私は楓。娘の優は、小学校では普通学級に通っていますが発達面で偏りがあり、医師からも「特性の強さはあるけど確定診断はできない」と説明されました。勉強面では同じミスを繰り返したり、体育が苦手で積極的に取り組まないこともあります。また相手の状況を察して行動することが苦手で、自分の話したいことだけを話してしまうので最近では友だち関係でも気になることが増えてきました。優は自分の好きな話に没頭するあまり、友だちとうまくコミュニケーションがとれないことも多くありました。学習面では、得意教科と苦手教科の差がどんどん開くばかり。そんな中、行われた小学校での二者面談で、先生からも中学での内申の扱いについて説明がありました。先生からはまだ時間があるから、今から少しずつ家庭でもフォローができれば…とアドバイスをいただいたのですが、じつはこれこそ私が危惧していたことだったのです…。というのも…。小学校の面談で指摘された中学の内申。そのとき現在高校生の息子・毅が中学の時のことが思い出されました。現在高校生の息子・毅は勉強が得意で、テストも常に90点以上。ところが内申点が足りず、内申を重視しない私立高校への受験に切り替えた過去があったのです。このときから優も内申が高校受験の時の足枷になってしまうのではないか…とずっと気がかりだったのです。次回に続く(全5話)毎日8時更新!原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ふゆ
2021年06月15日■前回のあらすじ「息子には俺と同じ私立中学を受験させたい」と突然宣言した夫。しかし毎日ゲーム漬けの息子には、「俺に向いてない」と一刀両断されてしまい…。夫の和也から「息子を俺の母校の私立中学へ」という突然の宣言からまだ日も経っていないある日のこと、私の職場で思いがけず中学受験が話題に…。2月に入ってすぐにお休みを取っていた同じ部署で働く美咲さんが久しぶりに出社しました。1月頃からかなりプライベートが忙しそうなことには気づいていましたが、これまで連続で休みを取ることが少なかったので、退社直前に声をかけてみると…。美咲さんの息子さんが中学受験していることを知らなかった私。そして受験するのは子どもなのに、「親に戦略が必要」という意味すらもよく理解できないし、さらに「全落ち」というあまりに怖ろしすぎる言葉が出てくることにも驚きました。まだたった12歳の子どもが受験するだけでも驚きなのに、不合格という経験まで受け止めなければいけないという事実。いつも明るい美咲さんがこれほど深刻な表情をする中学受験の世界が、私には衝撃的すぎました。しかし…。美咲さんに聞いた中学受験の情報は私の知らないことばかりでした。東京では2月1日から受験が開始されること、本命校やチャレンジ校は2月1日に受ける子が多く、また複数回受験できる学校もあること、合格発表は受けた当日にネットで発表され、不合格だった場合にはすぐ他の学校に受験出願ができることなど。そして志望校に合格できなかった子、また1校も合格できなかった子は、2月1日から3日間、4日間と連続で受験するという事実。高校受験からしか経験がない私にとって聞いたことがないほどの過酷な挑戦。「合格できなかったらどうしよう…」という不安を親も子も抱えたまま挑む日にちを想像するだけで、胃が痛くなりそうでした。さらに受験会場に付き添うために親が休むということも中学受験の特徴のひとつの気がします。今の上司は美咲さんが言うとおり理解あるけれど、働く親にとっての難題のひとつになりそう。というよりも中学受験って親の出番はどれぐらい必要なんだろう…どうしてそこまで大変な想いをして中学受験をさせるのだろう。そう思っていた私に美咲さんが言ったのは…。中学受験の成功失敗は第一志望校に合格すること、そう単純に思ってきましたが、美咲さんの話から家族にとっての成功は別のものなのかもしれないと思いました。小学生に不合格という体験を味わわせることは、正直させたくないと思ってしまう私。でも美咲さんの話す「濃い時間」という言葉が、なぜだか心の中に刺さったままでした。子どもの時期は大切と思いながらも、実際にはだらだらとした時間を過ごす輝を見て見ぬふりしてきただけなのかも。もしかしたら中学受験を考えることも、1つのきっかけになるのかもしれない。こうして美咲さんとの会話によって、私たち家族の未来も大きく変わっていくことになるのです。次回に続く(全4話)毎日18時更新!※この漫画はフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ふゆ
2021年05月19日私は遥、会社勤めしながら夫・和也と小学3年生の息子・輝の3人で暮らしています。最近の悩みは、輝の放課後の過ごし方。ひとりで留守番する時間が長いのをいいことに、ゲーム漬けの毎日を送っているんです。そして今日も…。去年まで通っていた学童は、「みんなやめるから」という理由で退所。長く続けていたサッカーも、高学年が受験で次々抜けてしまい、試合でもスキルアップでも盛り上がりに欠け、次第に足が遠のくように…。「このまま、放課後はゲームばかりの毎日で大丈夫なのか?」と思いつつ、自分も小学校時代はピアノを習っていたくらいで、「大して変わらなかったのかな」と思ったり。そんなときに言われた私立中学出身の夫・和也の言葉。和也は御三家と呼ばれる私立中高一貫校出身ですが、これまで自分の母校に息子を入れたいなんて聞いたことがなく、和也がそんなことを思っていたとは私には青天の霹靂でした。中学受験なんて我が家には無縁の話。そう思っていた私にとって和也の発言はかなりの衝撃でした。ただ輝の毎日を見ていると、さすがに心配にもなります。しかし輝は、私の話を聞くなり「自分には向いてない」「これ以上勉強するなんてありえない」と中学受験を断固拒否。さすがにいきなり中学受験の話をしても受け入れられないのも納得だし、私自身も公立中学でしたが特に不満もなく、積極的に受験に賛成の立場を取ることができませんでした。息子のことをよく知りもせずに勝手に中学受験を言い出した和也に正直ムッときたのですが、そんな時、会社である出来事が起きたのです。次回に続く(全4話)毎日18時更新!※この漫画はフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ふゆ
2021年05月18日■前回のあらすじ娘には自分の「好き」を追求して深堀できる学校に行ってほしい。費用面などもクリアでき、はたして夫の出す結論とは…!?私が中学受験を意識し出してから一貫として「反対」という立場を通してきた夫。私がいろいろな情報をシェアしても、相談しようとしてもずっと逃げ回ってきました。でも私は夫が反対のまま進めるわけにもいかず…。今回の話し合いでも反対されたら、どうしようかなと…と不安になっていたのですが…。小学3年の9月から考え始めた中学受験。夫と意見交換ができたのは、もうすぐ12月になろうとする頃でした。共働きの私たちがどう中学受験に挑めばいいのかはまだまだ手探りの状態です。まずは塾選びから。これから娘が勉強でぶち当たるだろう壁、子どもの成績で一喜一憂するであろう私たち、そして塾の送り迎えなどのスケジュール。いろんなハードルがこの先に待ち構えているのだろうと思います。それでも中学受験が終わったときに「やってよかったね」と家族で笑えるといいなと思っています。※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ミカヅキユミ
2021年03月12日■前回のあらすじ娘と話をして中学受験についてあらためて考えた結果、私が私立中学に惹かれる理由は、「学校を選べる」ということに思い当たり…。何度か娘の葵の進学や今後について夫婦で話し合いたかったのですが、いつも「話し合いするぞ!」という私の気迫を恐れをなすのか逃げてしまう夫の健太。普通に話しかけたことで、そのまま会話に参加してくれました。私と夫は小遣い制にして、家計は私が管理していました。健太には貯金額は都度伝えていたのですが、大雑把な夫はあまり貯金額を意識していなかった模様。葵の学費については、葵が産まれてからすぐに娘用の口座を作って、毎月定額を貯金し続けていました。また児童手当もすべて貯金してきたので、特別贅沢をしなければ塾の費用や私立中高の学費はなんとかなることを説明しました。そして何より私が私立中高を調べていて、一番驚いたのが授業内容の面白さ! 最近の公立小学校の授業でもディベートを取り入れたり、企業に手紙を送って研究を深めたりと、私たちの子どもの頃とは大きく変化してきています。公立の中学も私たちの時代とは大きく違ってきているのかもしれません。それでもまだ画一的な授業が多いのも事実。葵には「知らないことを知ることは楽しい」と思って欲しい。だから葵に合った教育環境を選べるのであれば…「学校」を選んであげたいと思ったのです。はたして夫の出す結論とは…!次回に続く!※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ミカヅキユミ
2021年03月11日■前回のあらすじ中学受験に失敗した話を聞いて、改めて覚悟が必要だなと思った私は…。私はいろんな体験談を読むようになりました。体験談には、親子喧嘩が増えたり、受験することを途中で辞めたり、さらに離婚した家庭もあるなどいろいろな親子の姿がありました。もちろん親子の絆が深まった話や、受験をして良かったという意見もたくさんありました。そして文化祭シーズンとなり学校見学に行く季節となった頃、我が家はいまだに夫とは中学受験の話はできないでいました。そこでまずは娘と話しをしてみることに…。まだまだ子どもだと思っていたけれど、結構いろんなことを考えていることにビックリ。そして中学受験は誰が主役なのか、その原点に立ち返ることに…。どうして私立中学に魅力を感じるのか。公立にないメリットとは何なのか。ずっと考え続けてきてようやく自分の気持ちが見えてきました。中学受験をするのか、しないのか? 私たち家族の決断とは…!?次回に続く!※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ミカヅキユミ
2021年03月10日■前回のあらすじ塾に行かせてダメなら公立中学に行けばいい…そんな考えを持っていた私に先輩の紘子さんから「中受するならどこかの学校には入れてあげて」と言われて…。同じ大学で会社でも頼もしい先輩である紘子さん。息子さんも私立中学に通っているので、「中学受験のアドバイスは紘子さんにお願いしよう」と安易に考えていました。そんな紘子さんが「私の過去の話…聞いてくれる?」と言って話し出したのは、ご自身の体験談でした…。紘子さんの話は、親子の壮絶な中学受験の闘いの記録でした。そして紘子さんが「地獄だった」と語るのは…。紘子さんの話は、私にはとても重くのしかかってきました。大学時代、紘子さんの実家に遊びに行ったことがあり、紘子さんのお母さんにも会ったことがあります。紘子さんに似てとても柔らかな笑顔をするステキな方でした。紘子さんの辛かった体験談を聞いて、中学受験の怖さを垣間見たような気がしました。私も葵を傷つけてしまうことがあるんだろうか…。そして安易に流されて取り組むことではないなとあらためて思いました。そして私がしたことは…。次回に続く!※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ミカヅキユミ
2021年03月09日■前回のあらすじ夫は「中学受験は親のエゴだ」というけれど…。友だち付き合いが苦手で本が好きな娘に親としてできることを考え始めて…。夫の健太の言葉に「何も調べたりしないで反対するのもエゴなのでは?」と思ってみたものの私自身も知らない世界。そう思った私は出社前に本屋に寄ったのですが…。中学受験の本を読んでいたら先輩の紘子さんから声をかけられました。そして私は、自分の考えがとても浅いことを痛感することに…!中学受験についてはまだ考え始めたばかりの私。受からなければ「公立中学」でいいじゃんと思っていました。落ちたらどこにも行くところがない高校や大学と違って、公立に進むという手がある中学受験はそこまで覚悟をする必要があるという印象がなかったのです。しかし紘子さんのツラい過去の話を聞いて…。次回に続く!※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ミカヅキユミ
2021年03月08日■前回のあらすじ中学受験の状況を夢中で調べていると、夫から「小学生に受験はかわいそう」と言われて…。中学受験について調べ始めたばかりの私。思っていたよりも多くの私立中高が存在し、さらに今の中学受験を取り囲む厳しい状況も少しずつ理解してきたところに夫から言われた「中学受験はかわいそう」という言葉に違和感を持ち…。娘の放課後の過ごし方を理解していなかった夫。共働きの子どもの放課後の過ごし方は…。私は体育や音楽が苦手で、算数や国語などの授業は楽しかったのです。葵と同じように休み時間も本ばかり読んでいた私は、友だちと呼べる人もほとんどいませんでした。だから、夫の「勉強漬けにするのはかわいそう」という考え方にも違和感がありました。そして当時、私は友だちがいなかったことをとても気にしていたのですが、娘の葵は結構あっけらかんとしていて、「ひとりでいる方が空想できて楽しいよ」と笑っています。そんな葵に親として何ができるんだろう…。次回に続く!※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ミカヅキユミ
2021年03月07日■前回のあらすじ子どもの中学受験に興味をもった恵。夫に話すと、「小学校から塾なんて必要ない。ママ友に振り回されるな」と言われてしまい…。周りに塾に通う子が増え始め、中学受験を意識し始めた私。夫の「うちは中学受験は必要ない」という発言に納得できなかった私は、私と夫の共通の知り合いで、会社の先輩でもある紘子さんに話をしてみると…。中学高校時代の6年間…その響きがどうしてだかすごく気になってしまい…。そこで私は自宅から通えそうな中学や高校の状況を調べてみることに…。中学受験について調べていると、校風、学費、制服、大学進学実績…見始めると、あまりにたくさんの項目や要素があって、検索魔の私は夢中になっていました。まさか夫が帰ってきて、それを見ているとは気づかずに…。そして夫が私に吐いて捨てるように言ったのは「受験はかわいそう」と思っても見なかった言葉でした。次回に続く!※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ミカヅキユミ
2021年03月06日私は恵。小学3年生になる娘・葵と夫・健太の3人暮らしです。地方出身で私立中学というものがほとんど存在しない地域で育った私と夫。二人とも同じ東京の大学を卒業しそのまま就職、結婚しました。子どもを授かり保育園に通うようになって初めて「私立中高一貫校」「中学受験」という話題に触れるようになりました。そして小学生になると…。中学受験については、これまでも度々ママ友の会話のなかで出てきていました。ただ我が家は関係ないと、あまり深く考えたことはなかったのです。美佳さんはすでに上の子で中学受験を経験済みとのことで話を聞いていましたが、麻美さんのところも受験するのか…私は驚きと共に、焦りにもにた感覚に襲われました。そして夏休みが過ぎると、美佳さんも塾を決め、さらにほかの仲良しママ友たちの子どもも一斉に塾へと入り、中学受験の話題が一気に増えていきました。こうして次第に私も中学受験に興味を持ち始めていったのですが、夫は…。私自身、「中学受験をしよう」とまでは言い切れない状態。それに健太の言うとおり、ママ友の情報を聞いたからと言って我が家が受験をしようと決めたり、焦ったりする必要がないことはわかっています。私は大学に通わせてくれた両親に本当に感謝しています。だから私も娘の教育環境はできるだけ良いと思えるものを用意してあげたいと思っていたのです。次回に続く!※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/イラスト・ ミカヅキユミ
2021年03月05日アメリカの歴代大統領であるバラク・オバマさんのモノマネで大ブレイクした、お笑いコンビ『デンジャラス』のノッチさんが、2020年11月11日にブログを更新しました。タレントとしてだけでなく、2児の父親としても日々奮闘しているノッチさん。12歳になる長女は、中学受験に向けて勉強中だといいます。ノッチが受験生の娘からもらった手紙高校受験を経験したノッチさんは、陸上部推薦として特待生で入学をしたため、従来の受験を経験したことがないのだとか。受験に関する具体的なサポートはできないと思い、ひたすら娘さんにエールを送っているそうです。そんなある日、ノッチさんは娘さんから手紙をもらいました。それでも、じゅくに通わせてくれて本当にありがとう。感謝でいっぱいです。私が、お父さんに出来る事は、来年の春、受験に合格して、お父さんに喜んでもらう事!!そして、私の夢である化粧品開発の研究員になって、新商品を作り、いっぱいかせげるようになったら、お父さんと、たくさん外国へ旅行へ行きたいです。その夢を叶えるために、勉強がんばります。「何かつらい事はないか?大丈夫か?いつでも聞くからな。」デンジャラス ノッチオフィシャルブログーより引用最後のセリフは、きっと普段からノッチさんが娘さんにかけていた言葉なのでしょう。我が子を想う、ノッチさんの父親としての温かさが伝わってきます。娘さんからの熱意と愛の手紙を受け取り、ノッチさんはこのように想いをつづりました。お受験は、お父さんの為ではなく自分の為にチャレンジするんだよ。そう言ってアドバイスしました。正解か?不正解か?まだ良くわからないですねお父さんになったのは初めてだから。一緒に頑張ります。感謝します。デンジャラス ノッチオフィシャルブログーより引用子供を育てる誰もが『親初心者』であり、子育てに正解はありません。愛する我が子に寄り添い、試行錯誤をしながらともに歩んで行くノッチさんは立派な父親といえるでしょう。親子の二人三脚によって、娘さんが夢をかなえられるといいですね![文・構成/grape編集部]
2020年11月12日発達凸凹息子の中学受験、前回までのあらすじ2020年4月から私立中学に通うことになった長男。私立に進むのか、公立に進むのかに悩んだ小5、小6のころから入試までのあれこれをご紹介していきます。前回は、どのように志望校を決めたかについてご紹介しました。子どもの学校生活で大事にしたいことUpload By スガカズ前回は私立中学校に決めた理由や学校探しについてお話ししましたが、中学受験すると決めた小6の5月より半年以上前の、小5の10月から公立中学校選びもはじめていました。部活動体験や説明会は小6からですが、各中学校の希望者の内訳を小学5年生の10月に確認。通える4つの中学校のうち3つが受け入れ可能数を超えた申請だったようです。ただ、この中には「私立受験をする子ども」も含まれているため、なんだかんだ希望の中学校には通えると思いながらも、少し心配になったのは否定できません。小5の10月の時点では、まだどの公立中に通いたいかはっきりと決まっていなかったのですが、長男が小6になったころから、本人のためになる環境について深く考えました。校風、友達、家との距離などなど…どれも重要ですが、長男の学校生活に必要なのは「自分の居場所がある」ことだと思いました。そして長男にとっては、通級での時間が必要だろうと考えたのです。そのため公立中学校では、通級に通い続けられる環境にしようと決めました。受験勉強や私立中学校選びが本格的に始まったころに、長男に対して、公立中学校の話もしました。Upload By スガカズ本人との会話は「4つの学校の候補を減らしていく。減った候補から決める」という非常にざっくりとした内容でした。学習を定着させる時期だったので、勉強へのモチベーションが下がらない様に、公立中学校の話を必要以上にしないようにしていました。子どもは勉強をがんばり、親は学校選びをする…といった風に、役割を分けることに。とは言っても、公立中の部活体験や学校見学をしない事には話が進まないと思ったので、私立中学校に進学しない場合は公立中学校学校見学や部活体験は公立中学についても必要という事は本人に理解してもらいました。そして決めた中学校は…Upload By スガカズどうやら令和2年より4校全てで通級が受けられるようになるとの事でした(※見学した令和元年時点では、拠点校へ通級のために通う形でしたが、令和2年からは通学している学校に特別支援教室が設けられるようになるということ)。ですが、特別支援教室を新設する中学校は前例を聞くことができないため、見通しをつけづらい長男にとっては拠点校の特別支援教室で支援を受ける方が安心できそうだと感じました。実際に見学に行ってみると、設備が整っているし、特別支援教室の職員室があるので本人が相談をしやすい環境だと感じました。また、クラスの数も3クラスと、小学校と同じ数なので、比較的落ち着いて過ごせそうだと感じました。部活体験では在校生と話す機会がありましたし、特別支援教室の体験では、本人は落ち着いて行動できました。支援の先生方の進め方や話し方は穏やかで、大人しい長男に合っていそうでした。長男は「私立じゃなかった時、ここなら大丈夫そう」と言っていました。学校公開や説明会で事前に学校の様子を見ていたので、特に困る事もありませんでした。また、各中学校の希望者の内訳を見ても、A中学の立地から希望者が多くはない様で、希望通り通えそうでした。私立中学校に進学しなかった時のためにした事拠点校であるA校で特別支援教室の説明会があった時に、「中学受験をして入れなかった場合、4月から特別支援教室で支援を受けられるようにしたい」と相談しました。Upload By スガカズわが家は6月〜8月は私立中学校選びと塾に明け暮れた日々だったので、本格的に公立中学校選びをするまでに時間がかかってしまいました。(この辺りの時期は本当にドタバタでして、毎週何かしら学校、療育などの用事で私の仕事もセーブしました)2月の判定会議に向けて書類を準備しておけば、私立中学に合格せず、公立中に進学する場合でも間に合うとのことでした。Upload By スガカズこうして公立中学校が無事に決まりました。あとは前回決めた第1希望と第2希望の私立中学校どちらかに合格できるようにがんばるだけ…!なのですが…ADHDの子の勉強は、一筋縄ではいかないですよね。次回は、療育センターで言語の先生に支援していただいた受験対策についてお話しします。
2020年03月31日編集部:学研キッズネット編集部朝日新聞出版は、2020年3月19日(木)にAERA進学MOOK『カンペキ中学受験2021』を発売しました。首都圏334の国公立&私立中学の完全データを収録。最新の2020年度入試応募状況や学費情報も掲載した「どこよりも早い中学受験情報誌」です。 さらに巻頭企画では、タレントでクイズプレーヤーの伊沢拓司さんが 自身の中学受験経験について語っています。首都圏の国公立&私立中学334校のデータを完全収録首都圏の中学受験生数はここ数年増え続けており、中学入試の環境は年々厳しくなっています。大学入試制度改革の影響で、私学なら柔軟に対応してくれるという保護者の期待が高まっていることが中学入試過熱の一因です。知名度の高い難関ブランド校に加え、改革に取り組み結果を出している新進校も人気が上昇。大学に確実に進学できる付属校の人気も変わらず高く、これまで以上に学校選びに迷う時代となりました。どこよりも早い中学受験情報誌として毎年評価されている『カンペキ中学受験』の最新版では、首都圏の国公立&私立中学334校の入試難易度や進路状況、スクールライフや特色、カリキュラム、学費といったデータを完全収録。最新、2020年度入試の応募状況もしっかり掲載しています。難関大学や医学部への進学実績が一目でわかるランキング分析記事も充実。志望校選びの特集では、偏差値以外に着目すべき点をQ&A方式で解説。タイプの異なる3人の中学受験専門家が、受験生の家族の心構えについても指南します。巻頭企画では、タレントでクイズプレーヤーの伊沢拓司さんが自身の中学受験経験をもとに、受験生にエールを送るインタビューにも登場します。<主なラインナップ>• インタビュー伊沢拓司さん(タレント)• いま、 必要な力を育むわが校自慢の授業・講座(海城/麴町学園女子/東洋大学京北)• 効果的な学びを追究こだわりの新施設紹介(聖学院/青山学院/富士見)• こんな制服で登校したい!あこがれの制服スタイル2021• 首都圏中学入試速報今年の結果から2021年入試を予測• ランキングではっきりわかる中高一貫校の実力• 偏差値だけではわからない家族みんなを幸せにする学校選び• 首都圏国公立・私立難易度データ一覧表• 首都圏国公立・私立中学校MAP• カンペキ中学受験ガイド334中学校AERA進学MOOK『カンペキ中学受験2021』発売日:2020年3月19日(木曜日)定価:1900円+税学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年03月30日放漫経営がはびこり、全国で97%強の公立病院が赤字となるなかでも、黒字化を遂げる公立病院がある。そんな病院の経営努力は私たち利用者にもメリットがあるようでーー。先月、厚労省が再編。統合の検討が必要な全国424の公立・公的病院を実名公表し、波紋が広がっている。医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんが解説する。「リストに挙がった病院の近隣に住む人たちの不安は広がり、病院からは実名公表は乱暴だと、反発の声も上がっているようです。確かに不採算であっても周産期、救急、小児、僻地医療などを守るのは公立病院の使命です。一方で、赤字が出ても税金で黒字化されるからという“甘え体質”があることも否めません」では、赤字の公立病院はどれだけあるのか。ウェブサイト「病院情報局」が発表する、公立病院が医業収益だけでどれだけ自立しているのかを示す「純医業収支ランキング」によると、全国776の病院のうち、なんと赤字病院は756、合計赤字額は5,600億円を超える。一方で、全体のわずか3%にも満たないが、黒字を達成している病院が20ある。【1位】群馬県・公立七日市病院/収支率:7.00%、黒字額:1億2,500万円【2位】岐阜県・大垣市民病院/収支率:5.60%、黒字額:18億1,900万円【3位】新潟県・南部郷厚生病院/収支率:3.30%、黒字額:700万円【4位】鹿児島県・垂水中央病院/収支率:3.10%、黒字額:6,400万円【5位】岩手県・岩手県立中部病院/収支率:3.00%、黒字額:3億5,500万円【6位】鹿児島県・霧島市立医師会医療センター/収支率:2.70%、黒字額:1億3,500万円【7位】愛知県・春日井市民病院/収支率:2.20%、黒字額:3億4,200万円【8位】岐阜県・美濃市立美濃病院/収支率:2.10%、黒字額:5,200万円【9位】愛媛県・宇和島市立津島病院/収支率:2.00%、黒字額:2,400万円【10位】大分県・大分県立病院/収支率:1.80%、黒字額:2億8,600万円【11位】京都府・京都中部総合医療センター/収支率:1.50%、黒字額:1億5,000万円【12位】群馬県・公立富岡総合病院/収支率:1.30%、黒字額:1億1,700万円【13位】石川県・公立羽咋病院/収支率:1.30%、黒字額:4,200万円【14位】三重県・松阪市民病院/収支率:1.20%、黒字額:1億1,300万円【15位】山口県・光市立大和総合病院/収支率:0.80%、黒字額:1,800万円【16位】岡山県・備前市国民健康保険市立吉永病院/収支率:0.70%、黒字額:1,200万円【17位】三重県・市立四日市病院/収支率:0.60%、黒字額:1億1,700万円【18位】滋賀県・近江八幡市立総合医療センター/収支率:0.60%、黒字額:6,700万円【19位】群馬県・伊勢崎市民病院/収支率:0.10%、黒字額:700万円【20位】岩手県・岩手県立中央病院/収支率:0.00%、黒字額:600万円そこで、今回、赤字経営が常態化する公立病院のなかで、業績を回復させる病院の秘密に迫った。ランキング入りした富岡地域医療企業団が擁する公立富岡総合病院と公立七日市病院は、経営努力により黒字化を達している。「現場の事情を反映した効率性の高い、柔軟な経営を行うため、平成30年より、経営と医療現場のどちらにも精通した者をトップに据えて、経営を見直しました」こう語るのは、公立富岡総合病院の事務部長・新井良一さんだ。「診療費の改定は2年ごとに行われ、非常に複雑なため、これまで請求漏れなど取りこぼしがありました。そこで、事務と医療現場の連携を深め、適正な請求ができるようにしております」医療機材の購入に関しても。「相見積もりを取り、価格交渉しています。ときには、『安すぎる』と業者が私のところまで不満を漏らしに来ることもあるほどです」ほんの3キロほど離れた両病院ならではの連携も功を奏している。「それぞれの病院で異なっていた白衣を統一し、一括リースすることで、コストを抑制しました。医薬品や診療材料なども、両病院でまとめて購入しています。また、安全を確保しつつ、後発医薬品への切り替え、診療材料の見直しなども進めています。さらに、簡易的なものを除き、検体検査は富岡総合病院で行い、検査装置や技師を集約しました。一方で、結果のやり取りはパソコンで行うため、検査時間は今までとほとんど変わりません」経営が改善し黒字化されると、精度の高い最新医療機材の購入など、市への申請がしやすくなる。「平成29年度には、PET-CT装置の導入で、がんの早期発見から治療までの万全なフォローアップ態勢を整えました。今年度もCTを上位機種に更新。血液浄化室の近くにも人工透析患者専用の駐車場を整備し、利用者の移動の負担が減るようにしています」平成29年度、18億円もの黒字化に成功しているのは大垣市民病院。経営アドバイザーを務める千葉大学医学部附属病院副病院長の井上貴裕さんは、黒字化の要因に高い生産性を挙げる。「病院は収入に対する人件費率が55%を超えると、赤字になりやすいといわれていますが“大垣”の場合、人件費率は約40%と低い。では、給料が安いのか、というとそうでもなく、職員を適切に配置することで、医療の質を保ちながら、医師や看護師1人が受け持つ患者数を多くして、高い生産性を維持しているのです」さらに、ベッドの回転率を上げる努力も行っているという。「病気ごとの平均在院日数までに、70%の患者さんが退院できることを意識して、新規患者を受け入れる態勢にしています」無駄な入院がなくなったことで、救急搬送をより受け入れられるように。また、入院期間の短縮、差額ベッド代などの節約といった形でも患者に還元されている。井上さんは、経営参加している市立札幌病院でも累計赤字を10億円も減らしている。「公立でも、十分に経営努力できる余地はあるのです」患者にもメリットのある公立病院の経営努力。赤字病院にもぜひ、経営にメスを入れてもらいたい。
2019年11月01日先月、厚労省が再編。統合の検討が必要な全国424の公立・公的病院を実名公表し、波紋が広がっている。医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんが解説する。「リストに挙がった病院の近隣に住む人たちの不安は広がり、病院からは実名公表は乱暴だと、反発の声も上がっているようです。確かに不採算であっても周産期、救急、小児、僻地医療などを守るのは公立病院の使命です。一方で、赤字が出ても税金で黒字化されるからという“甘え体質”があることも否めません」では、赤字の公立病院はどれだけあるのか。ウェブサイト「病院情報局」が発表する、公立病院が医業収益だけでどれだけ自立しているのかを示す「純医業収支ランキング」によると、全国776の病院のうち、なんと赤字病院は756、合計赤字額は5,600億円を超える。一方で、全体のわずか3%にも満たないが、黒字を達成している病院が20ある。【1位】群馬県・公立七日市病院/収支率:7.00%、黒字額:1億2,500万円【2位】岐阜県・大垣市民病院/収支率:5.60%、黒字額:18億1,900万円【3位】新潟県・南部郷厚生病院/収支率:3.30%、黒字額:700万円【4位】鹿児島県・垂水中央病院/収支率:3.10%、黒字額:6,400万円【5位】岩手県・岩手県立中部病院/収支率:3.00%、黒字額:3億5,500万円【6位】鹿児島県・霧島市立医師会医療センター/収支率:2.70%、黒字額:1億3,500万円【7位】愛知県・春日井市民病院/収支率:2.20%、黒字額:3億4,200万円【8位】岐阜県・美濃市立美濃病院/収支率:2.10%、黒字額:5,200万円【9位】愛媛県・宇和島市立津島病院/収支率:2.00%、黒字額:2,400万円【10位】大分県・大分県立病院/収支率:1.80%、黒字額:2億8,600万円【11位】京都府・京都中部総合医療センター/収支率:1.50%、黒字額:1億5,000万円【12位】群馬県・公立富岡総合病院/収支率:1.30%、黒字額:1億1,700万円【13位】石川県・公立羽咋病院/収支率:1.30%、黒字額:4,200万円【14位】三重県・松阪市民病院/収支率:1.20%、黒字額:1億1,300万円【15位】山口県・光市立大和総合病院/収支率:0.80%、黒字額:1,800万円【16位】岡山県・備前市国民健康保険市立吉永病院/収支率:0.70%、黒字額:1,200万円【17位】三重県・市立四日市病院/収支率:0.60%、黒字額:1億1,700万円【18位】滋賀県・近江八幡市立総合医療センター/収支率:0.60%、黒字額:6,700万円【19位】群馬県・伊勢崎市民病院/収支率:0.10%、黒字額:700万円【20位】岩手県・岩手県立中央病院/収支率:0.00%、黒字額:600万円「“公立病院だから、赤字があって当たり前”という考えが、コスト意識の低さを招くんです」そう語るのは大阪急性期・総合医療センターなど5つの病院を統括する大阪府立病院機構の理事長・遠山正彌さんだ。「公立病院の場合、医療機器は民間病院と比べ、割高な見積もりになることもありますし、たとえ安くても、維持費を高く設定されていることもあります」ほかにも、経営赤字を招く公立病院ならではの理由があるという。「公立病院の事務員は役所からの出向です。なので、せっかく病院経営を学んでも、2〜3年で異動になるため、人材が育てにくい。また、医師の給料は成果にかかわらず、年功序列で上がっていくので、医師のモチベーションが低いケースも。かつては、自分の診療科のベッドが埋まると、他科のベッドを調整せずに、入院を断ってしまう医師もいました」そこで、遠山さんはまず“患者ファースト”の精神を徹底した。「医師の個人的な都合が反映されないよう、すべてのベッドを管理する担当者を立てました。また、救急は基本的に断らず、国際がんセンターでは、紹介状なしの駆け込みでも受診できるようにしています」まず患者の信頼を回復。コスト意識を持たせ、5つの病院で130億円あった赤字は、約半分まで減ったという。
2019年11月01日自分に合った環境なら、「みんなと違う」は気にならないUpload By 楽々かあさんこんにちは。「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。私は、発達障害の「障害」とは、その子の「個性」と「環境」の間にある…と考えています。ですから、本人側から環境に合わせる努力や工夫も大事ですが、自分が適応しやすい環境を選ぶことでも、「みんなと違う」が気にならなくなる場合もあると思います。現在中学2年生の長男は、私立中高一貫校を受験し、第一志望校に無事合格。自分の個性に合った環境で充実して過ごせるようになり、私はそこに「障害」を感じなくなりました。中学受験は、あくまで「環境選び」の1つの選択肢に過ぎませんが、独自の校風や教育方針などの「環境」が、その子の「個性」とぴったり合っていれば、少々個性的でも学校生活を楽しく過ごせるお子さんは結構いるように思います。ただし、私立中学の場合、特別支援学級設置校は現在全国で1校のみ(文部科学省H29年度資料より)ですし、障害者差別解消法による「合理的配慮」も「努力義務」の範囲になるため、基本的に「特別支援教育」や「特別な配慮」は、現状あまり期待できないと思っていた方がいいでしょう(※ただし、発達障害・不登校対応ができる学校や、公言せずとも一定の理解や配慮がある学校もあります)。そのため、まずは、入学の前提条件として、お子さんがある程度、特別な配慮がなくても教室で落ち着いて過ごせ、通常学級での授業や学級活動への参加に大きな支障がないことが必要な場合が多いと思います。また、将来の自立に向けて必要な、ソーシャルスキルや生活スキルを身につけるための発達支援(療育)・トレーニングは、必要に応じて医療・支援機関の手も借りながら、家庭が主体となって学業と並行して継続的に取り組んでゆく必要もあるでしょう(これは、公立中学の通常学級、フリースクール・ホームスクール等で学ぶ場合や、高校進学〜それ以降の進路を選択した場合も同じです)。その上で、もし、中学受験をお子さん自身が強く希望したり、ご家庭の教育方針と合うのであれば、様々な学校を実際に見学し、比較検討してみるといいでしょう。その際、うちの経験上、発達障害傾向のある子の場合、志望校選びの段階で偏差値や知名度などよりも、ずっと優先して考えた方がいいことがあります。環境の影響を受けやすい発達障害傾向のある子は、毎日の小さな負担の積み重ねが、いつの間にか、「適応できない」「努力では乗り越えられない」大きな障害物となってしまうこともあるからです。発達障害&グレーゾーンの子が中学受験を考え始めた時に、志望校選びのポイントを7つ、ご参考までに独自の「発達障害目線」で、2回に渡ってお伝えします。今回の<前編>では、その子の個性を活かしやすい、前向きな志望校選びのポイント4つです。文部科学省「特別支援教育資料(平成29年度)」より出典 : まずは校風です。校風とは「学校の雰囲気」という漠然としたものですが、校訓や募集要項やアドミッション・ポリシーなどで、「こういう子に来て欲しい」と学校側は意思表示していますから、学校の公式HP・資料請求などで、すぐに確認できます。そして、教育方針。私立学校は特色ある独自の教育を打ち出していることが多く、「サイエンス教育に重点を置いている」「国際教育に力を入れている」「スポーツの強豪校である」「情操教育を大事にしている」…などなど、学校自体も個性的です。つまり、「学校の個性」と「その子の個性」がピッタリ合っていれば、同じ子の同じ部分が短所から長所に変わることも。例えば、うちの長男の「空気が読めない」という部分を、現在の中学では「積極的に自分の意見が言える」と肯定的に高く評価してくれます(こういった学校の考え方は、建学の精神、校訓や募集要項、過去問等にもハッキリ表れていました)。そして、凸凹差が大きくても、特定の分野に興味関心が高い子、一芸に秀でた子、一つのことに集中できる子等を歓迎し、得意分野を伸ばしてくれる教育方針とマッチすれば、「できる子」として扱ってもらえる可能性も高いでしょう。また、留学生や帰国子女を積極的に受け入れるなど、多様な個性や文化背景のある生徒が集まる学校や、博愛精神を大事にする学校などでは、多様性を認める教育がなされ、多少の個性やものの感じ方・考え方の違いは、大らかに受け容れてもらえることも。こういった、個性的な生徒を求めている学校は、「推薦・AO型入試」などを実施している場合も多いので、入試方式も早めにチェックしておきたいところ(推薦・AO型入試は、説明会への参加、事前の資料準備や面談、面接練習などが必要なことが多いです)。出典 : 学校の規模も、発達障害傾向のある子にとっては、大事な要素だと思います。感覚過敏があると、教室でのザワザワ音や他の人の動きなどが気になってしまい、負担が大きくなります。うちの長男は「人が多ければ多いほど、集中できない」とのこと。また、グレーゾーンの次男も人の顔と名前が覚えにくく、学級数が多い小学校ではクラス替えによる負担が大きく、対人関係でなかなか自信が持てませんでした。こういった子は、小規模校や少人数クラス編成の学校のほうが負担が少なく、落ち着いて過ごせる可能性が高いでしょう(ただし、クラス数が少ないと、いじめやトラブル等の際にクラス替えによる解決が難しくなることも。また、少人数でも静かとは限りません)。そして、中学では小学校と違い、担任の先生がずっと同じ教室にはいないので、大人の目が届きにくくもなります。また、集団の規模が大きくなればなるほど、「個別に、柔軟に」は、物理的に難しくなるでしょう(ただし、「干渉されない大規模校のが気が楽」「ビシッと管理されるほうが落ち着く」という子もいると思うので、一概に大規模校が合わないとは言えません)。そのため、小規模校や少人数クラス編成の学校は、アットホームな雰囲気で先生方も生徒一人ひとりの顔を覚えやすく、目も届きやすいでしょう。また、大規模校でも、副担任制の採用や少人数授業や補習制度など、教員の配置が手厚く面倒見の良い学校も。生徒数・クラス数・教員数も、学校の公式HPや学校案内・募集要項等に大抵記載されています(ただし、入試の際の募集定員数と実際の在籍生徒数がかなり違う学校もあるため、「実際のところ」も、よくご確認を)。出典 : 思春期は、いわゆる「フツーの子」でさえ、身体面・精神面で不安定になりがちです。ましてや発達障害傾向のある子は、環境の変化に敏感なことも多く、心身に大きな負担のかからない、安定した生活環境が大事だと思います。ただし、設備の「体感」は公式HPや学校案内だけでは掴めないので、実際にお子さん自身が見学会や文化祭・体験授業等に足を運んで確認してくるのがいいでしょう。学校の設備面のチェック・ポイントは…・エアコンの設置・稼働状況(各教室の他、体育館や部活動の施設なども)・教室環境(教室の広さ、机と机のパーソナルスペース、教室前方のモノや掲示物の配置など)・教室の照明、黒板・ホワイトボードの色(視覚過敏やLDのある子に見やすい色・明るさか)・個人ロッカーの有無(忘れ物の多い子、体力に不安のある子等は、「置き勉」の可否)・保健室や図書室、自習室やオープンスペースの有無(静かに休息できる場所はあるか)…など、「その子にとって特に負担がかかりやすい部分」を重点的に、よく見ておくべし!また、味覚や触覚過敏で偏食傾向のある子は、食の選択肢がある、弁当持参や学食・購買が充実している学校などが、負担が少ないでしょう。その中学のランチはどうなっているか、学園祭などで在校生に「お昼、どうしてますか?」って聞いてみるのもテ。それから、一般的には楽しいハズの行事・イベントも、「いつもと違うこと」が多いと負担になる子もいるでしょう(ただし、私立は運動会や各種セレモニーなどの事前練習等はほとんど行わないか、あっても効率的な場合が多いと思います)。年間行事予定も、学校HPや学校案内に大抵写真付きで載っていますから、一緒に眺めて「こんな行事があるんだね」「修学旅行はここに行くんだね。大丈夫そう?」等、親子で話し合いながら、お子さんの反応を見ておくといいでしょう。出典 : 傾向のある子は特に、ICTの導入状況はよく確認しておきたいポイントです。ICTが全校で導入され、iPadやPCが一人一台使える環境なら学習への負担が減りますし、特別な許可も必要ないので「〇〇くんだけズルイ」だなんて思われることもありません。また、ICTが普及していれば、校内の無線LANや電子黒板等も整備され、先生方もデジタルツールに慣れているので、デジタル教科書や電子辞書の使用、作文・課題のワープロ提出、ノート代わりの黒板の撮影なども、柔軟に理解されやすいと思います。長男の学校の場合、全校生徒1人1台iPadを所有し、授業中の電子辞書アプリの使用や、課題のワープロ打ち提出などは、特に先生の許可も必要なく、発達障害のある・なしに関係なく「みんなフツーにそうしてる」とのこと。そして、学習面では、授業内容やレベルなど「何を学ぶか」も大事ですが、「どう学ぶか」の学習手段・方法のほうが、より重要なポイントだと私は考えます。先生が一方的に話して、ひたすら黒板を写す…という伝統的な講義型の一斉授業だけでは、負担が大きかったり集中できなかった子も、「その子に合った学び方」なら、学習意欲と学力を大きく伸ばしてもらえる可能性も。多様な学習手段・方法の例は、ICTの活用の他にも…・実験やフィールドワークなどの体験型・探求型の学習・教科を越えた問題解決型の統合的な学習・言葉で学びをアウトプットするプレゼンテーションや、ディベート形式の学習・少人数授業、習熟度別クラス編成、個別課題や補習など、それぞれのペースや到達度に合わせた学習…など、近年様々に試みられていますが、その学校で取り入れている中で「その子に合った学び方」があるか、じっくりチェック。学校側が柔軟に新しい方法を取り入れてアップデートし、「学び方」の選択肢が多ければ、その子の凸の強みが活かせるチャンスも増えます(「その子に合った学び方」は何かが分からなければ、事前に専門家に相談し把握しておくといいでしょう)。また、柔軟性・合理性の高い学校なら、個別の事情に合わせて、ちょっとした私物の持ち込みや学用品のカスタマイズ程度なら、気軽に理解が得られることも。学習環境の確認は、小学生向けに体験授業などを行う学校も増えているので、気になる学校があれば参加してみるといいでしょう。その子の個性を活かしやすい環境を…出典 : 今回の<前編>では、「発達障害目線」から「こんな環境なら、その子の個性を活かしやすい」という、私立中学の志望校選びの前向きなオススメポイントを中心にお伝えしました。次回<後編>では、入学の学校生活を考えると「ちょっと不安な点・心配な点」に対して、押さえておきたい現実的なポイントを中心にお伝えします。大場美鈴/著『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法』2016年/刊/ポプラ社
2019年09月20日私立恵比寿中学が本日9月20日より、全国ツアー「私立恵比寿中学ようこそ秋冬ホールツアー2019〜世界のみなさんおめでとうアイドルって楽しい〜」をオリンパスホール八王子を皮切りにスタートさせる。私立恵比寿中学は、2009年8月結成の6人組グループ。2012年5月5日『仮契約のシンデレラ』でメジャーデビュー以降、全シングルがオリコントップ10入り。翌年12月、初のアリーナ単独公演をさいたまスーパーアリーナで開催。日本人アーティスト史上デビュー最速記録を打ち立てた。また、結成10周年イヤーとなる2019年は3月に岡崎体育、吉澤嘉代子らのアーティストから10代の気鋭ミュージシャンMega Shinnosukeに加え、V-Tuberとしても活躍する東雲めぐ、そして先輩であるももいろクローバーZなど多数アーティストとコラボを果たし、4月からは川谷絵音をサウンドプロデューサーを迎えた、テレビドラマ『神ちゅーんず~鳴らせ!DTM女子~』に全員主演した。さらに、先日出演した大型音楽フェス「シミズオクト Presents 氣志團万博2019 ~房総ロックンロール最高びんびん物語~」の終演後に、12月11日に6th full Album『playlist(ヨミ:プレイリスト)』を発売することが発表された。結成10周年スペシャルイヤーにふさわしく、全国を席巻するツアーとなりそうだ。■公演情報「私立恵比寿中学ようこそ秋冬ホールツアー2019〜世界のみなさんおめでとうアイドルって楽しい〜」日時:9月20日(金)開場 17:30 / 開演 18:30場所:オリンパスホール八王子
2019年09月20日私立中学へ子供が進学することは、親の将来の考え方やお住いの地域によって異なります。特に、お住いの地域によって私立中学の数や環境なども異なるため、そもそも私立中学へ子供を進学させることができる世帯とできない世帯に分かれることも十分考えられるほか、学費の面で悩む親御さんも多いと思われます。そこで本記事では、私立中学へ進学した後にかかる学費を中心にポイントを紹介していきます。私立中学における初年度納付金(入学金など)の平均金額はじめに、私立中学における初年度納付金(入学金など)の平均金額について、東京都が公開している平成31年度都内私立中学校の学費の状況より引用して紹介します。なお、学費の比較ができるように、平成30年度と平成31年度の分を合わせて表にまとめます。上記は、東京都内にある181校の私立中学校を調査対象にしたものとなっておりますが、学費にかかるお金は全体的に高いことが伺えます。私立中学と公立中学における学費(授業料など)を比較前項では、私立中学における初年度納付金(入学金など)の平均金額について紹介しましたが、ここでは文部科学省が公開している平成28年度子供の学習費調査の概要より、私立中学と公立中学における学費(授業料など)を比較したものを紹介します。公立中学の学費は、私立中学に比べて安いことは明白であり、その差額は1年間で倍以上あることが分かります。なお、上記表にある学習費総額および学習費総額の内訳にある学校教育費、学校給食費、学校外活動費における項目内容は次項の通りです。項目別の内容学習費総額とは、学校教育費、学校給食費、学校外活動費の合計金額となりますが、学校教育費、学校給食費、学校外活動費の項目内容は以下の通りです。学校教育費は、進学した中学校において、直接必要になる支出項目の内容で構成されていることが分かります。寄附金以外の項目内容を確認しますと、中学校生活において常態的にかかるものとそうではないものに分けられ、統計データよりも実際に支出するお金が少なく抑えられることも十分考えられます。学校外活動費は、習い事の月謝や物品購入費用にかかるお金で構成されている学校外活動費は、塾やスポーツクラブといった習い事の月謝や物品購入費用などで構成されています。私立中学へ進学した場合、高校進学をするための塾の月謝などにも多くのお金がかかると予測することもできますが、学校外活動費は個人差が大きな項目であり、統計データよりも多く支出する世帯もある一方、ほとんどかからない世帯もあることが考えられます。私立中学への進学に欠かせない学習塾費用偏差値の高い私立中学校や女子中学に進学するためには、欠かすことのできない学費として学習塾の費用が考えられます。仮に、これらの私立中学へ進学させるためには、子供が小学校の中学年あたりから学習塾に通わせて進学対策を取っておくことも考えられ、私立中学へ進学させる以前に高額な学費負担が必要になると予測できます。実績のある学習塾の費用は、年間100万円を超えることも学習塾選びは、私立中学へ進学するための対策として重要な項目にあたり、私立中学の受験合格に対する実績があるところですと、授業料や教材費なども含めて年間100万円を超える費用がかかる場合もあるようです。そのため私立中学への進学対策は、子供だけではなく親自身も金銭面で早い内から行っておくことが極めて重要と言えるでしょう。[adsense_middle]私立中学にかかる教育資金対策私立中学への進学対策は、子供だけではなく親自身も金銭面で早い内から行っておくことが極めて重要であることをお伝えしました。実際のところ、私立中学の進学を考えている両親の収入状況を詳しく見なければ、適切な対策方法を案内するのは難しいと考えますが、ここでは大まかに考えられる方法をいくつか紹介しておきます。祖父母などからの教育資金の援助や借入贈与税法では、祖父母が孫などに対して教育資金を贈与した場合に一定の条件を満たすことによって、本来発生する贈与税がかからない(非課税)となる制度があります。仮に、祖父母が孫に対する教育資金を援助できる資力がある場合は、教育資金の援助や一時的な借入も視野に入れた対策方法を検討してみたいものです。夫婦共働きの選択仮に妻が専業主婦などの場合は、夫婦共働きという対策を取っておきたいものです。短時間のパート勤務であったとしても、塵も積もれば山となりますように、私立中学の教育資金対策の足しになることは確かと言えますし、より確実に行える対策方法であるとも言えます。学資保険金やNISA・つみたてNISAの活用学資保険に加入している場合、小学校進学や中学校進学などの節目で学資保険金が支払われるタイプのものもあり、個人差がありますが、学資保険金を活用する方法もあります。また、私立中学への進学から先のことを考えますと、私立高校や私立大学といった進学も考えられ、この期間を教育資金対策のために有効活用することを考えますと、NISAやつみたてNISAを活用した資産運用も効果的だと思われます。教育ローンの活用まとまったお金を一時的に用意する方法としては、教育ローンの活用も対策方法として考えられます。教育ローンは言うまでもなく親の借金にあたりますから、審査結果によって借入ができるかどうかが異なり、確実な対策方法とは言えないデメリットがあります。また、教育ローンを借入する場合は、返済計画をはじめとしたマネープランを確実に立てておく必要があり、これに失敗すると、後の進学に対して足を引っ張る大きな原因になるため、細心の注意が必要です。私立中学への進学と私立高校への進学費用を一緒に考えるたとえば、中高一貫校のように私立中学へ進学した場合、私立高校への進学による学費が多くなってしまうことが十分予測できます。そのため、私立中学への進学と私立高校への進学費用を一緒に考えることは大切であり、学費の面で心配な場合、国が行っている高校進学への支援やお住いの都道府県が独自で行っている制度なども合わせて確認しておくことが望ましいと言えます。私立の中高一貫校へ進学した場合の学費イメージこちらは参考情報となりますが、文部科学省が公開している平成28年度子供の学習費調査における調査結果の概要より、私立の中高一貫校へ進学した場合の学費イメージを紹介しておきます。なお、公立中学と比較がしやすいように、公立中学から公立高校へ進学した場合も合わせて表にまとめます。私立中学と私立高校の学費は、6年間で700万円を超えることも前項で紹介した金額は、先に紹介した学校教育費、学校給食費、学校外活動費を合わせた学習費総額を中学校1学年から高等学校3学年までの6年間で、それぞれ個別にまとめたものとなります。実際には個人差が生じる内容であるため、統計データのようになることはありませんが、私立中学と私立高校の学費は、6年間で700万円を超えてしまうことも念頭に入れた教育資金対策を行っておく必要があると言えます。[adsense_middle]私立大学の受験や進学で教育費はさらにかさむ私立中学と私立高校の学費は6年間で700万円を超えることもあることが分かりましたが、仮に私立の大学へ進学することになった場合、進学する大学や学部などによるものの、4年間や6年間でかかる学費はさらにかさんでしまうことになります。また、希望の大学受験に失敗した場合の浪人生活も考えられ、このような場合、予備校に通う学費なども考慮しなければならないことも念頭に入れておく必要性があると言えます。私立中学の学費に関するまとめ私立中学に子供を進学させるには、受験対策にかかる費用から進学した後の学費なども含めて考える必要があります。また、中高一貫校に進学する予定があるのであれば、中学だけではなく、高校やその先の大学も考えたマネープランが必要とも言えます。私立中学へ進学する場合、学費などが高く、子供への先行投資金額が多くなってしまいますが、親の想いと子供が考える将来を話し合いながら、双方にとって良い方向へ進まれるのが最も望ましいことは確かと言えるでしょう。
2019年09月02日全国776ある公立病院で、黒字収支となったのはわずか20。そこまで多くの病院が赤字にあえぐウラには、医師たちの“コスト意識”の低さがあった——。「公立病院には母子医療や精神医療、救急医療など、不採算になりがちな診療科も担う使命がありますが、いっぽうで“赤字経営は当たり前”という思いが根強くあります」そう語るのは、5つの府立病院が地方独立行政法人化されたことによって設立された大阪府立病院機構の理事長を務める遠山正彌さんだ。《県立河北病院、外来の6科廃止救急縮小を検討》6月3日付の山形新聞で報じられた地元病院の危機。記事では河北病院の14ある診療科のうち、不採算である小児科、皮膚科、脳神経外科などの廃止が検討され、地元住民の不安の声があることを伝えている。公立病院は、たとえ多額の赤字が出ても、税金が投入され“黒字化”されるため、経営状態が見えづらい。そこで経営状態を“見える化”しているのが、ウェブサイト「病院情報局」が発表する「純医業収支ランキング」だ。同サイトを運営するケアレビュー代表の加藤良平さんが解説する。「『純医業収支』とは弊社の造語。通常、公立病院の“収入”として計上される一般会計負担金(税金など)を除外することで、公立病院が税金なしの公立病院だけの収入で、どれだけ自立できているのかを明らかにしています」全国776の公立病院で、黒字収支となったのは、わずか20。過疎地域だけでなく、東京都内の松沢病院は58億円の赤字で“全国ワースト級”。さらに、東北では、前出の河北病院より低い収支率を計上した病院は36にも。河北病院の収支率マイナス43%に対し、福島県立大野病院はなんとマイナス1,395%——。被災地の病院は苦しい状況とはいえ、全国的な赤字を示すこれらの数字を、前出の遠山さんが分析する。「公立病院の一番の問題は、職員の意識。基本的に公務員なので、赤字が出ても、税金が投入されるから、自分の財布は痛まない。私が理事長に就任したときも、夜の12時近くになれば、残業代を増やすために日付が変わるのを待って、タクシーチケットをもらって帰る医者がいるのは当たり前。海外出張でも、いちばん高いホテルに泊まるという風潮がありました」公立病院に勤務経験のある、医師の山本佳奈さんもこう振り返る。「医療機器を購入するとき、民間の病院であればいくつかの業者に見積もりを取って競わせます。しかし、公立ではそういう意識は低く、ほとんど言い値だったんです」自分の診療科のベッドが埋まっていれば、他科のベッドを調整することなく入院を断ってしまう。患者目線を失った“放漫”な経営に、遠山さんも危機感を抱いたという。「たとえば国際がんセンター(大阪市)は、現在は紹介状がなくても、たとえ駆け込みでも受診できるように改善しました。救急外来のお断りもしないようにしています」医師の個人的な都合で入院を断ることがないよう、ベッドコントロールは、医師や看護師ではなく、地域医療連携室が担当することにした。「まだ部長クラスまでですが、年功序列ではなく、各病院ごとの経営状態によって給与を変えています。真面目に働いた人が、きちんと報酬を得られるようにすれば、モチベーションも上がり、患者に寄り添った診療を可能にすることができます」こうした施策の結果、大阪府立病院機構の5病院で130億円あった赤字を、約半分まで減らすことができたという。税金濫用の経営体制を病院が改めなければ、私たちの身近な公立病院は、どんどん消えていってしまう。
2019年08月14日今までの経緯発達障害がある娘の進路、どう探す?どう選ぶ?何も分からないままスタートしたのは、小学5年生のときでした。地域の中学校の通常学級、特別支援学級、通級を見学。また、私立中学も検討しました。娘の意思により、中学校は地域の中学校の通常学級へ。さまざまな選択肢を見たうえでの進学だったので「つらくなったら転校・転籍すればいい」と、親である私も焦らずに進学をさせることができたように思います。障害のある子どもの、進路選択の難しさ障害のある子どもの進路選択の難しいところは、一概に学力や偏差値で学校を選ぶことができないところにあります。発達障害といっても、特性もタイプも個性もまちまちで“伸びる”時期も一人ひとり違います。だから、“そのとき”の“その子”に合った学校を探さなくてはならないのです。中学校生活は大変…!でも、個別支援計画の作成もしてもらえて中学校は、教科担任制、提出物、定期テスト、体育祭、文化祭、部活動など、多くの面で小学校と違いがあります。入学前から相談に訪れていたとはいえ、実際学校生活が始まるとやはり娘はさまざまな面で壁にぶつかりました。それでも学内に併設されている通級指導教室の先生が特別支援コーディネーターをされていたこともあり、障害に対しての理解、話の通じやすさ、安心感は小学校の頃とは比べ物にならないほどでした。念願だった個別支援計画書も入学後すぐに作成してもらえて、中学は親にとっても“学校に相談しやすい”環境でした。中学校の校長先生に相談中学校の校長先生は私が入学前に特別支援学級の先生にお話を伺いに行ったときも、入学後に小学校からの申し送りについて副校長先生と話をした際も、直接会話に参加することは控えつつも横でしっかりと話を聞いていらっしゃいました。そして特別支援コーディネーターの先生との定期的な面談の後などに廊下で会うと、よく私に「良かったら校長室でお茶でも飲んでいきませんか?」と声を掛けて下さいました。あるとき、私は校長先生に近隣の高校について質問しました。Upload By 荒木まち子お話を聞き、早速私はA学園の学校説明会に参加をしました。単位制高校・A学園最寄り駅からA学園までの案内板持ち、入り口でのスリッパ出し、説明会会場への誘導などをA学園の在校生自らが行っていたことに私は驚きました。また、参加者にはペットボトルのお茶や学校名の入った文具が配られ、説明会は至れり尽くせり感満載でした。先生による学校説明の後には卒業生のスピーチがありました。それは「自分はかつて不登校だったけれど、A学園に通ううちに教師になりたいと思いはじめた。今は教員資格取得を目指して大学に通っている」という内容でした。説明会後の個別相談の順番待ちの間に、私は参加者同士の「この学校は〇〇君に合いそうね」という会話を耳にしました。私のように一人で参加したり、夫婦で参加される方の他に、塾や施設、学校の仲間同士で説明会に参加する方も多いようでした。個別相談では担当の先生に『習字』のカリキュラムについて質問をしました。私「習字は選択科目ではなくて必修科目なのですか?」先生「はい、必修科目です。」私「娘は視覚認知機能に弱さがあるのですが、希望すればテキストの拡大コピーなどの配慮はしていただけるのでしょうか?」先生「当校ではそういったことは行っていません。」先生とのやり取りから、私はこの学校は障害のある生徒向けではなく、不登校の生徒の学び直しに力を入れている学校なのだと感じたのでした。通級にはパンフレットがたくさん!情報の宝庫でした学内支援の一環として、私は学内特別支援コーディネーターでもある通級の先生との面談を定期的に受けていました。通級の面談室には発達障害に関する専門書の他に近隣の学校のパンフレットがたくさん置いてありました。中学卒業後の情報を探している私とってそれはまさに「宝の山」でした。Upload By 荒木まち子そこで初めて「専修学校」というものを知った私は、まず通級に似た取り組みもあるというB専修学校に一人で見学に行くことにしました。専修学校・B学校B専修学校は一般科目の他に簿記やマーケティング、パソコンなどの授業もありました。英検、漢検、数検の他に情報処理やビジネス文書、簿記や秘書検定など様々な検定取得にも積極的に取り組んでいました。校舎は複数のビルにわかれていて校庭や体育館はありませんでしたが、発達障害に関する知識を持つ先生もいて、卒業後は進学、就職の他、就労支援事業所との繋がりもある学校でした。娘に合いそうと感じた私は改めて体験入学の申し込みをしました。娘と一緒にCAD(設計や製図を支援するシステムソフト)の授業を見学した主人もこの学校を気に入ったようでした。パソコンに興味のある娘もB専修学校を気に入り、その後何度も体験入学をしました。この学校は土曜日の体験入学の他に夏休み中のサマースクール、春休み中のスプリングスクールなど多くの体験入学を実施していました。内容も理科実験教室やPC体験(名刺作り)など多岐にわたっていました。中でも私が特に面白いと思ったのは『女子会』でした。それは在校生を交えてお菓子を食べながら話をしたり、制服を試着して写真を撮るという企画で「どんなタイプの男子生徒が多いか」「部活の様子はどうか」「アルバイトはして良いのか」など、生徒の生の声が聞けました。“先輩”とざっくばらんに話をすることで緊張や不安が減り、進学への意欲を高めるのにとても効果的だと感じました。また、PC体験入学の際に、以前見学した私立中学の生徒が複数人参加していたことも印象的でした。高校付属の私立中学に通っていてもそのまま付属の高校にしない生徒もいるのだと私はその時知りました。専修学校とは | 文部科学省学習支援を受けていたNPO法人主催の学校見学会娘は中学入学後、障害のある子どもの学習支援や余暇支援を行っているNPO法人に通い始めました。そのNPO法人は保護者向けの学習会や講演会、福祉事業所の見学会などさまざまな企画も行っていました。Upload By 荒木まち子ちょうどその年に開校したC学園の見学会が開催されると聞き、私は迷わず見学会に参加しました。単位制高校・C学園C学園は不登校や軽度発達障害がある生徒向けの通信制高校でした。習熟度別クラスや通う日数を選べるスタイルの学校で、WISCなど発達検査の結果を読むことのできる先生もいました。新設校の為、卒業生の進路実績が不明瞭でしたが、それまで見学した中で一番通いやすい場所にあることと、開校間もなくてこぢんまりとアットホームな雰囲気があるところに好感が持てました。後日家族で体験入学を受けに行ったところ、体験の内容は名刺作りや美術体験などB専修学校に似た内容でした。でも娘はB専修学校の方が気に入っているようでした。いざ!特別支援学校高等部の見学へ娘が小学生の時にはタイミングがうまく合わず、見学ができなかった特別支援学校高等部。家族そろって見学に行けたのは中1の終わりごろでした。この学校は軽度の知的障害の生徒が『卒業後に企業就労による社会参加や自立をめざす』学校でした。進学を目的にした学校ではないため、学習科目は主に国語:コミュニケーションの基礎とした「聞く」「話す」「読む」「書く」の学習数学:四則計算(生活の中で使う単位時間金銭計算など)社会:社会のきまりや制度、生活に関わることがら家庭科:自立生活のための調理・裁縫等英語:あいさつや日常表現体育:体力つくり運動を学ぶといった内容でした。当日見学した授業の内容はPCの授業では生徒たちはデータ入力に加え、各机に置かれた内線電話を使った受け答えや業務連絡のメモ取り作業も同時に行っていました。また別の授業では生徒がペアを組みシーツの畳み方の実施テストを行っていました。私は「娘の苦手なコミュニケーションや四則演算が学べて、将来一人暮らしした時に役立つ料理や洗濯などの家事を授業で教えてもらえるなんて、願ったり叶ったり!」と思ったのですが、当の娘は…Upload By 荒木まち子そこまではっきり言われたらまだ予定していた学校すべてを見学したわけではありませんでしたが、どの高校に行きたいのか娘の中では決まりつつあると私は感じていました。でもそのまますんなりとはいかないのが障害児育児です。この後、中2になった娘に思いもよらぬ出来事と変化が起こり、それは進路選択へも大きな影響があったのです…。次回コラムでは、中2のときのできごとを中心に紹介します。
2019年06月06日発達障害の娘が小学5年生から始めた、進路選び主治医から、小学校卒業後の進路選択についての話をされたことをきっかけに、いろんな可能性、選択肢を広げるためにも、調べて・考えておこうと決心しました。でも、いろいろと調べるうちに、頭の中は疑問でいっぱいに…。そこで、実際に学校を訪れてみよう、この目で見てみようと考えるようになりました。地元の公立中学の見学に行く主治医から進路について聞かれて暫くしたころ、近隣の公立中学校の文化発表会がありました。私たちの住む地域では小・中学校一貫カリキュラムの一環として、高学年になると校外学習で近隣中学の文化発表会を見に行くことになっています。中学校の部活の様子や有志生徒による舞台パフォーマンスを見た娘は「小学校との違いに驚いた!中学生ってスゴイ」と楽しそうに話しました。当時、家庭や学校での娘の障害に対する認識不足と、クラスメイトからのいじめなどで辛い毎日を送っていた娘が「中学は楽しそう」と前向きな気持ちになってくれたことを私は嬉しく思いました。また、私たちの住む地域では「学校へ行こう週間」というものがあり、期間中は公立校の生徒や保護者に限らず、地域の住民、これから入学を考えている子どもや保護者などが、学校を見学できるようになっています。これは教育委員会が「保護者や地域の住民の学校に対する一層の理解と支援の醸成を図り、開かれた学校づくりの推進に向けた、各学校の主体的な取組を充実するため」に設定したものです。娘の話を聞き、ちょうどその時期に実施されていた「学校へ行こう週間」を利用し、私も近隣中学校への見学に行ってみることにしました。生徒達の「普段の様子」を見る最初に訪れた公立中学校は、こぢんまりとした学校で、学年により多少の差はあれど比較的落ち着いた雰囲気でした。生徒が来校者に自然と挨拶する休み時間に、廊下に設置してあるベンチで生徒がくつろいでいるちょっとしたことですが、このような風景は実際足を運んでみないと分からないことです。特別支援学級を見学中学1年生から3年生までのクラスを一通り見学した後、私は特別支援学級の教室を訪ねました。担任の先生に見学できるか確認すると、大丈夫とのことだったのでしばらく授業の様子を見学しました。見学の後、先生は私とのお話(特別支援学級の説明)の時間を取って下さいました。その対応からも、その学級が落ち着いていることが見てとれました。私は「入級するかどうかは分かりませんが」と前置きをして、娘の様子を先生にお伝えしました。先生は「中学生は自我に目覚める時期なので、通常学級にするか特別支援学級にするかは本人の意思を大切にした方がいい」と仰いました。通級指導教室も併設されていた学校見学を終え、帰ろうとしたとき、私はある教室に気がつきました。そこは『通級指導教室』でした。「ここが、主治医が話していた”通級指導”をしてくれるところだ…!」地元の中学に通級指導教室があることを、このとき私は初めて知りました。「せっかく来たんだし」と私はダメもとで通級指導教室の職員室のドアをたたきました。特別支援学級見学のときと同様に、入級するかどうかは分からないのですが、と前置きをした後「学校に行こう週間」を利用して見学に来た事を伝えると、一人の先生が面談の時間を取って下さいました。知識と経験豊かな、通級の先生通級の先生とほんの少し話をしただけで、先生の「一を聞いて十を知る」様子に私は衝撃を受けました。私は娘の小学校入学時に今の地域に引っ越してきてから、療育センターの心理士さんや相談員さんをはじめ、担任の先生、スクールカウンセラー、校長先生などさまざまな人に娘について相談をしてきました。それでも娘の状態は悪化する一方でした。そのため、この頃私は「公的機関や教育の場では娘のようなグレーゾーンと言われる子どもの対応は限界があるのだ」と感じていたのです。でも通級の先生は初対面にも関わらず娘や私の悩みと苦労をすべて分かっていました。そこに高い専門の知識と長年培われた経験があることを感じ、私は(こんな近くにプロフェッショナルがいたなんて!)と心底驚きました。そして20分ほどの面談の間に(こんな先生がいる学校なら安心して任せられそう)そんな希望を抱いたのでした。娘の特性を考えると、通級教室はきっと対象外だろう…。そう思ってはいても、帰り際に言われた「いつでも相談にいらしてくださいね」という声掛けに安堵感を得ることができました。そしてまた、特別支援学級の先生に言われたのと同じく、「中学生は自我の目覚めの時期なので、進路は本人の意思を大切にした方がいいですね」という先生の言葉を重く受け止めたのでした。教育委員会の教育相談へ秋の公立中学見学から半年がたち、小学6年生になった娘は教育相談に行きました。学校の所属や進路を決める目安になるものに、教育委員会で行われる発達検査と教育相談があります。翌年の中学進学の参考にするため、数年ぶりの発達検査と教育相談を受けることにしたのです。検査後の教育相談時、私は相談員の方に「娘のようなタイプは中学卒業後、どのような進学先がありますか?」とたずねました。Upload By 荒木まち子主治医に「通級」という言葉を初めて聞いたときと同じように、私は最初「手帳」の意味がわかりませんでした。そして私の住んでいる地域では、特別支援学校は療育手帳がないと入学できない(※)ことを初めて知ったのです。※療育手帳の所持が特別支援学校入学のために必要な条件かどうかは、地域によって異なります。特別支援学校高等部は見学できず…「現時点で療育手帳は取得できないとしても、高校入学の頃は療育手帳が取れるようになっているかもしれない」そう考えた私は、相談員さんから聞いた特別支援学校高等部の見学に行こうと思いました。でも当時、特別支援学校高等部では、小学生の保護者対象の学校見学会は行っていませんでした(現在は小学校高学年の保護者向けの見学会を行っているようです)。それでも「軽度の知的障害がある生徒が対象」といっても実際はどのようなタイプの学生が通っているのか、生徒達は何を目標にしているのか、娘に合いそうな学校なのかなど、少しでも情報が欲しかった私は、その学校が「地域支援・センター校の活動」として行っている「教育相談」を受けることにしました。娘がいきいきと過ごせる場所のイメージが、まだわかない私は特別支援学校の「教育相談」で、相談担当のコーディネーターの先生に、娘の中学について迷っている旨を伝えました。「中学から特別支援学級に入級した場合、そこでリーダー性を発揮していきいきと過ごす生徒さんと、自分の居場所は特別支援学級ではないと感じて嫌がる生徒さんがいます」それは通級教室の先生と同様、多くの困り感を抱えている生徒達を見てきた先生の経験に基づいた言葉でした。娘はどちらのタイプだろう?それまで通常級で過ごしてきた娘が「周りのみんな」と一緒が良いと思っているのは確か――。でも「みんな」との違いを感じ悩んでいるのも確か――。娘がいきいきとを過ごせる場所はどこなのか、その時点ではやはりまだ判断ができませんでした。コーディネーターの先生に「この特別支援学校高等部では、小学生対象の見学会は行っていません。でも、「学校に行こう週間」であれば来場者の制限はしていませんので、ぜひお子さんと一緒に見学にいらしてくださいね」と言われた私は、それまでの半年の間に、近隣の私立中学と私立・公立の高校の見学することを決めたのでした。次回のコラムでは、私立中学や高校の見学で感じたことについて紹介したいと思います。
2019年05月09日これまでの価値観や人生モデルが崩壊し、「考える力」が求められるとされる昨今、中学入試においてもいわゆる「思考型入試」が導入されるケースが増えつつあります。それにより、中堅以下の学校、そして難関校においても変化が起きているそうです。育児や教育に関する執筆活動の他、各種メディアで活躍する教育ジャーナリストのおおたとしまささんにお話を聞きました。構成/岩川悟(slipstream)取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)オーソドックスだった開成中が出した変化球問題いま、中学入試は過渡期にあります。その象徴のひとつが、教育界でいうところの「開成ショック」。2018年2月、開成中が国語の問題として出したのは、かいつまむと以下のようなものでした。「ふたつの支店でおこなったカニ弁当の販売について、それぞれの支店の売れ行きを示したグラフを基に、ひとりの社員を評価する部長に対し、その意見を否定する社長の考えを読み取る」という内容です。問いは、「社長は、部長の報告のどの表現に、客観性が欠けたものを感じたのでしょうか。二つ探し出し、なるべく短い字数で書きぬきなさい」というものでした。この問題の模範解答や採点基準を見たわけではないのではっきりとはいえませんが、おそらくはディベートに求められるような力を試したのではないでしょうか。ディベートには自分の意見と関係なく、賛否双方の立ち場から論理を組み立てる力が必要とされます。これは、それこそ「思考型」と呼ばれるタイプの問題といえるでしょう。これまで割とオーソドックスな問題を出してきた開成中が、こういった「変化球」の問題を出したことで、「2020年にはじまる大学入試改革を先取りしているのではないか」と大きなトピックになったわけです。首都圏では「適性検査型入試」が激増ただ、わたしは単純にそうだとは思いません。大学入試改革に合わせたわけではなく、「世のなかが求める学力観」に合わせた変化なのだと思います。いま、世のなかが求める学力とは、大きくは3つだと見ていいでしょう。【1】相手のいわんとしていることを正確に読み取る「読解力」【2】知識の量に関係なく考えられる力、いわゆる「論理的思考力」【3】自分の考えをアウトプットする「表現力」教育界では、知識を詰め込むのではなく、この3つのサイクルを鍛えることにもっと力を入れないとならないといわれています。そういう背景もあってか、大学入試改革との関係はさておき、「思考型入試」を含む「適性検査型入試」が激増していることはたしかです。これは、ある教科の試験で思考力を問う問題が出題されるというものではなく、いわゆる4教科型とはちがう試験によって合否を判定する入試のこと。入試をおこなう首都圏の中学は約300ありますが、いま、なんとその半数近くの学校が適性検査型入試を導入しています。もちろん、定員の全員をその入試で取るわけではありません。300人の定員があれば、たとえば250人は従来の4教科型、50人は適性検査型の試験で入学させるという具合です。適性検査型入試がもたらした中堅校でのシナジー適性検査型入試全盛といえるいま、中堅以下の学校では面白い変化が見られます。そういう学校に、「通常の4教科型入試では難関校に入れないから」という理由で入学した場合、当然、「自分は勉強ができない」という劣等感を抱えることになります。一方、適性検査型入試で「君にはこういういいところがあるよ!」と評価されて入学した子どもは自己肯定感が高い状態にある。そうすると、いわゆる学力なら同じ偏差値帯にある子どもでも、自己肯定感のちがいによってその後の学力の伸びに差が出てくることもあるのです。しかも、そういう子どもは、知識量では難関校に進む子どもにかなわないかもしれませんが、思考力や応用力、創造力という面では遜色ない、あるいは凌駕しているという場合もあるでしょう。すると、中堅以下の学校にそれぞれちがう良さを持った多様なタイプの子どもたちが集うこととなり、相乗効果、いわゆるシナジーを生むことにもつながるのです。こうして、その学校における学びの質は上がっていきます。そういう学校では、「多様な人間との協働」という、いまの子どもたちに求められるといわれる生き方そのものを学んでいるともいえるのではないでしょうか。中学受験の過当競争に「異議あり!」一方、難関校には別の変化が起きています。それは、塾によるものです。現在の塾の入試対策カリキュラムはものすごく研ぎ澄まされていて、指示通りにこなせば誰でも難関校に入学できるようになってきています。いわば、某トレーニングジムのようなもので、とにかく指示通りに大量の課題をこなせば、ガリガリだった人間がマッチョになって、もともと体力があった人間を負かすようなことが起きているのです。かつての中学入試では、そのような逆転現象はなかなか起きるものではありませんでした。難関校には、いわゆる地頭がいい子どもが順当に入っていたのです。ところが、いまは、以前なら入学できなかったような子どもも入ってくる。そうすると、教師は「いままではこんなに手がかかる子どもは入ってこなかった……」と感じながら、たくさんの小テストをやらせたり宿題を出したりと、手取り足取り教えないとなりません。これは、「逆転入学」した子どもにとっても、決して幸せな状況ではないはずです。本来、難関校というのは自由な校風の学校が多いものです。「1伝えれば10わかる」という生徒がほとんどのため、教師も無駄な宿題なんて出しませんし、「あとは自分でやっておいてね」といえる。子どもたちは、その自由を謳歌します。でも、入学したはいいが、周囲に置いていかれないように必死に勉強することになれば、その自由を味わうどころではありませんよね。そもそも、そういう子どもが難関校に入学するためには、過酷な筋力トレーニングのように、小学生としては考えられないほどの努力をしなければなりません。いまの中学受験は「過当競争、極まれり」という状態なのです。もちろん、「頑張れば難関校に入学できる」ことに「夢がある」といういい方もできるかもしれません。ただ、無理をさせるのはいかがなものでしょうか?もっとそれぞれの子どもにフィットした学校、楽しい学校生活があるとわたしは思うのです。勝ち負けではなくて、子どもが最後に笑える中学受験のやり方というものを考える必要があるのかもしれません。『中学受験「必笑法」』おおたとしまさ 著/中央公論新社(2018)■ 教育ジャーナリスト・おおたとしまささん インタビュー一覧第1回:過当競争極まれり。難関中学への“逆転入学”が子どもに弊害をもたらしている第2回:「間に合わせの学力」では人生厳しい。「本質的な学力」を伸ばす“1日10分”の学び(※近日公開)第3回:学力は人並程度あればいい。「新たな時代」を生き抜くためには“3つの力”が必要だ(※近日公開)第4回:「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには“決定的に足りない”時間がある(※近日公開)【プロフィール】おおたとしまさ1973年10月14日生まれ、東京都出身。教育ジャーナリスト。麻布中学校・高等学校卒業、東京外国外大学英米語学科中退、上智大学外国語学部英語学科卒業。株式会社リクルートを経て独立し、数々の育児誌、教育誌の編集に関わる。心理カウンセラーの資格、中学高校の教員免許を持っており、私立小学校での教員経験もある。現在は、育児、教育、夫婦のパートナーシップ等に関する書籍やコラム執筆、講演活動などで幅広く活躍する。著書は『受験と進学の新常識 いま変わりつつある12の現実』(新潮社)、『名門校とは何か? 人生を変える学舎の条件』(朝日新聞出版)、『ルポ塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』(幻冬舎)など50冊を超える。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年03月11日キッズネットサポーター:ゆきこ過去問は、大切な予行演習多くの塾では6年生の秋から過去問を解き始めます。娘の塾では過去問の準備について特に指導はありませんでしたが、わたしは受験生の親のブログを参考に、準備しました。過去問の背表紙を裁断する。問題用紙も解答用紙も、本番のサイズに合わせてコピーする。娘が受験した入試の問題用紙のサイズは全てA4ですが、過去問題集はB5サイズのものがほとんどです。本番のように、考えるために書き込める余白は、問題集にはほぼありません。子どもには「入試の予行演習」として過去問を解いてほしかったので、問題集を本番と同じA4サイズに拡大してコピーしました。このように裁断したあとに、実際のサイズに合わせpて、A4サイズに拡大コピーしました過去問の裁断は、「ビジネスコンビニ」と呼ばれる店舗でお願いしました。裁断料金は1センチメートルあたり108円でした。裁断することでコピーする際に「紙送り機能」が使用できて、とても便利です。裁断をした店舗のセルフコピー機でコピーも行なったので、1カ所で作業を終えることができ、時間と手間がかなり省けました。参考にしたブログによると、カッターで裁断する方もいるようです。自宅でも撮影できる、願書写真「できるだけ塾に通わず」頑張ってきた我が家では、願書の写真も父親が撮影して家庭で準備しました。わたしたち親は「プロに撮ってもらったら」とも言ったのですが、娘が「パパでいい!家で撮る!!」と主張し、自宅での撮影となりました。コツは、「望遠レンズをつかって、遠くから撮る」です。これにより、実物より顔が膨らむことを避けられます。自宅撮影はプロに比べると照明などが劣りますが、忙しい受験直前期に「写真館に行く時間と手間」を省けることは大きなメリットです。自宅でも様々なアプリをつかえば満足いくまで調整できます。余談ですが、我が家はパスポートの写真も自宅で撮影しています。申請の際に「あごに影が若干あるので、外国では確認されることもあるかもしれませんが、日本では問題ありません」と言われたものの、出入国の際にトラブルが起こったことはありません。想定外のプレッシャー【第1回中学受験と、親ばなれ・子ばなれ】のとおり、「中学受験に向けてがんばることは、いい経験になる」が、「努力をしても報われない可能性もある」。つまり不合格の場合もあることは、本人とはよく話し覚悟はしていました。しかし、娘の小学校は中学受験をする子が少なく、関心も知識もが少なかったためか、同級生たちは「中学受験=志望校へ進学」と思い込んでいるようでした。不合格になるかもしれないので放っておいてほしかったのですが、試験を受ける前から「〇〇中学校に行くんだー、すごいねー」と合格を前提に話されるのには参りました。志望中学校が知れ渡った理由は、担任の教師が教卓に置きっぱなしにした中学受験の書類を見たクラスメイトが、それを黒板に貼ったことでした。中学受験関係の書類は封筒に入れて見えないようにして提出することをおすすめします。さらに、下の子とは「お姉ちゃんが第一志望に合格したら、最新ゲームを買おう。だから受験が終わるまで協力してね」と約束したはずが、いつの間にか「受験はどうせ合格する。だから今すぐ」という解釈にすり替わっていました。何度も何度も「受験というものは、不合格もある。結果が分かる前に『きっと合格するから買って買って』と言うのはやめなさい」と言い聞かせても、全く理解できないようでした。「いつ買ってくれるの?」と何度も言われるのには、閉口したものです。下の子も同級生も、受験を経験したことがないため「受験=合格」と思いこんでいたようでした。このプレッシャーはなかなか手ごわいもの。子ども自身も「クラスメイトに『頭のいい中学に行くんでしょ?!』って言われたー」などと愚痴をこぼすことも多々あり、担任の先生に相談しようと思いましたが、娘に止められました。また、娘には「中学受験をするとクラスで話さないほうがいい」と伝えていましたが、中学受験をする別の子が自ら「わたしは中学受験するから地元中には行かない!」と教室で宣言したり、自分の志望校の良いところを話したりということがあったそうです。受験する子もしない子も、心が乱れる時期だったのかなと今になって思います。入試当日の「花道」入試当日の朝の風物詩といえば、激励のために試験会場に来た塾講師による「花道」ですね。この花道、娘が中学受験で一番緊張した瞬間だったそうです。花道があることは知っていたのですが、いざ目の当たりにするとやはりビックリしてしまったそうです。塾に通っていないと、この花道は「完全アウェー」となります。また、通塾していてもほかの塾の人数が多くて圧倒されたり、担当の先生が当日に来られなくて子どもが動揺したりすることもあります。入試当日のシミュレーションでは、「花道を通る」こともぜひやってみてください。通塾していない場合は、気にせず通過できるように心の準備をしましょう。進学塾のウェブサイトには、入試日の写真が紹介されています。写真を見て当日をイメージして、「塾の先生や友だちが多くいる人は、そのときは安心できるかもしれない。けれど試験本番では一人で問題を解くことは全員同じ。先生や友だちがいなくても大丈夫!」と伝えてあげるとよいと思います。通塾している場合は担当の先生が来るか事前に確認して、来ないのならば当日か前日夜に電話をかけてもらえるようにお願いするのも一案です。中学受験に【成功】するためにさまざまな理由で、年明けから小学校を休むお子さんもいるようです。我が家は受験対策のために小学校を休むつもりはなく、試験日以外は登校する予定でした。しかし、例年より早いインフルエンザの大流行で、いつ学級閉鎖になってもおかしくない状況となり、「インフルエンザに感染するのが怖いから」という理由で入試直前は小学校を休むことにしました。こんなことになるとは、年明け前のわたしには想像できないことでした。試験直前には、思ってもいなかったいろいろなことが起こると思います。インフルエンザの大流行、まさかのケガ、体調不良、兄弟姉妹のワガママなどなど・・・。想定外のできごとが起こったときこそ、親のサポートが重要です。親だってドキドキ・ハラハラして、子どもといっしょに焦ってしまうこともありますが、そんなときこそハリウッド女優気分でポジティブ思考を演じ、子どもをサポートしましょう。中学受験は面倒なことも多くありますが、子どもをこんなにサポートする機会、タッグを組んで挑む機会は最後かもしれません。貴重な時間と考えて、頑張りましょう。志望者が募集人数を上回れば、全員が合格することはありません。一生懸命に挑んでも、辛い結果になることもあります。しかし、人生の最終目標が中学受験ではありません。親子で中学受験に取り組むことで、子ども自身が自分の人生を切りひらき、親が子どもの自立をサポートできれば、どんな試験結果でも大成功といえるでしょう。七転八倒、怒鳴ったり叫んだり、親が何を言っても子どもは馬耳東風だったりもありますが(全て我が家でのことです。笑)、「中学受験をしてよかった」と思える、幸せな体験となりますように、みなさんの【成功】をお祈りします。ゆきこ(ゆきこ)40代。夫と長男長女との4人暮らし。食生活アドバイザー2級、食育アドバイザー、幼児食インストラクターの取得の際に、「試験勉強を続ける辛さ」「受験のプレッシャー」を身をもって知りました。毎日、学校で授業を受けて、宿題やテストに取り組んでいるだけでも、子どもたちは精一杯頑張っているとリスペクトしたいです。が、ついガミガミやっちゃいます・・・。
2018年11月15日トップライター:高橋すず受検本番まであと少し。コウタは毎日夜遅くまで塾の日々です。ここまできたら、親にできることは限られています。バランスの良い食事をつくり、風邪をひかせないように気をつけることくらい。わたしは、ひとりで過ごす時間が増えたのですが、なんとなく落ち着かないので合格祈願のお守りを作ってみました。縁起の良い二重叶結びでお守りをつくるのははじめてだったのでネット検索してみると、中学受験の合格祈願にちょうどよさそうな「手作りなら、思いのママ」というサイトを見つけました。フェルト生地に、二重叶結び(にじゅうかのうむすび)のひもをつけたシンプルでかわいらしいお守りです。二重叶結びとは、ひもの結び目の裏が「口」の字、表が「十」の字になることから、そう呼ばれているそうです。お守りのほか、ご祝儀袋の水引にも使われる縁起の良い結び方です。お守りの作り方材料フェルト18cm×18cmししゅう糸紐(50~60cm)瞬間接着剤目打ち1.正方形のフェルトを7cm幅に裁断します。2.上半分にししゅう糸でメッセージをししゅうします。コウタの好きな水色に赤の糸で「ガンバレ!」の文字を。3.ししゅうした面を中おもてにして、両端を手縫いします。ミシンで縫ってもいいですが、小さいので手縫いしました。4.おもてに返し、目打ちで角を出します。ここで袋の中に、応援メッセージの手紙を入れました。5.袋口の左右を内側に折り、少量の瞬間接着剤をつけます。6.クリップでとめて固定しておきます。7.ひもで二重叶結びを作ります。詳しい作り方は、先ほど紹介したサイト「手作りなら、思いのママ」に出ています。はじめは、きれいな形に作るのが難しいかもしれませんが、何回かやっているうちになんとか形になってきました。8.お守りの上部に目打ちで穴をあけます。二重叶結びが表にくるように紐を通し、うしろで結んで完成です。ときどきつくろい物はしますが、手芸らしいことをしたのは幼稚園グッズを作って以来かもしれません。でも、作っている間、気持ちがす~っと落ち着くのを感じました。フェルトや刺しゅう糸といった材料は100円ショップでも手に入るので、ぜひ作ってみてください。塾から帰ったコウタにさっそく渡すと、「わ~っ、うれしい」と喜び、筆箱につけてくれました。本番までの残りの時間、悔いのないようにがんばってほしいです!高橋すず(たかはしすず)夫と息子の3人暮らし。コウタの夢は、南の島のビーチに寝そべって、トロピカルドリンクを飲むこと……だそうです。いつか家族で。でもその前に「サクラサク」を叶えたい。
2018年11月13日トップライター:水野さくらこ中学受験は娘との最後の共同作業になるかも。中学受験の先輩ママに教えられ、学校探しにもがぜんやる気が湧いてきました。そんなとき、各塾が開いているその年の「中学入試報告会」と「キリスト教学校合同フェア」なるものがあることを知りました。はじめてのイベントにドキドキしながらも、出かけてみることにしました。塾の個性が垣間見られる「中学入試報告会」その年の受験が終わると開かれる「入試報告会」。中学入試の概況のほか、科目ごとの問題分析や傾向、来年度の予想から入試で求められる力のトレンドといった、最新情報を得ることができるのだそうです。サピックス、四谷大塚、日能研、早稲田アカデミーといった大手塾がそれぞれ開催しているので、どこに行こうか迷いましたが、ハルカが教材を使っている四谷大塚と、難関校への合格実績がもっともよいサピックスの2カ所に行くことに。こうしたイベントもすべて事前にネット予約が必要なのですが、仕事の予定もあってギリギリまで予約できずにいたら、希望の日はすでに満席で受付終了に!予約が必要な場合は、とにかく先に予約を入れてしまう方が、今後はよさそうです。会場に着くと、すでに席はほぼ満席。子どもが低学年のうちからこうしたイベントに参加している意識の高い保護者もいるそうで、四谷大塚もサピックスも会場は熱気にあふれていました。手帳を開いて熱心にメモを取る方、ノートPCを膝に置き、先生の説明を素早く打ち込んでいる方もいました。どちらの報告会でも、その年の合格実績や全体の受験者数、人気校の傾向といったことの解説が行なわれるのですが、両者の違いはといえば、そのタイトルを見れば一目瞭然。四谷大塚が「中学入試報告会」と銘打っているのに対し、サピックスは「中学入試分析会(・・・)」です。はっきりと「分析」と掲げているサピックスは、入試に関わる様々なデータをもとに、〇%増えたとか減ったとか、数字の分析に終始していました。四谷大塚の会では冒頭に、難関校合格者の感動のインタビュー動画が流れるのに対して、ずいぶんとドライな印象です。情感にコミットしてくる四谷大塚と、エビデンス重視のサピックスといった感じでしょうか。でも、これは好みの問題。四谷大塚でもオリジナルの分析資料が配布されるし、客観的データや情報ももらえるので、どちらの報告会でも過不足はないように感じました。ただ、サピックスは難関校に強い塾という特色があるので、難関校を目指すのなら「中学入試分析会」を押さえておくべきだと感じました。ハルカの場合はサピックスには行かなくてもよかったかも?とも思いましたが、塾の方針が垣間見られたのはよい経験でした。キリスト教学校も視野に、学校選びをはじめる「キリスト教学校合同フェア」は、合同学校説明会のなかでもキリスト教学校にしぼった説明会で、青山学院を会場に行なわれます。こちらは事前予約不要。当日は、学校のカフェテリアも利用できるということで、ハルカや近所の中学受験友だち母子もいっしょに、気楽に出かけました。事前にイベントスケジュールを確認すると、キリスト教学校の多さにあらためて驚きます。首都圏には80校以上のプロテスタント・カトリックの学校があるそうです。キリスト教学校には女子校が多く、プロテスタントには青山学院附属校など共学がちらほらとありますが、カトリックは基本的に別学だということも、いっしょに行ったママ友から聞きました。このころには、ハルカもセーラー服へのこだわりは少し薄れてきていて、親のわたしたちも共学にこだわらなくてもいいかもしれないと、思い始めていました。夫がカトリックの中高一貫校出身ということもあり、キリスト教学校も視野に学校選びをしていくのもいいかもしれないと、家族で話すようになっていたのです。学校説明会の個人相談では、毎回同じ質問をするのがポイント「キリスト教学校合同フェア」では、各校がその魅力を5分間でプレゼンする5分間スピーチリレー、個別相談ブース、合唱祭などがありました。まずは気になる学校を中心に5分間スピーチリレーを聞き、その後は各校の個別ブースを巡ることにしたのですが、人気校では、会場の入りも全く違うことに本当に驚きました。特に個別ブースには、女子校ならフェリスや白百合、東洋英和、立教女学院、頌栄といった学校は長蛇の列で、とても話を聞くどころではありません。わたしとハルカは、これといって個別に相談したい話もなかったので、学校案内をせっせと集めることにしたのですが、各ブースで、みなさんがとても熱心に相談していた姿が印象的でした。今振り返ると、「大学の指定校推薦の規定」や「いじめがあったときの対応」、「高校に進学しない、あるいはできない生徒の数」、「成績は発表されるのか、順位は発表されるのか」など、聞いておけばよかったと思うことがたくさんあります。でも、当時のわたしには、中学生になったハルカのイメージが湧かなくて、質問は思いつきもしませんでした。いっしょにいったママ友は、「〈生徒さんのいいところと、悪いところを教えてください〉と、どこの学校でも同じ質問をしてるの。そうすると学校の生徒に対する目というか、そういうものがわかるようになっていいわよ」と言っていて、なるほどと思いました。たしかに、同じ質問をするというのは、学校を比較するときに役立ちそうです。ランチにカフェテリアでスパゲッティを食べたあとは、花の咲くテラスで友だちと記念撮影しつつ、「青学もいいかもねー」と、にこやかに友だちと話すハルカ。6年生にもなって、なんとものんきなハルカの姿に、これからがんばれ!という思いも込めて、「そうだね」と笑顔を返した母でした。水野さくらこ(みずのさくらこ)都内で夫、娘と3人暮らし。娘が中学生になり帰宅時間も遅くなったので、空いた時間にヨガを習いに行くことを画策中。いつかベターっと開脚できるようになるのが夢。
2018年11月01日有村架純演じる中学教師が岡田健史演じる教え子と“禁断の恋”に落ちていく「中学聖日記」の第4話が10月30日にオンエア。ついに“禁断の領域”に踏み込んだ2人の恋と、岡田さん演じる晶の純粋さが多くの視聴者の心を揺さぶっている。有村さんが片田舎の中学校に赴任してきた新人教師の末永聖を演じ、その教え子で10歳年下の中学生・黒岩晶に本作がデビューとなる岡田さん。聖の婚約者・川合勝太郎に町田啓太、勝太郎のバイセクシャル上司・原口律に吉田羊、晶に思いを寄せる同級生の岩崎るなに小野莉奈、その他夏川結衣、夏木マリ、友近、マキタスポーツといったキャストが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。いよいよ夏休み。自分のなかにある晶への想いに気付いてしまった聖だが、あくまで教師として晶に接し続ける。しかし晶からは「花火大会のあとに会いたい」と言われてしまう。さらにるなから聖の携帯番号を入手した晶は「花火大会の後神社で待ってる」とSMSを送信。聖は晶の番号を着信拒否して想いを断ち切ろうとする。一方勝太郎は原口と二人きりでシンガポールへ海外出張。ホテルで打ち合わせしていると原口から、聖に誰か他に惹かれている人がいないかハッキリさせるように迫られる。さらに帰国後、原口は聖の中学の地元・子星平の花火大会に行くと言い出す。そして花火大会の夜、聖は見回り中、るなが晶の頬にキスする姿を見て、思わずその場を立ち去る。それを追いかける晶。海辺で聖を見つけた晶は聖にキス。さらに聖と晶が手をつないでいる所を、勝太郎と晶の母が見つけてしまう…というのが第4話のストーリー。ついに聖と晶が先生と生徒という関係を超えてしまった今回、「誰の目線でも見てるこっちが苦しくなる」「見てるだけで疲れる只今、天井見ながら脱力中」「複雑な感情に包まれるし胸が苦しくなる」など、禁断の恋に落ちていく2人の姿に心痛める視聴者が続出。また「黒岩くんのチュー仕方良かった」「キスシーン良すぎて泣きそうやったわ」「黒岩くんかっこよすぎる。キスは最高かよ」と晶の“中学生らしくない”キスの上手さを讃える声も多数。1話ではその横顔の美しさにネットが色めき立ち、今度は人気女優・有村さん相手に初のキスシーンと、話題を振りまき続ける岡田さんに多くの視聴者が熱い視線を送っているようだ。(笠緒)
2018年10月31日有村架純が教え子に惹かれていく中学教師役を演じる「中学聖日記」の第2話が10月17日に放送。バイセクシャルのバリキャリ帰国子女を演じる吉田羊の“壁ドン”シーンに視聴者から“自分も壁ドンされたい”の声が続出している。片田舎の中学校に赴任してきた新人教師の末永聖を有村さんが演じるほか、聖に恋する中学生の黒岩晶には1年にわたるオーディションで選ばれた新人・岡田健史。聖の大学時代からの恋人で現在は大阪で働く川合勝太郎には町田啓太。勝太郎の上司でバリキャリ帰国子女、バイセクシャルの毒舌系女子・原口律役には吉田羊。また小野莉奈、夏川結衣、夏木マリ、友近、マキタスポーツらが共演する。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。1話のラスト、「先生のこと、好きになっちゃいました」と聖に告白した晶だが、聖はその言葉を受け流し続ける。そんなある日、聖と勝太郎両家の顔合わせが急遽開かれることになったが、勝太郎が仕事のトラブルで遅れてしまう。聖ひとりに両家の親という構図のなか、聖は結婚後も教師を続けていきたいと思いを伝えるも、いずれは仕事をやめるように言われてしまう。そして子星中学校で体育祭が開催。そこで晶は聖に対し「自分を避けないで欲しい」と改めて想いを伝えるが、聖は「迷惑だからやめて。先生としては応援するけど、それ以上でも以下でもない」と冷たく突き放す。ショックを受けた晶は学校を勝手に早退、その帰り道に自転車でケガをしてしまう。そこに通りかかった聖はケガを手当てをしようと晶を自宅に招き入れるが、そこに勝太郎がやってくる…というのが2話のメインストーリー。主軸となる聖と晶の物語と並行して、大阪で勤務する勝太郎と原口の関係も描かれた。今回の2話、原口を演じる吉田さんの“バリキャリ上司”ぶりに「服装も化粧も役柄もカッコよくて好き」「クール系吉田羊さん、かっけー」「笑わない吉田羊さん凄い好み」などの反応が数多く寄せられており、特に原口が勝太郎を“壁ドン”するシーンには「吉田羊さんに壁ドンされたい人生だった」「私も吉田羊に壁ドンされたい町田啓太場所譲って」などの声が続々とタイムラインにアップされる状況に。今後さらに距離が接近していきそうな2人に「吉田羊と町田啓太パートだけで1本できるよね」という感想まで上がっている。(笠緒)
2018年10月17日キッズネットサポーター:ゆきこ予定より早く、算数のみ入塾子どもが小学5年生の11月。塾主催の適性検査型の無料模試を受けたら、答案返却の面談で冬期講習の受講をすすめられました。そのときは塾に入ることをまったく考えていませんでしたが、お試し価格でお得だったうえに、帰省の日程と重なっていなかったので何かの縁かなと思い、気楽な気持ちで受講することにしました。子どもはこの冬期講習を楽しんだものの、2月に習い事のイベントが続けて行なわれることもあり、けっきょく入塾はしませんでした。そうなんです、中学受験を考えつつ、小5の2月になっても2つの習い事を続けていたのです(2つのうち1つは6年生9月まで、もう1つは入試シーズンも休まず、小学校卒業の3月まで続けました)。そして習い事のイベント終了後、同じ塾で無料模試が行なわれることを知った子どもが、「また模試を受けたい!」と言い出しました。「お試し価格で冬期講習だけ受講して入塾は断ったのに、また無料の模試を受けるって・・・」と、さすがに図々しいわたしでもちゅうちょしたのですが、子どもがどうしてもというので渋々申し込むことに。2度目の答案返却では、さすがに塾側も勧誘作戦を変えてきて、「冬期講習は公立中高一貫・適性検査対策クラスを受講したので、春期講習では『国私立中学対策クラスの、まずは算数を受講しましょう。春期講習前の通常授業から体験してみませんか」と勧められました。そのクラスには、子どもが今まで出会ったことがないような、ケタ違いの天才・秀才たちがいました。当初の予定では志望校対策が始まる9月に入塾するつもりでしたが、毎日通う小学校とはまったく違った刺激を塾のクラスメイトから受けたこと、算数の学習の進め方に迷い始めた時期だったこともあり、塾側の言うとおり算数のみ入塾を決めました。中学受験に「先取り学習」は必須!子どもは算数が好きで、しかも得意科目と思っていましたが、先取り学習まではしていませんでした。入塾して間もなく、「え!中学受験をするのに、まだ円の面積の公式を知らないの?」と講師に絶句されたことも、今となっては笑い話です。入塾する前の算数の学習は、市販の問題集と通信教育のZ会の公立中高一貫校適性検査講座の受講でした。今思えば、“学力検査でなくて適性検査だから先取り学習は必要ないだろう”と判断した親の油断のせいで、学習内容も時間も足りなかったのではと反省しています。算数の進め方をもっと工夫できていたら、もっと入塾時期を遅らせることも、もっとスムーズに受験生活を過ごすこともできたのかもしれません。そんな反省だらけの算数の学習方法ですが、見つけてよかったと思う教材があります。出会いは子どもが小学校1年生のときのこと。年度末テストの算数がとくに高得点だったので「うちの子ってすごい?!」(笑)と浮かれたわたしが問題集選びを始めたときのことです。本屋の問題集売り場に行ってみたものの、あまりの種類の多さに、どれを選んだらいいのか途方にくれてしまいました。そんなとき、ある1冊の本に出会ったのです。宮本哲也先生との運命の出会い!?それが、『宮本算数教室の教材賢くなるパズル入門編』。はじめて買った、宮本先生の問題集「宮本算数教室の教材 賢くなるパズル入門編」宮本哲也著/学研プラス保護者向けの説明に「絶対に解き方を教えないでください」と書かれているのを見て「子どもの目の届くところに問題集を置いておくだけでいいんだー、解き方を教えなくていいなら親がラクでいいわー」と単純に考えて、購入しました。子どもには「答えが出なくてもいいから、自分で考えてごらん。すぐに答えが出ないとモヤモヤするだろうけど、答えが出なくても、答えを探して考えている時間に頭がよくなるから大丈夫。寝ている間に頭が整理されて、起きたらひらめくこともあるかもよ。だからよく眠りなさい」と伝えました。我が子が中学に入学してして間もなく、「すぐに解けなくてもいいから、まず自分で考える、考え抜くことが大切だと分かった」と言いました。そのとき、わたしは「宮本先生、ありがとう!!」と心の中で叫んでガッツポーズ!子どもは宮本先生の教材を全てやったわけではありませんし、わたしも宮本先生の著書を全て読んだわけではありません。けれども、「子どもは自ら学習しようとする本能がある、子どもが勉強嫌いになるのは親が邪魔をするから」といった宮本先生の言葉の数々や「子どもが本当に必要としている援助だけをして、信じて待つ」という姿勢は、わたしに大きな影響を与えました。今では、お会いしたことのない宮本先生を「我が心の師匠」とリスペクトしています。「焦らずじっくり」は自宅学習のメリット算数の学習方法については話題に事欠かない我が家ですが、焦らずじっくり時間をかけて算数の問題と向き合えたことは、できるだけ塾に通わずに自宅学習を進めたメリットだったと感じています。子どもが算数を好きで得意だと思い続けていられた助けになったのではと思っています。私立中学校の入試では、算数の配点割合を高くしたり、算数一科目だけに絞ったりといった算数重視型も増えてきました。算数重視型の入試は、公立中高一貫校の適性検査を目指しながら私立中学も受験したいと考える子どもたちの新たな選択肢になると思います。私立中学の入試の4教科を急いで仕上げるのは大変なことですが、算数だけなら間に合う可能性も高まります。実際に我が子も、私立中学校の算数重視型の入試を受けました。試験問題を解くのは時間との戦いになりますが、まずは土台作りとして、算数の問題にじっくり取り組むことが大切だと思います。算数を得意科目にできれば中学入試で有利になるのはもちろんのこと、中学から始まる数学にも、子どもが自らの将来を考えるときにも、心強い味方になるでしょう。ゆきこ(ゆきこ)40代。夫と長男長女との4人暮らし。食生活アドバイザー2級、食育アドバイザー、幼児食インストラクターの取得の際に、「試験勉強を続ける辛さ」「受験のプレッシャー」を身をもって知りました。毎日、学校で授業を受けて、宿題やテストに取り組んでいるだけでも、子どもたちは精一杯頑張っているとリスペクトしたいです。が、ついガミガミやっちゃいます・・・。
2018年10月12日ドラマ『中学聖日記』で大抜擢された岡田健史さんが、年の差の恋、禁断の恋について語ってくれました。僕が演じる黒岩晶は、有村架純さん扮する新任の教師・末永聖に恋をしてしまう中学生。10歳も年が離れているけれど、原作漫画を読ませていただいたときから、何の違和感もありませんでした。僕自身、年齢差の恋や同性愛など、いろいろな愛の形がある今の世の中において、“好き”という想いに年齢や性別、職業や立場は関係ないと思うタイプ。なので晶の気持ちを理解することは難しくなく、むしろ共感できる部分のほうが多かったです。恋をしたら、周りが見えなくなってしまう晶の気持ちもすごくよくわかりました。僕も中学生のときは、好きな女の子のことと当時熱中していた野球のことしか考えていない時期があったので(笑)、晶という役を生きるうえで必要なことは、その頃の記憶を辿りながら演じているんです。でも今の僕は、禁断の恋とわかっていながら晶のように突っ走ることはできません。こうやってお仕事をさせてもらっている以上、社会的な立場や状況を考えて行動しなければいけないと思うし、周りにも迷惑をかけられない。そのために“好き”という気持ちを自分の中でなんとか消化していかないといけないですよね。一人の大人として。だから余計、頭であれこれ考えない晶が羨ましいし、それが聖ちゃんを惹き付ける晶の魅力なんだろうなと思うんです。聖ちゃんと晶は教師と生徒という関係性だからいろいろな障害があるけれど、10歳年上というのは問題ではないですよね。自分が疲れたときに優しくしてくれたり、時には甘えさせてくれたり、そんな母性を感じさせるのは年上女性ならではの魅力だし、僕自身も自分より知識も経験も豊富な年上の女性は素敵だなと思ってしまいます。ただ聖ちゃんは、そういう典型的な年上女性ではないんです。まだ人を好きになるという感情さえ知らなかった晶が、“こんな美しい人は初めて見た”という男の本能で惹かれてしまった。そして距離が近づいていくうち、聖ちゃんに自分に似た未熟さのようなものを感じてどんどん引き込まれていったんじゃないかなと僕自身は感じていて。決して年上的な要素に惹かれたわけではないからこそ、やっぱり“好き”という想いに年の差は関係ないと思うんです。おかだ・けんし1999年5月12日生まれ、福岡県出身。5年間スカウトされ続けた期待の新人。ドラマ『中学聖日記』でオーディションを勝ち抜き待望の俳優デビュー。プルオーバーニット¥37,800(ダニエルw.フレッチャー/インターナショナルギャラリー ビームス TEL:03・3470・3948)パンツ¥12,500(COS/COS 銀座店 TEL:03・3538・3360)『中学聖日記』勤務先の学校で10歳下の中学生・黒岩晶(岡田健史)に惹かれていく教師・末永聖(有村架純)の禁断の恋を描くドラマ『中学聖日記』は、TBS系にて10月9日(火)22時スタート。※『anan』2018年10月10日号より。写真・大辻隆広(go relax E more)スタイリスト・岡部美穂ヘア&メイク・大橋 覚(VANESSA+embrasse)取材、文・菅野綾子(by anan編集部)
2018年10月08日