長/2,075mm、全幅/1,009mm(車いす合体時)、全高/799~1,079mm■希望小売価格 90万円(税抜・配送・組み立て費用別)【参考】※パナソニック離床アシストロボット「リショーネPlus(プラス)」を発売※日本呼吸器学会呼吸器の病気誤嚥性肺炎
2019年03月13日親が高齢になり、突然の介護が始まったという経験をする人は多くいます。突然の病気や事故が原因で、今日から介護が必要になるケースもあります。しかし、突然始まる介護のために、十分なお金を蓄えている人は少ないものです。介護費用で困った時にはどこに相談にいき、どのような制度が利用できるのか気になりますよね。そこで今回は、親の介護に直面した時の費用相場や、利用可能な制度をご紹介します。介護の現状「介護が必要になるのはもっと先だから大丈夫」と考えてしまいがちですよね。しかし、介護が必要となる瞬間は、思うよりも身近に存在します。そこでまずは、現在の介護の実態についてみていきましょう。介護者の推移「厚生労働省」が発行している「介護保険制度の最近の動向について」によると、要介護・要支援の認定者数は平成30年4月時点で644万人となっており、この18年間でおよそ3倍に増加しています。65~74歳と75歳以上の高齢者で要介護・要支援認定を受ける人の割合を比べた場合、75歳以上になると認定を受ける人の割合が大幅に増えています。人口の減少とともに、2055年には75歳以上の人口が25%を超えると予想されており、要介護・要支援認定を受ける人は年々増加すると考えられています。介護の開始時期と平均期間要介護者等の介護が必要となった原因は、多い順に「脳血管障害」「認知症」「高齢による衰弱」です。脳血管障害には脳梗塞や脳卒中といった疾患が含まれており、平成26年の患者調査では患者数は118万人と推測されています。そのなかでも約14%に当たる17万人が、20~64歳の就労世代にあたります。つまり、社会で元気に働いてる世代であっても、介護が必要になる病気に罹患するケースもあり、介護が始まるのは突然であることがわかります。また、介護が始まった場合にはどのくらいの期間に渡って介護が必要になるのかも気になるところです。生命保険文化センターが行なった調査では、介護を行なった期間の平均は4年7ヵ月と発表されています。また、調査に応じた人のおよそ14%は10年以上と答えています。介護が長期化するケースも少なくないことを、忘れないでおきましょう。介護は病状や状態の種類によって大変さが異なる同じ疾患にかかり介護が必要となっても、処置までにかかった時間や回復の度合いにより、介護の必要度は大きく変わります。要支援1では生活の一部に支援が必要になる一方で、要介護5の認定を受けるとほとんど寝たきりのため、身の回りのことの大半で介助が必要となります。このように、病状や障がいの状態によって介護の種類や負担度は大きく変化するのです。 一般的な介護費用相場介護を行う際に必要となる費用は、介護度によって異なります。また、在宅介護を選択するか特別老人ホームなどの施設へ入居するかによっても大きく異なります。40歳以上の場合は、条件を満たせば国の運営している介護保険制度を利用できるため、一時的に費用がかかっても給付を受けることが可能です。しかし40歳以下の場合は公的な介護保険が利用できず、実質的に必要となる費用が膨れ上がるといった違いもあります。在宅介護の際の費用相場要介護・要支援認定を受けた際には、介護保険を利用することで、サービスの費用の一部を受給することが可能です。しかし費用が後々手元に返ってくる場合であっても、リフォームや福祉機器の購入などで一時的に費用が必要になります。こうした一時的に必要となる費用の平均は、合計69万円とされています。レンタル用品を利用するとレンタル費がかかりますし、また介護用品には消耗品もあるので、介護を始めた時だけでなく継続的に発生する費用も存在します。月々に必要となる費用の平均は7.8万円とされており、決して安いとは言えません。施設入居の際の費用相場施設入居をする際には、介護スタッフが在籍する有料老人ホームや、介護保険施設と呼ばれる公的な施設から選ぶことになります。施設サービスを受ける際には、介護費の他に光熱費など利用者が居住するための費用や、家賃に当たる月々の入居費用が必要です。初期費用がかかる施設もあるため、まとまったお金が必要になります。要介護認定を受けている場合のみ介護保険施設の利用が可能です。介護保険施設は、要介護高齢者のための生活施設である「特別養護老人ホーム」、要介護高齢者にリハビリを提供し在宅復帰を目指す「介護老人保健施設」、医療的な措置が必要な要介護高齢者の長期療養施設である「介護療養型医療施設」の3種類です。利用者の心身の状況によって入居先が異なります。個室か複数で利用する多床室かの違い、要介護度の違い、入所する施設の違いにもよりますが、月々の相場は自己負担額が10万円以下から20万円近くするところまで様々です。 介護費の工面方法介護を始める時にはまとまったお金が、介護を続けていく際には月々の費用がかかることがわかりました。では、こうした介護費の工面方法にはどのようなものがあるのかご紹介します。介護保険介護保険とは現物給付型のサービスであり、サービスを一定割合の費用負担だけで利用することができる制度です。認定された要介護度によって月に支援される上限額が異なり、収入によって自己負担の割合も異なります。介護保険を利用するためには65歳以上の人が該当する介護保険第1号被保険者、または40~64歳の医療保険に加入している人が該当する介護保険第2号保被保険者である必要があります。また、要介護・要支援認定されていることも、利用条件です。さらに第2号被保険者の場合は、特定疾患で認定されている必要があります。高額介護サービス費制度介護保険制度の中には、高額介護サービス費という項目があります。これは介護保険の所得別に設定される月々または年間の自己負担額の合計が一定額を超えた場合に、超えた分の費用が介護保険から支給される制度です。生活保護を受給している場合、合計所得と公的年金収入額の合計が80万円以下の場合、世帯全員が市区町村民税を課税されていない場合、市区町村民税課税世帯の場合の4段階に分かれており、それぞれで月額の上限が設定されています。世帯分離上記にあげた高額介護サービス費制度を利用するという視点から、世帯分離を行い自己負担額を減らす方法もあります。世帯分離とは住民票の登録世帯を、介護を必要とする人の世帯と介護者の世帯に分けることです。世帯を分けることで世帯年収を減少させ、自己負担額をより少ない区分へと変更させる、“介護の裏技”とも呼ばれる方法です。所属自治体の融資制度国の運営する介護保険以外にも、所属自治体が提供する融資制度を利用して一時的に費用を準備する方法もあります。都道府県社会福祉協議会が主体となって実施している生活福祉資金貸付制度もその一つです。生活福祉資金貸付制度の中に設定されている福祉資金と呼ばれる制度では、介護を必要とする高齢者を抱える世帯に向けて、生活を送るための費用の無利子または低金利貸し付けを行なっています。最大12ヶ月の返済期間を設定でき、無利子で最大10万円の借り入れできる緊急小口資金が設定されています。介護保険のような国の設定する制度以外にも自治体ごとに利用できる制度があるので、調べてみましょう。生活保護生活保護の受給対象となることで、介護費の工面を行うというケースもみられます。生活保護には介護扶助の項目があり、介護保険制度のように原則現物支給で介護サービスを受けることが可能です。第2号被保険者の場合は、サービスに必要となった費用の10割を介護扶助で賄ってもらうことが可能です。また、第1被保険者の場合でも、自己負担額に該当する1割部分を賄ってもらうことができます。 介護費用についての相談先介護費の工面や準備、制度の利用についての相談先は、1箇所ではありません。地域の窓口は複数準備されていますので、足を運びやすい場所、利用しやすい場所へ相談に行くようにしましょう。地域包括支援センター地域包括支援センターとは、市町村が主体となり住民の各種相談を受けて支援を行なっている施設です。施設には保健師・社会福祉士・介護支援専門員(ケアマネージャー)が配置されているので、介護費や介護について3職種からのアプローチを実施できます。ケアマネジャー介護保険制度上では「介護支援専門員」と呼ばれるケアマネジャーは、高齢者の介護サービスを中心に扱う専門家です。ケアマネジャーの多くは、居宅介護支援事業所や介護保険施設などで働いており、利用施設先のケアマネジャーに相談するのも一つの手です。社会福祉協議会都道府県や各都市に設置されており、福祉サービスの利用者と福祉関係者をつなぐ活動や、制度の改善に取り組んでいる組織です。福祉サービスの利用契約や手続き、日々の金銭的な管理への支援を実施しているので、介護費についての相談もしやすいのではないでしょうか。福祉事務所国の定める社会福祉行政機関の一つが、福祉事務所です。全国に1247ヶ所設置されており、自立支援給付・地域生活支援事業を含めた障がいに関する支援を中心に行なっています。 介護が必要になる前にしておきたいことここまで介護の現状や介護費の工面方法についてまとめてきましたが、介護が必要になる前にしておきたいことについても触れていきます。突然必要になることも多い介護ですが、介護費問題に直面する前にできることもあります。親の年金所得・介護費用貯金を確認内閣府の調査では、介護が必要になった時、貯蓄で介護費を賄うと答えた人と年金等の収入で賄うと答えた人は全体の6割に及びます。また介護を受けたい場所の希望は自宅であると答えた人がもっとも多いです。そうした背景を踏まえて、親をはじめとした家族の介護が必要になった時のために、年金所得や介護費用の貯金についての情報を共有し確認しておくことが大切な準備の一つとなります。生命保険の内容を共有また、加入している生命保険の種類や内容を共有することも大切です。中には介護が必要になった時に一時金を準備してもらえる生命保険もあります。突然必要となる費用だからこそ、利用できる内容があれば事前に共有して、利用手続きにスムーズに移れるようにしましょう。介護用の貯蓄の有無の確認そして何より、介護用の貯蓄を行なっているかどうかを聞いておくことも大切です。老後や介護が必要になった時には、全て自分で準備したお金で賄おうと考える人ももちろんいます。一方でそういった不測の事態には、費用からお世話まで全てを任せる予定だと考える人も存在します。介護に対する意識のすり合わせや、介護が必要になった時のお金の動きについて、あらかじめ話すことも大切だといえるでしょう。 制度を賢く利用して介護費の負担を減らそう介護費の工面方法には、介護保険の利用や自治体の制度の利用など、様々な方法が存在します。知識がないために申請できず利用できないケースや、対象になっていないために利用できないといった場合もあるでしょう。いつまで続くかわからないという不安がある介護だからこそ、費用面の負担は、制度を利用しつつできるだけ軽減してみてはいかがでしょうか。 参照:平成30年度公的介護保険制度の現状と今後の役割脳卒中に関する留意事項3高齢者の健康・福祉|平成28年版高齢社会白書(全体版) – 内閣府介護にはどれくらいの年数・費用がかかる?|公益財団法人生命保険文化センター生活福祉資金|全国社会福祉協議会(リンク2)地域包括支援センターの業務サービスにかかる利用料 | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」生活保護法による介護扶助とは – 神奈川県ホームページ福祉事務所 |厚生労働省保健福祉局 – 福山市ホームページ明治安田生命 | 介護のささえ
2019年02月14日介護が始まると、何かと介護用品が必要になるもの。レンタルでまかなえるものは借りて済ませたいと思う方もいることでしょう。この記事では、介護用品のレンタルサービスを提供している業者を、利用料金や取扱い用品と合わせてご紹介します。介護保険が適用できるレンタル品とは?レンタルできる介護用品にはさまざまなものがあります。そのうちの13種類は、要介護者が在宅生活を維持することができ、介護者の負担が軽減しうる用具である「福祉用具」として、介護保険を適用してレンタルすることができます。1~3割程度の自己負担でレンタルができるため、経済的負担を軽減できますね。介護保険を適用してレンタルするには介護度に条件があり、大半が要介護度2~5、一部のみ要支援、要介護度1から適用可能です。<13種類の福祉用具>車いす車いす付属品特殊寝台(介護ベッド)特殊寝台付属品床ずれ防止用具体位変換器手すり☆スロープ☆歩行器☆歩行補助つえ(松葉杖など)☆認知症老人徘徊感知機器移動用リフト自動排泄処理装置レンタル業者が貸し出しているものも、主に上記の13種類。自費であれば要介護2~5以下の人であってもレンタルが可能です。(☆のみ要支援から介護保険の利用可能)なお、介護保険を利用して介護用品をレンタルする場合は、まずケアマネージャーを通して手続きをする必要があります。 介護用品のレンタル業者5社をご紹介介護用品のレンタルを行なっている業者のうち、5社をご紹介します。ダスキン福祉用具に当てはまる13種類の介護用品を、計約3,100アイテム揃えています。介護保険が使えない人でも借りられますよ。専門知識を持ったスタッフが選定の相談、アフターケアを担当。見積りを出してもらうことも可能です。取扱い用品:車いす関係、歩行器関係、介護ベッド関係、床ずれ防止用具、体位変換器、手すり、スロープ・移動用リフト料金例:車いす:4,300円/月~電話番号:0120-100-100(8:00~20:00)>公式サイト株式会社トーカイ介護保険適用者、自費ともにレンタル利用可能です。サイトからカタログPDFのダウンロードができますが、価格は問い合わせが必要です。契約期間は1ヶ月から。問い合わせは各事業所のほか、サイト内にフォーマットもあります。取扱い用品:車いす関係、歩行器関係、介護ベッド関係、床ずれ防止用具、体位変換器、手すり、スロープ・移動用リフト、認知症老人徘徊感知機器、自動排泄処理装置、吸引器(介護保険対象外)料金例:要問い合わせ電話番号:事業所によって異なる(事業所一覧はこちら)>公式サイトメディケアセンター福祉用具専門相談員に選び方をアドバイスしてもらえます。サイトに書かれている自己負担額は介護保険適用後の1割負担額。介護保険外のレンタルの相談にも乗ってもらえます。問い合わせは各事業所への電話または問い合わせフォームより。取扱い用品:車いす関係、歩行器関係、介護ベッド関係、床ずれ防止用具、体位変換器、手すり、スロープ・移動用リフト、認知症老人徘徊感知機器、自動排泄処理装置、吸引器(介護保険対象外)料金例: 車いす2,500円/月~、介護ベッド1万円前後/月~電話番号:営業所によって異なる(営業所一覧はこちら)>公式サイトソネット株式会社介護保険対象の介護用品をレンタルしています。365日年中無休で営業しているため、いつでも相談可能です。サイトからレンタル品のカタログがダウンロードできます。取扱い用品:車いす関係、歩行器関係、介護ベッド関係、床ずれ防止用具、体位変換器、手すり、スロープ・移動用リフト料金例: 車いす3,000円/月~、介護ベッド1万円前後/月~電話番号:027-251-4410(9:00~18:00年中無休)>公式サイトヤマシタコーポレーション使用シーン、利用者の状態、介護保険の対象種目など、さまざまな選び方で商品を検索できます。365日対応。福祉用具専門相談員の資格を保有した社員が選び方の相談にも対応しています。取扱い用品:車いす関係、歩行器関係、介護ベッド関係、床ずれ防止用具、体位変換器、手すり、スロープ・移動用リフト、認知症老人徘徊感知機器、自動排泄処理装置料金例: 車いす4,000円/月~、介護ベッド8,000円前後/月~電話番号:0120-203-001(9:00~18:00)>公式サイト 介護用品レンタルで医療費控除は使える?介護保険制度下での医療費控除の対象項目については、以下のとおり定められています。介護保険制度の下で、介護サービス事業者から要介護者又は要支援者が提供を受ける居宅サービスや介護予防サービスの対価のうち、療養上の世話の対価に相当する部分の金額は、医療費控除の対象となります。No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービスの対価|国税庁より引用つまり介護用品のレンタルは、医療費控除の対象外です。介護に関して医療費控除が適用となるのは「サービス」そのものであり、「療養上の世話の対価に相当する部分」であるのが現行の医療費控除の決まりだからです。 レンタルを賢く利用して介護者・本人の快適な生活をレンタル品は、業者が定期的にメンテナンスを行なうなど、アフターケアも充実。身体に合わなければ交換もできる点も購入とは異なるメリットです。介護用品をレンタルすることで、介護者・本人の負担を軽減し、快適な生活を送りたいものですね。 参考:介護保険で購入できるもの | 福祉用具レンタル・販売 | サービス・事業 | セントケア・ホールディング株式会社【はじめての方へ】福祉用具をレンタルするときに知っておきたいこと|LIFULL介護(旧HOME’S介護)No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービスの対価|国税庁2介護保険サービスの対価に係る医療費控除について|国税庁
2019年01月31日平成18年に介護保険法が改正され、「介護予防」の考え方やサービスが導入されました。高齢者が増加するなか、介護を必要とせずに自立した老後を送れるように、国や自治体が支援しています。上手にサービスを利用して、気持ちよく楽しい老後を過ごせるように、家族もサービスの概要を知ることが大切です。今回は、親御さんにいつまでも元気でいてもらいたいと思っている人のために、介護予防のサービスについてご紹介します。介護予防サービスとは介護予防サービスとは、これから増加していく高齢者のために、介護が必要にならないよう、主に市町村が提供するサービスです。地域の実情に合わせて、地域全体で助け合いながら、介護が必要な状態にならないように高齢者をサポートしていきます。介護予防とは介護予防は、次の2つを目的としています。高齢になっても自立して生活できるよう、要介護状態になることを予防する要介護になっている人がリハビリテーションで、できることを少しずつ増やしていく生活機能を改善するだけではなく、活動できる場や参加できるイベントなどを企画し、生きがいや自己実現など、生きる目的を持って楽しく過ごせる環境づくりを目指しています。高齢者が自立し介護を必要としなければ、昼間1人でいても、家族は安心して仕事や外出をすることが可能です。高齢者自身にとっても、1人でも大丈夫だということが自信や生きがいにつながります。介護予防サービスと介護サービスの違い従来の介護サービスは介護認定を受けた人だけが対象でした。しかし、介護予防サービスは、介護サービスとは違い、ある程度自分で家事などをできる人が対象です。例えば、1人だと買い物もだんだん大変になっていき、色々な材料を買い込んで料理をしなくなります。簡単に購入できる出来合いのものを食べるようになってしまい、料理をするという活動も少なくなるでしょう。結果的には、生活機能の低下につながります。介護予防サービスでは、ホームヘルパーさんが一緒に買い物に行き、料理の下処理などの手伝いをします。そうすることで、できることを増やし、できないことも少しずつまたできるように促すのです。介護予防サービスは、介護サービスのように全てをホームヘルパーに任せるわけではなく、高齢者が自分でできるようにサポートしていくサービスです。家族が高齢者をサポートすることも可能ですが、できなくなったことを認めたくないという気持ちもあり、うまくサポートできない場合もあります。ホームヘルパーなどの家族以外の人との接触は、生活に張り合いを持たせるというメリットがあり、おすすめです。介護予防サービスを受けられる人介護予防サービスは、要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者で、要支援1及び2の人が対象です。地域包括支援センターが、高齢者ができるだけ自立した生活を送れるようにサポートしていきます。要支援1または2と判定された場合、介護ケアプランをケアマネージャーが作成してくれます。要介護状態にならないように、できなくなったことをリハビリテーションをして改善、サポートしていきます。 介護予防のためのケアプラン介護予防ケアマネジメントを受けて、プランを立ててもらいます。地域には「介護支援専門員」、一般にケアマネージャーと呼ばれている人がいて相談に乗ってもらえます。本人と一緒に、家族もケアマネージャーとプランを立てましょう。介護をしないですむように、老後の生活について話し合える良いチャンスです。家族だけでは話しにくいこともたくさんありますが、ケアマネージャーが一緒だと、掘り下げてプランを立てられます。家族が本音で話せる良い機会でもあるので、できるだけ家族全員で参加しましょう。 自宅で受けられる訪問サービス自分の家に住んで、介護なしで生活できれば理想的です。訪問サービスを受ければ、家族も安心して外出できます。ホームヘルパーの訪問サービスホームヘルパーが訪問して、家事の手伝いなどをしてくれます。目的は、要介護状態にならないように、支援することです。そのため、お手伝いさんのように掃除をしたり、買い物に行ったりするのではなく、一緒に活動します。また、利用頻度は、要支援1で週1回程度で、部屋の掃除はあくまでも高齢者本人が使う部屋のみです。介護予防訪問入浴「自宅に浴室がない」「感染症にかかって家のお風呂や銭湯に入れない」という場合、移動入浴車などを利用し、入浴をサポートします。訪問リハビリ生活機能を上昇させるための簡単な体操などを、理学療法士や作業療法士などが指導し、アドバイスしてくれます。高齢になると筋力が落ちて、体を動かしにくくなることが問題です。体操などで体を動かすことは、脳を活性化することにもつながります。介護予防居宅療養管理指導日常的には1人でなんでもできる状態であっても、通院は難しい場合があります。1人では病院に行けないため、通院をしないで家で我慢してしまうかもしれません。適切な医師や歯科医師の指導がないと、そのまま介護を必要としてしまう状態になりかねません。そのため、医師や歯科医師が自宅を訪問してアドバイスを行います。介護予防訪問看護利用者が自立できるようにすることを目的に、病状のチェックや療養上の世話(食事・排せつのサポートなど)をします。普段の生活が問題なくできる人でも、病に倒れたことがきっかけとなり、要介護状態になることがよくあります。できるだけ自宅で自立した生活が送れるよう、生活機能の低下が起きないように看護師が疾患のある人の自宅を訪問し看護をするシステムです。 施設に通って受けられるサービス介護予防通所リハビリテーションが、いわゆる要介護者のデイケアと同じように、老人保健施設や病院などに通って受けられるアシストです。送迎もドアトゥドアですから、家族のサポートがなくても参加できます。入浴もでき、さっぱりとして帰宅します。食事なども別払いで利用可能です。介護予防のために個々の能力に合わせ、機能訓練やセルフケアなどの指導をしてもらえます。また要支援1、要支援2では支払う料金が異なります。 宿泊して受けられる介護予防サービス介護予防の段階でも、ショートステイサービスが受けられます。仕事などでケアを十分にできない場合など、不在中のことが心配な場合に利用できるサービスです。介護予防短期入所生活介護家族の帰宅が遅くなる日が続く場合や、出張などで家族が不在の場合に、介護老人福祉施設などを利用できるサービスです。食事・入浴などのサポートや機能向上を目的とした体操などの指導が受けられます。介護予防短期入所療養介護(医療型ショートステイ)体調が思わしくない場合に、介護老人保健施設などを利用して、看護やケアが受けられます。看病する人がいない場合に安心できるシステムです。 自宅で始める介護予防まだ1人でほとんどのことができる65歳以上の高齢者が、要介護状態になることを予防するためのサービスを紹介しました。各自治体で用意されているアクティビティーなどの社会参加や日常的に身体を動かすことなどといったことは介護予防に有効です。家族がアクティビティーを見つけたり、お買い物に付き添ったりして高齢者をフォローしていけば、自宅でも介護予防ができます。その上で、早めに専門家の力を借りて要介護状態にならないようにしていくことが大切です。 参考:厚生労働省介護予防・日常生活支援総合事業ガイドライン(概要)公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」介護予防サービスの種類(要支援1・2の方が利用できるサービス) – 石巻市介護予防サービスについて|東久留米市ホームページ介護予防サービス/池田市ホームページ介護予防訪問入浴介護厚生労働省これからの介護予防
2019年01月30日公的介護保険の制度は、要介護(支援)の認定を受けると、介護保険サービス費用の給付が受けられる仕組みです。対象となるサービスの範囲は限定されているので、きちんと把握したうえで、介護の計画を立てる必要があります。ここでは、介護保険サービスの種類や内容、自己負担費用についてまとめました。ぜひ、どんなサービスを利用するか検討するときの、ひとつのめやすにしてください!公的介護保険制度で受けられるサービスの種類公的介護保険制度によるサービスは、大きく、居宅サービス施設サービス地域密着型サービスの3つに分けられ、要介護(支援)度によって受けられるサービスや、利用料の限度額が異なります。要介護1~5に認定された人が受けられるサービスを「介護サービス」と呼び、利用料金に応じた「介護給付」が支給されます。要支援1~2に認定された場合、受けられるのは要介護状態への移行を予防するための「介護予防サービス」です。利用料金に応じて「予防給付」が受給できます。要介護(支援)認定を受けていない人や、申請の結果該当しないと判定された人は、介護保険によるサービス利用ができません。代わりに、地域支援事業によるサービスや保健福祉サービスを受けることができます。 介護保険サービス費用の自己負担割合介護保険サービス費用の利用者の自己負担割合は、1割が基本です。ただし、所得が一定の水準を超える場合には、自己負担割合が2割ないし3割となります。さらに、施設サービスを受けた場合の居住費、食費、日常生活費など、各種費用を別に負担しなければならないケースもあります。また、居宅サービスの費用には、要介護(支援)度ごとに「利用限度額」が設けられています。限度額を超えた部分に関しては、全額自己負担です。介護保険サービスの費用には、自己負担の減額措置も設けられています。所得が低い・1ヶ月(1年)の利用料が高額などの場合には、市町村へ申請することで減額措置を受けることができます。 居宅サービスの内容と利用料金「居宅サービス」とは、自宅にいながらにして受けられる介護保険サービスのこと。自宅訪問型のサービスのほか、通所型サービス、短期の宿泊、福祉用具のレンタルなどが含まれます。以下に、サービスの名称と内容、自己負担割合1割の場合の利用者負担額の例※、要支援認定で受けられる介護予防サービスの有無をまとめました。※居住地域の地域区分(1級地~7級地、その他)によって、実際の利用者負担金額が異なることがあります介護の相談・ケアプラン作成介護に関する相談やケアプランの作成を、介護保険サービスで利用することができます。居宅介護支援利用者ができるだけ自宅で自立して生活できるように、ケアマネージャーが、利用者の状況に応じたケアプランの作成を行うサービス。また、プランに基づいたサービスが提供されるように、各関係機関や事業所との調整も行われます。●利用者負担:なし●介護予防サービス:×(要支援の場合は「介護予防支援」が受けられます)自宅訪問型サービス訪問介護員などが自宅を訪問し、介護や看護、生活援助などを行うサービスです。訪問介護(ホームヘルプ)訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問するサービス。食事・排泄・入浴などの身体介護のほか、掃除・洗濯 ・調理・買い物などの支援(生活援助)を行います。また、事業所によっては、通院などの移送や、乗降車の介助サービスも行っています。訪問介護では、利用者の家族のための家事や、ペットの世話などの日常生活の範囲を超えるサービスは受けられません。●利用者負担身体介護20分未満:165円20分以上30分未満:248円30分以上1時間未満:394円1時間以上1時間半未満:575円生活援助20分以上45分未満:181円45分以上:223円乗降車などの介助:98円●介護予防サービス:×訪問入浴看護職員と介護職員が、浴槽を持参して利用者の自宅を訪問。入浴の介護を行います。●利用者負担全身入浴1回につき1,250円●介護予防サービス:○全身入浴1回につき845円訪問看護看護師などが、疾患がある利用者を訪問し、主治医の指示のもと、診療の補助や、療養上必要なお世話をするサービスです。主なサービス内容は次のとおりです。血圧、脈拍、体温などの測定病状のチェック排泄、入浴の介助、清拭、洗髪在宅酸素、カテーテル、ドレーンチューブなどの管理褥瘡の処理リハビリテーション在宅での看取りなど●利用者負担派遣元によって、利用者負担額が異なります。派遣元:訪問看護ステーション20分未満:311円(20分以上の訪問看護を週1回以上含む場合のみ、20分未満を区分して算定)30分未満:467円30分以上1時間未満:816円1時間以上1時間30分未満:1,118円理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の訪問(20分以上):296円派遣元:病院または診療所20分未満:263円(20分以上の訪問看護を週1回以上含む場合のみ、20分未満を区分して算定)30分未満:396円30分以上1時間未満:569円1時間以上1時間30分未満:836円定期巡回・随時対応型訪問介護看護と連携1ヶ月:2,935円●介護予防サービス:○要介護と同額訪問リハビリ理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などが訪問し、心身機能の維持や回復、日常生活の自立などを目的とするリハビリを行うサービスです。●利用者負担20分以上:290円●介護予防サービス:○要介護と同額通所型サービス施設などに自宅から通う形で利用するサービス。日常生活の支援や、リハビリテーションなどが受けられます。通所介護(デイサービス)利用者が日帰りで施設(利用定員19名以上のデイサービスセンターなど)に通って、食事や入浴などの支援、生活機能の訓練などを受けます。また、施設への送迎もサービスに含まれます。●利用者負担施設の規模や利用時間によって金額が異なります。通常規模の事業所(1ヶ月の平均利用のべ人数301人以上750人以内)7時間以上8時間未満1回につき要介護1:645円要介護2:761円要介護3:883円要介護4:1,003円要介護5:1,124円●介護予防サービス:×通所リハビリ利用者が日帰りで老人保健施設、病院、診療所などのリハビリテーション施設に通い、リハビリを受けるサービス。生活機能の訓練や口腔機能向上のための訓練のほか、栄養改善のためのサービス、食事や入浴などの日常生活の支援を受けることができます。●利用者負担施設の規模や所要時間によって、金額が異なります。通常規模の事業所(1ヶ月の平均利用のべ人数750人以内)の場合6時間以上7時間未満の利用1回につき要介護1:667円要介護2:797円要介護3:924円要介護4:1,076円要介護5:1,225円日常生活費(おむつ・食費など)は別途負担。介護予防サービス:○1ヶ月につき要支援1:1,712円要支援2:3,615円短期宿泊型サービス短期的に施設に入所して利用するサービス。日常生活の支援や機能訓練などが受けられます。短期入所生活介護(ショートステイ)介護老人福祉施設などの施設が、常に介護が必要な利用者を短期的に受け入れ、生活の支援や機能訓練などを実施するサービス。短期入所生活介護が利用できるのは、次のようなケースです。利用者の病状や心身の状態が悪い家族の病気、冠婚葬祭、出張など家族の身体的・精神的負担が重いサービスの連続利用は30日までです。●利用者負担施設の形態や居室の種類、職員の配置などにより、金額が異なります。併設型・多床室1日につき要介護1:584円要介護2:652円要介護3:722円要介護4:790円要介護5:856円食費・滞在費・理美容代などは別途負担このほか、単独型、多床室、個室、ユニット型などの分類があります。●介護予防サービス:○併設型・多床室1日につき要支援1:437円要支援2:543円このほか、単独型、多床室、個室、ユニット型などの分類があります。短期入所療養介護医療機関や介護老人保健施設が利用者を短期的に受け入れ、日常生活のお世話や、療養に必要な医療、看護、機能訓練などを実施するサービス。サービスの連続利用日数は30日までです。●利用者負担施設の形態や居室の種類、職員の配置などにより、金額が異なります。介護老人保健施設・従来型個室・従来型(i)1日につき要介護1:753円要介護2:798円要介護3:859円要介護4:911円要介護5:962円食費・滞在費・理美容代などは別途負担このほか、従来型個室・在宅強化型、ユニット型個室・従来型、ユニット型個室・在宅強化型などの分類があります。●介護予防サービス介護老人保健施設・従来型個室・従来型(i)1日につき要支援1:575円要支援2:716円このほか、従来型個室・在宅強化型、ユニット型個室・従来型、ユニット型個室・在宅強化型などの分類があります。生活環境を整えるためのサービス利用者ができるだけ自宅で自立して生活するために、必要な物品のレンタルや購入、居宅の改修などを支援するサービスです。福祉用具貸与指定を受けた事業者が、福祉用具を貸し出すサービス。利用者の状況や希望、生活環境などに応じて、適切な福祉用具選びのサポートや取り付け、調整も行います。福祉用具貸与サービスの対象は、次の13品目です。特殊寝台特殊寝台の付属品床ずれ防止用具体位変換器手すりスロープ車椅子車椅子の付属品歩行器歩行補助杖移動用リフト徘徊感知機器自動排泄処理装置このうち、車椅子と付属品・特殊寝台と付属品・床ずれ防止用具・体位変換器・認知症老人徘徊感知器・移動用リフトは、原則として要支援1・2、要介護1の人は保険給付の対象外。自動排泄処理装置は、要介護4・5の方のみが対象です。●利用者負担費用の1割●介護予防サービス:○要介護と同額特定福祉用具販売指定を受けた事業者が、入浴や排泄に必要な福祉用具のうち、レンタルには適さないものを販売するサービス。同一年度で10万円まで購入できます。対象は以下の5品目です。腰掛便座自動排泄処理装置の交換可能部品入浴補助用具簡易浴槽移動用リフトのつり具の部品●利用者負担利用者が全額支払ったのち、費用の9割を払い戻し(9万円まで)●介護予防サービス:○要介護と同額住宅改修利用者ができるだけ自宅で生活を続けられるように、住宅の改修費を支給するサービス。対象となる工事は次のようなものです。手すりの取付け段差の解消滑り防止や移動円滑化などのための床・通路面の材料変更(畳→フローリングなど)扉の取り替え(開き戸→引き戸など)便器の取替え(和式→洋式など)上記改修に付帯する工事改修の対象は、利用者の住所地の住宅。原則として、1軒につきひとり一生涯に20万円まで利用できます。●利用者負担利用者が全額支払ったのち、費用の9割を払い戻し(18万円まで)●介護予防サービス:○要介護と同額 施設サービスの内容と利用料金長期的に施設へ入居するかたちで利用するサービス。日常生活の支援や療養に必要なお世話、機能訓練などが受けられます。介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)介護老人福祉施設が、常に介護が必要な利用者を入所させ、日常生活の支援や機能訓練、療養に必要なお世話などを実施するサービス。できるだけ在宅復帰できることを目指します。●利用者負担施設の形態や居室の種類、職員の配置などにより、金額が異なります。従来型個室1日につき要介護1:557円要介護2:625円要介護3:695円要介護4:763円要介護5:829円このほか、多床室、ユニット型個室、ユニット型個室的多床室などの分類があります。居住費(室料+光熱費)、食費(食材料費+調理費)、日常生活費は別途負担。●介護予防サービス:×介護老人保健施設(老健)在宅復帰を目指す利用者を入所させ、リハビリテーションや介護、医療などを実施するサービスです。●利用者負担施設の形態や居室の種類、職員の配置などにより、金額が異なります。個室・従来型(i)要介護1:698円要介護2:743円要介護3:804円要介護4:856円要介護5:907円このほか、個室・在宅強化型(ii)、多床室・ユニット型個室・ユニット型個室的多床室・従来型(iii)、多床室・在宅強化型(iv)などの分類があります。居住費(室料+光熱費)、食費(食材料費+調理費)、日常生活費は別途負担。●介護予防サービス:×介護療養型医療施設介護療養型医療施設が、長期にわたり療養が必要な利用者を入所させ、機能訓練や介護、医療などを実施するサービスです。●利用者負担施設の形態や居室の種類、職員の配置などにより、金額が異なります。《療養病床を有する病院の場合》従来型個室 療養機能強化型A1日につき要介護1:669円要介護2:777円要介護3:1,010円要介護4:1,109円要介護5:1,198円このほか、各種従来型個室、多床室、ユニット型個室、ユニット型個室的多床室などの分類があります。居住費(室料+光熱費)、食費(食材料費+調理費)、日常生活費は別途負担。●介護予防サービス:×特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホームなど)指定を受けた有料老人ホームや軽費老人ホームなどが、日常生活の支援や、機能訓練などを実施するサービス。また、そのほかの訪問サービスや通所サービスを提供する事業者と連携する施設もあります。●利用者負担1日につき要介護1:534円要介護2:599円要介護3:668円要介護4:732円要介護5:800円入居費用・日常生活費は別途負担。●介護予防サービス:○1日につき要支援1:180円要支援2:309円入居費用・日常生活費は別途負担。 地域密着型サービスの内容と利用料金利用者が住み慣れた生活圏で暮らし続けられるように設定された、市町村指定の事業者によるサービス。指定対象は小規模な事業者に限られていて、原則として、住んでいる市区町村の施設・事業所のみ利用できます。夜間対応型訪問介護訪問介護員が夜間に利用者を訪問するサービス。「定期巡回」と「随時対応」の2種類があります。定期巡回18~8時に定期的な訪問を受けるサービス。排泄の介助、安否確認などが実施されます。随時対応夜間に急な対応が必要となった場合(寝台からの転落、体調悪化など)に、訪問介護員を呼んだり、救急車の手配などをしてもらえるサービス。●利用者負担《オペレーションセンターを設置している場合》基本夜間対応型訪問介護:1ヶ月につき1,009円定期巡回:1回につき378円随時訪問(1名):1回につき576円随時訪問(複数名):1回につき775円●介護予防サービス:×定期巡回・随時対応型訪問介護看護訪問介護員や看護師などが連携して、定期的な巡回や随時通報への対応などを行うサービス。必要に応じて、介護や看護、または両者の一体的なサービスを実施します。●利用者負担《訪問看護サービスを受ける場合》1ヶ月につき要介護1:8,267円要介護2:12,915円要介護3:19,714円要介護4:24,302円要介護5:29,441円《訪問看護サービスを受けない場合》要介護1:5,666円要介護2:10,114円要介護3:16,793円要介護4:21,242円要介護5:25,690円●介護予防サービス:×小規模多機能型居宅介護施設への通所に、短期間の宿泊や自宅への訪問を組み合わせたサービス。住み慣れた環境と地域住民との交流のもと、日常生活の支援や機能訓練が実施されます。●利用者負担《同じ建物に居住》1ヶ月につき要介護1:9,298円要介護2:13,665円要介護3:19,878円要介護4:21,939円要介護5:24,191円日常生活費は別途負担。《同じ建物以外に居住》1ヶ月につき要介護1:10,320円要介護2:15,167円要介護3:22,062円要介護4:24,350円要介護5:26,849円日常生活費は別途負担。●介護予防サービス:○《同じ建物に居住》1ヶ月につき要支援1:3,066円要支援2:6,196円《同じ建物以外に居住》1ヶ月につき要支援1:3,403円要支援2:6,877円複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)「小規模多機能型居宅介護」の内容に加え、看護師などによる訪問(看護)を組み合わせることができるサービス。●利用者負担《同じ建物に居住》要介護1:11,119円要介護2:15,558円要介護3:21,871円要介護4:24,805円要介護5:28,058円《同じ建物以外に居住》要介護1:12,341円要介護2:17,268円要介護3:24,274円要介護4:27,531円要介護5:31,141円地域密着型通所介護利用者が地域密着型通所介護の施設に日帰りで通うかたちで利用するサービス。日常生活の支援や、生活機能の訓練、口腔機能向上サービスなどが実施されます。また、施設への送迎もサービスに含まれます。●利用者負担利用時間によって金額が異なります。《7時間以上8時間未満の場合》要介護1:735円要介護2:868円要介護3:1,006円要介護4:1,144円要介護5:1,281円日常生活費は別途負担。●介護予防サービス:×療養通所介護常時、看護師による観察を必要とする利用者(難病・認知症・脳血管疾患後遺症などの重度要介護者や、がん末期患者)が対象。療養通所介護の施設に日帰りで通い、日常生活の支援や、生活機能の訓練、口腔機能向上など、医師や訪問看護ステーションと連携したサービスを受けます。また、施設への送迎もサービスに含まれます。●利用者負担3時間以上6時間未満:1,007円6時間以上8時間未満:1,511円日常生活費は別途負担。●介護予防サービス:×認知症対応型通所介護認知症の利用者を対象に、専門的なケアを提供するサービス。利用者がデイサービスセンターやグループホームなどの施設に日帰りで通い、サービスを受けます。また、施設までの送迎もサービスに含まれます。●利用者負担事業所の形態や利用時間によって金額が異なります。《社会福祉施設などに併設されていない事業所》7時間以上8時間未満の利用で要介護1:985円要介護2:1,092円要介護3:1,199円要介護4:1,307円要介護5:1,414円日常生活費は別途負担。●介護予防サービス:○《社会福祉施設等に併設されていない事業所》7時間以上8時間未満の利用で要支援1:852円要支援2:952円日常生活費は別途負担。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)認知症の利用者を対象に、専門的なケアを提供するサービス。利用者が、グループホームに入所し、5~9人の利用者とともに、介護スタッフのケアを受けながら、共同生活を送ります。●利用者負担《共同生活住居が1つ》1日につき要介護1:759円要介護2:795円要介護3:818円要介護4:835円要介護5:852円《共同生活住居が2つ以上》1日につき要介護1:747円要介護2:782円要介護3:806円要介護4:822円要介護5:838円日常生活費は別途負担。●介護予防サービス:○(要支援2のみ)共同生活住居が1つ:1日につき755円共同生活住居が2つ以上:1日につき743円地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護入所定員30人未満の介護老人福祉施設が提供するサービス。常に介護が必要な利用者を入所させ、日常生活の支援のほか、機能訓練、療養に必要なお世話などが実施されます。●利用者負担施設の形態や居室の種類、職員の配置などにより、金額が異なります。従来型個室要介護1:565円要介護2:634円要介護3:704円要介護4:774円要介護5:841円このほか、各種従来型個室、多床室、ユニット型個室、ユニット型個室的多床室の分類があります。居住費(室料、光熱費)、食費(食材料費+調理費)、日常生活費は別途負担。●介護予防サービス:×地域密着型特定施設入居者生活介護指定の有料老人ホームや軽費老人ホームなど(入居定員30人未満)が提供するサービス。日常生活の支援や、機能訓練などを実施します。●利用者負担1日につき要介護1:534円要介護2:599円要介護3:668円要介護4:732円要介護5:800円●介護予防サービス:× 状況に応じた公的サービスを選んで介護の負担を軽減介護保険サービスにはさまざまな形態があり、状況に応じて選択することで、本人の生活の質の向上や、介護者の負担軽減に役立ちます。介護保険給付を受けられるサービスの範囲や料金をチェックして、どんなサービスを利用するか、よく検討してくださいね。 参考:公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」自立(非該当)と認定を受けた人へのサービスについて|宇都宮市公式Webサイトサービスにかかる利用料 | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」サービス一覧/サービス紹介介護予防支援地域密着型サービスとは介護保険における住宅改修
2019年01月29日自宅介護において、介護する側・される側両方の負担を軽減し、より過ごしやすくするために導入したいのが「介護リフォーム」です。個人の状態によって、難しいと感じる活動内容は大きく変わります。だからこそ必要な場所に適切なリフォームを行えば、できることが大幅に増え、介護する側・される側双方の生活の質が上がることもしばしば。今回は介護リフォームを取り入れる時のポイントや制度、設置箇所や相場などをご紹介します。介護リフォームとはそもそも、自宅介護の際に検討される「介護リフォーム」とはどのようなものかご存知ですか。脳卒中や脳梗塞が有名な脳血管疾患は、介護が必要となる原因疾患の第1位と言われています。脳血管疾患から回復した人は体に麻痺が残ることが多く、ちょっとした段差であっても障害となることもあります。こうした生活の基盤となる自宅の障害を軽減するために行うリフォームを総じて、介護リフォームといいます。介護リフォームの具体的な例としては、手すりやスロープといった道具の設置による、自由度の向上があります。他にも、転倒防止のためにお風呂場を滑りにくいタイルにする、トイレの空間を広くするなどの空間の完備といった方法も含まれます。 介護リフォームのポイント自宅介護を行うからと、安易にリフォームに踏み込むことはおすすめできません。導入のやり方によっては、リフォームしたことを後悔したり、失敗したと感じてしまったりするケースも。リフォームを実施する前に、介護リフォームの際に押さえておきたいポイントをしっかりと理解しましょう。介助者される人の自立をサポートする環境に介護リフォームを行うそもそもの理由を忘れてはいけません。介護リフォームは介護を受ける人の自立度を上げたり、自宅内の危険を減らしたりして、安全安心に暮らせるようにするために行うものです。適切にリフォームするためには、今の自宅ではどこが危険なのか、どんな部分が不便なのかを専門家と話しながら把握することが大切です。リフォームを検討する時はまず、介護に関する専門家であるケアマネージャーに相談するのがおすすめです。介助者の視点もしっかり取り入れたリフォームに介護される側の目線に立ってリフォームを行うことは大前提ですが、それだけに留まっていてはいけません。介助をする側の目線も取り入れなければ、リフォームの成功には繋がらないものです。介助のしやすさを高めるためにリフォームを行い、介護の負担を減らすことも、介護リフォームの目的の一つです。例えば、トイレや廊下のスペースを広げるというリフォーム事例があります。これは、介助を必要とする人の動きやすさのためだけでなく、介助する人が安全に介助する動線を確保するためのリフォームでもあるのです。身体状況にあったリフォーム内容にする介護リフォームを行う場合、取り入れるアイテムや行う場所がパターン化されています。しかし、実際の導入に際しては、パターンどおりのやり方だけでは通用しないことがほとんどです。介助される人、介助する人にとって利用しやすいものや方法で導入しなければ、リフォームの成功には繋がりません。一つ例をあげてみていきましょう。手すりをつけるリフォームを行う場合、必要になるのは手すりのみで、設置したら終わりと考える人もいるでしょう。しかし、その手すり一つであっても、握りやすい直径・素材・形のものを選ぶ必要が出てきます。また、握りやすく安全性のもっとも高い高さに設置するなどの、細かな設計も求められるのです。長期的なプランでリフォームを行う介護リフォームを検討するタイミングは、介護が必要になった時がほとんどです。介護度に合わせてリフォームを行うことは、最低限必要なことだといえるでしょう。また介護が必要になる前、介護予防のためにリフォームを行う人もいます。そうした人も含めてリフォームをより成功させるポイントは、その後数年・数十年という単位でどんなサポートが必要になり得るのかを検討することです。今できていることがだんだんと難しくなることもあるからこそ、長期的なプランでリフォーム内容を検討することが大切になるのです。 介護リフォームで利用できる制度実際に介護リフォームを行う際には、まとまった費用が必要になります。介護や老後のために貯金をしているという人ももちろんいますが、お金の準備が難しい人もいるでしょう。そんな人に向けて介護リフォームを実施する人が利用できる制度が準備されていますので、詳しくみていきましょう。介護保険制度を利用する介護リフォームの際に利用できる制度の名前は「介護保険」です。介護保険は介護を必要とする人にサービスを利用するための費用を給付する公的保険です。介護保険で利用できるサービスのなかには、住宅改修に関するものもあり、条件に該当する人が指定されている住宅改修を行なった際には、費用が支給されると定められています。住宅改修が必要な理由書などを含めた書類と申請書を提出し、工事後に領収書などのリフォームにかかった費用がわかる書類を提出するのが、一般的な住宅改修による費用を受給流れです。やむを得ない事情がある場合を除き、リフォーム実施よりも先に申請する必要があります。支給限度基準額は、ひとり生涯で20万円まで。実際の支給額はその9割(18万円)が上限となります。要介護状態の区分が3段階以上重くなった場合や、転居した場合は、再度20万円までの支給限度基準額が設定されます。制度を利用できる対象者介護保険の住宅改修の給付金を受け取るためには、介護保険が適用される対象者である必要があります。介護保険では加入者を、65歳以上の人が該当する第1号被保険者と、40歳から64歳までの医療保険加入者に該当する第2号被保険者の2つに区分しています。第1号被保険者は原因を問わず、要介護認定または要支援認定を受けた時に介護サービスを受けられます。一方、第2号被保険者の場合は、老化に伴う特定疾患によって要介護・要支援認定を受けた場合にのみ適応されます。つまり、介護保険を利用するめには要介護認定または要支援認定を受けていることが大前提です。次に、介護を必要とする人の年齢が何歳であるのかを確認しましょう。64歳以下の場合は、特定疾患に該当するかどうかの確認をし、該当するようなら制度利用が可能です。利用できるリフォーム条件制度を利用できる対象者であるかどうかの確認を終えたところで、今度は制度の対象リフォームに該当するかを確認する必要があります。介護保険制度の対象となる住宅改修の種類は以下のとおりです。・手すりの取付け・段差の解消・滑りの防止および移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更・引き戸等への扉の取替え・洋式便所等への便器の取替え・その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修福祉用具・住宅改修(参考資料)|社会保障審議会 介護保険部会(第60回)より引用付帯して必要となる住宅改修の具体例としては、手すりや扉設置のための壁や柱の補強、便器取替えに伴う給排水設備の工事などがあげられます。一方で住宅改修に含まれないリフォーム内容としては、明記されている場所以外のリフォームはもちろんのこと、階段や段差へのリフト設置なども含まれます。 介護リフォーム場所と費用相場それでは、介護リフォームを行う場合の、場所ごとの相場を見ていきましょう。玄関のリフォームと費用相場玄関のリフォームでは、スロープの設置や手すりの設置など、段差へアプローチを行うリフォームが一般的です。スロープ設置はおよそ20万円程度から、手すりの設置は本数や使用する手すりの種類にもよりますが、6万円程度から行えます。トイレのリフォームと費用相場トイレのリフォームは実施できる箇所が多いため、どの程度リフォームするかによってリフォーム費用が大きく違ってきます。一般的なトイレリフォームで想像しやすい、和式から洋式トイレへの変更は18万円程度、すでにある洋式トイレにウォシュレットを取り付ける場合は7万円程度、新規で暖房やウォシュレットがある便器を付ける場合は15万円程度からが相場とされています。他にもトイレ内の手すり設置で5万円から10万円、トイレの扉の取替えに10万から20万程度かかる傾向にあります。お風呂のリフォームと費用相場お風呂のリフォームは他の場所に比べ一つ一つのリフォーム内容の価格が高い傾向にあります。浴室を大きくする際にはリフォーム後の大きさによるものの、40万円程度が相場となりますし、バスリフトの設置を考える場合は30万円程度が必要となる場合があります。他にも滑りにくい床材に変更するのに5万円程度、手すりの設置に5万円程度など、お風呂全体を快適にするとリフォーム代がかさんでしまう傾向にあります。階段のリフォームと費用相場階段でもっとも行われるリフォーム内容は、手すりの設置です。階段の状態によって安全に昇降するために必要とする手すりの本数や長さが変わってくるため、相場に幅がありますが、10万円から30万円と言われています。また、今ある階段に手すりをプラスする方法ではなく、階段自体を作り直し安全性を高めた緩やかな階段にするリフォームを行う人もいます。その場合は30万円以上が相場とされています。 必要な場所を賢くリフォームしよう介護が必要となった場合、長期に及ぶ場合も少なくありません。そうしたケースで自宅介護が必要になった時には、介護を受ける側・介護をする側の両方に配慮した住宅環境に変えて負担を減らすことも介護を続けるための大切なポイントとなります。介護リフォームには、公的介護保険制度が利用できるケースもありますので、介護者の負担を減らし、介護される側の自由度を高められる介護リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。 参考:必ず知っておきたい!介護リフォーム成功のための基礎知識住宅改修|熊本県八代市の介護用品・福祉用具レンタル・介護リフォーム|ケアパーク株式会社介護保険における住宅改修福祉用具・住宅改修(参考資料)公的介護保険制度の現状と今後の役割介護保険制度について介護リフォームのサポート体制について | 中井建設株式会社脳梗塞 | 生活習慣病の調査・統計 | 一般社団法人 日本生活習慣病予防協会
2019年01月23日現在、大学や企業では介護ロボットの開発が進められ、実際に介護施設などで利用されている事例も増えてきています。まだ始まったばかりの分野ですが、ここでは気になる「介護ロボット事情」をご紹介します。■ 介護職員不足をロボットで解決?現在、日本には約120万人の介護職員がいます。それに対して要介護者は約500万人。2025年には700万人にもなるといわれています。Mills / PIXTA(ピクスタ)職員のほうも同年には現在の倍にあたる253万人の介護職員が必要とされ、約38万人が不足するとされています。明らかな人材不足を背景に、政府も設けロボットの普及に努めています。現在、全国の施設の約3割で何らかのロボットが導入されています。ただ、ロボットは万能ではなく、人材不足を補うというのは少し無理があるように思われます。人が苦手なところを補うことで、人は本来の介護の質を高めていく、といった目的のために活用すべきでしょう。入居者の心の癒しや話し相手にまでロボットが利用されていますが、介護職員の仕事が人と向き合うことから遠ざからないよう注意する必要があります。■ 介護ロボットの活動分野は6つでは、実際にどのようなロボットが介護の現場で活躍しているのでしょうか。介護利用におけるロボットの活用分野としては、以下の6分野があります。移乗介助移動支援排泄支援見守り・コミュニケーション入浴支援介護業務支援移乗介助や移動支援、入浴介助では介護者の負担が大きくなりがちで、腰痛などを理由に介護職を離れる職員も少なくありません。Ushico / PIXTA(ピクスタ)ロボット導入により介護者の身体的負担を軽減することが可能となります。■ 失禁や離床時に知らせる見守りロボットも対応!見守り用ロボットは、施設で行っている夜間の巡回などを代わりに行ってくれ、必要なときのみ職員が対応することができるようになります。蒼 / PIXTA(ピクスタ)定期巡回のたびに起こされていた施設入居者が不必要に起こされず、朝までぐっすり眠ることができるようになります。また、定時でしかオムツ替えされずにいた入居者も排泄した時点で知らせてくれるロボットがあることで清潔保持に役立ちます。■ 人や物を無理なく持ち上げる筋力補助ロボットマッスルスーツ/株式会社イノフィス提供例えば、東京理科大学工学部の小林宏教授が開発した「マッスルスーツ」というロボットがあります。これは、人が装着して使うロボットです。着用者の背筋力をサポートし、筋力があまりなくても重量物の上げ下ろしを助けてくれます。動力はモータではなく、非常に強い力で収縮する、空気圧式の人工筋肉を使用します。介護者の負担の大きいベッドから車椅子への移乗に役立つロボットです。■ 認知症診断が家庭で簡単にできるロボット認知症は予防や早期発見によって進行を食い止めることができるといわれています。SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)しかし、病院へ行くのを嫌がり、診断が遅れることは少なくありません。そうした問題の解決策として、長崎大の小林透教授(情報工学)の研究グルーは人工知能(AI)を使って、認知症検査を行うロボットを開発しました。ロボットは高齢者役に質問を出し、答えてもらうことで約10分で診断が終了。結果はスマートフォンなどの端末に送信されます。kou / PIXTA(ピクスタ)診断には認知症検査の「改訂長谷川式簡易知能評価スケール」が採用されています。■ 今後の課題は費用と職員の意識ロボットの利用を控える要因として、やはり費用が考えられます。価格としては、比較的低価格なコミュニケーショロボットが数万円から数十万円、移乗支援ロボットが数十万円から数百万円と高額です。freeangle / PIXTA(ピクスタ)そのため政府は補助金制度を平成27年度に実施しましたが、申し込みが多すぎたようで、それ以後は実施されていません。現在は自治体で補助金制度を設けているのみです。今後は価格がいかに購入しやすいレベルにまで落とせるかがポイントとなるでしょう。介護ロボットの課題としては、価格をはじめ操作を覚えるまでに時間がかかること、費用対効果などがあります。年配の介護職員も多いため、介護ロボットの導入によってむしろ負担が増えてしまうのではという声も聞かれます。Graphs / PIXTA(ピクスタ)導入したはいいが、思うように効果が出ないとか、使いこなせず倉庫に眠ったままといったことにならないよう、職員全員の意思統一と導入後のフォローや計画的な活用を考えておくことが大切です。【参考】※株式会社イノフィスマッスルスーツとは?
2019年01月23日介護って大変です。介護によって疲れた人が親を殺すというような事件も、しばしばニュースで取り上げられています。事件にはならなくても、介護疲れからうつ病など精神的に追い詰められる人が多いことも問題です。介護には費用もかかります。平均すると1人を介護するために月額6万9千円が必要です。精神的な問題と金銭面を、行政のサービスを利用することでクリアしていきましょう。介護疲れの原因内閣府が発表している「平成29年版高齢社会白書」によると、2012年時点で65歳以上の7人に1人が認知症です。2025年には約5人に1人の割合で認知症になると予想されています。また、平均寿命の伸びに比べて、健康寿命の伸びが小さいという結果も出ています。平均寿命が伸びても、健康ではない状態が長くなるということですね。つまり、年々介護が必要な人が増えて行くだろうと予想されているのです。2017年に初めて、90歳以上の人口が200万人を超えました。90歳以上の方の子どもは、60歳以上になってもなお介護を続けなければなりません。場合によっては複数の介護をしなくてはいけない人もいるでしょう。施設で働いている人にも介護疲れがあるといわれるくらい、老人介護は大変です。それにもかかわらず、介護サービスなどを利用せず、1人で介護している人が多いことも、介護疲れになる原因です。介護疲れが原因で起こった事件介護疲れが原因で、ひどい場合は親を殺害してしまうという事件もニュースで見かけます。元アイドル歌手だった人が介護に疲れ、お母さんのそばで自殺をはかったニュースを覚えている方も多いのではないでしょうか。また、41歳の女性が認知症の実母を殺害した別の事件は、彼女が1人で介護をしていたために起こったものでした。家族が、介護サービスを利用することに反対していたということです。 介護疲れの症状とは?介護をしていて、次のような症状が起きたら介護疲れかもしれません。このような症状がある場合はできるだけ休んだり、気晴らしをしたりしましょう。それでも解決できないときは、カウンセラーなどの相談してみましょう。とにかくイライラする憂鬱な気持ちが続く疲労感や眠気がある意味もなく怒りが爆発するときがある。人に対して攻撃的になる。人と会うことや出かけることが億劫になる自分の好みに変化自分がつまらない存在だと感じる。悲しい気持ちになる。仕事の集中力がなくなる物忘れがひどい好きなことをするときにも集中力がない、楽しくない(本が読めない、編み物ができないなど)不眠症。なかなか眠れず、夜中に何度も目覚める。朝起きた時に体全体にだるさを感じる食べる気がしない、反対に過食をしてしまう髪を洗うのが億劫に感じる下痢を頻繁にする、動機やめまいを感じるなど、なんとなく体調が悪い認知症になりかけの頃は、攻撃的になる人もいます。ちょっとしたことでも文句を言ったり、相手をなじったりするので、心が痛むことも多いのです。介護をするというのは、肉体的な世話をする行為だけではなく、被介護者の精神的な問題を受け入れることでもあります。特に血の繋がりのある人の世話をする場合、気持ちがかなり落ち込むことになるので、気晴らしが必要です。 介護うつの症状とは?うつ病は、憂うつになり、食欲不振、不眠、性欲低下などが起きる心の病です。それだけではなく、吐き気や下痢などの肉体的な症状も現れる場合もあります。うつ病は、真面目で義務感が強い人や完璧主義で几帳面な人、常に周りの人への配慮を忘れない人に発症しがちです。介護が原因のうつ病を特に「介護うつ」と呼んでいます。介護疲れが重なるとうつ病になりやすいので、休憩できる環境づくりが大切です。介護うつの可能性があるかどうか、下のチェックリストを見てください。当てはまることがある方は、うつ病になりかけているのかもしれません。寝付くのに30分以上かかることがよくある毎晩のように目が覚めてその後眠れなくなる起きるつもりの時間より1時間以上早く目が覚めてしまう眠っても眠っても眠くてしょうがない。1日12時間以上眠っている悲しい気持ちになる食欲がない。ほとんど食べないが、たまに人が強く勧めたときにだけ食べるいつも食べたくてしょうがない。食べすぎて気持ち悪くなることもしょっちゅう体重が急激に増えたり、減ったりした集中力の低下。細かい仕事ができない、複雑な文章が読めないなど自分がつまらない人間に思えてしょうがない死や自殺について常に考えており、頭から離れない以前は興味のあったことに興味が持てない。趣味など全くないしなくてはいけないことが山積みされているが、やる気がしない頭の回転が鈍くなったようで、質問されてもすぐには答えられないそわそわした気分になり、じっと座っていることが苦痛になり、いきなり歩き回ってしまうことがある 介護疲れの対処法と考え方介護は家族全員で関わっていくべき問題です。本人の意向も尊重しなくてはいけません。そのため、親と兄弟全員でしっかり話し合う必要があります。特にお金の問題は重要です。介護疲れにならないためにも、介護サービスを利用する必要がありますが、そのための出費はどうするのかということも、前もって話し合っておきましょう。介護を仕事と両立させるには介護疲れから事件を起こした人の事例を見ると、介護のために仕事を辞めたことで、経済的に困った状態になった場合がほとんどです。介護は、お金で解決できる部分もあります。また、一人で老人と向き合いすぎることが、精神的にも追い詰めらる原因です。介護休業などの法律で定められた制度のほか、企業によっては法律を上回る「仕事と介護の両立支援制度」を定めているところもあるので、職場に問い合わせてみましょう。自分一人だけで介護をしないこと介護をするにあたって、ケアマネージャーに相談することは必須です。介護が大変になってからではなく、まだ余裕のあるうちにケアマネージャーとコミュニケーションをとってください。ケアマネージャーは、多くの事例を見ていますから、具体的なアドバイスをしてもらえます。金銭的なことも、どのくらいまでなら支払えるかを言えば、民間サービスも含めて使えるサービスを教えてもらえます。ケアマネージャーだけではなく、近所の人や家族ともコミュニケーションをとって、1人で頑張りすぎないようにしましょう。【ケアマネージャーとは】ケアマネージャーとは、福祉関係、または医療関係の実務経験が5年以上ある人だけが取得できる公的資格です。一般的には、ケアマネージャーと呼ばれていますが、「介護支援専門員」というのが正式名で、適切なケアができるようにコーディネートをしてくれます。国や行政、会社の制度を利用する国や行政のサービスには次のようなものがあります。●介護される人が利用できる制度訪問介護ホームヘルパーなどが、自宅まできて、入浴・排せつ・食事などを手伝ったり、家事をしたりしてくれるサービスです。デイサービスデイサービスは通所介護とも呼ばれ、専門施設に行って介護をしてもらえます。送迎もサービスに含まれ、食事や踊りなどのレクリエーションなどを楽しんで半日過ごします。介護者が介護から解放されるだけではなく、被介護者も友達を作れ、息抜きになるというのもメリットです。宿泊サービス病気になったとき、結婚式などで家を離れなくてはならないときに、被介護者が専門施設に宿泊できるサービスです。必要になったときに問い合わせるのではなく、いつでも使えるように、おおよその利用方法を知っておくと安心です。これらは介護保険で利用できるサービスの一例です。他にも介護保険適用外のサービス含め、さまざまな介護サービスが存在します。こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。>【保存版】介護サービスの種類と料金一覧表! 各サービスの特徴と選び方●介護する人が利用できる制度介護休暇など被介護者が急に病気になった場合など、介護休業または介護休暇を取れます。介護休暇は1年に5日(介護対象が複数の場合10日)、介護休業は93日を3回に分けて取れる休暇です。介護休業は2週間前に申請が必要ですが、介護休暇は当日電話で申請しても問題ありません。介護休業給付金を申請すれば、給料の67%が最長3ヵ月間支給されます。そのほか所定労働時間の短縮や所定外労働の免除などの特別措置もあるはずです。職場に問い合わせてみましょう。 介護疲れにならないように介護疲れになると、肉体的な問題だけではなく、精神的な問題も起こる可能性があります。介護の負担が原因で、うつ病になってしまう場合も多いのです。自分1人で抱え込まずに、自治体や民間のサービスを上手に利用したり、家族や近所の人の協力を得たりしながら介護を続けていきましょう。利用できるサービスがあるかどうか、ケアマネジャーに相談するのもおすすめです。 参考:在宅介護のお金と負担介護に疲れ67歳の母を絞殺した41歳娘の告白 | 家族の法廷から | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準90歳以上が初の200万人超、高齢化一段と総務省推計: 日本経済新聞統計局ホームページ/平成29年/統計トピックスNo.103 統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)-「敬老の日」にちなんで-/1.高齢者の人口中災防労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト厚生労働省仕事と介護両立のポイントQ&A~介護休業給付~ケアマネジャーとは? | 資格試験対策書 | 中央法規出版3高齢者の健康・福祉|平成29年版高齢社会白書(全体版) – 内閣府厚生労働省鬱病チェックシート国立研究法人森林研究開発機構介護のためのガイドブック働く女性における介護ストレスに関する研究・開発、普及
2019年01月22日車いすのまま乗り込める介護タクシー。病院やデイサービスへの外出が手軽にできるようになるサービスです。この記事では、東京で依頼できる介護タクシー会社をご紹介します。東京で依頼できる介護タクシー会社介護タクシーの依頼先は以下のふたつ。事業者複数事業者を束ねるグループ各種介護タクシーグループに所属している事業者は、グループの看板も背負っているという点で、安心できるひとつの判断基準にもなるでしょう。介護タクシーグループアイラス自費利用のみに対応している介護タクシーグループです。グループのコールセンターに申し出ることで特定事業者の指定も可能。配車可能台数は200台です。「アイラス会員カード」に申し込めば、原則利用総額の5%の割引が適用されます。運賃体系は距離制運賃が基本(時間制運賃は応相談で可能)。電話番号:0120-840-082(コールセンター)料金目安:初乗り2km770円、以降265mごとに90円加算の場合、2km1,490円、5km2,480円(予約料400円)予約受付時間:月~金 9:00~20:00 土9:00~18:00対応エリア:東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城>公式サイト全国介護タクシー協会全国各地の登録タクシー事業者を検索して予約できます。基本は完全予約制ですが、事業者によっては当日利用に対応しているところもあるため、急に必要になった場合にも便利。地域・事業者名のほか、「ストレッチャー」「リクライニング車いす」「無線配車対応」「助成スタッフOK」などの詳細条件を指定して検索できます。電話番号:検索後、各事業者に連絡料金目安:一般的なタクシー利用料と同等、各事業者により異なる予約受付時間:各事業者により異なる対応エリア:全国>公式サイト介護タクシーたまねっと介護保険適用外の介護タクシーに対応しています。完全予約制。予約料は無料です。病院への送迎待機、冠婚葬祭などでの時間制貸切運賃にも対応しています。看護師、ホームヘルパー、救急救命士の同情サービスも有料対応。早めに予約のうえ、ご相談くださいね。都区内・多摩・川崎市などの福祉タクシーチケットの利用も可能です。電話番号:0120-451-951料金目安:初乗り2kmまで710円~、以降284mごとに90円加算。迎車料金710円円~(初乗り運賃)、予約料無料予約受付時間:9:00~17:00(平日)対応エリア:23区、多摩、川崎(行き先は全国対応)>公式サイト一般社団法人福祉限定輸送協会介護保険利用サービスは適用外。複数の事業者を取りまとめている団体です。予約は電話のほか、希望日の3日前まではメールでも対応しています(電話推奨)。電話番号:0120-489-288料金目安:車いす利用の場合、基本料1,400円+タクシーメーター料金(予約料400円、乗降介助料1,000円含む)予約受付時間:9:00~18:00(平日)対応エリア:登録事業者対応エリア>公式サイト東京交通グループ介護福祉士、2級ヘルパーを取得したドライバーが運転する介護タクシーです。利用は通常タクシーと同体系。車いすやストレッチャー、酸素吸入器の有償レンタルあり。電話番号:042-397-3001料金目安:初乗り運賃730円+276mごとに90円加算(時間制は30分3,200円+30分ごとに3,200円加算)、時間指定予約料金400円予約受付時間:記載なし対応エリア:記載なし>公式サイト東京ケアタクシー予約制の介護タクシー事業者。車いすレンタルは無料。看護師、ヘルパーの付き添いも有償で対応しています。クレジットカード支払い可能。18時以降の利用には夜間料金が発生します。問い合わせや予約は電話のほか、お問い合わせフォームでも可能。新宿区民限定でリフト付きタクシーの運行に対応しています。>リフト付きタクシーの運行:新宿区電話番号:0120-100-386料金目安:初乗り750円(普通車710円)+272m(普通車288m)ごとに90円加算迎車700円待機料金10分ごとに500円付き添い料金10分毎に500円予約受付時間:記載なし対応エリア:記載なし>公式サイト 予約代行・相談窓口特定エリアの居住者に対し、介護タクシーの予約代行、相談を受け付けている窓口です。世田谷区福祉移動支援センター「そとでる」手数料無料で加盟団体100以上から介護タクシーを手配できるサービスです。利用対象は原則介護保険の要支援、要介護認定者や障害者手帳を所持している世田谷区民。「そとでる」に依頼することで、複数業者からまとめて利用見積りを取ることも可能です。電話番号:03-5316-6621料金目安:初乗り2kmまで710~730円、以降284~288mまたは1分45秒ごとに90円加算(中型車両)、予約料0~500円、迎車料300~770円または初乗り運賃※補助券で予約・迎車料免除予約受付時間:9:00~17:00(平日)対応エリア:世田谷区>公式サイト杉並区外出支援相談センターもび〜る介護タクシー選定の手伝いや予約代行のほか、外出に関する情報提供・相談を行なっているサービスです。利用者は原則杉並区在住・在勤・在学の方。区で使えるタクシー券や割引情報もサイトに掲載されています。電話番号:03-5347-3154料金目安:事業者による予約受付時間:9:30~17:30(平日)対応エリア:記載なし>公式サイト タクシー業者選びに困ったときは紹介業者を利用しよう介護タクシー業者の数は多く、個々の事業者に直接確認を取るのは大変です。どの事業者がいいのか迷ってしまう方もいるでしょう。ケアマネージャーや自治体などの相談窓口のほか、予約代行業者がお住まいの地域にないか確認してみることもひとつの方法です。予約に関わる負担を軽減させられますよ。
2019年01月17日車いすのまま乗り込め、通院・通所が可能な介護タクシー。専用ドライバーが運転してくれるため、安心して利用できるのがメリットです。この記事では、介護タクシーの利用方法や、適用できる福祉サービスについてご紹介します。介護タクシーとは介護タクシーとは、高齢者や障害者の方が利用するためのタクシーのこと。主に車いすやストレッチャーに乗ったまま乗降できる仕様になっています。介護タクシーの運転手は利用者の介助ができ、乗降のサポートなどにも対応しているのが特徴です。なお、介護タクシーと似たものに「福祉タクシー」がありますが、こちらは運転手が介護の資格を保有していないものを指すのが一般的。乗降のサポートなどに対応できない車いす対応のタクシーです。介護タクシーの運転手は、下記のような要件を満たすことが求められます。(1)福祉輸送自動車のうち、福祉自動車に乗務する者は、以下の①~⑤のいずれかの要件を満たすよう努めなければならない。① 社団法人全国乗用自動車連合会等が実施するケア輸送サービス従事者研修(以下「ケア輸送サービス従事者研修」という。)を修了していること。② 財団法人全国福祉輸送サービス協会が実施する福祉タクシー乗務員研修を修了していること。③ 介護福祉士の資格を有していること。④ 訪問介護員の資格を有していること。⑤ サービス介助士の資格を有していること。(2)福祉輸送自動車のうち、福祉自動車以外のセダン型等の一般車両に乗務する者は、以下の①~④のいずれかの要件を満たさなければならない。① ケア輸送サービス従事者研修を修了していること。② 介護福祉士の資格を有していること。③ 訪問介護員の資格を有していること。④ 居宅介護従業者の資格を有していること。一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)の許可等の取扱いについてより引用介護タクシーを利用するには予約が必要介護タクシーは、運転手が介護の資格を保有し、乗降の手助けを行うなど、一般タクシーとはサービスの内容が異なります。こうしたサービスの性質から、介護タクシーは完全予約制です。出先で拾うことはできないと認識しておきましょう。業者によっては当日予約が可能な場合もありますが、利用日がわかっていれば早い段階に予約しておく方が確実です。また、予約手数料やキャンセル料が必要となる業者もあります。 介護タクシーは介護保険でも利用可能介護タクシーは、諸条件を満たせば介護保険を用いて利用することが可能です。介護保険を使う場合の利用対象は、自宅・老人ホーム・ケアホーム・サービス付き高齢者向け住宅などで生活している高齢者や障害者のうち、ひとりで公共交通機関に乗車できない「要介護1~5」の人です。「要支援」認定の方は利用対象者ではありません。また、保険を適用する場合、介護タクシーの利用目的も限定されています。介護タクシーを利用できるのは、「日常生活、社会生活上必要な行為に伴う外出」だけ。具体的には、以下のような外出を指します。<日常生活、社会生活上必要な行為に伴う外出>通院補装具、補聴器、メガネなど、本人の外出が必要な買い物預金の引き出しなど金融機関での諸手続き選挙市役所など、公的機関や役所での申請・手続き(本人が行く必要のあるもの)介護関係施設の見学介護保険利用の際の注意点介護タクシーの利用料が保険適用されるのは、「日常生活、社会生活上必要な行為に伴う外出」のみ。そのため、いくら利用者が対象者であったとしても、趣味や仕事のための外出では介護保険が使えません。また、介護タクシーに付随する乗降介助を利用する際には、以下の注意が必要です。家族の同乗は原則不可介護保険を用いる場合、介護タクシーの利用は運転手による介助を行なうことが求められています。家族が同乗する場合は介助者がいると見なされるため、サービスの利用の必要性がないと判断されるのです。ただし、市町村が特別な事情があるとした場合は、家族が同乗したうえで介護保険の適用が認められることもあります。介護タクシーのサービス内容が「通院等の乗降介助」ではなく「身体介護」「生活援助」扱いになることがある「外出前後の介助に20~30分以上の時間がかかる場合」や、「外出前後に入浴や食事など移動以外の身体介護が含まれる場合」「外出中に買い物などの生活援助が含まれる場合」など、内容によって「身体介護」「生活援助」の扱いになることがあります。介護保険の単位数はどのサービスとされるかによって異なるため、覚えておきたいポイントです。運転手による病院内の付き添いは原則不可病院内の介助は、運転手ではなく病院側のスタッフが対応することになっています。ただし、これも以下のような例外があります。病院内の移動に介助を要する場合認知症など、見守りが必要な場合排泄に介助が必要とされる場合介護タクシー運転手による病院内介助の判断は各市町村によって異なるため、確認が必要です。 介護タクシーの料金一般タクシーと同程度のメーター料金が適用されている介護タクシー事業者が一般的。また、事業者独自の「時間制運賃」や「距離性運賃」により料金の徴収をしているところもあります。<時間制運賃>30分ごとに1,000円、またははじめの30分のみ500円+以降30分ごとに2,000円追加など<距離性運賃>はじめの2km750円+以降1kmごとに300円など保険外で利用する際には利用目的に制限はありません。そのため、観光向けの貸切料金体系を組んでいる事業者や、待機料が必要になるところもあります。予約料も、無料~500円程度までと事業者によって設定が異なります。介助にかかる費用通院等の乗降介助は自己負担1割。1回につき約100円で利用可能です。1往復で、行き、帰りと2回の利用となります。介護保険外で利用する際の介助費用は、全額自己負担です。室内での介助や乗降介助、外出時の付き添いや病院内介助など、利用したいサービスごとに料金が加算されます。<介助料金目安>室内での介助:1,000円乗降介助:500~1,500円外出時の付き添い:1,200円病院内での介助:30分間900円乗降介助の料金は乗降スタイルによって異なります。また、車いすやストレッチャーなどの介護器具、酸素吸入器などの医療機器をレンタルする場合、レンタル費用も必要となります。 介護タクシーの選び方介護タクシーを選ぶ際のポイントは、以下の3つ。透明なタクシー料金設定運転者の技量の担保運転者の人柄介護保険を使用して介護タクシーを利用する際は、ケアマネージャーが介護タクシー事業者を紹介してくれます。ケアマネージャーの紹介は保険が適用されない場合でも受けられるため、自己判断が難しい場合は業者の紹介を受けた方が安心です。自分で介護タクシー業者を探す場合は、以下のポイントをきちんと伝えて対応の可否を確認し、料金の見積りをしてもらいましょう。乗車スタイル(車いす・ストレッチャーなど)付き添いの有無、人数本人の健康状態、病気の症状医療機器使用の有無階段、段差での介助単純な移動手段のみで介護タクシーを利用したい場合は、地域の介護タクシーや福祉タクシー業者をインターネットで調べてみましょう。自治体ホームページを確認することもおすすめです。 介護タクシー業者を紹介多地域展開されている介護タクシー事業者グループを3つご紹介します。関東、関西ともに利用料金に大きな違いは見られません。なお、3つ目の「全国タクシー協会」は加盟事業者ごとに詳細内容が異なります。【関東】介護タクシーグループアイラス>公式サイト東京・神奈川・千葉・埼玉・千葉県で介護タクシーサービスを展開している事業者です。完全予約制で、介護保険を使用した利用には対応していません。タクシー数は200台。アイラスの会員に入会すると、総額の5%の割引サービスを受けられます。自治体が発行している福祉タクシー券、タクシー補助の利用も可能です。電話番号:0120-840-082問い合わせ時間:月~金9:00~20:00土9:00~18:00介護タクシー利用可能日:365日料金料金体系:距離制(時間距離併用制)、時間制の2種予約料:400円距離制時:迎車料金の初乗り2km770円を「実車扱い」とし、2km超過時よりメーターは停止。265m走行ごとに90円、時速10km以下の走行時間は1分35秒ごとに90円が加算。時間制時:最初の1時間4,850円、以降30分ごとに2,230円が加算※ともに車両により異なる機器利用料車いす:無料リクライニング車椅子:2,000円ストレッチャー:4,000円【関西】一般社団法人 近畿ケア輸送協会>公式サイト大阪市内のほか、北摂地区を営業拠点とする介護タクシー企業数社が集まっている、企業協同組合です。ドライバーは全員介護講習を修了しているプロドライバー。タクシー台数は50台です。自治体発行の各種タクシー券の利用が可能。(事前問い合わせが必要)予約制です。電話番号:06-6863-8550090-7341-9214問い合わせ時間:月~土8:00~17:30介護タクシー利用可能日:記載なし料金料金体系:距離制、時間制の2種予約料:記載なし距離制時:小型車:2kmまで660円、以降296mごとに80円加算中型車:2kmまで680円、以降266mごとに80円加算大型車:2kmまで700円、以降228mごとに80円加算時間制時:小型車:最初の1時間4,300円、以降30分ごとに2,150円中型車:最初の1時間5,040円、以降30分ごとに2,520円大型車:最初の1時間5,660円、以降30分ごとに2,830円機器利用料車いす:記載なしリクライニング車椅子:1,000円ストレッチャー:3,000円全国タクシー協会>公式サイト全国の加盟タクシー事業者を検索可能。完全予約制です。「ストレッチャー」「リクライニング車いす」「無線配車対応」「女性スタッフ」など、希望条件に合わせて検索できます。電話番号:加盟事業者ごと問い合わせ時間:加盟事業者ごと介護タクシー利用可能日:加盟事業者ごと料金:加盟事業者ごと(※一般タクシーと同程度)予約料:記載なし機器利用料:加盟事業者ごとに異なる民間タクシーサービスは全国各地に存在民間の介護タクシー事業者は全国各地に数多く存在しています。自治体の窓口に問い合わせるほか、「全国タクシー協会」や「一般社団法人日本福祉医療輸送機構(JWMTO)」など、取りまとめる団体に参加しているところから選ぶのもひとつの方法です。一般社団法人日本福祉医療輸送機構(JWMTO)参加団体一覧 安心して利用できる介護タクシー事業者を探そう介助が必要になるシーンも多い介護タクシー。安心して任せられる事業者を選ぶことが大切です。信用がおける介護タクシー事業者と出会うことで、高齢者や障害者が外出も楽しめる生活を送れるでしょう。 参考:【はじめての方へ】介護タクシーの料金と利用方法について|LIFULL介護(旧HOME’S介護)一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)の許可等の取扱いについて|国土交通省
2019年01月16日介護保険サービスのひとつに、住宅改修費用の支給制度があります。高齢者の自立や介護の利便性向上にとって、住宅環境はとても大切なもの。制度を上手に利用して、住宅改修費用の負担を減らしたいですね。ここでは、介護保険で住宅改修費用を申請する方法や支給金額、対象範囲について解説。対象・対象外が判断しづらい事例も、Q&A形式でまとめました。介護保険による住宅改修制度とは?介護保険による住宅改修とは、高齢者が住み慣れた自宅で介護を受けながら生活し、できるだけ自立できるように、住宅改修の費用を一部給付する制度です。主に、福祉用具を導入するために必要な段差の解消や手すりの設置などの工事を給付の対象としています。給付を受けられるのは、要介護または支援認定を受けた人。住宅の改修は個人資産の形成につながることや、持ち家と賃貸住宅との間で受けられる利益に差が出てしまうことなどに配慮して、給付対象は小規模なものに設定されています。対象となる改修の範囲給付の対象となる改修の範囲は、需要が多く、なおかつ比較的小規模な工事に限られます。主なものは、次のとおりです。手すりの取付け転倒予防や移動・移乗を補助する手すりの取付け工事(例:廊下・トイレ・玄関・浴室など)段差の解消部屋と部屋の間の段差や傾斜を解消する工事(例:敷居を低くする・スロープの設置・浴室の床のかさ上げなど)床や通路面の材料の変更滑り防止や移動の円滑化などのための、床や通路面の材料変更工事(例:畳からフローリングへ・浴室の床を滑りにくい材質にするなど)扉の取り替え扉を開きやすいものに取り替える工事。(例:開き戸を引き戸へ・ドアノブの取り替え・戸車の設置など)便器の取り替え便器を使用しやすいものに取り替える工事(例:和式便器を洋式便器へ)上記の住宅改修に付帯する改修上記の工事に必要な下地の補強や設備の改修など対象外の改修工事は?高齢者が暮らしやすいようにするための改修でも、次のようなものは支給の対象外です。すでにある洋式便器への暖房機能や洗浄機能の付加トイレの水洗化または簡易水洗化トイレ内の手洗い・収納棚・暖房機設置などの設置浴室の水栓金具・タイル・洗面台などの取り替え脱衣室への腰掛け台設置廊下や階段、玄関スロープなどへの足元灯設置階段昇降機の設置など似たような工事でも支給対象となるものとならないものに分かれています。改修を検討するときには、専門家や自治体の担当窓口などに、あらかじめ確認しましょう。 介護保険による住宅改修費用の支給限度額介護保険による住宅改修の対象となる工事費用の上限(支給限度基準額)は要介護・要支援ともに、一律20万円。自己負担の割合は、介護保険サービス利用料の自己負担割合によって、1割から最大3割までです。つまり、支給額の上限は、【1割負担の場合:18万円・2割負担の場合:16万円・3割負担の場合:14万円】となります。住宅改修費用の支給限度基準額は、ひとりあたり、生涯で20万円までです。ただし、次のような場合には、再び20万円までの支給限度基準額が設定されます。要介護状態区分が3段階以上重くなったとき転居したとき 介護保険による住宅改修の流れ介護保険を利用して住宅改修を行う場合の、基本的な流れは次のとおり。ケアマネジャーなどに相談施工事業者を選択見積もりを依頼市町村へ事前申請市町村が内容を確認して結果を通知改修工事施工完成・施工業者への支払い市町村へ改修費の支給申請支給額決定・支給以下で、申請のタイミングや、必要なものを見ていきましょう。申請のタイミング申請のタイミングは必ず、事前申請は【工事の前】、支給申請は【工事の後】です。介護保険による住宅改修費の支給を受けるためには、事前申請が必須です。事前に申請をしていない場合、支給を受けることができないため注意しましょう。自治体によっては、「着工日の10日~1週間前をめやすに」など、時期の指定がある場合も。お住まいの市区町村に確認してください。事前申請を工事前に行うことによって、各市区町村は提出書類などをチェックし、保険による給付の対象となる改修かどうかを前もって判断。申請者に結果が知らされます(事前申請が通っても、改修後に必ず支給されるわけではありません)。事後申請は、工事の後、支払いを終えてから行います。領収日の翌日から2年で無効となるため、早めに手続きを済ませましょう。事後申請時にも改めて審査が行われ、工事が適切であると認められれば、支給額が振り込まれます。振り込み時期は、事後申請から2ヶ月後の月末がめやすです。事前申請の提出書類事前申請に必要な書類は、次のようなものです。支給申請書複数の事業者の工事費見積り書(国が定めた「住宅改修の見積様式」を基準としたもの)住宅改修が必要な理由書(介護支援専門員や地域包括支援センターの担当職員、町村が行う福祉用具・住宅改修支援事業などの相談、助言などを行っている福祉・保健・医療・建築の専門家などが作成したもの)住宅改修後の完成予定の状態が分かる書類(日付入り写真、住宅の間取り図など)ただし、やむを得ない事情がある場合は、一部書類を住宅改修が完了した後に提出できる場合も。「やむを得ない事情」とは、退院後の生活環境を整えるために、入院中に早急に改修を行わなければならない場合などです。また、必要な書類は自治体によっても異なることがあるため、事前に確認をしたうえで、書類を揃えましょう。改修費の支給申請の提出書類事後申請では、次のような書類が必要です。住宅改修費用の領収書工事費の内訳書工事完成後の状態が確認できる書類(改修前・改修後それぞれの撮影日がわかる写真)住宅の所有者の承諾書(所有者が申請者と異なる場合)また、こちらも自治体によって必要な書類が異なる場合があります。あらかじめ確認しておくとよいでしょう。 対象?対象外?介護保険による住宅改修のQ&Aここからは、介護保険による住宅改修費用の支給が受けられる事例、受けられない事例について、Q&A形式で見ていきましょう。Q:本人の入院中に介護保険の住宅改修はできる?A:入院中であっても退院を前提に改修を行う場合には、退院後に支給の申請をすることができます。あらかじめ市区町村に事情を伝え、必要な手続きの確認をとりましょう。退院の予定がない、退院できなくなったといった場合には、住宅改修費は申請できません。Q:子供の住宅を介護保険で改修できる?A:介護保険による住宅改修は、介護保険証の住所地の住宅のみが対象です。そのため、住所地が子供の住宅に移されていなければ、支給対象外となります。Q:自分で住宅改修をするのは支給対象?A:本人が材料を購入し、本人や家族が自ら工事を行った場合、材料の購入費が支給対象となります。家族が工務店を営んでいるような場合も、材料費のみ支給対象となり、工賃は支給対象外となります。Q:開きにくい引き戸を新しくする工事は支給対象?A:引き戸の開閉をしやすくする目的での取り替えは、支給対象となります。単に古くなった引き戸を新しくしたいという理由での受給はできません。Q:浴槽交換は支給対象?A:高齢者の入浴の自立や、入浴介助に適した形状(高さ・深さ・床との高低差)の浴槽に交換する場合、浴槽の縁も「段差」と考え、支給対象となります。 対象や申請の手順を知ってスムーズな制度利用を介護保険による住宅改修の対象となる工事の範囲は、手すりの取り付けや段差の解消など小規模なものに限られています。また、支給限度基準額も20万円と、そこまで高額ではありません。しかし、高齢者が暮らしていくのに必要なちょっとした設備を整えるのに、費用負担が減らせるのはありがたいもの。対象範囲をきちんと把握して、賢く利用したいですね。支給を受けるためには、事前・事後の申請が必須です。手続きについても、流れのチェックをお忘れなく! 参考:福祉用具・住宅改修WAM NET・介護予防住宅改修・住宅改修・介護サービス関係Q&A 一覧「居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について」の一部改正について介護保険における住宅改修|公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター住宅改修費の支給について|茅ヶ崎市住宅改修費の支給|鹿児島市住宅改修申請の流れ/甲賀市住宅改修費支給申請 | 瑞浪市介護保険による住宅改修費の申請 – 弘前市やむを得ない事情がある場合の手続きについて|栗東市役所長寿福祉課介護サービス関係 Q&A集|厚生労働省
2019年01月15日介護保険サービス利用料の自己負担割合は、収入により、1割から3割で決まることをご存じですか?さらに、割合が夫婦で違う場合もあるのです。ここでは、介護保険サービス利用料の負担割合の計算方法は?割合は変更できる?などの疑問について解説します。介護保険サービスを利用する場合の利用者負担割合介護保険サービスを利用する際の利用料の自己負担割合は、かかった費用の1割が基本。「本人所得」「世帯収入」「世帯人数」などの要件を満たす人は、2割、または3割の負担が必要です。以前は負担割合の上限は2割でしたが、厚生労働省による見直しが行われ、2018年8月から新たな制度がスタート。「現役並みの所得がある人」の負担割合が3割になりました。なぜ負担割合の見直しが行われたかというと、「世代内・世代間における負担の公平性を保つ」「負担能力に応じた負担を求める」というのが理由です。また、課せられた負担割合にかかわらず、居宅サービスの1ヶ月あたりの利用限度額を超えた部分については、全額自己負担が基本です。《利用限度額》要支援1:50,030円要支援2:104,730円要介護1:166,920円要介護2:196,160円要介護3:269,310円要介護4:308,060円要介護5:360,650円ただし、負担が大きくなりすぎないように、所得に応じた軽減措置が設けられています。負担割合が変更になる場合次のようなケースでは、1度認定された負担割合の適用期間中であっても、負担割合が変更されます。申告所得が変更された場合確定申告の修正申告などで、本人や世帯の方の所得が変更され、負担割合の区分が変わるケース。適用期間開始日直近の8月まで(新規認定では認定開始日まで)さかのぼって、負担割合が変更されます。世帯の方の転出入があった場合世帯の方の転入や転出、死亡などによって負担割合の区分が変わるケース。転出入などが発生した翌月の初日(該当日が1日の場合は当月)から、負担割合が変更されます。 利用者負担割合を決める本人所得・世帯収入の基準介護保険サービス利用料の負担割合は、前年の、「本人個人の所得」と「世帯収入」「世帯の人数」で決まります。そのため、夫婦間で負担割合が違うケースもあることを覚えておきましょう。以下に、負担割合ごとの基準をまとめます。負担割合が1割のケース負担割合が1割となるのは、次の基準に当てはまる人です。第2号被保険者(40歳以上65歳未満)市区町村民税非課税の方生活保護受給者第1号被保険者(65歳以上)のうち本人の合計所得金額※が160万円未満の方本人の合計所得金額が160万円以上220万円未満かつ年金収入とその他の合計所得金額※2の合計額が単身世帯:280万円未満2人以上世帯:346万円未満の方※合計所得金額:公的年金等控除や給与所得控除・必要経費・長期譲渡所得及び短期譲渡所得に係る特別控除を控除した後の所得金額(基礎控除、人的控除などの控除をする前)※2その他の合計所得金額:合計所得金額-年金の雑所得負担割合が2割のケース以下に当てはまる場合は、負担割合は2割となります。第1号被保険者(65歳以上)のうち本人の合計所得金額が160万円以上220万円未満かつ年金収入+その他の合計所得金額の合計額が単身世帯:280万円以上2人以上世帯:346万円以上の方本人の合計所得金額が220万円以上かつ年金収入+その他の合計所得金額の合計額が単身世帯:280万円以上340万円未満2人以上世帯:346万円以上463万円未満の方負担割合が3割のケース65歳以上で「現役並みの所得がある人」は、負担割合が3割となります。“現役並み”の判定基準は、高齢者医療の窓口負担割合と同じです。第1号被保険者(65歳以上)のうち本人の合計所得金額が220万円以上かつ年金収入+その他の合計所得金額の合計額が単身世帯:340万円以上2人以上世帯:463万円以上の方 自分の負担割合は「負担割合証」で確認する介護保険サービス利用料の自己負担割合は、市区町村が交付した「介護保険負担割合証」に記載されています。負担割合は前年の所得を受けて認定されるため、介護保険負担割合証が交付されるのは、例年6~7月ごろ。新規で要介護・要支援認定を受けた方には、認定結果の通知と同時に交付されます。また、負担割合の変更があった場合の再交付は、変更が必要な事実が確認された翌月に行われます。有効期限は、認定された年の8月1日から翌年7月31日までです。介護保険サービスを受けるときには、介護保険負担割合証を介護保険被保険者証とともに、サービス事業者や施設に提出する必要があります。負担割合を確認したあとも、大切に保管しましょう。 介護保険サービス利用料の自己負担の軽減措置介護保険サービス利用料の自己負担割合は、1割から3割が基本。しかし、次のような場合には負担の軽減措置を受けることが可能です。所得や資産が一定基準に満たない1ヶ月の利用料が高額になった軽減措置の内容は、次のような所得の区分に応じて設定されています。【第1段階】生活保護者等または世帯全員が市町村民税非課税かつ老齢福祉年金受給者【第2段階】世帯全員が市町村民税非課税かつ本人の公的年金収入額+合計所得金額が80万円以下【第3段階】世帯全員が市町村民税非課税かつ本人の公的年金収入額+合計所得金額が80万円を超える【第4段階】市区町村民税課税世帯現在設定されている軽減措置は、次の3種類です。特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)介護保険施設に入所している方のうち、所得区分が第1段階から第3段階の方が受けられる軽減措置。所得区分や施設の種類、部屋のタイプなどによって設けられた「負担限度額」を超えた部分の、居住費と食費が介護保険から支給されます。適用を受けるためには、市区町村に「負担限度額認定」の申請が必要です。高額介護サービス費所得区分が第1段階から第4段階までの方に適用される軽減措置。市区町村への申請が必要です。世帯や個人の自己負担額(福祉用具購入費など一部サービス料金を除く)の合計額が、所得に応じて区分された上限額を超えた場合、超過分が介護保険から支給されます。高額医療・高額介護合算制度同じ医療保険の世帯内で、医療保険と介護保険の両方で自己負担が発生した場合に適用される制度。市区町村への申請が必要です。合算後の負担額が年間の負担限度額を500円以上越えた場合に、軽減措置が受けられます。 自己負担割合は最大3割に変更 基準の確認を介護保険サービス利用料の自己負担割合は、平成30年8月より、従来の1~2割から、最大3割に変更されました。割合の計算には被保険者本人の所得が関係するため、夫婦で負担割合が違うことも。また、適用期間内の変更もあり得ることを覚えておいてください。所得やサービス利用状況により負担が重くなった場合には、市区町村へ申請することで負担軽減措置が受けられる場合もあります。自己負担割合の計算方法や負担軽減の制度を知って、無理なく介護サービスを利用しましょう。 参考:サービスにかかる利用料 | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」厚生労働省|平成30年8月からの介護サービス利用時の負担割合の変更について介護サービスの利用者負担と負担割合証について|東京都北区介護保険負担割合証が交付されます | 高齢介護課 | 今治市
2019年01月09日寝起きが辛くなったり自宅介護が必要になったりしたら、用意したいのが介護ベッドです。購入するほか、介護用品(福祉用具)サービスでレンタル可能。介護保険が適用できれば利用するハードルが下がります。本人、世話をする家族ともに、体の負担を軽減させられますよ。この記事では、介護ベッドの入手方法と選び方、おすすめのレンタルサービスをご紹介します。介護ベッドレンタルは介護保険が適用される介護ベッドのレンタルは、所定の条件を満たしている場合、介護保険が利用できます。介護保険を利用した場合、自己負担額はレンタル費用の1~3割(所得により変動)。安価に借りられるのがメリットです。なお、介護保険の適用はレンタルのみ。購入には適用されません。ここでは、介護保険適用の条件についてご紹介します。介護ベッドは「福祉用具貸与」の対象介護ベッドは、国が介護保険により貸与できるとしている「福祉用具」に含まれます。福祉用具とは、要介護者の日常生活の便宜を図るための用具のこと。利用者が自宅で自立した生活を送るための補助に必要なものが、対象品となっています。介護保険適用の条件対象要介護度は2~5。福祉用具専門相談員が利用開始まで関与します。レンタル対象品目のうち、「特殊寝台」が介護ベッドを指します。また、特殊寝台付属品もレンタル対象です。<特殊寝台付属品>マットレスサイドレールベッド用クリップ軽度者には「例外給付」がある介護ベッドの介護保険適用条件は要介護度2~5。しかし、この介護度に合致しない軽度の要介護者であっても、医師の判断により、市区町村が認めた場合は、例外的にレンタルが可能になることがあります。<認められる場合>疫病などにより状態が変動し、日や時間帯によって福祉用具が頻繁に必要になる人末期ガンなど、状態が急速に悪化することが考えられ、短期間に確実に福祉用具が必要になると見込まれる人疫病などにより、身体への重大な危険性、症状の悪化の回避など、医学的判断から福祉用具が必要だと認められる人<例外給付を利用する場合>例外給付の対象となる場合は、ケアマネージャーに相談したうえで、市区町村に届出を出す必要があります。 介護ベッドの選び方介護ベッドを選ぶ前に大切なポイントは、本人や家族が、今後どのような在宅生活を送りたいかをイメージしておくこと。本人の身体状況や自宅環境を考慮したうえで考えてみましょう。たとえば、寝起き、立ち上がりのサポートを求める場合と、すでに寝たきりでベッド上で過ごす時間が大半である場合とでは、必要となる介護ベッドの機能が異なります。立ち上がりサポートがほしい場合:身体機能に応じたベッドの高さ調整が可能なものがおすすめ寝たきりの場合:背もたれ部分を上げる機能、高さ機能がついているものがおすすめまずは福祉用具相談員へ相談を介護ベッドのレンタルを検討する際は、介護保険の適用有無を問わず、ケアマネージャーに相談することから始めましょう。また、医師や看護師、理学療法士といった医療のプロのアドバイスを受けることもおすすめです。利用者の状態によって適した介護ベッドは異なるため、その人にとって良いものを選ぶことが大切です。 介護ベッドのレンタル方法介護ベッドをレンタルする場合の流れは、以下の通りです。(介護保険適用時)ケアマネージャー・地域包括ケアセンターへ相談ケアプランの作成面接(インテーク)、現状の利用対象者の思いや身体状況、家族の思いなど情報の把握福祉用具サービス計画書の作成、ベッド選定、提案ベッド納品、確認利用者、家族への説明、同意レンタル開始レンタル後は、福祉用具専門相談員が定期的にメンテナンスやアフターサービスを実施。必要に応じてベッドの変更も可能です。介護保険が適用されるのは「福祉用具貸与事業者」のレンタルのみ介護保険を利用する「福祉用具貸与サービス」を提供できるのは、自治体指定の「福祉用具貸与事業者」のみです。指定業者には「福祉用具専門相談員」が配置されているため、選ぶ際のサポートもしてもらえます。介護ベッドをレンタルするならダスキンヘルスレントダスキンが行なっている介護ベッドレンタルサービスです。大手介護ベッドメーカーの介護ベッドをはじめ、複数種類の介護ベッドを用意しています。自費利用の場合、レンタル料金は月9,000円前後から。>公式サイトフランスベッド2018年9月時点で累計約40万人にレンタルされている、日本初の療養ベッドレンタル業者です。最短で翌日にレンタル可能。専門資格保有者が一緒に選んでくれるのも強みです。介護保険適用者はフリーダイヤル、最寄営業所で、自費レンタルを希望する方は「介護レンタル.com」から手配できます。>公式サイト 介護ベッドのレンタル・購入に医療費控除は使用不可介護ベッドは、レンタル、購入を問わず医療費控除の対象外となります。介護において医療費控除が使えるのは「サービス」であり、介護用品は控除に当てはまらないことが原則であるためです。 介護負担の軽減のためにも、介護ベッドの導入を検討しよう「介護ベッドさえあれば自分で起き上がれる」「背もたれがあれば座っていられる」など、要介護者の身体状態は人それぞれ。介護ベッドを利用することで家族の手を借りずに済むことは、本人・家族ともに心身が楽になることでしょう。自宅環境、身体状況に合わせた介護ベッドを導入することで、本人・家族が快適に過ごせる状態を整えましょう。 参考:福祉用具貸与(参考資料):厚生労働省No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービスの対価|国税庁介護保険と福祉用具|一般社団法人全国福祉用具専門相談員協会介護ベッド(特殊寝台)選びのポイント|ダスキンヘルスレント【はじめての方へ】福祉用具をレンタルするときに知っておきたいこと|LIFULL介護(旧HOME’S介護)
2019年01月08日帰省で久しぶりに実家の両親に会うと、老いを感じてハッとさせられることがあります。介護の問題は誰にでも起こりうるものです。もしも介護が必要になったとき、何から手をつければいいのでしょうか。介護のエキスパートで関連著書も多い中村さんの記事から、“これだけは知っておきたい”介護に関するお役立ち記事を3本まとめてご紹介します!■ 1.認知症のリスクは誰にでもある!しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)少子高齢化が進む日本では、介護の問題は決して他人事ではありません。内閣府の調べでは2012年の認知症高齢者数は462万人。これは、65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症であるということを意味します。2025年には認知症高齢者数がさらに増えると予測されており、約5人に1人になるともいわれています。また、認知症は高齢者だけの問題ではなく、64歳以下の「若年性認知症」も増加傾向にあります。家族のみならず自分を含めて、誰でも認知症になるリスクを負っていると考えた方がいいでしょう。Ideya / PIXTA(ピクスタ)認知症の初期症状や、放っておくと危険な落とし穴とは?もしも認知症だと分かったときの相談窓口など、今のうちから知識を深めておきましょう。詳しくは記事をチェック!2025年には5人に1人が認知症に!介護問題って何から始めればいい?■ 2.“いい嫁”が「介護うつ」になりやすい!bee / PIXTA(ピクスタ)介護をしている家族が「介護うつ」になってしまうケースがあり、ニュースで事件として報道されることもあります。介護を行うときは負担を抱え込み過ぎないように注意することが大切です。高齢の家族に介護が必要になったとき、誰が中心となって介護を行うかというと、「嫁」であることがほとんどです。「親を介護するのは長男の嫁の努め」という昔ながらの固定観念が、いまだに残っているのかもしれません。KY / PIXTA(ピクスタ)“いい嫁”になろうとひとりで舅・姑の介護に勤しむと、「介護うつ」になる危険性が高まります。こちらの記事では、介護の負担を一人で背負わず、家族や外部に上手に分担する方法をお伝えしています。詳しくは記事をチェック!親の介護ではいい嫁になるな!妻が「介護うつ」にならない方法6つ■ 3.働きざかりで若年性認知症になったら?nonpii / PIXTA(ピクスタ)2018年10月から放送されたTBSのドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』では、若年性アルツハイマーがテーマに取りあげられました。主人公は女性医師で、34歳の若さでアルツハイマーを発症してしまいます。これは特殊なケースのように思われますが、若年性認知症の患者は約4万人もいるのが現実です。体力もあり働き盛りの頃に認知症にかかってしまったら、家族や仕事は一体どうなるのでしょうか。タカス / PIXTA病院や自治体から受けられる支援や、働き続けながら病気と上手く付き合っていくためのアドバイスをお届けします!詳しくは記事をチェック!ドラマ『大恋愛』のケースは現実にもある!若年性認知症の実態って?
2019年01月05日生活するうえで介護や介助が必要となったときには、「介護サービス」の利用を検討する必要があります。とはいっても、介護サービスにはどのようなものがあるのか、イマイチ情報が整理しきれない!という方も多いでしょう。そこでここでは、介護サービスの例と料金のめやすを、「介護保険サービス」と「保険外介護サービス」に分けてまとめました。ぜひ、サービス選択の足掛かりにしてください。「介護保険サービス」と「保険外介護サービス」介護サービスには、公的介護保険を利用して受けられる「介護保険サービス」と、それ以外の「保険外介護サービス」があります。最近では、介護保険サービスと保険外介護サービスを組み合わせたサービス提供(混合介護)も推進され、提供時のルールが整えられ始めています。介護保険サービスとは介護保険サービスとは、介護保険加入者が、介護が必要な状態になった際に受けられるサービスのこと。対象となるのは、65歳以上(介護保険第1号被保険者)で、要介護(支援)認定を受けた方40歳~64歳(介護保険第2号被保険者)で、介護保険法に定める「特定疾病」により要介護(支援)認定を受けた方です。要介護(支援)度により受けられるサービスの種類や、利用できる金額の上限(利用限度額)が異なります。介護保険による費用の給付が受けられるため、利用者の自己負担はかかった費用の1~3割(所得などにより異なる)に抑えられます。保険外介護サービスとは保険外介護サービスとは、介護保険で利用できるサービス以外の介護サービスのこと。自治体や民間の介護事業所が実施している高齢者向けの福祉・生活支援サービスをいいます。介護保険給付の対象外のため、費用は基本的に全額自己負担。そのため、「私費サービス」「自費サービス」とも呼ばれます。 主な介護保険サービスの内容・利用料介護保険サービスのサービス例と利用料金の例をみていきましょう。介護保険サービスは大きく、居宅サービス施設サービス地域密着型サービスの3つに分けられます。※利用者負担額の例は自己負担割合が1割の場合です。また、居住地域の地域区分(1級地~7級地、その他)によって異なります。居宅サービス居宅サービスとは、利用者が自宅に居住しながら受ける介護保険サービスのことです。訪問介護員(ホームヘルパー)などの訪問を受けるタイプや、施設などに通うタイプ、生活環境を整えるための物品のレンタルや購入などのサービスがあります。《サービス例》【訪問介護】訪問介護員が利用者を訪問し、食事や排泄、入浴などの身体介護や、掃除・洗濯・買い物・調理など、身の回りのこと、通院の送迎などをするサービス。●利用者負担額の例身体介護20分未満 165円20分以上30分未満 248円30分以上1時間未満 394円1時間以上1時間半未満 575円など【通所介護】利用者が通所介護の施設に日帰りで通い、食事や入浴の支援や生活機能の訓練、通所のための送迎などを受けるサービス(デイサービス)。●利用者負担額の例通常規模の事業所(1ヶ月の平均利用のべ人数301人以上750人以内)を7時間以上8時間未満利用した場合要介護1:645円要介護2:761円要介護3:883円要介護4:1,003円要介護5:1,124円施設サービス利用者が介護施設に入所(入居)して受けるタイプのサービス。《サービス例》【介護老人福祉施設】常に介護が必要な方が施設に入所し、入浴や食事などの支援、機能訓練、療養上必要なお世話などを受けるサービス。(特別養護老人ホーム)●利用者負担額の例従来型個室を利用した場合、1日あたり要介護1:557円要介護2:625円要介護3:695円要介護4:763円要介護5:829円※別途、室料・光熱費・食費が必要地域密着型サービス利用者が住み慣れた地域で生活し続けられるように設定されたサービス。対象は小規模な事業者に限られ、原則として、住んでいる市区町村の施設・事業所以外は利用できません。《サービス例》【夜間対応型訪問介護】訪問介護員が夜間に利用者を訪問するサービス。定期的に訪問を行い介助や安否確認を行う「定期巡回」と、緊急時の介助や救急車の手配などに対応する「随時対応」の2種類があります。●利用者負担額の例オペレーションセンターを設置している場合基本夜間対応型訪問介護(1ヶ月):1,009円定期巡回サービス1回:378円随時訪問サービス(1名・1回):576円随時訪問サービス(複数名・1回):775円【認知症対応型共同生活介護】認知症の利用者を対象にしたサービス(グループホーム)。5~9人の利用者が共同生活を送りながら、介護スタッフによる専門的なケアを受けます。●利用者負担額の例共同生活住居が1つの場合、1日あたり要介護1:759円要介護2:795円要介護3:818円要介護4:835円要介護5:852円 主な保険外介護サービスの内容と利用料のめやす次に、主な保険外介護サービスの例と利用料金のめやすをみていきましょう。保険外介護サービスには、自治体や非営利団体が提供しているものと、民間の介護事業所や一般企業が提供しているものがあります。自治体や非営利団体が提供しているサービス自治体では、次のようなサービスを提供しています。実施の有無や利用料金は自治体によって異なるため、担当の窓口に詳細を確認しましょう。配食サービス食事の調理が困難な高齢者の世帯に、食事を配達するサービス。配達と併せて、高齢者の安否確認も行ってくれます。料金:1食300~550円程度家事援助洗濯や掃除、買い物、調理などの日常生活の支援のほか、留守番や話し相手などの家事援助を提供するサービス。各市町村の社会福祉協議会などが多く運営しています。料金:1時間1,000円前後(別途入会金や交通費など)送迎・移送サービス身体の不自由な高齢者を、病院や高齢者福祉施設まで送迎するサービス。車いす、または寝た状態のまま移送するサービスもあります。また、ボランティアの運転による移送サービス(住民参加型移動支援事業)を、無料で提供している自治体や団体もあります。料金:片道1回:1,000円など、運営団体により幅あり(従量制の場合もあり)訪問理美容散髪などに行くことができない高齢者の自宅を訪問して、調髪などを行うサービス。1ヶ月や年間の利用回数が定められている場合がほとんどです。料金:無料・1回2,000円・出張費の助成など寝具の丸洗い・乾燥・消毒サービスひとり暮らし高齢者世帯や寝たきりの高齢者がいる家庭などの寝具の洗濯や乾燥・消毒を請け負ってくれるサービス。多くの市町村が提供しています。料金:無料~300円程度バリアフリー住宅改修支援住居を高齢者が暮らしやすい環境に改修する場合に、補助金などが出る制度。改修費のうち一定割合や、介護保険サービスによる改修の費用限度額を超えた部分などが助成されます。紙おむつ支給・購入助成寝たきりの高齢者やその介護者に、紙おむつや尿とりパットの支給や購入費用の助成を行う制度です。民間介護事業所や企業が提供しているサービス送迎・移送サービス通所施設への送迎サービスのほか、買い物などにも利用できる介護タクシーなど。乗降の介助などを受けられます。料金:一般の民間タクシー程度+ヘルパー、ストレッチャーなどの利用料金外出介助買い物や散歩、通院などに付き添ってくれるサービス。旅行など、宿泊が可能なサービスもあります。料金:1時間1,500~5,000円程度または、介護保険サービス料金+15分900円(介護保険サービスと連続して保険外サービスを利用する場合)など家事代行サービス掃除や調理のほか、花の水やりや草むしりなど、介護保険サービスではカバーできない範囲も依頼することができます。料金:1時間3,000円程度または、介護保険サービス料金+15分900円(介護保険サービスと連続して保険外サービスを利用する場合)など介護保険のケアプラン外の施設利用介護保険外で利用できる、有料ショートステイなどのサービス。家族の旅行時など、臨機応変に利用できます。料金:有料ショートステイ1泊1~2万円程度介護施設のお試し利用デイサービスや有料老人ホームなどでは、正式な利用の前に、施設を体験できるサービスを提供している場合があります。料金:入居型施設:無料または1泊8,000~2万円程度通所型施設:1回500~600円程度 介護サービスを利用するメリット・デメリット介護保険サービスと介護保険外サービスを利用するにあたっては、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、利用するサービスを検討することが大切です。どのようなメリット・デメリットがあるか、以下でみていきましょう。介護保険サービスのメリット・デメリット介護保険サービスを利用するメリットは、介護にかかる金銭的負担が大きく軽減される点です。保険給付により自己負担割合が1~3割に押さえられるため、金銭的な理由で必要なサービスの利用をためらわなくてもよくなります。さらに、サービスを利用することで、介護者の負担が軽くなるというメリットもあります。デメリットは、受けられるサービスの範囲が限られている点です。特に、訪問介護などは必要最低限のサービスに限られるため、介護保険サービスのみでは、“満足いくサービス”とまではいえないかもしれません。保険外介護サービスのメリット・デメリット保険外介護サービスを利用する最大のメリットは、受けられるサービスの幅が広いことです。介護保険サービスは、対象となるサービス内容がごく限られているため、できなくて困っていることや、あれができれば便利なのに……と感じていることの全てをカバーすることはできません。しかし、保険外介護サービスであれば、カバーしている内容が細やかで、よりニーズに合ったサービスを選択できます。結果的には、生活の質がぐっと向上するでしょう。一方、保険外介護サービスのデメリットは、自費となるサービスが多く、経済的な負担が大きくなる点です。介護保険サービスと上手に組み合わせて、無理のない範囲で利用することが大切です。 サービスの内容を知って状況に合わせて選択を大きく「介護サービス」といった場合、そのなかには介護保険サービスと保険外介護サービスが含まれます。前者は利用できる人や対象となるサービスが限られている一方で、費用の給付が受けられます。後者は、自費負担にはなるものの、サービスの幅が広く、柔軟性が高いのが利点です。各サービスの内容や特徴を知って、状況に合ったサービスを選択することが、介護を受ける本人や介護者の負担を軽くするカギです。 参考:予防や健康増進に資する保険外サービスの活性化公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」介護保険とは | 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2018年12月31日介護には、メンタル面や体力面をはじめ様々な悩みが付きものです。両親や義両親の介護であれば費用の面でも悩みをもっている場合も多いのではないでしょうか。もし同居の両親を介護している場合は、世帯分離をするだけで介護費用を抑えられる可能性があります。もちろん世帯分離したからといって親子の縁を切るわけではありませんし、世帯分離した後でも同じ家に住み続けることは可能です。介護される本人の収入・所得が同じでも、世帯分離している人としていない人で介護費用が大きく変わるケースも珍しくありません。世帯分離とはどんな制度?住民票に登録されている1つの世帯を2つ以上の世帯に分けることを、世帯分離と呼びます。世帯分離をすると、同じ住所(家)に世帯主が2人いることになります。今回は、高齢の両親と同居している子育て世代を例に挙げてみましょう。〈世帯分離前〉世帯主…父(年金収入のみ)世帯員…母(年金収入のみ)、長男(サラリーマン)、長男の妻(パート)、長男の子ども〈世帯分離後〉親世帯(世帯主…父、世帯員…母)子世帯(世帯主…長男、世帯員…長男の妻、長男の子ども)世帯分離をしても同じ家に住み続けることができますが、世帯分離後は各世帯主がそれぞれ独立した家計を営んでいる必要があります。世帯分離によって介護費用が安くなる理由介護にかかる費用のなかには、その世帯の合計所得が多いほど高くなるものが少なくありません。上の例では、世帯分離前の世帯の合計所得は両親の年金収入+長男の収入+長男の妻の収入となります。しかし、世帯分離をすると親世帯の合計所得は両親の年金収入のみとなります。そのため、世帯分離することで親の介護費用を抑えられるのです。 世帯分離によって抑えられる介護費用の計算例高額な介護サービスを利用する場合、世帯分離によって大きなメリットを受けることができます。なお、各費用の払い戻しを受けるには所定の手続きが必要です。高額介護サービス費その世帯で1ヶ月に利用した介護サービスの合計額が自己負担限度額を超えると、差額分が高額介護サービス費として払い戻されます。自己負担限度額は、以下のように定められています。利用者負担段階区分自己負担限度額現役並み所得者世帯・世帯内に課税所得145万円以上の人がいる・世帯内の65歳以上の人の収入合計が520万円以上(単身なら383万円以上)44,400円(世帯全員分の合計)一般世帯・現役並み所得者世帯に該当しない・世帯内に市区町村民税を課税されている人がいる44,400円(世帯全員分の合計)※ただし1割負担の被保険者のみの世帯で年間自己負担額が合計446,400円を超えた場合、その差額が支給される市区町村民税非課税世帯・世帯内に市区町村民税を課税されている人がいない24,600円(世帯全員分の合計)市区町村民税非課税世帯・世帯内に市区町村民税を課税されている人がいない24,600円(世帯全員分の合計)・市区町村民税非課税世帯で、かつ老齢福祉年金の受給者・前年の合計所得金額と課税年金収入額の合計が年間80万円以下の人 15,000円(個人にかかった額の合計)・生活保護受給者(利用者負担を15,000円に減額すると生活保護受給資格を満たさなくなる人も含む)・中国残留邦人等支援給付の受給者 15,000円(個人にかかった額の合計) 先ほどの例では、世帯分離をしなければ現役並み世帯となります。したがって、支払った介護サービス費が合計44,400円を超えなければ差額が払い戻されません。しかし世帯分離によって親世帯が市町村民税非課税世帯となった場合は、支払った介護サービス費が合計24,600円を超えれば差額が払い戻されます。入院・入所中の食費や居住費介護療養型病院や介護施設に入院・入所する場合、入院・入所中にかかる食費や居住費などの自己負担額は世帯年収や預貯金額に応じて決められます。自己負担限度額を超える費用を支払った場合、差額が後で払い戻されます。例えば、介護老人福祉施設(特別用語老人ホーム)や短期入所生活介護(ショートステイ)を利用する場合の自己負担限度額は以下の通りです。 1日の基準費用額(第4段階)1日の自己負担限度額第1段階第2段階第3段階食費1,380円300円390円650円ユニット型個室利用料1,970円820円820円1,310円ユニット型個室的多床室利用料1,640円490円490円1,310円従来型個室利用料1,150円320円420円820円多床室利用料840円0円370円370円・第1段階…世帯全員が市区町村民税非課税かつ老齢福祉年金受給者、生活保護受給者など・第2段階…世帯全員が市区町村民税非課税で、公的年金収入+所得合計が80万円以下・第3段階…世帯全員が市区町村民税非課税で、公的年金収入+所得合計が80万円を超える・第4段階…市区町村民税課税世帯 例えば7日間のショートステイでユニット型個室を利用した場合、第4段階では食費(1,380円×7日分=9,660円)と個室利用料(1,970円×7日分=13,790円)の合計額は基準費用額の23,450円となります。しかし第2段階の場合は食費(390×7日分=2,730円)と個室利用料(820円×7日分=5,740円)の自己負担合計額が8,470円となり、基準額との差額14,980円が払い戻されます。 その他、世帯分離によって抑えられる諸費用世帯分離によって世帯の所得を減らすことで、保険料や医療費を抑えることもできます。外部の介護サービスより自宅介護がメインとなる場合も、世帯分離によって出費を抑えられるケースが少なくありません。国民健康保険料など以下の保険料の負担額は、本人や世帯の所得をもとに計算されます。世帯分離によって世帯の所得を減らすことで、支払額を抑えることができます。・国民健康保険・後期高齢者医療保険(75歳以上の人はすべて加入)・介護保険(65歳以上の人はすべて第1号被保険者となる)ただし国民健康保険の場合は例外があるので(詳しくは後述します)、事前によく確認しましょう。実際の支払額や計算方法は各自治体によって異なるので、詳しくはお住まいの自治体HPをご覧ください。高額療養費高額療養費制度は、その月にかかった医療費の自己負担額が大きい場合に差額が払い戻される制度です。世帯分離によって所得を減らすことで、自己負担限度額を下げられる場合があります。高額療養費の計算方法などについては、以下のリンク先をご参照ください。厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」 世帯分離のデメリット本人や世帯の所得状況によっては、世帯分離によって負担が増えてしまうこともあります。国民健康保険料負担額が増えることがある世帯分離をすることで、それぞれの世帯主が別々に保険料を支払わなければならなくなります。親も高所得である場合、世帯分離後の合計負担額がかえって増えてしまうことがあります。親を扶養に入れられなくなる子世帯が会社の健康保険に入っているサラリーマン世帯の場合、世帯分離すると親を扶養に入れられなくなります。親を扶養に入れて扶養控除や会社の組合制度を利用したほうがお得な場合は、世帯分離は避けたほうがよいでしょう。介護費用を合算できない同一世帯に複数の要介護者がいれば介護費用を合算して払い戻しを申請できますが、世帯分離するとそれができなくなります。子世帯に介護が必要な障がい者の方がいる場合などは、世帯分離しないほうがよいこともあります。住民票取得などの手続きが面倒になることがある世帯分離すると、子世帯の住民票などを親に取ってきてもらうときにわざわざ委任状を準備しなければならなくなります。 世帯分離の手続きの流れ世帯分離の手続き自体は、それほど複雑ではありません。世帯分離を行った日から14日以内に、手続きを行いましょう。届け先世帯分離の手続きは、住所がある市区町村の窓口で行うことができます。窓口で世帯分離届(住民異動届)をもらって必要事項を記入し、印鑑を捺して提出します。また、必要に応じて新しい国民健康保険証を発行してもらいます。提出物届出に行くときは、以下のものを持参しましょう。詳しくは、自治体HPなどで確認してください。・窓口で手続きする人の本人確認書類(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)・印鑑・国民健康保険被保険者証や後期高齢者医療被保険者証(持っている人のみ)・国民年金を支払うための通帳またはキャッシュカード(該当する人のみ)世帯分離を行う理由を聞かれたら?原則として、自治体側が届出を拒否することはできません。しかし、中には「介護費用を減らすための世帯分離を断られた」というケースもあるようです。世帯分離によって介護費用の自己負担を抑えると、結果的に国が受け取るお金が減ってしまいます。そのため、窓口担当者の中には介護費用を抑えるための世帯分離をよく思わない人もいるようです。ただしその場合でも原則は変わりませので、別の担当者と話をしてみる、上司の方と話したいと伝えてみるとよいでしょう。また理由を聞かれた場合も、事実を端的に伝えるようにしましょう。委任状で申請の委任は可能?世帯分離届の申立人は、世帯分離する世帯の世帯主または世帯員となります。世帯主や世帯員の都合が悪ければ、委任状(代理人選任届)を預かった代理人が申請することもできます。法定代理人が手続きを行う場合、自治体によっては委任状の代わりに法定代理人であることを確認できる書類(戸籍謄本、登記事項証明書など)が必要になることもあります。世帯分離したあとで元に戻せる?世帯分離した後で、分離した世帯をひとつに戻すことも可能です。その場合は窓口で世帯合併届(住民異動届)をもらい、必要箇所を記入して提出しましょう。 国の制度を使って、介護にかかる費用を抑えよう親と同居している世帯で世帯分離をすると、それまで合算されていた世帯全員分の所得を親世帯・子世帯に振り分けることができます。今回ご紹介した介護サービス費用や保険料・医療費負担額は本人または世帯の所得によって変わるので、世帯分離によって介護費用を抑えることができます。ただし所得状況によっては世帯分離によって逆に負担が増えることがあるので、事前によく確認しましょう。なお、この記事は2018年10月現在の情報をもとに作成しています。介護に関する法律はしばしば改正されているので、実際行う際は最新の情報をチェックしてください。 参考:大田区ホームページ「高齢介護サービス費の支給」 「介護保険料」厚生労働省「月々の負担の上限(高額介護サービス費の基準)が変わります」
2018年12月28日人間関係やお金に関する、さまざまな悩み。もしかしたら“風水”に解決のヒントが見つかるかもしれません。風水コンサルタントの種市勝覺(たねいち しょうがく)先生が、あなたの悩みを、風水の観点から、解決します!■ Q: ある程度介護が必要なレベルの母親。やれることは何でもやっているのになぜか氣が晴れません。病氣になる前、母親に求められていた水準の介護ができていないからかもしれませんkou / PIXTA(ピクスタ)ご相談ありがとうございます。介護をされているとのこと、毎日大変ですよね……。モヤモヤという感情は一体何なのかという話から始めますと、モヤモヤとは葛藤のこと。葛藤とは、相反する2つの考えを抱えこんでしまった結果、生まれる感情なんです。相談者さまの「氣が晴れない」のは、きっと無意識のうちに“〜べき”という正しい基準をご自身の中で設けているのかと思います。しかしながら、その“〜べき”という基準を満たすのは苦しいもの。スムース / PIXTA(ピクスタ)もともとお母さまから「私が病氣になったらちゃんと面倒見てね」というようなこと言われていたことや、幼少期よりお母さまから受けたしつけなどから、「子どもとして責任を持って頑張るべき」「だって親にはこれまでお世話になったから」という意識があるのかもしれません。この相談に対して、僕からお答えできることはただ一つです。できることはやる。できないことは無理してやろうとしない。それで十分です。無理とは「不自然」を意味していまして、風水の基準はいつも「自然であろうとする」ことです。■ 理想通りにやるor自分ができる範囲のことをやる、どちらがベター?KY / PIXTA(ピクスタ)先ほど葛藤からモヤモヤは生まれるとお話しました。葛藤をおぼえる人の大半は、自分の現実に向き合うことではなく、自分が描く理想を達成する方により価値を置いているように思います。でも僕にとってはその逆で、理想を達成することより、現実的にできることをやることの方が価値があると考えます。理想を描いて望むのはもちろん素晴らしいことですが、理想どおりになるはずがないんです。なぜなら理想とは、自ら勝手に設定した、あまり現実的ではない基準だからです。それなのに現実より理想に重点を置いてしまうと、当然ながら現実とのギャップが生まれる。その落差に哀しみや落胆などのネガティブな感情を抱くのは、自分が現実より理想を重視したことが原因とも考えられます。Graphs / PIXTA(ピクスタ)逆に自分ができる範囲のことをやりきることをベストとすれば、葛藤を抱くはずもなく、モヤモヤせずに済みます。密教では、結果を自分でコントロールできると考えることは「傲慢」だと考えます。理想どおりになるかどうかということは自分で決められるはずがなく、結果には自分以外の“他力”が大きく絡むからです。■ 他者からの期待に応える必要はないし、他者の理想も同様に満たせないもの。A_Team / PIXTA(ピクスタ)そして、多くの人が他人から「〜してほしい」といった期待に応える必要があると思ってしまうようですが、本来は一切応えなくてもいいくらいです。お母さまが元氣だった頃に「面倒を見てね」と言っていたとしても、それは言ってしまえば相手の都合でしかないから(たとえ相手が親であっても、です)。「普通、子どもだったらこれくらいして当然」と誰かに言われることもあるかもしれませんが、そもそも“普通”って何でしょうか。皆それぞれ自分の基準がありますし、その言葉自体もあくまで発言者が自分のものさしで言っているだけなので、何もあなたが影響される必要はありません。他人と自分、理想と現実、一般論と個人的な事情。それぞれの「境界線」を明確にすれば、今のご自身の頑張りをもっと認めてあげられるのではないでしょうか。「自分で何でもやらなきゃ」と背負う必要もまったくありません。自分の基準における、今、現実的な範囲で無理なく(不自然を選ぶことなく)決断し、それを”自ら良し”と認めてあげることを大事にしてくださいね。(取材・文門上奈央)■種市勝覺(たねいち しょうがく)撮影難波雄史風水コンサルタント、密教風水カウンセラー。「財・体・心の流れを整える」を軸に、風水コンサルタント・密教風水カウンセラー・密教阿闍梨として活動。氣持ちよく暮らす為の住居探し、良き環境を作る為の風水鑑定、独自の手法を用いたカウンセリング、コンサルテーション・社員研修・各種セミナー・出張鑑定などを、2001年より精力的に行っている。環境脳科学、環境心理学の視点から風水を身近なモノとする「無料メールセミナー・風水入門」は3,000名を超える登録者数。著書『ここに気づけば、もうお金には困らない』(サンマーク出版)、『感情を整える片づけ』(アチーブメント出版)も好評発売中。最新刊は『自分を変える「身口意」の法則』(フォレスト出版)。※種市勝覺-オフィシャルブログ
2018年12月28日在宅介護をしている介護者にどのような負担があるか質問すると、精神的負担、時間的負担を課題にあげる人が多くいます。介護する相手が気心知れた実の親であっても介護者への負担は大きく、介護のためにやむなく退職する人もたくさんいます。しかし親の介護をする歳になって仕事を辞めると再就職が難しく、自分の生活も苦しくなってしまうかもしまいます。介護と仕事を両立させたいなら、介護にまつわる出費・サービスとともに保険制度や補助金についてしっかり知識をつけておきましょう。 親の介護は誰がすべきなのか大家族が当たり前だった時代、親の介護は同居している家族(長男の嫁など)の役目と考えられていました。しかし核家族化や女性の社会進出、そして価値観の多様化が進んだ現代では、親の介護を誰がどのようにするか悩む人が少なくありません。「以前、下半身が麻痺した母と、急激にぼけてしまった祖母とを介護しました。(中略)昼夜逆転した祖母のために睡眠はとれず、結婚した兄が一人いましたが、離れたところに住んでいたために誰も助けてくれませんでした」(NHKオンライン「サイトに寄せられた意見」) 「介護サービス事業所は毎日使えないので、家で介護しなければならず、就職が難しい」(総務省「家族介護者からの意見等の整理結果」) 「毎月の通院、急な発熱や夜中の看病等のため、身体と気持ちが悪化し、余裕がなくなってしまいました。特別養護老人ホームにはすぐ入れず、有料老人ホームは高額のため入所を諦めました」(総務省「家族介護者からの意見等の整理結果」) 「在宅で看ていた義母が3月より施設入所となり、自分自身ではずいぶん楽になった感がありますが、さらに高齢の義父が在宅ですので、介護はこの先もずっと続くと思われます。義母と違い、義父には今のところ認知症の症状が出ていませんので、何とか私一人でも看てあげられますが、これまでを振り返りますと、なぜこれほどまでに私だけがつらい思いをするのかと、いつもいつも気分が落ち込んでいました」(公益社団法人 認知症の人と家族の会「会員さんからのお便り」) 親の介護は義務なのか民法第877条では「直系血族および兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定められており、これを文字通り捉えると親の介護は子の義務となります。しかし子が仕事や育児で忙しかったり遠方に住んでいたりすると、自分で親の介護をするのは難しくなります。無理をして親の介護を一人で抱え込むと、介護者自身がうつ病になったり介護を手伝わない親族とのトラブルに発展したりすることもあります。少子化・核家族化が進んだ現代では、兄弟や親族と上手に協力して介護を進める必要があります。家族・親族だけでの介護は難しいことが多いので、無理せず介護のプロの力を借りましょう。 介護の方法は3種類親が要介護状態になった場合、介護の方法は以下の3種類に大きく分けられます。在宅介護介護される人の自宅で家族や介護スタッフが介護することを、在宅介護と呼びます。最初から同居している場合はもちろん、自分が実家に戻って介護する場合や自宅近くの親の家に通う場合も在宅介護に含まれます。在宅介護は本人や家族の希望に応じて介護サービスを選びやすく、比較的自由度が高いのがメリットです。住み慣れた自宅を生活拠点とするので、介護される本人の精神的負担も軽めです。在宅介護のデメリットは、介護者に身体・精神・時間的負担がかかりやすいことです。場合によっては、介護者が仕事を辞めなければならないケースもあります。仕事を辞めると収入が減るのはもちろん、24時間付きっきりで介護することで介護者の精神的負担がさらに増えることもあります。 呼び寄せ介護呼び寄せ介護は、介護者が仕事の都合などで引っ越せない場合に親を自分の家に呼び寄せて介護することです。介護者本人とその家族の環境があまり変わらないこと、何かあったらすぐ対処しやすいことがメリットです。通常の在宅介護と同様、呼び寄せ介護でも介護者の負担は大きくなりがちです。呼び寄せ介護の場合は介護のために自宅のリフォームや広い家への引っ越しをすることが多く、そのための費用がかかります。さらに親が環境の変化や介護者の家族との同居にストレスを感じたり、反対に介護者の家族が親との同居に不満を溜め込んだりすることもあります。 遠距離介護介護する側・される側とも引っ越しが難しい場合、介護者が定期的に実家に帰って介護をすることもあります。遠距離介護の場合、毎日の介護は近くに住む親族・近所の人・介護スタッフなどに依頼します。遠距離介護のメリットとして、介護する側・される側とも環境の変化や同居によるストレスが少ないこと、身体介護だけでなく生活援助(家の掃除・洗濯などを行うサービス)も利用できること、介護施設入所の優先順位が上がりやすいことなどが挙げられます。遠距離介護によって介護者が退職するケースは少ないものの、介護サービス費や交通費などの出費が多くなりがちです。また、親の容態が急変したときにすぐに対応しにくいのも遠距離介護のデメリットです。 親の在宅介護にかかる費用家計経済研究所の2016年の調査において、在宅介護にかかる1人あたりの平均費用は1ヶ月で5.0万円となりました。このうち、約32%にあたる1.6万円が介護サービス利用料となっています。基本的に、要介護度が上がるにつれて支出も増える傾向があります。また、認知症を患っている場合も支出が増えやすくなります。徘徊などによるトラブルを防ぐために手厚い見守りが必要になり、ヘルパーやショートステイなどの利用回数が増えるためです。生活費1ヶ月の平均支出のうち、医療費と税金・社会保障費が占める割合は32%(1.6万円)にのぼります。この他にも被服費や光熱費・水道費などがかかりますし、親が賃貸マンション・アパートに住んでいれば家賃もかかります。 介護用品おむつ・介護食・福祉用具などにかかる費用は、支出全体の24%(1.2万円)となっています。ただし自治体によっては介護用品に対して補助金が出るので、実際の負担はもっと軽くなることもあります。 訪問系サービスの利用料例えば1割負担でホームヘルプを利用する場合、身体介護(食事・排泄・入浴などの介護)1回につき394円(30分~1時間)、生活援助(掃除・洗濯・買い物・調理などの支援)1回につき181円(20~45分)となります。さらに、1回あたり98円で通院時の乗降車などを受けることができます。なお特別養護老人ホームをはじめとする「介護保険3施設」には入居一時金(月々の利用料と別にかかる初期費用)がかからず、国民年金の範囲内で入居することができます。ただし、要介護度が重く普段身近に介護者がいない場合などに限られます。 通所系サービスの利用料例えば1割負担でデイサービス(通常規模の事業所)を利用する場合、1回の利用(7~8時間)は要介護度に応じて645~1,124円となります。食費やおむつ代などの日常生活費は、利用者が別途負担します。 介護で保険や国・自治体の補助は受けられる?保険制度や国・自治体からの補助を上手に利用して、介護費用を抑えましょう。年金国民年金(基礎年金)は20歳以上60歳未満の国民が必ず加入するため、原則としてすべての人が受給できます。国民年金支給額は加入期間に応じて決まり、加入期間が満期(40年)であれば満額が支給されます。過去に企業に勤めていた場合などは、さらに厚生年金保険がプラスされます。厚生年金支給額は、加入期間の長さや平均給与などによって決まります。例えば現在70歳の人が20~60歳まで国民年金に加入しており、なおかつ22~60歳まで平均年収500万円のサラリーマンだった場合、1年間に約191万円(基礎年金約78万円+厚生年金約113万円)が支給されます。なお、年金支給日は偶数月の15日(土日祝の場合は直前の平日)となります。過去に勤めていた企業が企業年金制度を採用していれば、さらに企業年金がプラスされます。企業年金制度は公的な制度ではないので、詳細は企業によって異なります。 国民健康保険自治体が運営する国民健康保険は、無職の人や個人事業主などが加入する保険です。医療機関を受診するときに被保険者証を提示すれば、自己負担が1~3割に抑えられます。 介護保険40歳以上の人が必ず加入する介護保険は、65歳以上になって介護が必要になったとき(関節リウマチなどの病気で介護が必要になった場合は40歳以上)に介護サービスを受けられる制度です。利用できるサービスの範囲は要介護度によって異なり、利用者の自己負担は1~3割となります。所得に応じて1ヶ月ごとの自己負担上限額が設けられており、上限額を超えた場合は高額介護サービス費として払い戻されます。高額介護サービス費の支給対象者には申請書が送付されるので、必要事項を記入して自治体窓口へ持参または郵送しましょう。介護に欠かせないケアプラン作成にも、介護保険が適用されます。ケアプランは、ひとりひとりの状況に合わせた介護の計画書です。ケアマネジャーに協力してもらって、しっかりとケアプランを作成しましょう。 住民票上の世帯分離自治体窓口で世帯分離手続きをすると、同居の親の介護費用を抑えられることがあります。住民票上で親世帯と子世帯を別々にすると、それぞれの世帯の所得は少なくなります。介護費用の自己負担額は世帯の所得によって決まるので、親世帯の所得を減らすことで介護費用を抑えられます。 自治体の補助等介護のための自宅リフォームや介護用品・福祉用具購入などに対して、補助金を支給している自治体もあります。詳しくは、お住まいの自治体HPで確認しましょう。 介護にかかる費用は誰が負担すべき?介護にかかる費用は、原則として介護される本人の資産からまかないましょう。本人の資産が足りなければ保険や国・自治体の援助などを最大限に活用し、それでも足りない場合に親族が無理のない範囲で援助します。将来自分が介護される側になったときに困らないよう、親の介護への出費は計画的に行いましょう。親の介護をする人に兄弟がいる場合、介護する本人とその兄弟すべてが等しく親の扶養義務者となります。兄弟の誰かが主に介護を行う場合、介護を手伝うのが難しい兄弟が費用を多めに援助するという方法もあります。 兄弟が費用負担を拒否したら?親の介護費用をめぐって、兄弟間でトラブルになるケースが増えています。兄弟が費用負担を拒否した場合、まずは冷静に話し合いましょう。兄弟が忙しかったり遠方に住んでいたりすると、そもそも介護の状況をよくわかっていないこともあります。まずは親の介護スケジュールと介護する人の介護・就業スケジュール、そして介護や生活にかかる費用を整理し、兄弟と共有しましょう。相手側にも生活が苦しいなどの事情があるかもしれないので、感情的にならずお互いに無理のない妥協点を探しましょう。どうしても話し合いで解決できなければ、家庭裁判所に扶養請求調停の申立をすることができます。調停を申し立てると調停委員が当事者の間に入り、お互いの合意に向けた助言・提案をしてくれます。調停が成立すれば、調停調書(合意内容を記した書面)が作成されます。 ダブル介護では仕事を辞めるしか無いのか両親の介護を同時に行うダブル介護や、育児と親の介護を同時に行うダブルケアをせざる得ない人が増えています。ひとり分の介護や育児でさえ仕事との両立は大変ですから、もしダブル介護やダブルケアをすることになったら退職して介護に専念すべきでしょうか。総務省の行った「平成24年就業構造基本調査」では、介護をしている人(15歳以上)の総数は約557万4000人となっています。そのうち有業者(普段収入を得ることを目的に仕事をしている人)は291万200人であり、この数値は全体の52.2%に相当します。ただし有業者の中には休業中の人や家族従業者なども含まれており、介護のために仕事をセーブしている人もいると考えられます。 近年の介護離職者数および女性の介護負担過去5年間ごとの介護離職者数の推移は平成9~14年で52万4,000人、平成14~19年で56万8,000人と増加しています。平成19~24年になると離職者数が48万7000人とやや減少していますが、離職者のうち8割(38万9,000人)を女性が占めています。このことから、介護の負担が女性に偏っていることがわかります。 退職した場合はどうなる?一般的に、介護による離職は自己都合退職とみなされます。失業保険の給付日数は雇用保険加入期間や離職時の年齢によってさまざまですが、自己都合退職の場合は給付前に3ヶ月の給付制限期間(待期期間)が設けられます。ただし、状況によっては特定理由離職者(やむを得ない自己都合による退職)として認められることがあります。特定理由離職者として認められるかどうかは状況によりさまざまですが、親の要介護度が高く他に介護できる人がいないことなどを証明できれば認められやすいでしょう。特定理由離職者の場合は自己都合退職者よりも失業保険給付日数が多くなり、3ヶ月の給付制限期間もありません。介護離職する場合は、失業保険が切れた後の生活費についてもしっかり考えておきましょう。すぐ再就職できない場合は自分の貯金を切り崩したり親の年金や家族の収入に頼ったりする方法がありますが、介護する人の生活が破綻すると親子共倒れにもなりかねません。 親の介護と仕事の両立は可能か親の介護と仕事の両立は、協力してくれる親族の有無や介護サービスの使い方によって難易度が大きく変わります。介護離職を防ぎたいなら、親族の協力だけでなく国の制度や介護サービスを最大限に活用して負担を減らすことが大切です。自分が主に介護する場合、在宅介護・呼び寄せ介護・遠距離介護のいずれかを選択します。それぞれにメリットとデメリットがあるので、お互いの生活スタイルや資産状況と照らし合わせてしっかり計画を立てましょう。 親の介護が始まる前に知っておきたい5つのこと親が年をとって少しずつ心身が衰えてくると、親の介護について考える機会が多くなります。しかし、中には親の急病・ケガなどによって突然介護が必要になるケースもあります。介護に直面してから慌てないよう、なるべく親が元気なうちに以下のことを確認しておきましょう。介護にかかる出費はどのくらいか、保険や補助金などでどのくらい補えるか親の資産はどれくらいあるか主にどこで介護を行い、どんな介護サービスを利用するか家族・親族のうち、誰がどのくらい介護に関わるか仕事との両立はどうするか、勤務先で介護休業等の制度が利用できるか将来の親の介護については、介護される親本人や自分の家族・兄弟ともしっかり現状を共有しておきましょう。自分ひとりで勝手に計画を立ててしまうと、後で思わぬトラブルの原因になるかもしれません。近年は介護と仕事を両立させている人が多い一方で、介護のためにやむなく退職する人もたくさんいます。しかし、自分自身の生活を守るためにもなるべく周囲の助けや介護サービスを活用して仕事を続けたいですね。 【参考】e-gov法令検索「民法」公益財団法人 家計経済研究所「介護サービスへの支出」厚生労働省「公表されている介護サービスについて」総務省統計局「平成24年就業構造基本調査結果の概要」
2018年12月27日最近日本では、子育て中の若い夫婦が両親の家のそばにマンションを購入して住むケースが増えているそうです。近くなら保育園に迎えに行ってもらったり、帰りが遅いときに小学生くらいの子どもなら祖父母の家に一人でも行けるから、ということのようです。その後、祖父母世代が歳をとったら同居ということも考えているのでしょうか。40代くらいで二世帯住宅を建てることを考える方も多いと思うのですが、老後、息子夫婦または娘夫婦と同居することは本当に良い選択なのでしょうか。■ 近くに住むなら「娘夫婦」or「息子夫婦」?日本でも最近は、妻の実家の近くに住むケースが多くなったようですが、それでもまだ夫の実家に近くに住むほうが多いのではないでしょうか。スペインだけではなくヨーロッパでは、娘との関係の方が強い傾向にあります。そのため、嫁姑の問題より婿姑の問題の方が多いというのが一般的です。それでも男性は外で働いている場合がほとんどですし、台所争奪戦も少ないので、チクリチクリと嫌味を言われる程度のようですが……。スペインで認知症が比較的少ないように感じるのは、多分娘と母親の関係がずっと続いているからではないかと思います。娘と母親なら一緒にお買い物に行ったり、一緒にお茶をしに行ったりして、毎日一緒に楽しい時間を過ごせます。■ 同居が少ないスペインでは「スープの冷めない距離」に住むのが基本!娘と母親との関係が強いスペインですが、同居をしている家族はほとんどいません。階段の上り下りが大変になると、アパートを娘の家のそばに購入する人も多いのです。または住んでいる家を娘夫婦に明け渡し、自分は近くにアパートを購入します。スペインでは、「スープの冷めない距離」に住むのが基本のようです。90歳を超えた未亡人たちも決して娘(息子)夫婦との同居はせず、一人暮らしを続けています。重いものを持つのが大変になると、お買い物くらいはしてもらっていますが、食事の用意や掃除は基本的に自分一人でしている人がほとんどです。■ 一定の距離を保つこと、一人の人間として敬意を表すること筆者(左)と、91歳になる母(右)です年老いた母親が1人で生活している、年老いた両親だけで生活している、もうしかしたら、そういうことに心を痛める必要はないかもしれません。少しだけ行動が遅くなっているかもしれませんが、自分たちのペースで生活しています。好きな時間に起きて、好きなテレビを見て、好きな本を読んで生活している方が、いつも誰かに世話になっているよりもずっと楽なのではないかと思います。歳をとると火の後始末が気になる人もいるでしょう。しかし、最近は鍋がカラになっていたら自動的にガスが消えるようになっています。急に倒れたらどうするかという問題もあります。しかし、その一瞬のためだけに楽しい生活を犠牲にする必要もありません。二世帯住宅は一世帯になった場合、広すぎます。それぞれが独立しているとはいえ、賃貸に出すにも中途半端ですし、売却することもできません。小ぶりのマンションなら、売却や賃貸、仕事部屋、娘や息子のひとり暮らし用など、住む人がいなくなった後の利用方法もいろいろ考えられます。■ 91歳でなんでも一人でできるのは、一人暮らしをしているから?実は91際になる私の母も、近くのマンションでひとり暮らしをしています。共有スペースに庭とプールがあるので、孫たちが小さい時は遊んでいるのを上から見ていました。母は79歳のときに、生まれて初めてひとり暮らしをし始めました。紅茶とお菓子をベッドで食べられる幸せは何ものにも変えられないそうです。これから足腰が弱くなってどのようになっていくかはわかりませんが、91歳でなんでも一人でできるのは、一人暮らしをしているからではないかと思います。
2018年12月22日介護保険は、年齢が40歳になると強制加入となる公的介護保険のほかに、生命保険会社が販売している民間介護保険があります。民間介護保険は、公的介護保険のように強制加入とはならず、あくまでも将来の介護や介護費用に対して心配な方が任意で加入する生命保険となりますが、やはり、メリットとデメリットがそれぞれあることも確かです。そこで本記事では、将来の介護や介護費用について心配な方をはじめ、民間介護保険への加入を検討している方を対象に、生命保険会社が取り扱う民間介護保険のメリットとデメリットを中心に基本的な部分から注意点まで幅広く紹介をしていきます。生命保険会社が取り扱う民間介護保険とは?生命保険会社が取り扱う民間介護保険は、介護保険に加入している方が、認知症や寝たきりになった場合などで介護サービスを利用した際に生じる自己負担額を保障することを目的とした生命保険になります。民間介護保険は、基本的に40歳から強制加入となる公的介護保険と連動している部分もあるものの、生命保険会社によって保障内容が大きく異なっている特徴があり、仮に、契約加入をする場合には、比較検討することが重要です。民間介護保険の保障は、生命保険会社によってどの程度違うのか民間介護保険は、生命保険会社によって保障内容が大きく異なっている特徴があることをお伝えしましたが、以下、参考情報をざっくり表にまとめて紹介します。なお、生命保険会社の公平性の観点から、保険会社名は公開せずにA社からD社としておりますので、あらかじめご了承ください。保険会社保険金の種類保険金が支払われる場合A社年金(分割)公的介護保険制度の要介護2以上になった場合に一生涯支払われるB社加入した商品によって、年金(分割)と一時金(一括)といった保険金の支払われ方が異なる公的介護保険制度の要支援2以上で保険金が支払われるC社年金(分割)と一時金(一括)の方法から選択が可能公的介護保険制度の要介護認定D社年金(分割)公的介護保険制度の要介護1以上になった場合に一生涯支払われるここでは4社を比較しておりますが、保険金の種類や保険金が支払われる場合がすべて異なっていることがわかります。当然のことながら、負担しなければならない保険料も保険会社によって異なりますので、民間介護保険の契約加入をする場合には、事前に保障内容や保険料を比較検討することが大切になります。併せて、民間介護保険の保険金が支払われる場合は、公的介護保険制度にある7段階の介護度合いと連動していることがほとんどであるため、これらの介護度合いがどのような状態を指すのか確認しておくことも大切です。公的介護保険と民間介護保険の違い本記事のメインである民間介護保険に加入するメリットとデメリットを知るためには、まずもって、公的介護保険と民間介護保険の違いについて、大まかにでも知っておく必要があります。介護保険の種類公的介護保険民間介護保険介護保険の加入義務あり(40歳から強制加入)なし(任意加入)給付方法現物給付(介護サービスを給付)現金給付(契約に応じた保険金)介護保険料お住まいの市区町村や収入(所得)によって、それぞれ異なる40歳から死亡するまで介護保険料を負担し続けていかなければならない契約年齢・性別・契約内容・生命保険会社によって、それぞれ異なる保険会社との契約によって、介護保険料の負担する期間を任意で選ぶことができる給付要件介護保険法に定められている7段階の介護度合いの内、いずれかの介護認定を受けている(年齢によって異なる)各生命保険会社が定めている約款によって異なる民間介護保険に加入するメリットとデメリットを知る上で、特にポイントとなる部分には、給付要件があげられ、最近の民間介護保険は、公的介護保険の要介護認定に連動した商品が増えています。これは、民間介護保険に加入するデメリットに大きく関係することになるほか、民間介護保険に加入する必要性についても大きく関係してくることになるため、細心の注意を払っておかなければなりません。民間介護保険に加入するメリットとデメリット民間介護保険に加入するメリット民間介護保険に加入するデメリット公的介護保険を利用した際に生じる介護サービスの自己負担額を補填することができる生命保険料控除が受けられるため、所得税や住民税の負担軽減効果がある将来の介護費用に対する備えを準備することができる公的介護保険とは別に生命保険会社に保険料の支払いをしなければならないため、経済的負担が重くなる保険金の支払いを受けるには、公的介護保険の要介護認定を受ける必要があるため、身体状態によって、保険金が必ず支払われるとは限らない公的介護保険の介護サービスにかかる費用は、原則として1割が自己負担額となるのですが、年齢が65歳以上で年金収入やその他の収入が多い場合は、自己負担額が2割や3割と重くなる仕組みになっています。もちろん、公的介護保険制度にある7つの介護度合いの内、介護度合いが重くなればなるほど、その自己負担金額が重くのしかかってくることは言うまでもありません。老後生活に欠かすことができない年金収入が少ない場合は、介護サービスにかかる自己負担額が1割であったとしても、その経済的な負担は重荷になることは明白であり、時として所帯を持っている子供に経済的な負担をかけてしまう懸念も否めません。このようなリスクヘッジができる効果が民間介護保険に加入する大きなメリットと言える一方で、民間介護保険は、保険金が必ず支払われるとは限らない大きなデメリットがあります。では、保険金が支払われる程度の要介護認定を受けている方は、いったいどのくらいいるのでしょう?介護保険のサービスは、どのくらいの方が利用しているのか単位(千人)厚生労働省平成28年度介護保険事業状況報告(年報)報告書の概要厚生労働省が公開している平成28年度介護保険事業状況報告(年報)によると、要介護認定を受けている第1号被保険者(65歳以上)および第2号被保険者(40歳から64歳)は、632万人(総数合計)いることが確認できます。ポイントになるのは、民間介護保険の多くは、要介護2以上の介護認定をされていることが保険金を支払うための条件としている保険会社が多いところにあり、これを見ていきますと、第1号被保険者(65歳以上)および第2号被保険者(40歳から64歳)は、330万人となっており、要介護認定を受けている方の約半数であることもわかります。(赤枠部分の合計)第2号被保険者(40歳から64歳)で要介護2以上の介護認定者に至っては、7.8万人と極めて少ないことも確認できます。つまり、民間介護保険に加入して実際に保険金を受け取るためには、ちょっと高めのハードルを越えていなければならないことも知っておく必要があり、併せて、働き盛りの現役時代に、民間介護保険の保険金を受け取れる可能性は低いことも少なからず理解しておく必要はあると言えるでしょう。まとめ民間介護保険は、将来の介護に対する備えとして有効な生命保険であることは確かです。その一方で、保険料負担が重くなることや必ずしも保険金を受け取ることができるわけではないといったデメリットも踏まえた時、この辺も加味した判断が個々に求められることになります。現実的に考えますと、65歳以上になってからの、もしもの介護の備えに対して、今から準備しておくといった考え方が最も自然だと思いますが、これから民間介護保険の加入を検討している方は、とにかく保障内容の比較検討を念入りにされるように心掛けることを強くおすすめします。
2018年12月10日