ベルソムラを飲んでる人、処方された人必見。ベルソムラの効果、副作用や注意点など、すべて解説します。 ■薬の効果適応症:不眠症ベルソムラ(スボレキサント)は、耐性や依存性が形成されにくく、服薬を中止したときの強い不眠(反跳性不眠)などが生じにくい薬剤です。したがって、ベンゾジアゼピン・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬を連用していない人、睡眠薬の依存性が心配な人、不眠症改善後に薬の中止を求める人に、より効果が期待できます。ベルソムラは、筋弛緩作用や健忘などの副作用が少ないため、転倒や認知機能障害が懸念される高齢者にも使用しやすくなっています。さらに、即効性や睡眠維持効果が認められるので、投与初日から睡眠効果を求める人、中途覚醒・早期覚醒を訴える人にも有用です。他の不眠症治療薬に比べて、いったん目が覚めた後も再入眠が可能な場合が多くなります。しかし、ベンゾジアゼピン系睡眠薬にみられるような直接的抗不安作用を欠くため、不安症状が強い重症不眠症や、不安が前景に認められる精神疾患と併存した不眠症に対する単独使用では十分な効果が期待できません。ベルソムラは、GABA-ベンゾジアゼピン、オピオイドなどの受容体に対して親和性(ある物質が他の物質と容易に結合する傾向)を示さないため、認知、記憶、運動系などに対する副作用が認められない上、依存性が少ないという利点があります。 ■用法・用量通常、成人には1日1回20mg、高齢者には1日1回15mgを就寝直前に経口投与します。投与初日から入眠・睡眠維持効果が期待できますが、他の不眠症治療薬と同様に、頓用ではなく毎日服用することで治療効果が得られます。 ■主な副作用や注意点ベルソムラの不眠症患者を対象とした第Ⅲ相国際共同試験※では、254例(日本人61例)に本剤(成人:20mg、高齢者:15mg)が投与されました。この試験の 6 ヵ月間の副作用は53例(20. 9%)に認められました。※国外を含む多数国で共同で実施する臨床試験主な副作用は、傾眠(強い眠気を感じて、うとうとする状態)(4. 7%)頭痛(3. 9%)疲労(2. 4%)でした。傾眠は多くが起床時~午前中に出現していました。傾眠はほとんどが投与中止によって回復し、また投与継続中に回復する例もみられました。ベルソムラの使用上の注意としてベンゾジアゼピン・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬を中止・減量して切り替えた場合には、前薬による服薬を中止したときの強い不眠(反跳性不眠)などが出現するリスクがあること、服用の翌朝以降に眠気、注意力・集中力、反射運動等の低下が起こる可能性があるので、服薬中は自動車の運転など危険を伴う機械の操作をしないように注意しましょう。主に薬物代謝酵素CYP3Aによって代謝されるので、CYP3Aを強く阻害する薬剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン、ポリコナゾールなど)との併用は禁忌となっています。 ■販売開始日2014年11月26日 ■製造販売元MSD株式会社 参考URL:ベルソムラ 添付文書<筆者プロフィール>薬剤師、某国立大大学院卒。大手ライフサイエンス関連企業にて、10年以上、医療用医薬品の研究開発業務に従事。専門は臨床開発。医療用医薬品の承認審査業務について、市場ニーズ調査、臨床試験デザイン、データ収集、解析、承認申請用資料作成などの観点から関わり、実績を挙げている。 Photo by Victor
2016年11月25日ルネスタを飲んでる人、処方された人必見。ルネスタの効果、副作用や注意点など、すべて解説します。 ■薬の効果ルネスタは、寝つきが良くない、熟睡が難しいなどの不眠症状に効果があります。緊張や不安をやわらげて、寝つきを改善します。適応症:不眠症ルネスタの適応は、不眠症のみです。ただし、不眠の原因に関して原発性(原因が特定できていない)、二次性(原因が特定できる)かを問わず使用が可能です。本剤の血中半減期は約5時間であり超短時間作用型に区分されます。不眠症の型別では入眠困難、持続別では一過性(数日)または短期(数週)、世代別では脱力やふらつきが危惧される高齢者への使用に適しています。 ■用法・用量成人:1 回 2mg を就寝前に経口投与します。高齢者:1 回 1mg を就寝前に経口投与します。症状により増減しますが、成人では 1 回 3mg、高齢者では 1 回 2mg を超えないこととします。ルネスタの標準的な用法・用量としては2mgを就床の20~30分以内に内服します。就床時間が使用前から一定で寝室環境に問題がないにもかかわらず内服後の入眠まで1時間以上を要する場合は、3mgへの増量を試みましょう。高齢者、肝機能不全者、腎機能障害は初期量を1mgに設定します。 ■副作用や注意点ルネスタの承認時までに国内の臨床試験で1mg、2mg 又は 3mg を投与された不眠症患者 325 例中、副作用が報告されたのは 156 例(48.0%)で、主な副作用は、味覚異常(36.3%)傾眠(強い眠気を感じて、うとうとする状態)(3.7%)でした。また、外国で実施された臨床試験で1mg、2mg 又は 3mgを投与された原発性不眠症患者 1637 例中、副作用が報告されたのは 819 例(50.0%)であり、主な副作用は、 味覚異常(21.0%) 頭痛(10.7%) 傾眠(強い眠気を感じて、うとうとする状態)(7.8%) 浮動性めまい(5.1%)でした。急性狭隅角緑内障患者への投与は眼圧上昇の危険があり禁忌です。ルネスタは筋弛緩作用を有するため、重症筋無力症患者への投与は禁忌です。肺性心、肺気腫、気管支喘息、脳血管障害急性期などで呼吸機能が低下している患者への投与は炭酸ガスナルコーシス(高炭酸ガス血症により意識障害などを伴う病態)を起こす危険があり、原則禁忌です。翌朝以後に出現する口中の苦味は全体の3%強に出現する有害事象で、処方前に告知を要します。食事中、または食直後に本剤を服用すると薬物血中濃度の低下を来たすことがあるので避けましょう。常用量の依存を避ける観点から、ルネスタの連用は月単位にとどめることが望ましいとされています。ルネスタの連用時、また服薬終了1週間以内の飲酒、授乳は控えましょう。翌朝以降、眠気の自覚のないものの、集中力や反射運動能力の低下を持ち越す可能性があります。このため自動車の運転や重機の操作などは、本剤の連用時、また服薬終了後1週間以内は控えるべきです。 ■販売開始日2012 年 4 月 18 日 ■製造販売元エーザイ株式会社 参考URL:ルネスタ 添付文書<筆者プロフィール>薬剤師、某国立大大学院卒。大手ライフサイエンス関連企業にて、10年以上、医療用医薬品の研究開発業務に従事。専門は臨床開発。医療用医薬品の承認審査業務について、市場ニーズ調査、臨床試験デザイン、データ収集、解析、承認申請用資料作成などの観点から関わり、実績を挙げている。 Photo by Victor
2016年11月25日マイスリーを飲んでる人、処方された人必見。マイスリーの効果、副作用や注意点など、すべて解説します。 ■薬の効果マイスリーは、寝つきが良くない、熟睡が難しいなどの不眠症状に効果があります。緊張や不安をやわらげて、寝つきを改善します。適応症:不眠症(統合失調症及び躁うつ病に伴う不眠症は除く)マイスリーの適応症は不眠症ですが、統合失調症あるいは躁うつ病に伴う不眠症は除くとされています。処方前にまず不眠の原因を特定する必要があります。マイスリーは非ベンゾジアゼピン系睡眠薬で、GABA 系の抑制機構の増強により睡眠・鎮静作用を示します。超短時間作用型の睡眠薬に分類され、筋弛緩(筋肉の動きを弱める)作用が弱く、ふらつきなどの副作用が少ないのが特徴です。 ■用法・用量成人に対して:1回 1~2 錠(主成分として 5~10mg) を就寝直前に経口投与します。高齢者に対して: 1 回 1 錠(5mg) から投与を開始します。年齢、症状、疾患により増減しますが、1 回 2 錠(10mg) は超えないこととします。 ■副作用や注意点マイスリーの市販後の調査等では、4,485 例中、副作用(臨床検査値の異常変動を含む)は、230 例(5.1%)に報告され、主な副作用は以下のとおりです。 眠気 21 例(0.5%) ふらつき 18 例(0.4%) 肝機能障害 18 例(0.4%) ALT(GPT)上昇 17 例(0.4%) γ-GTP 上昇 16 例(0.4%) AST(GOT)上昇 12 例(0.3%) 一過性前向性健忘 10 例(0.2%) LDH 上昇 9 例(0.2%)マイスリーの成分に対し過敏症の既往歴のある患者さん、重篤な肝障害のある患者さん、重症筋無力症の患者さん、急性狭隅角緑内障の患者さんには投与禁忌です。また、肺性心、肺気腫、気管支喘息および脳血管障害の急性期など呼吸機能が高度に低下している場合は、呼吸抑制により炭酸ガスナルコーシス(高炭酸ガス血症により意識障害などを伴う病態)を起こしやすいため原則禁忌となります。マイスリーとの併用注意にあげられている薬剤等は、麻酔薬、中枢神経抑制薬(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)、アルコール(飲酒)、リファンピシンです。リファンピシン誘導体服用時には薬物代謝酵素CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進されることにより作用が減弱する可能性があります。お薬は、用法・用量を守って服用することが大切です。一過性前向性健忘(服薬後入眠までの出来事を覚えていない、途中覚醒時の出来事を覚えていない)、もうろう状態があらわれることがあるので、服用後はすぐに就寝することが望ましいとされています。眠くなるまで用事を片づけるというようなことは避けましょう。また、マイスリーは、長期の連用により依存を形成したり、服薬を中止したときの強い不眠(反跳性不眠)や離脱症状があらわれることがあるため、漫然とした長期の服用は避けるべきです。依存性に関するサルを用いた試験では、本剤はトリアゾラムと同程度の軽度ないし中等度の身体依存性形成能、トリアゾラムやニトラゼパムと同程度の弱い精神依存性形成能を有することが報告されています。 ■販売開始日2000 年 12 月 13 日 ■製造販売元アステラス製薬株式会社サノフィ株式会社(販売提携) 参考URL:ゾルピデム酒石酸塩錠<筆者プロフィール>薬剤師、某国立大大学院卒。大手ライフサイエンス関連企業にて、10年以上、医療用医薬品の研究開発業務に従事。専門は臨床開発。医療用医薬品の承認審査業務について、市場ニーズ調査、臨床試験デザイン、データ収集、解析、承認申請用資料作成などの観点から関わり、実績を挙げている。 Photo by Victor
2016年11月25日眠れない…薬を飲んでみようと思いつつ、副作用が怖くてなかなか手を出せない。病院に行くのが怖い。そんなあなたのために、不眠症の様々なお薬と、お薬を飲むときの注意点をご説明します。睡眠薬の様々な分類現在使用されている睡眠薬は、その半減期に基づいて超短時間作用型、短時間作用型、中間作用型、長時間作用型に分類されています。作用時間一般名製品名*臨床用量(mg)*消失半減期(時間)超短時間作用型ゾルピデムマイスリー5~102トリアゾラムハルシオン0.125~0.252~4ゾピクロンアモバン7.5~104短時間作用型ブロチゾラムレンドルミン0.25~0.57リルマザホンリスミー1~210ロルメタゼパムエバミール、ロラメット1~210中間作用型ニメタゼパムエリミン3~521フルニトラゼパムロヒピノール、サイレース0.5~224エスタゾラムユーロジン1~424ニトラゼパムベンザリン、ネルボン5~1028長時間作用型フルラゼパムダルメート、ベノジール10~3065ハロキサゾラムソメリン5~1085クアゼパムドラール15~3036メラトニンアゴニストラメルテオンロゼレム81オレキシンアンタゴニストスボレキサントベルソムラ15~2010*「睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン」、添付文書改変“起床後はスッキリ”が理想的睡眠薬は、寝床にいる間だけ効いて、起床後速やかにさめてくれるのが理想的です。夜間どんなにしっかり眠れても、起床後に眠気が残ってしまうのは、日中パフォーマンスの低下につながり避ける必要があります。同じ薬でも効果は人によって様々薬剤選択のポイントは、なるべく半減期の短い薬剤から投与し、翌朝に眠気を持ち越さないことです。もし半減期の短い薬剤で満足のいく効果が得られないようであれば、一段ずつ半減期の長い薬剤に変更しながら、起床時刻の手前から飲む時間を調節していきます。同じ薬剤でも、吸収代謝、作用時間は個人差が大きいこと、投与量が増えれば作用時間も長くなること、高齢の方では代謝・排泄機能の低下を考慮して成人量の半分から投与することなどの基本を押さえた上で、薬剤を選択していくことがポイントです。単剤投与が原則睡眠薬を単剤で長期間使用しても、高齢の方を除き、身体的、精神的な機能には大きく影響しません。一方、多剤併用の場合には、依存・耐性や転倒・ふらつきなどリスクの増大、さらに日中QOL(生活の質)の低下など弊害が生じやすいため、要注意です。患者さんの症状別、処方例●「この薬(超短時間作用型)を服用すると、目覚まし時計のアラームが鳴る2時間前に目が浅覚めてしまいます」⇒短時間作用型へ変更○⇒超短時間型に短時間作用型を追加△●「この薬(短時間作用型)を服用すると、途中で何度も目がさめて、眠れなくなります」⇒中間作用型へ変更○⇒短時間作用型に中間作用型と長時間作用型を追加×●短期間かつ頓服(症状があるときだけ服用)であれば許容範囲内とされる2剤投与もあります。1剤服用しても、どうしても入眠できない場合⇒超短時間作用型の追加●服用後に2,3時間で中途覚醒してしまい、その後、再入眠できない場合⇒超短時間作用型の追加●不安やイライラなど精神面で安定しない場合⇒抗不安薬と睡眠薬の併用近年登場した、様々なタイプの睡眠薬ロゼレム(一般名:ラメルテオン)はメラトニン受容体のMT1受容体に対する親和性がメラトニンの約6倍である一方、γ-アミノ酪酸(GABA)受容体への結合能を示さないので、従来の睡眠薬にみられる筋弛緩作用、記憶低下作用、中断時の反跳現象、離脱症状は生じません。副作用が少ない点から、通常の睡眠薬によるふらつきや残眠が生じやすい高齢者、呼吸抑制などが懸念される慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの方が使いやすい薬剤です。世界最先端の研究拠点つくばで生まれた睡眠薬ベルソムラ(一般名:スボレキサント)は覚醒効果のあるオレキシンがオレキシン受容体に結合することを妨げることにより不眠症に効果を示す、今までにない作用機序の新しい薬剤で、γ-アミノ酪酸(GABA)受容体を介した作用ではないため、認知機能障害などが生じにくいと考えられます。しかし、半減期が比較的長く、残眠に注意しながら使用する必要があります。やめ方にもコツがある睡眠薬を突然中止すると、服用する前よりさらにひどい不眠状態で出現する反跳性不眠や、不安感、振戦、発汗などの退薬症候が現われる可能性があります。睡眠薬服用に対して不安の強い方が、数回の服用後「眠れたから」と自己判断で服用を中止した場合が危険です。あらかじめこのリスクを理解しておかないと、反跳性不眠や退薬症候を「睡眠薬依存になってしまったのでは?」と勘違いして、睡眠薬に対する不安、偏見がますます強くなり、治療がこじれてしまいます。服用を開始する際には、眠れるようになっても急に薬を飲むのをやめたりせず、医師と相談しながら徐々に減量していくことを覚えておいてください。最初の週は無理のないよう、3/4錠、半錠、1/4錠と徐々に減量していく漸減法(ぜんげんほう)をとるようにします。休日前の金曜日の夜から徐々に始めましょう。半減期の長い中間作用型や長時間作用型の場合には、休日前夜などから始めて、服用しない日を徐々に増やしていく隔日法も可能になります。服用薬剤や患者さんのライフスタイルに合わせて、両者をうまくコンビネーションしながら、慌てず漸減していくことがポイントです。[参考]厚⽣労働科学研究・障害者対策総合研究事業「睡眠薬の適正使⽤及び減量・中⽌のための診療ガイドラインに関する研究班」および⽇本睡眠学会・睡眠薬使⽤ガイドライン作成ワーキンググループ 編 『睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン』 by Jamie
2016年10月20日「漢方薬は副作用がないから安心」「授乳中で薬は飲めないけど、葛根湯(かっこんとう)なら大丈夫」といった声を聞くことがあります。しかし、漢方薬も薬である以上、まったく副作用がないわけではないのだとか。薬局で買って飲む前に知っておきたい基礎知識を紹介します。■漢方=中国の医学じゃない!?漢方の歴史は古代中国で始まりましたが、5~6世紀頃に日本に伝わり、以来、独自の発展を遂げてきたと言われています。漢方は中国の医学ととらえている人も多いようですが、中国医学をもとにした日本独自の医学なのです。ちなみに、漢方という呼び名は、西洋医学の「蘭学」と区別するためにつけられのだそう。漢方薬は、植物や動物などの自然素材を原料にした複数の生薬(しょうやく)を組み合わせてつくられたもの。化学合成された成分が主体の西洋薬に比べて、一般的に作用が穏やかなものが多く、体にもやさしいと言われています。 ■体質に合わないと、副作用が出ることもただし、漢方薬にも副作用がないわけではありません。ひとりひとりの個人差を重視するのが漢方の考え方ですが、個人の体質や病気の状態に合わない使い方をすると、副作用が起こることもあると言われています。たとえば、一般的によく知られている漢方薬に、葛根湯があります。葛根湯には、免疫力を高め、発熱や炎症を和らげる作用があると言われていますが、胃腸が弱い人が飲むと、胃の調子が悪くなる場合もあるそう。漢方薬による主な副作用には、このほか、吐き気、下痢、発疹、じんましん、動悸などがあります。副作用は少ないか、出たとしても軽い症状であることがほとんどですが、漢方薬の一部には、重篤な副作用が出るものもあるようです。したがって、市販薬を含め、漢方薬を使うときは、薬剤師や医師に相談した上で服用するのが安心。また、漢方薬を服用して、体に異常や不快な症状があらわれたときは、すぐに医師の診察を受けましょう。■漢方は、女性特有の不調や慢性疾患に向いている漢方薬は、冷え性や肩こり、生理前の不快な症状(PMS)、生理痛、更年期症状など、病院に行くほどではないけれど、なんとなく不調という場合に、特に向いているとされています。また、赤ちゃんや母乳に影響を与える心配が少ないことから、妊娠中の便秘や、授乳中に起こる乳腺炎の治療に漢方薬が使われることも多いようです。生理や妊娠・出産の影響で不調を感じやすい女性やママにとって、漢方薬は強い味方になってくれそうですね。ただし、妊娠中や授乳中に飲んではいけない漢方薬もあるので、必ず薬剤師や医師に相談した上で服用するようにしましょう。ポピュラーな漢方薬は一般のドラッグストアでも市販されていますが、漢方専門の薬剤師がいる薬局に行くと、ひとりひとりの体質に合った漢方薬を調合してもらえます。また、漢方に詳しい医師が、西洋医学と漢方医学の双方の観点から診察した上で、漢方薬を積極的に処方してくれる病院も。健康管理に漢方を取り入れてみたい人は、最寄りの漢方専門の薬局や医療施設を探してみてはいかがでしょうか。
2016年06月05日東京工科大学は2月17日、副作用の少ない医薬品の開発へ応用可能なヒトラクトフェリンFc融合タンパク質の特許を取得したと発表した。同成果は同大応用生物学部の佐藤淳 教授らの研究チームと、バイオベンチャー企業のNRLファーマの共同研究によるもの。乳などに含まれるラクトフェリン(LF)は、抗腫瘍、抗炎症、抗酸化などさまざまなな生理活性を示すタンパク質として知られており、すでにウシ由来のLFは健康食品として使用されている。今回の研究では、LFの医薬品化を目指した。一般にタンパク質医薬品は、体内での安定性が低く、十分な薬効が得られないという課題がある。この問題を解決する手法として、タンパク質医薬品を抗体の一部であるIgG Fcと融合させる技術がすでに知られている。しかしこの技術では、免疫において外敵を排除する機能を持つ抗体の一部を使用することから、免疫細胞の活性化を介して副作用をもたらすという問題があった。これに対し同研究グループは、副作用をもたらす可能性のある免疫細胞の活性化を消失させるために、ヒト抗体の一部の配列を欠失させたIgG Fcを作製。これを用いたヒトLFとの融合タンパク質の作製に成功した。この融合タンパク質は、血中での安定性が大幅に向上し、副作用となる免疫細胞の活性化を示さないことが確認された。今回の特許は、この技術を使って作製したヒトラクトフェリンFc融合タンパク質が認められたもので、これにより、体内での安定性を向上させて増強した薬効と、副作用の少ない優れた安全性を持つ医薬品開発が期待される。
2016年02月18日副作用が心配で薬の服用を途中で勝手にやめてしまったことのある方はいませんか?そうすると、病気が治りにくくなったり、もっと危険な状態を招く可能性もあります。不安がある場合は、必ずお医者さんに相談しましょう。副作用は眠気だけじゃない!風邪をひいたとき、私たちの心強い味方になってくれるのが「薬」ですよね。でも、薬を飲むと、症状の改善と引き換えに副作用がやってくること、ありませんか?ちなみに、私たちが普段、何気なく使っている「副作用」という言葉の意味をおさらいしておきたいと思います。薬の服用によって望むべくして起きる作用を「主作用」、反対に期待しなかった作用を「副作用」と呼ぶのです。副作用と一言でいっても、その症状はさまざまで、眠気や喉の渇き、かゆみ、発疹、吐き気、めまい、胃痛、下痢、痙攣などがあげられます。こんなにいっぱいあるってこと、ご存知でしたか?副作用の原因とは?さて、この厄介な副作用はなぜ起きてしまうのでしょうか?これにもさまざまな理由が考えられるようです。・薬の使用方法を間違えて、たくさん飲んでしまった・薬の成分が予想外のところに作用し、影響が出た・自分のアレルギーを知らずに薬を使ってしまった・他の薬と一緒に服用してしまい、影響が出た・体調が優れない状態だったため、影響が出た副作用にはこれだけの理由があげられます。副作用が出てしまった場合は、必ずお医者さんに相談するようにしましょう。お薬手帳を持ち歩こう!副作用で眠気が出ることがわかっている薬もあります。たとえば、アレルギー薬としてよく使われる抗ヒスタミン薬などがその代表です。これらを服用する際には、薬を飲む時間、量、間隔に注意するようにしましょう。薬の種類によっては、飲み合わせなどの問題で副作用が増強してしまう場合もあります。できれば自分が現在飲んでいる薬をまとめた「お薬手帳」を持ち歩き、薬をもらう際に手帳を提示して、飲み合わせが悪いものなどがないか薬剤師などに確認してもらうとよいでしょう。とにかく心配事があったら、お医者さんや薬剤師に相談すること。それだけはしっかりと胸に刻んでおきましょうね!Photo by Arif Akhtar
2014年11月10日岡山大学は9月30日、代表的ながん治療薬であるパクリタキセルを用いた研究で、副作用を抑えながらがんを効率的に標的にする新たなドラッグデリバリーシステム(DDS)を開発したと発表した。同研究成果は同大学大学院自然科学研究科ナノバイオシステム分子設計学研究室の妹尾昌治 教授、岡山理科大学理学部の濱田博喜 教授と塩水港精糖の共同研究グループによるもので、米科学誌「PLOS ONE」に掲載された。パクリタキセルは広範囲ながんに有効ながら、副作用が強く、水にも溶けにくいためヒマシ油とエタノールを含む液に溶解させ、ブドウ糖液に分散させたものを点滴により投薬する方法がとられている。岡山理科大の濱田教授らは20年以上にわたりパクリタキセルに水溶性を持たせ、利用しやすいがん治療薬とする研究を行ってきたという。今回その研究に岡山大の妹尾教授が加わり、水溶性の高くなったパクリタキセルを用い、溶媒に対する溶解度の差を利用することで効率よくリソポーム(人工の小胞)に封入する技術の開発に成功した。さらに、リポソームの表面にがん細胞を認識する抗体を結合させる処理を行うことで、正常細胞には影響が少なく、がん細胞にのみ高い細胞毒性を発揮させることができたとのこと。同研究グループは「水溶性を高めたパクリタキセル誘導体を効率よくリポソームに封入し、がん細胞を特異的に認識する抗体を結合させるこの技術は、がん治療薬の副作用を抑制しつつ、がん細胞への集積効果を高めることのできる新たなDDSだ」とコメント。また、リポソームは肝臓を介して腸管へ排出されるが、パクリタキセルは腸管から吸収されないため、過剰投与しても副作用を起こすことが考えにくい安全な製剤が可能になるという。
2014年10月01日メドピアは5月14日~20日、同社が運営する医師コミュニティーサイト「MedPeer」で、「CT・MRI用造影剤の副作用対策」に関する調査を実施した。有効回答数は2,605件。「過去に小さな副作用が出た症例に対して、CT・MRI用の造影剤の投与前にステロイドを事前投与していますか?」という質問に対し、最も多かった回答は「特に対応せず検査実施」で49%だった。「事前投与はせず、いつでも対応できるようにステロイドを準備」「明らかな既往がなければ、ステロイドの予防投与はしない」といったコメントが見られた。続いて多かったのは、「小さな副作用でも検査を実施しない」で18%。「小さな副作用が次には大きな副作用で現れることも考えられる」「よほどの必要性がない限り、造影しない」という声があった。「ステロイドを事前投与」すると答えた医師は全体のは16%で、ステロイド剤の種類としては、サクシゾン、ソルコーテフ、プレドニンなどが挙げられた。一方、「どのくらい有効なのかは不明」との意見もあった。「ステロイド以外の対応」は4%、「その他」は13%で、「事前に使う場合もあるし、使わないで様子をみる場合や造影を回避する場合もあり、ケース・バイ・ケース」などの声が寄せられた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月05日人気、需要は依然高いが、副作用急増美容整形大国として知られるおとなりの韓国。2010年には、国内での手術件数が77万件を突破し、1人あたりの施術数でも、ハンガリーに次ぐ2位につけているという。現在も人気は高まる一方で需要も伸びているのだが、副作用の報告も急増しているそうだ。17日、ロイター通信が伝えている。二重にしたり、目を大きくしたりといった、日本でも多い美容整形も人気は高いが、とくに流行しているのは小顔整形だそうだ。若い女性の利用も多く、大学入試を終えた女子高校生が、大学入学を機に施術するケースがかなりあるという。クリニックのなかには「親子整形」をキャンペーンとして実施するところまであるそうだ。(画像はイメージ)偏見のなさが良い面である一方、流行行き過ぎの感も日本でも人気のガールズアイドルグループ、KARAのメンバーであるクハラをはじめ、芸能人が整形を認め公表するケースも増えているほど、偏見はあまりなく、社会的に美容整形が受け入れられているという地盤が韓国にはある。外見を重視するのは、とくに韓国独自の文化的要素でもあると指摘する声もある。しかし、昨今の流行はやはり行き過ぎの面あるとが医療関係者からも指摘されており、副作用の問題も急増しているという。韓国消費社員の調べによると、2008年に1698件の副作用報告があったが、昨年2011年には4043件にまで増加しているそうだ。韓国のみならず、流行で安易に拡大する危険な手術には、くれぐれも注意したい。元の記事を読む
2012年02月18日新しい研究によって、うつ病の薬でなんと「体重」が増えてしまうという危険が明らかになった。もちろん症状を改善することが第一だが、薬の副作用も合わせて知っておく必要がある。うつ病に使われるリチウムについて新たな発見1月19日に発表された医学研究(HealthDay News)によると、うつ病の治療薬に多用されている「リチウム」が体重の増加につながり、甲状腺副と甲状腺異常の原因になることがわかった。一方翌日20日に発表された研究(The Lancet)によると、肌あれや抜け毛などの症状や、懸念されていた子どもの先天性異常との関連はみられなかったという。70年代や80年代ほど人気はなくなってきているものの、リチウムはうつ症状を改善する薬として、最も効果的な薬だといわれており、今後もその状況はしばらく続くようだ。たくさんの副作用に注意をする必要があるしかしながら、上記であげた体重の増加や甲状腺と副甲状腺の異常の他にもリチウムはたくさんの副作用の危険をかかえる。吐き気、軽い胃けいれん、口の渇き、手足のしびれなどから始まり、腎臓の機能を少しずつ悪くすることもそのひとつだ。薬の服用には、自分でも知識をもったうえで、医師の判断をしっかりとあおぐことが大切である。編集部鈴木真美元の記事を読む
2012年01月29日