飼い主のいない猫の保護や飼育希望者への譲渡などの活動を行う、東京キャットガーディアンでは、現在、子猫の受け入れを行っている。東京キャットガーディアンでは、行政に持ち込まれる子猫が少なくなるこの時期に限り、一般からの子猫の受け入れを行っている。2015年の3月末までの予定。対象となる子猫の年齢は、収容スペースおよび譲渡のスピードの問題から、離乳後から2ヶ月齢程度に限定している。受け入れは「里親探しが困難」、「保護自体が不可能」、「飼うスペースが無い」など、保護・飼育・譲渡を自分で行えないケースのみが対象だ。シェルターの収容数の限界を超えてしまったり行政からの子猫を優先せざるを得なくなった場合は、受け入れストップとなる。また、引受先の里親については、子猫の数に対して、面談を済ませた里親希望者がウエイティング状態となる。問い合わせおよび詳細は、「子猫の受け入れ」案内ページにて。
2014年12月10日花粉問題対策事業者協議会はこのほど、来春の花粉飛散の本格シーズンを前に、同協議会の取り組みを紹介する「秋季フォーラム」を開催した。同協議会は、花粉問題に取り組む企業や研究機関が中心となり、その取り組みを多様な角度から検討し、より効果的かつ効率的な対策を進めるために結成されたという。同協議会専門家理事の妹尾堅一郎氏は、「花粉問題対策の"合わせ技"ができるように、産学官の皆さんにお声掛けをして結成した。現状では、市販の花粉対策品は統一表示になっていないため、一般消費者に分かりやすいように標準化を目指していきたい」と述べた。まずはスギ花粉に着目し、飛散する過程で破断して小さくなった花粉を「花粉片」と名づけたとのこと。そして、花粉と花粉片の対策を示した「花粉問題対策イメージ図」が今回初のお披露目に。「生成」「飛散」「曝露(屋外/屋内)」「発症」の各段階に分けて、対策前(現状)と対策後をチャートで表した。なお同協議会には、幹事会員(サントリーホールディングス、ダイキン工業、武田薬品工業、日油、三菱電機、ユニ・チャーム)、一般会員(ADEKA、ウェザーニューズ、NTTドコモ、塩野義製薬、田辺三菱製薬、帝人ファーマ、名古屋眼鏡、ロート製薬)、アドバイザー(独立行政法人産業技術総合研究所、独立行政法人森林総合研究所、独立行政法人農業生物資源研究所、独立行政法人理化学研究所)、オブザーバー(文部科学省、林野庁、経済産業省、山形県鶴岡市)が参加している(2014年12月時点)。
2014年12月09日厚生労働省は3日、2014年9月分の被保護者調査の結果を発表した。それによると、9月時点の生活保護受給世帯は前月比2,123世帯増の161万1,953世帯となり、5カ月連続で過去最多を更新した。生活保護受給者数は前月比1,757人増の216万4,909人と、2カ月ぶりに増加した。世帯別に見ると、高齢者世帯(男女とも65歳以上の世帯、またはこれらに18歳未満の未婚者が加わった世帯)が全体の約47%に当たる75万9,114世帯(前月75万7,118世帯)でトップ。以下、働ける世帯を含むその他の世帯が28万387世帯(同28万981世帯)、傷病者世帯が26万8,969世帯(同26万9,138世帯)、障害者世帯が18万6,355世帯(同18万5,844世帯)、母子世帯が10万8,507世帯(同10万8,299世帯)と続いた。
2014年12月03日猫の保護活動を行う東京キャットガーディアンは、イラストレーター「のじゃのじゃこ」氏のイラスト展覧会を開催している。会期は、11月26日から12月15日。同氏は、1984年生まれのフリーイラストレーター。幼児保育学の大学を卒業後、動物の絵を描くことが好きだったため、本格的にデジタルイラストを描き始めたという。開催場所は、東京キャットガーディアンの大塚シェルターと西国分寺シェルター。詳細は同団体ホームページを参照のこと。(C)のじゃのじゃこ
2014年11月28日保護猫カフェ「Neco Republic OSAKA shinsaibashi」では、12月14日に、子どもから猫へ絵本を読む「絵本読み聞かせ会」を行う。○子どもと猫が一緒に読書本イベントは、子どもと猫が主役。小学生と保護者を対象としており、子どもから猫へ、お気に入りの絵本を読み聞かせる。猫たちは、人間の声とぬくもりで幸せな気分になり、子どもは猫と触れ合うことで豊かな心を養えるという。当日は「ねこ型メッセージカード」の製作も予定されており、小学生の入場料もワンドリンク付きで500円と、通常より安く設定される(大人は1,700円)。4~6年生は、保護者の連絡先を持参すれば小学生だけの入場も可能。小学生の子どもを持つスタッフが対応するので安心だ。定員は保護者を含み15名程度。詳細は、「Neco Republic OSAKA shinsaibashi」にて。
2014年11月28日湘南に保護猫カフェ「湘にゃ庵」がオープンした。○東日本大震災の保護猫がお出迎え保護猫カフェ「湘にゃ庵」で出迎えてくれる猫たちは、東日本大震災で飼い主とはぐれたり置き去りにされた「元飼い猫」や「地域猫」たち。店内には猫のケージや遊び道具があり、ドリンクはボトルで提供される。店内にいる猫のほとんどが里親募集中なので、猫たちとくつろぐだけでなく、運命の猫と出会えるかもしれない。里親を希望する場合は、トライアル期間を経て迎えることとなる。保護猫カフェ「湘にゃ庵」は、各線藤沢駅北口から徒歩1分。利用料金は30分ごとに500円。営業時間は11時~19時30分。火曜定休。その他詳細は、保護猫カフェ「湘にゃ庵」のホームページにて。
2014年11月25日グリーンハウスは、薄型テレビ用の液晶保護パネル「TVガード GH-TVGBシリーズ」を発売した。液晶を保護するだけでなく、ブルーライトを43%カットする機能を持つ。価格はオープン。GH-TVGBシリーズは、液晶テレビを傷や汚れから保護する光沢タイプの保護パネル。眼精疲労やドライアイを招くとされるブルーライトを43%カットする機能を持つ。パネルに備えられたベルトをテレビの背面で固定して設置する。またパネルとテレビとの設置面には、ポリウレタンゴムが装着されており、テレビに傷が付くのを防ぐ。32V、37V、40V、42V、47Vの5サイズがラインナップされている。主な仕様は以下のとおり。
2014年11月12日ロジクールは28日、iPad Air 2専用となる二つ折り保護カバー&スタンド付きのBluetoothキーボード「ロジクール キーボード一体型保護ケース for iPad Air 2」(型番:iK1051)を発表した。ブラックとレッドの2色を用意。12月に発売し、価格はオープン、直販価格は11,000円(税別)。耐水ファブリック素材を採用し、iPad Air 2の前面と背面の両方を保護。iOSショートカットにも対応する。タイピングしやすいタイピングポジションと、ブラウジングがしやすいリーディングポジションでの設置が可能。充電式のバッテリを内蔵し、バッテリ駆動時間は約3カ月。本体サイズはW259.9×D17.1×H183.7mm、重量は430g。iPad Air 2でのみ使用可能。
2014年10月29日大阪府大阪市・心斎橋に10月4日、猫の保護施設「ネコリパブリック大阪」がオープンする。○寄付に頼らない保護施設を目指す同施設は、寄付に頼らない「自走できる保護施設」を目指すオープンシェルター・保護猫カフェ。保護された猫たちの里親探しの場、TNR活動などの拠点や各種教育活動の拠点の場のほか、物販やペット用品販売、ネットショップ等を展開することで施設維持費を捻出する。2013年暮れ、飼い主の突然の逝去により行き場をなくした多数の猫を、大阪各地から個人ボランティア・団体が少しずつ救いだしていたが間に合わなかったという。その様子をインターネットで知ったアリス開運堂の河瀬麻花氏が、個人宅であった場所を「オープンシェルター」として再生するため内装工事を行い、今回のグランドオープンにこぎ着けたとのこと。同施設では、高齢者と猫、また都市部の人と猫の共生問題を広く認識してもらい、その問題点はしっかりと捉えつつ、楽しくておしゃれな猫との生活をめざし、グッズ販売や空間づくりの提案を行いながら動物愛護の啓蒙を行っていく。場所は大阪市中央区南船場3-7-17ミウラヤビル3F。営業時間は12時~21時。
2014年10月03日東京都武蔵野市を中心に、市と協働で活動する地域猫の会「むさしの地域猫の会」は、10月12日にカフェゼノン横の特設会場(吉祥寺駅から徒歩5分)にて、猫の譲渡会を開催する。譲渡会の開催時間は13時~15時まで。会場の住所は武蔵野市吉祥寺南町2-11-3。○むさしの地域猫の会とはむさしの地域猫の会は2006年9月に発足。ボランティアと武蔵野市環境政策課との協働で、猫によるトラブルをなくし、人と猫が快適に共存できる街づくりを目標にしている。具体的な活動としては、飼い主のいない猫の不妊去勢手術費用の助成、飼い主のいない猫のTNR(一時保護・不妊去勢手術・リターン)活動、里親募集、飼い猫の適正飼育の普及など。○譲渡会にはたくさんの猫たちが参加今回開催する譲渡会には、子猫から大人の猫までたくさんの猫たちが参加する。実際に猫を見てから判断できるため、猫を飼いたいと思っている人や飼育を迷っている人もぜひ参加を、と同会は呼びかけている。猫を飼育するのが初めての人には、スタッフがアドバイスを行う。譲渡後も、疑問や不安な点の相談にも応じている。同会は、今回の譲渡会は猫と里親の「お見合い」と位置づけている。実際に猫と会ってみて、気に入った猫がいた場合、連絡先などを記入したエントリー用紙を提出。後日、スタッフと里親希望者が面談の上で、問題がないと判断した場合に、猫と生活する「お試し期間」に入る。猫が正式に譲渡されるのは、お試し期間が無事終了してから。なお、同会では家族構成や、ペット飼育の状況、アパート住まい等の場合は猫の飼育が許可されているかどうかなど、猫が安心して飼育できる環境かどうか確認する質問を行う。ペット不可の物件に居住している場合は、ペット可の物件への引っ越しが決まっている場合などを除き、譲渡は行っていない。(画像と本文は関係ありません)
2014年09月30日東京都武蔵野市を中心に、市と協働で活動する地域猫の会「むさしの地域猫の会」では、現在、保護猫を自宅で預かる「一時預かりボランティア」を募集している。○むさしの地域猫の会とはむさしの地域猫の会は2006年9月に発足。ボランティアと武蔵野市環境政策課との協働で、猫によるトラブルをなくし、人と猫が快適に共存できる街づくりを目標にしている。具体的な活動としては、飼い主のいない猫の不妊去勢手術費用の助成、飼い主のいない猫のTNR(一時保護・不妊去勢手術・リターン)活動、里親募集、飼い猫の適正飼育の普及など。○一時預かりボランティア同会が募集している「一時預かりボランティア」は、保護した猫たちに新しい家族が見つかるまで、自宅で預かるボランティア活動。同会には、猫シェルターのような保護施設はないため、保護した猫たちは会員が自宅で預かっている。預かりボランティアが増えることで保護できる猫も多くなり、たくさんの猫を新しい里親のもとに送り出すことができるとのことだ。詳細は、「むさしの地域猫の会」公式サイトで案内している。
2014年02月20日イケアの日本法人イケア・ジャパンはこのほど、10月18日開催の「お泊まり会@ IKEA 2013」の参加者募集を開始した。同イベントは、毎年恒例となっているIKEA FAMILYメンバー限定のイベント。今年も総勢120名のIKEA FAMILYメンバーを招待し、スペシャルディナーを提供。ディナーの後は、誰もいない夜のストアを探検、快適な眠りを見つけるセミナーに参加し、同社のベッドで就寝となる。参加者には、当日使用した「IKEA眠りグッズ(枕・掛け布団・カバー一式)」がプレゼントされる。開催日は、10月18日(翌日9時解散)。実施店舗は、IKEA船橋、港北、新三郷、神戸、鶴浜、福岡新宮の各店。募集期間は、7月27日~8月15日。募集人数は各ストア20名。応募資格は、IKEA FAMILYメンバーで、子供は4歳以上。参加費は無料。応募条件は、「より快適な毎日」を送ることに興味のある人となる。その他、詳細は同社公式ページを参照のこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年08月01日ソーシャル・ネットワーキング サービス(SNS)「mixi」を運営する「ミクシィ」は、12月10日より、同SNSにおいて「青少年保護のためのゾーニング(利用者ごとによる機能制限)施策」の強化を実施した。今回行った「青少年ユーザー保護施策の強化」では、青少年ユーザーのアクセスの制限を「友人の友人まで」から「友人まで」に変更。同SNSにおける、プロフィールの検索や閲覧範囲の制限をより強めている。同社ではこれまでにも、同SNSの健全性向上のため、18歳未満の青少年ユーザーに「友人検索機能、コンテンツ検索機能の利用制限(日記・フォト・動画・レビュー)」、「ユーザーアクセスの一部制限」、「青少年にふさわしくない一部のレビュー・広告の非表示」などの保護施策を実施。さらに、携帯電話事業会社との連携による「年齢情報認証」の実施や、人・システムによるパトロール、セキュリティーシステムの整備、教育・啓発活動など、さまざまな取り組みを行っている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月13日厚生労働省は12日、9月分の被保護者調査の結果を発表した。それによると、9月の生活保護受給者数は前月比2,894人増の213万3,905人となり、5カ月連続で過去最多を更新したことがわかった。9月の生活保護受給世帯数は、前月比2,543世帯増の155万7,546世帯で、こちらも過去最多を更新した。世帯別に見ると、高齢者世帯(男女とも65歳以上の世帯、またはこれらに18歳未満の未婚者が加わった世帯)が最も多く、全体の4割以上となる67万5,238世帯。以下、傷病者世帯が29万8,060世帯、その他の世帯が28万5,642世帯、障害者世帯が17万7,329世帯、母子世帯が11万4,311世帯と続いた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月13日厚生労働省は21日、8月分の被保護者調査の結果を発表した。それによると、8月の生活保護受給者数は前月比6,342人増の213万1,011人となり、4カ月連続で過去最多を更新したことが分かった。8月の生活保護受給世帯数は、前月比5,230世帯増の155万5,003世帯で、こちらも過去最多を記録した。世帯別に見ると、高齢者世帯(男女とも65歳以上の世帯、またはこれらに18歳未満の未婚者が加わった世帯)が最も多く、全体の約4割となる67万3,680世帯。以下、傷病者世帯(世帯主が入院やけがのため働けない世帯)29万8,643世帯、障害者世帯が17万6,765世帯、母子世帯が11万4,054世帯と続き、その他の世帯が28万5,003人となった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月22日厚生労働省は25日、今年7月の生活保護受給者数が212万4,669人となったと発表した。7月の生活保護受給者は前月と比べて9,192人増加し、過去最多を更新。一方、7月の生活保護受給世帯数も、前月比6,989世帯増の154万9,773世帯となり、こちらも過去最多となった。世帯別に見ると、最も多かったのは高齢者世帯(男女とも65歳以上の世帯、またはこれらに18歳未満の未婚者が加わった世帯)で67万1,572人。以下、傷病者世帯(世帯主が入院やけがのため働けない世帯)29万8,703人、障害者世帯が17万5,889人、母子世帯が11万3,743人と続き、その他の世帯が28万3,062人となった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月25日財務省は22日、財政制度等審議会の財政制度分科会「財政について聴く会」を開催した。この中で、財務省主計局は配布した資料において、生活保護の医療扶助について、「患者側、医療機関側のモラルハザードを防止し、制度の信頼性を確保する観点などから、一部自己負担の導入など、もう一段の取組みを進めることが必要ではないか」と提言している。同資料によると、生活保護の医療扶助は、1人あたり医療扶助費は高額となっている(例えば30~39歳の生活保護受給者一人当たり入院外医療費は市町村国保等の被保険者一人当たり医療費の2.7倍)。財務省によると、これは、生活保護受給者の受診件数が多いことが主因とされる。受診件数が多い要因については、「生活保護受給者には傷病を有する割合が一般の者よりも高いことが指摘されるが、それだけで説明可能なのか、診療代が全額公費負担となることに伴うモラルハザードは生じていないか」と指摘。さらに、入院医療費で比較を行うと、1人あたり医療費について、生活保護受給者の方が一般国民よりも高額である傾向がさらに顕著となるという。例えば、30~39歳の生活保護受給者一人当たり入院医療費は市町村国保等の被保険者一人当たり入院医療費の5.3倍となっている。医療扶助の適正化に向けて進められている取組みは、厚生労働省によると、(1)後発医薬品の使用促進、(2)「医療扶助相談・指導員」の配置、(3)電子レセプトを活用したレセプト点検の強化、(4)指定医療機関に対する効果的・効率的な指導、(5)向精神薬に係る適正受診の徹底、などがある。また、9月28日「社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」厚生労働省提出資料において提示された医療扶助の適正化策の主な項目として、「生活保護受給者の健康管理の徹底」「セカンド・オピニオン(検診命令)の活用」「指定医療機関の指定要件見直し」「指定医療機関への指導・調査・検査の強化」が挙げられている。だが財務省で、医療扶助に関する実態調査を、生活保護の実施機関である地方自治体に対するアンケート(平成24年度財務省「生活保護の医療扶助費支給実態調査」)の形式で実施したところ、以下の結果が得られたという。生活保護受給者に対する向精神薬(睡眠薬、抗うつ薬、抗不安薬など)の重複処方の状況について、現在進められている電子レセプトによるチェックによって、重複処方の件数に変化があったかを尋ねたところ、「特段の変化はない」との回答が約7割を占めた平成23年度から実施されている電子レセプトを活用した、適正化すべき受診行動についての点検・分析によって、従来の紙レセプトによる点検・分析時に比べて生活保護受給者の受診行動が改善されたかを尋ねたところ、「特段の変化はない」との回答が約8割を占めた生活保護受給者に理解を求めた上で、後発医薬品を一旦服用することを促す、との取組みによって、後発医薬品が存在する調剤についての医療扶助費請求金額に変化はあったかを尋ねたところ、「特段の変化はない」との回答が約10割(98%)を占めた財務省は、レセプト点検をはじめとする適正化策を平成10年代から継続しているにもかかわらず、医療扶助費全体の増加傾向に歯止めがかからない生活保護受給者一人当たり医療費が一般国民よりも高い状態が継続している入院診療費単価や入院外診療・歯科診療の件数はむしろ増加傾向にある生活保護受給者や医療機関等に直接接している地方自治体からは、現在進められている取組みの実効性に対して疑問の声が上がっているなどの状況がみられると指摘。以上の点などを踏まえ、医療扶助をめぐる課題(検討の方向性)として、これまでの適正化の取組みに加えて、「患者側、医療機関側のモラルハザードを防止し、制度の信頼性を確保する観点などから、例えば、一部自己負担の導入(翌月償還を含む)、後発医薬品の原則化など、もう一段の取組みを進めることが必要ではないか」と提言している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月23日「勉強しなさい」「テストの結果どうだった?」とわが子に言ってみたものの、「ママ、教えて」と言われると、意外にも内容が難しくて、戸惑う人も多いという。実際に親である自分が、子どもの学習に関して、どれだけ何をしてあげられるかを考えると、なかなか難しいというのが本音のようだ。そんな中、株式会社ベネッセコーポレーションから、新たな企画が実施された。それが「 進研ゼミ小学講座 実力診断テスト無料お試しキャンペーン 」だ。全国規模で毎年多くの受験者、高精度判定、受験後の教材フォローなどが支持されている進研ゼミの実力診断テストを、保護者向けにWeb上で開放するというもの。10月19日(金)にオープンし、無料で体験することができる。そもそも、「進研ゼミ小学講座 実力診断テスト」とは、子どもの本当の学力を知るために実施されている。昨年度だけでも、小学生約53.8万人(2011年小3~6実績)が受験。「学校の通知表やテスト結果だけじゃ、子供の本当の学力は分からない」「塾に任せたいけど、自学自習力がつくかどうか不安」という保護者の声に応えてくれる心強い味方だ。では、なぜ実力診断テストを保護者が受験できるキャンペーンを始めたのだろうか。それは、冒頭でもお伝えした通り、子どもを塾に通わせる親が多い一方で、「子どもの質問に答えられない」「学校で何を勉強しているのか分からない」など、そもそも子どもの勉強内容を把握できていない保護者も急増している実状があるからだ。調査をしてみると、子どもの学習への関わり方は、年々宿題を手伝うなど直接的な関わりが強まってきていることが分かる。しかし、子供の学習を見ることについては、約半数の保護者が負担を感じていて、そのうちの61.8%が「内容や教え方が難しい」と感じているようだ。実際、小学生の保護者に子どものしつけや教育方針について質問をしたころ、「子どもがすることを親が決めたり、手伝ったりすることがある」という意見は増加している。子どもの学習への関わり方に関しての質問には、「学校の宿題を手伝う」が2002年は33.5%だったのに対して、2011年には40.0%に増えている。保護者が子供の学習・宿題により直接的に関わるようになっていることが分かる。(左)「学校の宿題を手伝う」と回答した割合 (右)「夏休みの宿題を手伝う」と回答した割合※ベネッセ教育研究開発センター「第4回子育て生活基本調査」よりしかし、問題となってくるのはこの次のステップだ。別の調査で子どもの学習を見ることへの負担感について質問したところ、学校の宿題は44.4%、学校の宿題以外の学習は48.4%の保護者が「負担を感じている」という結果に。さらに、子どもの学習を見ることに負担を感じたことがある保護者のうち、61.8%が「内容や教え方が難しい」と感じ、その比率は高学年になるにつれて増える傾向にある。そのためにも、まずは保護者自身が子どもたちの学習内容や実力を把握することがますます重要となってくる。真剣に子どもの学習に向き合うのであれば、同じように大人も学習力を見直してみるのが、一番の近道かもしれない。「子どもの学習に関して、何をしていいか分からなかった」「もっと子どもの学力を伸ばしてあげたい」。こんな思いを抱えていた人は無料キャンペーンで一度試してみては。■進研ゼミ小学講座 実力診断テスト 公式サイト 進研ゼミ小学講座 実力診断テスト無料お試しキャンペーン
2012年10月22日厚生労働省は17日、第9回「社会保障審議会 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」を開催した。それによると、2011年における生活保護受給者の自殺者数は1,187人となり、2010年の1,045人に比べて142人増加したことが同省による調査で明らかになった。同調査は、全国の自治体が生活保護受給者の自殺または自殺と推定される死亡者の状況を同省に報告し、同省保護課において集計したもの。2009年の自殺者数は1,045人だった。自殺者数が増加した理由について、同省保護課は「具体的な要因はわからないが、生活保護受給者が増えたことが一因となっていると考えられる」と話している。社会保障審議会特別部会は、生活困窮者の自立支援策や生活保護制度の見直しを盛り込む「生活支援戦略」について議論するもの。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月18日厚生労働省が実施した2010年の生活保護被保護者全国一斉調査の基礎調査によると、同年7月1日時点での生活保護の被保護世帯は全国で136万1149世帯で、このうち外国人の被保護世帯は4万29世帯であったことが分かった。厚生労働省 社会・援護局保護課によると、同省が把握している限りにおいて、同年7月1日時点での外国人の被保護世帯数は過去最多となった。調査によると、外国人の被保護世帯の世帯主の国籍の内訳は韓国・朝鮮籍が2万7035世帯、フィリピン籍が4234世帯、中国籍が4018世帯、ブラジル籍が1455世帯、ベトナム籍が603世帯、アメリカ合衆国籍が110世帯、カンボジア籍が63世帯などとなっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月02日厚生労働省は12日、今年4月の生活保護受給者数が210万2,081人、今年5月の生活保護受給者数が211万816人となったと公表した。5月の生活保護受給者数は過去最多となった。一方、4月の生活保護受給世帯数は152万9,524世帯、5月の受給世帯数は153万8,096世帯で、こちらは4月、5月と連続で過去最多を更新した。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月12日中華人民共和国四川成都にある、野生動物の研究、保護、飼育そして保護のための教育を目的としたNPO「成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地」は、国際NGO「ワイルドエイド(Wild Aid)」と共同で、ジャイアントパンダの保護に関する包括的な知識と認知度の向上を目的とした「2012年パンダ大使プログラム」の開始を発表した。同プログラムでは、絶滅の危機にひんしているパンダの保護に関わることを熱望し、強い社会的責任感を抱いているパンダ愛好家を「パンバサダー(パンダ大使)」に任命。1年間にわたり公式な「成都パンバサダー」として活動するほか、2013年には「世界パンダ保護ツアー」に参加するという。今年のプログラムでは、「パンダクエスト(冒険) 次期成都パンバサダーになろう」という新テーマのもと、パンダの飼育や保護環境下でのリハビリだけでなく、パンダを自然界に戻すことにも焦点を当てている。プログラムの選考過程は、応募者の「パンダ保護に関する知識」、「保護メッセージを周囲に伝える能力」、「自然の生息地保護に対する配慮」を審査。オンラインでの応募から始まり、世界中から集まる応募者のトップ160名から、審査員により72名を、各リージョンで行われるセミファイナルに招く。さらに、その中から選ばれた16名をファイナリストとして中国・成都市へ招待。最終的には3名の「パンバサダー」が任命されることになる。なお、詳細は同プログラム公式Facebookページを参照のこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月11日ベネッセコーポレーションはこのほど、小学5、6年生と中学生の保護者を対象に実施した中学校の武道必修化に関するアンケート調査の結果を発表した。同調査は、4月18日~19日の期間にインターネット上で行われ、2,607名から有効回答を得た。まず、新学習指導要領の主な変更点を知っているか尋ねたところ、認知度が最も高かったのは「武道が男女ともに必修となる」(「よく知っている」と「まあ知っている」の合計。以下同)で84.7%。次いで、「ダンスが男女ともに必修となる」が80.0%、「教科書のページ数の増加」が61.5%、「授業時数の増加」が58.1%となった。一方、武道を取り入れた体育の授業に対して「不安がある」と答えた保護者は7割以上に上った。その理由については、「ケガをするかもしれない」が78.7%で最多となり、「武道を指導できる教員がいるか」も75.8%を占めた。以下、「設備や用具などは十分にあるか」が36.3%、「保険が事前に学校側で契約されているか」が23.5%と続いた。保護者からは「指導者によっては、しっかり準備をしなかったり、子どもに無理な練習をさせたりして、ケガや事故を招きやすいのではないかと気がかりです」など、授業内容を心配するコメントが寄せられている。武道の必修化について中学校から説明があったかどうかを聞いてみると、85.8%が「なかった」と回答したのに対し、「あった」は14.2%にとどまった。中学校の体育の授業で実施される武道の内容を「知っている」保護者は47%で、いつ頃から実施されるかを「知っている」保護者は12.8%。反対に、実施内容に関しては53%、開始時期に関しては87.2%が「知らない」と答えており、武道の授業に関する情報が保護者に十分伝わっていない現状が浮き彫りになった。続けて、武道の授業で何が実施されるか具体的に質問したところ、圧倒的に多かったのは「柔道」で74.7%。次いで、「剣道」が29.7%、「相撲」が1.6%との順となった。自分の子どもは、武道を取り入れた体育の授業を楽しみにしているように見えるかとの問いに対しては、4割以上が「楽しみにしていない」ように見えると回答。一方、「楽しみにしている」ように見えるという保護者は2割に満たなかった。また、武道の必修化について保護者自身がどう感じているか尋ねると、「良いことだと思う」は50.5%、「良いことだと思わない」は49.5%と賛否が二分する結果に。理由としては、「良いことだと思う:礼儀を身につけることができると思うから・護身術を身につけられそうだから」、「良いことだと思わない:指導者がいるのかどうかがわからないから。武道は専門知識をしっかり身につけた人が教えないと、安全面に不安が出るような気がします」などの意見が挙がっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月18日ペッツファーストは、捨てられ、殺処分される犬や猫をなくすため、7月14日~16日に行われる「Pet博2012inなごや」にて、「マイクロチップ無償装着会」と「保護犬譲渡会」を同時に開催する。ペットの終生飼養の意識の向上と、保護犬譲渡の促進を図る。同社は、2011年5月より、飼い主に「最後まで飼う」意識を持ってもらうことを目的に、全国のドッグイベントや提携動物病院でマイクロチップの無償装着活動を開始し、現時点での装着頭数は累計1万頭を突破した。今年6月には、より直接的に「殺処分数を減らす」ことを目的に、ペットショップでの保護犬譲渡会を試験的に実施し、参加した3頭すべてを譲渡することができた。今後は2つの活動を連動させ、より実施機会を増やしていくために、「マイクロチップ無償装着会」と「保護犬譲渡会」に同時に取り組んでいく。イベントに訪れた多くのペット愛好家に向けて、マイクロチップの重要性や保護犬の存在を伝えるとともに、その場で「無償装着」「無償譲渡」の機会を提供することでさまざまな角度から殺処分の問題に取り組むことを狙いとする。業界に先駆けて「Pet博2012inなごや」にてスタートさせ、同時開催による効果を確認していくという。「マイクロチップ無償装着会」では、獣医師による簡単な診察の後、無償で装着する。AIPO(動物ID普及推進会議)へのデータ登録費用(1,000円)のみ、利用者の負担となる。「保護犬譲渡会」では、 仕事を辞めたブリーダーから保護した犬が譲渡される。獣医師による健康診断・ワクチン接種、スタッフによる心身のケアなどが完了し、譲渡に適した犬たちが参加する。希望者の住環境、責任を持って飼えるかなど の審査を行い、条件を満たし人に無償で譲渡する。■実施概要 日程:2012年7月14日(土)~16日(月・祝) 10:00~17:00 会場:「Pet博2012inなごや」(ポートメッセなごや第2展示館) 出展内容:「マイクロチップ無償装着会」「保護犬譲渡会」 ※「Pet博2012 inなごや」への入場には、入場料(大人1,200円、子ども800円)が必要。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月12日厚生労働省は10日、中央最低賃金審議会の2012年度の第2回「目安に関する小委員会」において、「生活保護と最低賃金」と題した資料を示した。同資料によると、「生活保護」が「最低賃金」を上回る”逆転現象”が、青森県や千葉県など11都道府県に拡大したことが明らかとなった。「生活保護」が「最低賃金」を上回る”逆転現象”とは、生活保護費と最低賃金で働く人の可処分所得をそれぞれ時給換算した場合に、生活保護費のほうが最低賃金で働く人の可処分所得を上回る(乖離する)現象。2011年度の地域別最低賃金引上げ後の逆転現象は、北海道、宮城県、神奈川県のみで生じていた。だが、厚生労働省が10日示した最新の資料によると、逆転現象は、北海道(最新の乖離額は30円)のほか、青森県(同5円)、宮城県(同19円)、埼玉県(同12円)。千葉県(同6円)、東京都(同20円)、神奈川県(同18円)、京都府(同8円)、大阪府(同15円)、兵庫県(同10円)、広島県(同12円)の11都道府県に拡大した。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月11日厚生労働省は5日、同日開かれた国家戦略会議において、「生活支援戦略」の中間まとめとする資料を示した。中間まとめでは、「生活保護制度」の見直し案として、保護を必要とする人が受けられなくなることのないよう留意しつつ、扶養可能な扶養義務者には、必要に応じて保護費の返還を求めることも含め、適切に扶養義務を果たしてもらうための仕組みを検討するとしている。「生活支援戦略」の中間まとめでは、生活保護制度について、基本目標として、国民の信頼に応えた生活保護制度を構築するとし、受給者の状況に応じた自立の助長を一層図るとともに、給付の適正化などを徹底する観点から、生活保護制度を見直すとしている。見直し案の中では、検討事項として、「指導等の強化」の中で、生活保護受給者の状況等をより的確に把握するため、現在資産・収入に関する事項に限られている地方自治体の調査権限について、拡大(就労活動等に関する事項の調査、過去に生活保護受給者であった者も対象)を検討する。また、保護を必要とする人が受けられなくなることのないよう留意しつつ、扶養可能な扶養義務者には、必要に応じて保護費の返還を求めることも含め、適切に扶養義務を果たしてもらうための仕組みを検討する。さらに、地方自治体の負担軽減にも配慮し、医療機関に対する指導に係る調査などについて、民間委託の導入を検討する、などとしている。罰則の強化も検討。不正受給には、より厳正に対処する観点から、罰則(現在は3年以下の懲役または30万円の罰金)の引上げを検討する。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月06日厚生労働省は13日、今年3月の生活保護受給者数が210万8,096人(速報値)となったと公表した。厚生労働省によると、生活保護受給者数は、1951年度の通年の月平均である204万6,646人を超え過去最多となった2011年7月から、9カ月連続で過去最多を更新したことになる。今年3月の生活保護受給世帯数も152万8,381世帯となり、厚労省によると、これも過去最多を更新した。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月13日厚生労働省は5月31日、生活保護法第29条に基づく調査の金融機関本店などへの一括照会について、全国銀行協会に要請し、2012年12月(予定)から実施することになったと発表した。これにより、これまで各福祉事務所が複数の支店に別々に照会をしていたが、そうしたことが必要なくなる。また、より多くの支店の状況も把握できるようになることから、資産調査が効率的、効果的に実施できるようになるとしている。生活保護法第29条は、以下の通り。生活保護法第29条に基づく調査の金融機関本店などへの一括照会について、基本的な実施要領案については、以下の通りとなっている。(1)本店等一括照会に対応する銀行の範囲店舗を有する都市銀行、地方銀行、第二地方銀行協会加盟銀行、信託銀行など(信用金庫、信用組合については、別途、実施スキーム案を調整)(2)本店など一括照会の依頼先銀行が指定する本店・本部・センターなど(3)本店など一括照会の対象者生活保護の申請を行った人(世帯)不正受給が疑われる人(世帯)(4)照会内容(※)口座の有無口座が「有」の場合の取引店及び調査時点の残高(5)照会方法など福祉事務所は氏名(漢字・カナ)、性別、生年月日、住所を記入した書面(統一様 式)に本人から徴取した同意書を添付し、上記(2)の依頼先に照会する銀行は福祉事務所から照会が行われた場合、当該銀行の国内全店舗(事務・システ ム上の事情から調査困難な店舗がある場合には、当該店舗を除く)における上記(4)の内容を調査し回答する(6)実施時期銀行の準備状況を踏まえ2012年12月から実施(予定)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月01日生活保護問題対策全国会議と全国生活保護裁判連絡会は28日、「生活保護制度に関する冷静な報道と議論を求める緊急声明」を発表した。両団体では、お笑いコンビ「次長課長」の河本準一さんの母親が生活保護費を受給していた件がさまざまなメディアでとりあげられていることについて、「今回の一連の報道は、あまりに感情的で、実態を十分に踏まえることなく、浮足立った便乗報道合戦になっている」と強調。一連の報道の特徴を、「なぜ扶養が生活保護制度上保護の要件とされていないのかという点についての正確な理解を欠いたまま、極めてレアケースである高額所得の息子としての道義的問題をすりかえ、あたかも制度全般や制度利用者全般に問題があるかのごとき報道がなされている点にある」としている。声明では、(1)本来、生活保護法上、扶養義務者の扶養は、保護利用の要件とはされていない、(2)成人に達した子どもの親に対する扶養義務は、「その者の社会的地位にふさわしい生活を成り立たせた上で、余裕があれば援助する義務」にすぎない、(3)しかも、その場合の扶養の程度、内容は、あくまでも話し合い合意をもととするものである、(4)もし、扶養の程度、内容が、扶養義務の「社会的地位にふさわしい生活を成り立たせ」ることを前提としても、なお著しく少ないと判断される場合には、福祉事務所が、家庭裁判所に扶養義務者の扶養を求める手続きが、生活保護法77条に定められている、などとし、「扶養の在り方に関する正しい議論がなされないまま、一方的に『不正受給』が行なわれているかのごとき追及と報道がなされている」と主張。また、自民党が2012年4月9日に発表した生活保護制度に関する政策について、(1)生活保護給付水準の10%引き下げ、(2)自治体による医療機関の指定、重複処方の厳格なチェック、ジェネリック薬の使用義務の法制化などによる医療費の抑制、(3)食費や被服費などの生活扶助、住宅扶助、教育扶助等の現物給付化、(4)稼働層を対象とした生活保護期間「有期制」の導入、などとなっているとし、「憲法25条に基づき、住民の生存権を保障する最後のセイフティーネットとしての生活保護制度を確立するという視点を全く欠いた、財政抑制のみが先行した施策となっている」と批判している。声明ではまた、小泉純一郎政権下において、毎年2200億円社会保障費を削減するなどの徹底した給付抑制策が推進された結果、「『保護行政の優等生』『厚生労働省の直轄地』と言われた北九州市における3年連続の餓死事件の発生であった」と分析。「今回の自民党の生活保護制度に関する政策には、こうした施策が日本の貧困を拡大させたとして強い批判を招き、政権交代に結びついたことに対する反省のかけらも見られない」としている。またさらなる問題点として、社会保障・税一体改革特別委員会において、自民党の生活保護に関する政策について、野田佳彦首相が「4か3.5くらいは同じ」と述べ、小宮山洋子厚生労働大臣が「自民党の提起も踏まえて、どう引き下げていくのか議論したい」と述べていることことを挙げている。両団体では、「今求められているのは、生活保護制度が置かれている客観的な状況を把握し、制度利用者の実態に目を向け、その声に耳を傾けながら、冷静にあるべき方向性を議論することである」と呼びかけている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月29日お笑いコンビ「次長課長」の河本準一さんの母親が生活保護費を受給していた件がさまざまなメディアでとりあげられている。では、「生活保護」の制度とは、そもそもどのようなものなのか。あらためて、同制度の仕組みをみておきたい。生活保護制度は、「資産や能力などすべてを活用してもなお生活に困窮する人に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度」(厚労省)として、1950年に開始。現在の受給者は209万人を超えている。生活保護の相談・申請窓口は、現在住んでいる地域を所管する福祉事務所の生活保護担当部署が行っている。生活保護を受けるための要件及び生活保護の内容については、生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提であり、また、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先する。具体的には、「預貯金、または生活に利用されていない土地・家屋などの資産があれば売却などし、生活費に充当する」、「働くことが可能であれば能力に応じて働く」、「年金や手当てなど他の制度を活用する」、「扶養義務者、または親族などから援助を受ける」、これらすべてを活用して、そのうえで、世帯の収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、保護が適用される。保護費は、世帯の収入(給料、年金、仕送りなど)と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が支給される。生活扶助基準額の詳細は厚労省WebサイトのPDFを参照。保護の種類は、「生活扶助」(食費・被服費・光熱費等日常生活に必要な費用)、「住宅扶助」(アパート等の家賃)、「教育扶助」(義務教育を受けるために必要な学用品費)、「医療扶助」(医療サービスの費用)、「介護扶助」(介護サービスの費用)、「出産扶助」(出産費用)、「生業扶助」(就労に必要な技能の修得等にかかる費用)、「葬祭扶助」(葬祭費用)の8種類が用意されている。それぞれの支給内容を説明すると、「生活扶助」の基準額は食事等の個人的費用、および光熱水費等の世帯共通費用を合算して算出(母子加算などあり)、「住宅扶助」は定められた範囲内で実費を支給、「教育扶助」は定められた基準額を支給、「医療扶助」は直接医療機関へ費用を支払、「介護扶助」は直接介護事業者へ費用を支払、「生業扶助」および「葬祭扶助」は定められた範囲内で実費を支給、となっている。また、生活保護の手続きの流れは以下の通りとなっている。生活保護の相談・申請窓口は、福祉事務所の生活保護担当部署が行っている。生活保護の利用希望者は、現在の居住地域にある該当部署を訪ねて、制度についての説明を受け、さらに生活福祉資金、各種社会保障施策等の活用について検討した上で、申請書を提出する。相談・申請の際に必要な書類は特にないが、制度の仕組みなどを十分に理解するためにも、事前の相談が大切になる。また、福祉事務所を設置していない町村に居住する人は、居住地域の町村役場にて申請手続きを行うことができる。申請書が提出された後は、申請者に対して、保護の決定のために調査を実施する。例えば、「生活状況などを把握するための実地調査(家庭訪問など)」、「預貯金、保険、不動産等の資産調査」、「扶養義務者による扶養(仕送り等の援助)の可否の調査」、「年金等の社会保障給付、就労収入等の調査」、「就労の可能性の調査」など。なお、この調査において、世帯の収入・資産等の状況が分かる資料(通帳の写しや給与明細等)を提出する場合があるという。支給の可否は、申請日から原則14日以内(調査に日時を要する特別な理由がある場合は最長30日)に決定し、申請者に通知する。なお、申請から生活保護が開始されるまでの当座の生活費がない場合、社会福祉協議会による「臨時特例つなぎ資金貸付」を利用できる場合がある。保護費は毎月支給される。生活扶助基準額の例を見ると、標準3人世帯(33歳、29歳、4歳)の場合、東京都区部等では17万2,170円、地方郡部等では13万5,680円、高齢者単身世帯(68歳)の場合、東京都区部等では8万820円、地方郡部等では6万2,640円となっている。なお、生活保護の受給中は収入状況を毎月申告する必要がある。また、世帯の実態に応じて、福祉事務所のケースワーカーによる年数回の訪問調査が行われるほか、就労の可能性のある人に対しては、就労に向けた助言や指導が実施される。以上が生活保護制度の概要だ。現行制度は受給認定の甘さが批判されるなど、改善点は多いが、安易に受給額を抑えるだけでは問題の根本的な解決にはつながらないだろう。国は、生活保護の前段階となるセーフティネットの確立、さらに生活保護から抜け出すための新制度の設立に向けて、早期に動き出す必要があるのではないだろうか。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月29日